以下、この発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。図1には、ガイドレール2で囲まれ、遊技球を発射して遊技を行う遊技領域1aが前面側に形成された遊技盤1を示した。なお、遊技機の外枠であって島設備に固定される機枠や、遊技領域1aの前面を覆うクリア部材保持枠、遊技盤1を取り付ける前面枠、遊技領域1aの下側に設けられ遊技球を収容する上皿、下皿を有するとともに、遊技者が発射操作を行うための操作ハンドルを備えた操作パネルなどは図示を省略している。
遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面にガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,…が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技領域1aの略中央にはセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された窓部22の後方には、変動表示ゲームをなす特図変動表示ゲームに対応して複数の識別情報を変動表示する飾り特図変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置としての表示装置43が配されるようになっている。この表示装置43は、例えば、液晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部43aがセンターケース20の窓部22を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、表示装置43は液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。
また、遊技領域1a内には、普図始動ゲート4と、普通変動表示ゲームをなす普図変動表示ゲームの未処理回数を表示する普図記憶表示器15、普通変動表示装置として普図変動表示ゲームを表示する普図表示器5が設けられている。また、遊技領域1a内には、第1の始動入賞領域をなす第1始動入賞口13と、第2の始動入賞領域をなす普通変動入賞装置7と、が設けられている。そして、遊技球が第1始動入賞口13に入賞した場合は、特図変動表示ゲームとして第1特図変動表示ゲームが実行され、遊技球が普通変動入賞装置7に入賞した場合は、特図変動表示ゲームとして第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、遊技領域1a内には、変動表示装置として第1特図変動表示ゲームを表示する第1特図表示器8と、変動表示装置として第2特図変動表示ゲームを表示する第2特図表示器9と、が設けられている。また、第1特図変動表示ゲームの未処理回数(第1始動記憶)を表示する第1特図記憶表示器18と、第2特図変動表示ゲームの未処理回数(第2始動記憶)を表示する第2特図記憶表示器19が設けられている。なお、普図記憶表示器15、普図表示器5、第1特図表示器8、第2特図表示器9、第1特図記憶表示器18、第2特図記憶表示器19は、遊技状態を表す遊技状態表示LED(図示略)と併せて、セグメントLEDとして一体に設けられている。なお、特別遊技状態となった場合のラウンド数(2R,7R,15R)を表示するラウンド数表示器(LED)を備えても良い。
さらに遊技領域1aには、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aを有し、第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する特別変動入賞装置10、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴11が設けられている。この他、遊技領域1aには、一般入賞口12,12,…、打球方向変換部材としての風車14、多数の障害釘(図示略)などが配設されている。
普図始動ゲート4内には、該普図始動ゲート4を通過した遊技球を検出するためのゲートSW4a(図2に図示)が設けられている。そして、遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート4内を通過すると、普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置7が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート4を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が1加算されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当たりはずれを決定するための当たり判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当たり判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当たりとなって特別の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。また、普図変動表示ゲームの当たり確率は、比較的高い確率(例えば255/256)となっている。なお、普図変動表示ゲームの始動記憶は、LEDを備える普図記憶表示器15にて表示されるようになっている。
普図変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた普図表示器5で実行されるようになっている。普図表示器5は、普通識別情報(普図、普通図柄)としての当たりを示すLEDと、普通識別情報としてのはずれを示すLEDとから構成され、二つのLEDを交互に点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、何れか一方のLEDを点灯することで結果を表示するようになっている。なお、表示装置43の表示領域の一部で普図変動表示ゲームを表示するようにしても良く、この場合は普通識別情報として、例えば、数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うようにする。この普図変動表示ゲームの停止表示が特別の結果態様(特定結果)となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
普通変動入賞装置7は左右一対の開閉部材7a,7aを具備し、第1始動入賞口13の下部に配設され、この開閉部材7a,7aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、上方に第1始動入賞口13が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としてのソレノイド(普電SOL7b、図2に図示)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置7に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
第1始動入賞口13の内部には第1始動口SW13a(図2に図示)が備えられ、この第1始動口SW13aによって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての第1特図変動表示ゲーム(特別変動表示ゲーム)を開始する始動権利が発生するようになっている。また、普通変動入賞装置7の内部には第2始動口SW7d(図2に図示)が備えられ、この第2始動口SW7dによって遊技球を検出することに基づき、補助遊技としての第2特図変動表示ゲーム(特別変動表示ゲーム)を開始する始動権利が発生するようになっている。この第1特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で第1始動記憶(特図1始動記憶、第1特図始動記憶)として記憶される。そして、この第1始動記憶は、第1特図記憶表示器18に表示される。また、第1特図記憶表示器18の表示に対応して表示装置に第1保留数表示51がなされる(例えば図9参照)。また、第2特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で第2始動記憶(特図2始動記憶、第2特図始動記憶)として記憶される。そして、この第2始動記憶は、第2特図記憶表示器19にて表示される。また、第2特図記憶表示器19の表示に対応して表示装置に第2保留数表示52がなされる(例えば図9参照)。なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲームは、遊技領域1a内に設けられた第1特図表示器8(変動表示装置、第1変動表示装置)、第2特図表示器9(変動表示装置、第2変動表示装置)で実行されるようになっており、複数の特別識別情報(特図、特別図柄)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置43にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。すなわち、第1特図表示器8、表示装置43が第1特図変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)を表示する第1変動表示装置をなし、第2特図表示器9、表示装置43が第2特図変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)を表示する第2変動表示装置をなす。また、第1特図表示器8、第2特図表示器9、表示装置43が、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示する変動表示装置をなす。そして、この特図変動表示ゲームの結果として、第1特図表示器8もしくは第2特図表示器9の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して表示装置43の表示態様も特別結果態様となる。なお、第1特図表示器8、第2特図表示器9は、別々の表示器でも良いし同一の表示器ででも良いが、各々独立して特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置43も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機に第1特図表示器8、第2特図表示器9を備えずに、表示装置43のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。なお、後述するように、第2始動記憶は第1始動記憶よりも優先的に消化されるようになっており、第2始動記憶がある場合は、第1始動記憶があっても第2特図変動表示ゲームが実行される。
変動入賞装置としての特別変動入賞装置10は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉10aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、開閉扉10aは、例えば、駆動装置としてのソレノイド(大入賞口SOL10b、図2に図示)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するカウントSW10c(図2に図示)が配設されている。
また、遊技領域1aに設けられた各一般入賞口12には、一般入賞口12に入った遊技球を検出するための入賞口SW12a(図2に図示)が配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口12,12,…、普通変動入賞装置7、第1始動入賞口13、特別変動入賞装置10等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が払出制御装置125(図2に図示)によって払い出されるようになっている。払出制御装置125は、遊技制御装置30の制御の下で排出制御を制御して所定数の賞球が払い出されるようにする。
また、図2に示すように、遊技機100は、第1特図表示器8、第2特図表示器9において行われる特図変動表示ゲームの制御を行う遊技制御手段としての遊技制御装置30と、この遊技制御装置30からの演出制御指令に基づき、表示装置43における飾り特図変動表示ゲームの演出の制御を行う演出制御手段としての演出制御装置40と、を備えている。
遊技制御装置30は、CPU31aやROM31b、RAM31cなどを備える遊技用ワンチップマイコン31を備えるとともに、入力インタフェース(入力I/F)32、出力インタフェース(出力I/F)33、外部通信端子34等により構成されている。
遊技用ワンチップマイコン31は、内部のCPU31aが制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数や大当たりの図柄を決定するための大当たり図柄用乱数、特図変動表示ゲームでリーチ状態を発生させるかを決定するためのリーチ乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数などの各種乱数値なども生成している。
遊技用ワンチップマイコン31の内部のRAM31cには、第1始動入賞口13に設けられた第1始動口SW13a、普通変動入賞装置7に設けられた第2始動口SW7dのオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU31aの作業領域等を備えている。即ち、RAM31cには、CPU31aにより検出された遊技球の入賞が始動入賞として記憶されるようになっている。
遊技用ワンチップマイコン31の内部のROM31bには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、各特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための大当り判定値、大当りの図柄を決定するための大当り図柄判定値、リーチの発生を判定するためのリーチ乱数判定値、変動パターンを決定するための変動パターン判定値などが記憶されている。また、普図変動表示ゲームの当たり判定値、普図変動表示ゲームの変動パターン(変動表示時間として第1の変動表示時間、第2の変動表示時間)も記憶されている。
また、CPU31aは、始動入賞に基づいて各特図変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を開始させる際に、当該特図変動表示ゲームでリーチを発生させるか否かや、識別情報の変動表示時間を含む変動パターンなどを決定する。
また、入力インタフェース32には、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、第1特図(特図1)始動口SW13a、第2特図(特図2)始動口SW7d、入賞口SW12a,…、ゲートSW4a、カウントSW10c、ガラス枠開放SW146、遊技機枠開放SW121、球切れSW122、などが接続されている。そして、入力インタフェース32は、これらから入力された各種信号を中継し、遊技用ワンチップマイコン31に対し出力する。なお、ガラス枠開放SW146は、クリア部材保持枠が開放されていることを検出するものであり、遊技機枠開放SW121は、前面枠が開放されていることを検出するものである。また、球切れSW122は、島設備から供給された遊技球を排出装置に誘導するシュートに設けられ、シュート内の遊技球がなくなったことを検出するものである。
また、出力インタフェース33には、遊技用ワンチップマイコン31から出力される各種の制御信号が入力される。これら制御信号は、該出力インタフェース33により中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、第1特図(特図1)表示器8、第1特図(特図1)記憶表示器18、第2特図(特図2)表示器9、第2特図(特図2)記憶表示器19、普図表示器5、普図記憶表示器15、普電SOL7b、大入賞口SOL10b、遊技機外部の管理装置などと接続する外部端子板16、払出制御装置125、演出制御装置40に出力される。
演出制御装置40は、演算処理用CPU40a、ROM40b、RAM40c及びVDP40d等を備えるとともに、通信インタフェース(通信I/F)40d、入出力インタフェース(入出力I/F)40eを備えている。また、画像や映像データが記憶された画像ROM40f、グラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)40g、音声データが記憶された音ROM40h、音の出力を制御する音LSI40iを備えている。
この演出制御装置40は、通信インタフェース40dを介して遊技制御装置30から受信した各種信号(演出制御データ(各種コマンドなど))に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)遊技の演出の制御を行うものである。また、入出力インタフェース40eには、遊技機の前面に設けられた操作ボタン41からの検出信号が入力されるようになっており、演出制御装置40は、この検出信号に基づき(遊技制御装置30の制御の下に)遊技の演出の制御を行うようになっている。
さらに、入出力インタフェース40eには、CPU40aから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェース40eにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して可動演出装置の役物駆動モータ42、遊技盤1や該遊技盤1の前方を覆うクリア部材保持枠に設けられた装飾用のLEDを備える各種LED基板44などに出力され、遊技の演出が行われるようになっている。なお、CPU40aから出力される制御信号のうち、画像の制御に関する制御信号は、CPU40aからVDP40gに出力され、VDP40gから該制御信号に基づく画像データが表示装置43に出力される。また、音声の制御に関する制御信号は、CPU40aから音LSI40iに出力され、音LSI40iから該制御信号に基づく音声データがスピーカ45に出力される。
また、遊技制御装置30には、電源供給装置(図示略)から電力が供給されており、その他の装置にも電源供給装置から電力が供給されるようになっている。さらに、電源供給装置には、停電時等の外部からの電力の供給が途絶えた場合でも電力を供給可能とするためのバックアップ電源が備えられ、停電時等に各制御装置の揮発性メモリに保存されたデータの消失を防止するようになっている。
そして、これらの制御装置においては、以下のような遊技制御が行われる。
遊技制御装置30では、遊技に関する処理として、主に図3に示すメイン処理と、所定時間ごと(例えば、2msecごと)に行われる図4に示すタイマ割込み処理とを行う。
メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。図3に示すように、メイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、電源投入時の初期化処理(ステップS1)を行い、そして、停電復旧処理(ステップS2)を行う。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、割込みタイマを起動する処理(ステップS3)を行って、CTC(カウンタ タイマ サーキット)を起動する。次に、割込みを禁止する処理(ステップS4)を行い、大当たり判定用乱数などの乱数の初期値を更新して乱数の時間的な規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS5)を行う。その後、特図変動表示ゲームの大当たり図柄を判定するための大当り図柄乱数の初期値を更新する大当り図柄乱数初期値更新処理(ステップS6)を行って、割込みを許可する処理(ステップS7)を行う。なお、初期値乱数更新処理(ステップS5)、大当り図柄乱数初期値更新処理(ステップS6)では、第1特図変動表示ゲーム用の乱数および第2特図変動表示ゲーム用の乱数のそれぞれについて同様の処理がなされる。
そして、RAM31cの停電検査領域をチェックし、停電が発生したか否かの判定(ステップS8)を行う。なお、停電検査領域には、停電により遊技機の電源が遮断された場合に、チェックデータが設定されるようになっており、通常時はチェックデータが記憶されていない。よって、このチェックデータの有無を判定することで、停電が発生したか否かを判定することができる。
停電が発生したか否かの判定(ステップS8)において、停電が発生していない場合(ステップS7;No)は、上述の割込みを禁止する処理(ステップS4)に戻り、以降、電源の遮断がなければ割込みを禁止する処理(ステップS4)から停電が発生したか否かの判定(ステップS7)を繰り返し行う。
一方、停電が発生したか否かの判定(ステップS8)において、停電が発生した場合(ステップS8;Yes)は、停電時処理(ステップS9)を行う。なお、停電発生の直後は、バックアップ電源により停電発生時の処理を実行可能な電力が供給されるようになっている。
なお、この停電時処理(ステップS9)では、まず、割り込みを禁止する処理を行う。そして、全出力ポートをOFFにする処理を行い、停電検査領域をクリアする処理を行う。さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理を行った後、RAM31cの電源遮断時のチェックサムを算出する処理を行い、RAM31cへのアクセスを禁止する処理を行って遊技機の電源遮断を待つ。このように、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRAM31cに記憶されていた情報が正しくバックアップされているかを電源投入時に判断することができる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図4に示すように、このタイマ割込み処理においては、まず、レジスタのデータを待避する処理(ステップS10)を行う。次に、各種センサ(第1始動口SW13a、第2始動口SW7d、ゲートSW4a、入賞口SW12a,12a,…、カウントSW10c、ガラス枠開放SW146、遊技機枠開放SW121、球切れSW122など)からの入力の処理や、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL10b、普電SOL7b)等のアクチュエータの駆動制御を行うための出力の処理を行う入出力処理(ステップS11)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置40等に出力するコマンド送信処理(ステップS12)を行う。そして、特図変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための大当たり判定用乱数や、特図変動表示ゲームの大当たり図柄を判定するための大当り図柄乱数を更新する特図乱数更新処理(ステップS13)を行う。この特図乱数更新処理(ステップS13)では、第1特図変動表示ゲーム用の乱数および第2特図変動表示ゲーム用の乱数のそれぞれについて同様の処理がなされる。その後、普図変動表示ゲームの当たりはずれを判定するための当たり乱数を更新する普図乱数更新処理(ステップS14)を行い、特図変動表示ゲームでリーチ状態を発生させるかを決定するためのリーチ乱数や特図変動表示ゲームでの変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新するリーチ乱数、変動パターン乱数更新処理(ステップS15)を行う。
次に、第1始動口SW13a、第2始動口SW7d、ゲートSW4a、入賞口SW12a,12a,…、カウントSW10cから信号の入力があるか否か(遊技球の検出を示す信号が入力されているか否か)を監視する入賞口スイッチ監視処理(ステップS16)を行う。そして、各信号とエラーの監視を行うエラー監視処理(ステップS17)を行い、第1特図変動表示ゲームに関する処理を行う第1特図ゲーム処理(ステップS18)、第2特図変動表示ゲームに関する処理を行う第2特図ゲーム処理(ステップS19)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS20)を行う。
次に、遊技機100に設けられ、遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDに関する処理を行うセグメントLED編集処理(ステップS21)を行う。そして、外部の管理装置に出力する信号を出力バッファにセットする処理を行う外部情報編集処理(ステップS22)を行う。次に、割込み終了宣言をする処理(ステップS23)を行い、待避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS24)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS25)を行い、タイマ割込み処理を終了する。
そして、遊技制御装置30では、以上のような処理のうち主に普図ゲーム処理(ステップS20)において、普図始動ゲート4に備えられたゲートSW4aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当たり判定用乱数値を抽出してROM31bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器5で普通識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当たりの場合は、普図表示器5に特別の結果態様(特定結果)を表示するとともに、普電SOL7bを動作させ、普通変動入賞装置7の開閉部材7a,7aを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器5にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
普通変動入賞装置7の動作状態には、通常動作状態(第1動作状態)と、時短動作状態(第2動作状態)の二つの動作状態があり、遊技制御装置30では何れかの動作状態を設定するようになっている。すなわち、遊技制御装置30が、普通変動入賞装置7の動作状態を設定する動作状態設定手段をなす。通常動作状態は、普図変動表示ゲームの変動表示時間が第1の変動表示時間(例えば30秒)とされる。また、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置7が開放される場合の開放態様は、開放時間が第1開放時間(例えば0.3秒)とされ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第1開放回数(例えば1回)とされる。また、時短動作状態は、普通変動入賞装置7の動作状態が、通常動作状態に比べて開放状態となりやすい状態である。この時短動作状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が通常動作状態における長い実行時間である第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、0.5秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置7の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短動作状態における、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置7が開放される場合の開放態様は、開放時間が第2開放時間(例えば1秒)とされ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば3回)とされる。なお、時短動作状態においては普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。すなわち、時短動作状態は通常動作状態よりも普通変動入賞装置7の開放回数が増加され、普通変動入賞装置7に遊技球が入賞しやすくなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる状態である。
また、遊技制御装置30では、主に特図1ゲーム処理(ステップS18)や特図2ゲーム処理(ステップS19)において、第1始動入賞口13に備えられた第1始動口SW13aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してRAM31cに所定の上限数(例えば4)まで第1始動記憶として記憶する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が第1始動入賞口13(第1の始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームの実行権利を乱数値とともに記憶する第1始動記憶手段をなす。同様に、普通変動入賞装置7に備えられた第2始動口SW7dからの遊技球の検出信号の入力に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を抽出してRAM31cに所定の上限数(例えば4)まで第2始動記憶として記憶する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が第2始動入賞口(普通変動入賞装置7、第2の始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲームの実行権利を乱数値とともに記憶する第2始動記憶手段をなす。よって、遊技制御装置30が、始動入賞領域(第1始動入賞口13、普通変動入賞装置7)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利を乱数値とともに所定の上限数まで記憶する始動記憶手段をなす。
また、第1始動記憶に基づく第1特図変動表示ゲームの開始時に、第1始動記憶に記憶されている大当たり判定用乱数値をROM31bに記憶されている第1特図変動表示ゲーム用の大当り判定値(特定値)と比較し、第1特図変動表示ゲームの当たりはずれを判定する処理を行う。また、この処理の後に第1始動記憶数を1減算する。同様に、第2始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームの開始時に、第2始動記憶に記憶されている大当たり判定用乱数値をROM31bに記憶されている第2特図変動表示ゲーム用の大当り判定値(特定値)と比較し、第2特図変動表示ゲームの当たりはずれを判定する処理を行う。また、この処理の後に第2始動記憶数を1減算する。また、第1始動記憶及び第2始動記憶の何れの処理においても、リーチ乱数に基づきリーチを発生させるか否かの決定や、変動パターン乱数に基づき変動パターンを決定する処理も行う。また、大当り判定用乱数値が大当り判定値と一致する場合には、大当り図柄乱数に基づき特別結果態様を選択する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が、始動記憶手段(遊技制御装置30)に記憶された乱数値を特定値と比較判定する判定手段をなす。
ここで、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される確率の状態である確率状態には、通常確率状態(第1確率状態)と、確変状態(第2確率状態)の二つの確率状態があり、遊技制御装置30では何れか一つの確率状態を設定するようになっている。確変状態は、特図変動表示ゲームでの当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。通常確率状態では特定値として所定数の第1判定値が設定され、この特定値(第1判定値)と大当たり判定用乱数値とを比較し、一致する場合に大当たりと判定するようになっている。また、確変状態では特定値として第1判定値および第1判定値とは別の第2判定値が設定され、この特定値(第1判定値、第2判定値)と大当たり判定用乱数値とを比較し、一致する場合に大当たりと判定するようになっている。すなわち、遊技制御装置30が、特図変動表示ゲームの結果が特別結果態様となる確率を、通常確率状態と確変状態との何れかの確率状態で制御可能な確率変動制御手段をなす。本実施形態の遊技機では、特別結果態様が導出される確率は、通常確率状態では99分の1であり、確変状態では99分の10である。なお、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。また、通常確率状態となる条件が成立した場合は、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が通常確率状態となる。なお、通常確率状態となる条件の成立とは、例えば、特別遊技状態の発生及び確変状態で所定回数の特図変動表示ゲームを実行したことである。
また、上述したように普通変動入賞装置7の動作状態としては通常動作状態と時短動作状態とがあり、特図変動表示ゲームでの確率状態としては通常確率状態と確変状態とがあることから、これらの組合せにより通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態の三つの遊技状態が構成され、所定の条件に基づき遊技制御装置30が何れか一つの遊技状態を設定するようになっている。通常遊技状態は、普通変動入賞装置7の動作状態が通常動作状態であり、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態である遊技状態である。また、確変遊技状態は、普通変動入賞装置7の動作状態が時短動作状態であり、特図変動表示ゲームの確率状態が確変状態である遊技状態である。また、時短遊技状態は、普通変動入賞装置7の動作状態が時短動作状態であり、特図変動表示ゲームの確率状態が通常確率状態である遊技状態である。
また、遊技制御装置30では、所定のタイミング(始動入賞時など任意のタイミング)で、第1始動記憶に記憶されている大当たり判定用乱数値や大当り図柄乱数、リーチ乱数などの判定を行う。そして、第1特図変動表示ゲームの当たりはずれや大当たりの図柄(特別結果態様の種類)、リーチの発生の有無を判定する先読み処理を行う。同様に、遊技制御装置30では、所定のタイミング(始動入賞時など任意のタイミング)で、第2始動記憶に記憶されている大当たり判定用乱数値や大当り図柄乱数、リーチ乱数などの判定を行う。そして、第2特図変動表示ゲームの当たりはずれや大当たりの図柄(特別結果態様の種類)、リーチの発生の有無を判定する先読み処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が所定のタイミングで始動記憶手段に記憶されている乱数値を先読みする先読み手段をなす。これらの判定の結果は、結果情報として遊技制御装置30から演出制御装置40へ送信される。なお、第2始動記憶については遊技状態に関わらず常に先読み処理を行う。また、第1始動記憶については普通変動入賞装置7の動作状態が時短動作状態である遊技状態(確変遊技状態、時短遊技状態)や特別遊技状態では先読み処理を行わない。さらに、普通変動入賞装置7の動作状態が通常動作状態である遊技状態(通常遊技状態)において特別結果態様が導出された場合は、第1始動記憶について行った先読み処理の結果は消去される。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置43を有し、該表示装置43が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機において、前記複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置43の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置43の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている前記複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置43に表示される飾り変動表示ゲームが、表示装置43における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャルリーチ1(SP1リーチ)、スペシャルリーチ2(SP2リーチ)などが設定されている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当たりとなる場合)における変動態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されない場合(はずれとなる場合)における変動態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当たりとなる可能性の高い状態である。
また、リーチ乱数を判定するためのリーチ判定値は、遊技状態や始動記憶数によりリーチ状態の発生率が異なるように複数の設定が用意されている。図5に示すように、リーチ乱数は0から255の256個の値から一つの値が始動入賞時に抽出されるものである。そして、特図変動表示ゲームの開始時において遊技状態が確変遊技状態及び時短遊技状態の場合はリーチ乱数がaの範囲の値(0から13)であった場合にリーチ状態を発生する。このときのリーチ状態の発生率は約20分の1とされている。また、特図変動表示ゲームの開始時において遊技状態が通常遊技状態であり、始動記憶数(第1始動記憶と第2始動記憶を合算した個数)が4個以上である場合はリーチ乱数がbの範囲の値(0から21)であった場合にリーチ状態を発生する。なお、bの範囲はaの範囲のすべてを含むものである。このときのリーチ状態の発生率は約12分の1とされている。また、特図変動表示ゲームの開始時において遊技状態が通常遊技状態であり、始動記憶数が3個以下である場合はリーチ乱数がcの範囲の値(0から37)であった場合にリーチ状態を発生する。なお、cの範囲はa及びbの範囲のすべてを含むものである。このときのリーチ状態の発生率は約7分の1とされている。このように遊技状態などに応じてリーチ状態の発生率が異なるようにすることで、遊技が冗長になったり、単調になったりすることを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。
さらに、第1始動記憶については、遊技状態が特別遊技状態、確変遊技状態及び時短遊技状態である場合には先読み処理を行わない、あるいは先読み処理は行っても予告報知は行わないので、リーチ乱数がbの範囲の値である場合は、特図変動表示ゲームの開始時の状態にかかわらず常にリーチ状態が発生することとなる。また、第2始動記憶についてはリーチ乱数がaの範囲の値である場合は、特図変動表示ゲームの開始時の状態にかかわらず常にリーチ状態が発生することとなる。よって、遊技制御装置30では、リーチ乱数が特図変動表示ゲームの開始時の状態にかかわらず常にリーチ状態を発生する範囲の値であるか否かを上述した先読み処理により判定し、その結果を演出制御装置40に送信するようにしている。そして、演出制御装置40では、リーチ乱数が特図変動表示ゲームの開始時の状態にかかわらず常にリーチ状態を発生する範囲の値である場合に、例えば当該始動記憶にかけて複数の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにわたって連続的に予告演出を行う連続予告を実行する処理を行うようになっている。このとき、連続予告の最終段階が実行される特図変動表示ゲームでは必ずリーチ状態が発生することとなる。なお、ここで示したリーチ乱数の設定値やリーチ判定値の設定値は一例であって、これに限られるものではない。
そして、遊技制御装置30では、上述したような始動記憶の判定結果に基づき、第1特図表示器8もしくは第2特図表示器9に、特別識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。すなわち、遊技制御装置30が、始動記憶に基づき、特図変動表示ゲームを実行制御可能な変動表示制御手段をなす。より具体的には、第1始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲームの実行制御を行う第1実行制御手段として、また、第2始動記憶に基づいて第2特図変動表示ゲームの実行制御を行う第2実行制御手段として機能する。
また、遊技制御装置30では、第1始動記憶及び第2始動記憶が記憶されている場合に、第2特図変動表示ゲームの実行制御を第1特図変動表示ゲームの実行制御に優先して実行するようになっている。すなわち、遊技制御装置30が、第1始動記憶手段(遊技制御装置30)及び第2始動記憶手段(遊技制御装置30)に始動記憶が記憶されている場合に、第2実行制御手段(遊技制御装置30)による制御を第1実行制御手段(遊技制御装置30)による制御に優先させて実行させる優先制御手段をなす。
図6には、遊技制御装置30による第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの実行制御を説明するための状態遷移図を示した。なお、上述の遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態)にかかわらず同様の実行制御がなされる。
第1始動記憶及び第2始動記憶がない場合は通常状態ST1(客待ち状態)となり、第1始動記憶(特図1始動記憶)及び第2始動記憶(特図2始動記憶)の発生を待機する状態となる。また、第1始動記憶や第2始動記憶がある状態でも、結果がはずれとなる特図変動表示ゲームの終了後や大当たり状態ST4(特別遊技状態)の終了後には一旦通常状態ST1となる。この通常状態ST1において、第2始動記憶がなく第1始動記憶があると、第1特図変動状態(特図1変動状態)ST2に移行し、第1特図変動表示ゲームを実行する。また、通常状態ST1において、第2始動記憶があると、第2特図変動状態(特図2変動状態)ST3に移行し、第2特図変動表示ゲームを実行する。なお、第2始動記憶を第1始動記憶よりも優先的に消化するようになっているので、第2始動記憶がある場合は、第1始動記憶があっても第2特図変動状態ST3に移行し、第2特図変動表示ゲームを実行する。
第1特図変動状態ST2は第1特図変動表示ゲームを実行している状態であり、当該第1特図変動表示ゲームの結果として特別結果態様が導出された場合(大当たり条件が成立した場合)は、大当たり状態ST4に移行し、特別遊技状態となる。また、第1特図変動状態ST2で、第1特図変動表示ゲームの結果が大当たり条件の成立ではないはずれであった場合は、通常状態ST1に戻る。
第2特図変動状態ST3は第2特図変動表示ゲームを実行している状態であり、当該第2特図変動表示ゲームの結果として特別結果態様が導出された場合(大当たり条件が成立した場合)は、大当たり状態ST4に移行し、特別遊技状態となる。また、第2特図変動状態ST3で、第2特図変動表示ゲームの結果が大当たり条件の成立ではないはずれであった場合は、通常状態ST1に戻る。
大当たり状態ST4は、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を実行している状態である。そして、この大当たり状態ST4で特別遊技状態が終了した場合は、通常状態ST1に戻る。
また、遊技制御装置30では、特図変動表示ゲームの結果が大当たりの場合は、特図表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特図表示器に表示する特別結果態様は大当たり判定用乱数値と同時に抽出して記憶される大当たり図柄用乱数に基づき決定されるようになっている。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、第1特図表示器8、第2特図表示器9にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置30では、特別遊技状態を発生させる処理として、例えば、大入賞口SOL10bにより特別変動入賞装置10の開閉扉10aを開放し、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば25秒または0.3秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回、7回、2回の何れか)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。これにより、遊技機100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な特別遊技状態を発生させる遊技機として機能する。
また、遊技制御装置30では、各種入賞口に設けられたセンサ(第1始動口SW13a、第2始動口SW7d、入賞口SW12a、カウントSW10c)から入力される遊技球の検出信号に基づき、払出制御装置125を制御して排出装置から所定数の遊技球が払い出されるようにする処理を行う。
また、演出制御装置40では、遊技制御装置30からの指令信号(変動時間コマンド、変動停止コマンド等)に基づき、表示装置43で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理や、演出の制御を行う。
ここで、特別結果態様には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値の量が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置30では大当り図柄乱数に基づき特別結果態様を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき付加遊技価値の量が決定されるといえる。なお、特別遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口の開放時間である。また、付加遊技価値の量とは普通変動入賞装置7が時短動作状態となった状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数(時短回数)が異なることである。
特別結果態様の種類には、特別遊技状態でのラウンド数が2ラウンドで該特別遊技状態の終了後の時短回数が100回である大当り図柄1(第1特別結果態様)、ラウンド数が7ラウンドで時短回数が20回の大当り図柄2(第2特別結果態様)、ラウンド数が7ラウンドで時短回数が50回の大当り図柄3(第3特別結果態様)、ラウンド数が15ラウンドで時短回数が100回の大当り図柄4(第4特別結果態様)の四種類が設定されている。なお、大当り図柄2、大当り図柄3、大当り図柄4に基づく特別遊技状態では、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間が第1開放時間(25秒)であり、第1特別遊技結果に基づく特別遊技状態では、大入賞口の開放時間が第1開放時間よりも短い第2開放時間(0.3秒)とされる。ここで、大当り図柄1に基づく特別遊技状態では、大入賞口を0.3秒開放する動作を1秒のウエイト時間を挟んで2回行うようになっている。このため大入賞口に遊技球が入賞することは非常に困難であるが、僅かに大入賞口に入賞する可能性はあり、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な状態である。また、このように遊技球の入賞は困難であるが、他の特別結果態様に基づく特別遊技状態の場合と同様に大入賞口に所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの監視も行われる。
また、何れの特別結果態様が導出された場合であっても、特別遊技状態の終了後から8回の特図変動表示ゲームが終了するまでは確率状態が確変状態とされて遊技状態が確変遊技状態とされる。その後、確率状態が通常確率状態とされて遊技状態が時短遊技状態となる。なお、時短回数には確変遊技状態とされる8回分も含まれており、例えば、時短回数が100回である場合は、最初の8回が確変遊技状態であり、残りの92回が時短遊技状態となる。そして、特図変動表示ゲームを時短回数として設定された回数実行した後は、普通変動入賞装置7の動作状態が通常動作状態とされて遊技状態が通常遊技状態となる。
また、図7に示すように、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合における特別結果態様の選択確率は、第1特図変動表示ゲーム(特図1)と第2特図変動表示ゲーム(特図2)とで異なっている。第1特図変動表示ゲームでは、大当り図柄1が選択される確率が7%、大当り図柄2が選択される確率が45%、大当り図柄3が選択される確率が45%、大当り図柄4が選択される確率が3%である。これに対して、第2特図変動表示ゲームでは、大当り図柄1が選択される確率が5%、大当り図柄2が選択される確率が35%、大当り図柄3が選択される確率が60%、大当り図柄4が選択される確率が5%である。すなわち、第1特図変動表示ゲームよりも第2特図変動表示ゲームのほうが、特別遊技状態で付与される遊技価値または特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値の量が多くなる(遊技者にとって有利になる)ようにされている。すなわち、遊技制御装置30が、始動入賞口(第1始動入賞13、普通変動入賞装置7)への遊技球の入賞に基づき乱数(大当り図柄乱数)を抽出し、該抽出された乱数値に基づき、特別遊技状態とは別に付加遊技価値を付与するか否か、或いは付与する付加遊技価値量を決定する付加遊技価値決定手段をなす。
図8には、特図表示器(第1特図表示器8もしくは第2特図表示器9)に表示される特図変動表示ゲームの結果態様と、表示装置43に表示される飾り特図変動表示ゲームの結果態様との対応を示した。なお、図8に示す対応は基本的な対応を示すものであって、後述するように演出上の処理により、飾り特図変動表示ゲームの結果態様として図8に示す対応以外の結果態様を表示装置43に表示する場合がある。
特図表示器は7つのセグメントから構成された8の字型の部分とその脇に形成された点状の1つのセグメントからなる8つのセグメントを有しており、各セグメントを点灯もしくは消灯することで1つの結果態様を表示するものである。また、表示装置43は液晶表示器を備え、複数の識別図柄として0から9の数字を左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間の間変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止し、三つの識別図柄からなる1つの結果態様を表示するものである。なお、特図表示器で表示される特図変動表示ゲームは遊技制御装置30が制御し、表示部43aに表示される飾り特図変動表示ゲームは演出制御装置40が遊技制御装置30から出力される情報に基づき制御するようになっている。
特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合は、特図表示器に図8(a)に示すような結果態様を表示する。なお、特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合に特図表示器に表示される結果態様は図8(a)に示す一種類である。また、表示装置43では、はずれの結果態様として例えば「7,6,8」や「3,2,4」などの結果態様が表示される。この表示装置43での結果態様は、以下に説明する大当りである場合の結果態様を除く結果態様である。
特図変動表示ゲームの結果が大当り図柄1である場合は、特図表示器に図8(b)に示すような結果態様を表示する。なお、特図変動表示ゲームの結果が大当り図柄1である場合に特図表示器に表示される結果態様は、図8(b)に示すもののほか複数種類がある。また、表示装置43では大当り図柄1として、例えば「7,6,7」や「3,2,3」などの左右の識別図柄が同一で、かつ、中央の識別図柄が左右の識別図柄より一つ小さい数字である結果態様が表示される。なお、特図表示器の結果態様と表示装置43の結果態様は一対一で対応しているものではなく、特図表示器で複数の大当り図柄1のうち何れかが表示された場合に表示装置43で複数の大当り図柄1のうち何れかが表示される。
特図変動表示ゲームの結果が大当り図柄2である場合は、特図表示器に図8(c)に示すような結果態様を表示する。なお、特図変動表示ゲームの結果が大当り図柄2である場合に特図表示器に表示される結果態様は、図8(c)に示すもののほか複数種類がある。また、表示装置43では大当り図柄2として、例えば「2,2,2」や「4,4,4」などの偶数のぞろ目である結果態様が表示される。なお、特図表示器の結果態様と表示装置43の結果態様は一対一で対応しているものではなく、特図表示器で複数の大当り図柄2のうち何れかが表示された場合に表示装置43で複数の大当り図柄2のうち何れかが表示される。
特図変動表示ゲームの結果が大当り図柄3である場合は、特図表示器に図8(d)に示すような結果態様を表示する。なお、特図変動表示ゲームの結果が大当り図柄3である場合に特図表示器に表示される結果態様は、図8(d)に示すもののほか複数種類がある。また、表示装置43では大当り図柄3として、例えば「3,3,3」や「7,7,7」などの奇数のぞろ目である結果態様が表示される。なお、特図表示器の結果態様と表示装置43の結果態様は一対一で対応しているものではなく、特図表示器で複数の大当り図柄3のうち何れかが表示された場合に表示装置43で複数の大当り図柄3のうち何れかが表示される。
特図変動表示ゲームの結果が大当り図柄4である場合は、特図表示器に図8(e)に示すような結果態様を表示する。なお、特図変動表示ゲームの結果が大当り図柄4である場合に特図表示器に表示される結果態様は、図8(e)に示すもののほか複数種類がある。また、表示装置43では大当り図柄4として全ての図柄のぞろ目のうち何れかが結果態様として表示される。すなわち、表示装置43に表示される特別結果態様のみでは大当り図柄4と、大当り図柄2及び大当り図柄3との判別はできないようになっている。そして、大当り図柄4であることは、例えば特別遊技状態の開始時や実行中などの所定のタイミングで遊技者に報知されるようになっている。この報知の方法はどのような方法でもよいが、例えば、ゲームを表示してその結果で特別結果態様の種類を報知したり、ランプや音声で報知したりする。なお、特図表示器での結果態様は、はずれ及び大当り図柄1から大当り図柄4のうち同一の結果態様となるものはない。
このように、特図表示器に表示される特図変動表示ゲームの特別結果態様及び表示部43aに表示される飾り変動表示ゲームの特別結果態様によって遊技者に対して付加遊技価値量が報知されることとなる。なお、遊技制御装置30から演出制御装置40へ送信される結果情報には、特図変動表示ゲームの結果に関する情報として、はずれ及び大当り図柄1から4の5種類のうちの何れであるかの情報が含まれている。すなわち、遊技制御装置30、演出制御装置40、第1特図表示器8、第2特図表示器9、表示装置43によって、変動表示ゲームを特別結果とする場合に、当該変動表示ゲームに対応して付加遊技価値決定手段(遊技制御装置30)が決定した決定結果が報知される。これにより、変動表示ゲームの結果を利用して付加遊技価値の付与の有無や付加遊技価値量を確実に遊技者に報知することが可能となる。また、付加遊技価値を遊技性を高めた状態で付与することが出来る上、付加遊技価値量の違いを明確にすることが可能となる。
以上のことから、報知手段(演出制御装置40、表示装置43)は、決定結果を、変動表示ゲームにおける特別結果(大当り図柄)の種類で報知するようにしたこととなる。
また、閉状態から開状態への変換により始動入賞口への遊技球の入賞率を高めることが可能な普通変動入賞装置7を備え、付加遊技価値の付与として、特別遊技状態の終了後に普通変動入賞装置7における1の開状態への変換期間を長くする特定遊技状態(確変遊技状態、時短遊技状態)を発生させるとともに、付与する付加遊技価値量の違いとして、該特定遊技状態の終了条件として設定される変動表示ゲームの実行回数(時短回数)を変化させるものとし、特別結果(大当り図柄)の種類と特定遊技状態の終了条件としての変動表示ゲームの実行回数とを対応付けたこととなる。
そして、本実施形態の遊技機では、特図変動表示ゲームで導出される特別結果態様の種類と第2始動記憶の先読み結果に基づき、大当り図柄2と大当り図柄3については所定の確率で飾り特図変動表示ゲームの特別結果態様を特図変動表示ゲームの特別結果態様と対応するもの以外の特別結果態様に変更するようになっている。この大当り図柄2と大当り図柄3は、ラウンド数は同じであるが付加遊技価値の量である時短回数が異なるものであり、大当たり図柄2のほうが大当り図柄3よりも付加遊技価値の量が多い。
図9には、特定値と一致する大当り判定用乱数値が記憶されているとともに、大当り図柄3となる大当たり図柄乱数が記憶されている始動記憶に基づき特図変動表示ゲームが実行され、結果態様が導出された状態の表示部43aの表示を示した。すなわち、表示部43aに飾り特図変動表示ゲームの結果態様が表示された状態を示した。第2始動記憶がない場合は図9(a)に示すように大当り図柄乱数に基づき決定した大当り図柄と対応する特別結果態様を変更せずに表示する。よって、飾り特図変動表示ゲームにおける大当り図柄3である奇数のぞろ目が表示される。また、第2始動記憶があるが当該第2始動記憶に特定値と一致する大当り判定用乱数値が記憶された第2始動記憶がない場合(全てはずれの場合)は、図9(b)に示すように大当り図柄乱数に基づき決定した大当り図柄と対応する特別結果態様を変更せずに表示する。よって、飾り特図変動表示ゲームにおける大当り図柄3である奇数のぞろ目が表示される。また、第2始動記憶があり、当該第2始動記憶に特定値と一致する大当り判定用乱数値が記憶された第2始動記憶がある場合(大当りがある場合)は、図9(c)に示すように所定の条件の成立に基づき、大当り図柄乱数に基づき決定した大当り図柄と対応しない特別結果態様に変更して表示する。ここでは大当り図柄3よりも付加遊技価値の量の少ない大当り図柄2に変更した状態を示している。
次に、図10を参照して飾り特図変動表示ゲームの結果態様の変更タイミングについて説明する。特図変動表示ゲームの開始時(t1)には、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して、特図変動表示ゲームを開始した旨の情報である変動開始情報、特図変動表示ゲームの変動態様に関する変動パターン情報が出力される。演出制御装置40では、これらの情報に基づき、飾り特図変動表示ゲームでの変動パターンや結果態様を決定して飾り特図変動表示ゲームを開始する(t1)。また、始動入賞が発生した場合(t2)には、遊技制御装置30から演出制御装置40に対して始動入賞が発生した旨の情報である始動入賞情報、当該始動入賞についての先読み処理の結果に関する情報として結果情報及びリーチ情報が出力される。演出制御装置40では、各始動記憶のそれぞれについて先読み処理の結果に関する情報である結果情報及びリーチ情報を記憶する。なお、特図変動表示ゲームの開始時(t1)にも先読み処理の結果に関する情報としての結果情報及びリーチ情報が遊技制御装置30から演出制御装置40に対して送信されるようにしても良い。
また、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始時(t1)に、当該始動記憶に記憶された大当り判定用乱数値が特定値と一致するものであり、かつ、大当り図柄2もしくは大当り図柄3となる大当たり図柄乱数が記憶されている場合は、所定の大当り図柄変更期間(t1からt3)が設定される。この大当り図柄変更期間は大当り図柄の変更が可能な期間であって、特図変動表示ゲームの開始から、飾り特図変動表示ゲームにおいて停止図柄が認識できるまでの期間とされている。ここで、本実施形態の遊技機100では、飾り特図変動表示ゲームは複数の識別図柄を左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間の間変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止し、三つの識別図柄からなる1つの結果態様を表示するものである。そして、各変動表示領域での変動表示態様は、飾り特図変動表示ゲームの開始とともに徐々に変動表示速度が増加して図柄を認識できない変動速度となり、その後、徐々に変動速度が低下して図柄を認識可能な変動速度を経て停止するようになっている。よって、停止図柄が認識できるまでの期間とは、最初に変動表示が停止する左変動表示領域の図柄の変動速度が低下して遊技者が図柄を視認できるようになるまでの期間である。
そして、大当り図柄変更期間において発生した始動入賞についての結果情報、または、大当り図柄変更期間前に記憶されている始動記憶についての結果情報に、当該始動記憶が大当たりとなる旨の情報及び所定の特別結果態様を導出する旨の情報が含まれている場合は、大当り図柄変更期間の終了後に実行される大当たり図柄決定処理で結果態様が変更される。このように決定された特別結果態様は特図変動表示ゲームの終了時に表示部43aに表示される(t4)。
演出制御装置40では、表示部43aに表示する飾り特図変動表示ゲームの特別結果態様を決定するための大当り図柄決定処理が行われる。図11に示すように、この大当り図柄決定処理では、まず、当該変動は大当りであるか否かの判定(ステップS30)を行う。当該変動は大当りであるか否かの判定(ステップS30)では、遊技制御装置30から受信している結果情報に基づき、実行中の特図変動表示ゲームの結果が特別結果となるか(大当たりとなるか)を判定する。この当該変動は大当りであるか否かの判定(ステップS30)において、大当りでない場合(ステップS30;No)は、大当り図柄決定処理を終了する。なお、この場合は、結果態様としてはずれの結果態様が選択される。また、当該変動は大当りであるか否かの判定(ステップS30)において、大当りである場合(ステップS30;Yes)は、図柄決定タイミングであるか否かの判定(ステップS31)を行う。
図柄決定タイミングであるか否かの判定(ステップS31)では、大当り図柄変更期間が終了するタイミング(図10のt3)であるかが判定される。図柄決定タイミングであるか否かの判定(ステップS31)において、図柄決定タイミングでない場合(ステップS31;No)は、大当り図柄決定処理を終了する。また、図柄決定タイミングであるか否かの判定(ステップS31)において、図柄決定タイミングである場合(ステップS31;Yes)は、結果情報に基づき大当り図柄を決定する処理(ステップS32)を行う。
結果情報に基づき大当り図柄を決定する処理(ステップS32)では、結果情報に基づき、実行中の飾り特図変動表示ゲームで表示する特別結果態様を仮決定する処理を行う。すなわち、大当り図柄乱数に基づく特別結果態様と対応する大当り図柄が仮決定される。なお、結果情報に基づき大当り図柄を決定する処理(ステップS32)は、大当り図柄変更期間が終了するタイミング(図10のt3)で実行されるようにしているが、特図変動表示ゲームの開始時(図10のt1)に行うようにしても良い。
その後、当該変動の大当り図柄は大当り図柄2もしくは大当り図柄3であるか否かの判定(ステップS33)を行う。この当該変動の大当り図柄は大当り図柄2もしくは大当り図柄3であるか否かの判定(ステップS33)では、結果情報に基づき、実行中の特図変動表示ゲームで導出される特別結果態様が大当り図柄2もしくは大当り図柄3であるかを判定する。当該変動の大当り図柄は大当り図柄2もしくは大当り図柄3であるか否かの判定(ステップS33)において、大当り図柄2もしくは大当り図柄3でない場合(ステップS33;No)、すなわち大当り図柄1もしくは大当り図柄4である場合は、大当り図柄決定処理を終了する。この場合は、結果情報に基づき仮決定された大当り図柄である大当り図柄1もしくは大当り図柄4に決定される。また、当該変動の大当り図柄は大当り図柄2もしくは大当り図柄3であるか否かの判定(ステップS33)において、大当り図柄2もしくは大当り図柄3である場合(ステップS33;Yes)は、第2始動記憶に大当り乱数の記憶があるか否かの判定(ステップS34)を行う。
第2始動記憶に大当り乱数の記憶があるか否かの判定(ステップS34)では、記憶している結果情報を参照して、第2始動記憶に特定値と一致する大当り判定用乱数である大当り乱数が記憶された始動記憶があるかを判定する。この第2始動記憶に大当り乱数の記憶があるか否かの判定(ステップS34)において、第2始動記憶に大当り乱数の記憶がない場合(ステップS34;No)は、大当り図柄決定処理を終了する。また、第2始動記憶に大当り乱数の記憶があるか否かの判定(ステップS34)において、第2始動記憶に大当り乱数の記憶がある場合(ステップS34;Yes)は、始動記憶の大当り図柄は大当り図柄2もしくは大当り図柄3であるか否かの判定(ステップS35)を行う。
始動記憶の大当り図柄は大当り図柄2もしくは大当り図柄3であるか否かの判定(ステップS35)では、特定値と一致する大当り判定用乱数である大当り乱数が記憶された第2始動記憶の結果情報に基づき、当該始動記憶が大当り図柄2もしくは大当り図柄3を導出するものであるかを判定する。これにより当該始動記憶に大当り図柄2もしくは大当り図柄3を導出する大当り図柄乱数が記憶されているかが判定される。この始動記憶の大当り図柄は大当り図柄2もしくは大当り図柄3であるか否かの判定(ステップS35)において、始動記憶の大当り図柄は大当り図柄2もしくは大当り図柄3でない場合(ステップS35;No)は、大当り図柄決定処理を終了する。すなわち、大当り図柄1もしくは大当り図柄4である場合は大当り図柄の変更は行われず、結果情報に基づき仮決定された大当り図柄が大当り図柄として決定される。また、始動記憶の大当り図柄は大当り図柄2もしくは大当り図柄3であるか否かの判定(ステップS35)において、始動記憶の大当り図柄は大当り図柄2もしくは大当り図柄3である場合(ステップS35;Yes)は、当該変動は大当り図柄2であるか否かの判定(ステップS36)を行う。
当該変動は大当り図柄2であるか否かの判定(ステップS36)では、結果情報に基づき、実行中の特図変動表示ゲームで導出される特別結果態様が大当り図柄2であるかが判定される。この当該変動は大当り図柄2であるか否かの判定(ステップS36)において、当該変動は大当り図柄2である場合(ステップS36;Yes)は、始動記憶は大当り図柄2であるか否かの判定(ステップS37)を行う。そして、始動記憶は大当り図柄2であるか否かの判定(ステップS37)では、特定値と一致する大当り判定用乱数である大当り乱数が記憶された第2始動記憶の結果情報に基づき、当該始動記憶が大当り図柄2を導出するものであるかを判定する。これによって当該始動記憶に大当り図柄2を導出する大当り図柄乱数が記憶されているかが判定される。
始動記憶は大当り図柄2であるか否かの判定(ステップS37)において、始動記憶は大当り図柄2でない場合(ステップS37;No)、すなわち大当り図柄3である場合は、所定確率で今回の大当り図柄を大当り図柄3に変更する処理(ステップS38)を行い、大当り図柄決定処理を終了する。所定確率で大当り図柄3に変更する処理(ステップS38)では、図柄変更用乱数を抽出して判定値と比較する処理を行う。そして、例えば、抽出した図柄変更用乱数が判定値と一致した場合に大当り図柄3に変更し、判定値と一致しない場合に結果情報に基づき仮決定された大当り図柄である大当り図柄2に決定する処理を行う。この処理において、大当り図柄3に変更される確率は60%とされている。これにより、付加遊技価値量の多い大当りに連続して当選した印象を与えることができ、変更しない場合に比べて遊技の興趣を向上することができる。また、実際に決定されていた付加遊技価値量よりも大きい付加遊技価値を得た印象を遊技者に感じさせることができ、遊技者の満足感を高めることができる。また、後に説明する処理では、大当り図柄3を大当り図柄2に変更する処理があって付加遊技価値量の多い大当り図柄3の出現率が低くなってしまうが、これを補うことにもなる。
以上のことから、報知変更手段(演出制御装置40)は、実行予定の変動表示ゲームに対する付加遊技価値量が、今回の変動表示ゲームに対する付加遊技価値量よりも大きい場合に、付加遊技価値決定手段(遊技制御装置30)が決定した付加遊技価値量よりも大きい付加遊技価値量に変更して報知するようにしたこととなる。
また、始動記憶は大当り図柄2であるか否かの判定(ステップS37)において、始動記憶は大当り図柄2である場合(ステップS37;Yes)は大当り図柄決定処理を終了する。この場合は、今回の大当り図柄を大当り図柄3に変更するとより多い時短回数を残したまま次回の大当たりが発生してしまう印象を与えてしまうため、大当り図柄の変更は行わず、結果情報に基づき仮決定された大当り図柄である大当り図柄2に決定される。
また、当該変動は大当り図柄2であるか否かの判定(ステップS36)において、当該変動は大当り図柄2でない場合(ステップS36;No)、すなわち、大当り図柄3である場合は、始動記憶は大当り図柄2であるか否かの判定(ステップS39)を行う。この始動記憶は大当り図柄2であるか否かの判定(ステップS39)において、始動記憶は大当り図柄2である場合(ステップS39;Yes)は、大当り図柄2に変更する処理(ステップS40)を行う。これにより、付与される付加遊技価値に対して遊技者が不満感を持つことを防止し、遊技の興趣が低下することを防止することができる。すなわち、遊技者に対し、次の特別遊技状態が発生したことによりかえって得られる付加遊技価値量が減ってしまったという感覚を与えてしまうことを防止でき、遊技の興趣が低下することを防止することができる。また、変更しなかった場合に比べて、次回の大当り時に遊技者が認識することとなる消化できなかった時短回数を少なくでき、遊技者の損をしたという感覚を軽減できる。
以上のことから、報知変更手段(演出制御装置40)は、実行予定の変動表示ゲームに対する付加遊技価値量が、今回の変動表示ゲームに対する付加遊技価値量よりも小さい場合に、付加遊技価値決定手段(遊技制御装置30)が決定した付加遊技価値量よりも小さい付加遊技価値量に変更して報知するようにしたこととなる。
また、始動記憶は大当り図柄2であるか否かの判定(ステップS39)において、始動記憶は大当り図柄2でない場合(ステップS39;No)、すなわち、大当り図柄3である場合は、所定確率で今回の大当り図柄を大当り図柄2に変更する処理(ステップS41)を行い、大当り図柄決定処理を終了する。所定確率で大当り図柄2に変更する処理(ステップS41)では、図柄変更用乱数を抽出して判定値と比較する処理を行う。そして、例えば、抽出した図柄変更用乱数が判定値と一致した場合に大当り図柄2に変更し、判定値と一致しない場合に結果情報に基づき仮決定された大当り図柄である大当り図柄3に決定する処理を行う。この処理において、大当り図柄2に変更される確率は50%とされている。これにより、次回の大当り時に今回よりも付加遊技価値量の多い大当りに当選した印象を与えることができ、遊技者に得をした感覚を与えることができる。また、変更しなかった場合に比べて、次回の大当り時に遊技者が認識することとなる消化できなかった時短回数を少なくでき、遊技者の損をしたという感覚を軽減できる。なお、今回の特別結果態様が大当り図柄2である場合に大当り図柄3に変更する確率は60%であり、今回の特別結果態様が大当り図柄3である場合に大当り図柄2に変更する確率は50%である。よって、大当り図柄2と大当り図柄3について、飾り特図変動表示ゲームにおいては付加遊技価値量の多い大当り図柄3の出現比率が、大当り図柄乱数に基づく実際の導出比率よりも高まり、遊技の興趣を向上することができる。
すなわち、以上のような処理によって、飾り特図変動表示ゲームでの大当り図柄を付加遊技価値量の少ない大当り図柄に変更することで、次回の大当り時に遊技者に対して今回の大当りよりも付加遊技価値の高い大当たりを獲得して得をした感覚を与えることができる。また、遊技者が時短回数を消化できずに損をしたという感覚を軽減できる。さらに、次回の大当りが今回の大当りよりも付加遊技価値の低いものである場合に、大当りによって付加遊技価値量が減少してしまい損をしたという感覚を与えないようにすることができる。また、次回の大当りが今回の大当りよりも付加遊技価値の高いものである場合に、飾り特図変動表示ゲームでの大当り図柄を付加遊技価値の高い大当り図柄に変更することで、付加遊技価値量の多い大当りに連続して当選した印象を与えることができ、変更しない場合に比べて遊技の興趣を向上することができる。よって、遊技者に特別結果の導出に対する期待感に加え、付加遊技価値の内容に対する期待感も与えることができ遊技の興趣を向上することができる。なお、変更する大当り図柄は、飾り特図変動表示ゲームの大当り図柄だけであり、また、大当り図柄の変更により実際に付与される付加遊技価値は変化しないので、遊技店と遊技者の利益バランスが崩れることもない。
以上のことから、演出制御装置40と表示装置43が、特別遊技状態の発生に関連して付加遊技価値決定手段が決定した決定結果を報知する報知手段をなす。また、演出制御装置40と表示装置43が、付加遊技価値決定手段が決定した決定結果を報知する場合に、その時点で始動記憶手段に記憶されている乱数値の先読み結果により、特別結果となる変動表示ゲームが実行予定であった場合に、当該実行予定の変動表示ゲームに対する付加遊技価値と、今回の変動表示ゲームに対する付加遊技価値との比較判定結果に基づき、報知する決定結果を変更する報知変更手段をなす。
なお、本実施形態の遊技機100では、第2始動記憶に大当り乱数の記憶があり、かつ、当該第2始動記憶の大当り図柄乱数が所定の条件を満たす場合に今回の大当り図柄を変更するようにしているが、遊技状態が通常遊技状態である場合には、第2始動記憶のみではなく第1始動記憶の先読み結果が所定の条件を満たす場合に同様の大当り図柄の変更処理を行うようにしても良い。
また、付加遊技価値を普通変動入賞装置7が時短動作状態となることとし、付加遊技価値の量を普通変動入賞装置7が時短動作状態となった状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数(時短回数)としたがこれに限られるものではない。例えば、付加遊技価値を、確率状態を確変状態することや普図変動表示ゲームが当たりとなる確率を高めること、普図変動表示ゲームの実行時間を短縮する普図時短状態の発生や、1の開状態への変換期間を長くする普電開放時間延長状態の発生としても良い。また、全ての特別結果態様に対して付加遊技価値を付与するようにしたが、付加遊技価値を付与しない特別結果態様を設けても良い。
また大当り図柄の種類や対応する付加遊技価値の設定なども任意に変更可能である。例えば、特別遊技状態で実行可能なラウンド数が2ラウンドであり該特別遊技状態の終了後の時短回数が20回となる大当り図柄5を設定しても良い。ただし、このような大当り図柄を設定すると、例えば、実行中の特図変動表示ゲームが、大当り図柄3(7ラウンド、時短回数50回)での大当りとなる場合であって、始動記憶に大当り図柄5(2ラウンド、時短回数20回)での大当りを発生する始動記憶がある場合に、次回の特別遊技状態が2ラウンドであることで実質的に大当たりによる遊技価値の付与がほとんどなく、単に時短回数が減ってしまうような状況になってしまうという課題が発生する。そこで、始動記憶内に大当り図柄5(2ラウンド、時短回数20回)での大当りを発生する始動記憶が記憶されている場合に、今回の大当り図柄を、大当り図柄3から大当り図柄2(7ラウンド、時短回数20回)に変更する処理を行うようにして上記課題を解決するようにし、遊技者の不満感を確実に防止できるようにする。
また、例えば大当り図柄を確変図柄と通常図柄の二種類とし、対応する付加遊技価値として、確変図柄であった場合は特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで遊技状態を確変遊技状態とし、通常図柄であった場合は特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで遊技状態を時短遊技状態とした後、通常遊技状態とするようにしても良い。そしてこの場合に、実行中の特図変動表示ゲームが確率変動状態を発生させる特別結果(確変図柄)を導出するものであり、その時点で記憶されている実行権利(始動記憶)で通常図柄の特別結果となる特図変動表示ゲームが実行予定であった場合には、実行中の特図変動表示ゲームで飾り特図変動表示ゲームの結果態様を通常図柄の特別結果に変更するようにしても良い。なお、このような変更を行った場合は、特別遊技状態の後の確変遊技状態において、確変遊技状態であることを遊技者に報知しない状態(いわゆる潜伏状態)とすることが好ましい。また、実行中の特図変動表示ゲームが時短遊技状態を発生させる特別結果(通常図柄)を導出するものであり、その時点で記憶されている実行権利(始動記憶)で特別結果(確変図柄、通常図柄の何れでも良い)となる特図変動表示ゲームが実行予定であった場合には、実行中の特図変動表示ゲームで飾り特図変動表示ゲームの結果態様を確変図柄の特別結果に変更するようにしても良い。
また、本実施形態の遊技機では大当り発生時に大当り図柄を確定表示するようにしたが、大当り発生には時短回数や確変の有無を確定報知しないで、大当り中(大当り終了時も含む)に確定報知するものでもよい。この場合には、報知時期を遅らせることができ、その間に始動記憶が多くなるので、先読み処理による報知内容の変更をより効率よく行うことが可能となる。また、付加遊技価値決定手段が決定した決定結果の報知は、特別結果態様の種類により報知するものの他、別の方法で報知するようにしても良く、例えば、報知専用のゲームを行って報知するようにしても良い。
また、特別遊技状態の発生の決定と、付加遊技価値の量等の決定とを、別々の乱数(大当り判定用乱数と大当り図柄乱数)を抽出して行うようにしたが、同一の乱数により行うようにしても良い。例えば、同一の乱数により行う場合は、特別遊技状態となる乱数値を範囲設定し、その範囲をさらに細分化し特別結果態様の種類等を決定するようにする。
以上のことから、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示する変動表示装置(第1特図表示器8、第2特図表示器9、表示装置43)と、始動入賞口(第1始動入賞口13、普通変動入賞装置7)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利を乱数値とともに記憶する始動記憶手段(遊技制御装置30)と、を備え、始動記憶手段に記憶された実行権利に基づき変動表示ゲームを実行し、該実行権利に対応して記憶された乱数値が予め定められた特定値であった場合に該変動表示ゲームの結果を特別結果とするとともに遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるようにした遊技機100であって、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき乱数を抽出し、該抽出された乱数値に基づき、特別遊技状態とは別に付加遊技価値を付与するか否か、或いは付与する付加遊技価値量を決定する付加遊技価値決定手段(遊技制御装置30)と、特別遊技状態の発生に関連して付加遊技価値決定手段が決定した決定結果を報知する報知手段(演出制御装置40、表示装置43)と、を備え、報知手段は、付加遊技価値決定手段が決定した決定結果を報知する場合に、その時点で始動記憶手段に記憶されている乱数値の先読み結果により、特別結果となる変動表示ゲームが実行予定であった場合に、当該実行予定の変動表示ゲームに対する付加遊技価値と、今回の変動表示ゲームに対する付加遊技価値との比較判定結果に基づき、報知する決定結果を変更する報知変更手段(演出制御装置40)を備えたこととなる。
また、複数の識別情報による第1変動表示ゲームを表示する第1変動表示装置(第1特図表示器8、表示装置43)と、複数の識別情報による第2変動表示ゲームを表示する第2変動表示装置(第2特図表示器9、表示装置43)と、第1始動入賞口13への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームの実行権利を乱数値とともに記憶する第1始動記憶手段(遊技制御装置30)と、第2始動入賞口(普通変動入賞装置7)への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲームの実行権利を乱数値とともに記憶する第2始動記憶手段(遊技制御装置30)と、第1変動表示ゲームよりも第2変動表示ゲームを優先させて実行させる優先制御手段(遊技制御装置30)と、を備え、報知変更手段(演出制御装置40)は、第2始動記憶手段に記憶されている乱数値を先読みして、報知する決定結果の変更を行うこととなる。
次に、上述した実施形態の遊技機の変形例について図12を参照して説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機では、大当り発生時に第2始動記憶に特定値と一致する大当り判定用乱数値が記憶された第2始動記憶がない場合(全てはずれの場合、第2始動記憶がない場合も含む)に、大当り図柄を時短回数が定義されていない大当り図柄に変更するようにしている。
図12に示す例では、大当り図柄が大当り図柄2もしくは大当り図柄3の場合であって、第2始動記憶に特定値と一致する大当り判定用乱数値が記憶された第2始動記憶がない場合(全てはずれの場合)に、大当り図柄を特定大当り図柄に変更するようにしている。この特定大当り図柄は、大当り図柄1から4の何れとも一致しないものであれば良く、例えば「A,A,A」とされている。そして、特別遊技状態の後の確変遊技状態において第2始動記憶に特定値と一致する大当り判定用乱数値が記憶された始動記憶が発生した時点で、残りの時短回数を報知表示するようになっている。このとき報知される時短回数は、確変遊技状態の発生の契機となった大当りの大当り図柄(今回の大当り図柄)と、大当たりとなる第2始動記憶の先読み結果に基づく大当り図柄(次回の大当り図柄)とによって決定されるようになっている。すなわち、付加遊技価値の付与中に新たに記憶された特図変動表示ゲームの実行権利を、報知の決定結果を変更するための判定対象として、該付加遊技価値の付与中に決定結果を変更するようにしている。
今回の大当り図柄も次回の大当り図柄も大当り図柄3である場合、報知される時短回数は、実際の残り時短回数である「50回から実行済み回数を引いた回数」の他、所定の確率(例えば、50%の確率)で実際の残り時短回数よりも少ない「20回から実行済み回数を引いた回数」の残り時短回数が報知される。これにより、次回の大当り時に今回よりも付加遊技価値量の多い大当りに当選した印象を与えることができ、遊技者に得をした感覚を与えることができる。また、変更しなかった場合に比べて、次回の大当り時に遊技者が認識することとなる消化できなかった時短回数を少なくでき、遊技者の損をしたという感覚を軽減できる。
また、今回の大当り図柄が大当り図柄3であり、次回の大当り図柄が大当り図柄2である場合、報知される時短回数は実際の残り時短回数より少ない「20回から実行済み回数を引いた回数」が選択される。これにより、付与される付加遊技価値に対して遊技者が不満感を持つことを防止し、遊技の興趣が低下することを防止することができる。すなわち、遊技者に対し、次の特別遊技状態が発生したことによりかえって得られる付加遊技価値量が減ってしまったという感覚を与えてしまうことを防止でき、遊技の興趣が低下することを防止することができる。また、変更しなかった場合に比べて、次回の大当り時に遊技者が認識することとなる消化できなかった時短回数を少なくでき、遊技者の損をしたという感覚を軽減できる。
また、今回の大当り図柄が大当り図柄2であり、次回の大当り図柄が大当り図柄3である場合、報知される時短回数は、実際の残り時短回数である「20回から実行済み回数を引いた回数」の他、所定の確率(例えば、60%の確率)で実際の残り時短回数よりも多い「50回から実行済み回数を引いた回数」の残り時短回数が報知される。これにより、付加遊技価値量の多い大当りに連続して当選した印象を与えることができ、変更しない場合に比べて遊技の興趣を向上することができる。また、実際に決定されていた付加遊技価値量よりも大きい付加遊技価値を得た印象を遊技者に感じさせることができ、遊技者の満足感を高めることができる。
また、今回の大当り図柄も次回の大当り図柄も大当り図柄2である場合、報知される時短回数は、実際の残り時短回数である「20回から実行済み回数を引いた回数」の残り時短回数が報知される。この場合は、残りの時短回数を「50回から実行済み回数を引いた回数」に変更するとより多い時短回数を残したまま次回の大当たりが発生してしまう印象を与えてしまうため変更は行わない。
すなわち、残り時短回数を付加遊技価値量の少ない大当り図柄に対応した残り時短回数に変更することで、次回の大当り時に遊技者に対して今回の大当りよりも付加遊技価値の高い大当たりを獲得して得をした感覚を与えることができる。また、遊技者が時短回数を消化できずに損をしたという感覚を軽減できる。さらに、次回の大当りが今回の大当りよりも付加遊技価値の低いものである場合に、大当りによって付加遊技価値量が減少してしまい損をしたという感覚を与えないようにすることができる。また、次回の大当りが今回の大当りよりも付加遊技価値の高いものである場合に、残り時短回数を付加遊技価値の高い大当り図柄に対応した残り時短回数に変更することで、付加遊技価値量の多い大当りに連続して当選した印象を与えることができ、変更しない場合に比べて遊技の興趣を向上することができる。よって、遊技者に特別結果の導出に対する期待感に加え、付加遊技価値の内容に対する期待感も与えることができ遊技の興趣を向上することができる。
また、特別遊技状態の後の確変遊技状態において大当りとなる第2始動記憶が発生しなかった場合は、時短遊技状態への移行と同時に実際の残り時短回数を報知表示する。なお、特別遊技状態の後の確変遊技状態において大当りとなる第2始動記憶が発生しなかった場合に、残りの時短回数として、まず「20回から実行済み回数を引いた回数」を報知し、大当り図柄3での大当たりであった場合は時短回数が20回を経過した後に改めて「50回から実行済み回数を引いた回数」を報知するようにしても良い。また、最初に報知する残り時短回数は「20回から実行済み回数を引いた回数」に限られず「20回以下の回数から実行済み回数を引いた回数」であっても良い。このようにすることで、最初に報知した時短回数に達するまで遊技者の期待感を維持できるとともに、最初に報知した時短回数に達した際に更に付加遊技価値が付与されたかのような印象を与えることができ、遊技の興趣を向上することができる。なお、大当り発生時に第2始動記憶に特定値と一致する大当り判定用乱数値が記憶された第2始動記憶がある場合には、上述の実施形態のような図柄の変更処理を行っても良いし、図柄の変更処理を行わず大当り図柄乱数に基づく大当り図柄を表示するようにしても良い。
以上のことから、特別遊技状態の終了後に付加遊技価値を付与するものとし、報知変更手段(演出制御装置40)は、付加遊技価値の付与中に新たに記憶された変動表示ゲームの実行権利を決定結果を変更するための判定対象として、該付加遊技価値の付与中に決定結果を変更するようにしたこととなる。
以上のような遊技機100は、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示する変動表示装置(第1特図表示器8、第2特図表示器9、表示装置43)と、始動入賞口(第1始動入賞口13、普通変動入賞装置7)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利を乱数値とともに記憶する始動記憶手段(遊技制御装置30)と、を備え、始動記憶手段に記憶された実行権利に基づき変動表示ゲームを実行し、該実行権利に対応して記憶された乱数値が予め定められた特定値であった場合に該変動表示ゲームの結果を特別結果とするとともに遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させるようにした遊技機100であって、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき乱数を抽出し、該抽出された乱数値に基づき、特別遊技状態とは別に付加遊技価値を付与するか否か、或いは付与する付加遊技価値量を決定する付加遊技価値決定手段(遊技制御装置30)と、特別遊技状態の発生に関連して付加遊技価値決定手段が決定した決定結果を報知する報知手段(演出制御装置40、表示装置43)と、を備え、報知手段は、付加遊技価値決定手段が決定した決定結果を報知する場合に、その時点で始動記憶手段に記憶されている乱数値の先読み結果により、特別結果となる変動表示ゲームが実行予定であった場合に、当該実行予定の変動表示ゲームに対する付加遊技価値と、今回の変動表示ゲームに対する付加遊技価値との比較判定結果に基づき、報知する決定結果を変更する報知変更手段(演出制御装置40)を備えている。
したがって、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき乱数を抽出し、該抽出された乱数値に基づき特別遊技状態とは別に付加遊技価値を付与するか否か、或いは付与する付加遊技価値量を決定する付加遊技価値決定手段と、特別遊技状態の発生に関連して付加遊技価値決定手段が決定した決定結果を報知する報知手段と、を備えるので、遊技者に、特別結果の導出に対する期待感に加え、付加遊技価値の内容に対する期待感も与えることができ遊技の興趣を向上することができる。また、報知手段は、付加遊技価値決定手段が決定した決定結果を報知する場合に、その時点で始動記憶手段に記憶されている乱数値の先読み結果により、特別結果となる変動表示ゲームが実行予定であった場合に、当該実行予定の変動表示ゲームに対する付加遊技価値と、今回の変動表示ゲームに対する付加遊技価値との比較判定結果に基づき、報知する決定結果を変更する報知変更手段を備えたので、付与される付加遊技価値に対して遊技者が不満感を持つことを防止し、遊技の興趣が低下することを防止することができる。すなわち、特別遊技状態が発生した場合に、始動記憶内に記憶された情報により今回の付加遊技価値の報知態様を変更することができるので、例えば、今回付与される付加遊技価値よりも次回付与される付加遊技価値のほうが低い場合に、今回の付加遊技価値の報知態様を変更して遊技者に損をした感覚を与えないようにすることができ、遊技の興趣が低下することを防止することができる。また、報知態様によっては次回の特別遊技状態で付加遊技価値がさらに高まった感覚を遊技者に与えることも可能となり、遊技の興趣を向上することができる。
また、報知変更手段(演出制御装置40)は、実行予定の変動表示ゲームに対する付加遊技価値量が、今回の変動表示ゲームに対する付加遊技価値量よりも小さい場合に、付加遊技価値決定手段(遊技制御装置30)が決定した付加遊技価値量よりも小さい付加遊技価値量に変更して報知するようにしている。
したがって、報知変更手段は、実行予定の変動表示ゲームに対する付加遊技価値量が、今回の変動表示ゲームに対する付加遊技価値量よりも小さい場合に、付加遊技価値決定手段が決定した付加遊技価値量よりも小さい付加遊技価値量に変更して報知するので、付与される付加遊技価値に対して遊技者が不満感を持つことを防止し、遊技の興趣が低下することを防止することができる。すなわち、遊技者に対し、次の特別遊技状態が発生したことによりかえって得られる付加遊技価値量が減ってしまったという感覚を与えてしまうことを防止でき、遊技の興趣が低下することを防止することができる。
また、報知変更手段(演出制御装置40)は、実行予定の変動表示ゲームに対する付加遊技価値量が、今回の変動表示ゲームに対する付加遊技価値量よりも大きい場合に、付加遊技価値決定手段(遊技制御装置30)が決定した付加遊技価値量よりも大きい付加遊技価値量に変更して報知するようにしている。
したがって、報知変更手段は、実行予定の変動表示ゲームに対する付加遊技価値量が、今回の変動表示ゲームに対する付加遊技価値量よりも大きい場合に、付加遊技価値決定手段が決定した付加遊技価値量よりも大きい付加遊技価値量に変更して報知するので、実際に決定されていた付加遊技価値量よりも大きい付加遊技価値を得た印象を遊技者に感じさせることができ、遊技者の満足感を高めることができる。
また、報知手段(演出制御装置40、表示装置43)は、決定結果を、変動表示ゲームにおける特別結果の種類で報知する。
したがって、報知手段は、決定結果を、変動表示ゲームにおける特別結果の種類で報知するので、変動表示ゲームの結果を利用して上記付加遊技価値の付与の有無や付加遊技価値量を確実に遊技者に報知することが可能となる。
また、開状態への変換により始動入賞口への遊技球の入賞率を高めることが可能な普通変動入賞装置7を備え、付加遊技価値の付与として、特別遊技状態の終了後に普通変動入賞装置7における1の開状態への変換期間を長くする特定遊技状態を発生させるとともに、付与する付加遊技価値量の違いとして、該特定遊技状態の終了条件として設定される変動表示ゲームの実行回数を変化させるものとし、特別結果の種類と特定遊技状態の終了条件としての変動表示ゲームの実行回数とを対応付けている。
したがって、開状態への変換により始動入賞口への遊技球の入賞率を高めることが可能な普通変動入賞装置7を備え、付加遊技価値の付与として、特別遊技状態の終了後に普通変動入賞装置7における1の開状態への変換期間を長くする特定遊技状態を発生させるとともに、付与する付加遊技価値量の違いとして、該特定遊技状態の終了条件として設定される変動表示ゲームの実行回数を変化させるものとし、特別結果の種類と特定遊技状態の終了条件としての変動表示ゲームの実行回数とを対応付けたので、付加遊技価値を遊技性を高めた状態で付与することが出来る上、付加遊技価値量の違いを明確にすることが可能となる。
また、複数の識別情報による第1変動表示ゲームを表示する第1変動表示装置(第1特図表示器8、表示装置43)と、複数の識別情報による第2変動表示ゲームを表示する第2変動表示装置(第2特図表示器9、表示装置43)と、第1始動入賞口13への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームの実行権利を乱数値とともに記憶する第1始動記憶手段(遊技制御装置30)と、第2始動入賞口(普通変動入賞装置7)への遊技球の入賞に基づき第2変動表示ゲームの実行権利を乱数値とともに記憶する第2始動記憶手段(遊技制御装置30)と、第1変動表示ゲームよりも第2変動表示ゲームを優先させて実行させる優先制御手段(遊技制御装置30)と、を備え、報知変更手段(演出制御装置40)は、第2始動記憶手段に記憶されている乱数値を先読みして、報知する決定結果の変更を行うようにしている。
したがって、複数の識別情報による第1変動表示ゲームを表示する第1変動表示装置と、複数の識別情報による第2変動表示ゲームを表示する第2変動表示装置と、第1始動入賞口への遊技球の入賞に基づき第1変動表示ゲームの実行権利を乱数値とともに記憶する第1始動記憶手段と、第2始動入賞口への遊技球の入賞に基づき前記第2変動表示ゲームの実行権利を乱数値とともに記憶する第2始動記憶手段と、第1変動表示ゲームよりも第2変動表示ゲームを優先させて実行させる優先制御手段と、を備え、報知変更手段は、第2始動記憶手段に記憶されている乱数値を先読みして報知する決定結果の変更を行うので、第1および第2変動表示ゲームを実行するように構成された遊技機においても上記効果を確実に得ることが可能となる。すなわち、付与される付加遊技価値に対して遊技者が不満感を持つことを防止し、遊技の興趣が低下することを防止することができる。
また、特別遊技状態の終了後に付加遊技価値を付与するものとし、報知変更手段(演出制御装置40)は、付加遊技価値の付与中に新たに記憶された変動表示ゲームの実行権利を決定結果を変更するための判定対象として、該付加遊技価値の付与中に決定結果を変更するようにしている。
したがって、特別遊技状態の終了後に付加遊技価値を付与するものとし、報知変更手段は、付加遊技価値の付与中に新たに記憶された変動表示ゲームの実行権利を決定結果を変更するための判定対象として、該付加遊技価値の付与中に決定結果を変更するので、決定結果を変更するための判定対象が多くなり、決定結果の変更頻度を高めることができて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。