JP2013197634A - 電子部品及び発振器 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路基板に実装後に回路基板の変形や落下衝撃等の応力に耐え得る電子部品1を提供する。
【解決手段】本発明の電子部品1は、ベース部材2の第一面P1から第二面P2にかけて貫通する貫通電極5が形成され、第一面P1に電子素子4が実装され、第二面P2に貫通電極5に導通する導電層7と、導電層7が設置される領域に設置される応力緩和層9と、応力緩和層9に設置され、応力緩和層9に形成される開口部10を介して導電層7に電気的に接続する外部電極11とを備える。導電層7と応力緩和層9が重なる積層領域SRに、導電層7に形成される開口を介して応力緩和層9と第二面P2とが接触する接触領域CRを形成する。これにより、応力緩和層9と導電層7との間の密着性を向上させる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の電子部品1は、ベース部材2の第一面P1から第二面P2にかけて貫通する貫通電極5が形成され、第一面P1に電子素子4が実装され、第二面P2に貫通電極5に導通する導電層7と、導電層7が設置される領域に設置される応力緩和層9と、応力緩和層9に設置され、応力緩和層9に形成される開口部10を介して導電層7に電気的に接続する外部電極11とを備える。導電層7と応力緩和層9が重なる積層領域SRに、導電層7に形成される開口を介して応力緩和層9と第二面P2とが接触する接触領域CRを形成する。これにより、応力緩和層9と導電層7との間の密着性を向上させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ベース部材に電子素子を実装した電子部品及びこれを使用した発振器に関する。
近年、水晶振動片や半導体チップをベース部材に実装し、ベース部材の実装面とは反対側に外部回路と接続用の外部電極を形成した電子部品が実用されている。この種の電子部品は、例えば回路基板にベース部材を平面実装することができるので、低背化して高密度に実装することができる。
この種の電子部品として、特許文献1には、ガラスやシリコンからなるパッケージ部材と蓋とを陽極接合し、パッケージ部材と蓋との間に水晶振動片を気密封止した電子部品が記載されている。水晶振動片に駆動信号を伝達するための配線電極は、パッケージ部材の封止領域から封止領域の外側に引き出され、更に封止領域の外側に形成したスルーホールの内面に電極を設置し、このスルーホールの電極を介してパッケージ部材の裏面側に引き出される。スルーホールは蓋により塞がれているので、パッケージ内雰囲気が安定し、信頼性が向上することが記載されている。
図4は、特許文献2(特許文献2の図2)に記載される電子部品100の断面模式図である。電子部品100は、ガラスから成るベース102と蓋105の間に空洞部109が構成され、この空洞部109に水晶振動片106が真空封止される。水晶振動片106は、蓋105側のベース102の上面に形成される内部配線111の上の支持部107により片持ち状に支持される。ベース102の水晶振動片106が設置される側とは反対側の底面には外部電極117、118が形成される。ベース102の上面に形成される内部配線111、112とベース102の底面に形成される外部電極117、118とは、貫通電極113、114及び貫通電極113、114の端面に形成される接続層115、116を介してそれぞれ電気的に接続される。内部配線111、112は水晶振動片106に形成される図示しない励振電極に支持部107を介して電気的に接続される。
ここで、ベース102の底面には応力緩和層103が形成される。応力緩和層103には貫通電極113、114に対応する位置に開口部119、120が形成される。応力緩和層103のベース102とは反対側の下面には外部電極117、118が形成され、外部電極117、118は開口部119、120に露出する接続層115、116を介して貫通電極113、114に電気的に接続される。応力緩和層103は、電子部品100を回路基板等に平面実装したときに、回路基板に加わる応力により電子部品100が変形し、或いは破壊されるのを防止するために設けられている。例えば、ベース102をガラスにより形成し、応力緩和層103を形成しないで電子部品100をプリント基板に平面実装すると、プリント基板の撓みによりガラスにクラックが入り、損傷することがある。これに対して、ベース102と外部電極117、118との間に応力緩和層103を挿入すれば、プリント基板から加わる応力が応力緩和層103により緩和され、電子部品100の損傷を防止することができる。
特許文献2に記載される電子部品100では、貫通電極113、114の位置に開口部119、120が形成され、貫通電極113、114の直径と開口部119、120の直径がほぼ同じ大きさである。貫通電極113、114は、ガラス銀ペーストを熱処理により固化する、また金属棒を埋め込む、或いは金属メッキ処理を行う等により形成される。貫通電極113、114の直径は0.1mm〜0.2mmである。一方、応力緩和層103は、印刷法によりポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等が20μm〜50μmの厚さで形成される。印刷の際には開口部119、120が形成される。あるいは、ポリイミド樹脂等の樹脂層が形成され、その上に感光性樹脂が塗布されて、フォトリソグラフィ法及びエッチング法により開口部119、120が形成される。接続層115、116は金属膜から成り、スパッタリング法、蒸着法或いはメッキ法により貫通電極113、114の端面に形成され、外部電極117、118との間の密着性や導電性を向上させるために設けられている。
しなしながら、応力緩和層103の開口部119、120を貫通電極113、114の位置にほぼ同じ大きさの直径で形成することが難しい。特に、開口部119、120をフォトリソグラフィ及びエッチング法に比べて製造工数の少ない印刷法で形成する場合は、貫通電極113、114に対して位置ずれが発生する、或いは開口部119、120の直径が縮小し、貫通電極113、114と外部電極117、118との間が導通不良となることがある。
また、この導通不良を解消するために接続層115、116の外形を貫通電極113、114の端面の外形よりも大きく形成することが考えられる。しかし、応力緩和層103と接続層115、116との間の密着性が低いことから、電子部品100を回路基板等に平面実装すると、回路基板の変形、落下衝撃、振動等により応力緩和層103が接続層115、116の面から剥がれる、などの課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、回路基板に実装後の回路基板の変形や落下衝撃等の応力に耐え得る電子部品を提供することを目的とする。
本発明の電子部品は、第一面と前記第一面の反対側に第二面を有するベース部材と、前記第一面に設置される電子素子とを備え、前記ベース部材は、前記第一面から前記第二面にかけて貫通する貫通電極と、前記第一面に設置され、前記電子素子と前記貫通電極とを電気的に接続する内部電極と、前記第二面に設置され、前記貫通電極に電気的に接続する導電層と、前記導電層が設置される領域に設置される応力緩和層と、前記応力緩和層に設置され、前記応力緩和層に形成される開口部を介して前記導電層と電気的に接続する外部電極と、を備え、前記導電層が設置される領域と前記応力緩和層とが重なる積層領域において、前記導電層が開口し前記応力緩和層と前記第二面とが接触する接触領域を有することとした。
また、前記接触領域は、前記積層領域の単位面積当たり20%〜80%の割合を有することとした。
また、前記導電層は、平面視で網目又は櫛歯又は格子の形状を有することとした。
また、前記貫通電極の前記第二面における端面の位置は前記開口部が形成される位置とほぼ一致することとした。
また、前記ベース部材は平面視で略長方形を有し、前記導電層は前記略長方形の対向する2つの短辺の近傍であり短辺に沿って設置されることとした。
また、前記第一面に接合される蓋部材を備え、前記ベース部材と前記蓋部材により構成されるキャビティに前記電子素子が密封されることとした。
また、前記電子素子は水晶振動片であることとした。
本発明の発振器は、上記いずれかに記載の電子部品と、前記電子部品から供給される信号を処理する集積回路と、を備えることとした。
本発明の電子部品は、第一面と第一面の反対側に第二面を有するベース部材と、第一面に設置される電子素子とを備える。ベース部材は、第一面から第二面にかけて貫通する貫通電極と、第一面に設置され、電子素子と貫通電極とを電気的に接続する内部電極と、第二面に設置され、貫通電極に電気的に接続する導電層と、導電層が設置される領域に設置される応力緩和層と、応力緩和層に設置され、応力緩和層に形成される開口部を介して導電層と電気的に接続する外部電極と、を備える。導電層が設置される領域と応力緩和層とが重なる積層領域において、導電層が開口し応力緩和層と第二面とが接触する接触領域を有する。これにより、導電層と応力緩和層との間の密着力が向上し、回路基板等への実装後に印加される応力に耐えられる電子部品を提供することができる。
(基本構成)
本発明に係る電子部品は、第一面と第一面の反対側に第二面を有するベース部材と、第一面に設置される電子素子とを備える。ベース部材は、第一面から第二面にかけて貫通する貫通電極と、第一面に設置され、電子素子と貫通電極とを電気的に接続する内部電極と、第二面に設置され、貫通電極に電気的に接続する導電層と、この導電層が設置される領域の上に設置される応力緩和層と、この応力緩和層の上に設置される外部電極とを備える。応力緩和層には開口部が形成され、この開口部を介して導電層と外部電極とが電気的に接続される。
本発明に係る電子部品は、第一面と第一面の反対側に第二面を有するベース部材と、第一面に設置される電子素子とを備える。ベース部材は、第一面から第二面にかけて貫通する貫通電極と、第一面に設置され、電子素子と貫通電極とを電気的に接続する内部電極と、第二面に設置され、貫通電極に電気的に接続する導電層と、この導電層が設置される領域の上に設置される応力緩和層と、この応力緩和層の上に設置される外部電極とを備える。応力緩和層には開口部が形成され、この開口部を介して導電層と外部電極とが電気的に接続される。
更に、ベース部材の第二面において、導電層が設置される領域と応力緩和層とが重なる積層領域において、導電層は開口し、この開口を介して応力緩和層とベース部材の第二面とが接触する接触領域を有する。この接触領域を形成したことにより、導電層と応力緩和層との間の弱い密着力を第二面と応力緩和層との間の強い密着力により補強し、電子部品を回路基板等へ実装した後に印加される応力に耐えられるようにする。
導電層が設置される領域と応力緩和層との間の密着力が向上したことにより、導電層が設置される領域と応力緩和層とが積層する積層領域を広く形成することができる。応力緩和層に形成する開口部を第二面に露出する貫通電極の端面に正確に位置合わせする必要が無くなり、開口部の位置や大きさの形成精度が大幅に緩和される。そのため、応力緩和層を印刷法等により容易に形成することができる。
なお、ベース部材としてソーダ石灰ガラス、硼珪酸ガラス、無アルカリガラス、強化ガラス等を使用することができる。ベース部材の大きさは限定されないが、例えば、厚さが0.05mm〜2mm、一辺が0.5mm〜5mmの長方形である。ベース部材に埋め込まれる貫通電極は直径が0.1mm〜0.2mmである。なお、ベース部材の外形は長方形に限定されず、他の多角形や円形であってもよい。
貫通電極は、鉄−ニッケル合金、コバール合金、鉄−ニッケル−クロム合金、ジュメット線等の金属棒を埋め込み低融点ガラスにより封止する構造とすることができる。また、ベース部材に形成した貫通孔に金や銀等の金属粒子を含む導電性ペーストを充填し焼成して固化する、或いはメッキ法により貫通孔の側面に金属を堆積し、その後、導電ペーストを充填して固化して貫通電極を形成することができる。
導電層は、チタン、クロム、タングステン等の下地層に、金、銀、銅、アルミニウム、白金等を積層した多層構造の金属電極とすることができる。また、上記金属の単層構造の金属電極としてもよい。スパッタリング法や蒸着法により形成することができる。また、メッキ法により銅、金、ニッケル、錫等の単層又は多層に形成することができる。なお、貫通電極の材質に応じて接触抵抗の小さい材料を選定する。また、導電層を金や銀等の金属粒子を含む導電ペーストを塗布し固化して形成してもよい。
応力緩和層は、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、シアネート樹脂あるいはそれらを変性した樹脂を主成分とし必要に応じて無機物等のフィラーを添加したものを使用することができる。応力緩和層の厚さは10μm〜60μm、好ましくは20μm〜50μmとする。応力緩和層は、絶縁性であっても導電性であってもよい。導電性の応力緩和層としては、上記樹脂に導電フィラーを混入したものを使用することができる。導電フィラーとして、金、銀、銅、ニッケル、これら金属の合金からなるフィラーを使用することができる。
絶縁性樹脂は、導電性樹脂と比べて弾性係数が低く柔らかく、ベース部材であるガラス材料との密着性が良好であるため、応力緩和としての機能のみならず、強度・信頼性においても望ましい材料である。
絶縁性樹脂は、導電性樹脂と比べて弾性係数が低く柔らかく、ベース部材であるガラス材料との密着性が良好であるため、応力緩和としての機能のみならず、強度・信頼性においても望ましい材料である。
外部電極は、電解メッキ法や無電解メッキ法によりニッケル−リン系、ニッケル−ボロン系の材料を堆積して形成することができる。その他、スパッタリング法、蒸着法、印刷法等により金属膜、例えば、チタン、ニッケル、クロム、アルミニウム、銅、金、銀、白金、錫等を単独又は合金で、単層又は多層に形成することができる。また、導電ペーストを用いることもできる。また、例えば、エポキシ樹脂にAg粒子を含有した導電性樹脂を、スクリーン印刷を用いて形成しても良い。外部電極は0.1μm〜100μmの厚さに形成する。以下、実施形態に基づいて具体的に説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態に係る電子部品1の断面模式図である。図1(a)は電子部品1の断面模式図であり、図1(b)及び(c)は、導電層7の形成領域を拡大した断面模式図である。
図1は、本発明の第一実施形態に係る電子部品1の断面模式図である。図1(a)は電子部品1の断面模式図であり、図1(b)及び(c)は、導電層7の形成領域を拡大した断面模式図である。
図1(a)及び(b)に示すように、電子部品1は、ベース部材2と、ベース部材2の第一面P1に片持ち状に支持される水晶振動片からなる電子素子4と、内側に凹部を有し、この凹部により構成されるキャビティ12に電子素子4を収納してベース部材2の第一面P1に接合される蓋部材3と、を備える。ベース部材2は、第一面P1から第二面P2にかけて貫通する2つの貫通電極5と、第一面P1及び貫通電極5の端面に設置され、貫通電極5に電気的に接続する内部電極6と、内部電極6の上に設置され、電子素子4を支持する支持部8とを備える。ベース部材2は、第二面P2に、貫通電極5に電気的に接続する導電層7と、第二面P2及び導電層7が設置される領域に設置される応力緩和層9と、応力緩和層9に設置され、応力緩和層9に形成される開口部10を介して導電層7と電気的に接続する外部電極11とを備える。
これにより、二つの外部電極11は、導電層7、貫通電極5、内部電極6、図示しない配線電極及び支持部8を介して電子素子4と導通する。水晶振動片(電子素子4)はその上面及び下面に図示しない励振電極を備え、この励振電極が外部電極11と導通する。
図1(b)に示すように、導電層7は貫通電極5の第二面P2側の端面をカバーし、その周辺部の第二面P2に設置される。応力緩和層9はベース部材2の第二面P2及び導電層7が設置される領域に設置される。ここで、導電層7には多数の開口が形成され、この開口を介して応力緩和層9と第二面P2が接触し、接触領域CRを形成する。なお、導電層7の多数の開口は、スパッタリング法や蒸着法により金属材料を堆積する際に第二面P2の表面に金属材料の堆積を遮るマスクを設置して容易に形成することができる。
このように、導電層7に多数の開口を形成し、この開口を介して第二面P2と応力緩和層9とを接触させることにより、導電層7と応力緩和層9との間の弱い密着力を第二面P2と応力緩和層9との間の強い密着力により補強し、電子部品1を回路基板等へ実装した後に印加される応力に耐えられるようにする。
図1(c)は、貫通電極5の位置に対して応力緩和層9の開口部10が位置ずれするとともに、開口部10の直径が貫通電極5の端面の直径よりも縮径した場合を表す。このように、開口部10が位置ずれし、かつ縮径する場合でも、外部電極11と導電層7との間及び導電層7と貫通電極5の間は電気的に接続するので貫通電極5と外部電極11との間の抵抗が大きく増加することが無い。その結果、応力緩和層9を高精度にパターニングする必要が無いので、応力緩和層9を印刷法等により容易に形成することができる。
ここで、ベース部材2及び蓋部材3はソーダ石灰ガラスを使用し、厚さが0.1mm〜0.5mmであり、外形が0.65mm×1.3mmの長方形である。ベース部材2と蓋部材3とは陽極接合により接合する。貫通電極5は、予めベース部材2に形成した貫通孔に金属棒を埋め込みその周囲を低誘電ガラスにより封止して形成する。内部電極6はスパッタリング法や蒸着法により金属膜を堆積して形成する。支持部8は金属バンプ、例えば金バンプにより形成する。導電層7はスパッタリング法によりAu/Cr層を形成する。応力緩和層9は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、シアネート樹脂或いはそれらの変性樹脂のいずれかを使用する。なお、これらの材料は基本構成において説明した他の材料を使用することができる。外部電極11は導電性樹脂で形成されている。その表面には、めっき等により表面電極13を形成することが好ましい。外部電極11のみで電子部品1を回路基板等へ実装する場合に比べて、例えばAu/Ni又はSn/Cuよりなる表面電極13を形成すれば半田付け性が良く、実装材料の選択の幅が広がり、扱いも容易となる。
ベース部材2としてソーダ石灰ガラスを使用し、樹脂膜から成る応力緩和層9をベース部材2の表面に形成したときのせん断応力に対する破壊強度(以下、せん断破壊強度という。)を1として、スパッタリング法により形成した金の表面に応力緩和層9を形成したときのせん断破壊強度は0.43である。同様に、メッキ法により形成した金の表面に応力緩和層9を形成したときのせん断破壊強度は0.46、メッキ法により形成した銀の表面に応力緩和層9を形成したときのせん断破壊強度は0.75である。つまり、ソーダ石灰ガラスの表面の方が金属膜の表面よりも応力緩和層9のせん断応力に対する強度が大きい。
そこで、ベース部材2の第二面P2に設置される導電層7が設置される領域とその上に設置される応力緩和層9とが重なる積層領域SRにおいて、導電層7が開口し応力緩和層9とベース部材2の第二面P2とが接触する接触領域CRは、積層領域SRの単位面積当たり20%〜80%の割合とする。20%以下では応力緩和層9に対するせん断破壊強度が不十分となり、80%以上では貫通電極5と導電層7との間の接合面積及び導電層7と外部電極11との間の接合面積が減少し、接合抵抗が増大して信号の伝達が阻害される。
なお、上記実施形態では応力緩和層9を第二面P2に開口部10を除いて全面に設置したが、本発明はこれに限定されず、第二面P2の一部に形成してもよい。例えば第二面P2の中央部から応力緩和層9を除去し、水晶振動片の振動特性を調整するレーザートリミング用の窓を形成することができる。また、導電層7として比抵抗の小さい材料を使用すれば、応力緩和層9に形成する開口部10の位置を貫通電極5の位置に合わせる必要は無くなる。また、電子素子4として水晶振動片に限らず他の半導体素子を使用することができる。
図2はベース部材2の第二面P2に形成する導電層7のパターンを説明するための図である。図2(a)はベース部材2の第二面P2に導電層7を形成した状態を表す模式図であり、図2(b)〜(d)はベース部材2を第二面P2側から見る平面図である。図2(a)に示すように、ベース部材2は第二面P2側から見る平面視で長方形を有し、長方形の対角の位置に貫通電極5の端面が露出し、導電層7は長方形の対向する2つの短辺の近傍であり短辺に沿って、かつ貫通電極5の端面を覆うように設置される。
図2(b)に示すように、2つの導電層7を網目パターンとする。網目パターンの導電層7は貫通電極5の端面を覆うように形成され、貫通電極5と電気的に接続される。応力緩和層はこの導電層7が形成される第二面P2に形成され、開口部は貫通電極5の端面に重なるように形成してもよいし、貫通電極5とは異なる位置に形成してもよい。なお、導電層7の網目パターンにおいても、導電層7が設置される領域の応力緩和層9が重なる積層領域SRにおいて、導電層7が開口し応力緩和層と第二面P2とが接触する接触領域CRは、積層領域SRの単位面積当たり20%〜80%の割合を有する。これにより、応力緩和層9に設置される外部電極と貫通電極5との間の電気的接続を確保し、かつ、高いせん断破壊強度を実現することができる。
また、図2(c)に示すように、2つの導電層7を櫛歯パターンとする。櫛歯の部分が導電層7であり、櫛歯と櫛歯の間の領域が応力緩和層と第二面P2が接触する接触領域CRである。また、図2(d)に示すように、2つの導電層7を格子パターンとする。格子の部分が導電層7であり、格子の間隙が接触領域CRである。これらの場合も、接触領域CRは積層領域SRの単位面積当たり20%〜80%の割合を有するものとする。
なお、導電層7は長方形の対向する2つの短辺の近傍であり短辺に沿って形成することに代えて、貫通電極5の端面を覆う円形や楕円形であってもよいし、その他の形状とすることができる。以上の通り、導電層7と応力緩和層の積層領域SRに接触領域CRを形成したことにより、導電層7と応力緩和層との間の弱い密着力を第二面P2と応力緩和層との間の強い密着力により補強し、電子部品1を回路基板等へ実装した後に印加される応力に耐えられるようにする。
(第二実施形態)
図3は、本発明の第二実施形態に係る発振器15の上面模式図である。本第二実施形態は上記第一実施形態の水晶振動片を密封した電子部品1を組み込んで発振器15を構成する。図3に示すように、発振器15は、基板18と、この基板18上に平面実装される電子部品1と、集積回路16及び他の電子部品17とを備えている。電子部品1は、外部端子に与えられる駆動信号に基づいて一定周波数の信号を生成し、集積回路16及び他の電子部品17は、電子部品1から供給される一定周波数の信号を処理して、クロック信号等の基準信号を生成する。本発明による発振器15は、衝撃に強い高信頼性を有し、かつ小型に形成することができるので、発振器の全体を一層コンパクトに構成することができる。
図3は、本発明の第二実施形態に係る発振器15の上面模式図である。本第二実施形態は上記第一実施形態の水晶振動片を密封した電子部品1を組み込んで発振器15を構成する。図3に示すように、発振器15は、基板18と、この基板18上に平面実装される電子部品1と、集積回路16及び他の電子部品17とを備えている。電子部品1は、外部端子に与えられる駆動信号に基づいて一定周波数の信号を生成し、集積回路16及び他の電子部品17は、電子部品1から供給される一定周波数の信号を処理して、クロック信号等の基準信号を生成する。本発明による発振器15は、衝撃に強い高信頼性を有し、かつ小型に形成することができるので、発振器の全体を一層コンパクトに構成することができる。
1 電子部品
2 ベース部材
3 蓋部材
4 電子素子
5 貫通電極
6 内部電極
7 導電層
8 支持部
9 応力緩和層
10 開口部
11 外部電極
12 キャビティ
13 表面電極
15 発振器
16 集積回路
17 電子部品
18 基板
P1 第一面、P2 第二面
SR 積層領域、CR 接触領域
2 ベース部材
3 蓋部材
4 電子素子
5 貫通電極
6 内部電極
7 導電層
8 支持部
9 応力緩和層
10 開口部
11 外部電極
12 キャビティ
13 表面電極
15 発振器
16 集積回路
17 電子部品
18 基板
P1 第一面、P2 第二面
SR 積層領域、CR 接触領域
Claims (8)
- 第一面と前記第一面の反対側に第二面を有するベース部材と、前記第一面に設置される電子素子とを備え、
前記ベース部材は、前記第一面から前記第二面にかけて貫通する貫通電極と、前記第一面に設置され、前記電子素子と前記貫通電極とを電気的に接続する内部電極と、前記第二面に設置され、前記貫通電極に電気的に接続する導電層と、前記導電層が設置される領域に設置される応力緩和層と、前記応力緩和層に設置され、前記応力緩和層に形成される開口部を介して前記導電層と電気的に接続する外部電極と、を備え、
前記導電層が設置される領域と前記応力緩和層とが重なる積層領域において、前記導電層が開口し前記応力緩和層と前記第二面とが接触する接触領域を有する電子部品。 - 前記接触領域は、前記積層領域の単位面積当たり20%〜80%の割合を有する請求項1に記載の電子部品。
- 前記導電層は、平面視で網目又は櫛歯又は格子の形状を有する請求項1又は2に記載の電子部品。
- 前記貫通電極の前記第二面における端面の位置は前記開口部が形成される位置とほぼ一致する請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子部品。
- 前記ベース部材は平面視で略長方形を有し、前記導電層は前記略長方形の対向する2つの短辺の近傍であり短辺に沿って設置される請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子部品。
- 前記第一面に接合される蓋部材を備え、
前記ベース部材と前記蓋部材により構成されるキャビティに前記電子素子が密封される請求項1〜5のいずれか一項に記載の電子部品。 - 前記電子素子は水晶振動片である請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子部品。
- 請求項1に記載の電子部品と、
前記電子部品から供給される信号を処理する集積回路と、を備える発振器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2012059510A JP2013197634A (ja) | 2012-03-16 | 2012-03-16 | 電子部品及び発振器 |
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JP2012059510A JP2013197634A (ja) | 2012-03-16 | 2012-03-16 | 電子部品及び発振器 |
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2015084385A (ja) * | 2013-10-25 | 2015-04-30 | セイコーインスツル株式会社 | 電子デバイス |
WO2015060120A1 (ja) * | 2013-10-23 | 2015-04-30 | 株式会社村田製作所 | 水晶振動装置 |
JP2015226190A (ja) * | 2014-05-28 | 2015-12-14 | 日本電波工業株式会社 | 水晶発振器 |
-
2012
- 2012-03-16 JP JP2012059510A patent/JP2013197634A/ja active Pending
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WO2015060120A1 (ja) * | 2013-10-23 | 2015-04-30 | 株式会社村田製作所 | 水晶振動装置 |
JP2015084385A (ja) * | 2013-10-25 | 2015-04-30 | セイコーインスツル株式会社 | 電子デバイス |
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