以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、始動領域を遊技媒体が通過したことにより変動表示の実行条件が成立した後、該変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な識別情報の変動表示を実行し、表示結果を導出表示する変動表示部を備え、該変動表示部の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、大当りおよび小当りを含む当り種別の制御の特徴を表形式で説明する図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技媒体としての遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。遊技領域7には、遊技球を誘導するための多数の釘が植設されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)が行なわれる。よって、演出表示装置9は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう変動表示装置に相当する。演出表示装置9では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、たとえば「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における演出表示装置9の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における演出表示装置9の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が入ったこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行なう権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55の所定領域に記憶される。第1始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第1保留記憶データとして第1保留記憶バッファに記憶され、第2始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第2保留記憶データとして第2保留記憶バッファに記憶される。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。前述した第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、演出表示装置9は、識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aの下部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの下部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている(それぞれの表示領域が設けられている)。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
演出表示装置9における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定され、大当りとなる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能である可変入賞装置である。なお、特別可変入賞球装置20は、閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、特別可変入賞球装置20が閉状態になっている状態は、遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
特別可変入賞球装置20は、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。なお、本実施の形態では、1ラウンドで1回だけ特別可変入賞球装置20を開放状態とする制御例を示したが、これに限らず、1ラウンドで2回等の複数回、特別可変入賞球装置20を開放状態とする制御を行なうようにしてもよい。
演出表示装置9の下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄「○」)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器41においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
図2においては、(A)に大当りおよび小当りを含む当り種別の制御の特徴を示す当り種別表が示され、(B)に2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後におけるベースおよび変動時間状態を決定するために用いられる2R確変大当り後ベース・変動時間状態選択テーブルが示されている。
図2(A)の当り種別表においては、大当りおよび小当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図2(A)に示すように、ラウンド数が異なる大当り遊技状態としては、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。小当りにおいては、2ラウンドの大当り遊技状態と同様の開放回数および開放時間の小当り遊技状態となる。
具体的に、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。
この実施の形態においては、時短状態として、標準時短状態と、当該標準時短状態よりもさらに変動時間が短縮される超時短状態との複数種類の時短状態が含まれている。したがって、以下の説明において、単に「時短状態」と示す場合は、「標準時短状態」と「超時短状態」との両方を包含した時短状態の総称としての意味を持つこととする。以下の説明においては、変動時間が非時短状態、標準時短状態、および、超時短状態のうちいずれの変動時間制御状態(制御モード)にあるかを、変動時間状態という用語で示す。
なお、「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。本実施の形態では、通常大当りは設けられていない例を示すが、15ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りのいずれか一方、または、両方について「通常大当り」を設けてもよい。
また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
このような電チューサポート制御により第2始動入賞口14への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
さらに、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか複数を組合せた状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。また、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうちのいずれか1つの状態に移行させることによって、高ベース状態に移行するようにしてもよい。このように、電チューサポート制御としては、普通図柄短縮制御状態、普通図柄確変制御状態、開放時間延長制御状態、および、開放回数増加制御状態のうち、いずれか1つの状態、いずれか複数(すべての組合せを除く)を組合せた状態、または、すべてを組合せた状態に制御するものであれば、どのような制御を行なうようにしてもよい。
本実施の形態では、特別遊技状態として、確変状態に付随して、時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態として、確変状態とは独立して時短状態および電チューサポート制御状態に制御される場合があるようにしてもよい。その他、特別遊技状態における時短状態と電チューサポート制御状態との関係としては、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよく、時短状態に独立して電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されたときに電チューサポート制御状態に制御される場合と、確変状態に制御されたときに電チューサポート制御状態に制御されない場合とがある。なお、大当りの遊技状態の終了後において、確変状態に制御されず通常状態となるときは、変動表示回数により期間が制限された電チューサポート制御状態に制御されるようにしてもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「高確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。なお、前述の通常大当りのように、大当り遊技状態終了後に大当り確率の状態が低確率状態となるものについて、たとえば電チューサポート制御を行なう場合には、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である「低確高ベース状態」となる。
図2(A)に示すように、15ラウンドの大当りとしては、15R第1確変大当りと、15R第2確変大当りとの複数種類の確変大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、2R確変大当りが設けられている。
15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、電チューサポート制御状態に移行する制御が行なわれる。15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りにおいては、確変状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
15R第1確変大当りにおいては、時短状態が、変動表示が98回という確変状態が継続する変動表示の回数よりも少ない回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。このように時短状態が継続する変動表示の回数は、時短回数とも呼ばれる。15R第2確変大当りにおいては、時短状態が、変動表示が96回という、確変状態が継続する変動表示の回数よりも短く、かつ、15R第1確変大当りの時短状態が継続する変動表示の回数よりも少ない回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。15R第1確変大当りについては、時短状態として、標準時短状態に制御される。15R第2確変大当りについては、時短状態として、超時短状態に制御される。
2R確変大当りは、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態に移行する制御が行なわれ、かつ、次のような第1制御状態または第2制御状態となる大当りである。第1制御状態は、時短状態(超時短状態)および電チューサポート制御状態に移行する制御が行なわれない状態(高確低ベース状態)である。第2制御状態は、超時短状態および電チューサポート制御状態に移行する制御が行なわれる状態(高確高ベース状態)である。
2R確変大当りにおいては、確変状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。また、2R確変大当りについては、前述の第2制御状態としての高確高ベース状態に制御されたときには、時短状態が、変動表示が96回という、確変状態が継続する変動表示の回数よりも短く、かつ、15R第2確変大当りの時短状態が継続する変動表示の回数と同じ回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。2R確変大当りは、確変状態として、標準時短状態よりも平均的な変動時間が短くされる超時短状態に制御される。一方、前述の第1制御状態としての高確低ベース状態に制御されたときには、変動時間状態としては、時短状態に制御されない非時短状態となる。
以上に説明したように、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、および、2R確変大当り(第2制御状態となる場合)となったときには、大当り遊技状態の終了後、高確高ベース状態となり、特定回数の変動表示(96回または98回)が行なわれると、時短状態および電チューサポート状態が終了することにより、確変状態が終了する前(変動表示が100回行なわれるまで)の段階で高確低ベース状態となる。このような確変状態が終了する前に時短状態が終了した状態は、以下の説明において、時短終了確変状態と呼ぶ場合がある。そして、所定回数の変動表示(100回)が行なわれると、確変状態が終了することにより、低確低ベース状態となる。時短終了確変状態においては、後述するように、変動表示が行なわれるときに、その他の遊技状態で変動表示が行なわれるときには実行されないような演出が行なわれる。時短終了確変状態となる変動表示の回数としては、確変状態が終了する前の複数回の変動表示であってもよく、1回の変動表示であってもよい。
小当りは、小当りとなったときの遊技状態(小当り遊技状態)において、2R確変大当りと同様の開放回数および開放時間で特別可変入賞球装置20を開放する当り(有利状態)である。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベース状態とがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されない。このように、小当りは、小当り遊技状態終了後に、小当り遊技状態の開始前における大当り確率およびベース状態のような遊技状態が維持される当りである。
2R確変大当りとすることが決定されたときには、大当り遊技状態の終了後のベース状態および変動時間状態が、図2(B)に示す2R確変大当り後ベース・変動時間状態選択テーブルを用いて選択される。2R確変大当り後ベース・変動時間状態選択テーブルは、遊技制御用マイクロコンピュータ560のROM54に格納されている。
図2(B)の2R確変大当り後ベース・変動時間状態選択テーブルにおいては、2R確変大当り決定時(発生時)の大当り確率およびベースの状態に応じて、選択される大当り遊技状態終了後のベース状態(低ベース、高ベース)および変動時間状態(非時短状態、超時短状態)が設定されている。
2R確変大当りとすることが決定されたときには、大当り確率が通常状態(非確変状態)と確変状態とのどちらにあるかを示す情報としての確変情報(後述する確変フラグがセットされているか否かにより確変状態か否かを示す情報)と、変動時間状態が非時短状態と時短状態(標準時短状態および超時短状態の両方を含む)とのどちらにあるかを示す情報としての時短情報(後述する標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているか否かにより、非時短状態、標準時短状態、超時短状態のいずれであるかを示す情報)とに基づいて、2R確変大当り決定時(発生時)の大当り確率およびベースの状態が確認される。そして、確認された2R確変大当り決定時(発生時)の大当り確率およびベースの状態に応じて、2R確変大当り後ベース・変動時間状態選択テーブルを用い、2R確変大当りの大当り遊技状態終了後のベース状態および変動時間状態が選択される。
2R確変大当り後ベース・変動時間状態選択テーブルにおいては、たとえば、低確低ベース状態において2R確変大当りとすることが決定されたときには、電チューサポート制御が行なわれない低ベース状態とし、変動時間状態を非時短状態とすることが選択決定されるようにデータが設定されている。一方、2R確変大当り後ベース・変動時間状態選択テーブルにおいては、低確低ベース状態以外の状態(本実施の形態では、高確高ベース状態、または、高確低ベース状態)において2R確変大当りとすることが決定されたときには、電チューサポート制御が行なわれる高ベース状態とし、変動時間状態を超時短状態とすることが選択決定されるようにデータが設定されている。この場合の高ベース状態および時短状態は、15R第2確変大当りと同じ96回の変動表示が実行するまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
このように、2R確変大当りについては、2R確変大当り決定時(発生時)の大当り確率およびベースの状態に応じて、大当り遊技状態終了後のベース状態および変動時間状態が異なるように制御される。これにより、2R確変大当りに制御することが決定されたときの遊技状態に応じて2R確変大当りの終了後に超時短状態に制御される場合と、超時短に制御されず非時短状態に制御される場合とが生じるので、遊技状態の変遷の多様化を図ることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
低確低ベース状態において2R確変大当りとすることが決定されると、当該2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後においては、高確低ベース状態となるので、ベース状態が、低確低ベース状態において小当りとすることが決定されたときの小当り遊技状態終了後の状態と同じ低ベース状態となる。これにより、低確低ベース状態において、大入賞口が2回開放される当りが生じたときに、2R確変大当りであるのか、小当りであるのかを遊技者が識別しにくいようにすることが可能となり、遊技の面白味が向上する。
なお、2R確変大当りとしては、大当り遊技状態の終了後において、ベース状態を低ベース状態として変動時間状態を非時短状態とする第1の2R確変大当りと、大当り遊技状態の終了後において、ベース状態を高ベース状態として変動時間状態を超時短状態とする第2の2R確変大当りとを別個に設け、所定の割合でこれら2R確変大当りが選択されるようにしてもよい。
このように第1の2R確変大当りと第2の2R確変大当りとを設ける場合には、たとえば、第2特別図柄の方が、第1特別図柄と比べて、超時短状態とする第2の2R確変大当りが選択される割合を高く設定すればよい。このようにすれば、電チューサポート制御状態においては、可変入賞球装置15が開状態に変化する頻度が高いので、第2特別図柄表示器8bで変動表示が実行される頻度が高くなるが、確変状態および電チューサポート制御状態において、得られる賞球数の点で15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りよりも遊技者にとって不利な2R確変大当りが第2特別図柄表示器8bの変動表示結果により発生した場合に、超時短状態に制御される割合が高いことにより、非時短状態よりも遊技者を落胆させるだけでなく、超時短状態に制御される場合があることにより保留記憶データが早期に消化されることで遊技者に満足感を与えることができる。
また、図2(B)に示すような、2R確変大当りとすることが決定されたときに、電チューサポート制御が行なわれる高ベース状態とし、かつ、変動時間状態を超時短状態とすることが選択決定される状態としては、次のような条件を用いてもよい。たとえば、2R確変大当りとすることが決定されたときが高ベース状態に該当することを条件として、高ベース状態かつ超時短状態とすることを決定してもよい。また、2R確変大当りとすることが決定されたときが高確率状態に該当することを条件として、高ベース状態かつ超時短状態とすることを決定してもよい。また、2R確変大当りとすることが決定されたときが高ベース状態と高確率状態とのどちらか一方に該当することを条件として、高ベース状態かつ超時短状態とすることを決定してもよい。また、2R確変大当りとすることが決定されたときが高ベース状態と高確率状態との両方に該当することを条件として、高ベース状態かつ超時短状態とすることを決定してもよい。
2R確変大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合には、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」とも呼ばれる。「突然確変大当り」は、「突確大当り」または「突確」という略称で呼ばれる場合もある。2R確変大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に賞球が得られない当りである。
なお、2R確変大当りのような実質的に賞球が得られない当りとしては、15ラウンドの大当りであるが、1ラウンドあたりの開放時間がたとえば0.1秒間のように極めて短いことにより、実質的に賞球が得られないものであってもよい。また、実質的に賞球が得られない当りとしては、ラウンド数が少ないこと、または、1ラウンドあたりの開放時間が短いことのうち少なくとも一方が実行されることにより実質的に賞球が得られないものであればよい。具体的に、実質的に賞球が得られない大当り(小当りも同様)については、開放回数が2回で開放時間が0.5秒、または、開放回数が15回で開放時間が0.1秒のように設定すればよい。また、実質的に賞球が得られない大当り(小当りも同様)の代わりに、たとえば、開放回数が2回で開放時間が29秒という大当りのように、15R大当りよりも大当り遊技状態における開放時間の合計値が短いことにより、15R大当りよりも得られる賞球が少ない大当りを設けてもよい。
また、大当りとしては、ラウンド数が同じであるが、1回の開放時間が長い開放パターンの大当りと、1回の開放時間が短い開放パターンの大当りとを設ける等、ラウンド数が同じであるが開放パターンが異なるものを複数設け、第1特別図柄の変動領域で大当りとなったときと、第2特別図柄の変動表示で大当りとなったときとで異なる選択割合で選択して実行されるようにしてもよい。
2R確変大当りと、小当りとは、特別可変入賞球装置20開放回数および開放時間が同じであるので、大当り遊技状態および小当り遊技状態中に、2R確変大当りであるか小当りであるかを遊技者が認識しにくい。さらに、2R確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に制御されず、電チューサポート制御が行なわれない場合があるので、小当り遊技状態の終了後に大当り確率とベースが変化しない小当りと比べると、低確低ベース状態において、2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後と、小当り遊技状態の終了後とで遊技者が動作状況を区別しにくい。これにより、これら2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後、および、小当り遊技状態の終了後において、確変状態となっていることを報知しない共通の演出が行なわれるときには、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくい。このような制御状態は、確変状態が潜伏しているような状態であるので潜伏演出状態と呼ばれ、このような潜伏状態にする制御が潜伏演出制御と呼ばれる。
なお、15ラウンドの大当り、および、2ラウンドの大当りのいずれか一方、または、両方について前述のような「通常大当り」を設ける場合には、ラウンド数が共通する確変大当りと同様の時短状態(たとえば、標準時短および超時短の別、および、継続期間(時短回数)が同様)に制御するようにしてもよい。このように制御する場合には、確変大当りと通常大当りとで、確変状態となっていることを報知しない共通の演出を行なうことにより、前述のような潜伏演出状態に制御するようにしてもよい。
この実施形態によるパチンコ遊技機1においては、演出制御用マイクロコンピュータ100において、2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後および小当り遊技状態の終了後のそれぞれにおいて、確変状態となっていることを報知しない共通の演出を行なう潜伏制御が行なわれる。このような潜伏制御が行なわれることにより、遊技者に対して確変状態であるか否かについての期待感を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、2R確変大当りとしては、大当り遊技状態の終了後においてベース状態を高ベース状態として変動時間状態を標準時短状態とする第1の2R確変大当りと、大当り遊技状態の終了後においてベース状態を高ベース状態として変動時間状態を超時短状態とする第2の2R確変大当りとを別個に設け、所定の割合でこれら2R確変大当りが選択されるようにしてもよい。また、このような複数(2種類)の2R確変大当りを設ける場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで、これら複数の2R確変大当りのそれぞれが選択される割合を異ならせるようにしてもよい。
また、2R確変大当りとしては、次のような3種類の2R確変大当りを別個に設け、所定の割合でこれら2R確変大当りが選択されるようにしてもよい。第1の2R確変大当りとしては、大当り遊技状態の終了後においてベース状態を高ベース状態として変動時間状態を標準時短状態とするものを設ける。第2の2R確変大当りとしては、高ベース状態において当該大当りとすることが決定されたときに大当り遊技状態の終了後においてベース状態を高ベース状態として変動時間状態を超時短状態とし、低ベース状態において当該大当りとすることが決定されたときに大当り遊技状態の終了後においてベース状態を高ベース状態として変動時間状態を標準時短状態とするものを設ける。第3の2R確変大当りとしては、大当り遊技状態の終了後においてベース状態を高ベース状態として変動時間状態を超時短状態とするものを設ける。また、このような複数(3種類)の2R確変大当りを設ける場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで、これら複数(3種類)の2R確変大当りのそれぞれが選択される割合を異ならせるようにしてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27R,27Lが設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。また、左枠LED28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25は、パチンコ遊技機1に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切替え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行なうことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや各保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行なう。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c等の枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27R,27Lに出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、標準時短フラグ、超時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。図6は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込処理においては、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過するごとに、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2msごとに起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、および、2R確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
本実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、および、2R確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
この実施の形態では、15R第1確変大当り、および、15R第2確変大当りである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別とに種別分けされている。また、2R確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチ特殊変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるリーチ特殊変動パターン種別とに種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
また、はずれである場合には、リーチを伴わない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーリーチ変動パターン種別と、極めて短い時間で変動表示を行なう変動パターン種別である超時短変動パターン種別とに種別分けされている。これら変動パターン種別の変動パターンについての平均的な変動時間の関係は、超時短変動パターン種別<通常変動パターン種別<ノーマルリーチ変動パターン種別<スーパーリーチ変動パターン種別である。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なる(時短状態では、時短状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高く設定されている)ように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。また、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定個数以上であるときと、所定個数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されていることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定個数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定個数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される。このように変動表示時間を短縮する制御は、保留数短縮制御と呼ばれる。
また、時短状態のうち、超時短状態であるときには、標準時短状態であるときと比べて、短い変動パターンが選択される割合が高くなる。
変動パターン種別の設定としては、たとえば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回未満の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動4回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出等の特定演出の有無でグループ化してもよい。
ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、演出表示装置9において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定される。また、擬似連変動を実行した場合には、必ず最終的にリーチ状態として何らかのリーチ演出を実行するようにしてもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算更新)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。
図8は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
以下の説明において、通常時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定テーブルに設定された通常時(非確変時)用の大当り判定値は、確変時大当り判定テーブルにおいても共通の大当り判定値として用いられるものであり、通常時大当り判定値(第1大当り判定値ともいう)という。また、確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値のうち、通常時大当り判定値以外の確変時固有の大当り判定値(第2大当り判定値ともいう)は、確変時において前述の通常時大当り判定値に加えて固有の大当り判定値として用いられるものであり、確変時大当り判定値という。
図8(B)は、ROM54に記憶されている小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルには、通常状態での小当り判定に用いられる通常時(非確変時)小当り判定テーブルと、確変状態での小当り判定に用いられる確変時小当り判定テーブルとがある。通常時小当り判定テーブルには、図8(B)の左欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定され、確変時小当り判定テーブルには、図8(B)の右欄に記載されている各数値が小当り判定値に設定されている。小当り判定は、ランダムRから抽出した値が、遊技状態に応じて設定されている小当り判定値と合致するか否かを判定することにより行なわれる。合致すると判定したときには、小当り遊技状態に制御される。図8(B)に示されるように、確変時用の方が、通常時用よりも、小当り判定値が多く設定されている。
図8(A),(B)に記載されている数値が大当り判定値または小当り判定値である。なお、以下、ランダムRの値に対応する大当り判定値と小当り判定値とを、「当り判定値」とまとめて表現することがある。また、ランダムRの値に対応する大当り判定と小当り判定とを、「当り判定」とまとめて表現することがある。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、または、2R確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致しないときは、大当り判定用乱数値が図8(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A),(B)に示す「確率」は、大当りまたは小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8(C),(D)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。このうち、図8(C)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。
また、図8(D)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「15R第1確変大当り」、「15R第2確変大当り」、「2R確変大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照されるテーブルである。
図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図8(D)〜(F)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R第1確変大当り」、「15R第2確変大当り」、「2R確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。同様に、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「15R第1確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。「15R第2確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「2R確変大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の第1特別図柄および第2特別図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。
このように、図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれにおいては、1つの大当り図柄に複数の判定値が対応付けられている。しかし、これに限らず、1つの大当り図柄に1つの判定値が対応付けられるようにしてもよい。たとえば、大当り図柄が「00」〜「99」までの100図柄ある場合に、たとえば、大当り図柄「00」に対して大当り種別判定値「00」が対応し、大当り図柄「99」に対して大当り種別判定値「99」が対応するというように、「00」〜「99」という100個の大当り種別判定値が、「00」〜「99」という100図柄の大当り図柄に1対1で対応するようにしてもよい。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブル、および、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、次のような関係でデータが設定されている。
図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれとを比較した場合、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15R大当り(15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当り)に決定される割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、賞球を多く獲得しやすいという点で遊技者にとって有利となる変動表示を行なうことが可能である。その理由は、15R大当りは、大当り遊技状態において、2R大当りと比べて、特別可変入賞球装置20の開放パターンが多くの入賞球が得られるように設定されているため、より多くの賞球が得られる大当りであるからである。つまり、2R大当りが実質的に賞球が得られない当りにより構成されるため、15R大当りでは、2R大当りと比べて、多くの賞球が得られる。
また、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15R確率大当りのうちの15R第2確変大当りに決定される割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、超時短状態となる15R第2確変大当りとなる割合が高くなる。なお、第1特別図柄大当り種別判定テーブルと第2特別図柄大当り種別判定テーブルとで、15R第2確変大当りに決定される割合が同じであってもよい。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、15R第2確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
また、図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、2R確変大当りに決定する判定値数が多く設定されている。これにより、第1特別図柄の変動表示の方が、第2特別図柄の変動表示よりも、2R確変大当りに決定される割合が高くなる。また、図2(B)に示したように、2R確変大当りとすることが決定されたときに、超時短状態による高ベース状態となるか、非時短状態による低ベース状態となるかは、その大当りとする決定がされたときの遊技状態(大当り確率およびベースの状態)により異なる。たとえば、低確低ベース状態で2R確変大当りとすることが決定されたときには、非時短状態による低ベース状態となることが決定され、低確低ベース状態以外の高確高ベース状態または高確低ベース状態で2R確変大当りとすることが決定されたときには、超時短状態による高ベースとなることが決定される。したがって、第1特別図柄および第2特別図柄とも、2R確変大当りとする決定がされたときに、超時短状態となるか否かは、当該決定がされたときの遊技状態により異なることとなる。
また、15R確変大当りおよび2R確変大当り全体で考えると、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、超時短状態となる確変大当り(15R第2確変大当りおよび2R確変大当りを含む)に決定される割合が高い。これにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、超時短状態となる確変大当りに決定される割合が高くなる。
なお、前述のように、2R確変大当りとして、大当り遊技状態の終了後において、ベース状態を低ベース状態として変動時間状態を非時短状態とする第1の2R確変大当りと、大当り遊技状態の終了後において、ベース状態を高ベース状態として変動時間状態を超時短状態とする第2の2R確変大当りとを別個に設け、所定の割合でこれら2R確変大当りが選択されるようにする場合には、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、2R確変大当りのうち、超時短状態となる第2の2R確変大当りに決定される割合が高くなるように設定すればよい。たとえば、第2の2R確変大当りの大当り種別判定値として割振られたデータの個数が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が多くなるようにテーブルのデータが設定されればよい。また、2R確変大当りの大当り種別判定値として割振られたデータ全体個数(第1の2R確変大当りおよび第2の2R確変大当りの合計データ個数)に対する、第2の2R確変大当りの大当り種別判定値として割振られたデータの個数の割合が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が多くなるようにテーブルのデータが設定されてもよい(第2の2R確変大当りに割振られた大当り種別判定値のデータ個数自体は第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が少ないが、2R確変大当り全体の大当り種別判定値として割振られたデータ全体の個数に対する、第2の2R確変大当りに割振られた大当り種別判定値のデータ個数の割合が多いものも含まれる)。このようにすれば、電チューサポート制御状態においては、可変入賞球装置15が開状態に変化する頻度が高いので、第2特別図柄表示器8bで変動表示が実行される頻度が高くなるが、確変状態および電チューサポート制御状態において、得られる賞球数の点で15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りよりも遊技者にとって不利な2R確変大当りが第2特別図柄表示器8bの変動表示結果により発生した場合に、超時短状態に制御される割合が高いことにより、遊技者を落胆させるだけでなく、超時短状態に制御される場合があることにより保留記憶データが早期に消化されることで遊技者に満足感を与えることができる。
電チューサポート制御が行なわれる高ベース状態であるときには、第1始動入賞口13に対して第2始動入賞口14に入賞する頻度が極めて高くなることに基づいて、第1特別図柄に対して第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が極めて高くなる。第2特別図柄大当り種別判定テーブルとして用いる(D)の判定テーブルは、第1特別図柄大当り種別判定テーブルとして用いる(C)の判定テーブルと比べて、15R第2確変大当りが選択される割合が高い。これにより、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも、超時短状態に制御される割合が高い。したがって、超時短状態のときの方が、それ以外の状態のときよりも、超時短状態に制御される割合が高い。
また、この実施の形態では、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態に制御する特定遊技状態である大当りとして、所定量の遊技価値(たとえば、ラウンド数)を付与する第1特定遊技状態(15R第1確変大当り)および第2特定遊技状態(15R第2確変大当り)としての15ラウンドの大当りと、該遊技価値よりも少ない量の遊技価値を付与することで第1特定遊技状態および第2特定遊技状態よりも不利な第3特定遊技状態としての2ラウンドの大当り(2R確変大当り)とを決定する場合を説明している。しかし、特定遊技状態に対して付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第3特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第1特定遊技状態および第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、第3特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第1特定遊技状態および第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、たとえば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第3特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第1特定遊技状態および第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第1特定遊技状態および第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、たとえば、第3特定遊技状態または第1特定遊技状態および第2特定遊技状態のいずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第3特定遊技状態の場合には15ラウンドすべてを終了し、第1特定遊技状態および第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第3特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンドすべてを終了していることから大当り遊技を終了し、第1特定遊技状態および第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。このように、第1特定遊技状態および第2特定遊技状態と第3特定遊技状態との関係は、特定遊技状態に付与される前述のような遊技価値等により、第1特定遊技状態および第2特定遊技状態に対して第3特定遊技状態の方が不利なものであればよい。
図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および、大当り種別を示す演出制御コマンドである。コマンド8C01(H)は、はずれに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C02(H)は、15R第1確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C03(H)は、15R第2確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C04(H)は、2R確変大当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。コマンド8C05(H)は、小当りに決定されていることを指定する演出制御コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、および、大当り開始3指定コマンドというような複数のコマンドが含まれる。大当り開始1指定コマンドは、15R第1確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。大当り開始2指定コマンドは、15R第2確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。大当り開始3指定コマンドは、2R確変大当りの大当り遊技状態の開始を指定する場合に送信される。コマンドA006は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り遊技の終了を指定するとともに、15R第1確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り遊技の終了を指定するとともに、15R第2確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、大当り遊技の終了を指定するとともに、2R確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、小当り遊技の終了を指定するとともに、小当りであったことを指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞口13について第1特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、第2始動入賞口14について第2特別図柄の変動表示が行なわれる始動入賞、すなわち、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が標準時短状態であることを指定する演出制御コマンド(標準時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が超時短状態であることを指定する演出制御コマンド(超時短状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が確変状態であることを指定する演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。コマンドB004(H)は、時短状態(標準時短状態および超時短状態を含む)が終了したことを指定する演出制御コマンド(時短終了指定コマンド)である。コマンドB005(H)は、確変状態が終了したことを指定する演出制御コマンド(確変終了指定コマンド)である。
このような演出制御コマンドにより、遊技状態が、通常状態、標準時短状態、超時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを演出制御用マイクロコンピュータ100に知らせることができる。たとえば、確変状態指定コマンドおよび標準時短状態指定コマンドを送信すると、15R第1確変大当りにより、高確高ベース状態で標準時短状態となっていることを知らせることができる。また、確変状態指定コマンドおよび超時短状態指定コマンドを送信すると、15R第2確変大当りまたは2R確変大当りにより、高確高ベース状態で超時短状態となっていることを知らせることができる。また、高確高ベース状態で時短終了指定コマンドを送信すると、15R第1確変大当り、15R第2確変大当りまたは2R確変大当りの後、標準時短状態または超時短の終了により高確低ベース状態となっていることを知らせることができる。また、高確低ベース状態で確変終了指定コマンドを送信すると、確変状態の終了により低確低ベース状態となっていることを知らせることができる。また、高確高ベース状態で確変終了指定コマンドおよび時短終了指定コマンドを送信すると、15R第1確変大当り、15R第2確変大当りまたは2R確変大当りの後、時短状態の終了条件となる回数の変動表示が実行される前に大当りが発生して低確低ベース状態となっていることを知らせることができる。また、低確低ベース状態で確変状態指定コマンドを送信し、標準時短状態指定コマンドと超時短状態指定コマンドとのどちらも送信しないときには、低確低ベース状態で発生した2R確変大当りにより、高確低ベース状態となっていることを知らせることができる。
これにより、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技状態が、通常状態、標準時短状態、超時短状態、および、確変状態のうちのどの状態またはどの状態の組合せになっているかを認識することができるので、通常状態、標準時短状態、超時短状態、および、確変状態のそれぞれの状態に応じた画像表示等の各種演出を行なうことが可能となる。なお、時短状態であることを指定する演出制御コマンドとしては、標準時短状態と超時短状態とを演出制御コマンドで個別に示さず、標準時短状態および超時短状態を含む時短状態にあることを示す包括的な時短コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、前述の通常状態指定コマンド、標準時短状態指定コマンド、超時短状態指定コマンド、および、確変状態指定コマンド等のコマンド以外の演出制御コマンドに基づいて、遊技状態を認識するようにしてもよい。たとえば、15R第1確変大当りであったことを指定する大当り終了1指定コマンドを受信したときに、大当り遊技状態の終了後に、標準時短状態となる高確高ベース状態となることを認識することができる。また、15R第2確変大当りであったことを指定する大当り終了2指定コマンドを受信したときに、大当り遊技状態の終了後に、超時短状態となる高確高ベース状態となることを認識することができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識している遊技状態が低確低ベース状態以外の状態であるときにおいて、2R確変大当りであったことを指定する大当り終了3指定コマンドを受信したときに、大当り遊技状態の終了後に、超時短状態となる高確高ベース状態となることを認識することができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識している遊技状態が低確低ベース状態以外の状態であるときにおいて、2R確変大当りであったことを指定する大当り終了3指定コマンドを受信したときに、大当り遊技状態の終了後に、低確低ベース状態となることを認識することができる。また、大当り終了1指定コマンド〜大当り終了3指定コマンドのような大当り終了時のコマンドの代わりに、表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンド、および、表示結果4指定コマンドのような、どの種別の大当りとなるかを特定可能な演出制御コマンドを受信したことに基づいて、大当り遊技状態の終了後にどのような遊技状態になるかを認識するようにしてもよい。さらに、大当り終了時の終了後において、標準時短状態または超時短状態のような時短状態となるときに、大当り遊技状態の終了後に受信した変動パターンコマンド等の変動表示の実行を特定可能な演出制御コマンドに基づいて、変動表示の実行回数を計数することにより、前述したような96回、98回、100回のような時短状態の終了タイミングを演出制御用マイクロコンピュータ100側で判断することにより、時短状態の終了タイミング、および、確変状態の終了タイミングを演出制御用マイクロコンピュータ100側で確認するようにしてもよい。また、大当り確率の状態、または、ベース状態の少なくとも一方が変化するときに、低確低ベース状態を特定する演出制御コマンド、高確低ベース状態を特定する演出制御コマンド、および、高確高ベース状態を特定する演出制御コマンドを遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータが、現在の遊技状態を明確に認識するようにしてもよい。
コマンドC0XX(H)は、第1保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、第1保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第2保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第2保留記憶数を示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図9に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図9に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)と、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図10は、ROM54に記憶されている開放パターンデータテーブルの内容を表形式で示す図である。開放パターンデータテーブルのデータは、各種別の大当りおよび小当りのそれぞれについて、開放回数(ラウンド上限数)、開放時間(各ラウンド中の開放時間)、および、インターバル時間(各ラウンド間時間)を含む特別可変入賞球装置20の開放パターンを示すテータである。
図10を参照して、15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りのそれぞれは、開放回数が15回、開放時間が29秒、インターバル時間が5秒である。2R確変大当り、および、小当りのそれぞれは、開放回数は2回であり、インターバル時間が0.5秒であることで共通する。
なお、インターバル時間は、15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りと、2R確変大当りとで同じ時間となるように設定してもよい。また、賞球が得られやすい大当り(たとえば15R第1確変大当り、15R第2確変大当り)と、賞球が得られにくい大当り(たとえば2R確変大当り)とについて、大当りのラウンド数を一定のラウンド数(たとえば15ラウンド)に設定し、賞球が得られやすい大当りについては賞球が得られやすい長い開放時間とし、賞球が得られにくい大当りについては賞球が得られにくい極めて短い開放時間とするようにしてもよい。
図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。
上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンして第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)が発生していたとき、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が発生していたときには(S311)、始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理を実行せずに、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、変動表示を開始する特別図柄に対応する保留記憶バッファ(図13の第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)に記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には、大当り種別を決定する。また、大当りとしない場合には、小当りとするか否か(はずれとするか)を決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグと小当りフラグとのどちらもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄および飾り図柄が停止されるように制御する。また、大当り遊技状態となったときの状態が確変状態であり、確変フラグがセットされていたときには、確変フラグがリセットされる(当該大当りが確変となる大当りであるか否かに関わらずリセットされる)。また、時短状態の終了条件が成立したときには、時短フラグ(標準時短フラグ、超時短フラグ)がリセットされる。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大当りの種別に応じて、前述のような開放パターンにしたがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグ、標準時短フラグ、超時短フラグ等)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、前述のような小当りの開放パターンにしたがって大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口を開放する時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残り開放回数がある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、すべての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図12は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、オンしたのが第1始動口スイッチ13aであるか否かを確認する(S211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S213)。
図13は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図13に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S214)。具体的に、S214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。また、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S215)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S215で第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なった後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S222)。第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、処理を終了する。なお、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値が4であれば、再度第1始動口スイッチ13aがオンしているか否かを確認する(S211参照)処理を行なうようにしてもよい。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S223)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S224)。
次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行ない(S225)処理を終了する。
なお、S213〜S215の処理とS223〜S225の処理とを、1つの共通ルーチンで実現してもよい。その場合、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態になったことを検出した場合に「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態になったことを検出した場合に「第2」を示すデータをセットし、共通ルーチンで、セットされているデータに応じて、保留記憶バッファ(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)を選択したり始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)を選択する。
次に、図14〜図20を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図14〜図20は、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルを表形式で示す図である。
変動パターンテーブルとしては、ROM54に、非時短状態はずれ時第1判定テーブル、非時短状態はずれ時第2判定テーブル、標準時短状態はずれ時第1判定テーブル、標準時短状態はずれ時第2判定テーブル、標準時短状態はずれ時第3判定テーブル、超時短状態はずれ時第1判定テーブル、超時短状態はずれ時第2判定テーブル、超時短状態はずれ時第3判定テーブル、時短終了確変状態はずれ時判定テーブル、非時短状態15R大当り時判定テーブル、標準時短状態15R大当り時判定テーブル、超時短状態15R大当り時判定テーブル、時短終了確変状態15R大当り時判定テーブル、非時短状態2R大当り時判定テーブル、標準時短状態2R大当り時判定テーブル、超時短状態2R大当り時判定テーブル、時短終了確変状態2R大当り時判定テーブル、非時短状態小当り時判定テーブル、標準時短状態小当り時判定テーブル、超時短状態小当り時判定テーブル、および、時短終了確変状態小当り時判定テーブル、が記憶されており、遊技状態に応じて選択的に用いられる。
図14は、非時短状態はずれ時第1判定テーブルおよび非時短状態はずれ時第2判定テーブルを示す説明図である。図15は、標準時短状態はずれ時第1判定テーブル、標準時短状態はずれ時第2判定テーブル、および、標準時短状態はずれ時第3判定テーブルを示す説明図である。図16は、超時短状態はずれ時第1判定テーブル、超時短状態はずれ時第2判定テーブル、および、超時短状態はずれ時第3判定テーブルを示す説明図である。図17は、時短終了確変状態はずれ時判定テーブルを示す説明図である。図18は、非時短状態15R大当り時判定テーブル、標準時短状態15R大当り時判定テーブル、超時短状態15R大当り時判定テーブル、および、時短終了確変状態15R大当り時判定テーブルを示す説明図である。図19は、非時短状態2R大当り時判定テーブル、標準時短状態2R大当り時判定テーブル、および、超時短状態2R大当り時判定テーブルを示す説明図である。図20は、非時短状態小当り時判定テーブル、標準時短状態小当り時判定テーブル、超時短状態小当り時判定テーブル、および、時短終了確変状態2R大当り時判定テーブルを示す説明図である。
図14〜図20の各判定テーブルは、ROM54に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを選択決定(判定)するために用いられる。
図14〜図20に示す判定テーブルのそれぞれは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図14〜図20の各テーブルでの変動パターンの欄において、変動パターンの欄には、各変動パターンの変動表示が行なわれるときの変動時間が括弧書きで示されている。
「通常変動」は、リーチとならない非リーチの変動パターン(10秒)を示している。
「ノーマルリーチ」は、ノーマルリーチの変動パターンを示している。「第1ノーマルリーチ」(20秒)と「第2ノーマルリーチ」(20秒)とは、変動表示時の背景が異なる。
「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な背景画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。「第1スーパーリーチ」(30秒)は、第1の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第2スーパーリーチ」(30秒)は、第2の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第3スーパーリーチ」(30秒)は、第3の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第4スーパーリーチ」(30秒)は、第4スーパーリーチ以外の変動パターンでは表示されない第1の特別なキャラクタ画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第5スーパーリーチ」(30秒)は、第5スーパーリーチ以外の変動パターンでは表示されない第2の特別なキャラクタ画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。
「通常変動」(10秒)は、「第1ノーマルリーチ」および「第2ノーマルリーチ」のようなノーマルリーチの変動パターン種別、ならびに、「第1スーパーリーチ」〜「第5スーパーリーチ」のようなスーパーリーチの変動パターン種別と比べて、変動時間が短い。また、「第1ノーマルリーチ」および「第2ノーマルリーチ」は、「第1スーパーリーチ」〜「第5スーパーリーチ」と比べて、変動時間が短い。
「超時短変動」(1秒)は、1秒間等のように極めて短い変動時間で変動表示を行なう超時短変動パターンであり、他のどの変動パターンよりも変動時間が短い。「超時短変動」の変動表示は、変動時間が極めて短いため、たとえば演出図柄の変動態様としては、その場で瞬時に演出図柄の停止図柄が表示される態様の変動が行なわれ、演出図柄以外の変動態様としては、大当りとなるかどうかを煽るようなリーチ演出(リーチとなる変動パターンで行なわれるようなリーチ演出)は行なわれない。そして、「超時短変動」での変動表示が行なわれるときには、たとえば、超時短変動以外の変動表示においては表示されない特定の模様を背景画像として表示する等、超時短変動以外の変動表示において行なわれない演出をすることにより、遊技者が、「超時短変動」であることを容易に識別可能な表示が演出表示装置9において行なわれる。
「第1非リーチ特殊」(10秒、6秒、または、3秒)および「第2非リーチ特殊」(10秒、6秒、または、3秒)は、2ラウンド大当り用の非リーチ特殊変動パターン種別に含まれる変動パターンであり、「第1ノーマルリーチ」および「第2ノーマルリーチ」と比べて変動時間が短い。また、「第1リーチ特殊」(15秒、10秒、または、5秒)、「第2リーチ特殊」(15秒、10秒、または、5秒)、「第3リーチ特殊」(15秒、10秒、または、5秒)、「第4リーチ特殊」(15秒)、および、「第5リーチ特殊」(15秒)は、2R確変大当り用のリーチ変動パターン種別に含まれる変動パターンであり、たとえば、「第1スーパーリーチ」〜「第5スーパーリーチ」と比べて変動時間が短い。「第1非リーチ特殊」、および、「第2非リーチ特殊」のそれぞれは、変動表示中にリーチ図柄の組合せを表示せずに2R大当り図柄の組合せとしてのチャンス目を表示する特殊な変動パターンである。「第1リーチ特殊」、「第2リーチ特殊」、「第3リーチ特殊」、「第4リーチ特殊」、および、「第5リーチ特殊」のそれぞれは、変動表示中に一旦リーチ図柄の組合せを表示した後、図柄が差替えられることにより最終的に2R大当り図柄の組合せとしてのチャンス目を表示する特殊な変動パターンである。「第1リーチ特殊」〜「第3リーチ特殊」のそれぞれは、これら変動パターンごとに異なる特定の背景画像を用いた演出が行なわれる変動パターンである。「「第4リーチ特殊」は、第4リーチ特殊以外の変動パターンでは表示されない第1の特定のキャラクタ画像を用いた演出が行なわれる変動パターンである。「第5リーチ特殊」は、第5リーチ特殊以外の変動パターンでは表示されない第2の特定のキャラクタ画像を用いた演出が行なわれる変動パターンである。
また、「第1非リーチ特殊」および「第2非リーチ特殊」は、「第1リーチ特殊」、「第2リーチ特殊」、「第4リーチ特殊」、および、「第5リーチ特殊」と比べて、変動時間が短い。
なお、2ラウンド大当り用の変動パターンおよび小当り用の変動パターンは、2ラウンド大当りおよび小当り以外の大当り種別の変動パターンと共通の変動パターンを用いるようにしてもよい。「第1ノーマルリーチ」と「第2ノーマルリーチ」との演出の相違点、「第1スーパーリーチ」と「第2スーパーリーチ」と「第3スーパーリーチ」との演出の相違点、「第1非リーチ特殊」と「第2非リーチ特殊」との演出の相違点、および、「第1リーチ特殊」と「第2リーチ特殊」と「第3リーチ特殊」との演出の相違点は、それぞれ変動表示時の背景が異なるものであってもよいが、変動表示時の背景が異なるものではなく、たとえば、変動表示時に表示されるキャラクタが異なるもの、または、変動表示時における図柄の変動態様(たとえば、変動方向)が異なるもの等、遊技者が何らかの形で異なる変動表示であることを認識できるものであればよい。また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。
「はずれ」は、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。「15R大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「15R大当り」の表示結果となる変動パターンである。「2R大当り」は、変動表示の最終的な表示結果が「2R大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、「第1スーパーリーチ はずれ」という変動パターンは、変動パターンコマンドにより、「はずれ表示結果となる第1スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図14〜図20のテーブルにおいて、「ランダム2範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブルを示す欄である。たとえば、図14(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、所定のタイミングで抽出したランダム2の値が230〜251の数値範囲のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「スーパーリーチ」とすることが決定される。また、図16(c)を例にとれば、「超時短」というような変動パターン種別に、ランダム2(1〜251)のすべての値が割振られている。また、図19(a)を例にとれば、「非リーチ特殊」、「リーチ特殊」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。
また、図14〜図20のそれぞれのテーブルにおいて、「ランダム3範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブルを示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図14(a)を例にとれば、「ノーマルリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1ノーマルリーチ はずれ」、「第2ノーマルリーチ はずれ」である。各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3(0〜99)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3の値に応じて、「第1スーパーリーチ はずれ」、「第2スーパーリーチ はずれ」、および、「第3スーパーリーチ はずれ」のうちから変動パターンが選択決定される。
本実施の形態では、標準時短状態および超時短状態を含む時短状態に該当しない非時短状態(低ベース状態)のうち、前述のような確変状態の前に時短状態が終了した状態としての時短終了確変状態では、その他の遊技状態で変動表示が行なわれるときには実行されないような演出が行なわれる。したがって、同じ非時短状態であっても、時短終了確変状態であるときと、時短終了確変状態以外の状態であるときとでは、異なる変動パターンで変動表示が行なわれる。これにより、非時短状態においては、時短終了確変状態であるときと、時短終了確変状態以外の状態であるときとで、異なる判定テーブルを用いて変動パターンが選択決定される。
本実施の形態では、非時短状態(具体的には、低確低ベース状態、または、高確低ベース状態)のうち、時短終了確変状態以外の非時短状態においては、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果がはずれとなるときには、変動表示を開始する特別図柄について、変動パターン決定時の保留記憶数が0または1であれば図14(a)の非時短状態はずれ時第1判定テーブルを選択し、変動パターン決定時の保留記憶数が2または3であれば保留数短縮制御を行なうために図14(b)の非時短状態はずれ時第2判定テーブルを選択する。
図14(a),(b)に示すように、時短終了確変状態以外の非時短状態ではずれとする決定がされたときに、変動表示を開始する特別図柄に対応する変動パターン決定時の保留記憶数が2または3のときは、当該変動パターン決定時の保留記憶数が0または1のときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低いように、図14の非時短状態はずれ時第1判定テーブルおよび非時短状態はずれ時第2判定テーブルにデータが設定されている。これにより、時短終了確変状態以外の非時短状態のときには、保留記憶数の増加に基づいて、変動表示が短い変動パターンが選択される割合が高くなるので、保留記憶数に応じて変動時間が短縮される保留数短縮制御が行なわれる。
15R第1確変大当りの大当り遊技状態の終了後における時短状態である標準時短状態においては、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。
標準時短状態において、第1特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターン決定時の第1保留記憶数に関係なく、図15(a)の標準時短状態はずれ時第1判定テーブルを選択する。
図15(a)の標準時短状態はずれ時第1判定テーブルでは、図14(a)の非時短状態はずれ時第1判定テーブルのときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が低く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が高くなるように、データが設定されている。これにより、標準時短状態において、第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときには、時短終了確変状態以外の非時短状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときよりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合が高いので、時短終了確変状態以外の非時短状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときと比べて平均的に長い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。また、標準時短状態において第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときには、保留記憶数の増加に基づいて、変動表示が短い変動パターンが選択される割合が高くなることがないように設定されている。
このように、標準時短状態において、第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときには、時短終了確変状態以外の非時短状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときよりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合を高くした理由は、次の通りである。第1特別図柄の変動表示については、標準時短状態において、保留記憶された第2特別図柄による変動表示は、短い変動時間が選択される割合が高いので、早期に消化され過ぎてしまい、第1特別図柄の変動表示が行なわれてしまうときがある。そのようなときでも、当該第1特別図柄の変動表示の変動時間が極めて長くなるので、その間に普通図柄の変動表示(電チューサポート状態では普通図柄の変動時間は図32のように1秒間)が行なわれて表示結果が当りとなることで可変入賞球装置15の開放により第2保留記憶が発生しやすくなるため、稀に生じる第1保留記憶情報に基づく第1特別図柄の変動表示が実行されても、当該変動表示が頻繁に実行されるのを防ぐことが可能となる。そして、このように、標準時短状態において、第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときに、時短終了確変状態以外の非時短状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときよりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合を高くしても、標準時短状態においては、短い変動時間が選択される割合が高い第2特別図柄が主として変動表示されるので、第1特別図柄および第2特別図柄を合せた特別図柄全体の平均的な変動時間は、時短終了確変状態以外の非時短状態における平均的な変動時間よりも短縮されることとなる。
標準時短状態において、第2特別図柄について、変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターン決定時の第2保留記憶数が0であれば図15(b)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルを選択し、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかであれば保留数短縮制御を行なうために図15(c)の標準時短状態はずれ時第3判定テーブルを選択する。
図15(b)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルでは、時短終了確変状態以外の非時短状態において変動パターン決定時の第2保留記憶数が0または1であるときに選択される図14(a)の非時短状態はずれ時第1判定テーブルのときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。さらに、図15(b)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルでは、図14(a)の非時短状態はずれ時第1判定テーブルのときと比べて、通常変動の変動時間が短い。これにより、第2特別図柄の変動表示がはずれとなるときに保留数短縮制御が行なわれないときには、標準時短状態において行なわれる変動表示の方が、時短終了確変状態以外の非時短状態において行なわれる変動表示よりも変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短終了確変状態以外の非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。
図15(b),(c)に示すように、標準時短状態で第2特別図柄についてはずれとする決定がされたときに、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかのときは、変動パターン決定時の第2保留記憶数が0のときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低いように、図15(b),(c)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルおよび標準時短状態はずれ時第3判定テーブルにデータが設定されている。これにより、第2特別図柄について、標準時短状態のときには、第2保留記憶数の増加に基づいて、変動表示が短い変動パターンが選択される割合が高くなるので、第2保留記憶数に応じて変動時間が短縮される保留数短縮制御が行なわれる。
図15(c)の標準時短状態はずれ時第3判定テーブルでは、時短終了確変状態以外の非時短状態において変動パターン決定時の第2保留記憶数が2または3であるときに選択される図14(b)の非時短状態はずれ時第2判定テーブルのときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。さらに、図15(c)の標準時短状態はずれ時第3判定テーブルでは、図14(b)の非時短状態はずれ時第2判定テーブルのときと比べて、通常変動の変動時間が短い。これにより、第2特別図柄の変動表示がはずれとなるときに保留数短縮制御が行なれるときには、標準時短状態において行なわれる変動表示の方が、時短終了確変状態以外の非時短状態において行なわれる変動表示よりも変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、比較的短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。
図14と図15とを比較すると、標準時短状態のときは、時短終了確変状態以外の非時短状態のときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が高く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が低いようにデータが設定されている。さらに、標準時短状態のときは、時短終了確変状態以外の非時短状態のときと比べて、標準時短状態において主として変動表示が行なわれる第2特別図柄の通常変動の変動時間が短い時間に設定されている。これにより、標準時短状態のときには、時短終了確変状態以外の非時短状態のときよりも変動表示が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短終了確変状態以外の非時短状態のときよりも変動時間が短縮される時短状態となる。
15R第2確変大当りまたは2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後における時短状態である超時短状態においては、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。
超時短状態において、第1特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターン決定時の第1保留記憶数に関係なく、図16(a)の超時短状態はずれ時第1判定テーブルを選択する。
図16(a)の超時短状態はずれ時第1判定テーブルでは、図14(a)の非時短状態はずれ時第1判定テーブルのときと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が低く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が高くなるように、データが設定されている。これにより、超時短状態において、第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときには、時短終了確変状態以外の非時短状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときよりも変動表示が長い変動パターンが選択される割合が高いので、時短終了確変状態以外の非時短状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときと比べて平均的に長い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。また、超時短状態において第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときには、保留記憶数の増加に基づいて、変動表示が短い変動パターンが選択される割合が高くなることがないように設定されている。
このように、超時短状態において、第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときには、時短終了確変状態以外の非時短状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときよりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合を高くした理由は、次の通りである。第1特別図柄の変動表示については、超時短状態において、保留記憶された第2特別図柄による変動表示は、短い変動時間が選択される割合が高いので、早期に消化され過ぎてしまい、第1特別図柄の変動表示が行なわれてしまうときがある。そのようなときでも、当該第1特別図柄の変動表示の変動時間が極めて長くなるので、その間に普通図柄の変動表示(電チューサポート状態では普通図柄の変動時間は図32のように1秒間)が行なわれて表示結果が当りとなることで可変入賞球装置15の開放により第2保留記憶が発生しやすくなるため、稀に生じる第1保留記憶情報に基づく第1特別図柄の変動表示が実行されても、当該変動表示が頻繁に実行されるのを防ぐことが可能となる。そして、このように、超時短状態において、第1特別図柄の変動表示がはずれとなるときに、時短終了確変状態以外の非時短状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0または1のときよりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合を高くしても、超時短状態においては、短い変動時間が選択される割合が高い第2特別図柄が主として変動表示されるので、第1特別図柄および第2特別図柄を合せた特別図柄全体の平均的な変動時間は、時短終了確変状態以外の非時短状態における平均的な変動時間よりも短縮されることとなる。
なお、図16(a)の超時短状態はずれ時第1判定テーブルについては、変動パターン種別に関わらず、変動時間が30秒程度の一定時間に固定された変動パターンが常に選択されるようにしてもよい。図16(a)の超時短状態はずれ時第1判定テーブルについては、少なくとも、時短終了確変状態以外の非時短状態で変動パターン決定時の第1保留記憶数が0のときと比べて平均的に長い変動時間で変動表示が行なわれる変動パターンが選択されればよい。
超時短状態において、第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターン決定時の第2保留記憶数が0であれば図16(b)の超時短状態はずれ時第2判定テーブルを選択し、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかであれば保留数短縮制御を行なうために図16(c)の超時短状態はずれ時第3判定テーブルを選択する。
図16(b)の超時短状態はずれ時第2判定テーブルでは、同じく変動パターン決定時の第2保留記憶数が0であるときに選択される図15(b)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルと比べて、通常変動(非リーチはずれ変動)に決定される割合が低く、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)に決定される割合が高くなるように、データが設定されている。これにより、第2特別図柄の変動パターン決定時の第2保留記憶数が0であるときに、第2特別図柄の変動表示がはずれとなるときには、超時短状態において行なわれる変動表示の方が、標準時短状態において行なわれる変動表示よりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合が高いので、標準時短状態のときと比べて平均的に長い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。
このように、超時短状態において、第2特別図柄の変動表示がはずれとなるときには、標準時短状態で変動パターン決定時の第2保留記憶数が0のときよりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合を高くした理由は、次の通りである。超時短状態において、第2特別図柄は、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかのときに変動時間が極めて短い超時短変動の変動パターンが選択されることにより1回の変動表示が極めて早期に終了するため、第2保留記憶情報が極めて早期に消化されてしまう。そのようなときでも、変動パターン決定時の第2保留記憶数が0のときに、変動時間が標準時短状態において変動パターン決定時の第2保留記憶数が0のときに決定される変動時間よりも長い時間の変動パターンが選択されることにより、超時短状態における第2特別図柄の変動表示は、保留記憶情報の記憶数が所定数以上となったときに実行が促進されるが、当該記憶数が所定数未満であるときには実行が促進されにくくなる。変動時間が長くなると、その間に普通図柄の変動表示(電チューサポート状態では普通図柄の変動時間は図32のように1秒間)が行なわれて表示結果が当りとなることで可変入賞球装置15の開放により第2保留記憶が発生しやすくなるため、超時短状態において、第2特別図柄による変動表示が余りに早期に消化され過ぎてしまい、稀に生じる第1保留記憶情報に基づく第1特別図柄が頻繁に実行されてしまうのを防ぐことが可能となる。そして、このように、超時短状態において、第2特別図柄の変動表示がはずれとなるときに、第2保留記憶数が0のときにおいて、標準時短状態のときよりも変動時間が長い変動パターンが選択される割合を高くしても、超時短状態においては、第2保留記憶数が1〜3のいずれかのときにおいて極めて短い変動時間が選択されるので、平均的な変動時間は、標準時短状態における平均的な変動時間よりも短縮されることとなる。なお、保留数短縮制御が行なわれないときの超時短状態としては、たとえば1秒間のように極めて短い超時短変動の変動パターンを選択可能とすることに限らず、たとえば10秒間のように超時短変動の変動パターンよりも変動時間が長い変動パターンが固定的に決定されるようにすることで、標準時短状態における変動時間よりも変動時間を短縮するようにしてもよい。
なお、図15(b)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルと、図16(b)の超時短状態はずれ時第2判定テーブルとについては、標準時短状態はずれ時第2判定テーブルにおける通常変動パターンの変動時間を、超時短状態はずれ時第2判定テーブルにおける通常変動パターンの変動時間よりも短くなるように設定してもよい。たとえば、標準時短状態はずれ時第2判定テーブルにおける通常変動パターンの変動時間を5秒よりも短くすることによりこのような関係を実現してもよく、標準時短状態はずれ時第2判定テーブルにおける通常変動パターンの変動時間を5秒よりも長くすることによりこのような関係を実現してもよい。
また、図16(b)の超時短状態はずれ時第2判定テーブルについては、「ノーマルリーチ」および「スーパーリーチ」のようなリーチの変動パターンが選択されず、「通常変動」の変動パターンのみが選択されるようにしてもよい。また、図16(b)の超時短状態はずれ時第2判定テーブルについては、「通常変動」の変動パターンの代わりに、超時短変動(1秒)の変動パターンが常に選択されるようにしてもよい。また、図16(b)の超時短状態はずれ時第2判定テーブルについては、このように、短い変動時間を選択する割合が低くなるようにデータを設定したものではなく、長い変動時間を選択する割合が高くなるようにデータを設定したものであってもよい。
図16(c)の超時短状態はずれ時第3判定テーブルでは、超時短状態で第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなる決定がされたときに、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかのときは、変動パターン決定時の第2保留記憶数が0のときと比べて、極めて短い変動時間で変動表示を行なう超時短変動パターン(1秒間)が決定されるように、図16(c)の超時短状態はずれ時第3判定テーブルにデータが設定されている。図16(b),(c)に示すように、変動パターン決定時の第2保留記憶数が0のときは、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかのときに選択される変動パターンのうちのどれよりも変動時間が短い超時短変動パターンのみが決定されるため、超時短状態には、第2保留記憶数の増加に基づいて、変動表示が短い変動パターンが選択される割合が高くなるので、第2保留記憶数に応じて変動時間が極めて短い時間に短縮される。
図16(c)の超時短状態はずれ時第3判定テーブルでは、時短終了確変状態以外の非時短状態において変動パターン決定時の第2保留記憶数が2または3であるときに選択される図14(b)の非時短状態はずれ時第2判定テーブル、および、標準時短状態において変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかであるときに選択される図15(c)の標準時短状態はずれ時第3判定テーブルのときと比べて、極めて短い変動時間で変動表示を行なう超時短変動パターン(1秒間)のみが決定されるように、図16(c)の超時短状態はずれ時第3判定テーブルにデータが設定されている。これにより、第2特別図柄の変動表示がはずれとなるときに保留数短縮制御が行なわれるときには、超時短状態において行なわれる変動表示の方が、時短終了確変状態以外の非時短状態および標準時短状態において行なわれる変動表示よりも変動時間が極めて短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短終了確変状態以外の非時短状態および標準時短状態のときと比べて極めて短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。
また、標準時短状態、および、超時短状態のような時短状態では、電チューサポート制御が行なわれることにより、第1始動入賞口13に対して第2始動入賞口14に入賞する頻度が極めて高くなることに基づいて、第1特別図柄に対して第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が極めて高くなる。これにより、時短状態では、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち、第2特別図柄の変動時間の長短が、第1特別図柄および第2特別図柄全体の変動表示の平均的な変動時間の長短に大きく影響する。さらに、このような時短状態では、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14の方へ遊技球が入る割合が極めて高くなるので、変動パターンを決定するときが、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1以上のときとなるケースが特に多くなる。また、超時短状態では、第2保留記憶数が1以上のときに決定される変動パターンは、すべて1秒間の「超時短変動」が選択されるので、第1特別図柄および第2特別図柄の全体の変動表示の平均的な変動時間が、時短終了確変状態以外の非時短状態、および、標準時短状態のそれぞれと比べて極めて短くなる。
なお、たとえば標準時短状態では表示結果を決定したときの保留記憶数が2個(第1の閾値)以上のときに保留数短縮制御が行なわれ、超時短状態では表示結果を決定したときの保留記憶数が1個(第2の閾値)以上のときに保留数短縮制御が行なわれるようにする等、標準時短状態と、超時短状態とで、保留数短縮制御が行なわれる保留記憶数の閾値が異なるようにしてもよい。また、たとえば、時短終了確変状態以外の非時短状態では表示結果を決定したときの保留記憶数が3個以上のときに保留数短縮制御が行なわれ、標準時短状態では表示結果を決定したときの保留記憶数が2個以上のときに保留数短縮制御が行なわれ、超時短状態では表示結果を決定したときの保留記憶数が1個(第2の閾値)以上のときに保留数短縮制御が行なわれるようにする等、時短終了確変状態以外の非時短状態と、標準時短状態と、超時短状態とで、保留数短縮制御が行なわれる保留記憶数の閾値が異なるようにしてもよい。
15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、または、2R確変大当りの大当り遊技状態終了後の高確高ベース状態において、時短状態および電チューサポート制御状態が終了する所定回数の変動表示回数が実行されて、確変状態よりも前に時短状態および電チューサポート制御状態が終了したことにより高確低ベース状態となった時短終了確変状態のときにおいては、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。
前述のような時短終了確変状態の高確低ベース状態において、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれについて変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターン決定時の保留記憶数に関係なく、図17(a)の時短終了確変状態はずれ時判定テーブルを選択する。
図17(a)の時短終了確変状態はずれ時判定テーブルでは、図15および図16のような高確高ベース状態では行なわれない演出を行なう第4スーパーリーチまたは第5スーパーリーチの変動パターンが必ず選択されるように、データが設定されている。第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチは、第1〜第3スーパーリーチのような背景画像を変化させる演出を行なうスーパーリーチの演出とは異なり、特別なキャラクタを動作させる演出を行なうスーパーリーチの演出であり、当該特別なキャラクタは、第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチのそれぞれの変動パターンが実行されるときにのみ表示される画像である。
なお、時短終了確変状態はずれ時判定テーブルでは、高確高ベース状態では行なわれない演出として、スーパーリーチのようなリーチ演出以外の演出を行なうようにしてもよい。たとえば、操作スイッチが設けられたパチンコ遊技機においては、演出表示装置9で、遊技者に操作スイッチの操作を要求する画像を表示し、遊技者により操作スイッチが操作されると、大当りとなるか否かを所定の報知態様で報知する演出を行なうようにしてもよい。また、演出表示装置9で、車のレース等のゲームを行なう画像を表示し、遊技者の味方となる車がレースに勝利したときに大当りとなることを報知する演出を行なうようにしてもよい。
また、高確低ベース状態の時短終了確変状態において行なう演出としては、たとえば、予め定められたチャンス目(たとえば、「791」)が停止するかどうかを煽る演出を行なった後、当該チャンス目が停止したときには大当りとなる割合が高く設定された所定のリーチ演出を行ない、当該チャンス目が停止しないときにはリーチ演出を行なわず、変動表示を終了させる演出を行なうようにしてもよい。
図17(a)の時短終了確変状態はずれ時判定テーブルでは、ランダム2のすべての値がスーパーリーチの変動パターン種別に割振られ、ランダム3について、第4スーパーリーチを選択する割合の方が、第5スーパーリーチを選択する割合よりも高くなるようにデータが設定されている。
第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチのそれぞれは、高確低ベース状態時、すなわち、確変状態の終了間際に所定回数の変動表示が行なわれるときにのみ表示される演出であるので、このような第4スーパーリーチまたは第5スーパーリーチの演出が行なわれると、遊技者が確変状態の終了間際であることを知ることができるので、遊技者の注意をこのような演出に惹きつけることができ、遊技者の焦燥感を煽ることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
以上に示すような変動パターンテーブルを用いて、はずれとなるときの変動パターンが選択されると、次のような状態となる。たとえば、2R確変大当りの大当り遊技状態終了後に確変状態となったときには、15R第2確変大当りの大当り遊技状態終了の後に確変状態となったときと比べて、同じ確変状態であっても、図10の開放パターンに示すように、大当り遊技状態において特別可変入賞球装置20を開状態とする態様(開放時間および開放回数)の有利さが低く、大当り遊技状態において獲得できる遊技球の個数が少ないという点で、遊技者が失望するおそれがある。
しかし、図16のテーブルに示されるように、2R確変大当りの大当り遊技状態終了後に確変状態となったときの超時短状態においては、15R第2確変大当りの大当り遊技状態終了の後に確変状態となったときの標準時短状態と比べて、高い割合で短い変動時間に決定されることにより変動時間が短縮されるので、次回の大当りを早期に生じさせることが可能となるため、遊技者が感じる失望感を低減することができる。
なお、15R第2確変大当りの大当り遊技状態終了後の確変状態と、2R確変大当りの大当り遊技状態終了後の確変状態とで、2R確変大当りの大当り遊技状態終了後の確変状態の方が変動時間の短い変動パターンを選択する割合を高くするというように、変動時間(変動パターン)を選択する割合が異なるように設定してもよい。そのような場合には、2R確変大当りの大当り遊技状態終了後における確変状態での超時短状態に加えて、2R確変大当りの大当り遊技状態終了後における確変状態において、15R第2確変大当りの大当り遊技状態終了の後に確変状態となったときの時短状態と比べて変動時間が短縮されるので、次回の大当りをより一層早期に生じさせることが可能となるため、遊技者が感じる失望感をより一層低減することができる。
また、図8(C),(D)に示したように、第2特別図柄は、第1特別図柄と比べて、大当りとなるときに15R大当りが選択される割合が多い。さらに、確変状態においては、電チューサポート制御が行なわれるので、第2特別図柄は第1特別図柄と比べて変動表示が行なわれやすい。このため、確変状態は、遊技者が第2特別図柄に対して15R大当りの発生を狙いやすい機会である。したがって、確変状態において第2特別図柄の変動表示の結果、2ラウンドの大当りとなったときには、確変状態となるが、大当り遊技状態において獲得できる遊技球の個数の点で失望するおそれがあり、さらに、第1特別図柄よりも15R大当りの発生割合が多い第2特別図柄の変動表示で2R大当りとなってしまったことで、余計に遊技者が失望するおそれがある。
しかし、図8(C),(D)に示したように、確変状態において第2特別図柄の変動表示の結果、2ラウンドの大当りとなったときには、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に図16(c)に示すような変動時間が極めて短い変動パターンが選択される超時短状態となるので、当該2ラウンドの大当り遊技状態の終了後の確変状態において、次回の大当りを早期に生じさせることが可能となるため、遊技者が感じる失望感をさらに低減することができる。
また、図15(a)および図16(a)に示したように、標準時短状態、および、超時短状態のような時短状態では、第1特別図柄は、第1保留記憶数に応じて変動時間が短縮されず、かつ、時短状態に制御されているときの方が、時短状態に制御されていないときよりも高い割合で変動時間が長い変動パターンが選択される。これにより、第1特別図柄の変動表示については、時短状態において、保留記憶された第2特別図柄による変動表示が余りに早期に消化され過ぎてしまい、第1特別図柄の変動表示が行なわれてしまうときでも、当該第1特別図柄の変動表示の変動時間が極めて長くなるので、その間に普通図柄の変動表示(電チューサポート状態では普通図柄の変動時間は図32のように1秒間)が行なわれて表示結果が当りとなることで可変入賞球装置15の開放により第2保留記憶が発生しやすくなるため、稀に生じる第1保留記憶情報に基づく第1特別図柄の変動表示が実行されても、当該変動表示が頻繁に実行されるのを防ぐことができる。したがって、時短状態において、15R大当りが発生する割合が高い第2特別図柄の変動表示が頻繁に実行されることによる恩恵を遊技者が享受できなくなる状態の発生により遊技の興趣が低下してしまうのを防ぐことができる。
また、図16(c)に示したように、超時短状態において、第2特別図柄は、変動パターン決定時の第2保留記憶数が1〜3のいずれかのときに変動時間が極めて短い超時短変動の変動パターンが選択されることにより1回の変動表示が極めて早期に終了するため、第2保留記憶情報が極めて早期に消化されていくが、逆に、図16(b)に示したように、変動パターン決定時の第2保留記憶数が0のときに、変動時間が時短終了確変状態以外の非時短状態において変動パターン決定時の第2保留記憶数が2または3のときに決定される変動時間よりも長い時間の変動パターンが選択される。これにより、超時短状態における第2特別図柄の変動表示は、保留記憶情報の記憶数が所定数以上となったときに実行が促進されるが、当該記憶数が所定数未満であるときには実行が促進されにくくなる。変動時間が長くなると、その間に普通図柄の変動表示(電チューサポート状態では普通図柄の変動時間は図32のように1秒間)が行なわれて表示結果が当りとなることで可変入賞球装置15の開放により第2保留記憶が発生しやすくなるため、超時短状態において、第2特別図柄による変動表示が余りに早期に消化され過ぎてしまい、稀に生じる第1保留記憶情報に基づく第1特別図柄が頻繁に実行されてしまうのを防ぐことができる。したがって、超時短状態において、15R大当りが発生する割合が高い第2特別図柄の変動表示が頻繁に実行されることによる恩恵を遊技者が享受できなくなる状態の発生により遊技の興趣が低下してしまうのを防ぐことができる。
また、時短終了確変状態以外の非時短状態、または、超時短状態を除く時短状態(標準時短状態)において、15R大当り(15R第1確変大当り、15R第2確変大当り)とする決定がされたときについては、必ずリーチ変動となるが、はずれとする決定がされたときと比べて、「ノーマルリーチ変動」に決定される割合よりも「スーパーリーチ変動」に決定される割合の方が高くなるように、図18の非時短状態15R大当り時判定テーブル、および、標準時短状態15R大当り時判定テーブルにデータが設定されている。
なお、この実施の形態においては、超時短状態である場合を除き、2R確変大当りが、15R確変大当りに対して、短い変動時間に決定する割合が100%未満であるが、15R確変大当りについて短い変動時間に決定する割合よりも高い例を示した。しかし、これに限らず、超時短状態である場合を除き、2R確変大当りが、15R確変大当りに対して、短い変動時間に決定する割合が100%であるようにしてもよい。具体的に、このような変動パターンの選択は、たとえば、図26のS105,S106,S108,S109により行なわれるが、変動パターンの選択割合の設定は、図14〜図16に示す判定テーブルにそのような割合となるようにデータを設定することにより実現される。
また、この実施の形態においては、図15(b)および図16(b)に示すように、第2特別図柄について変動表示が行なわれるときに、超時短状態において、保留記憶数に応じた変動時間の短縮が行なわれないときの方が、標準時短状態において、保留記憶数に応じた変動時間の短縮が行なわれないときと比べて、高い割合で長い変動時間に決定する例として、超時短状態において、標準時短状態よりも長い変動時間を選択する割合が100%未満であるが、標準時短状態において長い変動時間を選択する割合よりも、その割合が高い例を示した。しかし、これに限らず、超時短状態において、保留記憶数に応じた変動時間の短縮が行なわれないときの方が、標準時短状態において、保留記憶数に応じた変動時間の短縮が行なわれないときと比べて、長い変動時間を選択する割合が100%であるようにしてもよい。このような変動パターンの選択は、たとえば、図26のS99,S105により行なわれるが、変動パターンの選択割合の設定は、図15,図16に示す判定テーブルにそのような割合となるようにデータを設定することにより実現される。
なお、この実施の形態においては、図14(a),(b)、図15(a)、図16(a)に示すように、第1特別図柄の変動表示について、標準時短状態および超時短状態のような時短状態に制御されているときの方が、時短終了確変状態以外の非時短状態であるときと比べて高い割合で長い変動時間を決定する例として、時短状態に制御されているときにおいて、時短終了確変状態以外の非時短状態であるときよりも長い変動時間を選択する割合が100%未満であるが、時短終了確変状態以外の非時短状態であるときにおいて長い変動時間を選択する割合よりも、その割合が高い例を示した。しかし、これに限らず、時短状態に制御されているときの方が、時短終了確変状態以外の非時短状態のときと比べて、長い変動時間を選択する割合が100%であるようにしてもよい。このような変動パターンの選択は、たとえば、図26のS97,S103,S108,S109により行なわれるが、変動パターンの選択割合の設定は、図14〜図16に示す判定テーブルにそのような割合となるようにデータを設定することにより実現される。
図18(a)の非時短状態15R大当り時判定テーブルは、時短終了確変状態以外の非時短状態において15R第1確変大当りまたは15R第2確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。図18(b)の標準時短状態15R大当り時判定テーブルは、標準時短状態において15R第1確変大当りまたは15R第2確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。図18(c)の超時短状態15R大当り時判定テーブルは、超時短状態において15R第1確変大当りまたは15R第2確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。図18(d)の時短終了確変状態15R大当り時判定テーブルは、前述のような時短終了確変状態の高確低ベース状態において15R第1確変大当りまたは15R第2確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。
図19(a)の非時短状態2R大当り時判定テーブルは、時短終了確変状態以外の非時短状態において2R確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。図19(b)の標準時短状態2R大当り時判定テーブルは、標準時短状態において2R確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。図19(c)の超時短状態2R大当り時判定テーブルは、超時短状態において2R確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。図19(d)の時短終了確変状態2R大当り時判定テーブルは、前述のような時短終了確変状態の高確低ベース状態において2R確変大当りとすることが決定されたときに用いられる。
図18(a),(b)に示すように、15R第1確変大当りまたは15R第2確変大当りとすることが決定されたときには、標準時短状態であるときの方が、時短終了確変状態以外の非時短状態であるときよりも、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別が選択される割合が高くなるように、非時短状態15R大当り時判定テーブルおよび標準時短状態15R大当り時判定テーブルにデータが設定されている。これにより、標準時短状態であるときの方が、時短終了確変状態以外の非時短状態であるときよりも、平均的に短い変動時間の変動パターンが決定される。なお、15R第1確変大当りまたは15R第2確変大当りとすることが決定されたときには、標準時短状態であるときの方が、時短終了確変状態以外の非時短状態であるときよりも、「スーパーリーチ」の変動パターン種別が選択される割合が高くなるようにデータを設定してもよい。
図18(c)の超時短状態15R大当り時判定テーブルでは、第1特別図柄および第2特別図柄について、超時短状態で変動表示結果が15R大当りとなる決定がされたときに、標準時短状態、および、時短終了確変状態以外の非時短状態で15R大当りとなる決定がされたときと比べて、極めて短い変動時間で変動表示を行なう超時短変動パターン(1秒間)が決定されるように、図18(c)の超時短状態15R大当り時判定テーブルにデータが設定されている。図18(b),(c)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄について、超時短状態で15R大当りとなる決定がされたときに、標準時短状態および時短終了確変状態以外の非時短状態で15R大当りとなる決定がされたときに選択される変動パターンのうちのどれよりも変動時間が短い超時短変動パターンのみが決定されるため、超時短状態で15R大当りとなるときには、標準時短状態で15R大当りとなるとき、および、時短終了確変状態以外の非時短状態で15R大当りとなるときと比べて、変動時間が極めて短い時間に短縮される。
図18(d)の時短終了確変状態15R大当り時判定テーブルでは、前述のように高確高ベース状態では行なわれない演出を行なう第4スーパーリーチまたは第5スーパーリーチの変動パターンが必ず選択されるように、データが設定されている。
図18(d)の時短終了確変状態15R大当り時判定テーブルでは、ランダム2のすべての値がスーパーリーチの変動パターン種別に割振られ、ランダム3について、第5スーパーリーチを選択する割合の方が、第4スーパーリーチを選択する割合よりも高くなるようにデータが設定されている。したがって、このような第4スーパーリーチまたは第5スーパーリーチの演出が行なわれると、前述のように遊技者の注意をこのような演出に惹きつけることができることに加えて、第5スーパーリーチの演出が行なわれたときには、15R大当りとなる割合が高いことに基づいて、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
図19(a),(b)に示すように、2R確変大当りとすることが決定されたときには、標準時短状態であるときに決定された場合の方が、時短終了確変状態以外の非時短状態で決定された場合よりも、「非リーチ特殊」の変動パターン種別が選択される割合が高くなるように、非時短状態2R大当り時判定テーブルおよび標準時短状態2R大当り時判定テーブルにデータが設定されている。さらに、「非リーチ特殊」および「リーチ特殊」のそれぞれに含まれる各変動パターンについて、標準時短状態であるときの方が、時短終了確変状態以外の非時短状態であるときよりも変動時間が短く設定されている。これにより、標準時短状態であるときの方が、時短終了確変状態以外の非時短状態であるときよりも短い変動時間の変動パターンが決定される。
また、図19(b),(c)に示すように、2R確変大当りとすることが決定された場合には、超時短状態で決定された場合の方が、標準時短状態で決定された場合よりも、「非リーチ特殊」の変動パターン種別が選択される割合が高くなるように、標準時短状態2R大当り時判定テーブルおよび超時短状態2R大当り時判定テーブルにデータが設定されている。さらに、「非リーチ特殊」および「リーチ特殊」のそれぞれに含まれる各変動パターンについて、超時短状態で決定された場合の方が、時短終了確変状態以外の非時短状態で決定された場合よりも変動時間が短く設定されている。これにより、超時短状態であるときの方が、標準時短状態であるときよりも短い変動時間の変動パターンが決定される。
図19(d)の時短終了確変状態2R大当り時判定テーブルでは、ランダム2のすべての値がリーチ特殊の変動パターン種別に割振られ、ランダム3について、第5リーチ特殊の変動パターンを選択する割合の方が、第4リーチ特殊の変動パターンを選択する割合よりも高くなるようにデータが設定されている。
第4リーチ特殊および第5リーチ特殊の変動パターンのそれぞれは、高確低ベース状態時、すなわち、確変状態の終了間際に所定回数の変動表示が行なわれるときにのみ表示される演出であるので、このような第4リーチ特殊および第5リーチ特殊の演出が行なわれると、遊技者が確変状態の終了間際であることを知ることができるので、遊技者の注意をこのような演出に惹きつけることができ、遊技者の焦燥感を煽ることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、時短終了確変状態2R大当り時判定テーブルにおいては、第4リーチ特殊および第5リーチ特殊の変動パターンの代わりに、前述の第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチと同様のリーチ演出を行なう変動パターンを用いてもよい。これにより、時短終了確変状態において、15R第1確変大当りまたは15R第2確変大当りとなるときと、2R確変大当りとなるときとで、変動表示において共通の演出を行なうことができる。
図18(a),(b)に示すような、時短終了確変状態以外の非時短状態、または、標準時短状態において15R確変大当りとするときに決定される変動パターンよりも、図18(c)に示すような、超時短状態において15R確変大当りとするときに決定される変動パターンの方が、選択される変動パターンの変動時間が短く設定されている。また、図19(a),(b)に示すような、時短終了確変状態以外の非時短状態、または、標準時短状態において2R確変大当りとするときに決定される変動パターンよりも、図19(c)に示すような、超時短状態において2R確変大当りとするときに決定される変動パターンの方が、選択される変動パターンの変動時間が短く設定されている。したがって、超時短状態において15Rおよび2Rの大当りとすると決定されたときの方が、時短終了確変状態以外の非時短状態、または、標準時短状態において15Rおよび2Rの大当りとするときよりも、短い変動時間に制御される割合が高い。このように、超時短状態において15Rおよび2Rの大当りを含む大当りにすることが決定されたときに、時短終了確変状態以外の非時短状態、または、標準時短状態において15Rおよび2Rの大当りを含む大当りにすることが決定されたときよりも短い変動時間に決定される。これにより、超時短状態となったときから大当りとなるまでの期間を、時短終了確変状態以外の非時短状態、または、標準時短状態となったときから大当りとなるまでの期間よりも短くすることができるので、遊技にスピード感を出すことができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。なお、2R確変大当りと決定されたときには、決定されたときが超時短状態であっても、変動時間を短く設定しないようにしてもよい。2R確変大当りのときには実質的に賞球が得られないので、変動表示を早く消化しても、それに対して遊技者が有利と感じる割合が、15R確変大当りのときよりも少ないからである。
図20(a)の非時短状態小当り時判定テーブルは、時短終了確変状態以外の非時短状態において小当りとすることが決定されたときに用いられる。図20(b)の標準時短状態小当り時判定テーブルは、標準時短状態において小当りとすることが決定されたときに用いられる。図20(c)の超時短状態小当り時判定テーブルは、超時短状態において小当りとすることが決定されたときに用いられる。図20(d)の時短終了確変状態小当り時判定テーブルは、前述のような時短終了確変状態の高確低ベース状態において小当りとすることが決定されたときに用いられる。
図20(a),(b)に示すように、小当りとすることが決定されたときには、標準時短状態であるときに決定された場合の方が、時短終了確変状態以外の非時短状態で決定された場合よりも、「非リーチ特殊」の変動パターン種別が選択される割合が高くなるように、非時短状態小当り時判定テーブルおよび標準時短状態小当り時判定テーブルにデータが設定されている。さらに、「非リーチ特殊」および「リーチ特殊」のそれぞれの変動パターン種別に含まれる各変動パターンについて、標準時短状態であるときの方が、時短終了確変状態以外の非時短状態であるときよりも変動時間が短く設定されている。これにより、標準時短状態であるときの方が、時短終了確変状態以外の非時短状態であるときよりも短い変動時間の変動パターンが決定される。
また、図20(b),(c)に示すように、小当りとすることが決定された場合には、超時短状態で決定された場合の方が、標準時短状態で決定された場合よりも、「非リーチ特殊」の変動パターン種別が選択される割合が高くなるように、標準時短状態小当り時判定テーブルおよび超時短状態小当り時判定テーブルにデータが設定されている。さらに、「非リーチ特殊」および「リーチ特殊」のそれぞれの変動パターン種別に含まれる各変動パターンについて、超時短状態で決定された場合の方が、時短終了確変状態以外の非時短状態で決定された場合よりも変動時間が短く設定されている。これにより、超時短状態であるときの方が、標準時短状態であるときよりも短い変動時間の変動パターンが決定される。
また、図20(a),(b),(c)に示すように小当りとすることが決定されたときには、図19(a),(b),(c)に示すように2R確変大当りとすることが決定されたときよりも「非リーチ特殊」の変動パターン種別の選択割合が高くなるように設定されている。これにより、小当りとなるときには、2R確変大当りとなるときと比べて平均的な変動時間が短くなる。
また、図20(d)の時短終了確変状態小当り時判定テーブルでは、前述のように高確高ベース状態では行なわれない演出を行なう第4リーチ特殊または第5リーチ特殊の変動パターンが必ず選択されるように、データが設定されている。
図20(d)の時短終了確変状態小当り時判定テーブルでは、ランダム2のすべての値がリーチ特殊の変動パターン種別に割振られ、ランダム3について、第4リーチ特殊を選択する割合の方が、第5リーチ特殊を選択する割合よりも高くなるようにデータが設定されている。したがって、このような第4リーチ特殊または第5リーチ特殊の演出が行なわれると、前述のように遊技者の注意をこのような演出に惹きつけることができることに加えて、第5リーチ特殊の演出が行なわれたときには、2R確変大当りとなる割合が高いことに基づいて、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
なお、15R大当りとする決定がされたときには、はずれとする決定がされたときとは異なり、「ノーマルリーチ変動」に決定される割合と「スーパーリーチ変動」に決定される割合との関係が、時短終了確変状態以外の非時短状態、標準時短状態、超時短状態、および、変動表示を行なう特別図柄の保留記憶数に関係なく同じ割合となるように、図18(a)の非時短状態15R大当り時判定テーブル、図18(b)の標準時短状態15R大当り時判定テーブル、および、図18(c)の超時短状態15R大当り時判定テーブルのそれぞれにデータを設定してもよい。また、2R大当りとする決定がされたときには、「非リーチ特殊変動」に決定される割合と「リーチ特殊変動」に決定される割合との関係が、時短終了確変状態以外の非時短状態、標準時短状態、超時短状態、および、変動表示を行なう特別図柄の保留記憶数に関係なく同じ割合となるように、図19(a)の非時短状態2R大当り時判定テーブル、図19(b)の標準時短状態2R大当り時判定テーブル、および、図19(c)の超時短状態2R大当り時判定テーブルとのそれぞれにデータを設定してもよい。
また、時短終了確変状態以外の非時短状態、標準時短状態、および、超時短状態のそれぞれにおいて、2R確変大当りとなるときには、15R第1確変大当りまたは15R第2確変大当りとなるときと同じ割合で変動パターンの種別を決定するようにデータを設定してもよい。
また、図18(c)の超時短状態15R大当り時判定テーブルについては、変動時間が1秒間の超時短の変動パターンのみが選択されるので、リーチ演出を行なう変動パターンのように遊技者の期待感を煽る演出を行なう変動パターンが選択されないが、図19(c)の超時短状態2R大当り時判定テーブルについても、リーチ演出を行なう変動パターンのように遊技者の期待感を煽る演出を行なう変動パターンが選択されないようにようにしてもよい。リーチ演出を行なわない変動パターンの表示例としては、たとえば、表示結果がはずれとなる場合に停止図柄を導出表示させるときのように停止図柄を順次または同時に止めるときにぞろ目またはチャンス目を表示させる等の表示が行なわれる。
また、図19(c)の超時短状態2R大当り時判定テーブル、および、図20(c)の超時短状態小当り時判定テーブルのそれぞれについては、図18(c)の超時短状態15R大当り時判定テーブルのように、「超時短変動(1秒)」の変動パターンが固定的に選択されるように設定してもよく、「非リーチ特殊」の変動パターン、および、「リーチ特殊」の変動パターンに、「超時短変動(1秒)」の変動パターンを加えた変動パターンの中から「超時短変動(1秒)」の変動パターンが選択可能となるように設定してもよい。
また、図19に示す各2R大当り時判定テーブルについては、今回の大当りの種別が超時短状態となる大当り種別であるときと、今回の大当りの種別が超時短状態以外の状態となるときとで、変動パターンの選択割合が異なるようにしてもよい。具体的には、今回の大当りの種別が超時短状態となる大当り種別であるときに、今回の大当りの種別が超時短状態以外の状態となるときよりも変動時間が短い変動パターンを選択する割合が高くなるようにしてもよい。
また、図14(a),(b)に示す非時短状態はずれ時第1,第2判定テーブル、および、図15(b),(c)に示す標準状態はずれ時第2,第3判定テーブルについては、「通常変動」の変動パターンに関し、保留数短縮制御が行なわれるときの方が、保留数短縮制御が行なわれないときと比べて、変動時間が短くなるように設定してもよい。その他、これら変動パターンの判定テーブルに限らず、図16〜図20に示すような大当りのときの判定テーブルを含むすべての判定テーブルに設定されている各種変動パターンに関し、保留数短縮制御が行なわれるときの方が、保留数短縮制御が行なわれないときと比べて、変動時間が短くなるように設定してもよい。
次に、演出表示装置9において行なわれる演出例を説明する。ここでは、代表例として、前述の第1スーパーリーチ〜第3スーパーリーチにおいて行なわれる背景画像を変化させることによるスーパーリーチの演出と、前述の第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチにおいて行なわれるキャラクタを動作させることによるスーパーリーチの演出とを説明する。
図21は、第1スーパーリーチ〜第3スーパーリーチの演出の代表例を示す演出表示装置9の表面画面図である。
図21を参照して、(A)に示すように左図柄停止エリアでの左演出図柄91と、右図柄停止エリアでの右演出図柄93とが同じ図柄で停止し、中図柄停止エリアでの中演出図柄92が変動中であるリーチ状態が発生した後、リーチの演出として、(B)〜(D),(F)に示すような背景画像が変化する演出が行なわれる。その後、(G)のようなはずれ表示結果、または、(E)のような大当り表示結果が導出表示される。
図21において、リーチ状態の発生直後、(B)に示すように、小型の星が存在する星空を示す背景画像が表示される。そして、(E)のような大当り表示結果となるときには、(C),(D)に示すように星空において、複数個の大型の星73,74が順次出現する画像が表示されることにより、背景画像が変化する表示がされた後、表示結果が導出表示される。このような(C),(D)に示される背景画像の変化は、大当り遊技状態に制御されることを認識させる演出であり、このように背景画像が変化したときに、遊技者は、表示結果が大当りとなると認識することができる。一方、(G)のようなはずれ表示結果となるときには、(F)に示すように背景画像が変化しない。このような(F)の画像は、大当り遊技状態に制御されないことを認識させる演出をするための画像であり、このように背景画像が変化しないときに、遊技者は、表示結果が大当りとなると認識することができる。
第1スーパーリーチ〜第3スーパーリーチは、図21に示すように背景画像を変化させることによりリーチ演出が行なわれる変動パターンであり、第1スーパーリーチ〜第3スーパーリーチのそれぞれは、表示される背景画像の種類が異なる。たとえば、第1スーパーリーチは図21のように星空を示す背景画像を変化させることにより行なわれるリーチ演出、第2スーパーリーチは海の風景を示す背景画像を変化させることにより行なわれるリーチ演出、第3スーパーリーチは山の風景を示す背景画像を変化させることにより行なわれるリーチ演出である。
このような第1スーパーリーチ〜第3スーパーリーチは、低確低ベース状態、および、高確高ベース状態でのスーパーリーチの演出として実行される。
図22は、第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチの演出の代表例を示す演出表示装置9の表面画面図である。
図22を参照して、(A)に示すように左図柄停止エリアでの左演出図柄91と、右図柄停止エリアでの右演出図柄93とが同じ図柄で停止し、中図柄停止エリアでの中演出図柄92が変動中であるリーチ状態が発生した後、リーチの演出として、(B)〜(D),(F)に示すような第1キャラクタ71と第2キャラクタ72とが武器を持って対戦するというような特別なキャラクタを動作させる画像を表示する演出が行なわれる。その後、(E)のようなはずれ表示結果、または、(G)のような大当り表示結果が導出表示される。
図22において、リーチ状態の発生直後、(B)に示すように、武器を持った第1キャラクタ71と第2キャラクタ72とが登場し、これらキャラクタが武器を持って対戦する演出が開始される。そして、(E)のようなはずれ表示結果となるときには、(C),(D)に示すように第1キャラクタ71が敗北する画像が表示された後、表示結果が導出表示される。このような(C),(D)の画像は、大当り遊技状態に制御されないことを認識させる演出をするための画像であり、このような画像が表示されたときに、遊技者は、表示結果がはずれとなると認識することができる。一方、(G)のような大当り表示結果となるときには、(F)に示すように第1キャラクタ71が勝利する第1演出態様での画像が表示された後、表示結果が導出表示され、第1演出態様での演出が終了される。このような(F)の画像は、大当り遊技状態に制御されることを認識させる演出をするための画像であり、このような画像が表示されたときに、遊技者は、表示結果が大当りとなると認識することができる。
第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチは、図22に示すように特別なキャラクタ画像を動作させることによりリーチ演出が行なわれる変動パターンであり、第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチのそれぞれは、表示されるキャラクタ画像の種類が異なる。たとえば、第4スーパーリーチは図22のような第1の特別なキャラクタ画像を動作させる行なわれるリーチ演出、第2スーパーリーチは図22のような第1の特別なキャラクタ画像とは別の第2の特別なキャラクタ画像を動作させることにより行なわれるリーチ演出である。なお、第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチのリーチ演出については、異なるキャラクタ画像を用いるものではなく、同じキャラクタ画像を用いるが、キャラクタ画像の動作が異なる演出を行なうこと、または、キャラクタと背景画像との組合せが異なる等、同じキャラクタ画像を用いて行なう演出であってもよい。また、第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチのリーチ演出については、その他の変動パターンでは表示されないような特別な背景画像をそれぞれ表示する演出を行なうようにしてもよい。そのような特別な背景画像を用いる場合は、当該背景画像のみを用いるだけではなく、前述の特別なキャラクタ画像と当該背景画像とを組合せて表示する演出を行なうようにしてもよい。たとえば、第4スーパーリーチと第5スーパーリーチとで、特別な背景画像を異ならせ、同じ特別なキャラクタ画像を表示してもよく、または、特別な背景画像を異ならせ、かつ、異なる特別なキャラクタ画像を表示してもよい。
このような第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチによる演出は、時短終了確変状態の高確低ベース状態においてのみ実行される演出である。これにより、このような第4スーパーリーチまたは第5スーパーリーチの演出が行なわれると、遊技者が、時短終了確変状態、すなわち、確変状態の終了間際であることを知ることができるので、遊技者の注意をこのような演出に惹きつけることができ、遊技者の焦燥感を煽ることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
図23および図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S51)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、処理を終了する。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときに(図13参照)は、CPU56は、第2保留記憶バッファの方に保留記憶データがあるか否か確認する(S52)。第2保留記憶バッファに保留記憶データがあれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S54)。一方、第2保留記憶バッファに保留記憶データがなければ、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S53)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。なお、ここでいう「共通の処理ルーチン」とは、ある特定の一連の処理を実現するためのプログラムであり、この実施の形態では、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行なう一連の処理を実現するためのプログラムを指している。この実施の形態において、「共通の処理ルーチン」には、後述する特別図柄通常処理におけるS55〜S76の処理、S301の変動パターン設定処理、S302の表示結果特定コマンド送信処理、S303の特別図柄変動中処理およびS304の特別図柄停止処理が含まれる。
S52〜S54の制御により、第2保留記憶バッファ内に第2保留記憶のデータが1つでも存在すれば、その第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が、第1保留記憶のデータに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示に優先して実行される。
このように、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。これにより、次のような効果を得ることができる。大当り遊技状態の終了後の所定期間中においては、時短制御が行なわれることにより、可変入賞球装置15において、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすくなる。したがって、大当り遊技状態の終了後の所定期間中には、それ以外のときに比べて、第2保留記憶のデータが発生しやすくなる。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファの両方に保留記憶データが記憶されている場合は、第1保留記憶データに基づいた第1特別図柄表示器8aの変動表示よりも第2保留記憶のデータに基づいた第2特別図柄表示器8bの変動表示が優先して実行されるので、大当り遊技状態の終了後の時短状態において発生しやすい保留記憶データを効率的に処理することができるから、第2保留記憶数の上限値による制限により第2保留記憶として記憶できず無効となる始動入賞(始動条件)の発生を低減することができる。これにより、大当り遊技状態の終了後の時短状態における第2特別図柄表示器8bの変動表示の実行効率を向上させることができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、CPU56は、減算後の特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値に基づいて、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S59)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行なう。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S60)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S60)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、15R第1確変大当り、15R第2確変大当り、または、2R確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、その後、所定回数(100回)の変動表示が行なわれたという条件と、次回の大当りが決定されたという条件といずれか早い方の条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S60のN)、S60で抽出された大当り判定用乱数を用いて、小当り判定を行なう小当り判定モジュールを実行する(S61)。小当り判定モジュールは、予め決められている小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、小当り判定の処理を実行するプログラムである。
小当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、小当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め小当り判定値の数が多く設定されている確変時小当り判定テーブル(ROM54における図8(B)の右側の数値が設定されているテーブル)と、小当り判定値の数が確変時小当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時小当り判定テーブル(ROM54における図8(B)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時小当り判定テーブルを使用して小当りの判定の処理を行ない、遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときは、通常時小当り判定テーブルを使用して小当りの判定の処理を行なう。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。小当りとすることに決定した場合には(S61Y)、小当りフラグをセットし(S72)、S75に移行する。小当りとしないことに決定した場合には(S61N)、そのままS75に移行する。なお、小当りとするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を小当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、小当りに関しては、確変状態において小当りと判定する確率を通常状態よりも高くせず、常に一定の判定確率で小当りとする判定を行なうようにしてもよい。また、小当りに関しては、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで、第2特別図柄の変動表示の方が第1特別図柄の変動表示よりも小当りと判定する確率が低くなるように、小当りとする判定を行なう確率を異ならせてもよい。
S60において大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれか大当り判定値に一致すればCPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S71)。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図8(C)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S72)。具体的に、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(C)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図8(D)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次いで、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のS214や始動口スイッチ通過処理のS224で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S72で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S73)。また、この場合に、図8(D)に示すように、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、15R大当り(15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当り)が選択される割合が高い。
図8(D)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。たとえば、大当り種別が「15R第1確変大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「01」が設定される。大当り種別が「15R第2確変大当り」の場合には、大当り種別を示すデータとして「02」が設定される。大当り種別が「2R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を設定する(S75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのどちらもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S73により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「15R第1確変大当り」に決定されたときには「5」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「15R第2確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当り種別が「2R確変大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。小当りフラグがセットされている場合には、「2」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図25および図26は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、S74で記憶された大当り種別情報と、時短終了確変状態以外の非時短状態、標準時短状態、および、超時短状態のうちどの状態にあるかを示す時短情報と、通常状態(非確変状態)と確変状態とのうちどの状態にあるかを示す確変情報に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、非時短状態15R大当り時判定テーブル、標準時短状態15R大当り時判定テーブル、超時短状態15R大当り時判定テーブル、時短終了確変状態15R大当り時判定テーブル、非時短状態2R大当り時判定テーブル、標準時短状態2R大当り時判定テーブル、超時短状態2R大当り時判定テーブル、時短終了確変状態2R大当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する(S92)。そして、S112に移行する。
ここで、時短情報は、標準時短状態となっているときにセットされる標準時短フラグの状態と、超時短状態となっているときにセットされる超時短フラグの状態と、標準時短状態または超時短状態に制御された後に所定回数の変動表示が行なわれてこれら時短状態が終了した時短終了確変状態となっているときにセットされる時短終了フラグとに基づいて特定される情報であり、標準時短フラグがセットされているときには、標準時短状態であることが特定され、超時短フラグがセットされているときには、超時短状態であることが特定され、時短終了フラグがセットされているときには、時短終了確変状態での非時短状態であることが特定され、標準時短フラグ、超時短フラグ、および、時短終了確変状態のいずれもセットされていないときには、時短終了確変状態以外の非時短状態であることが特定される。また、確変情報は、確変状態となっているときにセットされる確変フラグの状態に基づいて特定される情報であり、確変フラグがセットされているときには確変状態であることが特定され、確変フラグがセットされていないときには非確変状態としての通常状態であることが特定される。なお、時短終了確変状態での非時短状態であるか、時短終了確変状態以外の非時短状態であるかの区別は、時短終了フラグを用いて行なわず、標準時短フラグと超時短フラグとのどちらもセットされていないときにおいて、確変フラグがセットされているときが時短終了確変状態での非時短状態であると判断し、一方、確変フラグがセットされていないときが時短終了確変状態以外の非時短状態であると判断するようにしてもよい。
S91で大当りフラグがセットされていない場合、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否か確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、前述の時短情報および確変情報に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、非時短状態小当り時判定テーブル、標準時短状態小当り時判定テーブル、超時短状態小当り時判定テーブル、および、時短終了確変状態小当り時判定テーブルのうちいずれかを選択する(S92)。そして、S112に移行する。
S93で小当りフラグがセットされていない場合、CPU56は、標準時短状態であることを示す標準時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。なお、標準時短フラグは、遊技状態を標準時短状態に移行するときにセットされ、標準時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、標準時短フラグは、15R第1確変大当りとすることに決定されたときに、大当り遊技状態を終了する処理においてセットされる。15R第1確変大当りに関して、標準時短フラグは、所定回数(98回)の変動表示が実行されたタイミング、または、次に大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングのうちいずれか早いタイミングでリセットされる。
標準時短フラグがセットされていないとき(S95のN)、CPU56は、後述するS101に進む。一方、標準時短フラグがセットされているとき(S95のY)、CPU56は、特別図柄ポインタのデータに基づいて、第1特別図柄の変動表示時であるか否かを確認する(S96)。第1特別図柄の変動表示時であるとき(S96のY)、CPU56は、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図15(a)の標準時短状態はずれ時第1判定テーブルを選択し(S97)、S112に進む。一方、第2特別図柄の変動表示時であるとき(S96のN)、CPU56は、後述するS98に進む。
S98では、第2保留記憶数が1以上であるか否かを確認する(S98)。第2保留記憶数が1未満(すなわち0)であるとき(S98のN)、CPU56は、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図15(b)の標準時短状態はずれ時第2判定テーブルを選択し(S99)、S112に進む。一方、第2保留記憶数が1以上であるとき(S98のY)、CPU56は、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図15(c)の標準時短状態はずれ時第3判定テーブルを選択し(S100)、S112に進む。
S101では、超時短状態であることを示す超時短フラグがセットされているか否かを確認する(S101)。なお、超時短フラグは、遊技状態を超時短状態に移行するときにセットされ、超時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、超時短フラグは、15R第2確変大当りとすることに決定されたとき、または、2R確変大当りとすることに決定され、かつ、当該大当りの大当り遊技状態後に高確高ベースにすることが決定されたときに、大当り遊技状態を終了する処理においてセットされる。超時短フラグは、所定回数(96回)の変動表示が実行されたタイミング、または、次に大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングのうちいずれか早いタイミングでリセットされる。
超時短フラグがセットされていないとき(S101のN)、後述するS106Aに進む。一方、超時短フラグがセットされているとき(S101のY)、CPU56は、特別図柄ポインタのデータに基づいて、第1特別図柄の変動表示時であるか否かを確認する(S102)。第1特別図柄の変動表示時であるとき(S102のN)、CPU56は、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図16(a)の超時短状態はずれ時第1判定テーブルを選択し(S103)、S112に進む。一方、第2特別図柄の変動表示時であるとき(S102のN)、CPU56は、後述するS104に進む。
S104では、第2保留記憶数が1以上であるか否かを確認する(S104)。第2保留記憶数が1未満(すなわち0)であるとき(S104のN)、CPU56は、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図16(b)の超時短状態はずれ時第2判定テーブルを選択し(S105)、S112に進む。一方、第2保留記憶数が1以上であるとき(S104のY)、CPU56は、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図16(c)の超時短状態はずれ時第3判定テーブルを選択し(S106)、S112に進む。
S106Aでは、時短終了確変状態であることを示す時短終了フラグがセットされているか否かを確認する(S106A)。S106Aが実行されるときは、S95により標準時短状態ではなく、かつ、S101により超時短状態でもない非時短状態(非電チューサポート制御状態)としての低ベース状態であるので、S106Aで時短終了フラグがセットされていると確認されたときは、時短終了確変状態における高確低ベース状態である。したがって、S106Aで時短終了フラグがセットされていると確認されたとき、CPU56は、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図17(a)の時短終了確変状態はずれ時判定テーブルを選択し(S106B)、S112に進む。一方、S106Aで時短終了フラグがセットされていないと確認されたときは、低確低ベース状態、または、高確低ベース状態に制御される2R確変大当りの大当り遊技状態終了後の高確低ベース状態であり、S107に進む。なお、S106Aにおいては、時短終了確変状態での非時短状態であるか、時短終了確変状態以外の非時短状態であるかの区別を、時短終了フラグを用いて行なわず、標準時短フラグと超時短フラグとのどちらもセットされていないときにおいて、確変フラグがセットされているときが時短終了確変状態での非時短状態であると判断し、一方、確変フラグがセットされていないときが時短終了確変状態以外の非時短状態であると判断するようにしてもよい。
S107では、変動表示をする特別図柄に対応する保留記憶数(第1特別図柄の変動表示時には第1保留記憶数、第2特別図柄の変動表示時には第2保留記憶数)が2以上であるか否かを確認する(S107)。S107において、変動表示をする特別図柄がどちらであるかの確認は、特別図柄ポインタのデータに基づいて行なう。変動表示をする特別図柄に対応する保留記憶数2未満(すなわち0または1)であるとき(S107のN)、CPU56は、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図14(a)の非時短状態はずれ時第1判定テーブルを選択し(S108)、S112に進む。一方、変動表示をする特別図柄に対応する保留記憶数2以上(すなわち2または3)であるとき(S107のY)、CPU56は、変動パターン種別および変動パターンを決定するために使用するテーブルとして、図14(b)の非時短状態はずれ時第2判定テーブルを選択し(S109)、S112に進む。
次いで、S112において、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読出し、S92,S97,S99,S100,S103,S105,S106,S106B,S108またはS109の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S112)。
次いで、CPU56は、S112での変動パターン種別の決定結果に基づいて、前述のようにS92、S94,S97,S99,S100,S103,S105,S106,S106B,S108,S109の処理で選択したテーブルにおいて、変動パターン種別に対応して設けられた変動パターン判定テーブルを選択する(S113)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読出し、S113の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S115)。
なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
また、始動入賞のタイミングでランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を抽出せず、S112で変動パターン種別を決定するときに、ランダム2を生成するための変動パターン種別判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
次いで、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S116)。
また、特別図柄の変動を開始する(S117)。たとえば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される特別図柄に対応した開始フラグをセットすることにより、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、前述のように変動表示を開始させる。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示を開始させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、開始フラグを参照して特別図柄の変動表示を開始するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S118)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S119)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、S93〜S109の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S302)においては、CPU56が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図9参照)を送信する制御を行なう。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S126)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S127)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S131)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、終了フラグを参照して特別図柄の変動表示を終了するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を終了するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S132)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S133)。大当りフラグがセットされていない場合には、後述するS140に移行する。
大当りフラグがセットされている場合に、CPU56は、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、今回の大当りの種別が2R確変大当りであるか否かを確認する(S133A)。今回の大当りの種別が2R確変大当りではないときは、後述するS134に移行する。
一方、今回の大当りの種別が2R確変大当りであるときは、大当り確率が通常状態(非確変状態)と確変状態とのどちらにあるかを示す情報としての確変情報(確変フラグがセットされているか否か)と、変動時間状態が非時短状態と時短状態(標準時短状態および超時短状態の両方を含む)とのどちらにあるかを示す情報としての時短情報(標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているか否か)とに基づいて、2R確変大当り決定時(発生時)の大当り確率およびベースの状態を確認する。そして、確認した2R確変大当り決定時の大当り確率およびベースの状態を示す大当り発生時情報フラグをセットし(S133B)、S134に進む。
具体的に、S133Bにおいては、次のような大当り発生時情報フラグをセットする。確変フラグがセットされておらず、かつ、標準時短フラグおよび超時短フラグのいずれもセットされていないときには、低確低ベース状態であることを示す低確低ベース時発生フラグをセットする。確変フラグがセットされており、かつ、標準時短フラグおよび超時短フラグのいずれかがセットされているときには、高確高ベース状態であることを示す高確高ベース状態時発生フラグをセットする。確変フラグがセットされており、かつ、標準時短フラグおよび超時短フラグのいずれもセットされていないときには、高確低ベース状態であることを示す高確低ベース状態時発生フラグをセットする。このように、大当り発生時情報フラグとしては、低確低ベース時発生フラグ、高確高ベース状態時発生フラグ、および、高確低ベース状態時発生フラグを含み、S133Bによりいずれかのフラグがセットされる。
S134では、確変フラグ、標準時短フラグ、超時短フラグ、および、時短終了フラグのうちセットされているフラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S135)。具体的には、大当りの種別が15R第1確変大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R第2確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が2R確変大当りである場合には大当り開始3指定コマンドを送信する。S135において、大当りの種別がいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S136)。
また、大当り遊技状態における制御時間を管理するための大入賞口制御タイマに、大当りの発生時において演出表示装置9で大当りが発生したことを報知する大当り表示時間に相当する値を設定する(S137)。また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータ(図10)を参照し、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(たとえば、15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りの場合には15回。2R確変大当りの場合には2回。)をセットする(S138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新し(S139)、処理を終了する。
なお、前述のように第1特定遊技状態(15R第1確変大当り)および第2特定遊技状態(15R第2確変大当り)と、第1特定遊技状態よりも不利な第3特定遊技状態(2R確変大当り)とで、ラウンド数を同じラウンド数とする場合には、S138においてセットする開放回数のデータとして固定値(たとえば15回)を用いればよいので、大当り遊技状態の開放回数を設定するための処理を簡素化することができる。
次いで、S133で大当りフラグがセットされていないときに、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否か確認する(S140)。S140で確変フラグがセットされていない場合には、確変状態における特別図柄の変動可能回数を示す確変回数カウンタの値を−1する(S141)。確変回数カウンタは、確変状態となるときに、大当り終了処理(S307)において所定回数(100回)を示す値にセットされ、変動表示が1回行なわれるごとに、特別図柄停止処理において、1ずつ減算更新される。次いで、CPU56は、確変回数カウンタの値が0になったか否か確認する(S142)。確変回数カウンタの値が0になっていないときには、後述するS145に進む。一方、確変回数カウンタの値が0になっているときには、確変状態となってから所定回数(100回)の変動表示が実行されたときであるので、確変状態を終了させるために、確変フラグをリセットするとともに、時短終了フラグをリセットする(S143)。これにより、確変状態であったときは、100回の変動表示が行なわれた時点で確変状態が終了する。そして、確変状態が終了したことに応じて、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して確変終了指定コマンドを送信する制御を行ない(S144)、S145に進む。このように、S140〜S144により確変状態が継続する特別図柄の変動表示回数を管理する。
S145では、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているか否かを確認する(S145)。標準時短フラグおよび超時短フラグのどちらのフラグもセットされていないときは、後述するS149Aに進む。一方、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているときは、時短状態(標準時短状態および超時短情報を含む)における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0になったか否か確認する(S143)。時短回数カウンタは、標準時短状態となるときに大当り終了処理(S307)において第1の所定回数(98回)を示す値にセットされ、超時短状態となるときに大当り終了処理(S307)において第2の所定回数(96回)を示す値にセットされ、変動表示が1回行なわれるごとに、特別図柄停止処理において、1ずつ減算更新される。
なお、S145において、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているか否かを判断せずに、時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認することに基づいて、標準時短状態と超時短状態とのいずれかの時短状態であるか否かを判断するようにしてもよい。つまり、標準時短状態と超時短状態とのいずれかの時短状態となるときには、後述する大当り終了処理のS161またはS168により、標準時短状態と超時短状態とで共通に用いる時短回数カウンタが所定値(98回または96回)にセットされるので、時短回数カウンタの値が0であるか否かに基づいて、いずれかの時短状態であるか否かが判断できる(時短回数カウンタの値が0でないときにはいずれかの時短状態であり、時短回数カウンタの値が0であるときには時短状態ではない)のである。これにより、いずれかの時短状態であるか否かを、標準時短フラグおよび超時短フラグの状態を確認する処理をすることなく判断することができるので、特別図柄停止処理における処理内容を簡略化することができる。
次いで、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になったか否か確認する(S147)。時短回数カウンタの値が0になっていないときには、後述するS149Aに進む。一方、時短回数カウンタの値が0になっているときには、標準時短フラグがセットされているか否かを確認する(S148A)。標準時短フラグがセットされているときは、標準時短状態となってから第1の所定回数(98回)の変動表示が実行されたときであるので、標準時短状態を終了させるために、標準時短フラグをリセットし(S148B)、S148Dに進む。一方、標準時短フラグがセットされていないとき、すなわち、超時短フラグがセットされているときは、超時短状態となってから第2の所定回数(96回)の変動表示が実行されたときであるので、超時短時短状態を終了させるために、超時短フラグをリセットし(S148C)、S148Dに進む。これにより、標準時短状態であったときは、98回の変動表示が行なわれた時点で標準時短状態が終了し、超時短状態であったときは、96回の変動表示が行なわれた時点で超時短状態が終了する。このように、S145〜S149により標準時短状態または超時短状態が継続する特別図柄の変動表示回数を管理する。なお、S147で時短回数カウンタの値が0になっているときは、S148Aの判断の処理を行なうことなく、標準時短フラグおよび超時短フラグをリセットするようにしてもよい。このようにすれば、遊技制御プログラムの処理数を増加させることなく、確実にフラグをリセットすることができる。
そして、CPU56は、標準時短状態または超時短状態が終了したことに応じて、時短終了確変状態であることを示すフラグである(時短状態が終了したことを示すフラグでもある)時短終了フラグをセットし(S148D)、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して時短終了指定コマンドを送信する制御を行ない(S149)、S149Aに進む。
なお、2R大当りとして、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない2R通常大当りが選択可能となるようにしてもよい。2R通常大当りにおいては、大当り遊技状態の終了後に、2R確変大当りの場合と同様に、超時短状態に移行させる制御を行なうようにしてもよい。このような2R通常大当りを設ける場合に、2R通常大当りの大当り遊技状態の終了後においては、変動表示回数で時短状態の継続期間を制限する。2R通常大当りの大当り遊技状態の終了後において、変動表示回数で時短状態の継続期間を制限するときには、2R確変大当りと同じ変動表示回数(たとえば96回)で時短状態の継続期間を制限することにより、2R通常大当りであるか、2R確変大当りであるかを判別しにくいようにしてもよい。このようにすれば、2R通常大当りを設けた場合に、2R大当りとなったときに、確変状態であるか否かを遊技者が認識しにくくなるので、遊技の興趣を向上させることができる。2R通常大当りの大当り遊技状態の終了後において、確変状態ではない状態で超時短状態に移行し、変動表示回数(たとえば96回)で超時短状態の継続期間を制限するときには、たとえば図28の特別図柄停止処理において、2R通常大当りの大当り遊技状態の終了後の超時短状態において、たとえば、S140で確変フラグがセットされていないと判断されたときに超時短フラグがセットされているか否かを判断し、セットされているときにSS146に進むことにより、時短回数カウンタを減算すればよい。そして、その後、S147で時短回数カウンタが0になったときに、S148Cのステップまたはそれとは別のステップにより、超時短フラグをリセットすればよい。
S149Aでは、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S149A)。小当りフラグがセットされていない場合には、表示結果がはずれのときであり、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S149F)、処理を終了する。
小当りフラグがセットされている場合に、CPU56は、小当り開始指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S148B)。
また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことをたとえば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S148C)。また、ROM54に記憶されている小当りの開放パターンデータ(図10)を参照し、小当り開放前処理(S308)および小当り開放中処理(S309)で大入賞口の開放回数を計数管理するために用いる開放回数カウンタに開放回数(2回)をセットする(S148D)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S308)に対応した値に更新し(S148E)、処理を終了する。これにより、その後、小当り開放前処理(S308)および小当り開放中処理(S309)が実行されることにより、小当り遊技状態において2R確変大当りの大当り遊技状態と同じ態様で大入賞口が2回開放されることとなる。
図29は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(S402)、大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ、処理を終了する。これにより、大当り遊技状態の開始時においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、前述したように設定された大当り表示時間となるので、大当りが発生したことを報知する制御が行なわれる。また、大当り遊技状態中のラウンド間においては、大入賞口制御タイマの値が0になるまで、後述するS440により設定されたインターバル時間となるので、インターバル時間について予め定められた演出をする制御が行なわれる。
大入賞口制御タイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S403)。CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置20)を開放する制御を行なうとともに(S404)、開放回数カウンタの値を−1する(S405)。
また、大入賞口制御タイマに、各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値として、大当りの種別に応じた開放パターンデータに基づく、当該ラウンドの開放時間に相当する値を設定する(S406)。ラウンドの開放時間は、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータ(図10)を参照して設定する。たとえば、15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りの場合には開放時間が29秒に設定され、2R確変大当りの場合には開放時間が0.5秒に設定される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(S306)に応じた値に更新する(S407)。
図30は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(S306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(S420)。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0になったか否か確認する(S421)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは、カウントスイッチ23がオンしたか否か確認し(S432)、カウントスイッチ23がオンしていなければ、処理を終了する。カウントスイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタの値を+1する(S433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(たとえば10)になっているか否か確認する(S434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、処理を終了する。なお、S421とS432との判定順は逆でもよい。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を閉鎖する制御を行なう(S435)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(S436)。
次いで、CPU56は、開放回数カウンタの値を確認する(S438)。開放回数カウンタの値が0でない場合には、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S439)。そして、大入賞口制御タイマに、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでのインターバル時間に相当する値を設定する(S440)。具体的に、具体的に、大当り種別は、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて確認する。また、インターバル時間は、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータ(図10)を参照して設定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に応じた値に更新する(S441)。
また、開放回数カウンタの値が0である場合に、CPU56は、大当り種別に応じた大当り終了コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するための制御を行なう(S442)。具体的に、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて、大当り種別を確認する。そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間(大当り遊技が終了したことをたとえば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S443)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(S307)に応じた値に更新し(S444)、処理を終了する。
図31は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されて動作中であるか否か確認し(S151)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、終了する大当りの種別に応じた大当り終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S152)。具体的に、大当り種別は、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて確認する。そして、大当り種別が15R第1確変大当りであった場合には、大当り終了1指定コマンドを送信する。大当り種別が15R第2確変大当りであった場合には、大当り終了2指定コマンドを送信する。大当り種別が2R確変大当りであった場合には、大当り終了3指定コマンドを送信する。
そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行なわれている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S153)、処理を終了する。
S154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S155)。経過していなければ処理を終了する。一方、経過していれば、大当りフラグをリセットする(S156)。そして、本実施の形態の場合は大当りの種別がすべて確変大当りであるので、大当り遊技状態が終了することに応じて、確変フラグをセットし(S157)、遊技状態を確変状態に移行させる。
そして、変動表示回数で制限された確変状態に制御するために、CPU56は、所定の確変回数として、100回を示す値を確変回数カウンタにセットする(S158)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して確変状態指定コマンドを送信する制御を行なう(S129)。
次に、終了する大当りの大当り種別が、15R第1確変大当りであるか否かを判定する(S160)。S160で、終了する大当りの大当り種別が15R第1確変大当りであるときには、大当り遊技状態の終了後に、変動表示回数で制限された標準時短状態および電チューサポート制御状態に制御するために、CPU56は、所定の時短回数として、98回を示す値を時短回数カウンタにセットし(S161)、標準時短フラグをセットする(S162)。これにより、大当り遊技状態の終了後に、変動表示回数で制限された標準時短状態および電チューサポート制御状態に移行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して標準時短状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S163)、S171に進む。
また、S160で、終了する大当りの大当り種別が15R第1確変大当りではないときには、終了する大当りの大当り種別が、15R第2確変大当りであるか否かを判定する(S164)。
S164で、終了する大当りの大当り種別が15R第2確変大当りであるときには、大当り遊技状態の終了後に、変動表示回数で制限された超時短状態および電チューサポート制御状態に制御するために、CPU56は、所定の時短回数として、96回を示す値を時短回数カウンタにセットし(S168)、超時短フラグをセットする(S169)。これにより、大当り遊技状態の終了後に、変動表示回数で制限された超時短状態および電チューサポート制御状態に移行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して標準時短状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S170)、S171に進む。
また、S164で、終了する大当りの大当り種別が15R第2確変大当りではないときは、消去法的に、終了する大当りの大当り種別が2R確変大当りである。終了する大当りの大当り種別が2R確変大当りであるときには、図2(B)に示す2R確変大当り後ベース・変動時間状態選択テーブルを用いて、2R確変大当りの大当り遊技状態終了後のベース状態および変動時間状態を決定する(S165)。なお、S164で、15R第2確変大当りでないときは、2R確変大当りであるか否かを確認し、2R確変大当りであるときに、S165に進むようにしてもよい。
具体的に、S165では、次のようにベース状態および変動時間状態を決定する。特別図柄停止処理のS133Bによりセットされた大当り発生時情報フラグに基づいて、今回の大当りの発生時の大当り確率状態およびベース状態の情報(大当り発生時情報)を確認し、当該大当り発生時情報に基づき、2R確変大当り後ベース・変動時間状態選択テーブルを用いて、2R確変大当りの大当り遊技状態終了後のベース状態および変動時間状態を選択決定する。そして、大当り発生時情報フラグをリセットする(S166)。
次に、S165において超時短状態とすることが選択されたか否かを確認する(S167)。S165において超時短状態とすることが選択されたときには、S168に進み、大当り遊技状態の終了後に、変動表示回数で制限された超時短状態および電チューサポート制御状態に制御するために、CPU56は、所定の時短回数として、96回を示す値を時短回数カウンタにセットし(S168)、超時短フラグをセットする(S169)。これにより、大当り遊技状態の終了後に、変動表示回数で制限された超時短状態および電チューサポート制御状態に移行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して標準時短状態指定コマンドを送信する制御を行ない(S170)、S171に進む。
一方、S165において超時短状態とすることが選択されていないときには、そのまま後述するS171に進む。この場合は、大当り遊技状態の終了後に、時短状態および電チューサポート制御状態とならない。
S171において、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新し(S170)、処理を終了する。
前述したS160,164において、大当り種別は、RAM55における大当り種別バッファに設定した大当り種別を示すデータに基づいて確認される。
前述したように、時短状態となるときに、時短状態の種類を特定可能に標準時短状態指定コマンドと超時短状態指定コマンドとのいずれかを送信することにより、演出制御用マイクロコンピュータ100において、時短状態が、標準時短状態、および、超時短状態のうちどの種別の時短状態であるかを認識することができるので、たとえば、時短状態の種別に応じて異なる演出を行なうことができる。具体的に、時短状態の種別に応じて異なるキャラクタを表示する演出を行なうようにしてもよく、また、超時短状態のときに演出図柄を画面端部に移動させて変動表示させ、キャラクタを用いた演出等の所定の演出を複数回の変動表示にまたがる態様で実行し、大当りとなるときに、このような所定演出の結果として、大当りを連想させるような特定の演出を行なうようにしてもよい。また、時短状態の種別に応じて異なる演出としては、変動表示を行なう演出図柄の種類を異ならせること、演出図柄の変動表示等の変動態様を異ならせること、および、背景画像を異ならせることのうちのいずれの演出を行なうようにしてもよい。また、時短状態の種別に応じて異なる演出としては、前述した複数の演出のうちいずれか2つ以上の演出を組合せた演出を行なうようにしてもよい。また、標準時短状態と超時短状態とを含む時短状態となるときに、時短状態の種類を特定せずに、時短状態であることを示す状態指定コマンドを送信してもよい。その場合であっても、演出制御用マイクロコンピュータ100において、時短状態であるかを認識することができるので、たとえば、時短状態に応じて、非時短状態と異なる演出を行なうことができる。
また、取り扱うタイマやフラグは異なるものの、S308の小当り開放前処理はS305の大当り開放前処理と同様の処理であり、S309の小当り開放中処理はS306のラウンド中処理と同様の処理であり、S310の小当り終了処理はS307の大当り終了処理と同様の処理であり、これらの処理が実行されることにより、小当り遊技状態では、2R確変大当りのときの大当り遊技状態と同様の開放パターンで特別可変入賞球装置20の大入賞口が開放動作させられる。ただし、小当り終了処理においては、大当り終了処理の場合と異なり、確変フラグ、標準時短フラグ、および、超時短フラグのセットは行なわれない。したがって、小当りのときには、確変フラグ、標準時短フラグ、および、超時短フラグのセット/リセットは行なわれない。
次に、普通図柄の表示結果を決定するために用いる普通図柄表示結果決定テーブルについて説明する。図32は、普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。普通図柄表示結果決定テーブルは、ROM54に記憶されている。
普通図柄表示結果決定テーブルにおいては、普通図柄当り判定用のランダム4(1〜201)の値(決定値)と、普通図柄の表示結果と、普通図柄の変動時間と、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数との関係が、通常遊技状態(電チューサポート制御がされていない遊技状態)と、電チューサポート制御状態とに分けて示されている。
通常遊技状態のときにおいて、決定値が1〜20のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が10秒間に設定されるとともに、開放時間が0.3秒間で1回開放することに設定される。一方、通常遊技状態のときにおいて、決定値が21〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が10秒間に設定される。
また、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が1〜180のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が1秒間に設定されるとともに、開放時間が1.5秒間で3回開放することに設定される。一方、電チューサポート制御状態のときにおいて、決定値が181〜201のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が1秒間に設定される。
このように、普通図柄の制御に関し、電チューサポート制御状態のときには、通常遊技状態と比べて、決定値が当りとなる割合が高くなるように設定され、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間および開放回数が増加するように設定される。
図33は、図6のS27において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行なう(S501)。S501では、遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号が所定期間オン状態となった場合に、遊技球のゲート通過(通過球)の検出があったものと判断して、ゲート通過時処理を実行する(S502)。
S502において実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている普図保留記憶データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。普図保留記憶部は、ゲートスイッチ32aにより遊技球のゲート通過が検出されたときに抽出した普通図柄の表示結果決定用のランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、最大限4つ保留記憶するデータ記憶領域を有する。この普図保留記憶部は、前述した第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファと同様に、普図保留記憶データを格納された順番を特定可能な状態で保存していき、順番にしたがって変動表示に使用された普図保留記憶データを消去し、残りの普図保留記憶データについてデータ記憶領域を1つずつシフトしていく構成となっている。
S502において、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、CPU56が、ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出したランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、普図保留記憶部でデータが記憶されずに空いているデータ記憶領域のうち先頭順番の領域にセットする。一方、普図保留記憶部において、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の検出は無効として、ランダム4の数値データの新たな抽出および記憶は行なわない。
ゲート通過時処理を実行した後、および、S501でゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS510〜S514の各処理を実行する。
S510の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、たとえば普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データがある場合には、普通図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S511の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているか否かに基づいて、電チューサポート制御状態であるか否かを認識し、普図保留記憶部の先頭順番に格納された普図保留記憶データ(普通図柄の表示結果決定用のランダム4を示す数値データ)に基づき、図32に示す普通図柄表示結果決定テーブルを参照して、普通図柄の変動表示における表示結果を、「当り」とするか「はずれ」とするかの決定等が行なわれる。
前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短状態および超時短状態を含む時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、ランダム4と比較される決定値が割振られている。これにより、電チューサポート制御状態では、S511の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の表示結果が「当り」と判定されやすくなることで、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、普通図柄の変動時間も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短状態および超時短状態を含む時短状態に対応した電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。これにより、電チューサポート制御状態では、S511の普通図柄判定処理において、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているときに電チューサポート制御状態であると認識し、通常遊技状態と比べて普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。電チューサポート制御状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
なお、この実施の形態では、時短状態として、標準時短状態と超時短状態とで同じ変動時間で普通図柄を変動表示させる制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、標準時短状態と超時短状態とで同じ変動時間で普通図柄を変動表示させる制御を行なうようにしてもよい。たとえば、超時短状態のときの方が、標準時短状態のときよりも、短い変動時間で普通図柄を変動表示させる制御を行なうようにしてもよい。
さらに、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているときに電チューサポート制御状態であると認識し、電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるように設定されている。したがって、電チューサポート制御状態である場合に、非電チューサポート制御状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなるような制御が行なわれる。これにより、電チューサポート制御状態では、開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)が開放状態となる時間および回数が増加し、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
なお、この実施の形態では、時短状態として、標準時短状態と超時短状態とで同じ開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開放する制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、標準時短状態と超時短状態とで異なる開放時間および異なる開放回数で可変入賞球装置15を開放する制御を行なうようにしてもよい。たとえば、超時短状態のときの方が、標準時短状態のときよりも、開放時間および開放回数の少なくとも一方で遊技者にとって有利となる動作をする制御を行なうようにしてもよい。
普通図柄判定処理では、このような各種判定がされた後、普通図柄プロセスフラグの値を「2」に更新する。
S512の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示において普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動表示する普通図柄は、S513の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動表示が停止して普通図柄の表示結果となる普通図柄の表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動表示を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が、普通図柄判定処理で決定された変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、決定された変動時間に達したときには、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S513の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の表示結果を導出表示させるための設定は、S512の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が決定された変動時間に達したときに、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「当り」である場合に、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開閉するようにソレノイド16を駆動する作動パターンの設定を行なってから、普通図柄プロセスフラグの値が「4」に更新される。一方、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「はずれ」である場合には、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
S514の普通電動役物作動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通図柄の変動表示における表示結果が「当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15において可動片を開放状態に動作させることにより、第2始動入賞口14を閉状態から開状態に変化させる制御が行なわれる。たとえば、普通電動役物作動処理では、S513の普通図柄停止処理においてセットされた作動パターンの設定に応じて、ソレノイド16を駆動するための駆動制御信号を生成することにより、可変入賞球装置15を、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で開状態とする制御を行なう。これにより、図32に示すような遊技状態および表示結果に応じた動作パターンで可変入賞球装置15が開閉動作させられることとなる。そして、作動パターンの設定に応じたソレノイド16の駆動が終了すると、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図34は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出図柄の大当り図柄決定用乱数および各種演出内容の選択決定用乱数等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるか、小当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
15R大当りとなるときには、左,中,右の演出図柄がそろったぞろ目の大当り図柄の組合せを大当り表示結果として決定する。大当り図柄の組合せは、たとえば、15R第1確変大当りとなるときには、たとえば、「4」というような偶数のぞろ目を大当り図柄の組合せとして決定する。また、15R第2確変大当りとなるときには、たとえば、「7」というような奇数のぞろ目を大当り図柄の組合せとして決定する。15R第1確変大当りとなるときには複数種類の偶数図柄のぞろ目の組合せのうちいずれかをランダムに大当り表示結果として選択決定し、15R第2確変大当りとなるときには複数種類の奇数図柄のぞろ目の組合せのうちいずれかをランダムに大当り表示結果として決定する。このように、偶数のぞろ目と、奇数のぞろ目との表示結果で15R第1確変大当りと、15R第2確変大当りとを区別することにより、これら大当りを区別しやすいようにすることができる。また、15R第1確変大当りとなるときには奇数図柄の組合せを大当り表示結果として選択決定し、15R第2確変大当りとなるときには偶数図柄の組合せを大当り表示結果として決定してもよい。なお、15R第1確変大当りと15R第2確変大当りについては、ともに確変大当りであるので、これら大当りの種別で区別することなく大当り図柄の組合せを共通に決定するようにしてもよい。また、2R確変大当りとなるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる3種類のチャンス目のうちいずれかのチャンス目を、大当り図柄の組合せとしてランダムに決定する。また、小当りとなるときには、2R確変大当りのときと同様に、3種類のチャンス目のうちいずれかのチャンス目を、小当り図柄の組合せとしてランダムに決定する。
一方、はずれとなるときには、ぞろ目とならず、かつ、チャンス目とならない左,中,右の演出図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可動なはずれ表示結果を決定し、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果を決定する。
なお、変動パターンコマンドにより、変動パターンに加えて、大当りとするか否か、および、大当りの種別を特定可能とする場合には、変動パターンコマンドにより特定される大当りとするか否かの情報、および、大当りの種別の情報に基づいて、演出図柄の停止図柄の組合せを決定するようにしてもよい。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応して予め定められたリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応して予め定められたリーチ演出が行なわれる。たとえば、図21および図22に示すようなスーパーリーチ1〜スーパーリーチ5のリーチ演出は、変動パターンコマンドにおいて、このようなスーパーリーチが指定されたときに、これらスーパーリーチの種類に対応して予め定められたデータを用いて演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される。また、変動パターンコマンドにおいて非リーチ特殊が指定されたときには、各非リーチ特殊の種類に対応して予め定められた演出が行なわれる。また、変動パターンコマンドにおいてリーチ特殊が指定されたときには、各リーチ特殊の種類に対応して予め定められた演出が行なわれる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、時短状態の種類を特定可能な演出制御コマンド(標準時短状態指定コマンド、超時短状態指定コマンド)に基づいて、時短状態が、標準時短状態、および、超時短状態のうちどの種別の時短状態であるかを認識することができるので、演出表示装置9等の演出装置により、時短状態の種別に応じて異なる演出が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる通常状態指定コマンド、標準時短状態指定コマンド、超時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンド、時短終了指定コマンド、および、確変終了指定コマンド等に基づいて、遊技状態がどのような状態にあるかを特定するデータを記憶し、その記憶データに基づいて、遊技状態を常に認識する。そして、このように認識している遊技状態と、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる変動パターンコマンドとに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、現在の遊技状態に応じた演出態様で演出図柄の変動表示を実行させる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される演出コマンドについては、前述したような通常状態指定コマンド、標準時短状態指定コマンド、超時短状態指定コマンド、確変状態指定コマンド、時短終了指定コマンド、および、確変終了指定コマンドを用いる代わりに、現在の遊技状態も特定可能な変動パターンコマンドを送信するようにしてもよい。そのようにする場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、当該変動パターンコマンドに基づいて、現在の遊技状態を認識するとともに、変動パターンを認識することができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、前述した潜伏演出制御を次のように行なう。2R確変大当りの終了を示す大当り終了3指定コマンドを受信したときと、小当りの終了を示す小当り指定コマンドを受信したときには、演出制御プロセス処理において、大当り遊技状態の終了時および小当り遊技状態の終了時のそれぞれにおいて潜伏演出フラグをセットする。そして、潜伏演出フラグは、次に大当りが終了するか、または、所定回数(100回)の変動表示が実行されるまでという確変状態の継続期間が終了したときにリセットされる。そして、潜伏演出フラグがセットされている間において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変状態であるか否かを報知せず、共通の背景画像を表示する等、確変状態となっているか否かを遊技者が認識しにくい潜伏演出を行なう。なお、このような潜伏演出は、次回の大当りが発生するまでの期間継続させる例の他に、所定回数(たとえば、100回等)の変動表示(特別図柄および演出図柄の変動表示)が実行されるまでの期間継続させるようにしてもよい。また、潜伏演出としては、大当り遊技状態終了後に高確低ベース状態に移行する2R確変大当りと、低ベース状態(非時短状態)中に生じた小当りとのそれぞれにおいて実行するようにしてもよい。また、潜伏演出としては、大当り遊技状態終了後に高確高ベース状態に移行する2R確変大当りと、高ベース状態(時短状態)中に生じた小当りとのそれぞれにおいて実行するようにしてもよい。
以上に示した実施の形態では、図2に示すように、15R第2確変大当りとなったとき、または、低確低ベース以外の状態で2R確変大当りとなったときに、超時短状態に制御されるので、保留記憶データが早期に消化されることで遊技者に満足感を与えることができる。また、15R大当りおよび2R大当りのそれぞれの大当り遊技状態の終了後の電チューサポート制御状態においては、可変入賞球装置15が開状態に変化する頻度が高いので、第2特別図柄表示器8bで変動表示が実行される頻度が高くなるが、確変状態および電チューサポート制御状態において、遊技者にとって不利な2R確変大当りが発生した場合に、遊技者を落胆させるだけでなく、超時短状態に制御される場合があることにより保留記憶データが早期に消化されることで遊技者に満足感を与えることができる。
なお、前述した実施の形態では、標準時短状態に制御される第1特定遊技状態として15R第1確変大当りを設け、超時短状態に制御される第2特定遊技状態として15R第2確変大当りおよび2R確変大当りを設けた例を示した。しかし、これに限らず、超時短状態に制御される第2特定遊技状態としては、15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りのように複数種類の2R確変大当りを設けてもよい。たとえば、2R第1確変大当りとして超時短状態のみに制御されるものを設け、2R第2確変大当りとして超時短状態または非時短状態に制御されるものを設けてもよい。
また、前述した実施の形態では、小当りを設け、第2確変大当りとして、高確高ベース状態に制御されるもの、および、高確低ベース状態(超時短状態)に制御されるものを示した。しかし、これに限らず、小当りを設けず、第2確変大当りとしては、高確高ベース状態(超時短状態)に制御されるもののみを設けてもよい。
また、前述した実施の形態に示した「超時短」の変動パターンは、超時短状態に制御されているときにおいては、表示結果にかかわらず100%の割合で選択されるように設定してもよい。さらに、このような「超時短」の変動パターンの100%の割合での選択は、第1特別図柄と第2特別図柄とで区別することなく行なうようにする。さらに、このような「超時短」の変動パターンの100%の割合での選択は、保留記憶数に関係なく行なうようにする(保留数短縮制御が行なわれない)。つまり、「超時短」の変動パターンは、超時短状態に制御されているときにおいては、表示結果にかかわらず、第1特別図柄と第2特別図柄との図柄種別にかかわらず、かつ、保留記憶数にかかわらず、100%の割合で選択されるようにすればよい。
また、前述した実施の形態においては、図33の普通図柄プロセス処理において、超時短状態と標準時短状態とで、普通図柄の変動時間が異なるように制御してもよい。たとえば、超時短状態における普通図柄の変動時間を、標準時短状態においける普通図柄の変動時間よりも極めて短い時間となるように制御してもよい。このようにすれば、超時短状態において、第2特別図柄の変動表示が早期に消化されるときであっても、普通図柄の変動表示が早期に消化されることにより第2保留記憶データの増加率が高まるので、第2特別図柄の第2保留記憶データがなくなって連続的に行なわれる第2特別図柄の変動表示が途切れてしまうのを極力防止することができる。
また、前述した実施の形態においては、大当り遊技状態の終了後に高確低ベース状態となる2R確変大当りを選択可能とする場合において、当該大当り遊技状態の終了の変動表示回数を計数し、変動表示回数が所定回数(たとえば、96回または98回のような時短終了確変状態となる変動表示回数)となったときに、変動パターンの選択割合を変更することで、時短終了確変状態において実行される予め定められた変動パターンを選択可能となるようにしてもよい。つまり、2R確変大当りの大当り遊技状態の終了後の所定回数分の変動パターンの選択割合を、それ以外の状態での変動パターンの選択割合と異ならせるようにしてもよい。
また、前述した実施の形態においては、高確低ベース状態の時短終了確変状態において行なう演出として、複数回の変動表示に亘って操作スイッチ等の操作手段の操作(たとえば操作スイッチの連打)を要求する一連の演出を実行して、当該要求に応じた操作を遊技者にさせ、当該要求に応じた操作が行なわれたことを条件として、表示結果が大当りとなる変動表示において大当りの発生を告知する(当該変動表示1回だけで大当りの発生を報知するような告知)演出を行なうようにしてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図2(A)に示すように、15R第1確変大当り、および、15R第2確変大当りの大当り遊技状態の終了後においては、100回というような予め定められた回数の変動表示が実行されるまで確変状態に制御され、98回または96回というような当該確変状態が継続する回数よりも少ない回数の変動表示が実行されるまで時短状態(標準時短状態および超時短を含む)および電チューサポート制御状態に制御される。図2(A),(B)に示すように、15R第2大当りの大当り特定遊技状態の終了後においては、15R第1確変大当りの大当り遊技状態の終了後の標準時短状態よりもさらに短い変動時間の変動パターンが選択される超時短状態に制御される。そして、このような標準時短状態または超時短状態(電チューサポート制御状態)が終了した後の確変状態(高確低ベース状態)においては、たとえば、図17に示すような第4スーパーリーチおよび第5スーパーリーチのように、標準時短状態または超時短状態であるときに選択される変動パターンとは異なる変動パターンが選択可能となり、さらに、図2(A)に示すように、15R第2確変大当りの大当り特定遊技状態の終了後に時短状態(超時短状態)および電チューサポート制御状態に制御される変動表示の回数が、15R第1確変大当りの大当り遊技状態の終了後に時短状態(標準時短状態)および電チューサポート制御状態に制御される変動表示の回数よりも少ない。これにより、大当りとして、15R第1確変大当りと15R第2確変大当りとのどちらに制御されるかにより、大当り遊技状態終了後の遊技状態の変遷が異なることになるので、大当り遊技状態終了後において確変状態が終了するまでの遊技状態の変化に多様性を持たせることができるとともに、時短状態(標準時短状態、超時短)が終了した後確変状態が終了するまでの期間において遊技に遊技者の注意を惹きつけることができ、大当り遊技状態の終了後における状態の変化により遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 図26のS106A,S106Bにより、標準時短状態(電チューサポート制御状態)の終了後の2回の変動表示、および、超時短状態(電チューサポート制御状態)の4回の変動表示においては、たとえば図17の第4スーパーリーチ、および、第5スーパーリーチのように、その他の遊技状態において選択されないが選択され得る。このように、標準時短状態または超時短状態の終了後の確変状態における複数回の変動表示において、標準時短状態または超時短状態の終了前における変動表示の演出とは異なる演出が行なわれるので、時短状態(標準時短状態、超時短状態)が終了した後確変状態が終了するまでの期間において遊技に遊技者の注意をさらに惹きつけることができ、遊技者の焦燥感を煽ることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図2(B)に示すように、2R確変大当りについては、低確低ベース状態において実行することが決定されたときには標準時短状態に制御され、低確低ベース状態以外の状態において実行することが決定されたときには、超時短状態に制御される。これにより、2R確変大当りについては、2R確変大当りとすることが決定されたときの状態に応じて、大当り遊技状態終了後の状態の変遷が異なることになるので、大当り遊技状態終了後における状態の変化にさらに多様性を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 図2(A)に示すように、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とで、15R第1確変大当りと15R第2確変大当りとの選択割合が異なるので、15R第1確変大当りと15R第2確変大当りとの選択割合を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図2(B)に示すように、15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りよりも、遊技者にとって不利な(得られる賞球数で不利)2R確変大当りに、超時短状態に制御されるという価値を付与することにより、15R第1確変大当りおよび15R第2確変大当りよりも遊技者にとって不利な2R確変大当りが発生した場合に、遊技者を落胆させるだけでなく、第2短縮状態に制御されることにより遊技者に満足感を与えることができる。
(6) 図8(C),(D)に示すように、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、15R第2確変大当りの選択割合が高いので、確変状態に制御されたことに伴なう高ベース状態においては、低ベース状態と比べて、可変入賞球装置15において遊技球が入賞しやすくなり、超時短状態となる15R第2確変大当りが選択されやすくなる。これにより、確変状態が連続的に発生するときにおいて、超時短状態となることによる変動表示の短さにより各変動表示を効率よく短期間で実行していくことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(7) なお、時短終了確変状態以外の非時短状態において2R確変大当りとするときには、非時短状態になる2R第1確変大当りと、標準時短状態になる2R第2確変大当りと、超時短状態になる2R第3確変大当りとのいずれの大当りとなるように決定してもよい。そして、標準時短状態において2R確変大当りとするときには、標準時短状態になる2R第2確変大当りと超時短状態になる2R第3確変大当りとのいずれが決定されるが、超時短状態において2R確変大当りとするときには、超時短状態となる2R第3確変大当りのみが決定されようにする等、超時短状態において2R確変大当りにすることが決定されたときに、通常状態または標準時短状態において2R確変大当りにすることが決定されたときよりも、超時短状態に制御する割合が高くなるようにしてもよい。これにより、2R確変大当りに制御することが決定されたときの遊技状態に応じて2R確変大当りの終了後に超時短状態に制御される割合が変化するので、遊技状態の変遷の多様化を図ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 前述した2R第1確変大当り、2R第2確変大当り、および、2R第3確変大当りを用いる構成において、超時短状態になる2R第3確変大当りを決定する割合が、標準時短状態において2R確変大当りとすると決定されたときの方が、時短終了確変状態以外の非時短状態において2R確変大当りとすると決定されたときよりも高く設定してもよい。これにより、標準時短状態において2R確変大当りにすることが決定されたときに、時短終了確変状態以外の非時短状態において2R確変大当りにすることが決定されたときよりも、超時短状態に制御する割合が高い。そして、2R確変大当りに制御することが決定されたときの遊技状態に応じて2R確変大当りの終了後に超時短状態に制御される割合がさらに変化するので、より一層遊技状態の変遷の多様化を図ることができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(9) 図18(a),(b)に示すような、時短終了確変状態以外の非時短状態、または、標準時短状態において15R確変大当りとするときに決定される変動パターンよりも、図18(c)に示すような、超時短状態において15R確変大当りとするときに決定される変動パターンの方が、選択される変動パターンの変動時間が短く設定されている。また、図19(a),(b)に示すような、時短終了確変状態以外の非時短状態、または、標準時短状態において2R確変大当りとするときに決定される変動パターンよりも、図19に示すような、超時短状態において2R確変大当りとするときに決定される変動パターンの方が、選択される変動パターンの変動時間が短く設定されている。したがって、超時短状態において15Rおよび2Rの大当りとすると決定されたときの方が、時短終了確変状態以外の非時短状態、または、標準時短状態において15Rおよび2Rの大当りとするときよりも、超時短状態に制御される割合が高い。このように、超時短状態において15Rおよび2Rの大当りを含む大当りにすることが決定されたときに、時短終了確変状態以外の非時短状態、または、標準時短状態において15Rおよび2Rの大当りを含む大当りにすることが決定されたときよりも短い変動時間に決定される。これにより、超時短状態となったときから大当りとなるまでの期間を、時短終了確変状態以外の非時短状態、または、標準時短状態となったときから大当りとなるまでの期間よりも短くすることができるので、遊技にスピード感を出すことができ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
(10) 前述した2R第1確変大当り、2R第2確変大当り、および、2R第3確変大当りを用いる構成において、超時短状態において2R第2確変大当りにすることが決定されたときに、超時短状態に制御され、超時短状態以外の非時短状態のような所定の状態(標準時短状態であってもよい)において2R第2確変大当りにすることが決定されたときに、超時短状態以外の標準時短状態のような所定の状態(超時短状態以外の非時短状態であってもよい)に制御されるようにする。これにより、確変状態および電チューサポート制御状態において超時短状態に制御されているときに、遊技者にとって不利な2R確変大当りが発生した場合に、遊技者を落胆させるだけでなく、超時短状態に制御されることにより遊技者に満足感を与えることができる。さらに、第2特別図柄について2R第3確変大当りを選択する割合が、第1特別図柄について2R第3確変大当りを選択する割合よりも高くなるように設定する。15R大当および2R大当りのそれぞれの大当り遊技状態の終了後の電チューサポート制御状態においては、可変入賞球装置15が開状態に変化する頻度が高いので、第2特別図柄表示器8bで変動表示が実行される頻度が高くなるが、第2特別図柄について2R第3確変大当りを選択する割合が、第1特別図柄について2R第2確変大当りを選択する割合よりも高いので、第1特別図柄表示器8aで実行される変動表示よりも、第2特別図柄表示器8bで実行される変動表示の方が、2R確変大当りとして2R第3確変大当りを決定する割合が高いため、2R確変大当りが発生した場合に、2R第3確変大当りに制御されることにより、より一層遊技者に満足感を与えることができる。
(11) 前述した2R第1確変大当り、2R第2確変大当り、および、2R第3確変大当りを用いる構成において、2R確変大当りとして、超時短状態に制御せずに標準時短状態に制御される2R第2確変大当りと、標準時短状態に制御せずに超時短状態に制御される2R第3確変大当りとを含むので、確変状態および電チューサポート制御状態において、遊技者にとって不利な2R確変大当りが発生した場合に、遊技者を落胆させるだけでなく、超時短状態に制御されることにより遊技者に満足感を与えることができる。さらに、第2特別図柄について2R第3確変大当りを選択する割合が、第1特別図柄について2R第3確変大当りを選択する割合よりも高くなるように設定する。15R大当りおよび2R大当りのそれぞれの大当り遊技状態の終了後の電チューサポート制御状態においては、可変入賞球装置15が開状態に変化する頻度が高いので、第2特別図柄表示器8bで変動表示が実行される頻度が高くなるが、第1特別図柄表示器8aで実行される変動表示よりも、第2特別図柄表示器8bで実行される変動表示の方が、2R確変大当りとして2R第3確変大当りを決定する割合が高いので、2R確変大当りが発生した場合に、超時短状態に制御されることにより、より一層遊技者に満足感を与えることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(3) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
(4) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(5) 時短状態を実現するための制御としては、時短状態に制御されたときに、変動パターンのうち、非時短状態と比べて、変動時間が比較的短い変動パターンの選択割合を増加させることにより時短状態となるようにしてもよい。また、時短状態を実現するための制御としては、非時短状態専用の複数種類の変動パターンと、当該変動パターンよりも平均的な変動時間が短い時短状態専用の複数種類の変動パターンとを設け、非時短状態においては非時短状態専用の複数種類の変動パターンから変動パターンを選択し、時短状態においては時短状態専用の複数種類の変動パターンから変動パターンを選択することにより、時短状態を実現するようにしてもよい。
(6) 前述の実施形態では、大当り種別として、15Rの大当りと2Rの大当りとを設けた例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、15Rの大当り、10Rの大当り、5Rの大当り、および、2Rの大当りを設ける場合のように、3種類以上のラウンド数の大当り種別を設けてもよい。その場合には、たとえば、大当りの種別を、賞球が得られやすい大当り種別グループ(たとえば、15Rの大当り、10Rの大当り)と、賞球が得られにくい大当り種別グループ(たとえば、5Rの大当り、2Rの大当り)とに分類し、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。そのときには、前述した実施形態に示したような時短状態に関する制御を、賞球が得られやすい大当り種別グループの大当り種別については、前述した実施形態での15R大当りと同様の制御を行ない、賞球が得られにくい大当り種別グループの大当り種別については、前述した実施形態での2R大当りと同様の制御を行なうことにより、グループ単位で、前述のような変動時間の制御を行なうようにしてもよい。
(7) 前述した実施形態では、保留記憶数に応じて変動パターンの選択割合を異ならせる制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、保留記憶数に応じて変動パターンの選択割合を異ならせる制御は行なわないようにしてもよい。
(8) 前述した実施形態では、第1特別図柄については、高ベース状態において、保留記憶数に応じて変動パターンの選択割合を異ならせる制御を行なわない例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄については、高ベース状態において、保留記憶数に応じて変動パターンの選択割合を異ならせる制御を行なうようにしてもよい。
(9) 前述した実施形態では、超時短状態となる15R第2確変大当りと2R確変大当りとについて、大当り遊技状態終了後の超時短状態が同じ期間(変動表示96回まで)継続する例を示した。しかし、15R第2確変大当りと2R確変大当りとについて、大当り遊技状態終了後の超時短状態が異なる期間継続するようにしてもよい(たとえば、15R第2確変大当りが変動表示96回まで継続し、2R確変大当りが変動表示94回まで継続する第1例、15R第2確変大当りが変動表示94回まで継続し、2R確変大当りが変動表示96回まで継続する第2例)。
(10) 前述した実施形態では、大当り種別と大当り図柄とを1対1で対応させておき、同じ乱数値(ランダム1)を用いて同時に選択する例を示した。しかし、これに限らず、各大当り種別につき、複数の大当り図柄のそれぞれを、大当り種別決定用の乱数値とは別に設けた大当り図柄決定用の乱数値により対応付けておき、大当り種別を決定した後に、大当り図柄決定用の乱数値を用いて、決定された大当り種別に含まれる複数の大当り図柄のうちから1つの大当り図柄を選択決定する処理を行なうようにしてもよい。
(11) 前述した実施形態では、賞球が得られやすい大当り(15R大当り)と、賞球が得られにくい大当り(2R確変大当り)とについて、大当り遊技状態における特別可変入賞球装置20の開放回数で大当りの種別を分ける例を示した。しかし、これに限らず、賞球が得られやすい大当りと、賞球が得られにくい大当りとについて、開放回数を同じとし、賞球が得られやすい大当りについては賞球が得られやすい長い開放時間とし、賞球が得られにくい大当りについては賞球が得られにくい極めて短い開放時間とするようにしてもよい。このような場合には、前述したような小当りを設けるときにも、賞球が得られにくい大当りと同様の開放回数および開放時間とする。このようにすれば、大当り時の開放回数を区別するために表示するランプ(ラウンドランプ)を設ける必要がなくなるので、パチンコ遊技機1の外部から確変状態であるか否かを全く判別できなくすることができる。
(12) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。