JP2013191627A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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JP2013191627A JP2012054874A JP2012054874A JP2013191627A JP 2013191627 A JP2013191627 A JP 2013191627A JP 2012054874 A JP2012054874 A JP 2012054874A JP 2012054874 A JP2012054874 A JP 2012054874A JP 2013191627 A JP2013191627 A JP 2013191627A
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克彦 徳田
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Abstract

【課題】第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部の双方の偏光特性を向上させ、動作電流の増大を防ぐことができる半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】660nm帯半導体レーザ部10の下部と第1電極8の間には、第1半田層6が存在する領域と、第1半田層6が存在しない領域とがある。一方、780nm帯半導体レーザ部20の下部と第2電極9の間には、第2半田層7が存在する領域と、第2半田層7が存在しない領域とがある。これにより、660nm帯半導体レーザ部10および780nm帯半導体レーザ部20に加わる応力を緩和し偏光特性を向上させることができると共に、660nm帯半導体レーザ部10および780nm帯半導体レーザ部20の放熱能力を確保することができる未接合幅を見出した。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば光ディスク装置などに用いられる半導体レーザ、特に、光ディスクの信号の読み取り、書き込みの双方が可能な高出力系半導体レーザに関する。
従来、半導体レーザ装置としては、CD(コパクトディスク)やDVD(デジタル万能ディスク)の信号の読み出し、書き込みのために、780nm帯半導体レーザ素子と660nm帯半導体レーザ素子とがパッケージに収められたものや、780nm帯半導体レーザ部および660nm帯半導体レーザ部が同一基板上に形成された二波長半導体レーザチップがパッケージに収められたものがある。
半導体レーザ装置のパッケージでは、レーザ動作時に半導体レーザチップの自己発熱による温度上昇を抑えるため、半導体レーザチップは、放熱部品であるサブマウントに、AuSnなどの接着剤を介して、発熱源である活性層に近いコンタクト層側をサブマウントに対向して固着されている。半導体レーザチップは、温度上昇とともに、動作電流が増加する性質があり、サブマウントへ放熱することで、温度上昇による動作電流の増加を低減している。
半導体レーザチップをサブマウントに固着するには、例えばAuSnなどの接着剤をサブマウント上の半導体レーザチップを固着する領域に配置する。この固着の際には、例えば300℃まで温度を上げ、AuSnが溶融した状態で半導体レーザチップをAuSnのあるサブマウント上に乗せて固定した後、冷却して固める。一般に、半導体レーザチップを構成する半導体結晶とサブマウントの熱膨張係数が異なるため、常温への冷却時に半導体結晶とサブマウントそれぞれの長さの温度変化による差が元になって、半導体結晶の層に水平な方向の応力が加わる。例えば、赤色半導体レーザや赤外半導体レーザの基板であるGaAsの熱膨張係数は、6×10−6/K、サブマウントの一つであるAlNの熱膨張係数は、3×10−6/Kであり、GaAsの方が冷却時にサブマウントよりも縮もうとする。その結果、常温状態で半導体レーザには、横に広げる方向に応力(引張り応力)が加わる。
よく知られた現象として、半導体レーザチップに横方向応力が加わると、屈折率の変化により、レーザ光の偏光角が大きくなる、または、レーザ光の偏光比が小さくなる。一般に、光ピックアップでは、偏光フィルタまたは偏光ビームスプリッタを用いて、レーザ光のうち、偏光方向が揃った特定の方向の偏光成分のみを利用する。したがって、上記レーザ光の偏光角が傾いて、レーザ光の偏光比が低下すると、光出力が低下して信号成分が小さくなって、信号の読み取り性能が低下してしまう。
特許第4342495号公報(特許文献1)には、偏光特性の低下の抑制を図った半導体レーザ装置が開示されている。この半導体レーザ装置は、ヒートシンクと、このヒートシンク上にジャンクションダウンで実装された二波長半導体レーザ素子とを備えている。
上記二波長半導体レーザ素子では、同一基板下に、赤色レーザ光を発振する赤色半導体レーザ部と、赤外レーザ光を発振する赤外半導体レーザ部とが形成されている。この赤色半導体レーザ部の下部の一部は、ヒートシンク上の赤色半導体レーザ部用電極に半田層を介して接合されている。より詳しくは、上記赤色半導体レーザ部の下部下において、半田層が存在しない領域は、半田層が存在する領域よりも大きくなっている。一方、赤色半導体レーザ部の下部の全部は、ヒートシンク上の赤外半導体レーザ部用電極に半田層を介して接合されている。
このように、上記従来の半導体レーザ装置では、赤色半導体レーザ部の下部下において、半田層が存在しない領域は、半田層が存在する領域よりも大きくなっているため、半田層と赤色半導体レーザ部用電極の接合面積が小さくなっている。
したがって、上記従来の半導体レーザ装置には、赤色半導体レーザ部の放熱能力の低下からくる動作電流の増大の問題がある。
特許第4342495号公報(図1)
そこで、本発明の課題は、第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部の双方の偏光特性を向上させ、動作電流の増大を防ぐことができる半導体レーザ装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の半導体レーザ装置は、
基板と、
上記基板下に形成され、第1波長のレーザ光を導く第1導光路を有する第1半導体レーザ部と、
上記基板下に、上記第1半導体レーザ部の側方に位置するように形成され、上記第1波長とは異なる第2波長のレーザ光を導く第2導光路を有する第2半導体レーザ部と、
上記第1半導体レーザ部の下部に第1コンタクト層を介して接合される第1電極と、上記第2半導体レーザ部の下部に第2コンタクト層を介して接合される第2電極とを有する基台と
を備え、
上記第1半導体レーザ部の下部と上記第1電極との間には、上記第1コンタクト層が存在する領域と、上記第1コンタクト層が存在しない領域とがあると共に、上記第2半導体レーザ部の下部と上記第2電極との間には、上記第2コンタクト層が存在する領域と、上記第2コンタクト層が存在しない領域とがあることを特徴としている。
上記構成によれば、上記第1半導体レーザ部の下部と第1電極との間には、第1コンタクト層が存在しない領域があると共に、第2半導体レーザ部の下部と第2電極との間には、第2コンタクト層が存在しない領域があるので、第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部に加わる応力を緩和して、第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部の双方の偏光特性を向上させることができる。
また、上記第1半導体レーザ部の下部と第1電極との間には、第1コンタクト層が存在する領域があると共に、第2半導体レーザ部の下部と第2電極との間には、第2コンタクト層が存在する領域があるので、第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部の放熱能力を高めることができる。したがって、上記第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部の放熱能力の低下からくる動作電流の増大を防ぐことができる。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記第1コンタクト層が存在する領域は、上記第1コンタクト層が存在しない領域よりも大きくなっていると共に、上記第2コンタクト層が存在する領域は、上記第2コンタクト層が存在しない領域よりも大きくなっている。
上記実施形態によれば、上記第1半導体レーザ部の下部と第1電極との間において、第1コンタクト層が存在する領域は、第1コンタクト層が存在しない領域よりも大きくなっている。その結果、上記第1コンタクト層と第1電極の接合面積が大きくなり、第1半導体レーザ部の放熱能力をより高めることができる。
また、上記第2半導体レーザ部の下部と第2電極との間において、第2コンタクト層が存在する領域は、第2コンタクト層が存在しない領域よりも大きくなっている。その結果、上記第2コンタクト層と第2電極の接合面積が大きくなり、第2半導体レーザ部の放熱能力をより高めることができる。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記第1導光路は、上記第1半導体レーザ部の発光中心点を含み、
上記第1コンタクト層は、上記第1導光路の下方に存在している。
上記実施形態によれば、上記第1半導体レーザ部の発光中心点を含む第1導光路の下方には、第1コンタクト層が存在するので、第1半導体レーザ部の放熱能力を確実に高めることができる。
また、上記第1コンタクト層は、上記第1導光路の共振器長方向の一端の下方から、第1導光路の共振器長方向の他端の下方にわたって存在するようにしてもよい。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記第2導光路は、上記第2半導体レーザ部の発光中心点を含み、
上記第2コンタクト層は、上記第2導光路の下方に存在している。
上記実施形態によれば、上記第2半導体レーザ部の発光中心点を含む第2導光路の下方には、第2コンタクト層が存在するので、第2半導体レーザ部の放熱能力を確実に高めることができる。
また、上記第2コンタクト層は、上記第2導光路の共振器長方向の一端の下方から、第2導光路の共振器長方向の他端の下方にわたって存在するようにしてもよい。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記第1半導体レーザ部の下部において上記第1コンタクト層との未接合領域の幅は、0μmを越え50μm以下である。
上記実施形態によれば、上記第1半導体レーザ部の下部において第1コンタクト層との未接合領域の幅が0μmを越えていることにより、第1半導体レーザ部に加わる応力を緩和する効果が確実に得られる。
また、上記第1半導体レーザ部の下部において第1コンタクト層との未接合領域の幅が50μm以下であることにより、第1半導体レーザ部の放熱能力の大幅な低下を防ぐことができる。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記第2半導体レーザ部の下部において上記第2コンタクト層との未接合領域の幅は、0μmを越え40μm以下である。
上記実施形態によれば、上記第2半導体レーザ部の下部において第2コンタクト層との未接合領域の幅が0μmを越えていることにより、第2半導体レーザ部に加わる応力を緩和する効果が確実に得られる。
また、上記第2半導体レーザ部の下部において第2コンタクト層との未接合領域の幅が40μm以下であることにより、第2半導体レーザ部の放熱能力の大幅な低下を防ぐことができる。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記第1半導体レーザ部は、少なくともGa,InおよびPを含有する発光層を有し、上記第1波長が630nm〜690nmの範囲内である。
上記実施形態によれば、上記第1半導体レーザ部は、少なくともGa,InおよびPを含有する発光層を有し、第1波長が630nm〜690nmの範囲内であるので、DVDの信号の読み出し、DVDへの信号の書き込みを行える。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記第2半導体レーザ部は、少なくともGaおよびAsを含有する発光層を有し、上記第2波長が750nm〜810nmの範囲内である。
上記実施形態によれば、上記第2半導体レーザ部は、少なくともGaおよびAsを含有する発光層を有し、第2波長が750nm〜810nmの範囲内であるので、CDの信号の読み出し、CDへの信号の書き込みを行える。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記基板は、予め定められたオフセット角を有するオフ基板である。
上記実施形態によれば、上記基板は、予め定められたオフセット角を有するオフ基板であるので、第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部の双方の結晶性を良好にすることができる。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記第1コンタクト層および第2コンタクト層は半田層である。
上記実施形態によれば、上記第1コンタクト層および第2コンタクト層は半田層であるので、製造効率が高く、製造コストの増大を防ぐことができる。
一実施形態の半導体レーザ装置では、
上記基台は、上記第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部の放熱を助ける放熱基台である。
上記実施形態によれば、上記基台が、第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部の放熱を助ける放熱基台であるので、第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部の放熱効率を上げることができる。
本発明の半導体レーザ装置によれば、第1半導体レーザ部の下部と第1電極との間には、第1コンタクト層が存在しない領域があると共に、第2半導体レーザ部の下部と第2電極との間には、第2コンタクト層が存在しない領域があるので、第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部に加わる応力を緩和して、第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部の双方の偏光特性を向上させることができる。
また、上記第1半導体レーザ部の下部と第1電極との間には、第1コンタクト層が存在する領域があると共に、第2半導体レーザ部の下部と第2電極との間には、第2コンタクト層が存在する領域があるので、第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部の放熱能力を高めることができる。したがって、上記第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部の放熱能力の低下からくる動作電流の増大を防ぐことができる。
図1は本発明の一実施例の二波長半導体レーザ装置の模式断面図である。 図2は上記記二波長半導体レーザ装置の模式平面図である。 図3は660nm帯半導体レーザ部の偏光角と第1未接合幅の関係を示すグラフである。 図4は660nm帯半導体レーザ部の高温動作電流と第1未接合幅の関係を示すグラフである。 図5は780nm帯半導体レーザ部の偏光角と第2未接合幅の関係を示すグラフである。 図6は780nm帯半導体レーザ部の高温動作電流と第2未接合幅との関係を示すグラフである。
以下、本発明の半導体レーザ装置を図示の実施例により詳細に説明する。
図1に、本発明の一実施例の二波長半導体レーザ装置の模式断面図を示す。
上記二波長半導体レーザ装置は、n型GaAs基板1と、n型GaAs基板1の図中左側の部分下に形成された660nm帯半導体レーザ部10と、n型GaAs基板1の図中右側の部分下に形成された780nm帯半導体レーザ部20と、n型GaAs基板1、660nm帯半導体レーザ部10および780nm帯半導体レーザ部20を搭載するサブマウント2とを備えている。なお、上記n型GaAs基板1は基板の一例、660nm帯半導体レーザ部10は第1半導体レーザ部の一例、660nmは第1波長の一例、780nm帯半導体レーザ部20は第2半導体レーザ部の一例、780nmは第2波長の一例で、サブマウント2は基台の一例である。
上記n型GaAs基板1の上面はn側電極3で覆う一方、n型GaAs基板1の下面はn型GaAsバッファ層4で覆っている。
上記660nm帯半導体レーザ部10は、発光中心点を含む第1導光路L1を有している。より詳しくは、上記660nm帯半導体レーザ部10は、n型GaInP第1バッファ層11、n型AlGaInP第1クラッド層12、アンドープAlGaInP第1ガイド層13、アンドープGaInP/AlGaInP第1多重量子井戸活性層14、アンドープAlGaInP第2ガイド層15、p型AlGaInP第2クラッド層16、p型GaInP第1中間層17およびp型GaAs第1キャップ層18から成る半導体積層構造を有している。この半導体積層構造は、エピタキシャル成長で形成されて、660nmのレーザ光を導く第1導光路L1を含んでいる。また、上記n型第1クラッド層は、Al組成比が0.7で、厚みが2.5μmである。また、上記p型第2クラッド層は、Al組成比が0.7で、厚みが1.3μmである。また、上記p型AlGaInP第2クラッド層16、p型GaInP第1中間層17およびp型GaAs第1キャップ層18の材料層をエッチング加工して、第1リッジ30を形成している。また、上記第1リッジ30の両側面をSiO絶縁膜5の一部で覆い、第1リッジ30の下面に第1p側電極19を接続している。
上記780nm帯半導体レーザ部20は、発光中心点を含む第2導光路L2を有している。より詳しくは、上記780nm帯半導体レーザ部20は、n型GaInP第2バッファ層21、n型AlGaInP第3クラッド層22、アンドープAlGaAs第3ガイド層23、アンドープGaAs/AlGaAs第2多重量子井戸活性層24、アンドープAlGaAs第4ガイド層25、p型AlGaInP第4クラッド層26、p型GaInP第2中間層27およびp型GaAs第2キャップ層28から成る半導体積層構造を有している。この半導体積層構造は、エピタキシャル成長で形成されて、780nmのレーザ光を導く第2導光路L2を含んでいる。また、上記n型AlGaInP第3クラッド層22は、Al組成比が0.7で、厚みが2.5μmである。また、上記p型AlGaInP第4クラッド層26は、Al組成比が0.7で、厚みが1.3μmである。また、上記p型AlGaInP第4クラッド層26、p型GaInP第2中間層27およびp型GaAs第2キャップ層28の材料層をエッチング加工して、第2リッジ40を形成している。また、上記第2リッジ40の両側面をSiO絶縁膜5の他の一部で覆い、第2リッジ40の下面に第1p側電極19を接続している。
また、上記660nm帯半導体レーザ部10の半導体積層構造と780nm帯半導体レーザ部20の半導体積層構造との間には溝50を形成し、この溝50の底面および両側面をSiO絶縁膜5のさらに他の一部で覆っている。
上記サブマウント2上には、第1電極8と第2電極9を互いに予め設定された間隔を空けて形成している。この第1電極8には、第1半田層6を介して660nm帯半導体レーザ部10の第1p側電極19を接合している。一方、上記第2電極9は、第2半田層7を介して780nm帯半導体レーザ部20の第2p側電極29を接合している。
また、上記660nm帯半導体レーザ部10の下部と第1電極8の間には、第1半田層6が存在する領域と、第1半田層6が存在しない領域とがある。この第1半田層6が存在する領域は、第1半田層6が存在しない領域よりも大きくなるように形成されている。ここで、第1未接合幅(660nm帯半導体レーザ部10の下部において第1半田層6に接合していない領域の幅)W1は、10μmに設定されている。また、上記第1半田層6が存在する領域と、第1半田層6が存在しない領域との比較は、各領域を上方から見たときの比較である。つまり、本実施例では、第1半田層6が存在する領域を上方から見た面積は、第1半田層6が存在しない領域を上方から見た面積よりも大きくなっている。
また、上記780nm帯半導体レーザ部20の下部と第2電極9の間には、第2半田層7が存在する領域と、第2半田層7が存在しない領域とがある。この第2半田層7が存在する領域は、第2半田層7が存在しない領域よりも大きくなるように形成されている。ここで、第2未接合幅(660nm帯半導体レーザ部10の下部において第1半田層6に接合していない領域の幅)W2は、10μmに設定されている。また、上記第2半田層7が存在する領域と、第2半田層7が存在しない領域との比較は、各領域を上方から見たときの比較である。つまり、本実施例では、第2半田層7が存在する領域を上方から見た面積は、第2半田層7が存在しない領域を上方から見た面積よりも大きくなっている。
図2に、上記二波長半導体レーザ装置の模式平面図を示す。なお、図2のハッチングを付している部分は、図1との対応を判り易くするためにハッチングを付した部分であって断面ではない。
上記二波長半導体レーザ装置では、二波長半導体レーザ本体幅W3は220μm、溝幅W4は30μm、660nm帯半導体レーザ幅W5は110μm、780nm帯半導体レーザ幅W6は80μm、660nm帯半導体レーザ部10および780nm帯半導体レーザ部20のそれぞれの共振器長は1700μmに設定されている。
上記660nm帯半導体レーザ部10の下部と第1電極8の間において、第1半田層6が存在する領域、および、第1半田層6が存在しない領域は、660nm帯半導体レーザ部10の一方の共振器端面から、660nm帯半導体レーザ部10の他方の共振器端面まで略同じ幅で延びている。これにより、上記第1半田層6の一部が、上記第1導光路L1の共振器長方向の一端の下方から、第1導光路L1の共振器長方向の他端の下方にわたって存在している。
上記780nm帯半導体レーザ部20の下部と第2電極9の間において、第2半田層7が存在する領域、および、第2半田層7が存在しない領域は、780nm帯半導体レーザ部20の一方の共振器端面から、780nm帯半導体レーザ部20の他方の共振器端面まで略同じ幅で延びている。これにより、上記第2半田層7の一部が、第2導光路L2の共振器長方向の一端の下方から、第2導光路L2の共振器長方向の他端の下方にわたって存在している。
上記構成の二波長半導体レーザ装置によれば、660nm帯半導体レーザ部10の下部と第1電極8との間には、第1半田層6が存在しない領域があると共に、780nm帯半導体レーザ部20の下部と第2電極9との間には、第2半田層7が存在しない領域があるので、660nm帯半導体レーザ部10および780nm帯半導体レーザ部20に加わる応力を緩和して、660nm帯半導体レーザ部10および780nm帯半導体レーザ部20の双方の偏光特性を向上させることができる。
また、上記660nm帯半導体レーザ部10の下部と第1電極8との間において、第1半田層6が存在する領域は、第1半田層6が存在しない領域よりも大きくなっている。その結果、上記第1半田層6と第1電極8の接合面積が大きくなり、660nm帯半導体レーザ部10の放熱能力を高めることができる。したがって、上記660nm帯半導体レーザ部10の放熱能力の低下からくる動作電流の増大を防ぐことができる。
また、上記780nm帯半導体レーザ部20の下部と第2電極9との間において、第2半田層7が存在する領域は、第2半田層7が存在しない領域よりも大きくなっている。その結果、上記第2半田層7と第2電極9の接合面積が大きくなり、780nm帯半導体レーザ部20の放熱能力を高めることができる。したがって、上記780nm帯半導体レーザ部20の放熱能力の低下からくる動作電流の増大を防ぐことができる。
また、上記660nm帯半導体レーザ部10とサブマウント2の第1電極8の接合面積、および、780nm帯半導体レーザ部20とサブマウント2の第2電極9の接合面積が、小さければ、小さい程、アンドープGaInP/AlGaInP第1多重量子井戸活性層14およびアンドープGaAs/AlGaAs第2多重量子井戸活性層24に加わる応力は小さくなって、偏光特性が向上するが、完全に未接着の状態にしてしまうと、放熱が取れず、レーザ駆動時の動作電流が増大し、熱暴走してしまう。
図3に、上記660nm帯半導体レーザ部10の偏光角と第1未接合幅W1の関係を示す。
上記第1未接合幅W1が大きくなる程、つまり、未接合面積が大きくなる程、偏光角の絶対値が小さくなっており、偏光特性が向上していることが、図3で確認できる。
図4に、上記660nm帯半導体レーザ部10の高温動作電流と第1未接合幅W1の関係を示す。
上記第1未接合幅W1が大きい程、つまり、未接合面積が大きくなる程、高温動作電流が大きくなっていることが、図4から分かる。また、図4には、測定点を線形近似した直線を示している。上記高温動作電流の上限値が240mAであることから、第1未接合幅W1は、0μm<W1≦50μmを満たすことが望ましい。
図5に、上記780nm帯半導体レーザ部20の偏光角と第2未接合幅W2の関係を示す。
上記第2未接合幅W2が大きい程、つまり、未接合面積が大きくなる程、偏光角の絶対値が小さくなっており、偏光特性が向上していることが、図5で確認できる。
図6に、上記780nm帯半導体レーザ部20の高温動作電流と第2未接合幅W2との関係を示す。
上記第2未接合幅W2が大きい程、つまり、未接合面積が大きくなる程、高温動作電流が大きくなっていることが、図6から分かる。また、図6には、測定点を線形近似した直線を示している。上記高温動作電流の上限値が260mAであることから、第2未接合幅W2は、0μm<W2≦40μmを満たすことが望ましい。
以上から、上記未接合面積を大きくする程、偏光特性は向上するが、高温動作電流は増大することが確認できた。
また、上記660nm帯半導体レーザ部10および780nm帯半導体レーザ部20に関して、第1未接合幅W1および第2未接合幅W2は0μmを越えているが、第1導光路L1下には第1半田層6の一部を存在させると共に、第2導光路L2下には第2半田層9の一部を存在させることにより、偏光特性を向上させ、高温動作電流を仕様内に収めることができる。
以下、上記二波長半導体レーザ装置の作製方法の一例について説明する。
上記二波長半導体レーザ装置の作製では、基板上に780nm帯レーザ構造を例えばMOCVD(有機金属気相成長)装置の結晶成長で形成した後、780nm帯レーザ構造の一部を基板まで除去して、この一部が除去された部分に660nmレーザ構造を例えばMOCVD装置の結晶成長で形成して、エピウエハを得る。
次に、上記エピウエハにおいて、レーザ端面となる領域(例えば幅40μm)に、フォトリソ工程によってZnOを選択的に形成して、エピウエハ表面をSiOでカバーした後、窒素雰囲気中で熱処理することで、上記領域にZnを拡散させ、活性層を混晶化させ端面窓領域を形成する。
次に、フォトリソ工程により、660nm帯レーザ構造および780nm帯レーザ構造
にリッジを形成して、これらのリッジの表面を除く領域をSiOで覆った後、表面、裏面の電極を形成した後、チップ分割して、二波長半導体レーザチップを得る。
次に、上記半導体レーザチップを、例えばAlNから成るサブマウント2上に、AuSnなどを主成分とする半田層を接着剤として固着する際、660nm帯半導体レーザ部10の第1p側電極19の一部と、780nm帯半導体レーザ部20の第2p側電極29の一部とが、サブマウント2上の半田層に接着しないように、かつ、第1p側電極19において第1導光路L1下に位置する部分が第1半田層6に接着するように、かつ、第2p側電極29において第2導光路L2下に位置する部分が第2半田層7に接着するように、半導体レーザチップのダイボンドを行う。
このように作製された二波長半導体レーザ装置は、例えばフレームパッケージに実装される。
上記実施例では、第1未接合幅W1を10μmに設定すると共に、第2未接合幅W2を10μmに設定していたが、第1未接合幅W1を0μmを越え50μm以下の他の値(例えば20μm)に設定すると共に、第2未接合幅W2を0μmを越え40μm以下の他の値(例えば20μm)に設定してもよい。
上記実施例では、二波長半導体レーザ本体幅W3を220μmに設定していたが、二波長半導体レーザ本体幅W3を250μmに設定してもよい。このように設定する場合、溝幅W4は30μm、660nm帯半導体レーザ幅W5は110μm、780nm帯半導体レーザ幅W6は110μmに設定すると共に、第1未接合幅W1を20μmに設定すると共に、第2未接合幅W2を、0μm<W2≦40μmを満たすように設定してもよい。
上記実施例では、サブマウント2の共振器方向の長さを、660nm帯半導体レーザ部10および780nm帯半導体レーザ部20の共振器方向の長さよりも長くしていたが、サブマウント2の共振器方向の長さを、660nm帯半導体レーザ部10および780nm帯半導体レーザ部20の共振器方向の長さよりも短くしてもよいし、サブマウント2の共振器方向の長さを、660nm帯半導体レーザ部10および780nm帯半導体レーザ部20の共振器方向の長さと同じにしてもよい。
上記実施例では、第1半田層6は、第1導光路L1の下方に存在する部分を有するようにしていたが、第1導光路L1の下方に存在する部分を有しないようにしてもよい。
上記実施例では、第2半田層7は、第1導光路L2の下方に存在する部分を有するようにしていたが、第2導光路L2の下方に存在する部分を有しないようにしてもよい。
上記実施例の660nm帯半導体レーザ部10に換えて、他の材料からなって660nm以外の波長のレーザ光を発振する半導体レーザ部を用いてもよい。この場合、上記半導体レーザ部は、少なくともGa,InおよびPを含有する発光層を有し、発振波長が630nm〜690nmの範囲内であるようにしてもよい。
上記実施例の780nm帯半導体レーザ部20に換えて、他の材料からなって780nm以外の波長のレーザ光を発振する半導体レーザ部を用いてもよい。この場合、上記半導体レーザ部は、少なくともGaおよびAsを含有する発光層を有し、発振波長が750nm〜810nmの範囲内であるようにしてもよい。
上記実施例のn型GaAs基板1に換えて、予め定められたオフセット角(例えば5度〜20度の範囲内の角度)を有するオフ基板を用いてもよい。
上記実施例の第1半田層6および第2半田層7に換えて、例えば導電性接着剤を用いてもよい。
上記実施例において、使用可能なサブマウントは様々であるが、660nm帯半導体レーザ部10および780nm帯半導体レーザ部20の放熱を助ける放熱基台を使用するのが好ましい。
1…n型GaAs基板
2…サブマウント
6…第1半田層
7…第2半田層
8…第1電極
9…第2電極
10…660nm帯半導体レーザ部
20…780nm帯半導体レーザ部
L1…第1導光路
L2…第2導光路
W1…第1未接合幅
W2…第2未接合幅

Claims (11)

  1. 基板と、
    上記基板下に形成され、第1波長のレーザ光を導く第1導光路を有する第1半導体レーザ部と、
    上記基板下に、上記第1半導体レーザ部の側方に位置するように形成され、上記第1波長とは異なる第2波長のレーザ光を導く第2導光路を有する第2半導体レーザ部と、
    上記第1半導体レーザ部の下部に第1コンタクト層を介して接合される第1電極と、上記第2半導体レーザ部の下部に第2コンタクト層を介して接合される第2電極とを有する基台と
    を備え、
    上記第1半導体レーザ部の下部と上記第1電極との間には、上記第1コンタクト層が存在する領域と、上記第1コンタクト層が存在しない領域とがあると共に、上記第2半導体レーザ部の下部と上記第2電極との間には、上記第2コンタクト層が存在する領域と、上記第2コンタクト層が存在しない領域とがあることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 請求項1に記載の半導体レーザ装置において、
    上記第1コンタクト層が存在する領域は、上記第1コンタクト層が存在しない領域よりも大きくなっていると共に、上記第2コンタクト層が存在する領域は、上記第2コンタクト層が存在しない領域よりも大きくなっていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  3. 請求項1または2に記載の半導体レーザ装置において、
    上記第1導光路は、上記第1半導体レーザ部の発光中心点を含み、
    上記第1コンタクト層は、上記第1導光路の下方に存在していることを特徴とする半導体レーザ装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の半導体レーザ装置において、
    上記第2導光路は、上記第2半導体レーザ部の発光中心点を含み、
    上記第2コンタクト層は、上記第2導光路の下方に存在していることを特徴とする半導体レーザ装置。
  5. 請求項1から4までのいずれか一項に記載の半導体レーザ装置において、
    上記第1半導体レーザ部の下部において上記第1コンタクト層との未接合領域の幅は、0μmを越え50μm以下であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  6. 請求項1から5までのいずれか一項に記載の半導体レーザ装置において、
    上記第2半導体レーザ部の下部において上記第2コンタクト層との未接合領域の幅は、0μmを越え40μm以下であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  7. 請求項1から6までのいずれか一項に記載の半導体レーザ装置において、
    上記第1半導体レーザ部は、少なくともGa,InおよびPを含有する発光層を有し、上記第1波長が630nm〜690nmの範囲内であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  8. 請求項1から7までのいずれか一項に記載の半導体レーザ装置において、
    上記第2半導体レーザ部は、少なくともGaおよびAsを含有する発光層を有し、上記第2波長が750nm〜810nmの範囲内であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  9. 請求項1から8までのいずれか一項に記載の半導体レーザ装置において、
    上記基板は、予め定められたオフセット角を有するオフ基板であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  10. 請求項1から9までのいずれか一項に記載の半導体レーザ装置において、
    上記第1コンタクト層および第2コンタクト層は半田層であることを特徴とする半導体レーザ装置。
  11. 請求項1から10までのいずれか一項に記載の半導体レーザ装置において、
    上記基台は、上記第1半導体レーザ部および第2半導体レーザ部の放熱を助ける放熱基台であることを特徴とする半導体レーザ装置。
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