JP2013180988A - 経口用光老化抑制剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒアルロン酸またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する経口用光老化抑制剤。
【選択図】図1
Description
(1)ヒアルロン酸またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする経口用光老化抑制剤、
(2)紫外線により誘発されるシワ形成の抑制剤として使用されることを特徴とする(1)に記載の経口用光老化抑制剤、
(3)皮膚中のコラーゲンおよび/またはデコリンの産生促進剤として使用されることを特徴とする(1)または(2)に記載の経口用光老化抑制剤、
である。
本発明の経口用光老化抑制剤は、ヒアルロン酸またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする。
本発明において、「ヒアルロン酸」とは、β−D−グルクロン酸とβ−D−N−アセチルグルコサミンとの二糖からなる繰り返し構成単位を1以上有する多糖類である。すなわち、ヒアルロン酸は、β−D−グルクロン酸の1位とβ−D−N−アセチル−グルコサミンの3位とが結合した2糖単位を少なくとも1個含む2糖以上のものである。また、「ヒアルロン酸の薬学的に許容される塩」としては、特に限定されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
(式1)
比粘度 = {(試料溶液の所要流下秒数)/(0.2mol/L塩化ナトリウム溶液の所要流下秒数)}−1
(式2)
還元粘度 = 比粘度/(本品の換算した乾燥物に対する濃度(g/100mL))
(式3)
極限粘度 = 3.6×10−4M0.78
M:平均分子量
本発明の経口用光老化抑制剤は、経口投与により、紫外線暴露による皮膚の光老化を抑制する。
皮膚は常に紫外線に曝露されており、長年かつ繰り返しの紫外線曝露によって皮膚の光老化が促進される。特に、顔や手のような直接紫外線を浴びるケースが多い露出部の肌の老化原因はほとんどが光老化であると考えられている。したがって、顔や手においては、加齢によって起こる自然老化よりも光老化を抑制することが重要である。
さらに、本発明の経口用光老化抑制剤は、経口投与により、紫外線暴露による皮膚中のデコリンの産生を促進することができる。
皮膚中のコラーゲンは、例えば血管壁や皮膚を構成しており、これらの器官に弾力性を与えるのに重要な役割を担っており、皮膚においては弾力やハリを保つのに大きな役割を果たしている。また、デコリンは、皮膚真皮のコラーゲン繊維を束ね、コラーゲン繊維形成を正常にし、皮膚の保水力やハリに影響を与える。
前記コラーゲン遺伝子としては、Col4a1(その配列は「Assay ID : Mm00802372_m1, Accession
number : Bru, Col4a-1, Del(8)44H, Raw, Svc」にて閲覧可能である)、Col1a1(その配列は「Assay ID:
Mm00801666_g1 Accession number : Mov13, RP23-112C19.9, Col1a-1, Cola-1, Cola1,
Mov-13」にて閲覧可能である)、Col3a1(その配列は「Assay ID: Mm01254476_m1 Accession
number : AW550625, Col3a-1, KIAA4231, MMS10-W, Ms10w, mKIAA4231」にて閲覧可能である)およびCol7a1(その配列は「Assay ID: Mm00483818_m1 Accession
number : AW209154」にて閲覧可能である)が挙げられる。
Administration of High Molecular Weight Hyaluronan (900 KDa) Controls Immune
System via Toll-like Receptor 4 in the Intestinal Epithelium)。したがって、本発明の有効成分であるヒアルロン酸またはその薬学的に許容できる塩を経口摂取すると、該ヒアルロン酸またはその薬学的に許容できる塩が腸管上皮表面の受容体に結合し、情報伝達された結果、皮膚の真皮繊維芽細胞等でコラーゲンやデコリンの産生が促進されたと推察される。
なお、ヒアルロン酸も皮膚真皮に含まれ、皮膚の水分を保持し保湿に寄与しているが、皮膚を保湿するだけでは、光老化で形成される深いシワの形成を十分に抑制することができない。
皮膚は紫外線暴露により、皮膚真皮の細胞外マトリックスの大半を占めるコラーゲンが破壊され顕著に減少するとともに、コラーゲン繊維束の乱れが生じるため、皮膚の弾力性が失われ、シワが形成される。
皮膚中のコラーゲンは、例えば血管壁や皮膚を構成しており、これらの器官に弾力性を与えるのに重要な役割を担っており、皮膚においては弾力やハリを保つのに大きな役割を果たしている。皮膚は紫外線暴露により、皮膚真皮の細胞外マトリックスの大半を占めるコラーゲンが顕著に減少するとともにコラーゲン繊維束の乱れが生じ、皮膚の弾力性が失われ、シワが形成される。また、デコリンは、皮膚真皮のコラーゲン繊維を束ね、コラーゲン繊維形成を正常にし、皮膚の保水力やハリに影響を与える。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されない。
下記の各ヒアルロン酸をそれぞれ精製水に溶解させ、各経口用光老化抑制剤を得た。
なお、後述する試験例1において、各ヒアルロン酸の投与量が200mg/Kg/日となるように、ラットの平均体重及び平均飲水量から濃度を算出して、試験液を調製した。
実施例1:ヒアルロン酸(平均分子量30万、白色粉末、キユーピー株式会社製)
実施例2:ヒアルロン酸(平均分子量5万、白色粉末、キユーピー株式会社製)
実施例3:ヒアルロン酸(平均分子量8,000、白色粉末、キユーピー株式会社製)
また、滅菌精製水を比較例1とした。
試験例1では、ヒアルロン酸の光老化抑制作用を確認し、該作用機序を解明するために、へアレスマウスにヒアルロン酸を蒸留水に溶解させた水溶液を経口投与した。
試験期間中、1回/日の頻度で、実施例1〜3の経口用光老化抑制剤を体重1kgあたり200mg経口投与した。
試験期間終了後、背部皮膚の状態を観察した。背部皮膚の写真を図1に示す。
図1より、UV(+)コントロール群では、UV(−)コントロール群と比較して、UVB照射によって背部の正中線に対して垂直方向に深いシワが形成されており、UVB照射による顕著なシワ形成の誘発が確認された。
一方、本発明の経口用光老化抑制剤を投与した群(実施例1〜3投与群)では、UV(−)コントロール群と比較するとシワが形成されているが、UV(+)コントロール群と比較してシワの深さは浅く、UVB照射により誘発されるシワ形成の抑制効果が認められた。
試験期間終了後、マウスを解剖し、背部皮膚組織標本から表皮厚を測定した。背部皮膚組織標本をヘマトクリット染色したものの写真を図2に、表皮厚の測定結果を図3に示す。
図2より、UV(+)コントロール群では、UV(−)コントロール群と比較して表皮の肥厚化が認められた。一方、実施例1〜3の経口用光老化抑制剤を投与した群では、いずれもUV(+)コントロール群と比較して表皮の肥厚化が抑制された。
図3より、UV(−)コントロール群に対し、UV(+)コントロール群は1%、実施例1投与群および実施例2投与群では5%の危険率で有意に表皮厚が増加し、実施例3投与群では有意な増加は見られなかった。しかし、実施例1〜3の経口用光老化抑制剤を投与した群では、UV(+)コントロール群と比較して、いずれも表皮厚が低値であった。また、UV(+)コントロール群とのDunnetの検定において、実施例2投与群ではp=0.065、実施例3投与群ではp=0.054となり、両群ともに表皮の肥厚化を抑制する傾向があることが確認できた。
試験期間終了後、マウスの背部から皮膚を切除して取り出し、凍結粉砕後、ラウリル硫酸ナトリウムを含む緩衝液に溶解することで試料を調製し、ウエスタンブロット法により、I型コラーゲン量およびデコリン量を測定した。
ここで、ウエスタンブロット法とは、ゲル電気泳動によって分子量にしたがい分離したタンパク質を転写膜に写し取り、さらに特定のタンパク質に対する抗体を用いて転写膜上で抗原抗体反応によって特定のタンパク質を発色させてその存在を肉眼観察する方法をいい、蛍光試薬で発色させる方法や、酵素反応を利用して発色させる方法など、多くの周知の手法が適用可能である。今回、I型コラーゲンを識別するために抗ブタ真皮由来I型コラーゲンウサギ抗血清を作製して一次抗体として使用し、デコリンに対しては抗ウシ胎盤由来デコリンウサギ抗血清を作製して使用した。それぞれ、二次抗体としてAnti−Rabbit
IgG HRP Conjugate(Promega社製)を用いて発色反応を行った。結果をそれぞれ図4、図5に示す。
UV(+)コントロール群では、UV(−)コントロール群と比較してI型コラーゲンα1鎖の量が減少しており、UVB照射による皮膚中のI型コラーゲン量の減少が認められた。一方、実施例1投与群では、I型コラーゲンα1鎖の量はUV(+)コントロール群と比較してわずかに増加し、実施例2投与群および実施例3投与群では、I型コラーゲンα1鎖の量がUV(+)コントロール群と比較して顕著に増加した。
このように、本発明の経口用光老化抑制剤の経口投与により、皮膚中のI型コラーゲン量が増加することが確認された。
UV(+)コントロール群では、UV(−)コントロール群と比較してデコリンの量が著しく低下しており、UVB照射による皮膚中のデコリン量の低下が認められた。一方、本発明の経口用光老化抑制剤を投与した群では、いずれの群においてもデコリンの量がUV(+)コントロール群と比較して増加し、特に実施例2投与群および実施例3投与群では、UV(−)コントロール群と同等以上のデコリンの量であった。
また、ウエスタンブロット法により検出されるデコリンのバンドの位置で、デコリンの分子量を推定できるが、実施例2投与群および実施例3投与群は、UV(−)コントロール群と比較して高分子の位置にバンドが検出された。
このように、本発明の経口用光老化抑制剤の経口投与により、皮膚中のデコリン量が増加することが確認された。
本発明の経口用光老化抑制剤がI型コラーゲンの遺伝子発現に与える影響を確認するために、mRNA発現量の測定を以下の方法にて行った。
Cycler Dice Real
Time System TP800、タカラバイオ株式会社)を用いたI型コラーゲンおよびデコリンのmRNAの定量を行った。まず、逆転写によってmRNAからcDNAを合成し、cDNAを用いてPCR反応を行った。すなわち、熱変性(95℃、5秒)およびアニーリング(60℃、30秒)を40回繰り返す増幅反応を行い、同時にDNAに結合するCybrGreenの蛍光をモニタリングすることによってDNAの増幅を測定し、対照のmRNA量を1とした場合の定量を行った。用いたマウスI型コラーゲン、デコリン、GAPDHのプライマーはThermal Cycler DiceTM Real
Time System TP800
Software Ver.1.02Aで設計した。I型コラーゲンの配列は5’−ATGCCGCGACCTCAAGATG−3’(Forward)、5’−TGAGGCACAGACGGCTGAGTA−3’(Reverse)、GAPDHの配列は5’−TGTGTCCGTCGTGGATCTGA−3’(Forward)、5’−TTGCTGTTGAAGTCGCAGGAG−3’(Reverse)である。
結果をそれぞれ表2に示す。結果は、UV(−)コントロール群のmRNA発現量を1とした場合の相対値で示す。
このように、ヒアルロン酸の経口投与により、I型コラーゲンのmRNA量が増加することが確認された。
実施例1で使用したヒアルロン酸(平均分子量30万のヒアルロン酸)を経口用光老化抑制剤として使用して、内容物が下記の配合であるソフトカプセルを製した。
経口用光老化抑制剤(平均分子量30万のヒアルロン酸) 20%
オリーブ油 50%
ミツロウ 10%
中鎖脂肪酸トリグリセリド 10%
乳化剤 10%
――――――――――――――――――――――――――――――――
100%
実施例2で使用したヒアルロン酸(平均分子量5万のヒアルロン酸)を経口用光老化抑制剤として使用して、下記の配合の散剤(顆粒剤)を製した。
経口用光老化抑制剤(平均分子量5万のヒアルロン酸) 10%
乳糖 60%
トウモロコシデンプン 25%
ヒプロメロース 5%
――――――――――――――――――――――――――――――――
100%
実施例3で使用したヒアルロン酸(平均分子量8,000のヒアルロン酸)を光老化抑制剤として使用して、下記の配合の錠剤を製した。
経口用光老化抑制剤(平均分子量8,000のヒアルロン酸) 25%
乳糖 24%
結晶セルロース 20%
トウモロコシデンプン 15%
デキストリン 10%
乳化剤 5%
二酸化ケイ素 1%
――――――――――――――――――――――――――――――――
100%
Claims (3)
- ヒアルロン酸またはその薬学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする経口用光老化抑制剤。
- 紫外線により誘発されるシワ形成の抑制剤として使用されることを特徴とする請求項1に記載の経口用光老化抑制剤。
- 皮膚中のコラーゲンおよび/またはデコリンの産生促進剤として使用されることを特徴とする請求項1または2に記載の経口用光老化抑制剤。
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JPH11308977A (ja) * | 1998-04-28 | 1999-11-09 | Ox:Kk | 美肌組成物 |
JP2005046133A (ja) * | 2003-10-20 | 2005-02-24 | Medicaraise Corp | ヒアルロン酸とデルマタン硫酸を含有する健康食品 |
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