JP2013185674A - 等速ジョイント用シャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】塩化物イオン等の錆の発生を促進する物質の存在下にあっても、軸部材を十分に防錆することが可能な等速ジョイント用シャフトを提供する。
【解決手段】
等速ジョイント用シャフト10を構成する軸部材12の外周面を、亜硝酸塩を含む接着剤層26からなる第1被覆層14によって被覆する。さらに、この第1被覆層14の外周面を、熱収縮性チューブ22からなる第2被覆層16によって被覆する。
【選択図】図1

Description

本発明は、等速ジョイントを連結するための等速ジョイント用シャフトに関する。
走行機関からの駆動力をタイヤまで伝達する駆動力伝達機構は、各端部に等速ジョイントが連結された等速ジョイント用シャフトを含む。駆動力伝達機構は、一般的に、自動車車体の下方に配設されるため、雨水や泥、埃等に曝される環境下、換言すれば、錆が生じ易い環境下で使用される。
勿論、等速ジョイント用シャフトに錆が生じることは好ましいことではない。従って、等速ジョイント用シャフトに対し、防錆を施すことが種々試みられている。例えば、一般的な金属防錆手段として知られている、いわゆる、厚膜塗装法、リン酸塩処理法、溶融亜鉛めっき処理法等を、等速ジョイント用シャフトに対して採用することが考えられる。
しかしながら、厚膜塗装法によれば、等速ジョイント用シャフトの表面にガラスフレーク等を含有するエポキシ塗料を塗装するので、塗装面の平滑度が損なわれる。このため、等速ジョイントの継手用ブーツと等速ジョイント用シャフトの塗装面との間のシール性が低下し、前記継手用ブーツに封入したグリスが漏洩する懸念がある。
また、リン酸塩処理法は、リン酸塩溶液を用いて等速ジョイント用シャフトの表面にリン酸塩皮膜を生成して塗装下地とするものであるが、リン酸塩皮膜の防錆性能が十分ではないことに加え、皮膜生成工程が煩雑であるとともに、使用したリン酸塩溶液を処理しなければならない負担がある。
さらに、溶融亜鉛めっき処理法では、等速ジョイント用シャフトの表面に亜鉛合金層を形成するに際し、溶融亜鉛の浴中に等速ジョイント用シャフトを浸漬させる必要がある。この浴は高温であるため、等速ジョイント用シャフトに適用することが可能な処理温度(例えば、焼戻しが生じない温度)を超えてしまう懸念がある。
そこで、例えば、特許文献1に記載されるように、熱収縮性を示すチューブで等速ジョイント用シャフトの外周面を被覆し、これにより防錆を図ることが想起される。
実開平3−26833号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術では、チューブに等速ジョイント用シャフトが単に挿入された状態であるので、等速ジョイント用シャフトに対してチューブが位置ズレを起こす懸念がある。
また、チューブに損傷が生じた場合には、等速ジョイント用シャフトの表面が露出する。この状態で、例えば、該等速ジョイント用シャフトが組み込まれた自動車が、融雪剤が散布された路上等を走行すると、損傷部分から、融雪剤に含まれる塩化物イオン等が進入する。等速ジョイント用シャフトの表層部には不動態皮膜が存在するものの、塩化物イオンは、不動態皮膜や鉄分に錆を発生させるので、等速ジョイント用シャフトに錆が発生する懸念がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたものであり、例えば、塩化物イオン等が存在する環境下にあってもシャフト本体(軸部材)を十分に防錆することが可能な等速ジョイント用シャフトを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、等速ジョイントが連結される軸部材を有する等速ジョイント用シャフトであって、
前記軸部材の外周面を被覆する第1被覆層と、前記第1被覆層の外周面を被覆する第2被覆層とを有し、
前記第1被覆層は、亜硝酸塩を保持する保持樹脂層からなり、
前記第2被覆層は、熱収縮性チューブからなることを特徴とする。
この等速ジョイント用シャフトでは、第1被覆層の外周面を、熱収縮性チューブを熱収縮させた第2被覆層によって被覆している。これにより、二重シールが形成されている。しかも、第2被覆層は、塗膜に比して気密性・液密性に優れる熱収縮性チューブからなる。このため、雨水や泥、砂、埃、融雪剤等が第2被覆層から第1被覆層に進入することが困難であり、また、第1被覆層を浸透して軸部材に到達することも困難である。
仮に、上記したような物質が軸部材に到達したとしても、この等速ジョイント用シャフトでは、亜硝酸塩を保持する保持樹脂層からなる第1被覆層が軸部材の外周面に形成されている。これによって、軸部材の表面に対して、亜硝酸塩から生じる亜硝酸イオン(NO2 -)を供給することが可能となる。仮に、軸部材の表層部の不動態皮膜(Fe23)が塩化物イオン等によって還元(破壊)された場合には、亜硝酸イオンが鉄イオンと反応して酸化鉄(Fe23)が新たに生成する。この新たに生成した酸化鉄により、不動態皮膜中の還元された部位を再生することができる。すなわち塩化物イオン(Cl-)が存在するような環境下であっても、軸部材を十分に防錆することができる。
さらに、第2被覆層は、軸部材及び第1被覆層に対して、等速ジョイント用シャフトを組み込んだ自動車等のエンジンやモータ等から熱が伝達されることや、飛び石等が接触すること等を防ぐ役割を果たす。従って、軸部材及び第1被覆層が損傷することを防ぐことができる。
前記保持樹脂層をなす保護樹脂は、前記第2被覆層の内周面と前記軸部材の外周面とを接着する接着剤であってもよい。この場合、不動態皮膜を再生するために十分な量の亜硝酸塩を保持した第1被覆層を、軸部材の外周面全体に密着させることができる。これによって、軸部材の外周面に亜硝酸イオンを効率的に供給して、不動態皮膜の再生反応を促進することができる。さらに、軸部材及び第1被覆層に対する第2被覆層の位置ずれをより良好に防ぐことができる。よって、軸部材をより効果的に防錆することができる。
接着剤の好適な例としては、熱溶融性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。熱溶融性ポリオレフィン樹脂は、他の接着剤に比して、金属との接着性に優れているので、第2被覆層を軸部材に堅牢に接合させることができる。このため、第2被覆層が位置ズレを起こすことが一層回避される。
また、熱溶融性ポリオレフィン樹脂は、耐熱性に優れる。従って、エンジンやモータ等から熱が伝達されても、接着機能やシール機能が消失することが回避される。
さらに、熱収縮性チューブを熱収縮させる際には加熱処理を行うが、この熱処理の際に、熱溶融性ポリオレフィン樹脂を溶融させることができる。従って、等速ジョイント用シャフトの製造工程を簡略化することが可能となる。
一方の熱収縮性チューブの好適な例としては、フッ素樹脂が挙げられる。フッ素樹脂は、塩化物イオンを透過させず、且つ他の樹脂に比して優れた耐久性を示す。すなわち、第2被覆層は、外気、雨水、潤滑油、融雪剤等に曝されてもこれらを透過させず、且つ第2被覆層自体が化学的に変化することもない。さらに、エンジンから伝達される熱や、飛び石等によって、軸部材及び第1被覆層が損傷することを防ぐことができる。従って、軸部材及び第1被覆層をより良好に保護することが可能となる。すなわち、軸部材をより効果的に防錆することができる。
本発明によれば、亜硝酸塩を含む第1被覆層によって、塩化物イオン等の錆の発生を促進させる物質が存在するような環境下にあっても、不動態皮膜を再生することが可能である。さらに、第2被覆層によって、外部環境から第1被覆層及び軸部材を保護することができる。
以上のような理由から、軸部材を十分に防錆することができるとともに、等速ジョイント用シャフトの耐久性を向上させることができる。
本実施の形態に係る等速ジョイント用シャフトの全体概略側面図である。 図1中のII−II線矢視断面図である。 図3A〜図3Dは、軸部材の表層部の不動態皮膜が攻撃を受けて還元されてから修復するまでの過程を模式的に示したフロー図である。 図4A〜図4Cは、図1の等速ジョイント用シャフトを得るまでの作製過程を模式的に示したフロー図である。
以下、本発明に係る等速ジョイント用シャフトについて、好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る等速ジョイント用シャフト10の全体概略側面図であり、図2は、図1中のII−II線矢視断面図である。この等速ジョイント用シャフト10は、軸部材12上に第1被覆層14、第2被覆層16がこの順序で積層されることで構成される。
軸部材12は略円柱体形状をなす長尺物であり、図1における左端部及び右端部は、第1被覆層14、第2被覆層16に被覆されることなく露呈している。これらの露呈した左端部、右端部には、例えば、トリポート型等速ジョイント、バーフィールド型等速ジョイント(いずれも図示せず)がそれぞれ連結される。なお、参照符号18は、スプラインを示す。
このように構成される軸部材12は、例えば、鋼材からなる。従って、軸部材12の表層部には、該表層部中に含まれる鉄分が大気中の酸素と反応することで自発的に生成した不動態皮膜20(図3A〜図3D参照)が存在する。すなわち、不動態皮膜20は酸化鉄からなる。
第1被覆層14は、軸部材12の図1における左端部及び右端部(等速ジョイント連結部)以外の部位を被覆する。この第1被覆層14は、亜硝酸塩を保持した接着剤の層(保護樹脂層)からなり、その好適な厚みは、0.2mm〜0.4mmである。なお、図2では、理解を容易にするために第1被覆層14の厚みを実際よりも大きな縮尺で示しており、第2被覆層16についても同様である。
すなわち、第1被覆層14においては、接着剤中に亜硝酸塩が保持されている。この亜硝酸塩により、後述するように、不動態皮膜20が還元されたとき、その再生が図られる。なお、亜硝酸塩の含有量は、不動態皮膜20を再生するのに十分な亜硝酸イオンを軸部材12の外周面に供給することができる量であればよいが、例えば、接着剤と亜硝酸塩との合計を100重量%とするとき、0.05重量%〜70重量%の範囲内であることが好ましい。
亜硝酸塩の好適な例としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸リチウム、亜硝酸カリウム等が挙げられる。この中、亜硝酸ナトリウムは安価であり、第1被覆層14を設けるコスト、ひいては等速ジョイント用シャフト10の製造コストが低廉化することから、特に好ましい。
一方、接着剤の好適な例としては、鋼材をはじめとする金属に対して良好に接着し、且つ耐熱性に優れる熱溶融性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。この場合、軸部材12が鋼材等からなるために第1被覆層14(接着剤)が良好に軸部材12に接着するとともに、該第1被覆層14を介して第2被覆層16が軸部材12に堅牢に接着する。また、等速ジョイント用シャフト10の一端部は、エンジンやモータ等に近接するために該エンジンないしモータ等からの熱を受けることになるが、このような状況下でも、第1被覆層14が十分な耐熱性を示すからである。
第1被覆層14が接着剤を含むものであるため、該第1被覆層14を介して軸部材12と第2被覆層16が接合される(図2参照)。このため、第2被覆層16が位置ズレを起こすことが回避される。また、第1被覆層14は、軸部材12と第2被覆層16の間を充填することにより、これら軸部材12と第2被覆層16の間でシールとなる。
第2被覆層16は、熱収縮性チューブ22(図4B参照)を熱収縮させたものであり、その好適な厚みは、0.2mm〜0.4mmである。熱収縮性チューブ22の好適な例としては、耐熱性に優れるフッ素樹脂やポリオレフィン樹脂が挙げられ、一層具体的な例としては、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
第2被覆層16は、チューブであるために気密且つ液密であり、このため、軸部材12を被覆することでシールとして機能する。すなわち、本実施の形態においては、第1被覆層14及び第2被覆層16による二重シールが形成されている。
本実施の形態に係る等速ジョイント用シャフト10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果につき説明する。
等速ジョイント用シャフト10の各端部には、上記したように等速ジョイントが連結され、これにより駆動力伝達機構が構成される。該駆動力伝達機構は、例えば、自動車車体の下方に搭載され、エンジンやモータ等からの駆動力をタイヤまで伝達する。
例えは、降雪後には、積雪を融解するべく道路に融雪剤が散布される。融雪剤には塩化物イオンが含まれているので、降雪後に自動車が運転されるときには、等速ジョイント用シャフト10に対し、塩化物イオンを含む雪解け水や泥が接触する。
ここで、本実施の形態においては、軸部材12が第1被覆層14及び第2被覆層16で被覆されている。上記したように、第1被覆層14及び第2被覆層16の双方がシールとして機能する。特に、第2被覆層16は、チューブであるために、塗膜等に比してシール能力が優れる。加えて、第2被覆層16がポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂からなる場合、該第2被覆層16は、耐熱性に優れるとともに、走行中に石が飛来して接触したとしても損傷し難く、しかも、潤滑油や塩化物イオン等が付着しても化学的・物理的に劣化し難い。従って、そのシール能力が十分に維持される。
従って、雪解け水や泥が第2被覆層16内に進入することは困難であり、仮に第2被覆層16内に進入したとしても、第1被覆層14を浸透して軸部材12の外周面に到達することは困難である。このように、二重シールを採用したことにより、錆を発生させる原因となる塩化物イオンが軸部材12に到達することを可及的に防止することができる。
万一、塩化物イオンが軸部材12の外周面に到達した場合、図3Aに示すように、該外周面の表層部には不動態皮膜20が存在するので、塩化物イオンは、この不動態皮膜20を攻撃する。なお、軸部材12は鋼材等からなるが、図3Aにおいては、軸部材12につき、便宜上、その主成分であるFeを用いて表しており、図3B〜図3Dにおいても同様である。
上記の攻撃の結果、図3Bに示すように、不動態皮膜20中の攻撃を受けた部位が還元されてその厚みが低減するとともに、該不動態皮膜20の還元物であるFeイオン(Fe2+)が第1被覆層14に移動する。この現象がさらに進行すると、不動態皮膜20中の攻撃を受けた部位が消失し、軸部材12の内部の鋼材部分が露呈して塩化物イオンに攻撃され、錆が発生する懸念がある。
しかしながら、本実施の形態では、第1被覆層14中に亜硝酸塩が含まれている。亜硝酸塩として亜硝酸ナトリウム(NaNO2)を例示して説明すると、図3Cに示すように、亜硝酸ナトリウムはナトリウムイオン(Na+)と亜硝酸イオン(NO2 -)に電離し、この中の亜硝酸イオンは、第1被覆層14に溶出したFeイオン(Fe2+)と、第1被覆層14内に含まれる水酸化物イオン(OH-)と反応する。具体的には、以下の反応式(1)に示す反応が起こる。
2Fe2+ + 2OH- + 2NO2 - → 2NO + Fe23 + H2O …(1)
すなわち、図3Dに示すように、酸化鉄(Fe23)が新たに生成する。これに伴い、不動態皮膜20における還元された部位に、図3Dに参照符号24として示す再生部位が形成される。すなわち、不動態皮膜20が修復され、その結果、不動態皮膜20による防錆効果が再度発現するようになる。従って、軸部材12の内部の鋼材部分が露呈することや、この露呈した部位が塩化物イオンに攻撃されることが回避される。このため、軸部材12に錆が発生する懸念が払拭される。なお、塩化物イオン以外の原因によって不動態皮膜20の一部が還元するような場合においても、上記と同様にして再生部位24が形成され、不動態皮膜20が修復される。
結局、本実施の形態によれば、第1被覆層14に亜硝酸塩を保持するようにしているので、仮に、その直下に位置する不動態皮膜20の一部が還元されたとしても、当該部位に亜硝酸イオンが供給される。このため、当該部位が再生されるので、不動態皮膜20による防錆作用を再度発現することができる。従って、塩化物イオンの存在下等、錆が生じ易い環境下においても、軸部材12を十分に防錆することができる。
さらに、第2被覆層16は、第1被覆層14を介し、軸部材12に対して接着固定されている。このため、第2被覆層16が軸部材12及び第1被覆層14に対して位置ズレを起こすことが回避されるので、軸部材12の被覆されるべき部位や、第1被覆層14が第2被覆層16の外部に露出してしまうこと等を十分に抑制することができる。
すなわち、第1被覆層14及び軸部材12は、耐久性に優れる第2被覆層16によって強固に覆われることで、外部から遮断され保護される。このため、軸部材12を効果的に防錆することができるとともに、等速ジョイント用シャフト10の耐久性を向上させることができる。
等速ジョイント用シャフト10は、例えば、図4A〜図4Cに示す方法によって製造することができる。
先ず、埃、水分、油分等を除去した軸部材12の外周面に、図4Aに示すように、亜硝酸塩を混合した接着剤を塗布することで、該外周面を被覆する接着剤層26を形成する。この接着剤層26は、全体の厚さが略均一になるとともに、固化後の厚さが0.2mm〜0.4mmとなるように調整される。
次に、図4Bに示すように、熱収縮性チューブ22の内部に軸部材12を挿入する。挿入は、熱収縮性チューブ22が接着剤層26の外周面を被覆する位置に到達するまで行う。
この状態で、加熱処理を行う。加熱処理では、熱収縮性チューブ22が熱収縮する温度となるように、熱風送風機やオーブン等の公知の熱源を用いて、熱収縮性チューブ22及び接着剤層26を加熱する。接着剤層26に含まれる接着剤は熱溶融性ポリオレフィン樹脂からなる場合、熱収縮性チューブ22が熱収縮して第2被覆層16が形成されるとともに、接着剤層26が熱溶融する。すなわち、接着剤として、熱溶融性ポリオレフィン樹脂等の熱溶融性のものを採用することによって、熱収縮性チューブ22の熱収縮と、接着剤層26の熱溶融とを一度の加熱処理によって行うことができる。従って、等速ジョイント用シャフト10の製造工程を簡略化することができる。
次に、熱溶融した接着剤層26を冷却して固化する。これにより、図4Cに示すように、収縮した熱収縮性チューブ22(第2被覆層16)の内周面と軸部材12の外周面とを接着する第1被覆層14が形成される。すなわち、等速ジョイント用シャフト10が得られるに至る。
本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上記した実施の形態では、第1被覆層14は、亜硝酸塩を混合した接着剤の層からなることとしたが、樹脂は、接着剤として機能するものに特に限定されるものではなく、亜硝酸塩を保持することが可能なものであればよい。この場合、例えば、熱収縮させた熱収縮性チューブ22の収縮締付力によって、第1被覆層14の外周面に第2被覆層16を位置決め固定することが可能である。
また、この実施の形態では、接着剤層26を外周面に塗布した軸部材12を、熱収縮性チューブ22の内部に挿通して、等速ジョイント用シャフト10を得るようにしているが、例えば、熱収縮性チューブ22の内周面に接着剤層26を設けた後、この熱収縮性チューブ22の内部に、接着剤層26を設けない軸部材12を挿通するようにしてもよい。その後、上記と同様に加熱処理を行うことで、第1被覆層14及び第2被覆層16を備える等速ジョイント用シャフト10を得ることができる。
10…等速ジョイント用シャフト 12…軸部材
14…第1被覆層 16…第2被覆層
20…不動態皮膜 22…熱収縮性チューブ
24…再生部位 26…接着剤層

Claims (4)

  1. 等速ジョイントが連結される軸部材を有する等速ジョイント用シャフトであって、
    前記軸部材の外周面を被覆する第1被覆層と、前記第1被覆層の外周面を被覆する第2被覆層とを有し、
    前記第1被覆層は、亜硝酸塩を保持する保持樹脂層からなり、
    前記第2被覆層は、熱収縮性チューブからなることを特徴とする等速ジョイント用シャフト。
  2. 請求項1記載の等速ジョイント用シャフトにおいて、前記保持樹脂層は、前記第2被覆層の内周面と前記軸部材の外周面とを接着する接着剤からなることを特徴とする等速ジョイント用シャフト。
  3. 請求項2記載の等速ジョイント用シャフトにおいて、前記接着剤は、熱溶融性ポリオレフィン樹脂からなることを特徴とする等速ジョイント用シャフト。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の等速ジョイント用シャフトにおいて、前記熱収縮性チューブは、フッ素樹脂からなることを特徴とする等速ジョイント用シャフト。
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