JP2013184339A - ハニカム成形用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐磨耗性および耐久性に優れたハニカム成形用金型を提供すること。
【解決手段】炭化ケイ素を含む成形原料をハニカム構造体に押出成形するためのハニカム成形用金型1。ハニカム成形用金型1は、前面11に開口するとともにハニカム構造体の隔壁部を成形するためのスリット2と、後面12に開口するとともにスリット2へ成形原料を供給するための複数の供給孔3とを形成してなる。ハニカム成形用金型1は、前面11側に配された前面側材料層4と、前面側材料層4とは異なる材料からなると共に後面12側に配された後面側材料層5とが、互いに積層されると共に一体的に焼結された一体焼結体によって構成されている。前面側材料層4は、成形原料を構成する炭化ケイ素よりも、ビッカース硬さが高い。後面側材料層5は、前面側材料層4よりも、抗折力が高い。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化ケイ素を含む成形原料をハニカム構造体に押出成形するためのハニカム成形用金型に関する。
例えば、自動車等の内燃機関の排ガス浄化装置におけるフィルターとして、セラミック製のハニカム構造体が用いられている。かかるハニカム構造体は、セラミック粉末を含む成形原料を、ハニカム成形用金型を用いて押出成形することにより得ることができる。ハニカム成形用金型は、その前面に開口したスリットをハニカム状に形成してなる。そして、このスリットの形状どおりの隔壁部を備えたハニカム構造体を成形することができる。
ここで、ハニカム構造体を連続成形する際、成形原料におけるセラミック粉末によって、ハニカム成形用金型のスリットの周囲が磨耗することがある。これにより、スリットの幅が広がると、そこから押し出されるハニカム構造体における隔壁部の厚みが大きくなりすぎるなど、所望の形状のハニカム構造体が得られなくなる。そこで、所定量処理ごとに、ハニカム成形用金型を交換することとなるが、これに伴い、生産効率が低下するという問題がある。
このような、スリット周囲の磨耗の問題に対して、特許文献1に記載の発明のように、ハニカム成形用金型における前面側の部分を、超硬合金によって構成したものがある。
特開2006−51682号公報
しかしながら、近年、排ガス浄化装置等において用いられるハニカム構造体として、耐熱性が高く、かつ熱伝導性に優れたものが求められており、炭化ケイ素(SiC)を主成分とするハニカム構造体が開発されている。かかるハニカム構造体を成形するにあたっては、炭化ケイ素を含む成形原料を、ハニカム成形用金型によって押出成形することとなる。
ところが、炭化ケイ素は硬度が高いため、ハニカム成形用金型におけるスリットの周囲の磨耗が激しくなりやすい。それゆえ、上記特許文献1に記載のハニカム成形用金型のように前面側に超硬合金を用いたものであっても、その寿命を充分に確保することが困難となるおそれがある。
そこで、超硬合金よりもさらに硬度の高い合金材料によってハニカム成形用金型を構成することも考えられるが、かかる高硬度合金材料は、どうしても靭性が低くなりやすく、押出成形時にハニカム成形用金型にかかる大きな圧力によって、割れ等の損傷が生じるおそれがある。特に、生産性の向上を図るために押し出し圧力を高めようとすると、この耐圧力の問題が重要となる。
また、上記特許文献1に記載のハニカム成形用金型のように、異なる二種類の合金部材を接合して構成することも考えられる。ところが、単に異なる二種類の合金部材を接合したハニカム成形用金型では、上記のように大きな圧力がかかったときに、接合界面において割れが生じるおそれがあり、やはり耐久性を確保することは困難である。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、耐磨耗性および耐久性に優れたハニカム成形用金型を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、炭化ケイ素を含む成形原料をハニカム構造体に押出成形するためのハニカム成形用金型であって、
前面に開口するとともに上記ハニカム構造体の隔壁部を成形するためのスリットと、後面に開口するとともに上記スリットへ上記成形原料を供給するための複数の供給孔とを形成してなり、
上記前面側に配された前面側材料層と、該前面側材料層とは異なる材料からなると共に上記後面側に配された後面側材料層とが、互いに積層されると共に一体的に焼結された一体焼結体によって構成されており、
上記前面側材料層は、上記成形原料を構成する炭化ケイ素よりも、ビッカース硬さが高く、
上記後面側材料層は、上記前面側材料層よりも、抗折力が高いことを特徴とするハニカム成形用金型にある(請求項1)。
上記ハニカム成形用金型において、上記前面側材料層は、上記成形原料を構成する炭化ケイ素よりも、ビッカース硬さが高い。そのため、上記ハニカム成形用金型を用いて成形原料を押し出す際に、成形原料に含まれる炭化ケイ素粉末によって上記スリットの周囲が磨耗することを抑制することができる。これにより、上記ハニカム成形用金型の耐磨耗性を向上して、その寿命を長くすることができる。
また、上記ハニカム成形用金型は、上記前面側材料層に対して後面側に配された後面側材料層を備える。そして、後面側材料層は、前面側材料層よりも抗折力が高い。すなわち、仮にハニカム成形用金型の全体を上記前面側材料層によって構成すると、靭性が低下しやすくなり、使用時に押し出し圧力が作用し続けるハニカム成形用金型においては、耐久性が問題となるおそれがある。そこで、抗折力の高い上記後面側材料層を後面側に配することで、ハニカム成形用金型の靭性を高め、耐久性を確保することができる。
また、後面側材料層は、ハニカム成形用金型の後面側に配されており、押し出し成形されるハニカム構造体の形状に直接影響を与える部分に配されていないため、前面側材料層のような高い硬度は特に必要がない。そこで、後面側材料層を前面側材料層と異なる材料とすることで、材料選択の幅が広がり、靭性を考慮した材料の選択が可能となる。
また、前面側材料層と後面側材料層とは、互いに一体的に焼結された一体焼結体を構成している。そのため、ハニカム成形用金型に高い圧力が作用しても、前面側材料層と後面側材料層との間に割れが生じるなどのおそれはなく、充分な耐久性を確保することができる。
このように、上記ハニカム成形用金型は、前面側材料層によって耐磨耗性を確保しつつ、後面側材料層によって靭性を確保し、かつ両者が一体焼結体を構成していることにより高い耐久性を確保している。
以上のごとく、本発明によれば、耐磨耗性および耐久性に優れたハニカム成形用金型を提供することができる。
実施例1における、ハニカム成形用金型の断面説明図。 実施例1における、一体焼結体からなる金型素材の断面説明図。 実験例1における、測定結果の線図。
上記ハニカム成形用金型において、上記前面側材料層は、例えば、立方晶窒化ホウ素焼結体(CBN)、ダイヤモンド焼結体(PCD)によって構成することができる。
また、上記ハニカム成形用金型において、成形原料が押し出される側を「前」、その反対側を「後」とする。
また、上記後面側材料層は、超硬合金からなることが好ましい(請求項2)。この場合には、上記後面側材料層の硬度もある程度確保しつつ、ハニカム成形用金型の靭性を確保することができる。すなわち、上記供給孔等、後面側材料層を通る部分にも、炭化ケイ素粉末を含む成形原料が流動するため、後面側材料層の耐磨耗性もある程度は必要である。それゆえ、後面側材料層は、充分な抗折力を備えつつも、ある程度の硬さを備えた超硬合金によって構成することが望ましい。
また、上記後面側材料層は、上記成形原料を構成する炭化ケイ素よりも、ビッカース硬さが低いものとすることができる(請求項3)。この場合には、上記後面側材料層の材料選択の自由度が増し、靭性に優れた材料を用いることができる。
また、上記前面側材料層は、ビッカース硬さが2500Hv以上であることが好ましい(請求項4)。この場合には、上記スリットの耐磨耗性を充分に確保することができる。すなわち、上記成形原料に含まれる炭化ケイ素は、通常、ビッカース硬さが約2300Hv程度であるため、これよりもビッカース硬さが充分に高い材料によって前面側材料層を構成することにより、その耐磨耗性を充分に確保することができる。
また、上記後面側材料層は、抗折力が1500MPa以上であることが好ましい(請求項5)。この場合には、上記ハニカム成形用金型の靭性を充分に確保しやすい。
また、上記前面側材料層は、押し出し方向における厚みが、上記スリットの長さよりも小さいことが好ましい(請求項6)。この場合には、上記ハニカム成形用金型の靭性をより向上しやすくなり、耐久性を向上させることができる。すなわち、上記スリットのうち、ハニカム構造体の形状に最も影響を与える部分は前端部であるため、この部分の耐磨耗性を確保すれば、ハニカム成形用金型の寿命を長くすることができる。そこで、前面側材料層の厚みを、スリットの長さよりも小さくし、スリットの前端部を含めた一部を形成する部分にのみ前面側材料層を配置し、それよりも後面側は、上記後面側材料層によって構成することができる。これにより、ハニカム成形用金型の靭性をより向上させることができる。
また、上記前面側材料層は、押し出し方向の厚みが、上記後面側材料層の厚みに対して、1〜80%であるものとすることができる(請求項7)。この場合には、スリットの周囲の耐磨耗性を充分に確保しつつ、全体の靭性を充分に確保することができる。
上記前面側材料層の厚みが上記後面側材料層の厚みの1%未満の場合には、スリットの出口に近い位置において、スリットの周囲が磨耗するおそれがあり、成形されるハニカム構造体の形状への影響を防ぎにくくなるおそれがある。一方、上記前面側材料層の厚みが上記後面側材料層の厚みの80%を超える場合には、上記ハニカム成形用金型の靭性を向上させにくくなるおそれがある。
なお、より好ましくは、上記前面側材料層は、押し出し方向の厚みを、上記後面側材料層の厚みに対して、2〜20%とする。
(実施例1)
上記ハニカム成形用金型の実施例につき、図1、図2を用いて説明する。
本例のハニカム成形用金型1は、炭化ケイ素を含む成形原料をハニカム構造体に押出成形するための金型である。
ハニカム成形用金型1は、前面11に開口するとともにハニカム構造体の隔壁部を成形するためのスリット2と、後面12に開口するとともにスリット2へ成形原料を供給するための複数の供給孔3とを形成してなる。
また、ハニカム成形用金型1は、前面11側に配された前面側材料層4と、前面側材料層4とは異なる材料からなると共に後面12側に配された後面側材料層5とが、互いに積層されると共に一体的に焼結された一体焼結体によって構成されている。
前面側材料層4は、成形原料を構成する炭化ケイ素よりも、ビッカース硬さが高い。また、後面側材料層5は、前面側材料層4よりも、抗折力が高い。
成形原料は、炭化ケイ素粉末とバインダーとの混練物からなり、炭化ケイ素は、ビッカース硬さが約2300Hv程度である。この炭化ケイ素よりも、前面側材料層4は、ビッカース硬さが高く、2500Hv以上であることが好ましい。本例においては、前面側材料層4を立方晶窒化ホウ素焼結体によって構成してあり、そのビッカース硬さは、約2850Hvである。
また、後面側材料層5は、超硬合金からなる。具体的には、炭化タングステン(WC)をコバルト(Co)からなる結合剤と共に焼結した超硬合金を、後面側材料層5として用いる。
後面側材料層5は、成形原料の主成分である炭化ケイ素よりも、ビッカース硬さが低い。すなわち、後面側材料層5のビッカース硬さは、約1100Hvである。
また、後面側材料層5は、抗折力が1500MPa以上であり、特に本例において後面側材料層5として用いた、「炭化タングステン(WC)をコバルト(Co)からなる結合剤と共に焼結した超硬合金」は、抗折力が3000MPa以上である。
また、図1に示すごとく、ハニカム成形用金型1において、前面側材料層4は、押し出し方向における厚みTfが、スリット2の長さTsよりも小さい。すなわち、スリット2は、押し出し方向について、後面側材料層5の一部と前面側材料層4の全体とにわたって形成されている。一方、供給孔3は、後面側材料層5の一部にのみ形成されている。
スリット2は、前面11側から見た形状において、ハニカム形状に形成されている。また、供給孔3は、スリット2の後端に接続されるように、複数個、円柱形状に形成されている。スリット2の幅は、例えば400μm以下であり、供給孔3の直径は、例えば2.0mm以下である。
また、前面側材料層4は、押し出し方向の厚みTfが、後面側材料層5の厚みTrに対して、1〜80%である。すなわち、後面側材料層5の厚みTrと前面側材料層4の厚みTfとは、0.01≦Tf/Tr≦0.8を満たす。さらに好ましくは、0.02≦Tf/Tr≦0.2を満たす。
本例のハニカム成形用金型1を製造するにあたっては、まず、図2に示すごとく、超硬合金からなる後面側材料層5と、六方晶窒化ホウ素焼結体からなる前面側材料層4の一体焼結体の金型素材10を用意する。この一体焼結体の金型素材10は、cBN(六方晶窒化ホウ素)粉末を結合剤と共に、超硬合金基板上に一体焼結することにより得られるものである。
そして、外形を整えると共に、金型素材10に対して、放電加工等によって、スリット2および供給孔3を形成する。このとき、スリット4は、金型素材10における前面側材料層4と後面側材料層5の一部にわたって形成する。
以上により、図1に示すハニカム成形用金型1を得る。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記ハニカム成形用金型1において、前面側材料層4は、成形原料を構成する炭化ケイ素よりも、ビッカース硬さが高い。そのため、ハニカム成形用金型1を用いて成形原料を押し出す際に、成形原料に含まれる炭化ケイ素粉末によってスリットの周囲が磨耗することを抑制することができる。これにより、ハニカム成形用金型1の耐磨耗性を向上して、その寿命を長くすることができる。
また、ハニカム成形用金型1は、前面側材料層4に対して後面側に配された後面側材料層5を備える。そして、後面側材料層5は、前面側材料層4よりも抗折力が高い。すなわち、仮にハニカム成形用金型1の全体を前面側材料層4によって構成すると、靭性が低下しやすくなり、使用時に押し出し圧力が作用し続けるハニカム成形用金型1においては、耐久性が問題となるおそれがある。そこで、抗折力の高い後面側材料層5を後面12側に配することで、ハニカム成形用金型1の靭性を高め、耐久性を確保することができる。
また、後面側材料層5は、ハニカム成形用金型1の後面12側に配されており、押し出し成形されるハニカム構造体の形状に直接影響を与える部分に配されていないため、前面側材料層4のような高い硬度は特に必要がない。そこで、後面側材料層5を前面側材料層4と異なる材料とすることで、材料選択の幅が広がり、靭性を考慮した材料の選択が可能となる。
また、前面側材料層4と後面側材料層5とは、互いに一体的に焼結された一体焼結体を構成している。そのため、ハニカム成形用金型1に高い圧力が作用しても、前面側材料層4と後面側材料層5との間に割れが生じるなどのおそれはなく、充分な耐久性を確保することができる。
このように、ハニカム成形用金型1は、前面側材料層4によって耐磨耗性を確保しつつ、後面側材料層5によって靭性を確保し、かつ両者が一体焼結体を構成していることにより高い耐久性を確保している。
また、後面側材料層5は、超硬合金からなるため、後面側材料層5の硬度もある程度確保しつつ、ハニカム成形用金型1の靭性を確保することができる。すなわち、供給孔12等、後面側材料層5を通る部分にも、炭化ケイ素粉末を含む成形原料が流動するため、後面側材料層5の耐磨耗性もある程度は必要である。それゆえ、後面側材料層5は、充分な抗折力を備えつつも、ある程度の硬さを備えた超硬合金によって構成することが望ましい。
また、後面側材料層5は、成形原料を構成する炭化ケイ素よりも、ビッカース硬さが低い。これにより、後面側材料層5の材料選択の自由度が増し、靭性に優れた材料を用いることができる。
また、前面側材料層4は、ビッカース硬さが2500Hv以上である。これにより、スリット2の耐磨耗性を充分に確保することができる。すなわち、成形原料に含まれる炭化ケイ素は、通常、ビッカース硬さが約2300Hv程度であるため、これよりもビッカース硬さが充分に高い材料によって前面側材料層4を構成することにより、その耐磨耗性を充分に確保することができる。
また、後面側材料層5は、抗折力が1500MPa以上であるため、ハニカム成形用金型1の靭性を充分に確保しやすい。
また、前面側材料層4は、押し出し方向における厚みTfが、スリット2の長さTsよりも小さいため、ハニカム成形用金型1の靭性をより向上しやすくなり、耐久性を向上させることができる。すなわち、スリット2のうち、ハニカム構造体の形状に最も影響を与える部分は、前端部であるため、この部分の耐磨耗性を確保すれば、ハニカム成形用金型1の寿命を長くすることができる。そこで、前面側材料層4の厚みTfを、スリット2の長さTsよりも小さくし、スリット2の前端部を含めた一部を形成する部分にのみ前面側材料層4を配置し、それよりも後面側は、後面側材料層5によって構成することができる。これにより、ハニカム成形用金型1の靭性をより向上させることができる。
以上のごとく、本例によれば、耐磨耗性および耐久性に優れたハニカム成形用金型を提供することができる。
(実施例2)
本例は、前面側材料層4の材料として、ダイヤモンド焼結体(PCD)を用いた例である。その他は、実施例1と同様である。
本例の場合には、より耐磨耗性に優れたハニカム成形用金型1を得ることができる。
上記ダイヤモンド焼結体は、ビッカース硬さが約6000Hvと、極めて高く、成形原料に含まれる炭化ケイ素のビッカース硬さ約2300Hvを大きく上回る。それゆえ、ダイヤモンド焼結体によって前面側材料層4を構成することにより、スリット2の周囲の磨耗をより効果的に防ぎ、一層耐磨耗性に優れたハニカム成形用金型1を得ることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
(実験例1)
本例は、実施例1および実施例2にそれぞれ示したハニカム成形用金型1の耐磨耗性を評価した例である。
耐磨耗性の評価であるため、前面側材料層4を構成する材料の耐磨耗性を調べることにより、その評価を行うことができる。そこで、実施例1のハニカム成形用金型1における前面側材料層4を構成する立方晶窒化ホウ素焼結体を試験体1として用意した。また、実施例2のハニカム成形用金型1における前面側材料層4を構成するダイヤモンド焼結体を試験体S2として用意した。試験体S1、S2は、直径30mm、厚み10mmの円盤状の外形を備えると共に、縦5列×横5列のスリットを形成してなる。このスリットの初期の幅は、300μmである。
この試験体を、流動研磨機によって研磨したときの磨耗量を測定することにより、耐磨耗性を評価した。すなわち、流動研磨機に、試験体をセットすると共に、粒度#360の炭化ケイ素粒子を25重量%の濃度で含むメディアを投入し、温度28〜30℃、圧力6MPa、メディアの流速1000mm/分という条件にて流動研磨機を運転した。
なお、流動研磨機は、株式会社エクスツルードホーン社製、EX−2200を用いた。
比較のために、超硬合金(超硬工具協会規格の材種分類記号VC−50)からなる試験体S3についても、上記試験体S1、S2と同様の形状および寸法にて用意し、同様の研磨試験を行った。
流動研磨機に投入し、研磨を行いつつ、各試験体S1、S2、S3を所定時間(10時間)ごとに取り出して、その磨耗量を測定した。その結果を、図3に示す。同図において、横軸が流動研磨時間であり、縦軸が磨耗量である。そして、符号S1、S2、S3を付した線が、それぞれ試験体S1、S2、S3についての測定結果であり、各線S1、S2、S3にて繋がれたプロットがそれぞれの実測値を示す。
同図から分かるように、試験体S3は、流動研磨の初期から磨耗が進み、短い時間で大きく磨耗している。
これに対して、試験体S1は、流動研磨時間が100時間を超えても磨耗量が1.5μm以下であり、殆ど磨耗が進んでいない。
また、試験体S2は、流動研磨時間が100時間を超えても磨耗量が1μm未満であり、より磨耗し難いことが分かる。
以上の結果から、立方晶窒化ホウ素焼結体からなる試験体1、およびダイヤモンド焼結体からなる試験体S2は、炭化ケイ素による研磨が行われても、殆ど磨耗が進まないことが分かる。それゆえ、ハニカム成形用金型1において、前面側材料層4に立方晶窒化ホウ素焼結体又はダイヤモンド焼結体を用いることにより、その耐磨耗性を充分に確保することができると考えられる。つまり、成形原料に含まれる炭化ケイ素よりもビッカース硬さが高い材料を、前面側材料層4に配置することにより、ハニカム成形用金型1の耐磨耗性を向上させることができると考えられる。
上記実施例1、2においては、前面側材料層4の厚みTfがスリット2の長さTsよりも小さい構成を示したが、前面側材料層4の厚みTfがスリット2の長さTsよりも大きい構成としたり、前面側材料層4の厚みTfがスリット2の長さTsと同等である構成としたりすることもできる。
1 ハニカム成形用金型
11 前面
12 後面
2 スリット
3 供給孔
4 前面側材料層
5 後面側材料層

Claims (7)

  1. 炭化ケイ素を含む成形原料をハニカム構造体に押出成形するためのハニカム成形用金型であって、
    前面に開口するとともに上記ハニカム構造体の隔壁部を成形するためのスリットと、後面に開口するとともに上記スリットへ上記成形原料を供給するための複数の供給孔とを形成してなり、
    上記前面側に配された前面側材料層と、該前面側材料層とは異なる材料からなると共に上記後面側に配された後面側材料層とが、互いに積層されると共に一体的に焼結された一体焼結体によって構成されており、
    上記前面側材料層は、上記成形原料を構成する炭化ケイ素よりも、ビッカース硬さが高く、
    上記後面側材料層は、上記前面側材料層よりも、抗折力が高いことを特徴とするハニカム成形用金型。
  2. 請求項1に記載のハニカム成形用金型において、上記後面側材料層は、超硬合金からなることを特徴とするハニカム成形用金型。
  3. 請求項1又は2に記載のハニカム成形用金型において、上記後面側材料層は、上記成形原料を構成する炭化ケイ素よりも、ビッカース硬さが低いことを特徴とするハニカム成形用金型。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のハニカム成形用金型において、上記前面側材料層は、ビッカース硬さが2500Hv以上であることを特徴とするハニカム成形用金型。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のハニカム成形用金型において、上記後面側材料層は、抗折力が1500MPa以上であることを特徴とするハニカム成形用金型。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のハニカム成形用金型において、上記前面側材料層は、押し出し方向における厚みが、上記スリットの長さよりも小さいことを特徴とするハニカム成形用金型。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のハニカム成形用金型において、上記前面側材料層は、押し出し方向の厚みが、上記後面側材料層の厚みに対して、1〜80%であることを特徴とするハニカム成形用金型。
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