JP2013181245A - トピードカーの耐火物ライニング構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱性と耐食性とを両立させたトピードカーの耐火物ライニング構造を提供する。
【解決手段】高炉から出湯される溶銑を受銑して保持し、保持された溶銑に脱リン処理を実施するためのトピードカーの耐火物ライニング構造であって、上記トピードカーの炉体の外側から順に、鉄皮、断熱材、永久耐火物層、および、ワーク耐火物層を有し、上記断熱材の熱伝導率が、0.1W/(m・K)以下であり、上記ワーク耐火物を構成するワーク耐火物の熱伝導率が、12W/(m・K)以下であり、上記ワーク耐火物として、上記保持された溶銑と接触する部位に炭素含有量10〜12質量%の定形耐火物を用い、当該溶銑の湯面上に存在するスラグと接触する部位に炭素含有量8〜10質量%の定形耐火物を用いる、トピードカーの耐火物ライニング構造。
【選択図】図1

Description

本発明は、トピードカーの耐火物ライニング構造に関する。
近年、地球温暖化防止の観点から、二酸化炭素の排出量削減が課題となっている。製鉄業は、産業界で最も二酸化炭素を排出する産業のひとつであるため、この課題の解決は急務である。
製鉄業においては、トピードカー等の各種溶融金属容器が使用されるが、これらの容器に施工される耐火物の使用技術の観点から、二酸化炭素の排出量を削減することが考えられる。
すなわち、熱伝導率が低い耐火物を用いることで、容器に収容された溶融金属の温度低下を抑制し、これにより、その後に溶融金属を昇熱する際に必要なエネルギーを削減することで、二酸化炭素の排出量を削減することが考えられる。
熱伝導率が低い耐火物を用いる方法としては、永久耐火物層と鉄皮との間に断熱材を施工する方法(例えば、特許文献1)や、ワーク耐火物層と永久耐火物層との間に断熱材を施工する方法(例えば、特許文献2)がある。
また、トピードカー(混銑車)において、ワーク耐火物層を構成するワーク耐火物としては、通常、Al−SiC−C煉瓦、Al−C煉瓦などの炭素含有耐火物が使用される。炭素は熱伝導率が高い物質であるため、ワーク耐火物の炭素含有量を低減することによって、その熱伝導率を低減することも考えられる。
特開2000−104110号公報 特開2010−242992号公報
しかしながら、上記のように断熱材を施工する場合、断熱効果が発揮されて溶銑温度の低下は抑制されるものの、トピードカーの炉体内温度が上昇するため、ワーク耐火物の溶損が大きくなる(耐食性が低下する)場合がある。
また、断熱効果を得るため、上記のように、使用するワーク耐火物の炭素含有量を低減させて熱伝導率を低減することも考えられるが、この場合、ワーク耐火物のスポーリング(熱衝撃や温度勾配により亀裂や割れが生じ、表面が剥離する現象)に対する耐性が低下する傾向にある。
なお、本明細書においては、ワーク耐火物の溶損やスポーリングなどの損耗に対する耐性をまとめて「耐用性」ともいう。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、断熱性、耐食性および耐用性を全て満足させたトピードカーの耐火物ライニング構造を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行なった。その結果、トピードカーにおいては、脱リン処理などの処理(溶銑予備処理)が行われ、FeOを多く含む脱リンスラグが生じるが、このような脱リンスラグが存在することにより、溶銑が接する部位(「銑浴部」ともいう)と、スラグが接する部位(「スラグライン部」ともいう)とで、ワーク耐火物の耐食性の挙動が異なるという知見を得た。そのうえで、断熱材を施工する場合に耐食性と耐用性とを両立させるためには、銑浴部およびスラグライン部のそれぞれに最適な炭素含有量のワーク耐火物を施工することが必要不可欠であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(2)を提供する。
(1)高炉から出湯される溶銑を受銑して保持し、保持された溶銑に脱リン処理を実施するためのトピードカーの耐火物ライニング構造であって、上記トピードカーの炉体の外側から順に、鉄皮、断熱材、永久耐火物層、および、ワーク耐火物層を有し、上記断熱材の熱伝導率が、0.1W/(m・K)以下であり、上記ワーク耐火物を構成するワーク耐火物の熱伝導率が、12W/(m・K)以下であり、上記ワーク耐火物として、上記保持された溶銑と接触する部位に炭素含有量10〜12質量%の定形耐火物を用い、当該溶銑の湯面上に存在するスラグと接触する部位に炭素含有量8〜10質量%の定形耐火物を用いる、トピードカーの耐火物ライニング構造。
(2)上記断熱材の厚さが、2〜10mmである、上記(1)に記載のトピードカーの耐火物ライニング構造。
本発明によれば、断熱性、耐食性および耐用性を全て満足させたトピードカーの耐火物ライニング構造を提供することができる。
トピードカー1の一例を模式的に示す断面図である。
図1は、トピードカー1の一例を模式的に示す断面図である。図1に示すトピードカー1は、図示しない高炉から出湯された溶銑11を受銑し、保持している状態である。トピードカー1に保持されている溶銑11の湯面上には、不可避的に存在するスラグ(「溶滓」ともいう)12が浮いている。
トピードカー1の炉体1aの耐火物ライニング構造は、基本的には、外側から順に、鉄皮2、永久耐火物層3およびワーク耐火物層4を有する構造であり、鉄皮2と永久耐火物層3との間には、断熱材5が施工されている。
鉄皮2は、トピードカー1(炉体1a)の最外層として、耐火物を支持する鋼鉄製の構造物である。
断熱材5は、断熱機能を発揮する材料であり、その材質としては、例えば、SiO、Al、およびこれらの化合物などが挙げられる。断熱材5としては、圧縮強度が静鉄圧よりも高いものを使用することが好ましく、例えば、炭化珪素(SiC)や酸化チタンなどが添加された断熱材を用いてもよく、ファイバー繊維などを混入させて強度を確保した断熱材を用いてもよい。
もっとも、本発明においては、断熱材5の800℃における熱伝導率を0.1W/(m・K)以下とする。断熱材5の800℃における熱伝導率がこれより大きい場合は、溶銑11の温度低下を抑制する効果が不十分であるが、断熱材5の800℃における熱伝導率が0.1W/(m・K)以下であれば、ワーク耐火物層4を構成する耐火物の耐スポーリング性を低下させずに、保持された溶銑11の温度低下を最大限抑制することができる。
溶銑11の温度低下をより抑制できるという理由から、断熱材5の800℃における熱伝導率は、0.08W/(m・K)以下が好ましく、0.05W/(m・K)以下がより好ましい。
また、断熱材5の厚さは、溶銑量の確保と断熱効果との両立という観点から、2〜10mmが好ましく、2〜5mmがより好ましい。
永久耐火物層3は、後述するワーク耐火物層4(の一部)が損傷し抜け落ちたときでも溶銑11が漏洩しないよう、安全を確保するために施工される煉瓦層であり、セーフティライニングとも呼ばれる。
永久耐火物層3を構成する耐火物(「永久耐火物」ともいう)としては、定形耐火物(成形煉瓦)または不定形耐火物が用いられ、具体的には、例えば、ろう石煉瓦、ハイアルミナ煉瓦などが用いられる。
なお、トピードカー1(炉体1a)は、上述したように、基本的には、鉄皮2と、断熱材5と、永久耐火物層3と、ワーク耐火物層4とを外側からこの順に有するものであるが、その一部において、これらのいずれかを欠いていても、本発明の耐火物ライニング構造に含まれるものとする。
例えば、図1に示すように、炉体1aの側部において、永久耐火物層3(永久耐火物3a)を欠いて、代わりに、ワーク耐火物層4が2層形成されるようにしてもよい。具体的には、後述する銑浴部ワーク耐火物4aが2層配置されているようにしてもよい。このような構成にすると、溶銑11の漏洩防止になる。
ワーク耐火物層4は、高温の溶銑11に直接接する耐火物層であり、溶銑11およびスラグ12との接触面(稼働面)を形成する層である。
本発明においては、ワーク耐火物層4を構成する耐火物(「ワーク耐火物」ともいう)としては、定形耐火物(成形煉瓦)が用いられる。以下、「ワーク耐火物」といった場合、特に断りがない限り、定形耐火物を意味するものとする。
ここで、ワーク耐火物層4は、溶銑11やスラグ12との接触状態に応じて、トピードカー1の高さ方向に3つの部位に区分される。
すなわち、ワーク耐火物層4は、トピードカー1に保持された溶銑11と接触する下段部位(「銑浴部」ともいう)と、スラグ12と接触する中段部位(「スラグライン部」ともいう)と、溶銑11およびスラグ12と非接触の上段部位(「天井部」ともいう)とに区分される。
本発明においては、詳細は後述するが、銑浴部のワーク耐火物層4を構成するワーク耐火物(以下「銑浴部ワーク耐火物4a」ともいう)、および、スラグライン部のワーク耐火物層4を構成するワーク耐火物(以下「スラグライン部ワーク耐火物4b」ともいう)は、それぞれ、熱伝導率や炭素含有量が異なっている。
以下、銑浴部ワーク耐火物4a、スラグライン部ワーク耐火物4b、および、天井部のワーク耐火物層4を構成するワーク耐火物(以下「天井部ワーク耐火物4c」ともいう)をまとめて、「ワーク耐火物4a〜4c」ともいう。
なお、トピードカー1においては、受銑中や出銑中などに、銑浴部やスラグライン部が変動する場合もあり得るが、本発明において、「銑浴部」、「スラグライン部」、および「天井部」とは、高炉から出湯された溶銑の受銑が終了して保持している状態(保持された溶銑を搬送中の状態や、保持された溶銑に溶銑予備処理等の各種処理を実施する際の状態も含む)における概念を意味するものとする。
また、「銑浴部」、「スラグライン部」、および「天井部」は、操業条件等によって変動する場合もあり得るが、本発明では、通常の操業条件における概念を意味するものとする。
図1に示すトピードカー1においては、まず、高炉で溶銑11を受銑し、脱珪処理、脱硫処理、脱リン処理などの溶銑予備処理が実施された後、転炉等に溶銑11を払い出し、空になった状態で再び高炉に戻るという工程が繰り返し実施される。
ここで、本発明においては、上述したように、鉄皮2と永久耐火物層3との間に断熱材5を施工する。これにより、ワーク耐火物層4の背面(鉄皮2側の面)の温度を上げ、ワーク耐火物層4内に生じる温度勾配を小さくすることにより、スポーリングを抑制する。
このとき、ワーク耐火物層4を構成するワーク耐火物4a〜4cの1500℃における熱伝導率を12W/(m・K)以下とする。ワーク耐火物4a〜4cの1500℃における熱伝導率がこれより大きい場合は、溶銑11の温度低下を抑制する効果が不十分であるが、ワーク耐火物4a〜4cの1500℃における熱伝導率が12W/(m・K)以下であれば、ワーク耐火物4a〜4cの耐スポーリング性を低下させずに、保持された溶銑11の温度低下を最大限抑制することができる。
溶銑11の温度低下をより抑制でき、かつ、ワーク耐火物層4内に生じる温度勾配を小さくするという理由から、ワーク耐火物4a〜4cの1500℃における熱伝導率は、6.5〜12W/(m・K)が好ましく、6.5〜10W/(m・K)がより好ましい。
ところで、上述したように、トピードカー1において溶銑11に溶銑予備処理が行われるが、この溶銑予備処理における脱リン処理では、脱リン剤として、酸素(酸素ガス、酸化鉄)、塩基性フラックス(CaO系など)などが用いられる。
より詳細には、トピードカー1での脱リン処哩は、酸素源である酸化鉄やCaOを主とする脱リン剤を、キャリアガスと共に、図示しない浸漬ランスを介して、溶銑11に吹き込む処理である。このとき、脱リン反応は、メタル/スラグ間で以下のように起こる。
3(CaO)+5(FeO)+2[P]=(3CaO・P)+5[Fe]
([P]:溶銑中のリン、[Fe]:溶銑中の鉄、CaO:スラグまたはフラックス中のCaO、FeO:スラグ中のFeO、P:スラグ中のP
したがって、脱リン処理中のスラグ(以下「脱リンスラグ」ともいう)12中には、上記反応を進めるために、常に高濃度のFeOが存在している。
本発明は、上述したように、鉄皮2と永久耐火物層3との間に断熱材5を施工して断熱効果を得るものであるが、これにより、ワーク耐火物層4の稼働面(溶銑との接触面)の温度が上がるため、溶損が大きくなる。そこで、ワーク耐火物層4に耐食性の良好な耐火物を用いることで、断熱性、耐食性および耐用性を全て満足させるものである。このとき、ワーク耐火物4a〜4cのうち、銑浴部ワーク耐火物4aおよびスラグライン部ワーク耐火物4bについて、最適な炭素含有量を規定するものである。
まず、銑浴部ワーク耐火物4aは、途中で損傷の大きな箇所を補修しにくい位置にあるため、他の部位より耐スポーリング性に対する要求が高い。
また、銑浴部においては、脱リンスラグ12中のFeO成分が溶銑11中の炭素により即座に還元されるため、耐火物中の炭素が液相酸化されることはない。このことから、銑浴部ワーク耐火物4aとしては、炭素含有量の多い耐火物を使用する方が耐食性の観点から好ましい。これは、同時に、良好な耐スポーリング性を満たす。
具体的には、銑浴部ワーク耐火物4aの炭素含有量が10質量%未満であると、耐食性が不十分である。一方、炭素含有量が12質量%を超えると熱伝導率が大きくなり、溶銑11の温度低下が大きくなる。
以上の点から、本発明においては、銑浴部ワーク耐火物4aの炭素含有量は、10〜12質量%であり、10.0質量%超とすることが好ましい。耐食性および耐用性をさらに向上させるためには、11〜12質量%が好ましい。
次に、スラグライン部においては、脱リンスラグ12中に含まれるFeO成分によって耐火物中の炭素が液相酸化されるため、炭素含有量が低い耐火物を使用することにより、耐食性が大幅に向上する。しかし、炭素含有量の低い耐火物はスポーリング損傷しやすい。
具体的には、スラグライン部ワーク耐火物4bの炭素含有量が10質量%を超えると耐食性が不十分となる。一方、炭素含有量が8質量%未満であると耐スポーリング性が不十分となる。
以上の点から、本発明においては、スラグライン部ワーク耐火物4bの炭素含有量は、8〜10質量%であり、10.0質量%以下であることが好ましい。耐食性および耐用性をさらに向上させるためには、8〜9質量%が好ましい。
なお、天井部は、途中で修理することが最も容易な部位である。そのため、天井部ワーク耐火物4cとしては、熱伝導率12W/(m・K)以下の耐火物であれば、炭素含有量については特に限定されることなく使用できる。
もっとも、炭素含有量が高すぎると耐火物が酸化されやすくなり、低すぎると耐火物が割れやすくなってしまうという理由から、天井部ワーク耐火物4cの炭素含有量は、3〜8質量%であるのが好ましく、3〜5質量%であるのがより好ましい。
このようなワーク耐火物4a〜4cとしては、例えば、Al、SiC、およびMgOからなる群から選ばれる少なくとも1種と、炭素とを含有する定形煉瓦が用いられ、このような定形煉瓦としては、具体的には、例えば、Al−SiC−C煉瓦、MgO−C煉瓦、Al−C煉瓦などが挙げられ、含有する炭素は、例えば、黒鉛であり、具体的には鱗状黒鉛である。
また、ワーク耐火物層4(ワーク耐火物4a〜4c)の厚さは、120mm以上が好ましい。コスト削減の観点からワーク耐火物4a〜4cの張替えは半年に1回の頻度にとどめたい。厚さが稼働開始から半年後に1/4まで低減した場合でも、最低30mmの厚さを確保するためには、当初より120mm以上の厚さを確保すべきである。なお、ワーク耐火物層4の厚さとワーク耐火物4a〜4cの厚さとを同義として扱う。
もっとも、厚さが大きすぎるとワーク耐火物の稼動面側と背面側との温度差が大きくなりすぎるため、スポーリングしやすくなるという理由から、300mm以下であるのが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<発明例1〜9、比較例1〜5>
図1に示す、トピードカー(容量:300t)において、永久耐火物層とワーク耐火物層とを施工した。各例に共通して、永久耐火物層を構成する永久耐火物として、ハイアルミナ煉瓦、ろう石煉瓦を使用し、厚さをそれぞれ20mm、40mmとした。鉄皮側にろう石煉瓦、ワーク耐火物層側にハイアルミナ煉瓦を施工した。
さらに、一部の例を除き、鉄皮と永久耐火物層との間に断熱材を施工し、その800℃における熱伝導率および厚さを、下記第1表に示すように、各例において異ならせた。なお、断熱材を施工しなかった場合は下記第1表中に「−」を記載した。
また、各例に共通して、ワーク耐火物層の各部を構成するワーク耐火物として、Al−SiC−C煉瓦(ASC煉瓦)を使用し、厚さを300mmとしたが、各部の1500℃における熱伝導率および厚さを、下記第1表に示すように、各例において異ならせた。
もっとも、天井部については、各例に共通して、炭素含有量は8質量%、1500℃における熱伝導率を8.2W/(m・K)とし、厚さを300mmとした。
このような各例のトピードカーにおいて、高炉から出湯される溶銑(1500℃)を受銑してから、40分の脱リン処理を行い、出銑するという溶銑保持時間275分、放冷時間285分の一連のプロセスを400回繰り返した。脱リン処理などの溶銑温度に影響を及ぼす処理を施す前の溶銑温度(製鋼着温度、単位:℃)を0〜400ch(回)の間で測定し、その平均値を求めた。結果を下記第1表に示す。製鋼着温度が高いほど断熱性に優れるものとして評価できる。
また、受銑してから400ch(回)使用後に常温になるまで放冷し、銑浴部およびスラグライン部のワーク耐火物の平均損耗量(損耗した厚さの平均値、単位:mm)を求め、比較例1の値を100とした指数(損耗指数)で表した。結果を下記第1表に示す。損耗指数が低いほど耐用性および耐食性に優れるものとして評価できる。
上記第1表に示す結果から明らかなように、発明例1〜9と比較例1とを対比すると、断熱材の熱伝導率ならびにワーク耐火物の熱伝導率および炭素含有量が本発明の範囲内である発明例1〜9は、断熱材が施工されずワーク耐火物の熱伝導率および炭素含有量が本発明の範囲外である比較例1と比べて、いずれも製鋼着温度が10℃以上高く、溶銑の温度低下が小さいことから、断熱効果を確認することができた。また、損耗指数についても、いずれも100より小さく、耐用性および耐食性が著しく良好であることがわかった。
また、断熱材を施工した以外は比較例1と同様にした比較例2は、比較例1と比較して製鋼着温度が高くなったため、損耗指数が100より大きくなった。
断熱材を設けず、ワーク耐火物の炭素含有量を比較例1よりも低減した比較例3は、比較例1よりも製鋼着温度は高いものの、ワーク耐火物の炭素含有量が低いために割れが生じ、損耗指数が100よりも大きくなった。
断熱材を設けたが銑浴部ワーク耐火物の炭素含有量を本発明の範囲未満とした比較例4は、比較例1と比較して製鋼着温度は高いものの、溶損が大きくなり、損耗指数が100より大きくなった。
断熱材を設けたがスラグライン部ワーク耐火物の炭素含有量を本発明の範囲未満とした比較例5は、比較例1と比較して製鋼着温度は高いものの、使用中に割れが生じ、損耗指数が100より大きくなった。
1 トピードカー
2 鉄皮
3 永久耐火物層
3a 永久耐火物
4 ワーク耐火物層
4a 銑浴部ワーク耐火物
4b スラグライン部ワーク耐火物
4c 天井部ワーク耐火物
5 断熱材
11 溶銑
12 スラグ(脱リンスラグ)

Claims (2)

  1. 高炉から出湯される溶銑を受銑して保持し、保持された溶銑に脱リン処理を実施するためのトピードカーの耐火物ライニング構造であって、
    前記トピードカーの炉体の外側から順に、鉄皮、断熱材、永久耐火物層、および、ワーク耐火物層を有し、
    前記断熱材の熱伝導率が、0.1W/(m・K)以下であり、
    前記ワーク耐火物を構成するワーク耐火物の熱伝導率が、12W/(m・K)以下であり、
    前記ワーク耐火物として、前記保持された溶銑と接触する部位に炭素含有量10〜12質量%の定形耐火物を用い、当該溶銑の湯面上に存在するスラグと接触する部位に炭素含有量8〜10質量%の定形耐火物を用いる、
    トピードカーの耐火物ライニング構造。
  2. 前記断熱材の厚さが、2〜10mmである、請求項1に記載のトピードカーの耐火物ライニング構造。
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