JP2013193217A - シート搬送装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で複数に分割されたプラテンを主として上下方向および前後方向(シート搬送方向)に位置決めできるシート搬送装置を提供する。
【解決手段】用紙10を搬送するレジストローラ8およびレジスト加圧ローラ9と、複数に分割して構成され、レジストローラ8およびレジスト加圧ローラ9より搬送されてくる用紙10を案内する分割プラテン15と、各分割プラテン15を挟む両側に設けられ、各分割プラテン15をそれぞれ保持して位置決めする連続軸状の共通の軸40,41と、軸41とレジストローラ8とを連結し、レジスト加圧ローラ9の加圧による軸41に対する位置変動を補正する位置補正手段31とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、シート搬送装置およびこれを備える画像形成装置に関し、詳しくは、複数に分割して構成され搬送されてくるシートを案内するシート案内部材を備えたシート搬送装置、およびこのシート搬送装置を備えた、プリンタ、複写機、ファクシミリ、プロッタ等、あるいはこれら複数の機能を具備する複合機等の画像形成装置(インクジェット方式や電子写真方式を含む)に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ、プロッタ等、あるいはこれら複数の機能を具備する複合機等の画像形成装置の一つとして、記録ヘッドから用紙やプラスチックフィルムシート等の被記録材・被記録媒体などとも呼ばれるシートに対して記録ヘッドからインクを吐出して画像形成・記録を行うインクジェット記録装置がある。このようなインクジェット記録装置において、記録ヘッドの主走査方向(シート搬送方向と直交する方向)に複数に分割されたプラテン(シート案内部材)により、シートを案内・支持しながら搬送するシート搬送装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、記録ヘッドとプラテンとの間の紙間調整をプラテン全域で簡便に高精度で行うことができ、厚さが異なる被記録材に対しても適正な紙間調整をプラテン全域で容易に行うことができるインクジェット記録装置を提供する目的で、次の技術が開示されている。
すなわち、特許文献1の図2、図3等には、被記録材を支持するプラテンを、記録ヘッドの走査方向に分割されてそれぞれが独立して記録ヘッドに対して接離する方向に移動可能な複数の部分プラテンで構成することが記載されている。各部分プラテンは、ガイドシャフトの方向に移動する位置決め手段により記録ヘッドから所定距離の位置に位置決めされ、プラテン保持機構により保持される。このプラテン保持機構により保持された各部分プラテンを位置決め手段により位置決めすることにより紙間調整を行うというものである。
しかしながら、特許文献1記載の技術では、各部分プラテンの位置精度を確保するためには、段落「0017」、図2等に記載されている、プラテン保持機構を装着しているシャーシ(11)の加工精度や組付け精度が厳しく要求されることになる。
そこで、本発明は、上述した課題に鑑みてなされてものであり、簡単な構成で複数に分割されたプラテンを位置決めできるシート搬送装置を実現し提供することを主な目的とする。
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、本発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
本発明は、シートを搬送するシート搬送手段と、複数に分割して構成され、前記シート搬送手段より搬送されてくるシートを案内するシート案内部材と、前記各シート案内部材を挟む両側に設けられ、前記各シート案内部材をそれぞれ保持して位置決めする連続軸状の共通の位置決め部材と、を備えていることを特徴とするシート搬送装置である。
本発明によれば、前記課題を解決して新規なシート搬送装置を実現し提供することができる。すなわち、本発明によれば、前記構成により、簡単な構成で複数に分割されたシート案内部材を位置決めできる。
本発明の一実施形態を示す画像形成装置の簡略的な斜視図である。 一実施形態を示す画像形成装置全体の模式的な一断面側面図である。 分割プラテンおよび軸を一部省略して示す要部の平面図である。 分割プラテンおよび一方の軸を取り外した状態で、両軸の保持手段、吸引ファンを示す要部の斜視図である。 (a)は、一方の軸を側板に取り付ける孔、切欠溝を説明する側面図、(b)は、一方の軸の保持手段の構成、保持手段からの一方の軸の取り外しを説明する断面図である。 分割プラテンを下方側から見た斜視図である。 位置補正手段および分割プラテンの構成を示す要部の側断面図である。 分割プラテンの一部を取り外した状態で、位置補正手段を装置本体の前面側から見た斜視図である。 組み付け後の位置調整手段の要部の斜視図である。 (a)はベース部材の正面図、(b)はベース部材および保持部材が取り付けられるベースフレームの拡大正面図である。 図9の位置調整手段から保持部材だけを取り外した状態の要部の斜視図である。 保持部材の外観斜視図である。 組み付け後の位置調整手段の要部の断面図である。 軸を取り外した状態の組み付け後の位置調整手段および規制部材の要部の斜視図である。
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施形態を詳細に説明する。実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、特に簡略的な図および模式的な図においては図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。
図1〜図14を参照して、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す画像形成装置の簡略的な斜視図、図2は、同画像形成装置の模式的な側面図である。
まず、図1および図2を参照して、一実施形態に係る画像形成装置全体の構成とともに要部の動作を説明する。図2に示す画像形成装置は、装置本体1の上部に配置され、搬送されてくるシートの一例としての用紙10に画像形成を行う画像形成部2と、画像形成部2の下方に配置され、ロール状記録媒体とも呼ばれるシートロールとしての上段ロール紙4a(以下、単に「ロール紙4a」ともいう)または下段ロール紙4b(以下、単に「ロール紙4b」ともいう)から繰り出される用紙10を画像形成部2に向けて搬送するシート搬送装置の一例としての給紙部3とを備えている。
本実施形態の画像形成装置は、画像読取部が配設(配置して設けることまたは位置を決めて設けることを意味する)されていない、例えば専らコンピュータ等の外部入力データやコンパクトディスク等の各種記憶媒体に記録されているデータに基づいて画像形成を行うプリンタタイプの画像形成装置である。
鉛直方向でもある上下方向Zに直交する前後方向(副走査方向)Xにおいて、図2における装置本体1の左側が前面1F(正面)側であり、右側が後(奥)側である。上下方向Zおよび前後方向Xに直交するとともに図2の紙面を貫通する方向が主走査方向Y(図1参照)であり、シート幅方向(用紙幅方向)に相当する。
画像形成部2は、インクジェット記録方式で画像形成を行う構成である。図1に示すように、本インクジェット記録装置は、シリアル型インクジェット記録装置である。
画像形成部2に対応した装置本体1の内部には、ガイドロッド18およびガイドレール19が装置構造体としてのフレーム側板(図示せず)に掛け渡されている。これらのガイドロッド18およびガイドレール19には、キャリッジ20が主走査方向Yに摺動(接触してすり動くことを意味する)可能に保持されている。キャリッジ20には、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のインク滴を吐出する液体吐出ヘッドであり、画像形成手段でもある各記録ヘッド16(以下、単に「記録ヘッド16」ともいう)が搭載されている。記録ヘッド16には、図示しないが、各記録ヘッド16にインクを供給するサブタンクが一体的に備えられている。
記録ヘッド16と対向する位置には、給紙部3のレジストローラ8およびレジスト加圧ローラ9から搬送されてくる用紙10を案内するシート案内部材の一例としてのプラテン14が配置されている。用紙10と対向する記録ヘッド16のノズル面16aには、複数のノズルが所定の配置で形成されている。
キャリッジ20を主走査方向Yに移動走査する主走査機構は、主走査方向Yの一方側(図において左斜め上方)に配置された駆動モータ21と、この駆動モータ21の出力軸に連結され駆動モータ21によって回転駆動される駆動プーリ22と、主走査方向Yの他方側(図において右斜め下方)に配置された従動プーリ23と、駆動プーリ22と従動プーリ23との間に巻き掛けられたベルト部材24とを備えている。従動プーリ23は、図示しないテンションスプリングによって外方、すなわち駆動プーリ22から離れる方向にテンションが掛けられている。
ベルト部材24は、キャリッジ20背面側に設けられたベルト固定部にその一部分が固定保持されていることで、キャリッジ20を主走査方向Yに牽引するようになっている。
キャリッジ20の主走査方向Yに沿ってキャリッジ20の主走査位置を検知するためのエンコーダシート(図示せず)が配置され、キャリッジ20に設けられたエンコーダセンサ(図示せず)によって、上記エンコーダシートが読み取られる。このキャリッジ20における主走査領域のうち、記録領域ではロール紙4aまたはロール紙4bから後述するように繰り出され搬送されてきた用紙10がシート搬送手段(給紙ローラ対7a,7b、レジストローラ8およびレジスト加圧ローラ9)により記録領域に搬送され、キャリッジ20の移動方向である主走査方向Yと直交する副走査方向X(図1の前後方向Xのうちの前方向Xaであり、シート排出方向Xaでもある)に間欠的に搬送される。
また、主走査領域のうちの一方の端部側領域(図において右斜め下方側)には、キャリッジ20内の各記録ヘッド16の維持回復を行う維持回復機構25が配置され、さらに、各記録ヘッド16のサブタンクに供給する各色のインクを収容したメインカートリッジ26が装置本体1に対して着脱自在に装着される。
図2において、画像形成部2で画像が記録された用紙を所定の長さに切断するシート切断手段としてのカッタ27が配置されている。このカッタ27は、複数のプーリ(そのうちの1つのプーリは駆動モータに連結されている)間に掛け渡されたワイヤやタイミングベルトに固定され、駆動モータによりプーリを介してワイヤやタイミングベルトが主走査方向Yに移動することで用紙を所定の長さに切断する公知のものからなる。
各ロール紙4a,4bは、図2に示すように、長尺の用紙10が芯管としての紙管4a1,4b1の周りに巻き付けられてロール状に形成されている。各ロール紙4a,4bの紙管4a1,4b1にスプール軸5a,5bを挿通し固定することにより、各ロール紙4a,4bから用紙10を繰り出し可能な状態にすることができる。そして、各スプール軸5a,5bを装着した各ロール紙4a,4bが、各スプール軸5a,5bを介して、図1に示す各スプール軸受け台6a,6bに装着・セットされるスプール方式(スプールタイプ)を採用していることにより、用紙10が各ロール紙4a,4bから繰り出し可能になっている。図1において、5a1,5b1は、スプール軸5a,5bの一端部に固着されたスプールフランジを示す。ロール紙4a,4bサイズとしては、例えば、用紙幅方向でA0〜A4(幅841〜297mm)サイズのものまで設定されている。機種によっては上記サイズを超える設定もある。
給紙部3は、各ロール紙4a,4bの紙管4a1,4b1に挿通・固定されたスプール軸5a,5bの各端部を回転可能に支持する、上下方向Zに2段に構成されたスプール軸受け台6a,6bと、これらのスプール軸受け台6a,6bを介して用紙10が繰り出し可能に支持されたロール紙4a,4bから用紙10を給送する給送手段としての給紙ローラ対7a,7bと、所定のタイミングで画像形成部2に用紙10を送り込むレジスト手段としてのレジストローラ8およびこれに選択的に加圧・接触(以下、「圧接」ともいう)するレジスト加圧ローラ9とを有する。
レジストローラ8は、後述する装置構造体に回転可能に固定される第1の回転体の一例である。レジスト加圧ローラ9は、レジストローラ8に加圧・接触し従動回転する第2の回転体の一例である。これら一対の回転体として機能するレジストローラ8およびレジスト加圧ローラ9は、用紙(シート)10を搬送するシート搬送手段として機能する。
給紙部3の上下2段の上・下段ロール紙収容部11,12の具体的な構成としては、例えば特開2011−131434号公報の段落「0045」に記載されていると同様な寸法関係で設定されている。
ロール紙およびこれから用紙を繰り出し可能に支持する方式は、本実施形態のスプール軸を用いたスプールタイプに限らず、フランジを用いたフランジタイプでもよいことは無論である。
図2において、11は、上段ロール紙4aを収容する上段ロール紙収容部を、12は、下段ロール紙4bを収容する下段ロール紙収容部を、13a,13bは、各ロール紙4a,4bから繰り出され搬送される用紙10を案内するガイド板を、29は、画像を記録された用紙を排出するための排出部としての排紙部を、それぞれ示す。
下段ロール紙収容部12の下方には、床面102上を移動可能とするキャスタを取り付けている脚部台103が装置本体1に一体的に設けられている。排紙部29は、カッタ27よりも下流側に配設されている図1に示す排紙口28等を備えている。排紙口28は、画像を記録された用紙を装置本体1の外側へ排出するためのシート排出口として機能し、排紙部29におけるシート排出方向Xaの前面1Fに形成されている。
図1および図2を参照して、上述した構成を有する画像形成装置全体の動作を説明する。図1および図2において、各ロール紙4a,4bに対するスプール軸5a,5bの装着操作等によって、上段のスプール軸受け台6aにはスプール軸5aを介してロール紙4aが、下段のスプール軸受け台6bにはスプール軸5bを介してロール紙4bがそれぞれセットされ、また図2に示す給紙ローラ7aからはロール紙4aの用紙10の先端が、給紙ローラ7bからはロール紙4bの用紙10の先端がそれぞれ給紙可能状態にセットされているものとする。
ユーザによって、装置本体1に配設された図示しない操作部のキー操作などが行われることで、例えばコンピュータ等の外部入力データの取り込み、各種の画像形成条件、例えば上下段のロール紙の選択や、カラー色の選択、画像形成枚数などが設定される。これらの信号が画像形成装置の制御部(図示せず)に入力されると、画像形成装置が作動する。
そして、前記キー操作により、例えば上段ロール紙4aが選択されたときには、上段のスプール軸受け台6aにセットされたスプール軸5aを駆動するモータ(図示せず)の回転駆動、および給紙ローラ7aを駆動するモータ(図示せず)のそれぞれの回転駆動により、スプール軸5aおよび給紙ローラ7aが回転されることで、上段ロール紙4aから用紙10が給送される。
この際、用紙10はカール癖を印字・画像形成面の下向きに有した状態で、図示しない搬送ローラなどの搬送手段により装置後方から前方に向けて用紙(シート)搬送路を搬送され、用紙10の先端がレジストローラ8のニップ部に突き当たることで一旦停止され、斜行などが修正された後、所定のタイミングで画像形成部3のインクジェット記録領域へ搬送される。すると、図2において、キャリッジ20が主走査方向Yに移動し、用紙10を間欠的に送りながら、記録ヘッド16を画像情報に応じて駆動してインク滴を吐出させることによって、用紙10上に1行(ライン)分の所要の画像が形成される。
記録動作においては、キャリッジ20を移動させながら画像信号に応じて対応する色の記録ヘッド16を駆動することにより、停止している用紙10にインクを吐出して1行分の記録・画像形成を行う。1行分の記録が終了すると、レジストローラ8およびレジスト加圧ローラ9により所定量(所定ピッチ)だけ搬送した後、次の1行分の記録を行う。このように1行分の記録と所定量搬送とを交互に繰り返すことで、用紙10への所望とする全体の記録が行われる。記録終了信号、または用紙10の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙10を排紙する。この際、画像形成後の用紙10は、カッタ27が主走査方向Yに移動することにより、所定の長さにカットされ、装置正面(前面)側に配置される図示しない排紙トレイへ排出される。
記録動作中は、図2に示すエア吸引手段としての吸引ファン30が駆動していることによりプラテン14の内側は負圧となっている。この負圧によって用紙10がプラテン14の上面に吸引・保持されることで、確実な用紙停止状態で画像形成が行われる。レジストローラ8およびレジスト加圧ローラ9による搬送時の搬送力は、吸引ファン30によるエア吸引力よりも勝ることにより、用紙19が所定量分だけ確実に搬送されるという周知の動作が実行される。
インクジェット記録装置の例である本実施形態の画像形成装置においては、図2に示すように、記録ヘッド16のノズル面16aと用紙10を案内・支持するプラテン14との距離(以下、「紙間距離」という)を適正値に保つことが肝要である。吐出されたインク滴の付着による画素ドットを高精度に配して高品位な画像を出力するには、用紙10の被記録面と記録ヘッド16のノズル面16aとの距離(以下、「ヘッド紙間距離」という)は接触しない範囲でできるだけ小さく、かつ、記録ヘッド16の主走査方向Yにおいて一定であることが望ましい。
また、特許文献1にも記載されているように、インクジェット記録装置では、装置の組立工程において、記録ヘッドの主走査方向で紙間距離を一定に保つための調整を行っている。また、紙間距離を一定に保つためには、記録ヘッドの走査を案内するガイドロッドやガイドレールに対してプラテンが平行になるように調整することも必要である。
しかしながら、主走査方向であるシート幅方向に1メートルに近い、あるいはこれを超える幅広のシートを使用する大型の記録装置においては、これに対応して幅広のプラテンを使用すると、例えば軽量化のために樹脂製のプラテンとしたような場合には、自重や環境(温湿度、経時等)条件等による変形・変位によって、ヘッド間距離や紙間距離を正確に保てなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、上述の点に鑑み、上記シート搬送手段(レジストローラ8およびレジスト加圧ローラ9)より搬送されてくるシート(用紙10)を案内するシート案内部材としてのプラテン14が、複数に分割して構成されたプラテン15(以下、「分割プラテン15」という)を用いるとともに、簡単かつ安価な構成で、また軽量化が図られた複数の分割プラテン15を位置決め(上下・前後・左右(主走査)の3次元方向)できる構成を提案するものである。以下、複数の分割プラテン15が位置決めされて装着されたものを総称して、あるいは複数の分割プラテン15を総称してプラテン14ともいう。
本発明では、複数の分割プラテンの3次元方向の位置決めのうち、特には上下方向Zおよび前後方向(シート搬送方向)Xの位置決めを狙いとしている。
図2〜図4を参照して、装置本体1側に配設されている構造部材について説明する。図3は、分割プラテンおよび軸を一部省略して示す要部の平面図、図4は、分割プラテンおよび一方の軸を取り外した状態で、両軸の保持手段、吸引ファンを示す要部の斜視図である。
図2および図4に示すように、装置構造体としてのベースフレーム50が装置本体1側に固着されている。ベースフレーム50は、例えば金属の薄板(以下、「板金」ともいう)で下向きに開口した筐体状(断面略矩形状)に形成されており、後述する各部材を取り付けるときの基準となるように比較的大きな剛性・強度を有している。
ベースフレーム50における主走査方向Yの両側には、装置構造体としての上方向に延びる一対の側板51a,51bが固着されている。図2および図4に示すように、ベースフレーム50における側板51b寄りの内側には、吸引ファン30が設置されている。吸引ファン30の設置部位に対応したベースフレーム50の上面には、エア吸引用の開口50aが形成されている。
次に、分割プラテン15および各分割プラテン15を位置決め保持する構成について説明する。図2〜図4に示すように、各分割プラテン15を挟む両側には、各分割プラテン15をそれぞれ保持して位置決めする連続軸状の共通の位置決め部材としての一対の軸40,41が、互いに前後方向Xに所定の間隔をもって、各側板51a,51b間に掛け渡される状態で設けられている。換言すれば、各軸40,41は、シート搬送(排出)方向Xaにおける各分割プラテン15を挟む両側に、例えば9個の分割プラテン15をまとめて保持して位置決めするように設けられている。
各軸40,41は、円形の中実断面で丸棒状をなし、例えば曲げ等の所定の剛性・強度を持つように鉄材、ステンレススチール等の金属で、主走査方向Yに長いストレート状に形成されている。
図2に示すように、装置本体1の手前側の軸41は、後述するように必要に応じてサービス担当者や工場での組立・調整時等において、側板51a,51bから取り外し可能に構成されている。装置本体1の奥側の軸41は、レジスト加圧ローラ9の中心と上下方向Zで同一鉛直線上に位置するようにレジスト加圧ローラ9の下方近傍に配置されていて、通常は側板51a,51bから取り外し不可となっている。
図5を参照して、保持手段の構成を説明する。図5(a)は、一方の軸を側板に取り付ける孔、切欠溝を説明する側面図、図5(b)は、一方の軸の保持手段の構成、保持手段からの一方の軸の取り外しを説明する断面図である。
各軸40,41の長手方向の両側(一端部および他端部)を、側板51a,51bに保持する保持手段の構成は、各側板51a,51bで同様であるため、図4における手前側の側板51b側で代表して説明する。
軸40の長手方向の端部を側板51bに保持する保持手段は、図4および図5に示すように、切欠溝53a付きの孔53およびフランジ52a付きの軸受52で構成されている。図4および図5(a)に示すように、側板51bには、軸40の一端部を着脱可能に側板51bに保持するための、略水平方向に寸法h1で切り欠かれた切欠溝53a付きで、寸法h1よりも大きい径D1(D1>h1)を持つ孔53が形成されている。軸受52は、例えば軸40に対して摺動性が良好で耐久性に優れたポリアセタール樹脂(POM)で形成されている。
孔53には、図5(b)に示すように、軸受52の外側(アウター)外径が孔53の径D1に対してマイナス公差で設定された軸受52が挿通・嵌合される。一方、軸受52の内側(インナー)には、軸受52のインナー径に対してマイナス公差で設定された外径d1を持つ軸40が挿通・嵌合される。二点鎖線で示すフランジ52aは、軸受52の外径よりも大きい外径をもって軸受52の外側に一体形成されている。側板51a,51bに保持された各軸受52から外側へ突出した軸40の各端部には、軸40の主走査方向Yへの移動を規制する移動規制部材としての止め輪(図示せず)が装着される。
図5(b)において、側板51bの孔53にフランジ52a付きの軸受52が嵌合している状態では、D1>h1>d1の寸法関係であるため、軸40の図において手前側の端部から止め輪を取り外して軸受52を手前側に引き抜かない限り軸40を側板51bの孔53から取り外すことができない。換言すれば、上記図示しない止め輪を取り外し、次いで軸40の手前側の端部から軸受52を手前側に引き抜くと、h1>d1の寸法関係となることにより、軸40の端部を切欠溝53aから引き抜くことで側板51bの前記保持手段から軸40を取り外すことができる。
軸41の長手方向の端部を側板51bに保持する保持手段は、図4に示すように、連結部材54と、側板51bに形成された連結部材54保持用の保持部とを有する。
連結部材54は、レジストローラ8を回転可能に保持するとともに軸41の各端部を保持する、レジストローラ8および軸41の各軸受を兼ねて一体的に形成されている。連結部材54は、レジストローラ8を回転可能に保持するために摺動性が良好で耐久性に優れた例えばポリアセタール樹脂(POM)で形成されている。連結部材54は、側板51bに形成された連結部材54保持用の保持部(図4において、レジストローラ8の軸受部と嵌合する側板51bに形成された略U字形状の溝および軸41を挿通した軸受部と嵌合する孔とで構成される)に保持・固定される。
また、側板51a,51bに保持された連結部材54から外側へ突出したレジストローラ8および軸41の各端部には、これらの主走査方向Yへの移動を規制する移動規制部材としての止め輪(図示せず)が装着される。
各軸40,41が上記各保持手段を介して側板51a,51bに保持されている状態において、各軸40,41の互いの平行度、各軸40,41の上下方向Zの位置、前後方向Xの位置および真直度等が位置決め基準となるにふさわしい精度で設定されている。換言すれば、上記各保持手段を構成する上記した各関係部品・部材の形状・寸法が所定の公差範囲内になるように、上記した各関係部品・部材の形状・寸法精度が設定されている。
図3、図6等を参照して、分割プラテンを説明する。図6は、分割プラテンを下方側から見た斜視図である。
分割プラテン15は、図3に示すように、その並び方向としての主走査方向Yに同じものからなる9個(用紙サイズがA0の場合)が並列・配置されている。用紙サイズがA1の場合には、同じ分割プラテン15を、主走査方向Yに6個並列・配置することで対応できるようになっている。
分割プラテン15は、例えば軽量化および安価に製作するために共通部品化され、図2、図6および図7に示すように、下部が開口した略筺体状をなし、顔料としてカーボンブラックを含有したポリカーボネート樹脂(PC)で一体的に形成されている。図2、図3、図6および図7に示すように、分割プラテン15には、その厚さ方向に貫通したエア吸引用の多数の孔15aと、その上部に形成されたリブ15bと、軸40に保持される被保持部としての嵌合溝15eを形成されたフランジ15cと、軸41に保持される被保持部としての嵌合溝15fを形成されたフランジ15dとが一体的に形成されている。
フランジ15cは、各分割プラテン15の主走査方向Yに沿って所定の間隔で前方向Xaの左右端部に2箇所設けられ、前方向Xaが開口した略U字形状の嵌合溝15eを有する。フランジ15dは、各分割プラテン15の主走査方向Yに沿って所定の間隔で後方向の左右端部に2箇所設けられ、後方向が開口した略U字形状の嵌合溝15fを有する。嵌合溝15eがプラス公差、軸40がマイナス公差でそれぞれ設定され、同様に、嵌合溝15fがプラス公差、軸41がマイナス公差でそれぞれ設定されている。
各分割プラテン15の左右端部の嵌合溝15eと軸40とが嵌合したとき、また分割プラテン15の左右端部の嵌合溝15fと軸41とが嵌合したとき、プラテン14(各分割プラテン15が組み付け装着された状態)上の各リブ15b上面の平面度および真直度が狙いの公差内に入るように、各軸40,41、各分割プラテン15の嵌合溝15e,45bおよびリブ15b上面の位置・形状寸法が設定されている。
上述のとおり、各分割プラテン15は、軸40を該各分割プラテン15の外側から装着可能な被保持部としての嵌合溝15eを形成されたフランジ15cと、軸41を該各分割プラテン15の外側から装着可能な被保持部としての嵌合溝15fを形成されたフランジ15dとを有する。
図6および図7に示すように、各分割プラテン15は、互いに対向する側面および下面に弾性部材の一例としての気密性保持用のスポンジ80が気密性の両面テープで貼り付け・固定されている。スポンジ80は、気密性保持の高い単独(独立)気泡のものが好ましく用いられる。なお、図2および図3では、図面の簡明化のためスポンジ80の図示を省略している。
図2、図7、図8に示すように、各分割プラテン15の左右端部の嵌合溝15eと軸40とが嵌合し、また分割プラテン15の左右端部の嵌合溝15fと軸41とが嵌合することにより、各分割プラテン15が各軸40,41に保持されている状態は、各分割プラテン15が各軸40,41上にあたかも載置されている状態にある。すなわち、各分割プラテン15のフランジ15c,15dの下端面(底面)は、ベースフレーム50の上面50bに直接的には接触しておらず、図7および図8に示すスポンジ80が圧縮された状態で接触しているだけである。
図5(a)、図5(b)を用いて前述したように、図示しない止め輪を取り外し、次いで軸40の手前側の端部から軸受52を手前側に引き抜くと、h1>d1の寸法関係となることにより、軸40の端部を切欠溝53aから引き抜くことで側板51bの前記保持手段から軸40を取り外すことができる。すなわち、前記保持手段は、位置決め部材の一方である軸40が装置構造体である側板51a,51bから着脱可能となるよう構成されていたことにより、各分割プラテン15が軸40との保持・嵌合状態を解除される構成であり、これによって各分割プラテン15の交換を行うことができる。
説明が前後するが、上記した軸40の側板51a,51bからの取り外しは、後述する図9〜図14に示す位置調整手段60の保持部材62がベース部材61から取り外されている状態にあることが前提となる。
図7、図8を参照して、軸41とレジストローラ8とを連結し、レジスト加圧ローラ9の加圧による軸41に対する位置変動を補正する位置補正手段31について説明する。図7は、位置補正手段31、レジストローラ8、軸41、分割プラテン15を説明する要部の断面図、図7は、位置補正手段31、レジストローラ8、軸41、分割プラテン15を装置本体の前面側から見た要部の斜視図である。
位置補正手段31は、レジストローラ8および軸41の長さ方向の3箇所、ちなみに用紙サイズA0の場合にあっては、主走査方向Yに一列に並べられた9個の分割プラテン15の中央部およびこの中央部と最左右端部との間に配置されている。
位置補正手段31は、軸受連結部材32、軸受調整部材33、調整ネジ35等を有する。軸受連結部材32は、レジストローラ8を回転可能に保持するレジストローラ軸受部と、軸41を保持する軸受部と、傾斜面32aと、ネジ締結部38とを有して一体的に形成されている。ネジ締結部38は、調整ネジ35による後述する調整終了時に、ネジ37を介してベースフレーム50に固着されたブラケット34に締結・固定される部位であり、これにより軸受連結部材32は移動不能となる。
軸受調整部材33は、軸受連結部材32の傾斜面32aを摺動する傾斜面33aと、ベースフレーム50の上面50bを摺動する底壁面33bとを有して一体的に形成されている。軸受調整部材33には、調整ネジ35と噛み合うナット36が回転不能に固着されている。
軸受連結部材32は、レジストローラ8を回転可能に保持するなどのために、また軸受調整部材33は、軸受連結部材32の傾斜面32aおよびベースフレーム50の上面50bを摺動するために、共に摺動性が良好で耐久性に優れた例えばポリアセタール樹脂(POM)で形成されている。
図7を参照して、レジスト加圧ローラ9周りを補説する。図7において、9aは、レジスト加圧ローラ9の軸を、75は、用紙を案内する搬送ガイド板を、76は、レジスト加圧ローラ9を回転可能に保持する加圧アームを、それぞれ示す。また図3において、77は、レジスト加圧ローラ9に加圧力を付与するための線バネを示す。
位置補正手段31の動作を説明する。調整ネジ35を締め込み方向(例えば右ネジの場合は右)に回転させると、軸受調整部材33がベースフレーム50の上面50b上を摺動して前後方向Xの後方向に移動する。これに伴い、軸受調整部材33の傾斜面33aが軸受連結部材32の傾斜面32aと摺動することで、レジストローラ8とともに軸41が上方向に移動することとなる。調整ネジ35を左回転させると、上述の動作と逆になり、レジストローラ8とともに軸41が下方向に移動することとなる。この調整ネジ35による調整終了時に、ネジ37によってネジ締結部38をブラケット34に締結・固定すると、軸受連結部材32が上下方向Zおよび主走査方向Yに移動不能に固定される。
本発明の実施形態では、簡単な構成の他に安価な装置の提供を目的としているため、軸41の剛性・強度をむやみに高くしていない。レジストローラ8に対するレジスト加圧ローラ9の加圧力は、使用する用紙が薄手の薄紙から厚手の厚紙までであるため、かなり高くなってしまう。これにより各分割プラテン15を介して特には軸41の中央部付近に負荷される加圧力も高くなることで、分割プラテン15の位置変動が生じ、各分割プラテン15の平面度、真直度が確保できなくなってしまう。
これに対し、本実施形態によれば、位置補正手段31の配置部位(特に軸41の中央部付近)における分割プラテン15の位置変動を補正・調整することで、各分割プラテン15の平面度、真直度を確保することができる。この際、軸41とともにレジストローラ8の上下方向Zの補正・調整も同時に行われるので、常に安定した用紙搬送およびレジスト動作を行うこともできる。
なお、前記補正・調整作業は、一般ユーザが行うものでなく、専ら製造工場での組み立て・調整工程あるいはサービスに係る業務を行う工場等で実施されるものであることを付記しておく。これは、図9〜図14を用いて後述する位置調整手段60による調整作業でも同様である。
図9〜図14を参照して、軸40の位置(特には上下方向Zの位置)を調整する位置調整手段60について説明する。位置調整手段60は、軸40の自重および各分割プラテン15の重量等の影響を受けて、あるいは経時によって軸40が撓み変形を起こすのを正規の位置に調整するために設定されている。
図9は、組み付け後の位置調整手段60の要部の斜視図、図10(a)は、ベース部材61の正面図、図10(b)は、ベース部材61および保持部材62が取り付けられるベースフレーム50の拡大正面図、図11は、図9の位置調整手段60から保持部材62だけを取り外した状態の要部の斜視図、図12は、保持部材62の外観斜視図、図13は、組み付け後の位置調整手段60の要部の断面図、図14は、軸40を取り外した状態の組み付け後の位置調整手段60および規制部材70の要部の斜視図である。
位置調整手段60は、上述した位置補正手段31の主走査方向Yの配置位置に対応して、軸40の長さ方向の3箇所(用紙サイズA0の場合にあっては主走査方向Yに一列に並べられた9個の分割プラテン15の中央部およびこの中央部と最左右端部との間)に配置されている。
位置調整手段60は、ベースフレーム50に位置決めされて予め固定されるベース部材61と、このベース部材61に対して着脱可能であって軸40を保持する保持部材62とを有する。ベース部材61、保持部材62は、例えば板金をプレス加工して形成される。
保持部材62には、図9、図12、図13に示すように、軸40を保持する軸受部62aと、脚部フランジ62bと、図9に示す結合ネジ64を挿通して保持部材62をベース部材61に締結・固定するための締結孔62cとが形成されている。
図10(a)、図11に示すように、ベース部材61には、(保持部材62を固定するために)図9に示す結合ネジ64に噛み合うメネジが切られたネジ孔61aと、ネジ孔61aの図において左右両側に開けられ図9、図11に示す締結部材の一例としての固定ネジ63を挿通する長孔61bと、図12に示す保持部材62の脚部フランジ62bを挿通する逃げ部61dを備えた異形状の開口62cとが形成されている。
図10(b)に示すように、ベースフレーム50には、基準孔50cと、図9に示す結合ネジ64を逃がす結合ネジ64よりも大きな形状の長孔50dと、長孔50dの図において左右両側に開けられ図9、図11に示す固定ネジ63と噛み合うメネジが切られたネジ孔50eと、基準孔50cの図において左右両側に開けられ図12に示す保持部材62の脚部フランジ62bを逃がすための、ベース部材61の逃げ部61dよりも上下方向Zで大きい逃げ開口50fとが形成されている。
上述した構成のとおり、保持部材62は、ベース部材61が締結部材としての固定ネジ63により装置本体1側のベースフレーム50に固定された状態で取り外し可能になっている。これにより、保持部材62は、ベース部材61に対してベースフレーム50の前面(図1および図2に示す前面1F参照)側から着脱可能に構成されている。
上記構成のとおり、本実施形態によれば、保持部材62を取り外して上述したように分割プラテン15を交換しても、ベース部材61がベースフレーム50に予め位置決め調整されて固定ネジ63で取り付けられているので、再びその保持部材62を結合ネジ64でベース部材61に取り付ければ済むので、保持部材62をいちいち調整して取り付ける必要がなくなる。
また、ベース部材61に対してベースフレーム50の前面側から着脱可能であることにより、分割プラテン15の交換作業や調整作業等の場所を広く取る必要がなく、作業の省スペース化および作業性向上を図ることができる。
上述した位置補正手段31による前記補正・調整作業と、位置調整手段60による前記組み付け・調整作業は、専ら製造工場における工程内で同時に行われる。これらの作業は、専用の精度の確保された治具、測定器具および定盤などを用いて行われる。
図9、図14を参照して、規制部材70周りの構成について説明する。図9および図14に示すように、本実施形態では隣り合う分割プラテン15の並び方向(本実施形態ではシート搬送方向と交差・直交する主走査方向Y・シート幅方向Yである)の位置を規制する規制部材70を備えている。
規制部材70は、用紙サイズA0の場合にあってはシート幅方向Yの所定の位置に4箇所配置(隣り合う分割プラテン15を一組とすると、一組置きに計4箇所配置することで、合計8個の分割プラテン15の位置を規制している)されている。そして、残りの1個の分割プラテン15に対しては、軸40の一端部を保持している前記保持手段近傍で所定の隙間をあけて止め輪(図示せず)で規制している。このように本実施形態例では、規制部材70の配置・部品個数を減らしてコスト低減に寄与している。この利点・効果を望まなくてもよいのであれば、規制部材70の配置箇所は、隣り合う分割プラテン15ごとに8箇所配置してもよいことは無論である。
前述したように、互いに対向する分割プラテン15の側面に弾性部材としてのスポンジ80を有していて、隣り合う分割プラテン15のシート幅方向Yの間には、スポンジ(図示せず)の圧縮状態を介して隙間72が形成されている。
規制部材70は、例えば板金で形成されていて、隣り合う分割プラテン15のフランジ15cの両側から挟む凹部の一例としての切欠70aと、ベースフレーム50に形成された回り止め用の切り曲げ部50fに係合(係わり合うことを意味する)する切り曲げフランジ70bとが一体形成されている。
規制部材70のベースフレーム50への取り付けは、次のように行うことができる。すなわち、前述したように軸40と軸41上にシート幅方向Yに保持・並列された、図示を省略したスポンジを介して隣り合う分割プラテン15のフランジ15c同士に対して、規制部材70の切欠70aを挟むように係合させる。これに前後して、ベースフレーム50の切り曲げ部50fに切り曲げフランジ70bを係合させて、締結部材としてのネジ71(図示を省略しているが、規制部材70にはネジ71挿通用の孔が、ベースフレーム50にはネジ71挿通用の孔に対応する位置にネジ71と噛み合うメネジが切られている)で図に示す所定の位置に固定すればよい。
本実施形態によれば、前述した規制部材70を備えていることにより、たとえ、軽量かつ安価に形成された各分割プラテン15が環境の変化等によって熱膨張したとしても、並び方向であるシート幅方向Yの位置を規制することができるので、各分割プラテン15の変形等による障害の発生や悪影響を未然に防止することができる。
また、隣り合う分割プラテン15のシート幅方向Yの間に隙間72が形成されていることにより、隣り合う分割プラテン15同士の平行度や真直度を経時に亘り維持することができる。
さらに、互いに対向する分割プラテン15の側面にスポンジ80を有しているので、スポンジ80同士でエア導通用のダクトを形成することができ、隣り合う分割プラテン15同士の間に隙間72があってもスポンジ80同士の弾性変形で対応することができる。
以上説明したとおり、本実施形態によれば、用紙10を搬送するシート搬送手段の一例としてのレジストローラ8およびレジスト加圧ローラ9と、複数に分割して構成され、前記シート搬送手段より搬送されてくる用紙10を案内するシート案内部材の一例としての分割プラテン15と、各分割プラテン15を挟む両側に設けられ、各分割プラテン15をそれぞれ保持して位置決めする連続軸状の共通の位置決め部材の一例としての軸40,41と、を備えていることにより、簡単な構成で複数の分割プラテン15を位置決め(特には上下方向Zおよび前後方向Xの位置決め)をできるシート搬送装置およびこれを備えた画像装置を実現し提供することができるという基本的な効果を奏する。
上記実施形態では、位置補正手段31を、レジストローラ8および軸41の長さ方向の3箇所(用紙サイズA0の場合にあっては主走査方向Yに一列に並べられた9個の分割プラテン15の中央部およびこの中央部と最左右端部との間)に配置したが、これに加えて次の箇所に追加してもよい。
すなわち、位置決め部材の少なくとも一方(軸40,41)が装置構造体である側板51a,51bに保持されている側板51a,51b内側の近傍端部に、位置補正手段31を配置するようにしてもよい。このうち、軸41が側板51a,51bに保持されている側板51a,51b内側の近傍端部に、位置補正手段31を配置すると、レジストローラ8とともに軸41の上下方向の位置を補正・調整することができるので好ましい。
また、追加配置した位置補正手段31に対応した軸40の主走査方向Yの位置に位置調整手段60を追加してもよい。
上記実施形態では位置決め部材である軸40,41の平行度が側板51a,51bに配設されている上記保持手段の各構成部品の積上げ公差(誤差)で略決まる構成であり、各構成部品が許容公差(誤差)内に入っていても各構成部品の積上げ誤差によっては捩れの生じる場合があり得る。これに対し、上記例によれば、軸40,41の捩れが生じた際に、その捩れをも補正・調整することができるようになる。
以上説明したとおり、本発明を特定の実施形態等について説明したが、本発明が開示する技術内容は、上述した一実施形態等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
本発明の実施形態は、上述した画像形成装置の構成例に限らず、例えば給紙部3だけの構成からなるシート搬送装置としての給紙装置に適用し構成することも可能である。
画像形成部は、シリアル型インクジェット記録装置に限定されず、ライン型インクジェット記録装置や電子写真方式による画像形成装置等またはそれら複数の機能を組み合わせた画像形成装置の画像形成部でもよい。
図1および図2に示した画像形成装置に限らず、原稿の画像を読み取る機能・構成を有する画像読取部を備えていてもよい。さらに画像読取部に加えて、装置本体の上部の正面側などに操作部としての操作パネルを設けたものでは、例えば、上記一実施形態の図2に示す画像形成装置を操作するための、テンキー等を含む動作指示手段やタッチパネル式の液晶表示装置等の報知手段等を備えたものが想定される。
連続軸状の共通の位置決め部材は、上記各軸40,41に限らず、各軸は一つの軸でもよいし、分割した軸を1本の軸となるように連結したものでもよい。さらに各軸はその長手方向に全て同じ径または形状でなくてもよい(別言すれば、分割プラテン15のフランジ15c,15dの嵌合溝15e,15fや、保持部材62の軸受部62a、位置補正手段31の軸受部と接触する以外の軸径は他と違う径でもよい)。
上記実施形態では、隣り合う分割プラテン15の並び方向を、シート搬送方向と交差・直交する主走査方向Y・シート幅方向Yとしたが、シート搬送方向に並列した場合にも本発明は適用可能である。
また、例えば、レジストローラ8に対するレジスト加圧ローラ9の加圧力による軸40,41の撓みが実質的に無視してよいほど剛性・強度の高いものであれば、上記実施形態の位置補正手段31および位置調整手段60は無くてもよい。
分割プラテン15、軸40,41、ベースフレーム50,側板51a,51b、位置補正手段31や位置調整手段60の構成部品、規制部材70等は、上記した材料に限らず、上述した程の利点・効果をそれ程望まなくてもよいのであれば、略同様の機能を有する他の材料に置き換えてもよい。
さらに、シート排出方向、用紙を繰り出し可能にロール紙を支持する配置は、上述した一実施形態で説明したように装置前面側にあるものに限定されず、例えば用途等に応じて装置背面側や装置側面側等に配置してもよい。
1 装置本体
1F 装置本体の前面
2 画像形成部
3 給紙部(シート搬送装置)
4a 上段ロール紙(ロール状記録媒体、シートロール)
4b 下段ロール紙(ロール状記録媒体、シートロール)
7a 上段の給紙ローラ対(シート搬送手段)
7b 下段の給紙ローラ対(シート搬送手段)
8 レジストローラ(シート搬送手段、第1の回転体、一対の回転体)
9 レジスト加圧ローラ(シート搬送手段、第2の回転体、一対の回転体)
10 用紙(シート、被記録媒体)
11 上段ロール紙収容部
12 下段ロール紙収容部
14 プラテン(シート案内部材)
15 分割プラテン(分割されたシート案内部材)
15c,15d 嵌合溝(被保持部、被保持手段)
15c,15d フランジ(被保持部)
16 記録ヘッド(画像形成手段)
20 キャリッジ
27 カッタ(シート切断手段)
28 排紙口(シート排出口)
29 排紙部(排出部)
30 吸引ファン(エア吸引手段)
31 位置補正手段
32 軸受連結部材
33 軸受調整部材
35 調整ネジ
40 軸(位置決め部材の一方)
41 軸(位置決め部材の他方)
50 ベースフレーム(装置構造体)
51a,51b 側板(装置構造体)
52 軸受(保持手段)
53 孔(保持手段)
53a 切欠溝(保持手段)
64 連結部材
60 位置調整手段
61 ベース部材
62 保持部材
63 固定ネジ(締結部材)
64 結合ネジ
70 規制部材
70a 切欠(凹部)
72 隙間
80 スポンジ(弾性部材)
X 前後方向、副走査方向
Xa シート排出方向
Y 主走査方向、シート幅方向(並び方向)
Z 上下方向
特開2011−110844号公報(段落「0017」、図2、図3等参照)

Claims (7)

  1. シートを搬送するシート搬送手段と、
    複数に分割して構成され、前記シート搬送手段より搬送されてくるシートを案内するシート案内部材と、
    前記各シート案内部材を挟む両側に設けられ、前記各シート案内部材をそれぞれ保持して位置決めする連続軸状の共通の位置決め部材と、
    を備えていることを特徴とするシート搬送装置。
  2. 前記各位置決め部材の長手方向の両側を、装置構造体に保持する保持手段を備えていることを特徴とする請求項1記載のシート搬送装置。
  3. 前記シート搬送手段は、
    前記装置構造体に回転可能に固定される第1の回転体と、第1の回転体に加圧・接触し従動回転する第2の回転体とで構成された一対の回転体であり、
    前記位置決め部材と第1の回転体とを連結し、第2の回転体の前記加圧による前記位置決め部材に対する位置変動を補正する位置補正手段を備えることを特徴とする請求項2記載のシート搬送装置。
  4. 前記位置決め部材の少なくとも一方が前記装置構造体に保持されている近傍端部に、前記位置補正手段を配置したことを特徴とする請求項3記載のシート搬送装置。
  5. 前記各シート案内部材は、前記位置決め部材を該各シート案内部材の外側から装着可能な被保持部を有することを特徴とする請求項2ないし4の何れか一つに記載のシート搬送装置。
  6. 前記保持手段は、前記位置決め部材の一方が前記装置構造体から着脱可能となるよう構成されており、
    前記位置決め部材の一方が、前記装置構造体から取り外されることを介して、前記各シート案内部材が前記位置決め部材との保持状態を解除される構成であることにより、交換可能であることを特徴とする請求項5記載のシート搬送装置。
  7. 搬送されてくるシートに画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部へシートを搬送する請求項1ないし5の何れか一つに記載のシート搬送装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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