JP2013184356A - 繊維強化された樹脂基材、樹脂成形体の製造方法及びその実施のための樹脂加工機 - Google Patents

繊維強化された樹脂基材、樹脂成形体の製造方法及びその実施のための樹脂加工機 Download PDF

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Abstract

【課題】強化繊維への樹脂含浸を効果的に行うことができ、生産性・経済性の高い繊維強化された樹脂基材、樹脂成形体の製造方法及びその実施のための樹脂加工機を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る繊維強化された樹脂基材を製造する方法は、強化繊維と熱可塑性樹脂からなる繊維強化された樹脂基材を製造する方法であって、平面状に載置された強化繊維束又は強化繊維織物の上面に溶融熱可塑性樹脂をTダイからゲージ圧で0.01〜5Mpaの動圧が負荷されるように供給しつつ強化繊維束又は強化繊維織物に含浸し、その熱可塑性樹脂が含浸された強化繊維束又は強化繊維織物を冷却することにより実施される。
【選択図】図1

Description

本発明は、強化繊維と熱可塑性樹脂からなる繊維強化された樹脂基材、樹脂成形体を製造する方法及びその実施のための樹脂加工機に係り、特にTダイを使用して熱可塑性樹脂を強化繊維束や強化繊維織物に含浸させた樹脂基材、樹脂成形体を製造する方法及びその実施のための樹脂加工機に関する。
炭素繊維強化樹脂は、軽量で高強度を有し、ゴルフクラブのシャフト、釣り竿、テニスラケット、建築資材、航空機などに使用され、特殊自動車部品などにもその用途を拡大しているが、経済性、量産性が重視される一般自動車部品などへの適用は進んでいない。しかし、環境負荷軽減が求められる社会情勢の変化に伴い自動車軽量化技術の開発が重要な課題になり、炭素繊維強化樹脂が大量に使用される可能性がある一般自動車部品への適用が注目されている。
これまで強化繊維と樹脂からなる商品化された炭素繊維強化樹脂は、マトリックスとなる樹脂にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を用いたものが多く、熱可塑性樹脂を用いたものは少ない。熱可塑性樹脂を炭素繊維束に含浸させるのが容易でないという問題があるためであるが、その取扱の容易さや生産性の高さ、用途の拡大性などの利点を考慮し、マトリックスに熱可塑性樹脂を用いた炭素繊維強化樹脂又はその成形品の開発が試みられている。
例えば、特許文献1に、繊維シートの繊維間にマトリクス樹脂を加圧含浸させることから成る樹脂プリプレグの製造方法であって、前記繊維シートに対し、繊維の配向と交差する方向に縫い糸を縫合する縫合処理、並びに繊維に塗布された薬剤を除去し繊維束を開繊する開繊等処理を施すことを特徴とする樹脂プリプレグの製造方法が提案されている。
特許文献2に、減圧されたシール部、温度制御可能な連結部及び溶融樹脂が貯留されたダイが一連に連結され、複数の連続強化繊維からなる帯状強化繊維束がシール部端の導入口から連結部及びダイ内の溶融樹脂を挿通されてダイ端から引き取られるようになったシート状プリレグの製造方法が提案されている。この製造方法によると、樹脂が均一かつ良好に含浸され、含浸時間が短いとされる。また、この製造方法においては、連結部は、ダイ側の加熱ゾーンとシール部側の冷却ゾーンとを有しており、加熱ゾーンは冷却ゾーンの温度からダイの温度に近づく温度まで温度勾配をもたせるようになっているので、ダイ内の溶融樹脂の連結部への流出長を短く抑えることができるとされる。
特許文献3には、含浸ローラが連接され、粘度100〜1000Pa・sの熱可塑性樹脂が貯留された含浸浴内を、平均直径5〜10μmの炭素繊維のモノフィラメントから構成される繊維束が含浸ローラを縫うように挿通され、所定の大きさのテンションが負荷されて引き取られる熱可塑性樹脂含浸ストランドの製造方法が提案されている。本製造方法においては、繊維束に負荷されるテンションを、繊維束が挿通される熱可塑性樹脂の粘度、含浸ローラの径、搬送速度、繊維束の強度から求められる所定の範囲にすることにより、樹脂含浸率を高くすることができるとされる。
特許文献4には、マトリックス樹脂注入口を備えた一方の金型のキャビティ内に、透過率調整部材を配設した後、補強繊維基材を配置し、他方の金型を嵌合させて、前記マトリックス樹脂注入口から、キャビティ内の透過率調整部材を介して補強繊維基材にマトリックス樹脂を圧入させて含浸させ、加熱,加圧することにより複合材を成形する複合材の成形方法が提案されている。
特開2008-179808号公報 特開2012-16857号公報 特開2011-245754号公報 特開平11-348059号公報
マトリックスに熱可塑性樹脂を用いた繊維強化樹脂の製造において、生産性・経済性を高めるためには、熱可塑性樹脂のペレット等を溶融し強化繊維に含浸させ、冷却・固化して樹脂成形品を一連に製造する方法が好ましい。かかる観点からすると、特許文献1に記載のような繊維シートと樹脂シートを用いて樹脂を繊維シートに含浸させる方法よりは、特許文献2〜3に記載するような溶融樹脂浴に強化繊維束を挿通して樹脂を含浸させる方法がよく、特許文献4に記載のような金型内に載置された補強繊維基材に溶融樹脂を充填加圧して複合材を直接的に成形する方法がより好ましい。
しかしながら、特許文献2又は3に記載の方法は、強化繊維が一方向に連続するストランドやプリプレグ等の樹脂基材の製造に限定され、樹脂成形体の製造は別途行わなければならないという問題がある。特許文献4に記載の方法は、粘度の高い溶融樹脂を透過率調整部材を介して充填しなければならず透過率調整部材の選定の困難さや生産効率の問題がある。また、特許文献2〜4に記載の方法は、樹脂を含浸させるために、真空機構が必須であるという問題もある。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、強化繊維への樹脂含浸を効果的に行うことができ、生産性・経済性の高い繊維強化された樹脂基材、樹脂成形体の製造方法及びその実施のための樹脂加工機を提供することを目的とする。そして、特に、強化繊維の熱伝導率が高い炭素繊維などに好適に使用することができる樹脂基材、樹脂成形体の製造方法及びその実施のための樹脂加工機を提供することを目的とする。
本発明に係る繊維強化された樹脂基材を製造する方法は、強化繊維と熱可塑性樹脂からなる繊維強化された樹脂基材を製造する方法であって、平面状に載置された強化繊維束又は強化繊維織物の上面に溶融熱可塑性樹脂をTダイからゲージ圧で0.01〜5Mpaの動圧が負荷されるように供給しつつ強化繊維束又は強化繊維織物に含浸し、その熱可塑性樹脂が含浸された強化繊維束又は強化繊維織物を冷却することにより実施される。
上記発明において、溶融樹脂の供給は、強化繊維束又は強化繊維織物の表面温度が供給される樹脂の吐出温度の-100℃以上+50℃以下の温度範囲にある状態において行うのがよい。
また、溶融樹脂の供給は、層状又は部分的に塗り重ねるように行うことができ、Tダイの吐出圧、移動速度を変更することにより樹脂の吐出量を部分的に変化させて行うことができる。
また上記発明において、強化繊維束又は強化繊維織物は、炭素繊維からなるものであるのがよい。
また、本発明に係る繊維強化された樹脂基材を製造する方法は、加熱及び冷却手段を有する基台に載置された強化繊維束又は強化繊維織物の上面に溶融熱可塑性樹脂をTダイからゲージ圧で0.01〜5Mpaの動圧が負荷されるように供給しつつ強化繊維束又は強化繊維織物に含浸させ、その熱可塑樹脂を含浸させた強化繊維束又は強化繊維織物を前記基台とローラ間で加圧した後冷却することにより実施される。
本発明に係る繊維強化された樹脂成形体を製造する方法は、加熱及び冷却手段を有する上下金型において、下金型に載置された強化繊維束又は強化繊維織物の上面に溶融熱可塑性樹脂をTダイからゲージ圧で0.01〜5Mpaの動圧が負荷されるように供給しつつ強化繊維束又は強化繊維織物に含浸させた後、前記下金型に上金型を閉じて前記熱可塑樹脂を含浸させた強化繊維束又は強化繊維織物を加圧・冷却することにより実施される。
上記繊維強化された樹脂基材、樹脂成形体は、Tダイを有し、かつ、溶融樹脂が供給される繊維束又は強化繊維織物の表面部を所定温度に加熱する加熱手段を有する樹脂加工機により、好適に製造することができる。
本発明によれば、強化繊維への熱可塑性樹脂の含浸を効果的に行うことができ、繊維強化された樹脂基材、樹脂成形体を高い生産性・経済性で製造することができる。また、本発明によれば、ウェルドラインが発生しにくく、レジントランスファー成形法(RTM)のような問題がない。
本発明に係る繊維強化された樹脂基材を製造する方法の説明図である。 供給する樹脂を強化繊維束又は強化繊維織物の上面に部分的に塗り重ねるように行う場合の例を示す説明図である。 本発明に係る繊維強化された樹脂成形体を製造する方法の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。本発明に係る繊維強化された樹脂基材を製造する方法は、強化繊維と熱可塑性樹脂からなる繊維強化された樹脂基材を製造する方法であって、平面状に載置された強化繊維束又は強化繊維織物の上面に溶融熱可塑性樹脂をTダイからゲージ圧で0.01〜5Mpaの動圧が負荷されるように供給しつつ強化繊維束又は強化繊維織物に含浸し、その熱可塑性樹脂が含浸された強化繊維束又は強化繊維織物を冷却することにより実施される。すなわち、本製造方法は、平面状に載置された強化繊維束又は強化繊維織物の上面に溶融熱可塑性樹脂をTダイからゲージ圧で0.01〜5Mpaの動圧が負荷されるように供給することによって熱可塑性樹脂を強化繊維束又は強化繊維織物に含浸させることを特徴とする。
強化繊維は、炭素繊維、セラミック繊維、ガラス繊維等の各種繊維を含み得、特に限定されるものではない。しかしながら、本発明は、溶融された熱可塑性樹脂が接触するとその熱を急速に奪い熱可塑性樹脂の含浸を困難にするような高熱伝導率を有する炭素繊維などに好適に使用することができる。
強化繊維が炭素繊維の場合は、一般に外径が4〜10μmの単繊維が1000本(1k)以上、例えば1k〜24kに束ねられて糸状にしたもの(ストランド)に加工される。ストランドは、縦糸及び横糸に配されて強化繊維織物に加工され、あるいは所定の長さに切断されてチョップドファイバーなどに加工される。
本発明において、強化繊維束とは複数のストランドが平面状に並列した状態のもの、ストランドが開繊されて拡幅された状態のもの、あるいは、繊維が不連続に積層したマット状のものをいう。
このような外径がミクロンオーダの炭素繊維からなる単繊維が束ねられた強化繊維束又は強化繊維織物は、単繊維間にμm以下の多数の隙間が形成され、粘度の大きい熱可塑性樹脂の含浸を困難にしている。しかしながら、本発明は、溶融樹脂の粘度が剪断速度の大きさに対数的に減少する特性を利用している。すなわち、本発明においては、強化繊維束又は強化繊維織物の上面にゲージ圧で0.01〜5Mpaの動圧が負荷されるように供給し、炭素繊維などの強化繊維により溶融樹脂に剪断力が作用するように溶融樹脂を供給する。このため、本発明によれば、熱可塑性樹脂を強化繊維束又は強化繊維織物に効果的に含浸させることができる。
本発明において、熱可塑性樹脂は特に限定されない。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂など各種の樹脂、あるいは各種グレードの熱可塑性樹脂を使用することができる。
本発明に係る樹脂基材の製造方法は、例えば図1に示す方法により実施することができる。この製造方法は、図1に示すように、基台1に強化繊維束2(又は強化繊維織物2)が平面状に載置され、強化繊維束2の上面に熱可塑性樹脂からなる溶融樹脂3が樹脂加工機10から供給される。基台1は、加熱・冷却手段を有しており、樹脂加工機10はTダイ12を有している。Tダイは、溶融樹脂を強化繊維束又は強化繊維織物の上面に動圧が負荷されるように供給するのに好適である。また、Tダイは、供給する樹脂の容量、あるいは、強化繊維束又は強化繊維織物の上面に供給する樹脂の厚さを好適に制御することができる利点を有する。
本製造方法においては、強化繊維束2は加熱手段5により加熱され、強化繊維束2が所定温度の下に溶融樹脂3の供給を受けることができるようになっている。溶融樹脂3が供給されるときの強化繊維束2の温度は、Tダイ12吐出口から吐出される溶融樹脂の吐出温度の-100℃以上+50℃以下にするのがよい。強化繊維束2をこの範囲の温度に維持することにより、強化繊維2が炭素繊維のように熱伝導率が高いものであっても溶融樹脂3の温度低下により粘度が増大して含浸が困難になるのを抑制することができる。熱可塑性樹脂の粘度は、温度に関しても対数的に変化するので強化繊維2の温度管理は重要である。
加熱手段5は、遠赤外線加熱によるもの、あるいはレーザ加熱によるものなどが好ましい。これにより、強化繊維2を効率的に加熱することができる。基台1に設けた加熱手段により所定温度に加熱することもできるが、基台1は熱容量が大きく、また、樹脂が含浸された強化繊維束の冷却を行う必要があり、冷却を効率的に行うためには強化繊維2を加熱する加熱手段を別個に設けるのが良い。なお、加熱手段5は、強化繊維2の全体を加熱する必要はない。溶融樹脂3が供給される部分を加熱すれば足りる。なお、加熱手段5は、溶融樹脂3が強化繊維2に供給される際に強化繊維2が所定の温度まで加熱されていればよく、その加熱範囲、加熱時間、取付け位置等は適宜の方法を採用することができる。
強化繊維束2に溶融樹脂3を含浸させた後、これを加圧するのがよい。この加圧により、強化繊維束2への溶融樹脂3の含浸が促進されるので好ましい。加圧は、図1に示すようなローラにより加圧する加圧手段20を使用することができる。強化繊維束2への溶融樹脂3の含浸、加圧が終わった後、溶融樹脂3が含浸された強化繊維束2は冷却され、樹脂基材が製造される。
強化繊維束2への溶融樹脂3の供給は、通常は、均一な厚さの樹脂基材が製造されるように行われる。すなわち、溶融樹脂3が強化繊維束2の上面均一な厚さの層状になるように供給される。しかしながら、溶融樹脂3の供給は、最初の層の上にさらに塗り重ねるように行う得ことができ、例えば図2に示すように部分的に塗り重ねるように行うこともできる。図2において、層3b又は層3cは、層3aの上に塗り重ねられている。層3aと層3b又は層3cについて、材質を異なるものにすることもできる。また、Tダイの吐出圧、移動速度を変えて溶融樹脂の吐出量を変えることにより、層3a、層3b又は層3cの厚みを部分的に異なるようにすることができる。
以上、本発明に係る繊維強化された樹脂基材を製造する方法を説明した。本発明は、プレス式の金型を用いることにより、繊維強化された樹脂成形体を好適に製造することができる。例えば、図3に示す方法により繊維強化された樹脂成形体を好適に製造することができる。図3においては、下金型30と上金型40が設けられたプレス式の金型において、下金型30に強化繊維束2(又は強化繊維織物2)が載置されている。熱可塑性樹脂からなる溶融樹脂3がTダイ12を有する樹脂加工機10から供給されるようになっている。また、強化繊維束2の加熱手段5が設けられている。下金型30及び上金型40には、加熱・冷却手段が設けられている。
この繊維強化された樹脂基材を製造する方法は、先ず、下金型30及び加熱手段5により強化繊維束2を所定温度に保持した上で、下金型30に載置された強化繊維束2の上面に熱可塑性樹脂からなる溶融樹脂3をTダイ12からゲージ圧で0.01〜5Mpaの動圧が負荷されるように供給しつつ強化繊維束2に含浸させる。次に、下金型30に上金型40を閉じて熱可塑樹脂を含浸させた強化繊維束2を加圧・冷却する。これにより、所定の形状に成形され、繊維強化された樹脂成形体を効率的に製造することができる。
本発明は、上記実施例に限定されない。本発明において、強化繊維束又は強化繊維織物を重ねて熱可塑性樹脂を含浸させた樹脂基材又は樹脂成形体を製造することができる。また、熱可塑性樹脂の物性や機能を補完するために添加物を加えることができる。また、本発明により成形された樹脂基材を層状に重ねてより強度を有する樹脂基材、あるいは、特性の異なる樹脂基材を重ねてより機能性に富んだ樹脂基材を成形することができる。
図3に示すプレス式の金型を用いて炭素繊維の強化繊維織物とポリカーボネート(PC)樹脂からなる樹脂成形体を製造する試験を行った。強化繊維織物は、PAN系炭素繊維(1K)を2mm幅に開繊して平織りした炭素繊維織物を使用した。PC樹脂は、帝人化成株式会社製パンライト(AD5503)を使用した。溶融樹脂の供給温度は330℃、下金型の金型温度は160℃、炭素繊維表面温度は溶融樹脂温と同等の条件で試験を行った。溶融樹脂供給時の動圧は、0.06Mpaであった。プレスの加圧力は0.5Mpa〜5Mpa、プレスの加圧時間は0.5min、1min、2.5min、5minの各条件で試験を行った。
溶融樹脂の供給温度が300℃、下金型の金型温度が160℃、炭素繊維表面温度が300℃、プレスの加圧力が0.5MPa、プレスの加圧時間が0.5minの場合は、樹脂成形体の厚みが100-110μmで、炭素繊維に樹脂が含浸した良好な樹脂成形体が得られた。
実施例1において用いた強化繊維織物とポリプロピレン(PP)樹脂からなる樹脂成形体について、実施例1と同様な製造試験を行った。溶融樹脂の供給温度が〜260℃であった点以外、実施例1の場合と同様な条件の下で試験を行った。
溶融樹脂の供給温度が260℃、炭素繊維表面温度が230℃、プレスの加圧力が2.5Mpa、プレスの加圧時間が2.5minの場合は、樹脂成形体の厚みが75μmで、炭素繊維に樹脂が含浸した良好な炭素繊維強化樹脂が得られた。同様にプレスの加圧力が5Mpa、プレスの加圧時間が0.5minの場合でも、樹脂成形体の厚みが65μmで、炭素繊維に樹脂が含浸した良好な樹脂成形体が得られた。
実施例1、2と同様に、強化繊維としてセルロース繊維を使用した樹脂成形体を製造する試験を行った。強化繊維は、旭化成せんい株式会社製BEMCOTを使用した。条件は、溶融樹脂の供給温度が260℃、BEMCOT表面温度が230℃、プレスの加圧力が0.5Mpa、プレスの加圧時間が0.5minの場合は、樹脂成形体の厚みが75μmで、繊維に樹脂が含浸した良好な樹脂成形体が得られた。本例の場合は、炭素繊維の場合に比べて低い温度及び圧力で製造することができた。
1 基台
2 強化繊維束又は強化繊維織物
3 溶融樹脂
5 加熱手段
10 樹脂加工機
12 Tダイ
20 加圧手段
30 下金型
40 上金型

Claims (8)

  1. 強化繊維と熱可塑性樹脂からなる繊維強化された樹脂基材を製造する方法であって、平面状に載置された強化繊維束又は強化繊維織物の上面に溶融熱可塑性樹脂をTダイからゲージ圧で0.01〜5Mpaの動圧が負荷されるように供給しつつ強化繊維束又は強化繊維織物に含浸し、その熱可塑性樹脂が含浸された強化繊維束又は強化繊維織物を冷却することにより繊維強化された樹脂基材を製造する方法。
  2. 溶融樹脂の供給は、強化繊維束又は強化繊維織物の表面温度が供給される樹脂の吐出温度の-100℃以上+50℃以下の温度範囲にある状態において行われることを特徴とする請求項1に記載の樹脂基材を製造する方法。
  3. 溶融樹脂の供給は、層状又は部分的に塗り重ねるように行われることを特徴とする請求項2に記載の樹脂基材を製造する方法。
  4. 溶融樹脂の供給は、Tダイの吐出圧、移動速度を変更することにより樹脂の吐出量を部分的に変化させて行われることを特徴とする請求項2に記載の樹脂基材を製造する方法。
  5. 強化繊維束又は強化繊維織物は、炭素繊維からなるものであることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の樹脂基材を製造する方法。
  6. 加熱及び冷却手段を有する基台に載置された強化繊維束又は強化繊維織物の上面に溶融熱可塑性樹脂をTダイからゲージ圧で0.01〜5Mpaの動圧が負荷されるように供給しつつ強化繊維束又は強化繊維織物に含浸させ、その熱可塑樹脂を含浸させた強化繊維束又は強化繊維織物を前記基台とローラ間で加圧した後冷却することにより繊維強化された樹脂基材を製造する方法。
  7. 加熱及び冷却手段を有する上下金型において、下金型に載置された強化繊維束又は強化繊維織物の上面に溶融熱可塑性樹脂をTダイからゲージ圧で0.01〜5Mpaの動圧が負荷されるように供給しつつ強化繊維束又は強化繊維織物に含浸させた後、前記下金型に上金型を閉じて前記熱可塑樹脂を含浸させた強化繊維束又は強化繊維織物を加圧・冷却することにより繊維強化された樹脂成形体を製造する方法。
  8. Tダイを有し、1〜7に記載する繊維強化された樹脂基材又樹脂成形体の製造に使用される樹脂加工機であって、溶融樹脂が供給される繊維束又は強化繊維織物の表面部を所定温度に加熱する加熱手段を有する樹脂加工機。
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