以下、図面を参照して、本発明による遊技機の実施形態について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
(第1の実施の形態)
〔遊技機の構成〕
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠(遊技枠)6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏側に配置された遊技制御装置600(図9参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED(光源)等によって構成された枠装飾装置21(図10参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図10参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動、例えば回転駆動するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図10参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカー10a及び下スピーカー10bを備える。上スピーカー10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカー10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカー10a及び下スピーカー10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図9参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図9参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図9参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図9参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置(図示省略)に供給される。
ガラス枠6の下方位置において前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置(表示装置)35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲーム(普図ゲーム、特定変動表示ゲーム)が含まれるが、本明細書では単に変動表示ゲームとした場合には特図変動表示ゲームを指すものとする。
なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変遊技状態(高確率状態)、変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短遊技状態、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。また、高確率状態に対応して通常遊技状態を低確率状態ともいう。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。また、球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体32(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体32の前面にガイドレール33で囲まれた略円形状の遊技領域31を有している。また、遊技盤本体32の前面であってガイドレール33の外側には、前面構成部材(サイドケース)が取り付けられている。さらに、遊技領域31の右下側の前面構成部材は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレートで覆われている。そして、このガイドレール33で囲まれた遊技領域31内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域31には、打球方向変換部材としての風車や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域31を流下する。
遊技領域31の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース34が取り付けられている。センターケース34に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての変動表示装置(表示装置)35が配置されている。変動表示装置35は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示部35aを備え、センターケース34の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、変動表示装置35は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
変動表示装置35において、表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
遊技領域31の変動表示装置35の右上側(上方)には、可動体として演出可動部材(ロゴユニット)70が備えられている。演出可動部材70は、所定の演出実行時に、駆動機構80(図5参照)によって回転可能に構成されている。加えて、演出可動部材70は、図示しない他の駆動機構によって遊技盤30の盤面(又はカバーガラス6a)に沿った所定方向に移動可能及び揺動可能に構成される。演出可動部材70は、各側面において機種情報表示部71や保留表示部72等の表示部(報知部)を備える。なお、演出可動部材70と駆動機構80の詳細な構成は、後述される。
遊技領域31のセンターケース34の側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート、所定領域)36が設けられている。普図始動ゲート36の内部には、該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)603(図9参照)が設けられている。そして、遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36内を通過(所定条件の成立)すると、普図変動表示ゲーム(特定変動表示ゲーム)が実行される。なお、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート、所定領域)36を遊技領域31のセンターケース34の左側にも設けてもよい。
さらに、センターケース34の左下側には、三つの一般入賞口40が配置され、センターケース34の右下側には、一つの一般入賞口40が配置されている。また、一般入賞口40への遊技球の入賞は、一般入賞口40に備えられた入賞口スイッチ(SW)604a〜604m(図9参照)によって検出される。
また、センターケース34の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域、始動口1)37aが設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材37cを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域、始動口2)37bが配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。すなわち、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞することが特図変動表示ゲームを開始するための始動条件となっており、第1始動入賞口37a及び第2始動入賞口37bが当該始動条件を発生させる変動始動入賞装置をなしている。
第2始動入賞口37bの一対の開閉部材37cは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口37bの上方には、第1始動入賞口37aが設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、開閉部材37cは、駆動装置としての普電ソレノイド27(図9参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口37bに遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
さらに遊技領域31の第2始動入賞口37bの下方には、大入賞口ソレノイド28(大入賞口ソレノイド1)(図9参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉41aを有する大入賞口(第1大入賞口)を備えた特別変動入賞装置41が設けられている。また、遊技領域31の上側には、大入賞口ソレノイド128(大入賞口ソレノイド2)(図9参照)によって上端側が左側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉141aを有する大入賞口(第2大入賞口)を備えた特別変動入賞装置141が設けられている。特別変動入賞装置41(又は141)は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、各大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ605、606(カウントスイッチ1、2)(図9参照)が配設されている。
一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b、及び特別変動入賞装置41(又は141)の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置640(図9参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠5の上皿11a又は下皿14に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置41の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口42が設けられている。
また、遊技領域31の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、変動表示装置35における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート36への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置41(又は141)の開閉扉41a(又は141a)の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、変動表示装置35において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示(特定識別情報を変動表示)する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37aへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数、特図1保留数)を表示する。具体的には、LEDランプが4つ設けられ、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口37bへの入賞によって発生した始動記憶のうち未消化の始動記憶数(=保留数、特図2保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動記憶数(=普図保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、普図保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、普図保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、普図保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、普図保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、普図保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器60は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
遊技機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール33の内周壁に沿って区画された発射球案内通路43を通って遊技領域31内に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域31を流下する。発射球案内通路43はガイドレール33と内レール44とによって形成されており、発射球案内通路43の出口に位置する内レール44の端部には弁体46が設けられる。弁体46の下端は内レール44に固定され、弁体46は発射球案内通路43の出口を塞ぐように配設される。弁体46は、金属板からなる板ばね部材であり、発射球案内通路43から遊技領域31に発射される遊技球の通過を許容する一方、遊技領域31側から発射球案内通路43への遊技球の逆流を禁止する。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域31に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域31内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域31を流下し、普図始動ゲート36、一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b又は特別変動入賞装置41、141に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口42へ流入し遊技領域31から排出される。そして、一般入賞口40、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37b又は特別変動入賞装置41、141に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置640によって制御される払出ユニットから、前面枠5の上皿11a又は下皿14に排出される。
前述のように、普図始動ゲート36内には、該普図始動ゲート36を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ603(図9参照)が設けられている。普図始動ゲート36は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域31内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート36内を通過すると、ゲートスイッチ603によって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口37bが開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート36を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動記憶の数は、一括表示装置50の普図保留表示器56に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値(所定の乱数、普図乱数値)が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。なお、当り判定用乱数値についての詳細は後述する。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として、点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止結果が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口37bの一対の開閉部材37cが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口37bに遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート36への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口37bは、内蔵されている普電ソレノイド27(図9参照)が駆動されることにより、開閉部材37cが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37aへの入賞球及び第2始動入賞口37bへの入賞球は、それぞれ内部に設けられた第1始動口スイッチ601(図9参照)と第2始動口スイッチ602(図9参照)によって検出される。第1始動入賞口37aに入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口37bに入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置600(図9参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶(始動記憶)として各々所定回数分(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース34の変動表示装置35においても表示される。このように、遊技制御装置600は、始動記憶を記憶保持する始動入賞記憶手段として機能する。
遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bへの入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、変動表示装置35にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、変動表示装置35では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bへの入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して変動表示装置35の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置41(又は141)は、大入賞口ソレノイド28(又は128)(図9参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置41(又は141)に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、変動表示装置35における飾り特図変動表示ゲームについても、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37a(第2始動入賞口37b)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶(特図始動記憶)が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。なお、第1特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶を第1特図始動記憶、第2特図変動表示ゲームを実行するための始動記憶を第2特図始動記憶とする。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1特図変動表示ゲーム又は第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37a(第2始動入賞口37b)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37a内の第1始動口スイッチ601、第2始動入賞口37b内の第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605、606には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠5に前面枠開放検出スイッチ25やガラス枠6に設けられたガラス枠開放検出スイッチ26には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔演出可動部材(ロゴユニット)〕
図3と図4を参照して、遊技機1に備えられる演出可動部材(ロゴユニット又はロゴ役物)70について説明する。図3は、演出可動部材70の斜視図である。図4(A)−(D)は、演出可動部材70の各側面を示す側面図である。
図3のように、演出可動部材70は、複数の面を有する多面体の本体部70aと、細長い円柱状の軸部70b、70cとを備える。本体部70aの各面には、後述の表示部(報知部)が設けられている。本実施形態では、多面体の本体部70aは、4つの側面と2つの端面を有する四角柱形状であるが、その他の多面体形状を有してもよい。本体部70aは、複数の側面を有する多角柱の形状のうち四角柱形状の他に三角柱形状などを有してもよいし、複数の側面を有する形状であれば裏表の面を有する板状の形状も取りうる。
図4(A)−(D)のように、演出可動部材70の四角柱形状の本体部70aの4つの側面には、それぞれ、表示部が設けられている。ここで側面とは、軸方向に略平行に延在する面である。4つの表示部(報知部)は、遊技機1の機種の情報を表示(報知)する機種情報表示部71と、保留数(始動記憶数)の情報を表示(報知)する保留表示部72と、演出用の演出表示部(A)73と、演出用の演出表示部(B)74である。
機種情報表示部71は、遊技機1の機種の情報として例えば機種名をロゴ(飾り文字)で表示する。本実施形態において、ロゴは、本体部70aの側面の機種情報表示部71に固定された装飾(固定的な装飾)として付加されている。
保留表示部72は、後述の盤装飾装置760に含まれる複数のLED(発光ダイオード)ランプを有し、後述する演出制御装置700の制御によってLEDランプを点灯させて保留数(未消化の始動記憶数)を表示する。ここで、LEDランプ(光源)は8個であり、保留表示部72の一方の側で一列に並んだ4つのLEDランプは第一保留表示部72aを構成し、他方の側で一列に並んだ4つのLEDランプは第二保留表示部72bを構成する。LEDランプは、先読み結果に応じて、発光色を変化できるような、例えば、赤と青の2つのLED素子を含むLEDランプでもよい。なお、LEDランプの保留表示は、演出可動部材70の装飾にもなる。
第一保留表示部72aは、特図1保留表示器54と同様に、特図1の未消化の始動記憶数である特図1保留数を表示して報知する。第二保留表示部72bは、特図2保留表示器55と同様に、特図2の未消化の始動記憶数である特図2保留数を表示(報知)する。後述の演出制御装置700(図10参照)は、遊技制御装置600(図9参照)から送信された飾り特図保留数コマンド(特図保留数コマンド)に基づいて、始動記憶表示の制御として第一と第二の保留表示部72a、72bのLEDランプの点滅を制御する。本体部70aにおいて、演出制御装置700からLEDランプへの制御信号(電流)が送られる目立たない導線や配線(図示せず)が設けられる。
具体的には、第一と第二の保留表示部72a、72bにおいて、保留数(特図1保留数又は特図2保留数)が「0」のときは4つのLEDランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときは4つのLEDランプ(一端からランプ1、2、3、4と呼ぶ)うちのLEDランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
本実施形態において、演出表示部(A)73と演出表示部(B)74は、それぞれ、本体部70aの側面に固定された装飾(固定的な装飾)として付加された演出用の文字(ロゴを含む)や図柄等からなる。なお、演出表示部(A)73と演出表示部(B)74のいずれかを省略することもできる。
なお、演出可動部材70の表示部のいずれかを、画像又は映像を表示するディスプレイ(液晶ディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等)で構成することもできる。この場合に、機種情報表示部71、保留表示部72、演出表示部73、74に表示される文字(ロゴを含む)、図柄、保留数の表示等を画像としてディスプレイに表示してもよい。
〔駆動機構〕
図5から図7を参照して、遊技機1に備えられ演出可動部材70を回転させる駆動機構80について説明する。駆動機構80は、所定の演出実行時に演出可動部材70を回転させる。図5は、演出可動部材70と駆動機構80からなるアセンブリ90(後述の盤演出装置770の一部)の分解斜視図である。図6(A)(B)は、駆動機構80の第一部分80aと第二部分80bの拡大斜視図である。図7は、駆動機構80の側面図である。
図5を参照すると、駆動機構80は、一方の側の第一部分80aと他方の側の第二部分80bからなる。第一部分80aは、第一回転部81と、電気モータ82と、第一保持部83とを含む。第二部分80bは、第二回転部84と、第二保持部85とを含む。演出可動部材70の軸部70bは第一回転部81に接続し、軸部70cは第二回転部84に接続する。電気モータ82は、歯車を介して第一回転部81を回転させ、演出可動部材70は、第一回転部81と第二回転部84とともに回転する。演出可動部材70の回転軸は、軸部70bと軸部70cに一致する。第一回転部81は、回転可能に第一保持部83に保持され、第二回転部84は、回転可能に第二保持部85に保持される。美観の観点から、駆動機構80の第一部分80aと第二部分80bは、外部から視認できないケースに入れられてもよい。
図6(A)を参照すると、駆動機構80の第一部分80aにおいて、第一回転部81は、第一検出片86を備え、第一保持部83は、第一検出片86を検出する第一センサ87をを備える。図6(B)を参照すると、駆動機構80の第二部分80bにおいて、第二回転部84は、第二検出片88を備え、第二保持部85は、第二検出片88を検出する第二センサ89を備える。例えば、第一センサ87と第二センサ89は、それぞれ光を用いて第一検出片86と第二検出片88を検出する光検出センサであり、それぞれ第一検出片86と第二検出片88によって光が遮られる遮光状態を検出することにより第一検出片86と第二検出片88を検出できる。なお、第一検出片86と第二検出片88を磁性体で構成して、第一センサ87と第二センサ89を磁気センサで構成してもよい。
図7を参照すると、第一検出片86と第二検出片88は、演出可動部材70の回転軸(軸部70bと軸部70c)の周りで、90度ずれて配置されている。即ち、第一検出片86が第一センサ87で検出されている場合に、第二検出片88が第二センサ89から回転軸の周りで、90度ずれた位置にある。図7の点線で示すように第二検出片88が第二センサ89で検出されている場合に、第一検出片86が第一センサ87から回転軸の周りで90度ずれた位置にある。
図8は、演出可動部材70の回転位置と、遊技機1の前方(即ち、カバーガラス6a側で遊技盤30の盤面に略垂直な水平方向(遊技者側))に向く表示部と、第一センサ87と第二センサ89の検出の有無との関係を示すテーブルである。電気モータ82は、演出可動部材70を90度ずつ回転させ、演出可動部材70のいずれかの表示部が、遊技者から視認可能な前方(遊技者側)に向くように演出可動部材70の回転位置を調整する。第一センサ87が第一検出片86を検出している第一の回転位置の場合に、演出可動部材70の機種情報表示部71が前方(遊技者側)に向いている。第二センサ89が第二検出片88を検出している第二の回転位置の場合に、演出可動部材70の保留表示部72が前方に向く。演出表示部(A)73と演出表示部(B)74が前方に向く場合に、第一センサ87と第二センサ87の検出はない。電気モータ82の回転により、第一の回転位置と第二の回転位置を基準として、演出表示部(A)73と演出表示部(B)74が前方に向くように調整される。第三の回転位置において、演出表示部(A)73が前方に向く。第四の回転位置において、演出表示部(B)74が前方に向く。
他の駆動機構(図示せず)は、演出可動部材70と駆動機構80からなるアセンブリ90(組立体)全体を遊技盤30の盤面(又はカバーガラス6a)に沿った所定方向に移動及び揺動させる。例えば、この駆動機構は、アセンブリ90全体をアーム等に取付けて電気モータでアームを移動及び揺動させるような機構でよい。
〔遊技制御装置〕
次に、図9を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図9に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620、及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、スイッチベース等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605、606が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン(マイクロコンピュータ)611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ605、606は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605、606によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621への入力信号の電圧は通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、遊技状態報知LED12、一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、128、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU611aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターン(短縮変動と通常変動を含む)に係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)3リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチ(特殊リーチ)を実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置(本実施形態では変動表示装置35)を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、変動表示装置35における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には、大当り遊技状態(特別遊技状態)の予告演出となる複数のリーチ演出が含まれる。特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアムリーチ(特殊リーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。ROM611b又はRAM611cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
また、払出制御装置640は、発射制御装置690に発射許可信号を出力する。発射制御装置690は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域31に発射することが可能となっている。
さらに、払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前において遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。なお、変動開始コマンドには、変動パターンコマンドが含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させ、大入賞口ソレノイド128は特別変動入賞装置141の開閉扉141a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口37bの開閉部材37cを回動させる。
一括表示装置50は、遊技状態報知LED12及び状態表示器等から構成されている。状態表示器のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631dとが接続している。状態表示器のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631cとが接続している。状態表示器のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置50のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、特図変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集装置665に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605、606からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有しており、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を出力する制御信号生成部830とを備える。
遊技制御装置600及び該遊技制御装置600によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置800で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給される。
本実施の形態では、電源装置800は、遊技制御装置600と別個に構成されているが、バックアップ電源部820及び制御信号生成部830は、別個の基板上あるいは遊技制御装置600と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置600は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置800若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部820及び制御信号生成部830を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。バックアップ電源部820は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。
また、バックアップ電源は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM611cに記憶されたデータが保持されるようになっている。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部820は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
〔演出制御装置〕
図10を参照して、遊技機1に備えられる演出制御装置700について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図10に示す演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカー10a及び下スピーカー10bから再生させる音源LSI705とを備える。前述のように演出可動部材70の表示部のいずれかを、画像又は映像を表示するディスプレイ(液晶ディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等)で構成する場合には、VDP730は、このディスプレイへの映像表示のための画像処理も行う。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン(マイクロコンピュータ)710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611から送信されたコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に出力映像の内容を指示したり、音源LSI705に再生音の内容を指示したりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、保留表示部72(演出可動部材70)やセンターケース34や遊技盤30に設けられるLEDランプ等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める演出可動部材70や装飾部材7等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。
これらの制御回路(741〜744)は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。なお、盤装飾LED制御回路741は、主制御用マイコン710が飾り特図保留数コマンド(特図保留数コマンド)から取得した保留数に基づいて、演出可動部材70の保留表示部72を構成するLEDランプの点灯、消灯も制御する。
盤演出装置770には、演出可動部材70と、演出可動部材70を回転させるための駆動機構(駆動源)80と、演出可動部材70を移動させるためのその他の駆動機構(図示せず)が含まれる。駆動機構80内の電気モータ82やその他の駆動機構の電気モータは、盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743によって制御される。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンSW(スイッチ)751や各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータSW(スイッチ)752a〜752nや第一と第二センサ87、89のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信する入力回路750、上スピーカー10a及び下スピーカー10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカー10a及び下スピーカー10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路(741〜744、707、708)に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720が有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
以上のように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたコマンドに基づいて演出制御を行う演出制御手段として機能し、変動表示装置35に表示される表示内容を制御する表示制御手段、及び、スピーカー10から効果音等を出力する音出力制御手段としての機能を有する。
以上が本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。続いて、遊技制御装置600による具体的な制御について説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置600が実行するメイン処理について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図12は、本発明の第1の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。なお、遊技制御装置600が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず、割込みを禁止する(ステップA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(ステップA1003)。さらに、割込み処理のモードを設定する(ステップA1004)。
次に、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)640のプログラムが正常に起動するまで待機する(ステップA1005)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、払出制御装置640の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを当該払出制御装置640に送信してしまうことによって、送信されたコマンドを払出制御装置640が取りこぼすことを回避することができる。
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(ステップA1006)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップA1007)。また、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(ステップA1008)。本実施形態では、払出制御装置640や演出制御装置700とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(ステップA1009)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(ステップA1009の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(ステップA1010〜ステップA1013)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。ステップA1010及びステップA1011の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、ステップA1012及びステップA1013の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(ステップA1013の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(ステップA1014)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(ステップA1015)、これらの値が一致するか否かを判定する(ステップA1016)。
一方、遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA1011又はステップA1013の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1014の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(ステップA1016の結果が「N」)、図12のステップA1039からステップA1043までの初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(ステップA1016の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図12のステップA1017〜ステップA1023)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(ステップA1017)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(ステップA1018)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(ステップA1019)。
次に、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1020)。高確率でないと判定された場合には(ステップA1020の結果が「N」)、ステップA1023以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置600は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(ステップA1020の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1021)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(ステップA1022)。
さらに、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する(ステップA1023)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(ステップA1039)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(ステップA1040)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1041)。
続いて、遊技制御装置600は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(ステップA1042)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信し(ステップA1043)、ステップA1024以降の処理を実行する。
遊技制御装置600は、ステップA1023又はステップA1043の処理が終了すると、遊技用マイコン611(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(ステップA1024)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ステップA1025)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップA1026)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(ステップA1027)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1028)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップA1029)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(ステップA1030の結果が「N」)、ステップA1028の初期値乱数更新処理を再び実行し、ステップA1028からステップA1030までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(ステップA1028)の前に割り込みを許可(ステップA1027)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(ステップA1028)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(ステップA1030の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がステップA1029の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(ステップA1031)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(ステップA1031の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(ステップA1031の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(ステップA1032〜ステップA1038)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(ステップA1032)、全出力ポートをオフに設定する(ステップA1033)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA1034)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1035)。
さらに、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップA1036)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1037)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(ステップA1038)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図13は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(ステップA1101)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでステップA1101の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、普図のゲートスイッチ603、カウントスイッチ605、606などが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口ソレノイド28、普電ソレノイド27が含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集装置665に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置640等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置700に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置640に送信したりする。
さらに、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(ステップA1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(ステップA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605、606が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(ステップA1108)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図14にて後述する。
続いて、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(ステップA1109)。
次に、遊技制御装置600は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステップA1110)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石エラー監視処理を実行する(ステップA1111)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー10から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(ステップA1112)。
そして、遊技制御装置600は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップA1113)。その後、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(ステップA1114)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(ステップA1115)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップA1108)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(ステップA1201)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37a、第2始動入賞口37bに遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図15にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理を実行する(ステップA1202)。カウントスイッチ監視処理では、開放される特別変動入賞装置41(又は141)内に設けられたカウントスイッチ605(又は606)によって対応する特別変動入賞装置41(又は141)に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA1203)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、ステップA1203の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(ステップA1204の結果が「N」)、ステップA1216以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(ステップA1204の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA1205)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA1206)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA1207)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(ステップA1208)。ゲーム処理番号は、特図変動表示ゲームの進行状態を示し、0〜6の7段階で特図変動表示ゲームの進行状態を示す。あるゲーム処理番号に対応する処理が終了すると、ゲーム処理番号は次の番号などに変えられる。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(ステップA1208の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(ステップA1209)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(ステップA1208の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(ステップA1210)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(ステップA1208の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(ステップA1211)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(ステップA1208の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(ステップA1212)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(ステップA1208の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(ステップA1213)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(ステップA1208の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(ステップA1214)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に対応する開閉扉41a(又は141a)を閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置600は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(ステップA1208の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(ステップA1215)。大当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図1表示器51)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1216)。続いて、一括表示装置50(特図1表示器51)に係る図柄変動制御処理を実行する(ステップA1217)。
さらに、遊技制御装置600は、一括表示装置50(特図2表示器52)における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(ステップA1218)。続いて、一括表示装置50(特図2表示器52)に係る図柄変動制御処理を実行する(ステップA1219)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず、第1始動入賞口37aに遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(ステップA1301)。
続いて、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37bに遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1302)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図16にて後述する。
次に、遊技制御装置600は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口37bの開閉部材37c)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口37bの開閉部材37cが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(ステップA1303)。普通電動役物が作動中である場合には(ステップA1303の結果が「Y」)、ステップA1306以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置600は、普通電動役物が作動中でない場合には(ステップA1303の結果が「N」)、第2始動入賞口37bへの不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(ステップA1304)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(ステップA1305)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口37bは、開閉部材37cが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、ステップA1305の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(ステップA1305の結果が「Y」)、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(ステップA1305の結果が「N」)、第2始動入賞口37bによる保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA1306)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1307)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA1302、ステップA1307)の詳細について説明する。図16は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37aや第2始動入賞口37bに遊技球が入賞したことによって第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、第1始動口スイッチ601)から信号が入力されたか否かをチェックする(ステップA1401、ステップA1402)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(ステップA1402の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(ステップA1402の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(ステップA1403)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(ステップA1404)。
続いて、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA1405)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(ステップA1406、ステップA1407)。
そして、遊技制御装置600は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(ステップA1407の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(ステップA1408)。
遊技制御装置600は、ステップA1408の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(ステップA1407の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(ステップA1409、ステップA1410)。
遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満の場合には(ステップA1410の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(ステップA1411)。
続いて、遊技制御装置600は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE部)を準備し(ステップA1412)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION部)を準備する(ステップA1413)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドの送信を設定するためのコマンド設定処理を実行する(ステップA1414)。
次に、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(ステップA1415)。そして、ステップA1404の処理で取得された大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1416)。さらに、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(ステップA1417)。その後、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1418)。
続いて、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(ステップA1419)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(ステップA1420)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(ステップA1421)。変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
第1又は第2特図変動表示ゲームにおける変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置600は、ステップA1418の処理でRWMにセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数などをロードし、特図保留情報判定処理を実行する(ステップA1422)。特図保留情報判定処理の詳細については、図17にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置600は、特図保留数が上限値未満でない場合には(ステップA1410の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA1423)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1424)。
一方、遊技制御装置600は、監視対象が第1始動口スイッチ601でない場合(ステップA1431の結果が「N」)、又は、ステップA1424のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図16)における特図保留情報判定処理(ステップA1422)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず、先読み演出(予告)の実行条件を満たしているか否かをチェックし(ステップA1501)、先読み演出の実行条件を満たしているか否かを判定する(ステップA1502)。先読み演出の実行条件は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞した場合には、普電サポート(電サポ)なし、かつ、特別遊技状態でないことである。また、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞した場合には常に先読み演出の実行条件を満たす。なお、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み演出の実行条件を満たさないと判定してもよい。普電サポート(電サポ)とは、第2始動入賞口37bの開閉部材37cを、所定時間、所定の時間間隔で開閉させて、第2始動入賞口37bに遊技球が流入し易い状態にすることをいう。
遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしている場合には(ステップA1502の結果が「Y」)、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップA1503)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、遊技制御装置600は、先読み演出の実行条件を満たしていない場合には(ステップA1502の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、第1始動入賞口37aに入賞し、かつ、普電サポート(電サポ)中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成される。なお、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち、停電復帰後、変動表示ゲームの実行回数が8回未満の場合にも先読み処理を実行しないようにしてもよい。
その後、遊技制御装置600は、ステップA1503の大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA1504)。大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(ステップA1504の結果が「N」)、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(ステップA1507)。そして、ステップA1508以降の処理を実行する。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(ステップA1504の結果が「Y」)、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(ステップA1505)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレスが定義されている。
さらに、遊技制御装置600は、ステップA1505の処理で設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定する(ステップA1506)。大当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
続いて、遊技制御装置600は、ステップA1506の処理で設定した大当り情報テーブル又はステップA1507の処理で設定したはずれ情報テーブルから図柄情報を取得し、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA1508)。
そして、遊技制御装置600は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA1509)。始動口入賞演出図柄コマンドは、例えば始動記憶に対応する事前判定結果(先読み結果)を演出制御装置700に対して通知するために使用される(後述のステップB1205)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(ステップA1510)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(ステップA1511)。始動口入賞演出コマンドにより、例えばリーチ系統情報を演出制御装置700に対して通知できる(後述のステップB1209)。
その後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(ステップA1512)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行した後(ステップA1513)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(ステップA1514)。
後半変動パターン設定処理(ステップA1513)及び変動パターン設定処理(ステップA1514)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
そして、遊技制御装置600は、前半変動パターンの前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンドのMODE部を算出して準備し(ステップA1515)、後半変動パターンの後半変動番号の値を変動コマンドのACTION部として準備し(ステップA1516)、これらを組み合わせて演出制御装置700に送る始動口入賞演出コマンドとして設定するコマンド設定処理を実行する(ステップA1517)。続いて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA1518)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1519)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、ステップA1515及びステップA1516の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらに、ステップA1518の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。ここで、遊技制御装置600は事前判定手段として機能し、演出制御装置700は事前報知手段として機能する。
以上、遊技制御装置600における制御について説明した。続いて、演出制御装置700による制御について説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置700によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。なお、演出制御装置700が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
主制御用マイコン(1stCPU)710は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(ステップB1001)。次に作業領域であるRAM711を0クリアし(ステップB1002)、CPU初期化処理を実行する(ステップB1003)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(ステップB1004)、乱数初期化処理を実行する(ステップB1005)。
続いて、主制御用マイコン710は、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(ステップB1006)、割込みを許可する(ステップB1007)。割込みが許可されると、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
主制御用マイコン710は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1008)。WDTは、上述したCPU初期化処理(ステップB1003)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
次に、主制御用マイコン710は、遊技者による演出ボタン17の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(ステップB1009)。さらに、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(ステップB1010)。
次に、主制御用マイコン710は、テストモード処理を実行する(ステップB1011)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する場合に実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、遊技制御コマンド解析処理(ステップB1010)において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(ステップB1012)。1stシーン制御処理では、画面の表示内容を統括的に制御する。そして、大当りの期待度の高い変動表示ゲームが実行されることなどを事前に報知する先読み予告制御処理も含まれる。1stシーン制御処理については、図19にて後述する。
さらに、主制御用マイコン710は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(ステップB1013)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン710は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(ステップB1014)。
また、主制御用マイコン710は、スピーカー10から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(ステップB1015)。また、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置760、枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(ステップB1016)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明9などの演出装置(盤演出装置770、枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(ステップB1017)。なお、ステップB1016の装飾制御処理において、演出可動部材70の保留表示部72のLEDランプも保留数に基づいて点灯、消灯が制御される。モータ/SOL制御処理の詳細については、図28(A)(B)において後述される。
最後に、主制御用マイコン710は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(ステップB1018)、ステップB1008の処理に戻る。以降、ステップB1008からステップB1018までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB1012)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(ステップB1101)。テスト中モードの場合には(ステップB1101の結果が「Y」)、実際に演出制御を行う必要がないため、1stシーン制御処理を終了する。
主制御用マイコン710は、遊技機1がテスト中モードでない場合には(ステップB1101の結果が「N」)、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1102)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(ステップB1102の結果が「N」)、ステップB1107以降の処理を実行する。シーン変更コマンドとは、後述のステップB1108からB1116の処理に対応するコマンドであり、例えば、「電源投入コマンド」「停電復旧コマンド」などである。
主制御用マイコン710は、シーン変更コマンドを受信している場合には(ステップB1102の結果が「Y」)、更新する(現在の)遊技状態を取得する(ステップB1103)。さらに、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1104)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信していない場合には(ステップB1104の結果が「N」)、ステップB1107以降の処理を実行する。
主制御用マイコン710は、有効なコマンドを受信した場合には(ステップB1104の結果が「Y」)、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定の領域にセーブする(ステップB1105)。さらに、演出リクエストフラグをセットする(ステップB1106)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する変動中処理(ステップB1111)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン710は、受信したシーン変更コマンドの識別子に応じた処理を実行する(ステップB1107)。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「電源投入コマンド」を示す場合には、電源投入処理を実行する(ステップB1108)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「停電復旧コマンド」を示す場合には、停電復旧処理を実行する(ステップB1109)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「客待ちデモコマンド」を示す場合には、客待ち処理を実行する(ステップB1110)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「変動パターンコマンド」を示す場合には、変動中処理を実行する(ステップB1111)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。変動中処理の詳細については、図21にて後述する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「図柄停止コマンド」を示す場合には、図柄停止処理を実行する(ステップB1112)。図柄停止処理では、図柄の変動表示を指定された図柄で停止させる。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「ファンファーレコマンド」を示す場合には、ファンファーレ処理を実行する(ステップB1113)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「大入開放n回目コマンド」を示す場合には、ラウンド中処理を実行する(ステップB1114)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「インターバルコマンド」を示す場合には、インターバル処理を実行する(ステップB1115)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
主制御用マイコン710は、受信したコマンドの識別子が「エンディングコマンド」を示す場合には、エンディング処理を実行する(ステップB1116)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。
続いて、主制御用マイコン710は、各コマンドに基づく処理の実行が完了すると、図柄コマンドを受信する図柄コマンド受信処理を実行する(ステップB1117)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれる。
さらに、主制御用マイコン710は、飾り特図保留数コマンドを受信する保留数コマンド受信処理を実行する(ステップB1118)。飾り特図保留数コマンド(特図保留数コマンド)は、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。保留数コマンド受信処理の詳細については、図26に後述する。
次に、主制御用マイコン710は、先読みコマンド受信処理を実行する(ステップB1119)。先読みコマンド受信処理は、先読みコマンド(事前判定コマンドとも呼ばれる)に基づいて、保留表示演出等を設定する処理である。先読みコマンド受信処理において、主制御用マイコン710は、先読みコマンド(事前判定コマンド)として、始動口入賞演出図柄コマンド(事前演出図柄コマンド)と始動口入賞演出コマンド(事前演出コマンド)を受信し、受信した事前判定コマンドの内容を先読み情報として対応する始動記憶領域(RAM711の一部)にセーブする。主制御用マイコン710は、先読み情報として、始動口入賞演出図柄コマンドから当該始動記憶の図柄情報を取得し、始動口入賞演出コマンドから当該始動記憶のリーチ系統情報を取得する。主制御用マイコン710は、図柄情報から当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果がはずれであるか大当りであるかを判定し、さらに、先読み情報(はずれ/大当りの判定結果の情報とリーチ系統情報)に基づいて、先読み演出に関する演出情報を始動記憶領域に設定する。ここで、先読み演出は、先読み情報に基づく演出であり、先読み予告演出(連続予告演出を含む)やその他の演出である。なお、先読みコマンド受信処理の詳細については、図24に後述する。
次に、主制御用マイコン710は、確率情報コマンド受信処理を実行する(ステップB1120)。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
〔客待ち処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図19)における客待ち処理(ステップB1110)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の客待ち処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB1201)。演出リクエストフラグがある場合に(ステップB1201の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、停電復旧時の客待ちか否か確認して、判定する(ステップB1202、B1203)。一方、演出リクエストフラグがない場合に(ステップB1201の結果が「N」)、主制御用マイコン710は、客待ち画面の設定処理を行う(ステップB1210)。
停電復旧時の客待ちである場合に(ステップB1203の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、電源投入コマンドを受信した時に設定した電源投入フラグをクリアする(ステップB1204)。停電復旧時の客待ちでない場合に(ステップB1203の結果が「N」)、主制御用マイコン710は、盤演出モータ/SOL制御回路743と駆動機構80等を介して、演出可動部材70を初期位置に設定する(ステップB1205)。初期位置は、機種情報表示部71が前方(遊技者側)に向いて遊技者から視認可能となる第一の回転位置である(ステップB1205)。
ステップB1204又はステップB1205の後、主制御用マイコン710は、客待ち画面処理の番号を設定し(ステップB1206)、客待ちデモタイマを所定時間(例えば12000ms)に設定する(ステップB1207)。続いて、主制御用マイコン710は、操作無効フラグをメモリ(RAM711)の所定領域にセーブし(ステップB1208)、演出リクエストフラグをクリアする(ステップB1209)。操作無効フラグによって、主制御用マイコン710は、演出ボタン17(PB、プッシュボタン)の操作による演出ボタンSW751からの信号を無効にする。演出リクエストフラグをクリアすると、次回の客待ち処理のステップB1201の結果が「N」になり、主制御用マイコン710は、客待ち画面処理の番号に基づいて、客待ち画面の設定処理を行う(ステップB1210)。
〔変動中処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理(図19)における変動中処理(ステップB1111)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、ステップB1106の演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(ステップB1301)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(ステップB1301の結果が「Y」)、各種情報を設定する。
具体的には、主制御用マイコン710は、まず、演出ボタン17(PB、プッシュボタン)の情報をクリアする(ステップB1302)。演出ボタン情報は、演出ボタン17によって演出ボタンSW751を介して入力された入力情報である。
続いて、主制御用マイコン710は、演出可動部材70(可動体)の回転位置を保留表示(報知)を行うための保留表示位置(基準位置)に設定する(ステップB1303)。保留表示位置は、演出可動部材70の保留表示部72が前方を向く第二の回転位置である。これにより、客待ち終了直後などで、演出可動部材70が保留表示位置でない場合に、演出可動部材70を保留表示位置にセットできる。ここで、主制御用マイコン710は、演出内容にあわせて可動式照明9や、盤演出装置770の演出可動部材70以外の電動役物(可動役物)の動作態様も設定してよい。
さらに、主制御用マイコン710は、変動回数を管理する変動回数管理処理を行う(B1304)。その後、主制御用マイコン710は、変動パターンや変動中の演出の詳細等について設定する変動パターン情報設定処理を実行する(ステップB1305)。なお、変動パターン情報設定処理の詳細については、図22と図23にて後述する。
次に、主制御用マイコン710は、乱数シード初期化処理を実行する(ステップB1306)。続いて、主制御用マイコン710は、変動パターン情報設定処理で設定した情報に対応して、変動表示装置35で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間などを管理するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB1307)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。乱数シード初期化処理は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する初期化する処理である。続いて、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグをクリアする(ステップB1308)。
一方、主制御用マイコン710は、演出リクエストフラグが設定されていない場合(シーン変更コマンドを受信していないような場合)には(ステップB1301の結果が「N」)、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する。具体的には、まず、更新タイマが0、すなわち、タイムアップしたか否かを判定する(ステップB1309)。
主制御用マイコン710は、更新タイマがタイムアップした場合には(ステップB1309の結果が「Y」)、現在、最終シーンであるか否かを判定する(ステップB1310)。最終シーンである場合に、変動表示ゲームの終了(ファンファーレの終了)を設定し(ステップB1311)、最終シーンでない場合に、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(ステップB1312)。主制御用マイコン710は、更新タイマがタイムアップしていない場合には(ステップB1309の結果が「N」)、今回の変動中処理を処理を終了する。
〔変動パターン情報設定処理1〕
続いて、前述した変動中処理(図21)における変動パターン情報設定処理(ステップB1305)の詳細について説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン情報設定処理の手順の一例(変動パターン情報設定処理1)を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、特図変動表示ゲームの停止図柄の情報を取得し(ステップB1401)、保留(未消化の始動記憶)に関する情報である保留情報をメモリ(RAM711)の所定領域にセーブし(ステップB1402)、さらに遊技状態を取得する(ステップB1403)。次に、主制御用マイコン710は、今回の変動に対応する始動記憶(今回の特図変動表示ゲームの実行時に消化される保留)の始動記憶領域(RAM711の一部)に記憶されている演出情報を取得し(ステップB1404)、取得した演出情報に基づき演出態様を設定する(ステップB1405)。演出情報とは、先読み情報に基づく先読み演出に関する情報である。続いて、主制御用マイコン710は、始動記憶領域に記憶されている停止図柄情報を取得して(ステップB1406)、停止図柄を設定する(ステップB1407)。
次に、主制御用マイコン710は、遊技状態と演出態様等に基づき変動パターンを決定して、変動パターンの情報を設定する(ステップB1408)。続いて、主制御用マイコン710は、変動パターンの情報に対応する変動時間値を設定し(ステップB1409)、変動パターンの情報に対応する可動体情報を設定し(ステップB1410)、変動パターンの情報に対応するその他予告情報を設定する(ステップB1411)。ステップB1410の可動体情報は、駆動機構80によって回転させる演出可動部材70(ロゴユニット)の回転位置に関する情報や、図示しない駆動機構によって移動させる演出可動部材70(ロゴユニット)の移動位置に関する情報を含む。
次に、主制御用マイコン710は、ステップB1410で設定された可動体情報に基づいて、決定された変動パターンはロゴ可動演出を伴うパターンか否か(ロゴ可動演出があるか否か)を確認して(ステップB1412)、判定する(ステップB1413)。ロゴ可動演出とは、演出可動部材70を動かす演出である。特に、ここでのロゴ可動演出は、演出可動部材70の回転位置を、変動開始時の第二の回転位置(保留表示位置)から第三の回転位置(演出表示位置A)又は第四の回転位置(演出表示位置B)に変更して、演出表示部73又は演出表示部74が前方に向くように演出可動部材70を回転させる回転演出である(図29(F)参照)。演出可動部材70を回転させる回転演出は、斬新な演出であり遊技の興趣を向上させる。
変動パターンがロゴ可動演出(即ちロゴ回転演出)を伴うパターンである場合に(ステップB1413の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、保留表示移動情報を設定し(ステップB1414)、保留表示移動があることを示す保留表示移動フラグをオンに設定しメモリ(RAM711)の所定領域にセーブする(ステップB1415)。変動パターンがロゴ可動演出を伴うパターンでない場合に(ステップB1413の結果が「N」)、主制御用マイコン710は、変動パターン情報設定処理を終了する。ここで、保留表示移動情報とは、演出可動部材70の演出表示部73又は演出表示部74が前方に向いて保留表示部72が視認できなくなることに伴って、保留表示を変動表示装置35に移動することに関する情報である。保留表示移動により、遊技者は継続して保留表示を見ることができる。
〔変動パターン情報設定処理2〕
図23は、本発明の第1の実施の形態の変動パターン情報設定処理の手順の他の例(変動パターン情報設定処理2)を示すフローチャートである。変動パターン情報設定処理2において、変動パターン情報設定処理1からステップB1416とB1417が追加されている。図22の変動パターン情報設定処理1と同じ内容のステップには同じステップ番号を付して説明を省略する。
変動パターンがロゴ可動演出(即ちロゴ回転演出)を伴うパターンでない場合に(ステップB1413の結果が「N」)、今回の変動に対応する保留(始動記憶)の始動記憶領域において、後述の先読みコマンド受信処理(図24)で保存された対象保留情報があるか否か判定する(ステップB1416)。ここで、対象保留情報は、始動口への入賞時の先読みコマンド受信処理によって先読み演出を行った対象である対象保留(又は特定保留)であることを示す情報である。
対象保留情報がある場合には(ステップB1416の結果が「Y」)、この対象保留情報に対応する可動体情報を設定し(ステップB1417)、対象保留情報がない場合には(ステップB1416の結果が「N」)、今回の変動パターン情報設定処理を終了する。ステップB1417の可動体情報は、変動の開始時に演出可動部材70を動かすための動作情報であり、特に駆動機構(図示せず)によって演出可動部材70を上下方向等の所定方向に揺動させるための情報を含む(図29(E)参照)。これにより、先読み演出を行った対象保留が消化される場合に、対象保留に関する変動の開始時において、演出可動部材70を動かし(揺動させ)、遊技の興趣を向上できる。
〔先読みコマンド受信処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理(図19)における先読みコマンド受信処理(ステップB1119)の詳細について説明する。図24は、本発明の第1の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、先読みコマンド(事前判定コマンド)を受信したか否か判定する(ステップB1501)。先読みコマンドを受信していない場合には(ステップB1501の結果が「N」)、今回の本処理を終了する。先読みコマンドを受信した場合に(ステップB1501の結果が「Y」)、受信した先読みコマンドの内容である先読み情報を対応する始動記憶領域(保留記憶領域:RAM711の一部)に保留(始動記憶)としてセーブ(保存)する(ステップB1502)。
次に、主制御用マイコン710は、回転位置に基づいて、演出可動部材70(ロゴユニット)が演出中であるか否か確認し、判定する(ステップB1503、B1504)。演出可動部材70が第三又は第四の回転位置であれば、演出表示部(A)73又は演出表示部(B)74が前方に向いており、演出可動部材70(ロゴユニット)が演出中であると判断される。演出可動部材70が演出中である場合に(ステップB1504の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、変動表示装置35の表示部35aで保留表示を行うことを示す保留表示情報を設定する(ステップB1505)。演出可動部材70が演出中でない場合に(ステップB1504の結果が「N」)、主制御用マイコン710は、演出可動部材70の保留表示部72で保留報知を行うことを示す保留報知情報を設定する(ステップB1506)。
次に、主制御用マイコン710は、ステップB1502においてセーブされた保留(始動記憶)が、特定の保留であるか否か確認して、判定する(ステップB1507、B1508)。特定の保留(特定保留)とは、先読み演出を行うような、大当りの信頼度(期待度)の高い保留である。特定保留でない場合に(ステップB1508の結果が「N」)、主制御用マイコン710は、今回の先読みコマンド受信処理を終了する。
特定保留である場合に(ステップB1508の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、ステップB1502で記憶した先読み情報(保留情報)に基づいて、可動体情報を設定する(ステップB1509)。ステップB1509の可動体情報は、先読み演出として演出可動部材70を動かすための動作態様の情報であり、駆動機構(図示せず)によって演出可動部材70を上下方向等の所定方向に揺動させるための動作態様の情報を含む(図29(C)参照)。これにより、始動口への入賞時において特定保留が発生したときに、先読み演出として演出可動部材70を動かし(例えば振動させ)、遊技の興趣を向上できる。
次に、主制御用マイコン710は、ステップB1502においてセーブされた保留の始動記憶領域に対象保留情報をセーブする(ステップB1510)。対象保留情報は、ステップB1416(図23)で使用され得るもので、始動口への入賞時の先読みコマンド受信処理によって先読み演出を行った対象保留(対象の始動記憶)であることを示す情報である。前述のように、先読み演出を行った対象保留が消化される場合に、演出可動部材70を動かすことができる。
〔可動体情報(動作態様)〕
図25は、ステップB1509において、始動口への入賞時に特定保留が発生したことにより行われる演出可動部材70の動作態様(可動体情報)を設定するためのテーブルを示す。テーブルは、演出制御装置700のメモリ(PROM702等)に記憶され、先読み情報(はずれ/大当りの判定結果の情報とリーチ系統情報)と、演出可動部材70の動作態様とを対応付ける。本実施形態では、演出可動部材70の動作態様は、動作の大きさに関するものであり、テーブルにおいて、大当りの信頼度が高いほど(テーブルの上側ほど)大きい動作が選択されるように選択率が定められている。演出可動部材70が揺動の動作を行う場合には、揺動の振幅が大当りの信頼度が高いほど大きくなる。
上記のステップB1509において、主制御用マイコン710は、図25のテーブルを参照して、ステップB1502で取得した先読み情報に基づいて、可動体情報として演出可動部材70の動作態様を抽選により選択する。これにより、大当りの信頼度が高いほど大きい動作が選択される。
なお、ステップB1417においても、主制御用マイコン710は、図25のようなテーブルを用いて、大当りの信頼度が高いほど大きい動作が選択するように構成してもよい。
〔保留数コマンド受信処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理(図19)における保留数コマンド受信処理(ステップB1118)の詳細について説明する。図26は、本発明の第1の実施の形態の保留数コマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、特図保留数コマンドを確認して、遊技制御装置600からの特図保留数コマンドを受信したか否か判定する(ステップB1601、ステップB1602)。主制御用マイコン710は、受信していない場合には今回の本処理を終了する一方、受信した場合には特図保留数コマンドがオーバーフローコマンドであるか否か判定する(ステップB1603)。
次に、主制御用マイコン710は、オーバーフローコマンドである場合には今回の本処理を終了する一方、オーバーフローコマンドである場合には、特図保留数コマンドが特図1保留数を示すコマンドであるか(即ち特図保留数コマンドの対象は特図1か)否か判定する(ステップB1604)。
特図保留数コマンドが特図1保留数を示すコマンドある場合に、主制御用マイコン710は、特図1保留数を記憶する特図1保留数記憶領域(RAM711の一部)の特図1保留数の現状の値を取得し(ステップB1605)、今回受信した特図保留数コマンドに基づく特図1保留数の値を取得(ステップB1606)する。そして、主制御用マイコン710は、特図保留数コマンドに基づく特図1保留数の値と現状の値との差分を算出し、差分だけ特図1保留数記憶領域に記憶される特図1保留数の値を更新する(ステップB1607)。次に、主制御用マイコン710は、更新内容と表示情報に基づき特図1保留数報知情報を設定する(ステップB1608)。表示情報は、演出可動部材70の保留表示部72と変動表示装置35の表示部35aのいずれか、保留数を表示すべき箇所を示す情報である。保留数を表示すべき箇所は、変動中処理の開始時のデフォルト(初期設定)を演出可動部材70の保留表示部72とし、変動中は前回特図保留数コマンドを受信したときに設定した箇所にしてよい。
特図保留数コマンドが特図2保留数を示すコマンドある場合に、主制御用マイコン710は、特図2保留数を記憶する特図2保留数記憶領域(RAM711の一部)の特図2保留数の現状の値を取得し(ステップB1609)、今回受信した特図保留数コマンドに基づく特図2保留数の値を取得(ステップB1610)する。そして、主制御用マイコン710は、特図保留数コマンドに基づく特図2保留数の値と現状の値との差分を算出し、差分だけ特図2保留数記憶領域に記憶される特図2保留数の値を更新する(ステップB1611)。次に、主制御用マイコン710は、更新内容と表示情報に基づき特図2保留数報知情報を設定する(ステップB1612)。表示情報は、演出可動部材70の保留表示部72と変動表示装置35の表示部35aのいずれか、保留数を表示すべき箇所を示す情報である。保留数を表示すべき箇所は、変動中処理の開始時のデフォルト(初期設定)を演出可動部材70の保留表示部72とし、変動中は前回特図保留数コマンドを受信したときに設定した箇所にしてよい。
ステップB1608又はステップB1612の後、主制御用マイコン710は、ステップB1415で設定できる保留表示移動フラグがあるか確認し、保留表示移動フラグがあるか否か判定する(ステップB1613、B1614)。保留表示移動フラグがない場合に、ロゴ可動演出(ロゴ回転演出)がなく保留数を表示すべき箇所が演出可動部材70の保留表示部72であるため、主制御用マイコン710は今回の本処理を終了する。この場合に、装飾制御処理(図18のステップB1016)で、ステップB1608又はステップB1612で設定された更新内容と表示情報に基づいて、保留表示部72のLEDランプの点灯、消灯が制御され、保留表示部72において特図1保留数又は特図2保留数が更新表示される。
一方、保留表示移動フラグがある場合に、主制御用マイコン710は、変動表示装置35の表示部35aで保留を表示するための保留表示データを設定する(ステップB1615)。
〔保留表示処理〕
続いて、前述した1stCPUメイン処理における演出コマンド編集処理(ステップB1014)の詳細について説明する。演出コマンド編集処理の一部として、後述の図27の保留表示処理が行われる。演出コマンド編集処理において主制御用マイコン710が編集したコマンドは、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に出力され、映像制御用マイコン(2ndCPU)720は、主制御用マイコン710からのコマンドに応じた映像制御等を行う。
図27は、本発明の第1の実施の形態の保留表示処理の手順を示すフローチャートである。主制御用マイコン710は、まず、ステップB1615で設定された保留表示データがあるか否か確認して、判定する(ステップB1701、ステップB1702)。保留表示データがない場合に、主制御用マイコン710は、今回の本処理を終了する。
一方、保留表示データがある場合に、主制御用マイコン710は、保留表示データに基づいて、演出可動部材70の保留表示部72から変動表示装置35の表示部35aに保留表示を切り替えるための保留表示切替設定を行う(ステップB1703)。そして、主制御用マイコン710は、保留表示設定処理として、ステップB1608又はステップB1612で設定された更新内容に基づいて、変動表示装置35の表示部35aに保留表示を行わせるためのコマンドを編集する(ステップB1704)。
なお、特定演出(SPリーチ、プレミアムリーチ、大当り演出、昇格演出等)を行うために変動表示装置35の表示部35aの実表示領域を大きく確保したい場合には、主制御用マイコン710は図27の保留表示処理を行わず、演出可動部材70の保留表示部72で保留報知(保留表示)を行ってよい。
〔モータ/SOL制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理におけるモータ/SOL制御処理(ステップB1017)の詳細について説明する。図28(A)は、本発明の第1の実施の形態のモータ/SOL制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、可動体情報の設定があるか(設定された可動体情報があるか)否か判定する(ステップB1801)。なお、可動体情報は、ステップB1410、B1417、B1509で設定されるものを含み、駆動機構80によって回転させる演出可動部材70の回転位置に関する情報や、図示しない駆動機構によって移動又は揺動させる演出可動部材70の動作に関する情報を含む。
可動体情報の設定がある場合に、主制御用マイコン710は、可動体情報に対応する可動パターンを設定し(ステップB1802)、可動体情報の設定をクリアする(B1803)。ここで、可動パターンは、シーンシーケンステーブルに設定される時系列の可動データ(動作データ)である。なお、可動体情報の設定をクリアすることにより、次回以降のモータ/SOL制御処理で、ステップB1801の「N」の分岐の処理が行われる。
可動体情報の設定がない場合に、主制御用マイコン710は、更新タイマによって可動データを変更するか否かを判定する(ステップB1804)。具体的には、まず、更新タイマが0、すなわち、タイムアップしたか否かを判定する。主制御用マイコン710は、更新タイマがタイムアップした場合には(ステップB1804の結果が「Y」)、終了設定処理を行い(ステップB1805)、更新タイマがタイムアップしていない場合には(ステップB1804の結果が「N」)、今回の本処理を終了する。なお、終了設定処理の詳細については、図28(B)において、後述する。
〔終了設定処理〕
次に、前述したモータ/SOL制御処理(図28(A))における終了設定処理(ステップB1805)の詳細について説明する。図28(B)は、本発明の第1の実施の形態の終了設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン710は、まず、現在、シーンシーケンステーブルに設定された最終シーンであるか否かを判定する(ステップB1901)。主制御用マイコン710は、最終シーンでない場合に、シーンシーケンステーブルにおける次の可動データを設定し(ステップB1902)、最終シーンである場合に、ステップB1903以降の動作終了処理を行う。
主制御用マイコン710は、保留表示移動フラグがあるか否か確認、判定する(ステップB1903、ステップB1904)。主制御用マイコン710は、保留表示移動フラグがない場合に本処理を終了する一方、保留表示移動フラグがある場合に演出可動部材70の保留表示部72で保留を報知(表示)するための保留報知情報(保留表示情報)を設定し(ステップB1905)、保留表示移動フラグをクリアする(ステップB1906)。これにより、保留表示移動フラグがあり変動表示装置35の表示部35aにおいて保留が表示されれていた状態を、演出可動部材70の保留表示部72において保留が報知(表示)される状態に変えることができる。続いて、主制御用マイコン710は、演出可動部材70等の可動体の可動終了を設定する(ステップB1907)。これにより、演出可動部材70(可動体)の回転位置は保留表示(報知)を行うための保留表示位置に戻る。
〔第1の実施の形態の演出例〕
図29は、変動表示装置35の表示部35aと演出可動部材70において行われる演出例を時系列的に示す。図29(A)は、変動中の状態を示す。図29(B)は、停止図柄を示す。図29(C)は、ステップB1509で設定された可動体情報に基づいて、始動口への入賞によって特定保留が発生したときに、先読み演出として演出可動部材70が動作(ここでは揺動)する様子を示す。図29(D)は、特定保留が発生した後の停止図柄を示す。
図29(E)は、ステップB1417で設定された可動体情報に基づいて、先読み演出を行った特定保留(対象保留)に対応する変動の開始時に、演出可動部材70が動く(揺動する)演出を示す。図29(F)は、先読み演出を行った特定保留(対象保留)に対応する変動中に、ステップB1410で設定された可動体情報に基づいて、演出可動部材70の演出表示部73又は演出表示部74が前方に向くように、演出可動部材70を回転される回転演出を示す。この演出と同時に、保留表示が、演出可動部材70の保留表示部72から変動表示装置35の表示部35aに移動される。図29(G)は、ステップB1410で設定された可動体情報に基づいて、特定保留に対応する変動中に、さらに、演出可動部材70が移動動作をする演出を示す。なお、図29(E)の演出は、ステップB1413の処理のように、図29(F)の回転演出がない場合にのみ実行されてもよい。
(第1の実施の形態の効果)
以上の第1の実施の形態において、遊技機1は、遊技領域31における始動入賞領域(始動口37a、37b)への遊技球の入賞に基づいて、複数の識別情報(図柄)を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部35aを有する変動表示装置35を備える。遊技機1は、変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能である。
動作制御手段は、動作可能な演出可動部材70の動作の制御を行う。例えば、動作制御手段は、ステップB1017、B1410、B1417、B1509等の制御を行う演出制御装置700である。始動入賞記憶手段は、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき、所定の乱数を抽出し、変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定の上限数まで記憶できる。例えば、始動入賞記憶手段は、遊技制御装置600又は演出制御装置700のCPUとRAMである。演出可動部材70は、遊技機の機種を特定可能な機種情報表示部71(遊技機種報知部とも呼ぶ)と、始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶の数(保留数)を遊技者に報知可能な保留表示部72(始動記憶数報知部とも呼ぶ)と、遊技機における演出を実行可能な演出表示部73又は74(遊技演出報知部とも呼ぶ)と、を備える。
従って、保留表示部72を備えた演出可動部材70の動作を制御することによって、演出可動部材70と保留表示が関連して、従来にない斬新な演出をすることができ、遊技の興趣を向上できる。例えば、演出可動部材70の保留表示に合わせた動作により、斬新な演出ができる。
演出可動部材70は、回転可能な多面体により構成されるとともに、当該多面体の各面にそれぞれ機種情報表示部(遊技機種報知部)71、保留表示部(始動記憶数報知部)72、演出表示部(遊技演出報知部)73又は74を備える。動作制御手段(演出制御装置700)は、遊技機1が客待ち状態の場合には、演出可動部材70の機種情報表示部(遊技機種報知部)71が遊技者から視認可能な位置(第一の回転位置)となるよう制御可能である。従って、保留表示に合わせて演出可動部材70を回転させるだけで斬新な演出をすることができる。また、客待ち状態の場合には遊技者が遊技機の機種を知ることができる。
事前判定手段は、始動記憶手段に記憶される始動記憶としての所定の乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが開始されるよりも前に判定する。例えば、事前判定手段は、遊技制御装置600である。動作制御手段(演出制御装置700)は、事前判定手段の判定結果(先読み結果)に基づいて、演出可動部材70を動作可能である。従って、例えば、判定結果が大当りなど価値の高いものであれば、演出可動部材70は先読み演出(予告演出)をできる。このため、さらに、演出可動部材70と保留表示が関連付られる。
動作制御手段(ステップB1509の制御を行う演出制御装置700)により、事前判定手段の判定結果に基づいて制御される演出可動部材70の動作態様には、それぞれ異なる複数の動作態様が設定される。例えば、異なる複数の動作態様は、図25のテーブルにおいて設定されている。動作制御手段は、事前判定手段の判定結果(先読み結果)に基づいて、演出可動部材70を、複数設定される動作態様のうちから、何れの動作態様によって動作させるかを設定可能である(ステップB1509)。従って、例えば、先読み結果に応じて演出可動部材70の動作態様を目立つものにして、先読み結果に基づく大当り等に関する信頼度(期待度)を遊技者に報知できる。
遊技機1は、演出の実行を制御可能な演出制御手段(例えば、演出制御装置700)を備える。演出制御手段は、遊技機1にて遊技が実行されている状態において、動作制御手段によって演出可動部材70の遊技演出報知部が遊技者から視認可能な位置となるよう制御されている場合に、始動記憶手段に記憶されている始動記憶の数(始動記憶数、保留数)を、変動表示装置35の表示部35aにて表示可能である(ステップB1614、B1615、B1703、B1704)。これにより、演出可動部材70が演出中のため、演出可動部材70の保留表示部(始動記憶数報知部)72が視認できない位置にある場合でも、遊技者は、変動表示装置35の表示部35aに表示される始動記憶数(保留数)を確認できる。
(第1の実施の形態の変形例1)
上述の実施の形態では、連続予告演出が行われない場合を説明したが、第1の実施の形態の変形例1として、演出可動部材70によって連続予告演出が行われる場合について説明する。連続予告演出は、例えば、演出可動部材70(ロゴユニット)が段階的に順次下降する連続動作を行う演出である。
〔変動パターン情報設定処理〕
図30(A)は、本発明の第1の実施の形態の変形例1に係る変動パターン情報設定処理(図21のステップB1305)の手順を示すフローチャートである。なお、図22の変動パターン情報設定処理1と同じ内容のステップには同じステップ番号を付して説明を省略する。なお、主制御用マイコン710は、今回の変動に対応する始動記憶(消化される保留)の始動記憶領域に記憶されている演出情報(演出態様)に基づいて、変動パターンの情報に対応する予告情報として連続予告演出の可動体情報を設定する(ステップB1411)(図32(E)−(J)参照)。
変動パターンが演出可動部材70を動かすロゴ可動演出(ここでは回転以外の演出でもよい)を伴うパターンか否か確認した後(ステップB1412)、ステップB2000の演出情報設定処理が実行される。
図30(B)は、第1の実施の形態の変形例1に係る演出情報設定処理(ステップB2000)の手順を示すフローチャートである。主制御用マイコン710は、図22のステップB1413と同じく、決定された変動パターンは演出可動部材70を動かすロゴ可動演出を伴うパターンか否か(ロゴ可動演出があるか否か)を判定する(ステップB2001)。ロゴ可動演出がない場合に(ステップB2001の結果が「N」)、今回の本処理を終了する。
ロゴ可動演出がある場合に(ステップB2001の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、連続予告演出の実行中であることを示す連続演出実行フラグがあるか否か確認し判定する(ステップB2002、B2003)。連続演出実行フラグがある場合に(ステップB2003の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、ステップB1410で設定された全ての可動体情報の中から、演出可動部材70を動かすロゴ可動演出(回転以外の演出を含んでよい)に関する可動体情報のみをクリアする(ステップB2004)。これにより、ロゴ可動演出を伴う変動の開始時に既に連続予告演出中である場合に、可動体情報の中からロゴ可動演出に関する情報のみをクリアして、連続予告演出以外で演出可動部材70を動かすことを禁止する。なお、連続予告演出の実行中であることを示す連続演出実行フラグは、その連続予告演出を設定した特定保留(対象保留)の消化時にクリアされる。
ロゴ可動演出があっても連続演出実行フラグはない場合に(ステップB2003の結果が「N」)、ロゴ可動演出が演出可動部材70の回転を伴えば、保留表示移動情報を設定し(ステップB2005)、変動表示装置35の表示部35aへの保留表示移動があることを示す保留表示移動フラグをオンに設定しメモリ(RAM711)の所定領域にセーブする(ステップB2006)。なお、ステップB2005とステップB2006の内容は、図22のステップB1414とステップB1415と同じである。
〔先読みコマンド受信処理〕
図31は、本発明の第1の実施の形態の変形例1に係る先読みコマンド受信処理(図19のステップB1119)の手順を示すフローチャートである。なお、図31のステップB2101、B2102、B2105−B2112と、図24のステップB1501、B1502、B1503−B1510の内容は同じである。
先読みコマンドを受信した場合に(ステップB2101の結果が「Y」)、ステップB2102において先読み情報をセーブした後、主制御用マイコン710は、連続予告演出の実行中であることを示す連続演出実行フラグがあるか否か確認、判定する(ステップB2103、B2104)。連続演出実行フラグがない場合(ステップB2104の結果が「N」)に、主制御用マイコン710は、前述のステップB1503−B1510と同様にB2105−B2112の処理を実行する。連続演出実行フラグがある場合(ステップB2104の結果が「Y」)に、主制御用マイコン710は、今回の先読みコマンド受信処理を終了する。これにより、連続予告演出の実行中なら、今回の先読みコマンド受信処理によって生じた保留(始動記憶)の内容にかかわらず、演出可動部材70を動かす新たな先読み演出(新たな連続予告演出も含む)は実行しない。
特定保留である場合に(ステップB2110の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、ステップB2102で記憶した先読み情報(保留情報)に基づいて、演出可動部材70を動かす(揺動させる)ための可動体情報を設定する(ステップB2111)(図32(C)参照)。主制御用マイコン710は、ステップB2102においてセーブされた保留(始動記憶)の始動記憶領域に対象保留情報をセーブする(ステップB2112)。
次に、主制御用マイコン710は、今回の先読みコマンド受信処理によって生じた保留(始動記憶)までの保留の始動記憶領域に連続演出保留情報を保存する(ステップB2113)。連続予告演出のために保存される連続演出保留情報は、連続予告演出を実行する保留であることを示す情報である。この連続演出保留情報は、始動記憶領域に記憶されている演出情報(図30(A)のステップB1404)に含まれ、連続演出保留情報に基づき連続予告演出の演出態様が設定される(図30(A)のステップB1405)。例えば、この演出態様は、保留消化毎(保留に対応する変動開始毎)に演出可動部材70(ロゴユニット)が段階的に順次下降する態様等であり(図32(E)−(J)参照)、連続予告演出の演出態様を実現させる可動体情報が予告情報として設定される(図30(A)のステップB1411)。なお、ステップB2111において、連続予告演出を行う保留ごとに演出可動部材70(ロゴユニット)の降下する移動位置を連続予告演出の可動体情報として定めてもよい。
次に、主制御用マイコン710は、連続予告演出の実行中であることを示す連続演出実行フラグをオンに設定してメモリ(RAM711)の所定領域にセーブする(ステップB2114)。連続演出実行フラグによって、実行されている連続予告演出以外に演出可動部材70を動かす新たな先読み演出(新たな連続予告演出も含む)は実行されない。
〔第1の実施の形態の変形例1の演出例〕
図32は、変動表示装置35の表示部35aと演出可動部材70において行われる第1の実施の形態の変形例1に係る演出例を時系列的に示す。図32(A)は、特定保留が発生していない場合の変動の様子を示し、図32(B)は、特定保留が発生していない場合の変動停止の状態を示し、図32(C)は、特定保留が発生し、ステップB2111の可動体情報に基づいて演出可動部材70が動く(揺動する)様子を示し、図32(D)は、特定保留が発生した後の変動停止の状態を示す。
図32(E)は、特定保留の発生後の保留消化によって、ステップB2113の連続演出保留情報に基づいて連続予告演出が開始する様子を示し、図32(F)は、連続予告演出開始によって、演出可動部材70が小さく移動した状態を示す。図32(G)は、さらなる保留消化によって、連続予告演出が実行される様子を示す。なお、新たな特定保留(現在の対象保留よりも価値が高いもの)が発生しても無視されて、そのまま現状の連続予告演出が行なわれる。図32(H)は、連続予告演出によって、演出可動部材70が中程度に移動した状態を示す。図32(I)は、さらなる保留消化によって、連続予告演出が実行される様子を示し、図32(J)は、演出可動部材70が大きく移動した状態を示す。
図32(K)は、特定保留の消化によって連続予告演出が終了して、演出可動部材70が初期位置に戻る様子を示す。図32(L)は、対象保留(新たな特定保留)の消化による変動開始時に、ステップB1411で設定された可動体情報に基づいて、当該変動の予告として演出可動部材70の所定方向への移動による演出が実行される様子を示す。図32(M)は、特定保留に対応する変動においてリーチ状態となる様子を示す。
(第1の実施の形態の変形例1の効果)
第1の実施の形態の変形例1において、動作制御手段としての演出制御装置700は、事前判定手段による判定結果(先読み結果)が予め定められた所定の結果となる場合(例えば、特定保留の場合)に、既に連続的な演出(連続予告演出)の実行中でないこと等の所定条件の成立に基づいて、所定の結果となる始動記憶に基づく変動表示ゲームまでの変動表示ゲームにわたり、演出可動部材70による連続的な演出(例えば、連続予告演出)を実行可能に制御する(ステップB2104、B2110、B2113)。従って、この連続的な演出が、他の連続的な演出を中断させることなく好適に実行できる。
(第1の実施の形態の変形例2)
変形例2として、変形例1と同様に演出可動部材70によって連続予告演出が行われる場合について説明する。連続予告演出は、例えば、演出可動部材70(ロゴユニット)が段階的に順次下降する連続動作を行う演出である。
〔変動パターン情報設定処理〕
図33(A)は、本発明の第1の実施の形態の変形例2に係る変動パターン情報設定処理(図21のステップB1305)の手順を示すフローチャートである。なお、変形例2の変動パターン情報設定処理と変形例1の変動パターン情報設定処理(図30(A))とは、演出情報設定処理(ステップB2200)の内容が異なるだけであり説明を省略する。図33(B)は、第1の実施の形態の変形例2に係る演出情報設定処理(ステップB2200)の手順を示すフローチャートである。なお、変形例2に係る演出情報設定処理は、連続演出実行フラグがある場合の処理が、第1の実施の形態の変形例1に係る演出情報設定処理(図30(B))とは異なっており、他は同じである。図33(B)のステップB2201−B2203、B2206、B2211、B2212の内容は、それぞれ、変形例1の図30(B)のステップB2001−B2006と同じである。
変動パターンは演出可動部材70を動かすロゴ可動演出を伴うパターンか否か(ロゴ可動演出があるか否か)を判定する(ステップB2201)。ロゴ可動演出がない場合に(ステップB2201の結果が「N」)、今回の本処理を終了する。ロゴ可動演出がある場合に(ステップB2201の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、連続予告演出の実行中であることを示す連続演出実行フラグがあるか否か確認し判定する(ステップB2202、B2203)。
連続演出実行フラグがある場合に(ステップB2203の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、先読み演出を行った対象保留(特定保留)と、今回の変動中処理に係る変動(当該変動)の遊技価値を比較し(ステップB2204)、対象保留の遊技価値が当該変動の遊技価値より大きいか否か判定する(ステップB2205)。例えば、対象保留の先読み情報においてリーチ系統の信頼度が当該変動のリーチ系統の信頼度より高ければ、対象保留の遊技価値が当該変動の遊技価値より大きいと判断できる。また、対象保留の先読み情報において大当りやリーチの情報がある場合に、当該変動がはずれであれば、対象保留の遊技価値が当該変動の遊技価値より大きいと判断できる。一方、連続演出実行フラグがない場合に(ステップB2203の結果が「N」)、主制御用マイコン710は、ロゴ可動演出が演出可動部材70の回転を伴えば、保留表示移動情報を設定し、保留表示移動フラグをセットする(ステップB2211、B2212)。
対象保留の遊技価値が当該変動の遊技価値より大きい場合に(ステップB2205の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、そのまま連続予告演出実行中の状態を維持し(例えば図35(E)(F)、図36(D))、ステップB1410で設定された全ての可動体情報の中から、ロゴ可動演出(回転以外の演出を含んでよい)に関する可動体情報のみをクリアする(ステップB2206)。これにより、当該変動において演出可動部材70を動かすロゴ可動演出は禁止される。一方、対象保留の遊技価値が当該変動の遊技価値より小さい場合に(ステップB2205の結果が「N」)、主制御用マイコン710は、設定されている連続演出保留情報をクリアし(ステップB2207)、設定されている対象保留情報をクリアし(ステップB2208)、現在の可動体状態をリセットし演出可動部材70を初期位置に戻す(ステップB2209)。続いて、主制御用マイコン710は、ステップB1402の当該変動に係る保留情報に基づいて可動体情報を設定する(ステップB2210)。
〔先読みコマンド受信処理〕
図34は、本発明の第1の実施の形態の変形例2に係る先読みコマンド受信処理(図19のステップB1119)の手順を示すフローチャートである。なお、図34のステップB2301−B2306は、それぞれ、第1の実施の形態の変形例1の図31のステップB2101、B2102、B2109、B2110、B2103、B2104と同じ内容であり、図34のステップB2320−B2326の内容は、第1の実施の形態の変形例1の図31のステップB2105−B2107、B2111−B2114と同じ内容である。
先読みコマンドを受信した場合に(ステップB2301の結果が「Y」)、ステップB2302において先読み情報をセーブした後、主制御用マイコン710は、セーブされた保留(始動記憶)が、特定の保留であるか否か確認して、判定する(ステップB2303、B2304)。特定の保留である場合に(ステップB2304の結果が「Y」)、ステップB2305−B2314の処理を実行し、特定の保留でない場合に(ステップB2304の結果が「N」)、今回の先読みコマンド受信処理を終了する。
特定の保留である場合(例えば図35(G)参照)に、まず、連続予告演出の実行中であることを示す連続演出実行フラグがあるか否か確認、判定する(ステップB2305、B2306)。連続演出実行フラグがある場合に(ステップB2306の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、先読み演出を行った現在の対象保留と、今回の生じた保留(当該保留)の遊技価値を比較し(ステップB2307)、対象保留の遊技価値が当該保留の遊技価値より大きいか否か判定する(ステップB2308)。
対象保留の遊技価値が当該保留の遊技価値より大きい場合に(ステップB2308の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、今回の先読みコマンド受信処理を終了し、これにより、現在の対象保留に係る連続予告演出がそのまま実行される。一方、現在の対象保留の遊技価値が当該保留の遊技価値より小さい場合に(ステップB2308の結果が「N」)、主制御用マイコン710は、設定されている連続演出保留情報をクリアし(ステップB2309)、設定されている対象保留情報をクリアし(ステップB2310)、演出可動部材70は初期位置に戻る(例えば図36(A)参照)。
続いて、主制御用マイコン710は、新たな対象保留として当該保留の始動記憶領域に対象保留であることを示す対象保留情報をセーブし(ステップB2311)、新たな連続演出として当該保留までの始動記憶領域に連続予告演出を実行する保留であることを示す連続演出保留情報をセーブする(ステップB2312)。これにより、今回生じた保留である当該保留を対象として新たな連続予告を最初から開始することができる(例えば図36(B)参照)。さらに、主制御用マイコン710は、当該保留に係る先読み情報(保留情報)に基づいて可動体情報を設定する(ステップB2313)。ここで、可動体情報は、始動口への入賞時において特定保留となる当該保留が発生したときに、先読み演出として演出可動部材70を動かす(例えば揺動させる)ための動作態様の情報を含む。
連続演出実行フラグがない場合に(ステップB2306の結果が「N」)、主制御用マイコン710は、ステップB2320−B2326の処理を、第1の実施の形態の変形例1の図31のステップB2105−B2107、B2111−B2114と同様に実行する。即ち、演出表示部73又は74が前方に向いて演出可動部材70が演出中である場合に(ステップB2321の結果が「Y」)、主制御用マイコン710は、変動表示装置35の表示部35aで保留表示を行うことを示す保留表示情報を設定する(ステップB2322)。
演出可動部材70が演出中でない場合に(ステップB2321の結果が「N」)、主制御用マイコン710は、当該保留に係る先読み情報(保留情報)に基づいて可動体情報を設定し(ステップB2323)、当該保留の始動記憶領域に対象保留であることを示す対象保留情報をセーブし(ステップB2324)、当該保留までの始動記憶領域に連続予告演出を実行する保留であることを示す連続演出保留情報をセーブし(ステップB2325)、連続演出実行フラグをオンにセットする(ステップB2326)。ここで、始動口への入賞時において特定保留となる当該保留が発生したときに、可動体情報によって、先読み演出として演出可動部材70を動かす(例えば上下に揺動させる)ことなどができる。
〔第1の実施の形態の変形例2の演出例〕
図35と図36は、変動表示装置35の表示部35aと演出可動部材70において行われる第1の実施の形態の変形例2に係る演出例を時系列的に示す。図35はこの演出例の前半部分を示し、図36はこの演出例の後半部分を示す。図35(A)−(F)は、図32(A)−(F)と同じであり説明を省略する。
図35(G)は、さらなる保留消化によって、連続予告演出が実行される様子を示す。なお、新たな特定保留(現在の対象保留よりも価値が高いもの)が発生しているため、この段階(2段階目)で現在の連続予告演出は中止される。図35(H)は、連続予告演出によって、演出可動部材70が中程度に移動した状態を示す。
図36(A)は、新たな特定保留の遊技価値ほうが現在の対象保留の遊技価値より大きいため、対象保留を変更して演出可動部材70は初期位置に戻ることを示す。図36(B)は、新たな特定保留の発生後の保留消化によって、ステップB2312の連続演出保留情報に基づいて新たな連続予告演出が開始して、演出可動部材70が小さく移動した状態を示す。図36(C)は、さらなる保留消化によって、連続予告演出が実行される様子を示す。図36(D)は、当初の(前回の)特定保留の演出を示すが、対象保留(新たな特定保留)の遊技価値が当該変動の遊技価値より大きいため、演出可動部材70を動かすロゴ可動演出は禁止される。
図36(E)は、連続予告演出によって、演出可動部材70が中程度に移動した状態を示す。図36(F)は、さらなる保留消化によって、連続予告演出が実行される様子を示し、図36(G)は、演出可動部材70が大きく移動した状態を示す。図36(H)は、新たな特定保留の消化によって連続予告演出が終了し、演出可動部材70が初期位置に戻る様子を示す。図36(I)は、対象保留(新たな特定保留)の消化による変動開始時に、ステップB1411又はB2210で設定された可動体情報に基づいて、当該変動の予告として演出可動部材70の所定方向への移動による演出が実行される様子を示す。図36(J)は、新たな特定保留に対応する変動においてリーチ状態となる様子を示す。
なお、図35(C)又は図35(G)で発生した特定保留の信頼度(期待度)が高い場合に、ステップB2313又はB2323において可動体情報を設定して、新たな連続予告演出を開始する前に、図37のように演出可動部材70を回転させる演出を行ってもよい。この場合に、保留表示は変動表示装置35の表示部35aで行われる。これにより、期待度の重みで演出可動部材70が回転するような演出とすることができる。
(第1の実施の形態の変形例2の効果)
第1の実施の形態の変形例2において、動作制御手段としての演出制御装置700は、事前判定手段による判定結果(先読み結果)が所定の結果となることに基づいて、当該所定の結果となる始動記憶に基づく変動表示ゲームまでの変動表示ゲームにわたる演出可動部材70による連続的な演出(例えば、連続予告演出)を実行している場合において、始動記憶手段に新たに前記所定の結果となる始動記憶が記憶された場合に、所定の判定条件に基づいて、実行中の演出可動部材70による連続的な演出を変更可能に構成される(ステップB2306−B2313)。例えば、所定の判定条件は、新たに記憶された始動記憶(新たな対象保留)の方が現在の連続的な演出を実行させた始動記憶(現在の対象保留)より遊技価値が大きいことである。従って、新たに所定の結果となる始動記憶が記憶された場合でも、演出可動部材70による連続的な演出を適宜変更することができる。
(第1の実施の形態の変形例3)
変形例3として、変形例2と同様に演出可動部材70によって連続予告演出が行われる場合について説明する。連続予告演出は、例えば、演出可動部材70(ロゴユニット)が段階的に順次下降する連続動作を行う演出である。
〔変動パターン情報設定処理〕
図38(A)は、本発明の第1の実施の形態の変形例3に係る変動パターン情報設定処理(図21のステップB1305)の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態の変形例3の変動パターン情報設定処理と第1の実施の形態の変形例2の変動パターン情報設定処理(図33(A))とは、同じであり説明を省略する。
図38(B)は、第1の実施の形態の変形例3に係る演出情報設定処理(ステップB2200)の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態の変形例3に係る演出情報設定処理は、変形例2に係る演出情報設定処理(図33(B))からステップB2401が追加されているが、他は同じである。
ステップB2401において、主制御用マイコン710は、対象保留の連続予告の段階を確認する。連続予告の段階は、対象保留が生じてからの変動回数(ステップB1304で取得できる)から求められる。次に、主制御用マイコン710は、ステップB1402の当該変動に係る保留情報に基づいて、ステップB2401で求めた連続予告の段階からの演出可動部材70の動作を可動体情報として設定する(ステップB2210)。これにより、演出可動部材70の継続的な動作が実現できる。例えば、変動開始時に2段階目まで演出可動部材70が落下する連続予告演出が行なわれていれば、対象保留の消化時の変動において、演出可動部材70は3段階目の落下動作を行ってから初期位置に戻って異なる態様の動作(一気に3段階目まで落下する等)を行える。
〔先読みコマンド受信処理〕
図39は、本発明の第1の実施の形態の変形例3に係る先読みコマンド受信処理(図19のステップB1119)の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態の変形例3に係る先読みコマンド受信処理は、変形例2に係る先読みコマンド受信処理(図34)からステップB2501が追加されているが、他は同じである。
ステップB2501において、主制御用マイコン710は、対象保留の連続予告の段階を確認する。連続予告の段階は、対象保留が生じてからの変動回数(ステップB1304で取得できる)から求められる。次に、主制御用マイコン710は、新たな連続演出として今回生じた対象保留までの始動記憶領域に連続予告演出を実行する保留であることを示す連続演出保留情報をセーブする際に、ステップB2501で取得した当初の連続予告の段階も連続演出保留情報として始動記憶領域にセーブする(ステップB2312)。従って、図38(A)のステップB1404、B1405、B1411を介して、演出可動部材70の継続的な連続予告演出を行わせる可動体情報を予告情報として設定できる。
これにより、当初の対象保留に係る連続予告演出につなげて、新たな対象保留の連続予告演出が実行できる。新たな対象保留の連続予告演出において、当初の対象保留の連続予告演出を当初の対象保留の消化時まで続けるように見せる演出の後に、さらに新たな対象保留の価値の高さに応じた演出を行える。例えば、当初の連続予告が2段階目で終わった後、新たな対象保留の連続予告演出において、演出可動部材70は3段階目からの演出、続いて、新たな対象保留の価値の高さに応じた演出を行う。
(第1の実施の形態の変形例3の効果)
第1の実施の形態の変形例3において、動作制御手段としての演出制御装置700は、事前判定手段による判定結果(先読み結果)が所定の結果となることに基づいて、当該所定の結果となる始動記憶に基づく変動表示ゲームまでの変動表示ゲームにわたる演出可動部材70による連続的な演出(例えば、連続予告演出)を実行している場合に、始動記憶手段に新たに前記所定の結果となる始動記憶が記憶された場合に、遊技価値の大小等の所定の判定条件に基づいて、実行中の演出可動部材70による連続的な演出を変更可能に構成される(ステップB2306−B2313、B2501)。
従って、新たに所定の結果となる始動記憶が記憶された場合でも、演出可動部材70による連続的な演出を適宜変更することができる。さらに、実行中の演出可動部材70による連続的な演出に代わって新たに記憶された始動記憶による連続的な演出が開始される場合でも、実行中の連続的な演出の段階が確認されるため(ステップB2501)、演出可動部材70の演出が、不自然にならず滑らかに継続できる。
(第2の実施の形態)
図40−図42を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。以下、第1の実施の形態からの変更点について説明する。
〔演出可動部材(ロゴユニット)〕
図40(A)−(D)は、演出可動部材100の各表示部を示す側面図である。演出可動部材100は、複数の面を有する多面体の本体部100aと、細長い円柱状の軸100b、100cとを備える。本体部100aの各面には、後述の表示部(報知部)が設けられている。本実施形態では、多面体の本体部100aは、4つの側面と2つの端面を有する四角柱形状であるが、その他の多面体形状を有してもよい。
図40(A)−(D)のように、演出可動部材100の四角柱形状の本体部100aの4つの側面には、それぞれ、合体保留表示部(A−D)101−104が設けられている。各合体保留表示部101−104は、保留表示部105(始動記憶数報知部とも呼ぶ)と飾り文字(又は図柄)等が合わさったものからなる。本実施形態において、飾り文字は、本体部100aの側面に固定された装飾(固定的な装飾)として付加されている。演出面である各合体保留表示部101−103は、それぞれ、演出を実行可能な演出表示部101a−103a(遊技演出報知部又は遊技演出部とも呼ぶ)として、演出用の飾り文字(ロゴ)(「激熱」「好機」「勝負」等)が付される。なお、各演出表示部101a−103aの飾り文字は、大当りの信頼度(期待度)が異なるため、示唆する遊技価値が異なる。合体保留表示部104は遊技機1の機種を特定可能な機種情報表示部104a(遊技機種報知部とも呼ぶ)を備え、機種情報表示部104aにおいて、飾り文字等として、遊技機1の機種名などの機種の情報が付されている。
各保留表示部105は、複数のLEDランプ(光源)を有し、演出制御装置700の制御によってLEDランプを点灯させて保留数(未消化の始動記憶の数)を表示する。ここで、各保留表示部105のLEDランプは8個であり、内側で一列に並んだ4つのLEDランプは第一保留表示部105aを構成し、外側で一列に並んだ4つのLEDランプ(各第一保留表示部105aの外側に光を導光するもの)は第二保留表示部105bを構成する。第一保留表示部105aのLEDランプが内側に配置され、第二保留表示部105bのLEDランプが外側に配置されているが、第1の実施の形態の図4(B)と同様に第一保留表示部105aと第二保留表示部105bを配置してもよい。LEDランプは、先読み結果に応じて、発光色を変化できるような、例えば、赤と青の2つのLED素子を含むLEDランプでもよい。演出制御装置700は、前方(遊技者側)を向く保留表示部105のLEDを点灯、点滅制御して作動させる。
なお、演出制御装置700は、全ての保留表示部105を同時に作動させ、保留表示させる構成でもよい。また、各保留表示部105の全てにLEDランプを8個設けずに、演出可動部材100全体でLEDランプを8個設けておき、前方を向く保留表示部105だけに8個のLEDランプからの光を導光する構成でもよい。
第一保留表示部105aは、第1の実施の形態の第一保留表示部72aと同様に、特図1の未消化の始動記憶数である特図1保留数を表示して報知する。第二保留表示部105bは、第1の実施の形態の第二保留表示部72bと同様に、特図2の未消化の始動記憶数である特図2保留数を表示(報知)する。
なお、合体保留表示部101−104のいずれかを、画像又は映像を表示するディスプレイ(液晶ディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ等)で構成することもできる。この場合に、合体保留表示部101−104に表示される文字(ロゴを含む)、図柄、保留数の表示等を画像としてディスプレイに表示してもよい。また、多面体の本体部100aの各面にディスプレイを設けて合体保留表示部101−104として使用してもよい。
〔演出制御装置の処理〕
第2の実施の形態において、演出制御装置700によって実行される処理は、第1の実施の形態と基本的には同じである。しかし、第2の実施の形態において、図21の変動中処理のステップB1303では、演出可動部材100(可動体)の回転位置は、保留表示位置(基準位置)として合体保留表示部(D)104が前方を向く位置に設定される(ステップB1303)。保留表示の移動先は変動表示装置35の表示部35aではなく、前方を向く保留表示部105となる。従って、第2の実施の形態において、図22のステップB1414、図30(B)のステップB2005等の保留表示移動情報は、前方を向く演出面(合体保留表示部101−103)の保留表示部105(変動表示装置35ではなく)に保留表示を移動することに関する情報となる。
また、第2の実施の形態において、図24のステップB1505、図31のB2107等では、主制御用マイコン710は、前方を向く演出面(合体保留表示部101−103)の保留表示部105で保留表示を行うことを示す保留表示情報を設定する。図26のステップB1615では、主制御用マイコン710は、前方を向く演出面(合体保留表示部101−103のいずれか)の保留表示部105で保留を表示するための保留表示データを設定し、図27のステップB1703では、主制御用マイコン710は、保留表示データに基づいて、前方を向く演出面(合体保留表示部101−103のいずれか)の保留表示部105に保留表示を切り替えるための保留表示切替設定を行う。図28(B)のステップB1905では、主制御用マイコン710は、合体保留表示部(D)104で保留を報知(表示)するための保留報知情報(保留表示情報)を設定する。
〔第2の実施の形態の演出例〕
図41と図42は、第1の実施の形態の変形例1のように連続予告演出が行われる場合に、変動表示装置35の表示部35aと演出可動部材100において行われる第2の実施の形態の演出例を時系列的に示す。図41はこの演出例の前半部分を示し、図42はこの演出例の後半部分を示す。
図41(A)は、特定保留が発生していない場合の変動の様子を示し、図41(B)は、特定保留が発生し、ステップB1509の可動体情報に基づいて演出可動部材100が所定方向(上下)に動く(揺動する)様子を示す。図41(C)−(H)は、特定保留が発生した後、変動表示装置35の表示部35aの表示内容(キャラクタ119等による演出)と関連して演出可動部材100(ロゴユニット)の連続予告演出の動作を行う様子を示す。このようにするために、ステップB1411において、今回の変動に対応する始動記憶(消化される保留)の始動記憶領域に記憶されている演出情報(演出態様)に基づいて、変動表示装置35の表示部35aのキャラクタ等による演出と関連付けて演出可動部材100(ロゴユニット)の連続予告演出の可動体情報を予告情報として設定する。
図42(A)−(C)は、特定保留を消化する様子を示す。図42(E)−(F)は、特定保留に記憶された変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合に、特定保留(対象保留)の消化による変動時に、図30(A)のステップB1411で設定された可動体情報に基づいて、当該変動の予告として演出可動部材100の移動による演出が実行される様子を示す。図42(G)−(H)は、特定保留に記憶された変動表示ゲームの結果が「大当り」の場合に、図42(E)−(F)と同様に、特定保留(対象保留)の消化による変動時に、当該変動の予告として演出可動部材100の移動による演出が実行される様子を示す。
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態において、演出可動部材100は、異なる情報をそれぞれ報知可能な複数の報知部(合体保留表示部101−104)を備える。そして、各報知部には、遊技機1の機種を特定可能な機種情報表示部(遊技機種報知部)104aと遊技機1における演出を実行可能な演出表示部(遊技演出報知部)101a−103aのうちの少なくとも一つと、始動入賞記憶手段に記憶される始動記憶の数を遊技者に報知可能な保留表示部(始動記憶数報知部)105と、が設けられる。このように演出可動部材100の各報知部(各合体保留表示部)に保留表示部105を設けることにより、演出可動部材100が回転等の動作をして何れの報知部が前方(遊技者側)を向いても、遊技者は常に保留数を把握できる。従って、演出可動部材100を回転させる動作など、従来にない斬新な演出を容易に行うことができる。
各報知部の前記遊技演出報知部は、それぞれ、大当りに関する信頼度等の示唆する遊技価値の異なる演出表示部101a−103aである。従って、演出可動部材100は、遊技価値に応じた種々の演出を行うことができる。
(第2の実施の形態の変形例1)
図43と図44を参照して、第2の実施の形態の変形例1について説明する。変形例1において、演出可動部材100は、変動毎(保留消化毎)ではなく、始動口への入賞毎に回転できる。
〔先読みコマンド受信処理〕
図43は、第2の実施の形態の変形例1に係る先読みコマンド受信処理を示す。第2の実施の形態の変形例1は、第1の実施の形態の変形例2に対応するものであるが、図43の先読みコマンド受信処理において、図34のステップB2325とB2326に代えてステップB2601が設けられている。ステップB2601において、主制御用マイコン710は、特定保留発生時に、演出可動部材100の連続予告演出が可能であることを示す連続演出実行可能フラグをオンに設定しメモリ(RAM711)の所定領域にセーブする(図45(A)参照)。また、ステップB2305、B2306において、連続演出実行フラグではなく、連続演出実行可能フラグがあるか否か確認、判定する。
〔保留数コマンド受信処理〕
図44は、第2の実施の形態の変形例1に係る保留数コマンド受信処理を示す。図44の保留数コマンド受信処理において、図26のステップB1613−B1615に代えてステップB2701−B2703が設けられている。主制御用マイコン710は、演出可動部材100の連続予告演出が可能であることを示す連続演出実行可能フラグがあるか否か確認して、判定する(ステップB2701、B2702)。次に、主制御用マイコン710は、ステップB2302でセーブされた先読み情報(保留情報)に基づいて、可動体情報を設定する(ステップB2703)。ここで、可動体情報は、演出可動部材(ロゴユニット)100を回転させるための情報である。先読み情報により保留の信頼度(期待度)が高い場合に、可動体情報が設定されてよい。始動口への入賞毎に保留数コマンドは受信され、ステップB2703で演出可動部材100を回転させる可動体情報が設定される。
従って、始動口への入賞毎(即ち保留の発生毎)に演出可動部材(ロゴユニット)100を回転させる連続演出が行なえる(図45(C)(E)参照)。特定保留発生時に連続演出実行可能フラグが設定され(ステップB2601)、特定保留の発生以降、連続演出実行可能フラグが設定されている期間内に、新たな保留が発生する毎に演出可動部材(ロゴユニット)100は回転する。なお、連続演出実行可能フラグは、その特定保留の消化時にクリアされる。
〔第2の実施の形態の変形例1の演出例〕
図45は、変動表示装置35の表示部35aと演出可動部材100において行われる第2の実施の形態の変形例1の演出例を時系列的に示す。
図45(A)は、特定保留が発生したときの変動の様子を示す。ここで、特定保留発生によって、演出可動部材100(ロゴユニット)を回転させる先読み演出(連続予告演出)の実行が決定される。即ち、ステップB2601において連続演出実行可能フラグが設定される。図45(B)は、特定保留が発生時において、変動表示装置35の表示部35aに遊技球を始動口へ入賞させるように促す表示が行われる様子を示す。図45(C)は、保留の増加によって連続演出として演出可動部材100が回転する様子を示す。図45(D)(E)は、さらに保留の増加によって連続演出として演出可動部材100が回転する様子を示す。
図45(F)(G)は、特定保留の消化時に、特定保留に対応する変動において、ステップB1410で設定された可動体情報によって演出可動部材100が回転する様子を示す。即ち、変動表示ゲームの結果に基づいて決定される演出面(合体保留表示部101−103)が前方へ向くように、演出可動部材100が回転する。
なお、大当りが確定している場合には、保留発生毎に、特定の合体保留表示部(例えば合体保留表示部102)が連続して前方へ向くように、演出可動部材100が回転されてよい。また、この演出例の回転を、保留発生毎の連続予告演出としてではなく、特定保留発生時の疑似連続予告として行ってもよい。
(第2の実施の形態の変形例1の効果)
第2の実施の形態の変形例1において、事前判定手段は、始動記憶手段に記憶される始動記憶としての所定の乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが開始されるよりも前に判定する。例えば、事前判定手段は、遊技制御装置600である。動作制御手段(演出制御装置700)は、事前判定手段の判定結果(先読み結果)に基づいて、演出可動部材100を動作可能である。従って、例えば、判定結果が大当りなど価値の高いものであれば、演出可動部材100は先読み演出(予告演出)をできる。
動作制御手段としての演出制御装置700は、事前判定手段による判定結果(先読み結果)が予め定められた所定の結果となる場合(例えば、特定保留の場合)に、所定条件の成立に基づいて、所定の結果となる始動記憶に基づく変動表示ゲームまでの変動表示ゲームにわたり、演出可動部材100による連続的な演出(例えば、連続予告演出)を実行可能に制御する(ステップB2701-B2703)。従って、この連続的な演出が、好適に所定条件下で実行できる。
演出可動部材100による連続的な演出が実行されることとなる所定条件は、所定の結果となる始動記憶に基づく変動表示ゲームまでに新たな始動記憶が始動記憶手段に記憶されることを含む。従って、演出可動部材100が新たな始動記憶(保留)の発生毎に回転などの動作を行うような斬新な演出が可能になる。
(第2の実施の形態の変形例2)
図46(A)(B)と図47を参照して、第2の実施の形態の変形例2について説明する。変形例2において、主制御用マイコン710は、演出可動部材100の動作に関連付けて、変動表示装置35の表示部35aで行われる変動表示ゲームの演出(特に、識別情報(飾り特別図柄)の表示)を制御する。以下に、第2の実施の形態の変形例1からの変更点について説明する。
〔変動中処理〕
図46(A)は、第2の実施の形態の変形例2に係る変動中処理を示す。第2の実施の形態の変形例2の変動中処理において、第1の実施の形態の図21の変動中処理のステップB1310−B1312に代えてステップB2800の演出パターン変更処理が設けられている。演出パターン変更処理において、主制御用マイコン710は、変動表示装置35の表示部35aにおける変動表示ゲームの演出を変更する設定を行う。
図46(B)は、演出パターン変更処理の内容を示す。主制御用マイコン710は、まず、図21のステップB1310と同様に、現在、最終シーンであるか否かを判定する(ステップB2801)。最終シーンである場合に、図21のステップB1311と同様に、主制御用マイコン710は、変動表示ゲームの終了(ファンファーレの終了)を設定する(ステップB2802)。一方、最終シーンでない場合に、主制御用マイコン710は、演出パターンを変更する演出パターン変更タイミングであるか否か判定する(ステップB2803)。
演出パターン変更タイミングである場合に、主制御用マイコン710は、演出パターンを変更可能であることを示す演出パターン変更可能フラグをオンに設定してメモリ(RAM711)の所定領域にセーブし(ステップB2804)、その後、図21のステップB1312と同様に、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(ステップB2807)。演出パターン変更タイミングでない場合に、主制御用マイコン710は、演出パターン変更期間が終了したか否か判定する(ステップB2805)。なお、演出パターン変更期間は、変動表示装置35の表示部35aの識別情報(飾り特別図柄)が、停止位置の周りで上下に揺れる演出(図48参照)が行われる所定期間である。
演出パターン変更期間が終了していない場合に、今回の演出パターン変更処理を終了する。一方、演出パターン変更期間が終了した場合に、主制御用マイコン710は、演出パターンを変更可能であることを示す演出パターン変更可能フラグをクリアし(ステップB2806)、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(ステップB2807)。
〔保留数コマンド受信処理〕
図47は、第2の実施の形態の変形例2に係る保留数コマンド受信処理を示す。第2の実施の形態の変形例2の保留数コマンド受信処理において、ステップB1601-B1612とB2701−B2703に関しては、第2の実施の形態の変形例1の保留数コマンド受信処理(図44)と同様に実行される。
しかし、ステップB1603において、特図保留数が既に上限値(ここでは4)に達しておりオーバーフローが発生したことを示す飾り特図保留数コマンド(即ちオーバーフローコマンド)を受信した場合に、主制御用マイコン710は、演出パターン変更可能フラグがあるか確認し判定する(ステップB2901、B2902)。次に、演出パターン変更可能フラグがある場合に、主制御用マイコン710は、対応する演出パターン変更情報を設定し(ステップB2903)、演出パターン変更可能フラグをクリアする(ステップB2904)。
ステップB2903の演出パターン変更情報は、停止位置付近で揺れている識別情報(飾り特別図柄)に向かって演出可動部材100を大きく動かしてさらに元に戻すための可動体情報と、この可動体情報に基づく演出可動部材100の動作に対応付けられ、全部又は一部の識別情報(飾り特別図柄)を再変動させるための情報(例えば、変動パターンやシーンシーケンステーブルを当初の設定されたものから変更するための情報)を含む。従って、演出可動部材100の動作に関連付けて、変動表示装置35の表示部35aにおける変動表示ゲームの演出(特に、識別情報(飾り特別図柄)の表示)を制御できる。演出パターン変更情報は、単純に再変動パターンとして選択可能にしてもよいし、はずれの場合と大当りの場合ともに特殊演出パターンとして選択可能にしてもよい。なお、先読み情報に基づいて、演出可動部材100の動作に関する可動体情報や、再変動させるための情報を設定してよい。例えば、先読み情報に基づく大当りの信頼度が低い場合に、演出可動部材100の動作を小さくしたり、再変動を止めるようにしてもよい。
なお、ステップB2901−B2904の処理が実行される条件を、オーバーフローコマンドを受信したこととせずに、保留数が所定数以上になったこと、オーバーフローコマンドを所定回数受信したこと等にしてもよい。
〔第2の実施の形態の変形例2の演出例1〕
図48は、変動表示装置35の表示部35aと演出可動部材100において行われる第2の実施の形態の変形例2の演出例1を時系列的に示す。
図48(A)は、ステップB1408において設定された変動パターンに基づいて、特定のはずれパターンの停止図柄が出現したとき(演出パターン変更タイミング)に、変動表示装置35の表示部35aの識別情報(飾り特別図柄)が停止位置の周りで上下に揺れる演出が行なわれる様子を示す。図48(A)から図48(F)まで、演出パターン変更期間の間、識別情報(飾り特別図柄)の数字が停止図柄の状態で揺れる。図48(B)は、始動口への入賞を促す演出が変動表示装置35の表示部35aで行われる様子を示す。図48(C)(D)は、保留が発生する様子を示す。主制御用マイコン710は、ステップB2302でセーブされた先読み情報(保留情報)に基づいて、保留の発生毎に可動体情報を設定する(ステップB2703)が、ここでの可動体情報は、演出可動部材100を連続予告演出として下方に順次移動させるための情報である。従って、保留の発生毎に、連続予告演出として演出可動部材100が降下する。
図48(E)は、保留数が既に上限値(ここでは4)に達しておりオーバーフローが発生した場合(即ちオーバーフローコマンドを受信した場合)に、ステップB2903で設定された演出パターン変更情報に基づいて、演出可動部材100は、停止位置付近で揺れている識別情報(飾り特別図柄)に向かってを大きく動いてさらに元に戻る。これと同時に、一部の識別情報(飾り特別図柄)が再変動して動く。この際、先読み情報に基づく大当りの信頼度(期待度)に応じて、演出可動部材100により再変動させられる図柄の数を変えてよい。従って、演出可動部材100の動作に関連付けて、変動表示装置35の表示部35aで変動表示ゲームの演出(特に、識別情報(飾り特別図柄)の表示)が行われる。このように、降下した演出可動部材100が識別情報(飾り特別図柄)に衝突して、識別情報(飾り特別図柄)の数字が動く(滑る)ように遊技者が認識する演出が行なわれる。
なお、識別情報(飾り特別図柄)が停止図柄の状態で揺れている演出パターン変更期間の間に、オーバーフローが発生しない場合に、揺れていた停止図柄が止まって確定する。ステップB2903において、演出パターン変更情報が設定されないためである。
〔第2の実施の形態の変形例2の演出例2〕
図49は、変動表示装置35の表示部35aと演出可動部材100において行われる第2の実施の形態の変形例2の演出例2を時系列的に示す。
図49(A)は、ステップB1408において設定された変動パターンに基づいて、特定のはずれパターンの停止図柄が出現したとき(演出パターン変更タイミング)、変動表示装置35の表示部35aの識別情報(飾り特別図柄)が停止位置の周りで上下に揺れる演出が行なわれる様子を示す。図49(A)から図49(G)まで、演出パターン変更期間の間、識別情報(飾り特別図柄)の数字が停止図柄の状態で揺れる。図49(B)(C)は、始動口への入賞を促す演出が変動表示装置35の表示部35aで行われ、保留が発生する様子を示す。主制御用マイコン710は、ステップB2302でセーブされた先読み情報(保留情報)に基づいて、保留の発生毎に可動体情報を設定する(ステップB2703)が、ここでの可動体情報は、演出可動部材100を連続予告演出として回転又は移動させるための情報である。従って、先読み情報(保留情報)に応じて、保留の発生毎に、連続予告演出として演出可動部材100が回転又は移動する。
なお、図49(C)のように、先読み情報(保留情報)から保留の信頼度が高ければ、演出可動部材100は、所定の合体保留表示部102が前方を向くように回転してもよい。図49(D)のように、先読み情報(保留情報)から保留の信頼度が高ければ、演出可動部材100は、所定方向に移動して戻るようにしてもよい。図49(E)のように、先読み情報(保留情報)から発生した保留の信頼度が低ければ、演出可動部材100は、遊技機1の機種の情報が表示された合体保留表示部104が前方を向くように回転してもよい。即ち、先読み情報に基づく保留の信頼度(期待度)が、演出可動部材100の動作態様によって報知されてもよい。
図49(F)(G)において、保留数が既に上限値(ここでは4)に達しているためオーバーフローが発生した場合(即ちオーバーフローコマンドを受信した場合)に、ステップB2903で設定された演出パターン変更情報に基づいて、演出可動部材100は、停止位置付近で揺れている識別情報(飾り特別図柄)に向かってを大きく動いてまた元に戻る。これと同時に、一部の識別情報(飾り特別図柄)が再変動して動く。従って、演出可動部材100の動作に関連付けて、変動表示装置35の表示部35aで変動表示ゲームの演出(特に、識別情報(飾り特別図柄)の表示)が行われる。
〔第2の実施の形態の変形例2の演出例3〕
図50は、変動表示装置35の表示部35aと演出可動部材100において行われる第2の実施の形態の変形例2の演出例3を時系列的に示す。
図50(A)は、特定のリーチ状態が発生したとき(演出パターン変更タイミング)に、ステップB1410で設定した可動体情報に基づいて、演出可動部材100を揺動させる様子を示す。図50(B)は、始動口への入賞を促す演出が変動表示装置35の表示部35aで行われる様子を示す。図50(C)から図50(D)は、保留が発生する様子を示す。主制御用マイコン710は、ステップB2302でセーブされた先読み情報(保留情報)に基づいて、保留の発生毎に可動体情報を設定する(ステップB2703)が、ここでの可動体情報は、演出可動部材100を連続予告演出として移動させるための情報である。従って、先読み情報(保留情報)に応じて、保留の発生毎に、連続予告演出として演出可動部材100が降下する。演出パターン変更期間の間に、オーバーフローが発生した場合に、演出が発展する。
(第2の実施の形態の変形例2の効果)
第2の実施の形態の変形例2において、演出可動部材は、遊技機1の機種を特定可能な機種情報表示部(遊技機種報知部)104aと、始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶の数を遊技者に報知可能な保留表示部(始動記憶数報知部)105と、遊技機1における演出を実行可能な遊技演出報知部(遊技演出部)101a−103aと、を備える。ゲーム実行制御手段としての演出制御装置700は、変動表示ゲームの実行を制御可能である。演出制御装置700は、動作制御手段によって動作制御される演出可動部材100の動作に関連させて、変動表示装置35における変動表示ゲームの実行を制御可能である(ステップB2901-B2904)。従って、演出可動部材100の動作と変動表示装置35における変動表示ゲームを連動させて、さらに、斬新な演出をすることができ、遊技の興趣が高まる。
ゲーム実行制御手段は、事前判定手段の判定結果(先読み結果)に基づき動作制御手段によって動作制御される演出可動部材100の動作に関連させて、変動表示装置35における変動表示ゲームの実行を制御可能である(ステップB2701−B2703、B2901-B2904)。従って、事前判定手段の判定結果(先読み結果)に基づいて、演出可動部材100の動作と変動表示装置35における変動表示ゲームを連動させることにより、遊技価値(信頼度)の報知ができる。
ゲーム実行制御手段は、所定条件の成立(ステップB1603又はB2803)に基づき、動作制御手段によって動作制御される演出可動部材100の動作に関連させて、変動表示装置35において実行される変動表示ゲームの識別情報(飾り特別図柄)の表示を制御できる。従って、好適に演出可動部材100の動作と変動表示装置35における変動表示ゲームを関連付けることができ、遊技の興趣が高まる。
動作制御手段は、新たな始動記憶が始動記憶手段に記憶される毎に、演出可動部材100による連続的な動作を制御する。そして、ゲーム実行制御手段は、所定条件として、始動入賞記憶手段に記憶されている始動記憶の数が所定数になった場合(ステップB2803)に、動作制御手段によって動作制御される演出可動部材100の動作に関連させて、変動表示装置35において実行される変動表示ゲームの識別情報(飾り特別図柄)の表示を再変動できる。従って、始動記憶の数(保留数)が多くなるほど遊技の興趣が高まることになる。
(第2の実施の形態の変形例3)
図51を参照して、第2の実施の形態の変形例3について説明する。第2の実施の形態の変形例3において、演出可動部材100を動作させる演出が、大当りラウンド中の昇格演出においても行われる。図51は、第2の実施の形態の変形例3において、変動表示装置35の表示部35aと演出可動部材100において行われる演出例を時系列的に示す図である。
図51(A)(B)のように、大当りラウンド中(ここでは7ラウンド)に、特別変動入賞装置141(特別変動入賞装置41でもよい)の大入賞口に遊技球を入賞させることを促す演出が、変動表示装置35の表示部35aにおいて行われる。表示部35aにおいて、特別変動入賞装置141の大入賞口に入ってカウントスイッチ606で検出させた遊技球の数(カウント数)と規定上限回数(ここでは8)との差が、残りのカウント数として表示されている。また、大当りラウンド中に当該大当たりを発生させた大当り図柄(停止図柄)が表示されている。演出可動部材100は、残りのカウント数が減るごとに、降下(移動)する演出を行う。演出可動部材100の降下(移動)により、徐々に大当り図柄が隠される。
図51(C)のように、残りカウント数がゼロになった場合(カウント数が規定上限回数になった)場合に、演出可動部材100は、大当り図柄を完全に隠す位置に降下する。そして、昇格する(例えば、通常大当りから確変大当りに昇格)場合に、図51(D)のように、演出可動部材100は、急激に上昇(移動)して降下前の元の位置に戻る。そして、昇格後の大当り図柄(例えば確変大当り図柄)が表示部35aに表示される。昇格しない場合に、図51(G)(H)のように、演出可動部材100は、急激に上昇(移動)して降下前の元の位置に戻るが、大当り図柄は当初のままで変化しない。なお、図51(E)(F)のように、規定時間内に残りカウント数がゼロに到達しない場合に、演出可動部材100は大当り図柄を完全に隠すことなく、急激に上昇(移動)して降下前の元の位置に戻る。図51(A)(B)(E)(F)のように、表示部35aの右側のタイムインジケータ125は、この規定時間に対する残りの時間及び経過時間を報知している。
なお、オーバーフローが所定数発生した場合のみ、演出可動部材100が下降して、図柄を退かすような演出により昇格演出を行うようにしてもよい。また、次のラウンドにて昇格演出を行うようにしてもよい。
(第2の実施の形態の変形例3の効果)
第2の実施の形態の変形例3において、演出可動部材100を大当りラウンド中の演出にも用いることにより、遊技の興趣を高めることができる。
(第3の実施の形態)
図52−図54を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。以下、第2の実施の形態の変形例2からの変更点について説明する。
図52(A)を参照すると、遊技盤30は、変動表示装置35の表示部35aとカバーガラス6aの間に振分装置110を備える。振分装置110は、遊技球の通路である第1球通路113と、遊技球の通路である第2球通路115と、遊技球の通路を第1球通路113と第2球通路115との間で切り替える流路切替部材117を備える。演出制御装置700の主制御用マイコン710は、演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743に接続される図示しない電気モータにより、流路切替部材117を回転駆動して、遊技球の通路を切り替える制御を行う。第1球通路113は、遊技盤30の左上から右下の振分部材121へ遊技球を案内する遊技者にとって有利な通路であり、第2球通路115は遊技球を外部へ排出する遊技者にとって不利な通路である。
前述の第2の実施の形態の変形例2の演出例1、3(図48、50)に関連して、変動の途中で、キャラクタ119は、流路切替部材117に保持されている遊技球が第1球通路113に流下するのを堰き止める演出を行う。
なお、第1球通路113と第2球通路115の前後方向の面は透明である。これにより、第1球通路113と第2球通路115の後方に位置する表示部35aにキャラクタ119を表示しても、遊技者は第1球通路113及び第2球通路115を通してキャラクタ119を視認することができる。また、キャラクタ119をカバーガラス6aにも3D表示して立体感を出すことで、実球の遊技球を堰き止めている雰囲気をさらに出すことができる。図52(B)は、遊技者から視認される演出である。流路切替部材117が遊技球を保持しているときに、キャラクタ119が流路切替部材90の直ぐ下流に表示されることで、キャラクタ119が遊技球を堰き止めているかのように見せることができる。
図53は、本発明の第3の実施の形態の流路切替部材117の動作を示す断面図である。V字型の流路切替部材117は、回転軸117aを有し、回転軸117aの周りで図示しない電気モータにより回転される。そして、流路切替部材117は、回転軸117aの回転によって、第1球通路113の上流から流下してくる遊技球を保持して、第1球通路113と第2球通路115への遊技球の流入を妨げる(図53(A)(B))。その後、例えば、流路切替部材117が第1球通路113側に回転すると、遊技球が第1球通路113に流下される(図53(C))。
図54(A)−(D)を参照すると、演出可動部材100の動作に関連付けて、流路切替部材117の動作と、変動表示装置35の表示部35aで変動表示ゲームの演出(特に、識別情報(飾り特別図柄)の表示)が行われる。図54(A)−(D)において、図48と図50のように降下した演出可動部材100が、キャラクタ119に衝突して、キャラクタ119が落下するような演出が行なわれる。キャラクタ119が落下すると同時に、流路切替部材117が回転して、遊技球が第1球通路113又は第2球通路115に流下する。これにより、キャラクタ119の落下によって、キャラクタ119に止められている遊技球が第1球通路113又は第2球通路115に流下するように見える。
さらに、図54(B)(C)において、キャラクタ119が落下して識別情報(飾り特別図柄)に衝突して、停止していた一部の識別情報(飾り特別図柄)の数字が動く(滑る)ように見える演出が、表示部35aにおいて行なわれてもよい。さらに、図54(D)のように、両端の識別情報(飾り特別図柄)が揃って、リーチ状態となる演出が行なわれてもよい。リーチ状態の大当り信頼度(期待度)が高い場合に、第1球通路113を流下した遊技球が振分部材121の二つの穴のうち特定の穴に入ることによって報知される。なお、この場合に、主制御用マイコン710は、特定の穴に遊技球が入るように、演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743を介して、図示しない電気モータによって振分部材121を回転させる。リーチ状態の大当り信頼度(期待度)が低い場合には、遊技球は振分部材121の二つの穴のうち他方の穴に入ることによって報知される。
(第3の実施の形態の効果)
第3の実施の形態において、振分装置110は、遊技球の通路を振り分ける。振分装置制御手段としての演出制御装置700は、振分装置110の動作を制御する。振分装置制御手段は、動作制御手段によって動作制御される演出可動部材70又は100の動作に関連させて、振分装置110の動作を制御する。振分装置110と演出可動部材70又は100が連動して、遊技球の通路を振り分ける振分装置110の動作(遊技球の流下の態様)と演出可動部材100の動作が関連付けられ、遊技の興趣が高まる。
(第4の実施の形態)
図55と図56を参照して、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態において、所定の条件が成立する場合に保留数の上限値が増加し、第1の実施の形態に係る演出可動部材70又は第2の実施の形態に係る演出可動部材100が動作しさらに二つの部分に分離又は分割されて、保留数の上限値の増加を示す表示が行われる。このため、演出可動部材70又は演出可動部材100は、分離可能に組み合された二つの部分から構成される。
遊技制御装置600は、特図表示中処理(ステップA1211)等において、図柄情報が所定の図柄を示す場合に、保留数の上限値を増加するよう設定し保留上限値コマンドを準備して演出制御装置700に送信する。演出制御装置700の主制御用マイコン710は、保留数の上限値が増加した場合に送られる保留上限値コマンドから保留数の上限値を取得して、演出可動部材70(又は100)を変動表示装置35の表示部35a上に移動させて(図55(A)、図56(A)参照)、さらに二つの部分に分離する(図55(B)、図56(B)参照)。
演出可動部材70(又は100)を分離するために、アクチュエータ(図示せず)が設けられる。アクチュエータは、図5の駆動機構80の第一部分80aと第二部分80bを、演出可動部材70(又は100)の回転軸に沿った方向において互いに相対的に離れるように移動させる。主制御用マイコン710は、演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743を介して、アクチュエータを制御する。
主制御用マイコン710は、演出可動部材70(又は100)を二つの部分に分離する場合に、変動表示装置35の表示部35aにおいて保留数の上限値が増加したことを示す上限増加表示123を行う。演出可動部材70(又は100)の分離は、大当りラウンド中に行われても、変動中に行われてもよい。
図55(A)は、保留数の上限値が増加した場合に、演出可動部材70が変動表示装置35の表示部35a上に移動する様子を示す。図55(B)は、演出可動部材70が二つの部分に分離する様子を示す。なお、図55(A)(B)において、演出可動部材70は、特図1保留数と特図2保留数の一方のみを表示しており、他方は、演出可動部材70の他の面又は表示部35aに表示される例を示している。上限増加表示123は、変動表示装置35の表示部35aにおいて、演出可動部材70の分離した二つの部分の間で前方から視認できるよう表示される。上限増加表示123の内部には、増加した分の保留の表示が行われる。
一方、図56(A)(B)は、二つに分離(分割)可能な演出可動部材100を示す。図56(A)は、保留数の上限値が増加した場合に、演出可動部材100が変動表示装置35の表示部35a上に移動する様子を示す。図56(B)は、演出可動部材100が二つの部分に分離する様子を示す。
(第4の実施の形態の効果)
始動入賞記憶手段が記憶可能な始動記憶の所定の上限数を増加させた場合において、動作制御手段は、変動表示装置35の表示部35a上で、演出可動部材70又は100を二つの部分に分離し、変動表示装置35は、二つの部分の間に相当する位置で表示部35aにおいて所定の上限数が増加したことを示す表示をする。従って、始動記憶の所定の上限数の増加に伴うこのような表示(演出)によって、遊技の興趣が高まる。
(第5の実施の形態)
図57−図59を参照して本発明の第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態は、演出可動部材の構成に係るものである。以下、第1の実施の形態からの変更点について説明する。
図57(A)は、第5の実施の形態に係る演出可動部材150の保留表示部155を構成する側面を示す側面図である。図57(B)は、第5の実施の形態に係る演出可動部材150の軸方向の一端面を示す端面図である。演出可動部材150は、空洞状の本体部150aと、本体部150aの一方の側に設けられたギア部150bと、本体部150aの他方の側に設けられた軸部150cと、を備える。また、ギア部150b又は軸部150cには、本体部150aの内部の空洞に連通する円状の開口部150d(入口部)が設けられている。保留表示部155は、後述のように8個の開口部156を有する。
ギア部150bは、第一実施形態の第一回転部81と同様に機能して電気モータ82の回転軸に取付けられた歯車を介して、電気モータ82によって回転される。軸部150cは、第一実施形態の第二回転部84と同様に機能して第二保持部85に回転可能に保持される。なお、図57(A)の右側と左側を入れ替えて、右側にギア部150bを設け、左側に軸部150cを設けてもよい。
図58のように、本体部150aの内部の空洞には、LED基板152が開口部150d(入口部)を通して挿入されている。LED基板152には、保留表示部155の8個のLEDランプ157が搭載され、配線を介して演出制御装置700により制御されている。LEDランプ157が前方(遊技者側)を照射できるようにするために、LED基板152は、LEDランプ157が搭載される主面が常に前方(遊技者側)を向くように第一保持部83などに固定されている。演出可動部材150は、電気モータ82によって駆動されて、向きが固定されたLED基板152のまわりで回転する。
図59(A)のように、本体部150aにおいて、保留表示部155を構成する側面は、LED基板152の8個のLEDランプ157に対応して8個の開口部156を有する。開口部156は円形であり、蓋として透明なプラスチック部材などが嵌められてもよい。保留表示部155の開口部156が設けられる側面が前方(遊技者側)を向いている場合に、保留数に対応してLEDランプ157が開口部156を通して発光することによって、保留数を報知できる。第一実施形態と同様に、保留表示部155の一方の側で一列に並んだ4つのLEDランプ157は第一保留表示部155aを構成し、他方の側で一列に並んだ4つのLEDランプ157は第二保留表示部155bを構成してよい。
なお、図59(B)のように、演出用の演出表示部158(又は機種情報表示部159)が前方(遊技者側)を向いている場合にも、LEDランプ157を発光(点灯)させてもよい。この場合、演出可動部材150の演出表示部158(又は機種情報表示部159)の飾り文字部分などの一部を透明又は半透明に構成し、他の部分を不透明に構成すれば、演出可動部材150は、LEDランプ157からの光を透過して光るような演出をすることができる。
(その他の実施の形態)
図60、図61のように、演出可動部材70又は演出可動部材100は、変動表示装置35の上方ではなく、普通電動役物(第2始動入賞口37b)の近傍に配置されてもよい。
図60(A)−(C)において、センターケース34の右側に普通電動役物が設けられ、演出可動部材70又は演出可動部材100が、普通電動役物の近傍において配置されるよう、変動表示装置35の右側に設けられる。これにより、実際に入賞又はオーバーフローしたことにより演出可動部材100が動くことが強調できる。
図61(A)(B)において、透明遊技盤において始動口と変動表示装置35の間に演出可動部材70又は演出可動部材100が可動可能に配設され、実際に入賞又はオーバーフローしたことにより演出可動部材70又は演出可動部材100が動くことが強調できる。
また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。