JP2013186168A - 定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無端状定着ベルトの寄りを防止する部材と無端状定着ベルトとの接触抵抗を低下させ、無端状定着ベルトの破損を防止して耐久性を向上させる。
【解決手段】中空筒状体である無端状定着ベルト22と、無端状定着ベルトを加熱する熱源21と、無端状定着ベルトとの間でニップ部Nを形成する加圧ローラ23と、無端状定着ベルトの両端内面を夫々摺動回転自在に支持する摺動性部材51を有したガイド部材50と、を備え、各ガイド部材は、摺動性部材に一体化されて無端状定着ベルトのスラスト方向両端縁を摺動的に支持する摺動性支持面53を有したフランジ部55を備え、無端状定着ベルトのスラスト方向両端縁のスラスト方向断面形状は、先端が湾曲した凸形状であり、フランジ部の摺動性支持面のスラスト方向断面形状は、湾曲した凹形状であり、凸形状部の曲率は、凹形状部の曲率よりも大きい。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式を利用した画像形成装置に設けられた無端状定着ベルトの寄りを防止し、無端状定着ベルト端部の位置を一定に保持することが可能な定着装置及び画像形成装置に関し、特に、無端状定着ベルトの端部と、これに接触するガイド部材との接触抵抗を低減することにより、無端状定着ベルトの破損を防止して耐久性を向上させることが可能な定着装置、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置における画像形成プロセスは、像担持体である感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する工程、感光体ドラム上の静電潜像を現像剤であるトナー等によって現像して可視像化する工程、現像された画像を転写装置等により記録紙に転写する工程、熱や圧力等を用いる定着装置によって記録紙上のトナー画像を定着するする工程により成立している。
定着装置では、通常、対向する加熱ローラと加圧ローラからなるローラ対、あるいは定着ベルト、あるいはそれらの組み合わせにより構成された定着回転体が配置されており、搬送されてきた記録紙を加圧ローラと定着ベルト間のニップ部にて挟みこみ、このニップ部を記録紙が通過する際に熱、及び圧力を加え、トナー像を記録紙上に定着する。
定着ベルトの加熱方式には、定着ベルトを熱源によって直接加熱する方式や、加熱部材を介して間接的に加熱する方式がある。しかし、いずれも昨今の省エネの観点から、画像形勢装置の電源ONから画像形成実行可能状態までの待ち時間を短く(クイックスタート性)したり、スタンバイ時の消費電力を小さく(省電力)する為、低熱容量・高熱伝導率・小型化の構成となっているものが多い。
図11は、ベルト定着方式が採用された従来の定着装置の一構成例を示す模式的断面図である。
図11に示されている定着装置100は、熱源としてのハロゲンヒータ121、耐熱性の無端状定着ベルト122、加圧部材としての加圧ローラ123、及び、ニップ部Nを形成する為の加圧パッド124を有している。この定着装置100では、未定着画像が担持された記録紙125が画像形成装置内の搬送機構等によりニップ部Nに導入される。ニップ部Nに導入された記録紙125は、回転駆動する加圧ローラ123と無端状定着ベルト122とに挟まれつつ搬送されることで、ニップ部Nにおいて熱と圧力を与えられ、未定着画像が記録紙125に定着されることになる。
耐熱性無端状定着ベルトの基材に用いられる材質としては代表的にポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリサルフォン(PS)、Xyderといった耐熱性液晶ポリマー(LCP)等の機能性高分子材料が挙げられる。また、昨今では0.1mm以下の肉厚の金属ベルトを用いた定着装置も知られている。一般的に金属材料は、高分子材料・樹脂等と比較して機械的強度・熱伝導率の面では優れていることが多いので、省エネの観点からは適していると考えられる。定着装置の高耐久化に適した金属材料としては、SUS、ニッケル、銅、アルミニウム等が無端状定着ベルトとして好ましい。
また、定着後の画像不良を防止し、光沢度の高い高画質な画像品質を得る為に弾性層・離型層を有する無端状定着ベルトを使用した画像形成装置も提案されている。
弾性層を有することにより、記録紙表面の凹凸に対して加圧追従性が高まり、また、トナーに対しても弾性層が追従することで定着ベルトがトナーに対して与える熱の温度ムラを抑えることができる。結果として、トナー溶融状態の差が無くなり、定着ムラを防止することができる。弾性層に適した材料としては、シリコーン化合物が好ましい。
また、離型層を有することで、溶融したトナーが弾性層に固着する(ホットオフセット)ことを防止し、記録紙側に全ての溶融トナーが定着できる。ある特殊な環境で、定着温度が低くなってしまった場合に、最悪溶け残ったトナーが固着しても(コールドオフセット)、離型性がある為に次の通紙時にセルフクリーニングすることができ、定着ベルトとしての機能を維持することができる。また、層自体に適度な固さを有することで、定着画像の光沢度を高めることができる。以上のことに鑑みると、離型層を形成する材料としてはフッ素樹脂が適している。
無端状定着ベルトの基材として金属基材を用いる場合は、導電性部材を近接させてユニット内に配置し、誘導加熱方式で自己発熱させる場合がある。この場合、熱源は不要となり、より省電力の定着装置とすることができる。
ところで、上記のような定着装置では、無端状定着ベルトと対向する加圧ローラ、無端状定着ベルト、及び、ニップ部を構成する部品精度のバラツキ等により、無端状定着ベルトに軸方向の寄りが発生することが知られている。
図12は、図11に示す定着装置の模式的斜視図である。図13は、定着装置の軸方向に沿った断面構造の一例を示す模式図である。図14は、図11に示した定着装置の軸方向に沿った断面構造を示す模式図である。図12に示したように、無端状定着ベルト122には、その回転する方向と直交する方向(軸方向)に寄りが発生する。寄りの原因としては前述の部品バラツキ以外にも、熱源の軸方向温度分布が均一でないことや、通紙サイズの違いによる無端状定着ベルトの温度ムラが発生することも挙げられる。
そこで、寄りに対して無端状定着ベルト122の端部の位置を一定に保持する為に、図12及び図14に示したようなガイド部材126を軸方向端部に配置する構造が提案されている。或いは、図3に示したような無端状定着ベルト122の軸方向端部内周面に柔軟性の高い寄り止めストッパー128を設け、無端状定着ベルト122の内周側に配置された加熱ローラ127の軸方向端部に寄り止めストッパー128を突き当てるようにして寄りを防止する構成が提案されている。
但し、図11のように、無端状定着ベルト122のうち、直接的に熱源(ハロゲンヒータ121)によって加熱される部分がある場合は、安全性の問題から無端状定着ベルトに各種高分子材料を用いることが難しい。また、柔軟性の高い弾性材料で構成された寄り止めストッパー128を内周面に設けた図13のような構成は、前述の理由から、無端状定着ベルト122が直接的に熱源(ハロゲンヒータ121)によって加熱される部分を有する定着装置(例:図11)においては採用されない場合が多い。よって、図11のような構成の定着装置100においては、無端状定着ベルト122に金属材料を用いることが一般的となっている。
しかし、無端状定着ベルトが金属材料の場合、材料の性質上、一般に柔軟性に乏しい場合が多い。加えて、前述の寄りが発生する為、特に端面位置を規制するガイド部材126との接触抵抗が生じ、無端状定着ベルトの端面から疲労亀裂が発生する場合が多い。更に定着装置内のニップ部Nにおいては、無端状定着ベルト122が加圧ローラ123と加圧パッド124の形状に合わせて回転移動方向に波状に湾曲を繰り返す形となる為、曲げ歪みを受けながら繰り返し駆動・停止されることとなる。よって、無端状定着ベルトの端面から亀裂が進行し、耐熱性・耐久性を維持することが困難となっていた。加えて、端面位置を規制するガイド部材126も、定着装置の低コスト化の為に樹脂が採用されることが多いため、実使用においてはほぼ同一の軌跡を描いて無端状定着ベルト122が接触することになり、経時で磨耗が進行してガイド部材126に磨耗痕や溝が形成される。磨耗痕や溝が形成されると、ガイド部材126は無端状定着ベルト122に対して溝で接することになり、接触抵抗を経時で上昇させる。結果として、無端状定着ベルト122は断続的なねじれ応力を受けることになり、これも無端状定着ベルト122の耐久性を低下させる要因の一つとなっている。
ここで特許文献1には、ニッケル電鋳製の無端状定着ベルトの端面亀裂破壊を防止する発明が記載されている。特許文献1においては、ニッケル製の無端状ベルトを所望の軸方向長にて切断し、その切断面の外周部を800〜1500番の柔軟な研磨ペーパーディスクで面取りし、面取り形状を全て失うことなく切断面の周方向に生じた段差を研削加工して取り除き、端面の粗さを5μm以下とすることで、端面亀裂破壊を防止している。
また、特許文献2には、無端状定着ベルトの弾性層の破壊を防止し、金属基材端部とフランジの間に発生する抵抗を低減する発明が記載されている。特許文献2は、金属基材と、金属基材に積層された弾性層と、を有した無端状定着ベルトに関する発明であり、金属基材の幅方向端部が弾性層よりも外側に突出しており、金属基材の幅方向端部の外周面側角部と内周面側角部に夫々面取り部が形成されている。
しかしながら特許文献1の発明は、切断段差を起点とする亀裂進行や基材折れを防止するための発明であり、無端状定着ベルトの耐久性を高めるものではない。
また、特許文献2の発明は、無端状定着ベルトに積層された弾性層の幅方向長さを金属基材の幅方向長さより短くすることで、弾性層がフランジと直接接触することを防止しているに留まる。また、金属基材に対しては、面取り分の接触抵抗を軽減しているに留まっている。よって硬度の高い金属基材が接触することによる、樹脂製フランジの磨耗は避けられない。また、金属基材の突出幅を5〜20mmと設定することで、定着ベルトとして剛性が低い部分が生じ、最端面における曲げ応力に金属基材が耐えられないリスクも伴うという問題がある。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、無端状定着ベルトの寄りを防止する部材と無端状定着ベルトとの接触抵抗を低下させ、無端状定着ベルトの破損を防止して耐久性を向上させることが可能な定着装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、中空筒状体である無端状定着ベルトと、該無端状定着ベルトを加熱する熱源と、該無端状定着ベルトとの間でニップ部を形成する加圧ローラと、前記無端状定着ベルトの両端内面を夫々摺動回転自在に支持する摺動性部材を有したガイド部材と、を備えた定着装置であって、前記各ガイド部材は、前記摺動性部材に一体化されて前記無端状定着ベルトのスラスト方向両端縁を摺動的に支持する摺動性支持面を有したフランジ部を備え、前記無端状定着ベルトのスラスト方向両端縁のスラスト方向断面形状は、先端が湾曲した凸形状であり、前記フランジ部の摺動性支持面のスラスト方向断面形状は、湾曲した凹形状であり、前記凸形状部の曲率は、前記凹形状部の曲率よりも大きいことを特徴とする。
本発明において、無端状定着ベルトのスラスト方向両端縁は、無端状定着ベルトの両端部を支持するガイド部材の摺動性支持面と接触する。無端状定着ベルトのスラスト方向両端縁の形状は先端が湾曲した凸形状であり、フランジ部の摺動性支持面のスラスト方向断面形状は湾曲した凹形状であり、さらに前記凸形状部の曲率は凹形状部の曲率よりも大きく設定されているので、無端状定着ベルトと該環状摺動性部材の接触を限りなく線接触に近い接触とし、摩擦抵抗を低減させることができる。また、両部材の凹凸形状関係から、無端状定着ベルトの回転軌跡のバラツキを抑えることができ、無端状定着ベルトを軸方向に切り裂く方向の力を抑制し、全体としての応力負荷を低減できる。結果として、無端状定着ベルトの耐久性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタを示す概略構成図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置を示した模式的断面図である。 図2に示した定着装置の模式的斜視図である。 図2に示した定着装置の軸方向に沿った断面構造を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るガイド部材の図4におけるB−B断面図である。 本発明の一実施形態に係るガイド部材の斜視図である。 (a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る無端状定着ベルトと環状摺動性部材との関係を示した模式図である。 (d)〜(f)は、無端状定着ベルトと環状摺動性部材の比較例を示した模式図である。 無端状定着ベルトの基材としてSUS基材を用いた場合(実施例1に対応)の耐久性試験結果を示す表である。 無端状定着ベルトの基材としてニッケル基材を用いた場合(実施例2に対応)の耐久性試験結果を示す表である。 ベルト定着方式が採用された従来の定着装置の一構成例を示す模式的断面図である。 図11に示す定着装置の模式的斜視図である。 定着装置の軸方向に沿った断面構造の一例を示す模式図である。 図11に示した定着装置の軸方向に沿った断面構造を示す模式図である。
〔本発明の適用例となる画像形成装置〕
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタを示す概略構成図である。カラープリンタ20は、電子写真方式にて画像を形成する画像形成部30と、画像形成部30にて形成されたトナー像を記録媒体としての用紙に転写する転写部37と、転写部37にて転写されたトナー像を溶融して用紙に定着させる定着部(定着装置41)と、を備えている。
画像形成部30は、ブラック用感光体ドラム31K、マゼンタ用感光体ドラム31M、シアン用感光体ドラム31C、イエロー用感光体ドラム31Y、および各感光体ドラム31にそれぞれ対応して設置された公知のトナー現像部32(32K、32M、32C、32Y)、転写部33(33K、33M、33C、33Y)などが設置されている電子写真方式の画像形成部である。本例では、外部から入力された画像データに基づいて、光学系ユニット35にて各色に対応してそれぞれの感光体ドラム31を露光して潜像を形成し、それぞれトナー現像部32で顕像化し、各トナー像を中間転写ベルト36に転写することでカラートナー画像とし、さらに転写部37で搬送されてくる記録媒体としての用紙に転写する。
用紙は、給紙カセット38から給紙ローラ39にて給紙され、レジストローラ40にてタイミングが図られて転写部37においてカラートナー画像が転写され、定着装置41に送られる。トナー像転写後の用紙は定着装置41において加熱加圧され、トナー像の定着処理を受ける。定着後の用紙は、排紙ローラ42にて装置外部の排紙トレイ43へ排出される。
本カラープリンタ20では、定着装置41において、以下に示す無端状定着ベルト22、ハロゲンヒータ21等の熱源、加圧ローラ23などからなる構成の定着装置を用いることで、安定した定着を実現でき、高品位・高画質の画像形成が行われる。
〔本発明の適用例となる定着装置〕
本発明が適用される定着装置の一例について図2、及び図3に基づいて説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る定着装置を示した模式的断面図である。図3は、図2に示した定着装置の模式的斜視図である。
図示するように、定着装置41は、可撓性を有し所定方向に回転する中空筒状体の無端状定着ベルト22と、無端状定着ベルト22を加熱する熱源としてのハロゲンヒータ21と、無端状定着ベルト22との間でニップ部Nを形成する加圧回転体としての加圧ローラ23と、無端状定着ベルト22の両端内面を夫々摺動回転自在に支持する摺動性部材を有したガイド部材50(図3参照)と、を備えている。
ハロゲンヒータ21は、無端状定着ベルト22の内周側に配置されており、ニップ部N直前の無端状定着ベルト22を加熱する。熱源としては、ハロゲンヒータの他にも、セラミックヒータ、カーボンヒータ等を用いることができる。定着ベルト基材に金属基材を用いる場合は、IH(電磁加熱)による昇温方式を用いた加熱装置を設置しても良い。ハロゲンヒータを用いる場合は、定着ベルト内面にカーボンブラック等を分散させた内面塗膜を形成しておくと、遠赤外線による輻射熱を定着ベルトに効率良く伝熱させることができる。
図示する定着装置41において無端状定着ベルト22は、一対のガイド部材50により幅方向両端部を支持される形式であるが、ガイド部材50は複数対あってもよい。また、複数のローラに掛け回される形式の定着装置にガイド部材50を配置してもよい。
無端状定着ベルト22の基材は、ニッケルやSUSなどの金属ベルトやポリイミドなどの耐熱性樹脂材料を用いた無端状ベルト(もしくはフィルム)とすることができる。具体的には、無端状定着ベルト22は、ステンレス(SUS)、ニッケル、銅、アルミニウムなどの金属材料や、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリサルフォン(PS)、Xyderといった耐熱性液晶ポリマー(LCP)等の機能性高分子材料を用いることが好ましい。
金属材料を用いる場合は、ニップ部Nにて無端状定着ベルト22が押しつぶされる為、曲げ応力が発生することを考慮して設計する。一般に、金属製薄膜ロールを用いる場合は表面ひずみが小さくなり、繰り返しの曲げ疲労に対して有利になる一方、ねじり応力への耐力は低下する。従って、定着ベルトとしての機能性を維持する為には、20〜40μm厚の金属ベルトであることが好ましい。
無端状定着ベルト22の表層には、PFA樹脂層、あるいは、PTFE樹脂層などのフッ素樹脂からなる離型層を形成し、被定着材である転写紙上のトナーが付着しないように、離型性をもたせる。無端状定着ベルト22の基材と前記離型層との間には、シリコーンゴムの層などで形成される弾性層を介在させてもよい。このシリコーンゴム層がない場合は熱容量が小さくなり、定着性・ウォームアップ性が向上するが、未定着画像を押し潰して定着するときに、ベルト表面の微妙な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部にユズ肌状の跡が残るという不具合が生じる。これを改善するには、シリコーンゴム層を100μm以上設ける必要がある。シリコーンゴム層の変形により、微妙な凹凸が吸収されてユズ肌画像が改善する。
無端状定着ベルト22は外部のローラにより連れ回って周方向へ移動する。例えば、図2及び図3に示す実施形態の場合は、加圧ローラ23が図示しない駆動源により回転駆動され、ニップ部Nで加圧ローラ23から無端状定着ベルト22に駆動力が伝達されることにより無端状定着ベルト22が回転する。このように無端状定着ベルト22は、ニップ部Nに挟み込まれて移動する。また、無端状定着ベルト22の両端部に配置されたガイド部材50によって、ニップ部N以外の部分における無端状定着ベルト22の外形変位が規制されている。無端状定着ベルト22は、ガイド部材50にガイドされることにより、ハロゲンヒータ21から一定の距離以上離れてしまわないように規制される。
図4は、図2に示した定着装置の軸方向に沿った断面構造を示す模式図である。本実施形態における無端状定着ベルト22のスラスト方向両端縁のスラスト方向断面形状は、先端が湾曲した凸形状(凸形状部22a)となっている。凸形状部22aは、無端状定着ベルト22を回転させながら、幅方向端縁部分に研磨テープ(不図示)を押付けることにより形成する。研磨テープの押付け力、及び押付け時間を調整することにより、凸形状部22aの曲率を調整することが可能である(図7参照)。曲率が大きい場合は、凸形状部22aのスラスト方向(軸方向)への突出量が大きくなり(図7(a))、曲率が大きい場合は、凸形状部22aのスラスト方向(幅方向)への突出量が小さくなる(図7(c))。従って、凸形状部22aの形状を、無端状定着ベルト22の基材肉厚に対する凸形状部22aの突出量から規定してもよい。
加圧ローラ23は、金属ローラ23aの外周に弾性層23bであるシリコーンゴム層が設けられ、その表面に離型性を得るために表面にフッ素系樹脂であるPFA樹脂層、あるいは、PTFE樹脂層等のフッ素樹脂層が設けられているものである。図3、及び図4に示すように、加圧ローラ23の長手方向長は無端状定着ベルト22よりも短く、また加圧ローラ23の弾性層23bが無端状定着ベルト22に圧接している。
加圧ローラ23は、図2に示す矢印A方向に、スプリング28などの加圧手段によって無端状定着ベルト22側に押し付けられて圧接しており、弾性層23bが押し潰されて変形することにより、ニップ部Nに所定のニップ幅が形成されるようになっている。加圧ローラ23は、中実のローラであってもよいが、熱容量を少なくする為、中空とした方がよい。また、加圧ローラ23にも、ハロゲンヒータ等の熱源を具備するようにしてもよい。
弾性層23bを形成するシリコーンゴム層はソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ23内部に熱源を設けない場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルトの熱が奪われにくくなるので、省電力の観点からはスポンジゴムの方が望ましい。
なお、加圧ローラ23は、当該定着装置41が搭載されるカラープリンタ20等の画像形成装置に設けられたモータなどの駆動源からギヤなどを介して駆動力が伝達されて回転する。
図2、及び図4に示すように、無端状定着ベルト22の内周側には、加圧パッド24が配置されている。加圧パッド24は、無端状定着ベルト22を介して加圧ローラ23に圧接することにより、ニップ部Nを所定形状に形成するニップ形成部材としての役割を果たす。加圧パッド24は、固定配置されたガイド部材50によってその長手方向両端部を保持されており、無端状定着ベルト22の内面と直接又は摺動シート(不図示)を介して間接的に摺動するようになっている。
図示するニップ部N(加圧パッド24)は平坦な形状であるが、加圧ローラ23側に凹部を有する凹形状や、その他の形状であってもよい。なお、ニップ部Nの形状を凹形状とした方が、ニップ部Nに進入する記録紙25先端の排出方向が加圧ローラ23寄りとなり、分離性が向上するので用紙ジャムの発生を抑制するという効果を得られる。
上記のような構成により安価で、ウォームアップが早く、省電力で、ベルト全体の温度が安定する定着装置を実現することができる。
〔無端状定着ベルトとガイド部材との関係〕
ガイド部材、及びガイド部材と無端状定着ベルトとの関係について説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係るガイド部材の図4におけるB−B断面図である。図6は、本発明の一実施形態に係るガイド部材の斜視図である。
ガイド部材50は、無端状定着ベルト22の軸方向両端部内面を夫々摺動回転自在に支持する摺動性部材51と、摺動性部材51に一体化されて無端状定着ベルト22のスラスト方向両端縁を摺動的に支持する摺動性支持面53を有したフランジ部55と、を備えている。
摺動性部材51は、概略円筒形状又は円柱形状であり、無端状定着ベルト22のスラスト方向両端部内面を摺動的に支持する摺動性周面57と、無端状定着ベルト22のスラスト方向両端部内面と接触しない非接触部59と、を周方向に交互に配置した構成を備えている。
非接触部59は、摺動性部材51の周方向に所定の間隔にて配置された凹所である。本実施形態においては、外径φ39mmの円筒形状の摺動性部材51に対して幅8mm、深さ3mmの凹所(非接触部59)が周方向に等間隔にて4箇所形成されている。
このように非接触部59を形成することにより、無端状定着ベルト22の内周面と摺動性部材51との接触部分(摺動性周面57)の面積を減少させる。従って、無端状定着ベルト22の内周面と摺動性部材51との摩擦抵抗を軽減し、無端状定着ベルト22に働くねじれ応力を軽減させることが可能となり、無端状定着ベルト22が幅方向中央部と両端部との間でねじれにくくなる。また、無端状定着ベルト22と摺動性周面57との接触面積を低減させることで、無端状定着ベルト22の応力負荷を低減できるため、無端状定着ベルト22の耐久性を向上させることができる。
なお、非接触部59は、摺動性部材51の周方向に等間隔に少なくとも2箇所形成することで、上記作用を効果的に得ることができるが、非接触部59の形状、大きさ、及び数量は、任意に設定することができる。また、摺動性周面57と非接触部59との間に形成される角部61は、面取り処理しておくことが望ましい。
フランジ部55は、摺動性支持面53が形成された環状摺動性部材63と、環状摺動性部材63を支持する円板状のフランジ部材65と、を備えている。フランジ部55は、環状摺動性部材63をフランジ部材65に対して一体的に取り付けることにより形成されている。なお、摺動性支持面53は、フランジ部材65と同一の部材から一体的に形成してもよい。
環状摺動性部材63は、所定の径方向長さ(図4中上下方向の長さ:内外径差)、及び無端状定着ベルト22のスラスト方向に対して所定の肉厚(図4中左右方向の長さ)を有する環状の部材である。環状摺動性部材63の内径(直径)は、摺動性部材51の摺動性周面57の外径(直径)と略同一の長さである。
無端状定着ベルト22の端縁と対向する面が摺動性支持面53であり、そのスラスト方向断面形状は、湾曲した凹形状(凹形状部)である。摺動性支持面53の曲率は、凸形状部22aの曲率よりも小さく設定されている。本実施形態においては、環状摺動性部材63をフランジ部材65と無端状定着ベルト22の端縁との間に挟み込む形で挿入し、摺動性支持面53を無端状定着ベルト22側に向けて配置する。
環状摺動性部材63は、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、又はフッ素樹脂の何れかから構成することができる。上記素材を用いた場合、定着温度下での機械特性・耐熱性に優れ、摺動性も期待できる為、フランジ部の磨耗防止、及び、無端状定着ベルト22の破損を防止することが。すなわち、耐久性を向上させることができる。
〔実施例〕
本発明の実施例について図7を参照しながら説明する。図7(a)乃至(c)は、本発明の一実施形態に係る無端状定着ベルトと環状摺動性部材との関係を示した模式図である。上述のように、本実施形態における無端状定着ベルト22のスラスト方向両端縁のスラスト方向断面形状は、先端が湾曲した凸形状(凸形状部22a)であり、無端状定着ベルト22のスラスト方向両端縁を支持する環状摺動性部材63の摺動性支持面53のスラスト方向断面形状は、湾曲した凹形状となっている。凸形状部22aの曲率は、摺動性支持面53の曲率よりも大きく設定されている。
〔無端状定着ベルトの実施例1〕
無端状定着ベルトの基材として、肉厚30μm、内径φ40mm、長さ350mmのSUS薄膜ロールを用いた。弾性層として、シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製)層をスプレー塗工にて100μm形成し、その上からプライマー(東レ・ダウコーニング社製)を塗布し、離型層としてPFAチューブ(クラボウ社製)を30μm被覆し、200℃にて30分乾燥させて無端状のベルトを得た。
その後、この無端状ベルトを回転させながら幅方向端面に研磨テープを押付けることにより、凸形状部22aを形成し、無端状定着ベルト22を完成させた。研磨テープの押付け力、押付け時間を調整することにより、凸形状部の突出量を調整した。具体的には、基材肉厚と同じ30μmの突出量を有する凸形状部(図7(a))、基材肉厚の1/2である15μm分の突出量を有する凸形状部(図7(b))、基材肉厚の1/3である10μm分の突出量を有する凸形状部(図7(c))を夫々得た。
〔無端状定着ベルトの実施例2〕
無端状定着ベルトの基材として、肉厚30μm、内径φ40mm、長さ350mmのニッケル薄膜ロールを用いた。弾性層としてシリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製)層をスプレー塗工にて100μm形成し、その上からプライマー(東レ・ダウコーニング社製)を塗布し、離型層としてPFAチューブ(クラボウ社製)を30μm被覆し、200℃にて30分乾燥させて無端状のベルトを得た。この無端状ベルトの内面には、ハロゲンヒータからの輻射熱を吸収する為に、カーボンブラックを分散させたPTFE膜をスプレー塗工にて15μm形成しておく。
その後、この無端状ベルトを回転させながら幅方向端面に研磨テープを押付けることにより、凸形状部を形成し、無端状定着ベルト22を完成させた。研磨テープの押付け力、押付け時間を調整することにより、凸形状部の突出量を調整した。具体的には、基材肉厚と同じ30μmの突出量を有する凸形状部(図7(a))、基材肉厚の1/2である15μm分の突出量を有する凸形状部(図7(b))、基材肉厚の1/3である10μm分の突出量を有する凸形状部(図7(c))を夫々得た。
〔環状摺動性部材の実施例〕
上記実施例1、2に示した各無端状定着ベルト22に対し、外径φ43mm、内径φ39mm、肉厚(無端状定着ベルト22のスラスト方向に対応する長さ)2mm、無端状定着ベルト22と対向する側の片側面を50μm分スラスト方向に凹ませた凹形状となるように成型したPTFE製の環状摺動性部材を用意した。これをフランジ部材と無端状定着ベルトの間に挟みこむ形で挿入し、凹形状を無端状定着ベルト22側に向けて配置した(図7(a)〜(c))。
何れの実施例においても、無端状定着ベルト22の端面の曲率Aの方が、環状摺動性部材63の表面に形成された凹形状の曲率Bよりも大きく設定されている。
〔耐久性評価〕
上記実施例1、2に示す無端状定着ベルトと、環状摺動性部材の実施例に関して、実機を用いて耐久試験を行った。
耐久試験の比較対象として、図8に示す形態のものを用意した。図8(d)〜(f)は、無端状定着ベルトと環状摺動性部材の比較例を示した模式図である。
図8(d)は、無端状定着ベルト70に図8(c)と同様の凸形状部70aを形成したが、凹形状部を形成しない環状摺動性部材71を配置した例である。図8(e)は、無端状定着ベルト70に凸形状部を形成せず、また凹形状部を形成しない環状摺動性部材71を配置した例である。図8(f)は、無端状定着ベルト70の端部に角形状の面取り加工70bを施し、環状摺動性部材71に凹形状部を形成しなかった例である。なお、無端状定着ベルトに関しては、端部形状以外の構成は実施例1、2に示す無端状定着ベルトと同様である。また、環状摺動性部材71の材質は環状摺動性部材63と同様である。
図9は、無端状定着ベルトの基材としてSUS基材を用いた場合(実施例1に対応)の耐久性試験結果を示す表である。図10は、無端状定着ベルトの基材としてニッケル基材を用いた場合(実施例2に対応)の耐久性試験結果を示す表である。耐久性試験は、各実施例及び比較例について夫々3回ずつ行った(表中、耐久(1)〜(3))。
図9及び図10に示すように、図7(a)〜(c)に対応する耐久性試験では、無端状定着ベルトの回転軌道が安定していることを目視確認できた。300K回以上通紙をしたが、何れも結果は良好であった。
他方、比較例では以下のような問題が発生した。図8(d)の場合は、無端状定着ベルトと環状摺動性部材との接触状態は(a)〜(c)と同様に線接触となるが、接触面積が小さいために、無端状定着ベルト22の回転軌跡が安定しなかった。図8(e)では、回転開始時から異音が発生するケースがあり、特に無端状定着ベルトの基材としてSUS基材を用いた場合は耐久性が低く、全数亀裂破壊した。図8(f)では、異音の発生はなかったものの、所望の耐久性が得られず、全数亀裂破壊した。
以上のように、無端状定着ベルト22の凸形状部22aの曲率を、環状摺動性部材63の表面に形成された摺動性支持面53の曲率よりも大きく設定することで、両者の接触が線接触となり、互いの摩擦抵抗を低減することが可能となる。また、環状摺動性部材63の表面を凹形状としたことで、無端状定着ベルト22の回転軌跡を安定させることができた。
以上のように本実施形態では、ハロゲンヒータ21等の熱源により加熱される被加熱部材は、無端状定着ベルト22、ニップ部を形成する為の加圧パッド24、及び無端状定着ベルト22のスラスト方向両端部に配置されたガイド部材50だけである。従来のベルト定着方式のように、無端状定着ベルト内部に複数本のローラが配置されていたり、無端状定着ベルトの外周面にテンションローラが接触している構成よりも、部品点数が少なくなるため、低熱容量化と小型化を実現することができる。このため、加熱時の温度上昇が早く、ウォームアップ時間を短縮することができる。また、余熱待機時は、無端状定着ベルト22を全体的に温めるので、従来の定着方式と異なり、定着実行が要求された際には、既に無端状定着ベルト22全体が略均一に温まっているため、直ぐに定着を実行することができ、搭載された画像形成装置などにおけるファーストプリントタイムを早くすることが可能となる。
さらに、無端状定着ベルト22として金属基材を用いた場合、基材の熱伝導率に優れ、定着ベルト全体としての温度偏差を少なくすることができ、その結果、ニップ部Nにおいて温度ムラ(=温度リップル)が小さくなるため、安定した定着性を得ることができる。
また、本実施形態では、従来のサーフ定着やベルト定着方式に比べ、無端状定着ベルト内部の熱容量を低減することができ(余分な部材を加熱しないため)、熱変換効率が高くなる。また、何らかのトラブルにより熱源となるハロゲンヒータ21が暴走し、連続加熱状態になった場合であっても、無端状定着ベルト22内部には耐熱性の加圧パッド24と、無端状定着ベルト22両端部の耐熱性のガイド部材50が配置されているだけであるため、サーフ定着のように暴走時に樹脂部材が変形したり、また公知のベルト定着装置のようにシリコーンゴムが破壊されることがなくなる。
また、熱源としてハロゲンヒータ21を用いると共に、ハロゲンヒータ21を無端状定着ベルト22の中央(回転中心に相当する位置)に配置しており、且つ無端状定着ベルト22の内面は、黒体面になるように全周に黒色顔料により、内面塗装している。黒色顔料の例としては、カーボンブラックなどを配合した水分散系のPTFE塗料を用いることができる。上記構成により、無端状定着ベルト22は全体的に温まり、定着機能を満足することが可能である。
さらに、ニップ部Nにおける熱供給を増やすことで、より定着性を向上させる必要がある場合には、反射板等を用いてハロゲンヒータ21の熱をニップ部Nに向けて反射させ、ニップ部Nを局所加熱するとよい。ニップ部Nを局所加熱することにより、被定着材である記録紙25に奪われた熱を補うように供給される熱量が増えるため、高速の定着(画像形成)においても定着性を満足することが可能となる。ニップ部Nの入口(用紙搬送方向上流側)では、用紙との温度差が最大であるため、最も熱量を多く供給する必要がある。したがって、ニップ部Nの用紙搬送方向上流側を局所加熱するとよい。
なお、ニップ部Nを局所加熱した場合であっても、無端状定着ベルト22は同じ金属熱伝導体で構成されているため、用紙に供給する熱量が過剰な場合は、ニップ部以外に熱が伝わることで、安定した温度を保つことができるため、定着性や光沢度に対してムラのない画像を得ることができる。
また、ハロゲンヒータ21として、ガラス管の半面が鏡面加工されている指向性を持ったハロゲンヒータを使う方法、セラミックヒータをニップ部に近接して配置する方法も考えられる。
このように熱源をハロゲンヒータとすることにより、誘導加熱のようにコイルやコアを使用する必要がないため、部品点数が少なくなり、定着ユニットの全体の熱容量とコストを低減することができる。また、セラミックヒータなどよりも、簡単な構造で端部温度の設定を変えることができるため、安価な構成にすることができる。
なお、本実施形態の構成では、固定された加圧パッド24に対して無端状定着ベルト22が移動し、ニップ部Nで摺接しており、当該界面での摩擦力が強いと経時で無端状定着ベルト22が削れ、破損することがある。そこで、加圧パッド24と無端状定着ベルト22との界面に、グリスあるいはオイルなどの潤滑材を塗布したり、加圧パッド材質を耐熱性、かつ、摺動性をもつ樹脂でコーティングしたりするとよい。このようにすることにより、摩擦力を低減することが可能になるため、前記摩擦の問題を改善することができる。
しかしながら、前記潤滑材は無端状定着ベルト22の回転により連れ回ってしまうため、肝心なニップ部Nの潤滑剤が減ったり、なくなってしまうことがある。そこで、ニップ部Nに潤滑剤が継続して安定供給されるように、潤滑剤を含浸させたメッシュ状の潤滑シートを加圧パッド24と無端状定着ベルト22の間に介在させ、界面で挟み込むことも考えられる。該潤滑シートは、加圧パッド24に対して固定し、常にニップ部Nの界面に存在させるようにする。
本実施形態においては、無端状定着ベルトとフランジ部材との間に環状摺動性部材を配置することにより、無端状定着ベルトとフランジ部材とが直接接触しないようにすると共に、環状摺動性部材と無端状定着ベルトを接触させることで、無端状定着ベルトの摩擦抵抗を低下させることができる。従って、無端状定着ベルトの破損を防止でき、耐久性を向上させることができる。
また、無端状定着ベルトと環状摺動性部材との接触部分を夫々湾曲した凸形状、及び凹形状としたので、接触は面接触ではなく、限りなく線接触に近くなり、摩擦抵抗を0に近づけることができる。
無端状定着ベルトの凸形状部が、環状摺動性部材の凹形状部内に安定的に収まるので、無端状定着ベルトの回転軌跡のバラツキを抑えることができ、また、無端状定着ベルトの端面が存在する面、言い換えれば無端状定着ベルトの軸方向と直交する面に対して平行に生じる力を抑えることができる。従って、無端状定着ベルトを幅方向に切り裂く方向の力を抑えることができ、全体としての応力負荷を低減できる。結果として、無端状定着ベルトの耐久性を向上させることができる。
また、無端状定着ベルトの幅方向両端部の内周面と接触する摺動性部材の摺動性周面に、等間隔に少なくとも2つの非接触部を設けているので、無端状定着ベルトと該フランジの接触面積を低減することができ、無端状定着ベルトの応力負荷を低減できる。よってベルトの耐久性を向上させることができる。
また、無端状定着ベルトは金属基材と該金属基材表層に積層された弾性層、及び、離型層を有していること、及び、内周面にフッ素樹脂が積層されているので、金属基材であることの強度な機械特性・耐熱性・高熱伝導率が期待でき、省電力の定着装置とすることができる。また、内周面にフッ素樹脂が積層されていることによる、摺動性部材の摺動性周面との摺動性、及び、弾性層・離型層を有していることによる高画質な定着装置とすることができる。
また、環状摺動性部材をポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、又はフッ素樹脂の何れかから形成するので、定着温度下での機械特性・耐熱性に優れ、摺動性も期待できる為、フランジの磨耗防止、及び、無端状定着ベルトの破損防止ができる。すなわち、耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態に係る定着装置を備えることで、高耐久・省電力・高画質の画像形成装置とすることができる
20…カラープリンタ、21…ハロゲンヒータ、22…無端状定着ベルト、22a…凸形状部、23…加圧ローラ、24…加圧パッド、25…記録紙、28…スプリング、30…画像形成部、31…感光体ドラム、32…トナー現像部、33…転写部、35…光学系ユニット、36…中間転写ベルト、37…転写部、38…給紙カセット、39…給紙ローラ、40…レジストローラ、41…定着装置、42…排紙ローラ、43…排紙トレイ、50…ガイド部材、51…摺動性部材、53…摺動性支持面、55…フランジ部、57…摺動性周面、59…非接触部、61…角部、63…環状摺動性部材、65…フランジ部材、70…無端状定着ベルト、70a…凸形状部、70b…面取り加工70b、71…環状摺動性部材、100…定着装置、121…ハロゲンヒータ、122…無端状定着ベルト、123…加圧ローラ、124…加圧パッド、125…記録紙、126…ガイド部材、127…加熱ローラ、128…寄り止めストッパー
特開2004−86083公報 特開2011−75816公報

Claims (5)

  1. 中空筒状体である無端状定着ベルトと、該無端状定着ベルトを加熱する熱源と、該無端状定着ベルトとの間でニップ部を形成する加圧ローラと、前記無端状定着ベルトの両端内面を夫々摺動回転自在に支持する摺動性部材を有したガイド部材と、を備えた定着装置であって、
    前記各ガイド部材は、前記摺動性部材に一体化されて前記無端状定着ベルトのスラスト方向両端縁を摺動的に支持する摺動性支持面を有したフランジ部を備え、
    前記無端状定着ベルトのスラスト方向両端縁のスラスト方向断面形状は、先端が湾曲した凸形状であり、
    前記フランジ部の摺動性支持面のスラスト方向断面形状は、湾曲した凹形状であり、
    前記凸形状部の曲率は、前記凹形状部の曲率よりも大きいことを特徴とする定着装置。
  2. 前記摺動性部材は、前記無端状定着ベルトのスラスト方向両端部内面を摺動的に支持する摺動性周面と、前記無端状定着ベルトのスラスト方向両端部内面と接触しない非接触部と、を周方向に交互に配置した構成を備えていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記無端状定着ベルトは、金属基材と、該金属基材の外表面に順次積層された弾性層及び離型層と、前記金属基材の内周面に積層されたフッ素樹脂と、を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記摺動性部材は、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、又はフッ素樹脂の何れかから構成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の定着装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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