JP2013196741A - 多層光ディスク - Google Patents

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Abstract

【課題】主にハードコート層に亀裂が発生するのを防止することが可能な多層光ディスクを提供することを目的とする。
【解決手段】多層光ディスクは、基板上に担持され複数の記録層からなる多層記録層と多層記録層の上に形成されたカバー層とを備える。多層光ディスクは複数の記録層の隣接同士間ごとに各々配置された複数の中間層を有し、カバー層が表面にハードコート層を有し、カバー層が多層記録層の膜厚よりも薄く形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は多層光ディスクに関し、特に、複数の中間層の隣接同士間ごとに各々が積層された複数の記録層からなる多層記録層とカバー層とを含む多層光ディスクに関する。
多層光ディスクとしてブルーレイディスク(登録商標)(BD)が知られている。BDの片面2層記録層タイプのBDDLは最大50Gバイトの記憶容量を有している。さらに、BDの拡張仕様であるBDXL(登録商標)の片面3層タイプ(TL)では100Gバイト、片面4層タイプ(QL)では128Gバイトの記憶容量を持つ多層光ディスクが市販されている。
BDXLにおいては、1.1mm厚の基板上にスペーサ層を介して記録層が3層又は4層積層され、その上に53μm〜57μmの膜厚のカバー層が形成され、カバー層側からレーザ光が集光されて、データが記録、再生されるように構成されている。さらに、かかる多層光ディスクにおいては、記録再生する際にレーザ光が透過するカバー層の表面に傷がつかないように、傷防止のハードコート層が設けられている。
多層光ディスクにおいては、基板の片面に様々な層が積層されディスク表裏で対称な構造となっていないので、温度の変化などにより基板が伸縮して光ディスクに反りが生じ易いという問題があった。そこで、光ディスクの反りを防止する技術として、ベースとなるポリカーボネート基板の表裏に応力が釣合うようにハードコート層と反対側の主面にバックコート層を設ける構造が提案されている(特許文献1〜2、参照)。
特開平3−263625号公報 特許3431612号公報
しかしながら、特許文献の先行技術では、バックコート層を形成する故にコストが上昇し、製造工程数の増加による歩留まり悪化が懸念される。
さらに、多層光ディスクに反りが生じなくとも、温度変化や湿気の吸収など外部環境変化に応じて多層光ディスクを構成するすべての層の界面方向に大きな引張及び圧縮応力が加わる。最表面のハードコート層にも、他の層と同様に、大きな引張及び圧縮応力が加わるので、亀裂が発生するという問題があった。
そこで本発明は、上述した問題に鑑みなされたもので、主にハードコート層の亀裂発生を防止することができる多層光ディスクを提供することが課題の一例として挙げられる。
本発明による多層光ディスクは、基板上に担持されかつ複数の中間層及び前記中間層の隣接同士間ごとに各々が積層された複数の記録層からなる多層記録層と、前記多層記録層の上に形成されたカバー層と、を備えた多層光ディスクであって、
前記カバー層の表面にハードコート層が積層され、
前記カバー層とハードコート層の合計膜厚が前記多層記録層の膜厚よりも薄く形成されていることを特徴とする。
本発明の実施形態の片面8層光ディスクの概略部分断面図である。 実験光ディスクの概略部分断面図である。 膜割れ実験方法の装置を説明するための模式的線図である。 実施形態の実験光ディスクにおける(中間層+ハードコート層膜厚)に対する膜割れ発生率の変化を示すグラフである。 サンプル光ディスクの概略部分断面図である。 実施形態のサンプル光ディスクにおける膜厚比R((カバー層+ハードコート層膜厚)/多層記録層膜厚)に対する膜割れ発生率の変化を示すグラフである。 実施例のポリカーボネート樹脂基板を採用した多層光ディスクのハードコート層側の主面の一部を撮影した光学顕微鏡写真である。 実施例のポリカーボネート樹脂基板を採用した多層光ディスクにおける基板半径方向位置に対する反り角の変化を示すグラフである。 実施例のシクロオレフィンポリマー樹脂基板を採用した多層光ディスクのハードコート層側の主面の一部を撮影した光学顕微鏡写真である。 本発明のシクロオレフィンポリマー樹脂基板を採用した多層光ディスクにおける基板半径方向位置に対する反り角の変化を示すグラフである。
以下に、本発明の多層光ディスクの一例の実施形態としての片面8層光ディスクを、図面を参照しつつ説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
図1は、本実施形態の片面8層光ディスクの概略部分断面図である。
この片面8層光ディスクは、基板1上に担持され複数の記録層L0〜L8を含む多層記録層と該多層記録層の上に形成されたカバー層4とハードコート層4bを有する。具体的には、多層光ディスクは基板1上に案内用グルーブ又はピット(図示せず)を有する第1層目の記録層L0が設けられ、その上に中間層2及び第n層目記録層Ln(n=1〜8)を単位積層として第8層目記録層L8まで順次積層された多層記録層LBが設けられ、その上にカバー層4とハードコート層4bが積層された構成を有する。光ディスクの記録層の保護を目的としたカバー層4の最表面には、カバー層の一部としてハードコート層4bが形成されている。
この光ディスクの情報信号の記録再生は、例えば、レーザ光がハードコート層4bを通じて片側から記録層ごとに集光されることによって行われる。第1層目の記録層L0は対物レンズ(図示せず)によって集束され複数の記録層Lnを通過したレーザ光によって記録再生が行われる故に、隣接の記録層の間にあるスペーサ層の中間層2は、光透過性を有している必要がある。
基板1の材料としては、ガラスなど無機材料またはポリカーボネート系樹脂もしくはシクロオレフィン系樹脂などの樹脂材料を使用できるが、コストなどの点を考慮すると、樹脂材料を使用することが好ましい。
記録層L0〜L8の各々は図示しないが単一膜又は複数膜からなる。光ディスクが再生専用型である場合には、記録層は、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銀合金、アルミニウム(Al)またはアルミニウム合金などからなる金属反射膜により構成される。光ディスクが追記型である場合には、記録層は、例えば、アゾ色素などの有機材料記録膜と金属反射膜を積層して構成され、或いは、記録層は、例えば、反射膜、下層誘電体膜、金属窒化物など無機材料記録膜及び上層誘電体膜を順次積層して構成される。また、光ディスクが書き換え可能型である場合には、記録層は、例えば、反射膜、下層誘電体膜、AgInSbTeなど相変化記録膜及び上層誘電体膜を順次積層して構成される。有機材料の成膜にはスピンコート法など湿式塗布法が用いられ、無機材料の成膜にはスパッタ法など乾式塗布法が用いられる。なお、追記型又は書き換え可能型である場合に第1層目の記録層L0のみ単なる反射膜として構成してもよい。記録層L1〜L8の各々は、λ=405nmのレーザ光において、無機材料又は有機材料を問わず、透過率85%以上、反射率が2%以下となる膜材料及び膜構成が望ましい。
中間層2はスペーサ層であり、図1ではスペーサ層膜厚は略一定として示しているが、スペーサ層はそれぞれ隣接記録層からの読み取り信号の光学的干渉を防ぐ様々な膜厚で積層されていてもよい。各中間層2上には基板1と同様に案内用グルーブ又はピットが形成されていてもよい。
スペーサ層の中間層2は、ガラス転移温度を有する紫外線硬化樹脂などの電磁波照射で硬化する樹脂から成膜される。中間層の紫外線硬化樹脂は、ディスク完成後の反りを少なくするためにガラス転移温度が低くさらに弾性率も低いものが望まれる。例えば、中間層材料はガラス転移温度が50℃以下、弾性率が200MPa以下のものが望ましい。
カバー層4及びハードコート層4bは、例えば、スピンコート法など湿式塗布法による紫外線硬化樹脂層や、接着用の紫外線硬化樹脂層とポリカーボネートシートの貼着とからも構成できる。ハードコート層4bは中間層2の弾性率以上の弾性率を有する紫外線硬化樹脂が望ましい。
かかる多層光ディスクの作製方法を簡単に説明する。
まず、主面に第1層目の記録層として転写すべき案内用グルーブ又はピット(所謂、凹凸面)が形成された透明な基板1を用意しておく。
他方において、第n層目記録層として基板に転写すべき案内用グルーブ又はピットの反転形状(以下、単にスタンパ凹凸面という)が形成されているニッケルなどの金属スタンパを用意しておく。
基板1の第1層目の記録層L0上に上記中間層用の中間層紫外線硬化樹脂(液状)をスピンコート法で塗布し、この塗布膜上に金属スタンパのスタンパ凹凸面を押圧した状態で、透明基板を介して紫外線照射して中間層紫外線硬化樹脂を硬化させて、中間層2を第2層目の凹凸面とともに形成する。そして、金属スタンパをスペーサ層の中間層2から剥離する(転写ステップ)。
次に、転写された第2層目の凹凸面上にスパッタ法で所定の記録膜などを積層し、第2層目の記録層L1を成膜する(成膜ステップ)。
成膜ステップにて得られた記録層を基板1の被転写面側として、再び転写ステップ及び成膜ステップの一連を7回繰り返すことによって8層の記録層からなる多層記録層が作成される。
多層記録層の最上層の記録層上にカバー層4とハードコート層4bを形成すれば、多層光ディスクが完成する。同様に、転写ステップ及び成膜ステップの一連を15回繰り返すことによって16層の記録層からなる多層記録層を有する多層光ディスクも製造できる。
図1に示す実施形態では、第1層目の記録層L0から、中間層2及び第n層目記録層Ln(n=1〜8)を単位積層として第8層目記録層L8までそれぞれが案内用グルーブ又はピットを有する多層光ディスクを示したが、L0層に案内用グルーブのみ設け、L1〜L8層にはグルーブもピットも存在しない構造とする事もできる。
図1示す多層光ディスクは、記録層L0〜L8の隣接同士間ごとに各々が積層された中間層2を有し、カバー層4とハードコート層4bの合計膜厚(以下、単にカバー層+ハードコート層膜厚と記載する)が多層記録層LBの合計膜厚よりも薄く形成されている。記録層の膜厚はnmオーダーで中間層の膜厚はμmオーダーである故に、それぞれ複数の記録層の膜厚と中間層の膜厚の合計からなる多層記録層LBの合計膜厚(ここでは、単に多層記録層膜厚と記載している)は複数の中間層2の合計膜厚にほぼ等しい。すなわち、カバー層+ハードコート層膜厚をCtとし中間層2のそれぞれの膜厚をt1,t2,t3,t4,t5,t6,t7,t8とする場合、Ct<t1+t2+t3+t4+t5+t6+t7+t8となるように構成する。
カバー層+ハードコート層膜厚が複数の中間層2の合計膜厚、即ち多層記録層膜厚よりも薄く形成されるべき根拠は、ハードコート層4bの弾性率以下である弾性率を有する紫外線硬化樹脂からなる中間層2を設けることにより、外部環境変化に対しても殆どハードコート層の亀裂を招来しないことを見出した故である。かかる亀裂非発生の現象は、カバー層自体の伸縮の応力がその膜厚にほぼ比例するのでカバー層を薄膜とし、さらに、中間層の粘弾性により、基板の伸縮変形のエネルギーを蓄え変形の応力下で歪みがその平衡値に経時的に近づくので、基板の温度変化などに起因する歪みを厚い中間層の群で吸収し、ハードコート層への伸縮の応力を減少させる故と推察できる。
厚い中間層の群が必要であるが、多層光ディスクの厚さは限界があるので、カバー層の中間層の群に対する厚さの膜厚比R((カバー層+ハードコート層膜厚)/多層記録層膜厚)を小さくすることを要する。結論として、ハードコート層の亀裂の防止ためには、許容範囲において比率Rを小さくするのが好ましい。
更に、上記の膜厚比Rを大きく選定するには、他の要素によって限界があるので、基板材料としてなるべく吸湿による変形の少ない基板材料を選定すべきである。例えば、基板材料はポリカーボネートよりもシクロオレフィンポリマー樹脂の方が望ましい。一般的にシクロオレフィンポリマー樹脂からなる基板は吸水性が低く寸法安定性に優れるが、金属や紫外線硬化樹脂との密着性が悪いため、基板表面を改質する必要がある。そこで、シクロオレフィンポリマー樹脂基板表面にオゾン照射を施し、基板樹脂表面に極性基を発生させ密着力を向上させることが好ましい。かかる基板表面改質として、にオゾン照射のほか、コロナ放電処理を施してもよい。
実施例として基板のL0層に案内用グルーブのみ設けた実験光ディスクを作成した。実施例に用いられる中間層及びハードコート層の紫外線硬化樹脂材料のサンプルを用意した。表1は、用意した中間層及びハードコート層の紫外線硬化樹脂材料の物性の一部を示す。カバー層と中間層は同じ材料を使用した。
まず、厚い中間層を含む実験光ディスクとして下記の層構造を持つ光ディスクを作製し、評価した。すなわち、図2に示すように、層構造として120mm直径1.1mm厚のポリカーボネート基板1上にスパッタ成膜された15nm厚の銀(Ag)合金のL0層の上に中間層2を介して積層し、中間層2の膜厚(以下、単に中間層膜厚という)が15.1μm〜191μmとなる複数の実験光ディスクを作製した。なお、実験光ディスクの中間層2は材料A製又は材料B製であり、中間層上に材料C製又は材料D製の4μm厚のハードコート層4bを積層した。作製した実験光ディスクについて、材料A製の中間層と材料C製のハードコート層を有するものは(材料A,C)と呼び、材料B製の中間層と材料C製のハードコート層を有するものは(材料B,C)と呼び、材料A製の中間層と材料D製のハードコート層を有するものは(材料A,D)と呼ぶ。
作製した実験光ディスクごとに下記膜割れ実験方法にてハードコート層の膜割れ発生を調べた。
[膜割れ実験]
図3に示すように、電子天秤とM3袋ナット(ステンレス・生地)の簡易圧子Pを準備して、電子天秤測定面上に実験光ディスクDをハードコート層を上に向けて置き、圧子Pを各実験光ディスクの1枚につき、一定荷重(40〜50N、5〜10sec保持(4〜5Kgf表示))で5回、押し込み後、光学顕微鏡でハードコート層膜表面を観察した。
[実験光ディスク結果]
実験光ディスクDの(材料A,C)(材料B,C)及び(材料A,D)について膜割れ発生率(膜割れディスク/ディスク総数)を計算した結果を表2、3及び4示す。なお、膜厚はディスク中心から半径(r=)40mmの位置における平均値である。
また、比較としてBD−R DLの1及び2の光ディスク(カバー層膜厚75μm)を用意し、それぞれ上記膜割れ実験方法にてハードコート層の膜割れ発生を調べた。
図4は、これらの実験光ディスクと比較光ディスクについて、中間層とハードコート層の合計膜厚(中間層+ハードコート層膜厚)に対する膜割れ発生率の変化を比較したグラフを示す。
上記の試験結果から、中間層膜厚(すなわち紫外線硬化樹脂総膜厚又は合計膜厚)が50μm超えると膜割れは発生するが、BD−R DLでは膜割れが発生しないことから、100μmより厚く、特に200μmを超える領域で顕著となる。
[サンプル光ディスク]
次に厚い中間層を含むサンプル光ディスクとして下記の層構造を持つ光ディスクを作製し、評価した。すなわち、図5に示すように、層構造として120mm直径1.1mm厚のポリカーボネート基板1上に、15nm厚の銀(Ag)合金のL0層、51.2μm〜300μm厚の中間層2(材料A製)、30nm厚の無機材料誘電体膜の記録層L1、4μm〜250μm厚のカバー層4,4b(4μm厚のハードコート層(材料C製)を含む)の順に積層された複数のサンプル光ディスクを作製した。かかるサンプル光ディスクは膜厚比R((カバー層+ハードコート層膜厚)/多層記録層膜厚)を変えてカバー層+ハードコート層膜厚と中間層の膜厚をおおよそ300μm前後に保ったものとした。
作製したサンプル光ディスクごとに上記膜割れ実験方法にてハードコート層の膜割れ発生を調べた。
[サンプル光ディスク結果]
膜割れ発生率(膜割れディスク/ディスク総数)を計算した結果を表3に示す。表5の下2段は、各光ディスクの膜厚比R((カバー層+ハードコート層膜厚)/多層記録層膜厚)と膜割れ発生率とを示す。膜厚はディスク中心から半径(r=)40mmの位置における平均値である。
図6は、これらのサンプル光ディスクについて、膜厚比R((カバー層+ハードコート層膜厚)/多層記録層膜厚)に対する膜割れ発生率の変化を比較したグラフを示す。
以上の結果によれば、サンプル光ディスクでは、カバー層+ハードコート層膜厚が50μm以下だと膜割れの変化はほとんどないが、50μmを超え100μmを過ぎると、膜割れ発生率が増加して変化していることが分かる。
さらに、膜厚比R((カバー層+ハードコート層膜厚)/多層記録層膜厚)が0.2より大きいと膜割れは発生しやすく、Rが1を超える領域で顕著となることが分かる。カバー層+ハードコート層膜厚を中間層に比べ薄く、すなわち、中間層をカバー層+ハードコート層膜厚に比べ厚く中間層を形成した方が膜割れを抑制できることが分かる。
[高温高湿度加速試験]
次に厚い中間層を含むディスクとして下記の層構造を持つ光ディスクを作製し、評価した。すなわち、層構造として120mm直径1.1mm厚のポリカーボネート基板1上に、15nm厚の銀(Ag)合金の記録層L0、220μm厚の中間層2(材料A製)、80nm厚の無機材料(下層誘電体膜、熱吸収膜、記録膜、上層誘電体膜)の記録層L1、76μm厚のカバー層4、4μm厚のハードコート層(材料C製)の順に積層されたディスクを作製した。
さらに、基板1をシクロオレフィンポリマー樹脂にて作成した以外、上記の作製したディスクと同一の実施例ディスク作製した。
基板のシクロオレフィンポリマー及びポリカーボネート樹脂の物性の一部を表6に示す。
作製したディスクごとに高温高湿度加速試験方法にてハードコート層の膜割れ発生を調べた。高温高湿度加速試験は、密閉容器中で温度80℃及び湿度80%RHの状態でディスクを50時間静置して行った。高温高湿度加速試験後、光学顕微鏡でディスクごとにハードコート層膜表面を観察した。
[ディスク結果]
多層記録層とカバー層とからなるディスクの層構造において、厚い紫外線硬化樹脂層を複数有する場合、その紫外線硬化樹脂層形成時に大きな膜応力が発生し、ディスクの反りを悪化させる。そのディスクについて80℃80%RHのような高温高湿度加速試験を実施すると、ポリカーボネート樹脂基板を使用した場合、基板収縮により紫外線硬化樹脂の膜応力が開放され、図7に示すように主にハードコート層において主にハードコート層内部に亀裂が発生し、図8に示すように応力開放による基板半径方向の反り角度の変化が起こる。
それに対しベース基板に吸水性が低く寸法安定性に優れるシクロオレフィンポリマー樹脂を基板に採用した場合、図9に示すように主にハードコート層に亀裂を発生させること無く、図10に示すように基板半径方向の反り角度の変化を抑えられる。
以上の結果より、実施例では、ハードコート層の弾性率以下である弾性率を有する紫外線硬化樹脂からなる中間層をベース基板上に形成しているので、温度変化による反り角の変化を悪化させることなしに、高温度又は高温高湿度時における主にハードコート層の亀裂の発生を抑制することができることが分かる。
なお、図1では、第1層目の記録層L0から、中間層2及び第n層目記録層Ln(n=1〜8)を単位積層として第8層目記録層L8まで有する多層光ディスクを示したが、各中間層2を、中間層と転写層の2層とする事もできる。すなわち、多層記録層LBの各中間層2は2種類以上の樹脂層で構成しても良い。
1 基板
2 中間層
4 カバー層
4b ハードコート層
L0〜L8 記録層

Claims (5)

  1. 基板上に担持されかつ複数の中間層及び前記中間層の隣接同士間ごとに各々が積層された複数の記録層からなる多層記録層と、前記多層記録層の上に形成されたカバー層と、を備えた多層光ディスクであって、
    前記カバー層の表面にハードコート層が積層され、
    前記カバー層とハードコート層の合計膜厚が前記多層記録層の膜厚よりも薄く形成されていることを特徴とする多層光ディスク。
  2. 前記カバー層の膜厚を前記多層記録層の膜厚で除した膜厚比が0.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の多層光ディスク。
  3. 前記多層記録層の膜厚は、100μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層光ディスク。
  4. 前記中間層は、前記ハードコート層の弾性率以下である弾性率を有する紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の多層光ディスク。
  5. 前記中間層は2層以上の樹脂層で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の多層光ディスク。
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