JP2013187421A - 半導体記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】データ保持性及び消去性を向上した半導体記憶装置を提供すること。
【解決手段】半導体記憶装置は、基板、構造体、半導体層、メモリ膜、を備える。構造体は、交互に積層された複数の電極膜と、複数の絶縁膜と、を有する。半導体層は、構造体を貫通する。メモリ膜は、半導体層と複数の電極膜との間に設けられる。メモリ膜は、電荷蓄積膜、ブロック膜、トンネル膜、を有する。ブロック膜は、電荷蓄積膜と複数の電極膜との間に設けられる。トンネル膜は、電荷蓄積膜と半導体層との間に設けられる。トンネル膜は、酸化シリコンを含む第1膜及び第2膜、第1膜と第2膜との間に設けられ酸窒化シリコンを含む第3膜、を有する。第3膜に含まれる酸窒化シリコンの組成を、酸化シリコンの比率x、及び窒化シリコンの比率(1−x)で表した場合、0.5≦x<1である。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
近年、多層の導電膜を一括加工してメモリの記憶容量を増加させる3次元積層型の半導体記憶装置が提案されている。この半導体記憶装置は、交互に積層された絶縁膜と電極膜とを有する構造体と、構造体を貫通する半導体層と、半導体層と電極膜との間のメモリ膜と、を備える。
このような半導体記憶装置においては、記憶したデータの保持性及びデータの消去性の向上が重要である。
特開2007−266143号公報
本発明の実施形態は、記憶したデータの保持性及びデータの消去性の向上を図ることができる半導体記憶装置を提供する。
実施形態に係る半導体記憶装置は、基板と、構造体と、半導体層と、メモリ膜と、を備える。
前記構造体は、基板の主面上に設けられる。構造体は、前記主面に対して垂直な積層方向に交互に積層された複数の電極膜と、複数の絶縁膜と、を有する。
前記半導体層は、前記構造体を前記積層方向に貫通する。
前記メモリ膜は、前記半導体層と、前記複数の電極膜と、のあいだに設けられる。
前記メモリ膜は、電荷蓄積膜と、ブロック膜と、トンネル膜と、を有する。
前記ブロック膜は、前記電荷蓄積膜と、前記複数の電極膜と、のあいだに設けられる。
前記トンネル膜は、前記電荷蓄積膜と、前記半導体層と、のあいだに設けられる。
前記トンネル膜は、酸化シリコンを含む第1膜と、酸化シリコンを含む第2膜と、前記第1膜と前記第2膜とのあいだに設けられ、酸窒化シリコンを含む第3膜と、を有する。
前記第3膜に含まれる前記酸窒化シリコンの組成を、酸化シリコンの比率x、及び窒化シリコンの比率(1−x)で表した場合、0.5≦x<1である。
不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。 (a)及び(b)は、メモリ膜を例示する模式図である。 メモリ膜の模式的拡大断面図である。 トンネル膜の電界と正孔電流との関係を示す図である。 比率xと消去閾値電圧との関係を示す図である。 円筒型のメモリセルでの消去特性を示す図である。 比率xと正孔電流量との関係を示す図である。 電界と電子電流との関係を示す図である。 キャップ膜の膜厚と、電子注入の減衰率と、の関係を示す図である。 比率xとキャップ膜の膜厚の下限との関係を示す図である。 キャップ膜の膜厚とデータ保持時の閾値電圧のシフトとの関係について示す図である。 比率xとキャップ膜の膜厚との関係を示す図である。 第2の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、不揮発性半導体記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図1では、図を見やすくするために、導電部分のみを示し、絶縁部分は図示を省略している。
図2(a)及び(b)は、メモリ膜を例示する模式図である。
図2(a)には、メモリ膜及び電極膜の模式的な平面図が表されている。図2(b)には、メモリ膜の模式的な断面図が表されている。
図3は、メモリ膜の模式的拡大断面図である。
図1に表したように、半導体記憶装置110は、基板11と、構造体20と、半導体層39と、メモリ膜33と、を備える。
本明細書において、基板11の主面11aに直交する軸をZ軸(第1軸)、Z軸と直交する軸(第2軸)のうちの1つをX軸、Z軸と直交する軸(第2軸)のうちの他の1つで、X軸にも垂直な軸(第3軸)をY軸とする。
また、Z軸に沿って基板11の主面11aから離れる方向を上(上側)、その反対を下(下側)ということにする。
構造体20は、基板11の主面11a上に設けられる。構造体20は、Z軸方向(積層方向)に、それぞれ交互に積層された複数の電極膜21と複数の絶縁膜22とを有する。図1では4つの電極膜21が積層された構造体20を示している。半導体記憶装置110において、電極膜21の積層数は限定されない。電極膜21は、例えばワード線である。
半導体層39は、構造体20をZ軸方向に貫通する。半導体層39は、複数の電極膜21の側面21s(図2(b)参照)と対向する。半導体層39の一例として、本実施形態では半導体ピラーSPが用いられる。半導体ピラーSPは、半導体材料による例えば中実構造である。半導体ピラーSPは、半導体材料による中空構造でもよい。半導体ピラーSPは、中空構造の内側に、例えば絶縁層を含む構造でもよい。本実施形態では、複数の半導体ピラーSPが設けられる。複数の半導体ピラーSPは、X軸及びY軸に沿ってマトリクス状に設けられている。
複数の半導体ピラーSPのうち、X軸に沿って並ぶ同じ列の半導体ピラーSPは、同じ電極膜21を貫いている。Y軸に沿って隣接する2つのU字ピラー38に含まれる4つの半導体ピラーSP(第1半導体ピラーSP1、第2半導体ピラーSP2、第3半導体ピラーSP3及び第4半導体ピラーSP4)において、内側の2つの半導体ピラーSP(第2半導体ピラーSP2及び第3半導体ピラーSP3)は、同じ電極膜21を貫いている。また、上記4つの半導体ピラーSPにおいて、外側の2つの半導体ピラーSP(第1半導体ピラーSP1及び第4半導体ピラーSP4)は、同じ電極膜21を貫いている。なお、各半導体ピラーSPは、それぞれ異なる電極膜21を貫くように設けられていてもよい。
図1及び図2に表したように、メモリ膜33は、複数の電極膜21のそれぞれの側面21sと、半導体ピラーSPと、の間に設けられる。電極膜21の側面21sと、半導体ピラーSPと、の交差する位置に設けられたメモリ膜33によってメモリセルトランジスタが形成される。メモリセルトランジスタは3次元マトリクス状に配列され、この記憶層(電荷蓄積膜36)に電荷を蓄積させることにより、各メモリセルトランジスタが情報(データ)を記憶するメモリセルMCとして機能する。
接続部材40は、基板11と、構造体20と、のあいだに設けられる。接続部材40は、Y軸に沿って隣り合う2つの半導体ピラーSPのそれぞれの端部と接続される。U字ピラー38は、2つの半導体ピラーSPと、これらを接続する接続部材40と、を含む。U字ピラー38に含まれる2つの半導体ピラーSPに沿って複数のメモリセルMCが配置される。1つのメモリストリングSTR1は、1つのU字ピラー38と、このU字ピラー38に設けられた複数のメモリセルMCと、を含む。基板11上には、複数のメモリストリングSTR1がマトリクス状に配列される。
導電部材14は、基板11と、接続部材40と、のあいだに設けられる。導電部材14は、バックゲート電極BGとして用いられる。導電部材14には、例えば、リンがドープされたシリコン(リンドープドシリコン)が用いられる。
構造体20の上には図示しないシリコン酸化膜を介して制御電極27が設けられている。制御電極27には、例えばボロンドープドシリコンが用いられる。制御電極27は、X軸に沿って延在する。制御電極27は、各半導体ピラーSPごとに設けられる。制御電極27は、例えば選択ゲート電極SGである。
制御電極27の上側には、プラグ43が設けられる。Y軸に沿って隣接する2つのU字ピラー38に含まれる4つの半導体ピラーSP(SP1、SP2、SP3及びSP4)のうち隣り合う2つの半導体ピラーSP(SP2及びSP3)には、プラグ43を介してソース線47が接続される。また、隣り合わない半導体ピラーSP(SP1及びSP4)には、プラグ43及び48を介してビット線51が接続される。
次に、メモリ膜の具体的な構成について説明する。
図2(a)及び(b)に表したように、メモリ膜33は、構造体20をZ軸方向に貫通するメモリホール30に設けられる。メモリホール30は、Z軸方向にみて例えば円形状に設けられる。メモリ膜33は、メモリホール30内において複数の電極膜21と対向して設けられる。メモリホール30の中心部分には半導体ピラーSPがZ軸方向に延在して設けられる。メモリ膜33は、メモリホール30内において複数の電極膜21と、半導体ピラーSPと、のあいだに設けられる。
メモリ膜33は、電荷蓄積膜36と、ブロック膜35と、キャップ膜32と、トンネル膜37と、を有する。
ブロック膜35は、電荷蓄積膜36と、複数の電極膜21と、のあいだに設けられる。
キャップ膜32は、ブロック膜35と、複数の電極膜21と、のあいだに設けられる。
トンネル膜37は、電荷蓄積膜36と、半導体ピラーSPと、のあいだに設けられる。
すなわち、メモリ膜33は、電極膜21から半導体ピラーSPに向けて、キャップ膜32、ブロック膜35、電荷蓄積膜36及びトンネル膜37の順に設けられる。
また、メモリ膜33は、Z軸方向にみて半導体ピラーSPの外側に、半導体ピラーSPを中心とした同心円状に設けられる。すなわち、Z軸方向にみて半導体ピラーSPの外周(円形状の外周)を囲むようにトンネル膜37が設けられ、トンネル膜37の外周を囲むように電荷蓄積膜36が設けられ、電荷蓄積膜36の外周を囲むようにブロック膜35が設けられ、ブロック膜35の外周を囲むようにキャップ膜32が設けられている。これにより、メモリセルMCは円筒型に構成される。
キャップ膜32は、メモリセルMCの消去飽和を抑制する機能を有する。消去飽和とは、メモリセルMCの消去動作の最終段階で飽和を起こす現象をいう。キャップ膜32には、例えば窒化シリコンが用いられる。
ブロック膜35は、半導体記憶装置110の駆動電圧の範囲内にある電圧が印加されても実質的にリーク電流を抑制できる膜である。ブロック膜35には、高誘電率材料、例えば、誘電率が後述の電荷蓄積膜36を形成する材料の誘電率よりも高い材料が用いられる。また、円筒状のメモリ膜33の場合、ブロック膜35には、例えば酸化シリコンのように、電荷蓄積膜36を形成する材料よりも誘電率の低い材料が用いられてもよい。
電荷蓄積膜36は電荷を蓄積する膜である。電荷蓄積膜36は、例えば、電子のトラップサイトを含む膜である。電荷蓄積膜36には、例えば窒化シリコンが含まれる。なお、電荷蓄積膜36は、その一部に窒化シリコンまたは酸窒化シリコンを含んでいることが望ましい。
図3に表したように、トンネル膜37は、第1膜371と、第2膜372と、第3膜373と、を有する。第1膜371は、酸化シリコンを含む膜である。第2膜372は、酸化シリコンを含む膜である。第3膜373は、酸窒化シリコンを含む膜である。
第1膜371は半導体ピラーSP側に配置され、第2膜372は電極膜21側に配置される。第3膜373は、第1膜371と第2膜372とのあいだに設けられる。すなわち、トンネル膜37は、半導体ピラーSPから電極膜21に向けて、第1膜371、第3膜373及び第2膜372の順に配置された多層構造を有する。
Z軸方向にみると、半導体ピラーSPの外周を囲むように第1膜371が設けられ、第1膜371の外周を囲むように第3膜373が設けられ、第3膜373の外周を囲むように第2膜372が設けられる。
トンネル膜37として、酸化シリコンを含む第1膜371、酸窒化シリコンを含む第3膜373及び酸化シリコンを含む第2膜372の、いわゆるO(酸化膜)N(窒化膜)O(酸化膜)構造を用いることで、メモリセルMCのデータの保持特性が向上する。
一方、トンネル膜37の第3膜373における酸素濃度が高くなると、メモリセルMCの消去特性の優位性が失われる。このように、ONO構造のトンネル膜37を、メモリセルMCに適用する場合は、第3膜373の酸窒化シリコンの組成に応じて、データの消去特性と、データの保持特性と、のあいだにトレードオフの関係が生じる。
本実施形態に係る半導体記憶装置110では、トンネル膜37の第3膜373の構成によって、メモリセルMCのデータの保持性及びデータの消去性の向上を図る。具体的には、トンネル膜37の第3膜373に含まれる酸窒化シリコン(SiON)の組成を、酸化シリコン(SiO)の比率x、及び窒化シリコン(Si)の比率(1−x)で表した場合、半導体記憶装置110は、0.5≦x<1を満たしている。これにより、データの消去特性と、データの保持特性と、のあいだのトレードオフの関係が緩和される。
なお、酸窒化シリコンを含む電荷蓄積膜36の組成を、酸化シリコンの比率y、及び窒化シリコンの比率(1−y)で表した場合、半導体記憶装置110は、比率y<比率xの関係を有する。すなわち、電荷蓄積膜36に窒素が含まれる場合、電荷蓄積膜36の窒素の密度(体積密度: 個/cm)は、第3膜373に含まれる窒素の密度(体積密度: 個/cm)よりも大きい。これは、主として電荷蓄積膜36で電荷捕獲が起こることに対応している。
また、円筒型のメモリセルMCでは、その構造上、外周部ほど電界が弱くなるという性質がある。このため、ブロック膜35に酸化アルミニウム等の高誘電率絶縁膜材料(金属酸化物)を使わなくてもリーク電流を抑制したデータの書き込み及び消去動作が行われる。このブロック膜35に酸化シリコンを用いた場合、キャップ膜32の膜厚を厚くすれば電極膜21から電荷蓄積膜36への電子注入が抑制され、消去飽和が生じにくくなる。
しかし、キャップ膜32の膜厚が厚いと、キャップ膜32の欠陥の量が増えて電荷の捕獲及び放出が起こりやすくなり、メモリセルMCのデータ保持特性の劣化を招く。このように、キャップ膜32の膜厚に応じて、消去特性(消去飽和特性)と、データ保持特性と、のあいだにトレードオフの関係が生じる。
本実施形態に係る半導体記憶装置110では、キャップ膜32の膜厚によって、メモリセルMCのデータの保持性及びデータの消去性の向上を図る。具体的には、キャップ膜32の厚さを、8.5ナノメートル(nm)以下にする。また、0.7≦x<1のとき、キャップ膜32の厚さを、13.7(x−0.7)1.6nm以上にする。これにより、データの消去特性と、データの保持特性と、のあいだのトレードオフの関係が緩和される。
以下、トンネル膜37の第3膜373の組成及びキャップ膜32の膜厚について、上記の条件に至った理由について説明する。
先ず、トンネル膜37の第3膜373の組成と、キャップ膜32の膜厚と、の関連について説明する。
トンネル膜37の第3膜373における酸窒化シリコンの組成が、窒化シリコン(Si)に近い場合、データの消去時にチャネル領域(半導体層39)からトンネル膜37に注入される正孔電流が多くなる。この場合、キャップ膜32の膜厚が薄くても、すなわち、電極膜21からの電子注入が多くても、消去飽和は起こりにくい。
逆に、トンネル膜37の第3膜373における酸窒化シリコンの組成が酸化シリコン(SiO)に近い場合、データの消去時にチャネル領域からトンネル膜37に注入される正孔電流が少なくなる。この場合、キャップ膜32を厚めにしないと、すなわち、電極膜21からの電子注入を抑制しないと消去飽和が生じる。
以上のように、消去飽和が生じないようにするという観点から、トンネル膜37の第3膜373における酸窒化シリコンの組成と、キャップ膜32の膜厚と、は互いに関連している。本実施形態に係る半導体記憶装置110では、この関連性を利用している。
次に、トンネル膜37の第3膜373の組成の最適範囲について説明する。
図4は、トンネル膜の電界と正孔電流との関係を示す図である。
トンネル膜37は、両端の膜(第1膜371及び第2膜372)と、両端の膜の間に設けられた中央の膜(第3膜373)と、を有する。トンネル膜37の、第1膜371、第3膜373及び第2膜372の材料及び膜厚は、第1膜371(材料:SiO、膜厚:1.5nm)、第3膜373(材料:SiON、膜厚:2nm)、第2膜372(材料:SiO、膜厚:2.5nm)である。なお、以下の説明では、この材料及び膜厚のトンネル膜37を「サンプルAのトンネル膜37」と言うことにする。
図4の横軸(Eeff)は、印加電界をSiO換算で表した実効電界(電束密度をSiOの誘電率で割った値)である。また、図4の縦軸(J)は、上記のトンネル膜37を流れる正孔電流密度を表している。各曲線に対応するパラメータxは、トンネル膜37の第3膜373の上記した比率xである。第3膜373の組成は、比率x(0≦x≦1)の値が小さいほどSi膜に近く、また、比率xが大きいほどSiOに近い。
図4に表した関係から分かるように、ONO構造のトンネル膜37では、第3膜373の比率xを小さくすると正孔トンネル電流密度が増大する。しかし、比率xが0.5未満の場合には、トンネル膜37のうちの両端のSiO層(第1膜371及び第2膜372)で電流が律速されるようになり、それ以上のトンネル電流増大は見込めない。これは、低電界領域では2つのSiO層(第1膜371及び第2膜372)がトンネル電流の律速段階になり、また、高電界領域ではチャネル領域に接するSiO層(第1膜371)がトンネル電流を律速するためである。
以上のように、ONO構造のトンネル膜37の第3膜373の比率xを、x<0.5にするのは、消去特性の観点から十分な効果を得にくい。さらに、後述するように、比率xを小さくすれば、第3膜373の膜中欠陥の量が増大するので、比率xを小さくするほどデータの保持特性が不利になる。以上のことから、消去特性の向上とデータ保持特性の維持との両面を考えた場合、ONO構造のトンネル膜37の比率xは、少なくとも0.5≦x<1の範囲になる。
図5は、比率xと消去閾値電圧との関係を示す図である。
図5では、サンプルAのトンネル膜37、電荷蓄積膜36(材料:Si、膜厚:5nm)、ブロック膜35(材料:Al、膜厚:10nm)のメモリ膜33(以下の説明では、この材料及び膜厚のメモリ膜33を、「サンプルBのメモリ膜33」と言うことにする。)において、電極膜21にゲート電圧Vcg=−20ボルト(V)を1ミリ秒(ms)印加した場合の消去閾値電圧レベルを縦軸左側に、トンネル膜37の第3膜373の比率xを横軸に示している。
この結果によると、比率xが0.7未満の場合には、消去閾値レベルはさほど深くならないことが分かる。すなわち、消去閾値をVthとした場合、|dVth/dx|が、比率x=0.7を境にして小さくなり、消去性能の向上効果が顕著でなくなる。
なお、図4に表した結果と合わせて考察した場合、比率xが0.7未満の領域でもある程度は消去特性の向上が見られている。この原因は、主としてトンネル膜37の第3膜373におけるSiONのEOT(equivalent oxide thickness)が小さくなり、同じゲート電圧Vcgの下でトンネル膜37にかかる電界が大きくなったためと考えられる。
一方では、参考文献 G. Lucovsky et al., "Bonding constraints and defect formation at interfaces between crystalline silicon and advanced single layer and composite gate dielectrics," Appl. Phys. Lett. 74, 2005 (1999) によると、SiON膜の膜中欠陥の量は、平均配位数Navを用いて(Nav−Nav )に比例する。ここでNav =2.67である。この理論に基づいて(Nav−Nav )をSiON層の比率xの関数としてプロットしたものを、図5に示す(図5の縦軸右側は、(Nav−Nav )を表す)。
この結果によると、比率xが1から0.7までの範囲では、(Nav−Nav )は2次関数的な挙動に近いので、比率x=1の近傍ではSiON膜中の欠陥密度が低く抑えられている。一方、比率x0.7未満の範囲では(Nav−Nav )は1次関数的な挙動となり、比率xが小さくなるに従い欠陥密度がほぼ線形に増加する。
このことから、トンネル膜37の第3膜373の比率xが0.7以上1未満の範囲では、膜中の欠陥密度が抑制され、データの保持性とともに消去特性の改善効果が顕著に現れていると言える。なお、比率x=0.7では、Nav=3.04になっている。
前記参考文献(G. Lucovsky)によれば、Nav 〜3が欠陥密度の少ない場合と多い場合とを区別する基準になることが実験的に知られている。本実施形態におけるONO構造のトンネル膜37において、第3膜373の組成を比率x=0.7以上にするという境界値は、前記参考文献(G. Lucovsky)における膜中欠陥の多寡の基準(criteria)ともほぼ合致している。したがって、メモリセルMCのデータの保持特性の向上、及びデータの消去特性の向上を達成するためには、トンネル膜37の第3膜373の比率xを、0.7≦x<1の範囲にすることが望ましい。
次に、キャップ膜32の膜厚の最適範囲について説明する。
先ず、キャップ膜32の膜厚の下限について説明する。
キャップ膜32の膜厚範囲の下限は、消去動作の最終段階において、チャネル領域からトンネル膜37を介して電荷蓄積膜36に流れる正孔電流が、電極膜21からキャップ膜32を介して電荷蓄積膜36に流れる電子電流と釣り合う条件により得られる。
図6は、円筒型のメモリセルでの消去特性を示す図である。
図6では、各膜(トンネル膜37、電荷蓄積膜36、ブロック膜35)の膜厚と形成条件を変えた複数の試料で消去特性(消去時間:10ms)を測定した結果を表している。複数の試料のメモリセルMCのトンネル膜37は、すべてSiOの単層膜である。
図6の横軸は、電荷捕獲が無い状態でのトンネル膜37の電界Etunnel(MV/cm)を示す。すなわち、この電界は、消去動作時に印加するゲート電圧に対応する。また、図の縦軸は、消去動作の終了時において電荷蓄積膜36に溜まっている電荷量Q(MV/cm)を示す。
Q<0は、電荷蓄積膜36に負電荷が溜まった状態、Q>0は、電荷蓄積膜36に正電荷が溜まった状態を示す。円筒型のメモリセルMCの消去動作ではQ<0側の状態から消去動作を始めて、少なくともQ=0の中性状態まで到達することが求められる。
図6に表したように、トンネル膜37がSiOの単層膜の場合については、キャップ膜32の膜厚を2nm程度にすれば、Q=0の中性状態まで達する。なお、この場合には、Q>0の領域に入った直後に消去飽和が起こり得る。また、キャップ膜32の膜厚を4nmまたは6nmにすると、測定の範囲ではQ>0の状態になっても消去飽和は起こらない。
以上のことから、円筒型のメモリセルMCにおいて、トンネル膜がSiOの単層膜の場合には、キャップ膜32の膜厚の下限を2nmにすればよいことが分かる。なお、このことは電界によって決まるため、円筒型のメモリセルMCのメモリホール径を縮小した場合でも、各膜(トンネル膜37、電荷蓄積膜36、ブロック膜35)の膜厚と印加電圧とを比例的に縮小させる条件下では同じ結論が得られる。
以上のように、トンネル膜37がSiOの単層膜の場合のキャップ膜32の膜厚の下限値(2nm)を念頭に置いた上で、次に、トンネル膜37がONO構造をとる場合について、キャップ膜32の膜厚下限がどのようになるかを説明する。ここでは、(1)トンネル膜37の第3膜373の組成に応じて消去終了時の正孔注入電流がどのようになるか、(2)これと同等量の電子注入が起こる場合のキャップ膜32の膜厚はどのようになるか、を調べていく必要がある。そして、その結果に基づいて、トンネル膜37の第3膜373の組成と、キャップ膜32の膜厚の下限と、の関係が規定される。
先ず、上記(1)について説明する。定性的には第3膜373のSiONの組成がSi寄りになって正孔注入電流が多いほど所定の閾値レベルまでの消去動作が短時間に終わり、消去終了時の正孔電流の量も多いと考えられる。実際に、この正孔電流がどのような大きさになっているかを、サンプルBのメモリ膜33を有するメモリセルMCの消去特性に基づき調べた。このメモリセルMCで中性閾値近傍(約0.4V)までの消去動作を行い、消去終了時の正孔電流の大きさを調査した。
図7は、比率xと正孔電流量との関係を示す図である。
図7では、サンプルBのメモリ膜33を有するメモリセルMCの消去特性が表されている。図7の横軸はONO構造のトンネル膜37の第3膜373の比率x、縦軸は中性閾値近傍で流れている正孔電流量(A/cm)が示されている。図7から分かるように、第3膜373の組成の比率xがSiOに近づくほど消去が遅いので、消去終了時の正孔電流も小さくなる。すなわち、第3膜373の比率xを0.6から1まで変えることで、正孔電流は0.001倍になる。なお、消去終了時の正孔電流の絶対値は、ONO構造のトンネル膜37のうちチャネル領域に接する第1膜371の膜厚によって変化するが、第3膜373の組成変化による正孔電流の増減の割合に関しては、第1膜371の膜厚依存性は殆ど無いと考えられる。
次に、キャップ膜32の膜厚の増加で電極膜21から電荷蓄積膜36に注入される電子量がどのように低減するかを調べた。
図8は、電界と電子電流との関係を示す図である。
図8では、厚いブロックSiO膜(10nm厚以上)と、それに接するキャップSi膜との積層膜において、キャップ膜側から電子注入を行った場合の電界(Eeff(MV/cm))−電流(J(A/cm))特性を表している。
キャップ膜の厚さがゼロの場合、SiOの電界−電流特性に相当し、キャップ膜の膜厚が厚くなると、それよりも低い電流が得られている。この特性を基にして、キャップ膜厚とゲート注入電子量の減衰割合との関係が得られる。この減衰率はどの電界でみるかで僅かな違いはあるものの、円筒型のメモリセルMCでは円筒の外周部ほど電界が小さくなることを考慮すれば、比較的低い電界で減衰率を評価すればよい。
ここでは、8MV/cmの電界における注入電子電流の減衰率を評価した。
図9は、キャップ膜の膜厚と、電子注入の減衰率と、の関係を示す図である。
図9の横軸はキャップ膜の膜厚(nm)を示し、縦軸は電極膜からの電子注入の減衰率を示している。縦軸は、キャップ膜の膜厚がゼロの場合を基準にした相対値になっている。
図9に表したように、2nm厚のキャップ膜による電子電流の減衰率は0.003であり、キャップ膜の膜厚を薄くするほど減衰率の数値が大きくなり、電子電流の抑制が効きにくくなることが分かる。
以上のことから、消去飽和を起こさない最低条件は、次の手順で求められる。先ず、トンネル膜37の第3膜373の比率x=1でキャップ膜厚が2nmである場合を基準とする。次に、トンネル膜37の第3膜373の組成変化(x<1)で正孔電流が大きくなるのに見合う分だけキャップ膜32を薄膜化し、電子電流の抑制(減衰率)を緩和する。
図10は、トンネル膜37の第3膜373の組成比率xとキャップ膜の膜厚の下限との関係を示す図である。
図10の横軸は比率xを示し、縦軸は必要なキャップ膜の膜厚の下限(nm)を示している。
図10に表したように、トンネル膜37の第3膜373の組成の比率x=1(すなわち、SiO膜)の場合に2nm必要だったキャップ膜32は、比率xの減少に伴って薄くしてよいことが分かる。そして、比率x=0.7では、キャップ膜32の膜厚をゼロにしても、少なくとも中性閾値電圧近傍までの消去動作では消去飽和が起こらないことが分かる。
すなわち、キャップ膜32の膜厚の下限は、トンネル膜37の第3膜373の組成の比率xに応じて、次のように表される。
0≦x<0.7の場合、キャップ膜32の膜厚の下限は、0nmである。
0.7≦x<1の場合、キャップ膜32の膜厚の下限は、13.7(x−0.7)1.6nmである。
次に、キャップ膜32の膜厚の上限について説明する。
図11は、キャップ膜の膜厚とデータ保持時の閾値電圧のシフトとの関係について示す図である。
図11の横軸はキャップ膜32の膜厚(nm)を示し、縦軸はデータ保持時の閾値電圧のシフト(V)を示している。
ここでは、円筒型のメモリセルMCにおいて、キャップ膜32の膜厚を変化させた場合のデータ保持特性(Fresh試料の書き込み後、温度85℃で保持)の実測結果を示している。図11に表したように、キャップ膜32の膜厚が増加すると、データ保持時の閾値電圧のシフト量は、キャップ膜32の膜厚のほぼ2乗に比例して増加する。このことは、キャップ膜32の膜内全体に均一密度で捕獲電子が存在することを示している。メモリセルMCの多値動作による閾値電圧配分を考慮すると、データ保持時の閾値電圧のシフトは少なくとも0.5V程度以下に抑える必要がある。
このことから、キャップ膜32の膜厚の上限は、8.5nm程度になる。
図12は、比率xとキャップ膜の膜厚との関係を示す図である。
図12の横軸は比率xを示し、縦軸はキャップ膜の膜厚(nm)を示している。
図12に表したように、領域R(ハッチングで示される領域)は、0.5≦x<0.7の場合、キャップ膜32の膜厚が0nm以上8.5nm以下、0.7≦x<1の場合、キャップ膜32の膜厚が13.7(x−0.7)1.6nm以上8.5nm以下の範囲を示している。
比率x及びキャップ膜32の膜厚が、領域R内にあれば、データの保持性の向上と、データの消去性の向上と、の両立が達成される。
(第2の実施形態)
図13は、第2の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を例示する模式的斜視図である。
図13では、図を見やすくするために、導電部分のみを示し、絶縁部分は図示を省略している。
図13に表したように、第2の実施形態に係る半導体記憶装置120においては、図1に表した半導体記憶装置110の接続部材40が設けられていない。すなわち、各半導体層39(半導体ピラーSP)のそれぞれは独立している。半導体記憶装置120においては、直線状のメモリストリングSTR2が設けられる。
半導体記憶装置120においては、構造体20の上側及び下側に、それぞれ制御電極27が設けられる。制御電極27は、X軸に沿って並ぶ複数の半導体ピラーSPごとに設けられる。複数のソース線47は、下側の制御電極27と、基板11と、の間に設けられ、それぞれY軸に沿って延びる。複数のビット線51は、上側の制御電極27の上に設けられ、それぞれX軸に沿って延びる。
半導体記憶装置120であっても、上記説明した半導体記憶装置110と同様なメモリ膜33の構成が適用される。これにより、記憶したデータの保持性及びデータの消去性の向上が達成される。
次に、実施例について説明する。
(第1実施例)
第1実施例に係る半導体記憶装置は、次のような構成を有する。
メモリホール30の孔径は70nmである。トンネル膜37の第1膜371の材料はSiO、膜厚は1.5nm、第3膜373の材料はSiON、比率xは0.75、膜厚は2nm、第2膜372の材料はSiO、膜厚は2.5nmである。電荷蓄積膜36の材料はSi、膜厚は5nmである。ブロック膜35の材料はSiO、膜厚は10nmである。キャップ膜32の材料はSi、膜厚は3nmである。
このような第1実施例に係る半導体記憶装置においては、トンネル膜37の第3膜373の組成の比率xを0.75にしたことで、この層の平均配位数Nav=3を実現している。これにより、第3膜373の膜中の欠陥密度が低減する。第1実施例に係る半導体記憶装置では、良好なデータ保持特性と、速い消去特性との両立が達成される。第1実施例に係る半導体記憶装置は、多値動作に適している。
(第2実施例)
第2実施例に係る半導体記憶装置は、次のような構成を有する。
メモリホール30の孔径は70nmである。トンネル膜37の第1膜371の材料はSiO、膜厚は1.5nm、第3膜373の材料はSiON、比率xは0.6、膜厚は2nm、第2膜372の材料はSiO、膜厚は2.5nmである。電荷蓄積膜36の材料はSi、膜厚は5nmである。ブロック膜35の材料はSiO、膜厚は10nmである。キャップ膜32の材料はSi、膜厚は1nmである。なお、キャップ膜32の膜厚はゼロ(キャップ膜32を設けない)でもよい。
このような第2実施例に係る半導体記憶装置においては、トンネル膜37の第3膜373の組成の比率xを0.6にしたことで、速い消去動作が実現される。第2実施例に係る半導体記憶装置は、書き込み/消去動作を迅速に行う用途に適している。
(第3実施例)
第3実施例に係る半導体記憶装置は、次のような構成を有する。
メモリホール30の孔径は56nmである。トンネル膜37の第1膜371の材料はSiO、膜厚は1nm、第3膜373の材料はSiON、比率xは0.9、膜厚は1.5nm、第2膜372の材料はSiO、膜厚は2nmである。電荷蓄積膜36の材料はSi、膜厚は3nmである。ブロック膜35の材料はSiO、膜厚は8nmである。キャップ膜32の材料はSi、膜厚は2nmである。
このような第3実施例に係る半導体記憶装置においては、第1及び第2実施例に比べてメモリホール30の孔径が小さい。メモリホール30の孔径が小さいことで、円筒の形状効果が働く。このため、トンネル膜37の第3膜373がSiOに近い組成であっても十分な消去特性が得られる。第3実施例では、トンネル膜37の第3膜373の組成の比率x=0.9であり、第1及び第2実施例に比べて組成がSiO2側に寄っている。なお、比率xは、0.8以上0.95以下でもよい。また、第3実施例に係る半導体記憶装置では、各絶縁膜の膜厚を全体的に薄めに設定している。この膜厚及び組成構成ではデータ保持特性を重視しつつ、書き込み/消去動作にも十分な余裕を持たせられる。第3実施例に係る半導体記憶装置では、第1及び第2実施例に係る半導体記憶装置に比べてメモリホールの孔径が小さいため、素子密度を高くする設計が可能であり、高ビット密度の半導体記憶装置に適している。
以上説明したように、実施形態に係る半導体記憶装置によれば、記憶したデータの保持性及びデータの消去性の向上を図ることができる。
なお、上記に本実施形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、電荷蓄積膜36のSi膜の組成は化学量論的な組成でなく、Siリッチの窒化シリコン膜であってもよいし、Nリッチの窒化シリコン膜であってもよい。また、電荷蓄積膜36は、Si膜と、HfO、Al等の高誘電率(high−k)絶縁膜と、の積層構造になっていてもよい。さらにまた、電荷蓄積膜36は、high−k絶縁膜の単層膜、または異なるhigh−k絶縁膜の積層膜であってもよい。その他、電荷蓄積膜36の構成には、様々に変形が適用される。
ブロック膜35の材料について、上記の実施形態及び実施例ではSiO2を用いているが、それをSiO/SiON/SiOのいわゆるONO膜を用いてもよい。その他、ブロック膜35の構成には、様々な変形が適用される。
また、キャップ膜32は、キャップ膜32の隣接する膜との界面や膜中に、意図的でなく混入した酸素や水素、塩素などの不純物元素を含んでいてもよい。また、その他の膜についても同様に、意図せず混入した不純物元素を含んでいてもよい。
また、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施の形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…基板、11a…主面、20…構造体、21…電極膜、22…絶縁膜、27…制御電極、30…メモリホール、32…キャップ膜、33…メモリ膜、35…ブロック膜、36…電荷蓄積膜、37…トンネル膜、39…半導体層、110,120…半導体記憶装置、371…第1膜、372…第2膜、373…第3膜、MC…メモリセル、SP…半導体ピラー

Claims (5)

  1. 基板と、
    基板の主面上に設けられ、前記主面に対して垂直な積層方向に交互に積層された複数の電極膜と、複数の絶縁膜と、を有する構造体と、
    前記構造体を前記積層方向に貫通する半導体層と、
    前記半導体層と、前記複数の電極膜と、のあいだに設けられたメモリ膜と、
    を備え、
    前記メモリ膜は、
    電荷蓄積膜と、
    前記電荷蓄積膜と、前記複数の電極膜と、のあいだに設けられたブロック膜と、
    前記電荷蓄積膜と、前記半導体層と、のあいだに設けられたトンネル膜と、
    を有し、
    前記トンネル膜は、酸化シリコンを含む第1膜と、酸化シリコンを含む第2膜と、前記第1膜と前記第2膜とのあいだに設けられ、酸窒化シリコンを含む第3膜と、を有し、
    前記第3膜に含まれる前記酸窒化シリコンの組成を、酸化シリコンの比率x、及び窒化シリコンの比率(1−x)で表した場合、0.5≦x<1であり、
    0.5≦x<0.7のとき、
    前記ブロック膜と、前記複数の電極膜と、のあいだに窒化シリコンを含むキャップ膜を備えていないか、または前記キャップ膜を備える場合には前記キャップ膜の膜厚は8.5ナノメートル以下であり、
    0.7≦x<1のとき、
    前記キャップ膜を備え、前記キャップ膜の厚さは、13.7(x−0.7)1.6ナノメートル以上8.5ナノメートル以下である半導体記憶装置。
  2. 基板と、
    基板の主面上に設けられ、前記主面に対して垂直な積層方向に交互に積層された複数の電極膜と、複数の絶縁膜と、を有する構造体と、
    前記構造体を前記積層方向に貫通する半導体層と、
    前記半導体層と、前記複数の電極膜と、のあいだに設けられたメモリ膜と、
    を備え、
    前記メモリ膜は、
    電荷蓄積膜と、
    前記電荷蓄積膜と、前記複数の電極膜と、のあいだに設けられたブロック膜と、
    前記電荷蓄積膜と、前記半導体層と、のあいだに設けられたトンネル膜と、
    を有し、
    前記トンネル膜は、酸化シリコンを含む第1膜と、酸化シリコンを含む第2膜と、前記第1膜と前記第2膜とのあいだに設けられ、酸窒化シリコンを含む第3膜と、を有し、
    前記第3膜に含まれる前記酸窒化シリコンの組成を、酸化シリコンの比率x、及び窒化シリコンの比率(1−x)で表した場合、0.5≦x<1である半導体記憶装置。
  3. 0.5≦x<0.7のとき、
    前記ブロック膜と、前記複数の電極膜と、のあいだに窒化シリコンを含むキャップ膜を備えていないか、または前記キャップ膜を備える場合には前記キャップ膜の膜厚は8.5ナノメートル以下であり、
    0.7≦x<1のとき、
    前記キャップ膜をさらに備え、前記キャップ膜の厚さは、13.7(x−0.7)1.6ナノメートル以上8.5ナノメートル以下である請求項2記載の半導体記憶装置。
  4. 前記キャップ膜は、窒化シリコンを含む請求項3記載の半導体記憶装置。
  5. 前記電荷蓄積膜に窒素が含まれる場合、前記電荷蓄積膜に含まれる窒素の密度は、前記第3膜に含まれる窒素の密度よりも大きい請求項2〜4のいずれか1つに記載の半導体記憶装置。
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