JP2013188849A - 打込機 - Google Patents

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Abstract

【課題】位置センサーやブレーキを使用することなく、確実に釘、ピン等の止め具を装填可能な打込機を提供する。
【解決手段】駆動機構によって駆動されて釘20aを打撃するドライバブレードと、釘が供給されて射出される射出通路41が形成されたノーズ部40と、フィーダ機構80とを備える。フィーダ機構80は、フィードピストン16に一端が枢着されるコンロッド28と、その他端が枢着されるロータリーフィーダ26とを有していて、釘を射出通路41に供給するものであり、ロータリーフィーダ26には釘を送るための爪26bが設けられており、フィードピストン16の往復動がコンロッド28によりロータリーフィーダ26に伝達されると、ロータリーフィーダ26が回転して爪26bで釘を射出通路41に装填する。
【選択図】図2

Description

本発明は、木材等の被打込材に対して釘、ピン等の止め具をその軸方向に打ち込むための打込機に係り、とくに釘、ピン等の止め具を射出通路に装填する機構に関する。
図11に圧縮空気を動力源として釘等の止め具を打撃する従来の空気式打込機の一部断面図を示す。また図12から図16に図11のB−B断面図を示す。図11と図12は止め具としての釘を打撃する動作の開始直前の状態を示している、以下、構造と動作を説明する。
空気式打込機は、ハウジング10内にメインシリンダ4を固定した本体1と、本体1の下部に固定され、釘打ち込み時に木材等の被打込材(図示せず)に対して略垂直方向に位置するノーズ部40とから主に構成されている。メインシリンダ4はメインピストン3を内包する円筒状部材である。なお、以下では、メインシリンダ4内を摺動するメインピストン3の摺動方向であって、本体1からノーズ部40に向かう方向を下方向、その反対方向を上方向と呼ぶ。
ハウジング10は、上下方向に略垂直な向きのハンドル50を一体に有している。ハンドル50は、作業者により把持される部分である。ハンドル50の基部には、作業者によって操作されるトリガ8と、トリガ8によって作動されるトリガバルブ19が配設されている。トリガバルブ19は後述するメインバルブ7に連通して圧縮空気を送排気する切替弁である。図示しない圧縮機からの圧縮空気を蓄積するために、ハウジング10の内側に蓄圧室2が形成されている。蓄圧室2は、図示しないエアホースを介して圧縮機に接続される。
本体1は、ハウジング10の内部に、円筒状のメインシリンダ4と、シリンダ4内で上下に摺動(往復動)可能なメインピストン3と、ピストン3と一体に形成されたドライバブレード30とを備える。ハウジング10内において、シリンダ4の下部外周には、ピストン3を上死点に復帰させるための圧縮空気を貯める戻り室5が形成されている。シリンダ4の軸方向中央部には逆止弁12が備えられ、シリンダ4内からシリンダ4外の戻り室5への一方向にのみ圧縮空気の流入が許容されている。また、シリンダ4の下部には、戻り室5に常時開放されている戻し通路13が形成されている。
前記ノーズ部40の上部にはメインシリンダ4の下端面を閉鎖するテールカバー部14が一体に形成されており、テールカバー部14の上、つまりシリンダ4内の下端部であって、ピストン3の下死点付近には、ゴム等の弾性材料から形成されるバンパ6が設けられている。ピストン3に一体化されたドライバブレード30はバンパ6を貫通し、さらにテールカバー部14の貫通孔29を貫通してノーズ部40内側の射出通路41を下降可能である。ノーズ部40下端は釘を被打込材に向けて射出する射出口42となっている。
ノーズ部40の下端から下方に突出するように、プッシュレバー9がノーズ部40に対して昇降自在に設けられている。プッシュレバー9は下方に付勢されている。周知のごとく、トリガ8の引き操作と、プッシュレバー9の被打込材への押し当て操作との両方が行われた時に、トリガバルブ19が操作されて、メインバルブ7側に圧縮空気を送り込むように構成されている。メインバルブ7は、シリンダ4の上方位置に設けられたメインバルブ室18内を上下方向に可動であり、圧力を蓄える蓄圧室2とメインシリンダ4の内室との流路を開閉制御している。
ノーズ部40の側方には、図12から図16に示すフィーダ機構60が設けられており、このフィーダ機構60に、多数の釘を一定姿勢で針金、テープ等で連結した釘連結体を収納したマガジン70が装着されている。フィーダ機構60はマガジン70から釘連結体の供給を受けて釘を1本毎に射出通路41、つまりドライバブレード30の真下に供給するための機構であり、フィードシリンダ15、この内部を摺動するフィードピストン16、フィーダ17、ネイルガイド21、ネイルストッパ25等を有している。ネイルガイド21はマガジン70から引き出されたら釘連結体の供給路45に沿って配置され(例えばノーズ部40と一体に形成され)、ネイルストッパ25はネイルストッパ回転軸25aでネイルガイド21に枢着されている。ネイルストッパ25は図示しないスプリングによって左方向へ(供給路45に突出する向きに)付勢されている。
図示しない圧縮機からの圧縮空気は、図示しないエアホースを介して蓄圧室2に充填される。作業者がプッシュレバー9を被打込材に押し当て、且つトリガ8を操作すると、トリガバルブ19が開き、メインバルブ7が上方へ移動してメインシリンダ4と離れ、蓄圧室2とメインシリンダ4内室が連通する。同時にメインバルブ7の上部は本体内壁に接触してメインシリンダ4内室と膨張室11間を遮断する。蓄圧室2に蓄積されている圧縮空気はメインシリンダ4内のメインピストン3上室に流入し、メインピストン3を押し下げ釘(図では一番目の釘20a)を被打込材に打ち込む動作を開始する。
メインピストン3の下降に伴い、メインピストン3下室で圧縮された空気はメインシリンダ4中間に設置した逆止弁12及びメインシリンダ4下方に形成した戻し通路13を通って戻り室5に充填される。さらに、メインピストン3が下降して逆止弁12を通過すると、メインピストン3を押し下げているメインピストン3上室の高圧空気が逆止弁12から戻り室5に充填される。同時に戻り室5に充填された空気の一部はフィードシリンダ15のフィードピストン16の上室に流入し、フィードピストン16の下室に設置されたフィードスプリング23の弾性力に抗してフィードピストン16を押し下げる。フィードピストン16の一端にはフィーダアーム22が結合されており、フィーダアーム22にはフィーダ17がピン17aで枢着(回転自在に連結)されている。フィーダアーム22とフィーダ17間にはフィーダスプリング24が圧縮して設置してあるため、フィーダ17は右回転方向に付勢され、フィーダ17の一部がノーズ部40に接触することで回転位置は規制されている。
図13に示すようにフィードピストン16が下降すると、フィーダ17は二番目の釘20bに接触するが、釘はネイルストッパ25によって後退方向(図13における下方向)への動作は拘束されているから、フィーダ17は接触面の傾きに従い回転し、二番目の釘20を乗り越える。この時、フィードピストン16の速度が早いため、図14に示すようにフィーダ17は釘を乗り越えるだけに留まらず、さらに回転しながらフィードピストン16が下死点となるまで移動する。
打ち込みの反動により本体1が上昇するとプッシュレバー9がトリガバルブ19をオフ(OFF)する構造となっており、あるいは作業者がトリガ8を離してトリガバルブ19をオフとすると、メインバルブ7が下方へ移動し初期位置に復帰する。メインバルブ7はメインシリンダ4と接触し、蓄圧室2とメインシリンダ4内室を遮断すると共に、メインバルブ7の上部は本体内壁と離れ、メインシリンダ4内室と膨張室11が連通する。よってメインピストン3上室の圧縮空気は、膨張室11を通過して本体外へと排出される。メインピストン3は戻り室5の圧縮空気により上方へ移動し初期位置に復帰する。
戻り室5とフィードシリンダ15内のフィードピストン16上室は連通しているので、同時にフィードピストン16上室の圧力も低下し、フィードピストン16は下方に設置してあるフィードスプリング23の弾性力により初期位置へ復帰を開始する。図15に示すようにフィーダ17は上方へ移動しながら初期角度へ回転復帰し、二番目の釘20bを押し前進させて(図においては押し上げて)射出通路41へ装填する。
上記は一般的な打込機の打込挙動であり、フィーダ17はフィードピストン16の往復運動に連動した往復動作(多少の回転運動を伴っている)を行うものである。一方、フィーダの回転によって釘を装填する構成を示すものとして下記特許文献1が提案されている。
特開2005−288607号公報
特許文献1記載の打込機においては、燃焼式釘打機であるため、着火させるための電源を有している。電源により釘装填用のモータを駆動し、センサーで位置を感知してモータにブレーキをかけ釘を装填する。特許文献1記載の構造は電源を有することで可能となる構造である。
図11に示した従来構造の打込機において重要なのはフィードピストン16の上方への移動に対する、回転したフィーダ17がフィーダスプリング24によって初期位置へ復帰するタイミングである。具体的にはフィーダ17が上昇して二番目の釘20bを通過する前に、フィーダ17は初期位置に復帰していなければならない。図15は正常時の動作を示した図で、フィーダ17が二番目の釘20bの下で初期位置に復帰しており、このままフィーダ17が前進することで、二番目の釘20bを射出通路41へ装填することが可能である。図16は異常時の動作を示した図で、フィーダ17が前進して二番目の釘20bを通過しても、未だ初期値へ復帰していない。このままフィーダ17が前進すれば、二番目の釘20bを射出通路41へ装填出来ず、打込不良となるおそれがある。
以上述べたように、従来構造の打込機においては、フィーダ17は初期位置に復帰するタイミングによっては釘が安定して装填されず、打込不良となる問題があった。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、位置センサーやブレーキを使用することなく、確実に釘、ピン等の止め具を装填可能な打込機を提供することにある。
本発明のある態様は打込機であり、本体に設けられた駆動機構によって駆動されて止め具を打撃するドライバブレードと、
前記ドライバブレードを案内するとともに、前記止め具が供給されて射出される射出通路が形成されたノーズ部と、
往復駆動体と、前記往復駆動体に一端が枢着されるコンロッドと、前記コンロッドの他端が枢着されるロータリーフィーダとを有していて、前記止め具を前記射出通路に供給するフィーダ機構とを備え、
前記ロータリーフィーダには前記止め具を送るための爪が設けられており、前記往復駆動体の往復動が前記コンロッドにより前記ロータリーフィーダに伝達されると、前記ロータリーフィーダが一方向に回転して前記爪が前記止め具を前記射出通路に装填することを特徴とする。
前記態様において、前記ロータリーフィーダは外周に1個の前記爪を有しており、1回転する毎に1個の止め具を前記射出通路に装填する構成であるとよい。
前記態様において、前記ロータリーフィーダの回転中心となる支軸は前記本体又はノーズ部に設けた長円状の溝又は孔に係合しており、前記爪の先端軌跡は、装填後の止め具から離れた後において次の止め具が前記先端軌跡内に入り、前記次の止め具よりも後方の止め具は前記先端軌跡内に入らないように設定されているとよい。
前記態様において、前記長円状の溝又は孔の長円の向きは前記往復駆動体の往復運動の向きに対して傾斜しており、前記ドライバブレードが前記射出通路に位置する最先の止め具を打撃する前は、前記ロータリーフィーダの回転中心となる支軸が、前記往復駆動体から最も離れた前記長円状の溝又は孔の位置でかつ前記射出通路からも離れる位置にあり、前記爪は前記射出通路の直前で前記最先の止め具を脱落しないように押さえる構成であるとよい。
前記態様において、前記ドライバブレードが前記射出通路を通過する時点では、前記爪は前記ドライバブレードを退避した位置に移動しているとよい。
前記態様において、前記往復駆動体はフィードシリンダ内を往復動可能なフィードピストンであり、前記コンロッドの一端が前記フィードピストンに枢着されているとよい。
前記態様において、前記駆動機構は、圧縮空気を蓄える蓄圧室と、メインシリンダと、前記メインシリンダ内を往復動可能で前記ドライバブレードが一体化されたメインピストンと、トリガの操作により動作して前記蓄圧室と前記メインシリンダ間の連通を制御するメインバルブと、前記メインピストンを上死点に復帰させるための圧力を蓄える戻り室とを有する構成であるとよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明に係る打込機によれば、一方向に回転するロータリーフィーダの爪で釘、ピン等の止め具を射出通路に装填するのであるが、最先の止め具をドライバブレードが打撃する前の初期状態でのロータリフィーダの回転角度位置が一定に保たれ、止め具を安定、確実に装填することができる。また、位置センサーやブレーキを付加する必要もない。
本発明に係る打込機の実施の形態の全体構成であって、一部を断面とした側面図。 図1のA−A断面図。 図2からフィードピストンが2mm下降した状態のA−A断面図。 図3からフィードピストンが2mm下降した状態のA−A断面図。 フィードピストンが下死点に到達直後のA−A断面図。 図5からロータリーフィーダが慣性力により左回転した状態のA−A断面図。 図6からフィードピストンが2mm上昇した状態のA−A断面図。 フィードピストン上死点まで2mmの位置まで上昇した状態のA−A断面図。 初期位置に復帰した状態のA−A断面図。 実施の形態において、フィーダ機構を断面としたノーズ部の部分断面図。 従来の打込機の一部を断面とした側面図。 図11のB−B断面図。 フィーダが二番目の釘を乗り越える状態のB−B断面図。 フィードピストンが下死点に到達した直後のB−B断面図。 正常にフィーダが釘を装填する状態のB−B断面図。 フィーダの異常な挙動により釘を装填できない状態のB−B断面図。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は圧縮空気を動力源として釘、ピン等の止め具を打撃する空気式打込機の一部断面図を、図2から図9は図1のA−A断面図を、図10はフィーダ機構を断面としたノーズ部の部分断面図(但し、図1の背面側から見た図)をそれぞれ示す。図1と図2は止め具としての釘を打撃する動作の開始直前の状態を示している。本実施の形態では、フィーダ機構80が図11の従来例とは異なるが、それ以外は図11の従来例と同じであるため、以下フィーダ機構80について詳述する。
本体1の下部に固着されたノーズ部40の側方部には、図2から図10に示すフィーダ機構80が設けられており、このフィーダ機構80に、多数の釘を一定姿勢で針金、テープ等で連結した釘連結体を収納したマガジン70が装着されている。フィーダ機構80はマガジン70から釘連結体の供給を受けて釘を1本毎に射出通路41、つまりドライバブレード30の真下に供給するための機構であり、フィードシリンダ15、この内部を摺動する往復駆動体としてのフィードピストン16、ネイルガイド21、ネイルストッパ25、ロータリーフィーダ26、及びコンロッド28等を有している。
フィードピストン16の先端にはコンロッド28の一端がピンで枢着(回転自在に連結)してあり、コンロッド28の他端はロータリーフィーダ26の回転中心となる支軸26aから偏心した部位にピンで枢着してある。ロータリーフィーダ26の支軸26aは、ノーズ部40に設けた長円状の溝40aに係合している。これらはフィードピストン16の往復動をロータリーフィーダ26の回転運動に変換するクランク機構をなしている。待機状態ではフィードピストン16はフィードスプリング23によって上死点に付勢されている。またこの時、ロータリーフィーダ26の爪26bが射出通路41の釘(一番目の釘20a)を支持する位置となるように構成してある。ロータリーフィーダ26の支軸26aはノーズ部40に設けた長円状の溝40aに遊びを持たせて係合しており、溝内で移動可能である。長円状の溝40aは図2の紙面においてフィードピストン16の軸方向に対して僅かに傾斜している(上端が僅かに左向き)。待機状態ではロータリーフィーダ26の支軸26aはコンロッド28により長円上の溝40aの左上方向に突き当てられている。つまり、支軸26aは、フィードピストン16から最も離れた長円状の溝40aの位置でかつ射出通路41からも離れる位置となる。後述するが、ロータリーフィーダ26の爪26b先端の軌跡27は図2から図9において2点鎖線で示す。
ネイルガイド21はマガジン70から引き出されたら釘連結体の供給路45に沿って配置され(例えばノーズ部40と一体に形成され)、ネイルストッパ25はネイルストッパ回転軸25aでネイルガイド21に枢着されている。ネイルストッパ25は図示しないスプリングによって左方向へ(供給路45に突出する向きに)付勢されている。
作業者が本体1を木材等の被打込材に押し当て(プッシュレバー9を作動させ)、トリガ8を引くとメインバルブ7が開となり、メインピストン3が下降して射出通路41に装填されていた釘20aを打ち込む。ほぼ同時にメインピストン3下室及びメインシリンダ4中間に設置した逆止弁12から、戻り室5へ圧縮空気が充填され、同様にフィードピストン16上室にも圧縮空気が充填される。そのためフィードピストン16はフィードスプリング23の弾性力に抗して下降する。フィードピストン16を押し下げる力は、コンロッド27を経由してロータリーフィーダ26に伝達される。ロータリーフィーダ26の支軸26aが長円状の溝40aを図2の下方に向けて移動し終わって突き当たると、ロータリーフィーダ26は左回転を開始し、フィードピストン16が下死点となるまで回転する。
図3は、トリガ8を引いてメインバルブ7が開となってから、フィードピストン16上室に圧縮空気が流入して、フィードピストン16が下方に2mm移動した状態を示している。フィードピストン16が下方へ移動するとコンロッド28を通じてロータリーフィーダ26を図3の下方へ引き下げる力が作用する。ここで下方へ働く分力はロータリーフィーダ26を左方向へ回転させる分力よりも大きいから、最初にロータリーフィーダ26の支軸26aはノーズ部40に設けた長円状の溝40aに沿って右下方向へ長円状の溝40aの内周面に突き当たるまで移動する。この時、ドライバブレード30は図3における紙面垂直手前方向に移動しているから、軸26a中心が右下方向へ移動することによってロータリーフィーダ26の爪26bは軌跡27のようにドライバブレード30を迂回する。その後ロータリーフィーダ26に作用する回転方向の分力によって、ロータリーフィーダ26は左回転する。
図4は図3よりさらにフィードピストン16が2mm下降した状態を示しており、コンロッド28を通じてロータリーフィーダ26は左回転中である。
図5はフィードピストン16が下死点に到達した状態を示している。
作業者がトリガ8を離すかまたはプッシュレバー9が被打込材から離れることによりメインバルブ7が閉となるとメインピストン3が初期位置へと復帰を開始し、ほぼ同時にフィードピストン16上室の圧力も低下するから、フィードピストン16も初期値へと上昇を開始する。フィードピストン16を押し上げる力は、コンロッド28を経由してロータリーフィーダ26に伝達される。ロータリーフィーダ26の支軸26aは長円状の溝40aに沿って初期値へと移動し、その後フィードピストン16の上昇とともに左回転する。
図6は図5の直後を示した図であり、ロータリーフィーダ26は慣性力により回転しようとするからロータリーフィーダ26の支軸26aはノーズ部40に設けた長円状の溝40aに沿って左上方向へ長円状の溝40aの内周面に突き当たるまで移動し、コンロッド28は垂直状態となる。
図7は図6の下死点からフィードピストン16が2mm上昇した状態を示しており、コンロッド28を通じてロータリーフィーダ26は左回転中である。
図8は図7からさらにフィードピストン16が上昇し、初期値である上死点まであと2mmまでに位置した状態を示している。釘連結体の供給路45は二番目の釘20bがロータリーフィーダ26の爪26bの軌道内に入るようにロータリーフィーダ26に近づく向きに曲がっている。このため、ロータリーフィーダ26の爪26bの軌道上に二番目の釘20bが待機しているから、ロータリーフィーダ26の回転により二番目の釘20bが図9のように射出通路41に装填される。
図9は初期値である上死点に復帰した状態を示しており、ロータリーフィーダ26の爪26bが釘連結体における二番目の釘20bを前進方向に押して脱落しないように押さえ(図9において上方に押し上げ)、射出通路41に装填した状態である。このとき針金やテープ等で連結された三番目の釘20cはネイルストッパ25に架かるが、ネイルストッパ回転軸25aを中心に右方向へ回転可能にしてあるため、三番目の釘20cはネイルストッパ25を右方向へ押しながら乗り越えて移動する。なおネイルストッパ25は図示しないスプリングによって左方向へ付勢されているから、三番目の釘20cが通過後、初期位置へと復帰する。以上が実施の形態における一連の動作である。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) 従来構造の打込機においては供給圧力の設定や被打込材の硬さの程度によってフィーダの挙動が不安定となることで、釘が安定して装填されないといった問題があったが、本実施の形態によれば、フィードピストン16の動作速度、タイミングにかかわらずロータリーフィーダ26は確実に一回転して、爪26bにより最先の釘(一番目の釘20a)を射出通路41に装填することができる。また、フィードピストン16の初期値である上死点でロータリーフィーダ26の初期回転角度が固定される。よって釘を安定、確実に装填することができる。
(2) ロータリーフィーダ26の回転中心となる支軸26aをノーズ部40に設けた長円状の溝40a(フィードピストン16の往復動の方向に対して傾斜している)に係合させて支持することで、爪26bの先端軌跡を単純な真円とは異なる軌跡とすることができ、爪26bが装填された一番目の止め具20aから離れた後において、次の二番目の止め具20bが先端軌跡内に入り、三番目の止め具20c以降は前記先端軌跡内に入らないように設定可能である。
(3) 圧縮空気のみで駆動することができ、モータやセンサー、ブレーキ等の付加装置が不要である。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
実施の形態で例示した前記長円状の溝40aの代わりに同様の長円状の孔をノーズ部40に設けてもよい。また、前記長円状の溝又は孔は本体1に延長部分を形成して、その延長部分に設けても差し支えない。
本発明の実施の形態では圧縮空気を動力源とする空気式打込機を例示したが、ガス駆動式や電気式打込機にも本発明は適用可能である。
1 本体
2 蓄圧室
3 メインピストン
4 メインシリンダ
5 戻り室
6 バンパ
7 メインバルブ
8 トリガ
9 プッシュレバー
10 ハウジング
11 膨張室
12 逆止弁
13 戻し通路
14 テールカバー部
15 フィードシリンダ
16 フィードピストン
17 フィーダ
18 メインバルブ室
19 トリガバルブ
20a,20b,20c 釘
21 ネイルガイド
22 フィーダアーム
23 フィードスプリング
24 フィーダスプリング
25 ネイルストッパ
25a ネイルストッパ回転軸
26 ロータリーフィーダ
26a 支軸
26b 爪
27 爪26a先端の軌跡
28 コンロッド
29 貫通孔
30 ドライバブレード
40 ノーズ部
40a 長円状の溝
41 射出通路
42 射出口
50 ハンドル
60,80 フィーダ機構
70 マガジン

Claims (7)

  1. 本体に設けられた駆動機構によって駆動されて止め具を打撃するドライバブレードと、
    前記ドライバブレードを案内するとともに、前記止め具が供給されて射出される射出通路が形成されたノーズ部と、
    往復駆動体と、前記往復駆動体に一端が枢着されるコンロッドと、前記コンロッドの他端が枢着されるロータリーフィーダとを有していて、前記止め具を前記射出通路に供給するフィーダ機構とを備え、
    前記ロータリーフィーダには前記止め具を送るための爪が設けられており、前記往復駆動体の往復動が前記コンロッドにより前記ロータリーフィーダに伝達されると、前記ロータリーフィーダが一方向に回転して前記爪が前記止め具を前記射出通路に装填することを特徴とする打込機。
  2. 前記ロータリーフィーダは外周に1個の前記爪を有しており、1回転する毎に1個の止め具を前記射出通路に装填する、請求項1に記載の打込機。
  3. 前記ロータリーフィーダの回転中心となる支軸は前記本体又はノーズ部に設けた長円状の溝又は孔に係合しており、前記爪の先端軌跡は、装填後の止め具から離れた後において次の止め具が前記先端軌跡内に入り、前記次の止め具よりも後方の止め具は前記先端軌跡内に入らないように設定されている、請求項1又は2に記載の打込機。
  4. 前記長円状の溝又は孔の長円の向きは前記往復駆動体の往復運動の向きに対して傾斜しており、前記ドライバブレードが前記射出通路に位置する最先の止め具を打撃する前は、前記ロータリーフィーダの回転中心となる支軸が、前記往復駆動体から最も離れた前記長円状の溝又は孔の位置でかつ前記射出通路からも離れる位置にあり、前記爪は前記射出通路の直前で前記最先の止め具を脱落しないように押さえる、請求項3に記載の打込機。
  5. 前記ドライバブレードが前記射出通路を通過する時点では、前記爪は前記ドライバブレードを退避した位置に移動している、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の打込機。
  6. 前記往復駆動体はフィードシリンダ内を往復動可能なフィードピストンであり、前記コンロッドの一端が前記フィードピストンに枢着されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の打込機。
  7. 前記駆動機構は、圧縮空気を蓄える蓄圧室と、メインシリンダと、前記メインシリンダ内を往復動可能で前記ドライバブレードが一体化されたメインピストンと、トリガの操作により動作して前記蓄圧室と前記メインシリンダ間の連通を制御するメインバルブと、前記メインピストンを上死点に復帰させるための圧力を蓄える戻り室とを有する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の打込機。
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