JP2013187461A - 半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いキャリア移動度、高いしきい値電圧のMOS/MIS型FETあるいはMOS/MIS型HEMTを提供する。
【解決手段】 基板2の上に少なくともAlを含む第3族窒化物からなる下地層(バッファー層)3を設けた上で、第3族窒化物、好ましくはGaNからなる第1の半導体層(チャネル層)4と、Alを含む第3族窒化物、好ましくはAlGa1−XNであってx≧0.2である第2の半導体層(電子供給層)11が積層されてなる半導体層群からなる半導体積層構造の上に絶縁膜を作製する際に、絶縁膜と半導体層の間に吸着層を形成させて、高いキャリア移動度、高いしきい値電圧を有することを特徴する半導帯素子ならびにその製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、第3族窒化物を用いたMOS型(Metal-Oxide-Semiconductor)あるいはMIS型(Metal-Insulator-Semiconductor)の構造を有するFET素子またはHEMT素子(High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)に関する。
GaNをはじめとする第3族窒化物半導体は、バンドギャップが大きく、破壊電界強度が高く、かつ高融点であることから、GaAs系材料に代わる、高出力、高周波、高温用の半導体デバイス材料として期待されており、そうした物性を活かすデバイスとしてHEMT素子などが研究開発されている。例えば、サファイアやSiC等の基板上にチャネル層としてGaNを形成し、さらにその上に、いわゆる電子供給層としてAlGaNやAlNを形成するヘテロ構造型のHEMT素子などが研究開発されている。
上記のようなHEMT素子においては、チャネル層と電子供給層との、a軸の格子定数差に起因して、表面から基板へと電界が生ずるピエゾ効果(圧電効果)ならびに自発分極効果により、チャネル層表面に2次元電子ガスを生成する。AlGaNにおいてAl濃度が高いほど、GaNとの格子定数差も大きくなり、ピエゾ効果ならびに自発分極効果が増大する。
このHEMT素子は、チャネル層表面において、高いキャリア濃度(シートキャリア濃度)を有し、また電子の移動度も大きいため、大電流のトランジスタとして鋭意研究開発がなされている。特に、第3族窒化物半導体はシリコンよりもバンドギャップが大きいため、その耐圧が大きく、また高温動作が可能であるため、パワーMOSやIGBTなどのシリコンパワーデバイスに代わるパワーデバイスとして有望である。
しかし、このHEMT素子は高いキャリア濃度のために通常はノーマリオンデバイスとなる。すなわち、ゲートに電圧を与えていない状態でソースとドレインの間に電流が流れるタイプの素子しかできていない。実際の応用においては、特にパワーデバイスなどでは安全上の観点から、ゲートに電圧を与えていない状態ではソースとドレインの間に電流が流れないノーマリーオフデバイスが望まれている。
実用化されているシリコンのパワーデバイス、パワーMOSやIGBTはノーマリーオフデバイスである。このため、第3族窒化物半導体においても、MIS型あるいはMOS型のHEMT素子のようなノーマリーオフデバイスの実現が望まれ、様々な試みがなされている。その主なものとしては、(1)リセスゲート構造による方法(特許文献1、非特許文献1〜4参照)、(2)Alを含む第3族窒化物のAl量を低減してピエゾ効果(圧電効果)および自発分極効果抑える方法、あるいはフッ素イオンをAl含有第3族窒化物に注入して自発分極効果を抑制する方法(非特許文献5〜11参照)、(3)Alを含むIII族窒化物からなる第2の半導体層(電子供給層)の厚さを極力薄くする方法(特許文献2、非特許文献12〜15)、(4)基板に非極性、反極性の基板を用いて、その上に成長したAlを含む第3族窒化物からなる第2の半導体層(電子供給層)の自発分極を少なくする方法(非特許文献16〜17)、(5)Alを含む第3族窒化物からなる第2の半導体層(電子供給層)の上にp型のIII族窒化物からなる層を成長させて接合型のHEMTとする方法(特許文献3〜6、非特許文献18〜20)、(6)Alを含む第3族窒化物からなる第2の半導体層(電子供給層)の上に、それよりもバンドギャップが小さい半導体層を設けて第2の半導体層(電子供給層)の伝導帯を持ちあげる方法(非特許文献21)、があり、さらに(7)酸化膜あるいは絶縁膜をAl含有第3族窒化物からなる第2の半導体層(電子供給層)の上に堆積させたMIS(MOS)構造を用いる方法(特許文献7〜8、非特許文献22〜33)があるが、酸化膜あるいは絶縁膜をスパッタリングやプラズマCVDやレーザーアブレーションや原子層エピタキシーなどで堆積させる、あるいは表面に形成した窒化物層をオゾンやプラズマラジカルで後から参加させるなど様々な方法が試みられているが、一般的にはしきい値電圧は小さく、また大きいしきい値電圧が得られても、界面準位が多く、電子の移動度が小さく、いわゆるチャネル移動度が非常に小さいため、正常に動作する半導体装置はできなかった。
特開2008-198789号公報 特開2007-250950号公報 特開2007-66979号公報 特開2006-339561号公報 特開2007-250950号公報 特開2007-19309号公報 特開2003-332356号公報 特開2006-210518号公報
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本発明の課題は、MOS型あるいはMIS型(以下MOS/MIS、と記載)のFET素子、さらにはMOS/MIS型のHEMT素子において、界面準位を大幅に低減し、しきい値電圧を高くするとともに、電子移動度を大幅に改善して、ノーマリーオフでかつ正常に動作する半導体素子を提供することである。
上記の(1)〜(5)に記載されたノーマリーオフデバイスの方法は原理的に高いしきい値電圧は得られない。一方、(7)で述べたMOS型ないしはMIS型構造は高いしきい値電圧ノーマリーオフデバイスが可能であるが、多くの研究にも係らず、実際に実用に供することができる高いしきい値電圧のノーマリーオフデバイスは実現されていない。本発明者らは、その理由について鋭意検討した結果以下の結論に達した。
従来のMOS型ないしはMIS型構造では絶縁膜として、その下の半導体層と物理化学的に整合せず、界面の準位が多いため、MOS型ないしはMIS型のデバイスの動作をすることができなかった。これまでの絶縁膜と異なり、絶縁膜の下の半導体層と物理化学的に整合し、かつ不必要な界面準位が少なくなる絶縁膜を形成する方法として、絶縁膜と半導体層の間に吸着層を形成させる方法に注目した。
本発明では、絶縁膜と半導体層の間に吸着層を形成させるため、絶縁膜と半導体層の間の界面準位を大幅に低減させ、また、絶縁膜と半導体層の間の平坦性が向上でき、大きな電子移動度を得られる。そして他の素子構造に不具合が生じないように、良好なオーミック電極を形成する。すなわち、以下の半導体素子およびその製造方法を提供する。
[1] MOS型あるいはMIS型のFET素子において、半導体積層構造の最上層であるチャネル層と、ゲート電極下の絶縁膜との間に吸着層を有するFET素子。
[2] MOS型あるいはMIS型の HEMT素子において、半導体積層構造の最上層である電子供給層と、ゲート電極下の絶縁膜との間に吸着層を有するHEMT素子。
[3] 前記吸着層を構成する金属を吸着させる際に、当該金属の温度を半導体積層構造の温度より低くする請求項1または2に記載のFET素子あるいはHEMT素子の製造方法。
半導体積層構造1と吸着層6を用いて形成されたMOS/MIS型FET素子の構成を示す概要図である。 半導体積層構造1と吸着層6を用いて形成されたMOS/MIS型HEMT素子の構成を示す概要図である。 本発明による吸着層を形成する方法を示す概要図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
図1は、本発明の実施形態に係る半導体積層構造1を含むMOS/MIS型FET素子の構成を示す概念図である。なお、図示の都合上、図1における各層の厚みの比率は、実際の比率を反映したものではない。
半導体積層構造1は、所定の基板2の上に、下地層(バッファー層)3と、第1の半導体層(チャネル層)4と備える。なお、第1の半導体層の表面近傍に2次元電子ガス層5が形成される。第2の半導体層(電子供給層)5とを備える。以下、第1の半導体層(チャネル層)4と、第2の半導体層(電子供給層)5とを総じて、単に半導体層もしくは半導体層群と称することがある。また、以下に示すように半導体積層構造1は基板2の上に、下地層(バッファー層)と半導体層をエピタキシャル成長させることで形成され、基板と同様の態様でその後の素子形成に供されることから、半導体積層構造1のことをエピタキシャル基板とも称する場合がある。
また、MOS型FET素子は、係る半導体積層構造1に、ソース電極8、ドレイン電極9、ゲート電極10を形成して構成される。
また、基板2は、その上に形成する下地層(バッファー層)3や半導体層の組成や構造、あるいは各層の形成手法に応じて適宜に選択される。基板2の厚みには特段の制限はないが、取り扱いの便宜上、数百μm〜数mmの厚みのものが好適である。
また下地層(バッファー層)3は、その上に形成する半導体層の組成や構造、あるいは各層の形成手法に応じて、様々な第3族窒化物からなる単一層ないしは多重層から形成される。下地層(バッファー層)3は0.5μm〜5μmの厚みに形成されるのが好ましく、歪や転位密度ができるだけ少ない構造とすることが好ましい。
また、このような、下地層(バッファー層)3は、例えばMOCVD法やMBE法などの公知の成膜手法にて形成することができる。成膜条件を適宜に調整することにより、転位密度は1×1011/cm以下、好ましくは5×1010/cm以下、より好ましくは1×1010/cm以下であるように形成される。
第1の半導体層(チャネル層)4は、好ましくは高抵抗の第3族窒化物にて形成される。より好ましくは、抵抗を低減する要因となる不純物を含まない、GaN(i−GaN)にて形成される。図1においては、第1の半導体層(チャネル層)4をi−GaNにて形成した場合を例示している。第1の半導体層(チャネル層)4も、例えばMOCVD法やMBE法などの公知の成膜手法にて形成される。上記のように高い結晶性を有する下地層(バッファー層)3の上に形成することにより、第1の半導体層(チャネル層)4も良好な結晶品質を有する。
図2は、本発明の実施形態に係る半導体積層構造1を含むMOS/MIS型 HEMT素子の構成を示す概念図である。なお、図示の都合上、図2における各層の厚みの比率は、実際の比率を反映したものではない。
第1の半導体層(チャネル層)4の上面近傍には、第2の半導体層(電子供給層)11からキャリアとなる電子が供給されることにより、高濃度の2次元電子ガスが生成する2次元電子ガス領域5が形成されることになる。そのため、第1の半導体層(チャネル層)4は、この2次元電子ガス領域5を確保するだけの厚みが必要であるが、一方で、あまりに厚みが大きいとクラックが発生しやすくなることから、1〜3μmの厚みに形成されるのが好適である。
第2の半導体層(電子供給層)11は、少なくともAlを含む第3族窒化物にて形成される。好ましくは、第2の半導体層(電子供給層)11のバンドギャップが第1の半導体層(チャネル層)4のバンドギャップよりも大きくなるようにAlGa1−xNなる組成を有する第3族窒化物にて形成される。第2の半導体層(電子供給層)11は、全体として、5nm〜60nmの厚みに形成されることが、2次元電子ガス領域5の形成ならびにデバイス動作の点(ゲート電圧印加に対する主電流の制御性)からは好ましい。
第2の半導体層(電子供給層)11は、例えばMOCVD法やMBE法などの公知の成膜手法にて形成される。第2の半導体層(電子供給層)11をAl過剰な第3族窒化物にて形成する(AlGa1−xNにおいて、Xが大)ほど、ピエゾ効果は増し、2次元電子ガス領域5におけるシートキャリア濃度は向上する。好ましくは、第2の半導体層(電子供給層)11はx≧0.2をみたす範囲の第3族窒化物にて形成される。ただし、xが大きい場合はクラックが生じやすくなるため、クラックが生じない成長条件を選択することが必要である。また、2次元電子ガス領域5と第2の半導体層(電子供給層)11の間に第2の半導体層(電子供給層)11よりもバンドギャップが大きい半導体層を生成させて2次元電子ガス領域5の電子の移動度を高めることもできる。
第2の半導体層(電子供給層)11の表面に形成させる絶縁膜7は、スパッタリング、プラズマCVD、蒸着法、レーザーアブレーション、ALE(原子層エピタキシー)、ALD(原子層堆積法)、MOCVD(有機金属気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー)、などの様々な薄膜成長法を用いることが可能である。なお、図1の第1の半導体層(チャネル層)4の表面上の絶縁膜7も図2の場合と同様に形成される。
次に、ソース電極8およびドレイン電極9は、図1の半導体積層構造にあっては、 第1の半導体層(チャネル層)4の表面に、図2の半導体積層構造にあっては、第2の半導体層(電子供給層)11の表面に、例えば、Ti/Au/Ni/Auの構成にてオーミック接合により形成される。ソース電極8およびドレイン電極9の形成に際しては、半導体層の表面の電極形成部位に、所定のコンタクト処理がなされた上で行われてもよい。また、ゲート電極10は、絶縁膜7の表面に、例えば、Pd/Ti/Auの構成にてショットキー接合により形成される。
図1の積層構造を有するMOS/MIS型のFET素子においては、ゲート電極10に正の電圧を印加すると、第1の半導体層(チャネル層)4のエネルギーバンドが下方に大きく曲がり、第1の半導体層(チャネル層)4の表面に2次元電子ガス層5が生成することになる。
また、図2の積層構造を有するMOS型あるいはMIS型の HEMT半導体素子においては、ゲート電極10への電圧印加がゼロの状態であっても、第1の半導体層(チャネル層)4と第2の半導体層(電子供給層)11との格子定数差に起因して、表面から基板へと電界が生ずるピエゾ効果ならびに自発分極効果により、第1の半導体層(チャネル層)4の表面に2次元電子ガス層5が生成することになる。
MOS/MIS型の HEMT素子においては、通常はこの二次元電子ガス領域によるシートキャリア濃度が大きいため、ノーマリーオンとなる。このようなMOS/MIS型HEMT素子をノーマリーオフにするには、この二次元電子ガス領域におけるシートキャリア濃度を減少させるために、既に述べたように、(1)リセスゲート構造による方法、Alを含む第3族窒化物からなる半導体層のAl濃度を減らして、ピエゾ効果(圧電効果)、自発分極効果抑える方法、フッ素イオンをAl含有の第3族窒化物からなる半導体層に注入して自発分極効果抑える方法、Alを含む第3族窒化物からなる第2の半導体層(電子供給層)11の厚さを極力薄くする方法、基板に非極性、反極性の基板を用いて、その上に成長したAlを含む第3族窒化物からなる第2の半導体層(電子供給層)11の自発分極を少なくする方法、などが試みられてきたが、いずれの方法も2次元電子ガス層によるシートキャリア濃度を減少してしまうため、大電流が流せるというMOS型HEMT素子の特徴がなくなり、さらに仮にノーマリーオフができても、しきい値電圧が小さい、という欠点を有している。
また、大電流が流せるというMOS型HEMT素子の特徴を活かして、かつしきい値電圧を大きくするために、Alを含む第3族窒化物からなる第2の半導体層(電子供給層)11の上にp型の第3族窒化物からなる層を成長させて接合型のHEMTとする方法、Alを含む第3族窒化物からなる第2の半導体層(電子供給層)11の上に、それよりもバンドギャップが小さい半導体層を設けて第2の半導体層(電子供給層)11の伝導帯を持ちあげる方法、なども試みられてきたが、しきい値電圧が十分大きくなく、またゲートのリーク電流も大きい、という欠点を有している。
また、酸化膜あるいは絶縁膜をAl含有第3族窒化物からなる第2の半導体層(電子供給層)11の上に堆積させたMOS/MIS型構造を用いる方法は、シリコンのMOSデバイスに類似した方法であり、最も有望ではあるが、これまで試みられてきたMOS/MIS構造の絶縁膜7は、Si,SiO、Ga,Gd、ポリシリコンなどであり、しきい値電圧が大きくても界面準位密度が大きく、良好な半導体素子ができなかった。
本発明では、図1、図2のように、絶縁膜7となる材料を堆積させる前に、電極材料の金属を一原子層レベルで半導体表面に整合性よく吸着させ、その上に絶縁膜7を堆積させるので、絶縁膜7と半導体層を物理化学的に整合させることができる。この吸着層6としては、絶縁膜7と物理化学的に整合する金属を用いると良い。
金属を整合性よく半導体表面に吸着させるためには、図3のように、当該金属を加熱する温度を半導体層表面よりΔT低くする。このような条件では、Langmuirの吸着等温線の条件が満足されるため、一原子層レベルで半導体表面に整合性よく当該金属元素を吸着させることができる。
上記の金属の吸着後にその吸着層を絶縁膜7と同じ材料にするため、酸素雰囲気、アンモニア雰囲気にして酸化物や窒化物の単原子吸着層とすることもできる。
本発明の方法を用いれば、半導体表面に一原子層レベルで当該金属を整合性よく配列でき、その上に絶縁膜7となる材料を堆積させることができる。本実施形態に係る半導体素子では、絶縁膜7を形成する前に、絶縁膜7と半導体積層構造1の間に半導体積層構造1の表面と物理化学的に整合する吸着層6が形成されているため、絶縁膜7と半導体積層構造1の間の格子不整合などによる界面準位が大幅に低減でき、かつ、半導体積層構造1と絶縁膜7との間の平坦性も良好となるため、しきい値電圧も高く、リーク電流も小さく、電子移動度が大きいMOS/MIS型FET素子およびMOS/MIS型HEMT素子が実現され、係る半導体素子は、従来開示された技術から容易に想到される値を遙かに上回るものである。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1:MOS型FET素子)
本実施例においては、上述の実施の形態に係る半導体積層構造1と、これを用いたMOS型FET素子とを作製した。まず、2インチ径の厚さ600μmのC面サファイア単結晶を用い、これを所定のMOCVD装置の反応菅内に設置した。MOCVD装置は、反応ガスあるいはキャリアガスとして、少なくともH、N、TMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、NH、およびシランガスが、反応管内に供給可能とされている。キャリアガスとして、水素を流速3.5m/secで流しながら、反応管内の圧力を25Torrに保ちつつ、基板2を1210℃まで昇温した後、10分間保持し、基板2のサーマルクリーニングを実施した。
その後、基板温度を1210℃に保ちつつ、TMAとそのキャリアガスである水素とを供給するとともに、NHとそのキャリアガスである水素とを供給することにより、下地層(バッファー層)3として、1.5μmの厚さのAlN層を成長させた。その際には、TMAとNH3との供給モル比がTMA:NH=1:400となるようにそれぞれの流量を制御した。このようにして得た下地層(バッファー層)3の(002)面についてのX線ロッキングカーブ半値幅は、70秒であり、転位密度は3×1013/cm2であった。
引き続き、温度を1110℃、圧力を750Torrとしたうえで、TMGとNHとを供給モル比がTMG:NH3=1:1800となるように供給して、第1の半導体層(チャネル層)4として厚さ2.5μmのGaN層を形成した。この際、成膜速度を約3.5μm/hrとなるように、TMG及びNHの供給量を設定した。チャネル層中のキャリア濃度は1×1017cm−3となるようにSiHガス流量を調整し、半導体積層構造1を得た。
このようにして得られた半導体積層構造1の表面に、金属の吸着層を形成するために、図3に示す装置に、この半導体積層構造1を有する半導体基板12を設置し、吸着材料13としてAlをボートに入れて設置し、微量の窒素ガスを流しながら、吸着材料13の温度を800℃、半導体基板12の温度を吸着材料の温度よりΔT(5℃)だけ高い温度とし、約1時間放置し、その後、半導体基板12を高速で炉の低温部に引き抜き冷却した。
このようにして得られたAlの吸着層を有する半導体積層構造1の表面上に、Alからなる絶縁膜を電子ビーム蒸着により作製した。
さらに、Al絶縁膜を形成した半導体積層構造1の表面の所定位置に、Ti/Au/Ni/Auからなるソース電極8およびドレイン電極9をオーミック接合にて形成し、Pd/Ti/Auからなるゲート電極9を、ショットキー接合にて形成し、MOS型FET素子を得た。
このようにして得られたMOS型FET素子について、電流密度700mA/mm、しきい値電圧+1.2V、ゲート長を2μmとした場合の室温におけるトランスコンダクタンスは150mS/mmが得られた。また、チャネル移動度は1500cm/Vsと高い値が得られた。
(比較例1)
本比較例としては、吸着層を形成すること以外は、実施例1に係るMOS型素子と同じ半導体積層構造を有するMOS型素子を作製した。
このようにして得られたMOS型素子については、それぞれ、電流密度660mA/mm、しきい値電圧−0.5V、ゲート長を2μmとした場合の室温におけるトランスコンダクタンスは20mS/mmが得られた。また、チャネル移動度は120cm/Vsという非常に低い値しか得られなかった。
実施例1および比較例1より、本実施の形態に係るMOS型半導体素子においては、しきい値電圧が大きく、チャネル移動度に優れた特性を有していることがわかる。
(実施例2:MOS型HEMT素子)
本実施例においては、上述の実施形態に係る半導体積層構造1と、これを用いたMOS型HEMT素子とを作製した。まず、2インチ径の厚さ600μmのC面サファイア単結晶を用い、これを所定のMOCVD装置の反応菅内に設置した。MOCVD装置は、反応ガスあるいはキャリアガスとして、少なくともH2、N2、TMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、NH3、およびシランガスが、反応管内に供給可能とされている。キャリアガスとして、水素を流速3.5m/secで流しながら、反応管内の圧力を25Torrに保ちつつ、基板2を1210℃まで昇温した後、10分間保持し、基板2のサーマルクリーニングを実施した。
その後、基板温度を1210℃に保ちつつ、TMAとそのキャリアガスである水素とを供給するとともに、NH3とそのキャリアガスである水素とを供給することにより、下地層(バッファー層)3として、として、1.5μmの厚さのAlN層を成長させた。その際には、TMAとNH3との供給モル比がTMA:NH3=1:400となるようにそれぞれの流量を制御した。このようにして得た下地層(バッファー層)3の(002)面についてのX線ロッキングカーブ半値幅は、70秒であり、転位密度は3×1013/cmであった。
引き続き、温度を1110℃、圧力を750Torrとしたうえで、TMGとNHとを供給モル比がTMG:NH=1:1800となるように供給して、第1の半導体層(チャネル層)4として厚さ2.5μmのGaN層を形成した。この際、成膜速度を約3.5μm/hrとなるように、TMG及びNHの供給量を設定した。
第1の半導体層(チャネル層)4であるGaN層の形成後、1090℃とし、TMAとTMGとNH3とを供給モル比がTMA:TMG:NH=0.15:0.6:1800となるように供給して、Al0.25Ga0.75Nなる組成を有する第2の半導体層(電子供給層)11を厚み50nm形成した。以上により、半導体積層構造1を得た。
このようにして得られた半導体積層構造1の表面に、金属の吸着層を形成するために、図3の装置に、この半導体積層構造1を有する半導体基板12を設置し、吸着材料13としてAlをポートに入れて設置し、微量の窒素ガスを流しながら、吸着材料13の温度を850℃、半導体基板12の温度を吸着材料13の温度よりΔT(5℃)だけ高い温度とし、約1時間放置し、その後、半導体基板12を高速で炉の低温部に引き抜き冷却した。
このようにして得られたAlの吸着層を有する半導体積層構造1の表面に、Alの絶縁膜を電子ビーム蒸着により作製した。
さらに、Al絶縁膜のついた半導体積層構造1の表面の所定位置に、Ti/Au/Ni/Auからなるソース電極8およびドレイン電極10をオーミック接合にて形成し、Pd/Ti/Auからなるゲート電極9を、ショットキー接合にて形成し、MOS型半導体素子を得た。

このようにして得られたMOS型HEMT素子について、電流密度750mA/mm、しきい値電圧+0.8V、ゲート長を2μmとした場合の室温におけるトランスコンダクタンスは150mS/mmが得られた。また、チャネル移動度は2100cm/Vsと高い値が得られた。第2の半導体層(電子供給層)11があると、二次元電子ガスができるためノーマリーオフはできにくいが、吸着層6を挿入して良質の絶縁膜ができたため、しきい値電圧は低いがノーマリーオフとなっている。
(比較例2)
本比較例としては、吸着層を形成すること以外は、実施例2に係るMOS型HEMT素子と同じ半導体積層構造を有するMOS型HEMT素子を作製した。
このようにして得られたMOS型HEMT素子については、それぞれ、電流密度670mA/mm、しきい値電圧−1.5V、ゲート長を2μmとした場合の室温におけるトランスコンダクタンスは30mS/mmが得られた。また、しきい値電圧が小さく、チャネル移動度は250cm/Vsという非常に低い値しか得られなかった。
以上の実施例および比較例より、本実施の形態に係るMOS型HEMT素子においては、チャネル移動度に優れた特性を有してなることがわかる。
本発明の半導体素子は、MOS/MIS型のFET素子、さらにはMOS/MIS型の HEMT素子に利用できる。
1 半導体積層構造
2 基板
3 下地層(バッファー層)
4 第1半導体層(チャネル層)
5 二次元電子ガス領域
6 吸着層
7 絶縁膜
8 ドレイン電極
9 ソース電極
10 ゲート電極
11 第2半導体層(電子供給層)
12 半導体基板
13 吸着材料
14 基板ヒーター
15 吸着剤ヒーター
16 インレット
17 アウトレット

Claims (3)

  1. MOS型あるいはMIS型のFET半導体素子において、半導体積層構造の最上層であるチャネル層と、ゲート電極下の絶縁膜との間に吸着層を有するFET素子。
  2. MOS型あるいはMIS型の HEMT半導体素子において、半導体積層構造の最上層である電子供給層と、ゲート電極下の絶縁膜との間に吸着層を有するHEMT素子。
  3. 前記吸着層を構成する金属を吸着させる際に、当該金属の温度を半導体積層構造の温度より低くする請求項1または2に記載のFET素子あるいはHEMT素子の製造方法。
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