JP2010203731A - 塗装ブースの空調制御方法、及びそのシステム - Google Patents

塗装ブースの空調制御方法、及びそのシステム Download PDF

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Abstract

【課題】環境負荷の低減共にリニアな湿度加減を実現する空調制御方法及びシステムの提供。
【解決手段】塗装ブース20内の空調制御方法において、塗装ブース20内に入口温湿度センサ59a及び出口側温湿度センサ59bを備えて、塗装ブース20内の温度及び湿度を検出し、検出した温度及び湿度が許容温湿度内であっても、湿度の変化度合いに許容温湿度の幅より小さい所定の上限を設けて制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、塗装ブース内の湿度を管理する空調の制御方法に関するものであり、塗装ブース内を一定の湿度に保つために水噴霧を行って湿度を調整する方法に関する。
車のボディを塗装する際には、塗装ブース内を一定温度、一定湿度となるように温湿度管理されている。温度及び湿度を管理することはボディへの塗装ムラを生じないようにするために重要である。
塗装ムラの発生は、ボディを塗装する塗装材に、環境に配慮して油性塗料でなく水性塗料が主に用いられるようになった為であり、水性塗料は湿度の影響により塗装ムラを生じる。塗装ブースに車体が入ってから出るまでの間に湿度が大きく変化すると、塗装ムラは生じやすくなる。
特に、冬場の立ち上がり運転時には、塗装ブース内の温度湿度共に低下しており、塗装ブース内の温度及び湿度を上昇させてから塗装を開始する必要がある。この際に、可能な限り早く塗装ブース内の温度及び湿度を上昇させたいという要望がある一方、余り一気に温度を上昇させると加湿オーバーとなり結露するという問題が生じる。
また、その他にも梅雨の時期や雨天の際に、外の空気を取り入れることで塗装ブース内の湿度が上昇し、ハンチングを起こすなどの問題もあり、湿度を一定に管理することは難しい。
このような問題を解決するために、特許文献1や特許文献2に示すような技術が提案されている。
特許文献1には、塗装ブースの空調制御方法及び装置に関する技術が開示されている。
塗装ブースでは、冬場の立ち上がり運転の際に温湿度の空気を送風するにあたり、内部で結露が発生してしまうという問題点がある。この為、空気線図上でブースの設定湿度及び温度より第1調整加湿、第2調整加湿、第1前加温、及び第2前加温というように加温加湿のプロセスを逆に辿ることで最適な前加温の温度を求め、次に空気線図上でブース現在温度に許容される絶対湿度を超える加湿がなされないように前加温の許容温度を求め、後者の温度が前者の温度より小さい場合には後者を、大きい場合には前者を採用することで、空調制御を行う。
特許文献2では、塗装ブースの空調装置に関する技術が開示されている。
塗装ブースの外気取り込み口には冷却器が備えられており、塗装ブースが本格的に稼働するまでは送風ファンも加熱器の熱量も徐々に増加していく。そのような始動時には冷却器の負荷も小さい。このため、この際に冷却器に冷水を送るための冷水ポンプの運転を、インバータユニットを用いた運転にすることで、断続運転する場合よりも少ないエネルギーで塗装ブースの運転が可能となる。
特開平5−277408号公報 特開平8−261504号公報
しかしながら、特許文献1又は特許文献2の技術を用いて塗装ブース内の湿度を一定にしようとする場合には以下に説明する課題があると考えられる。
塗装ブースに備える空調制御装置は、このような温度、湿度を管理する上で重要な働きをする。しかし、省エネ化を図る上では、特許文献1に示されるような従来からの蒸気加湿式の空調設備では、ボイラーからの送気ロスが大きいためエネルギー効率を高めることが難しい。
また、コンプレッサーからの圧縮エアと水を混ぜて加湿する2流体加湿をする場合にも、コンプレッサーからの圧縮エアを消費するためエネルギー効率を改善することは困難である。
特許文献2に記載の方法は、冷水ポンプの稼働率をインバータ制御でコントロールし、冷却負荷の小さい条件の場合の電力消費を抑える方法でもエネルギーロスを抑えることは可能であるが、加湿面での省エネ実現には言及されていない。
また、蒸気を用いる場合は重油やLPGが一次エネルギーとなるため、二酸化炭素排出量が多い。製造業にも環境への配慮を求められる現在においては、二酸化炭素の排出量も可能な限り削減したいというニーズがある。
このような問題点は特許文献1及び特許文献2には指摘されておらず、解決できないものと考えられる。
さらに、ボイラーを用いた蒸気加湿や2流体加湿を用いた加湿を行う場合にはリニアな加湿を行うことが難しいという問題がある。
そこで、本発明はこのような課題を解決するために、環境負荷の低減共にリニアな湿度加減を実現する塗装ブースの空調制御方法及びシステムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明による塗装ブースの空調制御方法は以下のような特徴を有する。
(1)塗装ブースの空調制御方法において、
前記塗装ブース内に温湿度計を備えて、前記塗装ブース内の空気の温度及び湿度を検出し、前記検出した空気の温度及び湿度が許容温湿度範囲内であっても、湿度の変化度合いに前記許容温湿度範囲の幅より小さい所定の上限を設けて制御することを特徴とする。
(2)(1)に記載の塗装ブースの空調制御方法において、
加湿に用いる水噴霧器を備え、前記水噴霧器から放出する水の粒子径を一定の大きさになるように、前記水噴霧器に供給する水圧を、インバータを用いて制御することを特徴とする。
また、前記目的を達成する為に、本発明による塗装ブースの空調制御システムは以下のような特徴を有する。
(3)塗装ブースの空調制御システムにおいて、
前記塗装ブース内に空気の温度及び湿度を計測する温湿度計と、各段に複数の加湿に用いる水噴霧器を備えた多段のヘッダ管と、前記ヘッダ管の段毎に設けられた開閉弁と、前記ヘッダ管に水を供給するポンプと、前記ポンプの水圧を監視する圧力計と、前記ポンプの周波数を変調させるインバータと、を備え、前記温湿度計によって計測される空気の温度及び湿度が許容温湿度範囲であっても、湿度の変化度合いに前記許容温湿度範囲の幅より小さい所定の上限を設け、前記インバータで制御することを特徴とする。
このような特徴を有する本発明による塗装ブースの空調制御方法により、以下のような作用、効果が得られる。
上記(1)に記載される発明は、塗装ブースの空調制御方法において、塗装ブース内に温湿度計を備えて、塗装ブース内の空気の温度及び湿度を検出し、検出した空気の温度及び湿度が許容温湿度範囲内であっても、湿度の変化度合いに許容温湿度範囲の幅より小さい所定の上限を設けて制御するものである。
したがって、許容温湿度範囲の設定によって大まかな制御を行い、湿度の変化度合いに許容温湿度範囲の幅より小さい所定の上限を設けることで、細かな制御を行うことが可能となる。
例えば、加湿量を水噴霧ノズルの数で決定している場合には、多段の供給ヘッダを設けて、許容温湿度範囲の設定範囲毎に段数を切り換えて最適な量の水を噴霧することで大まかな加湿制御を行い、水噴霧ノズルに供給するポンプの水圧をインバータ制御し、湿度の変化度合いを監視して、湿度の変化度合いが所定の上限を超えるようであればインバータによりポンプの水圧を落とすことで、細かな加湿制御を行う。
このように、加湿制御を組み合わせることで、この塗装ブース内の空調制御方法によってスムーズでかつリニアな湿度加減を実現することが可能である。
また、上記(2)に記載の発明は、(1)に記載の塗装ブースの空調制御方法において、加湿に用いる水噴霧器を備え、水噴霧器から放出する水の粒子径を一定の大きさになるように、水噴霧器に供給する水圧を、インバータを用いて制御している。
水の粒子径がバラバラであると、加湿ムラが生じやすいが、水圧制御によって水の粒子径を一定の大きさに制御することで加湿ムラが発生しにくく、塗装ブース内でのワークの塗装ムラを防止することが可能である。
また、このような特徴を有する本発明による塗装ブースの空調制御システムにより、以下のような作用、効果が得られる。
上記(3)に記載の発明は、塗装ブースの空調制御システムにおいて、
塗装ブース内に空気の温度及び湿度を計測する温湿度計と、各段に複数の加湿に用いる水噴霧器を備えた多段のヘッダ管と、ヘッダ管の段毎に設けられた開閉弁と、ヘッダ管に水を供給するポンプと、ポンプの水圧を監視する圧力計と、ポンプの周波数を変調させるインバータと、を備え、温湿度計によって計測される空気の温度及び湿度が許容温湿度範囲であっても、湿度の変化度合いに許容温湿度範囲の幅より小さい所定の上限を設け、インバータで制御するものである。
多段のヘッダ管を、開閉弁を用いて制御することで複数段階の加湿パターンを設けることができ、各段階の加湿パターンが許容温湿度範囲によって切り換えることで多段の加湿条件を設定可能である。また、ポンプに接続したインバータの周波数を変調させることで、ヘッダ管に供給される水の圧力を調整することができ、加湿能力の細かい調整が可能である。
このようなシステムによって、塗装ブース内に送る空気の湿度及び温度を一定に保つことが可能である。
本実施形態の、塗装ブース内空調制御システムの概略図である。 本実施形態の、二段目加湿器についてのシステム説明図である。 本実施形態の、二段目加湿器のシステムの側面からの説明図である。 本実施形態の、二段目加湿器での加湿フローである。 本実施形態の、ノズルの組み合わせについての表である。 本実施形態の、絶対湿度と圧力の関係をグラフである。
まず、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態の塗装ブース内空調制御システムの概略図を示す。
塗装ブース内空調制御システム10は、塗装ブース20に接続する空調機30を備えている。
塗装ブース20は車のボディ15などを塗装するためのブースであり、空調機30によって内部の温度及び湿度が管理されている。塗装ブース20には吸気口21と排気口22が設けられており、塗装ブース20の内部でボディ15の塗装がなされる。
空調機30は、外気導入口31を備え、内部にプレヒータ32、一段目加湿装置40、冷却除湿機33、リヒータ34、二段目加湿器50、ファン35、出口側通路36を備えている。出口側通路36は吸気口21にダクトを介して接続されている。
一段目加湿装置40には第1エリミネータ41と第2エリミネータ42と、第1加湿ノズル43と第2加湿ノズル44と、第1ポンプ45を備えている。
第1エリミネータ41及び第2エリミネータ42は空気中の水滴を除去する働きをし、第1加湿ノズル43及び第2加湿ノズル44には、第1ポンプ45から水を供給されることで空気中に水分を供給する。
二段目加湿器50には、第3エリミネータ51と第3加湿ノズル52と第2ポンプ53が備えられており、再度加湿を行う。第3加湿ノズル52には複数の噴霧ノズルが備えられている。
図2に、二段目加湿器についてのシステム説明図を示す。
二段目加湿器50の、第3加湿ノズル52は、複数段の供給ヘッダに噴霧ノズルが複数備えられており、供給ヘッダにはそれぞれの段に電磁弁が設けられている。
具体的には、第3加湿ノズル52は一段目には第1供給ヘッダ52aが、2段目には第2供給ヘッダ52b、3段目には第3供給ヘッダ52c、4段目には第4供給ヘッダ52d、そして5段目には第5供給ヘッダ52eが設けられている。もっとも、この噴霧ノズル55の数は、説明の為に少なくしており、実際のシステムでは更に多数の噴霧ノズル55を用いている。
そして、第1供給ヘッダ52aには5つの噴霧ノズル55が設けられており、第2供給ヘッダ52bには4つの噴霧ノズル55が、第3供給ヘッダ52cには5つの噴霧ノズル55が、第4供給ヘッダ52dには2つの噴霧ノズル55が、第5供給ヘッダ52eには4つの噴霧ノズル55が備えられている。
また、それぞれの供給ヘッダには電磁弁を介して純水タンク54が接続されており、配管中に備えられた第2ポンプ53によって、各供給ヘッダに水を供給している。供給された水は、各供給ヘッダに備えられた噴霧ノズル55から二段目加湿器50の内部に放出される。
第1供給ヘッダ52aには第1電磁弁B1が接続され、第2供給ヘッダ52bには第2電磁弁B2が接続され、第3供給ヘッダ52cには第3電磁弁B3が接続され、第4供給ヘッダ52dには第4電磁弁B4が接続され、第5供給ヘッダ52eには第5電磁弁B5が接続されている。
これらの第1電磁弁B1乃至第5電磁弁B5を開閉することによって、第1供給ヘッダ52a乃至第5供給ヘッダ52eへの水の供給をコントロールする。第1電磁弁B1乃至第5電磁弁B5は単純な開閉のみを行う電磁弁である。
図3に、二段目加湿器のシステムの側面からの説明図を示す。
二段目加湿器50の第2ポンプ53には、純水タンク54が接続されているが、第2ポンプ53からの水圧を測定する為に圧力計56が設けられている。そして、第2ポンプ53と圧力計56はインバータ57に電気的に接続されている。純水タンク54に純水が用いられているのは、空気中にできるだけ浮遊物を放出しないという配慮からである。細かなゴミは水滴の核となり結露し易い。
また、インバータ57及び第1電磁弁B1乃至第5電磁弁B5は制御盤58に接続されている。
また、二段目加湿器50の入口側には入口温湿度センサ59aが、出口側には出口側温湿度センサ59bが設けられ、制御盤58に電気的に接続されている。
本実施形態の塗装ブース内空調制御システム10は上記構成となっており、以下に説明するような制御を行い塗装ブース20内の温度及び湿度の制御を行う。
まず、外気を外気導入口31から取り込んで、プレヒータ32で外気の温度を上昇させる。冬期の外気は気温及び湿度共に低い状態にある為、プレヒータ32で加熱した上で一段目加湿装置40にて加湿を行う。
第1加湿ノズル43及び第2加湿ノズル44では、水を第1ポンプ45から汲みあげて利用しており、第1エリミネータ41及び第2エリミネータ42にて、空気中の水滴を除去する。
そして、加熱され、加湿された上で、水滴を除去された状態で冷却除湿機33にて、一旦冷却除湿する。
その後、リヒータ34で再び外気を加熱して二段目加湿器50にて再度加湿する。
図4に、二段目加湿器での加湿フローを示す。
加湿フローは、図3に示す二段目加湿器50の第3加湿ノズル52によって外気を加湿するにあたり、二段目加湿器50に備える入口温湿度センサ59a及び出口側温湿度センサ59bで検出する温度及び湿度によって第2ポンプ53の動作をインバータ57で制御する方法を説明している。
システム起動後、S1にて入口側温湿度を検出する。外気の通り道に入口温湿度センサ59aが設置されており、この入口温湿度センサ59aによって、外気の温度及び湿度を測定する。そして、S2に移行する。
S2では、絶対湿度差を算出する。出口側の温湿度は設定されており、この設定値に対して、入口温湿度センサ59aで検出した値を比較した上で、絶対湿度差を算出する。そして、S3に移行する。
S3では、加湿量の算出を行う。加湿量は、S2で求められた絶対湿度差より求められる。ここで、どの程度の加湿量を必要とするかを計算する。そして、S4に移行する。
S4では、水噴霧段数の設定を行う。図2に示される第1供給ヘッダ52a乃至第5供給ヘッダ52eの何れか1つ以上を選択することで、加湿量を10段階で制御することが可能となる。そしてS5に移行する。
噴霧ノズル55の組み合わせについては、図5に示す。
図5には、ノズルの組み合わせについての表を示す。加湿量は供給する水の量を示しており、使用段数は供給ヘッダの段数に対応する。1段目は第1供給ヘッダ52a、2段目は第2供給ヘッダ52b、3段目は第3供給ヘッダ52c、4段目は第4供給ヘッダ52d、5段目は第5供給ヘッダ52eとなる。
噴霧ノズル55は第1供給ヘッダ52a乃至第5供給ヘッダ52eにそれぞれ設けられている。そして、第1供給ヘッダ52a乃至第5供給ヘッダ52eには、それぞれ第1電磁弁B1乃至第5電磁弁B5が設けられているので、電磁弁の開閉を制御することで10段階の噴霧量調整が可能となる。
なお、図5の表には組み合わせの一例を示しているが、別の組み合わせであっても構わない。例えば、加湿量70%の場合は、「1段目+2段目+3段目」としてあるが、「1段目+3段目+5段目」でも成り立つ。
S5では、水噴霧圧力の検出を行う。圧力の検出は、図3に示される圧力計56によって行われる。圧力計56は第2ポンプ53から吐出される水圧を検出している。第2ポンプ53からの吐出圧力は数MPaとして一定とすれば、噴霧ノズル55から噴霧される水の粒子径も一定の大きさを保つことが可能となる。そしてS6に移行する。
S6では、圧力計56の値が設定圧力値内かどうかの評価を行う。本実施形態では設定圧力は数MPaで、誤差は数%以内に設定している。圧力計56の値が設定圧力値内であれば(S6:Yes)、S7に移行する。圧力計56の値が設定圧力内でなければ、S8に移行する。
S7では、出口側温湿度検出を行う。出口側温湿度センサ59bによって、二段目加湿器50の出口側の温度及び湿度の検出を行う。外気は第3エリミネータ51によって水滴が除外されており、出口側温湿度センサ59bでの温度及び湿度が最終的に塗装ブース20に供給される空気の温度及び湿度となる。そしてS9に移行する。
S8では、インバータ57の周波数の変更を行う。S6で設定圧力内でないと判断されたため、インバータ57を調整することで、第2ポンプ53の吐出量を増減し、圧力計56で設定される圧力値になるように調整する。
S9では、出口側温湿度センサ59bの温度及び湿度が許容温湿度範囲内であるかどうかを確認する。許容温湿度範囲は、図5に示されるような加湿量によって設定されている。出口側温湿度センサ59bの値が許容温湿度範囲内であれば(S9:Yes)、S1に移行する。許容温湿度範囲外であれば(S9:No)、S10に移行する。
S10では、水噴霧段数の変更を行う。S9で温度及び湿度が許容温湿度範囲内でないと判断されたため、第3加湿ノズル52からの水の供給過多、或いは供給不足であると判断でき、S4と同様に図5に示されるような組み合わせの変更を行う。そしてS11に移行する。
S11では、出口側温湿度センサ59bで出口側温湿度変化が設定値内かどうかを確認する。ここでは温度及び湿度の変化量を監視する。変化度は時間辺り数%程度に抑えたいので、変化度の上限を決定している。設定値内であれば(S11:Yes)、S1に移行する。規定数値内でなければ(S11:No)、S12に移行する。
S12では、インバータ57の周波数を変更する。S12でのインバータ57調整によって、第2ポンプ53の出力の微調整を行う。これによって、噴霧ノズル55からの水吐出量を若干減少させ、出口側温湿度センサ59bで検出される温度及び湿度を調整する。
このように二段目加湿器50を制御することで、塗装ブース内空調制御システム10によって塗装ブース20に設定された温度及び湿度の空気を供給することが出来る。
本実施形態は上記に説明した構成及び作用を示すので、以下に説明する効果を奏する。
まず、塗装ブース内空調制御システム10のスムーズでかつリニアな湿度加減を行うことが可能になる点が挙げられる。
本実施形態の塗装ブース20内の空調制御方法において、塗装ブース20内に入口温湿度センサ59a及び出口側温湿度センサ59bを備えて、塗装ブース20内の温度及び湿度を検出し、検出した温度及び湿度が許容温湿度内であっても、湿度の変化度合いに許容範囲の幅より小さい所定の上限を設けて制御するものである。
前述の図4に示したフローのように、段数制御とインバータ制御の2つの制御方法で塗装ブース20に供給する外気の温度及び湿度をコントロールしている。
このため、スムーズでかつリニアな湿度加減を行うことができる。10段階用意されている第1供給ヘッダ52a乃至第5供給ヘッダ52eに接続する第1電磁弁B1乃至第5電磁弁B5を制御することで、加湿量を変化させることが可能となる。この際に第2ポンプ53から吐出される水圧は圧力計56によって一定に保たれるよう制御されている。
入口温湿度センサ59aでの温度及び湿度を検出して、変化量が設定値内となるように今度はインバータ57によって第2ポンプ53の吐出量を若干変化させて、変化量が大きくならないように調整する。
大気中に存在する水滴は、第1エリミネータ41、第2エリミネータ42及び第3エリミネータ51を配置することで除去しているが、その能力には限界がある。塗装ブース20に供給される空気中に水滴が含まれると、ボディ15に塗布される水性塗料の塗装ムラが発生しやすくなる。
このため、第3エリミネータ51の水滴除去能力を超えないように第3加湿ノズル52を制御する事が望ましい。
そこで、段数制御によって大まかに加湿量を決定してやり、微調整をインバータによって行うという手法によりスムーズでかつリニアな湿度加減を実現することが可能となる。
図6に、相対湿度差と加湿量の関係をグラフに示す。
縦軸は噴霧ノズル55で実現される加湿量を示し、横軸に出口側温湿度センサ59bで計測される相対湿度差を示す。そして、段数制御直線C1とインバータ制御直線C2とが模式的に示されている。これによれば、インバータ制御によって細かい湿度の設定を、段数制御によって大まかな湿度の設定を行っている様子が分かる。
段数制御については、許容温湿度範囲が設定されており、この範囲を超えると図4のS9に示すように別の段に切り換える。一方、インバータ制御については、許容温湿度範囲の幅よりも小さな所定の上限を設け、湿度変化が大きくなるとインバータ57で周波数を下げ、第2ポンプ53の吐出圧力を低下させることで、加湿能力を変化させる。
このように段数制御とインバータ制御を組み合わせることで、スムーズでかつリニアな湿度加減を実現可能となる。
また、省エネに貢献することが可能である点も挙げられる。
塗装ブース内空調制御システム10に用いている噴霧ノズル55は、単純に水を空気中に噴霧する能力を有しているだけで、二段目加湿器50での昇温はリヒータ34に頼っている。
空気の温度を上昇させるのに、電気を熱に変えることは効率的には良くないが、蒸気加湿のようにボイラーからの蒸気を供給する訳ではなく、噴霧ノズル55にて水を噴霧することで加湿している。
特許文献1に示すように空気線図を用いて蒸気加湿の制御をする方法は一般的ではあるが、上述したようにボイラー室を空調機30の直近に建設する事は他の設備との兼ね合いも考えると難しい。その結果、遠い場所からの蒸気を運ぶ必要がある。したがって、工場内に長い配管を施工する必要があるし、エネルギー効率は悪化する。また、ボイラーの燃料を燃焼させる関係で二酸化炭素排出量を削減できないと言う問題もある。
したがって、リヒータ34での加熱を行い、噴霧ノズル55によって加湿することは結果的にエネルギー効率を向上させることが可能である。
すなわち、エネルギー効率を向上させる点で省エネに貢献し、電気による加熱を行うことで二酸化炭素の排出量も低減が可能となる。
また、本実施形態では加湿に用いる噴霧ノズル55を備え、噴霧ノズル55から放出する水の粒子径を一定の大きさになるように、噴霧ノズル55に供給する水圧を、インバータ57を用いて制御しているので、水の粒子径が大きくなって結露することを防止することが可能となる。
水の粒子径は噴霧ノズル55に供給される水の圧力によって変化する。したがって、段数制御時には図4のフローに示すようにインバータ57によって第2ポンプ53の水圧を制御し、圧力が一定になるようにしている。図4のフローに示すインバータ制御の方では、インバータ57の制御範囲が限定的である為、結露に結びつきにくい。
噴霧ノズル55から二段目加湿器50内部に放出される水の粒子径は、バラバラであると加湿ムラの発生に繋がってしまう。水の粒子が大きくなると、大気の加湿を行わずに結露してしまい、塗装ブース20の内部やボディ15の表面に付着してしまうなどの問題を引き起こしやすい。
このため、本実施形態では、第2ポンプ53の水圧を数MPaにする事で、水の粒子径を数十μm程度に抑えている。水の粒子径を小さくすることで、噴霧ノズル55から噴霧する水の殆どを加湿に用いることができ、結露しにくくする事が可能である。また、結露してしまう場合にも第3エリミネータ51によって水滴を取り除いている為、塗装ブース20に供給される大気中に、水滴が混入することを防ぐことが可能である。
以上、本実施形態に則して発明を説明したが、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することにより実施することもできる。
例えば、供給ヘッダの形状や設定段数等の組み合わせなどを変更することを妨げない。段数を増やせば、もっと複雑できめ細やかな制御も可能となる。
10 塗装ブース内空調制御システム
15 ボディ
20 塗装ブース
30 空調機
31 外気導入口
32 プレヒータ
33 冷却除湿機
34 リヒータ
35 ファン
36 出口側通路
40 一段目加湿装置
41 第1エリミネータ
42 第2エリミネータ
43 第1加湿ノズル
44 第2加湿ノズル
45 第1ポンプ
50 二段目加湿器
51 第3エリミネータ
52 第3加湿ノズル
53 第2ポンプ
54 純水タンク
55 噴霧ノズル
56 圧力計
57 インバータ
58 制御盤
59a 入口温湿度センサ
59b 出口側温湿度センサ
B1 第1電磁弁
B2 第2電磁弁
B3 第3電磁弁
B4 第4電磁弁
B5 第5電磁弁

Claims (3)

  1. 塗装ブースの空調制御方法において、
    前記塗装ブース内に温湿度計を備えて、前記塗装ブース内の空気の温度及び湿度を検出し、
    前記検出した空気の温度及び湿度が許容温湿度範囲内であっても、湿度の変化度合いに前記許容温湿度範囲の幅より小さい所定の上限を設けて制御することを特徴とする塗装ブースの空調制御方法。
  2. 請求項1に記載の塗装ブースの空調制御方法において、
    加湿に用いる水噴霧器を備え、前記水噴霧器から放出する水の粒子径を一定の大きさになるように、前記水噴霧器に供給する水圧を、インバータを用いて制御することを特徴とする塗装ブースの空調制御方法。
  3. 塗装ブースの空調制御システムにおいて、
    前記塗装ブース内に空気の温度及び湿度を計測する温湿度計と、
    各段に複数の加湿に用いる水噴霧器を備えた多段のヘッダ管と、
    前記ヘッダ管の段毎に設けられた開閉弁と、
    前記ヘッダ管に水を供給するポンプと、
    前記ポンプの水圧を監視する圧力計と、
    前記ポンプの周波数を変調させるインバータと、を備え、
    前記温湿度計によって計測される空気の温度及び湿度が許容温湿度範囲であっても、湿度の変化度合いに前記許容温湿度範囲の幅より小さい所定の上限を設け、前記インバータで制御することを特徴とする塗装ブースの空調制御システム。
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