JP2013192063A - 画像処理方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】離散的にしか情報を持たない撮像画像から、連続的な輝度分布情報を復元できる画像処理方法および装置を提供することにある。
【解決手段】複数のファイバが束ねられたファイバ束3と、該ファイバ束により伝達される光情報を電気信号に変換する画素が2次元配列されたCCDセンサ13とにより、輝度情報を非連続に取得する画像取得部が構成される。画像処理装置25は、輝度情報を有する複数の画素領域を抽出し、抽出した複数の画素領域の輝度重心位置および重心輝度値を算出し、算出した輝度重心位置および重心輝度値を用いて、輝度情報を持たない画素領域に亘る等方輝度分布情報を計算し、複数の等方輝度分布情報を加算し輝度情報を復元する。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像処理方法および装置に係り、特に、光ファイバの束を用いて撮像された画像の処理をするに好適な画像処理方法および装置に関する。
金属加工品の健全性を評価する非破壊検査などにおいては、複雑な構造物に囲まれた溶接部の裏側などの狭隘部は目視による判定が行われており、細径の内視鏡などを用いて検査が実施されている。
工業用に広く使われている内視鏡のうち、細径のものとしてファイバスコープが知られている。ファイバスコープは、柔軟性のあるファイバを束ねて構成される。個々のファイバでは、ファイバクラッド部に囲まれたファイバコア部に光が導光される。そのため、センサ面に結像された画像では、ファイバクラッド部と結像関係にあたる画素においては光が導光されず、結像画像は物体面を離散的に写すこととなる。また、隣接するファイバ間の隙間についても画像が得られないものである。すなわち、ファイバスコープ撮像画像においては、本来の輝度分布情報が得られないものであった。
そこで、被測定物体がない場合の初期画像と、測定画像の差分を求めてファイバ画面の境界を消去するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、白色背景などを参照画像とし、処理画像のファイバクラッド部のアドレスの輝度を参照画像の輝度に置換するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平1−250217号公報 特開平6−343134号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2記載のものでは、ファイバクラッド部や隣接するファイバ間の隙間の画像情報を、初期画像(引用文献1)や参照画像(引用文献2)に置き換えるものであり、本来の輝度情報とは異なるものに置き換えている。そのため、本来の輝度分布を正確に復元できないという問題があった。
本発明の目的は、離散的にしか情報を持たない撮像画像から、連続的な輝度分布情報を復元できる画像処理方法および装置を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、輝度情報を非連続に取得する画像取得部と、画像処理部とを有する画像処理装置であって、前記画像処理部は、輝度情報を有する複数の画素領域を抽出し、抽出した複数の画素領域の輝度重心位置および重心輝度値を算出し、算出した輝度重心位置および重心輝度値を用いて、輝度情報を持たない画素領域に亘る等方輝度分布情報を計算し、複数の等方輝度分布情報を加算し輝度情報を復元するようにしたものである。
かかる構成により、離散的にしか情報を持たない撮像画像から、連続的な輝度分布情報を復元できるものとなる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記画像取得部は、複数のファイバが束ねられたファイバ束と、該ファイバ束により伝達される光情報を電気信号に変換する画素が2次元配列された光検出器とから構成されるものである。
(3)上記(2)において、好ましくは、前記画像処理部は、前記画像取得部により取得された画像データに対して、前記ファイバ束を構成する単一ファイバごとの画素領域に分割する領域抽出部と、該領域抽出部によって分割された各画素領域の輝度重心位置を算出する輝度重心位置算出部と、該輝度重心位置算出部によって算出された重心位置での輝度値を算出する重心輝度値算出部と、前記輝度重心位置算出部によって算出された重心位置及び前記重心輝度値算出部によって算出された輝度値とから、重心位置を中心とした前記単一ファイバごとの復元輝度分布を算出する輝度分布算出部と、該輝度分布算出部によって算出された単一ファイバごとの復元輝度分布から、全画素の復元輝度値を算出する復元輝度算出部とを備えるようにしたものである。
(4)上記(3)において、好ましくは、前記ファイバ束を構成する単一ファイバは、光情報を伝達するファイバコア部と、該ファイバコア部の外殻を覆うファイバクラッド部とから構成され、前記単一ファイバに対して、前記光検出器の複数の画素が対応するとともに、前記ファイバコア部の中心と、前記複数の画素のうちの一つの画素の中心が一致するように、前記ファイバ束と前記光検出器とが位置付けられているものである。
(5)上記(1)において、好ましくは、前記画像処理部は、周辺画素の重心輝度値に応じ、方向を持たせて重み付けをした輝度情報を分布させるようにしたものである。
(6)上記(5)において、好ましくは、前記画像取得部は、複数のファイバが束ねられたファイバ束と、該ファイバ束により伝達される光情報を電気信号に変換する画素が2次元配列された光検出器とから構成され、前記画像処理部は、隣接する輝度重心位置の重心輝度値情報から、高い重心輝度値を持つ輝度重心位置方向により高い重みを付けた輝度分布とするものである。
本発明によれば、離散的にしか情報を持たない撮像画像から、連続的な輝度分布情報を復元できるものとなる。
本発明の一実施形態による画像処理装置の基本構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による画像処理装置に用いるファイバの構成を示す斜視図である。 ファイバを通して観測した物体面の輝度分布の説明図である。 本発明の一実施形態による画像処理装置の詳細構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態による画像処理装置に用いる領域抽出部の動作説明図である。 本発明の一実施形態による画像処理装置に用いる領域抽出部の動作説明図である。 本発明の一実施形態による画像処理装置に用いる輝度重心位置算出部と重心輝度値算出部の動作説明図である。 本発明の一実施形態による画像処理装置に用いる輝度分布算出部の動作説明図である。 本発明の一実施形態による画像処理装置に用いる復元輝度算出部の動作説明図である。 本発明の他の実施形態による画像処理装置に用いる輝度分布算出部の動作説明図である。
以下、図1〜図9を用いて、本発明の一実施形態による画像処理装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態による画像処理装置の基本構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による画像処理装置の基本構成を示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態による画像処理装置に用いるファイバの構成を示す斜視図である。
図1に示すように、物体面1の表面からの光は、対物レンズ2を通してファイバ束3の入射面に集光される。集光された光は、ファイバ束3に束ねられた個々のファイバを単一画素として導光され、出射面から結像レンズ4を介してセンサ面5に結像される。
センサ面5には、図4にて後述するように、CCDのような2次元のアレイ状の光電変換手段(光検出器)が配置され、ファイバ束3を介して得られる画像を輝度情報の電気信号に変換する。
図2に示すように、ファイバ束3を構成する個々のファイバ3’では、ファイバクラッド部6に囲まれたファイバコア部7に光が導光される。そのため、センサ面5に結像された画像では、ファイバクラッド部6と結像関係にあたる画素においては光が導光されず、結像画像は物体面1を離散的に写すこととなる。また、ファイバ束3を構成する複数のファイバの中で、隣接するファイバ間の隙間と結像関係にあたる画素においては光が導光されず、結像画像は物体面1を離散的に写すこととなる。
次に、図3を用いて、ファイバを通して観測した物体面の輝度分布について説明する。
図3は、ファイバを通して観測した物体面の輝度分布の説明図である。
図3(A)に示すように、ファイバ束は、複数のファイバ3’が束ねられている。個々のファイバ3’は、外殻となるファイバクラッド部6と、その中央の光を通すことができるファイバコア部7とからなる。
図3(A)は、ファイバ束の端面の画像であるが、ここで、ファイバコア部7のみから観察した物体面の画像情報が得られる。
ファイバクラッド部7、および、ファイバ間隙の輝度は、物体面の輝度の情報を持たない。このため、ファイバ撮像画像においては、本来の輝度分布情報が得られない。
図3(B)は、このようにして得られる物体面の画像情報の輝度分布を示している。図3(B)は、図3(A)のA−A’断面における輝度分布を示している。すなわち、ファイバコア部7に対応する位置のみで、離散的な輝度分布のみが得られる。なお、図3(B)にて破線で示す曲線が、本来の物体面における輝度分布とする。
次に、図4を用いて、本実施形態による画像処理装置の詳細構成について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による画像処理装置の詳細構成を示すブロック図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
物体面1から出た光は、ファイバスコープ12の先端に取り付けられた対物レンズ2を介して、ファイバ束3の光入射面に集光される。ファイバ束3の内部に多数配置された個々のファイバのファイバコア部7を通して光は伝送され、ファイバ束3の光出射面から結像レンズ4を介して、ファイバスコープ12の外部にあるCCDセンサ13上に結像される。CCDセンサ13によって光電変換された画像は、画像取込ボード16を介して画像処理装置25内に取り込まれる。画像取込ボード16は、2次元の画像データを順次取り込むキャプチャーボードである。
ここで、ファイバ束3は、例えば、12000本のファイバが束ねられたものを用いている。また、CCDセンサ13は、640画素×480画素のものを用いている。この場合、総画素数は、約30万画素である。その結果、例えば、図5で後述するように、CCDセンサの5画素×5画素によって、一つのファイバからの画像を取り込むような、ファイバ束3とCCDセンサ13の対応関係となっている。
ファイバ束3とCCDセンサ13により、得られる画像は、図3にて説明したように、離散的な画像となる。すなわち、輝度情報が非連続的に取得できる。そこで、ファイバ束3とCCDセンサ13とにより構成され、輝度情報を非連続に取得するものを、画像取得部と称する。画像取得部としては、ファイバ束とCCDセンサとに限らず、他の構成を用いることもできる。
画像処理装置25は、バッファメモリ17と、領域抽出部18と、輝度重心位置算出部19と、重心輝度値算出部20と、輝度分布算出部21と、復元輝度算出部22と、データ記憶手段23とを備えている。画像処理装置25は、パソコン等によって実現される。
画像取込ボード16によって画像処理装置25に取り込まれた画像は、バッファメモリ17に一時保管される。領域抽出部18は、バッファメモリ17に一時保管された画像データに対して、単一ファイバごとの画素領域に分割する。輝度重心位置算出部19は、領域抽出部18によって分割された各画素領域の輝度重心位置を算出する。重心輝度値算出部20は、輝度重心位置算出部19によって算出された重心位置での輝度値を算出する。
輝度分布算出部21は、輝度重心位置算出部19によって算出された重心位置及び重心輝度値算出部20によって算出された輝度値とから、重心位置を中心とした単一ファイバごとの復元輝度分布を算出する。復元輝度算出部22は、輝度分布算出部21によって算出された単一ファイバごとの復元輝度分布から、全画素の復元輝度値を算出する。なお、これらの各部の動作の詳細は、図5以降を用いて説明する。
復元輝度算出部22による算出結果は、データ記憶手段23、画像表示部24に送られる。また、撮像の際の照明は、ライトガイドファイバ14を通して、光源装置15から供給される。なお、ライトガイドファイバ14、および、光源装置15は、本発明において必須項目ではない。
次に、図5及び図6を用いて、本実施形態による画像処理装置に用いる領域抽出部18の動作について説明する。
図5及び図6は、本発明の一実施形態による画像処理装置に用いる領域抽出部の動作説明図である。
図5(A)は、ファイバスコープを通過しCCDセンサに結像された、ファイバスコープ撮像画像を示し、図5(B)は、図5(A)のB−B’における輝度プロファイルを示している。
図5(A)におけるファイバスコープ撮像画像の正方格子は、CCDセンサ13の一つの画素を表している。CCDセンサの画素サイズは、ファイバコア部の直径の半分程度となっている。
ここでは、CCDセンサの5画素×5画素によって、一つのファイバからの画像を取り込むような、ファイバ束3とCCDセンサ13の対応関係となっている。
なお、本発明においては、CCDセンサの画素サイズはファイバコア部の直径の半分程度に限定されるものではなく、更に画素サイズの小さいCCDセンサを用いても良い。
CCDセンサの画素のうち、ファイバコア部に面積の全てが含まれるファイバコア部画素26は、実際の撮像面の輝度に対応した値となっている。また、ファイバコア部画素26は、ファイバコア部の中心と一致するように、ファイバ束とCCDセンサとが位置付けられている。しかし、ファイバクラッド部画素27や、ファイバ間隙部画素では輝度情報を持っていない。また、ファイバコア部とファイバクラッド部に跨る画素28では輝度値を持っているが、実際の撮像面の輝度情報を反映したものとなっていない。
ここで、全てのCCDセンサの画素に亘って実際の撮像面の輝度を復元するための輝度情報を、ファイバコア部から得られる輝度情報のみから計算する。まず、領域抽出部18は、CCDセンサの画素の輝度情報を、単一ファイバのコア部ごとの画素領域に分割する。
図6により、領域抽出部18により、単一ファイバコア部ごとの画素領域に分割する方法を説明する。画素領域の分割は、ラベリング処理によって行う。輝度のしきい値Pを設定し、しきい値P以上の輝度を持つ画素の連結成分ごとに画素領域を抽出し、各画素領域を単一ファイバごとのファイバコア部を含む画素領域とする。
なお、画素領域の分割処理はラベリング処理に限らず、同様の効果が得られる別の処理を用いて良い。また、ファイバ束3とCCDセンサ13が常に同じ位置関係にあることを前提とし、単一ファイバごとの画素領域を予め求めておいても良い。
次に、図7を用いて、本実施形態による画像処理装置に用いる輝度重心位置算出部19と重心輝度値算出部20の動作について説明する。
図7は、本発明の一実施形態による画像処理装置に用いる輝度重心位置算出部と重心輝度値算出部の動作説明図である。
輝度重心位置算出部19と、重心輝度値算出部20とは、各画素領域の非連続な輝度情報から、ファイバコアの中心位置と、その中心での輝度値を求める。
図7は、単一ファイバ画素領域にて取得される非連続な輝度情報の例を示している。この輝度情報より、単一ファイバごとの輝度重心位置と重心輝度値を算出する。輝度重心位置は、まずX、Yの画素列ごとに算出する。ある画素列Yにおいて、X方向の輝度重心位置を以下の式(1)で算出する。

X=(Σ(K×x)/ΣK) …(1)

求められたX方向の輝度重心位置をY方向で平均化し、輝度重心のX座標とする。同様に、ある画素列XにおけるY方向の輝度重心位置を以下の式(2)で算出する。

Y=(Σ(K×y)/ΣK) …(2)

求められたY方向の輝度重心位置をX方向で平均化し、輝度重心のY座標とする。以上の方法により、輝度重心位置算出部19は、非連続な輝度情報から輝度重心位置を算出する。
なお、輝度重心位置算出方法はこの方法に限定されるものではなく、単純2値化重心計算などの別の方法を用いても構わない。
重心輝度値算出部20は、算出した輝度重心位置を含む画素の輝度値を、重心輝度値とする。
次に、図8を用いて、本実施形態による画像処理装置に用いる輝度分布算出部21の動作について説明する。
図8は、本発明の一実施形態による画像処理装置に用いる輝度分布算出部の動作説明図である。
輝度分布算出部21は、輝度重心位置算出部19及び重心輝度値算出部20によって算出された輝度重心位置、および、重心輝度値から、輝度情報を持たない画素に亘って物体面の輝度を復元するための輝度分布情報を計算する。
図8に、単一ファイバ画素領域から計算した輝度分布の一例を示している。計算する輝度分布は、ファイバコア部の輝度分布を正規分布とし、広がりを定数倍(α倍)することによって求める。ファイバコア部の一次元輝度分布(図8の破線で示す輝度分布)は、中心座標をX,重心輝度値をE、広がりをσとして、次の式(3)で表される。

f(x)=E・exp(−(x−X)/2σ) …(3)

ここで、半値幅が隣接する輝度重心位置の画素までの距離の半分となるように広がりσを定数倍(α倍)し、輝度分布を次の式(4)とする。

f(x)=E・exp(−(x−X)/2(α・σ)) …(4)

これにより、重心輝度値を含む画素の輝度値、すなわち、ファイバコア部中心の輝度値を、実際の物体面の輝度値のまま保持し、輝度情報を持たない画素に亘って輝度分布(図8に一点鎖線で示す輝度分布)を復元できる。また、分布は、輝度重心位置から距離に応じて減衰する等方的な分布とし、例えば二次元正規分布とする。なお、計算する輝度分布を求める方法は、本実施例で記載した正規分布を用いた計算方法に限らず、例えば、隣接する重心輝度位置にかかる分布としたり、輝度分布を距離に応じて線形に変化させるものとしたりしても良い。また、定数倍(α倍)については、必ずしも、半値幅が隣接する輝度重心位置の画素までの距離の半分とせず、このαの辺りよりも大きい値、または、小さい値を用いる事もできる。
次に、図9を用いて、本実施形態による画像処理装置に用いる復元輝度算出部22の動作について説明する。
図9は、本発明の一実施形態による画像処理装置に用いる復元輝度算出部の動作説明図である。
復元輝度算出部22は、輝度分布算出部21により算出した各々の単一ファイバの輝度分布を、全ての画素において加算する。
図9は、輝度の加算を行った処理画像の例と輝度プロファイルを示している。 図9において、破線や点線で示す波形が、度分布算出部21により算出した各々の単一ファイバの輝度分布を示している、図9において、実線で示す波形が復元輝度算出部22により算出された加算された輝度分布である。
加算した画像の輝度分布は、ファイバクラッド部、および、ファイバ間隙部にあたる輝度情報を持たない画素の輝度分布情報を復元し、連続的な輝度分布が得られている。また、ファイバコア部にあたる画素の輝度情報は保持されており、実際の物体面に含まれる輝度情報を損なっていない。
以上説明した実施形態により、ファイバスコープを用いた処理においても連続的な輝度分布情報を得ることが可能である。
次に、図10を用いて、本発明の他の実施形態による画像処理装置の構成及び動作について説明する。なお、本実施形態による画像処理装置の基本構成は、図1に示したものと同様である。また、本実施形態による画像処理装置の詳細構成は、図4に示したものと同様である。本実施形態では、輝度分布算出部21における輝度分布の算出方法が、図8に示したものと異なっている。
図10は、本発明の他の実施形態による画像処理装置に用いる輝度分布算出部の動作説明図である。
本実施形態における輝度分布算出部21では、輝度重心位置、および、重心輝度値より求める輝度分布情報を等方的としないものである。即ち、非等方的としたものである。
輝度分布算出部21は、隣接する輝度重心位置(例えば、正方配置の場合は4方向、俵型配置の場合は6方向)の重心輝度値情報から、例えば、高い重心輝度値を持つ輝度重心位置方向により高い重みを付けた輝度分布とする。これにより、方向性を持たせた輝度分布情報を計算する。なお、図10に示すように、互いに接触する隣接するファイバの中心を結ぶ線が、互いに直交する場合を、正方配置と称する。また、例えば、図5に示したように、互いに接触する隣接するファイバの中心を結ぶ線が、互いに60度の角度で交差する場合を、俵型配置と称する。
図10は、正方配置の場合の重みを付けた輝度分布の例を示している。中央の輝度重心位置に隣接する4つの画素のうち、B’、B”画素の輝度値より、A’、A”画素の輝度値のほうが高い場合に、中央の輝度重心位置からA’、A”方向の輝度分布f1(x)、B’、B”方向の輝度分布f2(x)を以下のような式(5),式(6)とする。

(x)=E・exp(−(x−X)/2(α・σ)) …(5)

(x)=E・exp(−(x−X)/2(β・σ)) …(6)

ここで、拡がり定数αと、拡がり定数βとの関係は、以下の式(7)とする。

β=((B’+B”)/(A’+A”))・α …(7)

例えば、傷などの方向性を有するものがある場合、その方向において、輝度が高くなったり、または低くなったりする。高くなるか低くなるかは、光の当たり具合によって異なる。例えば、その傷において光が反射するように光が当たると、輝度が高くなる。また、その傷が陰になるように光が当たると、輝度が低くなる。
ここでは、例えば、図10の符号A’からA”の方向に傷があり、A’−A”方向の輝度が高く、符号B’及びB”に示す画素の輝度が低いものとする。
このような場合、式(5),式(6)に示すように、A’−A”方向では、半値幅を拡がり定数αで広げ、B’−B”方向では、半値幅を拡がり定数βで広げ、この半値幅の位置を一点鎖線で示すと、図10に示すように、楕円形の拡がりを持つものとなる。
このようにすることにより、傷などの方向性を持った輝度情報を高精度に復元できる効果がある。
また、第1の実施形態と同様に、ファイバスコープを用いた撮像画像においても連続的な輝度分布情報を得ることが可能である。
1…物体面
2…対物レンズ
3…ファイバ束
4…結像レンズ
5…センサ面
6…ファイバクラッド部
7…ファイバコア部
12…ファイバスコープ
13…CCDセンサ
14…ライトガイドファイバ
15…光源装置
16…画像取込ボード
17…バッファメモリ
18…領域抽出部
19…輝度重心位置算出部
20…重心輝度算出部
21…輝度分布算出部
22…復元輝度算出部
23…データ記憶手段
24…画像表示部
25…画像処理装置

Claims (14)

  1. 輝度情報を非連続に取得する画像取得部と、画像処理部とを有する画像処理装置であって、
    前記画像処理部は、輝度情報を有する複数の画素領域を抽出し、抽出した複数の画素領域の輝度重心位置および重心輝度値を算出し、算出した輝度重心位置および重心輝度値を用いて、輝度情報を持たない画素領域に亘る等方輝度分布情報を計算し、複数の等方輝度分布情報を加算し輝度情報を復元することを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1記載の画像処理装置において、
    前記画像取得部は、複数のファイバが束ねられたファイバ束と、該ファイバ束により伝達される光情報を電気信号に変換する画素が2次元配列された光検出器とから構成されることを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項2記載の画像処理装置において、
    前記画像処理部は、
    前記画像取得部により取得された画像データに対して、前記ファイバ束を構成する単一ファイバごとの画素領域に分割する領域抽出部と、
    該領域抽出部によって分割された各画素領域の輝度重心位置を算出する輝度重心位置算出部と、
    該輝度重心位置算出部によって算出された重心位置での輝度値を算出する重心輝度値算出部と、
    前記輝度重心位置算出部によって算出された重心位置及び前記重心輝度値算出部によって算出された輝度値とから、重心位置を中心とした前記単一ファイバごとの復元輝度分布を算出する輝度分布算出部と、
    該輝度分布算出部によって算出された単一ファイバごとの復元輝度分布から、全画素の復元輝度値を算出する復元輝度算出部とを備えることを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項3記載の画像処理装置において、
    前記ファイバ束を構成する単一ファイバのピッチに対して、対応する前記光検出器の画素のピッチが半分以下であることを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項4記載の画像処理装置において、
    前記ファイバ束を構成する単一ファイバは、光情報を伝達するファイバコア部と、該ファイバコア部の外殻を覆うファイバクラッド部とから構成され、
    前記単一ファイバに対して、前記光検出器の複数の画素が対応するとともに、
    前記ファイバコア部の中心と、前記複数の画素のうちの一つの画素の中心が一致するように、前記ファイバ束と前記光検出器とが位置付けられていることを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項1記載の画像処理装置において、
    前記画像処理部は、周辺画素の重心輝度値に応じ、方向を持たせて重み付けをした輝度情報を分布させることを特徴とする画像処理装置。
  7. 請求項6記載の画像処理装置において、
    前記画像取得部は、複数のファイバが束ねられたファイバ束と、該ファイバ束により伝達される光情報を電気信号に変換する画素が2次元配列された光検出器とから構成され、
    前記画像処理部は、隣接する輝度重心位置の重心輝度値情報から、高い重心輝度値を持つ輝度重心位置方向により高い重みを付けた輝度分布とすることを特徴とする画像処理装置。
  8. 輝度情報を非連続に画像取得し、画像処理を行う画像処理方法であって、
    画像処理段階においては、輝度情報を有する複数の画素領域を抽出し、抽出した複数の画素領域の輝度重心位置および重心輝度値を算出し、算出した輝度重心位置および重心輝度値を用いて、輝度情報を持たない画素領域に亘る等方輝度分布情報を計算し、複数の等方輝度分布情報を加算し輝度情報を復元することを特徴とする画像処理方法。
  9. 請求項8記載の画像処理方法において、
    画像取得には、複数のファイバが束ねられたファイバ束と、該ファイバ束により伝達される光情報を電気信号に変換する画素が2次元配列された光検出器を用いることを特徴とする画像処理方法。
  10. 請求項9記載の画像処理方法において、
    画像処理段階においては、
    取得された画像データに対して、前記ファイバ束を構成する単一ファイバごとの画素領域に分割し、
    分割された各画素領域の輝度重心位置を算出し、
    算出された輝度重心位置での輝度値を算出し、
    算出された輝度重心位置及び輝度値から、重心位置を中心とした前記単一ファイバごとの復元輝度分布を算出し、
    算出された単一ファイバごとの復元輝度分布から、全画素の復元輝度値を算出することを特徴とする画像処理方法。
  11. 請求項10記載の画像処理方法において、
    ファイバ束を構成する単一ファイバのピッチに対応する画素ピッチが半分以下である光検出器を用いることを特徴とする画像処理装置。
  12. 請求項11記載の画像処理方法において、
    前記ファイバ束を構成する単一ファイバは、光情報を伝達するファイバコア部と、該ファイバコア部の外殻を覆うファイバクラッド部とから構成され、
    前記単一ファイバに対して、前記光検出器の複数の画素が対応するとともに、
    前記ファイバコア部の中心と前記複数の画素のうちの一つの画素の中心が一致するように位置付けられた前記ファイバ束と前記光検出器とを用いることを特徴とする画像処理方法。
  13. 請求項8記載の画像処理方法において、
    画像処理段階において、周辺画素の重心輝度値に応じ、方向を持たせて重み付けをした輝度情報を分布させることを特徴とする画像処理方法。
  14. 請求項13記載の画像処理方法において、
    画像取得段階においては、複数のファイバが束ねられたファイバ束と、該ファイバ束により伝達される光情報を電気信号に変換する画素が2次元配列された光検出器とを用い、
    画像処理段階においては、隣接する輝度重心位置の重心輝度値情報から、高い重心輝度値を持つ輝度重心位置方向により高い重みを付けた輝度分布とすることを特徴とする画像処理方法。
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