JP2013188810A - 立型旋削装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】立型旋削装置において、ワークテーブルを下から支持する支持装置の不均一な熱膨張に起因するワークの加工精度の低下を抑制する。
【解決手段】立旋盤は、支持装置4を冷却するための油を吐出するテーブル冷却装置10及びベアリング冷却装置12aを備え、テーブル冷却装置10は、ワークの回転軸を中心とした周方向における複数の異なる位置で油を吐出する複数組の内側ノズル46及び複数の外側ノズル48と、その各組の内側ノズル46及び各外側ノズル48から吐出される油の流量を個別に変化させるための流量調整弁16とを有し、ベアリング冷却装置12aは、前記周方向における複数の異なる位置で油を吐出する複数組のベアリング冷却ノズル54と、その各組のベアリング冷却ノズル54から吐出される油の流量を個別に変化させるための流量調整弁16とを有する。
【選択図】図2
【解決手段】立旋盤は、支持装置4を冷却するための油を吐出するテーブル冷却装置10及びベアリング冷却装置12aを備え、テーブル冷却装置10は、ワークの回転軸を中心とした周方向における複数の異なる位置で油を吐出する複数組の内側ノズル46及び複数の外側ノズル48と、その各組の内側ノズル46及び各外側ノズル48から吐出される油の流量を個別に変化させるための流量調整弁16とを有し、ベアリング冷却装置12aは、前記周方向における複数の異なる位置で油を吐出する複数組のベアリング冷却ノズル54と、その各組のベアリング冷却ノズル54から吐出される油の流量を個別に変化させるための流量調整弁16とを有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、立型旋削装置に関するものである。
従来、被加工物であるワークを上下方向に延びる縦軸回りに回転させながらそのワークの旋削加工を行う立型旋削装置が知られており、下記特許文献1には、このような立型旋削装置の一例としての立旋盤が開示されている。
特許文献1に開示された立旋盤は、ワークを縦軸回りに回転させるワーク回転装置と、そのワーク回転装置によって回転させられているワークを切削加工する切削装置とを備えている。ワーク回転装置は、ワークを下から支持するワークテーブルと、そのワークテーブルの下方に配置され、そのワークテーブルを下から支持するベッドと、ワークテーブルの下面とベッドの上面との間に介装され、ベッドに対するワークテーブルの回転を許容するベアリングテーブル受けとを備えている。ワークテーブルの下部には、当該ワークテーブルの回転中心と同心となるように配置されたリングギアが設けられている。ベッドのうちワークテーブルの側方の位置には、ワークテーブルを回転させるための駆動装置が設置されている。この駆動装置は、駆動モータと、その駆動モータが出力する動力をワークテーブルに伝達して当該ワークテーブルを回転させるための複数のギア及び回転軸からなる伝達機構とを備えている。伝達機構のうち動力の伝達経路の最下流に位置するギアは、ワークテーブルの周方向における特定箇所で前記リングギアに噛み合っている。ベアリングテーブル受けの内側の近傍の位置には、ベアリングテーブル受けに向かって油を吐出する油管が設けられており、この油管から吐出される油によりベアリングテーブル受けが冷却されるとともに潤滑されるようになっている。
ところで、上記のような立旋盤では、前記伝達機構においてギア及び回転軸が回転するのに伴って熱が発生し、その熱によってベッドのうち伝達機構に近い部位の温度が伝達機構から遠い部位の温度に比べて上昇する。その結果、ベッドのうち伝達機構に近い部位の熱膨張が大きくなり、ワークテーブルの回転時にワークテーブルの周縁部が伝達機構に近い側において上方へ変位するようになる。このため、ワークテーブルが水平姿勢から振れながら回転することになり、ワークの加工精度が低下するという問題が生じる。また、ベッドは、ワークテーブルの回転軸を中心とした周方向において均一な構造となっておらず、このことに起因してベッドの熱膨張量が前記周方向における各位置で均一にならない。このことも、回転するワークテーブルに水平姿勢からの振れが生じてワークの加工精度が低下する要因となる。
この発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、立型旋削装置において、ワークテーブルを下から支持する支持装置の不均一な熱膨張に起因するワークの加工精度の低下を抑制することである。
上記目的を達成するために、本発明による立型旋削装置は、ワークを上下方向に延びる回転軸回りに回転させながら旋削加工する立型旋削装置であって、前記ワークを下から支持するワークテーブルと、前記ワークテーブルの下方に配置され、前記ワークテーブルが前記回転軸回りに回転自在となるように当該ワークテーブルを下から支持する支持装置と、前記ワークテーブルを回転させてそのワークテーブル上の前記ワークを前記回転軸回りに回転させる駆動装置と、前記回転軸回りに回転しているワークを切削加工する切削装置と、前記支持装置を冷却するための油を吐出する吐出装置とを備え、前記吐出装置は、前記回転軸を中心とした周方向における複数の異なる位置で油を吐出する複数の吐出部と、前記各吐出部から吐出される油の流量を個別に変化させるための流量調節器とを有する。
この立型旋削装置では、ワークの回転軸を中心とした周方向における複数の異なる位置で冷却用の油を吐出する各吐出部の油の吐出流量を流量調節器によって個別に変化させることができるため、前記周方向における特定箇所において支持装置の熱膨張量が他の箇所での熱膨張量よりも大きくなってその特定箇所でワークテーブルの周縁部が上方へ変位する場合でも、その特定箇所付近で油を吐出する吐出部の油の吐出流量を増加させて当該特定箇所付近における支持装置の冷却を強くすることによりその特定箇所での支持装置の熱膨張を低減させてワークテーブルの周縁部の上方への変位を減少させることができる。その結果、この立型旋削装置では、支持装置の不均一な熱膨張に起因するワークテーブルの回転時の水平姿勢からの振れを低減することができ、ワークの加工精度の低下を抑制することができる。
上記立型旋削装置において、回転する前記ワークテーブルの周縁部が上方へ変位する量を推定するための指標となる指標値を検出する検出装置と、前記検出装置によって検出された前記指標値に基づいて前記ワークテーブルの回転時にそのワークテーブルの周縁部が上方へ変位する箇所である変位箇所を特定し、前記複数の吐出部のうち特定した前記変位箇所に対応する位置で油を吐出する前記吐出部の油の吐出流量が多くなるように前記流量調節器に対してその吐出部の油の吐出流量を指示する制御装置とをさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、制御装置が前記変位箇所における支持装置の熱膨張を減少させるための吐出部の油の吐出流量の調整を自動的に行うので、例えば流量調節器を手動操作して吐出部の油の吐出流量の調整を行うような煩雑な調整作業を回避することができる。
この場合において、前記制御装置は、前記検出装置によって検出された前記指標値の大きさに応じた油の吐出流量を導出し、その導出した吐出流量を前記変位箇所に対応する前記吐出部の油の吐出流量として前記流量調節器に指示することが好ましい。
この構成によれば、前記変位箇所におけるワークテーブルの周縁部の上方への変位の大きさに応じた適切な流量の油でその変位箇所において支持装置を冷却して熱膨張を減少させることができる。このため、前記変位箇所における支持装置の冷却のための油の吐出流量の過不足が生じるのを防ぐことができる。
さらにこの場合において、前記検出装置は、前記支持装置のうち前記周方向に間隔を置いた複数の異なる箇所に設けられて前記複数の吐出部と対応付けられ、その設けられた各箇所の温度を前記指標値としてそれぞれ検出する複数の温度センサを有し、前記制御装置は、特定の基準温度を設定してその基準温度に対する前記各温度センサの検出温度の温度差を算出し、その算出した温度差の大きさに応じて前記各温度センサと対応する前記吐出部の油の吐出流量を導出してもよい。
この構成によれば、前記周方向における支持装置の各箇所のうち熱膨張が大きい箇所をその箇所の検出温度から直接特定して、その箇所の温度の高低に応じた適切な流量の油で当該箇所を冷却することができる。このため、前記周方向における支持装置の各箇所の熱膨張量の不均一さを的確に低減することができる。
さらにこの場合において、前記検出装置は、前記複数の吐出部と対応付けられ、前記周方向に間隔を置いた複数の異なる位置において前記ワークテーブルの周縁部の上方への変位量を前記指標値としてそれぞれ検出する複数の変位センサを有し、前記制御装置は、前記複数の変位センサによって検出された複数の変位量の最大値と最小値との差が特定の範囲を超えている場合には、前記基準温度をより低い温度に再設定し、その再設定した基準温度に対する前記各温度センサの検出温度の温度差を算出し、その算出した温度差の大きさに応じて前記各温度センサと対応する前記各吐出部の油の吐出流量を導出し直すことが好ましい。
この構成によれば、複数の変位センサによって検出された複数の変位量の最大値と最小値との差が特定の範囲を超えている場合には、支持装置の温度がより低い基準温度に近づくように油による支持装置の冷却の強さを調節することができる。このため、前記周方向における支持装置の各箇所の熱膨張をより減少させるとともにそれら各箇所の熱膨張量の差をより減少させることができ、ワークテーブルの回転時の水平姿勢からの振れをより抑制することができる。
上記制御装置が、検出装置によって検出された指標値の大きさに応じた油の吐出流量を導出し、その導出した吐出流量を変位箇所に対応する吐出部の油の吐出流量として流量調節器に指示する構成において、前記検出装置は、前記複数の吐出部と対応付けられ、前記周方向に間隔を置いた複数の異なる位置において前記ワークテーブルの周縁部の上方への変位量を前記指標値としてそれぞれ検出する複数の変位センサを有し、前記制御装置は、前記各変位センサによって検出された変位量の大きさに応じて前記各変位センサと対応する前記各吐出部の油の吐出流量を導出してもよい。
この構成によれば、前記周方向における支持装置の各箇所の熱膨張を減少させるための油による冷却の強さを、ワークテーブルの周縁部の上方への変位量の大きさに応じて調節することができる。このため、例えば、支持装置に加えられる熱が前記周方向における各箇所で均一であるにもかかわらず、支持装置の構造の不均一さに起因して支持装置の周方向の各箇所における熱膨張量が不均一になっている場合でも、その各箇所における熱膨張量の不均一さを低減してワークテーブルの回転時の水平姿勢からの振れを抑制することができる。
上記立型旋削装置において、前記駆動装置は、前記周方向における特定箇所に設けられ、前記ワークテーブルを回転させるための動力を前記ワークテーブルに伝達するギアボックスを有し、前記検出装置は、前記ギアボックスが設けられた箇所において前記指標値を検出することが好ましい。
この構成によれば、ギアボックスからの発熱によって支持装置のうちギアボックス側の部位が熱膨張した場合でも、その部位における油による冷却を強めて当該部位の熱膨張を低減させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、立型旋削装置において、ワークテーブルを下から支持する支持装置の不均一な熱膨張に起因するワークの加工精度の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本発明の立型旋削装置の一実施形態による立旋盤の全体構成について説明する。
本実施形態による立旋盤は、被加工物であるワークを上下方向に延びる回転軸回りに回転させながら旋削加工するものである。この立旋盤は、ワークテーブル2と、支持装置4と、駆動装置6と、切削装置8と、テーブル冷却装置10と、支持装置冷却装置12と、検出装置14と、複数の流量調整弁16と、制御装置18とを備えている。
ワークテーブル2は、ワークを下から支持するものであり、上下方向に延びる回転軸回りに回転自在となっている。具体的には、ワークテーブル2は、ワークが載置されるテーブル本体2aと、そのテーブル本体2aの下端部に設けられたリングギア2bとを有する。テーブル本体2aは、上方から見てワークテーブル2の回転軸を中心とした円形に形成されており、その上面が水平面となるように設けられている。テーブル本体2aは、支持装置4の後述するベアリング24によってその中心軸(前記回転軸)回りに回転自在となるように支持されている。テーブル本体2aは、その下面から下方に突出し、ワークテーブル2の回転軸と同心となるように配置された円環状の上側取付部2cを有する。この上側取付部2cは、後述するベアリング24の上リング24aと締結される部分である。リングギア2bは、駆動装置6からワークテーブル2を回転させるための動力(回転力)が伝達されるものである。このリングギア2bは、上側取付部2cの径方向外側においてその上側取付部2cの周りを囲むようにテーブル本体2aの下面に取り付けられており、テーブル本体2aの軸心と同心となるように配置されている。
支持装置4は、ワークテーブル2の下方に配置されている。この支持装置4は、ワークテーブル2がその回転軸回りに回転自在となるように当該ワークテーブル2を下から支持する。支持装置4は、支持台22と、ベアリング24とを有する。
支持台22は、支持装置4のベースとなるものであり、所定の設置面(床面)上に設置されている。この支持台22には、図2に示すように、下側取付部22aと、内側貯留溝22bと、外側貯留溝22cと、リングギア収容溝22dと、4つの内側堰部22eと、4つの外側堰部22fと、2つの冷却油排出口22gと、ギア噛合空間22hとが形成されている。
下側取付部22a(図3参照)は、ベアリング24の後述する下リング24bと締結される部分である。この下側取付部22aは、ワークテーブル2の回転軸と同心となるように配置された円環状に形成されており、支持台22の上面から突出している。
内側貯留溝22bは、下側取付部22aの内周面に沿って下側取付部22aの周方向に延びるように支持台22の上面に形成された溝であり、その内部に冷却用の油を貯留するものである。内側貯留溝22bは、図2に示すように、下側取付部22aの周方向において約半周ずつの範囲に亘る内側貯留溝一側領域22jと内側貯留溝他側領域22kからなり、内側貯留溝一側領域22jの一端と内側貯留溝他側領域22kの対応する一端とがそれらの間に設けられた一方の冷却油排出口22gを挟んで向き合っているとともに、内側貯留溝一側領域22jの他端と内側貯留溝他側領域22kの対応する他端とがそれらの間に設けられたもう一方の冷却油排出口22gを挟んで向き合っている。
外側貯留溝22cは、下側取付部22aの外周面に沿って下側取付部22aの周方向に延びるように支持台22の上面に形成された溝であり、その内部に冷却用の油を貯留するものである。外側貯留溝22cは、下側取付部22aの周方向において約半周ずつの範囲に亘る外側貯留溝一側領域22mと外側貯留溝他側領域22nからなり、外側貯留溝一側領域22mの一端と外側貯留溝他側領域22nの対応する一端とがそれらの間に設けられた一方の冷却油排出口22gを挟んで向き合っているとともに、外側貯留溝一側領域22mの他端と外側貯留溝他側領域22nの対応する他端とがそれらの間に設けられたもう一方の冷却油排出口22gを挟んで向き合っている。
リングギア収容溝22dは、支持台22の上面のうち外側貯留溝22cの外側を囲むとともに下側取付部22aと同心となるように配置された円環状の溝である。リングギア収容溝22dは、その内部に前記リングギア2bを収容し(図3及び図4参照)、リングギア2bがテーブル本体2aとともに前記回転軸回りに回転するのを許容する。
内側堰部22eは、内側貯留溝一側領域22jの各端部の位置と内側貯留溝他側領域22kの各端部の位置とにそれぞれ設けられており、それら各領域22j,22kの各端部を塞いでいる。外側堰部22fは、外側貯留溝一側領域22mの各端部の位置と外側貯留溝他側領域22nの各端部の位置とにそれぞれ設けられており、それら各領域22m,22nの各端部を塞いでいる。
2つの冷却油排出口22gは、内側貯留溝一側領域22j及び内側貯留溝他側領域22kから内側堰部22eを乗り越えて当該冷却油排出口22gに流れ込んだ油と、外側貯留溝一側領域22m及び外側貯留溝他側領域22nから外側堰部22fを乗り越えて当該冷却排出口22gに流れ込んだ油を支持台22の外部へ排出するものである。各冷却油排出口22gには、排出管28がそれぞれ接続されており、各冷却油排出口22gに流れ込んだ油は、その冷却油排出口22gに接続された排出管28を通じてタンクTに回収されるようになっている。
ギア噛合空間22hは、前記リングギア2bと後述のギアボックス6bのギア6cとを噛合させるための空間である。このギア噛合空間22hは、リングギア収容溝22dの周方向において前記2つの冷却油排出口22gの間の位置に設けられている。ギア噛合空間22hは、支持台22においてリングギア収容溝22dの底部から当該支持台22の外側面に貫通しており、ギアボックス6b内の空間と連通している。
ベアリング24は、支持台22に対するワークテーブル2の回転軸回りの回転を許容するものであり、ワークテーブル2の回転軸と同心となるように配置された状態で支持台22の上面とワークテーブル2のテーブル本体2aの下面との間に介装されている。すなわち、このベアリング24は、ワークテーブル2を下から受けており、ワークテーブル2の重量及びそのワークテーブル2上に載置されるワークの重量を支える。ベアリング24は、回転軸方向の荷重を受けるスラストベアリングであり、当該ベアリング24としてころ軸受が用いられている。ベアリング24は、上下に配置された円環状の上リング24a及び下リング24bと、それら両リング24a,24b間で周方向に並んで配置された多数のころ24cと、それらのころ24cを保持するホルダ24dとを有する。上リング24aは、ワークテーブル2の上側取付部2cの下面に接触した状態でその上側取付部2cと締結されており、下リング24bは、支持台22の下側取付部22a上に載置された状態でその下側取付部22aと締結されている。
駆動装置6は、ワークテーブル2を回転させてそのワークテーブル2上のワークを前記回転軸回りに回転させるものである。駆動装置6は、図略のモータと、ギアボックス6b(図2参照)とを有する。ギアボックス6bは、モータから出力されるワークテーブル2を回転させるための動力をワークテーブル2に伝達するためのものである。このギアボックス6bは、前記回転軸を中心とした周方向における特定箇所でワークテーブル2の側方に配設されている。具体的には、ギアボックス6bは、支持台22のうちギア噛合空間22hが設けられた側の側面に取り付けられている。ギアボックス6bは、モータの動力を受けて回転力を順番に伝達する複数のギアを有しており、このギアボックス6bの複数のギアのうち回転力の伝達方向において最も下流側のギア6cが、ギア噛合空間22h内で前記リングギア2bと噛み合っている。これにより、モータからギアボックス6b内の複数のギアを通じてリングギア2bに回転力が伝達されてワークテーブル2が回転するようになっている。
切削装置8は、前記回転軸回りに回転しているワークを切削加工するためのものである。切削装置8は、間隔をあけて立設された一対のコラム30と、それら一対のコラム30間に水平方向に掛け渡されたクロスレール32と、クロスレール32をコラム30に沿って上下方向に移送する図略のクロスレール移送装置と、クロスレール32に搭載されたサドル34と、サドル34をクロスレール32に沿って水平方向に移送する図略のサドル移送装置と、サドル34に上下方向に移動可能となるように搭載されたラム36と、ラム36をサドル34に対して上下方向に移送する図略のラム移送装置と、ラム36の下端に取り付けられ、図略の工具を保持する工具ホルダ38とを備えている。この切削装置8では、クロスレール移送装置によるクロスレール32の上下方向への移送と、サドル移送装置によるサドル34の水平方向への移送と、ラム移送装置によるラム36の上下方向への移送とにより工具ホルダ38に保持された工具を予め設定された加工プログラムに従って移動させ、その工具で回転しているワークを旋削する。
テーブル冷却装置10は、ワークテーブル2の上側取付部2cに冷却用の油を吹き掛けてその上側取付部2cを冷却するとともに、その上側取付部2cから下方へ流れる油によって支持台22の下側取付部22a及びその近傍を冷却するものである。すなわち、テーブル冷却装置10は、ワークテーブル2及び支持装置4を冷却するための油を吐出するものであり、本発明の「吐出装置」の概念に含まれる。テーブル冷却装置10は、図2に示すように、ポンプ42(図5参照)と、4本の内側供給配管43(図5参照)と、4つの内側分岐部44と、12本の内側ノズル46と、8本の外側供給配管47(図5参照)と、8本の外側ノズル48とを有する。
ポンプ42は、タンクTに貯留されている油を吸い上げて吐出するものである。タンクTには、図略の冷却装置が付設されており、当該冷却装置によって冷却された油がタンクTからポンプ42によって吐出される。ポンプ42の吐出口は、4本の内側供給配管43と接続されている。
4つの内側分岐部44は、支持台22の内側貯留溝22bよりも径方向内側の位置で周方向に間隔をあけて配設されている。各内側分岐部44は、別々の内側供給配管43のポンプ42と反対側の端部にそれぞれ接続されている。また、各内側分岐部44には、内側ノズル46が3本ずつ接続されている。全部で12本の内側ノズル46の先端は、前記回転軸を中心とした周方向に略等間隔に配置されており、各内側ノズル46の先端部は、図4に示すように、上側取付部2c側へ向かって斜め上向きに延びている。ポンプ42から吐出された油は、各内側供給配管43を通じて対応する内側分岐部44に供給され、その内側分岐部44からそれに繋がる3本の内側ノズル46に略均等に分配されて各内側ノズル46の先端の吐出口から吐出される。これにより、12本の内側ノズル46から前記回転軸を中心とした周方向に略等間隔を置いた12箇所の異なる位置で油が吐出されるようになっている。各内側ノズル46から吐出された油は、上側取付部2cに対してその径方向内側から吹き掛けられて上側取付部2cを冷却し、その後、下方へ流れて支持台22の下側取付部22a及びその近傍を冷却し、内側貯留溝22b内に貯留されるようになっている。なお、各内側供給配管43に内側分岐部44を介して接続された3本1組の内側ノズル46は、本発明の「吐出部」の概念に含まれる。
また、8本の外側ノズル48は、前記周方向に略等間隔に配置されている。各外側ノズル48は、3本1組で合計4組の内側ノズル46のうち各組の中央に位置する内側ノズル46の先端の外側の位置にそれぞれ配置されているとともに、後述する3本1組で合計4組のベアリング冷却ノズル54のうち各組の中央に位置するベアリング冷却ノズル54の先端の外側の位置にそれぞれ配置されている。8本の外側ノズル48のうち2本の外側ノズル48は、2つの冷却油排出口22gに分かれて配設されており、それら2本の外側ノズル48は、冷却油排出口22g内から上方へ延びて上側取付部2c側へ屈曲し、斜めに延びている。また、この2本の外側ノズル48の下端部には、支持台22の外部から冷却油排出口22g内に延びる外側供給配管47がそれぞれ接続されている。また、この2本以外の6本の外側ノズル48は、外側貯留溝22cに配置されており、これら6本の各外側ノズル48は、図3に示すように、外側貯留溝22c内から上方へ延びて上側取付部2c側へ屈曲し、斜めに延びている。また、この6本の各外側ノズル48の下端部には、支持台22の天壁のうち外側貯留溝22c内の底面を構成する部分を貫通して延びる外側供給配管47がそれぞれ接続されている。各外側供給配管47には、ポンプ42から油が供給され、その油は、外側供給配管47を通じて対応する外側ノズル48へ供給されて各外側ノズル48の上端の吐出口から吐出される。これにより、8本の外側ノズル48から前記周方向に略等間隔を置いた8箇所の異なる位置で油が吐出されるようになっている。各外側ノズル48から吐出された油は、上側取付部2cに対して径方向外側から吹き掛けられて上側取付部2cを冷却し、その後、下方へ流れて支持台22の下側取付部22a及びその近傍を冷却した後、外側貯留溝22c内に流れ込んで貯留されるか又は冷却油排出口22gに流れ込んで外部へ排出されるようになっている。なお、各外側ノズル48は、本発明の「吐出部」の概念に含まれる。
支持装置冷却装置12は、支持装置4を冷却用の油で冷却するものである。支持装置冷却装置12は、ベアリング冷却装置12aと、支持台冷却装置12bとによって構成されている。
ベアリング冷却装置12aは、ベアリング24に油を吹き掛けてベアリング24を冷却するとともに潤滑し、そのベアリング24から下方へ流れる油によって支持台22の下側取付部22a及びその近傍を冷却するものである。すなわち、ベアリング冷却装置12aは、支持装置4を冷却するための油を吐出するものであり、本発明の「吐出装置」の概念に含まれる。ベアリング冷却装置12aは、テーブル冷却装置10と共通のポンプ42(図5参照)と、4本のベアリング油供給配管51(図5参照)と、4つの分岐部52(図2参照)と、12本のベアリング冷却ノズル54(図2参照)とを有する。
4本のベアリング油供給配管51は、ポンプ42の吐出口に接続されている。また、4つの分岐部52は、支持台22の内側貯留溝22bよりも径方向内側の位置で周方向に間隔をあけて配設されており、各分岐部52は、前記4つの内側分岐部44の隣り合うもの同士の間の位置にそれぞれ配設されている。各分岐部52は、別々のベアリング油供給配管51のポンプ42と反対側の端部にそれぞれ接続されている。また、各分岐部52には、ベアリング冷却ノズル54が3本ずつ接続されている。全部で12本のベアリング冷却ノズル54の先端は、前記回転軸を中心とした周方向に略等間隔に配置されており、各ベアリング冷却ノズル54の先端部は、図3に示すように、ベアリング24側へ向かって斜め下向きに延びている。ポンプ42から吐出された油は、各ベアリング油供給配管51を通じて対応する分岐部52に供給され、その分岐部52からそれに繋がる3本のベアリング冷却ノズル54に略均等に分配されて各ベアリング冷却ノズル54の先端の吐出口から吐出される。これにより、12本のベアリング冷却ノズル54から前記回転軸を中心とした周方向に略等間隔を置いた12箇所の異なる位置で油が吐出されるようになっている。各ベアリング冷却ノズル54から吐出された油は、ベアリング24に吹き掛けられてそのベアリング24を冷却するとともにベアリング24内に入ってころ24cを潤滑し、その後、下方へ流れて支持台22の下側取付部22a及びその近傍を冷却し、内側貯留溝22b及び/又は外側貯留溝22cに貯留されるようになっている。なお、各ベアリング油供給配管51に分岐部52を介して接続された3本1組のベアリング冷却ノズル54は、本発明の「吐出部」の概念に含まれる。
支持台冷却装置12bは、支持台22の下側取付部22aを油で冷却するためのものである。この支持台冷却装置12bは、テーブル冷却装置10及びベアリング冷却装置12aと共通のポンプ42(図5参照)と、2本の内側貯留溝供給配管56と、図略の内側貯留溝配管外部接続部と、4つの内側分岐ジョイント58と、4つの内側貯留溝吐出ノズル60と、2本の外側貯留溝供給配管62と、図略の外側貯留溝配管外部接続部と、4つの外側分岐ジョイント64と、外側貯留溝吐出ノズル66とを有する。
2本の内側貯留溝供給配管56のうち一方の内側貯留溝供給配管56は、内側貯留溝一側領域22j内に冷却用の油を供給するためのものであり、他方の内側貯留溝供給配管56は、内側貯留溝他側領域22k内に冷却用の油を供給するためのものである。
一方の内側貯留溝供給配管56は、下側取付部22aの径方向において前記2つの冷却油排出口22gのうちの一方の冷却油排出口22gの内側の位置からその一方の冷却油排出口22g内に延びて内側貯留溝一側領域22j側へ屈曲し、内側堰部22eを貫通して内側貯留溝一側領域22j内へ延び、その内側貯留溝一側領域22j内で他方の冷却油排出口22g側へ下側取付部22aの周方向に沿って延びている。この一方の内側貯留溝供給配管56には、図略の内側貯留溝配管外部接続部を介してポンプ42が接続されており、そのポンプ42から油が供給されるようになっている。また、この一方の内側貯留溝供給配管56のうち内側貯留溝一側領域22j内に位置する部位には、下側取付部22aの周方向において間隔を置いた2箇所に内側分岐ジョイント58が設けられている。内側貯留溝吐出ノズル60は、この2箇所の内側分岐ジョイント58にそれぞれ接続されている。各内側貯留溝吐出ノズル60は、その先端の吐出口が下側取付部22aの周方向に沿う向きで且つ上方から見て反時計回りの向きを向くように設けられており、内側貯留溝供給配管56及び内側分岐ジョイント58を通じて供給される冷却用の油をその反時計回りに下側取付部22aの周方向に沿って吐出するようになっている。
また、他方の内側貯留溝供給配管56は、前記一方の内側貯留溝供給配管56と対称的に配置されている。この他方の内側貯留溝供給配管56は、下側取付部22aの径方向において、前記一方の冷却油排出口22gと反対側に位置する他方の冷却油排出口22gの内側の位置からその他方の冷却油排出口22g内に延びて内側貯留溝他側領域22k側へ屈曲し、内側堰部22eを貫通して内側貯留溝他側領域22k内へ延び、その内側貯留溝他側領域22k内で前記一方の冷却油排出口22g側へ下側取付部22aの周方向に沿って延びている。この他方の内側貯留溝供給配管56には、前記一方の内側貯留溝供給配管56と同様に、図略の内側貯留溝配管外部接続部を介してポンプ42が接続されており、ポンプ42から油が供給されるようになっている。また、当該他方の内側貯留溝供給配管56のうち内側貯留溝他側領域22k内に位置する部位には、2箇所の内側分岐ジョイント58が設けられ、その各内側分岐ジョイント58に内側貯留溝吐出ノズル60がそれぞれ接続されている。この他方の内側貯留溝供給配管56に繋がる内側分岐ジョイント58及び内側貯留溝吐出ノズル60に係る構成は、上記一方の内側貯留溝供給配管56における構成と同様であり、各内側貯留溝吐出ノズル60は、内側貯留溝他側領域22k内に上方から見て反時計回りに下側取付部22aの周方向に沿って冷却用の油を吐出するようになっている。
また、2本の外側貯留溝供給配管62のうち一方の外側貯留溝供給配管62は、外側貯留溝一側領域22m内に冷却用の油を供給するためのものであり、他方の外側貯留溝供給配管62は、外側貯留溝他側領域22n内に冷却用の油を供給するためのものである。
一方の外側貯留溝供給配管62は、下側取付部22aの径方向において前記他方の冷却油排出口22gの内側の位置から下側取付部22aの下をくぐるようにその他方の冷却油排出口22g内を通って外側貯留溝一側領域22m側へ屈曲し、外側堰部22fを貫通して外側貯留溝一側領域22m内へ延び、その外側貯留溝一側領域22m内で前記一方の冷却油排出口22g側へ下側取付部22aの周方向に沿って延びている。この一方の外側貯留溝供給配管62には、図略の外側貯留溝配管外部接続部を介してポンプ42が接続されており、そのポンプ42から油が供給されるようになっている。また、この一方の外側貯留溝供給配管62のうち外側貯留溝一側領域22m内に位置する部位には、下側取付部22aの周方向において間隔を置いた2箇所に外側分岐ジョイント64が設けられている。外側貯留溝吐出ノズル66は、この2箇所の外側分岐ジョイント64にそれぞれ接続されている。各外側貯留溝吐出ノズル66は、その先端の吐出口が下側取付部22aの周方向に沿う向きで且つ上方から見て時計回りの向きを向くように設けられており、外側貯留溝供給配管62及び外側分岐ジョイント64を通じて供給される冷却用の油をその時計回りに下側取付部22aの周方向に沿って吐出するようになっている。
また、他方の外側貯留溝供給配管62は、前記一方の外側貯留溝供給配管62と対称的に配置されている。この他方の外側貯留溝供給配管62は、下側取付部22aの径方向において、前記一方の冷却油排出口22gの内側の位置から下側取付部22aの下をくぐるようにその一方の冷却油排出口22g内を通って外側貯留溝他側領域22n側へ屈曲し、外側堰部22fを貫通して外側貯留溝他側領域22n内へ延び、その外側貯留溝他側領域22n内で前記他方の冷却油排出口22g側へ下側取付部22aの周方向に沿って延びている。この他方の外側貯留溝供給配管62には、前記一方の外側貯留溝供給配管62と同様に、図略の外側貯留溝配管外部接続部を介してポンプ42が接続されており、ポンプ42から油が供給されるようになっている。また、当該他方の外側貯留溝供給配管62のうち外側貯留溝他側領域22n内に位置する部位には、2箇所の外側分岐ジョイント64が設けられ、その各外側分岐ジョイント64に外側貯留溝吐出ノズル66がそれぞれ接続されている。この他方の外側貯留溝供給配管62に繋がる外側分岐ジョイント64及び外側貯留溝吐出ノズル66に係る構成は、上記一方の外側貯留溝供給配管62における構成と同様であり、各外側貯留溝吐出ノズル66は、外側貯留溝他側領域22n内に上方から見て時計回りに下側取付部22aの周方向に沿って冷却用の油を吐出するようになっている。
検出装置14は、回転するワークテーブル2の周縁部(外縁部)が上方へ変位する量を推定するための指標となる指標値を検出するためのものである。検出装置14は、複数の温度センサ14aと、複数の変位センサ14bと、室温センサ14cとを有する。
複数の温度センサ14aは、支持装置4の支持台22の各部位の温度を前記指標値として検出するものである。本実施形態では、温度センサ14aは、8個設けられている。8個の温度センサ14aは、支持台22の下側取付部22aのうち周方向に等間隔を置いた8箇所に埋設されており、各温度センサ14aは、その設けられた箇所の温度を検出する。各温度センサ14aは、前記3本1組の内側ノズル46のうち中央に位置する内側ノズル46の先端近傍の位置と、前記3本1組のベアリング冷却ノズル54のうち中央に位置するベアリング冷却ノズル54の先端近傍の位置とにそれぞれ設けられている。8個の温度センサ14aのうちの1つは、ギアボックス6bが設けられた箇所に配置されており、その箇所において支持台22の温度を検出する。各温度センサ14aは、制御装置18と電気的に接続されており、検出した温度のデータを制御装置18へ送信するようになっている。また、各温度センサ14aは、前記3本1組の内側ノズル46及び前記3本1組のベアリング冷却ノズル54と対応付けられて制御装置18に認識されている。具体的には、各温度センサ14aと3本1組の内側ノズル46のうち中央に位置する内側ノズル46が上側取付部2cの径方向においてその温度センサ14aの内側の位置で油を吐出する組の3本の内側ノズル46とが対応付けられており、各温度センサ14aと3本1組のベアリング冷却ノズル54のうち中央に位置するベアリング冷却ノズル54がベアリング24の径方向においてその温度センサ14aの内側の位置で油を吐出する組の3本のベアリング冷却ノズル54とが対応付けられている。
複数の変位センサ14bは、ワークテーブル2の周縁部の上方への変位量を前記指標値として検出するものである。本実施形態では、変位センサ14bは、8個設けられている。8個の変位センサ14bは、ワークテーブル2の周縁部の下方において周方向に等間隔を置いた各位置に配設されている。各変位センサ14bは、前記径方向において前記各温度センサ14aの外側の位置にそれぞれ配設されている。8個の変位センサ14bのうちの1つは、ギアボックス6bが設けられた箇所に配置されており、その箇所においてワークテーブル2の周縁部の上方への変位量を検出する。支持装置4の支持台22の側面のうち各変位センサ14bの配設箇所に対応する位置には、ブラケット70がそれぞれ取り付けられており、その各ブラケット70の上端部に変位センサ14bがワークテーブル2の周縁部の下面と向き合うように設けられている。なお、ブラケット70は、支持台22のうち熱(温度)の影響の少ない下端部近傍に対して取り付けられている。変位センサ14bは、非接触式であり、ワークテーブル2の周縁部のうちその変位センサ14bが向き合う部位の上方への変位量を検出する。各変位センサ14bは、制御装置18と電気的に接続されており、検出した変位量のデータを制御装置18へ送信するようになっている。また、各変位センサ14bは、前記温度センサ14aと同様、前記3本1組の内側ノズル46及び前記3本1組のベアリング冷却ノズル54と対応付けられて制御装置18に認識されている。具体的には、各変位センサ14bと3本1組の内側ノズル46のうち中央に位置する内側ノズル46が上側取付部2cの径方向においてその変位センサ14bの内側の位置で油を吐出する組の3本の内側ノズル46とが対応付けられており、各変位センサ14bと3本1組のベアリング冷却ノズル54のうち中央に位置するベアリング冷却ノズル54がベアリング24の径方向においてその変位センサ14bの内側の位置で油を吐出する組の3本のベアリング冷却ノズル54とが対応付けられている。
室温センサ14cは、立旋盤が設置された場所の環境温度(以下、室温という)を検出するものである。この室温センサ14cは、制御装置18と電気的に接続されており、検出した室温のデータを制御装置18へ送信するようになっている。
流量調整弁16は、各内側供給配管43と、各外側供給配管47と、各ベアリング油供給配管51とにそれぞれ設けられており、前記各組の内側ノズル46、前記各外側ノズル48及び前記各組のベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量を個別に変化させるためのものである。流量調整弁16は、制御装置18から送られてくる指令信号を受けてその指令信号が指示する流量の油が対応するノズルから吐出されるように流量調整を行う電磁制御弁である。この流量調整弁16は、本発明の「流量調節器」の概念に含まれる。内側供給配管43に設けられた流量調整弁16は、その内側供給配管43を流れる油の流量を変化させることによりその内側供給配管43に内側分岐部44を介して繋がる3本の内側ノズル46の油の吐出流量を変化させる。また、外側供給配管47に設けられた流量調整弁16は、その外側供給配管47を流れる油の流量を変化させることによりその外側供給配管47に繋がる外側ノズル48の油の吐出流量を変化させる。また、ベアリング油供給配管51に設けられた流量調整弁16は、そのベアリング油供給配管51を流れる油の流量を変化させることによりそのベアリング油供給配管51に分岐部52を介して繋がる3本のベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量を変化させる。
制御装置18は、各流量調整弁16の動作を制御するものである。制御装置18は、各流量調整弁16と電気的に接続されており、各流量調整弁16へ油の流量を指示するための指令信号を送信する。また、制御装置18は、検出装置14の各温度センサ14aによって検出された温度のデータに基づいてワークテーブル2の回転時にそのワークテーブル2の周縁部が上方へ変位する箇所である変位箇所を特定し、前記各組の内側ノズル46、前記各外側ノズル48及び前記各組のベアリング冷却ノズル54のうち特定した変位箇所に対応する位置で油を吐出するノズルの油の吐出流量が多くなるように流量調整弁16に対してそのノズルの油の吐出流量を指示する(指令信号を送る)。
具体的には、制御装置18は、変位箇所に対応する温度センサ14aの検出温度の高低に応じた油の流量をその変位箇所に対応する内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54から吐出させる油の流量として対応する流量調整弁16に指示する。制御装置18は、特定の基準温度を設定してその基準温度に対する各温度センサ14aの検出温度の温度差を算出し、その算出した温度差の大きさに応じて各温度センサ14aと対応する内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量(対応する流量調整弁16へ指示する油の流量)を導出するようになっている。制御装置18は、例えば基準温度を室温センサ14cによって検出された室温よりも5℃高い温度に設定するとともにその基準温度に相当する油の吐出流量である基準流量を設定する。制御装置18は、温度センサ14aの検出温度とその温度センサ14aに対応する内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54からの油の吐出流量との相関関係を規定する関係式を記憶しており、その関係式に基づいて温度センサ14aから送られてくる検出温度のデータに応じた吐出流量を算出する。例えば、制御装置18は、温度センサ14aの検出温度が基準温度よりも5℃高い場合には、その温度センサ14aに対応する内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量として基準流量の2倍の流量を算出し、温度センサ14aから送られてくる検出温度が基準温度よりも2.5℃高い場合には、その温度センサ14aに対応する同ノズルの油の吐出流量として基準流量の1.5倍の流量を算出する。なお、制御装置18は、温度センサ14aの検出温度とその温度センサ14aに対応する前記ノズルの油の吐出流量との相関関係を規定したテーブルを記憶し、そのテーブルに基づいて、温度センサ14aから送られてくる検出温度のデータに応じた油の吐出流量を算出してもよい。
また、制御装置18は、全ての変位センサ14bによって検出された全ての変位量のうち最大の変位量と最小の変位量との差が特定の範囲である指定範囲を超えている場合には、前記基準温度をより低い温度に再設定し、その再設定した基準温度に対する各温度センサ14aの検出温度の温度差を算出し、その算出した温度差の大きさに応じて各温度センサ14aと対応する前記ノズルからの油の吐出流量(対応する流量調整弁16へ指示する油の流量)を導出し直すようになっている。例えば、制御装置18は、前記の最大の変位量と最小の変位量との差が数十μm以下という指定範囲を超えている場合には、基準温度を0.5℃低い温度に再設定し、その再設定した基準温度に対する前記温度差の算出及び前記油の吐出流量の再算出を行う。
次に、図6に示すフローチャートに沿って、本実施形態の立旋盤における内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量の制御プロセスについて説明する。
まず、室温センサ14cにより室温が検出され、複数の温度センサ14aにより支持台22のうちその温度センサ14aが設けられた各箇所の温度が検出され、複数の変位センサ14bによりワークテーブル2の周縁部のうちその変位センサ14bと対向する各部位の上下方向への変位量が検出される(ステップS1)。そして、室温センサ14cによって検出された室温のデータ、複数の温度センサ14aによってそれぞれ検出された支持台22の各箇所の温度のデータ及び複数の変位センサ14bによってそれぞれ検出されたワークテーブル2の周縁部の各部位の変位量のデータは、制御装置18へ送信される。
次に、制御装置18が、送られてきた室温のデータ及び支持台22の各箇所の温度のデータに基づいて、支持台22の温度を制御するための基準となる支持台22の基準温度を設定する(ステップS2)。例えば、制御装置18は、基準温度を室温と支持台22の各箇所の温度との間の所定の温度に設定する。
次に、制御装置18は、温度センサ14aによって検出された支持台22の全箇所の温度、すなわち全ての温度センサ14aの検出温度が設定した基準温度以下であるか否かを判断する(ステップS3)。ここで、制御装置18は、全ての温度センサ14aの検出温度が基準温度以下であると判断した場合には、次に、全ての変位センサ14bによって検出されたワークテーブル2の周縁部の全ての部位の上方への変位量の最大値と最小値との差、すなわち全ての変位センサ14bの検出変位量の最大値と最小値との差が指定範囲内にあるか否かを判断する(ステップS4)。制御装置18は、全ての変位センサ14bの検出変位量の最大値と最小値との差が指定範囲内にあると判断した場合には、次に、予め設定された規定流量を内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量として設定する(ステップS5)。なお、前記規定流量は、立旋盤の運転中に発生した熱によってワークテーブル2、支持台22及びベアリング24が昇温するのを防ぐことが可能な最低限の油の吐出流量であり、予めシミュレーションを行うことによって求められている。この規定流量は、例えば、前記ノズル46,48,54の1本当たり毎分1〜2リットルの範囲内の特定の吐出流量に設定されている。
ステップS5の後、制御装置18は、各流量調整弁16にステップS5で設定した油の吐出流量を指示する指令信号を送り、それによって、内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54からの油の吐出流量がその設定した油の吐出流量となるように各流量調整弁16に吐出流量を調節させる(ステップS6)。この結果、各組の内側ノズル46の油の吐出流量、各外側ノズル48の油の吐出流量及び各組のベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量は、それぞれ均一になり、ワークテーブル2の周縁部、支持台22及びベアリング24の周方向における各部位が略均一に冷却される。
その後、制御装置18は、立旋盤が運転状態にあるか否かを判断する(ステップS7)。具体的には、立旋盤が運転状態にある場合には、運転準備信号が出力されており、立旋盤が運転状態にない場合には、運転準備信号が出力されていないので、制御装置18は、その運転準備信号が出力されている場合には、立旋盤が運転状態にあると判断し、運転準備信号が出力されていない場合には、立旋盤は運転状態にないと判断する。ここで、制御装置18が立旋盤は運転状態にあると判断した場合には、上記ステップS1に戻ってそれ以降のプロセスが再度行われる。一方、制御装置18が立旋盤は運転状態にないと判断した場合には、当該制御プロセスは終了する。
上記ステップS4において、制御装置18が、全ての変位センサ14bの検出変位量の最大値と最小値との差が指定範囲内にない、すなわち当該最大値と最小値との差が指定範囲を超えていると判断した場合には、制御装置18は、基準温度を室温センサ14cによって検出された室温により近い温度(例えば、元の基準温度から0.5℃低い温度)に再設定し(ステップS13)、その後、上記ステップS3以降の処理を再度行う。
上記ステップS3において、制御装置18が全ての温度センサ14aの検出温度のうち1つでも基準温度以下ではないと判断した場合には、次に、制御装置18は、全ての温度センサ14aの検出温度は基準温度よりも高いか否かを判断する(ステップS8)。ここで、制御装置18は、全ての温度センサ14aの検出温度が基準温度よりも高いと判断した場合には、次に、基準温度に対する支持台22の各箇所の温度差を算出する(ステップS9)。具体的には、制御装置18は、各温度センサ14aの検出温度から基準温度を減算することによって、基準温度に対する支持台22の各箇所の温度差を算出する。
この後、制御装置18は、算出した基準温度に対する支持台22の各箇所の温度差に応じて、その各箇所に対応する内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量を設定する(ステップS10)。具体的には、制御装置18は、前記温度差と内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量との相関関係を規定する関係式に基づいて、ステップS9で算出した温度差に応じた内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量を算出する。
この後、制御装置18は、上記ステップS6と同様にして、内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54からの油の吐出流量が前記算出した油の吐出流量となるように各流量調整弁16に吐出流量を調節させる(ステップS11)。この際、制御装置18は、内側ノズル46については、前記各組の内側ノズル46毎の吐出流量が対応する温度センサ14aの検出温度に基づく前記温度差に応じた吐出流量になるように、その組の内側ノズル46に繋がる内側供給配管43に設けられた流量調整弁16に油の流量を調節させる。また、制御装置18は、外側ノズル48については、各外側ノズル48の吐出流量が対応する温度センサ14aの検出温度に基づく前記温度差に応じた吐出流量になるように、その外側ノズル48に繋がる外側供給配管47に設けられた流量調整弁16に油の流量を調節させる。また、制御装置18は、ベアリング冷却ノズル54については、前記各組のベアリング冷却ノズル54毎の吐出流量が対応する温度センサ14aの検出温度に基づく前記温度差に応じた吐出流量になるように、その組のベアリング冷却ノズル54に繋がるベアリング油供給配管51に設けられた流量調整弁16に油の流量を調節させる。このような流量調節が行われることにより、支持台22のうち基準温度に対する温度差が大きかった箇所に対応する内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54からの油の吐出流量は、基準温度に対する温度差が小さかった箇所に対応する内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54からの油の吐出流量に比べて多くなり、その結果、基準温度に対する温度差が大きかった箇所の近傍が基準温度に対する温度差が小さかった箇所の近傍に比べて強く冷却される。その結果、ワークテーブル2及び支持装置4の周方向における温度分布の偏りが低減される。当該ステップS11の後、上記ステップS3に戻ってそれ以降のプロセスが再度行われる。
また、上記ステップS8において、制御装置18が、全ての温度センサ14aの検出温度のうち少なくとも1つの検出温度は基準温度以下であると判断した場合には、次に、制御装置18は、基準温度以下の箇所の温度を新たな基準温度として再設定し(ステップS12)、その後、上記ステップS9以降のプロセスが行われる。これにより、ステップS9では、基準温度以下であった箇所の基準温度に対する温度差は0として算出され、ステップS10では、その箇所に対応する内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54からの油の吐出流量は規定流量に設定されて、ステップS11においてそれらのノズルの油の吐出流量が規定流量となるように対応する流量調整弁16による油の流量の調節が行われる。一方、元の基準温度よりも温度が高かった箇所では、上記ステップS12の基準温度の再設定が行われることにより、ステップS9において元の基準温度に対する温度差よりも大きな温度差が算出され、それに応じてステップS10,S11では、その箇所に対応するノズルからの油の吐出流量が増加される。このため、当該箇所では、油による冷却が強くなる。その結果、元の基準温度よりも温度が高かった箇所と元の基準温度以下の箇所との温度差が低減される。
以上のようにして、本実施形態による内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量の制御が行われる。
本実施形態では、前記回転軸を中心とした周方向における複数の異なる位置で冷却用の油を吐出する各組の内側ノズル46、各外側ノズル48及び各組のベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量を対応する流量調整弁16によって個別に変化させることができるため、前記周方向における特定箇所において支持装置4の熱膨張量が他の箇所での熱膨張量よりも大きくなっても、その特定箇所付近での油の吐出流量を増加させて当該特定箇所付近における支持装置4の冷却を強くし、その特定箇所での支持装置4の熱膨張を低減させることができる。その結果、当該特定箇所での熱膨張量が大きいことに起因するワークテーブル2の周縁部の上方への変位を減少させることができる。従って、本実施形態では、支持装置4の不均一な熱膨張に起因するワークテーブル2の回転時の水平姿勢からの振れを低減することができ、ワークの加工精度の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、制御装置18が、支持装置4の熱膨張の増大によりワークテーブル2の周縁部が上方へ変位する変位箇所において、その支持装置4の熱膨張を減少させるための流量調整弁16による各組の内側ノズル46、各外側ノズル48及び各組のベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量の調整を自動的に行うので、例えば流量調整弁を手動操作して各ノズルの油の吐出流量の調整を行うような煩雑な調整作業を回避することができる。
また、本実施形態では、制御装置18が、各温度センサ14aによって検出された支持台22の各箇所の温度の高低に応じた油の吐出流量をその各箇所に対応する流量調整弁16に指示するため、前記変位箇所におけるワークテーブル2の周縁部の上方への変位の大きさに応じた適切な流量の油でその変位箇所において支持装置4を冷却して熱膨張を減少させることができる。このため、前記変位箇所における支持装置4の冷却のための油の吐出流量の過不足が生じるのを防ぐことができる。
また、本実施形態では、基準温度に対する各温度センサ14aの検出温度の温度差の大きさに応じて各温度センサ14aと対応する内側ノズル46、外側ノズル48及びベアリング冷却ノズル54の油の吐出流量を調節するので、前記周方向における支持装置4の各箇所のうち熱膨張が大きい箇所をその箇所の検出温度から直接特定して、その箇所の温度の高低に応じた適切な流量の油で当該箇所を冷却することができる。このため、前記周方向における支持装置4の各箇所の熱膨張量の不均一さを的確に低減することができる。
また、本実施形態では、複数の変位センサ14bによって検出された複数の変位量の最大値と最小値との差が指定範囲を超えている場合には、支持装置4の温度がより低い基準温度に近づくように油による支持装置4の冷却の強さを調節することができる。このため、前記周方向における支持装置4の各箇所の熱膨張をより減少させるとともにそれら各箇所の熱膨張量の差をより減少させることができ、ワークテーブル2の回転時の水平姿勢からの振れをより抑制することができる。
また、本実施形態では、複数の温度センサ14aのうちの1つがギアボックス6bが設けられた箇所に対応する前記周方向の特定箇所で支持台22の温度を検出するため、ギアボックス6bからの発熱によって支持装置4のうちギアボックス側の部位が熱膨張した場合でも、その部位における油による冷却を強めて当該部位の熱膨張を低減させることができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
上記実施形態では、3本1組の内側ノズルに対応するように設けられた流量調整弁によりそれらのノズルの油の吐出流量を一括して調節し、3本1組のベアリング冷却ノズルに対応するように設けられた流量調整弁によりそれらのノズルの油の吐出流量を一括して調節するようにしたが、これらのノズルの吐出流量の調節は、このような形態に限定されない。例えば、1本の内側ノズル毎に対応する流量調整弁を設けて各内側ノズル毎に個別に吐出流量を調節してもよく、1本のベアリング冷却ノズル毎に対応する流量調整弁を設けて各ベアリング冷却ノズル毎に個別に吐出流量を調節してもよい。この場合、各温度センサ及び各変位センサにそれぞれ1本ずつの内側ノズル及び1本ずつのベアリング冷却ノズルが対応するようにそれらのノズルを設けるのが好ましい。
また、各ノズルの本数、各ノズルの前記周方向における位置、各ノズルの形状は、上記実施形態で示した構成に限定されない。
また、上記実施形態では、内側ノズル、外側ノズル及びベアリング冷却ノズルの油の吐出流量を検出装置によって検出された指標値に応じて調節したが、必ずしもこれらのノズルの全種類について指標値に応じた吐出流量の調節を行う必要はない。例えば、外側ノズルの油の吐出流量については、検出装置によって検出された指標値に応じた調節を行わなくてもよい。
また、上記実施形態において変位センサを省略し、制御装置は、温度センサによる検出温度のみに基づいてその温度センサに対応するノズルからの油の吐出流量を調節するようにしてもよい。
また、制御装置は、変位センサによって検出されたワークテーブルの周縁部の上方への変位量のみに基づいて、その変位センサに対応するノズルからの油の吐出流量を調節するようにしてもよい。具体的には、制御装置は、ワークテーブルの周縁部の上方への変位量と油の吐出流量との相関関係を規定する関係式又はテーブルを記憶しており、その関係式又はテーブルに基づいて変位センサの検出変位量の大きさに応じた油の吐出流量を導出する。
この構成では、前記周方向における支持装置の各箇所でのノズルからの油の吐出流量を、その箇所の温度に依存せずにワークテーブルの周縁部の上方への変位量のみに基づいて設定することができる。このため、例えば、支持装置に加えられる熱が前記周方向における各箇所で均一であるにもかかわらず、支持装置の構造の不均一さに起因して支持装置の周方向の各箇所における熱膨張量が不均一になっている場合でも、その各箇所における熱膨張量の不均一さを低減することができ、ワークテーブルの回転時の水平姿勢からの振れを抑制することができる。
また、温度センサと変位センサは、上記実施形態で示した設置箇所以外の箇所に設置してもよい。
また、本発明の検出装置は、支持台の温度を検出する温度センサとワークテーブルの周縁部の上方への変位量を検出する変位センサとに限定されない。
また、上記実施形態において制御装置を省略してもよい。例えば、流量調整弁を手動で流量調整可能な弁とし、ワークテーブルの回転時にそのワークテーブルの周縁部が上方へ変位する箇所の近傍で油を吐出する内側ノズル、外側ノズル及びベアリング冷却ノズルの油の吐出流量が多くなるようにそれらのノズルの油の吐出流量を対応する流量調整弁で手動調整するようにしてもよい。
また、変位センサを取り付けるブラケットは、支持装置の支持台を設置する設置面に対して固定されていてもよい。
また、上記実施形態において、支持台のうちギアボックスが取り付けられる面とギアボックスとの間に断熱用の部材を介装させてもよい。このようにすれば、ギアボックスから支持装置(支持台)へ伝達される熱量を低減させることができるため、支持装置の熱膨張をより低減させることができる。また、この断熱用の部材の内部に冷却用の油が流通できるようにしてもよい。このようにすれば、断熱効果をより高めることができるので、ギアボックスからの発熱に起因する支持装置の熱膨張をさらに低減させることができる。
上記実施形態では、立型旋削装置の一例としての立旋盤に本発明を適用した場合を例にとって説明したが、このような立旋盤以外の立型旋削装置にも本発明を適用することは可能である。例えば、立型ターニングセンタに本発明を適用してもよい。立型ターニングセンタは、立型旋削装置の一種であり、ワークを加工するための工具としてフライス等の回転工具を有するとともにその回転工具の向きやワークに対して当該回転工具を当てる角度を変更するための機構を有する切削装置を具備するものである。立型ターニングセンタでは、回転工具の向きやワークに対して回転工具を当てる角度を加工プログラムに応じて変更しつつワークの加工を行えるようになっている。
2 ワークテーブル
4 支持装置
6 駆動装置
6b ギアボックス
8 切削装置
10 テーブル冷却装置(吐出装置)
12a ベアリング冷却装置(吐出装置)
14 検出装置
14a 温度センサ
14b 変位センサ
16 流量調整弁(流量調節器)
18 制御装置
46 内側ノズル(吐出部)
48 外側ノズル(吐出部)
54 ベアリング冷却ノズル(吐出部)
4 支持装置
6 駆動装置
6b ギアボックス
8 切削装置
10 テーブル冷却装置(吐出装置)
12a ベアリング冷却装置(吐出装置)
14 検出装置
14a 温度センサ
14b 変位センサ
16 流量調整弁(流量調節器)
18 制御装置
46 内側ノズル(吐出部)
48 外側ノズル(吐出部)
54 ベアリング冷却ノズル(吐出部)
Claims (7)
- ワークを上下方向に延びる回転軸回りに回転させながら旋削加工する立型旋削装置であって、
前記ワークを下から支持するワークテーブルと、
前記ワークテーブルの下方に配置され、前記ワークテーブルが前記回転軸回りに回転自在となるように当該ワークテーブルを下から支持する支持装置と、
前記ワークテーブルを回転させてそのワークテーブル上の前記ワークを前記回転軸回りに回転させる駆動装置と、
前記回転軸回りに回転しているワークを切削加工する切削装置と、
前記支持装置を冷却するための油を吐出する吐出装置とを備え、
前記吐出装置は、前記回転軸を中心とした周方向における複数の異なる位置で油を吐出する複数の吐出部と、前記各吐出部から吐出される油の流量を個別に変化させるための流量調節器とを有する、立型旋削装置。 - 回転する前記ワークテーブルの周縁部が上方へ変位する量を推定するための指標となる指標値を検出する検出装置と、
前記検出装置によって検出された前記指標値に基づいて前記ワークテーブルの回転時にそのワークテーブルの周縁部が上方へ変位する箇所である変位箇所を特定し、前記複数の吐出部のうち特定した前記変位箇所に対応する位置で油を吐出する前記吐出部の油の吐出流量が多くなるように前記流量調節器に対してその吐出部の油の吐出流量を指示する制御装置とをさらに備える、請求項1に記載の立型旋削装置。 - 前記制御装置は、前記検出装置によって検出された前記指標値の大きさに応じた油の吐出流量を導出し、その導出した吐出流量を前記変位箇所に対応する前記吐出部の油の吐出流量として前記流量調節器に指示する、請求項2に記載の立型旋削装置。
- 前記検出装置は、前記支持装置のうち前記周方向に間隔を置いた複数の異なる箇所に設けられて前記複数の吐出部と対応付けられ、その設けられた各箇所の温度を前記指標値としてそれぞれ検出する複数の温度センサを有し、
前記制御装置は、特定の基準温度を設定してその基準温度に対する前記各温度センサの検出温度の温度差を算出し、その算出した温度差の大きさに応じて前記各温度センサと対応する前記吐出部の油の吐出流量を導出する、請求項3に記載の立型旋削装置。 - 前記検出装置は、前記複数の吐出部と対応付けられ、前記周方向に間隔を置いた複数の異なる位置において前記ワークテーブルの周縁部の上方への変位量を前記指標値としてそれぞれ検出する複数の変位センサを有し、
前記制御装置は、前記複数の変位センサによって検出された複数の変位量の最大値と最小値との差が特定の範囲を超えている場合には、前記基準温度をより低い温度に再設定し、その再設定した基準温度に対する前記各温度センサの検出温度の温度差を算出し、その算出した温度差の大きさに応じて前記各温度センサと対応する前記各吐出部の油の吐出流量を導出し直す、請求項4に記載の立型旋削装置。 - 前記検出装置は、前記複数の吐出部と対応付けられ、前記周方向に間隔を置いた複数の異なる位置において前記ワークテーブルの周縁部の上方への変位量を前記指標値としてそれぞれ検出する複数の変位センサを有し、
前記制御装置は、前記各変位センサによって検出された変位量の大きさに応じて前記各変位センサと対応する前記各吐出部の油の吐出流量を導出する、請求項3に記載の立型旋削装置。 - 前記駆動装置は、前記周方向における特定箇所に設けられ、前記ワークテーブルを回転させるための動力を前記ワークテーブルに伝達するギアボックスを有し、
前記検出装置は、前記ギアボックスが設けられた箇所において前記指標値を検出する、請求項2〜6のいずれか1項に記載の立型旋削装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012055312A JP2013188810A (ja) | 2012-03-13 | 2012-03-13 | 立型旋削装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012055312A JP2013188810A (ja) | 2012-03-13 | 2012-03-13 | 立型旋削装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2013188810A true JP2013188810A (ja) | 2013-09-26 |
Family
ID=49389625
Family Applications (1)
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JP2012055312A Pending JP2013188810A (ja) | 2012-03-13 | 2012-03-13 | 立型旋削装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2013188810A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11150626B2 (en) | 2018-01-31 | 2021-10-19 | Fanuc Corporation | Reference temperature setting device, reference temperature setting method, and reference temperature setting program |
-
2012
- 2012-03-13 JP JP2012055312A patent/JP2013188810A/ja active Pending
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