以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、始動条件が成立した後、変動表示の開始条件が成立したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報を変動表示し、導出表示された表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
[第1実施形態]
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、大当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。図3は、パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板等を示す構成図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7における下部の左側には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字、および、A,C,E,Fのような文字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9のような数字およびA,C,E,Fのような文字(または、記号)等の識別情報を変動表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字およびA,C,E,Fのような文字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9のような数字、および、A,C,E,Fのような文字(または、記号)等の識別情報を変動表示するように構成されている。
小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が後述する第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口およびゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、各々を識別可能な演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行なう場合を示しているが、演出表示装置9で行なわれる演出は、この実施の形態で示したものに限らず、たとえば、所定のストーリー性を持つ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果に基づいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。たとえば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行なうとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行ない、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行なうようにしてもよい。また、たとえば、勝敗等の結果を表示するのではなく、物語等の所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行される(演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンド(変動パターン指定コマンド)に基づいて認識した変動時間を計測することによって行なわれる)。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とで、入賞した遊技球に対して払出される賞球数が異なる。たとえば、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときの賞球数は、1個の入賞に対して3個である。一方、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときの賞球数は、1個の入賞に対して1個である。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部(表示領域)18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(たとえば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)。
なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別することなく同じ色で表示してもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別することなく同じ色で表示する場合に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを左右で区別することなく左端または右端から順番に表示してもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを色で区別する場合に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを左右で区別することなく左端または右端から変動表示の優先順位に応じて順番に表示してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。
この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間にしたがって演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドに基づいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化け等が生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化け等の不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。この実施の形態では、可動部材78は、擬似連の演出および予告演出(可動物予告演出)等の所定の演出が実行されるときに動作する。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10での変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する遊技者にとって有利な有利状態である特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
図2においては、大当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態の終了後の変動時間、および、大当り遊技状態の終了後の高確率および高ベースの状態の継続期間(変動表示回数)が示されている。図2に示すように、この実施の形態では、ラウンド数が異なる大当り遊技状態として、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、または、独立して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が通常状態(非時短状態)よりも短縮される時短状態に制御される場合もある。
この実施の形態においては、時短状態として、標準時短状態と、当該標準時短状態よりもさらに変動時間が短縮される超時短状態との複数種類の時短状態が含まれている。したがって、以下の説明において、単に「時短状態」と示す場合は、「標準時短状態」と「超時短状態」との両方を包含した時短状態の総称としての意味を持つこととする。
また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、または、独立して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化する電チューサポート制御状態に制御される場合もある。また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、または、独立して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合もある。また、特別遊技状態としては、確変状態に加えて、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御される場合もあり、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御される場合もある。
この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに、電チューサポート制御状態に制御される。
なお、この実施の形態の場合は、大当りとして確変大当りのみが設けられた例を示すが、大当りの種類としては、大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない「通常大当り」と呼ばれる大当りを設けてもよい。15R通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に、時短状態および電チューサポート制御状態に移行する制御が行なわれないものであってもよく、時短状態および電チューサポート制御状態に移行する制御が行なわれるものであってもよい。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、15R確変大当りAと、15R確変大当りBとの複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、2R確変大当りが設けられている。
15R確変大当りAは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態に移行する制御が行なわれ、当該確変状態および時短状態が、変動表示が所定回数(70回)実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する大当りである。15R確変大当りAの大当り遊技状態の終了後には、時短状態として、標準時短状態に制御される。
15R確変大当りBは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態に移行する制御が行なわれ、当該確変状態および時短状態が、変動表示が所定回数(70回)実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する大当りである。15R確変大当りBの大当り遊技状態の終了後には、時短状態として、標準時短状態よりも平均的な変動時間が短くされる超時短状態に制御される。
2R確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態に移行する制御が行なわれ、当該確変状態および時短状態が、変動表示が所定回数(70回)実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する大当りである。2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後には、時短状態として、超時短状態に制御される。
なお、2R確変大当りとしては、大当り遊技状態の終了後には、時短状態として、超時短状態に制御されるものに加えて、標準時短状態に制御されるものも設けてもよい。
2R確変大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合には、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」とも呼ばれる。「突然確変大当り」は、「突確大当り」または「突確」という略称で呼ばれる場合もある。2R確変大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に賞球が得られない当りである。
なお、実質的に賞球が得られない当りとしては、15ラウンドの大当りであるが、1ラウンドあたりの開放時間がたとえば0.1秒間のように極めて短いことにより、実質的に賞球が得られないものであってもよい。また、実質的に賞球が得られない当りとしては、ラウンド数が少ないこと、または、1ラウンドあたりの開放時間が短いことのうち少なくとも一方が実行されることにより実質的に賞球が得られないものであればよい。
また、15R確変大当りA、15R確変大当りB、および、2R確変大当りにおける特別遊技状態としての確変状態および時短状態は、特別図柄の変動表示が予め定められた回数(たとえば、70回)実行されるまで継続可能とする、所謂回数切りである。その場合は、変動表示が所定回数実行されるまでという条件、または、次回の大当りが発生するまでという条件のうちいずれか早い方の条件が成立するまでの期間に亘り確変状態および時短状態が継続する。そのような場合においては、時短状態が継続する回数(特別図柄および演出図柄の変動表示回数)は、固定的に定められているものであってもよく、または、大当りが発生するごとに複数種類の回数から選択(ランダムに選択、予め定められた順序で選択)されるものであってもよい。また、確変状態と時短状態とは、終了タイミングが異なるようにしてもよい。たとえば、確変状態を次回の大当り発生まで継続させ、時短状態を回数切りとなるようにしてもよく、その逆となるようにしてもよい。また、特別遊技状態としての確変状態および時短状態は、変動表示の回数には関係なく、次回の大当りが発生するまで継続するものであってもよい。
なお、大当りの他に、2R確変大当りと同様の開放回数および開放時間で特別可変入賞球装置20を開放する当りである小当りを設けてもよい。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベース状態とがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されない。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(たとえば演出の選択)を行なうことができる。
なお、操作ボタン120は、押下操作が可能なものに限定されず、たとえば回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン120に代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン120は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、後述するような、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(図4参照)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御を行なう。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、操作ボタン120からの操作検出信号が入力され、その信号に応じて、各種演出を行なう。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。
また、操作ボタン120からの操作信号が、入力ポート107を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、操作ボタン120からの操作信号に基づいて、各種の遊技演出を行なう。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号に基づいて枠LED28等の枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25等に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図5は、遊技制御基板31側で用いられる各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)MR1:大当りにするか否かを判定するランダムカウンタである(大当り判定用)。
(2)MR2:大当りの種類(15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当り)を決定するランダムカウンタである(大当り種別決定用)。
(3)MR3:変動パターンの種類(種別)を決定するランダムカウンタである(変動パターン種別決定用)。
(4)MR4:変動パターン(変動時間)を決定するランダムカウンタである(変動パターン決定用)。
(5)MR5:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定するランダムカウンタである(普通図柄当り判定用)。
(6)MR6:MR5の初期値を決定するランダムカウンタである(MR5初期値決定用)。
この実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当りというような複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(MR1)の値に基づいて大当りとする決定がされたときには、大当り種別決定用乱数(MR2)の値に基づいて、大当りの種別が、これらのうちいずれかの大当り種別に選択決定される。さらに、大当りの種別が選択決定されるときに、同時に大当り種別決定用乱数(MR2)の値に基づいて、大当り図柄も選択決定される。したがって、MR2は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別決定用乱数(MR3)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン決定用乱数(MR4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。たとえば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動表示であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動表示が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出等の特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数が用いられるが、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図6は、大当り判定テーブル、および、大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。
図6(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図6(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図6(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図6(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
この実施の形態では、15R確変大当りA、15R確変大当りB、または、2R確変大当りとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行される。そして、確変状態および高ベース状態は、大当り終了後、特別図柄の変動表示が所定回数(70回)実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続に亘り継続する。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(MR1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当り)にすることに決定する。なお、図6(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図6(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図6(C)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶のデータ(保留記憶情報)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図6(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶のデータ(保留記憶情報)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別決定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、「2R確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
また、実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、大当り種別判定テーブル131aと比べて、大当り種別判定テーブル131bには、「15R確変大当りA」および「15R確変大当りB」のような15ラウンドの大当りの方が「2R確変大当り」のような2Rラウンドの大当りよりも選択される割合が高く設定されている。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大入賞口への入賞に関して遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。
なお、図6(B),(C)の大当り種別判定テーブルにおいては、第2特別図柄の方が第1特別図柄と比べて遊技者にとって有利な大当りが選択される割合が高く設定されている例を示した。しかし、これに限らず、また、第1特別図柄の方が第2特別図柄と比べて遊技者にとって有利な大当りが選択される割合が高く設定されるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが遊技者にとって有利な大当りが選択される割合が同じ割合に設定されるようにしてもよい。
また、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「2R確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「2R確変大当り」の振り分けを行なわない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行なう場合にのみ、「2R確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図6(B),(C)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1の大当りとしての2R確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2の大当りとしての15R確変大当りA,Bに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1の大当りとすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第1の大当りと比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2の大当りを決定するようにしてもよい。また、たとえば、第1の大当りと比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2の大当りを決定するようにしてもよい。また、たとえば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1の大当りと、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2の大当りとを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2の大当りの遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、たとえば、第1の大当りまたは第2の大当りのいずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1の大当りの場合には15ラウンドすべてを終了し、第2の大当りの場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1の大当りの場合には内部的に15ラウンドすべてを終了していることから大当り遊技を終了し、第2の大当りの場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも15回開放の大当りを終了した後にさらにで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
また、「2R確変大当り」は、「15R確変大当りA」および「15R確変大当りB」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.5秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「2R確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R確変大当りA」および「15R確変大当りB」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が30秒という長い場合があるのに対して、「2R確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.5秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することはほとんど期待できない。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、MR2の値と比較される数値であって、「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、「2R確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、MR2の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図7は、大当り用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。
この実施の形態では、15R確変大当りA、および、15R確変大当りBのそれぞれである場合には、変動パターンが、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。
また、2R確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2と、リーチも特定演出も伴わず前述の標準時短状態時の変動表示および短縮変動時の変動表示よりも変動時間が短い超時短変動パターンの変動パターン種別である超時短CA6とに種別分けされている。
図7(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。後述する超時短での変動表示を実行する条件が成立したときには、「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、および、「2R確変大当り」の各大当りの変動パターン種別を判定するためのテーブルは、変動パターン種別判定テーブル132Cが、変動パターン種別判定テーブル132A,132Bに対して優先使用される。超時短での変動表示を実行する条件が成立していないときには、「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、および、「2R確変大当り」のそれぞれの大当りの変動パターン種別を判定するためのテーブルは、変動パターン種別判定テーブル132A,132Bが、変動パターン種別判定テーブル132Cに対して優先使用される。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2、および、超時短CA6の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
図7(A)に示すように、この実施の形態では、「15R確変大当りA」または「15R確変大当りB」である場合には、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値が80〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、15R通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび15R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割当てられることになる。
また、大当り種別が「2R確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、たとえば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「2R確変大当り」以外である場合には判定値が割当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割当てられている。よって、変動表示結果が「大当り」となり大当り種別が「2R確変大当り」となることに応じて2R確変大当り状態に制御する場合には、15R確変大当りおよび15R通常大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図7(D)の超時短用の変動パターン種別判定テーブル132Dに設定された超時短の変動パターン種別は、リーチも特定演出も伴なわず前述の時短状態時の変動表示および短縮変動時の変動表示よりも変動時間が短い(たとえば、変動時間が0.6秒間)変動表示を行なう超時短変動パターンの変動パターン種別である。
図8は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Eを示す説明図である。
図8(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図8(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図8(C)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/高ベース状態のうち、標準時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。また、図8(D)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/高ベース状態のうち、超時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを示している。また、図8(E)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/高ベース状態のうち、超時短状態である場合で、かつ、当該状態で所定回数(35回)の変動表示が実行されるときに、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dに対して優先的に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Eを示している。
はずれである場合には、変動パターンが、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、リーチも特定演出も伴わず前述の標準時短状態時の変動表示および短縮変動時の変動表示よりも変動時間が短い超時短変動パターンの変動パターン種別である超時短CA5と、確変大当りBおよび2R確変大当りの終了後の確変状態において、所定回数(たとえば、35回)の変動表示が実行されるときに、後述するような演出切替を行なうための変動パターン種別である演出切替CA7とに種別分けされている。
はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Eは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、超時短CA5における超時短変動パターンとしては、リーチを伴うものであってもよく、リーチを伴うか否かに変わらず、時短状態時の変動表示および短縮変動時の変動表示よりも変動時間が短いものであればよい。
また、図8に示す例では、遊技状態が高ベース状態で標準時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B,135Cを用いる場合を示しているが、高ベース状態で標準時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図8(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の標準時短時用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Eには、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7、超時短CA5、演出切替CA7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図8(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図8(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出等の特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用変動表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の変動表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数、第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図8(A),(B)に示す例では1〜79)が割当てられるように構成されている。なお、「リーチ用変動表示パターン以外の変動表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、たとえば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出等の特定演出も伴わず、変動表示結果が大当りとならない場合に用いられる変動表示パターン(変動パターン)のことである。
図9は、ROM101に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。
当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果等に応じて、変動パターン決定用の乱数(MR4)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、超時短CA6のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択される。たとえば、超時短CA6の変動パターン種別が選択決定されたときには、変動時間が極めて短い(たとえば、0.6秒間)超時短変動パターンPC2が選択決定される。一方、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数(MR4)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の変動表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図9(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、変動時間が極めて短い(たとえば、0.6秒間)超時短変動パターンPC1とに種別分けされている場合が示されている。また、図9(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図9(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出等の特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、たとえば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図10は、ROM55に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数(MR4)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。たとえば、超時短CA5の変動パターン種別が選択決定されたときには、変動時間が極めて短い(たとえば、0.6秒間)超時短変動パターンPC1が選択決定される。また、演出切替CA7の変動パターン種別が選択決定されたときには、超時短状態であるにもかかわらず、超時短変動パターンPC1の変動時間よりも長い(たとえば、50秒間)演出切替変動パターンPD1が選択決定される。
図11は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図11に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用CPU101は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。具体的には、「はずれ」である場合には表示結果1指定コマンド(8C01(H))が用いられる。「15R確変大当りA」である場合には表示結果2指定コマンド(8C02(H))が用いられる。「15R確変大当りB」である場合には表示結果3指定コマンド(8C03(H))が用いられる。「2R確変大当り」である場合には表示結果3指定コマンド(8C04(H))が用いられる。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A00D(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R確変大当りA」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられる。「15R確変大当りB」である場合には大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。「2R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A20A(H))が送信される。
コマンドA301(H)〜A30D(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「15R確変大当りA」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、「15R確変大当りB」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA303(H)は、「2R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。
図11に示す例において、コマンドB000(H)は、遊技状態が低確率/低ベース状態(通常状態)であることを指定する演出制御コマンド(低確率/低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態かつ標準時短状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース/標準時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態かつ超時短状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース/超時短状態指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。
たとえば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りA」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りB」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。「2R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。
なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読出すデータを共通化することができる。
また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果(変動カテゴリ))を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図15参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用CPU101に対して送信する制御を行なう。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用CPU101に対して送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに基づいて、変動パターン種別決定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
変動カテゴリコマンドについては、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
たとえば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS229において、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。この実施の形態では、たとえば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割当てられているのであるから、演出制御用CPU101は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割当てられているのであるから、演出制御用CPU101は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図8(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割当てられた判定値の範囲の境界となり得る値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜12,21〜29についても同様であり、図7(A)〜(D)や図8(C),(D)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割当てられた判定値の範囲の境界となり得る値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、たとえば、始動入賞時に、遊技状態が超時短状態(高確率/高ベース状態且つ超時短状態)且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値の値が1〜251となる場合に、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ13コマンドを送信する。
この実施の形態では、始動入賞時に、遊技状態が超時短状態(高確率/高ベース状態且つ超時短状態)且つはずれであるときに、当該超時短状態において所定回数目(35回目)の変動表示が行なわれるか否かの情報は、実態の変動表示の実行時には演出制御のために必要である(後述のような演出の初期化のために必要である)が、始動入賞時点では特に必要がないので(当該情報を先読みしても特別な演出が行なわれない)、始動入賞時に、遊技状態が超時短状態(高確率/高ベース状態且つ超時短状態)且つはずれとなると判定した場合は、当該超時短状態における変動表示回数に関係なく、変動カテゴリ13コマンドを送信する。
なお、たとえば、始動入賞時に、遊技状態が超時短状態(高確率/高ベース状態且つ超時短状態)且つはずれであり、当該超時短状態において所定回数目(35回目)の変動表示が行なわれるときであると判定した場合(超時短状態における何回目の変動表示かを計数する処理を行なうことが必要である)に、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値の値が1〜251となる場合に、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ14コマンドを送信するようにしてもよい。このような場合においては、演出制御用マイクロコンピュータ100の側で、変動カテゴリ14コマンドに基づいて後述のような演出の初期化が実行されることを先読みして、出の初期化の実行を予告報知する演出を実行するようにしてもよい。
また、たとえば、始動入賞時に、始動入賞時に、遊技状態が低確率/低ベース状態、または、標準時短状態(高確率/高ベース状態且つ標準時短状態)において、「15R確変大当りA,B」のいずれかとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS229において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時に、遊技状態が低確率/低ベース状態、または、標準時短状態(高確率/高ベース状態且つ標準時短状態)において、2R確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS229において、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が101〜251となる場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時に、遊技状態が超時短状態(高確率/高ベース状態且つ超時短状態)且つ各大当り(15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当り)となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値の値が1〜251となる場合に、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行なったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じ得る。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割当てられているのであるから(図7、図8参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7、スーパーCA3−3、超時短CA5、超時短CA6、および、演出切替CA7の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、変動カテゴリコマンドを送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−2,CA2−3、ノーマルCA2−4〜CA2−6,CA3−1,CA3−2、特殊CA4−1,CA4−2となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
この実施の形態では、「先読み予告演出」が実行される場合がある。「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、先読み予告演出として、予告対象となる変動表示に対する始動入賞(保留記憶)が発生した後に開始される変動表示から演出を開始し、その予告演出の対象となる始動入賞(保留記憶)に対応する変動表示が開始されるよりも前の複数回の変動表示に亘って連続して実行されるものが実行される。
なお、先読み予告演出は、複数回の変動表示に亘って予告演出を実行する必要はなく、たとえば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の1回のみの変動表示において予告演出を行なうものであってもよい。また、先読み予告演出は、たとえば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の変動表示から予告演出を開始して、その予告演出の対象となる変動表示の直前の変動表示までで予告演出を終了するものであってもよいし、その予告演出の対象となる変動表示にも亘って予告演出を行なうものであってもよい。また、複数回の変動表示に亘って必ずしも連続して実行する必要はなく、たとえば、1回おきまたは2回おきに間欠的に複数回の変動表示において予告演出を実行してもよい。
なお、先読み予告演出としては、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されるものとして、「保留記憶表示」の表示態様が特定の表示態様となることにより先読み予告を行なう演出が含まれてもよい。また、先読み予告演出としては、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されるものの他に、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生した後に開始される変動表示から演出を開始するものが含まれてもよい。
この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(たとえば、高確率状態または高ベース状態であるか否か、および、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、必ず図11に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに、前述のような変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドに基づいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、先読み予告演出が実行される。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御コマンドを受信すると、図11に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図11に示すコマンド例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示と、第2特別図柄表示装置8bでの第2特別図柄の変動表示に対応した演出図柄の変動表示とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図12(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAM55に形成されている」とは、RAM55内の領域であることを意味する。図12(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図12(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図12(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。
図12(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図12(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(MR1)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(MR2)、変動パターン種別決定用乱数(MR3)、および、変動パターン決定用乱数(MR4)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存され、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン決定用乱数(MR4)を始動入賞判定処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(MR4)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
図2に示す演出制御基板80に搭載されたROMには、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。たとえば、演出制御基板80に搭載されたROMには、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、演出制御基板80に搭載されたROMには、演出制御用CPU101が各種の演出装置(たとえば演出制御装置9、スピーカ27、各種LED25,28、可動部材78等)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、たとえば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとを含む複数種類の演出制御パターンが格納されている。
次に、特図変動時演出制御パターンを説明する。この実施の形態において、特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、変動表示において特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、たとえばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
特図変動時演出制御パターンおよび各種演出制御パターンというような、それぞれの演出制御パターンは、たとえば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードというような、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、たとえば遊技領域7の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データ等が、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用CPU101に内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、たとえば主基板31から所定の演出制御コマンドを受信したこと、および、演出制御用CPU101において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことというような、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、たとえば特別図柄の変動表示中における演出図柄の変動態様を示すデータというような、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、たとえば特別図柄の変動表示中における演出図柄の変動表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータというような、スピーカ27からの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ27からの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、たとえば遊技効果ランプ9や装飾用LEDというような、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、たとえば操作ボタン30というような操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、すべての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
次に、演出制御パターンの内容にしたがって実行される各種の演出動作を説明する。演出制御用CPU101は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データにしたがって、演出動作の制御内容を決定する。たとえば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で演出図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像というような演出画像を演出表示装置9の画面上に表示させる制御を行なう。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ27から音声を出力させる制御を行なうとともに、ランプ制御データにより指定される態様で装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行ない、操作検出制御データにより指定される操作有効期間において操作ボタン120に対する操作を受付けて演出内容を決定する制御を行なう。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出動作としては、演出図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応している制御パターンが設けられてもよく、演出図柄の変動表示中における一部の期間(たとえば予告演出を実行する期間等)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、演出図柄の変動表示中以外の所定期間(たとえば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間等)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU101は、たとえば演出図柄の変動表示を開始するとき等に、変動パターン指定コマンドに示された変動パターン等に基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU101は、たとえば予告演出というような所定演出の実行を開始するとき等に、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROMから読出してRAMの所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROMにおける記憶アドレスを、RAMの所定領域に一時記憶させて、ROMにおける記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行ない、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行なう。たとえば、演出制御用CPU101は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容にしたがって、演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、各種LED等の発光体、可動部材78のような可動部材等)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU101からVDP109、音声出力基板70、および、ランプドライバ基板35等に対して出力される。演出制御用CPU101からの指令を受けたVDP109は、その指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読出してVRAMに一時記憶させること等により展開させる。また、演出制御用CPU101からの指令を受けた音声出力基板70では、たとえば音声合成用IC703がその指令に示される音声データを音声データROM704から読出して音声RAM等に一時記憶させること等により展開させる。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかり後述するようなタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図13は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図13に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、始動入賞判定処理を実行した後、パチンコ遊技機1の内部制御状態を示す特別図柄プロセスフラグに応じて、特別図柄通常処理、変動パターン設定処理、表示結果指定コマンド送信処理、特別図柄変動中処理、特別図柄停止処理、大入賞口開放前処理、大入賞口開放中処理、および、大当り終了処理を含む各種プロセス処理がプロセスの進行に応じて実行される。
始動入賞判定処理においては、たとえば、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図14に示すような始動入賞時の各種判定処理が行なわれる。
また、各種プロセス処理の概要は、以下のようなものである。
特別図柄通常処理は、特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を、変動パターン設定処理に応じた値に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理では、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行ない、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を、表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理は、特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄変動中処理に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理では、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行ない、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄停止処理に対応した値に更新する。
特別図柄停止処理では、大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理に対応した値に更新する。一方、大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理に対応した値に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄停止処理が実行さえるときに、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、後述する表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なうとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放中処理に対応した値に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。
大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大入賞口開放前処理に対応した値に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なうとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を大当り終了処理に対応した値に更新する。
大当り終了処理では、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、高確率フラグ、標準時短フラグ、超時短フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を特別図柄通常処理に対応した値(この例では0)に更新する。
図14は、前述した始動入賞判定処理を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、S1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1214)。また、CPU56は、図12で説明した第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU56は、図12に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図12(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図12(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1216)。なお、S1216の処理では、大当り判定用乱数(MR1)、大当り種別決定用乱数(MR2)、変動パターン種別決定用乱数(MR3)、および、変動パターン決定用乱数(MR4)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(MR4)を始動入賞判定処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特図の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(MR4)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1218)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1221)。
なお、S1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用CPU101に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(S1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図12(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1227)。なお、S1227の処理では、大当り判定用乱数(MR1)、大当り種別決定用乱数(MR2)、変動パターン種別決定用乱数(MR3)、および、変動パターン決定用乱数(MR4)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン決定用乱数(MR4)を始動入賞判定処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第2特図の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(MR4)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1229)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S1232)。
なお、S1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用CPU101に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図15は、始動入賞判定処理におけるS1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。
入賞時演出処理では、CPU56は、まず、始動入賞判定処理におけるS1216またはS1227で抽出した大当り判定用乱数(MR1)と図5(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなることを予告する先読み予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(MR1)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態である高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。高確率フラグがセットされていれば、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(MR1)と図6(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動開始前に15R確変大当りA,B、または、2R確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。
大当り判定用乱数(MR1)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S223)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行なう(S224)。この実施の形態では、CPU56は、S224において、遊技状態が高確率状態であるか否か(高確率フラグがセットされているか否か)、標準時短の高ベース状態であるか否か(標準時短フラグがセットされているか否か)、超時短の高ベース状態であるか否か(超時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS224で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS224で高確率状態であるか否か、標準時短の高ベース状態であるか否か、超時短の高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動開始前に15R確変大当りA,Bまたは2R確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS224で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。
そして、CPU56は、S224の判定結果に応じて、変動パターン種別決定用乱数(MR3)に対応するはずれ用の各閾値を設定する(S225)。この実施の形態では、遊技状態に応じて、変動パターン種別決定用乱数MR3の抽出値に基づいて予め閾値判定を行なう閾値判定プログラムが組み込まれている。S225では、前述のような遊技状態別の変動カテゴリ判定用の閾値が遊技状態に応じて設定される。そして、遊技状態に応じて設定される閾値よりMR3の抽出値が大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかが判定され、どの変動カテゴリに該当するかが決定される。そして、このような決定に応じて、決定した変動カテゴリを特定する変動カテゴリコマンドのEXTデータの値が決定される。ここで設定される閾値は、前述した変動カテゴリコマンドを送信するために必要となる、遊技状態に応じて設けられた閾値である。
一例を挙げると、CPU56は、遊技状態が高確率/高ベースかつ超時短状態であると判定した場合には閾値251を設定する。この場合、CPU56は、後述するS229において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値251以下であるか否かを判定し、閾値251以下である場合(すなわち、1〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に、たとえば、79、89、99、169、199、214および229と判定していくようにすればよい。これにより、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、たとえば、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行なう場合も同様である。
なお、S224の遊技状態の判定を行なうことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
S220またはS222で大当り判定用乱数(MR1)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(MR2)に基づいて大当りの種別を判定する(S226)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図6(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、または、「2R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図6(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、または、「2R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行なう(S227)。この場合、たとえば、「15R確変大当りA」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当りA」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「15R確変大当りB」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当りB」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。また、「2R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「2R確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行なう。
そして、CPU56は、S229で判定した大当り種別に応じて、前述したような遊技状態に応じた大当り用の各閾値を設定する(S231)。
一例を挙げると、CPU56は、遊技状態が高確率/高ベースかつ超時短状態であると判定した状態において、「15R確変大当りB」と判定した場合には、閾値251を設定する。この場合、CPU56は、後述するS229において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値251以下であるか否かを判定し、閾値251以下である場合(すなわち、1〜251である場合)には変動カテゴリコンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する。
次いで、CPU56は、S225,S228で設定した閾値と、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別決定用乱数(MR3)とを用いて、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(S229)。
なお、S225,S228において、予め定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図7、図8参照)を設定するようにし、S229において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別決定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行なう(S230)。具体的には、CPU56は、S230でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、前述したような「00(H)」〜「08(H)」、「10(H)」〜「15(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行なう。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りとなると判定した場合には、変動パターン種別決定用乱数の値の範囲の判定を行なわないようにしてもよい。そして、大当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、たとえば、演出制御用CPU101は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことに基づいて、後述する先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。
特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用CPU101に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行ない(S51A)、処理を終了する。
なお、たとえば、CPU56は、S51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
また、S51において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、保留特定領域の1番目の領域にデータが設定されているか否かを確認し、設定されていれば保留記憶があると判定してS52に移行し、設定されていなければ保留記憶がないと判定してS51Aに移行してもよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図17(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
S52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、たとえば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
また、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図14に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(MR1)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、高確率状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、S220の処理のみを実行し、S221,S222の処理は行なわないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、低確率/低ベース状態指定コマンド、高確率/高ベース状態指定コマンド、および、高確率/低ベース状態指定コマンドのような遊技状態指定コマンドのうち、現在の遊技状態に応じた遊技状態指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S60)。この場合、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているとともに、高ベース状態である(本実施の形態では、時短状態に付随して電チューサポート制御状態となるので、時短フラグがセットされているときは高ベース状態である)ことを示す時短フラグがセットされている場合には、高確率/高ベース状態指定コマンドを送信する制御を行なう。また、高確率フラグがセットされており、時短フラグがセットされていないときには、高確率/低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行なう。また、高確率フラグも時短フラグもセットされていないときには、低確率/低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行なう。
具体的には、CPU56は、演出制御用CPU101に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S28)において演出制御コマンドを送信する。この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、遊技状態指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に、演出制御コマンドが演出制御用CPU101に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、遊技状態指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用CPU101に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S320の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からMR1(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動入賞判定処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図6参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図6(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図6(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(MR1)の値が図6(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、または、「2R確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、所定回数(70回)の変動表示が行なわれるとき、または、次回の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(MR1)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、後述するS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図6(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図6(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別決定用の乱数(MR2)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、または、「2R確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。この場合、CPU56は、始動入賞判定処理のS1216やS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別決定用乱数(MR2)を読出し、大当り種別の決定を行なう。また、この場合に、図6(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、2R確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55に設けられた大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「15R確変大当りA」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」(16進数、以下同様)が設定される。大当り種別が「15R確変大当りB」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。大当り種別が「2R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「15R確変大当りA」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別を「15R確変大当りB」に決定した場合には「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。「2R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、予め特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数に基づいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果に基づいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する(S76)。
図17は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、超時短状態においてセットされる超過時短フラグがセットされているか否かに基づいて超時短状態であるか否かを確認する(S91A)。
前述したS91Aで超過状態ではないと判断したときは、CPU56は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132B(図7(A),(B)参照)のいずれかを選択する(S92)。そして、S102に移行する。
一方、S91Aで超時短状態であると判断したときは、図7(C)の大当り用変動パターン種別判定テーブル132C(超時短用)を選択し(S91B)、S102に進む。これにより、超時短状態において各大当りが発生するときの変動表示においては、超時短変動パターンでの変動表示が選択されて実行されることとなる。このように、超時短状態であるときには、超時短の変動表示をするための大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cが、超時短の変動表示以外の変動表示をするための大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bよりも優先して選択されることとなる。
また、前述のS91で大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、高確率状態(確変状態)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認することにより高確率状態であるか否かを判定する(S93)。高確率状態でなければ(S93のN)、すなわち、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(S94)。合算保留記憶数が3未満であれば(S94のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図8(A))を選択する(S95)。そして、S102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(S94のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図8(B))を選択する(S96)。そして、S102に移行する。
また、前述のS93で高確率状態であると判断されたとき(S93のY)には、すなわち、遊技状態が超時短状態であるか否かを確認する(S97)。超時短状態でないときは、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図8(C)の標準時短用)を選択する(S98)。そして、S102に移行する。
一方、超時短であるときは、超時短状態となるときに図19の大当り終了処理において「35(回)」のカウントに設定され、超時短状態における変動表示回数を計数する超時短回数カウンタを「−1」減算更新し(S97A)、更新後の値が「0」となったか否かを判定する(S99)。超時短回数カウンタは変動パターン設定処理が実行されるごとに実行されるので、S99では、更新後の値が「0」となったときには、超時短状態において35回目の変動表示が実行される状況であると判断することができる。
超時短回数カウンタの更新後の値が「0」となっていないときは、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(図8(D)の超時短用)を選択する(S101)。そして、S102に移行する。
一方、超時短回数カウンタの更新後の値が「0」となっているときは、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135E(図8(E)の演出切替用)を選択する(S100)。そして、S102に移行する。
このように、この実施の形態では、S99〜S100の処理が実行されることによって、15R確変大当りBまたは2R確変大当りの大当り遊技状態後において、70回の変動表示(はずれ表示結果となる変動表示)に亘り超時短状態となり、基本的に極めて短い変動時間での変動表示が実行されるが、当該70回の変動表示のうち、例外的に所定回数目(35回目)の変動表示において、累積した演出表示を初期化(消去)するために超時短状態での超時短CA5の変動パターン種別よりも変動時間が長い変動パターン種別が選択される。そして、所定回数目(35回目)の変動表示において変動時間が長い変動パターン種別が選択された後は、70回目の変動表示となるまで超時短状態での超時短CA5の変動パターン種別が選択され、極めて短い変動時間での変動表示が実行されることとなる。
なお、超時短状態において累積した演出表示を初期化(消去)するための変動表示としては、超時短状態での超時短CA5の変動パターン種別と同様の変動時間の変動パターン種別が選択されるようにしてもよい。また、超時短状態の途中においては、累積した演出表示を初期化(消去)しないようにしてもよい。また、超時短状態において累積した演出表示を初期化(消去)するための変動表示は、超時短状態の継続期間中に1回のみ実行してもよく、複数回実行してもよい。また、超時短状態において累積した演出表示を初期化(消去)するための変動表示は、超時短状態が終了するタイミング(70回目の変動表示)においても実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、S94〜S96の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図8(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が高確率/高ベースかつ標準時短状態である場合には、図8(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、S105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図10参照)。したがって、この実施の形態では、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行なわれる場合がある。なお、この実施の形態では、高確率/高ベース状態で用いる標準時短変動用の変動パターン種別判定テーブル(図8(B)参照)と、保留記憶数に基づく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図8(C)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、これら変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からMR3(変動パターン種別決定用乱数)を読出し、S91B、S92、S95、S96、S98、S100、または、S101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU56は、S102の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図9参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図10参照)のうちのいずれかを選択する(S103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からMR4(変動パターン決定用乱数)を読出し、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105)。なお、始動入賞のタイミングでMR4(変動パターン決定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン決定用乱数(MR4)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行なう。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行なう。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用CPU101に送信する制御を行なう(S107)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、S93〜S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図8に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図8に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるにしたがってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、たとえば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かを予め判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行なうことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して先読み予告演出を行なうように構成することが好ましい。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、終了フラグを参照して特別図柄の変動表示を終了するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を終了するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S132)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S133)。大当りフラグがセットされていない場合には、後述するS146に移行する。
大当りフラグがセットされている場合に、CPU56は、確変フラグ、標準時短フラグ、および、超時短フラグのうちセットされているフラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S135)。具体的には、大当りの種別が15R確変大当りAである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りBである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が2R確変大当りである場合には大当り開始3指定コマンドを送信する。
S135において、大当りの種別がいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態(低確率/低ベース状態)指定コマンドを送信する制御を行なう(S136)。
また、大当り遊技状態における制御時間を管理するための大入賞口制御タイマに、大当りの発生時において演出表示装置9で大当りが発生したことを報知する大当り表示時間に相当する値を設定する(S137)。また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータ(図5参照)を参照し、大当りのラウンド数を計数するためのラウンド数計数用カウンタにラウンド数(たとえば、15R確変大当りAおよび15R確変大当りBの場合には15回。2R確変大当りの場合には2回。)をセットする(S138A)。開放パターンデータは、各種別の大当りのそれぞれについて、開放回数(ラウンド上限数)、開放時間(各ラウンド中の開放時間)、ラウンド開放態様(各ラウンド中の開放態様)および、インターバル時間(各ラウンド間時間)を含む特別可変入賞球装置20の開放パターンを示すテータであり、開放パターンデータテーブルのデータとして、ROM54に記憶されており、大当りの種別ごとに、開放態様を実行するためのデータとして用いられる。そして、1ラウンド中における開放回数を計数するためのカウンタとしてのラウンド中開放数カウンタを初期値(0回)にセットする(S138B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値に更新し(S139)、処理を終了する。
また、前述のS133で大当りフラグがセットされていないときに、CPU56は、表示結果がはずれのときであり、高確率状態(確変状態)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認することにより高確率状態であるか否かを判定する(S140)。高確率状態でなければ(S140のN)、すなわち、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であれば、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新し(S145)、処理を終了する。
また、前述のS140で高確率状態であると判断されたとき(S140のY)には、すなわち、遊技状態が超時短状態であるか否かを確認する(S97)。超時短状態でないときは、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図8(C)の標準時短用)を選択する(S98)。そして、S102に移行する。
一方、超時短であるときは、超時短状態となるときに図19の大当り終了処理において「70(回)」のカウントに設定され、確変状態における変動表示回数を計数する確変回数カウンタを「−1」減算更新し(S141)、更新後の値が「0」となったか否かを判定する(S142)。確変回数カウンタは特別図柄停止処理が実行されるごとに実行されるので、S142では、更新後の値が「0」となったときには、確変状態において70回の変動表示が実行されたと判断することができる。
ここで、確変回数カウンタは、確変状態が継続する期間を変動表示回数に基づいて管理するために用られる計数手段であり、本実施の形態では確変状態の継続期間が標準時短状態および超時短状態のような時短状態の継続期間と一致するので、時短状態の継続期間を管理するためにも用いられる。また、前述した超時短回数カウンタは、演出表示を初期化(消去)することを目的として超時短状態における所定回数(「35(回)」)目の変動表示となったタイミングを特定するために用いられる計数手段であり、確変回数カウンタとは用いられる用途が異なる。なお、超時短状態における所定回数目の変動表示となったタイミングとなったか否かは、超時短フラグがセットされているときに、確変回数カウンタによるカウント値が確変状態における所定回数(「35(回)」)の変動表示回数となったか否かに基づいて判定するようにしてもよい。
確変回数カウンタの更新後の値が「0」となっていないときは、確変状態を継続するために、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新し(S145)、処理を終了する。一方、確変回数カウンタの更新後の値が「0」となっているときは、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(図8(D)の超時短用)を選択する(S101)。そして、S102に移行する。
一方、確変回数カウンタの更新後の値が「0」となっているときは、確変状態および時短状態(標準時短状態または超時短状態)を70回の変動表示実行に応じて終了させるために、確変フラグ、標準時短フラグ、および、超時短フラグのうちセットされているフラグをリセットする(S143)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に低確率/低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S144)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新し(S145)、処理を終了する。これにより、確変状態および時短状態(標準時短状態または超時短状態)を、70回の変動表示(はずれ表示)が実行されたときに終了する。
図19は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了処理が実行される前にセットされた大入賞口制御タイマの値を1減算する(S151)。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か確認する(S152)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、大当りフラグをリセットする(S153)。そして、本実施の形態では、大当りのすべての種別が確変大当りであるので、高確率フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S154)。
次に、これら種別の大当りのうち、終了する大当りの種別が、15R確変大当りAに該当するか否か確認する(S155)。終了する大当りの種別が15R確変大当りAであるときは、確変状態に制御することに加えて、標準時短状態および電チューサポート制御状態に制御する大当りであるので、標準時短フラグをセット(S155A)する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、高確率/高ベース/標準時短状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S155B)、S156に進む。
一方、終了する大当りの種別が15R確変大当りAでないとき(15R確変大当りBまたは2R確変大当りであるとき)は、確変状態に制御することに加えて、超時短状態および電チューサポート制御状態に制御する大当りであるので、超時短時短フラグをセットする(S155C)。そして、超時短回数カウンタに「35(回)」をセットし(S155D)、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、高確率/高ベース/超時短状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S155E)、S156に進む。
S156では、確変回数カウンタに「70(回)」をセットし(S156)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新し(S157)、処理を終了する。
前述したS155において、大当り種別は、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて確認される。
前述したように、高確率/高ベース/標準時短状態となるとき、高確率/高ベース/超時短状態となるとき、および、低確率/低ベース状態となるときには、これらの状態を指定する遊技状態指定コマンドが送信されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、遊技状態が、低確率/低ベース状態、高確率/高ベース/標準時短状態、および、高確率/高ベース/超時短状態のいずれにあるかを認識することができるので、遊技状態の種別に応じて異なる演出を行なうことができる。
次に、普通図柄の表示結果を決定するために用いる普通図柄表示結果決定テーブルについて説明する。図20は、普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。普通図柄表示結果決定テーブルは、ROM54に記憶されている。
普通図柄表示結果決定テーブルにおいては、普通図柄当り判定用のMR5(1〜201)の値(決定値)と、普通図柄の表示結果と、普通図柄の変動時間と、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数との関係が、通常遊技状態(電チューサポート制御がされていない遊技状態)と、標準時短による電チューサポート制御状態と、超時短による電チューサポート制御状態と、に分けて示されている。
通常遊技状態のときにおいて、決定値が1,2のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が10秒間に設定されるとともに、開放時間が0.3秒間で1回開放することに設定される。一方、通常遊技状態のときにおいて、決定値が3〜13のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が10秒間に設定される。
また、標準時短による電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が1〜11のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が2秒間に設定されるとともに、開放時間が2.0秒間で1回開放することに設定される。一方、標準時短による電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が12,13のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が2秒間に設定される。
また、超時短による電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が1〜11のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が0.6秒間に設定されるとともに、開放時間が5.8秒間で1回開放することに設定される。可変入賞球装置15は、1回の開放時に、開放時間が5.8秒間経過する前に、6個の遊技球が入賞すると、閉条件が成立して閉状態に制御される。一方、超時短による電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が12,13のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が0.6秒間に設定される。
このように、普通図柄の制御に関し、標準時短または超時短による電チューサポート制御状態のときには、通常遊技状態と比べて、決定値が当りとなる割合が高くなるように設定され、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間および開放回数が増加するように設定される。そして、超時短による電チューサポート制御状態のときには、標準時短による電チューサポート制御状態のときと比べて、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間が増加するように設定される。
図21は、図13のS27において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S501)。S501では、遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号が所定期間オン状態となった場合に、遊技球のゲート通過(通過球)の検出があったものと判断して、ゲート通過時処理を実行する(S502)。
S502において実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている普図保留記憶データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。普図保留記憶部は、ゲートスイッチ32aにより遊技球のゲート通過が検出されたときに抽出した普通図柄の表示結果決定用のランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、最大限4つ保留記憶するデータ記憶領域を有する。この普図保留記憶部は、前述した第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファと同様に、普図保留記憶データを格納された順番を特定可能な状態で保存していき、順番にしたがって変動表示に使用された普図保留記憶データを消去し、残りの普図保留記憶データについてデータ記憶領域を1つずつシフトしていく構成となっている。
S502において、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、CPU56が、ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出したランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、普図保留記憶部でデータが記憶されずに空いているデータ記憶領域のうち先頭順番の領域にセットする。一方、普図保留記憶部において、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の検出は無効として、ランダム4の数値データの新たな抽出および記憶は行なわない。
ゲート通過時処理を実行した後、および、S501でゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS510〜S514の各処理を実行する。
S510の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、たとえば普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データがある場合には、普通図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S511の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているか否かに基づいて、電チューサポート制御状態であるか否かを認識し、普図保留記憶部の先頭順番に格納された普図保留記憶データ(普通図柄の表示結果決定用のランダム4を示す数値データ)に基づき、図29に示す普通図柄表示結果決定テーブルを参照して、普通図柄の変動表示における表示結果を、「当り」とするか「はずれ」とするかの決定等が行なわれる。
前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短状態による電チューサポート制御状態である場合と、超時短状態による電チューサポート制御状態である場合とに、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、ランダム4と比較される決定値が割振られている。これにより、電チューサポート制御状態では、S511の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の表示結果が「当り」と判定されやすくなることで、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、普通図柄の変動時間も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短状態および超時短状態を含む時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。そして、超時短状態による電チューサポート制御状態である場合に、標準時短状態による電チューサポート制御状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。これにより、電チューサポート制御状態では、S511の普通図柄判定処理において、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているときに電チューサポート制御状態であると認識し、普図通常遊技状態と比べて普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。電チューサポート制御状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。さらに、超時短フラグがセットされているときに、標準時短フラグがセットされているときよりも普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。これにより、超時短状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔がさらに短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔もさらに短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14がさらに開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14にさらに進入(始動入賞)しやすくなる。
さらに、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているときに電チューサポート制御状態であると認識し、電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなるように設定されている。したがって、電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなるような制御が行なわれる。これにより、電チューサポート制御状態では、開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)が開放状態となる時間および回数が増加し、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。さらに、超時短状態である場合に、標準時短状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなるように設定されている。したがって、超時短状態である場合に、標準時短状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなるような制御が行なわれる。これにより、電チューサポート制御状態では、さらに開放時間が長くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)が開放状態となる時間が増加し、遊技球が第2始動入賞口14にさらに進入(始動入賞)しやすくなる。
なお、この実施の形態では、時短状態として、標準時短状態と超時短状態とで同じ割合で普通図柄の当りとする制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、標準時短状態と超時短状態とで異なる割合で普通図柄の当りと判定する制御を行なうようにしてもよい。たとえば、超時短状態のときの方が、標準時短状態のときよりも、当りとする割合が高くなる制御を行なうようにしてもよい。
普通図柄判定処理では、このような各種判定がされた後、普通図柄プロセスフラグの値を「2」に更新する。
S512の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示において普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動表示する普通図柄は、S513の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動表示が停止して普通図柄の表示結果となる普通図柄の表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動表示を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が、普通図柄判定処理で決定された変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、決定された変動時間に達したときには、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S513の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の表示結果を導出表示させるための設定は、S512の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が決定された変動時間に達したときに、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「当り」である場合に、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開閉するようにソレノイド16を駆動する作動パターンの設定を行なってから、普通図柄プロセスフラグの値が「4」に更新される。一方、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「はずれ」である場合には、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
S514の普通電動役物作動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通図柄の変動表示における表示結果が「当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15において可動片を開放状態に動作させることにより、第2始動入賞口14を閉状態から開状態に変化させる制御が行なわれる。たとえば、普通電動役物作動処理では、S513の普通図柄停止処理においてセットされた作動パターンの設定に応じて、ソレノイド16を駆動するための駆動制御信号を生成することにより、可変入賞球装置15を、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で開状態とする制御を行なう。これにより、図29に示すような遊技状態および表示結果に応じた動作パターンで可変入賞球装置15が開閉動作させられることとなる。そして、作動パターンの設定に応じたソレノイド16の駆動が終了すると、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。演出制御基板80では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU101が起動して、演出制御メイン処理を実行することにより、演出表示装置9における表示制御等の各種演出制御が行なわれる。
演出制御メイン処理においては、RAMのクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板80に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等の所定の初期化処理を実行した後、所定時間(たとえば2ミリ秒)が経過するごとタイマ割込みを発生させることにより、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、および、演出用乱数更新処理等の予め定められた処理が繰返し実行される。
また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、たとえば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御用CPU101は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、たとえば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/Oに含まれる入力ポートのうちで、中継基板77を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取込む。このとき取込まれた演出制御コマンドは、たとえば演出制御基板80に搭載されたRAMにおける演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU101は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
コマンド解析処理では、たとえば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読出した後に、その読出された演出制御コマンドに対応した設定や制御等が行なわれる。
演出制御プロセス処理では、たとえば演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ27からの音声出力動作、枠LED28および装飾LED25というような装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作というような、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定等が行なわれる。
演出用乱数更新処理では、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAMに設けられた演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出制御用CPU101では、演出用乱数として、演出図柄の表示結果を決定するために用いるSR1−1(左演出図柄決定用),SR1−2(中演出図柄決定用),SR1−3(右演出図柄決定用)が用いられる。さらに、演出制御用CPU101では、演出用乱数として、後述するような第1演出決定用乱数SR2、および、第2演出決定用乱数SR3等の各種の演出用乱数が用いられる。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用CPU101では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種LED25,28等の各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行ない、前述したような演出図柄の表示結果決定用の演出用乱数(SR1−1,SR1−2,SR1−3)を用いて決定される。
たとえば、「15R確変大当りA」、および、「15R確変大当りB」のような大当りとなるときには、大当り種別に対応して予め定められた大当り表示結果(ゾロ目の表示結果)が決定される。また、「2R確変大当り」となるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなるチャンス目が表示結果として決定される。また、はずれとなるときには、ぞろ目とならない左,中,右の演出図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可動なはずれ表示結果を決定し、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果を決定する。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
図22は、演出制御メイン処理におけるコマンド解析処理(S504)を示すフローチャートである。
図22に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板15を介して伝送された主基板31からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S511)。このとき、受信コマンドがなければ(S511;No)、コマンド解析処理を終了する。
S511で受信コマンドがある場合には(S511;Yes)、たとえば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、以下のように、その受信コマンドがどのようなコマンドであるかを判定する。たとえば、その受信コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであるか否かを判定する(S512)。S511で受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(S512;No)、その受信コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(S513)。S513で受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(S513;No)、受信コマンドが第1始動入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S514)。S514で受信コマンドが第1始動入賞指定コマンドではない場合には(S514;No)、受信コマンドが第2始動入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S515)。S515で受信コマンドが第2始動入賞指定コマンドではない場合には(S515;No)、受信コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであるか否かを判定する(S516)。S516で受信コマンドが合算保留記憶数指定コマンドでない場合には、その他の受信コマンドに応じた設定を行ない(S518)、S511の処理に戻る。
S512〜S516のそれぞれで、該当するコマンドであると判定されたときには、次のように、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭に格納し(S517)、S511の処理に戻る。
S512で受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば受信した図柄指定コマンドを、演出制御基板80に搭載されたRAMに設けられた始動入賞時受信コマンドバッファの空いている最初の格納領域における図柄指定コマンド用の領域に格納する(S517)。また、S513で受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば、受信した変動カテゴリコマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファの各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域における変動カテゴリコマンド用の領域に格納する(S517)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド、または、合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で変動カテゴリコマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、受信した変動カテゴリコマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファの空いている最初の格納領域における変動カテゴリコマンド用の領域に格納する(S517)。
また、S514で受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファに設けられた複数の格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域における始動入賞指定コマンド用の領域に格納する(S517)。
また、S515で受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファに設けられた複数の格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域における始動入賞指定コマンド用の領域に格納する(S517)。
S516で受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファに設けられた複数の格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域における合算保留記憶数指定コマンド用の領域に格納する(S517)。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図15参照)で判定される大当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドともいい、判定結果情報ともいう。
また、始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜MR3等を示す数値データに基づいて、変動表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果、変動カテゴリの判定結果を指定する演出制御コマンドである図柄指定コマンド、および、変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。
なお、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドのうちいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
このようなコマンド解析処理においては、コマンドを受信したときに、必要に応じて、後述するような演出制御に用いるために、受信したコマンドを特定可能なコマンド受信フラグをセットする。このようにセットされたコマンド受信フラグは、演出制御において不要になった段階で適宜リセットされる。
次に、前述した演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理について説明する。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、たとえばRAMの演出制御フラグ設定部等に設けられた演出制御プロセスフラグの値に応じて、変動パターンコマンド受信待ち処理、演出図柄変動開始処理、演出図柄変動中処理、演出図柄変動停止処理、大当り表示処理、ラウンド中処理、および、ラウンド後処理のような複数種類のプロセス処理のうちのいずれかの処理を行なう。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドを受信したときにコマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理では、演出図柄の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)を停止図柄決定用の乱数値に基づいて決定する。変動表示の開始時に、受信した変動パターンコマンドに対応して実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理では、演出図柄の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、大当り表示結果となるときには、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値に更新し、はずれ表示結果となるときには、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に更新する。
大当り表示処理では、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理に対応した値に更新する。
ラウンド中処理では、ラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値に更新する。
ラウンド後処理では、ラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理では、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に更新する。
演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンド受信待ち処理において変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄変動開始処理により演出図柄の変動表示を開始させ、演出図柄変動中処理において図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄変動開始処理により演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、演出図柄変動開始処理において、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
演出図柄変動開始処理においては、演出図柄の変動表示の表示結果を次のように決定する。15R確変大当りAおよび15R確変大当りBとなるときには、左,中,右の演出図柄が揃ったぞろ目の大当り図柄の組合せを演出図柄の大当り表示結果として決定する。大当り図柄の組合せは、たとえば、15R確変大当りAとなるときには、たとえば、「4」等の偶数のぞろ目を大当り図柄の組合せとして決定する。また、15R確変大当りBとなるときには、たとえば、「7」等の奇数のぞろ目を大当り図柄の組合せとして決定する。
また、2R確変大当りとなるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなるチャンス目を、大当り図柄の組合せとして決定する。なお、2R確変大当りとなるときに表示するチャンス目は、複数種類のチャンス目のうちから選択決定するようにしてもよい。
一方、はずれとなるときには、ぞろ目とならない左,中,右の演出図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可動なはずれ表示結果を決定し、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果を決定する。
なお、変動パターンコマンドにより、変動パターンに加えて、大当りとするか否か、および、大当りの種別を特定可能とする場合には、変動パターンコマンドにより特定される大当りとするか否かの情報、および、大当りの種別の情報に基づいて、演出図柄の停止図柄の組合せを決定するようにしてもよい。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、演出図柄変動中処理において、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、演出図柄変動中処理において、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、コマンド解析処理により、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる遊技状態指定コマンドとしての低確率/低ベース状態指定コマンド、高確率/高ベース/標準時短状態指定コマンド、高確率/高ベース/超時短状態指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理により、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させることが可能である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される指標情報累積演出について説明する。指標情報累積演出は、演出表示装置9において、特別図柄および演出図柄の変動表示に応じて大当り表示結果となるか否かの指標を示す指標情報を累積表示し、指標情報の表示態様に基づいて、大当り表示結果となるか否かを示唆することを可能とする演出である。以下においては、指標情報累積演出を「累積演出」と呼ぶ。
本実施の形態において、このような累積演出は、超時短状態に制御されているときに行なわれる。なお、累積演出は、標準時短状態に制御されているときに行なわれてもよく、時短状態に制御されていないときに行なわれてもよい。累積演出は、保留記憶情報が消化効率が高い超時短状態に制御されているときに行なわれると、より短期間で指標情報を多数累積表示することが可能となるので、演出の面白みがより一層向上する。
図23は、累積演出の演出態様を示す表示画面図である。この実施の形態においては、累積演出として、的当てゲームを行なう例を示す。的当てゲームは、たとえば、図23に示すような円形の的90に対して、銃により弾丸を撃って着弾させ、大当り表示結果となるときに的の中心部のD段階99dに弾痕99が表示され、はずれ表示結果となるときに的の中心部以外のA〜C段階99a〜99cのいずれかに弾痕99が表示されることで、大当り表示結果となるか否かを示唆することを可能とする演出である。このような的当てゲームでは、図23に示すように、変動表示が行なわれるごとに弾痕99が消去されずに累積表示されていく。
図23を参照して、的当てゲームの具体的な表示について説明する。的90は、最も外から順にA段階99a、B段階99b、C段階99c、および、D段階99dという、同心円形状で形成された複数段階の領域により構成されている。また、はずれ時の段階は、B段階>C段階>D段階という関係で遊技者にとって有利となる可能性が高まるように演出制御が行なわれる。
また、これら複数段階の領域のうち、A段階99a、B段階99b、C段階99cの各領域は、演出制御上で、図23に示されるように、第1象限91、第2象限92、第3象限93、および、第4象限94という、円の中心角で90度ごとに4つの象限の領域に分けて管理される。たとえば、図23に示すように、A段階99aにおける第1象限91はA段階第1象限と呼ばれ、B段階99bにおける第1象限91はB段階第1象限と呼ばれ、C段階99cにおける第1象限91はC段階第1象限と呼ばれる。
的当てゲームを実行するときには、変動表示が実行されるごとに、変動表示結果に応じて、A〜D段階99a〜99dのうちのどの段階を選択するか、および、第1〜第4象限91〜94のどの象限を選択するか(A〜C段階が選択されたとき)をそれぞれ決定し、さらに、先に表示されている弾痕99と表示位置が重複しないように位置調整して次の表示する弾痕99の表示位置を決定する。
また、このような的当てゲームを実行するときにおいて、演出図柄は、的当てゲームの画像と干渉しないように、演出表示装置9の表示画面内の隅部のような所定領域において、通常表示される大きさよりも縮小された大きさで変動表示される。
なお、このような的当てゲームを実行するときにおいて、演出図柄は、変動表示させずに一時的に消去させてもよい。また、このような的当てゲームを実行するときにおいて、演出図柄は、縮小表示等せずに、的当てゲームの画像と干渉しないように、透明化して、通常表示する位置で表示するようにしてもよい。
このような累積演出は、超時短状態となっている期間(最大70回の変動表示が実行される期間)中に継続して実行されるが、この実施の形態では、当該超時短状態が開始されてから所定回数目(35回目)の変動表示において、累積した演出表示を初期化(消去)するための変動パターン種別の変動パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に受信されたときに、一旦弾痕99の累積標準画像が消去されて初期化される。
なお、このような累積した演出表示の初期化は、実行しなくてもよい。また、のような累積した演出表示の初期化は、変動表示回数が予め定められた回数実行されるごとに、初期化するか否かをランダムに選択して初期化する決定がされたときに実行するようにしてもよい。
このように、指標情報が累積表示される累積演出が行なわれることにより、指標情報により大当り表示結果となるか否かの指標をより明確に遊技者に示することができるようになる。
図24は、指標情報の表示位置を決定するために用いるデータテーブルを表形式で示す図である。図24においては、(A)保留大当り無時累積演出段階決定テーブル、(B)保留大当り有時累積演出段階決定テーブル、および、(C)累積演出象限決定テーブルが示されている。これらテーブルは、演出制御基板80に搭載されたROMに記憶されている。
図24(A)の保留大当り無時累積演出段階決定テーブルは、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときに用いられるデータテーブルである。保留大当り無時累積演出段階決定テーブルには、第1演出決定用の乱数SR2(0〜99の100個の値を取り得る)の抽出値と、決定する段階(A〜C段階)との関係が設定されている。このテーブルでは、A段階>B段階>C段階というような的の中心部(D段階)から離れた段階が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときには、(A)の保留大当り無時累積演出段階決定テーブルが用いられることにより、平均的に、中心部(D段階)から離れた段階の領域において弾痕99が表示されやすく、中心部(D段階)に弾痕99が向かうような演出態様が出現する割合が低くなるので、大当りとなることを示唆するような演出があまり実行されない。
図24(B)の保留大当り有時累積演出段階決定テーブルは、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに用いられるデータテーブルである。保留大当り有時累積演出段階決定テーブルには、第1演出決定用の乱数SR2(0〜99の100個の値を取り得る)の抽出値と、決定する段階(A〜D段階)との関係が設定されている。
このテーブルでは、大当りとなる保留記憶情報の何回前の変動表示かに応じて、A〜D段階のうちの決定される段階の選択割合が異なるようにデータが設定されている。たとえば、大当り変動8回前〜大当り変動1回前、および、大当り変動回に分けてデータが設定されている。
(B)の保留大当り有時累積演出段階決定テーブルでは、大当り変動となる保留記憶情報に近づくにしたがって、中心部(D段階)に近い段階が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。そして、大当り変動となる変動回においては、中心部(D段階)の段階が100%の割合で選択されるようにデータが設定されている。
このように、(B)の保留大当り有時累積演出段階決定テーブルでは、大当り変動となる保留記憶情報に近づくにしたがって、変動回ごとに、中心部(D段階)に近い段階が選択される割合が高くなるようにデータが設定されているので、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、たとえば、大当り変動3回前の変動時に表示される指標情報の表示位置よりも、大当り変動2回目の変動時に表示される指標情報の表示位置が中心部(D段階)に近い段階を選択できることとなる。このような選択により、先に表示される指標情報の表示位置に応じて、次に表示される指標情報の位置を決定することが可能となる。
変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、(B)の保留大当り有時累積演出段階決定テーブルが用いられることにより、大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときと比べて、平均的に、大当り変動となる保留記憶情報に近づくにしたがって、中心部(D段階)に近い段階が選択されて弾痕99が表示される割合が高くなり、大当り変動回において中心部(D段階)が選択されて弾痕99が表示されるため、中心部(D段階)に弾痕99が向かうような演出態様が出現する割合が高くなる。これにより、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときと比較して、大当りとなることを示唆するような演出が実行される割合が高くなる。したがって、少なくとも指標情報の表示位置に注目すれば、大当り表示結果となるか否かの指標を把握できるので、遊技者にとって演出が把握しやすい遊技機を提供することができ、演出により遊技者の混乱を招かないようにすることができる。
図24(C)の累積演出象限決定テーブルは、(A),(B)のテーブルを用いて弾痕99を表示する段階がA〜D段階のいずれかに決定されたときに、第1〜第4象限91〜94の象限、または、象限に関係ない大当り領域(中心部)のうち、どこに弾痕99を表示するかを決定するときに用いられるデータテーブルである。累積演出象限決定テーブルには、第2演出決定用の乱数SR3(0〜89の90個の値を取り得る)の抽出値と、決定する段階(A〜D段階)、および、大当り領域(中心部)との関係が設定されている。
このテーブルでは、A〜D段階のうちの決定された段階に応じて、象限の選択割合が異なるようにデータが設定されている。これにより、弾痕99の表示の分布パターンに変化を生じさせることができ、演出の面白みを向上させることができる。また、A〜C段階が選択されたときには、大当り領域(中心部)が選択されず、D段階が選択されたときには、大当り領域(中心部)のみが選択されるようにデータが設定されている。これにより、変動表示結果が大当り表示結果となるときにのみ、大当り領域(中心部)に弾痕99が表示されることとなる。
なお、(C)の累積演出象限決定テーブルにおいては、各段階について、第1〜第4象限91〜94の選択割合が同じとなるようにデータを設定してもよい。また、D段階の大当り領域(中心部)も第1〜第4象限91〜94のような複数の象限に分けて管理し、累積演出象限決定テーブルにおいて弾痕99を表示する象限を選択決定するようにしてもよい。
また、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、図24(B),(C)のデータテーブルで弾痕99の表示段階を選択するときに、前に選択された段階よりも中心部(D段階)に近い段階が選択されるようなデータテーブルを選択して、前に選択された段階よりも中心部(D段階)に近い段階が必ず選択されるようにする制御を行なうようにしてもよい。このようにすれば、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、確実に中心部(D段階)に弾痕99が向かっていくような演出態様を実行することができる。
このように、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、先に表示される指標情報の表示位置に応じて、次に表示される指標情報の位置を決定することができるものであれば、どのような決定を行なうものであってもよい。
また、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときには、図24(A),(C)のデータテーブルを用いずに、予め定められた前後表示位置関係のパターンで中心部(D段階)に弾痕99が向かっていかないような演出態様を実行するためのデータ(固定的に設定されたデータ)を選択し、当該データに基づいて、予め定められた前後表示位置関係のパターンで弾痕99を表示する演出を実行するようにしてもよい。このようにすれば、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときには、確実に中心部(D段階)に弾痕99が向かっていかないような演出態様を実行することができる。
また、図24のデータテーブルを用いて指標情報の表示位置を決定する場合と、前述したような予め定められたデータを用いて指標情報の表示位置を決定する場合とのどちらについても、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときに、偽演出(ガセ演出)として、中心部(D段階)に弾痕99が向かっていくような演出態様を実行するための演出を所定割合で実行可能となるようにデータを設定してもよい。このようにすれば、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときでも、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときと類似する演出が行なわれるので、演出のバリエーションが豊富になり、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれている印象を与えて遊技者の期待感を向上させる機会を増やすことができ、遊技者の期待感をより一層高めることができる。
また、指標情報を累積表示する累積演出を実行する代わりに、たとえば、所定のキャラクタを継続的に表示して変動表示が実行されるごとに当該キャラクタの表示位置を選択して、たとえば、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに当該キャラクタを中心部(D段階)に向けて移動させていく表示をすることで、大当りとなることを示唆するような演出を実行するようにしてもよい。
また、指標情報を累積表示する累積演出を実行する代わりに、たとえば、演出制御上で前述した的の中心部に該当するような第1キャラクタと、演出制御上で前述した弾痕に該当するような第2キャラクタとのそれぞれを継続的に移動表示可能とし、第2キャラクタが第1キャラクタを追いかける表示を行ない、大当り表示結果となるときに第2キャラクタが第1キャラクタに追い付く演出を行なうようにしてもよい。その場合には、たとえば、変動表示が実行されるごとに第1キャラクタおよび第2キャラクタの表示位置を選択して、たとえば、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに第2キャラクタを第1キャラクタに向けて接近移動させていく表示をすることで、大当りとなることを示唆するような演出を実行するようにしてもよい。
図25は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。なお、はずれとすることに決定されているか否かは、大当りとするか否かを特定可能な変動パターンコマンドに基づいて、確認するようにしてもよい。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、演出制御用CPU101は、予め定められたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、演出図柄のリーチにならないはずれの停止図柄を決定し(S604)、S606へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1〜SR1−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。S604の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されたはずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)に、演出制御用CPU101は、リーチの組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S605)、S606へ進む。S605の処理では、所定のタイミングでSR1−1〜SR1−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
はずれとすることに決定されていない場合に(S601)、演出制御用CPU101は、大当りの種別に応じて、当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S603)、S606へ進む。
S603では、以下のように、当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、表示結果2指定コマンド〜表示結果4指定コマンドのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当りのうちから、当りの種別を判定する。
15R確変大当りBにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、15R確変大当りAにすることに決定されていないと判定したときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
また、演出制御用CPU101は、2R確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、チャンス目図柄決定用テーブルを用いて、チャンス目図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「1,2,3」というような特定のはずれ図柄の組合せ)を選択決定する。チャンス目図柄決定用テーブルは、複数種類のチャンス目図柄の組合せのそれぞれに、SR1−1のそれぞれの数値データが対応付けられている。チャンス目図柄の組合せを決定するときには、所定のタイミングでSR1−1から数値データ(乱数)を抽出し、チャンス目図柄決定用テーブルを用い、抽出した乱数に対応する図柄を、チャンス目図柄の組合せを構成する左,中,右の演出図柄の停止図柄の組合せとして決定する。
次に、超時短状態であるか否かを確認する(S606)。超時短状態であるか否かは、高確率/高ベース/超時短状態指定コマンドを受信していたか否かを判断することに基づいて判定することができる。超時短状態ではないときは、後述するS617に進む。超時短状態であるときは、図24に示した各種データテーブルを用いた判定等の各種判定を行なって前述の累積演出の演出制御パターンを決定する累積演出判定処理(S607)を実行した後、後述するS617に進む。累積演出判定処理の処理内容については、図26を用いて後述する。
S617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する(S617)。S617において、演出制御用CPU101は、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S607の処理で決定した累積演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
演出制御基板80に搭載されたROMに記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置9の表示領域における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連または滑りの演出による演出表示動作、予告演出における演出表示動作、および、累積演出における演出表示動作といった各種の演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、演出制御用CPU101は、S617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S619)。
演出制御用CPU101は、S619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S620)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S622)。そして、演出図柄変動開始処理が終了する。
図26は、図25のS607による累積演出判定処理を示すフローチャートである。累積演出判定処理においては、まず、超時短状態において35回目の変動表示が実行されるときに送信される演出切替変動パターンPD1が受信されたか否かを確認することに基づいて、累積演出切替タイミングであるか否かを確認する(S970)。累積演出切替タイミングでないときは、後述するS971に進む。一方、累積演出切替タイミングであるときは、累積演出において累積表示されている弾痕90の画像を一旦消去することにより累積演出の表示態様を切替える処理を行ない(S970A)、S971に進む。
S971では、今回の変動表示が大当り表示結果となる大当り変動回であるか否かを確認する(S971)。今回の変動表示が大当り変動回であるときは、後述するS976に進む。一方、今回の変動表示が大当り変動回でないときは、保留記憶内に15R確変大当りA,Bおよび2R確変大当りのうちのいずれかの大当りとなる保留記憶情報が含まれているか否かを判断する(S972)。S972では、たとえば、前述した始動入賞時受信コマンドバッファに記憶された図柄指定コマンド等の現在の保留記憶情報を示す情報に基づいて、大当りとなる保留記憶情報が含まれているか否かを判断する。
S972により大当りとなる保留記憶情報が含まれているときは、今回の変動回が、大当りとなる保留記憶による変動表示の何回前の変動回に該当するかを、前述の始動入賞時受信コマンドバッファに記憶された保留記憶情報に基づいて確認し(S975)、S976に進む。
S976では、図24の(B)保留大当り有時累積演出段階決定テーブルを選択する(S976)。そして、乱数SR2の値を抽出し、S975で確認した大当りの何回前の変動回であるかの情報)と、S976で選択したテーブルと、今回の変動回の情報(S971で確認した大当り変動回であるか否かの情報と、抽出した乱数SR2の値とに基づいて、今回の変動表示時に表示する弾痕99の段階を選択決定する(S977)。そして、S978に進む。
また、前述のS972により大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときは、図24の(A)の保留大当り無時累積演出段階決定テーブルを選択する(S973)。そして、乱数SR2の値を抽出し、S973で選択したテーブルと、抽出した乱数SR2の値とに基づいて、今回の変動表示時に表示する弾痕99の段階を選択決定し(S974)、S978に進む。
S978では、図24の(C)の累積演出象限決定テーブルを選択する(S978)。そして、乱数SR3の値を抽出し、S978で選択したテーブルと、抽出した乱数SR3の値とに基づいて、今回の変動表示時に表示する弾痕99の位置としていずれかの象限または中心部を選択決定する(S979)。これにより、的90において弾痕99を表示する表示領域が、複数の表示領域(A段階第1象限、B段階第1象限、C段階第1象限、A段階第2象限、B段階第2象限、C段階第2象限、A段階第3象限、B段階第3象限、B段階第3象限、A段階第4象限、B段階第4象限、B段階第4象限、D段階のいずれか)のうちから選択されることとなる。
そして、S979により決定された段階、および、象限または中心部に基づく表示領域において、具体的に画面上の表示領域のうちのどの位置を弾痕99の表示位置とするかを決定することで、決定された段階、および、象限または中心部に基づく表示領域において、弾痕99の表示位置を、先に表示されている弾痕99の表示位置(S981で記憶される))と重ならない位置に設定する処理を行なう(S980)。たとえば、前述したような複数の表示領域の各表示領域には、ある程度の広さがあり、その領域内のいずれかの位置を選択して弾痕99を表示しなければならないので、S980では、S979により選択決定された表示領域内における表示位置を選択して設定する処理が行なわれる。
S980では、S979により選択決定された段階、および、象限または中心部に基づく表示領域において、たとえば、次のように弾痕99の表示位置を設定する。的90において段階および象限により選択される表示領域(A段階第1象限、B段階第1象限、C段階第1象限、A段階第2象限、B段階第2象限、C段階第2象限、A段階第3象限、B段階第3象限、B段階第3象限、A段階第4象限、B段階第4象限、B段階第4象限、D段階)における各表示領域では、一連の指標情報累積演出において、指標情報としての弾痕99の表示位置が複数の保留記憶情報により選択される場合もある。このような場合に、同じ各表示領域内で複数の弾痕99の表示位置が同じ位置に重複しないようにするために、各表示領域内で、弾痕99を表示可能な位置(座標で特定される位置)が、複数個所(一連の指標情報累積演出で35個分の弾痕99が的全体に表示されるので、各表示領域に最大35個弾痕が集中する場合もあり得るので、たとえば、35個所。なお、段階および象限の選択確率を考慮して35回のうち平均的に選択される回数に設定してもよい。)予め定められている。
そして、各表示領域内で、弾痕99を表示可能な位置には、制御において表示位置を選択する処理が簡易となるように、当該表示可能な位置を選択する順番が予め定められており、各表示領域が選択されたときには、このような順番にしたがって弾痕99の表示位置が決定されることによって、同じ各表示領域が複数の保留記憶情報で選択されたときでも、複数の弾痕99の表示位置が各表示領域内で同じ位置に重複しないようにすることができ、累積表示の演出効果を向上させることができる。各表示領域内容での指標情報の表示可能な位置は、当該領域内において的の中心部からの距離が一定の位置に複数設けられてもよく、当該領域内において的の中心部からの距離が異なる位置に複数設けられてもよい。
各表示領域内容での指標情報の表示可能な位置が、当該領域内において的の中心部からの距離が異なる位置に複数設けられる場合には、保留記憶情報内に大当りとなる保留記憶情報が含まれるときにおいて同一の表示領域内が保留記憶情報について選択されたときに、的の中心部からの距離が遠い位置から順番に表示位置を決定していく制御を行なえば、大当りに近づいていくように見せる演出を行なうことができる。
なお、ここでは、このように段階および象限により選択される複数の表示領域における1つの表示領域内について、弾痕99を表示可能な位置を選択する場合に、表示位置を選択する処理が簡易となるように、当該表示可能な位置を選択する順番が予め定められた例を示したが、これに限らず、そのような表示可能な位置を順番ではなく、ランダムカウンタを用いてランダムに選択する処理を行なうようにしてもよい。
このように、S980では、S979により選択された表示領域内で、予め定められた順番にしたがって、新たな弾痕99の表示位置を選択する。そして、S980では、S979により選択された表示領域内において既に表示されている弾痕99があるときには、当該弾痕99の表示順番および表示位置に関する記憶情報(S981で記憶される情報)に基づいて、当該既に表示されている弾痕99の表示位置と重ならない位置に、新たな弾痕99の表示位置を決定(調整決定)する。このようにすれば、一連の指標情報累積演出において、同じ表示領域が選択されても同じ位置に弾痕99の表示が重複しないようにすることができ、累積演出により得られる効果をより一層高めることができる。
そして、S980により設定された弾痕99の表示位置に関するデータ(前述の表示順番および表示位置を特定するデータ)を記憶し(S981)、処理を終了する。
図27は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件、または、図柄確定指定コマンドを受信したという条件が成立したときに、この演出図柄変動停止処理が実行される。
演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S730)。なお、変動表示時間タイマを用いて監視する変動時間が終了したという条件が成立したときに演出制御プロセス処理に進んだ場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間で変動表示の終了タイミングについての認識がずれないようにするために、図柄確定指定コマンドを受信したこという条件が成立したときにS730の処理を実行するのが望ましい。停止図柄表示フラグがセットされていれば、731に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄の組合せを表示した場合には、後述するS734で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。したがって、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S735に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、決定されている停止図柄を停止表示させる制御を行なう(S731)。そして、高確率/高ベース/超時短状態指定コマンドを受信していたか否かを判断することに基づいて、超時短状態であるか否かを確認する(S732A)。超時短状態でないときは、後述するS733に進む。一方、超時短状態であるときは、前述したような累積演出判定処理において決定された各種情報に基づいて、累積演出を表示するための処理を行なう(S732B)。これにより、今回の演出図柄が停止されるタイミングに同期したタイミングで、累積演出において今回表示する弾痕99が表示される。そして、S733に進む。
S733では、停止図柄として、15R確変大当りA、15R確変大当りB、または、2R確変大当りに対応する図柄の組合せを表示したか否か(すなわち、大当りとなるか否か)を確認する(S733)。大当りとならないときには、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に応じた値に更新し(S743)、処理を終了する。一方、大当りとなるときには、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S734)、S735に進む。
S735では、いずれかの大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ〜大当り開始3指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(S735)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(S736)。そして、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S737)。S737では、確変大当りA〜Kのいずれかの大当り遊技状態を実行するときに、前述のような第1期間として5Rを報知する第1継続報知演出を実行するためのデータがセットされる。これにより、大当り遊技状態の開始時において、第1継続報知演出が実行されることとなる。
なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをリセットする。また、S737の処理では、演出制御用CPU101は、当り種別に対応するファンファーレ演出等のプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S738)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27等)の制御を実行する(S739)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S740)に応じた値に更新する(S890)。
次に、指標情報の表示位置に基づいて大当りとなるか否かを示唆する累積演出の演出パターンについての変形例を説明する。
図28は、第1の演出変形例を示す図である。図28は、累積演出として、的当てゲームの代わりに、当りラインに対する指標情報の表示位置に基づいて大当りとなるか否かを示唆する累積演出(レベル表示ゲーム)を行なう例が示されている。
図28の累積演出では、たとえば、(A)に示されるように、大当りとなるときのレベルのラインを示す「当りライン」が表示され、変動表示が実行されるごとにデータがプロットされる。そして、大当り表示結果となるときには、(B)に示されるように、プロットされたデータのレベルが「当りライン」を超える位置に表示される。一方、はずれ表示結果となるときには、(C)に示されるように、プロットされたデータのレベルが「当りライン」を超えない位置に表示される。
このような累積演出を行なうことにより、前述した的当てゲームと同様に、指標情報の表示位置により、大当り表示結果となるか否かを示唆することを可能とする演出を行なうことができる。
このような累積演出が実行される場合に、はずれ表示結果となるときに、(A)のように、プロットされたデータのレベルが「当りライン」のレベルに近づいていくような累積表示を行なうようにプロットされるデータの表示位置を選択するように制御することで、遊技者の期待感を向上させて遊技の興趣を向上させることができる。
図29は、第2の演出変形例を示す図である。図29は、累積演出として、的当てゲームの代わりに、提示図形に対する指標情報の表示位置に基づいて大当りとなるか否かを示唆する累積演出(作図ゲーム)を行なう例が示されている。
図29の累積演出では、たとえば、(A)に示されるように、大当りとなるときに完成表示される提示図形(この例では星図形)が破線で表示され、変動表示が実行されるごとに描画点がプロットされる。そして、大当り表示結果となるときには、(B)に示されるように、プロットされた描画点が提示図形を完成させる位置に表示される。一方、大当りとなるときには、(C)に示されるように、プロットされた描画点が提示図形を完成させない位置に表示される。
このような累積演出を行なうことにより、前述した的当てゲームと同様に、指標情報の表示位置により、大当り表示結果となるか否かを示唆することを可能とする演出を行なうことができる。
このような累積演出が実行される場合に、はずれ表示結果となるときに、(A)のように、描画点がプロットされた図形が提示図形に近似していくような累積表示を行なうようにプロットされる描画点の表示位置を選択するように制御することで、遊技者の期待感を向上させて遊技の興趣を向上させることができる。
また、第1実施形態では、累積演出について、的当てゲームの他に、次のようなゲームに伴って実行するようにしてもよい。たとえば、バッティングセンターでバッティングをし、打球が枡目状の容器内の複数の枡目に所定の割合で入っていき、特定の表示位置の枡目が埋まったときに大当りとなるゲームを表示し、累積演出として打球を指標情報として容器内の複数の枡目に入れる累積表示をし、変動表示をするときに保留記憶情報内に大当りとなる保留記憶情報が含まれるときに、すべての枡目が埋まるような割合で打球が枡目に入っていくことで特定の表示位置の枡目が埋まることを示唆する演出を行なえばよい。
[第2実施形態]
図30は、第2実施形態による累積演出の演出態様を示す表示画面図である。この第2実施形態においては、累積演出として、指標情報の演出態様により大当り表示結果となるか否かを示唆することを可能とする演出を行なう例を説明する。
第2実施形態では、累積演出として、的当てゲームを行なう例を示す。第2実施形態による的当てゲームは、たとえば、図30に示すような円形の的90Aに対して、銃により弾丸を撃って着弾させ、大当り表示結果となるときに的の中心部の領域99dに大当り時の弾痕色(赤色)で弾痕99Aが表示され、はずれ表示結果となるときに的の中心部以外の領域99eのいずれかにはずれ時の弾痕色(黄色、青色、または、黒色)で99Aが表示されることで、大当り表示結果となるか否かを示唆することを可能とする演出である。このような的当てゲームでは、図30に示すように、変動表示が行なわれるごとに弾痕99が消去されずに累積表示されていく。
第2実施形態の的当てゲームが第1実施形態の的当てゲームと異なるのは、弾痕99Aの表示位置で大当り表示結果となるか否かを示唆することに加えて、弾痕99Aの弾痕色の演出態様で大当り表示結果となるか否かを示唆することである。第2実施形態では、弾痕色の演出態様で大当り表示結果となるか否かを示唆することが可能であるために、第1実施形態のような段階は的90Aに設けられていない。
弾痕色の演出態様としては、大当り時の弾痕色は赤色であり、はずれ時の弾痕色は、黄色、青色、または、黒色であるので、大当り時とはずれ時とで異なる。また、はずれ時の弾痕色は、黄色>青色>黒色という関係で遊技者にとって有利となる度合いが高い色となるように演出制御が行なわれる。
的当てゲームを実行するときには、変動表示が実行されるごとに、変動表示結果に応じて、赤色、黄色、青色、または、黒色のうちのどの弾痕色を選択するか、および、第1〜第4象限91〜94のどの象限を選択するか(赤色、黄色、青色の弾痕色が選択されたとき)をそれぞれ決定し、さらに、先に表示されている弾痕99Aと表示位置が重複しないように位置調整して次の表示する弾痕99Aの表示位置を決定する。
また、このような的当てゲームを実行するときにおいて、演出図柄は、的当てゲームの画像と干渉しないように、演出表示装置9の表示画面内の隅部のような所定領域において、通常表示される大きさよりも縮小された大きさで変動表示される。
なお、このような的当てゲームを実行するときにおいて、演出図柄は、変動表示させずに一時的に消去させてもよい。また、このような的当てゲームを実行するときにおいて、演出図柄は、縮小表示等せずに、的当てゲームの画像と干渉しないように、透明化して、通常表示する位置で表示するようにしてもよい。
このような累積演出は、超時短状態となっている期間(最大70回の変動表示が実行される期間)中に継続して実行されるが、この実施の形態では、当該超時短状態が開始されてから所定回数目(35回目)の変動表示において、累積した演出表示を初期化(消去)するための変動パターン種別の変動パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に受信されたときに、一旦弾痕99の累積標準画像が消去されて初期化される。
また、このような累積した演出表示の初期化は、実行しなくてもよい。また、のような累積した演出表示の初期化は、変動表示回数が予め定められた回数実行されるごとに、初期化するか否かをランダムに選択して初期化する決定がされたときに実行するようにしてもよい。
また、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、図31(B),(C)のデータテーブルを用いずに、予め定められた前後演出態様関係のパターンで大当り時弾痕色(赤色)に弾痕99Aの弾痕色が近似していくような演出態様を実行するためのデータ(固定的に設定されたデータ)を選択し、当該データに基づいて、予め定められた前後演出態様関係のパターンで弾痕99Aの弾痕色を表示する演出を実行するようにしてもよい。このようにすれば、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、確実に弾痕99Aの弾痕色が大当り時弾痕色(赤色)に近似していくような演出態様を実行することができる。
また、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、図31(B),(C)のデータテーブルを用いずに、予め定められた前後演出態様関係のパターンで大当り時弾痕色(赤色)に弾痕99Aの弾痕色が近似していかないような演出態様を実行するためのデータ(固定的に設定されたデータ)を選択し、当該データに基づいて、予め定められた前後演出態様関係のパターンで弾痕99Aの弾痕色を表示する演出を実行するようにしてもよい。このようにすれば、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、確実に弾痕99Aの弾痕色が大当り時弾痕色(赤色)に近似していかないような演出態様を実行することができる。
また、図31のデータテーブルを用いて指標情報の弾痕色を決定する場合と、前述したような予め定められたデータを用いて指標情報の弾痕色を決定する場合とのどちらについても、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときに、偽演出(ガセ演出)として、大当り時弾痕色(赤色)に弾痕99Aの弾痕色が近似していくような演出態様を実行するための演出を所定割合で実行可能となるようにデータを設定してもよい。このようにすれば、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときでも、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときと類似する演出が行なわれるので、演出のバリエーションが豊富になり、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれている印象を与えて遊技者の期待感を向上させる機会を増やすことができ、遊技者の期待感をより一層高めることができる。
また、指標情報を累積表示する累積演出を実行する代わりに、たとえば、所定のキャラクタを継続的に表示して変動表示が実行されるごとに当該キャラクタの色等の演出態様を選択して、たとえば、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに当該キャラクタの演出態様が大当り時演出態様に近似していく表示をすることで、大当りとなることを示唆するような演出を実行するようにしてもよい。
図31は、第2実施形態による指標情報の表示位置を決定するために用いるデータテーブルを表形式で示す図である。図31においては、(A)保留大当り無時累積演出色決定テーブル、(B)保留大当り有時累積演出色決定テーブル、および、(C)累積演出象限決定テーブルが示されている。これらテーブルは、演出制御基板80に搭載されたROMに記憶されている。
図31(A)の保留大当り無時累積演出色決定テーブルは、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときに用いられるデータテーブルである。保留大当り無時累積演出色決定テーブルには、第1演出決定用の乱数SR2(0〜99の100個の値を取り得る)の抽出値と、決定する弾痕色(黒色、青色、または、黄色)との関係が設定されている。このテーブルでは、黒色>青色>黄色というような遊技者にとって有利となる度合いが低い弾痕色が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときには、(A)の保留大当り無時累積演出色決定テーブルが用いられることにより、平均的に、遊技者にとって有利となる度合いが低い弾痕色が表示されやすく、遊技者にとって有利となる度合いが高い弾痕色(たとえば、赤色)に近似していくような演出態様(たとえば、黒色→青色→黄色→赤色という色の変化)が出現する割合が低くなるので、大当りとなることを示唆するような演出があまり実行されない。
図31(B)の保留大当り有時累積演出色決定テーブルは、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに用いられるデータテーブルである。保留大当り有時累積演出色決定テーブルには、第1演出決定用の乱数SR2(0〜99の100個の値を取り得る)の抽出値と、決定する弾痕色(黒色、青色、黄色、または、赤色)との関係が設定されている。
このテーブルでは、大当りとなる保留記憶情報の何回前の変動表示かに応じて、黒色、青色、黄色、または、赤色のうちの決定される弾痕色の選択割合が異なるようにデータが設定されている。たとえば、大当り変動8回前〜大当り変動1回前、および、大当り変動回に分けてデータが設定されている。
(B)の保留大当り有時累積演出色決定テーブルでは、大当り変動となる保留記憶情報に近づくにしたがって、大当り時の弾痕色に近似していく(たとえば、黒色→青色→黄色→赤色という色の変化)弾痕色が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。そして、大当り変動となる変動回においては、赤色の弾痕色が100%の割合で選択されるようにデータが設定されている。
変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、(B)の保留大当り有時累積演出色決定テーブルが用いられることにより、大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときと比べて、平均的に、大当り変動となる保留記憶情報に近づくにしたがって、大当り時の弾痕色(赤色)に近似する弾痕色(たとえば、黄色等)が選択されて弾痕99Aが表示される割合が高くなり、大当り変動回において大当り時の弾痕色(赤色)が選択されて弾痕99Aが表示されるため、大当り時の弾痕色に近似していく(たとえば、黒色→青色→黄色→赤色という色の変化)ような演出態様が出現する割合が高くなる。これにより、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときと比較して、大当りとなることを示唆するような演出が実行される割合が高くなる。したがって、少なくとも指標情報の演出態様に注目すれば、大当り表示結果となるか否かの指標を把握できるので、遊技者にとって演出が把握しやすい遊技機を提供することができ、演出により遊技者の混乱を招かないようにすることができる。
図31(C)の累積演出象限決定テーブルは、(A),(B)のテーブルを用いて弾痕99Aの弾痕色が赤色、黄色、青色、または、黒色のいずれかに決定されたときに、第1〜第4象限91〜94の象限、または、象限に関係ない大当り領域(中心部)のうち、どこに弾痕99Aを表示するかを決定するときに用いられるデータテーブルである。累積演出象限決定テーブルには、第2演出決定用の乱数SR3(0〜89の90個の値を取り得る)の抽出値と、決定する象限(第1〜第4象限)、および、大当り領域(中心部)との関係が設定されている。
このテーブルでは、赤色、黄色、青色、または、黒色のうちの決定された弾痕色に応じて、象限の選択割合が異なるようにデータが設定されている。これにより、弾痕99Aの表示の分布パターンに変化を生じさせることができ、演出の面白みを向上させることができる。また、黄色、青色、または、黒色が選択されたときには、大当り領域(中心部)が選択されず、赤色が選択されたときには、大当り領域(中心部)のみが選択されるようにデータが設定されている。これにより、変動表示結果が大当り表示結果となるときにのみ、大当り領域(中心部)に弾痕99が表示されることとなる。
なお、(C)の累積演出象限決定テーブルにおいては、各段階について、第1〜第4象限91〜94の選択割合が同じとなるようにデータを設定してもよい。また、赤色の弾痕色で表示する大当り領域(中心部)も第1〜第4象限91〜94のような複数の象限に分けて管理し、累積演出象限決定テーブルにおいて弾痕99を表示する象限を選択決定するようにしてもよい。
また、第2実施形態では、累積演出について、指標情報の色により大当りとなることを示唆するような演出を実行する例を説明した。しかし、これに限らず、累積演出については、指標情報の形状により大当りとなることを示唆するような演出を実行するようにしてもよい。また、累積演出については、指標情報の絵柄により大当りとなることを示唆するような演出を実行するようにしてもよい。また、累積演出については、指標情報の模様により大当りとなることを示唆するような演出を実行するようにしてもよい。また、累積演出については、指標情報の大きさ(大小関係)により大当りとなることを示唆するような演出を実行するようにしてもよい。また、累積演出については、指標情報の透明度(透明度を変えて指標情報を表示できる場合の透明度関係)により大当りとなることを示唆するような演出を実行するようにしてもよい。つまり、第2実施形態における累積演出の制御については、指標情報の演出態様により大当りとなることを示唆するような演出を実行するものであれば、同様の制御を行なうことができる。
図32は、第2実施形態による累積演出判定処理を示すフローチャートである。図32の累積演出判定処理は、図26の累積演出判定処理と置換えられて実行される処理である。
図32の累積演出判定処理においては、まず、S970〜S975により、図26の累積演出判定処理と同様の処理が実行される。
S971でYESのとき、および、S975の後に進むS976Aでは、図31の(B)保留大当り有時累積演出段階決定テーブルを選択する(S976A)。そして、乱数SR2の値を抽出し、S975で確認した大当りの何回前の変動回であるかの情報)と、S976Aで選択したテーブルと、今回の変動回の情報(S971で確認した大当り変動回であるか否かの情報と、抽出した乱数SR2の値とに基づいて、今回の変動表示時に表示する弾痕99の弾痕色を選択決定する(S977A)。そして、S978Aに進む。
また、前述のS972により大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときは、図31の(A)の保留大当り無時累積演出段階決定テーブルを選択する(S973A)。そして、乱数SR2の値を抽出し、S973Aで選択したテーブルと、抽出した乱数SR2の値とに基づいて、今回の変動表示時に表示する弾痕99の段階を選択決定し(S974A)、S978Aに進む。
S978Aでは、図31の(C)の累積演出象限決定テーブルを選択する(S978A)。そして、乱数SR3の値を抽出し、S978Aで選択したテーブルと、抽出した乱数SR3の値とに基づいて、今回の変動表示時に表示する弾痕99の位置としていずれかの象限または中心部を選択決定する(S979A)。
そして、S979Aにより決定された段階、および、象限または中心部での弾痕99の表示位置を、先に表示されている弾痕99の表示位置(S981Aで記憶される))と重ならない位置に設定する処理を行なう(S980A)。
S980Aでは、たとえば、次のように弾痕99Aの表示位置を設定する。的90Aにおいて象限により選択される表示領域においては、領域内で弾痕99を表示する位置(座標で特定される位置)が、複数個所(たとえば、35個所。なお、段階および象限の選択確率を考慮して35回のうち平均的に選択される回数に設定してもよい。)予め定められ、かつ、当該複数個所を選択する順番が予め定められている。S980Aでは、象限により特定された領域内で、予め定められた順番にしたがって、今回の弾痕99Aの表示位置を選択する。そして、S980では、先に当該領域において先に表示されている弾痕99Aがあるときには、当該先の弾痕99Aの表示順番および表示位置に関する記憶情報(S981で記憶される情報)に基づいて、当該先の弾痕99Aの表示位置と重ならない位置に、今回の弾痕99Aの位置を決定(調整決定)する。
そして、S980Aにより設定された弾痕99Aの表示位置に関するデータ(前述の表示順番および表示位置を特定するデータ)を記憶し(S981A)、処理を終了する。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態においては、1回の変動表示に応じて複数の指標情報を表示する例を説明する。第1,2実施形態においては、1回の変動表示に応じて1つの指標情報を表示する例を示したが、たとえば、遊技の展開上の理由等で、保留記憶数が少ない状態で累積演出が実行されるときには、累積表示する指標情報が少なくなり、面白みのある演出が一時的に実行できなくなるおそれがある。そのようなときには、1回の変動表示に応じて複数の指標情報を表示する制御を行なうようにすれば、保留記憶数が少ない場合でも、面白みのある演出を実行することができるようになる。具体的に、このような演出の制御例としては、たとえば、保留記憶数が所定個数(たとえば、1個)以下となったときに、1回の変動表示に応じて予め定められた複数の指標情報(たとえば、4つ)を表示する制御を行なうようにすればよい。また、保留記憶数が所定個数(たとえば、2個)以下となったときに、1回の変動表示に応じて予め定められた複数の指標情報を行ない、保留記憶数に応じて表示する指標情報の個数を変更設定する制御(たとえば、保留記憶数が2個の変動表示時は指標情報を1回の変動表示で2つ表示し、保留記憶数が1個の変動表示時は指標情報を1回の変動表示で4つ表示する制御等)を行なうようにしてもよい。また、保留記憶数の多少にかかわらず、1回の変動表示に応じて固定的に予め定められた複数の指標情報(たとえば、2つ)を表示する制御を行なうようにしてもよい。
第3実施形態においては、1つの保留記憶情報に基づく1回の変動表示において、たとえば、4つというような複数の指標情報を累積表示する制御を行なえばよい。そのように複数の指標情報を累積表示する場合において、たとえば、第1実施形態のように、指標情報(弾痕99)の表示する段階および象限を決定するときには、複数の指標情報のそれぞれについて個別に、表示する段階および象限を決定する処理を実行すればよい。たとえば、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときには、1つの保留記憶情報に基づく1回の変動表示において、表示する4つの指標情報のそれぞれについて、たとえば、図24(A)の保留大当り無時累積段階定決定テーブルおよび図24(C)の累積演出象限決定テーブルを用いて指標情報の表示する段階および象限をランダムな位置に決定することで4つの指標情報のそれぞれの表示態様を決定する。また、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、1つの保留記憶情報に基づく1回の変動表示において、表示する4つの指標情報のそれぞれについて、たとえば、図24(B)の保留大当り有時累積演出段階定テーブルおよび図24(C)の累積演出象限決定テーブルを用いて指標情報を表示する段階および象限が大当りとなる段階に近づくように指標情報を表示する段階および象限を決定することで4つの指標情報のそれぞれの表示態様を決定する。
このような第3実施形態によれば、1回の変動表示に応じて複数の指標情報が表示されるので、大当り表示結果となる保留記憶情報による変動表示が行なわれるまでの保留記憶数が少ない場合でも、指標情報の表示に応じて、演出が把握しやすいようにすることができる。
次に、第1〜第3実施形態についての共通の変形例をまとめて説明する。
前述した指標情報の累積表示は、変動表示が1回行なわれるごとに1つ累積表示されるものでなくてもよい。たとえば、変動表示が複数回(たとえば、2回等)行なわれるごとに指標情報が1つ累積表示される制御を行なうようにしてもよい。また、変動表示が1回行なわれるごとに指標情報が複数(たとえば、2つ)累積表示される制御を行なうようにしてもよい。
前述した指標情報の累積表示は、変動表示が行なわれるごとに必ず実行されるようにしたが、これに限らず、変動表示が行なわれるごとに指標情報の累積表示を実行するか否かを選択決定(所定割合で実行することを決定する等)し、実行する旨の決定がされたときに指標情報の累積表示を実行する制御を行なうようにしてもよい。
前述した指標情報の累積表示は、変動表示が1回行なわれるごとに1つ累積表示される変動回と、変動表示が1回行なわれるごとに複数(たとえば、2つ)累積表示される変動回とを設け、変動表示の変動回ごとに累積表示される指標情報の数が変化する制御を行なうようにしてもよい。
また、指標情報の累積表示は、変動表示が1回行なわれるごとに累積表示する個数を1つまたは複数のうちから選択し、選択した個数の指標情報を1回の変動表示に対応して累積表示する制御を行なうようにしてもよい。
前述した指標情報の累積演出における保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに実行する制御については、大当り種別として、確変大当りと非確変大当りとが含まれている場合において、保留記憶情報の中に確変大当りとなる保留記憶情報が含まれていることを条件として制御を実行するようにしてもよい。
また、指標情報の累積演出における保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに実行する制御については、大当り種別として、確変大当りと非確変大当りとが含まれている場合において、保留記憶情報の中に確変大当りまたは非確変大当りとなる保留記憶情報が含まれていることを条件として制御を実行するようにしてもよい。
また、前述した指標情報の累積演出における保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに実行する制御については、保留記憶情報の中に大当り遊技状態の終了後に時短状態(標準時短および超時短のうち少なくとも一方の時短状態でよい)に制御される大当りとなる保留記憶情報が含まれていることを条件として制御を実行するようにしてもよい。
また、前述した指標情報の累積演出における保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに実行する制御については、保留記憶情報の中に大当りとなるか否かにかかわらずリーチ状態となる保留記憶情報が含まれていることを条件として制御を実行するようにしてもよい。
前述した指標情報の累積演出は、変動表示が1回行なわれるごとに、1回の変動表示が実行される時間内(変動表示時間内)で実行される例を示した。しかし、これに限らず、指標情報の累積演出は、変動表示が1回行なわれるごとに、1回の変動表示が実行される時間内(変動表示時間内)を超える所定時間(たとえば、1回の変動表示が実行される時間を超えて次の変動表示が実行される前までの時間でもよく、1回の変動表示が実行される時間を超えて2回の変動表示が実行される時間でもよい。このような制御を行なえば、累積演出の連続感がより一層強調されることとなる。
また、前述した指標情報の累積演出における保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに実行する制御については、第1実施形態で示した表示位置が大当り時の表示位置に近づいていく制御と、第2実施形態で示した演出態様が大当り時の演出態様に近似していく制御との両方を組合わせて実行するようにしてもよい。たとえば、第1実施形態で説明したような弾痕99について、表示位置の制御に加えて、第2実施形態で説明したような弾痕色の制御も合わせて行なうようにしてもよい。このようにすれば、演出のバリエーションが豊富となり、演出の面白みを向上させることができる。
また、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、そのときに存在するすべての保留記憶情報のそれぞれに対応する変動表示において表示する指標情報を表示するための情報(表示位置、演出態様)を一括的に決定し、当該一括的に決定した情報に基づいて、各変動表示において指標情報を表示する制御を行なうようにしてもよい(このように一括的に決定した情報は変更されずに指標情報の表示制御に用いられる)。たとえば、複数の保留記憶情報のそれぞれに対応する指標情報を表示するための情報を決定する処理としては、各保留記憶情報について図24および図30に示すようなデータテーブルを用いて個別に決定する処理、各保留記憶情報について先に変動表示を行なう保留記憶情報に対応して表示する指標情報よりも大当りとなる期待度が高い表示位置または演出態様となるように指標情報を表示するための情報を決定する処理表示、または、先に変動表示を行なう保留記憶情報に対応して表示する指標情報よりも大当りとなる期待度が高い表示位置または演出態様となるように指標情報を表示するための情報が複数の保留記憶情報を対象として固定的に設定されたデータを用いて各保留記憶情報に対応する指標情報を表示するための情報を決定する処理を行なえばよい。このように保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、そのときに存在するすべての保留記憶情報のそれぞれに対応する変動表示において表示する指標情報を一括的に決定するときには、変動表示が行なわれるごとに決定するときと比べて、大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに、指標情報の累積表示の表示態様により大当りとなる期待度が変動表示ごとに高まるような演出をより明確に実行することができるようになる。
また、第1実施形態で示したような指標情報の累積演出に関し、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに、指標情報の表示位置が大当り時の表示位置に近づいていく制御のその他の例としては、各保留記憶情報に対応する変動表示における指標情報の表示位置を決定するときに、各変動表示に対応して表示する指標情報の表示位置として、各変動表示の1回前の変動表示に対応して決定した指標情報の表示位置と比較して大当り時の表示位置に近い表示位置を必ず選択していく(たとえば、1回前の変動表示に対応して決定した指標情報の表示位置よりも大当り時の表示位置に近い複数の表示位置のいずれかを選定するようにしてもよく、1回前の変動表示に対応して決定した指標情報の表示位置よりも大当り時の表示位置に近い予め定められた表示位置を選択するようにしてもよい。)ような表示位置の選択処理を行なうようにしてもよい。このようにすれば、指標情報の表示位置が大当り時の表示位置に近づいていく制御を確実に行なうことができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図23に示すように、指標情報としての弾痕99が累積表示されることにより、指標情報により特定表示結果となるか否かの指標をより明確に遊技者に示することができるようになる。そして、図23に示すように、指標情報としての弾痕99が累積表示され、図24(B)に示すように、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときと比べて、中心部(D段階)に近い段階が選択されて弾痕99が表示される割合が高くなり、大当り変動回において中心部(D段階)が選択されて弾痕99が表示されるため、中心部(D段階)に弾痕99が向かうような演出態様が出現する割合が高くなる。したがって、少なくとも指標情報の表示位置に注目すれば、大当り表示結果となるか否かの指標を把握できるので、遊技者にとって演出が把握しやすい遊技機を提供することができ、演出により遊技者の混乱を招かないようにすることができる。
(2) 図30に示すように、指標情報としての弾痕99Aが累積表示されることにより、指標情報により特定表示結果となるか否かの指標をより明確に遊技者に示することができるようになる。そして、図30に示すように、指標情報としての弾痕99Aが累積表示され、図31(B)に示すように、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときと比べて、平均的に、大当り変動となる保留記憶情報に近づくにしたがって、大当り時の弾痕色(赤色)に近似する弾痕色(たとえば、黄色等)が選択されて弾痕99Aが表示される割合が高くなり、大当り変動回において大当り時の弾痕色(赤色)が選択されて弾痕99Aが表示されるため、大当り時の弾痕色に近似していく(たとえば、黒色→青色→黄色→赤色という色の変化)ような演出態様が出現する割合が高くなる。したがって、少なくとも指標情報の演出態様に注目すれば、大当り表示結果となるか否かの指標を把握できるので、遊技者にとって演出が把握しやすい遊技機を提供することができ、演出により遊技者の混乱を招かないようにすることができる。
(3) 保留記憶内に大当りがあるときには、図24(B)の段階の選択割合に示すように、弾痕99が大当り領域としてのD段階に近づいていくような演出となるように弾痕位置を決定するため、このような大当り表示結果となるときに指標情報が表示される領域に対する指標情報の表示位置の位置関係に注目すれば、大当り表示結果となるか否かの指標を把握できるので、遊技者にとって演出がより一層把握しやすい遊技機を提供することができ、演出により遊技者の混乱を招かないようにすることができる。遊技の興趣をより一層向上させることができる。
(4) 保留記憶内に大当りがあるときには、図31(B)の弾痕色の選択割合に示すように、弾痕99Aが大当り時の弾痕色(赤色)に近づいていくような演出となるように弾痕色を決定するため、このような大当り表示結果となるときの指標情報の演出態様に対する指標情報の演出態様の近似性に注目すれば、大当り表示結果となるか否かの指標を把握できるので、遊技者にとって演出がより一層把握しやすい遊技機を提供することができ、演出により遊技者の混乱を招かないようにすることができる。
(5) 第3実施形態に示したように、1回の変動表示に応じて複数の指標情報が表示されるので、大当り表示結果となる保留記憶情報による変動表示が行なわれるまでの保留記憶数が少ない場合でも、指標情報の表示に応じて、演出が把握しやすいようにすることができる。
(6) 図17のS99,S100,図10の演出切替PD1の変動パターン送信、図26および図32のS970,S970Aに示すように、高確率/高ベースの超時短状態で変動表示が35回実行されたときに、弾痕を消去する累積演出切替演出が実行されるので、指標情報の累積表示数が過度に増加するのを防ぐことができ、演出が把握しやすいようにすることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、2つの特別図柄表示器である第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを設け、2つの特別図柄を変動表示する例を示した。しかし、これに限らず、2つの特別図柄表示器の代わりに、1つの特別図柄表示器を設け、1つの特別図柄を変動表示させる構成を採用してもよい。このような構成を採用する場合には、特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が、第1始動入賞口13の入賞、および、第2始動入賞口14への入賞のそれぞれに応じて実行されるようにすればよい。つまり、第1始動入賞口13の入賞に基づいて第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄を実行させるための各種制御と、第2始動入賞口14の入賞に基づいて第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄を実行させるための各種制御とをそれぞれ、1つの特別図柄表示器における特別図柄の変動表示について適用すればよい。
(2) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(3) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(4) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点等を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(5) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(6) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。