JP2013184851A - セメントクリンカーの製造方法、放射性セシウムの回収方法 - Google Patents

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【課題】 放射性セシウムを含有する廃棄物等をセメント原料として有効利用することができると共に、放射性セシウムを効率的に回収することができるセメントクリンカーの製造方法および放射性セシウムの回収方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 セメント原料をキルン内で焼成してセメントクリンカーを形成すると共に、キルンから排出されるキルン排ガスからダストを分離し、該ダストをセメント原料としてキルン内に供給するセメントクリンカーの製造方法であって、
前記ダスト中の放射性セシウムの含有量を測定し、測定結果に基づいて、キルン内に供給するダストの供給量を調整することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、セメントクリンカーの製造方法、および、セメントクリンカーの製造工程から放射性セシウムを回収する方法に関する。
セメントクリンカーは、石灰石、粘土、珪石等のセメント原料がキルン内で焼成されることによって製造されている。斯かるセメントクリンカーの製造においては、キルンから排出されるキルン排ガス中のダストもセメント原料として利用される。例えば、プレヒーターから排出されるキルン排ガスから集塵設備によって分離されたダストや、キルンとプレヒーターとの間に設けられた脱塩バイパス設備によってキルン排ガスから分離されたバイパスダストがキルン内に返送されてセメント原料として利用されている(特許文献1参照)。
特開2011−84425号公報
ところで、近年、原子力発電所の周辺においては、放射性セシウムを含有する廃棄物や副産物(以下、Cs含有物とも記す)が大量に発生する可能性がある。このため、Cs含有物を有効利用すると共に、放射性セシウムを効率的に回収することが求められている。セメントクリンカーの製造においては、Cs含有物をセメント原料や燃料として利用することが検討されている。
しかしながら、このようなCs含有物をセメント原料等として用いた場合、放射性セシウムがキルン内で加熱されて気化するため、キルン排ガス中には、放射性セシウムが含有されることになる。そして、斯かるキルン排ガスは、キルンから排出された後、温度低下することになる。この際、キルン排ガス中の放射性セシウムは、気化した状態からダストに析出(付着)することになる。
このような放射性セシウムを含有するダストが、上述のようにセメント原料としてキルン内に返送されると、放射性セシウムがダストから揮発し、キルン排ガスに再度含有されることになる。このため、セメントクリンカーの製造を継続的に行うと、キルン排ガス中の放射性セシウムの含有量が経時的に増加し、これに伴って、キルンに返送されるダスト中の放射性セシウムの含有量も経時的に増加することになる。
このように、キルン排ガスやダスト中の放射性セシウムの含有量が増加すると、製造されたセメントクリンカーに放射性セシウムが含有されてしまう虞があり、Cs含有物をセメント原料等として利用することは、困難となる。また、ダストに付着した放射性セシウムは、ダストと共にキルン内に返送されるため、放射性セシウムを効率的に回収することが困難となっている。
そこで、本発明は、放射性セシウムを含有する廃棄物等をセメント原料として有効利用することができると共に、放射性セシウムを効率的に回収することができるセメントクリンカーの製造方法および放射性セシウムの回収方法を提供することを課題とする。
本発明に係るセメントクリンカーの製造方法は、セメント原料をキルン内で焼成してセメントクリンカーを形成すると共に、キルンから排出されるキルン排ガスからダストを分離し、該ダストをセメント原料としてキルン内に供給するセメントクリンカーの製造方法であって、前記ダスト中の放射性セシウムの含有量を測定し、測定結果に基づいて、キルン内に供給するダストの供給量を調整することを特徴とする。
斯かる方法によれば、ダスト中の放射性セシウムの含有量の測定結果に基づいて、セメント原料としてのダストの供給量を調整することで、形成されたセメントクリンカーに放射性セシウムが含有されない程度に、セメント原料としてダストを使用し続けることができる。例えば、セメントクリンカーの製造を継続的に行った場合、上述のように、ダスト中の放射性セシウムの含有量が増加することになる。
しかしながら、放射性セシウムの含有量の増加量に応じて、セメント原料としてキルン内に供給するダストの供給量を減少させることで、キルン内に供給される放射性セシウムの量をセメントクリンカーに放射性セシウムが含有されない程度に維持することができる。つまり、セメントクリンカーに放射性セシウムが含有されない状態を維持しつつ、ダストをセメント原料として使用し続けることができるため、Cs含有物をセメント原料等として有効利用することができる。
セメント原料としてのダストの供給量の調整は、ダスト中の放射性セシウムの含有量が所定値を超えたときに、ダストを回収することによって行われることが好ましい。
斯かる方法によれば、ダスト中の放射性セシウムの含有量は、所定値を超えるまで増加することになる。つまり、放射性セシウムの含有量が所定値を超えるまで、放射性セシウムをダストに蓄積させることができる。このため、斯かるダストを回収することで、放射性セシウムを効率的に回収することができる。
セメント原料としてのダストの供給量の調整は、電気集塵機、又は、バグフィルターの何れか一つ又は両方によってキルン排ガスから分離されたダストに対して行われることが好ましい。
斯かる方法によれば、電気集塵機、又は、バグフィルターの何れか一つ又は両方によってキルン排ガスから分離されるダスト(以下、EP・Bagダストとも記す)は、一般的に、比較的細かい粒子からなるものであるため、表面積が大きい。よって、EP・Bagダストには、放射性セシウムが付着し易くなっている。このため、セメント原料としてのダストの供給量の調整がEP・Bagダストに対して行われることで、キルンに供給される放射性セシウムの量を効果的に調整することができる。また、EP・Bagダストを回収することによってセメント原料としてのダストの供給量が調整される場合、EP・Bagダストには放射性セシウムが付着し易くなっているため、EP・Bagダストを回収することで、放射性セシウムを効率的に回収することができる。
本発明に係る放射性セシウムの回収方法は、セメント原料をキルン内で焼成してセメントクリンカーを形成すると共に、キルンから排出されるキルン排ガスからダストを分離し、該ダストをセメント原料としてキルン内に供給するセメントクリンカーの製造工程から放射性セシウムを回収する放射性セシウムの回収方法であって、前記ダスト中の放射性セシウムの含有量を測定し、含有量が所定値を超えたときに、該ダストを回収することを特徴とする。
斯かる方法によれば、ダスト中の放射性セシウムの含有量が所定値を超えるまでは、ダストをセメント原料として使用し続けることができる。このため、セメント原料等としてCs含有物を有効利用することができる。また、ダスト中の放射性セシウムの含有量が所定値を超えるまでは、ダスト中の放射性セシウムの含有量が増加することになる。つまり、放射性セシウムの含有量が所定値を超えるまで、放射性セシウムをダストに蓄積させることができる。このため、該ダストを回収することで、放射性セシウムを効率的に回収することができる。
前記ダストの回収は、電気集塵機、又は、バグフィルターの何れか一つ又は両方によってキルン排ガスから分離されたダストに対して行われることが好ましい。
斯かる方法によれば、EP・Bagダストは、一般的に、比較的細かい粒子からなるものであるため、表面積が大きい。よって、EP・Bagダストには、放射性セシウムが付着し易くなっている。このため、ダストの回収がEP・Bagダストに対して行われることで、より多くの放射性セシウムを効率的に回収することができる。
以上のように、本発明によれば、放射性セシウムを含有する廃棄物等をセメント原料として有効利用することができると共に、放射性セシウムを効率的に回収することができるができる。
本実施形態に係るセメントクリンカーの製造方法および放射性セシウムの回収方法で使用されるセメントクリンカーの製造設備の概略を示したブロック図。
以下、本発明の実施形態について図1を参照しながら説明する。
本発明に係るセメントクリンカーの製造方法(以下、製造方法と記す)および放射性セシウムの回収方法(以下、回収方法と記す)は、セメントクリンカーを製造する際に用いるセメント原料や燃料として、放射性セシウムを含有する原料、燃料、又は、廃棄物等(以下、Cs含有物とも記す)を利用するものである。Cs含有物としては、特に限定されるものではなく、放射性セシウムを含有する土壌、汚泥、木材やプラスチック類等の瓦礫類が挙げられる。放射性セシウムとしては、質量数が134のもの、または、137のものが挙げられる。また、セメント原料としては、特に限定されるものではなく、一般的なセメントを製造する際に用いられる原料を用いることができる。例えば、石灰石、粘土、珪石等をセメント原料として用いることができる。
Cs含有物中の放射性セシウムは、加熱されることによって揮発し、温度低下によって析出するものである。放射性セシウムの斯かる性質については、以下の方法で確認された。具体的には、1000℃で仮焼したセメント原料に放射性セシウムと略同一の性状を有する塩化セシウムを100ppm添加し、均一に混合した。得られる混合物の所定量を2つ白金容器に採取し、一方には蓋をして密閉し、他方には蓋をせずに開放状態にした。そして、2つの容器を1450℃で30分加熱して混合物を焼成した後、室温まで急冷した。その後、焼成された各混合物に対して、ICP−MSを用いてセシウム濃度の測定を行った。測定結果では、密閉した容器では、セシウム濃度が50ppmであるのに対し、開放状態の容器では、1ppm以下であった。これにより、放射性セシウムは、加熱することで揮発し、温度低下によって析出することが認められた。
本発明に係るセメントクリンカーの製造方法および放射性セシウムの回収方法では、一般的なセメントクリンカーの製造設備を用いることができる。例えば、図1に示すように、製造設備1としては、セメント原料を焼成してセメントクリンカーを形成するキルン2と、該キルン2に供給される前のセメント原料を予備加熱する予備加熱設備3と、該予備加熱設備3に供給されるセメント原料を貯蔵する貯蔵設備4と、キルン2から排出されるキルン排ガスからダストを分離する集塵設備5と、セメント原料を供給する原料供給設備6とを備えたものが挙げられる。
前記キルン2としては、特に限定されるものではなく、例えば、乾式キルン、湿式キルン、レポール式キルン、SP式キルン、NSP式キルン、流動床キルン等を用いることができる。前記予備加熱設備3としては、セメント原料を予備加熱するプレヒーター3aと、予備加熱されたセメント原料の仮焼を行う仮焼炉3bとを備えるものを用いることができる。また、集塵設備5としては、粒径の比較的大きいダストをキルン排ガスから分離する沈降室5aと、粒径の比較的小さいダストをキルン排ガスから分離する電気集塵機5b及びバグフィルター5cと、該電気集塵機5bに供給されるキルン排ガスの温度調整を行うスタビライザー5dとを備えたものを用いることができる。
上記のような製造設備1では、キルン排ガスは、キルン2から排出された後、予備加熱設備3(仮焼炉3bおよびプレヒーター3a)を通過することで、セメント原料と熱交換して温度低下する。予備加熱設備3から排出されたキルン排ガスの温度としては、特に限定されるものではなく、例えば、750℃以上850℃以下であることが好ましい。
予備加熱設備3(具体的には、プレヒーター3a)から排出されたキルン排ガスは、集塵設備5へ送られる。集塵設備5(本実施形態では、沈降室5a)に送られる直前のキルン排ガスの温度としては、特に限定されるものではないが、400℃以下であることが好ましく、350℃以下であることがより好ましい。
集塵設備5に送られたキルン排ガスは、初めに沈降室5aに供給される。該沈降室5aでは、比較的大きい粒径のダストがキルン排ガスから分離される。具体的には、沈降室5aでは、レーザー回析式粒度分布計で測定される粒径が0.5mm以上のダストがキルン排ガスから分離されることが好ましく、粒径が0.1mm以上のダストがキルン排ガスから分離されることがより好ましい。
沈降室5aから排出されたキルン排ガスは、スタビライザー5dを通過することで温度調整された後、電気集塵機5bに送られ、更に、バグフィルター5cに送られる。電気集塵機5bに送られる直前のキルン排ガスの温度としては、特に限定されるものではないが、260℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましい。また、電気集塵機5bに送られる直前のキルン排ガスの温度としては、50℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。
電気集塵機5b、及び、バグフィルター5cでは、比較的小さい粒径のダストがキルン排ガスから分離される。具体的には、電気集塵機5bでは、レーザー回析式粒度分布計で測定される粒径が100μm以上のダストがキルン排ガスから分離されることが好ましく、1μm以上のダストがキルン排ガスから分離されることがより好ましい。また、バグフィルター5cでは、粒径が10μm以上のダストがキルン排ガスから分離されることが好ましく、0.1μm以上のダストがキルン排ガスから分離されることがより好ましい。
集塵設備5(具体的には、沈降室5a、電気集塵機5b、バグフィルター5c、及び、スタビライザー5d)で分離されたダストは、貯蔵設備4に送られて貯蔵される。該ダストは、原料供給設備6から貯蔵設備4に供給されたセメント原料と共に、セメント原料としてキルン2(具体的には、予備加熱設備3に供給された後でキルン2)に供給される。つまり、キルン排ガス中のダストは、キルン2から排出された後、セメント原料としてキルン2へ返送される。つまり、本発明に係るセメントクリンカーの製造方法および放射性セシウムの回収方法では、キルン排ガス中のダストもセメント原料として使用される。
集塵設備5でダストが分離されたキルン排ガスは、煙突等の排気設備(図示せず)によって製造設備1の外に排出されたり、一部が原料供給設備6に送られて、セメント原料を乾燥させるために利用されたりしてもよい。
上記のような製造設備1においてセメントクリンカーを製造する際に、セメント原料や燃料としてCs含有物を使用すると、セメント原料として返送されるダストに放射性セシウムが含有される。具体的には、Cs含有物が使用されると、キルン2内で放射性セシウムが気化し、キルン排ガスの成分としてキルン2から排出される。キルン排ガスは、集塵設備5から排出されるまでの経路で温度低下することになる。そして、斯かる温度低下に伴って、揮発していた放射性セシウムがキルン排ガス中のダストに析出(付着)する。このため、セメント原料としてキルンに供給されるダストには、放射性セシウムが含有されることになる。
本発明に係るセメントクリンカーの製造方法および放射性セシウムの回収方法では、前記ダスト中の放射性セシウムの含有量が測定される。放射性セシウムの含有量の測定は、予備加熱設備3(具体的には、プレヒーター3a)に返送される前のダストに対して行われることが好ましい。例えば、集塵設備5でキルン排ガスから分離されたダストに対して放射性セシウムの含有量の測定が行われることが好ましい。特に、沈降室5a、電気集塵機5b、バグフィルター5cの少なくとも一つで分離されたダストに対して放射性セシウムの含有量の測定が行われることが好ましい。
特に、電気集塵機5bやバグフィルター5cで分離されるダスト(以下、EPダスト・Bagダストとも記す)は、比較的粒径が小さいため、表面積が大きい。このため、放射性セシウムが付着し易くなっており、放射性セシウムの測定を高濃度で行うことが可能となり、測定の制度を良好にすることができる。放射性セシウムの含有量の測定の対象となるダストの粒径としては、レーザー回析式粒度分布計で測定される粒径が0.5mm以下であることが好ましく、0.1mm以下であることがより好ましい。
ここで、上述のように、キルン排ガスから分離されたダストには、放射性セシウムが含有されている。このため、斯かるダストがセメント原料としてキルン2に供給されると、キルン2内で放射性セシウムが再び気化することになる。そして、ダストから揮発した放射性セシウムと、セメント原料として使用されたCs含有物から揮発した放射性セシウムとがキルン排ガスの成分としてキルン2から排出されることになる。このため、セメントクリンカーの製造を継続的に行うと、キルン排ガス中の放射性セシウムの含有量が増加することになる。そして、キルン排ガス中の放射性セシウムは、上述のように、キルン排ガスの温度低下に伴って、ダストに析出(付着)することになる。このため、キルン排ガス中の放射性セシウムの含有量が経時的に増加すると、キルン排ガスから分離されたダスト中の放射性セシウムの含有量も経時的に増加することになる。
このため、本発明に係るセメントクリンカーの製造方法および放射性セシウムの回収方法では、ダスト中の放射性セシウムの含有量の測定結果に基づいて、セメント原料としてのキルン内に供給されるダストの供給量が調整される。具体的には、上述のように、ダスト中の放射性セシウムの含有量は、セメントクリンカーの継続的な製造によって増加することになる。このため、放射性セシウムの含有量の増加量に応じて、セメント原料としてのダストの供給量を減少させることで、キルン2内に供給される放射性セシウムの量をセメントクリンカーに放射性セシウムが含有されない程度に維持することができる。つまり、セメントクリンカーに放射性セシウムが含有されない状態を維持しつつ、ダストをセメント原料として使用し続けることができる。
セメント原料としてのダストの供給量の調整は、比較的粒径が小さいダストに対して行われることが好ましい。比較的粒径が小さいダストは、表面積が大きいため、放射性セシウムが付着し易い。このため、斯かるダストは、放射性セシウムを高濃度で含有しており、斯かるダストの供給量を調整することで、キルン2内に返送供給される放射性セシウムの量を効率的に調整することができる。供給量の調整を行うダストとしては、レーザー回析式粒度分布計で測定される粒径が0.5mm以下であるものが好ましく、粒径が0.1mm以下であるものがより好ましい。
また、ダストの供給量の調整は、キルン排ガスから分離されたダスト、具体的には、沈降室5a、電気集塵機5b、バグフィルター5cの少なくとも一つによってキルン排ガスから分離されたダスト(沈降ダスト・EPダスト・Bagダスト)に対して行われることが好ましい。特に、EPダスト・Bagダストは、比較的粒径が小さく、表面積が大きいため、放射性セシウムが付着し易い。このため、斯かるダストは、放射性セシウムを高濃度で含有しており、斯かるダストの供給量を調整することで、キルン2内に返送供給される放射性セシウムの量を効率的に調整することができる。
なお、本実施形態では、製造設備1は、ダスト中の放射性セシウムの含有量を測定する測定装置A1を更に備えている。測定装置A1は、分離されたダストが載置されるサンプル座A2と、貯蔵設備4へのダストの供給量を調整する供給量調整手段A3を備えている。そして、サンプル座上のダストに対して放射性セシウムの含有量の測定が行われるように構成されている。測定装置A1は、沈降室5a、電気集塵機5b、バグフィルター5c,原料供給設備6のそれぞれに連結されている。
また、キルン内へのダストの供給量の調整は、ダスト中の放射性セシウムの含有量が所定値を超えたときに、ダストを回収することによって行われるようにしてもよい。これにより、ダスト中の放射性セシウムの含有量は、所定値を超えるまで増加することになる。つまり、放射性セシウムがダストに蓄積されることになるため、該ダストを回収することで、放射性セシウムが効率的に回収される。回収するダストとしては、特に限定されるものではなく、例えば、沈降室5a、電気集塵機5b、バグフィルター5c、及び/又は、スタビライザー5dで分離されるダスト、脱塩バイパスで発生するダスト等が挙げられる。特に、電気集塵機5b、又は、バグフィルター5cの何れか一つ又は両方によって分離されるダスト(EPダスト・Bagダスト)は、比較的粒径が小さく、表面積が大きいため、放射性セシウムが付着し易い。このため、斯かるダストは、放射性セシウムを高濃度で含有しており、EPダスト・Bagダストを回収することで、放射性セシウムを効率的に回収することができる。
以上のように、本発明に係るセメントクリンカーの製造方法および放射性セシウムの回収方法によれば、放射性セシウムを含有する廃棄物等をセメント原料として有効利用することができると共に、放射性セシウムを効率的に回収することができる。
即ち、本発明に係るセメントクリンカーの製造方法および放射性セシウムの回収方法によれば、ダスト中の放射性セシウムの含有量の測定結果に基づいて、セメント原料としてのダストの供給量を調整することで、形成されたセメントクリンカーに放射性セシウムが含有されない程度に、セメント原料としてダストを使用し続けることができる。
例えば、セメントクリンカーの製造を継続的に行った場合、上述のように、ダスト中の放射性セシウムの含有量が増加することになる。しかしながら、放射性セシウムの含有量の増加量に応じて、セメント原料としてキルン内に供給するダストの供給量を減少させることで、キルン内に供給される放射性セシウムの量をセメントクリンカーに放射性セシウムが含有されない程度に維持することができる。つまり、セメントクリンカーに放射性セシウムが含有されない状態を維持しつつ、ダストをセメント原料として使用し続けることができるため、Cs含有物をセメント原料等として有効利用することができる。
また、放射性セシウムの含有量が所定値を超えたときに、ダストを回収することで、放射性セシウムを効率的に回収することができる。
また、EP・Bagダストには、放射性セシウムが付着し易くなっているため、セメント原料としてのダストの供給量の調整がEP・Bagダストに対して行われることで、キルン2に供給される放射性セシウムの量を効果的に調整することができる。
また、EP・Bagダストを回収することによってキルン2へ供給されるダストの供給量が調整される場合、EP・Bagダストには放射性セシウムが付着し易くなっているため、EP・Bagダストを回収することで、放射性セシウムを効率的に回収することができる。
なお、本発明に係る充填材の供給方法、及び、省力化軌道の補修方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1…製造設備、2…キルン、3…予備加熱設備、3a…プレヒーター、3b…仮焼炉、4…貯蔵設備、5…集塵設備、5a…沈降室、5b…電気集塵機、5c…バグフィルター、5d…スタビライザー、6…原料供給設備

Claims (5)

  1. セメント原料をキルン内で焼成してセメントクリンカーを形成すると共に、キルンから排出されるキルン排ガスからダストを分離し、該ダストをセメント原料としてキルン内に供給するセメントクリンカーの製造方法であって、
    前記ダスト中の放射性セシウムの含有量を測定し、測定結果に基づいて、キルン内に供給するダストの供給量を調整することを特徴とするセメントクリンカーの製造方法。
  2. セメント原料としてのダストの供給量の調整は、ダスト中の放射性セシウムの含有量が所定値を超えたときに、ダストを回収することによって行われることを特徴とする請求項1に記載のセメントクリンカーの製造方法。
  3. セメント原料としてのダストの供給量の調整は、電気集塵機、又は、バグフィルターの何れか一つ又は両方によってキルン排ガスから分離されたダストに対して行われることを特徴とする請求項1又は2に記載のセメントクリンカーの製造方法。
  4. セメント原料をキルン内で焼成してセメントクリンカーを形成すると共に、キルンから排出されるキルン排ガスからダストを分離し、該ダストをセメント原料としてキルン内に供給するセメントクリンカーの製造工程から放射性セシウムを回収する放射性セシウムの回収方法であって、
    前記ダスト中の放射性セシウムの含有量を測定し、含有量が所定値を超えたときに、該ダストを回収することを特徴とする放射性セシウムの回収方法。
  5. 前記ダストの回収は、電気集塵機、又は、バグフィルターの何れか一つ又は両方によってキルン排ガスから分離されたダストに対して行われることを特徴とする請求項4に記載の放射性セシウムの回収方法。
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