以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、図1及び図2を参照して遊技機の全体構成について説明する。
〔遊技機の全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠アセンブリ2、ガラス枠ユニット4、受け皿ユニット6及びプラ枠アセンブリ7(遊技機枠)を備えている。このうち外枠アセンブリ2は、木材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠アセンブリ2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。
その他のガラス枠ユニット4や受け皿ユニット6、プラ枠アセンブリ7は外枠アセンブリ2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
図1中の正面からみてプラ枠アセンブリ7の右側縁部(図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応してガラス枠ユニット4及び外枠アセンブリ2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。図1に示されるように、外枠アセンブリ2に対してガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともにガラス枠ユニット4及びプラ枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動してプラ枠アセンブリ7とともにガラス枠ユニット4及び受け皿ユニット6の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠アセンブリ2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、プラ枠アセンブリ7は施錠されたままでガラス枠ユニット4の施錠だけが解除され、ガラス枠ユニット4が開放可能となる。ガラス枠ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。またガラス枠ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6のロック機構(図示していない)が露出する。この状態でロック機構を解除すると、受け皿ユニット6をプラ枠アセンブリ7に対して前面側へ開放することができる。
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして遊技盤8を備えている。遊技盤8は、ガラス枠ユニット4の背後(内側)で上記のプラ枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤8は、例えばガラス枠ユニット4を前面側へ開放した状態でプラ枠アセンブリ7に対して着脱可能である。ガラス枠ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、ガラス枠ユニット4の裏側に図示しないヒンジ機構を介して開閉式に取り付けられる。遊技盤8の前面には遊技領域8a(盤面)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。ガラス枠ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と遊技盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
受け皿ユニット6は、全体的に外枠アセンブリ2から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。なお、パチンコ機1を現金機とする場合、貸出操作部14は搭載されない。
また、受け皿ユニット6の前面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きレバー6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きボタン6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きレバー6dを例えば左方向へスライドさせることで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きボタン6eを例えば押し込み操作することで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤8の左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。
〔盤面の構成〕
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が設置されている。遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、あるいは、普通入賞口22,24や上始動入賞口26、作動時の可変始動入賞装置28に入賞(入球)したりする。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、入賞した遊技球は遊技板に形成された貫通穴を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。
なお、上記の可変始動入賞装置28は、所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示された場合)に作動し、それに伴って下始動入賞口28aへの入賞を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、図示のように先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは閉位置にあり、このとき下始動入賞口28aへの入賞は不能(遊技球が流入できる隙間がない状態)となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、左右の可動片28bはそれぞれ閉位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、下始動入賞口28aの開口幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が可能な状態となり、下始動入賞口28aへの入賞を発生させる。なお、遊技盤8に設置されている障害釘の配列(ゲージ)は、基本的に可変始動入賞装置28に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が可変始動入賞装置28に流入するというわけではなく、あくまで流入は無作為に発生する。
また上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入賞を可能にする(特別電動役物、特別入賞事象発生手段)。可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態又は閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
また遊技盤8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33と普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている(普通図柄表示手段、特別図柄表示手段、抽選要素記憶手段)。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。
図3は、遊技盤8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の上始動入賞口26に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が流入するごとに、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で上始動入賞口26に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表している。
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dにそれぞれ対応する4つのLEDが含まれている。なお本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に取り付けられている。
〔遊技盤のその他の構成:図1を参照〕
また遊技盤8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40cを備えている。装飾部品40b,40cはその立体的な造形により遊技盤8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤8は、その盤面の構成(図示しないセル板のデザイン)や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。なお、遊技盤8にベニヤ板でなく透明板(例えばアクリル板)を用いる場合、透明板の前面や背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性が付加される。
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40fが形成されており、このとき転動ステージ40eから球放出路40fに流下した遊技球は、その真下にある上始動入賞口26に流入しやすくなる。
その他に演出ユニット40には、演出用の可動体として装飾体400が付属している。装飾体400は、例えばハート型を象った装飾部品であり、図1に示される状態では液晶表示器42の表示画面より上方位置で演出ユニット40に格納されている。装飾体400は、図1に示されない装飾体モータやリンク機構等の働きにより、演出ユニット40に格納された位置から下降して、その全体が液晶表示器42の表示画面より手前の位置まで移動することができる。また、装飾体400には図1に示されない装飾体ランプが設けられており、装飾体400は、装飾体ランプの点灯・点滅により発光演出を行うことができる。このような装飾体400は、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行するものとなる。このような装飾体400を用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別のインパクトを持たせることができる。
〔枠前面の構成〕
ガラス枠ユニット4には、演出用の構成要素としてガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50がガラスユニット8を取り巻くようにして複数の箇所に設置されている。また、受け皿ユニット6には受け皿ランプ52が設置されており、この受け皿ランプ52とガラス枠トップランプ46,48及びガラス枠サイドランプ50とは、外見上、パチンコ機1の前面において一体的につながっているかのようにデザインされている。
上述した各種ランプ46〜52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。またガラス枠ユニット4の上部には、左右一対のガラス枠上スピーカ54とその中央にガラス枠中スピーカ55が内蔵されており、そして受け皿ユニット6には、下皿6cの右側に受け皿スピーカ56が内蔵されている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45(個別情報受付手段)が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示部42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(各種の予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。
さらに演出切替ボタン45の周囲には、演出切替ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(個別情報受付手段)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示部42に表示される操作メニューを通じてパスワード等の個別情報を入力することができる。あるいは、遊技中の演出上で遊技者にジョグダイアル45aの回転操作が要求された場合、遊技者は実際にジョグダイアル45aを回転操作することで、演出上の要求に応じることができる。
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。なお、電子機器類については別のブロック図(図4)に基づいてさらに後述する。
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aはプラ枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのインタフェースであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図4は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。
また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、大当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80(事象発生検出手段)、下始動入賞口スイッチ82(事象発生検出手段)及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。またカウントスイッチ84は、可変入賞装置30(大入賞口)への遊技球の入賞を検出し、その数をカウントするためのものである。同様に遊技盤8には、普通入賞口22,24への遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、ここでは全ての普通入賞口22,24について共通の入賞口スイッチ86を用いる構成を例に挙げているが、例えば盤面の左右で別々の入賞口スイッチ86を設置し、左側の入賞口スイッチ86では盤面の左側に位置する普通入賞口22,24に対する遊技球の入賞を検出し、右側の入賞口スイッチ86では盤面の右側に位置する普通入賞口24に対する遊技球の入賞を検出することとしてもよい。
いずれにしても、これらスイッチ類78〜86の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお遊技盤8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、カウントスイッチ84及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38及びランプ33a,34a,35aは、上記のように1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤8に設置されており、この統合表示基板89には上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
また遊技盤8には、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90が設けられている。これらソレノイド88,90は主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,90についても上記のパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
その他に上記のガラス枠ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また上記のプラ枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。ガラス枠ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また外枠アセンブリ2からプラ枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号からガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお主制御CPU72は、ガラス枠ユニット4やプラ枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(特別特典付与手段)。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って上記の受け皿ユニット6に送られる。
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
またパチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は上記の流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
またパチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上記のように遊技領域8に向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
一方、パチンコ機1の表側に位置する上記のグリップユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。またタッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がグリップユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
上記の受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120に上記のCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
また、受け皿ユニット6には度数表示基板122及び貸出及び返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。またCRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。またCRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
また演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
演出制御装置124と上記の主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお各種ランプには、上記のガラス枠トップランプ46,48やガラス枠サイドランプ50,受け皿ランプ52の他に、遊技盤8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53が含まれる。盤面ランプ53は上記の演出ユニットに内蔵されるLEDや、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等に内蔵されるLEDに相当するものである。なお、ここでは受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
また音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56を駆動して音響出力を行う。
本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらにガラス枠電飾基板136には、上記のジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、上記の受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
その他、遊技盤8にはパネル電飾基板138が設置されており、ランプ駆動回路132からの駆動信号がパネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53に印加されている。また上記の装飾体モータ402及び装飾体ランプ404は、パネル電飾基板138を介して演出制御装置124(演出制御CPU126)に接続されている。上記のように装飾体モータ402は、図示しないリンク機構等を介して装飾体400を昇降させることができる。また装飾体ランプ404は、例えばLEDの発光により装飾体400を装飾的に発光させることができる。
上記の液晶表示器42は遊技盤8の裏側に設置されており、遊技盤8に形成された略矩形の開口を通じてのその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば例陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。またVDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なおVRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらにVDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
その他、プラ枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また上記のように電源制御ユニット164は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
上記の外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。またリセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
図5及び図6は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
ステップS105:また主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
ステップS110:また主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は図6に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、普通図柄に対応する当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(図8中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(図8中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお上記のように、本実施形態において大当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(図8)を実行した場合の残り時間で行われる。なお割込管理処理の内容については後述する。
〔電源断発生チェック処理〕
図7は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド90に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
ステップS146:また主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
ステップS148:そして主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なおバックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(図5)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。図8は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数、普通図柄当り決定乱数等が含まれる。
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82、カウントスイッチ84、入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
ステップS204:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する(事象発生検出手段)。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。またゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理及び普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
また普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
なお本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」〜「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」〜「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」〜「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
ステップS209:また主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
ステップS211:また主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88及び大入賞口ソレノイド90の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
ステップS213:そして主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
なお本実施形態では、ステップS205〜ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
ステップS215,ステップS216:そして主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
〔スイッチ入力イベント処理〕
図9は、スイッチ入力イベント処理(図8中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力(第1事象が発生)されたか否かを確認する(事象発生検出手段)。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12に進んで第1特別図柄記憶更新処理を実行する。具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14に進む。
ステップS14:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力(第2事象が発生)されたか否かを確認する(事象発生検出手段)。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS16に進んで第2特別図柄記憶更新処理を実行する。ここでも同様に、具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18に進む。
ステップS18:主制御CPU72は、大入賞口に対応するカウントスイッチ84から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS20に進んで大入賞口カウント処理を実行する。大入賞口カウント処理では、主制御CPU72は大当り遊技中に1ラウンドごとの可変入賞装置30への入賞球数をカウントする。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22に進む。
ステップS22:主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号が入力されたか否かを確認する。この通過検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS24に進んで普通図柄記憶更新処理を実行する。普通図柄記憶更新処理では、主制御CPU72は現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。そして主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。一方、入賞検出信号の入力がなかった場合(No)、主制御CPU72は割込管理処理(図8)に復帰する。
〔第1特別図柄記憶更新処理〕
図10は、第1特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS12)の手順例を示すフローチャートである。以下、第1特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS30:ここでは先ず、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値(上限数)に達していれば(No)、主制御CPU72はステップS30aに進む。一方、作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に進む。先ず、作動記憶数カウンタの値が最大値未満の場合から説明する。
ステップS31:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図8中のステップS210)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS32:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(抽選要素の取得、要素記憶手段)。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行う。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS33:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。この乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行う。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、これを第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
ステップS34:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第1特別図柄の変動条件に関する乱数値として、リーチグループ決定乱数、リーチモード乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素の取得、要素記憶手段)。これら乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチグループ決定乱数、リーチモード乱数及び変動パターン決定乱数をそれぞれ取得すると、これらを転送先のアドレスにセーブする。
ステップS35:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード乱数及び変動パターン決定乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセット(組)で記憶させる(要素記憶手段としての処理)。複数のセクションには順番(例えば第1〜第4)が設定されており、現段階で第1〜第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2〜第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
ステップS36:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中であるか否かを確認する。大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS37,S38を実行する。大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37,S38をスキップしてステップS38aに進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、基本的に大当り中は先読みによる演出を行わないためであるが、大当り中に発生した作動記憶についても、先読み演出の対象としてよい。
ステップS37:現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中以外である場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32〜S34でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。
ステップS38:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS38a:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。具体的には、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
〔作動記憶数最大値(上限数)到達時〕
以上の手順は、作動記憶数が最大値(上限数)未満である場合の流れであるが、最初のステップS30で、第1特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していた場合(ステップS30:No)は以下の流れとなる。
ステップS30a:すなわち、主制御CPU72は第1特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンドを生成する。このコマンドは、第1特別図柄に対応する作動記憶数が最大値(上限数)に到達している状態で、上始動入賞口26への入賞(1回の入賞)が発生したことを表すものであるが、作動記憶数の増加又は減少を表すものではない。
ステップS39:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。この処理は、先のステップS38で生成した特図先判定演出コマンドや、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、あるいはステップS30aで生成した第1特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンド、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えるか、もしくは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS30:No)、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。
〔第2特別図柄記憶更新処理〕
次に図11は、第2特別図柄記憶更新処理(図9中のステップS16)の手順例を示すフローチャートである。以下、第2特別図柄記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
ステップS40:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(上限数)未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すものである。このとき、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72はステップS40aに進む。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS41以降に進む。ここでも同様に、作動記憶数カウンタの値が最大値未満の場合から説明する。
ステップS41:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS31(図10)と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図8中のステップS210)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
ステップS42:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する(抽選要素の取得、抽選要素記憶手段)。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(図10)と同様である。
ステップS43:次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(図10)と同様である。
ステップS44:また主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、第2特別図柄の変動条件に関するリーチグループ決定乱数、リーチモード乱数及び変動パターン決定乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素の取得、抽選要素記憶手段)。これら乱数値の取得もまた、先に説明したステップS34(図10)と同様に行われる。
ステップS45:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード乱数及び変動パターン決定乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセット(組)で記憶させる(要素記憶手段としての処理)。記憶の手法は、先に説明したステップS35(図10)と同様である。
ステップS45a:次に主制御CPU72は、現在の遊技管理状態(内部状態)が大当り中であるか否かを確認する。そして大当り中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS46,S47を実行する。逆に大当り中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS46,S47をスキップしてステップS48に進む。本実施形態においてこの判断を行っているのは、大当り中は先読みによる演出を行わないためであるが、同じく大当り中に発生した作動記憶についても、先読み演出の対象としてよい。
ステップS46:大当り中以外である場合(ステップS45a:No)、次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS42〜S44でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、それによって演出内容を判定するためのものである。なお、具体的な処理の内容は後述する。
ステップS47:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS46)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
ステップS48:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットする。ここでは、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。第2特別図柄についても同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
〔作動記憶数最大値(上限数)到達時〕
以上の手順は、第2特別図柄に対応する作動記憶数が最大値(上限数)未満である場合の流れであるが、最初のステップS40で、第2特別図柄に対応する作動記憶数カウンタの値が最大値に達していた場合(ステップS40:No)は以下の流れとなる。
ステップS40a:すなわち、主制御CPU72は第2特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンドを生成する。このコマンドは、第2特別図柄に対応する作動記憶数が最大値(上限数)に到達している状態で、下始動入賞口28aへの入賞(1回の入賞)が発生したことを表すものであるが、作動記憶数の増加又は減少を表すものではない。
ステップS49:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力設定処理を実行する。これにより、第2特別図柄に関して特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、あるいはステップS40aで生成した第2特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンド、始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置24に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。また以上の手順を終えると、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(図9)に復帰する。
〔取得時演出判定処理〕
図12は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、先の第1特別図柄記憶更新処理及び第2特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS37,図11中のステップS46)においてこの取得時演出判定処理を実行する(事前判定手段)。上記のように、この処理は第1特別図柄(上始動入賞口26への入賞時)、第2特別図柄(可変始動入賞装置28への入賞時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、第1特別図柄に関する処理に該当する場合と、第2特別図柄に関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
ステップS50:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットする。なお、ここでセットしたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すものとなる。
ステップS52:次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードする。ここでロードする乱数は、先の第1特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS45)でRAM76に記憶されているものである。
ステップS54:そして主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、この比較値からロードした乱数値を減算する。なお比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS80に進む。
ステップS80:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行する(変動パターン事前判定手段、先判定手段)。この処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、変動時間短縮機能の作動状態別、第1特別図柄及び第2特別図柄の合計記憶数別等の各種条件に応じて設定される変動時間(又は変動パターン番号)やリーチ変動の有無の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「時間短縮機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチグループ決定乱数に基づいて、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものである場合、主制御CPU72は「時短中非短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、リーチモード乱数から「リーチモード(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドを生成することとしてもよい。一方、変動時間が「はずれリーチ変動(非短縮変動時間)」に対応するものでない場合、主制御CPU72は、例えば「合計記憶数別時短中短縮変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「時間短縮機能」の非作動時(非時間短縮状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチグループ決定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものであるか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものである場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「合計記憶数別通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上の手順を実行すると、主制御CPU72は取得時演出判定処理を終了し、呼び出し元の第1特別図柄記憶更新処理(図10)又は第2特別図柄記憶更新処理(図11)に復帰する。一方、先のステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は次にステップS56に進む。
ステップS56:主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされるものである。具体的には、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、これと組になる大当り図柄乱数が「確変図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。一方、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、これと組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当するものであれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。この値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表すものである。なお、これまでに記憶されている大当り決定乱数に当選値が未だ存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、ここでは「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行う例を挙げているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、このステップS56と以降のステップS58,ステップS60,ステップS62,ステップS76等を省略してもよい。
主制御CPU72は、未だ確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、次にステップS66を実行する。
ステップS66:この場合、主制御CPU72は次に低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。なお低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
ステップS68:次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードする。この確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
ステップS70:そして主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行する。
ステップS64:主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットする。これにより、先のステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられることになる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72を実行する。
ステップS72:主制御CPU72は、先のステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。そして主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は上記のはずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)を実行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS74に進む。
ステップS74:主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行する。この処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、そのときの大当り種別(当選種類)を判定するためのものである。例えば、主制御CPU72は先の第1特別図柄記憶更新処理(図10中のステップS35)又は第2特別図柄記憶更新処理(図11中のステップS45)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、上記のステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「非確変(通常)図柄」又は「確変図柄」のいずれに該当するかを判別する。主制御CPU72は、このときの判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、次のステップS76に進む。
ステップS76:そして主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットする。具体的には、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「非確変(通常)図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
ステップS78:主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、先のステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットする。特別図柄先判定値は、例えば「非確変(通常)図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ここで下位バイト分のデータをセットすることにより、先のステップS50でセットした標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
ステップS79:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、上述した変動パターン先判定コマンドを生成する。ここで生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ここで生成された変動パターン先判定コマンドは、上記のように演出コマンド出力設定処理(ステップS39,S49)で送信バッファにセットされる。
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、先のステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされた場合、以下の手順が実行される。ただし、上記のように現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、以下のステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62、及びステップS76を実行する必要はない。
ステップS56:主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、次にステップS58を実行する。
ステップS58:主制御CPU72は、先ず低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットする。
ステップS60:次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードする。確率状態予定フラグは、上記のように直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのものであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されているものである。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、上記のように確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
ステップS62:そして主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、その結果、高確率の予定を表すものであれば(No)、次にステップS64を実行し、高確率時用比較値をセットする。
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、その値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降を実行することになる。これに対し、先のステップS62で確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでなく、通常(低)確率の予定を表すものであることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64をスキップして次のステップS72以降を実行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(通常確率状態→高確率状態、高確率状態→通常確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は第1特別図柄記憶更新処理(図10)又は第2特別図柄記憶更新処理(図11)に復帰する。
〔特別図柄遊技処理〕
次に、割込管理処理(図8)の中で実行される特別図柄遊技処理の詳細について説明する。図13は、特別図柄遊技処理の構成例を示すフローチャートである。特別図柄遊技処理は、実行選択処理(ステップS1000)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、可変入賞装置管理処理(ステップS5000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群を含む構成である。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄遊技処理の基本的な流れを説明する。
ステップS1000:実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000〜ステップS5000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄が変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。一方、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態ではジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理を選択しているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択している公知のプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
ステップS2000:特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄の変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS3000:特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番〜7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄の変動表示が行われる。
ステップS4000:特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の駆動制御を行う。ここでも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号を出力するが、駆動信号のパターンは一定であり、これにより特別図柄の停止表示が行われる。
ステップS5000:可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において当りの態様(非当選以外の態様)で特別図柄が停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄が16ラウンド大当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。大当り遊技中は、先の実行選択処理(ステップS1000)においてジャンプ先が可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。可変入賞装置管理処理においては、大入賞口ソレノイド90が一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば7回、16回)にわたって励磁され、これにより可変入賞装置30が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。この間に可変入賞装置30に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に可変入賞装置30が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で16回あれば、これらを「16ラウンド」と総称することがある。なお可変入賞装置30の1ラウンドの動作は、開放状態で所定の開放時間(例えば29秒程度)が経過するか、もしくは開放中に規定数の入賞(例えば8個の遊技球の入賞)が発生すると閉鎖状態に戻って終了する。本実施形態では、大当りの種類として16ラウンド大当りだけでなく、その他に複数種類の7ラウンド大当りが設けられている。また16ラウンド大当りや7ラウンド大当りについては、その中に複数の当選種類(当選図柄)が設けられている。
また、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の可変入賞装置30の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで大当り遊技(大役)を終了する。
そして、大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグ、時間短縮機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態(高確率状態、時間短縮状態)を変化させる。「高確率状態」では確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(特定遊技状態移行手段、高確率状態移行手段、高確率状態設定手段)。また「時間短縮状態」では時間短縮機能が作動し、上記のように普通図柄の作動抽選が高確率になり、また普通図柄の変動時間が短縮されるとともに可変始動入賞装置28の開放時間が延長されて開放回数が増加する(いわゆる電チューサポートが行われる)。なお、「高確率状態」及び「時間短縮状態」については、制御上でいずれか一方だけに移行する場合もあれば、これら両方に合わせて移行する場合もある。
〔複数の当選種類〕
本実施形態では、上記の「16ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として(1)「16ラウンド確変大当り」、(2)「16ラウンド通常(非確変)大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。また「16ラウンド大当り」以外に、本実施形態では複数の当選種類として(3)「7ラウンド確変大当り」、(4)「7ラウンド通常(非確変)大当り」が設けられている(これ以上があってもよい)。
上記の当選種類は、当選時に停止表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の種類に対応している。例えば、「16ラウンド確変大当り」は「16ラウンド確変図柄」の大当りに対応し、「16ラウンド通常大当り」は「16ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。また、「7ラウンド確変大当り」は「7ラウンド確変図柄」の大当りに対応し、「7ラウンド通常大当り」は「7ラウンド通常図柄」の大当りに対応する。このため以下では、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称するものとする。
〔16ラウンド通常図柄(通常当選種類)〕
先ず、上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが16ラウンド目まで継続する。このため「16ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。この場合、「確率変動機能」は作動されないため、「高確率状態」に移行する特典は遊技者に付与されない。ただし、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔16ラウンド確変図柄(特定当選種類)〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「16ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが16ラウンド目まで継続する。これら「16ラウンド確変図柄」の大当り遊技もまた、それぞれが16ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。またこの場合、それまでの遊技で「時間短縮機能」が非作動の状態であったとしても、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させることで、合わせて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される。
〔7ラウンド通常図柄〕
上記の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「7ラウンド通常図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが7ラウンド目まで継続する。このため「7ラウンド通常図柄」の大当り遊技は、7ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。なお大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。この場合、「確率変動機能」は作動されないため、「高確率状態」に移行する特典は遊技者に付与されない。また、「7ラウンド通常図柄」に関しては、大当り遊技の終了後であっても、「時間短縮機能」は作動されず、「変動時間短縮状態」に移行する特典は遊技者に付与されない。
〔7ラウンド確変図柄〕
あるいは先の特別図柄停止表示中処理において、特別図柄が「7ラウンド確変図柄」の態様で停止表示されると、それまでの通常状態から大当り遊技状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目から充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて大入賞口の開放が1回ずつ行われ、これが7ラウンド目まで継続する。これら「7ラウンド確変図柄」の大当り遊技もまた、それぞれが7ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる。また大入賞口は、1ラウンド内に規定回数(例えば9回=遊技球9個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉止される。そして、大当り遊技の終了後に例えば「確率変動機能」を作動させることで、その結果として「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。また「7ラウンド確変図柄」に関しては、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させて「変動時間短縮状態」に移行する特典が遊技者に付与される場合もあるが、大当り遊技の終了後に「時間短縮機能」を作動させずに「変動時間短縮状態」に移行させない場合もある。これらの振り分けの詳細は後述する。
いずれにしても、当選図柄が上記の「16ラウンド確変図柄」又は「7ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態を「高確率状態」に移行させる特典が遊技者に付与される。また、「高確率状態」において内部抽選に当選し、そのときの当選図柄が「16ラウンド確変図柄」又は「7ラウンド確変図柄」のいずれかに該当すると、その大当り遊技終了後も「高確率状態」が継続(再開)される。一方、「高確率状態」で内部抽選に当選し、上記の「16ラウンド通常図柄」又は「7ラウンド通常図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後に内部状態は通常確率状態(低確率状態)に復帰する。また言うまでもなく、通常確率状態で内部抽選に当選し、「16ラウンド通常図柄」又は「7ラウンド通常図柄」のいずれかに該当すると、大当り遊技終了後も内部状態は通常確率状態に維持される。
〔小当り〕
また本実施形態では、非当選以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当りの遊技が行われて可変入賞装置30が開閉動作する。すなわち、先の特別図柄停止表示中処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄が小当りの態様で停止表示されると、通常確率状態又は高確率状態の中で小当りの遊技(可変入賞装置30が作動する遊技)が実行される。このような小当りの遊技では可変入賞装置30が所定回数(例えば2回)だけ開閉動作するものの、大入賞口への入賞はほとんど発生しない。また小当りの遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはなく、また、「時間短縮機能」が作動することもないので、「高確率状態」や「時間短縮状態」へ移行する特典は付与されない(そのための前提条件とはならない。)。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「高確率状態」が終了することはないし、「時間短縮状態」で小当りに当選しても、その小当りの遊技終了後に「時間短縮状態」が終了することもない(上限回数に達した場合を除く。)。なお、本実施形態では、小当りを設定する遊技仕様としているが、小当りを設定しない遊技仕様としてもよい。
〔特別図柄変動前処理〕
図14は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。
ステップS2500:この処理では、主制御CPU72はデモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、上記の演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に出力される。デモ設定処理を実行すると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。なお復帰時は、上記のように末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
これに対し、第1特別図柄又は第2特別図柄のいずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。
ステップS2200:主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから順に乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出した乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して一時記憶領域に保存する。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。その結果、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示が優先的に行われることになる。なお、このような特別図柄別の優先順位を設けることなく、単純に記憶された順番で乱数が読み出されるプログラムであってもよい。またこの処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(第1特別図柄又は第2特別図柄のうち、乱数のシフトを行った方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、上記の表示出力管理処理(図8中のステップS210)の中で第1特別図柄作動記憶ランプ34a又は第2特別図柄作動記憶ランプ35aによる記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は次にステップS2300を実行する。
ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では通常確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。
上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質のものである。すなわち、「大当り」は上記の「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行させる契機(遊技の節目)を発生させるものであるが、「小当り」はそのような契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に可変入賞装置30を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。なお、このとき設定される小当り値の範囲は、通常確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なっていてもよいし、同じでもよい。いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。このように、本実施形態では非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが、予め状態別の大当り判定テーブル、小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これを読み出して乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。
ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、演出制御出力処理(図8中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。
なお本実施形態では、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。あるいは、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35を複数のドットLEDの配列形態とする場合、はずれ時の停止図柄の表示態様を特定の1つのドットLEDの点灯表示としてもよい。
ステップS2405:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する(変動パターン選択手段)。変動パターン番号は、特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりするものである。はずれ時の変動時間は、上記の「時間短縮状態」であるか否かによって異なってくるため、この処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の状態が「時間短縮状態」であるか否かを確認する。「時間短縮状態」であれば、基本的にリーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は短縮された時間に設定される(短縮時変動時間決定手段)。また「時間短縮状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時の変動秒数)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
本実施形態では、内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
〔はずれ時変動パターン選択テーブルの例〕
図15は、はずれ時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、はずれ時(非当選に該当した場合)に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。「比較値」には、例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「1」〜「8」が割り当てられている。
変動パターン番号「1」〜「3」は、リーチ演出が行われずに、はずれとなる変動パターンに対応しており、変動パターン番号「4」〜「8」は、リーチ後にはずれとなる変動パターンに対応している。なお、このような変動パターン選択テーブルは、取得時演出判定処理(図12)の事前判定処理においても使用される(大当り時も同様)。
主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「2」を選択する。
〔図14:特別図柄変動前処理を参照〕
以上のステップS2404,ステップS2405は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。
ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段、第1図柄当選種類決定手段、第2図柄当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(第1特別図柄又は第2特別図柄)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段、第1図柄当選種類規定手段、第2図柄当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。
〔大当り時の当選図柄〕
本実施形態では大当り時に選択的に決定される当選図柄として、大きく分けて10種類が用意されている。10種類の内訳は、「7ラウンド通常図柄1」、「7ラウンド通常図柄2」、「7ラウンド通常図柄3」、「16ラウンド通常図柄1」、「16ラウンド通常図柄2」、「16ラウンド通常図柄3」、「16ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」、「7ラウンド確変図柄1」、「7ラウンド確変図柄2」である。なお、10種類の当選図柄の各当選図柄は、さらに複数の当選図柄を含んでいてもよい。例えば「7ラウンド通常図柄1」であれば、「7ラウンド通常図柄1a」、「7ラウンド通常図柄1b」、「7ラウンド通常図柄1c」、・・・といった具合である。
また本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、それぞれに対応する内部抽選の大当り時に選択される当選図柄の種類が異なっている。すなわち、第1特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「7ラウンド通常図柄1〜3」、「16ラウンド確変図柄1」、「7ラウンド確変図柄1,2」のいずれかが選択される。
一方、第2特別図柄に対応する内部抽選の大当り時には、「16ラウンド通常図柄1〜3」、「16ラウンド確変図柄1,2」のいずれかが選択されることになる。このため主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであるか、第2特別図柄に対応するものであるかによって当選図柄として選択可能な対象を区別している。
〔第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図16は、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、図16に示される第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中、左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「6」,「7」,「8」,「4」,「48」,「27」は分母を100とした場合の割合に相当する。また左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「7ラウンド通常図柄1」、「7ラウンド通常図柄2」、「7ラウンド通常図柄3」、「16ラウンド確変図柄1」、「7ラウンド確変図柄1」、「7ラウンド確変図柄2」が示されている。すなわち、第1特別図柄に対応する大当り時には、「7ラウンド通常図柄1」が選択される割合は100分の6(=6%)であり、「7ラウンド通常図柄2」が選択される割合は100分の7(=7%)である。また、「7ラウンド通常図柄3」が選択される割合は100分の8(=8%)であり、「16ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の4(=4%)である。また、「7ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の48(=48%)であり、「7ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の27(=27%)である。各振分値の大きさは、大当り図柄乱数を用いた当選図柄別の選択比率に相当する。したがって、全体として第1特別図柄についての確変図柄の選択比率は79%である。
いずれにしても、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。また第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が第1特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「00H」,「01H」,「02H」,「06H」,「08H」,「09H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第1特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「7ラウンド通常図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H00H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第1特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第1特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの左から4番目のカラム(右カラム)には、大当り遊技の終了後に付与される時短回数(限度回数)の値が示されている。時短回数の具体的な値は、以下の通りである。
「7ラウンド通常図柄1」に該当した場合、時短回数は0回付与される。なお、時短回数が0回付与されるとは、実質的に時短回数が付与されない状態と同様の状態を意味する。
「7ラウンド通常図柄2」に該当した場合、時短回数は0回付与される。
「7ラウンド通常図柄3」に該当した場合、時短回数は0回付与される。
なお、「7ラウンド通常図柄1〜3」については、時間短縮状態中での当選であれば、それぞれ30回、50回、100回の時短回数を付与することとしてもよい。
「16ラウンド確変図柄1」に該当した場合、時短回数は10000回付与される。
「7ラウンド確変図柄1」に該当した場合、時短回数は10000回付与される。
「7ラウンド確変図柄2」に該当した場合、時短回数は0回付与される。したがって、「7ラウンド確変図柄2」で当選した場合、高確率状態には移行するが、時間短縮状態には移行されないため、いわゆる潜伏確変状態に移行される。
〔第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
図17は、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成列を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、図17に示される第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおいても、その左カラムには当選図柄別の振分値が示されており、各振分値「6」,「7」,「8」,「4」,「75」は分母を100とした場合の割合に相当する。同様に左から2番目のカラムには、各振分値に対応する「16ラウンド通常図柄1」、「16ラウンド通常図柄2」、「16ラウンド通常図柄3」、「16ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド確変図柄2」が示されている。すなわち、第2特別図柄に対応する大当り時においては、「16ラウンド通常図柄1」が選択される割合は100分の6(=6%)であり、「16ラウンド通常図柄2」が選択される割合は100分の7(=7%)である。また、「16ラウンド通常図柄3」が選択される割合は100分の8(=8%)であり、「16ラウンド確変図柄1」が選択される割合は100分の4(=4%)である。また、「16ラウンド確変図柄2」が選択される割合は100分の75(=75%)である。したがって第2特別図柄についても、全体として確変図柄の選択比率は79%である。ただし、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルには、「7ラウンド通常図柄1〜3」、「7ラウンド確変図柄1,2」についての振分値は設定されていない。
今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。同様に第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにも、その左から3番目のカラムに示されるように当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。ここでも停止図柄コマンドは、上記のMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B2H」は、今回の当選図柄が第2特別図柄の大当り時に選択されたものであることを表している。また下位バイトのEVENT値「03H」,「04H」,「05H」,「06H」,「07H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が第2特別図柄に対応するものであり、当選図柄として「16ラウンド通常図柄1」が選択された場合、停止図柄コマンドは「B2H03H」で記述されることになる。
以上のように、主制御CPU72は第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、そのときの停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて第2特別図柄についての大当り時停止図柄番号を決定する。
〔時短回数〕
第2特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの左から4番目のカラム(右カラム)には、大当り遊技の終了後に付与される時短回数の値が示されている。時短回数の具体的な値は、以下の通りである。
「16ラウンド通常図柄1」に該当した場合、時短回数は30回付与される。
「16ラウンド通常図柄2」に該当した場合、時短回数は50回付与される。
「16ラウンド通常図柄3」に該当した場合、時短回数は100回付与される。
「16ラウンド確変図柄1」に該当した場合、時短回数は10000回付与される。
「16ラウンド確変図柄2」に該当した場合、時短回数は10000回付与される。
なお、上記のように第1特別図柄と第2特別図柄とで、選択される当選図柄が異なっているのは、例えば以下の理由による。すなわち、「高確率状態」や「時間短縮状態」に移行した場合、通常時(時間短縮機能の非作動時)に比較して高頻度で可変始動入賞装置28が作動するため、第2特別図柄についての作動記憶が途切れにくくなっている。そして、本実施形態では第1特別図柄よりも第2特別図柄についての記憶が優先して消費されることから、第2特別図柄についての当選種類から「7ラウンド通常大当り」や「7ラウンド確変大当り」を除外しておけば、特に「高確率状態」及び「時間短縮状態」で「7ラウンド通常大当り」や「7ラウンド確変大当り」を引きにくくなるため、それだけ遊技者の利益を高めることができるという利点がある。
〔図14:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。また主制御CPU72は、決定した変動時間(大当り時の変動秒数)の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
本実施形態では、内部抽選の結果、16ラウンド大当り(16ラウンド通常大当り又は16ラウンド確変大当り)や7ラウンド大当り(7ラウンド通常大当り又は7ラウンド確変大当り)に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行うこととしている。そして、「大当り当選時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、16ラウンド大当りや7ラウンド大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出(ゲームリーチ演出、化粧リーチ演出、散歩リーチ演出)等といった様々なリーチ演出が含まれる。なお、時間短縮機能が作動している高確率状態での当選時には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択するようにしてもよい。この場合、内部状態別や特別図柄別の選択テーブルを用意する必要がある。この点については、はずれ時の変動パターン選択テーブルについても同様である。
〔大当り当選時変動パターン選択テーブルの例〕
図18は、大当り当選時変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。
この選択テーブルは、大当りに当選した場合に使用するテーブルである(変動パターン規定手段)。また、この選択テーブルは、例えばその先頭アドレスから順番に「比較値」、「変動パターン番号」をそれぞれ1バイトずつセットにして記憶する構造である。ここでも同様に、「比較値」には例えば8つの段階的に異なる値「101」,「201」,「211」,「221」,「231」,「241」,「251」,「255(FFH)」が設けられており、それぞれの「比較値」に対して「変動パターン番号」の「13」〜「20」が割り当てられている。
変動パターン番号「13」〜「20」は、いずれもリーチ演出が行われて当りとなる変動パターンに対応している。各変動パターン番号別の違いは、演出上で発展し得るリーチ演出の種類であったり、具体的に設定される変動時間の長さであったりする。
ここでも同様に、主制御CPU72は、取得した変動パターン決定乱数値を、上記の変動パターン選択テーブル中の「比較値」と順番に比較していき、乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する変動パターン番号を選択する(変動パターン決定手段)。例えば、そのときの変動パターン決定乱数値が「190」であったとすると、最初の比較値「101」と比較すると、乱数値が比較値を超えているため、主制御CPU72は次の比較値「201」と乱数値を比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は対応する変動パターン番号として「14」を選択する。
〔図14:特別図柄変動前処理を参照〕
ステップS2414:次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「7ラウンド確変図柄1,2」、「16ラウンド確変図柄1,2」のいずれかである場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段)。また、主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類が「7ラウンド通常図柄1〜3」、「16ラウンド通常図柄1〜3」のいずれかである場合、遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値をリセットする(低確率状態設定手段、低確率状態移行手段)。
また主制御CPU72は、先のステップS2410で決定した当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)が「16ラウンド確変図柄1,2」、「7ラウンド確変図柄1」、「16ラウンド通常図柄1〜3」のいずれかである場合、主制御CPU72は遊技状態フラグとして時間短縮機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(時間短縮状態移行手段、時間短縮機能作動手段)。
またステップS2414の処理において、主制御CPU72は大当り時停止図柄番号に基づいて第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、上記の停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
次に、小当り時の処理について説明する。
ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。ここでも同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
〔小当り時の当選図柄〕
本実施形態では、小当り時の当選図柄は「2回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「1回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。上記のように内部抽選の結果としての「小当り」は、その後の状態が「高確率状態」や「時間短縮状態」に変化する契機とはならないため、この種のパチンコ機で必須となる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先のステップS2200でシフトした変動パターン決定乱数に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する(変動パターン選択手段)。また主制御CPU72は、決定した変動時間(小当り時の変動秒数)の値を変動タイマにセットし、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。なお、本実施形態では小当りの場合にリーチ変動パターンを選択することもできるし、はずれ通常変動時と同等の変動パターンを選択することもできる。
ステップS2409:次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づき、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS2415:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択する。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔図13:特別図柄変動中処理,特別図柄停止表示中処理〕
特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図14中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図19は、上記の特別図柄記憶エリアシフト処理の手順例を示すフローチャートである。先の特別図柄変動前処理において、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」より大であった場合(図14中のステップS2100:Yes)、主制御CPU72はこの特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS2210:主制御CPU72は、優先して消費する方の第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であるか否かを確認する。このとき、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「1」以上であれば(No)、主制御CPU72は次にステップS2212に進む。
ステップS2212:主制御CPU72は、記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第2特別図柄を指定する。この指定は、例えば対象図柄指定値として「02H」をセットすることで行われる。
ステップS2214:一方、第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値が「0」であった場合(ステップS2210:Yes)、主制御CPU72は記憶エリアをシフトする対象の特別図柄として第1特別図柄を指定する。この場合の指定は、例えば対象図柄指定値として「01H」をセットすることで行われる。
ステップS2216:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象の特別図柄について、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域をシフトする。なお、具体的な処理の内容については、先の特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
ステップS2218:上記のステップS2212又はステップS2214のいずれかで指定した対象特別図柄について、主制御CPU72は作動記憶カウンタの値を減算する。例えば、今回の対象特別図柄が第2特別図柄であれば、主制御CPU72は第2特別図柄に対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
ステップS2220:そして主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から「変動開始時作動記憶数」を設定する。なお、ここでは第1特別図柄と第2特別図柄の両方について、作動記憶カウンタの値を加算した上で「変動開始時作動記憶数」を設定してもよい。
ステップS2222:また主制御CPU72は、今回の記憶エリアをシフトする対象の特別図柄が第2特別図柄であるか否かを確認する。
ステップS2224:対象が第2特別図柄であった場合(ステップS2222:Yes)、主制御CPU72は第2特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。ここでセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、その構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表したものとなる。つまり、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、それは前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、それは前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお上記の先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが第2特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
ステップS2226:なお、今回の対象が第1特別図柄であった場合(ステップS2222:No)、主制御CPU72は第1特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットする。この場合のコマンドは、先行値が第1特別図柄についての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BBH」)となる以外は上記と同じである。
ステップS2228:そして主制御CPU72は、演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS2224又はステップS2226でセットした作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである(記憶数通知手段)。
以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動前処理(図14)に復帰する。
〔特別図柄停止表示中処理〕
次に図20は、特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS4100:主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)する。
ステップS4200:そして主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(図13中のステップS1000)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は次にステップS4250を実行する。
ステップS4250:主制御CPU72は、図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また主制御CPU72は、ここで図柄変動中フラグを消去する。
ステップS4300:ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は次にステップS4350を実行する。
〔当選時〕
ステップS4350:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「可変入賞装置管理処理」に設定する。
ステップS4355:また主制御CPU72は、回数切り機能作動時フラグをリセットする。これにより、大当り遊技開始前に変動時間短縮機能又は確率変動機能の少なくとも一方が作動していた場合、当該機能は非作動となる。
ステップS4400:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、大当り中を表す状態コマンドを生成する。大当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップS4500:そして主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成する。連続作動回数コマンドは、先の大当り時停止図柄決定処理(図14中のステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類がいずれかの「16ラウンド確変図柄」であれば、連続作動回数コマンドは「16ラウンド」を表す値(最大回数)として生成される。また「7ラウンド確変図柄」の場合、連続作動回数コマンドは「7ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
大当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
ステップS4600:主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。そして小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は次にステップS4602を実行する。
ステップS4602:主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットする。
ステップS4605:これに対し、小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして可変入賞装置管理処理のアドレスをセットする。
ステップS4606:そして主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り中)」をセットする。また合わせて主制御CPU72は、小当り中を表す状態コマンドを生成する。小当り中を表す状態コマンドは、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ステップ4610:次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードする。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」や「時間短縮状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域、時短カウント領域にセットされている。なお、ここでは「回数切り」としているが、「高確率状態」の場合の回数切りカウンタの値は、極端に膨大な値(例えば10000回以上)に設定することができる。このような膨大な値を設定することで、実質的に次回の当選が得られるまで「高確率状態」が継続することを確率的に保証することができる。なお、「高確率状態」ではなく単独の「時間短縮状態」だけである場合、回数切りカウンタは標準的な数値(例えば30回、50回、100回等)に設定される。
ステップS4620:主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は次にステップS4630を実行する。
ステップS4630:主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)する。
ステップS4640:そして主制御CPU72は、その減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72はステップS4650に進む。
ステップS4650:ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットする。リセットされるのは、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグであるが、上記のように「高確率状態」で回数切りカウンタの値が0になることは実質的にはないため、実用上でリセットされるのは時間短縮機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時間短縮状態が終了する。以上の手順を終えると、特別図柄遊技処理に復帰する。
〔表示出力管理処理〕
次に図21は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(図8中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
このうち特別図柄表示設定処理(ステップS1200)と普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、については、既に述べたように第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶数表示ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグ又は時間短縮機能作動フラグの値に応じてそれぞれ確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38cに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお確率変動状態表示ランプ38cは、この後に特別図柄の変動表示が行われると、確率変動機能作動フラグがセットされていても非表示に(消灯)切り替えられる。一方、時間短縮機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、特に電源投入時であるか否かに関わらず、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。
また主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において大当り種別表示ランプ38a,38bの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数コマンドの値に基づき、大当り種別表示ランプ38a,38bのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数コマンドで指定された大当り図柄に対応するいずれかの表示ランプ38a,38bである。例えば、連続作動回数コマンドの値が「16ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「16ラウンド(16R)」を表すランプ38bに対して点灯信号を出力する。また連続作動回数コマンドの値が「7ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「7ラウンド(7R)」を表すランプ38aに対して点灯信号を出力する。
〔可変入賞装置管理処理〕
次に、可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。図22は、可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。可変入賞装置管理処理は、遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)、終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
ステップS5100:遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200〜ステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また戻り先のアドレスとして可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ可変入賞装置30の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大入賞口開閉動作処理及び大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
〔大入賞口開放パターン設定処理〕
図23は、大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は、大当り時又は小当り時にそれぞれ可変入賞装置30を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するためのものである。以下、各手順に沿って説明する。
ステップS5202:主制御CPU72は、現在の遊技状態が大役中、つまりRAM76のフラグ領域に大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5204に進む。一方、大当りフラグの値がセットされていなければ(No)、主制御CPU72はステップS5212に進む。なお、この手順は小当りフラグの値を参照する内容に書き換えてもよい(ただしYes/Noの論理は逆となる。)。
〔大当り時の手順〕
先ず、大当り時の手順は以下となる。
ステップS5204:主制御CPU72は、図柄別開放パターン設定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)や閉鎖時間、ラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)を設定する。なお当選図柄別の開放パターンについては、先の特別図柄遊技処理(図13)において〔複数の当選種類〕の項目で説明した通りである。また閉鎖時間とラウンド間のインターバル時間の合計は、例えば「7ラウンド図柄」及び「16ラウンド図柄」については数秒(例えば2秒〜2.5秒)程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は全ての当選図柄について例えば9個であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
ステップS5206:主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(図14中のステップS2410)で選択した大当り時当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定する。具体的には、当選図柄として大分類の「16ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を16回に設定する。また、当選図柄として「7ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を7回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(7回なら「6」、16回なら「15」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5208:次に主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお、大当り時開放タイマの値として29.0秒程度が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り開放タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5210:そして主制御CPU72は、先のステップS5204で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、大当り中のラウンド間での待機時間となる。
ステップS5220:以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔小当り時の手順〕
ステップS5212:一方、小当りの場合(ステップS5202:No)、主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば1回目と2回目とでそれぞれ「0.1秒開放」の開放パターンが設定される。なお「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回目の開放」、「2回目の開放」といった表記となる。
ステップS5214:主制御CPU72は、先のステップS5212で設定した大入賞口開放パターンに基づき、大入賞口の開放回数を例えば2回に設定する。ここで設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
ステップS5216:次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、可変入賞装置30を作動する際の1回あたりの開放時間となる。なお本実施形態では、上記のように小当り時開放タイマの値として0.1秒が設定されており、このような開放時間は1回の開放中に大入賞口への入賞がほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射装置ユニットによる遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
ステップS5218:主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定する。ここで設定したタイマの値は、小当り時に可変入賞装置30を複数回にわたり開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
ステップS5220:小当り時に以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして主制御CPU72は、次に大入賞口開閉動作処理を実行する。
〔大入賞口開閉動作処理〕
図24は、大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。この処理は主に、可変入賞装置30の開閉動作を制御するためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5302:主制御CPU72は、大入賞口を開放させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に対して印加する駆動信号を出力する。これにより、可変入賞装置30が作動して閉止状態から開放状態に移行する。
ステップS5304:次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行する。この処理では、先の大入賞口開放パターン設定処理(図23中のステップS5208又はステップS5216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
ステップS5306:続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5308を実行する。
ステップS5308:主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行する。この処理では、開放時間内に可変入賞装置30(開放中の大入賞口)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内にカウントスイッチ84から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
ステップS5310:次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り中の1ラウンド、小当り時の1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は上記のステップS5302〜ステップS5310の手順を繰り返し実行する。
上記のステップS5306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。なお、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS5306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
ステップS5312:主制御CPU72は、大入賞口を閉止させる。具体的には、大入賞口ソレノイド90に印加していた駆動信号の出力を停止する。これにより、可変入賞装置30が開放状態から閉止状態に復帰する。
ステップS5314:次に主制御CPU72は、インターバル待機処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は上記の大入賞口開放パターン設定処理(図23中のステップS5210又はステップS5218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。そして、インターバルタイマの値が0以下になると、次に主制御CPU72はステップS5316に進む。
ステップS5316:主制御CPU72は、大役中(大当り遊技中)であるか否かを確認する。現在の遊技が大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5318を実行する。これに対し、現在の遊技が小当りであれば(No)、主制御CPU72は次にステップS5322に進む。
ステップS5318:主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントする。なお、開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
ステップS5320:主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で可変入賞装置30を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。なお本実施形態では、特にこのような開放パターンを採用していないので、「現ラウンド内で設定した回数」は、各ラウンドで1回ずつに設定されている。したがって、通常は1回の開閉動作でカウンタ値が設定した回数に達するため(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
なお、上記のように1ラウンド内で複数回の開閉動作を繰り返すパターンを採用した場合、1回の開放終了時に未だカウンタ値が設定した回数に達していないことになる(No)。この場合、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰すると、現段階ではジャンプ先が大入賞口開閉動作処理に設定されているので、上記のステップS5302〜ステップS5320までの手順を繰り返し実行する。その結果、ステップS5318で開放回数カウンタのインクリメントが進み、そして、カウンタ値が設定した回数に達すると(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5322に進むことになる。
ステップS5322:主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口閉鎖処理に設定し、可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大入賞口閉鎖処理を実行する。
〔大入賞口閉鎖処理〕
図25は、大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。この大入賞口閉鎖処理は、可変入賞装置30の作動を継続したり、その作動を終了したりするためのものである。以下、手順に沿って説明する。
ステップS5401:先ず主制御CPU72は、現在の遊技が大役(大当り遊技)中であるか否かを確認し、大役中であれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5402を実行する。
ステップS5402:主制御CPU72は、上記のラウンド数カウンタをインクリメントする。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
ステップS5404:主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜16)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜16)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
ステップS5405:主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成する。このコマンドは、上記のように演出制御出力処理において演出制御装置124に送信されるものである。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
ステップS5406:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図22中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402〜ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(7回又は16回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が連続して実行される。
実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数に達した場合(ステップS5404:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5410を実行する。
ステップS5410,ステップS5412:この場合、主制御CPU72はラウンド数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔小当り時〕
これに対し、小当りの場合は以下の手順となる(特例作動実行手段)。
ステップS5411:主制御CPU72は現在の遊技が大役中でないことを確認すると(ステップS5401:No)、開放回数カウンタの値をインクリメントする。
ステップS5413:次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、先の大入賞口開放パターン設定処理(図23中のステップS5214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS5416を実行する。
ステップS5416:主制御CPU72は、次のジャンプ先を大入賞口開閉動作処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、遊技プロセス選択処理(図22中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大入賞口開閉動作処理の実行後は大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5401〜ステップS5413(No)を経てステップS5416、ステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際の開放回数が設定した開放回数(2回)に達するまでの間、可変入賞装置30の開閉動作が繰り返し実行される。
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS5413:Yes)、主制御CPU72は次にステップS5414を実行する。
ステップS5414,ステップS5412:この場合、主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)すると、次のジャンプ先を終了処理に設定する。
ステップS5408:そして主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は終了処理が選択されることになる。
〔終了処理〕
図26は、終了処理の手順例を示すフローチャートである。この終了処理は、可変入賞装置30の作動を終了する際の条件を整えるためのものである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS5502:主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認し、大当りフラグの値がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は次にステップS5503を実行する。
ステップS5503,ステップS5504:この場合、主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)する。これにより、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了する。また主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。
ステップS5505:また主制御CPU72は、ここで連続作動回数コマンドを消去する。
ステップS5506:次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図14中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5507:確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動機能に対応する回数切り機能作動時フラグをセットする。
ステップS5508:そして主制御CPU72は、確率変動回数(例えば10000回程度)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて上記の回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。ただし、上記のように10000回程度の膨大な回数を設定した場合、そこまで非当選が続くことは確率的にほとんどないので(高確率時の当選確率が例えば20分の1〜39分の1程度)、実質的には次回の当選まで高確率状態が続くことになる。これとは逆に、高確率状態に実質的な上限を設ける場合、確率変動回数は現実的な回数(例えば10回程度)に設定される(いわゆる回数切り確変)。なお、確率変動機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5506:No)、主制御CPU72はステップS5507,S5508を実行しない。
ステップS5510:次に主制御CPU72は、時間短縮機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。このフラグもまた、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(図14中のステップS2414)でセットされるものである。
ステップS5511:変動時間短縮機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は変動時間短縮機能に対応する回数切り機能作動時フラグをセットする。
ステップS5512:そして、主制御CPU72は時間短縮回数(例えば100回程度又は10000回程度)を設定する。設定した時間短縮回数の値は、上記のようにRAM76の時短カウント領域に格納される。ここで設定した時間短縮回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。なお、時間短縮機能作動フラグの値がセットされていなければ(ステップS5510:No)、主制御CPU72はステップS5511,S5512を実行しない。
ステップS5514:そして主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、高確率状態機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成し、時間短縮機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「時間短縮中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
ここまでの手順は大当りの場合であるが、小当りの場合(ステップS5502:No)は以下の手順が実行される。
ステップS5520,ステップS5522:小当りの場合、主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、また内部状態フラグから「小当り中」を消去する。なお小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、このような手順は単にフラグの消去を目的としたものである。
ステップS5516:いずれにしても、以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大入賞口開放パターン設定処理に設定する。
ステップS5518:そして主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(図13中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は可変入賞装置管理処理に復帰する。
〔ゲームフロー〕
図27は、パチンコ機1において展開されるゲームフローについて説明する図である。
一般的にパチンコ機1で遊技を開始する場合、〔F1〕通常状態から遊技が開始される。「通常状態」は「非時間短縮状態」であり、特別図柄に対応する抽選(内部抽選)の当選確率は、基本的には低確率(低確率状態)である。ただし、〔F12〕祭りゾーンから〔F1〕通常状態に移行された場合は、特別図柄に対応する抽選の当選確率が高確率となっている場合もある。
〔F1〕通常状態では、演出上で「野外ステージ」又は「海岸ステージ」を行き来することによりゲームが進行していく。これら「野外ステージ」や「海岸ステージ」は、いずれも演出上で現在滞在している場面やシチュエーションを象徴している。例えば、「野外ステージ」は演出上で現在の時間帯が昼間であり、また、現在の場所が野外(野原などの屋外)であることを表現している。また「海岸ステージ」は、演出上で現在の時間帯が昼間であり、また、現在の場所が海岸であることを表現している。なお、ここでは2つのステージを例に挙げているが、これ以外に演出上のステージ(例えば「室内ステージ」、「上空ステージ」、「異次元ステージ」等)が設けられていてもよい。
〔F1〕通常状態で行われた抽選で〔F2〕16ラウンド確変大当り1に当選すると、〔F3〕16ラウンド大当り遊技が行われる(スペシャルボーナス)。大当り遊技中は、16ラウンド確変大当り専用の演出が実行される。
〔F3〕16ラウンド大当り遊技の終了後、ゲームフローは演出上の〔F4〕花火モードに移行する。この「花火モード」は、特別図柄に対応する抽選の当選確率が高確率(高確率状態)であり、かつ、時間短縮状態(いわゆる電チューサポート状態)であることを意味する。〔F4〕花火モード中も第2特別図柄の変動が優先して行われることから、そこでの当選種類は基本的に〔F5〕16ラウンド通常大当り1〜3、〔F8〕16ラウンド確変大当り1,2のいずれかとなる。なお、第2特別図柄に対応する作動記憶数が0になり、第1特別図柄が変動して大当りになる場合もあり得るが、ここでは便宜上、第1特別図柄が変動するパターンを想定しない。
〔F4〕花火モードにて、〔F5〕16ラウンド通常大当り1〜3に当選すると、〔F6〕16ラウンド大当り遊技が行われる。この場合、大当り遊技中の演出上で「ゴルフチャンス失敗」となり、ゲームフローが演出上の〔F7〕ナイトモードに移行する。
「ナイトモード」は、特別図柄に対応する抽選の当選確率が低確率(低確率状態)であり、かつ、「時間短縮状態」である。「ナイトモード」にて所定の変動回数(例えば30回、50回、100回の変動回数)が経過すると、〔F1〕通常状態に移行する。
〔F7〕ナイトモードでは、上述した時間短縮機能の作動により可変始動入賞装置28が高頻度で作動し、〔F1〕通常状態に比較して下始動入賞口28aへの入賞が高頻度で発生する。このため、〔F7〕ナイトモード中は第2特別図柄の変動が優先して行われることから、そこでの当選種類は基本的に〔F14〕16ラウンド通常大当り1〜3、〔F15〕16ラウンド確変大当り1又は2となる。なお、第2特別図柄に対応する作動記憶数が0になり、第1特別図柄が変動して大当りになる場合もあり得るが、ここでは便宜上、第1特別図柄が変動するパターンを想定しない。
〔F7〕ナイトモード中に当選すると、〔F14〕16ラウンド通常大当り1〜3、〔F15〕16ラウンド確変大当り1又は2のいずれに該当した場合も〔F6〕16ラウンド大当り遊技が行われる(ゴルフチャンス演出)。
〔F7〕ナイトモードから〔F14〕16ラウンド通常大当り1〜3に該当すると、大当り遊技中に行われる演出で「ゴルフチャンス失敗」となり、大当り後は〔F7〕ナイトモードに復帰する。
これに対し、〔F7〕ナイトモードから〔F15〕16ラウンド確変大当り1又は2に該当した場合、大当り遊技中の演出で「ゴルフチャンス成功」となり、大当り遊技終了後は〔F4〕花火モードに復帰(再突入)する。
以後は、〔F4〕花火モードから〔F8〕16ラウンド確変大当り1又は2に当選し続けることで、〔F6〕16ラウンド大当り遊技が行われ(ゴルフチャンス成功)、前回の大当り遊技中の演出で用いられたホールから次のホール(例えば2番ホールから3番ホール等)に進む権利が遊技者に与えられる。
上記とは別に、例えば図27中に破線で示されているように、〔F4〕花火モードから〔F9〕16ラウンド確変大当り1に当選すると、〔F3〕16ラウンド大当り遊技が行われ(スペシャルボーナス)、また〔F4〕花火モードが継続するという流れであってもよい。
一方、〔F1〕通常状態にて、〔F10〕7ラウンド確変大当り2、又は、7ラウンド通常大当り1〜3に当選すると、〔F11〕7ラウンド大当り遊技が行われ(ダーツチャンス失敗)、〔F12〕祭りゾーンに移行される。「祭りゾーン」は、「7ラウンド確変大当り2」に当選した場合は特別図柄抽選の当選確率が高確率となり、「7ラウンド通常大当り1〜3」に当選した場合は特別図柄抽選の当選確率が低確率となる。また「祭りゾーン」は、「非時間短縮状態」である。「祭りゾーン」にて所定の変動回数(例えば40回の変動回数)が経過すると、〔F1〕通常状態に移行する。ただし、特別図柄抽選の当選確率は維持されたまま〔F1〕通常状態に移行されるため、内部的に「高確率状態」のまま〔F1〕通常状態に移行される場合もある。
また、〔F1〕通常状態にて、〔F13〕7ラウンド確変大当り1に当選すると、〔F11〕7ラウンド大当り遊技が行われ(ダーツチャンス成功)、〔F4〕花火モードに移行される。
〔ポイントの付与〕
ここで、本実施形態のパチンコ機1は、実際に遊技が行われたことに対する成果として遊技得点としてのポイントを加算し、その集計結果を遊技者に情報として付与することができる。ポイントの加算は、例えば以下の遊技内容(結果)に対して行われる。
(1)第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が行われたこと。
(2)変動時に特定の演出(リーチ演出等)が発生したこと。
(3)大当りが得られたこと。
(4)大当りが複数回(例えば10回)連続して得られたこと。
(5)変動回数が特定の回数(例えば400回、500回等)に達したこと。
(6)獲得賞球数が特定個数(例えば5000個、15000個、20000個等)に達したこと。
(7)特定の状態(例えば「花火モード」、「ナイトモード」)から大当りしたこと。
(8)オーバーフロー入賞に伴う条件を満たしたこと。
なお、これらはあくまで例示であり、その他の遊技内容や結果に対してポイントが加算される態様であってもよい。また、上記(8)については具体例を挙げてさらに後述する。
上記のように本実施形態では、複数種類の遊技内容や結果に対してポイントを加算し、これを集計した結果を遊技者個人別の遊技成果としてパチンコ機1が記録することができる。このように、遊技中に加算されたポイントを個人別の遊技成果として記録する機能をパチンコ機1に搭載することで、パチンコ遊技とは別の面白味や遊技性を付加し、興趣の低下を抑えることに寄与することができる。
〔パスワードによる管理〕
ポイント集計結果等の遊技成果は個人別に達成した記録であるため、これを遊技者個人別に管理することが望ましい。このため本実施形態では、遊技者個人別のパスワード(個別情報)を用意し、これをパチンコ機1に入力することを可能としている。例えば、遊技開始前(途中でもよい)にパチンコ機1にパスワードが入力されると、遊技終了後や遊技の区切り時には、先に入力されたパスワードとこれまでの遊技成果とを関連付けた情報を出力する機能がパチンコ機1に搭載されている。出力される情報は、例えば二次元コード等の符号化された情報であり、これには一般的に普及しているQRコード(登録商標)を用いることができる。二次元コードは、カメラ付き携帯端末等のデバイスで容易に読み取り、その内容を復号することができる。
遊技用のパスワードは、様々な経路を通じて遊技者に付与することができる。上述した先行技術では、事業者が設置したサーバでパスワードを発行し、通信回線を通じて遊技者別の端末機器にこれを通知している。本実施形態でも、先行技術と同様の手法を用いることができる。また新規に発行されるパスワードについては、パチンコ機1から付与できることとしてもよい。
〔パスワードの入力〕
図28及び図29は、パチンコ機1によりパスワードの入力が受け付けられる態様を示した図である。パチンコ機1へのパスワードの入力は、遊技者の操作に基づいて行われる。
〔パスワード入力案内用画面の表示〕
先ず図28に示されているように、遊技開始前において液晶表示器42には以下のプロセスを経て画面にパスワード入力案内が表示される。
図28中(A):例えば、前回の内部抽選においてはずれ(非当選)となり、第1特別図柄表示装置34(第2特別図柄表示装置35でもよい)により第1特別図柄が非当選を表す態様で停止表示されている場合、あるいはパチンコ機1においてその営業日の最初に遊技を開始する場合(いわゆる電源投入後、朝一の状態)を想定する。このとき液晶表示器42の画面上では、非当選の結果を表す態様で停止表示演出(結果表示演出としてもよい)が行われている。
演出図柄には、例えば左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の3つが含まれており、これらは液晶表示器42の表示画面上で左・中・右に並んで表示される。このうち、左演出図柄と右演出図柄については、それぞれ表示画面の左領域と右領域に比較的大きいサイズで表示されているが、中演出図柄は表示画面の中領域に比較的小さいサイズで表示されている。
各演出図柄は、例えば数字の「1」〜「8」とともにキャラクターが付された絵札をデザインしたものとなっている。なお、左・中・右の演出図柄については、いずれも数字が「8」〜「1」の降順に並んだ図柄列を潜在的に構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示されるが、停止表示時には図柄列中で1つの演出図柄(図28の例では「3」−「4」−「7」)が表示画面に表示される。
図28には示されていないが、表示画面には上記の「野外ステージ」又は「海岸ステージ」に対応する背景画像が表示されている。演出図柄は背景画像の手前に重なるようにして表示されるが、変動表示中(スクロール中)は演出図柄全体が透けた(透過)状態で表示されるため、背景画像の視認性が向上する。これにより、遊技者に対して演出上の滞在ステージを明確に認識させることができる。
〔作動記憶表示マーカ〕
表示画面の下部分には、作動記憶の存在を表すマーカ画像を表示するための領域が帯状に形成されている。第1特別図柄及び第2特別図柄に対応する作動記憶はそれぞれ遊技中に4個(上限数)まで蓄積可能であるため、図中に波線の円(参照符号なし)を並べて示すように、画面下部の帯状領域には、マーカ画像を左右に分かれて4個ずつ、最大で8個まで並べて表示可能となっている。遊技中に作動記憶が発生すると、その存在を表すマーカ画像が帯状領域に表示される。このうち、左側に表示される最大4個のマーカ画像は第1特別図柄の作動記憶に対応しており、右側に表示される最大4個のマーカ加増は第2特別図柄の作動記憶に対応しているものとする。これらマーカ画像は、例えば中央から外側へ記憶の古い順に並べて表示され、新しく追加された作動記憶に対応するマーカ画像は、最も外側に順次追加して表示される。
〔当該変動中領域〕
また、表示画面下部で帯状領域の中央位置には当該変動中領域HAが形成されている。この当該変動中領域HAには、今回の変動で消費された作動記憶に対応するマーカ画像が一定時間に表示されるものとなっている。作動記憶が次の変動開始によって消費されると、当該変動中領域HAの隣(左右の各列の先頭)に表示されているマーカ画像が当該変動中領域HAに移動し、そこで一定時間(例えば1〜2秒程度)表示される。なお本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄を優先して変動させることとしているので、左右両側にマーカ画像が表示されている場合、右側のマーカ画像が優先して当該変動中領域HAに移動するが、左側だけにマーカ画像が表示されている場合、左側のマーカ画像のうち、最も中央寄りのものが当該変動中領域HAに移動する。なお、移動後に帯状領域の左右でいずれかのマーカ画像が残っていれば、最も中央寄りのマーカ画像が抜けた後を詰めるようにマーカ画像を順次中央に移動(シフト)させる表示が行われる。なお当該変動中領域HAにマーカ画像が表示されて一定時間が経過するか、もしくは第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中でない場合、図示のように当該変動中領域HAはグレイアウト表示されている。
〔情報表示領域〕
一方、表示画面下部の右隅位置には、情報表示領域DAが形成されている。この情報表示領域DAには、遊技中に加算されたポイントの累計や、入力されたパスワードに付随する何らかの個別情報(例えばプレイヤーレベル等)が表示されるものとなっている。パチンコ機1にパスワードが入力される前は、情報表示領域DAはブランクの状態で表示されている。なお、特にパスワードが入力されない場合、情報表示領域DAそのものを非表示としてもよい。
その他、表示画面の右上隅位置には、第1特別図柄及び第2特別図柄にそれぞれ対応する第4図柄Z1,Z2が表示されている。これら第4図柄Z1,Z2は、左・中・右の3つの演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、演出図柄の変動表示中はこれに同期して変動表示されている。なお第4図柄Z1,Z2は、単純なマーク(例えば「□」の図形)に色彩を付しただけのものであり、例えばその表示色を変化させることで変動表示を表現することができる。
また第4図柄Z1,Z2については、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示されている。これは、停止表示演出が正しく行われており、パチンコ機1が正常に動作しているということを客観的に明らかにするためのものである。したがって、「はずれ」ではなく、実際に内部抽選の結果が「7ラウンド大当り」や「16ラウンド大当り」であれば、それらに対応する態様(例えば赤表示色や緑色表示色等)で第4図柄Z1,Z2は停止表示される。
図28中(B):現状で遊技者による遊技が行われていない場合、特別図柄作動記憶数は既に0個であり、対応するマーカ画像は全て非表示(表示数0)となっている。このような第1特別図柄及び第2特別図柄の停止表示中状態で、上始動入賞口26又は下始動入賞口28aへの入賞、つまり新たな抽選契機(所定事象)が発生しなければ、次に特別図柄の変動表示を開始する条件は満たされないため、そのまましばらくの間は表示画面上で目立った変化が生じることはない。したがってこの場合、前回の変動に対応した停止表示演出が表示されたままとなる。
〔パスワード入力案内の表示〕
図28中(C):新たな抽選契機が発生しない状態が所定時間(例えば5〜10秒程度)にわたり継続すると、例えば表示画面の中央下部寄り位置にパスワード入力案内用の画像が表示される。ここではパスワード入力案内用の画像として、例えば演出切替ボタン45を表す画像とともに、その周辺に「勝つん打!」の文字情報をあしらった吹き出し画像が表示されている。なお「勝つん打!」は、事前の広告やパンフレット等の配布物により遊技者に知らされたサービスの名称である。この「勝つん打!」というサービスは、遊技者が自己の携帯端末等を用いてインターネット上のサーバ(特定のURL)にアクセスし、個人別の情報を入力することで利用可能となる。遊技者は「勝つん打!」のサービスを通じて、自己が行った遊技内容に対して加算されたポイントの集計結果を記録したり、それまでに蓄積されたポイントを引き継いでパスワードの発行を要求したりすることができる。
なお、特に図示していないが、「勝つん打!」のパスワード入力案内が表示された状態で、特に遊技が行われることなくある程度の時間(例えば1分間程度)が経過すると、液晶表示器42の画面がそれまでの停止表示演出から「タイトル画面」に切り替わる。「タイトル画面」は、例えば画面全体がホワイトアウトし、その中央位置にパチンコ機1の機種名を表す情報が表示されたり、機種のプロモーション映像等が表示されたりする。このような「タイトル画面」は、パチンコ機1の機種名やゲームコンセプト(例えば演出の中心となる存在や概念)を視覚的に周囲にアピールするとともに、未だパチンコ機1に遊技客が付いていない状態(いわゆる「空き台」)であれば、その旨を外見上で判りやすくするものである。なお、「タイトル画面」の表示中も、「勝つん打!」のパスワード入力案内用の画像が例えば画面の中央下部位置に表示される。これにより、遊技者に対して「勝つん打!」のサービスが利用可能であることを確実に知らせることができる。
いずれにしても、「勝つん打!」のパスワード入力案内用画像が表示されている状態で、遊技者が演出切替ボタン45の押し込み操作を行うと、次に「メニュー選択画面」に移行する。
〔メニュー選択画面〕
図29中(A):「勝つん打!」のパスワード入力案内用画像の表示中に演出切替ボタン45が押下されると、液晶表示器42の表示画面に「メニュー選択画面」が表示される。「メニュー選択画面」は、例えば画面の右側領域に4つのメニューボタンBT1〜BT4の画像が上下方向に配列して表示され、左側領域にはキャラクター画像とともに「メニューを選んでね!」といった案内情報が表示された構成である。また画面の左側領域には、キャラクター画像の下方にジョグダイアル45aの回転を案内する画像が表示されている。
この例では、最上段に表示されているメニューボタンBT1に「パスワード入力」のメニューが割り当てられている。メニューボタンBT1が選択されると、次に「パスワード入力画面」に移行する。また2段目に表示されているメニューボタンBT2には、「コード発行」のメニューが割り当てられており、メニューボタンBT2が選択されると、次に「コード発行確認画面」に移行する。3段目に表示されているメニューボタンBT3には、「データクリア」のメニューが割り当てられており、メニューボタンBT3が選択されると、次に「データクリア確認画面」に移行する。そして最下段に表示されているメニューボタンBT4には、「新規登録」のメニューが割り当てられており、メニューボタンBT4が選択されると、次に「新規登録画面」に移行する。
「メニュー画面」の表示中、ジョグダイアル45aが回転操作されると、それに伴って4つのメニューボタンBT1〜BT4の選択候補が切り替わる。この例では、現在の選択候補となっているメニューボタンBT1の周囲に波線の候補マークが表示されるとともに、他のメニューボタンBT2〜BT4が暗色で表示されている。この状態で演出切替ボタン45が押下されると、メニューボタンBT1に対応する「パスワード入力」のメニューが選択されたことになる。もし遊技者が選択候補を切り替えたい場合、ジョグダイアル45aを回転操作して目的とするメニューボタンBT2〜BT4に候補マークの表示を移動させ、そこで演出切替ボタン45を押下すればよい。
〔パスワード入力画面〕
図29中(B):「メニュー選択画面」で「パスワード入力」が選択されると、「パスワード入力画面」が表示される。「パスワード入力画面」では、例えば画面の右側領域の上部位置に5つの入力ボックス(符号なし)の画像が横方向に配列して表示され、その下方位置には選択候補となる文字や記号がマトリクス状に配列して表示されている。さらに右側領域の下部位置には、「消す」、「←」、「→」、「決定」といった機能ボタン(符号なし)の画像が横方向に配列して表示されている。また画面の左側領域には、キャラクター画像とともに「パスワードを入力してね!」といった案内情報が表示されている。そしてキャラクター画像の下方には、ジョグダイアル45aの回転を案内する画像が表示されている。
5つある入力ボックスのうち、既に入力済みのものには何らかの文字又は記号が表示されている。この例では、左から2つの入力ボックスにはそれぞれ「H」、「E」の文字が入力済みであり、入力ボックス全体が暗色で表示されていることが分かる。左から3つ目の入力ボックスには未入力であり、これが現在の入力対象となっている。入力対象となっている入力ボックスは強調表示(明表示)されており、その真上にカーソル(▼印)が表示されている。また入力対象となる入力ボックスには、現在の選択候補となっている文字が仮に表示されている(仮表示はなくてもよい)。その他の未入力である2つの入力ボックス(左から4番目と5番目)は、いずれも暗色で表示されている。
「パスワード入力画面」の表示中、ジョグダイアル45aが回転操作されると、それに伴って文字・記号の選択候補が切り替わる。この例では、現在の選択候補となっている文字「I」の周囲に波線の候補マークが表示されている。この状態で演出切替ボタン45が押下されると、選択候補となっている文字「I」が入力ボックスに入力されることになる。文字が入力されると、これまで入力対象であった入力ボックスは暗色表示となり、右隣の入力ボックスが次の入力対象となる。
図29中(C):5つの入力ボックス全てに文字又は記号が入力されると、「決定」を表す機能ボタンに候補マークが移動する。入力された文字又は記号の配列がパスワードとなる。この状態で演出切替ボタン45が押下されると、パスワードの入力が受け付けられる(個別情報受付手段)。ここで間違ったパスワード(例えば論理的に矛盾するパスワード)が入力されていた場合、入力ボックスをブランク表示として「パスワード入力画面」が表示される。なお、ここではパスワードを5文字分の情報量としているが、これより多い情報量としてもよい。
図29中(D):入力されたパスワードが正しい場合、つまり、パスワードを構成する文字・記号から情報をパチンコ機1の内部(演出制御CPU126)で正しく解析できた場合、「パスワード遊技画面」が表示される。「パスワード遊技画面」は、遊技者個人別にカスタマイズされた構成であり、例えばこれまでの遊技履歴を反映した態様となっている。この例では、情報表示領域DAに現在のプレイヤーレベル(例えば「Lv7」)とともに、パスワード入力後に加算されたポイントの累計(当初は0pt)が表示されている。
〔パスワード遊技中の例〕
上記のように、遊技者の操作に基づいてパスワードの入力が受け付けられると、以後はパチンコ機1において「パスワード遊技中」と認識される。
図30から図34は、パスワード遊技中に特別図柄の変動表示及び停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。このうち図30及び図31は、非当選(はずれ)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。ここでは先ず、制御処理の具体的な内容を説明する前に、本実施形態で採用されている変動1回ごとの変動表示演出と停止表示演出の基本的な流れについて説明する。
〔変動表示前〕
図30中(A):例えば、特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には左・中・右の演出図柄がそれぞれの大きさで表示されている。このとき特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
この例では、現状で第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶が存在しないため(記憶数0個)、液晶表示器42の画面下部の帯状領域の左右には、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶の存在を表すマーカ画像はいずれも表示されていない。また中央位置にある当該変動中領域HAは、グレイアウトの状態で表示されている。なお情報表示領域DAには、上述したプレイヤーレベルやパスワード入力後のポイント累計値(現在0pt)が表示されている。
〔記憶数表示演出〕
図30中(B):遊技者が遊技球を借り受け、発射操作を行うことで遊技が開始されると、やがて上始動入賞口26(又は下始動入賞口28a)に遊技球が入賞することで、抽選契機が発生する。この例では、上始動入賞口26への入賞が発生したことで、第1特別図柄に対応する作動記憶が1個発生したため、画面下部の帯状領域に作動記憶1個の増加を表す態様でマーカM1が新たに表示されている(記憶数表示演出実行手段)。主制御CPU72による制御上、ここで発生した作動記憶はそのまま消費されるため、第1特別図柄作動記憶ランプ34aは点灯表示されないか、もしくは記憶数1個を表す態様で点灯表示された後、直ちに非点灯となる。ただし、演出上ではマーカM1を短時間内に表示することで、遊技者に対して「新たに作動記憶が発生した」ということを明確に知らせることができる。なお、主制御CPU72による制御上で第1特別図柄が変動表示を開始している場合、第4図柄Z1が変動表示中の態様で表示される。
〔要素記憶消費演出〕
図30中(C):作動記憶の消費に伴い、表示画面下部の帯状領域の左側に表示されたマーカM1を当該変動中領域HAに移動させる演出が行われる(記憶数表示演出実行手段)。これにより、遊技者に対して作動記憶を1個消費して内部抽選が行われたことを演出上でわかりやすく教示することができる。なお、当該変動中領域HAに移動したマーカM1(参照符号なし)は拡大表示されることで、いわゆる「保留」との識別が図られている。また、このとき当該変動中領域HA内でのマーカM1の態様を変化させることで、期待度を予告的に教示することとしてもよい。
〔変動表示演出〕
また、第1特別図柄の変動表示に同期させて、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が行われる(図柄演出実行手段)。すなわち、第1特別図柄の変動表示に合わせて、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。なお図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されていることは既に述べたとおりである。
この場合の背景画像は、例えば「昼間の屋外にある自然」の風景を表現したものである。このような背景画像は、上記の「ステージ演出」として実行されているものであり、演出上での滞在ステージが例えば「野外ステージ」であることを表現している。本実施形態において「野外ステージ」は、上記の変動時間短縮機能が非作動であり、また確率変動機能も非作動である通常状態に対応するものとする。この他にも演出上で各種のステージ・ゾーン・モードが設けられており、各種のステージ・ゾーン・モードごとに風景や情景の異なる背景画像が用意されている(状態表示演出実行手段)。これらステージ・ゾーン・モードの違いは、内部的な「時間短縮状態」に対応するものであったり、「高確率状態」に対応するものであったりする。ここでは特に図示していないが、この後、例えば表示画面内にキャラクターやアイテム等の画像を表示させることで、予告演出が行われる態様であってもよい。また、演出図柄の変動表示中は第4図柄Z1も変動表示されており、第4図柄Z1は引き続き、その表示色を変化させることで変動表示を表現している。
〔遊技得点加算〕
そして、パスワード遊技中は、特別図柄の変動表示が行われる毎に、演出上の遊技得点として、最低1ポイント(所定単位)が新たに加算される(図柄遊技得点加算手段)。加算されたポイントは、情報表示領域DAに累計値として表示される(ここでは未だ0pt)。「最低1ポイント」としているのは、特別図柄の変動は遊技の基礎的な内容に該当するため、本実施形態では1回の変動に対して最低1ポイントを加算することとしているためである。その上で、当該変動が特定の変動パターン(リーチ変動パターン)に該当した場合や、大当りに該当した場合には、1ポイントよりも多くのポイントを加算することとしている。
〔その他の演出〕
図30中(D):変動表示演出の初期は、例えば装飾体400を小刻みに上下動させることで予告演出が実行される。また液晶表示器42の表示画面では、装飾体400の上下動に合わせて、装飾体400があたかも光を発しているかのような画像演出が行われる。またスピーカ54,55,56からは、装飾体400の上下動に合わせて何らかの効果音が出力される。これにより、有体物である装飾体400の動きに加えて、音と画像による聴覚的・視覚的なインパクトを遊技者に与えることができる。
また、当該変動中に重ねて上始動入賞口26への入賞が発生したことにより、新たに作動記憶が1個追加されたため、表示画面下部の帯状領域の左側に新たなマーカM1が1個表示されている。これにより、遊技者に対して作動記憶の増加とその個数(作動記憶数)をわかりやすく教示することができる(記憶数表示演出実行手段)。
当該変動中領域HAは、マーカM1のシフト表示から一定時間が経過したことにより、当該変動中のマーカM1は非表示となり、グレイアウト表示に変化している。これにより、当該変動で作動記憶が消費されたことを遊技者に対してさらに明確に伝達することができる(記憶数表示演出実行手段)。
〔左図柄停止〕
図31中(E):例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に左演出図柄が変動を停止する。この例では、画面に数字の「5」を表す演出図柄が停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。また、ここでは作動記憶がさらに1個追加されたため、追加された作動記憶の存在を表すマーカM1が帯状領域の左側に追加して表示されている。これにより、遊技者に対して作動記憶数が2個に増加したことを演出上でも教示することができる(記憶数表示演出実行手段)。
〔右演出図柄停止〕
図31中(F):左演出図柄に続いて、その後に右演出図柄が変動を停止する。この例では、画面に数字の「3」を表す演出図柄が停止したことを表している。この時点で既にリーチ状態が発生しないことは確定しているので、今回の変動が非リーチ(通常)変動であるということが見た目上でほとんど明らかとなっている。なお、ここではすべりパターン等によるリーチ変動を除くものとする。「すべりパターン」とは、例えば一旦は数字の「4」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が1図柄分すべって数字の「5」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するというものである。あるいは、一旦は数字の「6」を表す演出図柄が停止した後、図柄列が逆向きに1図柄分すべって数字の「5」を表す演出図柄が停止し、それによってリーチに発展するパターンもある。またその他にも、例えば「1」等の全くかけ離れた数字を表す演出図柄が一旦停止した後、画面上にキャラクターが出現して右演出図柄列を再変動させると、数字の「5」を表す演出図柄が停止してリーチに発展するといったパターンもある。
なお、この間に作動記憶がさらに1個追加されたため、追加された作動記憶の存在を表すマーカM1(3個目)が帯状領域の左側に追加して表示されている。
〔停止表示演出〕
図31中(G):第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄が停止する。今回の内部抽選の結果が非当選であって、第1特別図柄が非当選(はずれ)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に非当選(はずれ)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「1」を表す演出図柄が停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「5」−「1」−「3」のはずれ目であるため、今回の変動は通常の「はずれ」に該当したことが演出上で表現されている。このとき、第4図柄Z1は、はずれに対応する態様(例えば白表示色)で停止表示される。これにより、遊技者に対して「第1特別図柄の停止表示が確定した」ということを演出上でも教示することができる。
また同様に、作動記憶がさらに1個追加されたため、追加された作動記憶の存在を表すマーカM1(4個目)が帯状領域の左側に追加して表示されている。これにより、第1特別図柄に対応する作動記憶数が上限数(最大値)に達していることが演出上でも明らかとなっている(記憶数表示演出実行手段)。
〔ポイント加算〕
また、1回の変動が行われたことに対し、遊技得点として1ポイントが加算され、情報表示領域DAにはこれまでの累計値(ここでは1pt)が表示されている。これにより、パスワード遊技中に加算されたポイントの累計を遊技者にわかりやすく教示することができる。また、遊技者がポイント加算を別の楽しみとして実感することを容易にし、「ポイント獲得」という別の興趣を提供することができる。
〔次変動開始〕
図31中(H):第1特別図柄の停止表示時間が経過すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の始動条件が満たされた状態となる。ここでは、この状態で第1特別図柄に対応する作動記憶(合計4個)が存在しているため、その中で最も古い作動記憶を1つ消費して次の第1特別図柄の変動表示が開始される。
すなわち、次の変動開始に伴い、左・中・右の演出図柄はいずれも変動表示を開始している。また、変動開始に伴って第1特別図柄の作動記憶数が1個分減少するため、それに連動してマーカM1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに作動記憶数が2個存在していたが、マーカM1において最も中央寄りに表示されていた最も以前の(古い)ものが当該変動中領域HAにシフト表示され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶が消費されたことを演出上でも遊技者に教示することができる。
そして、図31中(H)の例においては、記憶順で先頭(最も中央寄り)にあった作動記憶を表すマーカM1が当該変動中領域HAに移動することで、当該作動記憶は消費されて残りが3個になったことが演出上で表される。また、帯状領域の左側に表示されていた残り3個のマーカM1は1つずつ中央寄りにずれ、次回以降の変動まで待機する演出が行われる。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということを直感的に分かりやすく教示することができる(記憶数表示演出実行手段)。
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
また、上記の例は非当選時についてのものであるが、大当り(当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄が大当りの態様で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。
〔上限数到達時発生演出の例〕
図32から図34は、第1特別図柄に対応する作動記憶数が上限数(最大値の4個)に到達した場合に実行される上限数到達時発生演出の例を示す連続図である。ここでは第1特別図柄に対応する作動記憶数が上限数に達した場合を例に挙げているが、第2特別図柄に対応する作動記憶数が上限数に達した場合も同種の演出が行われるものとする。以下、具体的に説明する。
〔変動表示演出中〕
図32中(A):例えば、第1特別図柄が変動表示中であり、液晶表示器42の表示画面上で3つの演出図柄列による変動表示演出が実行されている場合を想定する。このようなタイミングで上始動入賞口26への入賞が発生したことにより、第1特別図柄に対応する作動記憶数が上限数に達している。表示画面内の帯状領域では、左側に4個目のマーカM1が新たに追加して表示されており、これにより、遊技者に対して第1特別図柄に対応する作動記憶数が上限数に達したことが演出上で教示されている(記憶数表示演出の実行)。なお、当該変動中領域HA内のマーカM1は既に非表示となっている。
〔上限数到達時発生演出の実行〕
図32中(B):同じ当該変動表示中に重ねて上始動入賞口26への入賞が発生した場合を想定する(オーバーフロー入賞1個目)。この場合、主制御CPU72による制御上で第1特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンドが生成され(図10中のステップS30a)、このコマンドが演出制御装置124に送信されることで、上限数到達時発生演出が実行される。具体的には、表示画面内で帯状領域の左端にある4個目のマーカM1の周囲に、一回り以上大きい円形模様(輪模様でもよい)が発光しながら広がっていく画像が表示されるとともに、その上方位置に「1COMBO」といった文字情報がポップアップして表示されている。また、図1に示されるスピーカ54,55,56からは、上限数到達時発生演出に特有の効果音が合わせて出力されている。
このような上限数到達時発生演出を実行することにより、遊技者に対してマーカM1を用いた演出(記憶数表示演出)とは異なる態様の特別な演出が実行されたことを印象付けることができる。また、「1COMBO」等の文字情報を表示することで、演出上で何らかの「組み合わせ」や「連鎖」といった効果が得られたことを遊技者に印象付けることができる。
〔2COMBO発生〕
図32中(C):「1COMBO」の演出を実行した後、当該変動表示中に続けて上始動入賞口26への入賞が発生すると(オーバーフロー入賞2個目)、その発生回数に応じて上限数到達時発生演出の態様が変化する。具体的には、表示画面内で帯状領域の左端にある4個目のマーカM1の周囲に2個目の円形模様が発光しながら広がっていく画像が追加で表示されるとともに、その上方位置に「2COMBO」の文字情報がポップアップして表示されている。また、合わせてスピーカ54,55,56からも特有の効果音(2回目)が出力されている。なお、ここでは変動時間の進行に伴い、左演出図柄については変動が停止している。
〔3COMBO発生〕
図32中(D):変動時間の中期に差し掛かり、右演出図柄の変動が停止しかかったところで、さらに上始動入賞口26への入賞(オーバーフロー入賞3個目)が発生した場合を想定する。この場合も同様に、上始動入賞口26への入賞発生回数に応じて上限数到達時発生演出の態様が変化する。すなわち、表示画面内で帯状領域の左端にある4個目のマーカM1の周囲に3個目の円形模様が発光しながら広がっていく画像が表示されるとともに、その上方位置に「3COMBO」といった文字情報がポップアップ表示される。合わせてスピーカ54,55,56からは、上限数到達時発生演出に特有な効果音が出力されている。
〔4COMBO発生〕
図33中(E):変動時間の終期となり、いよいよ中演出図柄の変動が停止しかかったところで、重ねて上始動入賞口26への入賞(オーバーフロー入賞4個目)が発生すると、これまで同様に上限数到達時発生演出の態様が変化する。すなわち、表示画面内で帯状領域内の左端にある4個目のマーカM1の周囲に4個目の円形模様が発光しながら広がっていく画像が表示されるとともに、その上方位置に「4COMBO」の文字情報がポップアップ表示されている。またスピーカ54,55,56からは、同じく特有な効果音が合わせて出力される。
〔ポイント加算演出〕
図33中(F):第1特別図柄が停止表示され、当該変動が終了するタイミングでポイント加算演出が行われる。ポイント加算演出は、作動記憶数が上限数に達した状態で、今回の変動中に発生した上始動入賞口26への入賞回数に応じて行われるが、見かけ上は、今回の変動中に実行された上限数到達時発生演出の態様(この例では「4COMBO」)に応じてポイント加算演出が行われることになる(上限数到達時遊技得点加算手段)。
具体的には、表示画面内を大きく横切るようにして「4COMBO達成!(+50pt)」といった文字情報が表示されている。これにより、遊技者に対して「1回の変動中に4連続ものオーバーフロー入賞を成功させた」という達成感を抱かせることができる。また、1回の変動では基本的に勝つん打!ポイントが1ポイントだけ加算されるところ、「4COMBO達成」に対する遊技成果として、特別に50ポイントが加算されている。ここでは「+50pt」を例としているが、加算されるポイント数はこれより大きくすることができるため、それだけ遊技者の享受できるメリットに発展性を持たせることができる。
〔次変動開始〕
図33中(G):前回の停止表示時間が経過すると、表示画面内の帯状領域内で最も中央寄りにあったマーカM1が当該変動中領域HAに移動して消費されるとともに、左・中・右の演出図柄列が変動を開始し、第1特別図柄の次変動を開始する演出が行われる。次変動開始に伴い、第1特別図柄に対応する作動記憶数が上限数未満の3個となるため、その他のマーカM1は1つずつ中央寄りに位置がずれていく。また次変動の開始に伴い、前回の変動中に達成したCOMBO数はリセット(消去)される。これは、COMBO数が「あくまで連続して発生させたオーバーフロー入賞回数」に対応するものであることを意味している。なお本実施形態では、1度でも上限数到達時発生演出が実行されると、次変動から表示画面内の帯状領域の左上位置に「0COMBO」の表示が行われるものとなっている。これは、以後も作動記憶数が上限数に達した状態で、さらに上始動入賞口26へのオーバーフロー入賞が発生すると、それによって「1COMBO」,「2COMBO」,・・・というように上限数到達時発生演出が実行されることを予告的に表すものである。なお、特にこのような「0COMBO」の表示を必須としなくてもよい。
図33中(H):この後、当該変動中領域HA内のマーカM1は消去されるが、今回の変動中に上始動入賞口26への入賞が発生すると、第1特別図柄に対応する作動記憶数が再び上限数に到達する。これに伴い、表示画面内の帯状領域では、左端に4個目のマーカM1が追加して表示されている。
〔1COMBO発生〕
図34中(I):そして、作動記憶数が上限数に達した状態で、今回の変動中に上始動入賞口26への入賞が発生すると、前回と同様に上限数到達時発生演出が実行される。具体的には、表示画面内の帯状領域の左端にある4個目のマーカM1の周囲に円形模様が発光しながら広がっていく画像が表示されるとともに、その上方位置に「1COMBO」の文字情報がポップアップ表示されている。またスピーカ54,55,56からは、同じく特有な効果音が合わせて出力される。
〔2COMBO発生〕
図34中(J):「1COMBO」の演出を実行した後、当該変動表示中に続けて上始動入賞口26への入賞が発生すると(オーバーフロー入賞2個目)、その発生回数に応じて上限数到達時発生演出の態様が変化する。すなわち、表示画面内で帯状領域の左端にある4個目のマーカM1の周囲に2個目の円形模様が発光しながら広がっていく画像が追加で表示されるとともに、その上方位置に「2COMBO」の文字情報がポップアップして表示される。また、合わせてスピーカ54,55,56からも特有の効果音(2回目)が出力されている。
特に図示していないが、この後も当該変動表示中に続けて上始動入賞口26への入賞が発生すると、その都度、COMBO数をインクリメントして上記と同様の上限数到達時発生演出が行われる。これにより、遊技者に対して「何回のCOMBOを発生させたか」の情報を教示することができる。ただしCOMBO数は、当該変動表示の終了時にリセットされる。
〔COMBO数に応じたポイント加算例〕
図35は、達成したCOMBO数に応じて加算されるポイント数の例を示す図である。本実施形態では、達成したCOMBO数が大きいほど、それによって加算されるポイント数を大きくする設定がなされている。以下、具体的に説明する。
〔1COMBO〜4COMBO達成時〕
図35中(A):1回の変動表示中に「1COMBO」を達成した場合、それによって5ポイントが加算される。特に図示していないが、「1COMBO」から「4COMBO」までは、COMBO数が増えるごとに5ポイントずつ加算されるものとする。したがって、「4COMBO」を達せした場合、合計20ポイントが加算されることになる。なお、「1COMBO=5ポイント」はあくまで例示であり、これ以外のポイント数が加算される態様であってもよい。
〔5COMBO達成時〕
図35中(B):1回の変動中に「5COMBO」を達成した場合、一気に150ポイントが加算される。また、表示画面内を横切る画像の態様がこれまでと異なり、上下に電光が走っているかのような視覚的演出が行われている。これは、「5COMBO」を一つの節目として捉え、そこまでの入賞回数を達成したことに対する相応の代償として、ひときわ大きい値の勝つん打!ポイントが加算されることを意味している。なお、ここで加算される「150ポイント」はあくまで例示であり、これより大きいポイント数が加算されることとしてもよい。また特に図示していないが、「6COMBO」から「9COMBO」までは、上記と同様にCOMBO数が増えるごとに5ポイントずつが加算されることとしてもよい。
〔10COMBO達成時〕
図35中(C):1回の変動中に「10COMBO」を達成した場合、大きく500ポイントが加算される。また、表示画面内を横切る画像に例えば「GREAT!!」の文字情報が追加されており、それによって1つの偉業が成し遂げられたことを演出上で表している。ここでも同様に、「10COMBO」を一つの大きな節目として捉え、ここまでの入賞回数を達成したことに対する特別な代償を遊技者に提供することを意味している。なお、ここでも加算される「500ポイント」はあくまで例示であることはいうまでもない。
〔最大COMBO達成時〕
図35中(D):例えば、パチンコ機1の電源投入時からカウントして最大となる「15COMBO」を達成した場合、極めて大きい1000ポイントが加算される。このとき、表示画面内を横切る画像に例えば「RECORD!!」の文字情報が追加され、それによって1つの記録が更新されたことを演出上で表している。ここでは「15COMBO」を例に挙げているが、今回のCOMBO数が電源投入時からカウントして最大のものであれば、15COMBO以外で「RECORD!!」の文字情報を表示してもよい。
いずれにしても本実施形態では、1回の変動表示中に達成したCOMBO数に応じて加算されるポイント数の振分テーブルを参照し、その振分テーブルに従って勝つん打!ポイントを加算することができるものとする。これにより、達成したCOMBO数が大きいほど、加算される勝つん打!ポイント数が大きくなるといったメリットを遊技者に提供することができる。なお、振分テーブルを用いたポイント加算例についてはさらに後述する。
〔時短中のCOMBO数表示〕
次に図36から図40は、時間短縮状態の間に実行される上限数到達時発生演出の例を示す連続図である。上記のように時間短縮状態に移行すると、非時間短縮状態に比較して可変始動入賞装置28が作動する頻度が高まるので、これに伴ってCOMBO数が増加する機会も多くなる。このため本実施形態では、時間短縮状態に移行している間は、現在のCOMBO数に加えて、時間短縮状態の間に達成した最大COMBO数を合わせて表示し、遊技者にCOMBO数の目的意識(達成意識)を抱かせている。以下、より具体的に説明する。
〔時間短縮状態〕
図36中(A):時間短縮状態に移行すると、表示画面の背景に夜画像が表示され、演出上で「ナイトモード」に突入する。また、時間短縮状態では可変始動入賞装置28が高頻度で作動することから、第1特別図柄に対応する作動記憶数とは別に、第2特別図柄に対応する作動記憶数も上限数に到達しやすくなる。この例では、今回の変動で第1特別図柄に対応する作動記憶数が既に上限数に到達しており、そこへ新たに下始動入賞口28aへの入賞が発生したことで、第2特別図柄に対応する作動記憶数が上限数に到達したことを表している。
図36中(B):時間短縮状態では、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間は基本的に短縮して設定されているが、そのような短縮変動時間内にもオーバーフロー入賞が発生することがある。この例では、第2特別図柄に対応する作動記憶数が上限数に到達してもなお、下始動入賞口28aへの入賞が発生したことにより、表示画面内に「1COMBO」を表す上限数到達時発生演出が実行されている。なお、ここでは第2特別図柄に関してオーバーフロー入賞が発生したため、帯状領域内の右端にある4個目のマーカM2の周囲に円形模様が発光しながら広がっていく画像が表示されている。また「1COMBO」の文字情報は、4個目のマーカM2の上方位置にポップアップ表示されている。
〔最大COMBO数表示〕
図36中(C):前回の変動が終了し、第2特別図柄に対応する作動記憶が消費されて次変動が開始される。表示画面内の帯状領域の右側では、第2特別図柄に対応する最も中央寄りのマーカM2が当該変動中領域HAに移動し、残り3個のマーカM2が1つずつ中央寄りにシフトしていく演出が行われる。またこの場合、前回の変動中に達成した「1COMBO」はリセットされるが、時間短縮状態の間に達成した最大COMBO数を表すものとして、「これまでの最大 1COMBO」の文字情報が表示されている。すなわち、表示画面内には情報表示領域DAの上方位置に最大COMBO数領域CAmが追加されており、この最大COMBO数領域CAm内にここまでの最大COMBO数が表示されるものとなっている。
図36中(D):今回の変動中は第2特別図柄に対応する作動記憶数が上限数に達したが、オーバーフロー入賞が発生しなかったため、上限数到達時発生演出としてのCOMBO数表示は行われていない。ただし、この間も先の最大COMBO数は引き続き表示されている。
図37中(E):先の変動終了後、次も第2特別図柄に対応する作動記憶が消費されて次変動が開始される。この間も引き続き、最大COMBO数領域CAm内にこれまでの最大COMBO数(「1COMBO」)が表示されている。
図37中(F):今回の変動中に第2特別図柄に対応する作動記憶数が上限数に達している。また、最大COMBO数は引き続き表示されている。
〔1COMBO発生〕
図37中(G):続いて、同じ当該変動表示中に重ねて下始動入賞口28aへの入賞が発生した場合を想定する(オーバーフロー入賞1個目)。この場合、主制御CPU72による制御上で第2特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンドが生成され(図11中のステップS40a)、このコマンドが演出制御装置124に送信されることで、上限数到達時発生演出が実行される。具体的には、表示画面内で帯状領域の右端にある4個目のマーカM2の周囲に円形模様が発光しながら広がっていく画像が表示されるとともに、その上方位置に「1COMBO」といった文字情報がポップアップして表示されている。この時点で、最大COMBO数の「1COMBO」に変化はない。
〔2COMBO発生〕
図37中(H):同じ当該変動中に下始動入賞口28aへのオーバーフロー入賞2個目が発生すると、「2COMBO」の演出が行われる。これに伴い、最大COMBO数は「2COMBO」に変化し、ここまでの最大値に更新される。
〔3COMBO以上発生時〕
時間短縮状態では、上記のように第1特別図柄及び第2特別図柄のはずれ時変動時間が短縮して設定される上、変動開始前の作動記憶数が上限数に達していることが多くなるため、はずれ時の変動時間は基本的に短縮(例えば1.5秒程度に短縮)して設定される。したがって、1回の短縮変動中にCOMBO数が大きく増えることはあまりない。しかし、当該変動でリーチ変動パターンが選択された場合、変動時間が長めに設定されるため(例えば120秒)、当該リーチ変動中はCOMBO数が大きく増える可能性がある。以下、リーチ変動中のCOMBO数の増加例について説明する。
〔リーチ状態発生〕
図38中(I):例えば、今回の変動パターンとして「はずれリーチ変動」が選択されていた場合、第2特別図柄の変動時間は比較的長めに設定され、演出上で「はずれリーチ演出」が実行される。この場合、変動表示演出の進行に伴い、左演出図柄に続いて右演出図柄の停止時にリーチ状態(例えば「5」−「変動中」−「5」)を発生させる演出が行われる。また表示画面内では、リーチ状態が発生したことを強調するため、左演出図柄と右演出図柄とを横一線で結ぶような強調画像が表示される。これにより、遊技者に対してリーチ状態が発生したことを視覚的に印象付け、この後の展開に注目させることができる。
また、この間に下始動入賞口28aへの入賞(当該変動で3個目のオーバーフロー入賞)が発生したため、これまで同様に上限数到達時発生演出が行われ、帯状領域の右端にある4個目のマーカM2の周囲に円形模様が表示されるとともに、その右上位置に「3COMBO」の文字情報がポップアップ表示されている。そして、最大COMBO数領域CAm内の表示は「これまでの最大 3COMBO」に更新されている。
〔擬似連演出への発展〕
図38中(J):一度、停止表示してリーチ状態を形成した右演出図柄が全体から炎を巻き上げるかのような態様に変化し、再変動を示唆する演出が行われる。すなわち、この例では、今回の変動が大当り期待度の高い変動であることを表すため、いわゆる「擬似連演出」の手法が用いられている。「擬似連演出」は、実際には特別図柄の1変動内であるが、あたかも複数回の変動にまたがって連続的な変動表示演出が行われたかのように見せる演出である。このような擬似連演出により、大当りへの強い期待感を遊技者に抱かせ、当該変動に対する興味を引きつけることができる。
〔4COMBO発生〕
また、この間に下始動入賞口28aへの入賞(当該変動で4個目のオーバーフロー入賞)が発生したため、引き続き上限数到達時発生演出が行われ、帯状領域の右端にある4個目のマーカM2の周囲に円形模様が表示されるとともに、その右上位置に「4COMBO」の文字情報がポップアップ表示されている。そして、最大COMBO数領域CAm内の表示は「これまでの最大 4COMBO」に更新されている。
〔擬似連煽り演出〕
図38中(K):この後、右演出図柄が1コマ滑り、数字の「6」を表す態様に変化する。また中演出図柄は、「1」〜「8」の演出図柄列に含まれない特殊な演出図柄(例えば再変動図柄)に変化し、このような再変動図柄が表示画面の中央位置に降りてくるかのような演出(いわゆる「擬似連煽り演出」)が行われる。この例では、女性キャラクターが両手を合わせて目を閉じ、何らかの祈願をしている様子が再変動図柄に表されている。
〔5COMBO発生〕
擬似連煽り演出の間に、さらに下始動入賞口28aへの入賞(当該変動で5個目のオーバーフロー入賞)が発生したことにより、上限数到達時発生演出として帯状領域の右端にある4個目のマーカM2の周囲に円形模様が表示されるとともに、その右上位置に「5COMBO」の文字情報がポップアップ表示されている。また、最大COMBO数領域CAm内の表示は「これまでの最大 5COMBO」に更新されている。
〔再変動図柄停止〕
図38中(L):そして、それまで煽られていた再変動図柄が表示画面の中央位置で停止すると、擬似連確定(2回擬似連)となる。この例では、再変動図柄に表されている女性キャラクターが開眼し、全体から炎をまきあげている様子が表されている。なお、ここでは擬似連確定の場合を挙げているが、再変動図柄が停止せずに画面下部へ通り過ぎ、擬似連に発展しないパターンもある。
〔6COMBO発生〕
その間に続けて下始動入賞口28aへの入賞(当該変動で6個目のオーバーフロー入賞)が発生したことで、さらに上限数到達時発生演出が行われている。すなわち、帯状領域内の右端にある4個目のマーカM2の周囲に円形模様が重ねて表示されるとともに、その上方位置に「6COMBO」の文字情報がポップアップ表示されている。そして、最大COMBO数領域CAm内の表示は「これまでの最大 6COMBO」に更新されている。このように、時間短縮状態の間に行われるリーチ変動中はオーバーフロー入賞が発生しやすく(遊技者による発射操作が継続して行われることが前提)、それによって上限数到達時発生演出が実行される頻度も高くなっており、非時間短縮状態に比較して高いCOMBO数が達成されやすい状況にある。以下、引き続き当該変動中にCOMBO数が増加していく例について説明する。
〔継続演出〕
図39中(M):表示画面の中央位置に再変動図柄が停止すると、左・中・右の演出図柄が仮停止出目で表示される。この例では、中演出図柄が例えば数字の「6」を表す態様で仮停止することにより、左・中・右で「5」−「6」−「6」の仮停止出目が形成されている。また表示画面内には、例えば中央下部位置に「継続」の文字情報が表示されることで、この後も変動表示演出が継続していくことを表している。
〔7COMBO発生〕
ここでも下始動入賞口28aへの入賞(当該変動で7個目のオーバーフロー入賞)が発生したことにより、上限数到達時発生演出がさらに発展している。すなわち、帯状領域内の右端にある4個目のマーカM2の周囲に新たな円形模様が表示されるとともに、その上方位置に「7COMBO」の文字情報がポップアップ表示されている。そして最大COMBO数領域CAm内の表示は「これまでの最大 7COMBO」に更新されている。
〔再変動開始(擬似連2回目)〕
図39中(N):仮停止した演出図柄が再変動を開始し、本格的な擬似連演出(擬似連2回目)が行われる。
〔8COMBO発生〕
さらに下始動入賞口28aへの入賞(当該変動で8個目のオーバーフロー入賞)が発生し、「8COMBO」を表す上限数到達時発生演出が行われる。また、最大COMBO数領域CAm内の表示は「これまでの最大 8COMBO」に更新されている。
図39中(O):またこの後、左演出図柄に続いて右演出図柄が停止表示し、再度のリーチ状態を発生させる演出が行われる。リーチ状態発生時は、上記の強調演出が行われる。
〔9COMBO発生〕
引き続き下始動入賞口28aへの入賞(当該変動で9個目のオーバーフロー入賞)が発生し、「9COMBO」を表す上限数到達時発生演出が行われる。また、最大COMBO数領域CAm内の表示は「これまでの最大 9COMBO」に更新されている。
〔擬似連演出への発展〕
図39中(P):再度、停止表示してリーチ状態を形成した右演出図柄が全体から炎を巻き上げるかのような態様に変化し、またもや再変動を示唆する演出が行われる。
〔10COMBO発生〕
続けて下始動入賞口28aへの入賞(当該変動で10個目のオーバーフロー入賞)が発生し、「10COMBO」を表す上限数到達時発生演出が行われる。また、最大COMBO数領域CAm内の表示は「これまでの最大 10COMBO」に更新されている。
〔擬似連煽り演出〕
図40中(Q):この後、やはり右演出図柄が1コマ滑り、数字の「7」を表す態様に変化する。また、中演出図柄は上記の再変動図柄に変化し、同じく表示画面の中央位置に降りてくるかのような擬似連煽り演出が再度行われる。
〔11COMBO発生〕
さらに下始動入賞口28aへの入賞(当該変動で11個目のオーバーフロー入賞)が発生し、「11COMBO」を表す上限数到達時発生演出が行われる。また、最大COMBO数領域CAm内の表示は「これまでの最大 11COMBO」に更新されている。
〔再変動図柄停止〕
図40中(R):そして、それまで煽られていた再変動図柄が表示画面の中央位置で再び停止すると、今回も擬似連確定(3回擬似連)となる。ここでも同様に、再変動図柄が停止せずに画面下部へ通り過ぎ、そのまま擬似連非発展というパターンもある。
〔12COMBO発生〕
ここでも下始動入賞口28aへの入賞(当該変動で12個目のオーバーフロー入賞)が発生し、「12COMBO」を表す上限数到達時発生演出が行われる。また、最大COMBO数領域CAm内の表示は「これまでの最大 12COMBO」に更新されている。
〔継続演出〕
図40中(S):再度、表示画面の中央位置に再変動図柄が停止すると、左・中・右の演出図柄が次の仮停止出目で表示される。この例では、中演出図柄が例えば数字の「7」を表す態様で仮停止することにより、左・中・右で「6」−「7」−「7」の先とは異なる仮停止出目が形成されている。そして、同じく表示画面内には、例えば中央下部位置に「継続」の文字情報が表示されることで、この後も変動表示演出が継続していくことを表している。
〔15COMBO発生〕
途中の図示を省略しているが、先の12COMBO発生後も引き続き下始動入賞口28aへの入賞(当該変動で13〜15個目のオーバーフロー入賞)が発生したことにより、現時点で「15COMBO」を表す上限数到達時発生演出が行われている。また、最大COMBO数領域CAm内の表示は「これまでの最大 15COMBO」に更新されている。
〔再変動開始(擬似連3回目)〕
図40中(T):仮停止した演出図柄がまたもや再変動を開始し、さらに擬似連演出(擬似連3回目)が行われる。またこの例では、擬似連3回目の変動開始に伴い、上記の装飾体400が表示画面の上部位置で小刻みに上下動する演出が行われるとともに、あたかも装飾体400から花が降り注いでくるかのような画像演出が行われている。このとき降り注いできた花は、次第に表示画面の周囲(枠)に散らばり、花柄状の縁取りを形成する。
〔20COMBO発生〕
ここでも途中の図示を省略しているが、先の15COMBO発生後もさらに下始動入賞口28aへの入賞(当該変動で16〜20個目のオーバーフロー入賞)が発生したことにより、いよいよ現時点で「20COMBO」を表す上限数到達時発生演出が行われている。また、最大COMBO数領域CAm内の表示は「これまでの最大 20COMBO」に更新されている。
〔はずれリーチ演出〕
図41及び図42は、はずれ時に実行されるリーチ演出の例を示す連続図である。以下のリーチ演出は、第2特別図柄表示装置35(第1特別図柄表示装置34でもよい)においてはずれ時のリーチ変動パターンによる変動表示が行われた後、第2特別図柄が「はずれ」の態様で停止表示されるまでに実行される。なお図40及び図41の一部では、各演出図柄を数字のみに簡略化して示している。また適宜、第4図柄Z1,Z2や表示画面下部の帯状領域、当該変動中領域HA、情報表示領域DA、最大COMBO数領域CAm等の図示を省略している。以下、演出の流れに沿って説明する。
〔変動表示演出〕
図41中(A):再変動開始に伴い、液晶表示器42の画面上で左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄の変動表示演出が開始(再開)される点はこれまでと同様である。また、ここでは再変動開始(擬似連3回目)で表示された花柄の縁取り画像が引き続き表示画面の周縁に表示されている。
〔装飾体予告演出〕
図41中(B):次に、変動表示演出の比較的初期において表示画面全体がブラックアウトし、表示画面の上部位置で装飾体400が小刻みに上下動する演出が行われるとともに、液晶表示器42の表示画面では、あたかも装飾体400から光線が発せられているかのような画像演出が行われる。
図41中(C):そして、装飾体400が表示画面手前の中央位置まで勢いよく落下し、合わせてその背後から放射状の光線が発せられているかのような画像演出が行われる。このような態様の演出により、遊技者に対して視覚的なインパクトを与え、この後の変動表示演出の流れに対する期待感を向上することができる。
〔リーチ状態発生〕
図41中(D),(E):装飾体400が表示画面の上方位置に復帰し、表示画面内では左演出図柄の停止に続いて右演出図柄が停止する。このとき、演出図柄の組み合わせは「7」−(変動中)−「7」のリーチ状態が発生し、合わせて「リーチ!」等の音声を出力する演出が行われる。また、この場合は数字の「7」が揃うことで確変大当りになることから、単なる抽選の当否だけでなく、「確変か、はずれか」という多様な緊張感を遊技者に抱かせることができる。
〔リーチ発生後予告演出(1回目)〕
図41中(F):リーチ状態の発生に続いて、例えばテンパイした演出図柄の背景に放射状のフラッシュ光線が表示されるとともに、その中央位置に「チャンス!」の文字情報を表示してリーチ発生後予告演出(1回目)が行われる。このような視覚的に印象のあるリーチ発生後予告演出を実行することで、遊技者に対してさらに大きな期待感を抱かせる効果が得られる。
〔リーチ演出の進行〕
図41中(G):1回目のリーチ発生後予告演出に続いて、例えば数字の「2」〜「8」を表す画像が画面上で立体的な列を構成した状態で表示され、列の先頭(手前)から「2」、「3」、「4」・・・という順番に画面から数字の画像が消去されていく演出が行われる。このような演出は、数字の「7」が最後まで消去されずに残ると「大当り」であることを遊技者に示唆(暗示)したり、想起させたりする目的で行われる。また、数字の「5」まで消去されて「6」が画面手前に残ると「はずれ」であり、また、数字の「7」まで消去されて「8」に達してしまうと「はずれ」であるが、数字の「6」が消去された後、数字「7」が消去されずに画面手前に残ると「確変大当り」であることを意味する。したがって、この間、数字の「2」、「3」、「4」・・・と順番に画像が消去されていき、数字の「6」の順番が近付くに連れて、遊技者の緊張感や期待感も高まっていくことになる。この後、例えば画面上で数字の「5」までが消去されたとすると、いよいよ次に数字の「6」が消去されると、いよいよ「確変大当り」の可能性が高まるため、そこで遊技者の緊張感も一気に高まる。
〔リーチ発生後予告演出(2回目)〕
図41中(H):リーチ演出が終盤に近付いたところで、突然、画面上にキャラクターの画像が大写しに割って入る(カットインする)ようにして表示され、そのキャラクターが何らかの台詞を発するという内容(又は、無言で微笑むという内容でもよい)のリーチ発生後予告演出(2回目)が行われる。この時点で例えばリーチ演出の内容は、「数字の「6」が消去されれば、「7」−「7」−「7」の確変大当りの可能性が高まる」という展開である。したがって、このタイミングで大きくキャラクターの画像を出現させることにより、遊技者に対して「大当りになるかもしれない」という期待感を抱かせる効果が得られる。
〔終盤煽り演出〕
図42中(I):変動時間の終期において、いよいよ数字の「6」が消去されたものの、今度は数字の「7」までもが消去されそうになる演出が行われている。すなわち、ここでは画面中央に数字の「7」と「8」を表す演出図柄が重なり合った状態で表示され、2つの演出図柄が画面奥と手前方向にお互いを押し合うかのような演出が行われる。この場合、「数字の「7」の演出図柄が「8」の演出図柄を押し出せば大当りとなるが、「8」の演出図柄が「7」を押し戻してしまうと大当りにならない」という展開であり、リーチ演出がいよいよ大詰めであることから、大当りに対する期待感を最後まで煽ることができる。
〔停止表示演出(結果表示演出)〕
図42中(J):この後、リーチ演出の終盤で最後の中演出図柄が停止する。この例は「はずれリーチ演出」であり、内部的には抽選結果が「はずれ(非当選)」に該当しているため、演出上で数字の「8」を表す演出図柄(形態はハート形状)が画面の中央に停止表示されることになる。これにより、残念ながら今回の変動では大当りにならなかったことが演出上で教示されている。
〔COMBO数の増加〕
図42中(K):「はずれリーチ演出」の再終盤には、左・中・右の3つの演出図柄がそれぞれ初期の大きさに復元された状態で最終停止表示が行われる。これにより、当該変動の結果が「はずれ」で確定したことを遊技者に教示することができる。ここまでの「はずれリーチ演出中」にあっても、時間短縮機能の作動により普通図柄の変動時間が通常時より短縮されるとともに、作動抽選確率が通常時よりも高く設定されている。このため、「はずれリーチ演出中」に遊技球の発射が継続的に行われていれば、可変始動入賞装置28が高頻度に作動(開閉動作)することでオーバーフロー入賞が発生し、当該変動中の入賞回数に応じてCOMBO数も増加している。ただし本実施形態では、リーチ変動中は「リーチ演出」の方に遊技者の注目を集めるため、上限数到達時発生演出としての現状の「COMBO数」や最大COMBO数領域CAmの表示は行っておらず、演出図柄の最終停止表示時に最大COMBO数領域CAmにて「これまでの最大 38COMBO」等を表示している。
〔COMBO数に応じたポイント加算演出〕
図42中(L):そして、演出図柄を用いた最終停止演出時に、今回の変動中に得られたCOMBO数(ここでは「38COMBO」)に応じて勝つん打!ポイントを加算する演出が行われる。この例では、表示画面の中央に大きく「38COMBO!!」の文字情報が割り込むようにして表示されるとともに、合わせて「+5000pt」のポイント加算表示が行われている。また情報表示領域DAでは、今回の変動で加算されたポイント数を反映した累計値(例えば「5523pt」)が表示されるとともに、パスワードに付随する個別情報として、プレイヤーレベルが「Lv18」にアップしたことが表示されている。
〔時間短縮状態終了時のポイント加算例〕
図43は、時間短縮状態の終了時におけるポイント加算例を示す連続図である。以上のように本実施形態では、1回の変動中に発生した「現状のCOMBO数」に加えて、時間短縮状態の間(ナイトモード演出中)に達成した「最大COMBO数」を最大COMBO数領域CAm内に表示することで、遊技者に「より多くのCOMBO数を達成しよう」とする目的意識を抱かせたり、自己がこれまでに達成した「最大COMBO数」に対する達成感を抱かせたりすることができる。加えて本実施形態では、時間短縮状態の終了時に、「最大COMBO数」に応じたポイント数を加算することとしている。以下、時間短縮状態終了時のポイント加算例について説明する。
〔残り回数表示〕
図43中(A):例えば、大当り遊技終了後(「16ラウンド通常図柄3」)の時間短縮状態が100回であり、これまでに98回の特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動が行われた場合を想定する。この場合、時間短縮状態は残り2回の変動で終了するため、液晶表示器42の表示画面上で「あと2回」の残り回数表示が行われている。このような残り回数表示を行うことで、遊技者に対して時間短縮状態があと2回の変動で終了することをわかりやすく教示することができる。なお、最大COMBO数領域CAm内には、時間短縮状態の間に達成したこれまでの「最大COMBO数」が表示されている。なお、ここでは特にオーバーフロー入賞が発生していないため、上限数到達時発生演出としてのCOMBO数表示は行われていない。
図43中(B):時間短縮状態での変動が99回となり、いよいよ残り1回の変動で時間短縮状態が終了する。このため表示画面上では「あと1回」の残り回数表示が行われ、いよいよ時間短縮状態での最終変動となることが演出上で教示されている。また、ここでも特にオーバーフロー入賞は発生していないため、同じく上限数到達時発生演出としてのCOMBO数表示は行われていない。
〔終了演出〕
図43中(C):時間短縮状態での変動が100回に到達したため、今回の変動をもって時間短縮状態が終了となる。このため表示画面上では、「ナイトモード終了」の文字情報が表示されるとともに、背景画像が「ナイトモード」から例えば「野外モード」に変化する演出が行われている。なお、ここでは最大COMBO数領域CAmは継続して表示されているものとする。
〔ポイント加算演出〕
図43中(D):時間短縮状態での変動100回目終了時(次の変動開始初期にまたがってもよい)に、これまでに達成した「最大COMBO数」に応じて勝つん打!ポイントを加算する演出が行われる。この場合のポイントは、1回の変動中に達成した「COMBO数」とは別に、時間短縮状態の間に達成した記録としての「最大COMBO数」に応じて加算されるものである。この例では、表示画面内に「最大38COMBOで380pt!」等の文字情報が表示されている。また情報表示領域DAには、新たに加算されたポイント数を反映した累計値(例えば「5932pt」)が表示されるとともに、プレイヤーレベルが「Lv20」にアップしたことが表示されている。これにより、遊技者に対して「時短中の最大COMBO数で特別なポイントが得られた」ということを実感させ、一定の達成感や満足感を抱かせることができる。
〔COMBO数によるポイント加算のまとめ〕
以上のように本実施形態では、パスワード遊技中に第1特別図柄に対応する作動記憶数が上限数(最大値)に達した状態で上始動入賞口26への入賞が検出されるか、もしくは、第2特別図柄に対応する作動記憶数が上限数(最大値)に達した状態で下始動入賞口28aへの入賞が検出されると、第1特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンド又は第2特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンドが演出制御装置124に送信される。そして、これを受けて演出制御装置124では、上限数到達時発生演出として「当該変動中のCOMBO数表示」及び「時間短縮状態に移行した場合は時短中の最大COMBO数表示」を行い、それぞれに対して勝つん打!ポイントの加算を行うことができる。これにより、例えば以下の利点を得ることができる。
(1)作動記憶数が上限数に達した状態でさらに上始動入賞口26又は下始動入賞口28aへの入賞を発生させると、それまで発生し得なかった上限数到達時発生演出(COMBO数表示等)が発生するため、遊技者に対して遊技球の発射操作を継続させようとする動機付けを与え、遊技に対する積極性の維持を図ることができる。
(2)「COMBO数表示」は、1回の変動中にオーバーフロー入賞を発生させるごとにインクリメントされるため、遊技者に対して「より大きいCOMBO数を達成しよう」という意欲や挑戦心をかき立て、遊技に対する積極的な姿勢をさらに維持させることができる。
(3)1回の変動中に達成した「COMBO数」に応じてパスワード遊技中のポイント(勝つん打!ポイント)が加算されるため、パチンコ機1による遊技とは別に「ポイント獲得」という興趣を遊技者に提供し、遊技性の幅を拡げることができる。
(4)時間短縮状態(高確率状態を含む)で大当りの期待度が高いリーチ変動が発生した場合、一般的には遊技者が遊技球の打ち出しを中止する傾向にあるが、本実施形態では「最大COMBO数を達成する」という目的を遊技者に意識させることができるため、リーチ変動中も遊技球の発射操作を継続しようとする動機付けを遊技者に与え、それによって遊技に対する積極性を維持することができる。
(6)また一般的には、作動記憶数が上限数に達した状態で上始動入賞口26や下始動入賞口28aへの入賞が発生すると、「抽選(変動)の対象にならない」という意味で遊技者に何らかの損失感が発生する傾向にあるが、本実施形態では変動が行われないことの代償として上限数到達時発生演出を実行し、ポイントの加算を行っているので、遊技者の損失感を軽減することができる。これにより、遊技意欲の減退を抑え、遊技に対する積極性の維持向上を図ることができる。
(7)「COMBO数表示」は、それ自体が加算されるポイント数を表しておらず、「この後に加算されるポイント数の予告」としての意義を有する(遊技得点増加予告演出)。すなわち、達成した「COMBO数」が大きいほど、それに応じて加算されるポイント数が大きくなっていくことから、遊技者に対して「今回のCOMBO数でどこまでポイントが加算されるか」といった期待感を抱かせ、なるべく大きいCOMBO数を達成しようとする動機付けを与えることができる。
〔ポイント情報の提供〕
次に、パスワード遊技中に加算されたポイント累計値を遊技者に提供する形態について説明する。
〔コード発行〕
図44は、遊技の区切り時にコードを発行するまでの流れを示した連続図である。コードを発行するまでの手続は、上述した「メニュー画面」が表示された状態で進められる。
〔メニュー画面〕
図44中(A):パスワード入力後、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別特別図柄)が未変動であり、いずれの作動記憶数も0個の状態で、液晶表示器42により「メニュー画面」が表示されている。このような「メニュー画面」は、表示画面に「勝つん打!」の文字情報とともに演出切替ボタン42を表す画像が表示された状態で、遊技者が実際に演出切替ボタン42を押し込み操作することで表示される。
そして、「メニュー画面」の表示中、ジョグダイアル45aが回転操作されると、それに伴って4つのメニューボタンBT1〜BT4の選択候補が切り替わる。遊技者がジョグダイアル45aを回転させてメニューボタンBT2に候補マークを合わせると、他のメニューボタンBT1,BT3,BT4は暗色で表示される。この状態で演出切替ボタン45が押下されると、メニューボタンBT2に対応する「コード発行」のメニューが選択されたことになる。
〔確認画面〕
図44中(B):「メニュー選択画面」で「コード発行」が選択されると、次に「確認画面」が表示される。「確認画面」では、例えば画面の右側領域に「これまでの勝つん打ポイントを集計するよ?」といった案内情報とともに、「OK」と「やめる」の機能ボタンが並んで表示されている。ここでの案内情報は、遊技者に対して「パスワード入力後に加算されたポイントを全て集計してもよいか?」との意思確認を求める内容である。ここで遊技者が「やめる」の機能ボタンを選択し、演出切替ボタン45を押下した場合は「メニュー画面」に復帰する。
〔コード表示画面〕
図44中(C):「確認画面」で「OK」の機能ボタンが選択され、遊技者により演出切替ボタン45が押下されると、「コード表示画面」に切り替わる。「コード表示画面」では、画面の右側領域に二次元コードの画像が表示される(符号化情報出力手段)。また、その上方には「携帯電話で読み取ってね!」の案内情報が表示されており、下方には「終了」の機能ボタンが表示されている。この状態で、遊技者は自己の所有するカメラ付き携帯電話機を用いて二次元コードを読み取る(画像認識及び復号する)ことができる。なお、二次元コードの読み取りは、いわゆる「スマートフォン」を用いて行ってもよい。また二次元コードの読み取り後、「OK」の機能ボタンが選択されたまま演出切替ボタン45が押下されると、液晶表示器42はデモ画面(図示していない)に切り替わる。
〔二次元コードの情報〕
発行された二次元コードの情報には、例えば以下の内容を含めることができる。
(1)今回の入力されたパスワード(先の例では「HEIWA」)
(2)端末識別情報又はユーザID(携帯電話機の端末に固有のハードウェア情報)
(3)プレイヤーレベル情報(獲得ポイントに応じて設定されるレベル)
(4)ポイント累計情報(今回のパスワード遊技で獲得したポイント累計値)
(5)出現させた演出情報(今回のパスワード遊技中に出現した演出情報)
(6)最大COMBO数情報(今回のパスワード遊技中に達成した最大COMBO数)
(7)アクセス用URL(サーバに設置されたウェブサイトへのURL)
上記の他にも、適宜の情報を二次元コードに含めることができる。
〔利用形態〕
図45は、パスワード遊技の利用形態を示す概念図である。上記のように、パチンコ機1にパスワードを入力して遊技を行う「パスワード遊技」は、例えば以下の要素を用いて実現することができる。
〔1〕パチンコ機1(遊技場に設置された実機)
〔2〕携帯電話機202(スマートフォンでも可)
〔3〕基地局204及び通信回線206
〔4〕サーバ208
〔1〕のパチンコ機1は、本実施形態で取り上げている実機である。〔2〕の携帯電話機202はカメラ付きで、二次元コードを読み取るアプリケーションを使用できるものである。〔3〕の基地局204及び通信回線206は、携帯電話機202の機能を用いてネットワーク通信を実現するインフラである。また〔4〕のサーバ208は、通信回線206を通じてアクセス可能であり、「パスワード遊技」用に構築されたウェブサイトを有するものである。
〔パスワード遊技利用手順〕
次に、「パスワード遊技」の利用手順について説明する。以下の利用手順は、一連のシーケンスとして簡易的に示している。
SK1:サーバ208は、ウェブサイト経由で遊技者の携帯電話機202宛てにパスワードを発行する。前提として、携帯電話機202からサーバ208へのアクセスがなされており、ウェブサイト上で「パスワード発行」のリクエストが送信されているものとする。なおアクセス中は、携帯電話機202のディスプレイにウェブサイト(携帯サイト)が表示されている。
SK2:遊技者は、発行されたパスワードを携帯電話機202のディスプレイ上で確認し、これを実際に遊技場でパチンコ機1に入力する操作を行う。パスワードは、遊技者の個人別(ユーザ別)に付与されていることが前提である。パスワードを入力することにより、パチンコ機1において「パスワード遊技」が行われる。パスワード遊技中は、上記のように実際に行われた遊技の内容に応じて加算されたポイントがパチンコ機1の内部に記録(集計)されていく。
SK3:「パスワード遊技」を終了又は一区切りする場合、上記のように遊技者が「コード発行」の操作を行うことで、パチンコ機1が二次元コードを出力する。遊技者は、出力された二次元コードを自己の携帯電話機202で読み取る。
SK4:遊技者は、読み取った二次元コードを用いて、携帯電話機202からサーバ208のウェブサイトにアクセスする。サーバ208は、携帯電話機202から送信された情報(二次元コードに含まれている情報)に基づき、遊技者個人別に保有している情報を更新する。サーバ208で更新される情報は、例えば上記の(3)〜(6)に示される情報である。
SK5:サーバ208は、更新後の情報(これまでの獲得ポイント)を携帯電話機202に通知する。通知されたポイント(勝つん打!ポイント)は、携帯電話機2のディスプレイに表示される。
〔ポイントの蓄積〕
以上が「パスワード遊技」の基本的な利用手順であり、遊技者が「パスワード遊技」を利用する度に上記SK1〜SK5の手順を繰り返すことで、個人の「プレイヤーレベル」を向上していったり、「勝つん打!ポイント」を次々と蓄積していったりすることができる。「プレイヤーレベル」は、上記のように「Lv1」等で表したり、例えば初級、中級、上級、特級、プロ級といった等級で表したりすることができる。「パスワード遊技」の間は、上記のように表示画面の情報表示領域DAに現在のプレイヤーレベルを表示させることで、遊技者個人に周囲への自己顕示やレベルの誇示を可能とする。また「ポイント」は、例えば現物との交換価値として利用したり、何らかのコンテンツ(アイコン、楽曲、画像、アプリ等)との交換価値として利用したりすることができる。この他にも「ポイント」は、例えばウェブサイト運営者が主催するソーシャルネットワーク内でのランキング情報に利用することができる。例えば、一定期間内の獲得ポイント数に応じてプレイヤーに順位を与える等により、ソーシャルネットワーク内で「ポイント」を用いたランク付けを行うことができる。
このように、「プレイヤーレベル」を上げていったり、「勝つん打!ポイント」を蓄積していったりすることが「パスワード遊技」の面白味の1つとなっている。特に「勝つん打!ポイント」は、それが何らかの交換価値を有するか、あるいは、ソーシャルネットワーク等でのランキング情報となる点で遊技者にとっての利益が大きいことから、いかにして「パスワード遊技」の間に多くのポイントを加算し、いかに多くの「勝つん打!ポイント」を獲得することができるかに遊技者の意識を振り向けていくことができる。このような意識を利用することで、作動記憶数が上限数に達した場合でも「COMBO数」の達成に対して遊技者の興味を大きく引きつけ、遊技意欲を刺激することができる。
〔ウェブサイトの構成〕
図46は、携帯電話機202で閲覧できるウェブサイトの態様を示す図である。ウェブサイトの態様は、遊技者が携帯電話機202を操作することにより変化する。
〔トップページ〕
図46中(A):携帯電話機202で「パスワード遊技」に対応したウェブサイトにアクセスすると、そのトップページが表示される。トップページには、遊技者別のユーザ名(ここでは「ヘイワ」)や現在の勝つん打!ポイント(例えば「2550PT」)等が表示されている。またトップページには、「遊技履歴情報」や「パスワード発行」、「機種別サイト」、「よくある質問」等の各種リンクメニュー(ハイパーリンク)が表示されている。この例では、ちょうど「遊技履歴情報」のリンクメニューにカーソルが合わせられた状態にある。
〔遊技履歴情報〕
図46中(B):「トップページ」から「遊技履歴情報」のリンクメニューに進むと、直近の「遊技履歴情報」のページに遷移する。このページには、例えば「直近のパスワード遊技の日付(2011/12/24)」とともに、そのパスワード遊技の内容として「回転数:850」や「大当り:15回」、「最大ハマリ回数:410回」等の結果が表示されている。また同ページには、「直近遊技機種パスワードを発行」といったリンクメニューが表示されている。
〔直近遊技機種パスワード〕
図46中(C):上記のリンクメニューに進むと、「直近遊技機種パスワード」を発行するページに遷移する。このページには、「直近遊技機種」で使用可能なパスワード(例えば「AWIEH」)とともに、該当する直近遊技機種の名称(例えば「ヘイワーマン」)が表示されている。
〔ポイント及び遊技結果の反映〕
図47は、「パスワード遊技」の利用手順を通じて集計した「勝つん打!ポイント」や遊技結果が反映される流れを示す図である。
〔二次元コードの読み取り〕
図47中(A):上記のように、携帯電話機202を用いて二次元コードを読み取る。このとき二次元コードには、「勝つん打!ポイント」やパスワード遊技中の遊技結果が反映されているものとする。
〔携帯サイトアクセス〕
図47中(B):上記のように、読み取った二次元コードを用いてウェブサイト(携帯サイト)にアクセスする。
〔ポイント計算等〕
図47中(C):上記のようにサーバ208は、携帯電話機202から送信された情報を元に遊技者個別の勝つん打!ポイントを計算する。このとき各種演出項目の達成リストや「最大COMBO数」の結果が含まれていれば、それらを合わせて記録する。
〔結果表示〕
図47中(D):サーバ208でポイントの計算や遊技結果の記録が行われると、その結果が携帯電話機202のディスプレイに表示される。この例では、「現在の勝つん打!ポイント」として例えば「6527PT」が表示されている。また「新着!」と題して、「Newミッション達成」及び「最大38COMBO達成」といった情報が表示されている。これにより、遊技中に達成した「最大COMBO数」を遊技者に通知し、記録として残しておくことができる。
〔演出制御手法〕
次に、パチンコ機1で行われる演出の制御手法について説明する。上述した図柄演出としての変動表示演出や停止表示演出、リーチ演出、また、予告演出としてのリーチ発生前予告演出や先読み予告演出、あるいは記憶数表示演出、上限数到達時発生演出、ポイント加算演出(遊技得点の加算演出)、また、図柄演出に連動したステージ演出、大当り中(大役中)演出、モード移行演出、ゾーン突入演出、ステージ移行演出等は、いずれも以下の制御処理を通じて制御されている。
〔演出制御処理〕
図48は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs〜数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS402)、演出図柄管理処理(ステップS403)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、第1特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンド、第2特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止時コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド等がある。
ステップS402:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、各種マーカ画像を用いた演出(要素記憶存在演出、要素記憶消費演出、先読み予告演出)、上限数到達時発生演出等の実行を制御する。なお先読み予告演出は、マーカM1,M2の形態を変化させる演出であり、これは主制御CPU72から受信した特図先判定演出コマンドに基づいて実行することができる。作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS403:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。またこの処理において、演出制御CPU126は各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後演出等)の演出パターンを選択したり、セリフ演出の演出パターンを選択したりする。なお、演出図柄管理処理の内容についても、別の図面を参照しながらさらに後述する。
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、COMBO演出パターン番号、ポイント加算演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(各種演出実行手段としての機能を果たす)。
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53、装飾体ランプ404等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
ステップS408:次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、上限数到達時発生演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常のステージ移行抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
ステップS412:その他の処理では、演出制御CPU126は例えば装飾体モータ402の駆動用ICに対して制御信号を出力する。これにより、装飾体400が装飾体モータ402やリンク機構の働きにより動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。
〔作動記憶演出管理処理〕
図49は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
ステップS450:先ず演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS452を実行しない。
ステップS452:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、増加後の合計記憶数に対応するマーカ画像を表示させる演出パターンを選択する。ここでのマーカ画像は、円形状のシンプルな基本態様とする。またマーカ画像は、第1特別図柄に対応するもの(マーカM1)と第2特別図柄に対応するもの(マーカM2)とに分けて選択される。
ステップS454:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていた場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS456を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126はステップS456を実行しない。
ステップS456:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄別に、それぞれ減少後の合計記憶数に対応するマーカ画像を表示させる演出パターン(マーカ画像のシフト表示パターン)を選択する。ここでの演出パターンには、液晶表示器42の表示画面内でマーカ画像を当該変動中領域HAにシフト表示させたり、帯状領域の左右で中央寄りにシフト表示させたりするものが含まれる。
ステップS458:また演出制御CPU126は、マーカ表示態様選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はマーカ画像の表示態様(先読み変化によるマーカ画像等)を選択する。
ステップS459:続いて演出制御CPU126は、コンボ演出管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は上述した上限数到達時発生演出としてマーカ画像に円形模様を重ねて表示させる演出パターン(図32等)や、「COMBO数」を表示させる演出パターン、「最大COMBO数」を表示させる演出パターン等を選択する。なお、コンボ演出管理処理の詳細については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
以上の手順を実行すると、演出制御CPU126は演出制御処理(図48)に復帰する。
〔コンボ演出管理処理〕
図50は、コンボ演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS460:演出制御CPU126は、COMBO数クリア条件を満たすか否かを判断する。COMBO数クリア条件は、「上限数に達していた特別図柄作動記憶数が上限数未満に減少したこと(=次変動開始)」である。COMBO数クリア条件の判断は、例えば先のコマンド受信処理(図48中のステップS400)で受信する作動記憶数減少時演出コマンドに基づいて行うことができる。第1特別図柄又は第2特別図柄について、作動記憶数が3個に減少したことを表す作動記憶数減少時演出コマンドを受信していた場合、演出制御CPU126はCOMBO数クリア条件を満たす(Yes)と判断し、それ以外の場合はCOMBO数クリア条件を満たさない(No)と判断する。COMBO数クリア条件を満たさない(No)場合の手順は以下となる。
ステップS464:演出制御CPU126は、第1特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンドを受信したか否かを確認し、同コマンドを受信していた場合(Yes)は次のステップS465を実行する。
ステップS465:ここで演出制御CPU126は、COMBO数カウンタを更新する。COMBO数カウンタは、例えばRAM130のカウント領域に値が保存されており、ここではその値をインクリメントする。なお、第1特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンドを受信していない場合(ステップS464:No)、演出制御CPU126はステップS465を実行しない。
ステップS466:また演出制御CPU126は、第1特別図柄COMBO演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は更新後のCOMBO数カウンタの値に基づいて、液晶表示器42の表示画面上に表示させる上限数到達時発生演出の演出パターンを選択する。選択される演出パターンは、例えば第1特別図柄に対応するマーカM1の周囲に表示する円形模様の表示パターンや、現状のCOMBO数を表す文字情報(「3COMBO」等)の表示パターンに該当する。なお、第1特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンドを受信していない場合(ステップS464:No)、演出制御CPU126はステップS465を実行しない。
以上は第1特別図柄に対応する手順であり、第2特別図柄に対応する手順は以下となる。
ステップS468:すなわち、演出制御CPU126は、第2特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンドを受信したか否かを確認し、同コマンドを受信していた場合(Yes)は次のステップS469を実行する。
ステップS469:演出制御CPU126は、ここでもCOMBO数カウンタを更新、つまり、その値をインクリメントする。なお、第2特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンドを受信していない場合(ステップS468:No)、演出制御CPU126はステップS469を実行しない。
ステップS470:また演出制御CPU126は、第2特別図柄COMBO演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は更新後のCOMBO数カウンタの値に基づいて、上限数到達時発生演出の演出パターンを選択する。ここで選択される演出パターンは、第2特別図柄に対応するマーカM2の周囲に表示する円形模様の表示パターンや、現状のCOMBO数を表す文字情報の表示パターンに該当する。なお、第2特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンドを受信していない場合(ステップS468:No)、演出制御CPU126はステップS470を実行しない。
演出制御CPU126は上記の第1特別図柄COMBO演出選択処理、又は第2特別図柄COMBO演出選択処理のいずれかを実行した場合、それぞれの処理で選択された演出パターンに基づき、実際に液晶表示器42の表示画面上にて上限数到達時発生演出(図32等)が実行されることになる(上限数到達時発生演出実行手段)。
なお本実施形態では、上記の「COMBO数カウンタ」を第1特別図柄と第2特別図柄で共通としているが、第1特別図柄と第2特別図柄とで「COMBO数カウンタ」を別々に更新してもよい。
ステップS472:また演出制御CPU126は、最大COMBO数表示条件を満たすか否かを判断する。本実施形態において最大COMBO数表示条件の判断項目は、例えば以下の通りである。
(1)時間短縮状態に移行し、時間短縮機能が作動中であること。
(2)時間短縮状態に移行後、少なくとも1回は上限数到達時発生演出を実行したこと。
上記(1),(2)の判断項目に同時に該当する場合、演出制御CPU126は最大COMBO数表示条件を満たす(Yes)と判断し、それ以外の場合は最大COMBO数表示条件を満たさない(No)と判断する。最大COMBO数表示条件を満たす(Yes)場合の手順は以下となる。
ステップS474:演出制御CPU126は、最大COMBO数表示選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は最大COMBO数カウンタの値を更新するとともに、更新後の値に基づいて、最大COMBO数の表示パターンを選択する。ここで選択された表示パターンに基づき、表示画面上の最大COMBO数領域CAm内での表示演出(例えば「ここまでの最大 10COMBO」等)が実行されることになる(最大回数表示演出の実行)。
なお本実施形態では、時間短縮状態に移行している間に最大COMBO数表示を行うこととしているが、非時間短縮状態で最大COMBO数表示を行うこととしてもよい。
これに対し、最大COMBO数表示条件を満たさないと判断した場合(ステップS472:No)、演出制御CPU126は以下の手順を実行する。
ステップS476:すなわち演出制御CPU126は、最大COMBO数非表示選択処理を実行する。この処理において演出制御CPU126は、最大COMBO数カウンタの値をリセットするとともに、リセット直前に更新された値に基づいて、ポイント加算演出パターンを選択する。ここで選択された演出パターンに基づき、時間短縮状態終了時のポイント加算演出(図43(D))が実行される。また、表示画面上で最大COMBO数領域CAmは非表示となる。
なお、パチンコ機1の電源投入後に未だ時間短縮状態に移行していない場合、ステップS472で最大COMBO数表示条件を満たさないが、この場合はステップS476の最大COMBO数非表示選択処理において、単に最大COMBO数カウンタの値がリセットされるとともに、最大COMBO数領域CAmを非表示とする命令だけが実行される。
ステップS474又はステップS476のいずれかを実行すると、演出制御CPU126は作動記憶演出管理処理(図49)を経て演出制御処理(図48)に復帰する。
〔COMBO数クリア条件満足時〕
また、次回以降のコンボ演出管理処理の呼び出し時に演出制御CPU126がステップS460を実行し、COMBO数クリア条件を満たす(Yes)と判断した場合は以下の手順となる。
ステップS478:この場合、演出制御CPU126は現状の「COMBO数」から加算ポイント数を決定する。加算ポイント数の決定は、先に述べたように振分テーブルを参照して行う。なお振分テーブルの構成例は、他図(図51及び図52)に示している。
ステップS480:次に演出制御CPU126は、ポイント加算演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は先のステップS478で決定した加算ポイント数に基づき、ポイント加算演出パターンを選択する。ここで選択された演出パターンに基づいて、実際に液晶表示器42の表示画面上でポイント加算演出(図33(F),図35等)が実行されることになる。
ステップS482:そして演出制御CPU126は、COMBO数カウンタをリセットする。この後、演出制御CPU126は上述したステップS472以降を実行する。
〔コンボ未発生時〕
ここまでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する作動記憶数が上限数に達した状態でオーバーフロー入賞が発生した場合を想定しているが、今回の変動中にオーバーフロー入賞が発生しなかった場合は以下の手順となる。
ステップS460:この場合、演出制御CPU126はCOMBO数クリア条件を満たさない(No)と判断する。
ステップS464:第1特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンドを受信していないため(No)、演出制御CPU126はステップS465及びステップS466を実行しない。
ステップS468:同じく、第2特別図柄作動記憶数最大時超過入賞コマンドを受信していないため(No)、演出制御CPU126はステップS469及びステップS470も実行しない。
ステップS472:特に最大COMBO数表示条件を満たさないため(No)、演出制御CPU126はステップS476に進む。
ステップS476:そして、ここでは単に演出制御CPU126は最大COMBO数カウンタの値を機械的にリセット(元々セットされていない状態)し、最大COMBO数領域CAmを非表示とする命令のみを実行してコンボ演出管理処理を終了する。
〔パスワード未入力時〕
また、特にパチンコ機1にパスワード情報が入力されていない場合も上記「コンボ未発生時」と同様となる。この場合、演出制御CPU126はCOMBO数表示等の演出を行わない。
〔COMBO数別加算ポイント振分テーブル選択テーブル〕
図51は、COMBO数別加算ポイント振分テーブル選択テーブルの構成例を示す図である。この選択テーブルは、今回の変動中に達成したCOMBO数(COMBO数カウンタの値)に応じて「加算ポイント振分テーブル番号」を選択するためのものである。演出制御CPU126は先のステップS478において、図51の選択テーブルに基づいて「加算ポイント振分テーブル番号」を選択する。
例えば、今回の変動中に達成したCOMBO数(COMBO数カウンタの値)が「1」であれば、演出制御CPU126は「加算ポイント振分テーブル01」を選択する。以下同様に、COMBO数(COMBO数カウンタの値)が「2」であれば、演出制御CPU126は「加算ポイント振分テーブル02」を選択し、COMBO数(COMBO数カウンタの値)が「3」であれば、演出制御CPU126は「加算ポイント振分テーブル03」を選択する。なお、COMBO数(COMBO数カウンタの値)が「50以上」であれば、演出制御CPU126は「加算ポイント振分テーブル50」を選択する。
〔加算ポイント振分テーブル〕
図52は、加算ポイント振分テーブルの構成例を示す図である。ここでは極端な例として、「加算ポイント振分テーブル01」と「加算ポイント振分テーブル50」とを左右の領域に対比するようにして示している。
〔加算ポイント振分テーブル01〕
図52中の左領域に示されているように、「加算ポイント振分テーブル01」の構成は、比較的高い振分比率(ここでは「90%」)で加算ポイント数を「3」に決定し、比較的低い振分比率(ここでは「10%」)で加算ポイント数を「5」に決定するものである。なお、ここでいう振分比率は、演出用乱数を用いた演出制御CPU126による振分抽選によって選択される比率を意味している。
〔加算ポイント振分テーブル50〕
一方、図52中の右領域に示されているように、「加算ポイント振分テーブル50」の構成は、比較的高い振分比率(ここでは「85%」)で加算ポイント数を「1000」に決定するものである。その他に同テーブルの構成は、比較的低い振分比率(「5%」、「3%」、「1%」)でそれぞれ加算ポイント数を「800」、「250〜500」、「200」に決定するものとなっている。
その他の図示は省略しているが、「加算ポイント振分テーブル01」〜「加算ポイント振分テーブル50」は、テーブル番号が大きくなるほど、比較的大きい加算ポイントの振分比率が高くなっていく構成となっている。例えば、「加算ポイント振分テーブル01」には加算ポイント「8」以上の値に振分比率が設定されていないが(図中に「−」で示す)、「加算ポイント振分テーブル10」には、加算ポイント「3」〜「50」までの各値にそれぞれ振分比率が設定されている。また、「加算ポイント振分テーブル30」程度になると、加算ポイント「3」〜「50」までの値に振分比率は設定されなくなり、代わりに加算ポイント「100」以上の各値に振分比率が設定されることになる。
いずれにしても、演出制御CPU126は「加算ポイント振分テーブル番号」を選択すると、選択した各テーブルの左カラムに示される振分比率で右カラムに示される加算ポイント数を決定する。このとき、COMBO数の値が大きければ、それだけ選択されるテーブル番号も大きくなるため、結果的にCOMBO数の値が大きいほど加算されるポイント数も大きくなるものとなっている。
なお、図51及び図52で挙げたテーブル構成はあくまで一例であり、その他のテーブル構成を採用してもよい。
〔演出図柄管理処理〕
図53は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502〜ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(図13中のステップS5000)が選択された場合にのみジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502〜ステップS506は実行されない。
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。またこの処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。また演出制御CPU126は、デモ演出の制御中にパスワードの入力や二次元コードの発行に関する処理を実行する。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。ただし本実施形態において、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行する。
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中又は大当り中の演出内容を制御する(特別遊技演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容(演出パターン)を選択する。例えば16ラウンドの出玉あり確変大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、16ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大当り中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
〔演出図柄変動前処理〕
図54は、上記の演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する(待機状態演出実行手段)。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンには、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容が含まれるほか、液晶表示器42の表示画面にパスワード入力案内用の画像(図28中(C),図29)を表示させたり、コード発行用のメニュー画面(図44)を表示させたりするものが含まれる。なお、具体的な制御の内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図48中のステップS404)、ランプ駆動処理(図48中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当たりであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当たりであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」〜「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
また演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、7ラウンド大当り又は16ラウンド大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」〜「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。なお、大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」〜「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
ステップS614:演出制御CPU126は、予告選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
ステップS616:演出制御CPU126は、ステージ管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126はステージ(モード、ゾーン)に関する具体的な処理を実行する。ステージ演出は、複数の背景画像(「野外ステージ」や「海岸ステージ」等)、モード専用画像(「ナイトモード」や「花火モード」等)を用いて実行され(ステージ演出実行手段)、ステージ演出の実行中に所定の演出実行条件を満たす場合、背景画像を変化させてステージ移行演出が実行される(ステージ移行演出実行手段)。
ステップS618:演出制御CPU126は、背景画像選択処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、先のステージ管理処理にて決定されたステージステータスの値に基づいて各種背景画像を選択する処理を実行する。例えば、ステージステータスの値が、「海岸ステージ」に対応するものであれば、演出制御CPU126は背景画像として「海岸ステージ」用の背景画像を選択する。
ステップS620:次に演出制御CPU126は、遊技履歴管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126はパスワード遊技中のポイント加算や出現させた演出の達成リスト、最大COMBO数等の情報を更新する。なお、遊技履歴管理処理については別のフローチャートを用いて後述する。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(図53中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(各種の演出実行手段としての機能)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される。
〔デモ選択処理〕
図55は、上記のデモ選択処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS702:先ず演出制御CPU126は、特別図柄の変動が開始したか否かを確認する。特別図柄の変動が開始した場合には、デモ演出を中断させるためである。具体的には、RAM130の変動開始コマンドを確認することにより実現することができる。特別図柄の変動が開始した場合(ステップS702:Yes)、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図54)に復帰する。これに対し、特別図柄の変動が開始していない場合(ステップS702:No)、演出制御CPU126はステップS704の処理を実行する。なお、特別図柄の変動が開始していれば、演出図柄管理処理の中でデモ選択処理が呼び出されることはないが、本実施形態ではデモ選択処理の中でも再度、特別図柄の変動開始を確認することで2重のリカバリを行っている。
ステップS704:演出制御CPU126は、所定時間(例えば数秒〜数十秒程度)が経過したか否かを確認する。所定時間が経過する前は、演出図柄の確定表示を維持するためである。具体的には、RAM130の所定時間カウンタをカウントすることにより実現することができる。所定時間が経過していない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126は演出図柄変動前処理(図54)に復帰する。これに対し、所定時間が経過した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706の処理を実行する。ここでは特に図示していないが、所定時間カウンタは、演出制御CPU126がデモ選択処理を繰り返す毎に更新されていくが、コマンド受信処理(図48中のステップS400)で主制御CPU72からデモ演出コマンドの受信が途絶えた場合はリセットされる。
ステップS706:演出制御CPU126は、遊技者により演出切替ボタン45が押されたか否かを確認する。具体的には、演出切替ボタン45からの接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力されたか否かを確認する。
遊技者により演出切替ボタン45が少なくとも1回押されたと判断した場合(ステップS706:Yes)、これ以降、演出制御CPU126は毎回ステップS710の処理を実行する。
ステップS710:演出制御CPU126は、メニュー管理処理を実行する。なお、具体的な制御の内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
これに対し、遊技者により演出切替ボタン45が未だ押されていないと判断する場合(ステップS706:No)、演出制御CPU126はステップS720の処理を実行する。
ステップS720:この場合、演出制御CPU126は、通常デモ演出選択処理を実行する。具体的には、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したデモ演出パターン(特に図示していない)を選択する。
〔メニュー管理処理〕
図56は、メニュー管理処理の手順例を示すフローチャートである。この処理を通じてパスワードの入力や二次元コードの出力が可能となる。以下、手順例に沿って説明する。
ステップS750:先ず演出制御CPU126は、「メニュー画面」の表示を終了するべきか否かを確認する。終了の必要がある場合(Yes)、演出制御CPU126はデモ選択処理に復帰する。「メニュー画面」の表示を終了する必要があるのは、基本的にデモ演出用コマンドの受信が途絶えた場合である。この場合、本来は呼出元ルーチンであるデモ選択処理が実行されることはないが、本実施形態ではメニュー管理処理の中でも再度、終了を確認することで、制御の迅速性を確保している。
一方、特に「メニュー画面」の表示を終了する必要がなければ(No)、演出制御CPU126は次のステップS752を実行する。
ステップS752:この場合、演出制御CPU126はメニュー画面パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は図29,図44等に示される「メニュー画面」のパターンを選択する。なお、未だパスワードが入力されていなければ、演出制御CPU126はパスワード入力案内用のメニュー画面(図29)を選択する。一方、パスワード入力済み(パスワード遊技中)であれば、演出制御CPU126はパスワード遊技中専用のメニュー画面(図44)を選択する。
ステップS754:また演出制御CPU126は、ジョグダイアル操作受付処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aの操作を監視し、操作を検知した場合はこれに応じて「メニュー画面」の表示態様を変化させる。この処理において、演出制御CPU126は実際にパスワードの入力を受け付けることができる(個別情報受付手段)。
ステップS756:続いて演出制御CPU126は、「メニュー画面」の表示に関連するメニューが選択済みであるかを確認する。具体的には、「メニュー画面」から「パスワード入力画面」に進み、最終的に「決定」が選択された場合、演出制御CPU126はメニュー選択済みと判断する。その他にも、「メニュー画面」から図44中(C)の「コード発行画面」に進み、最終的に「終了」が選択された場合、演出制御CPU126はメニュー選択済みと判断する。メニュー選択済みと判断するまでの間(No)、演出制御CPU126はメニュー管理処理を実行する度にステップS752,S754を実行し、「メニュー画面」以降の画面の表示態様を選択する。
ステップS758:メニュー選択済みと判断した場合(ステップS756:Yes)、演出制御CPU126は次にパスワードが入力されたか否かを確認する。パスワードが入力された場合(Yes)、次に演出制御CPU126はステップS760に進む。
ステップS760:ここで演出制御CPU126は、パスワード遊技中フラグをONにする。このフラグ値は、例えばRAM130のフラグ領域に保存される。
ステップS762:そして演出制御CPU126は、ポイント情報表示処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は現在までのプレイヤーレベルや、パスワード入力後のポイント(累計値)を表示画面内の情報表示領域DAに初期表示させる(図29中(D)等)。
一方、先のステップS758でパスワードが入力されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS764に進む。
ステップS764:この場合、次に演出制御CPU126は二次元コードを発行する必要があるか否かを確認する。特に「メニュー画面」で「コード発行」のメニューボタンBT2が選択されていなければ(No)、演出制御CPU126はステップS762に進む。この場合、パスワード遊技中フラグはOFFであるため、特にプレイヤーレベルやポイントは表示画面内に表示されない(図28中(A)等)。
また、「メニュー画面」で「コード発行」のメニューボタンBT2が選択された場合、ステップS764では二次元コードの発行が必要と判断される(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS766に進む。
ステップS766:そして演出制御CPU126は、入力済みのパスワードや、ここまでに記録したポイント集計結果(累計値)、達成した最大COMBO数、変動回数、大当り回数等の履歴から二次元コードを生成し、「コード発行画面」のパターンを決定する(符号化情報出力手段)。
以上の手順を実行すると、演出制御CPU126はデモ選択処理に復帰する。これにより、以後の演出制御処理(図48)を通じて実際に「メニュー画面」や「パスワード入力案内画面」、「コード発行画面」等が表示されることになる。
〔遊技履歴管理処理〕
図57は、上記の遊技履歴管理処理(図54中のステップS620)の手順例を示すフローチャートである。この処理において、演出制御CPU126はパスワード遊技中のポイント加算や出現させた演出の達成リストを更新することができる。以下、手順例に沿って処理の内容を説明する。
ステップS850:先ず演出制御CPU126は、現在パスワード遊技中であるか否かを確認する。この確認は、上記の「パスワード遊技中フラグ」の値に基づいて行われる。パスワード遊技中であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS860を実行する。一方、パスワード遊技中でなければ(No)、演出制御CPU126はここで呼び出し元の演出図柄変動前処理に復帰する。
ステップS860:演出制御CPU126は、遊技履歴集計処理を実行する。この処理において演出制御CPU126は、毎回の変動ごとに加算されたポイント数やCOMBO数から加算されたポイント数を集計するとともに、今回の変動演出パターンや予告選択処理で選択された演出の達成リストを更新する。
以上のように演出制御CPU126による各種の処理が行われることで、本実施形態のパチンコ機1において以下に例示する機能を実現することができる。
(1)遊技者に個別のパスワードの入力をパチンコ機1で受け付けること。
(2)パスワードの入力が受け付けられた状態での遊技(パスワード遊技)を実行すること。
(3)パスワード遊技中の遊技(例えば特別図柄の変動表示及び停止表示)に対して、遊技得点としてのポイントを加算すること。
(4)パスワード遊技中に作動記憶数が上限数に達した状態で、さらにオーバーフロー入賞が発生すると、上限数到達時発生演出として「COMBO数」等の表示を行うこと。
(5)パスワード遊技中に時間短縮状態に移行すると、現状の「COMBO数」の他にこれまでに達成した「最大COMBO数」を最大COMBO数領域CAmに表示すること。
(6)1回の変動中に達成された「COMBO数」に応じて、振分テーブルから加算ポイント数を決定すること。
(7)時間短縮状態に移行した場合、時短中の「最大COMBO数」に応じて加算ポイント数を決定すること。
(8)パスワード遊技中に加算されたポイントを集計すること。
(9)集計したポイントをコード化情報として遊技者に提供すること。
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。例えば、各種の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。