JP2013194177A - 連続重合の停止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続重合によるポリマーの製造に際して、反応槽の内温上昇を抑制し、安定して連続重合を停止させることができる連続重合の停止方法を提供する。
【解決手段】反応槽にモノマーおよび重合開始剤を連続的に供給することにより、反応槽内でモノマーを重合させ、反応槽内から外部へ重合組成物を連続的に取り出す連続重合において、
反応槽内の攪拌と、反応槽内から外部への重合組成物の取り出しを継続したままで、反応槽への重合開始剤の供給を停止し、かつ、反応槽内に、モノマーを含有する溶存酸素濃度が0〜5ppmである原料を、重合反応中における原料の流量の1/500〜1/10の流量で連続的に供給することを特徴とする連続重合の停止方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、メタクリル酸エステル系ポリマー等を製造するための連続重合における、連続重合の停止方法に関する。
近年、メタクリル酸エステル系ポリマー、アクリル酸エステル系ポリマー、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)などの製造には、モノマー類や重合開始剤などを連続的に重合反応槽に加えて重合させる連続バルク重合法や連続溶液重合法が採用されている。
特許文献1には、重合反応槽内に、メタクリル酸メチル(MMA)などのメタクリル酸エステル系モノマーと重合開始剤とを連続的に供給してバルク重合させる、連続バルク重合法によるポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのメタクリル酸エステル系ポリマーの製造が記載されている。
MMAなどの重合反応を連続バルク重合によって実行する場合において、反応生成物であるPMMAは、未反応のMMAを含む粘性重合液体(以下、「重合シロップ」という。)として反応槽から取り出された後、例えば、脱気押出機などに導入されることにより、未反応のモノマーが分離、除去され、さらに、例えば、ペレタイザーでペレット化されることにより、種々のPMMA製品の製造原料として提供される。
上述のPMMAの製造に際して、上記反応槽よりも重合シロップの流れ方向の下流側に配置される脱揮押出機やペレタイザーでトラブルが発生した場合や、上記下流側において点検作業などを実施する場合には、上流側の供給を停止する等によって、下流側への重合シロップの流入を中止する必要がある。
下流側への重合シロップの流入を中止する方法としては、別途、重合シロップを貯えることのできる貯槽を設置し、該貯槽へ重合シロップを流入させる方法および上流の重合反応を停止する方法がある。
重合シロップを貯えるための貯槽を新たに設置する方法では、中止できる時間が貯槽の容積で決ってしまうため、点検、修理等に十分な時間、中止するためには大きな容積の貯槽が必要となり、貯槽内での重合を防止しながら重合シロップを保存することは技術的に非常に難しくなる。また、貯槽に溜まった重合シロップも貯蔵時の熱重合等の影響で利用することができなくなる。
一方、上流側の重合反応を停止する方法では、通常、重合槽への重合開始剤の供給を停止するだけでなく、重合禁止剤をMMAモノマーとともに供給する処置を施して、あらかじめ反応槽の内部を、重合禁止剤を含むMMAモノマーで置換させるという処置が施される。そのため、上述の一連の処置を経て重合反応を停止するにはかなりの時間を必要とし、必要な時にすぐに下流側への多くの重合シロップの流入を停止することはできない。また、重合反応を再開させる際に、再び重合禁止剤を含むMMAモノマーを、重合開始剤を含むMMAモノマーで置換する処置が必要になり、重合反応の再開にもかなりの時間を必要とする。さらに、この方法では、反応槽の内温上昇がみられ、安定して連続重合を停止することができないことがあった。
特許文献2には、前記反応槽へのモノマーの供給流量を調整することによって反応槽の温度を特定範囲にすることにより、連続重合を停止する方法が記載されている。この方法によると、長時間の停止が可能であり、また、停止および再開が容易であるものの、停止中における反応槽内の温度と外壁面の温度に合わせて、原料モノマーの供給流量を調節する操作が必要であった。
特開平7−126308号公報 特開2006−131847号公報
本発明の目的は、連続重合によるポリマーの製造に際して、反応槽の内温上昇を抑制し、安定して連続重合を停止させることができる操作が簡便な連続重合の停止方法を提供することである。
本発明は、
反応槽にモノマーおよび重合開始剤を連続的に供給することにより、反応槽内でモノマーを重合させ、反応槽内から外部へ重合組成物を連続的に取り出す連続重合において、
反応槽内の攪拌と、反応槽内から外部への重合組成物の取り出しを継続したままで、反応槽への重合開始剤の供給を停止し、かつ、反応槽内に、モノマーを含有する溶存酸素濃度が0〜5ppmである原料を、重合反応中における原料の流量の1/500〜1/10の流量で連続的に供給することを特徴とする連続重合の停止方法を提供する。
本発明に係る連続重合の停止方法によれば、トラブルが発生したり点検作業を開始したりするなどの理由により、重合反応を停止させるにあたって、重合反応の停止をスムーズに実行することができる。
また、本発明の方法は、簡便な操作で反応槽の内温上昇を抑制し、連続重合を安定して一時停止することができる。
本発明で使用する連続バルク重合装置の一例である。
本発明における連続重合としては、連続バルク重合、および連続溶液重合が挙げられる。
本発明において、重合に付されるモノマーおよび原料に含まれるモノマーとしては、メタクリル酸エステル系モノマー、アクリル酸エステル系モノマー、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。また、ブタジエン、SBRのようなゴム状重合体を溶解して使用することもできる。
以下、モノマーとしてメタクリル酸エステル系モノマーを用いた連続バルク重合を例に説明するが、これに限られるものではない。メタクリル酸エステル系モノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メタクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アリールエステルなどが挙げられる。なかでも、好ましくは、メタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
上記メタクリル酸アルキルエステルのアルキルとしては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素数1〜18のアルキルが挙げられる。すなわち、メタクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸s−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルなどが挙げられる。なかでも、好ましくは、メタクリル酸メチルが挙げられる。
上記例示のメタクリル酸エステル系モノマーは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
また、上記例示のメタクリル酸エステル系モノマーを重合して得られるポリマーは、メタクリル酸エステル系モノマーの単独重合体であってもよいし、あるいはメタクリル酸エステル50重量%以上と共重合可能な他のビニル単量体を50重量%以下で含有するモノマーを共重合して得られるコポリマーであってもよい。コポリマーはメタクリル酸エステル80重量%以上と他のビニル単量体を20重量%以下で含有するモノマーを共重合して得られるポリマーであることが好ましい。
上記の共重合可能なビニル単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸またはこれらの酸無水物;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸モノグリセロール、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸モノグリセロールなどのヒドロキシル基含有モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジアセトンアクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどの窒素含有モノマー;アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有単量体;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体が挙げられる。
本発明における連続重合に用いられる重合開始剤としては、重合の目的とするポリマーや、重合反応に使用するモノマーの種類に応じて選定されるものであって、特に限定されるものではないが、例えば、ラジカル開始剤が挙げられる。
上記ラジカル開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリル、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリン酸などのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、カプリエルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、イソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキシジカーボネート、s−ブチルパーオキシジカーボネート、n−ブチルパーオキシジカーボネート、2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−エチルヘキサノエート、1,1,2−トリメチルプロピルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−アミルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、1,1,2−トリメチルプロピルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシイソノナエート、1,1,2−トリメチルプロピルパーオキシ−イソノナエート、t−ブチルパーオキシベンゾエートなどの有機過酸化物が挙げられる。これらの重合開始剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ラジカル開始剤の配合量としては、特に限定されるものではないが、通常、原料に含まれるモノマーに対して0.001〜1重量%である。2種以上のモノマーを使用する場合は、モノマーの合計量に対して前記範囲となればよい。
ラジカル重合開始剤については、これに限定されるものではないが、重合温度での半減期が1分以内であるものが好ましい。半減期が1分以内であることによって、反応速度が早くなり、重合反応が特に良好に行われる。
本発明における連続重合では、生成するポリマーの分子量を調整する目的で、連鎖移動剤を使用することができる。上記連鎖移動剤としては、単官能および多官能のいずれの連鎖移動剤であってもよく、具体的には、例えば、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、オクチルメルカプタン、2−エチルヘキシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、などのアルキルメルカプタン;フェニルメルカプタン、チオクレゾールなどの芳香族メルカプタン;エチレンチオグリコールなどの炭素数18以下のメルカプタン類;エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコール類;水酸基をチオグリコール酸または3−メルカプトプロピオン酸でエステル化したもの、1,4−ジヒドロナフタレン、1,4,5,8−テトラヒドロナフタレン、β−テルピネン、テルピノーレン、1,4−シクロヘキサジエン、1,4シクロヘキサジエン、硫化水素などが挙げられる。これらは、1種で使用してもよく、あるいは2種以上を組合せて使用してもよい。
連鎖移動剤の配合量としては、使用する連鎖移動剤の種類などによって相違することから、特に限定されるものではないが、原料に含まれるモノマー100重量部に対して0.01〜5重量部であることが好ましい。例えば、メルカプタン類を使用する場合には、モノマー100重量部に対して0.01〜3重量部であることが好ましく、0.05〜1重量部であることがより好ましい。
本発明における連続重合では、離型剤を使用することができる。離型剤としては、特に制限されないが、例えば、高級脂肪酸エステル、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩等が挙げられる。なお、離型剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。離型剤の使用量は、得られる重合体組成物に含まれる重合体(ポリマー)100重量部に対して、0.01〜1.0重量部となるように調整することが好ましく、0.01〜0.50重量部となるように調整することがより好ましい。
次に、図1に示す連続バルク重合装置を参照しつつ、説明する。
図1に示す連続バルク重合装置は、
・反応槽10
・反応槽10内を撹拌するための撹拌翼11
・撹拌翼11の回転数を検知するための回転数検知手段14
・反応槽10に原料モノマーを供給するためのモノマー供給手段(具体的には、モノマー供給ポンプ20)
・反応槽10に重合開始剤(または、重合開始剤を含むモノマー溶液。以下、これらをまとめて「重合開始剤等」ということがある。)を供給するための開始剤供給手段(具体的には、開始剤供給ポンプ25)
・反応槽10内の温度を検知するための温度検知手段(具体的には、温度センサ35)
・反応槽10の外壁面の温度を調節するための温度調節手段(具体的には、ジャケット15)
・反応槽10に供給する重合開始剤等の流量を制御し、および反応槽の下流側Dにおいてトラブルが発生したことなどを理由として、重合反応を停止する際に、開始剤供給手段(開始剤供給ポンプ25)による重合開始剤等の供給を停止させるための開始剤供給流量制御手段32
・反応槽10に供給する原料モノマーの流量を制御し、および反応槽の下流側Dにおいてトラブルが発生したことなどを理由として、重合反応を停止した場合に、モノマー供給手段(モノマー供給ポンプ20)による原料モノマーの供給流量を調節するためのモノマー供給流量制御手段31
・温度調節手段(ジャケット15)の設定温度を調節するための温度調節制御手段33
を備えている。
連続バルク重合装置は、モノマー供給タンク21,51,56、開始剤供給タンク26、およびモノマー供給タンクに供給する原料モノマー(すなわち、モノマー、あるいは連鎖移動剤や離型剤などの添加剤を含むモノマー溶液)を調合するための調合槽61,66を有する。モノマー供給タンク21,51,56、開始剤供給タンク26、調合槽61,66,71,76のそれぞれには、不活性ガス導入ライン21a,51a,56a、26a,61a,66a,71a,76aが接続されている。
図1に示す連続バルク重合装置において、反応槽10としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、反応槽内を実質的に完全混合状態となし得る完全混合型の反応槽が挙げられる。
反応槽10内を撹拌するための撹拌翼11としては、特に限定されるものではなく、例えば、ミグ(MIG)翼、マックスブレンド翼(住友重機械工業(株)製の登録商標)、パドル翼、ダブルヘリカルリボン翼、フルゾーン翼(神鋼パンテック(株)製)などが挙げられる。反応槽内での攪拌効果をあげるためには、反応槽内にバッフルを取り付けることが望ましい。
重合反応中および重合停止中の撹拌翼11の攪拌動力は特に限定されるものではないが、好ましくは、0.5〜30kW/m3であり、より好ましくは、1〜15kW/m3である。攪拌動力は、反応系の粘度が高くなるほど(または、反応系内のポリマーの含有率が高くなるほど)、大きく設定することが好ましい。攪拌動力は、重合反応中および重合停止中もほぼ同一で一定に保たれるのが好ましい。
本発明においては、重合反応中および重合停止中に反応槽内の撹拌を継続して実行する。撹拌翼11には、その回転数を調節するための回転数検知手段14が備えられている。
重合反応中、反応槽10に、モノマーおよび重合開始剤を供給する。該供給は、モノマー、重合開始剤および必要により連鎖移動剤や離型剤などの添加剤を含む重合原料を供給することにより行われる。
重合を停止させるために、重合開始剤の供給を停止する。重合開始剤の供給を停止して、重合を停止させる間、反応槽10に、モノマーおよび必要により連鎖移動剤や離型剤などの添加剤を含む原料を供給する。
重合停止中の原料の流量は、重合反応中における重合原料の流量の1/500〜1/10、好ましくは1/100〜1/25である。重合反応中および重合停止中において、原料の組成は重合開始剤の有無を除いて同様であってよく、例えば、原料における添加剤の量(割合)は同様であることが好ましい。また、重合停止中における原料の供給流量は一定であることが好ましい。
本発明においては、重合停止中、溶存酸素濃度を0〜5ppm、好ましくは0〜4ppm、特に0〜3ppmに調節した原料を反応槽10内に供給する。それに伴って、生成ポリマーおよび未反応のモノマーを含む重合組成物(重合シロップ等)を反応槽10から抜き出す。
溶存酸素濃度の調節方法としては、特に限定されるものではないが、モノマー供給タンクに供給する原料モノマー(すなわち、モノマー、あるいは添加剤を含むモノマー溶液)を調合するための調合槽またはモノマー供給タンク中の原料モノマーに、不活性ガス導入ラインより不活性ガスを導入して不活性ガスをバブリングしたり、減圧脱気して溶存酸素を除去するのが一般的であるが、他には、ラインミキサーを使用した調合方法が挙げられる。ラインミキサーとしてはスタティックミキサー等のモーションレスミキサーを用いるのが好ましい。ラインミキサーは、調合槽またはモノマー供給タンクに原料モノマーを供給するラインに設置してもよいし、モノマー供給路(配管)に設置してもよい。気液分離器を設けて不活性ガスを連続的にラインミキサーに供給し、気液分離器から放出することによって原料モノマー中の溶存酸素を除去することができる。不活性ガスの例は、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガスおよびアルゴンガスである。不活性ガスの量は、原料モノマーに含まれるモノマー1容量部に対し、ガス2〜16容量部の範囲から選ぶのが好ましい。
重合反応中における反応槽10内の状態は、特に限定されるものではないが、実質的に気相を含まない状態(以下、この状態を「満液状態」という。)とすることが好ましい。反応槽10内を満液状態とすることによって、反応槽10の内壁面にゲルが付着、成長するといった問題や、このゲルが混入することによってポリマーの品質が低下するといった問題が発生することを、未然に防止できる。しかも、反応槽10内を満液状態とする場合には、反応槽10の容積全てをポリマーの生成に有効利用できることから、ポリマーの生産効率を向上させることができる。
反応槽10内の満液状態を達成する方法について、最も簡便な方法としては、重合反応によって生成した重合シロップを反応系外に取り出すための取出口13を、反応槽10の最上部に配置する方法が挙げられる。また、反応槽10内でモノマーの気体が発生しないようにするには、反応槽10内の圧力を、反応槽内の温度におけるモノマーの蒸気圧以上の圧力となるように調節すればよい。この圧力としては、通常、1〜2MPa程度である。
また、重合反応中における反応槽10内の状態は、実質的に反応槽の外部からの熱の出入りがない断熱状態とすることが好ましい。反応槽10内を断熱状態とするには、反応槽10の内部の温度と外壁面との温度をほぼ等しく設定すればよく、断熱状態を得るための具体的手段としては、例えば、後述するように、反応槽10の外壁面を取り囲んでその温度を調節することのできるジャケット15などの、温度調節手段が挙げられる。
反応槽10内を断熱状態とすることによって、反応槽10の内壁面にゲルが付着、成長するといった問題や、このゲルが混入することによってポリマーの品質が低下するといった問題が発生することを、未然に防止できる。しかも、反応槽10内を断熱状態とすることにより、重合反応を安定化させることができ、暴走反応を抑制するための自己制御性をもたらすことができる。なお、反応槽の外壁面の温度を、反応槽内の温度に比べて高く設定しすぎると、反応槽内に余分な熱が加わることから、好ましくない。反応槽内と反応槽外壁との温度差は小さいほど好ましく、具体的には、重合反応の定常状態において、±5℃程度の振れ幅で調整することが好ましい。
反応槽10内で発生する重合熱や攪拌熱は、通常、反応槽10から重合シロップ等を除去する際に持ち去られる。重合シロップ等が持ち去る熱量は、重合シロップの流量、比熱、重合反応の温度によって定まる。
重合反応中における反応槽10内の温度は、定常状態に至るまでの諸条件に応じて変動するものであって、特に限定されるものではないが、好ましくは125〜200℃程度、より好ましくは130〜180℃程度に設定される。この温度が極端に高いと、例えば、得られるポリマーのシンジオタクチック性が低くなり、樹脂の耐熱性が低くなるおそれが生じる。重合停止中における反応槽10内の温度は、重合反応中と同程度の温度が好ましい。
重合反応中における反応槽10内でのモノマーの平均滞留時間は、特に限定されるものではないが、通常、15分〜6時間、好ましくは15分〜3時間、より好ましくは20分〜1.5時間である。モノマーの滞留の時間が必要以上に長くなると、ダイマー、トリマーなどのオリゴマーの生成量が多くなって、反応生成物であるポリマー(メタクリル酸エステル系ポリマー)の耐熱性が低下するおそれがある。上記平均滞留時間は、単位時間当たりのモノマーの供給流量を変更することにより、適宜調節できる。
モノマー供給手段としては、例えば、原料モノマーを供給口12から反応槽10内へと導入するためのモノマー供給ポンプ20が挙げられる。
モノマー供給ポンプ20は、特に限定されるものではないが、反応槽10内への原料モノマーの供給流量を一定量に設定可能なポンプであることが好ましい。具体的には、好ましくは、2連式、3連式、5連式などの多連式往復動ポンプが挙げられ、より好ましくは、2連式無脈動定量ポンプ、3連式無脈動定量ポンプ、5連式無脈動定量ポンプなどの無脈動定量ポンプが挙げられる。
モノマー供給ポンプ20による原料モノマーの供給流量は、後述する制御部30内のモノマー供給流量制御手段31によって制御可能になっており、反応槽10内での重合シロップの滞留時間を変更する際などに、適宜、調節することができる。
図1に示すように、原料モノマーを貯留するモノマー供給タンク21は、モノマー供給路(配管)23によって、反応槽10の供給口12とつながっている。モノマー供給ポンプ20は、モノマー供給タンク21を上流側、上記供給口12を下流側としたときに、モノマー供給タンク21よりも下流側にあって、上記モノマー供給路23上に配置されている。
開始剤供給手段としては、例えば、重合開始剤等を供給口12から反応槽10内へと導入するための開始剤供給ポンプ25が挙げられる。
開始剤供給ポンプ25は、特に限定されるものではないが、反応槽10内への重合開始剤等の供給流量を一定量に設定可能なポンプであることが好ましい。具体的には、上述のモノマー供給ポンプ20と同様に、好ましくは、多連式往復動ポンプが挙げられ、より好ましくは、無脈動定量ポンプが挙げられる。
開始剤供給ポンプ25による重合開始剤等の供給流量は、後述する制御部30内の開始剤供給流量制御手段32によって制御可能になっており、重合反応を停止させる際、反応槽10内の温度を調節する際などに、適宜、調節することができる。なお、重合反応を停止させる際には、反応槽10への重合開始剤等の供給は、開始剤供給流量制御手段32によって停止される。
図1に示すように、重合開始剤等を貯留する開始剤供給タンク26は、開始剤供給路(配管)28によって、反応槽10の供給口12とつながっている。開始剤供給ポンプ25は、開始剤供給タンク26を上流側、上記供給口12を下流側としたときに、開始剤供給タンク26よりも下流側にあって、上記開始剤供給路28上に配置されている。
上記開始剤供給タンク26に貯留されて、開始剤供給手段により反応槽10内へと供給されるものは、重合開始剤単独ではなく、重合開始剤を含む(または、さらに連鎖移動剤などの他の成分(添加剤)を含む)モノマー溶液であることが好ましい。例えば、開始剤供給手段によって、重合開始剤を単独で反応槽10内に供給する場合には、供給時の条件により、反応槽10内で局所的に重合反応が進行するおそれがあるが、このような問題は、重合開始剤とモノマーとをあらかじめ調合したものを開始剤供給手段によって反応槽10内へと供給することによって解消することができる。
図1に示すように、上記モノマー供給路23と開始剤供給路28との合流部から上記供給口12の間には、反応槽10内に供給される(重合反応中に供給され、モノマー、重合開始剤および必要により連鎖移動剤や離型剤などの添加剤を含む)前記重合原料または(重合停止中に供給され、モノマーおよび必要により連鎖移動剤や離型剤などの添加剤を含む)前記原料を適切な温度に加熱または冷却するための加熱・冷却器22が配置されている。
反応槽10内へと供給する重合原料の温度は、特に限定されるものではないが、反応槽内の熱バランスを崩して、重合温度を変動させる要因となるものであることから、適宜、加熱・冷却器22によって温度を調節することが好ましい。一方、重合停止中に、反応槽内の温度に影響を及ぼさないように、かつ、反応槽内および配管での閉塞が起こらないように原料の供給流量を調節する場合においては、供給する原料の温度によっても、必要な供給流量が変動し得ることから、例えば、原料の供給流量を意図的に少なくし、または多くする目的で、原料の温度を、それぞれ、低くまたは高く設定することができる。
反応槽内の温度を検知するための温度検知手段としては、例えば、温度センサ35が挙げられる。この温度センサ35としては、例えば、反応槽10の内部に配置されて、反応槽10内に収容された反応系の温度を直接検知することのできる温度センサなどが挙げられるが、温度センサの配置場所や検知方法などについては、これに限定されるものではない。
上記温度検知手段(温度センサ35)により検知された反応槽10内の温度は、後述する制御部30に伝えられ、モノマー供給手段や開始剤供給手段による供給流量の制御の要否を判断するためのデータとなる。
反応槽の外壁面の温度を調節するための温度調節手段としては、例えば、反応槽の外壁面を覆うジャケット、反応槽内に配置されるヒータなどが挙げられる。なかでも、反応槽内を断熱状態とするという観点からは、好ましくは、反応槽の外壁面を覆うジャケットが挙げられ、より好ましくは、反応槽10の外壁面の略全体を覆うジャケット15が挙げられる。
図1に示すジャケット15は、熱媒供給路16から蒸気、熱水、有機熱媒体などの熱媒を導入することにより、反応槽10を、適宜加熱または保温する。ジャケット15の温度は、供給される熱媒の温度または圧力によって、適宜調節することができる。ジャケット15内に導入された熱媒は、熱媒排出路17から除去される。また、ジャケット15の温度や圧力は、熱媒排出路17上に設けられた温度センサ36などのセンサによって検知される。温度センサ36などのセンサの配置箇所については、特に限定されるものではなく、例えば、熱媒供給路16上や、ジャケット15内であってもよい。
反応槽10内での重合反応は、生成するポリマーの品質を一定にするという観点から、重合温度を略一定にして実行することが好ましい。それゆえ、上記温度調整手段(ジャケット15)は、好ましくは、反応槽10内の温度を略一定に保つことができるように、あらかじめ設定された一定温度に制御される。
上記温度調節手段(ジャケット15)の設定温度は、後述する制御部30に伝えられ、モノマー供給手段や開始剤供給手段による供給流量の制御の要否を判断するためのデータとなる。上記温度調節手段がジャケット15である場合において、温度調節手段の設定温度は、後述する温度調節制御手段33によって上記熱媒の温度または圧力を制御することにより、調節可能である。
原料モノマーの供給流量や重合開始剤等の供給流量を制御する手段である制御部30としては、例えば、CPU、ROM、RAMなどを備える制御部が挙げられる。
制御部30のROMは、モノマー供給流量制御手段31によってモノマー供給ポンプ20を制御させるためのプログラムや、開始剤供給流量制御手段32によって開始剤供給ポンプ25を制御させるためのプログラムを格納するための装置であって、制御部30のRAMは、上記プログラムを実行するために、温度センサ35で検知された反応槽10内の温度データ、ジャケット15の設定温度のデータ、回転数検知手段14で検知された撹拌翼11の回転数データを一時的に格納する装置である。
制御部30のCPUは、上記RAMに格納されたデータに基づいて、上記ROMに格納されたプログラムを実行して、反応槽10内への原料モノマーおよび/または重合開始剤等の供給流量を、モノマー供給手段(モノマー供給ポンプ20)および/または開始剤供給手段(開始剤供給ポンプ25)によって制御させる。
制御部30内のモノマー供給流量制御手段31、開始剤供給流量制御手段32および温度調節制御手段33による制御の一例を、以下に示す。
反応槽10の下流側Dにおいて、トラブルが発生したり、点検作業を開始したりするなどの理由で重合反応を停止するときには、上記CPUによって上記ROM内のプログラムを実行し、開始剤供給流量制御手段32を用いて、開始剤供給手段である開始剤供給ポンプ25を制御することにより、反応槽10内への重合開始剤等の供給を停止させる。
重合反応を停止したときには、溶存酸素濃度を0〜5ppmに調節した(モノマーを含む)原料を供給する。該原料としては、モノマー単独、あるいはモノマーおよび連鎖移動剤からなる原料が好ましい。
なお、重合停止中の原料の供給は、モノマー供給路23から行ってもよいし、重合反応の停止のために重合開始剤等の供給を停止させた際に、開始剤供給路に重合開始剤が滞留するのを避けるため、原料の供給を開始剤供給路28から行ってもよいし、モノマー供給路23および開始剤供給路28の両方から原料モノマーを供給することにより行ってもよい。
重合停止中において、原料の供給流量が上記したとおり大幅に低減されるものの、反応槽10への原料の供給は継続して実行されることから、この供給流量に見合う量の重合シロップ等を、反応槽10から除去する必要がある。
ここで、重合停止中に排出される重合シロップ等(重合組成物)は、重合反応中に生成した重合シロップに対する公知の処理方法と同様にして、例えば、反応槽10の取出口13から取り出されて、重合シロップ導出路40を経由して移送、回収される。
重合停止中に排出される重合シロップ等、および、重合反応中に取り出される重合シロップのいずれにも、未反応のモノマーが含まれることから、必要により加熱処理を施すことによって、未反応のモノマーを主とする揮発分を蒸発分離させる処理が施される。
上記重合シロップおよび重合シロップ等の移送方法としては、特公平4−48802号公報に記載の方法が好適である。また、上記揮発分の蒸発分離の方法としては、脱揮押出機を用いた方法が知られており、例えば、特公昭51−29914号公報、特公昭52−17555号公報、特公平1−53682号公報、特開昭62−89710号公報、特開平3−49925号公報などに記載の方法が好適である。
本発明に使用される反応槽が、完全混合型の反応槽である場合には、当該反応槽内でモノマーから重合体に変換される重合率は、概ね、重合シロップ中のポリマー含有率に相当する。本発明において、重合率は、特に限定されるものではないが、通常40〜70重量%に設定される。この重合率が高いほど、ポリマーの生産性が高くなるものの、反応系の粘度が高くなって、大きな撹拌動力が必要になってしまう。また、重合率が低いほど、ポリマーの生産性が低くなり、未反応のモノマーを回収するための負担が大きくなってしまう。
本発明において、重合シロップから分離、回収された未反応モノマーは、モノマー回収タンク41に貯留した上で、必要に応じて、再度、モノマー供給タンク21に供給することにより、重合反応に供することができる。なお、回収された未反応モノマーについては、これに限定されるものではないが、モノマー回収タンク41やモノマー供給タンク21にて貯留している間に重合反応が進行しないように、重合禁止剤(例えば、商品名「トパノールA」など)を2〜8ppmの割合で存在させ、気相部の酸素濃度を2〜8体積%に設定し、さらに、冷却した状態で、具体的には、例えば、0〜5℃程度の低温下で、貯留しておくことが好ましい。このようにして貯留することにより、回収未反応モノマーの重合反応を防止しながら、長期間にわたって保存することができる。
重合停止中における反応槽10への溶存酸素濃度0〜5ppmである原料の供給は、モノマー供給タンク21内の原料モノマーの溶存酸素濃度を前述の調節方法により0〜5ppmに調節し、該原料モノマーを反応槽10内に供給することにより行ってもよいし、モノマー供給路(配管)23とモノマー供給路(配管)53との合流地点のバルブを切り替え、モノマー供給ポンプ20がモノマー供給路(配管)53を介してモノマー供給タンク51とつながるようにし、モノマー供給タンク51内の原料モノマーの溶存酸素濃度を前述の調節方法により0〜5ppmに調節し、該原料モノマーを反応槽10内に供給することにより行ってもよいし、開始剤供給路(配管)28とモノマー供給路(配管)58との合流地点のバルブを切り替え、開始剤供給ポンプ25がモノマー供給路(配管)58を介してモノマー供給タンク56とつながるようにし、モノマー供給タンク56内の原料モノマーの溶存酸素濃度を前述の調節方法により0〜5ppmに調節し、該原料モノマーを反応槽10内に供給することにより行ってもよい。また、モノマー供給タンク21内の原料モノマー、モノマー供給タンク51内の原料モノマーおよびモノマー供給タンク56内の原料モノマーにおける溶存酸素濃度を適宜調節し、各モノマー供給タンクから供給される原料モノマーの混合割合を調整することにより、反応槽10内に供給される混合後の原料の溶存酸素濃度が0〜5ppmになるようにして行ってもよい。
また、別のモノマー供給タンク、モノマー供給路およびモノマー供給ポンプ(図示せず)を設け、該モノマー供給タンクから原料モノマーを反応槽に供給してもよい。この場合、反応槽10内に供給される原料の総量に含まれる溶存酸素濃度が0〜5ppmとなるように、別のモノマー供給タンクから供給される原料モノマー中の溶存酸素濃度および原料モノマーの流量を調製すればよい。別のモノマー供給タンクから供給される原料モノマー中の溶存酸素濃度は0〜5ppmであることが好ましい。
本発明の連続重合が連続溶液重合である場合には、重合反応に溶媒が使用されることから、この場合の連続重合装置は、さらに、溶媒供給用のタンク、供給路、ポンプ(供給手段)を備えている。
ここで、溶媒供給用のタンク、供給路およびポンプ(供給手段)としては、特に限定されるものではなく、従来用いられているものと同様のものを使用することができる。また、溶媒は、モノマーおよび/または重合開始剤と混合した上で反応槽に供給してもよく、反応槽に、直接に供給してもよい。上記溶媒としては、後述する溶媒が挙げられる。
連続溶液重合装置は、溶媒供給用のタンク、供給路、ポンプ(供給手段)などを備えること以外は、上述の連続バルク重合装置と同様である。
また、連続溶液重合方法においては、重合反応に溶媒が使用されること以外は、上述の連続バルク重合方法と同様に実施される。重合反応に使用する溶媒としては、連続溶液重合反応のモノマーなどに応じて適宜設定されるものであって、特に限定されるものではないが、一般に有機溶媒である。溶媒の例としては、炭素数1〜20(例えば1〜12)の有機溶媒、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、芳香脂肪族炭化水素、アルコール、ケトン、エステルが挙げられる。溶媒の具体例には、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルイソブチルケトン、メチルアルコール、エチルアルコール、オクタン、デカン、シクロヘキサン、デカリン、酢酸ブチル、酢酸ペンチルなどが挙げられる。
本発明の連続溶液重合において、モノマーの供給流量C(kg/h)と、溶媒の供給流量D(kg/h)との比C:Dは、これに限定されるものではないが、例えば、好ましくは、2:98〜50:50であり、より好ましくは、5:95〜30:70である。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
以下において、測定は次のようにして行った。
溶存酸素濃度:
溶存酸素濃度は、溶存酸素濃度計(ホリバ製作所(株)製DOメーターOM-51)を用いて測定した。
〔実施例1〕
図1に示す連続バルク重合装置を使用して、メチルメタクリレートの重合および停止を行った。
反応槽10としては、撹拌翼11としてのミグ(MIG)翼と、反応槽の略全体を覆うジャケット15を備える、完全混合型反応槽(内容積が12L)を使用した。
モノマー供給手段により供給される原料モノマーとしては、メチルメタクリレート(MMA)92.97重量%、メチルアクリレート(MA)6.90重量%、および連鎖移動剤(n−オクチルメルカプタン)0.13重量%を含む混合物Aを使用した。モノマー供給ポンプ20で、重合開始時において供給流量は、17.55kg/Hrに固定した。なお攪拌動力は、24.8kWであった。
反応槽10の外壁面の温度T2(℃)を温度調節制御手段33を用いて140℃に制御した。
また、重合開始剤供給手段により供給される重合開始剤等として、メチルメタクリレート(MMA)92.83重量%、メチルアクリレート(MA)6.90重量%、連鎖移動剤(n−オクチルメルカプタン)0.13重量%、および重合開始剤(t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート)0.14重量%を含む混合物Bを使用した。開始剤供給ポンプ25で、3連式往復動ポンプを使用した。また、その供給流量は、重合開始時において1.03kg/Hrに設定し、その後、反応槽10内の温度T1(℃)が140℃になるようにポンプの出力値を変化させることにより、適宜変動させた。
重合を連続して約1日間行った。その間、反応槽10内の温度T1(℃)は、139.6〜140.4℃の範囲内であった。
その後、下流側の設備点検のために、次のようにして重合を停止した。
モノマー供給手段により供給される原料モノマーとしては、メチルメタクリレート(MMA)92.97重量%、メチルアクリレート(MA)6.90重量%、および連鎖移動剤(n−オクチルメルカプタン)0.13重量%を含む混合物Cを使用した。
モノマー供給ポンプ20及び開始剤供給ポンプ25を制御して、原料モノマー及び重合開始剤等の供給を停止した。次いで、開始剤供給路(配管)28とモノマー供給路(配管)58との合流地点のバルブを切り替え、開始剤供給ポンプ25がモノマー供給路(配管)58を介してモノマー供給タンク56とつながるようにし、モノマー供給タンク56から、モノマー供給路(配管)58によって、開始剤供給ポンプ25を制御して、0.35kg/Hrの流量で、混合物Cを反応槽10へ供給した。なお、重合停止中の混合物Cの供給は、モノマー供給タンク56中の混合物Cに不活性ガス導入ライン56aより窒素ガスを供給してバブリングしながら行い、反応槽10へ供給される混合物Cの溶存酸素濃度は0〜1ppmの間で推移した。
約3日間重合を停止していたが、その間、反応槽10内の温度T1(℃)は、140〜145℃の範囲内であった。なお、反応槽10の外壁面の温度T2(℃)は、重合時と同様に140℃に制御した。
約3日間の停止後、上記と同様に原料を所定量供給し、重合開始剤混合物を反応槽10内の温度T1(℃)を140℃になるようにポンプの出力値を変化させることにより、適宜変動させて供給し、連続重合を行った。ゲルが混入することもなく、重合停止前のポリマーと同様のポリマーが得られた。
〔実施例2〕
実施例1と同様の手順で重合を行った。重合は実施例1と同様に約1日間行った。
下流側の設備点検のために、次のようにして重合を停止した。
モノマー供給ポンプ20及び開始剤供給ポンプ25を制御して、原料モノマー及び重合開始剤等の供給を停止した。次いで、モノマー供給路(配管)23とモノマー供給路(配管)53との合流地点のバルブを切り替え、モノマー供給ポンプ20がモノマー供給路(配管)53を介してモノマー供給タンク51とつながるようにし、モノマー供給タンク51から、モノマー供給路(配管)53によって、モノマー供給ポンプ20を制御して、0.29kg/Hrの流量で、混合物Cを反応槽10へ供給した。なお、重合停止中のモノマー供給タンク51からの混合物Cの供給は、モノマー供給タンク51中の混合物Cに不活性ガス導入ライン51aより窒素ガスを供給してバブリングしながら行い、反応槽10へ供給される混合物Cの溶存酸素濃度は0〜1ppmの間で推移した。一方、開始剤供給路(配管)28とモノマー供給路(配管)58との合流地点のバルブを切り替え、開始剤供給ポンプ25がモノマー供給路(配管)58を介してモノマー供給タンク56とつながるようにし、モノマー供給タンク56から、モノマー供給路(配管)58によって、開始剤供給ポンプ25を制御して、0.06kg/Hrの流量で、混合物Cを反応槽10へ供給した。モノマー供給タンク56から反応槽10へ供給される混合物Cの溶存酸素濃度は10〜14ppmの間で推移した。モノマー供給タンク51及び56から反応槽10へ供給される原料の合計流量は0.35kg/Hrであり、原料中の溶存酸素濃度は、3〜4ppmであった。
約3日間重合を停止していたが、その間、反応槽10内の温度T1(℃)は、140〜160℃の範囲内であった。なお、反応槽10の外壁面の温度T2(℃)は、重合時と同様に140℃に制御した。
〔比較例1〕
重合停止中のモノマー供給タンク51からの混合物Cの供給を、モノマー供給タンク51中の混合物Cを窒素ガスでバブリングせずに行った点以外は、実施例2と同様に行った。
モノマー供給タンク51及び56から反応槽10へ供給される原料の合計流量は0.35kg/Hrであり、原料中の溶存酸素濃度は、10〜14ppmであった。
反応槽10の外壁面の温度T2(℃)は、重合時と同様に140℃に制御して重合を停止していたが、停止から約40時間かけて、反応槽10内の温度T1(℃)が140℃から約200℃まで上昇し続けた。
〔比較例2〕
実施例1と同様の手順で重合を行った。重合は実施例1と同様に約1日間行った。
下流側の設備点検のために、次のようにして重合を停止した。
モノマー供給ポンプ20及び開始剤供給ポンプ25を制御して、原料モノマー及び重合開始剤等の供給を停止した。次いで、モノマー供給路(配管)23とモノマー供給路(配管)53との合流地点のバルブを切り替え、モノマー供給ポンプ20がモノマー供給路(配管)53を介してモノマー供給タンク51とつながるようにし、モノマー供給タンク51から、モノマー供給路(配管)53によって、モノマー供給ポンプ20を制御して、0.29kg/Hrの流量で、混合物Cを反応槽10へ供給した。モノマー供給タンク51から反応槽10へ供給される混合物Cの溶存酸素濃度は6〜7ppmの間で推移した。一方、開始剤供給路(配管)28とモノマー供給路(配管)58との合流地点のバルブを切り替え、開始剤供給ポンプ25がモノマー供給路(配管)58を介してモノマー供給タンク56とつながるようにし、モノマー供給タンク56から、モノマー供給路(配管)58によって、開始剤供給ポンプ25を制御して、0.06kg/Hrの流量で、混合物Cを反応槽10へ供給した。モノマー供給タンク56から反応槽10へ供給される混合物Cの溶存酸素濃度は6〜7ppmの間で推移した。モノマー供給タンク51及び56から反応槽10へ供給される原料の合計流量は0.35kg/Hrであり、原料中の溶存酸素濃度は、6〜7ppmであった。
反応槽10の外壁面の温度T2(℃)は、重合時と同様に140℃に制御して重合を停止していたが、停止から約40時間かけて、反応槽10内の温度T1(℃)が140℃から約200℃まで上昇し続けた。
本発明の方法は、種々の重合体の連続重合(特に、連続バルク重合)に使用できる。重合体としては、メタクリル酸エステル系モノマー、アクリル酸エステル系モノマー、スチレン、アクリロニトリルからなる群から選択された少なくとも1種のモノマーから構成される重合体が挙げられる。
10 反応槽
11 撹拌翼
15 ジャケット(温度調節手段)
20 モノマー供給ポンプ(モノマー供給手段)
21,51,56 モノマー供給タンク
25 開始剤供給ポンプ(開始剤供給手段)
26 開始剤供給タンク
30 制御部(供給流量制御手段)
35 温度センサ(温度検知手段)

Claims (6)

  1. 反応槽にモノマーおよび重合開始剤を連続的に供給することにより、反応槽内でモノマーを重合させ、反応槽内から外部へ重合組成物を連続的に取り出す連続重合において、
    反応槽内の攪拌と、反応槽内から外部への重合組成物の取り出しを継続したままで、反応槽への重合開始剤の供給を停止し、かつ、反応槽内に、モノマーを含有する溶存酸素濃度が0〜5ppmである原料を、重合反応中における原料の流量の1/500〜1/10の流量で連続的に供給することを特徴とする連続重合の停止方法。
  2. モノマーがメタクリル酸メチルを50重量%以上含有する請求項1に記載の連続重合の停止方法。
  3. 連続重合が連続バルク重合である請求項1または2に記載の連続重合の停止方法。
  4. 溶存酸素濃度の調節を、不活性ガスのバブリング、減圧脱気、またはラインミキサーへの不活性ガスの供給によって行う請求項1〜3のいずれかに記載の停止方法。
  5. 不活性ガスが、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガスおよびアルゴンガスからなる群から選択された少なくとも1種である請求項4に記載の停止方法。
  6. 前記原料が、モノマーからなる溶存酸素濃度0〜5ppmの原料、またはモノマーおよび連鎖移動剤からなる溶存酸素濃度0〜5ppmの原料である請求項1〜5のいずれかに記載の停止方法。
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