JP2013181658A - リニアスライドレールの運動部品構造 - Google Patents

Abstract

【課題】結合の安定性を増強できるリニアスライドレールの運動部品構造を提供する。
【解決手段】スライド台2、２個の端蓋3、２個の強化片4を備え、スライド台2は相対して延伸する２個の脚部21を備え、スライドレール1上を跨いで設置され、２個の端蓋3は、スライド台2の相対する両端に結合され、２個の強化片4は、側板41を備え、側板41より２個の屈折延伸片42を延伸し、スライド台2の２個の脚部21に対応し、２個の屈折延伸片42上には、それぞれ１個の固定孔43を設置し、２個の強化片4を端蓋3外側にそれぞれ結合し、それぞれ固定部品5により、前記固定孔43の２個の屈折延伸片42を貫通し、スライド台2の２個の脚部21に固定し、スライド台2の各脚部21の二端には、１個以上の凸ブロック23をそれぞれ設置し、２個の強化片4の２個の屈折延伸片42上には、１個以上の係合固定部をそれぞれ設置し、これにより凸ブロック23に対応して係合固定する。
【選択図】図１

Description

本発明はリニアスライドレールの運動部品構造に関し、特に強化片の係合固定部を利用しスライド台の凸ブロック上に係合して固定し、これにより端蓋とスライド台との結合安定性を増強できる結合構造であるリニアスライドレールの運動部品構造に関する。

リニアスライドレールは、多くの大型精密機械に広く応用されており、これにより機械パーツスライド移動の精密度、スムーズ度、安定性、使用寿命等を向上させることができる。

リニアスライドレールは、スライドレール、及びスライドレール上を跨いで設置する運動部品により構成する。運動部品は、スライド台、２個の端蓋を備える。２個の端蓋は、スライド台の相対する両端に結合する。スライド台は、２個の脚部とスライドレールのトラックとを組合せ、運動トラックを組成する。端蓋は、回転通路を構成し、運動トラックに連接する。スライド台はさらに、回流通路を提供し、回転通路に連接する。これにより、運動トラック、回転通路、回流通路は、封鎖された循環通路を構成することができる。こうして、列を成す回転体を、循環通路中に入れると、整列した回転体は、循環通路内を循環運行し、運動部品を連動し、スライドレール上で往復運動を行わせる。

特許文献１による「保持器を備えるリニアスライドレール」、特許文献２による「ローリング部品保持器を備えるリニアスライドレール」、或いは特許文献３による「リニアスライドレールの潤滑結構」等がリニアスライドレールアセンブリを開示する。

上記したリニアスライドレールの設計には、いくつかの欠点が存在する。先ず、端蓋は通常はプラスチック射出成型により、複雑な形状を形成するが、プラスチックの耐負荷能力は低い。しかも、回転体が循環通路中でローリグし、運動トラック或いは回流通路から、回転通路に進入する時、回転体は端蓋に対して軸方向の分力を加える。スライド台が運行速度を拡大する時、端蓋が受ける力は、正比例して増加する。これにより、端蓋に変形を生じ、或いはスライド台との結合不安定により外れてしまう。こうして、スライド台の、スライドレール上での運行は、スムーズにいかなくなり、或いは損壊してしまう。

さらに、上記の欠点は、スライド台の運行速度を制限することになってしまう。なぜなら、スライド台の高速運行は、回転体の高速ローリングと同じであるため、回転体が高速ローリングすることで、端蓋はより強い軸方向の負荷に耐えなければならなくなる。これにより、端蓋の損壊を回避するため、スライド台の運行速度は制限を受けざるを得ない。

端蓋とスライド台との結合剛性不足、及びスライド台運行速度が制限を受けるという欠点を解決するため、本発明人はかつて、特許文献４による「リニアスライドレール」、或いは特許文献５による「スライド台に使用する強化片、スライド台及びリニアスライドレール」に強化片の設計を開示した。それは、端蓋外側に、金属製の強化片を結合し、強化片の金属材質の高強度の特性を利用し、端蓋が受ける負荷を吸収し、排除し、これにより端蓋とスライド台結合の安定性を拡大でき、スライド台運行速度を高めることができるものである。

しかし、実際の使用において、以下の欠点が発見された。
すなわち、強化片が対応するスライド台脚部の屈折延伸片は、ネジにより、下から上へと、スライド台鋼体上に螺合、固定され、ネジ螺合固定力の静止摩擦力を利用し、軸方向の力を受止める。そのため、軸方向の力が、静止摩擦力より大きくなると、緩み脱落する恐れがある。
本発明は、従来のリニアスライドレールの運動部品構造の上記した欠点に鑑みてなされたものである。

台湾特許第M392890号 台湾特許第I312036号 台湾特許第M347492号 台湾特許第I285244号 台湾特許第201118271号

本発明が解決しようとする課題は、スライド台に対するますます高まる高速運行へのニーズに対応するため、強化片とスライド台との間の結合関係に対してリニアスライドレールの運動部品構造を提出し、強化片上に係合固定部を設置し、スライド台上に係合固定して設置する凸ブロックに対応し、こうして強化片はスライド台との間で、力の結合ではなく、形状上の結合を生じ、これにより端蓋はより大きな軸方向負荷を受止め可能となり、端蓋とスライド台との結合安定性を拡大し、スライド台は運行速度を速くすることができるリニアスライドレールの運動部品構造を提供することである。

上記課題を解決するため、本発明は下記のリニアスライドレールの運動部品構造を提供する。
リニアスライドレールの運動部品構造は、スライド台、２個の端蓋、２個の強化片を備え、該スライド台は、相対して延伸する２個の脚部を備え、スライドレール上を跨いで設置し、スライド台の各脚部の二端には、１個以上の凸ブロックをそれぞれ設置し、該２個の端蓋は、該スライド台の相対する両端に結合し、該２個の強化片は、側板を備え、及び該側板より２個の屈折延伸片を延伸し、該スライド台の２個の脚部に対応し、該２個の屈折延伸片上には、それぞれ１個の固定孔を設置し、及び１個以上の係合固定部を備え、２個の強化片を、該端蓋外側にそれぞれ結合し、これにより、係合固定部は、該凸ブロックに対応し係合して固定し、それぞれ固定部品を固定孔に通し、該２個の屈折延伸片を該スライド台の２個の脚部に固定し、一般的に、固定部品はネジを使用し、ネジを該固定孔の２個の強化片の２個の屈折延伸片に通し、該スライド台剛体上に垂直に螺合して固定し、さらに、該係合固定部は、係合固定孔或いは係合固定欠溝で、さらに、該スライド台の２個の脚部の二端には、それぞれ凹部を備え、該２個の強化片の２個の屈折延伸片に対応し、しかも該凹部の深さと該凸ブロックの高度は、該屈折延伸片の厚みとそれぞれ等しく、さらに、該凸ブロック及び該係合固定部は、多辺形の組合せ或いは円形の組合せである。

本発明のリニアスライドレールの運動部品構造は、以下の効果を達成することができる。
＜１＞強化片の係合固定部を利用し、スライド台の凸ブロック上に係合して固定し、これにより回転体が端蓋に加える軸方向分力を直接軸方向に受止め、分散し、端蓋とスライド台との結合剛性を増強でき、これにより端蓋はより大きな軸方向負荷を受止め可能となるため、回転体が運動トラックより回転通路へ入る時、回転体が端蓋に加える軸方向分力は、端蓋に変形、緩み、脱落を生じさせることはないため、運動部品の故障率を低下させ、使用寿命を延長することができる。
＜２＞端蓋とスライド台との結合安定性を高めるため、回転体はより高速で、循環通路中でローリング可能となり、すなわち運動部品もより高速で、スライドレール上で運行可能となる。

本発明の実施例１の立体分解図である。 図１の組合せ図である。 図２のＡ−Ａ位置における断面図である。 図２のＢ−Ｂ位置における断面図である。 図４の局部拡大図である。 本発明の実施例２の強化片の外観図である。 本発明の実施例２の組合せ状態図である。

以下に図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳述する。

図１と図２に示すように、本発明の実施例１は、スライドレール1、スライド台2、２個の端蓋3、２個の強化片4、固定部品5を備える。

スライド台2は、相対して延伸する２個の脚部21を備え、これをスライドレール1上に跨がせて設置する。各脚部21の二端には、凹部22をそれぞれ備え、凹部22上には、１個以上の凸ブロック23をそれぞれ設置する。

２個の端蓋3は、スライド台2の相対する両端に結合する。

各強化片4は、側板41、及び側板41から延伸する２個の屈折延伸片42を備える。２個の屈折延伸片42は、スライド台2の２個の脚部21上の凹部22に対応し、側板41及び２個の屈折延伸片42上には、それぞれ１個の固定孔43を設置する。２個の屈折延伸片42上には、１個以上の係合固定孔44を設置し、２個の強化片4を、端蓋3外側にそれぞれ結合する。これにより、係合固定孔44は、凸ブロック23に対応し、係合固定する。

本実施例の凸ブロック23及び係合固定孔44は、多辺形の組合せである。例えば、図中の四辺形凸ブロック23及び係合固定孔44の組合せとするが、多辺形に限定するものではなく、円形の組合せ(図示なし)とすることもでき、使用及び製造上の必要、或いは利便性に基づき決定する。さらに、固定部品5を、固定孔43に通し、側板41を、端蓋3上に固定し、及び２個の屈折延伸片42を、スライド台2の２個の脚部21に固定する。

一般に、固定部品5は、ネジを使用し、ネジにより、固定孔43の２個の強化片4の２個の屈折延伸片42を貫通させ、スライド台2剛体上に垂直に螺合して固定する。また、凹部22の深さと凸ブロック23の高度は、屈折延伸片42の厚みとそれぞれ同等である。そのため、強化片4の２個の屈折延伸片42が、スライド台2の２個の脚部21に固定されても、小型化されたリニアスライドレール運動部品においては、スライド台2全体の体積を拡大することはない。

図３に示すように、スライドレール1、スライド台2、端蓋3は、循環通路Aを共同で組成する。循環通路Aは、スライドレール1とスライド台2の２個の脚部21との間の運動トラックA1、端蓋3上において運動トラックA1に連接する回転通路A2、及びスライド台2上において回転通路A2に連接する回流通路A3を含む。循環通路A内には、ローリングボール或いはローリング柱などの回転体Bを設置する。本実施例は、ローリングボールを例とする。回転体Bが循環通路A内で、無限行程の循環運行を行うことで、スライド台2は、スライドレール1上において、往復運動を行う。

図３乃至図５に示すように、回転体Bが、運動トラックA1或いは回流通路A3より、回転通路A2に入ると、回転体Bは、端蓋3内壁面の接線分力Fを、軸方向分力FNと水平分力FMに分解する。軸方向分力FNが、端蓋3内壁面に作用すると、強化片4が端蓋3外側を覆っているため、衝撃力は、強化片4に直接伝わり、固定部品5からスライド台2上に伝達される。これにより、回転体Bが端蓋3に作用する軸方向分力を分散することができる。これは、一般の強化片が端蓋3負荷を受止める方式で、すなわち固定部品5の螺合固定力の静止摩擦力により、軸方向の力を受止めるのである。

本実施例では、屈折延伸片42の係合固定孔44は、スライド台2の凸ブロック22上に係合固定され、強化片4とスライド台2との間は、固定部品5が生じる力の結合を利用するだけでなく、強化片4とスライド台2との間に、形状上の結合を生じる。こうしてさらに、屈折延伸片42の係合固定孔44位置により、回転体Bが加える軸方向分力を受止め、スライド台2の凸ブロック22へと分散する。よって、端蓋3は、より大きな軸方向負荷を受止めることができる。こうして、回転体Bは、より高速で、循環通路A中でローリング可能となり、すなわち運動部品もより高速で、スライドレール1上で運行可能となる。

図６と図７に示すように、本発明の実施例２と実施例１との差異は、以下の通りである。強化片4は、係合固定欠溝44Aにより、スライド台2の凸ブロック23上に係合して固定し、同様に、係合固定欠溝44A位置により、回転体Bが加える軸方向分力を受止め、スライド台2の凸ブロック22へと分散する。こうして、端蓋3は、より大きな軸方向負荷を受止め可能となる。

上記の本発明名称と内容は、本発明技術内容の説明に用いたのみで、本発明を限定するものではない。本発明の精神に基づく等価応用或いは部品（構造）の転換、置換、数量の増減はすべて、本発明の保護範囲に含むものとする。

本発明は特許の要件である新規性を備え、従来の同類製品に比べ十分な進歩性を有し、実用性が高く、社会のニーズに合致しており、産業上の利用価値は非常に大きい。

1：スライドレール
2：スライド台
21：脚部
22：凹部
23：凸ブロック
3：端蓋
4：強化片
41：側板
42：屈折延伸片
43：固定孔
44：係合固定孔
44A：係合固定欠溝
5：固定部品
A：循環通路
A1：運動トラック
A2：回転通路
A3：回流通路
B：回転体
F：接線分力
FN：軸方向分力
FM：水平分力

Claims (6)

1. リニアスライドレールの運動部品構造であって、
   スライド台、２個の端蓋、２個の強化片、固定部品を備え、
   前記スライド台は、相対して延伸する２個の脚部を備え、スライドレール上を跨いで設置され、
   前記２個の端蓋は、前記スライド台の相対する両端に結合され、
   前記２個の強化片は、側板を備え、及び前記側板より２個の屈折延伸片を延伸し、前記スライド台の２個の脚部に対応し、前記２個の屈折延伸片上には、それぞれ１個の固定孔を設置し、前記２個の強化片を、前記端蓋外側にそれぞれ結合し、それぞれ前記固定部品により、前記固定孔の２個の屈折延伸片を貫通し、前記スライド台の２個の脚部に固定し、
   前記スライド台の各脚部の二端には、１個以上の凸ブロックをそれぞれ設置し、前記２個の強化片の２個の屈折延伸片上には、１個以上の係合固定部をそれぞれ設置し、これにより前記凸ブロックに対応して係合固定することを特徴とするリニアスライドレールの運動部品構造。
2. 前記係合固定部は、係合固定孔であることを特徴とする請求項１に記載のリニアスライドレールの運動部品構造。
3. 前記係合固定部は、係合固定欠溝であることを特徴とする請求項１に記載のリニアスライドレールの運動部品構造。
4. 前記スライド台は、前記２個の脚部の二端にそれぞれ設けられた凹部を備え、前記２個の強化片の２個の屈折延伸片に対応し、しかも、前記凹部の深さと前記凸ブロックの高さは、前記屈折延伸片の厚みとそれぞれ等しいことを特徴とする請求項１に記載のリニアスライドレールの運動部品構造。
5. 前記凸ブロック及び前記係合固定部は、多辺形であることを特徴とする請求項１に記載のリニアスライドレールの運動部品構造。
6. 前記凸ブロック及び前記係合固定部は、円形であることを特徴とする請求項１に記載のリニアスライドレールの運動部品構造。