JP2013181518A - 悪路判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易且つ正確に車両が悪路を走行しているか否かを判定する。
【解決手段】悪路判定装置(100)は、車両の内燃機関(200)における燃焼室(201)内の圧力である筒内圧を検出する筒内圧検出手段(222)と、内燃機関のクランク軸(204)の角度であるクランク角を検出するクランク角検出手段(205)と、クランク角から筒内圧を算出する筒内圧算出手段(110)と、圧縮工程における筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値を算出する差分算出手段(120)と、差分の絶対値が所定値以上となる第1の時刻(t1)と、第1の時刻の次に差分の絶対値が所定値以上となる第2の時刻(t2)との差分から、差分の絶対値が所定値以上となる周期を算出する周期算出手段(130)と、算出された周期に基づいて車両が走行する道路が悪路であるか否かを判定する判定手段(140)とを備える。
【選択図】図5
【解決手段】悪路判定装置(100)は、車両の内燃機関(200)における燃焼室(201)内の圧力である筒内圧を検出する筒内圧検出手段(222)と、内燃機関のクランク軸(204)の角度であるクランク角を検出するクランク角検出手段(205)と、クランク角から筒内圧を算出する筒内圧算出手段(110)と、圧縮工程における筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値を算出する差分算出手段(120)と、差分の絶対値が所定値以上となる第1の時刻(t1)と、第1の時刻の次に差分の絶対値が所定値以上となる第2の時刻(t2)との差分から、差分の絶対値が所定値以上となる周期を算出する周期算出手段(130)と、算出された周期に基づいて車両が走行する道路が悪路であるか否かを判定する判定手段(140)とを備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、車両が走行している道路が悪路か否かを判定する悪路判定装置の技術分野に関する。
この種の装置では、走行中の車両における各種パラメータを用いることで、車両が悪路を走行しているか否かが判定される。例えば特許文献1では、車軸の回転速度を入力して得る推定基準速度と、車軸の回転速度との速度差が所定値以上である場合に、走行中の道路が悪路であると判定するという技術が提案されている。また特許文献2では、車速センサ信号の周波数解析結果と、クランク角センサの周波数解析結果とを比較することにより、失火か悪路かを判定するという技術が提案されている。また特許文献3では、クランク軸の角速度変動量を用いて悪路を判定するという技術が提案されている。また特許文献4では、前輪の回転速度及び後輪の回転速度のピーク出力時間の差を用いて悪路を判定するという技術が提案されている。
他方で、内燃機関の筒内圧に基づいて、燃料の噴射量、噴射時期、噴射圧等の燃料噴射特性値をフィードバック制御するという技術が知られている(例えば、特許文献5及び6参照)。また、筒内圧センサの出力値からdP/dθを算出し、dP/dθが所定閾値以上の場合には瞬断であると判断するという技術が知られている(例えば、特許文献7参照)。
上述した特許文献5及び6に記載されているような、筒内圧に基づいてフィードバック制御を行う技術では、クランク角が誤認識されることにより、筒内圧に誤差が生じてしまうおそれがある。そして、筒内圧に誤差が生じてしまうと、内燃機関の燃焼状態を正確に把握することができず、結果として燃料噴射特性値を適切に補正することが困難となってしまう。
ここで特に、クランク角の誤認識は、車両が悪路を走行することによって発生する場合がある。よって、クランク角の誤認識を発生させるような悪路を走行中には、上述した燃料噴射特性値のフィードバック制御を適切に行えなくなるおそれがある。
しかしながら、例えば特許文献1から4に記載されているような悪路判定方法では、走行中の道路が悪路であるか否かは判定可能であるものの、その悪路が燃料噴射特性値のフィードバック制御に影響を与える程度の悪路であるか否かを判定することはできない。よって、悪路の判定結果を、燃料噴射特性値のフィードバック制御に活かすことができない。
以上のように、上述した各特許文献を含む従来技術は、悪路を適切に判定し、その判定結果に応じて適切な各種制御を実施することが困難であるという技術的問題点を有している。
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、車両が悪路を走行しているか否かを正確に判定し、判定結果に応じた適切な制御を実施することが可能な悪路判定装置を提供することを課題とする。
本発明の悪路判定装置は上記課題を解決するために、車両が走行する道路が悪路であるか否かを判定可能な悪路判定装置であって、前記車両の内燃機関における燃焼室内の圧力である筒内圧を検出する筒内圧検出手段と、前記内燃機関のクランク軸の角度であるクランク角を検出するクランク角検出手段と、前記クランク角から前記筒内圧を算出する筒内圧算出手段と、圧縮工程における前記筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値を算出する差分算出手段と、前記差分の絶対値が所定値以上となる第1の時刻と、前記第1の時刻の次に前記差分の絶対値が前記所定値以上となる第2の時刻との差分から、前記差分の絶対値が所定値以上となる周期を算出する周期算出手段と、前記差分の絶対値が所定値以上となる周期に基づいて、前記車両が走行する道路が悪路であるか否かを判定する判定手段とを備える。
本発明に係る車両は、例えばディーゼルエンジン等として構成される内燃機関を動力源として備えている。内燃機関は、気筒内部の燃焼室において燃料を含む混合気が燃焼した際に発生する力を、例えばピストン、コネクティングロッド及びクランク軸等の物理的又は機械的な伝達手段を適宜介して駆動力として取り出すことが可能に構成されている。
なお、本発明に係る内燃機関では特に、内燃機関の燃焼室内の圧力である筒内圧が筒内圧検出手段によって検出可能とされている。また、内燃期間のクランク軸の角度であるクランク角がクランク角検出手段によって検出可能とされている。
本発明に係る悪路判定装置は、上述した内燃機関における各種パラメータを用いて悪路を判定する装置であって、例えば、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、各種プロセッサ又は各種コントローラ、或いは更にROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、バッファメモリ又はフラッシュメモリ等の各種記憶手段等を適宜に含み得る、単体の或いは複数のECU(Electronic Controlled Unit)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る。
本発明に係る悪路判定装置によれば、その動作時には、先ず筒内圧検出手段によって内燃機関の筒内圧が検出される。一方で、クランク角検出手段では内燃機関のクランク角が検出され、筒内圧算出手段によって検出されたクランク角から筒内圧が算出される。即ち、内燃機関の筒内圧として、筒内圧検出手段によって直接的に検出される検出値(言い換えれば、実測値)と、筒内圧算出手段によって間接的に算出される算出値(言い換えれば、クランク角に基づく理論値)との2種類の値が出力される。
次に、差分算出手段によって、圧縮工程における筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が算出される。ここで、筒内圧の検出値及び算出値の差分は、例えばクランク角検出手段におけるクランク角の誤検出に起因して筒内圧の算出値に誤差が生じてしまうことで発生する。また、クランク角の誤検出は、例えば車両が悪路を走行している場合に、内燃機関が懸架系との共振周波数で振動することに起因して発生する。よって、差分算出手段において算出される差分の値は、クランク角の誤差を示す値であると言える。なお、圧縮行程における筒内圧の値を用いることにより、筒内圧出力の変動を除去することができるため、より的確にクランク角の誤検出を判断できる。
次に、周期算出手段によって、筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が所定値以上となる第1の時刻と、第1の時刻の次に筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が所定値以上となる第2の時刻との差分が算出される。なお、ここでの「所定値」とは、筒内圧の検出値及び算出値の差分(即ち、クランク角の検出値の誤差)が、悪路による影響を受けていると判別できるまでに大きいことを判定するための閾値であり、例えば理論的、実験的或いは経験的に求められ、周期算出手段が有するメモリ等に予め記憶されている。
周期算出手段では更に、第1の時刻と第2の時刻との差分から、筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が所定値以上となる周期(言い換えれば、周波数)が算出される。例えば、第1の時刻をt1、第2の時刻をt2とすると、周期算出手段で算出される周期は、1/(t2−t1)として表すことができる。
周期算出手段で周期が算出されると、判定手段によって、車両が走行している道路が悪路であるか否かが算出された周期に基づき判定される。ここで特に、本願発明者の研究するところによれば、車両が悪路を走行している場合には、筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が所定値以上となる周期が特有の値となることが判明している。よって、車両が悪路を走行している場合に対応する周期の値を判定手段に記憶させておき、この記憶された周期の値と、周期算出手段で算出された周期の値とを互いに比較するようにすれば、車両が走行している道路が悪路であるか否かの判定を好適に行うことが可能となる。
なお、車両が走行している道路が悪路であるか否かの判定結果は、例えば燃料噴射制御等の車両における各種制御に利用することができる。この場合、車両が走行する道路の状況に応じた、より適切な制御を行うことが可能となる。
以上説明したように、本発明に係る悪路判定装置によれば、筒内圧の検出値と算出値の差分を利用することで、容易且つ正確に車両が悪路を走行しているか否かを判定することが可能である。
本発明の悪路判定装置の一態様では、前記筒内圧の検出値に基づいて、前記内燃機関の燃料噴射特性値に対するフィードバック制御を行うフィードバック制御手段と、前記車両が走行する道路が悪路であると判定された場合に、前記フィードバック制御におけるフィードバックゲインを減少させる、又は前記フィードバック制御を中止させるフィードバック調整手段とを備える。
この態様によれば、筒内圧検出手段による筒内圧の検出値は、フィードバック制御手段によって行われる内燃機関の燃料噴射特性値に対するフィードバック制御に用いられる。なお、ここでの「燃料噴射特性値」とは、燃料噴射制御において変更され得る各種パラメータを意味しており、例えば噴射量、噴射時期及び噴射圧等が挙げられる。また、「フィードバック制御」とは、筒内圧の検出値を用いて、燃料噴射特性値を燃焼状態に応じた適切な値へと変更する制御を意味している。
ここで本態様では特に、判定手段によって車両が走行する道路が悪路であると判定された場合に、フィードバック調整手段によってフィードバック制御におけるフィードバックゲインが減少させられる、又はフィードバック制御が中止させられる。これにより、悪路に起因して(より具体的には、悪路を走行することによる振動によってクランク角が誤検出されてしまうことに起因して)内燃機関の燃焼状態を正確に把握できず、結果として不適切なフィードバック制御が実施されてしまうことを防止することができる。
また、本態様では特に、フィードバック制御に用いられる筒内圧の検出値に基づいて悪路判定が行われているため、悪路がフィードバック制御に影響を与える程度のものであるか否かを好適に判定することができる。よって、他の方法で悪路を判定する場合と比べて、より適切にフィードバック制御を実施することが可能となる。
本発明の悪路判定装置の他の態様では、前記判定手段は、前記差分の絶対値が所定値以上となるのが1回のみである場合、前記車両が走行する道路は悪路ではなく、前記クランク角検出手段において悪路以外に起因した誤検出が発生していると判定する。
この態様によれば、筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が所定値以上となるのが1回のみである場合(即ち、周期算出手段による周期の算出が行えない場合)に、判定手段によって、クランク角検出手段において悪路以外に起因した誤検出が発生していると判定される。これにより、例えばクランク角検出手段におけるデータ飛びや瞬断等が発生した場合に、誤って悪路判定が行われてしまうことを防止することができる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<装置構成>
先ず、本実施形態に係るエンジンシステムの構成について、図1を参照して説明する。ここに、図1は、エンジンシステムの構成を概念的に表してなる概略構成図である。
先ず、本実施形態に係るエンジンシステムの構成について、図1を参照して説明する。ここに、図1は、エンジンシステムの構成を概念的に表してなる概略構成図である。
図1において、エンジンシステム10は、図示せぬ車両に搭載され、ECU100及びエンジン200を備える。
ECU100は、CPU、ROM及びRAM等を備えたエンジン200の動作全体を制御する電子制御ユニットであり、本発明に係る「悪路判定装置」の一例である。ECU100は、例えばROM等に格納された制御プログラムに従って各種制御を実行可能に構成されている。ECU100の具体的な構成については後に詳述する。
エンジン200は、軽油を燃料とするディーゼルエンジンであり、本発明に係る「内燃機関」の一例である。エンジン200は、本発明の「燃焼室」の一例であるシリンダ201内において燃料を含む混合気が圧縮自着火した際に生じる爆発力に応じたピストン202の往復運動を、コネクションロッド203を介してクランクシャフト204の回転運動に変換することが可能に構成されている。
クランクシャフトは、本発明の「クランク軸」の一例であり、クランクシャフト204近傍には、クランクシャフト204の回転位置を検出するクランクポジションセンサ205が設置されている。クランクポジションセンサ205は、本発明の「クランク角検出手段」の一例であり、クランク角の検出値をECU100に出力可能に構成されている。
以下に、エンジン200の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。
シリンダ201内における燃料の燃焼に際し、外部から吸入された空気は、図示せぬエアクリーナで浄化された後、吸気管206を通過し、吸気ポート209を介して吸気バルブ210の開弁時にシリンダ201内に吸入される。この際、シリンダ201内に吸入される吸入空気に係る吸入空気量は、図示せぬエアフローメータにより検出され、ECU100に電気信号として一定又は不定の出力タイミングで出力される構成となっている。
吸気管206には、吸入空気量を調節可能なスロットルバルブ207が配設されている。尚、スロットルバルブ207の開閉状態を表すスロットル開度は、ECU100と電気的に接続された図示せぬスロットルポジションセンサにより検出され、ECU100に一定又は不定のタイミングで出力される構成となっている。
エンジン200で使用される燃料は、燃料タンク212に貯留されている。この燃料タンク212には、燃料タンク212に貯留される燃料の量を表す燃料残量を検出可能なフロート式の燃料量センサ217が設置されている。燃料量センサ217は、ECU100と電気的に接続されており、検出された燃料量は、ECU100により、一定又は不定のタイミングで把握される構成となっている。
燃料タンク212に貯留される燃料は、インジェクタ211によって、シリンダ201内の燃焼室に直接噴射される。インジェクタ211を介した燃料の噴射に際しては、先ず燃料タンク212に貯留された燃料が、フィードポンプ214の作用によりデリバリパイプ213を介して燃料タンク212から汲み出され、高圧ポンプ215へ供給される。
コモンレール216は、ECU100と電気的に接続され、上流側(即ち、高圧ポンプ215側)から供給される高圧燃料をECU100により設定される目標レール圧まで蓄積することが可能に構成された、高圧貯留手段である。尚、コモンレール216には、レール圧を検出することが可能なレール圧センサ及びレール圧が上限値を超えないように蓄積される燃料量を制限するプレッシャリミッタ等が配設されるが、ここではその図示を省略することとする。
エンジン200における上述したインジェクタ211は、シリンダ201毎に搭載されており、夫々が高圧デリバリを介してコモンレール216に接続されている。ここで、インジェクタ211の構成について補足すると、インジェクタ211は、ECU100の指令に基づいて作動する電磁弁と、この電磁弁への通電時に燃料を噴射するノズル(いずれも不図示)とを備える。当該電磁弁は、コモンレール216の高圧燃料が印加される圧力室と、当該圧力室に接続された低圧側の低圧通路との間の連通状態を制御することが可能に構成されており、通電時に当該加圧室と低圧通路とを連通させると共に、通電停止時に当該加圧室と低圧通路とを相互に遮断する。
一方、ノズルは、噴孔を開閉するニードルを内蔵し、圧力室の燃料圧力がニードルを閉弁方向(噴孔を閉じる方向)に付勢している。従って、電磁弁への通電により加圧室と低圧通路とが連通し、圧力室の燃料圧力が低下すると、ニードルがノズル内を上昇して開弁する(噴孔を開く)ことにより、コモンレール216より供給された高圧燃料を噴孔より噴射することが可能に構成される。また、電磁弁への通電停止により加圧室と低圧通路とが相互に遮断されて圧力室の燃料圧力が上昇すると、ニードルがノズル内を下降して閉弁することにより、噴射が終了する構成となっている。
このようにしてシリンダ201内に噴射された燃料は、吸気バルブ210を介して吸入された吸入空気と混合され、上述した混合気となる。この混合気は、圧縮工程において自着火して燃焼し、燃焼済みガスとして、或いは一部未燃の混合気として、吸気バルブ210の開閉に連動して開閉する排気バルブ218の開弁時に排気ポート219を介して排気管220に導かれる構成となっている。
排気管220には、DPF(Diesel Particulate Filter)221が設置されている。DPF221は、エンジン200から排出されるスート(煤)或いはスモーク、及びPM(Particulate Matter:粒子状物質)を捕集可能且つ浄化可能に構成されている。
また、シリンダ201におけるヘッド部分には、シリンダ201内の圧力である筒内圧を検出する筒内圧センサ222が設けられている。筒内圧センサ222は、本発明の「筒内圧検出手段」の一例であり、筒内圧の検出値をECU100に出力可能に構成されている。
尚、説明の煩雑化を防ぐ目的から図示を省略するが、エンジン200には、上記したセンサ以外にも各種のセンサが配されており、例えば、エンジン200の冷却水温を検出する水温センサ、エンジン200のノッキングレベルを検出するノックセンサ、吸入空気の温度たる吸気温を検出する吸気温センサ及び吸入空気の圧力たる吸気圧を検出する吸気圧センサ等が夫々検出対象毎に最適な位置に設置されている。
次に、本実施形態に係る悪路判定装置の主な部分を構成するECU100の具体的な構成について、図2を参照して説明する。ここに図2は、ECUの構成を示すブロック図である。
図2において、ECU100は、筒内圧算出部110と、差分算出部120と、周期算出部130と、悪路判定部140と、フィードバック調整部150と、フィードバック制御部160とを備えて構成されている。
筒内圧算出部110は、本発明の「筒内圧算出手段」の一例であり、クランクポジションセンサ205(図1参照)において検出されたクランク角に基づいて筒内圧を算出する。筒内圧算出部110は、例えばクランク角及び筒内圧の関係を示すマップや数式を記憶しており、記憶されたクランク角及び筒内圧の関係に基づいてクランク角を算出する。
差分算出部120は、本発明の「差分算出手段」の一例であり、筒内圧センサ222(図1参照)において検出された筒内圧の検出値と、筒内圧算出部110において算出された筒内圧の算出値との差分の絶対値を算出する。
周期算出部130は、本発明の「周期算出手段」の一例であり、差分算出部120において算出された筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が所定の閾値を超える第1の時刻t1と、第1の時刻t1の次に差分の絶対値が所定の閾値を超える第2の時刻t2とを検出し、第1の時刻t1及び第2の時刻t2の差分から、筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が所定の閾値を超える周期を算出する。
悪路判定部140は、本発明の「判定部」の一例であり、周期算出部130において算出された周期に基づいて、車両が走行している道路が悪路であるか否かを判定する。悪路の判定方法については後に詳述する。
フィードバック調整部150は、本発明の「フィードバック調整手段」の一例であり、悪路判定部140において悪路と判定された場合に、フィードバック制御部160で行われるフィードバック制御のフィードバックゲインを減少させる、又はフィードバック制御を中止させる。
フィードバック制御部160は、本発明の「フィードバック制御手段」の一例であり、筒内圧センサ222において検出された筒内圧の検出値に基づいて、燃料噴射特性値のフィードバック制御を行う。フィードバック制御部160は、例えば燃料の噴射量、噴射時期及び噴射圧等についてフィードバック制御を行う。
上述した各部位を含んで構成されたECU100は、一体的に構成された電子制御ユニットであり、上記各部位に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係る上記部位の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各部位は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
<処理説明>
次に、本実施形態に係る悪路判定装置の動作について、図3を参照して説明する。ここに図3は、実施形態に係る悪路判定装置の動作を示すフローチャートである。
次に、本実施形態に係る悪路判定装置の動作について、図3を参照して説明する。ここに図3は、実施形態に係る悪路判定装置の動作を示すフローチャートである。
図3において、本実施形態に係る悪路判定装置の動作時には、先ず筒内圧センサ222によって筒内圧が検出される(ステップS101)。筒内圧の検出値は、ECU100における周期算出部130及びフィードバック制御部160へとそれぞれ出力される。
続いて、クランクポジションセンサ205によってクランク角が検出され(ステップS102)、ECU100の筒内圧算出部110によって検出されたクランク角から筒内圧が算出される(ステップS103)。筒内圧の算出値は、差分算出部120へと出力される。
続いて、ECU100の差分算出部120によって、圧縮工程における筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が算出される(ステップS104)。即ち、筒内圧センサ222において検出された値と、筒内圧算出部110において算出された値との差分の絶対値が算出される。算出された差分の絶対値は、周期算出部130へと出力される。
続いて、ECU100の周期算出部130によって、筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が所定の閾値以上となる第1の時刻t1と、第1の時刻t1の次に筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が所定の閾値以上となる第2の時刻t2との差分が算出される。そして、周期算出部130では更に、第1の時刻t1と第2の時刻t2との差分から、筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が所定の閾値以上となる周期が算出される(ステップS105)。
以下では、上述した周期の算出までの各処理について、図4及び図5を参照して詳細に説明する。ここに図4は、筒内圧及びクランク角から算出される筒内圧の算出値を検出値の一例と共に示すグラフである。また図5は、悪路走行に起因する筒内圧差分のピーク周期を示すグラフである。
図4において、エンジン200の筒内圧は、クランクポジションセンサ205において検出されたクランク角を用いて、図に示すような値として筒内圧算出部110において算出される。ここで、筒内圧センサ222において検出される筒内圧の検出値は、上述した筒内圧算出部110において算出される算出値と同じ値になることが好ましいが、図に示すように、算出値と異なる値として検出されてしまう場合がある。
このような筒内圧の検出値及び算出値の差分は、例えばクランクポジションセンサ205におけるクランク角の誤検出に起因して筒内圧の算出値に誤差が生じてしまうことで発生する。なお、クランク角の誤検出は、例えば車両が悪路を走行している場合に、エンジン200が懸架系との共振周波数で振動することに起因して発生する。よって、差分算出部120において算出される差分の値は、クランク角の誤差を示す値であると言える。
図5において、差分算出部120で算出される筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値は、時間の経過と共に例えば図に示すような変化をする。ここで特に、車両が悪路を走行している場合には、筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値に車両の振動に起因したピークが表れる。所定の閾値は、このようなピークを検出できるような値として設定されており、周期算出部130では、1つ目のピークに対応する時刻t1及び2つ目のピークに対応するt2の差分が算出される。そして、これらのピークの周期は1/(t2−t1)として算出することができる。
なお、図5の上部には筒内圧センサ222に異常が発生した場合の筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が示されている。ここで、上述した所定の閾値を用いてピークを判定する方法によれば、筒内圧センサ222に異常が発生した場合には、常に差分の絶対値の値が所定の閾値を超える状態となる。よって、悪路を走行している場合と、筒内圧センサ222に異常が発生している場合とを好適に判別することが可能である。
図3に戻り、周期算出部130で周期が算出されると、悪路判定部140によって、算出された周期が悪路に起因する周期であるか否かが判定される(ステップS106)。なお、車両が悪路を走行している場合には、図5に示したように、筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値が所定値以上となる周期が特有の値となる。よって、車両が悪路を走行している場合に対応する周期の値を悪路判定部140に記憶させておき、この記憶された周期の値と、周期算出部130で算出された周期の値とを互いに比較するようにすれば、車両が走行している道路が悪路であるか否かの判定を好適に行うことができる。
算出された周期が悪路に起因する周期であると判定された場合には(ステップS106:YES)、悪路判定フラグがONとされ(ステップS107)、フィードバック調整部150によって、フィードバック制御部160によるフィードバック制御のフィードバックゲインが小さくなるように調整される(ステップS108)。或いは、フィードバック制御が中止されるようにしてもよい。
一方で、算出された周期が悪路に起因する周期でないと判定された場合には(ステップS106:NO)、悪路判定フラグがOFFとされ(ステップS109)、上述したフィードバックゲインの調整は省略される。
なお、筒内圧の差分ピークが1つしか表れなかったり、差分が常に所定の閾値を超えている或いは下回っているような場合には、上述した周期を算出することができない。このような場合には、悪路判定フラグがOFFとされる。
最後に、フィードバック制御部160による燃料噴射特性値のフィードバック制御が行われる(ステップS110)。ここで本実施形態では特に、悪路判定部140によって車両が走行する道路が悪路であると判定された場合には、フィードバック制御におけるフィードバックゲインが減少させられている(或いは、フィードバック制御が中止されられている)。これにより、悪路に起因して内燃機関の燃焼状態を正確に把握できず、結果として不適切なフィードバック制御が実施されてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態では特に、フィードバック制御に用いられる筒内圧の検出値に基づいて悪路判定が行われているため、悪路がフィードバック制御に影響を与える程度のものであるか否かを好適に判定することができる。よって、他の方法で悪路を判定する場合と比べて、より適切にフィードバック制御を実施することが可能となる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う悪路判定装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10…エンジンシステム、100…ECU、110…筒内圧算出部、120…差分算出部、130…周期算出部、140…悪路判定部、150…フィードバック調整部、160…フィードバック制御部、200…エンジン、201…シリンダ、204…クランクシャフト、205…クランクポジションセンサ、211…インジェクタ、222…筒内圧センサ。
Claims (3)
- 車両が走行する道路が悪路であるか否かを判定可能な悪路判定装置であって、
前記車両の内燃機関における燃焼室内の圧力である筒内圧を検出する筒内圧検出手段と、
前記内燃機関のクランク軸の角度であるクランク角を検出するクランク角検出手段と、
前記クランク角から前記筒内圧を算出する筒内圧算出手段と、
圧縮工程における前記筒内圧の検出値及び算出値の差分の絶対値を算出する差分算出手段と、
前記差分の絶対値が所定値以上となる第1の時刻と、前記第1の時刻の次に前記差分の絶対値が前記所定値以上となる第2の時刻との差分から、前記差分の絶対値が所定値以上となる周期を算出する周期算出手段と、
前記差分の絶対値が所定値以上となる周期に基づいて、前記車両が走行する道路が悪路であるか否かを判定する判定手段と
を備えることを特徴とする悪路判定装置。 - 前記筒内圧の検出値に基づいて、前記内燃機関の燃料噴射特性値に対するフィードバック制御を行うフィードバック制御手段と、
前記車両が走行する道路が悪路であると判定された場合に、前記フィードバック制御におけるフィードバックゲインを減少させる、又は前記フィードバック制御を中止させるフィードバック調整手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の悪路判定装置。 - 前記判定手段は、前記差分の絶対値が所定値以上となるのが1回のみである場合、前記車両が走行する道路は悪路ではなく、前記クランク角検出手段において悪路以外に起因した誤検出が発生していると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の悪路判定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012047728A JP2013181518A (ja) | 2012-03-05 | 2012-03-05 | 悪路判定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7347219B2 (ja) | 2020-01-06 | 2023-09-20 | トヨタ自動車株式会社 | 道路診断システム |
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2012
- 2012-03-05 JP JP2012047728A patent/JP2013181518A/ja active Pending
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