JP2013191790A - 圧電アクチュエータ及びこれを用いた光学反射素子 - Google Patents

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寿彰 堀江
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Abstract

【課題】ストレスマイグレーションによる金属配線の断線を低減する圧電アクチュエータを提供する。
【解決手段】シリコン基板15で形成された振動板と、振動板の上部に圧電体層17を有し、圧電体層17は下部電極膜19と、下部電極膜19の上部に設けられた圧電膜20と、圧電膜20の上部に設けられた上部電極膜21からなり、少なくとも上部電極膜21、または下部電極膜19のいずれか一方の電極膜の真正応力を圧縮応力化した構成としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、各種圧電アクチュエータとこれを用いた光学反射素子に関する。
従来の圧電アクチュエータ4は、図8に示すごとく、固定部1と、この固定部1に接続、支持された駆動梁を複数回折り返したいわゆるミアンダ形状としており、複数の折り返し部2と、その複数の折り返し部2を連結した複数の連結部3とから構成されている。
折り返し部2および連結部3は振動板により一体に形成され、振動板の上部には、絶縁膜と、絶縁膜の上部に設けられた下部電極膜と、下部電極膜の上部に設けられた圧電膜と、圧電膜の上部に設けられた上部電極膜からなる圧電体層が各々形成されており、図9に示すごとく、これら圧電体層を互いに逆位相となるように駆動させて、連結部3を矢印方向に変位させて反らせることで、その変位量を連結部3の数だけ加算させてミアンダ形状の一端の大変位を実現している。この変位を利用したものとして、レーザー光を走査する光学反射素子などがある。
なお、この出願に関する圧電アクチュエータを開示するものとして、例えば、特許文献1が挙げられる。
特開2008−040240号公報
振動板の上部に形成された圧電体層に交流電圧を印加することで、振動板の周期的な変位動作は可能になるが、その際、圧電体層に掛かる繰り返しの応力が原因となり、圧電膜に接した上部電極膜または下部電極膜がマイグレーションを起こし、断線するという課題があった。
そこで本発明は、構造を複雑にすることなく、マイグレーションを低減することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、振動板と、前記振動板の上部に圧電体層を有し、前記圧電体層は下部電極膜と、前記下部電極膜の上部に設けられた圧電膜と、前記圧電膜の上部に設けられた上部電極膜からなり、少なくとも上部電極膜、または下部電極膜のいずれか一方の電極膜の真正応力を圧縮応力化した構成としたものである。
上記構成により、電極膜に繰り返しの応力が印加された場合であっても、配線にマイグレーションが発生することがないので、断線の無い信頼性の高いアクチュエータを提供することができる。
本実施の形態1における圧電アクチュエータの斜視図 図1のA−A線における断面図 電極膜の膜構造を簡易的に説明する断面図 本実施の形態1における光学反射素子の斜視図 同光学反射素子のトーションバー形状の第二振動部の拡大図 同光学反射素子の音叉形状の第二振動部の拡大図 電極膜の膜応力と電極不良の関係を説明するグラフ 従来の圧電アクチュエータの斜視図 従来の圧電アクチュエータの動作を説明する拡大斜視図
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における圧電アクチュエータに関して、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態1における圧電アクチュエータ10は、固定部11と、この固定部11に一端が接続、支持されたミアンダ形状の振動梁12とを備えており、この振動梁12は、曲率を有する複数の折り返し部13と、その複数の折り返し部13を連結する複数の連結部14(図中の点線で挟んだ部位)とから一体に構成されている。
なお、本実施の形態における折り返し部13は、曲率を有しているが、例えば並列する連結部14の端部を、図1に示すY軸と平行な直線で接続してもよい。
ここで、圧電アクチュエータ10を駆動する、振動梁12の構成に関して詳細を説明する。
図2は、図1のA−A線における断面図を示している。それぞれ共通のシリコン基板15で形成された振動板を最下層とし、このシリコン基板15上には絶縁膜18が形成され、この絶縁膜18上に圧電体層17を備えている。
この圧電体層17は、下部電極膜19と、この下部電極膜19上に積層された圧電膜20と、この圧電膜20上に共通に積層された上部電極膜21とを備えている。
前記圧電膜20はチタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zrx,Ti1‐x)O3で、x=0.525)等の圧電材料で形成されており、これらは蒸着、ゾルゲル、CVD、スパッタ法などによって薄膜化することができる。
下部電極膜19および上部電極膜21に所定の電位差を与えると、圧電膜20に所定の電界が掛かるため、逆圧電効果により圧電膜20はシリコン基板15の上面に対して平行に伸縮動作を起こす。この伸縮動作が、シリコン基板15を上下に振動させるので、複数ある折り返し部13を挟んで平行に設けられた隣り合う連結部14に生じる変位量は重畳されて、その結果、接続、支持されていない振動梁12の他端の変位量を大きくすることが可能となる。
なお、変位量を重畳させる場合は、連結部上の圧電膜20を交互に、正位相と負位相の電圧を印加する上部電極膜21を設ければよい。圧電膜20の分極方向を交互に反転させることにより、共通の上部電極膜21で連結部14を逆方向に変位させることが可能となる。
また、交流電圧の周波数を圧電アクチュエータ10の共振周波数と一致させることで最大の変位量を得ることができる。
上記のように振動梁12の変位量を大きくした場合、連結部14では撓みによる曲げ応力が、折り返し部13では捩れの応力が一定の周期で繰り返し印加されることとなる。このように繰り返しの応力が印加される場合、上部電極膜21や下部電極膜19を金属材料で構成するとマイグレーションが生じやすく、最悪の場合は断線して駆動ができなくなるなど動作不良の原因となる。
この下部電極膜19及び上部電極膜21がマイグレーションを起こす要因の一つに、下部電極膜19及び上部電極膜21の膜構造が寄与していると考えられ、下部電極膜19及び上部電極膜21の形成方法によって下部電極膜19及び上部電極膜21の膜構造を変化させることができる。
下部電極膜19及び上部電極膜21は、形成方法が同じであれば、その形成後の膜構造変化も同様の傾向を示すため、下部電極膜19及び上部電極膜21を一つの電極膜として説明する。
半導体プロセスにおける電極膜の形成は、スパッタ蒸着法や真空蒸着法などの薄膜形成技術を用いることが一般的である。スパッタ蒸着法の場合、まず目的とする薄膜の構成原子を含んだ固体ターゲットを、スパッタリングなどの物理的な作用により原子・分子・クラスター状にして、基板表面に輸送させる。基板に到着した原子は、エネルギーを持つため、基板表面を移動拡散することができ、このエネルギーが大きい場合には、局所的にエネルギーを最も低下させる位置に移動することができる。移動後、熱エネルギーを失い、化学的結合を形成する。この時の膜構造を簡易的に表したのが図3(a)となる。一方、固体ターゲットから飛び出した原子のエネルギーが小さな場合、基板到達後、直ちに熱エネルギーを失い、その場で化学的結合が形成される。このため、図3(b)に示すようなポーラスな粒界やボイドの多い膜構造を形成し、膜応力は引張応力となり易い。また、この粒界やボイドの周囲では安定状態からのズレが生じており、応力集中を起こしやすい状態となっている。この粒界が多く、引張応力を示す電極膜に、上記で説明した機械的応力が繰り返し印加されると、結晶粒子が粒界間をマイグレーションすることとなる。結果、図3(c)に示すように結晶粒子がマイグレーションを起こし、最悪の場合は断線して駆動ができなくなる。
この電極膜の粒界を減少させ緻密な膜を形成するには、成膜時にスパッタ粒のエネルギーを大きくすることが効果的である。成膜時におけるスパッタ粒のエネルギーを大きくし、基板表面の最も安定した位置において化学的結合を形成させる。さらに粒エネルギーが大きいことでピーニング効果が生じるため、緻密な膜構造になり易く、その結果電極膜の真正応力は引張応力から圧縮応力に変化することとなる。
そこで本願発明は、上記で説明したように電極膜の真正応力を圧縮応力化することで緻密な膜が得られ、繰り返し曲げや捩れが生じるアクチュエータであっても、応力に起因するマイグレーションが発生しないため、断線による配線不良が生じることなく、信頼性の高い圧電アクチュエータ10を実現することができる。
スパッタ蒸着法を用いる場合の、粒エネルギー制御に関して以下にその詳細を説明する。
粒エネルギーと成膜パラメータは大きく関係しており、成膜時のガス圧力を低くすること、固体ターゲットへの投入電力を増加すること、また、固体ターゲットと基板間の距離を短くすること、さらには基板側にバイアス電圧を印加することなどで、基板到達時の粒エネルギーを大きくすることが可能となる。よって、粒エネルギーを増大させ、電極膜の真正応力を圧縮応力化させるには、これらの成膜パラメータを制御することが効果的となる。
一般的に、薄膜の膜応力は、成膜時の基板温度や材料の熱膨張係数差に起因した熱応力と、薄膜形成時の手法や条件によって発生する歪みに起因した真正応力(残留応力)を合わせた状態を膜応力(全膜応力)とする。よって、上述した成膜パラメータであるガス圧力や投入電力、固体ターゲットと基板間の距離、バイアス電圧は、熱や熱膨張係数を積極的に変化させる因子ではないため、真正応力を圧縮応力化するのに効果的となる。
一方、熱応力に起因する成膜時の基板温度を高くすることも、基板上での粒エネルギーを増大させるパラメータの一つであり、安定状態での化学的結合を促進させることができる。さらに、基板温度を高くすることで粒成長が促進され、粒径の大きな膜質が得られるため、膜構造内の粒界が占める割合を低減することができるため、マイグレーションの抑制に効果的であると考えられる。
但し、この熱応力に起因する成膜時の基板温度を高くすることなく、室温成膜とした場合でも、電極膜の真正応力が圧縮応力化されていればマイグレーションは抑制できる。一方、成膜時の基板温度を高くし、熱応力の影響を大きくすることで、全膜応力が引張り応力を示す場合であっても、真正応力が圧縮応力化されていれば、マイグレーション低減の効果を得ることができる。以上のことから、成膜時に、ガス圧力、投入電力、基板間距離、バイアス電力を制御することが、マイグレーションの抑制に最も効果的な制御因子となる。
さらに、電極膜の膜厚は可能な限り薄膜化することが望ましい。電極膜の膜厚が厚くなるに伴い、電極膜に掛かる膜応力が増加するため、マイグレーションを起こしやすくなるからである。よって、電極膜の膜厚は、デバイスの要求仕様を満たす範囲内で薄くすることが望ましい。
本発明の圧電アクチュエータ10は、固定枠と、この固定枠の内側にその一端が接続された一対の第一振動部と、これら一対の第一振動部の他端と接続、支持された回動可能な可動枠と、この可動枠の内側に一端が接続されるとともに、一対の第一振動部の振動軸方向に略直交するように配設した一対の第二振動部と、これら一対の第二振動部の他端と接続、支持された回動可能なミラー部からなる光学反射素子であって、その光学反射素子を構成する前記第一振動部および第二振動部に利用することが考えられる。
可動枠は、ミラー部の略中心を通り、一対の第一振動部に沿ったX軸(X1軸)周りに回動し、ミラー部は、その中心を通り、一対の第二振動部に沿ったY軸(Y1軸)周りに回動することで、ミラー部に照射、反射された光束(光点)をX、Y軸方向に走査して、スクリーン上に画像を投影するものである。
図4に本発明の圧電アクチュエータ10を用いた光学反射素子を示す。光学反射素子31は、固定枠32の内側に対向するように一対の第一振動部33の一端が接続され、他端が可動枠34と接続、支持している。可動枠34の内側には一対の第二振動部35が対向するように接続され、他端がミラー部36を接続、支持している。第一振動部33は第一振動部33の振動軸と平行なX軸周りに可動枠34を回動させ、第二振動部35はX軸と略直交したY軸周りにミラー部36を回動させる。第一振動部33及び第二振動部35は図1に示したミアンダ形状に形成されており、曲率を有する複数の折り返し部37と、その複数の折り返し部37を連結する複数の連結部38とから一体に構成されている。
第一振動部33及び第二振動部35は、図2に示した構造と同様にシリコン基板15を最下層とし、このシリコン基板15上には絶縁膜18が形成され、この絶縁膜18上に圧電体層17を備えている。この圧電体層17は、下部電極膜19と、この下部電極膜19上に積層された圧電膜20と、この圧電膜20上に共通に積層された上部電極膜21とを備えている。
この下部電極膜19及び上部電極膜21に所定の電位差を与えることにより第一振動部33及び第二振動部35の厚み方向に撓み振動する。このとき、第一振動部33及び第二振動部35に与える電圧を、隣接した連結部38に形成されている圧電体層に印加する電圧を夫々逆位相にすることにより、可動枠34及びミラー部36の大変位を起こすことが可能となる。
このように、第一振動部33及び第二振動部35がミアンダ形状に形成されていると、第一振動部33及び第二振動部35が大変位を起こすことにより折り返し部37に大きな応力が掛かり、マイグレーションが生じやすくなるため、本発明を適用しマイグレーションの抑制効果を得ることが非常に効果的である。
なお、本発明の効果は第一振動部33及び第二振動部35をミアンダ形状に形成したときのみに限られず、例えば、トーションバー形状や音叉形状等のミアンダ形状以外の形状に形成しても同様に得ることが出来る。
図5に、振動部をトーションバー形状に形成したときの第二振動部の拡大図を示す。図5に示すように第二振動部40a、40bは、ミラー部36を挟んで対向する一対のトーションバー41a、41bと、トーションバー41a、41bを第二振動部40a、40bの回動軸であるY軸と平行な可動枠34の両辺から挟むようにして接続された駆動部42a、42b、42c、42dから構成されている。よって、トーションバー41aの一端が駆動部42a、42b、トーションバー41bの一端が駆動部42c、42dの一端に接続され、他端がミラー部36と接続されている。
駆動部42a、42b、42c、42dは図2で説明した構造と同様に、シリコン基板15を最下層とし、このシリコン基板15上には絶縁膜18が形成され、この絶縁膜18上に圧電体層17を備えている。この圧電体層17は、下部電極膜19と、この下部電極膜19上に積層された圧電膜20と、この圧電膜20上に共通に積層された上部電極膜21とを備えている。下部電極膜19及び上部電極膜21に所定の電位差を与えることにより駆動部42a、42b、42c、42dの厚み方向に撓み振動する。このとき、駆動部42aに与える電圧を、トーションバー41aを挟んで対向する駆動部42bに与える電圧に対して逆位相にすることにより、駆動部42a、42bの撓み振動によりトーションバー41aに捩れ変位を起こすことが可能となる。またミラー部36を挟んで対向して接続されているトーションバー41bにもトーションバー41aと同様に、駆動部42c、42dに位相が逆方向の電圧を印加することにより捩れ変位を起こすことが可能となる。ここで、駆動部42aと駆動部42cに印加する電圧の位相、及び、駆動部42b、42dに印加する電圧の位相を同位相とすることにより、一対のトーションバー41a、41bが同位相で捩れ変位を起こし、ミラー部36のY軸周りへの回転動作を得ることが出来る。
図6に、振動部を音叉形状に形成したときの第二振動部の拡大図を示す。第二振動部50a、50bは、可動枠34に一端が接続された第一の支持部51a、51bと、第一の支持部51a、51bの他端に接続された第一のアーム52a、52bと第二のアーム53a、53bと、一端が第一の支持部51a、51bに接続され、他端がミラー部36に接続されたトーションバー54a、54bによって構成されている。
第一のアーム52a、52b及び第二のアーム53a、53bの断面構造は、図2において説明した構造と同様に、シリコン基板15を最下層とし、このシリコン基板15上には絶縁膜18が形成され、この絶縁膜18上に圧電体層17を備えている。この圧電体層17は、下部電極膜19と、この下部電極膜19上に積層された圧電膜20と、この圧電膜20上に共通に積層された上部電極膜21とを備えている。
下部電極膜19及び上部電極膜21に所定の電位差を与えると、逆圧電効果によって圧電膜20が圧電膜20の平面方向に伸縮動作をし、第一のアーム52a、52b及び第二のアーム53a、53bは厚み方向に撓み振動する。このとき、第一のアーム52a、52bと第二のアーム53a、53b上に形成した圧電膜20に印加する電圧の位相を逆方向にすることにより、第一のアーム52a、52b及び第二のアーム53a、53bは逆方向に撓み振動をする。この撓み振動により、第一の支持部51a、51bおよびトーションバー54a、54bが捩れ変位を起こし、結果、ミラー部36のY軸周りへの回転動作を得ることが出来る。
なお、上部電極膜21を(表1)に示すような3種の成膜条件で形成したところ、各成膜条件と真正応力の関係は図7のように示すことができる。この3種の上部電極膜21を形成した光学反射素子を用いて、電極膜の耐久試験を実施した。その結果、図4に示すように電極膜の真正応力を圧縮応力化するに伴い、マイグレーションが発生するまでの光学反射素子のY1軸周りに回転するミラー振れ角が大きくなることが分かる。ミラー振れ角は第二振動部の振動梁の変位と比例するため、ミラー振れ角が増大するに伴い、振動板の上部に設けられた電極膜に掛かる応力も増大する。つまり、電極膜に掛かる応力が増大してもマイグレーションを抑制できていることから、電極膜の真正応力を圧縮応力化することは効果的であることが分かる。また、電極膜の真正応力が−70MPa以下の場合には、マイグレーションが発生する前に振動板が破壊することを確認しているため、±11.3度以上と表記している。
また、上部電極膜21の圧縮応力が−1GPa以下になる場合、駆動時に掛かる機械的な応力と合わさり上部電極膜21の下方にある圧電膜20やシリコン基板15の破壊限界応力を超えてしまうことから−1GPa以下であることが望ましい。
また、上部電極膜21の圧縮応力が−1GPa以下になると、振動板が下方に対して撓む可能性がある。静止状態において振動板が撓むと、振動板の厚さ方向の応力バランスが崩れ、上下方向への均一な変位が得られない可能性があることからも、上部電極膜21の膜応力は−1GPa以上であることが望ましい。
Figure 2013191790
なお、本実施の形態では、下部電極膜19および上部電極膜21は金、プラチナ、アルミニウム、銅、銀、クロム、タングステン、チタン、モリブデンなどで形成されており、これらは蒸着、スパッタ法などによって薄膜化することができる。
本発明の圧電アクチュエータは、上部電極膜が断線せず大変位可能な光学反射素子を提供でき、小型プロジェクタやヘッドマウントディスプレイに利用することができる。
10 圧電アクチュエータ
11 固定部
12 振動梁
13 折り返し部
14 連結部
15 シリコン基板
17 圧電体層
18 絶縁膜
19 下部電極膜
20 圧電膜
21 上部電極膜
31 光学反射素子
32 固定枠
33 第一振動部
34 可動枠
35、40a、40b、50a、50b 第二振動部
36 ミラー部
37 折り返し部
38 連結部
41a、41b、54a、54b トーションバー
42a、42b、42c、42d 駆動部
51a、51b 第一の支持部
52a、52b 第一のアーム
53a、53b 第二のアーム

Claims (5)

  1. 振動板と、前記振動板の上部に圧電体層を有し、前記圧電体層は下部電極膜と、前記下部電極膜の上部に設けられた圧電膜と、前記圧電膜の上部に設けられた上部電極膜からなり、少なくとも上部電極膜、または下部電極膜のいずれか一方の電極膜の真正応力を圧縮応力化したことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記上部電極膜、または前記下部電極膜の少なくともいずれか一方の電極膜の真正応力が−70MPa〜−1GPaであることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 前記上部電極膜、または前記下部電極膜の少なくともいずれか一方の電極膜の全応力が引張応力であることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  4. 電極膜は、金、白金、アルミニウム、銅、銀、タングステン、クロム、チタン、モリブデンから選ばれる少なくとも一種の元素で形成されていることを特徴とした請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  5. 固定枠と、この固定枠の内側に一端が接続された一対の第一振動部と、これら一対の第一振動部の他端と接続、支持された回動可能な可動枠と、前記可動枠の内側に第一振動部の振動軸と略直交する方向に一端が接続された一対の第二振動部と、これら一対の第二振動部の他端と接続、支持された回動可能なミラー部とからなり、
    前記第一振動部および前記第二振動部の上部には圧電体層を有し、前記圧電体層は下部電極膜と、前記下部電極膜の上部に設けられた圧電膜と、前記圧電膜の上部に設けられた上部電極膜からなり、前記上部電極膜、または前記下部電極膜の少なくともいずれか一方の電極膜の真正応力を圧縮応力化したことを特徴とする光学反射素子。
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