JP2013189687A - 銅鉱石の浸出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヨウ素を添加して行う黄銅鉱の浸出において、その最終浸出率を低下させることなく、ヨウ素のロスを低減させる方法を提供する。
【解決手段】黄銅鉱を含む銅鉱石を、鉄(III)イオンによる銅の酸化浸出反応にて浸出する1段階目浸出工程と、前記1段階目浸出工程の後、ヨウ化物イオンと鉄(III)イオンとを含有する溶液にて浸出する2段階目浸出工程とを有する。前記1段階目浸出工程では、浸出液中の鉄(III)イオンの濃度が2〜5g/Lである。
【選択図】図2

Description

本発明は、黄銅鉱を含む銅鉱石から銅を効率良く浸出させる方法に関する。
銅鉱石から銅を回収する方法の一つとして、L−SX−EW法がある。L−SX−EW法では、銅鉱石を硫酸等により浸出(L、Leaching)し、銅の浸出液から銅イオンを溶媒抽出(SX、Solvent Extraction)によって選択的に回収−濃縮し、この硫酸銅液から電解採取(EW、Electrowinning)により電気銅を生産する。
この方法において、銅鉱石に含まれる銅分のうち酸化銅鉱は、単純な酸浸出で銅を容易に浸出することができる。また、銅鉱石に含まれる銅分のうち二次硫化銅鉱、例えば輝銅鉱(Cu2S)等は、鉄(III)イオンによって浸出可能であるため、鉄(III)イオンを含む溶液を用いたフェリックリーチング法、もしくは溶液中の鉄(II)イオンを鉄(III)イオンに酸化できる微生物を利用するバクテリアリーチング法によって、銅を効率的に浸出することができる。
二次硫化銅鉱のフェリックリーチング法は、以下の(式1)の反応式で進行すると考えられる。また、バクテリアリーチング法についても(式1)で生成する鉄(II)イオンを鉄酸化微生物によって鉄(III)イオンに順次酸化して酸化剤を連続的に供給するものであり、反応機構はフェリックリーチング法と同様である。
Cu2S+4Fe3+→2Cu2++4Fe2++S (式1)
しかし、銅鉱石に含まれる銅分のうち黄銅鉱(CuFeS2)等の一次硫化銅鉱は、単純な酸浸出、フェリックリーチング法及びバクテリアリーチング法では銅の浸出が著しく遅い。そのため、上記方法で高い銅浸出率を達成するには極めて長い浸出時間を要し、浸出には向かないと考えられていた。また、仮に一次硫化銅鉱から銅の回収を行わないとするならば銅の浸出率は低値にとどまり、いずれにしても経済性が損なわれる。
一方で、銅鉱石において黄銅鉱は賦存量が大きく、黄銅鉱からも高効率での銅の回収が望まれている。従って、黄銅鉱を含む銅鉱石を浸出するに際して、その浸出速度を改善するため様々な技術が提案されている。その中で、ヨウ素(あるいはヨウ化物イオン)と鉄(III)イオンとを添加し浸出を行う方法は、触媒であるヨウ素を低ヨウ素濃度の水溶液として供給することで、黄銅鉱を含む銅鉱石の浸出速度を上げることができる(特許文献1、2)。
特開2010−024511号公報 特開2011−042858号公報
ところで、ヨウ素(あるいはヨウ化物イオン)と鉄(III)イオンを添加して浸出を行う方法では低ヨウ素濃度で黄銅鉱を含む銅鉱石の浸出速度を上げることができる。しかし、ヨウ素は揮発し易いという点、疎水性物質に吸着され易いという点、ヨウ化物イオンはCu2+と反応して沈殿を生じる等の性質を有し、そのため浸出中にヨウ素のロスが発生し易いという点から改良する余地があり、またヨウ素の価格も安価ではないことから操業コスト増の要因となる点からも改良する余地がある。
本発明はこのような事情に鑑み、ヨウ素を添加して行う黄銅鉱の浸出において、その最終浸出率を低下させることなく、ヨウ素のロスを低減させる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、黄銅鉱を含む銅鉱石から銅を浸出するに際して、銅鉱石の中でも難溶性として知られる一次硫化銅鉱がヨウ素を用いて溶け出すことを見出し、ヨウ素を用いなくても溶け出す酸化銅鉱および二次硫化銅鉱を通常の酸化浸出反応であるフェリックリーチング法もしくはバクテリアリーチング法にて浸出(1段階目浸出)後、続いて1段階目浸出では溶け出しにくい一次硫化銅鉱をヨウ化物イオンと鉄(III)イオンとを含有する溶液にて浸出(2段階目浸出)する、すなわちヨウ素を一次硫化銅鉱の浸出に対してのみ用いることにより、ヨウ素のロスの発生をできるだけ抑えることができ、従来の方法と比較して銅の最終浸出率を維持しつつ、ヨウ素のロスが低減することを見出した。本発明はかかる知見により完成されたものである。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)黄銅鉱を含む銅鉱石を、鉄(III)イオンによる銅の酸化浸出反応にて浸出する1段階目浸出工程と、前記1段階目浸出工程の後、ヨウ化物イオンと鉄(III)イオンとを含有する溶液にて浸出する2段階目浸出工程とを有する銅鉱石の浸出方法。
(2)(1)に記載の方法において、前記1段階目浸出工程では、銅鉱石中の二次硫化銅鉱の浸出率が80%以上に達するまで浸出処理が行われる方法。
(3)(1)に記載の方法において、前記1段階目浸出工程では、鉱石1tに対し浸出液を1〜3m3散布し、硫化銅鉱を浸出する方法。
(4)(3)に記載の方法において、前記1段階目浸出工程では、浸出液中の鉄(III)イオンの濃度が2〜5g/Lである硫化銅鉱の浸出方法。
本発明の方法によれば、易溶性の酸化銅鉱及び二次硫化銅鉱のみではなく、難溶性である黄銅鉱等の一次硫化銅鉱に対しても銅を常温で効率よく浸出することができ、かつ、ヨウ素のロスを低減することができる。
本発明はヒープ、ダンプ等の積層体に浸出液を撒布して浸出する方法に対して特に効果が高いが、タンク式の回分浸出で精鉱を浸出する方法においても効果を発揮する。
実施例1および比較例1のそれぞれにおける浸出日数(日)と銅浸出率(%)との推移を示すグラフである。 実施例1において1段階目浸出から2段階目浸出への切り替え前後の銅浸出率の推移を示すグラフである。 実施例1および比較例1のそれぞれにおける銅浸出率(%)とヨウ素ロス(g)との推移を示すグラフである。 実施例1の2段階目浸出における浸出日数(日)および比較例1における浸出日数(日)のそれぞれとヨウ素ロス(g)との推移を示すグラフである。 実施例1および比較例1のそれぞれにおける銅浸出率(%)と浸出後液銅濃度(g/L)との推移を示すグラフである。 実施例2および比較例2のそれぞれにおける鉱石1tあたりの浸出液量(m3/t)と銅浸出率(%)との推移を示すグラフである。
以下、本発明に関して、詳細に述べる。
本発明の対象は黄銅鉱を含む銅鉱石から銅の回収であり、浸出工程でのヨウ素のロスを低減することでヨウ素使用量の抑制に効果を示す。
本発明の方法による黄銅鉱の溶解・浸出は、下記(式2)と(式3)に示す一連のヨウ素による触媒反応によって進行すると考えられる。
2I-+2Fe3+→I2+2Fe2+ (式2)
CuFeS2+I2+2Fe3+→Cu2++3Fe2++2S+2I- (式3)
(式2)で生じたI2は(式3)でI-となり、再度(式2)の反応が起こる。反応が単一的に進んだ場合にはヨウ素のロスはない。しかし、(式2)において生じるI2は揮発もしくは樹脂等の疎水性物質等に吸着され易い。また、以下の(式4)により液中にCu2+がある場合、ヨウ化物イオンと反応して単体ヨウ素と難溶性のCuIが生じる可能性がある。
2Cu2++4I-→I2+2CuI (式4)
これらの観点から、ヨウ素(I2)が銅鉱の浸出に寄与しなくなることがあり、結果として、ヨウ化物イオンと鉄(III)イオンとを含有する溶液にて浸出を行う方法ではヨウ素のロスが発生する理由と推定される。したがって、I2のロスを低減するためにはヨウ素を添加して浸出する期間を短くすること、Cu2+が過多の溶液にヨウ化物イオンが接触しない状況を維持することが重要であると考えられる。
そこで、黄銅鉱を含む銅鉱石の浸出に際して、ヨウ素は含まない鉄(III)イオンによる銅の酸化浸出反応、例えばフェリックリーチング法もしくはバクテリアリーチング法にて浸出する1段階目浸出工程と、前記1段階目浸出工程の後、ヨウ化物イオンと鉄(III)イオンとを含有する溶液にて浸出する2段階目浸出工程とを行う。
1段階目浸出工程では、ヨウ素は含まないフェリックリーチング法もしくはバクテリアリーチング法などの酸化浸出反応にて、浸出液中に混在する酸化銅鉱及び二次硫化銅鉱が浸出される。この1段階目浸出ではヨウ素は用いないためヨウ素のロスは皆無となる。
当該1段階目浸出工程では、銅鉱石中の二次硫化銅鉱の浸出処理が、その浸出率が80%以上に達するまで継続されることが、ヨウ化物イオンと銅が沈殿を生じない程度まで浸出液の銅濃度を下げるとの観点から好ましい。
さらに、1段階目浸出工程では、鉱石1tに対して浸出液を1〜3m3散布して、硫化銅鉱の浸出が行われることが、適正な1段目浸出の期間を設定する観点から好ましい。
また、1段階目浸出工程では、浸出液中の鉄(III)イオン濃度に関して、浸出速度を小さすぎないようにするという観点から2g/L以上が好ましく、また再利用するという観点から現実的な範囲として5g/L以下が好ましい。
2段階目浸出工程では、ヨウ化物イオンと鉄(III)イオンとを含有する溶液にて浸出する。
また、2段階目浸出では、黄銅鉱等の一次硫化銅鉱に対して常温で効率よく浸出することができ、また、1段階目浸出で酸化銅鉱及び二次硫化銅鉱が浸出されることから、浸出液中銅濃度が低い状態でヨウ素を用いることとなり、上記(式4)に関連するCuI沈殿発生によるヨウ素(I2)ロスも抑制することができると考えられる。
さらには、ヨウ素(I2)は2段階目浸出に供する期間にのみ、ヨウ素の揮発に起因するロスが生じる訳であり、従来のように浸出反応の開始からヨウ素を添加した場合と比べてそのロスが少なくなるのは自明である。
ここで、好適な実施の態様において、添加するヨウ化物イオンの形態としては、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどの塩、もしくはヨウ化水素酸を硫酸溶液に溶解したものが利用可能である。また、添加するヨウ素イオン濃度は、50〜300mg/L、好ましくは50〜100mg/Lの範囲とすることが、コストと環境負荷の軽減の観点から好ましい。
以上のように、本発明の方法によれば、黄銅鉱を含む銅鉱石に対して、ヨウ素を用いない酸化浸出反応である1段階目浸出工程において酸化銅鉱および二次硫化銅鉱、さらにヨウ素を用いた酸化浸出反応である2段階目浸出工程において難溶性である一次硫化銅鉱をそれぞれ浸出させることにより、これらを常温で効率よく浸出することができ、かつ、ヨウ素を難溶性である一次硫化銅鉱の浸出反応に対してのみ用いることが可能になるため、結果としてヨウ素のロスを低減することができる。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.第一の銅鉱について
対象鉱はチリ国産出の粗鉱とした。全銅品位は0.54%、銅鉱物組成はシーケンシャルアッセイ(Sequential Assay)により算出し、酸化銅鉱が5%、二次硫化銅鉱が41%、一次硫化銅鉱が54%であった。
尚、Sequential Assayは次の手順で鉱石中の銅鉱物を溶出し、その分析結果により酸化銅鉱、二次硫化銅鉱並びに一次硫化銅鉱を算出する方法であり、試験・分析機関SGS Lakefield Research Chile社に分析依頼した。
(1)酸化銅鉱:一定粒度に粉砕したサンプルに硫酸を加え一定時間撹拌。溶出した銅を定量。
(2)二次硫化銅鉱:酸化銅鉱分析の固液分離で得られた固体部分にシアン化ソーダ液を加え一定時間撹拌。溶出した銅を定量。
(3)一次硫化銅鉱:二次硫化銅鉱の固液分離で得られた固体部分に硝酸及び過塩素酸を加え、ホットプレート上で乾固後、塩酸と蒸留水を加え、固体を溶解。溶出した銅を定量。
上記組成の粗鉱を20mm以下に破砕後、直径20cm、高さ1.5mの透明塩化ビニル製筒に63kg充填した。塩化ビニル製筒の底部は濾布及び塩化ビニル製目皿を装着して浸出液が通過後、浸出後液として回収できる構造とした。塩化ビニル製筒の上部より下記の浸出液をポンプで供給した。
(実施例1)
鉄(III)イオン2g/L、pHは1.8、供給速度は4L/日とした(1段階目浸出)。鉄(III)イオンは硫酸第一鉄を鉄酸化菌Acidithiobacillus Ferrooxidansで微生物酸化して調製した。その後、ヨウ化物イオンと鉄(III)イオンとを含有する溶液にて浸出を行った(2段階目浸出)。ヨウ化物イオン源はKIを用い260mg/L(ヨウ素濃度200mg/L)、pHは1.8、供給速度は2L/日とした。鉄(III)イオンは4g/L、pHは1.8、供給速度は2L/日とした。これにより、全体ではヨウ素濃度100mg/L、鉄(III)イオン2g/L、pH1.8、供給速度4L/日となる。
(比較例1)
比較として、実施例1において1段階目浸出を行わず、浸出処理の開始からヨウ化物イオンと鉄(III)イオンとを含有する溶液にて浸出を行った以外は、実施例1と同様にして処理した。ヨウ化物イオン源はKIを用い260mg/L(ヨウ素濃度200mg/L)、pHは1.8、供給速度は2L/日とした。鉄(III)イオンは4g/L、pHは1.8、供給速度は2L/日とした。これにより、全体ではヨウ素濃度100mg/L、鉄(III)イオン2g/L、pH1.8、供給速度4L/日となり、実施例1の2段階目浸出と同一条件であったことがわかる。
実施例1および比較例1において、銅及び鉄濃度はICP発光分光分析装置(ICP−AES)で測定し、ヨウ素濃度はヨウ化物イオンに還元した後にイオン電極法で定量した。ヨウ素ロスは浸出前液中のヨウ素量と浸出後液中のヨウ素量とから換算した。
図1は、実施例1および比較例1のそれぞれにおける浸出日数(日)と銅浸出率(%)との推移を示すグラフであり、図2は、実施例1において1段階目浸出から2段階目浸出への切り替え(240日目)前後の銅浸出率の推移を明確にするために、浸出開始後200日目以降を拡大して示すグラフである。図3は、実施例1および比較例1のそれぞれにおける銅浸出率(%)とヨウ素ロス(g)との推移を示したグラフであり、図4は、実施例1の2段階目浸出における浸出日数(日)および比較例1における浸出日数(日)のそれぞれとヨウ素ロス(g)との推移を示すグラフである。図5は、実施例1および比較例1のそれぞれにおける銅浸出率(%)と浸出後液銅濃度(g/L)との推移を示すグラフである。
図1に示した通り、銅鉱石のうち酸化銅鉱(5%)および二次硫化銅鉱(41%)の合計46%の80%程度に相当する、全銅浸出率40%程度までの銅浸出率は実施例1、比較例1ともに同等であった。
このことは、酸化銅鉱及び二次硫化銅鉱は、実施例1にて示されるように、ヨウ素を添加した鉄(III)イオン浸出液(ヨウ化物イオン並びに鉄(III)イオンを含有する溶液)にて浸出しなくとも、平常のバクテリアリーチング法で効率的に浸出されることを示すと同時に、比較例1に示されるような最初から鉄(III)イオン浸出液にヨウ素を添加して黄銅鉱に共存する酸化銅鉱及び二次硫化銅鉱の浸出を行った場合であっても、見かけ上は両者に違いはないことを示す。したがって、酸化銅鉱及び二次硫化銅鉱の浸出に際してはヨウ素の添加による触媒効果が大きくは表れないことを示す。
その後、浸出が進むにつれ処理対象となる鉱石は一次硫化銅鉱が主体となり、実施例1で示されるように、ヨウ素を添加していない1段階目浸出のバクテリアリーチング法では浸出速度が鈍化する結果となっている。
240日目以降、実施例1について、比較例1と同様の浸出条件であるヨウ化物イオン並びに鉄(III)イオンを含有する溶液による2段階目浸出を行った。図1及び図2に示した通り、実施例1においてバクテリアリーチング法(1段階目浸出)での浸出では銅浸出率の増加の速度が鈍化していたが、ヨウ化物イオン並びに鉄(III)イオンを含有する溶液での浸出(2段階目浸出)に切り替えて再び高い銅浸出速度となった。
このことは浸出初期からヨウ素を添加することは必須ではなく、ヨウ素を用いないバクテリアリーチング法(1段階目浸出)の後に、ヨウ化物イオン並びに鉄(III)イオンを含有する溶液にて浸出を実施する2段階目浸出を行う、本願発明のような2段階浸出方法でも、全体としてヨウ素の使用量が少ないにもかかわらず、最初からヨウ化物イオン並びに鉄(III)イオンを含有する溶液での浸出と同程度の銅浸出促進効果があることを示す。
したがって実施例1によれば、1段階目浸出では、浸出反応にヨウ素(I2)を用いないため、前述したようなヨウ素のロスは皆無と考えることができることから、図3に示した通り、比較例1と比較すると浸出開始当初からヨウ素を添加した場合と比べて銅浸出率当たりのヨウ素ロスは少なくなる。
また、図4に示した通り、浸出日数当たりでもヨウ素(I2)のロスは比較例1よりも実施例1における2段階目浸出の方が少なくなる。これは図5に示した通り、比較例1のように浸出初期からヨウ素を投入すると、溶液中の銅濃度が高いため、前記(式4)に示したCuI沈殿反応が起こりやすくなりヨウ素のロスが発生することが考えられ、一方で、実施例1の2段階目浸出での浸出条件によれば、すでに溶液中の銅濃度が低くなった状態からヨウ素(I2)を用いることになり、(式4)に示されるCuI沈殿発生によるヨウ素ロスを低減することができると考えられるためである。
浸出開始時からヨウ素を添加した比較例1の場合、ヨウ素の効果により実施例1の1段階目浸出と比べて銅浸出速度が大きくなるはずであるが、浸出反応の初期状態でもあることから溶液中の銅濃度が高いため(式4)のCuI沈殿反応が生じてヨウ素ばかりでなく銅もロスしていると考えられ、それが故に40%の銅浸出率を達成するまでの初期状態において見かけの銅浸出速度は同等になると推察される。
2.第二の銅鉱について
対象鉱はチリ国産粗鉱とした。全銅品位は1.24%、銅鉱物組成はSequential Assayにより算出し酸化銅鉱が7%、二次硫化銅鉱が37%、一次硫化銅鉱が56%であった。
尚、Sequential Assayは試験・分析機関SGS Lakefield Research Chile社に分析依頼した。
上記組成の粗鉱を20mm以下に破砕後、直径10cm、高さ1mの透明塩化ビニル製筒に12kg充填した。塩化ビニル製筒の底部は濾布及び塩化ビニル製目皿を装着して浸出液が通過後、浸出後液として回収できる構造とした。塩化ビニル製筒の上部より下記の浸出液をポンプで供給した。
(実施例2)
鉄(III)イオンは2g/L、pHは1.8、供給速度は2L/日とした(1段階目浸出)。鉄(III)イオンは硫酸第一鉄を鉄酸化菌Acidithiobacillus Ferrooxidansで微生物酸化して調製した。1段階目浸出は14日間(鉱石1tに対し浸出液2m3、2m3/t相当)実施した。次に2段階目浸出として、ヨウ化物イオン源はKIを用い260mg/L(ヨウ素濃度200mg/L)、pHは1.8、供給速度は1L/日としてヨウ素を添加した。鉄(III)イオンは4g/L、pHは1.8、供給速度は1L/日とした。これにより、全体ではヨウ素濃度100mg/L、鉄(III)イオン2g/L、pH1.8、供給速度2L/日となる。
(比較例2)
実施例1の1段階目浸出と同じ条件のバクテリアリーチング法で浸出し、鉄(III)イオンは2g/L、pHは1.8、供給速度は2L/日とした。
実施例2および比較例2において、銅及び鉄濃度はICP発光分光分析装置(ICP−AES)で測定し、ヨウ素濃度は還元して全てヨウ化物イオンとした後、イオン電極法で定量した。ヨウ素ロスは浸出前液中のヨウ素量と浸出後液中のヨウ素量とから算出した。
図6は、実施例2および比較例2のそれぞれにおける鉱石1tあたりの浸出液の供給量(m3/t)と、銅浸出率(%)との推移を示すグラフである。
図6に示した通り、浸出開始から鉱石1トン(t)あたりの浸出液供給量が2m3/tとなるまでは、実施例、比較例とも同一の浸出液を用いていることから、銅浸出挙動も同等であった。なお、この期間は14日間であった。
実施例2では、浸出液の供給量が鉱石1tあたり2m3/tに達したところで、実施例1の2段階目浸出と同じ条件であるヨウ素添加浸出に切り替えた。一方で、比較例2では浸出液供給量が2m3/tに達した後(14日以降)も平常のバクテリアリーチング法による浸出を継続した。
実施例2および比較例2によれば、浸出液供給量が2m3/tに達した後、実施例2ではヨウ素添加浸出に切り替えて高い浸出速度が保たれているのに対して、比較例2ではバクテリアリーチング法を継続した結果、実施例2と比較すると銅浸出速度が鈍化している。
実施例2および比較例2によれば、バクテリアリーチング法(1段階目浸出)の後にヨウ化物イオンと鉄(III)イオンとを含有する溶液にて浸出を実施する2段階目浸出を行うことにより、バクテリアリーチング法を継続する場合と比較すると、銅浸出速度は有意に上昇する、すなわち優れた銅浸出促進効果を発揮することが分かる。また、前述と同様に、1段階目浸出ではヨウ素(I2)を用いないため、ヨウ素のロスは皆無と考えることができる。

Claims (4)

  1. 黄銅鉱を含む銅鉱石を、鉄(III)イオンによる銅の酸化浸出反応にて浸出する1段階目浸出工程と、前記1段階目浸出工程の後、ヨウ化物イオンと鉄(III)イオンとを含有する溶液にて浸出する2段階目浸出工程とを有する銅鉱石の浸出方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記1段階目浸出工程では、銅鉱石中の二次硫化銅鉱の浸出率が80%以上に達するまで浸出処理が行われる方法。
  3. 請求項1に記載の方法において、前記1段階目浸出工程では、鉱石1tに対し浸出液を1〜3m3散布し、硫化銅鉱を浸出する方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、前記1段階目浸出工程では、浸出液中の鉄(III)イオンの濃度が2〜5g/Lである硫化銅鉱の浸出方法。
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