JP2013195015A - ミスト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境の変化に対応してミストによる冷却が有効に行われるミスト装置を提供すること。
【解決手段】ミスト装置10は、噴霧圧力調節機構としてノズル28に導かれるミストの噴霧圧力を調節するレギュレータ25を備え、環境情報を取得する環境情報取得手段として風速計31、風向計32、温度計33を備え、取得される環境情報に応じてレギュレータ25の作動を制御するコントローラ30を備える。
【選択図】図1
【解決手段】ミスト装置10は、噴霧圧力調節機構としてノズル28に導かれるミストの噴霧圧力を調節するレギュレータ25を備え、環境情報を取得する環境情報取得手段として風速計31、風向計32、温度計33を備え、取得される環境情報に応じてレギュレータ25の作動を制御するコントローラ30を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、屋外にて水をミストとして噴霧して、周囲の雰囲気温度を下げるミスト装置に関するものである。
従来、集客施設や通路付近等にノズルを取り付け、このノズルから水をミストとして噴霧するミスト装置が知られている。ノズルから噴霧したミストが蒸発することにより、周囲の雰囲気温度を下げられる。
特許文献1で開示されたミスト装置は、気温、風速を検知し、気温が所定値より高く、風速が所定値より低い条件で、ミスト噴霧を行い、気温が低いときや風が強いときには、ミスト噴霧を停止するようになっている。
特許文献1で開示されたミスト装置は、気温、風速に応じてミスト噴霧を停止する制御が行われるが、気温、風速等の環境の変化に応じてミストの噴霧状態が変えられないため、環境の変化によってミストによる冷却が有効に行われないという問題点があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、環境の変化に対応してミストによる冷却が有効に行われるミスト装置を提供することを目的とする。
本発明は、ノズルから水をミストとして噴霧するミスト装置であって、ノズルに導かれるミストの噴霧圧力を調節する噴霧圧力調節機構と、環境情報を取得する環境情報取得手段と、環境情報に応じてミストの噴霧圧力を制御する噴霧圧力制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明では、気温、風速等の環境情報に応じてミストの噴霧圧力が制御されるため、環境の変化に対応してミストの粒径や勢い等の噴霧状態が変えられる。これにより、環境の変化に対応してミストによる冷却が有効に行われるミスト装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、屋外に設置されるミスト装置10の概略構成を示している。このミスト装置10は、例えば集客施設や通路等において、人の上方に配置されるノズル28を備える。ミスト装置10のミスト噴霧時には、ノズル28から水をミストとして噴霧し、噴霧したミストが蒸発することにより、周囲の雰囲気温度が下げられる。
図1は、屋外に設置されるミスト装置10の概略構成を示している。このミスト装置10は、例えば集客施設や通路等において、人の上方に配置されるノズル28を備える。ミスト装置10のミスト噴霧時には、ノズル28から水をミストとして噴霧し、噴霧したミストが蒸発することにより、周囲の雰囲気温度が下げられる。
ミスト装置10は、ノズル28に加圧水を供給する水圧源20として、加圧水を吐出する水圧ポンプ24と、加圧水の圧力を調節するレギュレータ25とを備える。
水圧ポンプ24とノズル28とは、加圧水供給通路27によって連結されている。加圧水供給通路27は、水圧ポンプ24の吐出口に開閉弁26及びレギュレータ25を介して接続される。
水圧ポンプ24は、電動モータ(図示せず)によって作動し、図1に矢印Aで示すように水道等の水源から供給される水を吸い込んで加圧し、矢印Bで示すように加圧水をその吐出口から加圧水供給通路27に吐出する。水圧ポンプ24を駆動する電動モータには、コントローラ30から駆動電流が供給される。
なお、水圧源20は、上述した構成に限らず、加圧水供給通路27を水圧ポンプ24を介さずに水道に接続する構成としてもよい。また、水圧源20は、加圧水供給通路27を例えば加圧水を貯留するタンク等に接続する構成としてもよい。
ミスト装置10は、ノズル28に導かれるミストの噴霧圧力を調節する噴霧圧力調節機構としてレギュレータ25を備える。レギュレータ25は、通過する加圧水の圧力をコントローラ30から供給される駆動電流に応じて調節するものである。レギュレータ25は、加圧水の流れに抵抗を与える減圧弁の機能を持ち、加圧水供給通路27の水圧を設定値以下に調節する。レギュレータ25は、コントローラ30から供給される駆動電流に応じて加圧水供給通路27の水圧を調節する設定値が変えられる。
開閉弁26は、加圧水供給通路27を開閉するものである。なお、加圧水供給通路27に開閉弁26及びレギュレータ25を直列に介装する構成としているが、レギュレータ25に開閉弁26の機能を持たせてもよい。
加圧水供給通路27は、ホースまたはパイプ等の配管(図示せず)によって構成される。この配管は、集客施設や通路に設けられる柱等に取り付けられる。
ノズル28が配置される集客施設や通路は、風の流れ方向等の環境が異なる第一、第二エリア11、12に分けられる。ミスト装置10は、第一、第二エリア11、12におけるミスト噴霧を環境情報に応じてそれぞれ行うようになっている。
加圧水供給通路27は、第一エリア11に延びる第一加圧水分岐通路(分岐通路)27Aと、第二エリア12に延びる第二加圧水分岐通路(分岐通路)27Bと、を備える。この第一、第二加圧水分岐通路27A、27Bには、複数のノズル28がそれぞれ接続される。
ミスト装置10は、ノズル28に対する加圧水の供給を止める開閉弁として、加圧水供給通路27に対する第一、第二加圧水分岐通路27A、27Bの分岐部に、第一、第二開閉弁29A、29Bがそれぞれ介装される。第一、第二開閉弁29A、29Bは、コントローラ30から供給される駆動電流によって開閉作動する。コントローラ30が第一、第二開閉弁29A、29Bを開閉することにより、第一、第二エリア11、12を選択してミスト噴霧が行われる。第一開閉弁29Aを開くことにより、加圧水が図1に矢印Cで示すように第一加圧水分岐通路27Aに流入し、第一エリア11のノズル28からミスト噴霧が行われる。一方、第二開閉弁29Bを開くことにより、加圧水が矢印Dで示すように第二加圧水分岐通路27Bに流入し、第二エリア12のノズル28からミスト噴霧が行われる。
なお、ミスト装置10は、ノズル28に対する加圧水の供給を止める開閉弁をノズル28毎に備え、コントローラ30がこれらの開閉弁を開閉することにより、ノズル28を個別に選択してミスト噴霧を行うようにしてもよい。
ノズル28は、供給される加圧水を外部に噴霧する噴口(図示せず)を有する一流体タイプのものである。ノズル28の噴口は、所定の開口径を持つ固定絞りであり、加圧水供給通路27を通じて供給される加圧水が通過することにより、霧状の水となったミストを外部に噴霧する。加圧水供給通路27に導かれる加圧水の圧力を高めることにより、ミストの粒子径を小さくするとともに、ミストが外部に噴霧される勢い(速度)を高められる。ミストの粒子径と勢いを適度に設定することにより、ノズル28から噴霧したミストは、人や床面等を濡らさないように空中で蒸発し、周囲の雰囲気温度を下げる。
ミスト噴霧を停止するときには、コントローラ30は、水圧ポンプ24の作動を停止し、開閉弁26を閉弁させて、ノズル28に対する加圧水の供給を止める。一方、ミスト噴霧時には、コントローラ30は、水圧ポンプ24を作動し、開閉弁26を開弁させて、ノズル28に加圧水を供給する。その後、コントローラ30は、レギュレータ25の作動を制御して加圧水供給通路27に導かれる加圧水の圧力(以下、単に「供給水圧」という)を調節し、ノズル28に導かれるミストの噴霧圧力を調節する。
なお、水圧源20は、レギュレータ25を備えずに、水圧ポンプ24の吐出圧力を調節することにより、ノズル28に供給される加圧水の流量を制御するようにしてもよい。
ミスト装置10は、環境情報を取得する環境情報取得手段として、風速計31と風向計32と温度計33とを備える。コントローラ30は、風速計31と風向計32と温度計33の信号をそれぞれ受信し、環境情報に応じてミストの噴霧圧力を制御する噴霧圧力制御手段を構成する。
風速計31は、風速(風の速さ)を測るものである。コントローラ30は、風速計31の信号を読み込み、風速が所定値以下の強風時でないことを判定すると、ミスト噴霧を行う。
上記ミスト噴霧時において、コントローラ30は、風速が零の無風時に供給水圧を所定値に調節し、風速が高まるのに応じて供給水圧を次第に高めるようにレギュレータ25の作動を制御する。
これにより、風速が零の無風時にミストの噴霧圧力、噴霧量がそれぞれ最低になるが、ミストが風に流されることがなく蒸発することによって、ノズル28が向けられる領域の雰囲気温度を有効に下げられる。また、無風時にミストの噴霧圧力が抑えられることにより、ミストが直進して人や施設の床面を濡らすことを防止できる。
一方、風が吹いているときには、風速が高まるのに応じてミストの噴霧圧力が次第に高められることにより、ミストがノズル28の噴霧方向に進む勢いが強まり、ミストが風に流されずに蒸発することが促される。そして、ミストの噴霧圧力が高まるのに伴ってミストの噴霧量が次第に増えることにより、ノズル28が向けられる領域の冷却効果が維持される。
コントローラ30は、風速が所定値を越えて高まる強風時を判定し、この強風時にミスト噴霧を停止するようにレギュレータ25の作動を制御する。これにより、強風時にミスト噴霧が行われることがないため、ミストが強い風に流されて無駄になることが回避される。
風向計32は、風向(風が吹く方向)を測るものである。コントローラ30は、風向計32の信号を読み込み、風向に応じてミスト噴霧を行うエリアを第一、第二エリア11、12から選択し、第一、第二開閉弁29A、29Bの開閉作動を制御するミスト噴霧エリア選択手段を構成する。
例えば、コントローラ30は、第一エリア11において噴霧されるミストが風に流されて人のいない方向に運ばれる可能性がある風向であると判定した場合には、第一開閉弁29Aを閉弁させて第一エリア11におけるミスト噴霧を停止する。これにより、ミストが無駄に噴霧されることが回避される。一方、コントローラ30は、上記の風向の風が吹いていないことを判定すると、第一開閉弁29Aを開弁させて第一エリア11におけるミスト噴霧を行う。これにより、第一エリア11においてミストによる冷却が有効に行われる。同様に、第二エリア12におけるミスト噴霧を停止する制御も、ミストが風によって運ばれる方向に応じて行われる。
温度計33は、気温を測るものである。コントローラ30は、温度計33の信号を読み込み、気温が高まるのに応じて供給水圧を次第に高めるようにレギュレータ25の作動を制御する。これにより、気温が高まるのに伴ってミストの噴霧量が次第に増えるため、気温に応じたミストによる冷却効果が得られる。また、気温が高まるのに伴ってミストがノズル28の噴霧方向に進む勢いが強まるが、気温が高い状態ではミストが蒸発することが促され、ミストが直進して人や施設の床面を濡らすことを防止できる。
第1実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
〔1〕ミスト装置10では、コントローラ30によって風速、風向、気温等の環境情報に応じてミストの噴霧圧力が制御されるため、風速、風向、気温等の変化に応じてミストの粒径や勢いが適度に調節される。こうして、ミスト装置10は、環境の変化に対応してミストによる冷却が有効に行われるシステムを構成できる。
〔2〕コントローラ30は風速計31によって検知される風速に基づいてミストの噴霧圧力を調整するため、風速が高まるのに伴ってミストがノズル28の噴霧方向に進む勢いを強めることが可能となり、ミストが風に流されずに蒸発することが促される。そして、ミストの噴霧圧力が高まるのに伴ってミストの噴霧量が次第に増えることにより、ノズル28が向けられる領域の冷却効果が維持される。
〔3〕コントローラ30は風速計31によって検知される風速が所定値を越えて高まる強風時にミスト噴霧を停止させるため、ミストが強い風に流されて無駄になることが回避される。
〔4〕コントローラ30は風向計32によって検知される風向に応じてミスト噴霧を行うエリア11、12を選択して開閉弁29A、29Bの開閉作動を制御するため、各エリア11、12で噴霧されるミストが風に運ばれて無駄になることを止められる。
〔5〕コントローラ30は温度計33によって検知される気温が高まるのに応じてミストの噴霧圧力を高めるため、気温が高まるのに伴ってミストの噴霧量が次第に増え、気温に応じたミストによる冷却効果が得られる。
〔6〕ノズル28が加圧水供給通路27を通じて供給される加圧水を外部にミストとして噴霧する一流体タイプのものであり、噴霧圧力調節機構が加圧水供給通路27を通じてノズル28に供給される加圧水の流れに抵抗を付与するレギュレータ25であるため、加圧水をノズル28から霧状にして外部に噴霧するシステムが構成され、加圧水の圧力が調節されることにより、ミストの粒径や勢いを変えられ、環境に応じたミストの噴霧状態が得られる。
(第2実施形態)
次に図2、3に示す本発明の第2実施形態を説明する。図2は、屋外に設置されるミスト装置50の概略構成を示している。図3は、ノズル48の概略構成を示している。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付す。
次に図2、3に示す本発明の第2実施形態を説明する。図2は、屋外に設置されるミスト装置50の概略構成を示している。図3は、ノズル48の概略構成を示している。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付す。
ノズル48は、供給される加圧ガスと水を混合して、水を霧状にしたミストを外部に噴霧する二流体タイプのものである。
ミスト装置50は、ノズル48に水を供給する水源として、水供給通路57に水道(図示せず)が接続され、水道水が図2に矢印Hで示すように水供給通路57に供給される。水供給通路57には、開閉弁56及びレギュレータ55が介装され、このレギュレータ55によって所定圧力以下に調節される水が矢印Iで示すように供給される。
なお、水源は、これに限らず、水供給通路57を水圧ポンプ等を介さずに水を貯留する貯水タンク等に接続してもよい。その場合には、後述するようにノズル48の水噴出口58(図3参照)に生じる負圧によって、貯水タンクの水が水供給通路57を通じて水噴出口58に吸い出される構成とする。
開閉弁56は、加圧水供給通路57を開閉するものである。なお、加圧水供給通路57に開閉弁56及びレギュレータ55を直列に介装する構成としているが、レギュレータ55に開閉弁56の機能を持たせてもよい。
ミスト装置50は、ノズル48に加圧ガスを供給するガス供給源40として、加圧ガスを吐出するコンプレッサ41と、加圧ガスの圧力を調節するレギュレータ42と、を備える。
コンプレッサ41とノズル48とは、加圧ガス供給通路45によって連結されている。加圧ガス供給通路45は、ガス供給源としてのコンプレッサ41の吐出口に開閉弁43及びレギュレータ42を介して接続される。
コンプレッサ41は、電動モータ(図示せず)によって作動し、図2に矢印Lで示すように外部から吸い込んだ空気を圧縮し、矢印Mで示すように加圧ガスを加圧ガス供給通路45に吐出する。コンプレッサ41の電動モータには、コントローラ60から駆動電流が供給される。
なお、ガス供給源40は、これに限らず、加圧ガス供給通路45を加圧ガスが充填される蓄圧タンク等に接続してもよい。
レギュレータ42は、通過する加圧ガスの圧力をコントローラ60から供給される駆動電流に応じて調節するものである。レギュレータ42は、加圧ガスの流れに抵抗を与える減圧弁の機能を持ち、加圧ガス供給通路45の圧力を設定値以下に調節する。レギュレータ42は、コントローラ60から供給される駆動電流に応じて加圧ガス供給通路45の圧力を調節する設定値が変えられる。
開閉弁43は、加圧ガス供給通路45を開閉するものである。なお、加圧ガス供給通路45に開閉弁43及びレギュレータ42を直列に介装する構成としているが、レギュレータ42に開閉弁43の機能を持たせてもよい。
ミスト噴霧を停止するときには、コントローラ60は、開閉弁56と開閉弁43をそれぞれ閉弁させて、ノズル48に対する水と加圧ガスの供給を止める。一方、ミスト噴霧時には、コントローラ60は、コンプレッサ41を作動させ、開閉弁56と開閉弁43をそれぞれ開弁させて、ノズル48に水と加圧ガスを供給する。このミスト噴霧時には、コントローラ60は、レギュレータ42の作動を制御して加圧ガス供給通路45のガス圧力を調節し、ノズル48に導かれるミストの噴霧圧力を調節する。
なお、ガス供給源40は、レギュレータ42を備えずに、コンプレッサ41の吐出圧力を変えることにより、ノズル48に供給される加圧ガスの圧力が調節されるようにしてもよい。
加圧ガス供給通路45と水供給通路57は、それぞれホースまたはパイプ等の配管(図示せず)によって構成される。これらの配管は、集客施設や通路付近の柱等に取り付けられる。
ノズル48が配置される集客施設や通路は、風の流れ方向等の環境が異なる第一、第二エリア11、12に分けられる。ミスト装置50は、第一、第二エリア11、12におけるミスト噴霧を環境情報に応じてそれぞれ行うようになっている。
水供給通路57は、第一エリア11に延びる第一水分岐通路(分岐通路)27Aと、第二エリア12に延びる第二水分岐通路(分岐通路)57Bと、を備える。この第一、第二水分岐通路57A、57Bには、複数のノズル48がそれぞれ接続される。
加圧ガス供給通路45は、第一エリア11に延びる第一加圧ガス岐通路(分岐通路)45Aと、第二エリア12に延びる第二加圧ガス分岐通路(分岐通路)45Bと、を備える。この第一、第二加圧ガス分岐通路45A、45Bには、複数のノズル48がそれぞれ接続される。
ミスト装置50は、ノズル48に供給される水を止める開閉弁として、水供給通路57に対する第一、第二水分岐通路57A、57Bの分岐部と、加圧ガス供給通路45に対する第一、第二加圧ガス分岐通路45A、45Bの分岐部とに、第一、第二開閉弁59A、59Bがそれぞれ介装される。第一、第二開閉弁59A、59Bは、コントローラ30から供給される駆動電流によって開閉作動する。コントローラ30が第一、第二開閉弁59A、59Bを開閉することにより、第一、第二エリア11、12を選択してミスト噴霧が行われる。第一開閉弁59Aを開くことにより、水が図2に矢印Oで示すように第一水分岐通路57Aに流入するとともに、加圧ガスが矢印Nで示すように第一加圧ガス岐通路45Aに流入し、第一エリア11のノズル48からミスト噴霧が行われる。一方、第二開閉弁59Bを開くことにより、水が矢印Kで示すように第二水分岐通路57Bに流入するとともに、加圧ガスが矢印Jで示すように第二加圧ガス岐通路45Bに流入し、第二エリア12のノズル48からミスト噴霧が行われる。
なお、ミスト装置50は、ノズル48に供給される水と加圧ガスを止める開閉弁を個別に設け、コントローラ30がこの開閉弁を開閉することにより、ノズル48を個別に選択してミスト噴霧が行われるようにしてもよい。
図3には、ノズル48の概略構成が示されている。二流体タイプのノズル48は、加圧ガス供給通路45から供給される加圧ガスの流速を上げる絞り部49と、水供給通路57から供給される水を噴出する水噴出口58と、を備える。水供給通路57から供給される水が水噴出口58から噴出し、この噴出する水とガスが混合されて、図2、3に矢印Pで示すように、水がミストとして噴霧される。
ノズル48は、絞り部49に供給されるガスを、水噴出口58から噴出する水と混合して水をミストとして噴霧するため、水供給通路57の水圧を高めることなく、粒子径の小さいミストをつくるとともに、ミストの勢いを高めることができる。これにより、ミストが風に流されにくくなるとともに、ミストの蒸発が促され、冷却効果を高められる。
ミスト装置50は、環境情報を取得する環境情報取得手段として、風速計31と風向計32と温度計33と、を備える。コントローラ30は、風速計31と風向計32と温度計33の信号をそれぞれ受信し、環境情報に応じてミストの噴霧圧力を制御する噴霧圧力制御手段を構成する。
コントローラ30は、風速計31の信号を読み込み、風速が零の無風時に加圧ガスの圧力を所定値に調節し、風速が高まるのに応じて加圧ガスの圧力を次第に高めるようにレギュレータ42の作動を制御する。
これにより、風速が零の無風時にミストの噴霧圧力、噴霧量が最低になるが、ミストが風に流されることがなく蒸発することによって、ノズル48が向けられる領域の雰囲気温度を有効に下げられる。また、無風時にミストの噴霧圧力が抑えられることにより、ミストが直進して人や施設の床面を濡らすことを防止できる。
一方、風が吹いているときには、風速が高まるのに応じてミストの噴霧圧力が次第に高められることにより、風速が高まるのに伴ってミストがノズル48の噴霧方向に進む勢いが強まり、ミストが風に流されずに蒸発することが促される。そして、ミストの噴霧圧力が高まるのに伴ってミストの噴霧量が次第に増えることにより、ノズル48が向けられる領域の冷却効果が維持される。
コントローラ30は、風速が所定値を越えて高まる強風時を判定し、この強風時にミスト噴霧を停止するようにレギュレータ42の作動を制御する。これにより、強風時にミスト噴霧が行われることがないため、ミストが強い風に流されて無駄になることが回避される。
コントローラ30は、風向計32の信号を読み込み、風向に応じてミスト噴霧を行うエリアを第一、第二エリア11、12から選択し、第一、第二開閉弁59A、59Bの開閉作動を制御するミスト噴霧エリア選択手段を構成する。
例えば、コントローラ30は、第一エリア11において噴霧されるミストが風に流されて人のいない方向に運ばれる可能性があるとを判定した場合には、第一開閉弁59Aを閉弁させて第一エリア11におけるミスト噴霧を停止する。これにより、ミストが無駄に噴霧されることが回避される。一方、コントローラ30が上記の風向の風が吹いていないことを判定すると、第一開閉弁59Aを開弁させて第一エリア11におけるミスト噴霧を行う。これにより、第一エリア11においてミストによる冷却が有効に行われる。第二エリア12におけるミスト噴霧を行う制御も、第一エリア11と同様に、ミストが風によって運ばれる方向に応じて行われる。
コントローラ30は、温度計33の信号を読み込み、気温が高まるのに応じて加圧ガスの圧力を次第に高めるようにレギュレータ42の作動を制御する。これにより、気温が高まるのに伴ってミストの噴霧量が次第に増えるため、気温に応じたミストによる冷却効果が得られる。また、気温が高まるのに伴ってミストがノズル48の噴霧方向に進む勢いが強まるが、気温が高い状態ではミストが蒸発することが促され、ミストが直進して人や施設の床面を濡らすことを防止できる。
ミスト装置50は、ガス供給源40とノズル48の絞り部38とを連結する加圧ガス供給通路45と、貯水室44とノズル48の水噴出口46とを連結する水供給通路57と、を備え、二流体タイプのノズル48において加圧ガスと水を混合してミストを外部に噴霧するシステムである。二流体タイプのノズル48を用いるミスト装置50は、第1実施形態の一流体タイプのノズル28を用いるミスト装置29に比べて、蓄圧室34の圧力を低くしても同等の粒子径の霧をつくるとともに、ミストの勢いを高めることができる。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に前記〔1〕〜〔6〕の作用効果を奏するとともに、以下に示す作用効果を奏する。
ノズル48が絞り部49に供給される加圧ガスと水噴出口58から噴出する水とを混合してミストを外部に噴霧する二流体タイプのものであり、噴霧圧力調節機構が加圧ガス供給通路45を通じてノズル48に導かれる加圧ガスの流れに抵抗を付与するレギュレータ42であるため、粒子径の小さいミストをつくることによってミストの蒸発が促されるとともに、ミストの勢いを高めることによってミストが風に流されにくくなり、冷却効果を高められる。
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
本発明のミスト装置は、例えば集客施設や通路、またはその他の場所に据え付けられる冷却設備として利用できとともに、任意の場所に移動可能な冷却装置としても利用できる。
10、50 ミスト装置
11、12 第一、第二エリア(エリア)
25、42 レギュレータ
27 加圧水供給通路
28、48 ノズル
29A、29B 第一、第二開閉弁(開閉弁)
30、60 コントローラ
31 風速計 (環境情報取得手段)
32 風向計 (環境情報取得手段)
33 温度計(環境情報取得手段)
45 加圧ガス供給通路
49 絞り部
57 水供給通路
58 水噴出口
11、12 第一、第二エリア(エリア)
25、42 レギュレータ
27 加圧水供給通路
28、48 ノズル
29A、29B 第一、第二開閉弁(開閉弁)
30、60 コントローラ
31 風速計 (環境情報取得手段)
32 風向計 (環境情報取得手段)
33 温度計(環境情報取得手段)
45 加圧ガス供給通路
49 絞り部
57 水供給通路
58 水噴出口
Claims (6)
- ノズルから水をミストとして噴霧するミスト装置であって、
前記ノズルに導かれるミストの噴霧圧力を調節する噴霧圧力調節機構と、
環境情報を取得する環境情報取得手段と、
前記環境情報取得手段によって取得される環境情報に応じて前記噴霧圧力調節機構の作動を制御するコントローラと、を備えることを特徴とするミスト装置。 - 前記環境情報取得手段として風速を検知する風速計を備え、
前記コントローラは、前記風速計によって検知される風速に基づいてミストの噴霧圧力を調整することを特徴とする請求項1に記載のミスト装置。 - 前記コントローラは、前記風速計によって検知される風速が所定値を越えて高まるのに応じてミストの噴霧を停止することを特徴とする請求項1または2に記載のミスト装置。
- 前記ノズルは異なるエリアにそれぞれ配置され、
前記環境情報取得手段として風向を検知する風向計と、
前記異なるエリア毎に前記ノズルに対する加圧水の供給を止める開閉弁と、を備え、
前記コントローラは、前記風向計によって検知される風向に応じてミスト噴霧を行う前記エリアを選択して前記開閉弁の開閉作動を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のミスト装置。 - 前記環境情報取得手段として気温を検知する温度計を備え、
前記コントローラは、前記温度計によって検知される気温が高まるのに応じてミストの噴霧圧力を高めることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のミスト装置。 - 前記ノズルは、加圧水供給通路を通じて供給される加圧水を外部にミストとして噴霧する一流体タイプのものであり、
前記噴霧圧力調節機構は、前記加圧水供給通路を通じて前記ノズルに供給される加圧水の流れに抵抗を付与するレギュレータであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のミスト装置。
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