JP2013192176A - 自動車用電子制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポンプコントローラ1は、166.6μsの割り込み周期毎に4Byteのデータをバッファ11に格納し、5msの送信周期毎に30回分の120Byteのデータを外部のモニタツール4に送信する。ここで、166.6μs×30=4998μsと、送信周期とのずれに因って、31回目の割り込みが生じることで、送信されずにバッファ11内に残るデータが蓄積される。そこで、送信直前の状態でバッファ11に全容量分の256Byteのデータが格納されている場合には、バッファ11に格納されている全データを消去し、かつ、次回送信時にデータの識別子に設定値を付加することで、データ消去によるデータ欠落が生じていることを、モニタツール4に通知する。
【選択図】図5
Description
また、特許文献1には、リングバッファの空き領域が無くなった場合にフラグをセットし、更にデータを受信した場合、古いデータを保護するために、書き込みポインタから1つ戻ったポインタ位置に受信したデータを格納し続けることが開示されている。
しかし、データを外部へ送信する周期が、データをバッファに格納する周期の整数倍でない場合、データの送信サイズと蓄積サイズとが不整合となって、送信できなかったデータがバッファ内に蓄積していって、バッファがオーバーフローする場合があった。
そして、一旦オーバーフローが発生してしまうと、送信できないデータが短周期で発生するようになり、外部のモニタツールが監視するデータの連続性が大きく損なわれてしまい、動作確認などが精度良く行えなくなってしまうという問題が生じる。
図1は、自動車用電子制御装置の一例としてのポンプコントローラ1を示している。
ポンプコントローラ1は、自動車20に搭載される自動変速機などにオイルを供給するオイルポンプ2を駆動する制御ユニットである。
モニタツール4は、ポンプコントローラ1などのCAN通信線3に接続されている各種の制御装置の動作確認を行う場合にCAN通信線3に接続される、診断用ツールである。モニタツール4は、例えば、コンピュータ、表示装置、及び、キーボードなどのマンマシンインタフェースを含む装置であり、一例として市販のパーソナルコンピュータを用いることができる。
図2に示すように、バッファ11は、256Byteの容量を有し、ポンプコントローラ1は、166.6μs毎の割り込み処理によって、1割り込み当たり4Byteのデータ(送信用データ)をバッファ11に格納する。そして、ポンプコントローラ1は、送信周期である5ms毎に、バッファ11内に格納されている120Byteのデータを取得順に従ってまとめてモニタツール4に送信する。
但し、166.6μsの割り込み周期の30回分は、166.6μs×30回=4998μsとなり、送信周期の5msに一致しないので、図3に示すように、30回目の割り込みタイミングと、データ送信を行う5msのタイミングとの間にずれが生じる。
尚、前回の送信時に、バッファ11に残された4Byteのデータは、次の送信周期では、最も古いデータとなるので、送信される120Byteに含まれ、最新に格納された4Byteのデータがバッファ11に残されることになるので、送信されるデータの連続性は保持される。
上記のようにして、送信周期である5msの間に31回の割り込みがなされる毎に、120Byteのデータを送信してもバッファ11内の残されることになるデータの容量が4Byteずつ増えていき、最終的には、図4(D)に示すように、5ms毎の送信タイミングにおいてバッファ11の全容量分に相当する256Byteのデータが格納される状態となり、120Byteのデータを送信してもバッファ11内に136Byteが残される状態となる。
尚、上記の割り込み周期=166.6μs、送信周期=5ms、割り込み処理1回当たりの格納データサイズ=4Byte、送信データサイズ=120Byte、バッファ容量=256Byteは一例であり、上記の設定に限定されるものではない。そして、バッファ11のオーバーフローは、(送信データサイズ/格納データサイズ)×割り込み周期が、送信周期よりも短いこと、換言すれば、バッファ11へのデータの格納周期である割り込み周期を整数倍した場合に、送信周期に一致しないことにより生じる。
そして、バッファ11を介してデータを受信するモニタツール4では、バッファ11のオーバーフローによる受信データの不連続な変化を、例えば、ポンプコントローラ1の動作不良に因るものと誤判断してしまう可能性がある。
図5のフローチャートに示す処理は、データ送信周期の5ms毎に割り込み実行され、まず、ステップS101では、120Byteのデータを送信する直前の状態において、バッファ11に全容量分の256Byteのデータが格納されているか否かを判断する。
バッファ11において送信されずに残るデータが132Byteである間は、30回分の120Byteのデータを格納しても、空き容量が4Byte(4Byte=256Byte−(132Byte+120Byte)だけ残ることになる。
従って、ステップS101において、バッファ11に全容量分の256Byteのデータが格納されていると判断されるのは、直近の送信周期の間に31回のデータ格納がなされ、かつ、前回送信時に132Byteのデータが送信されずに残っていた場合である。
そこで、ステップS101で、バッファ11に全容量分の256Byteのデータが格納されておらず、空き容量がある場合には、ステップS102へ進み、バッファ11に格納されているデータのうちで古い120Byte分のデータを、取得順に従ってモニタツール4に送信する。
一方、バッファ11に全容量分の256Byteのデータが格納されている場合には、ステップS103へ進んで、バッファ11に格納されている256Byteのデータを全て消去し、バッファ11を送信されずに残されるデータがない初期状態に戻す。
本実施形態で例示した、周期、データサイズの場合、バッファ11の全容量分のデータが消去されるのは、14.7秒毎になる。
但し、モニタツール4が、256Byte分の未送信データが消去されたこと、換言すれば、256Byte分のデータが欠落したことを認識しないと、消去タイミングを含む期間でデータを監視し、例えば、消去タイミングの前後でデータが急変したことに基づき、ポンプコントローラ1の動作不良を判定してしまう可能性がある。
係る識別子IDを付加された120Byteのデータを受け取ったモニタツール4は、識別子IDに基づき、消去タイミング直後であるか否か、換言すれば、256Byte分の未送信データの欠落後であるか否かを判断できる。従って、モニタツール4を用いた動作確認においては、消去タイミングを跨いでのデータ監視をキャンセルし、消去タイミング直後の送信データの連続性が確保される14.7秒間内において送信データを監視して、ポンプコントローラ1の動作状態を判断することができる。
これにより、識別子IDの変化範囲が、消去タイミング直後では、0x11〜0x1Fとなるのに対し、それ以外では、0x01〜0x0Fとなるから、モニタツール4側では、0x11以上の識別子IDであるか否かによって、消去タイミング(256Byte分のデータ欠落)直後であるか否かを判断できる。
例えば、上記実施形態では、自動車用電子制御装置をポンプコントローラ1としたが、この他、自動車用エンジンにおける燃料噴射量などを制御するエンジンコントローラや、自動変速機を制御するATコントローラなどにおいても、同様にデータ送信及びデータ消去を行わせることで、同様の作用、効果を得ることができる。
また、データ転送に用いる規格はCANに限定されず、LIN(Local Interconnect Network)などの他のネットワーク通信を用いることができる。
(イ)前記バッファ内のデータを全て消去することによる送信データの欠落を、データフレームの識別子に対して、設定値を付加する補正を行うことによって外部に通知する、請求項2記載の自動車用電子制御装置。
上記発明によると、識別子に設定値を付加することで、識別子の変化範囲を異ならせることができ、以って、送信データの欠落の有無を識別子に基づき判定して、データの連続性が確保される区間を特定できる。
上記発明によると、送信できずに残るデータが蓄積し、送信直前におけるバッファの空き容量が0Byteになると、一定期間内にバッファの上書き(オーバーフロー)が生じるものと判断し、バッファ内のデータを全て消去することで、データ送信後に送信されなかったデータが残らない初期状態に戻す。
上記発明によると、送信できずに残るデータが蓄積し、バッファにおける空き容量が設定値(設定値>0Byte)以下になると、近々にバッファの上書き(オーバーフロー)が生じるものと判断し、バッファ内のデータを全て消去することで、データ送信後に送信されなかったデータが残らない初期状態に戻す。
上記発明によると、送信できずに残るデータが蓄積し、バッファにおける空き容量が0Byteになった状態で、更にデータ格納の要求が発生し、バッファ内の古いデータを上書きすることになった場合には、バッファ内のデータを全て消去することで、データ送信後に送信されなかったデータが残らない初期状態に戻す。
Claims (3)
- 割り込み周期毎にデータを一定容量ずつバッファに格納し、送信周期毎に、前記割り込み周期の複数回分に相当する容量のデータを前記バッファから取得順に読み出して外部に送信する自動車用電子制御装置であって、
前記バッファのオーバーフローが生じるときに、前記バッファ内のデータを消去する、自動車用電子制御装置。 - 前記バッファ内のデータを消去することによる送信データの欠落を、データフレームの識別子によって外部に通知する、請求項1記載の自動車用電子制御装置。
- 前記バッファを介してデータが送信される外部装置が、前記自動車用電子制御装置の動作確認を行うためのモニタツールである、請求項1又は2記載の自動車用電子制御装置。
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