JP2013194850A - 磁性ブレーキ装置の製造方法 - Google Patents

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正芳 杉野
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Abstract

【課題】シール性能のばらつきを抑制する製造方法の提供。
【解決手段】磁性ヨーク15の径方向の一部である主ヨーク18を、磁力源14と軸方向に隣接する箇所から磁力源14よりも径方向に突出させて、固定する主ヨーク固定工程と、主ヨーク固定工程後において、磁性を有する磁性治具7を、磁力源14と軸方向に接触させ且つ主ヨーク18から径方向に離間させて、固定する治具固定工程と、治具固定工程後において、主ヨーク18が回転軸3との間に形成する磁気ギャップ5に、機能性流体4を注入する流体注入工程と、流体注入工程後において、治具固定工程による固定位置から磁性治具7を離脱させる治具離脱工程と、治具離脱工程後において、磁性ヨーク15の径方向の残部である補助ヨーク19を、磁力源14と軸方向に接触させ且つ主ヨーク18と径方向に接触させて、固定する補助ヨーク固定工程と、を実行する。
【選択図】図8

Description

本発明は、磁性ブレーキ装置の製造方法に関する。
従来、相対回転自在に配置されて軸方向に沿って径方向の磁気ギャップを空ける第一部材及び第二部材間の磁気ギャップを、磁性粒子の分散した機能性流体によりシールする磁気シール装置が、知られている。
例えば特許文献1に開示される磁気シール装置は、軸方向に着磁される磁力源に対して、磁性を有する磁性ヨークが軸方向に隣接する構造を、備えている。こうした構造の磁気シール装置では、第一部材により磁力源と共に保持される磁性ヨークが第二部材との間に磁気ギャップを形成していることから、磁力源の発する磁束が当該磁気ギャップに案内される。その結果、磁束の通過する磁気ギャップにおいて機能性流体中の磁性粒子が捕捉されることにより、第一部材及び第二部材の間がシールされることになる。
さて、特許文献1には、上記構造の磁気シール装置を製造する方法についても、開示されている。この製造方法では、まず、磁性ヨークを、磁力源と軸方向に接触させ且つ当該磁力源よりも径方向に突出させて、固定する。次に、磁性を有する磁性治具を、磁力源と軸方向に接触させ且つ磁性ヨークと径方向に接触させて、固定する。続いて、磁力源の径方向両側のうち磁性ヨークの突出側に、機能性流体を保持させる。最後に、磁性治具を先の固定位置から離脱させることで、磁力源に保持された機能性流体を、磁性ヨークの突出側端部と第二部材との間の磁気ギャップに移動させるのである。
特開平10−110832号公報
しかし、特許文献1に開示の製造方法では、磁性治具の離脱に応じて通過磁束密度が増大する磁気ギャップに、機能性流体が磁気吸引されて移動することになるため、その移動量を左右する要因は、磁性ヨークの製造公差や磁性治具の固定位置等、多岐に渡る。その結果、磁気ギャップへの機能性流体の移動量、ひいてはシール性能にばらつきが生じ易くなる。
また特に、製造後の製品においてもそのままの形で使用される磁性ヨークによれば、磁気ギャップでの通過磁束密度は、磁性治具の離脱に応じて、機能性流体を捕捉可能な密度まで上昇する。その結果、磁気ギャップの磁力源側の開口付近では、磁気吸引により移動した機能性流体が強固に捕捉されて、それ以上の機能性流体の流入が困難となることで、シール性能のばらつきを招いてしまうのである。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、シール性能のばらつきを抑制する磁気シール装置の製造方法を、提供することにある。
本発明方法は、相対回転自在に配置されて軸方向に沿って径方向の磁気ギャップ(5)を空ける第一部材(2,3)及び第二部材(3,2)間の磁気ギャップを、磁性粒子の分散した機能性流体(4)によりシールする磁気シール装置(1)として、軸方向に着磁され、第一部材に保持される磁力源(14)と、磁性を有し、第一部材に保持されて磁気ギャップを第二部材との間に形成し、磁力源と軸方向に隣接する箇所から磁気ギャップへ磁束を案内する磁性ヨーク(15,16)と、を備えた磁気シール装置を、製造する方法であって、磁性ヨークの径方向の一部である主ヨーク(18)を、磁力源と軸方向に隣接する箇所から磁力源よりも径方向に突出させて、固定する主ヨーク固定工程(S101)と、主ヨーク固定工程後において、磁性を有する磁性治具(7,2007)を、磁力源と軸方向に接触させ且つ主ヨークから径方向に離間させて、固定する治具固定工程(S102)と、治具固定工程後において、主ヨークが第二部材との間に形成する磁気ギャップに、機能性流体を注入する流体注入工程(S104)と、流体注入工程後において、治具固定工程による固定位置から磁性治具を離脱させる治具離脱工程(S105)と、治具離脱工程後において、磁性ヨークの径方向の残部である補助ヨーク(19)を、磁力源と軸方向に接触させ且つ主ヨークと径方向に接触させて、固定する補助ヨーク固定工程(S106)と、を含むことを特徴とする。
このような特徴の本発明方法では、主ヨーク固定工程により主ヨークを、磁力源との軸方向の隣接箇所から磁力源よりも径方向に突出させて固定した後、治具固定工程により磁性治具を、磁力源と軸方向に接触させ且つ主ヨークから径方向に離間させて固定する。これにより、軸方向に着磁された磁力源の発する磁束は、磁性を有する磁性治具へと案内されることで、相互離間した当該磁性治具と主ヨークとの間のギャップである離間ギャップを通過する。その結果、磁性ヨークの径方向の一部である主ヨークが第二部材との間に形成する磁気ギャップには、上記離間ギャップへの通過により密度低下した磁束が案内されることになる。
こうして通過磁束密度を低下させた磁気ギャップに、磁性粒子を分散した機能性流体を直接に注入する流体注入工程では、その注入量を正確に制御し易いだけでなく、磁気ギャップの開口付近に捕捉された機能性流体により注入が阻害される事態も、抑制できる。さらに流体注入工程後には、磁性治具を固定位置から離脱させてなる空スペースにて、磁性ヨークの径方向の残部である補助ヨークを、磁力源と軸方向に接触させ且つ主ヨークと径方向に接触させて固定することで、製品としての磁性ヨークが完成する。これにより、磁気ギャップでの通過磁束密度が上昇するので、当該磁気ギャップに注入された機能性流体を、そのまま捕捉できる。
以上の如き本発明方法によれば、磁気ギャップにおける機能性流体の捕捉量のばらつき、ひいてはシール性能のばらつきを抑制することが、可能となるのである。
本発明方法のさらなる特徴としては、主ヨーク固定工程において、磁気シール装置(1)のうち磁力源に固定される非磁性の固定部材(17)を介して、主ヨークを、磁力源よりも径方向に突出する姿勢に保持する。このような特徴の主ヨーク固定工程により主ヨークは、磁力源に固定される固定部材を介して、磁力源よりも径方向に突出する姿勢に保持されるので、その後において、磁性治具との間の離間ギャップ及び第二部材との間の磁気ギャップを適正サイズに形成できる。これによれば、磁束の通過を規制する非磁性の固定部材が用いられることと相俟って、離間ギャップから主ヨークを通過して磁気ギャップに案内される磁束の密度を、安定させ得る。故に、磁気ギャップでの通過磁束密度がばらつくことで、当該磁気ギャップにおける機能性流体の捕捉量のばらつき、ひいてはシール性能のばらつきを招く事態につき、抑制が可能となる。
本発明方法により製造される磁気シール装置において磁性ヨークは、磁力源と軸方向に隣接する箇所から磁力源よりも径方向に突出する主ヨークと、磁力源と軸方向に接触し且つ主ヨークと径方向に接触する補助ヨークと、を組み合わせて構成されることになる。この特徴のように、磁力源との軸方向の隣接箇所から磁力源よりも径方向に突出する主ヨークに対して、磁力源と軸方向に接触し且つ主ヨークと径方向に接触する補助ヨークを組み合わせてなる磁性ヨークによれば、第二部材との間の磁気ギャップにて機能性流体を捕捉できる。ここで磁性ヨークは、本発明方法の各工程を経て完成させられることから、磁気ギャップでは、適正量の機能性流体が捕捉され得るので、シール性能のばらつき抑制が可能となるのである。
第一実施形態による磁気シール装置を示す断面図である。 第一実施形態において用いられる機能性流体について説明するための特性図である。 第一実施形態による磁気シール装置における磁束の通過について説明するための断面図である。 第一実施形態による磁気シール装置の製造方法を示すフローチャートである。 第一実施形態による磁気シール装置の製造方法のうち主ヨーク固定工程を示す断面図である。 第一実施形態による磁気シール装置の製造方法のうち治具固定工程を示す断面図である。 第一実施形態による磁気シール装置の製造方法のうち前駆体固定工程を示す断面図である。 第一実施形態による磁気シール装置の製造方法のうち流体注入工程を示す断面図である。 第一実施形態による磁気シール装置の製造方法のうち治具離脱工程を示す断面図である。 第一実施形態による磁気シール装置の製造方法のうち補助ヨーク固定工程を示す断面図である。 第一実施形態による磁気シール装置の作用効果を説明するための断面図(a),(b)である。 第二実施形態による磁気シール装置の作用効果を説明するための特性図である。 第二実施形態による磁気シール装置の製造方法のうち治具固定工程を示す断面図である。 図1の変形例を示す断面図である。 図6の変形例を示す断面図である。 図1の変形例を示す断面図である。 図1の変形例を示す断面図である。 図1の変形例を示す断面図である。 図6の変形例を示す断面図である。 図1の変形例を示す断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
図1に示すように、本発明の第一実施形態による磁気シール装置1は、「第一部材」としての筐体2と、「第二部材」としての回転軸3との間を、機能性流体4によりシールする。
ここで、筐体2は中空状に形成されている一方、回転軸3は円柱状に形成されている。筐体2は、回転軸3の径方向外周側を囲んで配置され、当該軸3との間に径方向の磁気ギャップ5を軸方向に沿って空けている。かかる配置形態において回転軸3は、筐体2により相対回転自在に支持されている。
本実施形態では磁気粘性流体である機能性流体4は、カルボニル鉄等の粉状の磁性粒子を、オイル等の非磁性ベース液に懸濁状に分散させてなる。機能性流体4は、筐体2及び回転軸3の間の磁気ギャップ5に、注入されている。機能性流体4は、磁気ギャップ5を通過する磁束の密度増加に追従して見かけ上の粘度を図2の如く上昇させることで、磁気ギャップ5に捕捉される。かかる機能性流体4の捕捉により、磁気ギャップ5をシールするシール膜が形成されることになる。
以上の如き要素2,3,4を前提として、磁気ギャップ5に磁束を与える図1の磁気シール装置1は、磁気シールスリーブ10及び一対の磁性ガイド11,12を備えている。具体的に磁気シールスリーブ10は、磁力源14、一対の磁性ヨーク15,16及び固定部材17を有している。
磁力源14は、フェライト磁石等の永久磁石により円筒状に形成され、回転軸3の径方向外周側に同軸上に配置されている。磁力源14の外周部は、筐体2のうち有底円筒孔状に形成された保持孔6内に、同軸上に挿入されている。磁力源14は、軸方向に着磁されることで、当該軸方向の両端部にそれぞれ相反極性の磁極N,Sを形成している。かかる着磁形態により磁力源14は、図3に模式的に示す如き磁束MFを、磁極N,S間に定常的に発生させる。
図1に示すように一方の磁性ヨーク15は、主ヨーク18及び補助ヨーク19を組み合わせて構成されている。
主ヨーク18は、炭素鋼等の磁性材により円環板状に形成され、回転軸3の径方向外周側に同軸上に配置されている。主ヨーク18は、磁力源14の一方の軸方向端面14aのうち内周縁と隣接する箇所から、当該磁力源14よりも径方向内周側へと突出することで、磁束ガイド部180を形成している。それと共に主ヨーク18は、磁束ガイド部180から軸方向の磁力源14側へ突出することで、円筒状の固定凸部181を、磁力源14の内周面14cから径方向内周側に離間させて形成している。
補助ヨーク19は、主ヨーク18と実質同一厚さの円環板状に炭素鋼等の磁性材によって形成され、主ヨーク18の径方向外周側に同軸上に配置されている。補助ヨーク19は、主ヨーク18の外周面18aに嵌合固定されることで、当該外周面18aに径方向に接触し且つ磁力源14の一方の軸方向端面14aに軸方向に接触している。但し、本実施形態において補助ヨーク19の外周面19aは、保持孔6の内周面6aから径方向内周側に離間して位置している。
他方の磁性ヨーク16は、炭素鋼等の磁性材により円環板状に形成され、回転軸3の径方向外周側に同軸上に配置されている。磁性ヨーク16は、保持孔6の内底面6bと磁力源14の他方の軸方向端面14bとの間に挟持された状態で、保持孔6の内周面6aに嵌合固定されている。磁性ヨーク16は、軸方向に接触した磁力源14よりも径方向内周側へと突出することで、磁束ガイド部160を形成している。それと共に磁性ヨーク16は、磁束ガイド部160から軸方向の磁力源14側へと突出することで、円筒状の固定凸部161を、磁力源14の内周面14cから径方向内周側に離間させて形成している。
固定部材17は、オーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性材により円筒状に形成され、回転軸3及び固定凸部181,161の径方向外周側且つ磁力源14の径方向内周側に、同軸上に配置されている。固定部材17は、磁力源14の内周面14cと固定凸部181,161の各外周面181a,161aとに嵌合固定されている。以上の構成により本実施形態では、補助ヨーク19が主ヨーク18に嵌合固定されてなる磁性ヨーク15と、磁力源14と、保持孔6に嵌合固定された磁性ヨーク16とを、筐体2が保持している。
ここまで説明の磁気シールスリーブ10に対して、回転軸3に設けられる各磁性ガイド11,12は、当該軸3と同じ炭素鋼等の磁性材により、径方向外周側へと突出する円環板状に形成されている。各磁性ガイド11,12は、それぞれ対応する磁束ガイド部180,160の径方向内周側に、同軸上に配置されている。各磁性ガイド11,12は、対応する磁束ガイド部180,160から離間することで、それぞれ磁気ギャップ5の一部をなすシールギャップ部5a,5bを、当該対応ガイド部180,160との間に円環状に形成している。
図3に示すように磁力源14の発生磁束MFは、当該磁力源14に軸方向に隣接する各磁束ガイド部180,160と、各磁性ガイド11,12との間を、各シールギャップ部5a,5bを通じて案内される。このような案内作用により、磁気ギャップ5のうち磁束MFが高密度に通過することになるシールギャップ部5a,5bでは、通過磁束MFの作用を受ける機能性流体4中の磁性粒子が、耐圧性の高い膜状に捕捉される。こうして形成されるシール膜によれば、筐体2及び回転軸3間の磁気ギャップ5がシールギャップ部5a,5bにてシールされることとなる。
(製造方法)
次に、本発明の第一実施形態の特徴である磁気シール装置1の製造方法について、図4のフローチャートに従って詳細に説明する。
まず、S101の主ヨーク固定工程では、図5に示すように、一方の磁性ヨーク15において径方向の一部をなす主ヨーク18を、他方の磁性ヨーク16と共に、磁力源14に対して固定する。このとき、各固定凸部181,161と磁力源14とを、固定部材17に対して径方向に嵌合させる。これにより、各磁束ガイド部180,160がそれぞれ対応端面14a,14bとの隣接箇所から磁力源14よりも径方向内周側に突出する姿勢に、各ヨーク18,16が固定部材17を介して磁力源14に保持される。
次に、S102の治具固定工程では、図6に示す磁性治具7を、磁力源14に固定する。ここで、炭素鋼等の磁性材により有底円筒状に形成される磁性治具7は、底壁部及び周壁部をそれぞれ、接触部7a及び嵌合部7bとして有している。本実施形態の磁性治具7では特に、磁性ヨーク15を構成するヨーク18,19と実質同一厚さに、接触部7aが形成され、また後述する前駆体固定工程において保持孔6及び磁力源14間に形成される軸方向隙間と実質同一厚さに、嵌合部7bが形成されている。こうした磁性治具7を用いる治具固定工程では、円筒状の嵌合部7bを磁力源14の外周面14dに対して径方向に嵌合させると共に、円環板状の接触部7aを磁力源14の主ヨーク18側の端面14aに対して軸方向に接触させる。これにより、接触部7aが主ヨーク18の外周面18aから径方向外周側に離間する姿勢に、磁性治具7が磁力源14に固定される。
続いて、S103の前駆体固定工程では、図7に示すように、磁気シールスリーブ10の一部の構成要素14,18,16,17に磁性治具7を固定してなる前駆体10aを、筐体2に対して固定する。このとき、前駆体10aのうち磁性ヨーク16を、筐体2に設けられた保持孔6に対して径方向に嵌合且つ軸方向に接触させる。これにより、各磁束ガイド部180,160と各磁性ガイド11,12との間に、磁気ギャップ5をなす各シールギャップ部5a,5bが形成されることになる(形成された各シールギャップ部5a,5bについては、図8参照)。尚、この前駆体固定工程については、例えば先の治具固定工程において前駆体10aの形成を保持孔6内にて実現すること等により、省略してもよい。
また続いて、S104の流体注入工程では、図8に示すシリンジ8を用いて、機能性流体4を各シールギャップ部5a,5bに注入する。ここでシリンジ8は、内部に収容した機能性流体4を外部へ押し出す注入口8aを有し、当該注入口8aからの注入量を正確に制御可能となっている。こうしたシリンジ8を用いる流体注入工程では、シールギャップ部5a,5bのうち磁力源14とは反対側の開口5ao,5bo付近にシリンジ8の注入口8aをセットした状態下、当該注入口8aから機能性流体4を押し出すことで、シールギャップ部5a,5bへの流体注入量を制御する。尚、シールギャップ部5a,5bへの流体注入については、片側ずつ行ってもよいし(図8は、主ヨーク18及び磁性ガイド11間のシールギャップ部5aに対する流体注入の例)、両側を同時に行なってもよい。
さらに続いて、S105の治具離脱工程では、図9に示すように、前駆体10aにおいて磁力源14と接触する固定位置から、磁性治具7を離脱させる。このとき、嵌合部7bを磁力源14の外周面14dに対して軸方向にスライド移動させながら、接触部7aを磁力源14の端面14aから離間させることで、機能性流体4の注入されたシールギャップ部5a,5bのサイズを実質的に変化させずに、磁性治具7の離脱を完了させる。
この後、S106の補助ヨーク固定工程では、図10に示すように、一方の磁性ヨーク15において主ヨーク18を除いた径方向の残部となる補助ヨーク19を、磁力源14に対して固定する。このとき、補助ヨーク19を主ヨーク18に対して径方向に嵌合させることで、当該補助ヨーク19は、主ヨーク18の外周面18aと径方向に接触し且つ磁力源14の主ヨーク18側の端面14aと軸方向に接触する姿勢に、固定される。これにより、機能性流体4の注入されたシールギャップ部5a,5bのサイズを実質的に変化させることなく、磁気シールスリーブ10が完成して、磁気シール装置1の製造が完了する。
(作用効果)
以上説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
第一実施形態では、主ヨーク固定工程により主ヨーク18を、磁力源14との軸方向の隣接箇所から磁力源14よりも径方向に突出させて固定した後、治具固定工程により磁性治具7を、磁力源14と軸方向に接触させ且つ主ヨーク18から径方向に離間させて固定する。これにより、軸方向に着磁された磁力源14の発する磁束MFは、磁性を有する磁性治具7へと案内されることで、相互離間した当該治具7と主ヨーク18との間のギャップである離間ギャップ9(図6〜8参照)を通過する。その結果、磁性ヨーク15の径方向の一部である主ヨーク18が回転軸3との間に形成する磁気ギャップ5としてのシールギャップ部5aには、離間ギャップ9への通過により密度低下した磁束MFが案内されることになる。また、第一実施形態では同様に、磁性ヨーク16が回転軸3との間に形成する磁気ギャップ5としてのシールギャップ部5bにも、離間ギャップ9への通過により密度低下した磁束MFが案内されることになる。
ここで、図11(a)に示すように磁性治具7を固定した前駆体10aと、図11(b)に示すように補助ヨーク19を固定した磁気シールスリーブ10とを、磁性ガイド11,12に組み合わせて、それぞれ所定箇所Sでの磁束MFの密度を測定した結果を、図12に示す。かかる図12からは、主ヨーク18とは径方向に離間して離間ギャップ9を形成する磁性治具7を、補助ヨーク19の代わりに固定することで、磁束MFの密度が大幅に低下することが、分かる。
こうして通過磁束密度を低下させた各シールギャップ部5a,5bに機能性流体4を直接に注入する流体注入工程では、その注入量を正確に制御し易いだけでなく、それらギャップ部5a,5bの開口5ao,5bo付近に捕捉された流体4による注入阻害も、抑制できる。さらに流体注入工程後には、磁性治具7を固定位置から離脱させてなる空スペースにて、磁性ヨーク15の径方向の残部である補助ヨーク19を、磁力源14と軸方向に接触させ且つ主ヨーク18と径方向に接触させて固定することで、製品としての磁性ヨーク15が完成する。これにより、各シールギャップ部5a,5bでの通過磁束密度が上昇するので、それらギャップ部5a,5bに注入された機能性流体4を、そのまま捕捉できる。即ち、磁力源14との軸方向の隣接箇所から磁力源14よりも径方向に突出する主ヨーク18に対して、磁力源14と軸方向に接触し且つ主ヨーク18と径方向に接触する補助ヨーク19を組み合わせてなる磁性ヨーク15によれば、シールギャップ部5a,5bにて機能性流体4を適正量に捕捉できる。
以上の如き第一実施形態によれば、磁気ギャップ5のシールギャップ部5a,5bにおける機能性流体4の捕捉量のばらつき、ひいてはシール性能のばらつきを抑制することが、可能となるのである。
ここで主ヨーク固定工程では、磁力源14に固定の固定部材17を介して主ヨーク18を、磁力源14よりも径方向に突出する姿勢に保持するので、その後においては、磁性治具7との間の離間ギャップ9及び回転軸3との間のシールギャップ部5を適正サイズに形成できる。これによれば、磁束MFの通過を規制する非磁性の固定部材17を用いることと相俟って、離間ギャップ9から主ヨーク18を通過してシールギャップ部5a,5bに案内される磁束MFの密度を、安定させ得る。故に、シールギャップ部5a,5bでの通過磁束密度がばらつくことで、それらギャップ部5a,5bにおける機能性流体4の捕捉量のばらつき、ひいてはシール性能のばらつきを招く事態につき、抑制が可能となる。
また、治具固定工程において磁性治具7については、嵌合部7bを磁力源14に径方向に嵌合させた状態下、磁力源14と軸方向に接触させた接触部7aを、主ヨーク18から径方向に離間する姿勢に固定するので、離間ギャップ9が適正サイズに形成され得る。これによれば、接触部7aから離間ギャップ9を通過して主ヨーク18からシールギャップ部5a,5bに案内される磁束MFの密度を、安定させ得る。故に、シールギャップ部5a,5bでの通過磁束密度がばらつくことで、それらギャップ部5a,5bにおける機能性流体4の捕捉量のばらつき、ひいてはシール性能のばらつきを招く事態につき、抑制が可能となる。
さらにまた、流体注入工程では、シールギャップ部5a,5bへの機能性流体4の注入量を、シリンジ8により正確に制御し得る。故に、シールギャップ部5a,5bにおける機能性流体4の捕捉量のばらつき、ひいてはシール性能のばらつきを抑制することに、貢献できるのである。
(第二実施形態)
図13に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態の治具固定工程では、接触部7a及び嵌合部7bに加えて制御凸部2007cを備えた磁性治具2007が、用いられる。ここで制御凸部2007cは、円環板状の接触部7aから軸方向のうち磁力源14とは反対側へ突出する円筒状に、形成されている。そこで治具固定工程では、接触部7aが主ヨーク18から径方向に離間する姿勢に磁性治具2007を固定する際、制御凸部2007cの軸方向位置を直動装置(図示しない)により制御することで、当該接触部7aを正確に位置決めできる。
こうした位置決め作用の結果、接触部7a及び主ヨーク18間の離間ギャップ9を適正サイズに形成できるので、接触部7aから離間ギャップ9を通過して主ヨーク18からシールギャップ部5a,5bに案内される磁束MFの密度を、安定させ得る。故に、シールギャップ部5a,5bでの通過磁束密度がばらつくことで、それらギャップ部5a,5bにおける機能性流体4の捕捉量のばらつき、ひいてはシール性能のばらつきを招く事態につき、抑制が可能となる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的に第一及び第二実施形態では、図14に変形例を示すように、一方の磁性ヨーク15だけでなく、他方の磁性ヨーク16についても、主ヨーク18及び補助ヨーク19を組み合わせて構成してもよく、また当該構成では、両方の補助ヨーク19を保持孔6の内周面6aに嵌合させてもよい。この場合、図15に変形例を示す(同図は第一実施形態の変形例のみを示す)ように磁力源14の軸方向両側に主ヨーク18及び磁性治具7,2007を順次固定した後、機能性流体4の注入を経て、当該軸方向両側からの磁性治具7,2007の離脱並びに当該軸方向両側での補助ヨーク19の固定を行うこととなる。
また、第一及び第二実施形態では、図16に変形例を示すように、主ヨーク18及び補助ヨーク19を組み合わせた一方の磁性ヨーク15のみを設けて、他方の磁性ヨーク16については設けない構成を、採用してもよい。さらに、第一及び第二実施形態では、図17に変形例を示すように、磁力源14における主ヨーク18との隣接箇所を、軸方向端面14aの内周縁だけでなく、軸方向端面14aのうち内周縁を含む所定の径方向幅ΔCの内周部としてもよい。またさらに、第一及び第二実施形態では、図18に変形例を示すように固定部材17を設けないで、各磁性ヨーク15(18),16の固定凸部181,161を、磁力源14の内周面14cに直接に嵌合固定させてもよい。
加えて、第一及び第二実施形態では、図19に変形例を示す(同図は第一実施形態の変形例のみを示す)ように、嵌合部7bを備えない磁性治具7,2007を用いることで、当該磁性治具7,2007を磁力源14とは嵌合させないで、磁気吸引力のみにより磁力源14に固定してもよい。また加えて、第一及び第二実施形態では、図20に変形例を示すように、「第一部材」としての回転軸3に磁気シールスリーブ10を保持させる一方、「第二部材」としての筐体2に磁性ガイド11,12を設けてもよい。
さらに加えて、磁性粒子を有する機能性流体4としては、第一及び第二実施形態の如き磁気粘性流体以外、例えば磁性流体を用いてもよく、そうした機能性流体4の注入方法としても、第一及び第二実施形態の如きシリンジ8を用いる以外の方法であってもよい。またさらに加えて、磁力源14としては、第一及び第二実施形態の如き永久磁石以外にも、例えば電磁石を用いてもよい。そして本発明は、相対回転自在に配置されて軸方向に沿って径方向の磁気ギャップを空ける第一部材及び第二部材を備える構造であれば、第一及び第二実施形態の如き筐体2及び回転軸3を備えた構造以外にも、適用可能である。
1 磁気シール装置、2 筐体、3 回転軸、4 機能性流体、5 磁気ギャップ、5a,5b シールギャップ部、5ao,5bo 開口、6 保持孔、7,2007 磁性治具、7a 接触部、7b 嵌合部、8 シリンジ、8a 注入口、9 離間ギャップ、10 磁気シールスリーブ、10a 前駆体、11,12 磁性ガイド、14 磁力源、15,16 磁性ヨーク、17 固定部材、18 主ヨーク、19 補助ヨーク、160,180 磁束ガイド部、161,181 固定凸部、2007c 制御凸部、MF 磁束、S101 主ヨーク固定工程、S102 治具固定工程、S104 流体注入工程、S105 治具離脱工程、S106 補助ヨーク固定工程

Claims (6)

  1. 相対回転自在に配置されて軸方向に沿って径方向の磁気ギャップ(5)を空ける第一部材(2,3)及び第二部材(3,2)間の前記磁気ギャップを、磁性粒子の分散した機能性流体(4)によりシールする磁気シール装置(1)として、
    前記軸方向に着磁され、前記第一部材に保持される磁力源(14)と、
    磁性を有し、前記第一部材に保持されて前記磁気ギャップを前記第二部材との間に形成し、前記磁力源と前記軸方向に隣接する箇所から前記磁気ギャップへ磁束を案内する磁性ヨーク(15,16)と、
    を備えた磁気シール装置を、製造する方法であって、
    前記磁性ヨークの前記径方向の一部である主ヨーク(18)を、前記磁力源と前記軸方向に隣接する箇所から前記磁力源よりも前記径方向に突出させて、固定する主ヨーク固定工程(S101)と、
    前記主ヨーク固定工程後において、磁性を有する磁性治具(7,2007)を、前記磁力源と前記軸方向に接触させ且つ前記主ヨークから前記径方向に離間させて、固定する治具固定工程(S102)と、
    前記治具固定工程後において、前記主ヨークが前記第二部材との間に形成する前記磁気ギャップに、前記機能性流体を注入する流体注入工程(S104)と、
    前記流体注入工程後において、前記治具固定工程による固定位置から前記磁性治具を離脱させる治具離脱工程(S105)と、
    前記治具離脱工程後において、前記磁性ヨークの前記径方向の残部である補助ヨーク(19)を、前記磁力源と前記軸方向に接触させ且つ前記主ヨークと前記径方向に接触させて、固定する補助ヨーク固定工程(S106)と、
    を含むことを特徴とする磁気シール装置の製造方法。
  2. 前記主ヨーク固定工程において、前記磁気シール装置(1)のうち前記磁力源に固定される非磁性の固定部材(17)を介して、前記主ヨークを、前記磁力源よりも前記径方向に突出する姿勢に保持することを特徴とする請求項1に記載の磁気シール装置の製造方法。
  3. 前記治具固定工程において、前記磁力源と前記軸方向に接触させる接触部(7a)並びに前記磁力源に前記径方向に嵌合させる嵌合部(7b)を備えた前記磁性治具(7,2007)を、前記接触部が前記主ヨークから前記径方向に離間する姿勢に、固定することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気シール装置の製造方法。
  4. 前記治具固定工程において、前記磁力源と前記軸方向に接触させる接触部(7a)並びに前記軸方向の前記磁力源とは反対側へ突出する制御凸部(2007c)を備えた前記磁性治具(2007)を、前記接触部が前記主ヨークから前記径方向に離間する姿勢に、固定する際に、前記制御凸部の位置を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気シール装置の製造方法。
  5. 前記流体注入工程において、前記磁気ギャップへの前記機能性流体の注入量を、シリンジ(8)により制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁気シール装置の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法により製造される磁気シール装置であって、
    前記磁性ヨークは、
    前記磁力源と前記軸方向に隣接する箇所から前記磁力源よりも前記径方向に突出する前記主ヨークと、
    前記磁力源と前記軸方向に接触し且つ前記主ヨークと前記径方向に接触する前記補助ヨークと、
    を組み合わせて構成されることを特徴とする磁気シール装置。
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