JP2013185253A - 亜鉛メッキ槽 - Google Patents

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清 鈴木
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Abstract

【課題】亜鉛メッキ槽は溶接構造であるため溶接部が溶融亜鉛の浸食を受けたり、熱膨張収縮による繰り返し応力を受けたり、クリープによる変形応力を受けたりするためクラックが発生しやすく突発的な破損事故の問題があり早めに交換しているが、亜鉛メッキ槽の交換は長時間を要するため生産機会の損失が大きな問題であった。
【解決手段】亜鉛メッキ槽の溶接部をプロテクターで保護することにより、溶融亜鉛による溶接部の浸食を防止し、万一溶接部が破損しても溶融亜鉛の流出をプロテクターで保留することにより周辺機器の破損を防止することにより亜鉛メッキ槽の信頼性を向上した。また、亜鉛メッキ槽に気化フラックスを吹き込むことにより鉄亜鉛などの不純物を浮上、捕集、還元して品質欠陥を低減するとともにシンクロール軸受潤滑を可能にし軸受寿命を延長した。
【選択図】図1

Description

本発明は溶融亜鉛メッキ工程に使用される亜鉛メッキ槽に関するものであり、亜鉛メッキ槽溶接部の溶損、亀裂による溶融亜鉛の流出防止、鉄亜鉛のようなドロスの除去、シンクロールの軸受の長寿命化に関するものである。
溶融亜鉛メッキは被メッキ材に480±30℃の亜鉛メッキ槽中で亜鉛を物体の表面より50〜150ミクロン含浸させるメッキ方法である。亜鉛メッキ槽の外側はプロパンバーナ又は重油バーナにて加熱し溶融亜鉛を保持している。亜鉛メッキ槽の底部には鉛を100〜150mm敷いている場合もあり、亜鉛メッキ槽は480±30℃の高温下で溶融亜鉛や溶融鉛の大きな静圧を受ける一種の圧力容器と似ている。480±30℃の一定加熱保持によるクリープ変形による底部の膨張変形や溶接の損耗により3〜6年の寿命である。新しい亜鉛メッキ槽を設置した後の重点点検タイミングは、使用開始1時間後、1日後、1カ月後、1年後といわれる。亜鉛メッキ槽の製作は経験を十分に反映した設計に従って設計し、製作工程においても材質の選定、溶接管理など細心の注意を払いながら進めるが、予期しない突発的な損傷が稀に発生することがあり、このような問題点が未だ十分に解決できていないためである。特に亜鉛メッキ槽や溶接ワイヤの材質としては純鉄に近い金属が望ましいといわれているが、1槽当たりの使用量が少ないため理想的な材質の鋼材や溶接ワイヤを入手するのは困難である。
溶融亜鉛が亜鉛メッキ槽から流出すると、生産を中断し流出亜鉛を回収する作業や設備破損部を修復する作業が生じる。生産機会損失や設備損傷復旧費用などの大きな損失を被ることになる。亜鉛メッキ槽は長期間高温の溶融亜鉛と接触するため、槽の溶接部以外でも突然穴明きがみられる。これは主として槽組み立ての際の槽の引張り冶具などの仮止め部である。仮止めのため本格的な溶接部でないため点検を見落とす場合があるからである。このように亜鉛メッキ槽の寿命は側壁溶接部の減肉やクラックが主である。純鉄に近い鋼板を使い予熱、冷却にて溶接部の結晶を大きくキープし冷却することが大切でかつ冷却後の歪取り焼鈍(SR)600±25℃にて残留応力を完全に除去することである。従来の溶接のようにTi、V、Ni、Cr、Moなどの特殊元素を入れて溶接部の結晶粒粗大化を防止すると逆に割れやすくなる。鉄は912℃までは体心立方格子のα鉄(フェライト)でこれを超えると面心立方格子のγ鉄(オーステナイト)となり1394℃を超えるとまた体心立方格子となる。そのためA3変態点を常にゆっくり冷やすことで結晶粒の粗大化を図り割れに鈍感な組織にするのがよい。800〜300℃までの高温変態域の徐冷も超徐冷にしてフェライトとパーライトの混合組織を生成することが大切である。
亜鉛メッキ槽の損耗は溶接部が顕著に発生しやすい傾向にあるため設計段階で熱疲労対策の必要と発生応力の吸収の仕方、溶接法の決定を十分に考えることが大切である。運転中の亜鉛溶出による突発事故は、(1)復旧工事(流出亜鉛の回収、槽の補修あるいは撤去)、(2)新規槽の製作、設置及び改良設計を含むと速くても半年を要する、(3)操業の一時停止による仕事量の喪失につながり数億円の損失を被る。
このため本発明者は(株)ダイクレと共同で特開2005−249768号広報「低融点溶解金属浴浸漬型の超音波測定装置」、特開2002−062282号広報「溶融金属用容器の欠陥部を測定する方法及び装置」を発明して、操業中に亜鉛メッキ槽の溶接部の減肉を測定可能にした。このような装置を使用することにより操業中の槽の減肉量を定量的に把握できるようになったが突発的なクラックに対してはまだ十分な対策となっていない。
上記溶接部の損耗やクラックを防止するために、特開2000−239816号広報において、亜鉛メッキ槽溶接部における必要な耐食性および機械的性質を持たせるために、メッキ槽材質と溶接ワイヤ材質と溶接フラックス成分と溶接入熱を特定することにより低コスト溶接方法にて製造が可能な亜鉛メッキ槽が提案されている。
この方法においては亜鉛メッキ槽材質のC量が多いので組織が細粒化するので溶融亜鉛のアタックを受けやすく損耗が大きい。またクラックが入りやすいので突然の溶融亜鉛の流出を防止できない。
溶融亜鉛メッキ浴中には異物である鉄亜鉛のようなドロスが生成する。このドロスの成分としては、メッキ浴表面の溶融亜鉛またはメッキ厚み調整時に鋼板から非酸化性気体により削ぎ落とされた溶融亜鉛と空気との反応により生成した酸化亜鉛がある。また、メッキ浴中の亜鉛と浸漬された鋼板との反応により生成したFe−Zn金属間化合物(鉄亜鉛化合物)、あるいはメッキ浴中に添加されたアルミニウムと鋼板との反応により生成したFe−AL金属間化合物(鉄アルミニウム化合物)あるいはZn−AL金属間化合物(亜鉛とアルミニウムの化合物)などがある。ここでアルミニウムは鋼板から溶出する鉄とメッキ浴中の亜鉛よりも優先的に反応させるなどの目的のために亜鉛メッキ浴中に少量添加されているものである。このようにドロスは複数の化合物が混在しておりその化合物により性質に差異が生じている。これらの性質の違いとしては例えば溶融亜鉛よりも比重が小さいため浮上しやすいもの、逆に溶融亜鉛よりも比重が大きいため沈降するもの、また溶融亜鉛よりも比重が小さいが凝集しにくいため比較的浮上しやすいものに大別される。
従来亜鉛メッキ槽内にて発生する鉄亜鉛の比重は7.14である。亜鉛アルミ比重が7.12のわずかな差のため沈降速度が極めて遅い。また、テンションロールや鋼板の動きで亜鉛メッキ槽内は激しく撹拌されるのでドロスが亜鉛メッキ槽内の底面や表面に沈降浮上して分離するには長い時間を要する。現実的には、溶融亜鉛の清浄作用は表面にハロゲン化合物による個体フラックスを散布して表面の酸化防止をしているだけである。このように溶融亜鉛の清浄作用は亜鉛メッキ槽の表面のみが主であり出来上がる製品はこの亜鉛鉄をいかに付着させないかにかかっている。そのためには亜鉛メッキ槽中からいかにしてドロスを回収するかによって製品が左右される。
メッキ浴内は常に撹拌されているためドロスは溶融亜鉛とともに撹拌され巻き上げられて鋼板に付着してしまう。溶融亜鉛メッキ鋼板にこのようなドロスが付着するとその鋼板は表面欠陥を生じてしまう。このようにメッキ浴中に生成したドロスはメッキ鋼板の表面品質を損なうものであり品質等級外れになり降格や屑となり大きな損失となる。
上記ドロス排出のため特開2000−273600号広報では、メッキ浴中に窒素やアルゴンなどの非酸化性気体を吹き込んで浮上させる方法が提案されている。
上記方法では非酸化性気体を吹き込んでいるだけでありドロスを浮上させる以外の効用はない。ドロスを浮上させると同時の鉄亜鉛や鉄アルミニウムを還元して亜鉛戻す機能が不足している。
連続溶融亜鉛メッキの槽では槽の中にロールをセットするためロールをフレームに固定して槽上面から吊り下げている。従来は無給油方式でシャフト側のスリーブと軸受側で互いに研削摩耗する構造となっている。一般に金属は400℃より急激に硬度低降が始まる。そのため、ステライトとセラミックスの組み合わせが従来は多く取られていた。
シンクロールの軸受が破損すると操業を中断してハンガーを亜鉛メッキ槽から出して取り替える必要があり生産損失となる。
特開平8−13113号広報では、内周面がロールの枢軸とほぼ等径をなす円弧状の複数個の耐熱、耐食、耐衝撃、耐摩耗性の摺動片を嵌合した方法が提案されている。摺動片の内周面には連続する湯溝が設けられており軸受に侵入してくるスラッジを排除して摺動面の摩耗を防止している。
摺動片材質はカーボン材料を用いているが金属やセラミックスに対して耐熱、耐食、耐衝撃、耐摩耗性は大きいが、潤滑ができていないので摩耗や固着が生じシンクロール回転不良になる。また溶融亜鉛メッキのシールができていないので溶融亜鉛メッキの侵入が大きく摺動片の摩耗は小さくてもシンクロールの損耗が大きいので回転不良を防止できない。
特開2005−249768号広報「低融点溶融金属浴浸漬型の超音波測定装置」 特開2002−062282号広報「溶融金属用容器の欠陥部を測定する方法及び装置」 特開2000−239816号広報 特開2000−273600号広報 特開平8−13113号広報 特開2010−100441号広報「液体フラックスとその製造方法及び製造装置」 特開2011−088180号広報「溶接用フラックスと溶接方法」 特開2011−098367号広報「溶接肉盛り用フラックスと溶接肉盛り法」 特願2011−246251号広報 特開2010−165565号広報「液体フラックス」 特開2010−100441号広報「液体フラックス製造方法と製造装置」 特開2009−233741号広報「液体フラックス気化装置」 特願2012−011853号広報「TIG溶接による肉盛り方法」 特願2011−246151号広報「半自動溶接法」
亜鉛メッキ槽建造の合理化と寿命評価に関する研究、鈴木清著 鉄の薄板厚板がわかる本、新日本製鉄(株)、日本実業出版社 鉄の未来が見える本、新日本製鉄(株)、日本実業出版社 鉄と鉄鋼がわかる本、新日本製鉄(株)、日本実業出版社 分子間力と表面力、マグロウヒル出版社
クラックの発生しにくい亜鉛メッキ槽にするには下記の製作条件が必要である。(1)亜鉛メッキ槽に集中応力が掛からないようにする。(2)溶接は入熱の大きいCO2溶接やMAG溶接を採用し予熱、徐冷を確実に実行する。(3)シールドガス中に液体フラックスを気化した気体フラックスを最大5v%入れて、シールドガスと気体フラックスが混合した気化フラックスを生成し溶接部に吹き付けて溶接することにより溶接部の表面張力防止と酸化物の浮上を助ける溶接方法とする。(4)溶接面は確実な精錬をするためハロゲンガスによる精錬効果によりC、P、Sをさらに除去するために溶接面に直接塗布する液体フラックスが必要である。(5)亜鉛メッキ槽の側壁は上面、中面、下面、底面で最大100℃近い温度差になり、下面は引張り応力、上面は圧縮応力として働くためクリープ変形により経年劣化し最悪の場合は突然のクラックとなって溶融亜鉛が流出するような大事故が発生する。(6)減肉に関しては定期的に測定していれば傾向がつかめるが、クラックに関しては正確な兆候が把握しにくいため溶接部の突然のクラック拡大に対する予防保全的クッションカバーが必要である。(7)鉄亜鉛の浮上対策として底面より気化フラックスを微細泡と一緒に出すことで沈降が遅いならば浮かせて取る方法が効率的である。(8)気化フラックスが亜鉛メッキ槽の底部から吹き上がり鉄亜鉛を浮上させることが可能である。
以上の問題点を解決するための課題は以下である。(1)亜鉛メッキ槽の溶接を液体フラックスや気化フラックスを用いて行い溶接部の信頼性を向上する。(2)亜鉛メッキ槽の溶接部を伸縮自在な保護板で保護し溶接部の選択的な損耗やクラックを防止する。(3)亜鉛メッキ槽内のドロスを効率良く除去する。(4)ロール軸受の潤滑により軸受を寿命する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、鋼板溶接構造の亜鉛メッキ槽において、前記亜鉛メッキ槽の外側溶接線及び内側溶接線の長手方向に沿って、それぞれ前記外側溶接線と前記内側溶接線をシール板で囲んで空間を形成しかつ最上部を大気解放して前記シール板をシール溶接して取り付けてあり、前記シール板はその幅方向に対する熱膨張に対して伸縮可能であり、前記外側溶接線及び内側溶接線のそれぞれの交点における前記シール板はお互いにシール溶接で連結・連通した袋になっている亜鉛メッキ槽である。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記亜鉛メッキ槽に配設したシンクロールの軸受や前記亜鉛メッキ槽の底部に配設した複数の貫通孔を有するヘッダー管から気化フラックスを噴き出して、前記軸受の潤滑や溶融亜鉛の不純物を除去する亜鉛メッキ槽であって、前記気化フラックスは気化装置に充填した液体フラックスにイナートガスやエアを吹き込んで気化せしめて気体フラックスとし、該気体フラックスと前記イナートガスやエアを混合して前記気化フラックスにしたものである亜鉛メッキ槽である。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記亜鉛メッキ槽の製造方法において、溶接部にあらかじめ液体フラックスを塗布し、該液体フラックスを乾燥させてフラックス膜を形成せしめて溶接する方法と、前記液体フラックスを前記気化装置に充填し、該気化装置にシールドガスを吹き込んで前記液体フラックスを気化せしめて気体フラックスを生成し、該気体フラックスと前記シールドガスが混合した気化フラックスを生成せしめて、該気化フラックスを溶接トーチに導いて溶接する方法と、溶接ワイヤに前記液体フラックスを塗布して溶接する方法を組み合わせたものである亜鉛メッキ槽の製造方法である。
第1の手段による効果は以下である。(1)溶融亜鉛が漏れてもWクッションで受けることができるので亜鉛メッキ槽外への溶融亜鉛の流出を防止できる。(2)亜鉛メッキ槽の寿命を延長できることである。
第2の手段による効果は以下である。(1)ドロスを効果的に浮上させることができる。(2)ドロスを還元して亜鉛に戻すことができる。(3)亜鉛メッキ品質を向上できる。
第3の手段による効果は以下である。(1)溶接のビードの欠陥がない。(2)亜鉛メッキ槽内面側の溶接開先面積が小さいので損耗領域が狭くなり損耗の危険性が小さくなる。
は亜鉛メッキ槽の平面図で部分断面図である。 は亜鉛メッキ槽の正面図で底部を部分断面したものである。 は亜鉛メッキ槽の溶接部の部分拡大図である。 は亜鉛メッキ槽の正面図で横断面図である。 は亜鉛メッキ槽のシンクロールの軸受部の断面図である。 は亜鉛メッキ槽の溶接システム図である。
本発明の実施形態を請求項1〜請求項3及び図1、図2、図3、図4、図5、図6に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1及び図1、図2、図3、図4に示すように、鋼板溶接構造の亜鉛メッキ槽10において、前記亜鉛メッキ槽10の外側溶接線12a及び内側溶接線12bの長手方向に沿って、それぞれ前記外側溶接線12aと前記内側溶接線12bをシール板20、21で囲んで空間20a、21aを形成しかつ最上部20b、21bを大気解放して前記シール板20、21をシール溶接して取り付けてあり、前記シール板20、21はその幅方向に対する熱膨張に対して伸縮可能であり、前記外側溶接線12a及び内側溶接線12bのそれぞれの交点における前記シール板20、21はお互いにシール溶接で連結・連通した袋になっていることを特徴とする亜鉛メッキ槽10である。
図1や図2に示すように、亜鉛メッキ槽10は鋼板17(側板)を溶接した溶接構造物である。亜鉛メッキ槽の上部にはフランジ11が取り付けられ、サポート13により支持されている。図3に示すように、亜鉛メッキ槽10の外周部にはバーナ16が配設されており亜鉛メッキ槽内の温度を常時480±30℃に保持している。亜鉛メッキ槽10内には吊アーム31にてシンクロール30が保持されており、シンクロール30に支持されてメッキ鋼板14が通板される。亜鉛メッキ槽10の底部には溶融鉛15が敷設され鉄亜鉛などの不純物を補足する。
溶融亜鉛70の流出事故を防止するには亜鉛メッキ槽10を2重構造にするのが理想的であるが、亜鉛メッキ槽10を外側から加熱ができなくなる問題がある。そのため亜鉛メッキ槽10の溶接線12の両側にシール板20、21を溶接し、シール板20、21と鋼板17との間に空間20a、21aを形成して袋状にシール溶接し、しかも溶接の交点はシール板20、21同志をシール溶接して連結・連通することにより1本の袋にすることにより、溶接線12を破って流出した溶融亜鉛70を袋に一次的に留保できるようにする。内側溶接線12bのシール板21と外側溶接線12aのシール板20はそれぞれ互いに分離独立しているのはいうまでもない。シール板20、21の最上部20b、21bは大気に開放してありシール板20、21で形成した袋状の保護空間20a、21aに熱気がこもらないようにしている。又目視によりシール板20、21の底部20c、21cに漏えいした溶融亜鉛70の様子を目視できる。図4のように外側溶接線12aのシール板20の上にさらにシール板22を張り付けては2重にしてよい。内側のシール板20が破損しても外側のシール板22でバックアップ可能である。
操業中、亜鉛メッキ槽10は最大100℃前後の温度差が生じている。そのため上面は圧縮応力、下面は引張り応力である。温度差100℃の環境下では熱膨張差は8.5mm生じる。このようなストレスを連続的に数年間受けると経年的にクリープにより溶接線12(溶接部近辺を含む)の破断が発生する。溶融亜鉛70が流出するような事故が発生した場合は数億円規模の損害を被ることがある。亜鉛メッキ槽10の材質を極力純鉄に近い材質にするが母材と溶接棒の材質が異なるため溶接部の組織が微細組織となり溶融亜鉛70の浸食に対して好ましくない。亜鉛メッキ槽10の外側溶接線12aを保護するためSUS系材質のシール板20を設ける。亜鉛メッキ槽10の内側溶接線12bを保護するためSUS系材質のシール板21を設ける。亜鉛メッキ槽10の使用開始時点から溶接線を保護することで2〜3年に1回のシール板20、21交換で亜鉛メッキ槽10の寿命延長が可能となる。
亜鉛メッキ槽10の突発的な溶融亜鉛70の流出事故は殆ど溶接接合面の損耗やクラックが原因である。溶接線12からの溶融亜鉛70の流出を防止するために溶接線12に沿って亜鉛メッキ槽10の外側及び内側に亜鉛メッキ槽10の熱膨張を吸収できるようにシール板20、21を取り付ける。シール板20、21は溶接線12の幅方向の熱膨張を吸収するために波型(W型やU型などの伸縮性のある形状)のシール板20、21が望ましい。シール板20、21の厚みは5〜16mmがよい。5mmより薄いと熱容量が小さく大量の溶融亜鉛70が流出した際にクリープで破損して溶融亜鉛70を受け止めることができない可能性がある。16mmより厚いとシール板20、21の剛性が大きくなりシール板20、21の溶接部に亀裂が発生し亜鉛メッキ槽10を破損する可能性がある。シール板20、21の材質SUS304やSUS316Lなどのように耐熱性に優れたSUS系の材質が適している。シール板20、21と亜鉛メッキ槽10の間に熱電対23を取り付けて溶融亜鉛70が漏れ出た際の温度測定ができるようにしておく。熱電対23で急激な温度上昇を検知し警報を鳴らすシステム24を組みこむことで溶融亜鉛70のリークを知ることが可能となる。警報と同時にシール板20、21から外部に溶融亜鉛70が流出しないようにアクションをとることで長時間にわたる操業休止を回避できる。亜鉛メッキ槽10の外部に溶融亜鉛70が流出しないのでバーナ類16をはじめとする周辺機器も健全である。外側溶接線12aをシールしているシール板20は溶接線12が交差する部分でお互いにシール溶接しているので漏えいした溶融亜鉛70はシール板20と亜鉛メッキ槽10が構成する空間21aで構成する袋の中に閉じ込めることができる。内側溶接線12bはシール板21で保護されており溶融亜鉛70から隔離されることから溶融亜鉛70の浸食を受けることがないので内側溶接線12bの長寿命化を図ることができる。
SUS316Lの波型(W型、U型など)シール板20、21構造とすることで昼間と夜間の温度差±30℃による伸縮を吸収する構造とする。内側溶接線12bのシール板21により溶接線12bを溶融亜鉛70から遮断し亜鉛の含浸を防止し溶接線12bを守る構造とする。外側溶接線12aは同じく波型シール板20で100℃温度差による約8mmの伸縮を吸収する方式である。外側溶接線12aから亜鉛メッキ槽10の外側に漏れた溶融亜鉛70はシール板20と側板17で構成する空間20aで保留することができるので外部への流出を止めることが可能である。空間20aの中に温度計22を入れ連続的に温度監視することにより溶接線12の破断による溶融亜鉛70のリークをキャッチできることから迅速な対応が可能となる。
亜鉛メッキ槽10は通常の操業においては上面と下面で約100℃の温度差がある。一般の大型亜鉛メッキ槽10になると約1000トンの溶融亜鉛70にて亜鉛メッキ槽10の側板17は静圧を受けている。そのため下面は伸びによるふくらみと上面は圧縮により反りが発生し、その差は約8mmである。高温ストレスを数年間にわたり受け続けるため溶接線12が一番破断する危険性が高い。溶接開先形状はX開先とするが、図4のようにX開先率(a:b)は(1:9)〜(2:8)として極力亜鉛メッキ槽10の内面側溶接線12b幅を小さくとり亜鉛含浸を抑える。即ち開先の大きさは亜鉛メッキ槽内面側が10〜20%、亜鉛メッキ槽外面側が80〜90%の比率とする。さらに亜鉛メッキ槽10の内側には波型のシール板21を取り付ける。内側溶接線12bは溶接ビードが直接溶融亜鉛70に触れることを防止している。かつこれらのU型、W型などの波型形状のシール板20、21は約8mmの伸縮を吸収するため亜鉛メッキ槽10の長寿命化が図れる。
フランジ11は変形防止のため水冷にするのがよい。フランジ11の伸縮も途中2〜3か所に切り込クッションをいれることで逃げられる。仮に4000mmの槽とする。底面の伸び:11.7×10E−6×4000mm×480℃=22.5mm。中面の伸び:11.7×10E−6×4000mm×400℃=18.7mm。上面の伸び:11.7×10E−6×4000mm×300℃=14.0mm。最大伸び22.5mm−最小伸び14.0mm=8.5mmとなり、最大8.5mmの伸びを吸収できれば割れは発生しにくい。亜鉛メッキ槽10下部から上部に向けて曲がりが発生するがフランジ11に応力が伝わって、フランジ11が逆にそることで下面は伸びの引張り応力が働く。この繰り返しがクラックに成長する。上面は逆に縮みの圧縮応力である。そのため上面にエキスパンションが必要である。中間部は上にも下にも引っ張られることになる。そのため側板17に応力が残らない程度に15〜20%程度の補強で逃げることが可能である。
論文「亜鉛メッキ槽建造の合理化と寿命評価に関する研究」((株)ダイクレ、筆者鈴木清著)のデータによれば腐食量W(kg/m2)と浸漬時間t(s)には次のような関係がある。W=K√t。ここでK(kg/m2/sE0.5)は腐食速度定数で、最大腐食の場合4.09×10E−2、穏やかな腐食の場合2.30×10E−2である。例えば、K=2.30×10E−2とした場合の1年間当たりの腐食量Wは、W=2.3×E−2×√(365×24×60×60)=129kg/m2となる。K=4.09×10E−2とした場合のWは、W=4.09×10E−2√(365×24×60×60)=229kg/m2となる。即ち、年間129〜229kg/m2減肉する。腐食量129kg/m2の場合の損耗厚みh(減肉厚み)を計算すると、h=129×1000/(10000×7.85)=1.64cmとなる。腐食量229kg/m2より損耗厚みhを計算すると、h=229×1000/(10000×7.85)=2.91cmとなる。亜鉛メッキ槽専用鋼板を使用した場合の溶接部以外の年間損耗厚みh(cm/年)は、1.64〜2.91cm/年である。溶接部の損耗速度を鋼板の損耗速度並みに低減できれば、5年で最大14.55mm(2.91mm×5年=15.55mm)の損耗であり、厚み50mmの専用鋼板を使用すれば5年使用後も残存厚み35.45mmを確保できるので十分使用に耐えることができる。3年ごとにきちんと補修することにより6年寿命を達成可能である。
第2の解決手段は特許請求項2及び図2に示すように、前記亜鉛メッキ槽10に配設したシンクロール30の軸受32や前記亜鉛メッキ槽10の底部に配設した複数の貫通孔34aを有するヘッダー管34から前記気化フラックスを噴き出して、前記シンクロール軸受32の潤滑を行うとともに溶融亜鉛70中のドロス10aの還元、浮上、沈降を促進する亜鉛メッキ槽10である。
従来鉄亜鉛は溶融亜鉛70表面に浮上した物は塩化亜鉛(ZnCL)や塩化アンモニウム(NH4CL)などを散布フラックスとして溶融亜鉛70面に散布してドロス10aにして回収している。散布フラックスは溶融亜鉛70の表面に浮くだけであり溶融亜鉛70の内部まで浸透して鉄亜鉛を還元したり補足したりする機能は全く有していなかった。亜鉛メッキ槽10の内部で生成した鉄亜鉛などの不純物は、従来亜鉛メッキ槽10の底部に溶融敷設している鉛16の表面に針状に成長していた。このような堆積物は定期的に掻き板で一か所に掻き集めて除去している。一方溶融亜鉛70中に漂っている鉄亜鉛のような不純物は溶融亜鉛70とほぼ同じ比重のため沈降するにしても、浮上するにしてもいずれも動きが極めて遅く溶融亜鉛70中に長時間に渡って漂い留まり続けることからメッキ鋼板14などの製品に付着していろいろな製品欠陥の原因となっている。気化フラックスをシンクロール30の軸受32や亜鉛メッキ槽10の底部付近に配設したヘッダー管34の複数の貫通孔34aから0.8〜1.0MPaの圧力にて微細な気泡10bにして気化フラックスを噴き出すことにより対流効果とフラックス効果にて不純物を浮上させ液面の散布フラックスでキャッチし除去効率を向上させることが可能となった。メッキ鋼板14のシミとなる鉄亜鉛などの不純物を大幅に減少できた。
亜鉛メッキ槽10内にある気化フラックス加熱器35、36にて400±30℃に加熱された気化フラックスは亜鉛メッキ槽10の底面に配設したヘッダー管34とシンクロール軸受32から微細な泡となって噴出し亜鉛鉄を浮き上がらせる。亜鉛の比重は7.13に対して鉄亜鉛の比重は7.14であり比重差が小さいこと及び溶融亜鉛70の粘性が大きいことから浮上も沈降もしにくい問題がある。溶融亜鉛70は亜鉛メッキ槽10から溶出した鉄を含浸するため自然的に鉄亜鉛合金が溶融亜鉛70中を浮遊し、長時間にわたり残留するので製品のシミとなりやすい。これらの除去技術は480±30℃の中でデカンタの原理にて分離は可能でも装置の熱歪による連続運転は困難である。気化フラックス中の泡の中に閉じ込めて浮上させることは0.8〜1.0MPaの圧力だけでしかも400±30℃の気化フラックスの入った熱風浮上である。
液体フラックス41は特開2010−100441号広報「液体フラックスとその製造方法及び製造装置」に基づき生成することができる。気化装置40は特開2009−233741号広報「液体フラックス気化装置」にて製作することができる。気化装置40にはネオジ磁石42を配設している。ネオジ磁石42は気化フラックスを活性化し配管に析出しないようにする機能を有している。液体フラックス41は用途に応じて作り分ける必要がある。例えば、亜鉛メッキ槽10中の溶融亜鉛70に吹き込んで軸受32潤滑や鉄亜鉛などを浮上させるための気化フラックスの元となる液体フラックス41は、ホウフッ化アンモニウム(NH4BF4)、塩化アンモニウム(NH4CL)、尿素(CO(NH3))、ジエチルアミン塩酸塩((C2H5)NH・HCL)をメチルアルコール(エチルアルコールでもよい)とアセトンを溶媒として磁界をかけながら撹拌することで生成する。この液体フラックス41を気化装置40に充填し、N2、Arなどのイナーガスやエアを吹き込むと液体フラックス41は気化し気体フラックスとなる。この気体フラックスとN2、Ar、空気と混合したものが気化フラックとなる。液体フラックス41中に含まれるホウ素、塩素、アミノ基は鉄亜鉛などの不純物と接合しやすい性質があり、溶融亜鉛70中の不純物を補足して気泡10bとともに浮上させる効果がある。シンクロール軸受け32は480±30℃の高温であるためいかなる潤滑剤も従来適用困難であったが、気化フラックス中の溶媒であるエチルアルコールやアセトンに含有されている炭素はこの温度で炭化して個体潤滑剤となるので軸受潤滑が可能となる。また、気化フラックス中のホウ素はエア中の酸素と結合し酸化ホウ素となり軸受の潤滑性を向上させる。軸受32に吹き込んだ気化フラックスはスリーブ33に設けた溝33aを伝わって溶融亜鉛70に噴出される。気化フラックスは軸受32から噴出し溶融亜鉛70が軸受32に侵入するのを防止し、軸受32から噴出した気化フラックスは亜鉛メッキ槽10の溶融亜鉛70を撹拌しながら気泡10b状態で上昇する途中で鉄亜鉛などの不純物を浮かし、一部の不純物を亜鉛に還元し、不純物を気泡10bに補足しながら上昇する。従来長時間に渡り溶融亜鉛70中に漂い続けメッキ鋼板のシミになっていた鉄亜鉛などの不純物が激減し品質が大幅に向上した。
亜鉛メッキ槽10に浸漬するシンクロール30は上面より吊アーム31にて軸受32を通して保持されて480±30℃の溶融亜鉛70中で回転しているため軸受32は高温金属摩耗となる。シンクロール30のスリーブ33はステライト肉盛りもしくはセラミックス製のスリーブ33が一般的であり軸受32側は消耗品として一般の耐熱鋳鋼であり熱間摩耗対策が不十分なため定期的に交換する方式である。
シンクロールシャフト30aに嵌装したスリーブ33は母材SUS316LあるいはSUS316MOLの上にステライトの代用として安価な高温用耐摩耗性を有する溶接棒を使用してもよい。例えば次のような成分(wt%)を有する溶接棒を使用する。C:2.5〜2.8、Si:5.0〜5.5、Mn:2.0〜3.0、P:0.013以下、S:0.013以下、Cr:22.0〜23.0、Mo:0.5〜0.8、AL:0.1〜0.2、V:0.1〜0.3、Cu:0.2〜0.3、Nb:0.1〜0.3、Ti:0.05〜0.10、W:0.2〜0.3、Ni:7.0〜8.0、Fe:残り。Mo、AL、Nb、W、Vなどの炭化物及び酸化物などが個体潤滑剤となるためである。フラックスと一緒に入ってくる熱風は亜鉛メッキ槽10で最大400℃以上となったエアを混合している。そのため十分に酸化する。ステライトより多種の炭化物ができるためである。
相手の軸受32は熱押しシールドパイプ(深層石油パイプ13クロム系)の外径真円にするためラッパ管熱間ダイスとして使用されている合金を使用してもよい。その成分(wt%)例を示す。Ni:58〜60、Cr:23〜25、Fe:5、Nb:5〜6、Mo:2^3、W:1〜2、C:2〜3である。それぞれNbC、MoC、WC、CrC7などの炭化物を形成する。冷間硬度はHs50±5で、熱間硬度Hsは500℃でHs38±3を保持可能である。軸受32中に吹き込む熱風は溶融亜鉛70480±30℃のなかで酸化されて次のような反応を生じる。NbC+7/4O2→1/2Nb2O5+CO↑、NbC+9/4O2→1/2Nb2O5+CO2↑、MoC+7/4O2→1/2Mo2O5+CO↑、MoC+9/4O2→1/2Mo2O2+CO2↑、WC+7/4O2→1/2W2O2+CO↑、WC+9/4O2→1/2W2O2+CO2↑。NbCやMoCやWCはNb2O5やMo2O2やW2O2となる時体積が熱膨張で10倍以上に膨らむため軸受32の合金とスリーブ33の公差が小さくなりシール性能の向上に繋がる。液体フラックス41中に単独で10wt%のベンゼンスルホン酸(C12H25C6H4SO3H)を入れることでMoと反応して硫化モリブデン(MoS)を生成することも可能である。これらの試薬を溶かした液体フラックス41が熱風中に入ってシャフトスリーブ30aと軸受32を常に450℃以下に冷却するとともに個体潤滑剤との相乗効果で長寿命化を図った。
第3の解決手段は特許請求項3及び図6に示すように、前記亜鉛メッキ槽10の製造方法において、溶接部にあらかじめ液体フラックス41を塗布し、該液体フラックス41を乾燥させてフラックス膜を形成せしめて溶接する方法と、前記液体フラックス41を前記気化装置40に充填し、該気化装置40にシールドガスを吹き込んで前記液体フラックス41を気化せしめて気体フラックスを生成し、該気体フラックスと前記シールドガスが混合した気化フラックスを生成せしめて、該気化フラックスを溶接トーチ60に導いて溶接する方法と、溶接ワイヤ56に前記液体フラックス41を塗布して溶接する方法を組み合わせたものである亜鉛メッキ槽10の製造方法である。
特願2012−011853号広報「TIG溶接による肉盛り方法」と特願2011−246151号広報「半自動溶接法」に開示した発明により、溶接部にあらかじめ液体フラックス41を塗布し、該液体フラックス41を乾燥させてフラックス膜を形成せしめて溶接する方法及び前記液体フラックス41を前記気化装置40に充填し、該気化装置40にシールドガスを吹き込んで前記液体フラックス41を気化せしめて気体フラックスを生成し、該気体フラックスと前記シールドガスが混合した気化フラックスを生成せしめて、該気化フラックスを溶接トーチ60に導いて溶接する方法及び溶接ワイヤに前記液体フラックス41を塗布して溶接する方法を示している。
気化フラックスは気化装置40に充填した液体フラックス41にCO2やArやHeなどのイナートガスを単独もしくは任意に組み合わせたものを使用する。CO2やArやHeなどのイナートガスはタンク51、52、53から混合器50を経由して気化装置40に送り込まれる。溶接ワイヤコイル55から送り出されてくる溶接ワイヤ56には塗布器54にて液体フラックス41を塗布する。塗布器54は例えば特開 の発明を使用できる。液体フラックス41は溶接用に配合した成分構成のものを使用する。母材17(鋼板又は側板)にはあらかじめ液体フラックス41を手塗りで塗布し乾燥させておく。溶接トーチ60には電源盤61から電源が供給される。
亜鉛メッキ槽10は亜鉛を1000〜2000トンと大型になるほど溶接部分を減らし極力R曲げ構造とするのがよいが溶接部は必ず存在する。亜鉛メッキ槽10が溶融亜鉛70からの浸食を低減するために溶接棒中のC、Si、Mnなどを減らすと逆に鋼板耐力強度400N/mm2を保持することがぎりぎりの構造物となる。溶接棒はC、Si、Mn、P、Sの極力少ないものを採用することで溶接部の結晶粒を大きくするようにするのが望ましい。
純鉄に近い亜鉛メッキ槽専用鋼板を溶接組み立てるため、図3に示すように、亜鉛メッキ槽10の開先寸法はa:bが1:9から2:8の比率とする。亜鉛メッキ槽10の内側溶接線12bビード幅を小さくとり内側溶接線12bと溶融亜鉛70が接触する面積をできるだけ小さくするようにする。結晶粒の粗大化を図るため溶接法は大入熱の図れる分子ガスを使用する。Ar単体のアーク電圧を100%とするとCO2は約150%、Ar+CO2+Heは180%となる。100%Arではアーク電圧が上昇率一定のため、分子ガスであるCO2又はAr+CO2の混合ガスを使用する。分子ガスのCO2とArガスを混合することで高能率溶解となり急熱徐冷の溶接とすることができる。CO2溶接法やAr+CO2又はAr+CO2+Heの3種ガスを使用したMAG溶接法を採用することで急熱徐冷による結晶粗大溶接部とすることで480±30℃の高温クリープに耐えるようにする。溶接終了後、溶融金属温度をA3変態点から300℃まで超徐冷することでフェライト+パ−ライト+ベイナイトの混合組織とし結晶粒を大きくして引張り強度をアップさせる。4000℃のアーク熱にて溶解した溶融金属は1200℃近辺までオーステナイト組織を保持する。1200℃から急冷すればベイナイト+マルテンサイト範囲に入るため耐力はアップするも組織が密となるため硬く割れやすくなる。鉄の耐力は炭素量で決まる。従来の結晶粒微細化手段から全く反対の溶接法である。最終徐冷ビードを研削することなく凸面状を保持する。SUS系のシール板21で内側溶接線12bを保護し内側溶接線12bが直接溶融亜鉛70に接触して含浸しないようにする。外側溶接線12aはシール板20で保護して溶融亜鉛70の突発的な漏えいに対して溶融亜鉛70を保留できるようにする。シール板20、21を2〜3年周期で取り換えをすることで溶接ビードの経年劣化を防止する。
シールドガスを気化装置40中の液体フラックス41に通すことでシールドガス中にこれらのシールドガスに比例して約5v%の気化フラックスが発生しシールドガス中にこれらの気化フラックスが入ることで溶接中に連続的にフラックスの供給ができる。溶接用の液体フラックス41は例えば、特開2011−088180号広報や特開2011−098367号広報に従って生成する。溶接用液体フラックス41の主成分の有効温度範囲は、ホウフッ化ナトリウム(NaBF4):200〜640℃、ホウ酸(H3BO3):180〜800℃、ホウ砂(Na2B4O7・12H2O):741〜1575℃、フッ化ナトリウム(NaF):995〜1705℃である。鉄の融点は1535℃(純鉄)のためこれ以上の沸点を持てば十分フラックスの役目を果たす。この液体フラックスの化学成分(wt%)は例えば、Na:24.68、B:13.085、H:1.059、O:35.160、F:26.015である。Fのポーリング値は−4であり元素値で最大の電位を持つため精錬効果が非常に大きい。そのため不純物としてのC、P、Sなどの精錬除去効果を大きくするため5元素中最大量になるようにしている。この液体フラックス41はPH7である。
シールドガス中に約5v%の気化フラックスをシールドガス圧に比例して出すこと以外に溶接ワイヤ52に直接液体フラックス41を塗布する溶接法を採用した。この溶接方法は特願2011−246251号広報「半自動アーク溶接法」に開示した方法を採用した。アーク柱4000〜5000℃中に従来の溶接法は複合ワイヤであればフラックスの連続供給がなされるが亜鉛メッキ槽はソリッドMIG溶接ワイヤを使うためワイヤ細径φ1.0mm、φ1.2mm、φ1.6mmの外周は通電性と防錆のため銅メッキが施してある。この銅が溶融金属内に入ると結晶粒の粗大化というより析出硬化元素として作用するため100%除去したいところである。そのためワイヤ56に直接上記液体フラックス41を塗布することで溶接アーク中の直接精錬効果にて炭素、燐、サルファの他にCuの除去もするため溶接面が純鉄に近くなる。アーク柱の直接精錬はソリッドワイヤではフラックスを使用しないため従来のシールドガス溶接法では不可能である。シールドガス中の5v%の気化フラックスとワイヤ56への液体フラックス41塗布のダブル効果で純鉄に近い溶接金属を得ることが可能になった。
Ar+CO2又はAr+CO2+HeのようにArとCO2を主とした2種又は3種混合ガスを使って大電流溶解溶接法を採用することで高熱吸収による溶接面の結晶を粗大にするため予熱徐冷にて組み立てる。鋼板17(母材)側も溶接棒側もSi、Mnなどの脱酸剤が非常に少ないうえにシールドガスだけでは大気の100%シールド効果ができないため最大5%程度の酸化物は生れる。このような酸化物を溶接多層盛りの際浮かすことができず狭開先部にアーチ型で張り付くため全く酸化物を浮かすことができなくなる。結果的にシールドガスでは大熱量は達成できても酸化物の除去が困難である。そのためシールドガス中にガス圧に比例して液体フラックス41を気化せしめて最大5v%ほど混入した気化フラックスを溶接部に吹き付けながら溶接する。ホウフッ化ナトリウム(NaBF4)+ホウ酸(H3BO3)+ホウ砂(Na2B4O7・12H2O)+フッ化ナトリウム(NaF)の配合にてPH7の液体フラックス41がシールドガスと一緒に出ることで溶接面の表面張力を除去し酸化防止を図り溶解中に生まれるP、S、Cなどの化合物をスラグ状に浮かす働きがある。溶解中にこの強力な精錬効果を果たすのがハロゲン元素のフッ素である。アルコールやアセトン中に溶解した炭化水素は溶接トーチ60から出た瞬間燃焼するため溶接面に入り込む水素による害は全く心配しなくてよい。炭化水素ガスが燃焼することで溶接面の予熱にもなっている。
溶接用ソリッドワイヤ56は通電性を向上するための銅メッキが表面に施されている。ソリッドワイヤに液体フラックス41を塗布することで、アーク柱での精錬作用として液体フラックス41中のNa,F、Bがフラックスとして作用するため銅メッキ中の銅はテトラフルオロホウ酸銅(Cu(BF4)2)となり溶接ビード上にホウ酸ガラス状に取り込まれて浮き上がってくる。そのため銅メッキ中の銅元素はいわゆる析出硬化元素としては働かないため結晶粒の細粒化にはつながらない。液体フラックス41は特開2010−165565号広報や特開2010−100441号広報に記載の方法で製造する。例えば、H3BO3+NaB4O7・12H2O+NaF+NaBF4を、アルコールを溶媒として磁界を掛けながら撹拌することにより製造した液体フラックスを使用できる。MAG溶接はAr:80%とCO2:20%のシールドガスのため高アンペアとなり急熱多量肉盛りが可能なため大熱量入熱となるため結晶粒の粗大化になる。そのため800〜300℃間を超徐冷することでフェライト+パーライト+ベイナイトの3種組織となる。
シールドガスだけでは脱酸作用が弱いため特開2011−088180号広報「溶接用フラックスと溶接法」、特開2011−098367号広報「溶接肉盛り用フラックスと溶接肉盛り法」のように直接ソリッドワイヤ56に液体フラックス41を塗布して溶接アーク柱での溶解精錬をすることで、不純物のP、S、Cなどの化合物を作りわずかな水分を巻き込んでリン酸2水素ナトリウム(NaH2PO4)となる。又液体フラックスは硫化鉄(FeS)ワイヤの表面に通電性を良くするために施した銅メッキ中の銅を硫酸銅(CuSO4)やホウフッ化銅(CuBF4)として浮かす働きをする。
液体フラックス41中にハロゲン元素のF、CL、Brなどを入れることでアーク精錬効果を目的としC、P、Sを除去する溶接法にて純鉄に近づける亜鉛メッキ槽10を作るためには液体フラックス41をワイヤφ1.2〜1.6mm全面に薄く塗布する特開2011−088180号広報や特開2011−098367号広報の技術を応用する。従来の複合ワイヤ56はシールドガス発生剤と微元素を含むためφ1.2mmやφ1.6mmの断面には最大20wt%がぎりぎりである。この断面積に全てC、P、Sを除去する力はない。そのためシールドガス中にもワイヤ56にも塗布して、ダブル効果で不純物をガラス状のフラックス中に閉じ込めて浮かすことが可能となった。本発明者は亜鉛メッキ槽10の溶接において、亜鉛メッキ槽10専用の鋼板と純鉄に近い芯線を用い、シールドガスに気体フラックスを混入した気化フラックス溶接部に吹き付けながら溶接することで溶接部の損耗を鋼板部と同様レベルにすることを具現化した。
「亜鉛メッキ槽建造の合理化と寿命評価に関する研究」(鈴木清著)によれば、亜鉛メッキ槽は純鉄が最適といわれている。そのため極力C、Si、Mn、P、Sの少ない材質を採用し溶接棒も同様にこれらの含有量の極力少ない純鉄に近いものを採用するべきである。溶接においては大気シールと同時に脱酸剤が必要である。そのためにはSi、Mnは低コストで脱酸できることから必須の元素である。亜鉛メッキ槽10の溶接では大入熱の溶接方法を採用しかつ結晶粗大化が480±30℃近辺になるように制御することにより高温クリープに対する熱疲労にも強くなる。高温高圧用圧力容器の溶接方法とは全く異なった製作方法である。480±30℃に3年以上保持されて1000トン以上の溶融亜鉛70と鉛で満ちた亜鉛メッキ槽10の底面や側面には1000トンの静圧がかかる容器である。高張力を出すためには特殊元素により結晶の微細化をはかり耐力アップするのが通常の考えかたである。高張力の不足分を補うために迂闊に補強リブなどを入れると伸びと縮みの差にてストレスが発生しそこからクラックが始まることからリブによる補強は避けるべきである。
(実施例1)現在主力となっている自動車鋼板は鋼板の上に亜鉛メッキ槽10内にて亜鉛メッキ後はクロム酸中を通して六価クロムを含まないクロメート処理される。自己補修が可能なためでありイオン化率から鉄をゼロとすると(鉄を基準にすると)亜鉛は−2のため亜鉛の犠牲イオンで鉄板を守る。この亜鉛メッキを左右するのはシミとなる鉄亜鉛の付着防止技術である。液体フラックス41の主成分の機能は以下である。(1)ホウフッ化アンモニウム(NH4BF4)は230℃にて溶解し650℃にて気体となる。表面張力除去と清浄効果を目的とするため配合比20〜40%となる。(2)塩化アンモニウム(ZnCL2)は313℃にて溶解し732℃にて気体となる。表面張力除去と清浄効果を目的とするため配合比10〜20%となる。(3)尿素(CO(NH2)2)は132℃にて溶解し350℃にて気体となる。難溶融金属の炭化物潤滑剤の成長を助けCO↑ガスとして逃がす働きをする。気化したガスは鉄亜鉛を浮上させる。配合比20〜30%とする。(4)ジエチルアミン塩酸塩((C2H3)2NH・HCL)は226℃にて溶解し330℃にて気体となり表面張力除去と清浄効果を目的とするため配合比5〜10%とする。(5)メチルアルコール(CH3OH)は溶媒として全体の90%溶液として入っていて熱風で燃焼し炭素となるため個体潤滑の役割も果たす。これらの気化したガスが溶解亜鉛鉄と結びついて確実に浮上させて鉄亜鉛を除去浮上させる。
(実施例2)浸漬ロールシャフトスリーブ側は、Ni:56〜60%、Cr:23〜25%、Fe:5%、Nb:5〜6%、Mo:2〜3%、W:1〜2%、C:2〜3%とし各種炭化物NbC、MoC、WCを作り熱風中の酸素にて酸化させて1/2Nb2O5、1/2Mo2O5,1/2W2O2の酸化物を固体潤滑剤とする。軸受32側はNi:45%、Cr:30%、Fe:12〜15%、Nb:5〜6%、Mo:2〜3%、W:2〜3%、C:1.5〜2%とし鋳造時の硬度差Hs5として軸受32側を軟らかめにする。軸受32側もスリーブ側も回収、再鋳造が可能なため従来の1/3のコストである。ロールスリーブ側に6〜8等分のスパイラル溝が鋳造の際鋳抜きされているため気化フラックスの主として鉄亜鉛浮上用気化フラックスがこの溝を通して溶融亜鉛70中を上昇することで比重差0.1の鉄亜鉛を浮上させる。気化フラックス中の炭化水素は400℃の熱風のためスリーブ近くで炭化し炭素となりこれまた固体潤滑の役目を果たす。
(実施例3)亜鉛メッキ槽10の鋼板17は極力純鉄に近いほどよいがアーク溶接精錬中に不純物となるC、Si、Mn、P、Sなどを燃焼又は酸化除去又は脱硫、脱リンを従来の溶接法より多くすることである。MAG溶接シールドガス、Ar+CO2、Ar+CO2+Heなどの2〜3種混合ガス中の気化フラックスをガス圧に比例して5%程度混合することでアーク精錬効果を出す。電離イオンとして最大効果のでるフッ素(陰性度4)、ナトリウム(陰性度0.9)、ボロン(陰性度2.0)、水素(陰性度2.1)、酸素(陰性度3.5)は単体ガスとしてはイオン電位が高く溶解中の活性化が高いため従来アーク柱では除去困難なP、Sに対する効果が高い。フッ化ナトリウム(NaF)、テトラフルオロホウ酸ナトリウム(NaBF4)、ホウ酸(H3BO3)、ホウ砂(Na2B4O7・10H2)などで主としてMAG溶接用として開発した。Na:24.680%、B:13.085%、H:1.059%、O:35.160%、F:26.015%でありホウ酸ガラス(B2O3+α)中のスラグにこれらの5元素の混じった化合物が閉じ込められて浮上して張り付く。同じくこの液体フラックス41をMIG溶接ワイヤ側に塗布することで確実にアーク精錬が可能となり従来にない脱硫、脱リン効果が得られた。
10:亜鉛メッキ槽
10a:ドロス
10b:気泡10b
11:フランジ
12:溶接線
12a:外側溶接線
12b:内側溶接線
13:サポート
14:メッキ鋼板
15:溶融鉛
16:バーナ類
17:鋼板(側板)
20:シール板
20a:保護空間
20b:シール板最上部
20c:シール板底部
21:シール板
21a:保護空間
21b:シール板最上部
21c:シール板底部
22:シール板
23:熱電対
24:警報システム
30:シンクロール
30a:シンクロールシャフト
31:吊アーム
32:軸受
33:スリーブ
33a:溝
34:ヘッダー管
34a:貫通孔
35:加熱器
36:フレホース
40:気化装置
41:液体フラックス
42:ネオジ磁石
50:混合器
51:タンク
52:タンク
53:タンク
54:塗布器
55:溶接ワイヤコイル
56:ワイヤ
60:溶接トーチ
70:溶融亜鉛

Claims (3)

  1. 鋼板溶接構造の溶融亜鉛メッキ槽において、前記溶融亜鉛メッキ槽の外側溶接線及び内側溶接線の長手方向に沿って、それぞれ前記外側溶接線と前記内側溶接線をシール板で囲んで空間を形成しかつ最上部を大気解放して前記シール板をシール溶接して取り付けてあり、前記シール板はその幅方向に対する熱膨張に対して伸縮可能であり、前記外側溶接線及び内側溶接線のそれぞれの交点における前記シール板はお互いにシール溶接で連結・連通した袋になっていることを特徴とする亜鉛メッキ槽。
  2. 前記溶融亜鉛メッキ槽に配設したシンクロールの軸受や前記溶融亜鉛メッキ槽の底部に配設した複数の貫通孔を有するヘッダー管から気化フラックスを噴き出して、前記軸受の潤滑や溶融亜鉛の不純物を除去する亜鉛メッキ槽であって、前記気化フラックスは気化装置に充填した液体フラックスにイナートガスやエアを吹き込んで気化せしめて気体フラックスとし、該気体フラックスと前記イナートガスやエアを混合して前記気化フラックスにしたものであることを特徴とする請求項1記載の亜鉛メッキ槽。
  3. 前記溶融亜鉛メッキ槽の製造方法において、溶接部にあらかじめ液体フラックスを塗布し、該液体フラックスを乾燥させてフラックス膜を形成せしめて溶接する方法と、前記液体フラックスを前記気化装置に充填し、該気化装置にシールドガスを吹き込んで前記液体フラックスを気化せしめて気体フラックスを生成し、該気体フラックスと前記シールドガスが混合した気化フラックスを生成せしめて、該気化フラックスを溶接トーチに導いて溶接する方法と、溶接ワイヤに前記液体フラックスを塗布して溶接する方法を組み合わせたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の亜鉛メッキ槽の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6065997B1 (ja) * 2016-02-17 2017-01-25 学校法人同志社 溶融亜鉛めっき用無煙フラックス及びそのフラックスを用いた溶融亜鉛めっき方法
CN107557708A (zh) * 2017-10-13 2018-01-09 徐州瑞马科宝自动化技术有限公司 一种闭环热镀锌生产线及控制方法
CN110983226A (zh) * 2019-12-30 2020-04-10 南京通用化工设备技术研究院 一种实验室用热浸镀装置

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