JP2013184179A - 冷間圧接用ダイス - Google Patents

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Abstract

【課題】線材の外径がばらついた場合でも、十分に安定した冷間圧接を行うことのできる冷間圧接用ダイスを得る。
【解決手段】一対のダイス片(1a,1b)、(1c,1d)で線材11を把持するコイルチャック部2を構成するペアダイス1A、1Bを二個備え、両ペアダイス1A、1Bを突き合わせてコイルチャック部2に把持された線材11を接合する冷間圧接用ダイス1であって、コイルチャック部2の断面形状は、コイルチャック部2が線材11を把持する方向を横方向とし横方向に直交する方向を縦方向とした場合に、横方向より縦方向の寸法が長い形状であるとともに、コイルチャック部2の断面積が線材11の断面積より大きい。
【選択図】図6

Description

この発明は、線材を結線するための冷間圧接用ダイスに関するものである。
線材を結線する工法の一つである冷間圧接工法は、一般に、冷間圧接機のフレームの上部に対向配置された両Vブロックの間にダイスを組み込み、フレームに軸支されたレバーを回動することにより、両Vブロックを互いに押圧させ、ダイスの間に突きあわせて挿入された線材を冷間圧接する。ダイスは4つのダイス片からなり、集合することでダイス孔を構成する。ダイス片の傾斜面がVブロックの傾斜面に当接するようにダイスはVブロックに組み込まれる。ダイス孔に線材を挿入し、その端部が互いに突き合うようにする。接続作業が開始されると、ダイスは、まずVブロックの移動方向に圧接される。続いて、ダイスはVブロックの傾斜面に沿ってスライドし、ダイス孔の軸方向にも圧接されて線材の突きあわせ面を圧縮する(例えば、特許文献1参照)。
上記のような冷間圧接機に用いられる従来のダイスは、ダイス中央部に線材把持部を有し、線材把持部にこれと直交した複数の溝を形成して線材の滑りを防止している(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−57662号公報 実公平3−40470号公報
上記特許文献1に示すような一般的な冷間圧接機で使用されている従来のダイスは、通常、ダイス孔の形状が線材の外径に合わせた円筒状に形成されている。従って、ダイス孔より線材の外径が小さいと線材が滑り、大きいと線材がダイス孔に入りきらず、ダイス孔と線材の形状が合っていなければ十分な冷間圧接が行えないという問題があった。
また、上記特許文献2に示す従来のダイスは、線材把持部に設けられた溝により、線材の外径のばらつきを多少吸収できると考えられる。しかし、線材の肉が溝に食い込むと、線材が線材把持部から外れず線材を送ることができなくなり、十分に冷間圧接を行えない懸念がある。また、実際の線材の導体径のばらつきや絶縁被膜厚さのばらつきを考えると、溝だけでは十分に線材の外径のばらつきを吸収できない。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、線材の外径がばらついた場合でも、十分に安定した冷間圧接を行うことのできる冷間圧接用ダイスを得ることを目的とする。
この発明に係る冷間圧接用ダイスは、一対のダイス片で線材を把持するコイルチャック部を構成するペアダイスを二個備え、上記両ペアダイスを突き合わせて上記コイルチャック部に把持された上記線材を接合する冷間圧接用ダイスであって、上記コイルチャック部の断面形状は、上記コイルチャック部が上記線材を把持する第1の方向の寸法より、上記第1の方向に直交する第2の方向の寸法が長い形状であるとともに、上記コイルチャック部の断面積が上記線材の断面積より大きい。
この発明に係る冷間圧接用ダイスは、一対のダイス片で線材を把持するコイルチャック部を構成するペアダイスを二個備え、上記両ペアダイスを突き合わせて上記コイルチャック部に把持された上記線材を接合する冷間圧接用ダイスであって、上記コイルチャック部の断面形状は、上記コイルチャック部が上記線材を把持する第1の方向の寸法より、上記第1の方向に直交する第2の方向の寸法が長い形状であるとともに、上記コイルチャック部の断面積が上記線材の断面積より大きい。このため、コイルチャック部により線材を把持した際にコイルチャック部内に隙間を設けることができ、線材の外径のばらつきにより生じる線材の余肉をコイルチャック部の隙間に逃がすことができる。従って、線材の外径がばらついた場合でも、コイルチャック部の隙間によりそのばらつきを吸収し、十分に安定した冷間圧接を行うことができる。
この発明の実施の形態1における冷間圧接用ダイスの構成を示す斜視図である。 この発明の実施の形態1における冷間圧接用ダイスの構成を示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態1における冷間圧接用ダイスの構成を示す平面図および断面図である。 この発明の実施の形態1における冷間圧接用ダイスの動作を説明する説明図である。 この発明の実施の形態1における冷間圧接用ダイスのコイルチャック部の断面形状を示す図である。 図5に示すコイルチャック部内に線材が配置された状態を示す図である。 図5に示すコイルチャック部内に線材が配置された状態を示す図である。 図5に示すコイルチャック部内に線材が配置された状態を示す図である。 この発明の実施の形態1における比較例のコイルチャック部の断面形状を示す図である。 この発明の実施の形態2における冷間圧接用ダイスのコイルチャック部の断面形状(第1例)を示す図である。 この発明の実施の形態2における冷間圧接用ダイスのコイルチャック部の断面形状(第2例)を示す図である。 この発明の実施の形態2における冷間圧接用ダイスのコイルチャック部の断面形状(第3例)を示す図である。 この発明の実施の形態2における冷間圧接用ダイスのコイルチャック部の断面形状(第4例)を示す図である。 この発明の実施の形態3における冷間圧接用ダイスの構成を示す断面図である。 参考図として用いるための、特許文献1に記載の冷間圧接機の斜視図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における冷間圧接用ダイスの構成を示す斜視図、図2は冷間圧接用ダイスの分解斜視図である。図3は冷間圧接用ダイスの平面図および断面図であり、図中右上が平面図、平面図の左側に示す図が平面図におけるA−A断面図、平面図の下側に示す図が平面図におけるB−B断面図である。
図1〜図3に示すように、冷間圧接用ダイス1(以下、ダイス1とする。)は、4個のダイス片1a〜1dにより構成されている。ダイス片1aおよびダイス片1bが対となりペアダイス1Aを構成し、ダイス片1cおよびダイス片1dが対となりペアダイス1Bを構成し、これらの二個のペアダイス1A、1Bが対となりダイス1を構成する。
ダイス1の動作は後で詳しく説明するが、ペアダイス1Aにより一方の線材11が把持され、ペアダイス1Bにより他方の線材11が把持され、各ペアダイス1A、1Bが突き合わされることで、一方の線材11と他方の線材11が圧接される。
ペアダイス1Aを構成するダイス片1aとダイス片1bとの合わせ面10には溝部2aが設けられ、ダイス片1aとダイス片1bとを合わせることでこの溝部2aにより線材11把持用のコイルチャック部2を構成している。コイルチャック部2への線材11の挿入を容易にするため、コイルチャック部2の線材11の挿入口側はダイス片1a、1bの端面に向かってテーパ状に広がっており、線材挿入案内部3を構成している。コイルチャック部2の線材11の突き出し口側は、ペアダイス1A側の線材11とペアダイス1B側の線材11が突き合わされる突き合わせ部4となり、ペアダイス1A、1Bが突き合わされて押圧された際には、各ペアダイス1A、1Bの突き合わせ部4が突き合わされて両線材11を圧接する。ダイス片1a、1bの突き合わせ部4の周囲には、線材11の冷間圧接過程にて生じるバリを逃すためのバリ収納部5が設けられている。
ペアダイス1Bの構成はペアダイス1Aの構成と同様であり、説明を省略する。
このようなダイス1は、例えば、図15に示される上記特許文献1に記載の冷間圧接機内に配置されて線材11の冷間圧接を行う。図15を参照して冷間圧接機の動作を簡単に説明する。冷間圧接機では、フレーム80の上部に対向配置されたVブロック間にダイス70が組み込まれている。フレーム80に軸支されたレバー83を回動することによりVブロックを互いに押圧させ、ダイス70の間に突き合わせて挿入された線材を圧接する。
本実施の形態1のダイス1は、図15に示すダイス70の位置に配置されて線材11の冷間圧接を行う。
以下、ダイス1の冷間圧接時の動作について説明する。図4はダイス1の動作を説明する説明図であり、ダイス1(ダイス片1a〜1d)を上方から見たものである。ダイス1の両側にはVブロック6が配置されている。また線材11はフィンガ7により保持される。なお、図4において線材11の中心軸を一点鎖線で示している。また、ダイス1の動作が分かり易いように、コイルチャック部2および線材挿入案内部3を点線で示している。
最初、図4(a)に示すように、各ダイス片1a〜1dが間隔を保持した状態で配置されている。この状態で、ペアダイス1A、1Bのそれぞれの線材挿入案内部3側からコイルチャック部2に線材11を挿入し、両線材11を突き合わせた状態で線材11をフィンガ7により保持する。
次に、図4(b)に示すように、ダイス1の両側のVブロック6を内側に押圧すると、各ダイス片1a〜1dがVブロックの押圧方向(図中矢印Aで示す方向)に移動する。そして、ダイス片1a、1bで構成するペアダイス1Aのコイルチャック部2、ダイス片1c、1dで構成するペアダイス1Bのコイルチャック部2内にそれぞれ線材11が収まり、コイルチャック部2により線材11が把持される。この時、ペアダイス1Aとペアダイス1Bとは間隔が保持されたままである。
次に、図4(c)に示すように、さらにVブロック6を内側に押圧すると、各ダイス片1a〜1dはVブロックの傾斜面に沿って線材11の軸方向(図中矢印Bで示す方向)にスライドされる。ペアダイス1A、1Bが突き合わされ、各ペアダイス1A、1Bのコイルチャック部2により把持された両線材11が圧縮され接合される。圧縮された線材11の一部はバリとなりバリ収納部5に押し出される。
ここで、図4(b)に示す工程において、線材11がはみ出ることなくコイルチャック部2内に収まりコイルチャック部2により把持されている状態が所望の状態である。この所望の状態でコイルチャック部2が線材を把持することで図4(c)に示す工程で、両線材11の接合を安定して行うことができる。
次にコイルチャック部2の断面形状について詳しく説明する。
図5は、本実施の形態1のコイルチャック部2の断面形状を示す図であり、図3の平面図のC−C断面を拡大して模式的に示したものである。図6は図5に示すコイルチャック部2内に線材11が配置された状態を示す。
図5、図6に示すように、本実施の形態1のコイルチャック部2の断面形状は、径および中心角(<180°)が略等しい2つの円弧が合わされて形成されている。具体的には、コイルチャック部2は、ダイス片1c側の円弧状の溝部2aとダイス片1d側の円弧状の溝部2aとが合わされて形成されている。
コイルチャック部2が線材11を把持する方向(図中矢印Cの方向)を第1の方向としての横方向とし、これに直交する方向を第2の方向としての縦方向(図中矢印Dの方向)とすると、コイルチャック部2の断面形状は、横方向を短軸Sとし、縦方向を長軸Lとした、縦方向に長い形状である。短軸Sの長さは線材11の直径以下とし、長軸Lの長さは線材11の直径より大きく、コイルチャック部2の断面積は線材11の断面積より大きくなるように設定されている。なお、ここで線材11の直径とは、導体を覆う絶縁被膜がある場合、その絶縁被膜の厚さも含む線材11の外径のことを指す。
このような断面形状のコイルチャック部2は、線材11を把持することにより線材11の中心を横方向だけでなく縦方向にもセンタリングする。即ち、線材11の直径中心の位置が長軸Lの中心位置と一致するように線材11の縦方向の位置をセンタリングし、線材11の上下に隙間をもたせて線材11を把持することができる。図6に示すように、線材11は、その直径中心がコイルチャック部2の長軸Lおよび短軸Sの中心と一致するような位置に配される。
なお、コイルチャック部2の形成方法は、どのような方法であっても良いが、例えば、ダイス片1c、1dを合わせた状態で断面円状の孔を設けた後、各ダイス片1c、1dの突き合わせ面を削ることで、各ダイス片1c、1dの研磨後の合わせ面に円弧状の溝部2aを形成することができる。
図6では、コイルチャック部2の短軸Sと同じ長さの直径の線材11を配置した例を示したが、線材の直径を徐々に大きくした例を図7、図8に示す。図7、図8において、実線はコイルチャック部2により把持されて変形した状態の線材11bを示し、点線は変形前の線材11aの形状を示す。図からもわかるように、コイルチャック部2の形状が2つの円弧を合わせた縦長の形状であるため、線材の直径がコイルチャック部2の短軸Sより大きい場合には、コイルチャック部2に把持されて線材が縦長に変形し、線材11がはみ出ることなくコイルチャック部2内に収まる。図7、図8の場合よりもさらに線材の直径サイズが大きくなっても、コイルチャック部2の断面積より線材の断面積の方が小さければ、線材11がはみ出ることなくコイルチャック部2内に収まる。コイルチャック部2は、線材の直径がばらついた場合でも、線材をはみ出させることなくコイルチャック部2内に確実に収め、所望の状態で線材を把持でき、冷間圧接を安定して行うことができる。
ここで、比較例として、図9を参照し、断面形状が円形のコイルチャック部の場合について考える。コイルチャック部の断面形状が円形の場合には、コイルチャック部の径と線材の直径が揃ってないと線材を所望の状態で把持することができない。線材の直径がコイルチャック部の径より小さいと線材が滑ってしまい、線材の直径がコイルチャック部の径より大きいと線材の肉が溢れてコイルチャック部の合わせ面(図中E)の間に突出するためである。従って、比較例のような断面形状が円形のコイルチャック部では、線材の直径にばらつきがあると所望の状態で線材を把持することができず、所望の状態で把持できる線材の直径サイズ範囲の幅は最大でも十数um程度である。
これに対し、本実施の形態1のコイルチャック部2では、線材の把持時に線材11の余肉をコイルチャック部2の隙間に逃がすことができるため、所望の状態で把持できる線材11の直径サイズ範囲の幅は数100umを超える。また、線材の直径サイズ範囲の幅はコイルチャック部2の長短軸長さ比を調整することで自由に設定することができる。
このように、コイルチャック部2の断面形状を2つの円弧を合わせた縦長の形状とすることにより、1パターンのダイス1で冷間圧接できる線材11の直径サイズ範囲の幅を大きくすることができる。このことは、線材11の導体径のばらつきや、絶縁被膜厚さのばらつきを十分に許容できるようになるばかりでなく、線材の直径サイズが異なる場合でも、1パターンのダイス1で段取替えすることなく冷間圧接をすることが可能になることを意味する。
例えば、線材製造ラインでは、通常の線材製造時には冷間圧接による線材の結線工程がなく、供給材料の段取替え時のみに供給材料の使い終わりと使い始めを接続する冷間圧接による結線工程が発生する。これに対し、例えば、モータ製造ラインでは、通常のモータ製造時に、ワークごとに複数個所で引き伸ばされながら巻線された線材同士を接続する冷間圧接による結線工程が発生する。
本実施の形態1のダイス1は、線材製造ラインのような冷間圧接による結線頻度が低いラインで使用することもできるが、特に、冷間圧接による結線頻度が高いモータ製造ラインにおいて使用することでより効果を発揮する。
以下、本実施の形態1のダイス1を、例えばモータ製造ラインに使用する場合の効果を説明する。
まず、モータ製造ラインのように冷間圧接による結線頻度が高いラインにおいて、線材の導体径のばらつきや、絶縁被膜厚さのばらつきを十分許容できるため、結線不良の発生を防止し、製品の品質向上に寄与することができる。
また、モータ製造ラインでは製品の機種毎に線材の径が異なるが、製品の機種毎に専用ダイスを製作する必要がなく、段取替えも必要としないため、製造現場の生産性向上に寄与することができる。
また、本実施の形態1のダイス1により、精度が高く生産性も高い冷間圧接を提供できるため、モータ製造ラインにおいて安心して冷間圧接工法を採用できる。冷間圧接工法による結線は線材同士を押付けて金属の新生面(酸化していない純金属面)における金属結合を利用した結線方法であるため、コネクタ端子による結線のように応力に頼らない。例えば、アルミニウムは経時的にクリープ(応力緩和)が生じる金属であり、アルミニウム線をコネクタ端子で結線しても押さえられたアルミニウム線が経時的に変形してしまう。このため、コネクタ端子の応力が抜けてしまい、結線部の電気抵抗が大きくなって品質不良を招くことがある。これに対し、冷間圧接ではアルミニウム線を確実に結線することができる。上述の通り、本実施の形態1のダイス1により、モータ製造ラインにおいて冷間圧接工法を採用できるため、モータの巻線としてアルミニウム線を用いた場合でも、確実に結線を行え品質の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態1のダイス1で冷間圧接を行うと、例えば図8に示すように線材の直径がコイルチャック部2の短軸Sより大きい場合、その冷間圧接部において、線材の断面形状が円形11aから縦長の形状11bへ変形する。しかし、モータ製造時の、巻線された線材同士を結線するという最終製品の製造工程において、冷間圧接部の線材形状の変形が特に問題となることはない。
以上のように、本実施の形態1では、コイルチャック部2の断面形状が横方向より縦方向の寸法が長い形状であるとともに、コイルチャック部2の断面積が線材11の断面積より大きい。このため、コイルチャック部2により線材11を把持する際にコイルチャック部2内に隙間が設けられ、線材11の外径のばらつきにより生じる余肉をコイルチャック部2の隙間に逃がすことができる。従って、線材11の外径がばらついた場合でも、コイルチャック部2の隙間によりそのばらつきを吸収することができる。コイルチャック部2は、線材11をはみ出させることなくコイルチャック部2内に確実に収め、所望の状態で線材11を把持するため、十分に安定した冷間圧接を行うことができる。
また、コイルチャック部2の断面形状が2つの円弧を合わせた縦長の形状であるため、コイルチャック部2は線材11の縦方向の位置をセンタリングして把持することができる。このため、ペアダイス1A側で把持された線材11と、ペアダイス1B側で把持された線材11とが圧縮され接合される際に、両線材11間に位置ズレが生じることなく、さらに安定して冷間圧接を行うことができる。
なお、本実施の形態1では、各ダイス片に同形状の円弧状の溝部設け、2つの円弧状の溝部を合わせて縦長形状のコイルチャック部を形成したが、必ずしも各ダイス片の溝部の形状が同形状でなくてもよい。コイルチャック部の形状は、線材を把持した際に線材の上下に隙間をもたせることのできるような縦長の形状であればよく、例えば、異なる円弧や直線を組み合わせて形成した形状であってもよい。また、楕円形状や、多角形状であってもよい。
また、本実施の形態1のダイス1は、冷間圧接可能な材質の線材であれば、どのような材質の線材であっても冷間圧接することができる。また、冷間圧接する一対の線材が異種金属材料であってもよい。また、冷間圧接する線材の絶縁被膜の有無も問わない。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、コイルチャック部2の断面形状は、ダイス片(1a,1b)、(1c,1d)の円弧状の溝部2aを合わせた縦長形状としたが、コイルチャック部2の断面形状は上述の通り必ずしもこれに限られるものではない。この発明の実施の形態2では、コイルチャック部の断面形状の別例を4例、図10〜図13を参照して説明する。なお、コイルチャック部の断面形状以外の構成は上記実施の形態1と同様とし、同一符号を付して説明を省略する。
図10に示す第1例のコイルチャック部2Aの断面形状、および図11に示す第2例のコイルチャック部2Bの断面形状は、縦長の多角形であり、線材11を把持するコイルチャック部の横方向両側の面がV字面となっている。図10は六角形、図11は四角形の場合を示している。
このような形状のコイルチャック部2A、2Bでは、線材11をコイルチャック部2A、2BのV字面で把持するため、上記実施の形態1と同様、線材11をセンタリングしつつ、線材11の上下に隙間をもたせて線材11を把持することができる。
そして、上記実施の形態1の場合と同様、コイルチャック時に生じる線材11の余肉をコイルチャック部2の隙間に逃がすことができるため、線材11の直径サイズのばらつきに対応することができる。
なお、このような断面形状のコイルチャック部2A、2Bでは、冷間圧接時に線材11がコイルチャック部2A、2BのV字部分に食込んで線材11の送り不良が生じないよう、V字面の硬さ・面粗度および線材と絶縁被膜の材質・厚さ・摩擦係数等を考慮してV字面の角度を決定するのが望ましい。
次に本実施の形態2の第3例目と第4例目について説明する。
図12に示す第3例のコイルチャック部2Cの断面形状は、縦長の長方形である。また、図13に示す第4例のコイルチャック部2Dの断面形状は、縦長の六角形である。このような形状のコイルチャック部2C、2Dでも、線材11の上下に隙間をもたせて線材11を把持することができ、上記実施の形態1の場合と同様、線材11の余肉をコイルチャック部2の隙間に逃がすことができるため、線材11の直径サイズのばらつきに対応することができる。
なお、このような断面形状のコイルチャック部2C、2Dでは、線材11を把持する横方向両側の面が平行な平面であるため、線材11を把持することで線材11の横方向位置はセンタリングされるが、線材11の縦方向位置のセンタリング機能はない。線材の位置ズレは特に直径サイズの細い線材において冷間圧接不良の要因となるため、コイルチャック部の断面形状が長方形又は略長方形のダイスを用いて冷間圧接する場合は、別途線材のセンタリング機能を冷間圧接機に採用するか、直径サイズが太い線材を圧接対象とすることで、圧接不良の発生を防止することが望ましい。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3では、上記実施の形態1のダイス1の構成に加え、コイルチャック部の内周面に周方向に伸びる溝を設けている。図14は、この発明の実施の形態3における冷間圧接用ダイスの構成を示す断面図であり、実施の形態1の図3に示すA−A断面図に対応するものである。コイルチャック部に溝が設けられていること以外の構成については上記実施の形態1と同様であり、同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態3のコイルチャック部2Eは、上記実施の形態1と同様、断面形状が2つの円弧を合わせた縦長の形状であり、コイルチャック部2Eの内周面には周方向の溝8が線材の軸線方向に所定間隔で複数設けられている。本実施の形態3では溝8はコイルチャック部2Eの周方向の全周に渡って伸びている。上記実施の形態1のコイルチャック部2と同様、本実施の形態3のコイルチャック部2Eは、ダイス片1a、1bの合わせ面に設けられた円弧状の溝部2aが合わされることによって構成される(図2参照)。従って、各ダイス片1a、1bの溝部2aに線材の軸線方向と直交する直交溝を所定の深さで刻んでおくことで、ダイス片1a、1bが合わされると、本実施の形態3のようにコイルチャック部2Eの内周面に周方向の溝8が構成されることとなる。
なお、コイルチャック部2Eの溝8の形成方法は、どのような方法であってもよいが、例えば以下の方法により形成することができる。例えばダイス片1a、1bを合わせた状態で断面円状の孔を設けた後、ネジタップを用いて断面円状の孔にねじを切り、その後、ダイス片1a、1bの合わせ面を削ることで、各ダイス片1a、1bの研磨後の合わせ面に、溝8となる直交溝が刻まれた円弧状の溝部(コイルチャック部)が形成される。
また、本実施の形態3では溝8はコイルチャック部2Eの周方向の全周に設けたが、必ずしも全周に設けなくてもよく、周方向の一部であってもよい。ただし、少なくともコイルチャック部2Eの内周面のうち線材11を把持する部分に周方向の溝を設けておく必要がある。また、ここでは溝8を複数設けているが、溝8の本数や、間隔は必要に応じて適宜設定することができる。
以上のように、本実施の形態3では、上記実施の形態1の構成に加えてコイルチャック部2Eの内周面に周方向に伸びる溝8を設けているため、コイルチャック部2Eに把持された線材11が冷間圧接時に滑ることを防止し、より安定した冷間圧接を行うことができる。
ここで、仮に図9に示す比較例の断面略円形のコイルチャック部に本実施の形態3のような周方向の溝を設けるとすれば、線材の直径サイズがコイルチャック部の径より大きい場合には、溝に線材が食い込んでしまい、線材を送ることができなくなる懸念がある。
しかし、本実施の形態3では、コイルチャック部2Eの断面形状が縦長の形状であり、線材11の余肉をコイルチャック部2Eの隙間に逃がすことができる。このため、線材11に印加される応力を適度に抑えることができる。従って、線材11の余肉が溝8内に食い込んでしまい線材11が送れなくなることを防止しつつ、溝8により線材11を適度な力で把持して線材11の滑りを防止することができる。
また、線材11の滑りを防止することができるため、線材11に絶縁被膜がある状態でも、被膜剥離処理を行うことなく線材同士を結線することができる。
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 冷間圧接用ダイス、1a〜1d ダイス片、1A,1B ペアダイス、
2,2A〜2E コイルチャック部、8 溝、11 線材。

Claims (5)

  1. 一対のダイス片で線材を把持するコイルチャック部を構成するペアダイスを二個備え、上記両ペアダイスを突き合わせて上記コイルチャック部に把持された上記線材を接合する冷間圧接用ダイスであって、
    上記コイルチャック部の断面形状は、上記コイルチャック部が上記線材を把持する第1の方向の寸法より、上記第1の方向に直交する第2の方向の寸法が長い形状であるとともに、上記コイルチャック部の断面積が上記線材の断面積より大きいことを特徴とする冷間圧接用ダイス。
  2. 上記コイルチャック部の断面形状は、略等しい2つの円弧が合わされて形成された形状であることを特徴とする請求項1に記載の冷間圧接用ダイス。
  3. 上記コイルチャック部の断面形状は、上記第1の方向の寸法が上記線材の直径以下、かつ上記第2の方向の寸法が上記線材の直径より大きいことを特徴とする請求項2に記載の冷間圧接用ダイス。
  4. 上記コイルチャック部の断面形状は、多角形状であることを特徴とする請求項1に記載の冷間圧接用ダイス。
  5. 上記コイルチャック部の内周面に、周方向の溝を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の冷間圧接用ダイス。
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