JP2013189381A - ブリンゾラミドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反応により得られた(R)−4−(エチルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2,e]−1,2−チアジン−6−スルホンアミド 1,1−ジオキシドの粗体をアルコールと非極性溶媒の混合溶媒に溶解させて、得られた溶液から目的物の結晶を析出させて精製する工程を含む製造方法。
【選択図】 なし
Description
前記原料化合物の4位の炭素原子に結合した水酸基をエチルアミノ化して前記目的物を含む反応混合物を得る反応工程、前記反応混合物から前記目的化合物の粗体を分離する分離工程、及びアルコールと非極性溶媒の混合溶媒に前記分離工程で分離された前記粗体が溶解した溶液を調製し、当該混合溶から高純度化された目的化合物を結晶化させる精製工程を含んでなることを特徴とする前記方法である。
反応工程では、前記原料化合物の4位の炭素原子{C(4)部位}に結合した水酸基をエチルアミノ化して前記目的物を含む反応混合物を得る。上記エチルアミノ化の方法は、前記特許文献1や非特許文献1に記載された従来の方法と特に変わる点はなく、例えば次のような方法により好適に行うことができる。すなわち、前記原料化合物の6位の炭素原子に結合したスルホンアミド基を保護して、保護された原料化合を生成する保護工程、該保護された原料化合物の4位の炭素原子{C(4)部位}に結合した水酸基をエチルアミンで置換して、保護された目的化合物(6位の炭素原子に結合したスルホンアミド基が保護された目的化合物)を生成するアミノ化工程、該保護された目的化合物における保護されたスルホンアミド基を脱保護して目的化合物を生成する脱保護工程を含んでなる方法により好適に行うことができる。
分離工程では、前記工程で得られた反応混合物から前記目的化合物の粗体を分離する。ここでいう分離とは、反応混合物中の反応溶媒および水溶性不純物と、有機系不純物を含む目的化合物からなる粗体とを分離することを意味する。また、目的化合物の粗体とは、主たる不純物として有機系不純物(有機系副生物や残存有機溶媒など)を含む目的化合物を意味し、通常、目的化合物の純度が65〜80%程度の固体状若しくは粘稠な液状のものを意味する。反応混合物からの粗体の分離は、反応混合物である反応溶液に炭酸水素ナトリウムなどの塩基を添加して中和した後に、酢酸エチルなどの有機溶媒(抽出溶媒)を用いて有機成分を分離し、必要に応じて水洗、乾燥(水分除去)を行い、抽出溶媒を留去して濃縮することにより好適に行うことができる。
精製工程では、アルコールと非極性溶媒の混合溶媒用に前記分離工程で分離された前記粗体が溶解した溶液を調製し、当該混合溶から高純度化された目的化合物を結晶化させる。アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブチルアルコール等の低炭素鎖アルコールを使用することが好適である。ブリンゾラミドの溶解度、得られるブリンゾラミドの純度が高いことからエタノール又は2−プロパノールを使用することが特に好ましく、目的物の収率(回収率)をより高くすることができるという理由とから2−プロパノールを使用することが最も好ましい。
装置:WATERS社製 Alliance 型式e2695−2489
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm)
カラム:ジーエルサイエンス株式会社製 商品名 Inertsil CN−3、粒子径5μm、内径4.6mm、長さ25cm、
カラム温度:40℃ 一定温度
移動相:n−ヘキサン/エタノール=80/20
流量:1.0ml/分
測定時間:45分
上記条件で測定した場合、原料化合物は29分付近に、イミダート体は9.4分付近に、スルホニル体は8.2分付近にブリンゾラミド(目的化合物)は19分付近に、またアミドトシル化体は10分付近に吸収ピークが観測される。純度は、HPLCのピーク面積比をもとに決定した。
(反応工程)
原料化合物(50g,140mmol)をアセトニトリル200mLに溶解させ、オルト酢酸トリメチル(18.54g,154.3mmol)を加え、流出液を系外へ除去しながら84℃で3時間加熱還流を行った。溶液を濃縮しイミダート体70.43gを得た。これをテトラヒドロフラン(150mL)に溶解し、0℃に冷却した。ここにトリエチルアミン(21.29g,212.5mmol)とパラトルエンスルホニルクロリド(32.09g,168.3mmol)を加えた所、スルホニル体の沈殿が発生した。3時間氷冷下撹拌を行い、スルホニル体を取得した。得られた反応液に氷冷下、70%モノエチルアミン水溶液(250mL,3.13mol)を滴下した。混合液を終夜撹拌した後、12Mの塩酸(240mL)を40℃以下で加えてスルホニル体の脱保護を行った。
(分離工程)
上記脱保護で得られた反応液に炭酸水素ナトリウム約10gを加え混合液のpHが8となるまで調整し、酢酸エチルで有機物を抽出した後、濃縮乾燥し反応濃縮物(粗体)62.65gを得た。
(精製工程)
2−プロパノール5.4mlとヘプタン0.6mlとを混合して得られた混用溶媒6mlに上記分離工程で得られた粗体1.25gを溶解させて溶液を調製した。なお、溶液調製に際しては、80℃に加熱し粗体を完全に溶解させた。溶液調製後、冷却して目的物を結晶化させた。結晶化した目的物(1次精製体)をろ過により回収し、真空乾燥後、質量を測定したところ0.737gであり、原料化合物を基準とした収率は68.5%であった。また、1次精製体の純度を測定したところ、目的物の純度は98.76%であり、不純物として含まれるアミドトシル体の含有量は0.14%であった。
精製工程で使用する混合溶液を表1に示すものに変えた他は実施1と同様にして1次精製体を得た。得られた1次精製体の純度およびアミドトシル体の含有量並びに、1次精製体の収率を表1に示す。
実施例1で得られたブリンゾラミド一次精製体0.6gに対して8質量部の2−プロパノールに溶解させて溶液を調製した。なお、溶液調製に際しては80℃に加熱し粗体を完全に溶解させた。溶液調製後、冷却して目的物を結晶化させた。結晶化した目的物をろ過により回収し、真空乾燥後、HPLCにより純度を測定し、純度が99.8%以上となるまで同様の方法で精製を繰り返した。5回繰り返した結果、ブリンゾラミドの最終精製体0.383gを得た。一次精製体からの収率は63.8%であった。目的物の純度は99.83%であり、不純物として含まれるアミドトシル体の含有量は0.05%であった。
精製工程で使用する混合溶液を表1に示すものに変えた他は実施1と同様にして1次精製体を得た。得られた1次精製体の純度およびアミドトシル体の含有量並びに、1次精製体の収率を表1に示す。
比較例1で得られたブリンゾラミド一次精製体0.6gに対して8質量部の2−プロパノールに溶解させて溶液を調製した。なお、溶液調製に際しては80℃に加熱し粗体を完全に溶解させた。溶液調製後、冷却して目的物を結晶化させた。結晶化した目的物をろ過により回収し、真空乾燥後、HPLCにより純度を測定し、純度が99.8%以上となるまで同様の方法で精製を繰り返した。7回繰り返した結果、ブリンゾラミドの最終精製体0.313gを得た。一次精製体からの収率は52.2%であった。目的物の純度は99.83%であり、不純物として含まれるアミドトシル体の含有量は0.09%であった。
Claims (4)
- 下記式(1)で示される(S)−3,4−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2−e]−1,2−チアジン−6−スルホンアミド−1,1−ジオキシドからなる原料化合物から下記式(2)で示される(R)−4−(エチルアミノ)−3,4−ジヒドロ−2−(3−メトキシプロピル)−2H−チエノ[3,2,e]−1,2−チアジン−6−スルホンアミド 1,1−ジオキシドからなる目的化合物を製造する方法であって、
前記原料化合物の4位の炭素原子に結合した水酸基をエチルアミノ化して前記目的物を含む反応混合物を得る反応工程、
前記反応混合物から前記目的化合物の粗体を分離する分離工程、及び
アルコールと非極性溶媒の混合溶媒に前記分離工程で分離された前記粗体が溶解した溶液を調製し、当該混合溶から高純度化された目的化合物を結晶化させる精製工程を含んでなることを特徴とする前記方法。
- 前記反応工程が、前記原料化合物の6位の炭素原子に結合したスルホンアミド基を保護して保護された原料化合を生成する保護工程、該保護された原料化合物の4位の炭素原子に結合した水酸基をエチルアミンで置換して、保護された目的化合物を生成するアミノ化工程、該保護された目的化合物における保護されたスルホンアミド基を脱保護して、目的化合物を生成する脱保護工程を含んでなる請求項1に記載の方法。
- 前記精製工程において、非極性溶媒として炭化水素を使用する請求項1又は2に記載の方法。
- 前記精製工程において、アルコールとして2−プロパノールを使用する請求項1乃至3の何れかに記載の方法。
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