JP2013188990A - 塗装金属板およびそれを有するジョイナー - Google Patents

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Abstract

【課題】プレコート方式で製造することが可能であり、かつ太陽光に曝された場合であっても塗膜の非接着性を維持することができる塗装金属板を提供すること。
【解決手段】本発明の塗装金属板は、金属板と、前記金属板の表面に形成され、耐熱性樹脂(ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂またはこれらの組み合わせ)および四フッ化樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体またはこれらの組み合わせ)を含む第1塗膜とを有する。第1塗膜の表面における炭素に対するフッ素の質量比は、1.0以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、非接着性に優れた塗装金属板およびそれを有するジョイナーに関する。
塗装金属板は、建物外装における外装ボード間の目地部分に用いられるジョイナーに使用される。ジョイナーは、外壁ボードを一定の間隔で保持すると共に、外壁ボードを外壁の下地に固定する。
外壁ボード間の目地には、防水性および気密性を担保するために、コーキング材が充填される。このとき、コーキング材は、外壁ボードの側端面とジョイナーとに三面接着する。外壁ボードは、建物の最外面に位置するため、外部環境の変化(温度変化)に応じて伸縮する。一方、コーキング材は、外壁ボードだけでなくジョイナーにも接着されているため、外装ボードの伸縮に追従することができない。したがって、外装ボードの伸縮による応力は、コーキング材に集中してしまう。これにより、コーキング材が破断してしまい水漏れなどが起こってしまう。すなわち、コーキング材の破断による水漏れは、コーキング材の三面接着を抑制することにより防止することができる。
三面接着を抑制する方法として、目地部分のジョイナー表面に、コーキング材に対して弱接着性のフィルムを貼り付ける方法、または塗膜を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1〜4参照)。特許文献1および2には、ジョイナー表面の該当部位に、表面が粗面化されたプラスチックシートを貼ることで、コーキング材の三面接着を抑制する方法が記載されている。また、特許文献3には、ジョイナーの該当部位に、ジョイナーから容易に剥離する程度の接着力を有するテープを貼ることで、コーキング材の三面接着を抑制する方法が記載されている。さらに、特許文献4には、ジョイナー表面にフッ素系樹脂を含有する塗膜を形成することで、コーキング材の三面接着を抑制する方法が記載されている。フッ素系樹脂としては、ラジカル重合性不飽和結合を有するフッ素樹脂と片末端ラジカル重合性ポリシロキサンとを共重合したものを使用している。
特開2002−206291号公報 特開2002−188064号公報 特開2004−108011号公報 特開2009−062707号公報
特許文献1〜3の方法では、金属板をジョイナーの形状に成形加工した後に、金属板の表面にフィルムを貼り付けているため、ジョイナーの製造工程が煩雑となり、製造費用が増大してしまう。また、特許文献4の方法では、塗膜を形成した後に、塗装鋼板をジョイナーの形状に成型加工しているが、このように製造されたジョイナーにも、耐候性が悪いという問題がある。特許文献1〜4のジョイナーは、施工現場に搬入された後、建物外装を施工するまでの期間、屋外に放置されることがある。この場合、ジョイナー表面のフィルムまたは塗膜は、太陽光に曝されることにより経時的に劣化してしまい、非接着性を失ってしまう。すなわち、初期に非接着性を有していても、太陽光に曝されたジョイナーを用いて建物外装を施工した場合、三面接着が生じてしまうという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、プレコート方式で製造することが可能であり、かつ太陽光に曝された場合であっても非接着性を維持することができる塗装金属板およびそれを用いたジョイナーを提供することを目的とする。
本発明者らは、四フッ化樹脂および耐熱性樹脂を用いて、表面に四フッ化樹脂が濃化した塗膜を金属板の表面に形成することで、上記課題を解決することができることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の塗装金属板に関する。
[1]金属板と、前記金属板の表面に形成され、四フッ化樹脂および耐熱性樹脂を含む第1塗膜とを有し、前記第1塗膜の表面における炭素に対するフッ素の質量比が1.0以上である、塗装金属板。
[2]前記四フッ化樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体またはこれらの組み合わせである、[1]に記載の塗装金属板。
[3]前記耐熱性樹脂は、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂またはこれらの組み合わせである、[1]または[2]に記載の塗装金属板。
[4]前記金属板と前記第1塗膜の間に形成された、耐熱性樹脂を含む第2塗膜をさらに有し、前記第2塗膜に含まれる耐熱性樹脂は、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂またはこれらの組み合わせである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の塗装金属板。
また、本発明は、以下のジョイナーに関する。
[5][1]〜[4]のいずれか一項に記載の塗装金属板を有する、ジョイナー。
本発明によれば、プレコート方式で製造することが可能であり、かつ太陽光に曝された場合であっても非接着性を維持することができる塗装金属板を提供することができる。本発明の塗装金属板を使用することで、太陽光に曝された場合であっても非接着性を維持することができるジョイナーを低コストで製造することができる。
1.塗装金属板
本発明の塗装金属板は、金属板と、金属板の表面に形成された上塗り塗膜(第1塗膜)とを有する。金属板と上塗り塗膜の間には、下塗り塗膜(第2塗膜)を有していてもよい。以下、本発明の塗装金属板の各構成要素について説明する。
(1)塗装原板
塗装原板となる金属板の種類は、特に限定されない。塗装原板の例には、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼板、Al−Zn合金めっき鋼板、Zn−Al−Mg合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板などが含まれる。金属板の板厚は、特に限定されず、用途に応じて適宜設定されうる。たとえば、金属板の板厚は、加工性の観点から、0.3〜0.6mm程度である。
金属板は、上塗り塗膜(または下塗り塗膜)の密着性を向上させる観点から、化成処理皮膜を形成されていてもよい。化成処理の種類は、特に限定されない。化成処理の例には、リン酸塩処理、クロメート処理、クロムフリー処理などが含まれる。化成処理皮膜の膜厚は、塗装原板の腐食の抑制および塗膜密着性の向上に有効な範囲内であれば特に限定されない。たとえば、クロメート皮膜の場合、全クロム換算付着量が5〜100mg/mとなるように膜厚を調整すればよい。また、リン酸塩皮膜の場合、付着量が5〜500mg/mとなるように膜厚を調整すればよい。また、クロムフリー皮膜の場合、例えば、Ti化合物、Zr化合物またはシランカップリング剤と樹脂との混合皮膜として、付着量が20〜500mg/mとなるように膜厚を調整すればよい。
(2)下塗り塗膜(第2塗膜)
前述したように、本発明の塗装金属板は、金属板(または化成処理皮膜)と上塗り塗膜との間に、下塗り塗膜を有していてもよい。下塗り塗膜は、金属板(または化成処理皮膜)と上塗り塗膜との密着性を向上させると共に、金属板の耐食性を向上させる。また、後述するように、上塗り塗膜と同じ耐熱性樹脂を使用した場合、下塗り塗膜は、上塗り塗膜表面の四フッ化樹脂層の形成を促進させる。下塗り塗膜は、金属板(または化成処理皮膜)の表面に形成されている。
下塗り塗膜は、ベース樹脂として耐熱性樹脂を含む。耐熱性樹脂の種類は、四フッ化樹脂を上塗り塗膜の表面に濃化させるために上塗り塗料を焼き付ける際の温度に耐えられるものであれば特に限定されない。好ましい耐熱性樹脂としては、ポリエーテルスルホン樹脂(以下「PES」と略記する)、ポリアミドイミド樹脂(以下「PAI」と略記する)またはこれらの組み合わせが使用される。
下塗り塗料中の耐熱性樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、5000〜50000の範囲内が好ましく、15000〜30000の範囲内がより好ましい。数平均分子量が5000未満の場合、下塗り塗膜の加工性が低下するとともに、下塗り塗膜と上塗り塗膜との間の密着性が低下してしまうおそれがある。一方、数平均分子量が50000超の場合、溶剤に対する耐熱性樹脂の溶解度が低下して下塗り塗料を形成するのが困難となり、かつ軟化点が高くなって下塗り塗料の焼き付けに必要な温度が上昇してしまう。
下塗り塗膜は、防錆顔料を有していてもよい。防錆顔料は、塗装金属板の耐食性を向上させる。防錆顔料の例には、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、リン酸亜鉛マグネシウム、リン酸マグネシウム、亜リン酸マグネシウム、シリカ、カルシウムイオン交換シリカ、リン酸ジルコニウム、トリポリリン酸2水素アルミニウム、酸化亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、クロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウム、クロム酸亜鉛が含まれる。これらの防錆顔料は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
下塗り塗膜は、透明でもよいが、任意の着色顔料を加えて着色されていてもよい。着色顔料の例には、酸化チタン、カーボンブラック、酸化クロム、酸化鉄などが含まれる。また、下塗り塗膜には、鱗片状無機質添加材や無機質繊維などを加えて塗膜硬度を向上させてもよい。鱗片状無機質添加材の例には、ガラスフレーク、硫酸バリウムフレーク、グラファイトフレーク、合成マイカフレーク、合成アルミナフレーク、シリカフレークなどが含まれる。また、無機質繊維の例には、チタン酸カリウム繊維、ウォラスナイト繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、アルミナシリケート繊維、シリカ繊維、ロックウール、スラグウール、ガラス繊維、炭素繊維などが含まれる。
下塗り塗膜の膜厚は、特に限定されないが、0.5〜30μmの範囲内が好ましい。膜厚が0.5μm未満の場合、耐食性および塗膜密着性を十分に向上させることができないおそれがある。また、下塗り塗膜が着色塗膜の場合は、金属板を隠蔽するために3μm以上の膜厚が好ましい。一方、膜厚が30μm超の場合、下塗り塗料を焼き付ける際にワキが発生しやすくなる。
(3)上塗り塗膜(第1塗膜)
上塗り塗膜は、化成処理皮膜(または下塗り塗膜)の表面に形成されている。上塗り塗膜は、塗装金属板表面の非接着性を向上させる。上塗り塗膜は、ベース樹脂として耐熱性樹脂を含み、さらに非接着性を付与するための四フッ化樹脂を含む。四フッ化樹脂は、上塗り塗料を焼き付ける際に塗膜の表面側に移動して、塗膜の表面に四フッ化樹脂層を形成する。一方、耐熱性樹脂は、四フッ化樹脂層の下に耐熱性樹脂層を形成する。
耐熱性樹脂の種類は、四フッ化樹脂を上塗り塗膜の表面に濃化させるために上塗り塗料を焼き付ける際の温度に耐えられるものであれば特に限定されない。好ましい耐熱性樹脂としては、下塗り塗膜と同じものが挙げられるが、必ずしも下塗り塗膜と同じである必要はない。すなわち、上塗り塗膜に含まれる耐熱性樹脂は、PES、PAIまたはこれらの組み合わせであれば、下塗り塗膜に含まれる耐熱性樹脂と同一であってもよいし、異なるものであってもよい。下塗り塗膜と同じ耐熱性樹脂を用いた場合、上塗り塗料を焼き付ける際に、上塗り塗料中の耐熱性樹脂が下塗り塗膜側に移動しやすくなる。これにより、上塗り塗膜の表面に四フッ化樹脂が移動しやすくなり、上塗り塗膜の表面におけるフッ素樹脂の割合(後述のF/C比)を高くすることができる。
四フッ化樹脂は、太陽光や風雨に曝された場合であっても塗装金属板の非接着性を維持することができる。好ましい四フッ化樹脂の例には、パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレンの重合体(PTFE)またはこれらの組み合わせが含まれる。これらの中では、非粘着性の持続の観点から、PFAが特に好ましい。
前述の通り、四フッ化樹脂は、塗膜の表面側に偏在して四フッ化樹脂層を形成する。したがって、本願発明の塗装金属板では、上塗り塗膜の表面における炭素(C)に対するフッ素(F)の質量比(以下「F/C比」と略記する)が1.0以上である。F/C比が1.0の未満の場合、上塗り塗膜に非接着性を十分に付与することができない。F/C比は、エネルギー分散型X線分析装置により測定することができる。
上塗り塗膜には、下塗り塗膜と同様に、着色顔料や鱗片状無機質添加材、無機質繊維などを配合してもよい。
上塗り塗膜の膜厚は、特に限定されないが、5〜40μmの範囲内が好ましい。膜厚が5μm未満の場合、非接着性を十分に発揮させることができない。一方、膜厚が40μm超の場合、上塗り塗料を焼き付けする際にワキが発生しやすくなる。加工性の観点からは、上塗り塗膜の膜厚は、5〜20μmの範囲内が好ましい。
本発明の塗装金属板は、上塗り塗膜の表面にフッ化樹脂層が形成されているため、コーキング材などに対して優れた非接着性を有している。また、本発明の塗装金属板はフッ化樹脂として四フッ化樹脂を使用しているため、塗装金属板が太陽光や風雨に曝されても、上塗り塗膜が劣化しにくい。このように、本発明の塗装金属板は、太陽光や風雨に曝されても、長期間にわたり非粘着性を発揮することができる。
2.塗装金属板の製造方法
本発明の塗装金属板の製造方法は、特に限定されない。本発明の塗装金属板は、例えば、以下の方法で製造されうる。
本発明の塗装金属板の製造方法は、塗装原板を準備する第1工程と、上塗り塗膜を形成する第3工程とを有する。また、第1工程と、第3工程との間に下塗り塗膜を形成する第2工程を有していてもよい。
(1)塗装原板の準備
第1工程では、金属板として前述の塗装原板を準備する。塗装原板は、塗装される前に塗膜密着性を向上させるために脱脂されることが好ましい。脱脂方法は、特に限定されない。たとえば、ロールコート法や浸漬引き上げ法などで弱アルカリ性または中性の脱脂液を塗布すればよい。また、必要に応じて、酸洗やリン酸塩処理などにより、金属板表面の濡れ性を向上させてもよい。
また、塗装原板は、塗装される前に塗膜密着性を向上させるために化成処理されることが好ましい。化成処理は、例えばロールコート法やカーテンフロー法、浸漬引き上げ法などで化成処理液を塗装原板表面に塗布し、リンガーロールなどで絞った後、水洗することなく80〜200℃で乾燥すればよい。
(2)下塗り塗膜の形成
第2工程を行う場合には、塗装原板の表面(または化成処理皮膜の上)に下塗り塗膜を形成する。下塗り塗膜を形成するには、所定の耐熱性樹脂を含有する下塗り塗料を塗装原板(または化成処理皮膜)の表面に塗布し、焼き付ければよい。
下塗り塗料に配合する耐熱性樹脂としては、PES、PAIまたはこれらの組み合わせが使用される。下塗り塗料には、防錆顔料や着色顔料、鱗片状無機質添加材、無機質繊維などを添加してもよい。
下塗り塗料の溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドンやN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、メチルイソブチルケトンなどの非プロトン性極性溶剤;ジエチレングリコールジメチルエーテルやジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類;塩化メチレンや四塩化炭素などの脂肪族炭化水素の塩化物などが用いられる。これらの溶剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。また、これらの溶剤に、耐熱性樹脂の溶解性を低下させない範囲でキシレンなどの炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコールなどの溶剤を添加してもよい。
下塗り塗料の塗布方法は、特に限定されず、プレコート鋼板の製造に使用されている方法から適宜選択すればよい。そのような塗布方法の例には、ロールコート法、フローコート法、カーテンフロー法、スプレー法などが含まれる。下塗り塗料を塗装原板の表面に塗布した後、300〜400℃で30〜180秒間焼き付けることで、下塗り塗膜を形成することができる。
(3)上塗り塗膜の形成
第3工程では、塗装原板(または下塗り塗膜)の表面に上塗り塗膜を形成する。上塗り塗膜を形成するには、所定の四フッ化樹脂および耐熱性樹脂を含有する上塗り塗料を塗装原板(または下塗り塗膜)の表面に塗布し、焼き付ければよい。上塗り塗料に配合する四フッ化樹脂としては、PFA、PTFEまたはこれらの組み合わせが使用される。また、耐熱性樹脂としては、PES、PAIまたはこれらの組み合わせが使用される。四フッ化樹脂と耐熱性樹脂との配合割合は、25:75〜40:60の範囲内が好ましい。四フッ化樹脂の割合がこれよりも少ない場合、上塗り塗膜の表面におけるF/C比を1.0以上に調整しにくくなるおそれがある。一方、四フッ化樹脂の割合がこれよりも多い場合、上塗り塗料中の固形分の配合割合が過剰に高くなり、上塗り塗料の塗装性が悪くなるほか、コストが高くなるおそれがある。上塗り塗料には、着色顔料や鱗片状無機質添加材、無機質繊維などを添加してもよい。上塗り塗料の溶剤としては、下塗り塗料と同じ溶剤を使用することができる。上塗り塗料の溶剤は、下塗り塗料の溶剤と同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
上塗り塗料の塗布方法は、特に限定されず、下塗り塗料の塗布方法と同じでよい。上塗り塗料を塗布した後、350〜400℃で60〜300秒間焼き付けることで、上塗り塗膜を形成することができる。このとき、上塗り塗料中の四フッ化樹脂は、塗膜表面方向に移行しながら溶融し、耐熱性樹脂は塗装原板(または下塗り塗膜)の方向に移行する。したがって、塗膜表面に四フッ化樹脂層が形成され、その下に耐熱性樹脂層が形成される。
以上の手順により、本発明の塗装金属板を製造することができる。
3.ジョイナー
ジョイナーは、前述の塗装金属板を成形加工することで得られる。たとえば、塗装金属板は、上塗り塗膜が建物外装の施工後に目地部分に位置するように、ハット型に成形される。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
1.塗装金属板の作製
(1)金属板
塗装原板として、板厚が0.5mmの55%Al−Znめっき鋼板を準備した。
(2)化成処理皮膜
塗装原板の表面をアルカリ脱脂した後、湯洗および水洗して乾燥させた。次いで、脱脂した塗装原板の表面に、塗布型クロメート処理液(サーフコートNRC300;日本ペイント株式会社)を塗布し、到達板温100℃の条件で加熱して、全クロム換算付着量が40mg/mの化成処理皮膜を形成した。
(3)下塗り塗膜
溶剤(N−メチル−2−ピロリドン50%、メチルイソブチルケトン20%およびキシレン30%)に、耐熱性樹脂(PES(PES5003P;住友化学工業株式会社)またはPAI(HPC9000;日立化成工業株式会社))を添加して下塗り塗料を調製した。調製した下塗り塗料を化成処理皮膜の表面に塗布し、在炉時間90秒間、到達板温360℃の条件で加熱して、乾燥膜厚5μmの下塗り塗膜を必要に応じて形成した。
(4)上塗り塗膜
下塗り塗料と同じ溶剤に、下塗り塗料と同じ耐熱性樹脂またはポリエステル樹脂(NSC250HQ;日本ファインコーティングス株式会社)と、四フッ化樹脂(PFA(ネオフロンAP;ダイキン工業株式会社)またはPTFE(ルブロンL−2;ダイキン工業株式会社、KTL−2N;株式会社喜多村))と、必要に応じて着色顔料として酸化チタン(タイペークWHITE R−90−2;石原産業株式会社)とを添加して上塗り塗料を調製した。調製した上塗り塗料を化成処理皮膜または下塗り塗膜の表面に塗布し、在炉時間90秒、到達板温400℃の条件で加熱して、乾燥膜厚10μmの上塗り塗膜を形成した。
2.塗膜の評価
(1)塗膜表面におけるF/C比の測定
走査電子顕微鏡(S−3700;株式会社日立ハイテクノロジーズ)を用いて上塗り塗膜表面を観察し、エネルギー分散型X線分析装置(INCA X−ACT;オックスフォード・インストゥルメンツ株式会社)を用いて上塗り塗膜表面のF/C比を測定した。
(2)非接着性の評価
作製直後の塗装金属板と、屋外暴露後の塗装金属板とについて非接着性の評価を行った。作製した塗装金属板を、JIS Z 2381に準拠して、暴露角度を35度とし、設置方向を南向きにして、2週間屋外に暴露した。次いで、作製直後の塗装金属板と屋外暴露後の塗装金属板のそれぞれに対して、コーキング材用のプライマーを刷毛にて塗布し、常温にて30分間乾燥させた。そして、プライマーの表面にコーキング材を塗布し、常温にて1週間乾燥させた。乾燥させたコーキング材を塗装金属板から手で引き剥がし、容易に剥がれたものを「○」、剥がれなかったものを「×」と評価した。コーキング材は、1成分形変性シリコーン系コーキング材(SRシールS70;サンライズMSI株式会社)、変性シリコーン系コーキング材(FCH86;ニチハ株式会社)またはウレタン系コーキング材(FC700;ニチハ株式会社)を使用した。また、比較例として、市販の3面接着防止テープ(シーリング用ボンドブレーカーテープNo.710;ニチバン株式会社)を貼付した金属板についても同様の評価を行った。
(3)結果
各塗装金属板の塗膜の組成および非接着性の評価結果を表1および表2に示す。
Figure 2013188990
Figure 2013188990
表1および表2から、塗膜表面におけるF/C比が1.0未満の比較例1〜8の塗装金属板は、屋外に暴露しなくてもコーキング材と接着してしまった。上塗り塗膜を構成する耐熱性樹脂としてポリエステル樹脂を使用した比較例8および9の塗装金属板は、加熱温度が220℃では四フッ化樹脂が溶解せず(PFA融点305℃、PTFE融点327℃)、塗膜表面におけるF/C比を高めることができなかった。また、加熱温度を400℃にしてしまうと、ポリエステル樹脂の耐熱性が足りず、塗膜膨れが発生してしまった。また、従来技術の三面接着防止テープを貼り付けた比較例10の塗装金属板は、屋外に暴露する前はコーキング材の接着を抑制することができたが、暴露後はコーキング材と接着してしまった。一方、主として耐熱性樹脂および四フッ化樹脂からなり、かつ塗膜表面におけるF/C比が1.0以上の上塗り塗膜を形成した実施例1〜16の塗装金属板は、屋外への暴露の有無に関係なく、コーキング材と接着しなかった。
以上の結果から、本発明の塗装金属板は、屋外への暴露の有無に関わらず、コーキング材に対する非接着性に優れていることがわかる。
本発明の塗装金属板は、プレコート方式で製造することが可能であり、かつ太陽光に曝された場合であっても塗膜の非接着性を維持することができるため、例えば外装ボード間の目地部分に用いられるジョイナーとして有用である。

Claims (5)

  1. 金属板と、
    前記金属板の表面に形成され、四フッ化樹脂および耐熱性樹脂を含む第1塗膜と、を有し、
    前記第1塗膜の表面における炭素に対するフッ素の質量比が1.0以上である、
    塗装金属板。
  2. 前記四フッ化樹脂は、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載の塗装金属板。
  3. 前記耐熱性樹脂は、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載の塗装金属板。
  4. 前記金属板と前記第1塗膜の間に形成された、耐熱性樹脂を含む第2塗膜をさらに有し、
    前記第2塗膜に含まれる耐熱性樹脂は、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアミドイミド樹脂またはこれらの組み合わせである、
    請求項1に記載の塗装金属板。
  5. 請求項1に記載の塗装金属板を有する、ジョイナー。
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