まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7における下部の左側には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、第1特別図柄の変動表示を行う第1表示部としてのLED403と、0〜9の数字を表示可能であり、停止図柄の導出表示(停止表示)を行う第2表示部としての7セグメントLED404により構成される。7セグメントLED404は、0〜9の数字、および、A,C,E,Fのような文字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9のような数字およびA,C,E,Fのような文字(または、記号)等の識別情報を変動表示するように構成されている。
遊技盤6における下部の右側には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、第2特別図柄の変動表示を行う第1表示部としてのLED405と、0〜9の数字を表示可能であり、停止図柄の導出表示(停止表示)を行う第2表示部としての7セグメントLED406により構成される。7セグメントLED406は、0〜9の数字およびA,C,E,Fのような文字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9のような数字、および、A,C,E,Fのような文字(または、記号)等の識別情報を変動表示するように構成されている。
小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が後述する第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口およびゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aでは、変動表示中にLED403が所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED403が消灯状態となり、表示結果に応じて7セグメントLED404を構成するLEDのうちの所定のLED(セグメント)が点灯状態となる。
また、第2特別図柄表示器8bでは、変動表示中にLED405が所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED405が消灯状態となり、表示結果に応じて7セグメントLED406を構成するLEDのうちの所定のLED(セグメント)が点灯状態となる。
また、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8b各々の第2表示部に停止表示される第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第2表示部は、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
図31は第2特別図柄の変動中(変動表示中)及び変動停止時(停止図柄の導出表示時)における第2特別図柄表示器8bの態様を示す図である。図31(a)に示すように、第2特別図柄の変動表示中は、LED405が所定のパターンで点滅し、このとき7セグメントLED406は全セグメントが消灯状態となっている。そして変動時間が経過すると、LED405が消灯状態となり、7セグメントLED406のセグメントのうちの所定のセグメントが点灯状態となることにより表示結果が導出表示される。例えば、図31(b)に示すように、15R大当りAの場合には「9」を形成する各セグメントが点灯状態となり、はずれの場合には「−」を形成するセグメントが点灯状態となる。なお、この図31の例では、第2特別図柄の変動中及び変動停止時における第2特別図柄表示器8bの態様を例示しているが、第1特別図柄の変動中(変動表示中)及び変動停止時(停止図柄の導出表示時)における第1特別図柄表示器8aの態様も、これと同様である。
この実施の形態において、特別図柄の変動時間は、後述する変動パターン毎に異なるが、特別図柄の図柄確定停止時間(表示結果が7セグメントLED404,406に導出表示されている期間)は、後述するように、時短中である場合には、時短用停止表示時間である0.3秒とされ、時短中でない場合には、通常用停止表示時間である0.5秒とされる。但し、特別図柄の図柄確定停止時間経過後に次の変動表示が直ちに開始されない状態(大当り遊技状態や合算保留記憶数が0となった状態)においては、最後に実行された変動表示の表示結果が7セグメントLED404,406に継続して表示されるものとする。
図10及び図11は、パチンコ遊技機1において選択される変動パターンを決定するために使用される変動パターン判定テーブルである。ここで、図10及び図11に示す変動パターンのうち、超時短PC1(超時短変動ではずれ)及び超時短PC2(超時短変動で大当り)は、変動時間が0.6秒と極めて短い変動パターンである。これら超時短PC1及び超時短PC2の変動パターンは、後述する高ベース状態である超時短状態においてのみ選択される変動パターンであり、該超時短状態において比較的高い確率(100%)で選択される。そして、仮に本実施形態のような第1表示部(LED405)と第2表示部(7セグメントLED406)の複数の表示部を有さず、1の表示部のみで超時短変動パターンの変動表示と停止図柄の導出表示を行おうとした場合、変動時間が極めて短いため、変動中であるか又は停止図柄が表示されているのかを遊技者が把握することができない。例えば1の7セグメントLEDを用いて、各セグメントをリレー式に点灯させることにより変動表示を行い、変動時間の終了後に停止図柄を導出表示するようにしても、当該7セグメントLEDが変動表示中であるか又は停止図柄が導出表示されているのかを遊技者が判別するのは困難である。これに対して、本実施の形態では、変動表示が行われるLED405と、停止図柄の導出表示が行われる7セグメントLED406を別表示部として分離しているので、変動表示が行われているのか、又は、停止図柄の導出表示が行われているのかを遊技者が把握しやすい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。また、演出表示装置9の周囲は、装飾並びに配色が施された飾り枠300によって包囲されている。
演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期して、各々を識別可能な演出図柄の変動表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の変動表示を行う変動表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。演出制御用マイクロコンピュータ100が、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行なわれる演出は、この実施の形態で示したものに限らず、たとえば、所定のストーリー性を持つ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果に基づいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。たとえば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、たとえば、勝敗等の結果を表示するのではなく、物語等の所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行される(演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンド(変動パターン指定コマンド)に基づいて認識した変動時間を計測することによって行なわれる。)。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と特別図柄および後述する普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9a,9b,9c,9dが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1表示部としての第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aと、第1特別図柄の停止表示(停止図柄の導出表示)が行われているときに第1特別図柄用の第4図柄の停止表示(赤色表示又は青色表示)が行われる第2表示部としての第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bとが設けられている。また、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1表示部としての第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の停止表示(停止図柄の導出表示)が行われているときに第2特別図柄用の第4図柄の停止表示(赤色表示又は青色表示)が行われる第2表示部としての第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9a,9bと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9c,9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(変動表示)は、第4図柄表示領域9a,9cを所定の表示色(例えば、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aは黒色、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cは白色)で所定の時間間隔で点灯(表示)と消灯(非表示)とを繰り返す点滅状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8a(本実施形態ではLED403)における第1特別図柄の変動表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおける第1特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8b(本実施形態ではLED405)における第2特別図柄の変動表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第2特別図柄用の第4図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。
また、第1特別図柄表示器8a(本実施形態では7セグメントLED404)において大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bが、大当りを想起させる表示色(例えば赤色)で点灯(表示)されたままになる。なお、大当りの種類(15R大当りAまたは15R大当りBのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、第1特別図柄表示器8a(本実施形態では7セグメントLED404)においてはずれ図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bが、はずれを想起させる表示色(例えば青色)で点灯(表示)されたままになる。
また、第2特別図柄表示器8b(本実施形態では7セグメントLED406)において大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dが、大当りを想起させる表示色(例えば赤色)で点灯(表示)されたままになる。なお、大当りの種類(15R大当りAまたは15R大当りBのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、第2特別図柄表示器8b(本実施形態では7セグメントLED406)においてはずれ図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dが、はずれを想起させる表示色(例えば青色)で点灯(表示)されたままになる。
図32は、第2特別図柄用の第4図柄の変動中(変動表示中)及び変動停止時(停止図柄の導出表示時)の態様を示す図である。図32(a)に示すように、第4特別図柄の変動表示中は、第4図柄表示領域9cが所定のパターンで点滅する(白色表示と非表示を繰り返す)。このとき、第4図柄表示領域9dは非表示の状態となっている。また、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aは、点灯状態(黒色表示の状態)にあり、第4図柄表示領域9bは非表示の状態となっている。そして変動時間が経過して、第2特別図柄の表示結果が導出表示されるときは、図32(b)に示すように、第4図柄表示領域9cが点灯状態(白色表示)となり、第4図柄表示領域9dが表示結果に応じた点灯状態、例えば、大当りであれば赤色表示となり、はずれであれば青色表示となる。なお、この図32の例では、第2特別図柄用の第4図柄の変動中及び変動停止時における第4図柄表示領域9c,9dの表示態様を例示しているが、第1特別図柄用の第4図柄の変動中及び変動停止時における第4図柄表示領域9a,9bの表示態様も、これと同様である。
ここで、仮に本実施形態のような第1表示部(第2特別図柄用の第4図柄表示領域9c)と第2表示部(第2特別図柄用の第4図柄表示領域9d)の複数の表示部を有さず、1の表示部のみで超時短変動パターンの変動表示と停止図柄の導出表示を行おうとした場合、変動時間が極めて短いため、変動中であるか又は停止図柄が表示されているのかを遊技者が把握することができない。例えば第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cのみを用いて、当該領域を点滅させることにより変動表示を行い、変動時間の終了後に停止図柄を導出表示(所定の色で停止表示)するようにしても、当該第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cが変動表示中であるか又は停止図柄が導出表示されているのかを遊技者が判別するのは困難である。これに対して、本実施の形態では、変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、停止図柄の導出表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを別表示部として分離しているので、変動表示が行われているのか、又は、停止図柄の導出表示が行われているのかを遊技者が把握しやすい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とで、入賞した遊技球に対して払出される賞球数が異なる。たとえば、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときの賞球数は、1個の入賞に対して3個である。一方、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときの賞球数は、1個の入賞に対して1個である。
この実施の形態では、打球操作ハンドル5が操作された状態(所定角度回転された状態)では、遊技球は0.6秒間隔で遊技領域7に発射されるようになっている。よって、このように第2始動入賞口14に入賞したときの賞球数を1個とした場合、高ベース状態において、発射された全ての遊技球を第2始動入賞口14に入賞させることが可能とされている。そして、仮に発射された全ての遊技球を第2始動入賞口14に入賞させても、発射された遊技球の数を超えた賞球が払い出されることはなく、高ベース状態において遊技者が過度に有利になることはない。従って、遊技領域7に向けて発射された遊技球が極めて高い確率で第2始動入賞口14に入賞するように遊技領域7を構成することが可能となる。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部(表示領域)18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(たとえば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)。
なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別することなく同じ色で表示してもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを区別することなく同じ色で表示する場合に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを左右で区別することなく左端または右端から順番に表示してもよい。また、合算保留記憶表示部18cは、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを色で区別する場合に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを左右で区別することなく左端または右端から変動表示の優先順位に応じて順番に表示してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、それに対応した演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期して行なわれる。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。
この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間にしたがって演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドに基づいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化け等が生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化け等の不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10での変動表示が開始される。この実施の形態では、LED401が点灯状態と消灯状態を交互に繰り返す点滅状態となることによって変動表示が行われる。そして、変動表示の終了時にLED402が点灯すれば当りとなり、消灯されるとはずれとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の当り図柄(本実施形態ではLED402が点灯状態であることを指す)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間や開放回数が高められて、高ベース状態(電チューサポート状態)となる。
図33は普通図柄の変動中(変動表示中)及び変動停止時(停止図柄の導出表示時)における普通図柄表示器10の態様を示す図である。図33(a)に示すように、普通図柄の変動表示中は、LED401が所定のパターンで点滅し、このときLED402は消灯状態となっている。そして変動時間が経過すると、図33(b)に示すように、LED401が消灯状態となり、LED402が点灯状態(当りの場合)又は消灯状態(はずれの場合)となることにより表示結果が導出表示される。
ここで、本実施形態では高ベース状態(電チューサポート状態)である時短状態のうち、超時短状態においては、普通図柄の変動時間が0.6秒に短縮されることになる(図23参照)。このような超時短状態において、仮に本実施形態のような第1表示部(LED401)と第2表示部(LED402)の複数の表示部を有さず、1の表示部のみで普通図柄の変動表示と停止図柄の導出表示を行おうとした場合、変動時間が極めて短いため、変動中であるか又は停止図柄が表示されているのかを遊技者が把握することができない。例えば1のLEDを用いて、点滅により変動表示を行い、変動時間の終了後に停止図柄を導出表示(当りなら点灯、はずれなら消灯)するようにしても、当該LEDが変動表示中であるか又は停止図柄が導出表示されているのかを遊技者が判別するのは極めて困難である。これに対して、本実施の形態では、変動表示が行われるLED401と、停止図柄の導出表示が行われるLED402を別表示部として分離しているので、変動表示が行われているのか、又は、停止図柄の導出表示が行われているのかを遊技者が把握しやすい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する遊技者にとって有利な有利状態である特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰り返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
図2においては、大当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後から変動回数が60回となるまでの期間において変動パターン種別を決定する際に参照する変動パターン種別決定テーブルの種類、大当り遊技状態の終了後の変動回数が61回から70回となるまでの期間において変動パターン種別を決定する際に参照する変動パターン種別決定テーブルの種類、および、大当り遊技状態の終了後の高確率および標準時短状態または高確率および超時短状態の継続期間(変動表示回数)が示されている。図2に示すように、この実施の形態では、ラウンド数が異なる大当り遊技状態として、15ラウンドの大当り遊技状態と2ラウンドの大当り遊技状態との複数種類の大当り遊技状態が設けられている。
具体的に、大当りの種別が、15R確変大当りAである場合には、大当り遊技状態の終了後から変動回数が60回となるまでの期間も、大当り遊技状態の終了後の変動回数が61回から70回となるまでの期間も、標準時短状態となることにより、はずれ変動パターン種別判定テーブルとして、標準時短用のはずれ変動パターン種別判定テーブルが参照されて変動パターンが決定される。
また、大当りの種別が、15R確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後から変動回数が60回となるまでの期間は超時短状態となることにより、はずれ変動パターン種別判定テーブルとして、超時短用のはずれ変動パターン種別判定テーブルが参照されて変動パターンが決定され、大当り遊技状態の終了後の変動回数が61回から70回となるまでの期間は標準時短状態となることにより、はずれ変動パターン種別判定テーブルとして、標準時短用のはずれ変動パターン種別判定テーブルが参照されて変動パターンが決定される。
また、大当りの種別が、2R確変大当りである場合には、大当り遊技状態の終了後から変動回数が60回となるまでの期間は超時短状態となることにより、はずれ変動パターン種別判定テーブルとして、超時短用のはずれ変動パターン種別判定テーブルが参照されて変動パターンが決定され、大当り遊技状態の終了後の変動回数が61回から70回となるまでの期間は標準時短状態となることにより、はずれ変動パターン種別判定テーブルとして、標準時短用のはずれ変動パターン種別判定テーブルが参照されて変動パターンが決定される。
よって、この実施の形態では、大当りの種別にかかわらず、高確率状態が大当り遊技状態の終了後の変動回数が70回となるまで継続するとともに、高ベース状態(電チューサポート状態)である超時短状態や標準時短状態も、大当り遊技状態の終了後の変動回数が70回となるまで継続する。
また、15ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰り返される。
また、2ラウンドの大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば0.5秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる2ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
このように、2ラウンドの大当りは、大入賞口の開放回数が15ラウンドよりも少ない回数(この実施の形態では2回)まで許容されるが、大入賞口の開放時間が短い(たとえば、0.5秒間)大当り種類(種別)である。また、本実施の形態の場合は、2ラウンドの大当りとして、大入賞口の開放時間が極めて短く(0.5秒間)、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない当りが設けられている。
なお、2ラウンドの大当りとしては、実質的に賞球が得られない当りのみを設けてもよく、賞球を得ることができる当りのみを設けてもよく、実質的に賞球が得られない当りと賞球を得ることができる当りとの両方を設けてもよい。
「大当り」のうち、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、または、独立して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が通常状態(非時短状態)よりも短縮される時短状態に制御される場合もある。
この実施の形態においては、時短状態として、図2に示すように、標準時短状態と、当該標準時短状態よりもさらに変動時間が短縮される超時短状態との複数種類の時短状態が含まれている。したがって、以下の説明において、単に「時短状態」と示す場合は、「標準時短状態」と「超時短状態」との両方を包含した時短状態の総称としての意味を持つこととする。
また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、または、独立して、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化する高ベース状態(電チューサポート状態)に制御される場合もある。また、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、または、独立して、時短状態および高ベース状態(電チューサポート状態)に制御される場合もある。また、特別遊技状態としては、確変状態に加えて、時短状態に付随して高ベース状態(電チューサポート状態)に制御される場合もあり、時短状態に独立して高ベース状態(電チューサポート状態)に制御される場合もある。
標準時短状態または超時短状態のときには、普通図柄の制御に関しても、通常遊技状態と比べて、決定値が当りとなる割合が高くなるように設定され、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間および開放回数が増加するように設定される。そして、超時短状態のときには、標準時短状態のときと比べて、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間が増加するように設定される。尚、普通図柄の制御については図23及び図24にて説明する。
つまり、標準時短状態は、図23に示すように、通常遊技状態における普通図柄の変動時間である10秒よりも短い2秒の変動時間とされ、可変入賞球装置15の開放時間が、通常遊技状態における0.3秒から2.0秒になることで可変入賞球装置15への入賞を容易化する高ベース状態(電チューサポート状態)に制御されるとともに、後述する標準時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが参照されて特別図柄の変動パターンが決定される遊技状態である。また、超時短状態は、図23に示すように、標準時短状態における普通図柄の変動時間である2秒よりもさらに短い0.6秒の変動時間とされ、可変入賞球装置15の開放時間が、標準時短状態における2.0秒から5.8秒になることで可変入賞球装置15への入賞をより一層容易化する高ベース状態(電チューサポート状態)に制御されるとともに、後述する超時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dが参照されて特別図柄の変動パターンが決定される遊技状態である。
この実施の形態の場合は、大当り遊技状態の終了後において、特別遊技状態として、確変状態に制御されるとともに、高ベース状態(電チューサポート状態)に制御される。
なお、この実施の形態の場合は、大当りとして確変大当りのみが設けられた例を示すが、大当りの種類としては、大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない「通常大当り」と呼ばれる大当りを設けてもよい。15R通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に、時短状態および高ベース状態(電チューサポート状態)に移行する制御が行なわれないものであってもよく、時短状態および高ベース状態(電チューサポート状態)に移行する制御が行なわれるものであってもよい。
図2に示すように、15ラウンドの大当りとしては、15R確変大当りAと、15R確変大当りBとの複数種類の大当りが設けられている。また、2ラウンドの大当りとしては、2R確変大当りが設けられている。
15R確変大当りAは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態並びに標準時短状態に移行する制御が行なわれ、当該確変状態並びに標準時短状態が、変動表示が所定回数(70回)実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する大当りである。
15R確変大当りBは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態並びに時短状態に制御され、当該確変状態並びに時短状態が、変動表示が所定回数(70回)実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれかの条件が成立するまでの期間継続する大当りである。超時短状態は、標準時短状態よりも変動時間が短い変動パターンが高い割合で決定されることにより変動時間の平均値が短くなるように制御される。尚、この15R確変大当りBにおける時短状態は、大当り遊技状態の終了から60回目の変動までが超時短状態に制御され、61回目から70回目の変動までが標準時短状態に制御されるようになっている。
2R確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に、確変状態並びに時短状態に制御され、当該確変状態並びに時短状態が、変動表示が所定回数(70回)実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれかの条件が成立するまでの期間継続する大当りである。尚、この2R確変大当りにおける時短状態は、大当り遊技状態の終了から60回目の変動までが超時短状態に制御され、61回目から70回目の変動までが標準時短状態に制御されるようになっている。
2R確変大当りは、ラウンド数が少なく(2回)、大入賞口の開放時間が極めて短い態様(0.5秒間開放)で大入賞口が開放されることにより、大当り遊技状態の終了後に確変状態となったことを報知する場合には、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せることが可能なものであり、「突然確変大当り」とも呼ばれる。「突然確変大当り」は、「突確大当り」または「突確」という略称で呼ばれる場合もある。2R確変大当りは、大当り遊技状態において、0.5秒間の開放が2回しか行なわれないため、実質的に賞球が得られない当りである。
なお、実質的に賞球が得られない当りとしては、15ラウンドの大当りであるが、1ラウンドあたりの開放時間がたとえば0.5秒間のように極めて短いことにより、実質的に賞球が得られないものであってもよい。また、実質的に賞球が得られない当りとしては、ラウンド数が少ないこと、または、1ラウンドあたりの開放時間が短いことのうち少なくとも一方が実行されることにより実質的に賞球が得られないものであればよい。
尚、この実施の形態では、上述したように、特別遊技状態としての確変状態および時短状態(標準時短状態および超時短状態を含む)は、予め定められた所定回数である70回にて終了する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当りが発生するごとに複数種類の回数から選択(ランダムに選択、予め定められた順序で選択)されるものであってもよい。
また、確変状態と時短状態とで、終了する変動回数を異なるようにしてもよい。たとえば、時短状態を62回で終了し、確変状態を70回で終了するようにしても良いし、確変状態を次回の大当り発生まで継続させ、時短状態を回数切りとなるようにしてもよく、その逆となるようにしてもよい。また、特別遊技状態としての確変状態および時短状態は、変動表示の回数には関係なく、次回の大当りが発生するまで継続するものであってもよい。
なお、これら大当りの他に、2R確変大当りと同様の開放回数および開放時間で特別可変入賞球装置20を開放する当りである小当りを設けてもよい。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベース状態、確変回数カウンタ値、変動パターンテーブルとがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されないようにすれば良い。
遊技領域7には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。この実施の形態において、これらの入賞口29,30,33,39に遊技球が入賞したときの賞球数は10個であり、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(たとえば演出の選択)を行うことができる。
なお、操作ボタン120は、押下操作が可能なものに限定されず、たとえば回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン120に代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン120は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、後述するような、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(図4参照)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御を行う。また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段は、操作ボタン120からの操作検出信号が入力され、その信号に応じて、各種演出を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、および枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80には、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAM122を含む演出制御用マイクロコンピュータ100と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU101のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置9における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU101とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124とが搭載されている。なお、RAM122は外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM122は電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、表示制御部123に搭載されているVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってCGROM(図示せず)から必要なデータを読出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読出す。そして、VDP109は、読出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、操作ボタン120からの操作信号が、入力ポート107を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述するように、操作ボタン120からの操作信号に基づいて、各種の遊技演出を行う。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号に基づいて枠LED28等の枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25等に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図5は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図5に示すように、この実施例では、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、変動表示結果が「はずれ」であり演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−2(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2(ノーマルリーチC)、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3、超時短PC1の変動パターンが用意されている。なお、図5に示すように、リーチ状態とならない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が2回行われる。リーチ状態となる場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチ状態となる場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチ状態となる場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。
また、図5に示すように、この実施例では、特別図柄の変動表示結果が大当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4(ノーマルリーチC)、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1(ノーマルリーチA)〜特殊PG2−2(ノーマルリーチB)、超時短PC2の変動パターンが用意されている。なお、図5において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2、超時短PC2の変動パターンは、2R確変大当りとなる場合に使用される変動パターンであり、2R確変大当りとなる場合には、ノーマルリーチAのリーチ演出を含む特殊PG2−1や、ノーマルリーチBのリーチ演出を含む特殊PG2−2の変動パターンが決定される場合がある。このうち、特殊PG1−3、特殊PG2−2の変動パターンについては、再変動が2回行われる。尚、超時短PC2の変動パターンは超時短状態でのみ決定される。
また、図5に示すように、ノーマルPA2−3(ノーマルリーチA)〜ノーマルPA2−4(ノーマルリーチB)、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4(ノーマルリーチC)、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、超時短PC2の変動パターンは、15R確変大当りAまたは15R確変大当りBとなる場合に使用される変動パターンであり、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が2回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3を用いる場合には再変動が2回行われ、スーパーPA3−4を用いる場合には再変動が3回行われる。尚、超時短PC2の変動パターンは超時短状態でのみ決定される。
図6は、主基板31側で用いられる各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。図6に示すように、この実施の形態では、主基板31において、乱数回路503から抽出される大当り判定用の乱数値MR1、大当りの種類(15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当り)を決定する大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターンの種類(種別)を決定する変動パターン種別決定用の乱数値MR3、変動パターン(変動時間)を決定する変動パターン決定用の乱数値MR4、普通図柄に基づく当りを発生させるか否かを決定する普通図柄当り判定用の乱数値MR5、乱数値MR5の初期値を決定するための乱数値MR6のそれぞれを示す数値データがカウント可能に制御されている。
この実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当りというような複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(MR1)の値に基づいて大当りとする決定がされたときには、大当り種別決定用乱数(MR2)の値に基づいて、大当りの種別が、これらのうちいずれかの大当り種別に選択決定される。さらに、大当りの種別が選択決定されるときに、同時に大当り種別決定用乱数(MR2)の値に基づいて、大当り図柄も選択決定される。したがって、MR2は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別決定用乱数(MR3)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン決定用乱数(MR4)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら変動パターン種別を決定せずに、変動パターンを1段階にて決定するようにしても良い。
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。たとえば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動表示であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動表示が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、たとえば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出等の特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数が用いられるが、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図7は、大当り判定テーブル、および、大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM54に記憶されている。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
この実施の形態では、15R確変大当りA、15R確変大当りB、または、2R確変大当りとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行される。そして、確変状態および高ベース状態は、大当り終了後、特別図柄の変動表示が所定回数(70回)実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続に亘り継続する。
なお、この実施の形態では、15R確変大当りA、15R確変大当りB、または、2R確変大当りとなると、大当り遊技終了後に100%の割合で高確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行され、大当り終了後、特別図柄の変動表示が所定回数(70回)実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続に亘り継続するようになっているが、大当り種別として、大当り遊技終了後に低確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行される非確変大当りと、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行される確変大当りと、を含むようにしてもよい。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(MR1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当り)にすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図7(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図7(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶のデータ(保留記憶情報)を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図7(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶のデータ(保留記憶情報)を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別決定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、「2R確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
また、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、大当り種別判定テーブル131aと比べて、大当り種別判定テーブル131bには、「15R確変大当りA」および「15R確変大当りB」のような15ラウンドの大当りの方が「2R確変大当り」のような2Rラウンドの大当りよりも選択される割合が高く設定されている。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大入賞口への入賞に関して遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。
なお、図7(B),(C)の大当り種別判定テーブルにおいては、第2特別図柄の方が第1特別図柄と比べて遊技者にとって有利な大当りが選択される割合が高く設定されている例を示した。しかし、これに限らず、また、第1特別図柄の方が第2特別図柄と比べて遊技者にとって有利な大当りが選択される割合が高く設定されるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とが遊技者にとって有利な大当りが選択される割合が同じ割合に設定されるようにしてもよい。
また、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「2R確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「2R確変大当り」の振り分けを行なわない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「2R確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1の大当りとしての2R確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2の大当りとしての15R確変大当りA,Bに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1の大当りとすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。たとえば、第1の大当りと比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2の大当りを決定するようにしてもよい。また、たとえば、第1の大当りと比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2の大当りを決定するようにしてもよい。また、たとえば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1の大当りと、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2の大当りとを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2の大当りの遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、たとえば、第1の大当りまたは第2の大当りのいずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1の大当りの場合には15ラウンドすべてを終了し、第2の大当りの場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1の大当りの場合には内部的に15ラウンドすべてを終了していることから大当り遊技を終了し、第2の大当りの場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(あたかも15回開放の大当りを終了した後にさらに大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
また、「2R確変大当り」は、「15R確変大当りA」および「15R確変大当りB」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.5秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「2R確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R確変大当りA」および「15R確変大当りB」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が30秒という長い場合があるのに対して、「2R確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.5秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することはほとんど期待できない。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、MR2の値と比較される数値であって、「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、「2R確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、MR2の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図8は、大当り用変動パターン種別判定テーブルを示す説明図である。
この実施の形態では、15R確変大当りA、および、15R確変大当りBのそれぞれである場合には、変動パターンが、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。
また、2R確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2と、リーチも特定演出も伴わず前述の標準時短状態時の変動パターンおよび短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2の変動パターンよりも変動時間が短い超時短変動パターン(超時短PC2)を含む変動パターン種別である超時短CA6とに種別分けされている。
図8(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。後述する超時短状態において変動表示を実行する条件が成立したときには、「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、および、「2R確変大当り」の各大当りの変動パターン種別を判定するためのテーブルは、変動パターン種別判定テーブル132Cが、変動パターン種別判定テーブル132A,132Bに対して優先使用される。超時短状態以外の遊技状態において変動表示を実行する条件が成立したときに、「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、および、「2R確変大当り」のそれぞれの大当りの変動パターン種別を判定するためのテーブルとしては、変動パターン種別判定テーブル132A,132Bが、変動パターン種別判定テーブル132Cに対して優先使用される。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2、および、超時短CA6の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
図8(A)に示すように、この実施の形態では、「15R確変大当りA」または「15R確変大当りB」である場合には、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値が80〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4、スーパーPB3−5の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、15R確変大当A及び15R確変大当りB用の大当り用変動パターン種別判定テーブルの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割当てられることになる。
また、大当り種別が「2R確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bでは、たとえば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「2R確変大当り」以外である場合には判定値が割当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割当てられている。よって、変動表示結果が「大当り」となり大当り種別が「2R確変大当り」となることに応じて2R確変大当り状態に制御する場合には、15R確変大当りおよび15R通常大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図8(C)の超時短用の変動パターン種別判定テーブル132Cに設定された超時短の変動パターン種別は、リーチも特定演出も伴わず前述の時短状態時の変動表示および短縮変動時の変動表示よりも変動時間が短い(例えば、変動時間がパチンコ遊技機1における遊技球の最短発射間隔である0.6秒間)変動表示を行う超時短変動パターンの変動パターン種別である超時短CA6が割当てられている。
図9は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dを示す説明図である。
図9(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図9(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図9(C)は、遊技状態が確変状態であって、時短状態のうち標準時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。また、図9(D)は、遊技状態が確変状態であって、時短状態のうち超時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを示している。
はずれである場合には、変動パターンが、リーチも特定演出も伴わない変動パターン(非リーチPA1−1)を含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターン(非リーチPA1−3、非リーチPA1−4)を含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターン(非リーチPA1−2)を含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターン(ノーマルPA2−1、ノーマルPA2−2)
を含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターン(ノーマルPB2−2)を含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターン(ノーマルPB2−1)を含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチの変動パターン(スーパーPA3−1、スーパーPA3−2、スーパーPB3−1、スーパーPB3−2、スーパーPB3−3)を含む変動パターン種別であるスーパーCA2−7と、リーチも特定演出も伴わず前述の標準時短状態時の変動パターンおよび短縮変動の変動パターンである非リーチPA1−2の変動パターンよりも変動時間が短い超時短変動パターン(超時短PC1)を含む変動パターン種別である超時短CA5と、に種別分けされている。
はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別決定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、超時短CA5における超時短変動パターンとしては、リーチを伴うものであってもよく、リーチを伴うか否かに変わらず、時短状態時の変動表示および短縮変動時の変動表示よりも変動時間が短いものであればよい。
また、図9に示す例では、遊技状態が時短状態のうち標準時短状態である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用い、遊技状態が時短状態のうち超時短状態である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを用い、通常状態において合算保留記憶数が3以上である場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを用いるように、それぞれ、別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B,135C、135Dを用いる場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、標準時短状態である場合と通常状態において合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図9(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の標準時短時用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
図9(A)に示すように、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aでは、非リーチCA2−1、非リーチCA2−2、ノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5、スーパーCA2−7といった変動パターン種別に対して、判定値が割当てられている。
図9(B)に示すように、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bでは、非リーチCA2−1、非リーチCA2−2、非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4、ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7といった変動パターン種別に対して、判定値が割当てられている。
また、図9(C)に示すように、標準時短用の変動パターン種別判定テーブル135C
では、非リーチCA2−3、スーパーCA2−7といった変動パターン種別に対して、判定値が割当てられている。
また、図9(D)の超時短用の変動パターン種別判定テーブル135Dに設定された超時短の変動パターン種別は、リーチも特定演出も伴わず前述の時短状態時の変動表示および短縮変動時の変動表示よりも変動時間が短い(例えば、変動時間がパチンコ遊技機1における遊技球の最短発射間隔である0.6秒間)変動表示を行う超時短変動パターンの変動パターン種別である超時短CA5が割当てられている。
なお、図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図9(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別決定用の乱数(MR3)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出等の特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用変動表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の変動表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数、第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(標準時短状態並びに超短状態を除き、図9(A),(B)に示す例では1〜79)が割当てられるように構成されている。なお、「リーチ用変動表示パターン以外の変動表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、たとえば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出等の特定演出も伴わず、変動表示結果が大当りとならない場合に用いられる変動表示パターン(変動パターン)のことである。
図10は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。
当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動表示結果を「大当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果等に応じて、変動パターン決定用の乱数(MR4)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、超時短CA6のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択される。たとえば、超時短CA6の変動パターン種別が選択決定されたときには、変動時間が極めて短い(たとえば、0.6秒間)超時短変動パターンPC2が選択決定される。一方、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン決定用の乱数(MR4)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の変動表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図10(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、変動時間が極めて短い(たとえば、0.6秒間)超時短CA6とに種別分けされている場合が示されている。また、図10(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図10(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出等の特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、たとえば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
このうち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別が選択決定されたときには、ノーマルPA2−3、ノーマルPA2−4のいずれかの変動パターンが選択決定され、ノーマルCA3−2の変動パターン種別が選択決定されたときには、ノーマルPB2−3、ノーマルPB2−4のいずれかの変動パターンが選択決定され、スーパーCA3−3の変動パターン種別が選択決定されたときには、スーパーPA3−3、スーパーPA3−4、スーパーPB3−3、スーパーPB3−4、スーパーPB3−5のいずれかの変動パターンが選択決定され、超時短CA6の変動パターン種別が選択決定されたときには、変動時間が極めて短い(たとえば、0.6秒間)超時短PC2の変動パターンが選択決定される。
更に、特殊CA4−1の変動パターン種別が選択決定されたときには、特殊PG1−1、特殊PG1−2、特殊PG1−3のいずれかの変動パターンが選択決定され、特殊CA4−2の変動パターン種別が選択決定されたときには、特殊PG2−1、特殊PG2−2のいずれかの変動パターンが選択決定される。
図11は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン決定用の乱数(MR4)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別を非リーチCA2−1、非リーチCA2−2、非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4、ノーマルCA2−5、ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7、超時短CA5のいずれかにする旨の決定結果に応じてはずれ変動パターン判定テーブル138Aが使用テーブルとして選択される。
たとえば、非リーチPCA2−2の変動パターン種別が選択決定されたときには、非リーチPA1−3、非リーチPA1−4のいずれかの変動パターンが選択決定され、非リーチCA2−3の変動パターン種別が選択決定されたときには、非リーチPA1−2の変動パターンが選択決定され、ノーマルCA2−4の変動パターン種別が選択決定されたときには、ノーマルPA2−1、ノーマルPA2−2のいずれかの変動パターンが選択決定され、ノーマルCA2−5の変動パターン種別が選択決定されたときには、ノーマルPB2−2の変動パターンが選択決定され、ノーマルCA2−6の変動パターン種別が選択決定されたときには、ノーマルPB2−1の変動パターンが選択決定され、スーパーCA2−7の変動パターン種別が選択決定されたときには、スーパーPA3−1、スーパーPA3−2、スーパーPB3−1、スーパーPB3−2、スーパーPB3−3のいずれかの変動パターンが選択決定され、超時短CA5の変動パターン種別が選択決定されたときには、変動時間が極めて短い(たとえば、0.6秒間)超時短PC1の変動パターンが選択決定される。
図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図12に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用CPU101は、コマンド8C01(H)〜8C04(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C04(H)を表示結果指定コマンドという。具体的には、「はずれ」である場合には表示結果1指定コマンド(8C01(H))が用いられる。「15R確変大当りA」である場合には表示結果2指定コマンド(8C02(H))が用いられる。「15R確変大当りB」である場合には表示結果3指定コマンド(8C03(H))が用いられる。「2R確変大当り」である場合には表示結果3指定コマンド(8C04(H))が用いられる。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A00D(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R確変大当りA」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられる。「15R確変大当りB」である場合には大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。「2R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。
コマンドA100(H)は、大当り報知表示としてのファンファーレ画面の表示時間を通常時間に指定する演出制御コマンド(大当り報知表示時間通常指定コマンド)であり、コマンドA101(H)は、大当り報知表示としてのファンファーレ画面の表示時間を、通常時間よりも短い短縮時間に指定する演出制御コマンド(大当り報知表示時間短縮指定コマンド)である。
コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A20A(H))が送信される。A3XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A301(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA401(H)〜A40D(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。大当り終了指定コマンド(A401(H))は、「15R確変大当りA」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA402(H)は、「15R確変大当りB」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA403(H)は、「2R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。
図12に示す例において、コマンドB000(H)は、遊技状態が低確率/低ベース状態(通常状態)であることを指定する演出制御コマンド(低確率/低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態かつ標準時短状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース/標準時短状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態かつ超時短状態であることを指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース/超時短状態指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものに限られない。たとえば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。
たとえば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りA」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。「15R確変大当りB」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。「2R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。
なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読出すデータを共通化することができる。
また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果(変動カテゴリ))を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
また、コマンドC7XX(H)は、時短状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB7XX(H)における「XX」が、時短状態の残り回数を示す。
また、コマンドC8XX(H)は、確変状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで確変状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(確変回数指定コマンド)である。コマンドB7XX(H)における「XX」が、確変状態の残り回数を示す。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図18参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用CPU101に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用CPU101に対して送信する制御を行う。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに基づいて、変動パターン種別決定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
変動カテゴリコマンドについては、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
たとえば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS230において、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。この実施の形態では、たとえば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割当てられているのであるから、演出制御用CPU101は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割当てられているのであるから、演出制御用CPU101は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図9(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割当てられた判定値の範囲の境界となり得る値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜12,21〜29についても同様であり、図8(A)〜(C)や図9(C),(D)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割当てられた判定値の範囲の境界となり得る値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、たとえば、始動入賞時に、遊技状態が超時短状態(高確率/高ベース状態且つ超時短状態)且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS230において、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜251となる場合に、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ13コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時の遊技状態が通常遊技状態または時短状態のうちの標準時短状態であるときにおいて、「15R確変大当りA,B」のいずれかとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS230において、CPU56は、まず、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別決定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時の遊技状態が通常遊技状態または時短状態のうちの標準時短状態であるときにおいて、2R確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS230において、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が101〜251となる場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。
また、たとえば、始動入賞時の遊技状態が、は時短状態のうちの超時短状態であるときにおいて、各大当り(15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当り)となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、変動パターン種別決定用乱数の値が1〜251となる場合に、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行なったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じ得る。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7およびスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割当てられているのであるから(図8、図9参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7、スーパーCA3−3、超時短CA5、超時短CA6の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、変動カテゴリコマンドを送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−2,CA2−3、ノーマルCA2−4〜CA2−6,CA3−1,CA3−2、特殊CA4−1,CA4−2となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
この実施の形態では、「先読み予告演出」が実行される場合がある。「先読み予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行される予告演出のことである。この実施の形態では、先読み予告演出として、予告対象となる変動表示に対する始動入賞(保留記憶)が発生した後に開始される変動表示から演出を開始し、その予告演出の対象となる始動入賞(保留記憶)に対応する変動表示が開始されるよりも前の複数回の変動表示に亘って連続して実行されるものが実行される。
なお、先読み予告演出は、複数回の変動表示に亘って予告演出を実行する必要はなく、たとえば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の1回のみの変動表示において予告演出を行うものであってもよい。また、先読み予告演出は、たとえば、その予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前の変動表示から予告演出を開始して、その予告演出の対象となる変動表示の直前の変動表示までで予告演出を終了するものであってもよいし、その予告演出の対象となる変動表示にも亘って予告演出を行うものであってもよい。また、複数回の変動表示に亘って必ずしも連続して実行する必要はなく、たとえば、1回おきまたは2回おきに間欠的に複数回の変動表示において予告演出を実行してもよい。
なお、先読み予告演出としては、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されるものとして、「保留記憶表示」の表示態様が特定の表示態様となることにより先読み予告を行う演出が含まれてもよい。また、先読み予告演出としては、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したタイミングで直ちに実行されるものの他に、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生した後に開始される変動表示から演出を開始するものが含まれてもよい。
この実施の形態では、遊技状態にかかわらず(たとえば、高確率状態(確変状態)や高ベース状態(時短状態)であるか否か、および、大当り遊技中であるか否かにかかわらず)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、必ず図12に示す図柄指定コマンドが送信されるとともに、前述のような変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドに基づいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、先読み予告演出が実行される。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御コマンドを受信すると、図12に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の変動表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取込み処理を開始する。
図12に示すコマンド例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示に対応した演出図柄の変動表示とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行う演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図13(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM55に形成されている。「RAM55に形成されている」とは、RAM55内の領域であることを意味する。図13(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数を計数する合計保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図13(A)には、合計保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図13(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。
図13(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図13(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(MR1)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(MR2)、変動パターン種別決定用乱数(MR3)、および、変動パターン決定用乱数(MR4)が記憶される。
第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口13への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存され、第2始動入賞口14への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン決定用乱数(MR4)を始動入賞判定処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン決定用乱数(MR4)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
図3に示す演出制御基板80に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。たとえば、演出制御基板80に搭載されたROM121には、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図14は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
所定時間(たとえば4ms)毎に定期的にタイマ割込が発生すると、CPU56は、図15に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図16及び図17は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。尚、この実施の形態では、第1始動口スイッチ通過処理及び第2始動口スイッチ通過処理においては、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理(図18参照)が実行されるようになっている。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンド及び大当り開始1〜3指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグ及び大当り開始1指定コマンド、または大当りフラグ及び大当り開始2指定コマンドがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当りフラグ及び大当り開始3指定コマンドがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグ及び大当り開始1〜3指定コマンドのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大当り開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大当り開放前処理では、特図ゲームにおける変動表示結果が「15R確変大当りA」または「15R確変大当りB」となったことに対応して、大当り遊技状態におけるラウンド遊技を開始するための設定が行われ、ステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。
大当り開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り開放中処理では、「15R確変大当りA」または「15R確変大当りB」での大当り遊技状態におけるラウンド遊技で、大入賞口を開放状態とするための制御が行われる。また、大当り開放中処理では、大入賞口を開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が大入賞口開放終了判定値に対応した開放終了時間に達したか否かの判定が行われる。さらに、大当り開放中処理では、RAM55に設けられた大入賞口カウンタにおけるカウント値が開放終了判定値に達したか否かの判定なども行われる。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。「15R確変大当りA」または「15R確変大当りB」の大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
2R大当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。2R大当り開放前処理では、特図ゲームにおける変動表示結果が「2R確変大当り」となったことに対応して、大当り遊技状態におけるラウンド遊技を開始するための設定が行われる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。
2R大当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。2R大当り開放中処理では、「2R確変大当り」での大当り遊技状態におけるラウンド遊技で、大入賞口を開放状態とするための制御が行われる。また、2R大当り開放中処理では、大入賞口を開放状態としてからの経過時間が計測され、その経過時間が大入賞口開放終了判定値に対応した開放終了時間に達したか否かの判定が行われる。さらに、2R大当り開放中処理では、RAM55に設けられた大入賞口カウンタにおけるカウント値が開放終了判定値に達したか否かの判定なども行われる。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
2R大当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。2R大当り終了処理では、「2R確変大当り」での大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図18は、始動入賞判定処理における入賞時演出処理を示すフローチャートである。
入賞時演出処理では、CPU56は、まず、始動入賞判定処理において抽出した大当り判定用乱数(MR1)と図7(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなることを予告する先読み予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(MR1)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態である高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。高確率フラグがセットされていれば、CPU56は、始動入賞判定処理で抽出した大当り判定用乱数(MR1)と図7(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動開始前に15R確変大当りA,B、または、2R確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(MR1)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S223)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S224)。この実施の形態では、CPU56は、S224において、遊技状態が高確率状態であるか否か(高確率フラグがセットされているか否か)、標準時短の高ベース状態であるか否か(標準時短フラグがセットされているか否か)、超時短の時短状態であるか否か(超時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS224で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS224で高確率状態であるか否か、標準時短の高ベース状態であるか否か、超時短の時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動開始前に15R確変大当りA,Bまたは2R確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS224で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、S224の判定結果に応じて、変動パターン種別決定用乱数(MR3)に対応するはずれ用の各閾値を設定する(S225)。この実施の形態では、遊技状態に応じて、変動パターン種別決定用乱数MR3の抽出値に基づいて予め閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれている。S225では、前述のような遊技状態別の変動カテゴリ判定用の閾値が遊技状態に応じて設定される。そして、遊技状態に応じて設定される閾値よりMR3の抽出値が大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかが判定され、どの変動カテゴリに該当するかが決定される。そして、このような決定に応じて、決定した変動カテゴリを特定する変動カテゴリコマンドのEXTデータの値が決定される。ここで設定される閾値は、前述した変動カテゴリコマンドを送信するために必要となる、遊技状態に応じて設けられた閾値である。
一例を挙げると、CPU56は、遊技状態が高確率/高ベースかつ超時短状態であると判定した場合には閾値251を設定する。この場合、CPU56は、後述するS229において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値251以下であるか否かを判定し、閾値251以下である場合(すなわち、1〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に、たとえば、79、89、99、169、199、214および229と判定していくようにすればよい。これにより、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、たとえば、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、S224の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
S220またはS222で大当り判定用乱数(MR1)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1216,S1227で抽出した大当り種別決定用乱数(MR2)に基づいて大当りの種別を判定する(S226)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図6(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、または、「2R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図6(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当りA」、「15R確変大当りB」、または、「2R確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S227)。この場合、たとえば、「15R確変大当りA」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当りA」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「15R確変大当りB」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当りB」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「2R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「2R確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、S229で判定した大当り種別に応じて、前述したような遊技状態に応じた大当り用の各閾値を設定する(S231)。
一例を挙げると、CPU56は、遊技状態が高確率/高ベースかつ超時短状態であると判定した状態において、「15R確変大当りB」と判定した場合には、閾値251を設定する。この場合、CPU56は、後述するS229において、変動パターン種別決定用乱数の値が閾値251以下であるか否かを判定し、閾値251以下である場合(すなわち、1〜251である場合)には変動カテゴリコンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する。
次いで、CPU56は、S225,S228で設定した閾値と、S1216,S1227で抽出した変動パターン種別決定用乱数(MR3)とを用いて、変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(S229)。
なお、S225,S228において、予め定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図8、図9参照)を設定するようにし、S229において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別決定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(S230)。具体的には、CPU56は、S230でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、前述したような「00(H)」〜「08(H)」、「10(H)」〜「15(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時演出処理において大当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別決定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りとなると判定した場合には、変動パターン種別決定用乱数の値の範囲の判定を行なわないようにしてもよい。そして、大当りとなると判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、たとえば、演出制御用CPU101は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことに基づいて、後述する先読み予告演出を実行するようにしてもよい。
図19は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、後述する閾値カウンタが0であるか否かを確認する(S91A)。尚、この閾値カウンタは、超時短状態における所定回数(60回)目の変動表示となったタイミングを特定するために用いられる計数手段である。
前述したS91Aで閾値カウンタが0であると判断したとき、つまり、大当り後の変動回数が61回以上であるときには、CPU56は、大当り種別に応じて、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132B(図8(A),(B)参照)のいずれかを選択する(S92)。そして、S102に移行する。
一方、S91Aで閾値カウンタが0でないと判断したとき、つまり、大当り後の変動回数が60回以下であるときには、図8(C)の大当り用変動パターン種別判定テーブル132C(超時短用)を選択し(S91B)、S102に進む。これにより、閾値カウンタが0でない場合において各大当りが発生するときの変動表示においては、超時短変動パターンでの変動表示が選択されて実行されることとなる。このように、閾値カウンタが0でないときには、超時短の変動表示(超時短PC2)をするための大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cが、超時短の変動表示(超時短PC2)以外の変動表示をするための大当り用変動パターン種別判定テーブル132A,132Bよりも優先して選択されることとなる。
また、前述のS91で大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、後述する確変回数カウンタ及び時短回数カウンタが0であるか否かを判定する。(S93)。確変回数カウンタ及び時短回数カウンタが0であれば(S93のY)、すなわち、大当り後の変動回数が71回以上であることにより、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(S94)。合算保留記憶数が3未満であれば(S94のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図9(A))を選択する(S95)。そして、S102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(S94のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図9(B))を選択する(S96)。そして、S102に移行する。
また、前述のS93で確変回数カウンタ及び時短回数カウンタが0でないと判断されたとき(S93のN)、すなわち、大当り後の変動回数が70回以下であることにより、遊技状態が確変状態並びに時短状態(超時短状態を含む)であれば、閾値カウンタが0であるか否かを確認する(S97)。閾値カウンタが0であるときは、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図9(C)の標準時短用)を選択する(S98)。そして、S102に移行する。
一方、閾値カウンタが0でないときは、CPU56は、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(図9(D)の超時短用)を選択する(S101)。そして、S102に移行する。
S97Aにおいて閾値カウンタが0である場合には、変動パターン種別を決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図9(C)の標準時短用)を選択する(S98)。そして、S102に移行する。
また、この実施の形態では、S94〜S96の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図9(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が高確率/高ベースかつ標準時短状態である場合には、図9(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、S105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図11参照)。したがって、この実施の形態では、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行なわれる場合がある。なお、この実施の形態では、高確率/高ベース状態で用いる標準時短変動用の変動パターン種別判定テーブル(図9(B)参照)と、保留記憶数に基づく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図9(C)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、これら変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からMR3(変動パターン種別決定用乱数)を読出し、S91B、S92、S95、S96、S98、S100、または、S101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。
次いで、CPU56は、S102の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図10参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図11参照)のうちのいずれかを選択する(S103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からMR4(変動パターン決定用乱数)を読出し、S103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S105)。なお、始動入賞のタイミングでMR4(変動パターン決定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン決定用乱数(MR4)を生成するための変動パターン決定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用CPU101に送信する制御を行う(S106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用CPU101に送信する制御を行う(S107)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、S93〜S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図9に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図9に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるにしたがってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、たとえば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かを予め判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して先読み予告演出を行うように構成することが好ましい。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄低処理において、CPU56は、後述する停止タイマカウントがカウント中であるか否かを判定する(S130)。停止タイマカウントがカウント中であれば(S130のY)、停止表示タイマを「−1」減算更新し(S131)、停止表示タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S132)。停止表示タイマがタイマアップしていれば(S132のY)S133に進み、停止表示タイマがタイマアップしていなければ(S132のN)特別図柄停止処理を終了する。
また、S130において、停止タイマカウントがカウント中でなければ(S130のN)、つまり、特別図柄変動中処理から該特別図柄停止処理に新たに移行してきたときにおいてCPU56は、S32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S1301)。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動を終了させ、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動を終了させる。なお、S32の特別図柄表示制御処理においては、終了フラグを参照して特別図柄の変動表示を終了するのではなく、特別図柄プロセス処理のプロセスの状態を参照して特別図柄の変動表示を終了するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(S132)。そして、時短フラグがセットされているか否かを確認することで、時短中であるか否かを判定する(S1303)。時短中であれば(S1303のY)時短用停止表示時間(例えば、0.3秒)を停止表示タイマにセットして(S1304)特別図柄停止処理を終了し、時短中でなければ(S1303のN)通常用停止表示時間(例えば、0.5秒)を停止表示タイマにセットして特別図柄停止処理を終了する。よって、この実施の形態では、時短用停止表示時間は、通常用停止表示時間よりも短く設定されている。
次いで、S133では、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S133)。大当りフラグがセットされていない場合(S133のN)には、後述するS140に移行する。
大当りフラグがセットされている場合(S133のY)に、CPU56は、確変フラグ、標準時短フラグ、および、超時短フラグのうちセットされているフラグをリセットし(S134)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(S135)。具体的には、大当りの種別が15R確変大当りAである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が15R確変大当りBである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が2R確変大当りである場合には大当り開始3指定コマンドを送信する。
S135において、大当りの種別がいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に通常状態(低確率/低ベース状態)指定コマンドを送信する制御を行う(S136)。
また、大当り遊技状態における制御時間を管理するための大入賞口制御タイマに、大当りの発生時において演出表示装置9で大当りが発生したことを報知する大当り表示時間に相当する値を設定する(S137)。また、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータにより特定される大当りの種別に応じて、ROM54に記憶されている開放パターンデータ(図示略)を参照し、大当りのラウンド数を計数するためのラウンド数計数用カウンタにラウンド数(たとえば、15R確変大当りAおよび15R確変大当りBの場合には15回。2R確変大当りの場合には2回。)をセットする(S138A)。開放パターンデータは、各種別の大当りのそれぞれについて、開放回数(ラウンド上限数)、開放時間(各ラウンド中の開放時間)、ラウンド開放態様(各ラウンド中の開放態様)および、インターバル時間(各ラウンド間時間)を含む特別可変入賞球装置20の開放パターンを示すテータであり、開放パターンデータテーブルのデータとして、ROM54に記憶されており、大当りの種別ごとに、開放態様を実行するためのデータとして用いられる。そして、1ラウンド中における開放回数を計数するためのカウンタとしてのラウンド中開放数カウンタを初期値(0回)にセットする(S138B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理に対応した値に更新し(S139)、処理を終了する。
また、前述のS133で大当りフラグがセットされていないとき(S133でN)に、CPU56は、表示結果がはずれのときであり、高確率状態(確変状態)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認することにより高確率状態であるか否かを判定する(S140)。高確率状態でなければ(S140のN)、すなわち、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であれば、特別図柄停止処理を終了する。
一方、高確率状態であるとき(S140のY)は、確変状態における変動表示回数を計数する確変回数カウンタと、時短状態における変動表示回数を計数する時短回数カウンタと、の双方を「−1」減算更新し(S141)、更新後の値が「0」となったか否かを判定する(S142)。確変回数カウンタ及び時短回数カウンタは特別図柄停止処理が実行されるごとに「−1」減算更新が実行されるので、S142では、更新後の値が「0」となったときには、確変状態及び時短状態(標準時短状態または超時短状態)において70回の変動表示が実行されたと判断することができる。
ここで、確変回数カウンタ及び時短回数カウンタは、確変状態及び時短状態(標準時短状態または超時短状態)が継続する期間を変動表示回数に基づいて管理するために用いられる計数手段であり、本実施の形態では確変状態の継続期間が標準時短状態および超時短状態のような時短状態の継続期間と一致するので、時短状態の継続期間を管理するためにも用いられる。
確変回数カウンタ及び時短回数カウンタの更新後の値が「0」となっているとき、つまり、時短状態(標準時短状態または超時短状態)が終了した場合には(S142のY)、確変状態および時短状態(標準時短状態または超時短状態)を70回の変動表示実行に応じて終了させるために、確変フラグ及び超時短フラグをリセットする(S143)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100に低確率/低ベース状態指定コマンドを送信する制御を行い(S144)、特別図柄停止処理を終了する。
また、確変回数カウンタ及び時短回数カウンタの更新後の値が「0」となっていないとき、つまり、時短状態(標準時短状態または超時短状態)が継続している場合には(S142のN)、閾値カウンタが0であるか否かを判定する(S145)。閾値カウンタが0であれば、つまり、15R確変大当りBまたは2R確変大当りの大当り遊技終了後からの61回目以降の変動であれば、(S145のY)、S147に進み、閾値カウンタが0でなければ、つまり、15R確変大当りBまたは2R確変大当りの大当り遊技終了後からの60回目迄の変動であれば、(S145のN)、閾値カウンタを「−1」減算更新し(S146)、確変状態を継続するために、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値に更新し(S147)、特別図柄停止処理を終了する。
図21は、特別図柄プロセス処理における大当り開放前処理(S305)を示すフローチャートである。大当り開放前処理において、CPU56は、演出図柄において大当りを示す組合せの図柄が導出表示された後に、大当りに当選した旨が演出表示装置9での表示やファンファーレ等の音声報知よってなされている状態を示す大当り報知表示中フラグがセットされているか否かを判定する(S391)。大当り報知表示中フラグがセットされていなければ(S391のN)、大当り報知表示中フラグをセットした後(S392)、確変回数カウンタ及び時短回数カウンタが0であるか否かを判定する(S393)。
確変回数カウンタ及び時短回数カウンタが0であれば、つまり、通常遊技状態であれば(S393のY)、大当り報知タイマに、大当りに当選した旨を演出表示装置9やスピーカ27等により報知する大当り報知表示が終了するまでの期間を管理する大当り報知タイマに通常表示時間(本実施の形態では60秒)をセットした後(S394)、大当り報知表示時間通常指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する送信設定を行い(S394+)、S396に進む。また、確変回数カウンタ及び時短回数カウンタが0でなければ、つまり、確変状態であれば(S393のN)、前述した通常表示時間よりも短い時間である短縮表示時間(本実施の形態では10秒)をセットした後(S395)、大当り報知表示時間短縮指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する送信設定を行い(S395+)、S396に進む。そして、大当り種別(15R確変大当りA、15R確変大当りB、2R確変大当り)に応じた大当り報知表示を開始して(S396)大当り開放前処理を終了する。
このように、本実施の形態では、S393において確変回数カウンタ及び時短回数カウンタが0でないと判定した場合、つまり、確変状態並びに時短状態である場合には、大当り報知タイマに短縮表示時間をセットした後、大当り報知表示時間短縮指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する送信設定を行うことで、大当り遊技状態の開始時期と演出表示装置9やスピーカにより実行される大当り報知表示の終了時期とを同期させることができる。同様に、S393において確変回数カウンタ及び時短回数カウンタが0であると判定した場合には、大当り報知タイマに通常表示時間をセットした後、大当り報知表示時間通常指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する送信設定を行うことで、大当り遊技状態の開始時期と演出表示装置9やスピーカにより実行される大当り報知表示の終了時期とを同期させることができる。
尚、大当り報知表示時間通常指定コマンドが送信された場合において演出制御用CPU101は、後述する大当り表示処理(S1174)において大当り報知表示時間通常指定コマンドにて指定された通常表示時間に対応するファンファーレ演出A(ファンファーレ画面の表示を含む)を実行し、大当り報知表示時間短縮指定コマンドが送信された場合において演出制御用CPU101は、後述する大当り表示処理(S1174)において大当り報知表示時間短縮指定コマンドにて指定された短縮表示時間に対応するファンファーレ演出B(ファンファーレ画面の表示を含む)を実行する。
つまり、時短状態において大当りとなったときには、時短状態以外において大当りとなったときよりも短いファンファーレ演出Bが実施されるようになっている。
尚、本実施の形態では、前述したように、時短状態(確変状態でもある)であるか否かによって大当り報知表示時間を変更する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、S393において、特別図柄ポインタが「第1」であるか否かを判定し、「第1」でない場合、つまり、主に時短状態において変動表示が実施される第2特別図柄である場合には、S395とS395+のステップを実施することで、短縮表示時間を大当り報知タイマにセットするとともに大当り報知表示時間短縮指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する一方、「第1」である場合、つまり、時短状態において変動表示が実施され難い第1特別図柄である場合には、S394とS394+のステップを実施することで、通常表示時間を大当り報知タイマにセットするとともに大当り報知表示時間通常指定コマンドを演出制御用CPU101に送信するようにしても良い。
図22は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する大当り終了表示の終了時間を管理する大当り終了表示タイマが動作中か否かを判定する(S157)。大当り終了表示タイマが動作中でなければ(S157のN)、大当りフラグをリセットした後(S158)に、大当り種別に応じた終了指定コマンド(例えば、大当り終了1指定コマンド、大当り終了2指定コマンド、大当り終了3指定コマンド)を演出制御用CPU101に送信する送信設定を行い(S162)、大当り終了表示タイマに所定の表示時間をセットして(S163)大当り終了処理を終了する。
一方、S157において大当り終了表示タイマが動作中であれば(S157のY)、大当り終了表示タイマを「−1」減算更新し(S164)、大当り終了表示時間が経過したか否か、つまり、減算更新した後の大当り終了表示タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S165)。大当り終了表示時間が経過していなければ(S165のN)、大当り終了処理を終了し、大当り終了表示時間が経過していれば(S165のY)、今回実行された大当り遊技の大当り種別が15R確変大当りAであるか否かを判定する(S166)。
大当り種別が15R確変大当りAであれば(S166のY)S167に進み、大当り種別が15R確変大当りAでない、つまり、15R確変大当りBまたは2R確変大当りであれば(S166のN)大当り遊技終了後に超時短状態に制御される変動回数である60を閾値カウンタにセットする(S166+)。更に、時短フラグをセットするとともに(S167)大当り遊技終了後に時短状態(標準時短状態及び超時短状態を含む)に制御される変動回数である70を時短回数カウンタにセットし(S168)、時短状態指定コマンド及び時短回数指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する送信設定を行う(S169)。
更に、確変フラグをセットするとともに(S170)大当り遊技終了後に確変状態に制御される変動回数である70を確変回数カウンタにセットし(S171)、確変状態指定コマンド及び確変回数指定コマンドを演出制御用CPU101に送信する送信設定を行う(S169)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特大図柄通常処理に対応した値に更新し(S173)、大当り終了処理を終了する。
次に、普通図柄の表示結果を決定するために用いる普通図柄表示結果決定テーブルについて説明する。図23は、普通図柄表示結果決定テーブルを示す説明図である。普通図柄表示結果決定テーブルは、ROM54に記憶されている。
普通図柄表示結果決定テーブルにおいては、普通図柄当り判定用のMR5(1〜13)の値(決定値)と、普通図柄の表示結果と、普通図柄の変動時間と、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数との関係が、通常遊技状態と、標準時短状態と、超時短状態と、に分けて示されている。
通常遊技状態のときにおいて、決定値が1,2のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が10秒間に設定されるとともに、開放時間が0.3秒間で1回開放することに設定される。一方、通常遊技状態のときにおいて、決定値が3〜13のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が10秒間に設定される。
また、標準時短状態のときにおいて、決定値が1〜11のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が2秒間に設定されるとともに、開放時間が2.0秒間で1回開放することに設定される。一方、標準時短状態のときにおいて、決定値が12,13のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が2秒間に設定される。
また、超時短状態のときにおいて、決定値が1〜11のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果を当りとし、変動時間が0.6秒間に設定されるとともに、開放時間が5.8秒間で1回開放することに設定される。可変入賞球装置15は、1回の開放時に、開放時間が5.8秒間経過する前に、6個の遊技球が入賞すると、閉条件が成立して閉状態に制御される。一方、超時短状態のときにおいて、決定値が12,13のいずれかとなったときには、普通図柄の表示結果をはずれとし、変動時間が0.6秒間に設定される。
このように、普通図柄の制御に関し、標準時短状態または超時短状態のときには、通常遊技状態と比べて、決定値が当りとなる割合が高くなるように設定され、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間および開放回数が増加するように設定される。そして、超時短状態のときには、標準時短状態のときと比べて、変動時間が短くなるように設定され、さらに、開放時間が増加するように設定される。
尚、この実施の形態では、時短状態として標準時短状態と超時短状態とを有する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、いずれか一方の時短状態、例えば、超時短状態のみを有するようにしても良い。
また、この実施の形態では、標準時短状態または超時短状態において、普通図柄の当選確率を同一としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、標準時短状態と超時短状態の当選確率を異なるもの、例えば、超時短状態の当選確率を標準時短状態よりも更に高くするようにしても良い。
また、この実施の形態では、標準時短状態または超時短状態のときには、決定値が当りとなる割合が高くなるとともに、変動時間も短くなるように設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら当りとなる割合を高めることと、変動時間を短くすることのいずれか一方のみを実行するようにしても良い。
また、普通図柄の変動時間は、特別図柄の変動時間よりも短い時間でも、長い時間でも、同じ時間でもよい。また、標準時短状態のときと、超時短状態のときとで、普通図柄の変動時間、普通図柄の当り確率、開放時間の一部または全部を同一としたり、或いは全部を異なるようにしてもよい。
図24は、図15のS27において実行される普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、ゲート32に設けられたゲートスイッチ32aからの検出信号がオン状態であるか否かをチェックすることにより、ゲート32を通過した遊技球が検出されたか否かの判定を行う(S501)。S501では、遊技球がゲート32を通過してゲートスイッチ32aからの検出信号が所定期間オン状態となった場合に、遊技球のゲート通過(通過球)の検出があったものと判断して、ゲート通過時処理を実行する(S502)。
S502において実行されるゲート通過時処理の一例として、以下のような処理が実行される。まず、RAM55の所定領域に設けられた普図保留記憶部に記憶されている普図保留記憶データの個数である普図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する。普図保留記憶部は、ゲートスイッチ32aにより遊技球のゲート通過が検出されたときに抽出した普通図柄の表示結果決定用のランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、最大限4つ保留記憶するデータ記憶領域を有する。この普図保留記憶部は、前述した第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファと同様に、普図保留記憶データを格納された順番を特定可能な状態で保存していき、順番にしたがって変動表示に使用された普図保留記憶データを消去し、残りの普図保留記憶データについてデータ記憶領域を1つずつシフトしていく構成となっている。
S502において、普図保留記憶数が上限値未満であるときには、CPU56が、ランダム4を示す数値データを抽出する。そして、抽出したランダム4の数値データを普図保留記憶データとして、普図保留記憶部でデータが記憶されずに空いているデータ記憶領域のうち先頭順番の領域にセットする。一方、普図保留記憶部において、普図保留記憶数が上限値となっていれば、今回の遊技球の検出は無効として、ランダム4の数値データの新たな抽出および記憶は行なわない。
ゲート通過時処理を実行した後、および、S501でゲートスイッチ32aからの検出信号がオフ状態であると判定された後には、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、以下のようなS510〜S514の各処理を実行する。
S510の普通図柄通常処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データの有無等に基づいて、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示を開始するか否かの判定が行なわれる。このとき、たとえば普図保留記憶部に格納された普図保留記憶データがある場合には、普通図柄プロセスフラグの値を「1」に更新する。
S511の普通図柄判定処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。この普通図柄判定処理では、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているか否かに基づいて、高ベース状態(電チューサポート状態)であるか否かを認識し、普図保留記憶部の先頭順番に格納された普図保留記憶データ(普通図柄の表示結果決定用のランダム4を示す数値データ)に基づき、図23に示す普通図柄表示結果決定テーブルを参照して、普通図柄の変動表示における表示結果を、「当り」とするか「はずれ」とするかの決定等が行なわれる。
前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短状態による高ベース状態(電チューサポート状態)である場合と、超時短状態による高ベース状態(電チューサポート状態)である場合とに、非電チューサポート状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の表示結果を「当り」とする決定がなされる割合が高くなるように、ランダム4と比較される決定値が割り振られている。これにより、電チューサポート状態では、S511の普通図柄判定処理において、通常遊技状態と比べて普通図柄の表示結果が「当り」と判定されやすくなることで、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。
また、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、普通図柄の変動時間も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短状態および超時短状態を含む時短状態に対応した電チューサポート状態である場合に、非電チューサポート状態である通常遊技状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。そして、超時短状態による電チューサポート状態である場合に、標準時短状態による電チューサポート状態である場合よりも普通図柄の変動時間が短くなるように設定されている。これにより、電チューサポート状態では、S511の普通図柄判定処理において、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているときに電チューサポート状態であると認識し、普図通常遊技状態と比べて普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。電チューサポート状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14が開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。さらに、超時短フラグがセットされているときに、標準時短フラグがセットされているときよりも普通図柄の変動時間が短くなるように変動時間が決定される。これにより、超時短状態では、普通図柄の変動表示結果が導出表示される間隔がさらに短くなることで、「当り」の変動表示結果が導出表示される間隔もさらに短くなり、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口14がさらに開放状態となりやすく、遊技球が第2始動入賞口14にさらに進入(始動入賞)しやすくなる。
さらに、普通図柄判定処理では、普通図柄表示結果決定テーブルを用いて、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間および開放回数も決定される。前述したように、普通図柄表示結果決定テーブルでは、標準時短フラグまたは超時短フラグがセットされているときに高ベース状態(電チューサポート状態)であると認識し、高ベース状態(電チューサポート状態)である場合に、非電チューサポート状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなるように設定されている。したがって、電チューサポート状態である場合に、非電チューサポート状態である通常遊技状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなるような制御が行なわれる。これにより、高ベース状態(電チューサポート状態)では、開放時間が長くなり、かつ、開放回数が多くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)が開放状態となる時間および回数が増加し、遊技球が第2始動入賞口14に進入(始動入賞)しやすくなる。さらに、超時短状態である場合に、標準時短状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなるように設定されている。したがって、超時短状態である場合に、標準時短状態である場合よりも、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)の開放時間が長くなるような制御が行なわれる。これにより、高ベース状態(電チューサポート状態)では、さらに開放時間が長くなることで、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)が開放状態となる時間が増加し、遊技球が第2始動入賞口14にさらに進入(始動入賞)しやすくなる。
なお、この実施の形態では、時短状態として、標準時短状態と超時短状態とで同じ割合で普通図柄の当りとする制御を行う例を示した。しかし、これに限らず、標準時短状態と超時短状態とで異なる割合で普通図柄の当りと判定する制御を行うようにしてもよい。たとえば、超時短状態のときの方が、標準時短状態のときよりも、当りとする割合が高くなる制御を行うようにしてもよい。
普通図柄判定処理では、このような各種判定がされた後、普通図柄プロセスフラグの値を「2」に更新する。
S512の普通図柄変動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示において普通図柄を変動させるための設定が行なわれる。こうした設定に基づいて変動表示する普通図柄は、S513の普通図柄停止処理が実行されることにより、その変動表示が停止して普通図柄の表示結果となる普通図柄の表示結果が表示される。普通図柄変動処理では、普通図柄が変動表示を開始してからの経過時間が計測される。このときには、計測された経過時間が、普通図柄判定処理で決定された変動時間に達したか否かの判定が行なわれる。そして、決定された変動時間に達したときには、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する。
S513の普通図柄停止処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示を停止して表示結果を導出表示させるための設定が行なわれる。なお、普通図柄の表示結果を導出表示させるための設定は、S512の普通図柄変動処理において、計測された経過時間が決定された変動時間に達したときに、普通図柄プロセスフラグの値を「3」に更新する以前に行なわれるようにしてもよい。また、普通図柄停止処理では、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「当り」である場合に、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で可変入賞球装置15を開閉するようにソレノイド16を駆動する作動パターンの設定を行なってから、普通図柄プロセスフラグの値が「4」に更新される。一方、普通図柄判定処理で決定された普通図柄の表示結果が「はずれ」である場合には、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
S514の普通電動役物作動処理は、普通図柄プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普通図柄の変動表示における表示結果が「当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15において可動片を開放状態に動作させることにより、第2始動入賞口14を閉状態から開状態に変化させる制御が行なわれる。たとえば、普通電動役物作動処理では、S513の普通図柄停止処理においてセットされた作動パターンの設定に応じて、ソレノイド16を駆動するための駆動制御信号を生成することにより、可変入賞球装置15を、普通図柄判定処理で決定された開放時間および開放回数で開状態とする制御を行う。これにより、図23に示すような遊技状態および表示結果に応じた動作パターンで可変入賞球装置15が開閉動作させられることとなる。そして、作動パターンの設定に応じたソレノイド16の駆動が終了すると、普通図柄プロセスフラグをクリアして、その値を「0」に更新する。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。演出制御基板80では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU101が起動して、演出制御メイン処理を実行することにより、演出表示装置9における表示制御等の各種演出制御が行なわれる。
図25に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU101は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板80に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS72;No)、ステップS72の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU101は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU101は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、入力ポートのうちで、中継基板77を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポート103より、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122における演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU101は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS72にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。ステップS74にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS74にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。ステップS75の演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ27からの音声出力動作、枠LED28及び装飾LED25といった装飾発光体における点灯動作、モータ86の駆動動作、プロジェクタ202による映像の投影といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた設定などが行われる。
ステップS75の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122における演出制御カウンタ設定部のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出制御用CPU101では、演出用乱数として、演出図柄の表示結果を決定するために用いるSR1−1(左演出図柄決定用),SR1−2(中演出図柄決定用),SR1−3(右演出図柄決定用)が用いられる。その後、ステップS72の処理に戻る。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用CPU101では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種LED25,28等の各種ランプ、スピーカ27、モータ86、プロジェクタ202等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行い、前述したような演出図柄の表示結果決定用の演出用乱数(SR1−1,SR1−2,SR1−3)を用いて決定される。
たとえば、「15R確変大当りA」、および、「15R確変大当りB」のような大当りとなるときには、大当り種別に対応して予め定められた大当り表示結果(ゾロ目の表示結果)が決定される。また、「2R確変大当り」となるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなるチャンス目が表示結果として決定される。また、はずれとなるときには、ぞろ目とならない左,中,右の演出図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可動なはずれ表示結果を決定し、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果を決定する。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、各ノーマルリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
図26は、演出制御メイン処理におけるコマンド解析処理(S74)を示すフローチャートである。
図26に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、中継基板77を介して伝送された主基板31からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S521)。このとき、受信コマンドがなければ(S521;No)、コマンド解析処理を終了する。
S521で受信コマンドがある場合には(S521;Yes)、たとえば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、以下のように、その受信コマンドがどのようなコマンドであるかを判定する。たとえば、その受信コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであるか否かを判定する(S522)。S521で受信コマンドが図柄指定コマンドではない場合には(S522;No)、その受信コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであるか否かを判定する(S523)。S523で受信コマンドが変動カテゴリコマンドではない場合には(S523;No)、受信コマンドが第1始動入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S524)。S524で受信コマンドが第1始動入賞指定コマンドではない場合には(S524;No)、受信コマンドが第2始動入賞指定コマンドであるか否かを判定する(S525)。S525で受信コマンドが第2始動入賞指定コマンドではない場合には(S525;No)、受信コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであるか否かを判定する(S526)。S526で受信コマンドが合算保留記憶数指定コマンドでない場合には、S528に進む。
S522〜S526のそれぞれで、該当するコマンドであると判定されたときには、次のように、受信コマンドを始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭に格納し(S527)、S521の処理に戻る。
S522で受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば受信した図柄指定コマンドを、演出制御基板80に搭載されたRAMに設けられた始動入賞時受信コマンドバッファの空いている最初の格納領域における図柄指定コマンド用の領域に格納する(S527)。また、S523で受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば、受信した変動カテゴリコマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファの各格納領域のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域における変動カテゴリコマンド用の領域に格納する(S527)。ただし、最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に既に変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド、または、合算保留記憶数指定コマンドが格納されていた場合には、今回のタイマ割込内で変動カテゴリコマンドよりも先に受信すべき図柄指定コマンドを取りこぼしてしまったことを意味する。その場合には、受信した変動カテゴリコマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファの空いている最初の格納領域における変動カテゴリコマンド用の領域に格納する(S527)。
また、S524で受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第1始動入賞指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファに設けられた複数の格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域における始動入賞指定コマンド用の領域に格納する(S527)。
また、S525で受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した第2始動入賞指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファに設けられた複数の格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域における始動入賞指定コマンド用の領域に格納する(S527)。
S526で受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファに設けられた複数の格納領域のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域における合算保留記憶数指定コマンド用の領域に格納する(S527)。
一方、S528では、受信コマンドが大当り報知表示時間通常指定コマンドであるか否かを判定する(S528)。受信コマンドが大当り報知表示時間通常指定コマンドであれば(S528のY)、ファンファーレ画面にて実行される演出の実行時間を決定するために用いられる大当り報知表示時間通常指定フラグをセットして(S529)S521に戻り、受信コマンドが大当り報知表示時間通常指定コマンドでなければ(S528のN)、受信コマンドが大当り報知表示時間短縮指定コマンドであるか否かを判定する(S530)。
受信コマンドが大当り報知表示時間短縮指定コマンドであれば(S530のY)、ファンファーレ画面にて実行される演出の実行時間を決定するために用いられる大当り報知表示時間短縮指定フラグをセットして(S531)S521に戻り、受信コマンドが大当り報知表示時間通常指定コマンドでなければ(S530のN)、その他の受信コマンドに応じた設定を行い(S532)、S521の処理に戻る。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図18参照)で判定される大当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドともいい、判定結果情報ともいう。
また、始動入賞が発生したときに、乱数値MR1〜MR3等を示す数値データに基づいて、変動表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定結果、大当り種別の判定結果、変動カテゴリの判定結果を指定する演出制御コマンドである図柄指定コマンド、および、変動カテゴリコマンドは、判定結果情報ともいう。
なお、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に受信コマンドを格納するときには、受信コマンドが、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドのうちいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
このようなコマンド解析処理においては、コマンドを受信したときに、必要に応じて、後述するような演出制御に用いるために、受信したコマンドを特定可能なコマンド受信フラグをセットする。このようにセットされたコマンド受信フラグは、演出制御において不要になった段階で適宜リセットされる。
次に、前述した演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理について説明する。図27に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、まず、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶表示を更新する保留表示更新処理を実行する(ステップS160)。
図27に示すステップS160にて保留表示更新処理を実行した後には、演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS1170〜S1177の処理のいずれかを選択して実行する。
たとえばRAM122の演出制御フラグ設定部等に設けられた演出制御プロセスフラグの値に応じて、変動パターンコマンド受信待ち処理、演出図柄変動開始処理、演出図柄変動中処理、演出図柄変動停止処理、大当り表示処理、ラウンド中処理、および、ラウンド後処理のような複数種類のプロセス処理のうちのいずれかの処理を行う。演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
ステップS1170の変動パターンコマンド受信待ち処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドを受信したときにコマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理に対応した値(この実施の形態では1)に変更する。
ステップS1171の演出図柄変動開始処理では、演出図柄の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)を停止図柄決定用の乱数値に基づいて決定する。変動表示の開始時に、受信した変動パターンコマンドに対応して実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理に対応した値(この実施の形態では2)に更新する。
ステップS1172の演出図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理に対応した値(この実施の形態では3)に更新する。
ステップS1173の演出図柄変動停止処理では、演出図柄の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、大当り表示結果となるときには、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値(この実施の形態では4)に更新し、はずれ表示結果となるときには、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値(この実施の形態では0)に更新する。
ステップS1174の大当り表示処理では、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ画像を含むファンファーレ演出表示を実行する制御を行う。尚、この実施の形態では、ファンファーレ演出表示を実行する大当り報知表示時間として、前述したように、通常表示時間(60秒)が指定されているときにはファンファーレ演出Aを実行し、短縮表示時間(10秒)が指定されているときにはファンファーレ演出Bを実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理に対応した値(この実施の形態では5)に更新する。
ステップS1175のラウンド中処理では、ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理に対応した値(この実施の形態では6)に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理に対応した値(この実施の形態では7)に更新する。
ステップS1176のラウンド後処理では、ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理に対応した値(この実施の形態では5)に更新する。
ステップS1177の大当り終了演出処理では、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値(この実施の形態では0)に更新する。
このように、本実施の形態では、図28(a)に示すように、15R確変大当りAによる大当り遊技状態終了の70回迄の変動表示において、変動表示結果がハズレである場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cに基づいて変動パターンの選択決定がなされるようになっているため、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aに基づいて変動パターンの選択決定がなされる場合と比較して、変動表示時間が短い変動パターン(例えば、変動表示時間が2.50秒である非リーチPA1−2)が選択決定される割合が高くなっている。更に、変動表示結果が大当りである場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aに基づいて変動パターンの選択決定がなされるようになっているため、大当りとなる場合には、スーパーリーチを実行して大当りとなる変動パターンが選択決定される割合が高くなっている。このため、15R確変大当りAによる大当り遊技状態終了の70回迄の変動表示においては、変動表示結果が大当りとなる変動表示までは変動表示時間が2.50秒の変動パターンである非リーチPA1−2が実行され易くなることで、15R確変大当りAによる大当り遊技状態終了から次に大当りとなるまでの時間の間延びを抑え、遊技者に対して連荘感を与えることができる。
また、図28(b)に示すように、15R確変大当りB及び2R確変大当りによる大当り遊技状態終了後の70回目迄の変動表示のうち、60回目までの変動表示において、変動表示結果がハズレである場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dに基づいて変動パターンの選択決定がなされるようになっているため、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cに基づいて変動パターンの選択決定がなされる場合と比較して、変動表示時間が極めて短い変動パターン(変動表示時間が0.6秒である超時短PC1)が確実に選択決定されるようになっている。更に、変動表示結果が大当りである場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cに基づいて変動表示時間が極めて短い変動パターン(変動表示時間が0.6秒である超時短PC2)が確実に選択決定されるようになっている。このため、15R確変大当りB及び2R確変大当りによる60回目までの変動表示においては、変動表示結果が大当りとなる変動表示までは変動表示時間が0.6秒の変動パターンである超時短PC1の変動が確実に実行され続けるとともに、変動表示結果が大当りとなる変動表示においては、変動表示時間が0.6秒の変動パターンである超時短PC2の変動が確実に実行されるため、15R確変大当りB及び2R確変大当りによる大当り遊技状態終了後の60回目までの変動表示においては、15R確変大当りAによる大当り遊技状態終了後の70回目までの変動表示よりも更に次に大当りとなるまでの時間を間延びを抑え、遊技者に対してより連荘感を与えることができる。
尚、15R確変大当りBによる大当り遊技状態終了後の70回目迄の変動表示のうち、61回目から70回目の変動表示においては、変動表示結果がハズレである場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cに基づいて変動パターンの選択決定がなされるようになっているとともに、変動表示結果が大当りである場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aに基づいて変動パターンの選択決定がなされるようになっている。つまり、15R確変大当りBによる大当り遊技状態終了後の61回目から70回目の変動表示では、選択決定される変動パターンが15R確変大当りAによる大当り遊技終了後の70回目までの変動表示において選択決定される変動パターンと同一となっているため、大当り遊技状態終了から次に大当りとなるまでの時間の間延びを抑える効果は、15R確変大当りAによる大当り遊技終了後の70回目までの変動表示と同等となっている。
更に尚、2R確変大当りによる大当り遊技状態終了後の70回目迄の変動表示のうち、61回目から70回目の変動表示においては、変動表示結果がハズレである場合には、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cに基づいて変動パターンの選択決定がなされるようになっているとともに、変動表示結果が大当りである場合には、大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bに基づいて変動パターンの選択決定がなされるようになっている。つまり、2R確変大当りによる大当り遊技状態終了後の61回目から70回目の変動表示では、変動表示結果がハズレとなる場合は、15R確変大当りAによる大当り遊技終了後の70回目までの変動表示において変動表示結果がハズレとなる場合と同様に、変動表示時間が2.50秒である非リーチPA1−2が選択決定され易くなり、次に大当りとなるまでの時間の間延びを抑えることができる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100により実行される指標情報累積演出について説明する。指標情報累積演出は、演出表示装置9において、特別図柄および演出図柄の変動表示に応じて大当り表示結果となるか否かの指標を示す指標情報を累積表示し、指標情報の表示態様に基づいて、大当り表示結果となるか否かを示唆することを可能とする演出である。以下においては、指標情報累積演出を「累積演出」と呼ぶ。
本実施の形態において、このような累積演出は、超時短状態に制御されているときに行なわれる。なお、累積演出は、標準時短状態に制御されているときに行なわれてもよく、時短状態に制御されていないときに行なわれてもよい。累積演出は、保留記憶情報が消化効率が高い超時短状態に制御されているときに行なわれると、より短期間で指標情報を多数累積表示することが可能となるので、演出の面白みがより一層向上する。
図29は、累積演出の演出態様を示す表示画面図である。この実施の形態においては、累積演出として、的当てゲームを行う例を示す。的当てゲームは、たとえば、図29に示すような円形の的90に対して、銃により弾丸を撃って着弾させ、大当り表示結果となるときに的の中心部のD段階99dに弾痕99が表示され、はずれ表示結果となるときに的の中心部以外のA〜C段階99a〜99cのいずれかに弾痕99が表示されることで、大当り表示結果となるか否かを示唆することを可能とする演出である。このような的当てゲームでは、図29に示すように、変動表示が行なわれるごとに弾痕99が消去されずに累積表示されていく。
図29を参照して、的当てゲームの具体的な表示について説明する。的90は、最も外から順にA段階99a、B段階99b、C段階99c、および、D段階99dという、同心円形状で形成された複数段階の領域により構成されている。また、はずれ時の段階は、B段階>C段階>D段階という関係で遊技者にとって有利となる可能性が高まるように演出制御が行なわれる。
また、これら複数段階の領域のうち、A段階99a、B段階99b、C段階99cの各領域は、演出制御上で、図29に示されるように、第1象限91、第2象限92、第3象限93、および、第4象限94という、円の中心角で90度ごとに4つの象限の領域に分けて管理される。たとえば、図29に示すように、A段階99aにおける第1象限91はA段階第1象限と呼ばれ、B段階99bにおける第1象限91はB段階第1象限と呼ばれ、C段階99cにおける第1象限91はC段階第1象限と呼ばれる。
的当てゲームを実行するときには、変動表示が実行されるごとに、変動表示結果に応じて、A〜D段階99a〜99dのうちのどの段階を選択するか、および、第1〜第4象限91〜94のどの象限を選択するか(A〜C段階が選択されたとき)をそれぞれ決定し、さらに、先に表示されている弾痕99と表示位置が重複しないように位置調整して次の表示する弾痕99の表示位置を決定する。
また、このような的当てゲームを実行するときにおいて、演出図柄は、的当てゲームの画像と干渉しないように、演出表示装置9の表示画面内の隅部のような所定領域において、通常表示される大きさよりも縮小された大きさで変動表示される。
なお、このような的当てゲームを実行するときにおいて、演出図柄は、変動表示させずに一時的に消去させてもよい。また、このような的当てゲームを実行するときにおいて、演出図柄は、縮小表示等せずに、的当てゲームの画像と干渉しないように、透明化して、通常表示する位置で表示するようにしてもよい。
このような累積演出は、超時短状態となっている期間(最大70回の変動表示が実行される期間)中に継続して実行されるが、この実施の形態では、当該超時短状態が開始されてから所定回数目(35回目)の変動表示において、累積した演出表示を初期化(消去)するための変動パターン種別の変動パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に受信されたときに、一旦弾痕99の累積標準画像が消去されて初期化される。
なお、このような累積した演出表示の初期化は、実行しなくてもよい。また、のような累積した演出表示の初期化は、変動表示回数が予め定められた回数実行されるごとに、初期化するか否かをランダムに選択して初期化する決定がされたときに実行するようにしてもよい。
このように、指標情報が累積表示される累積演出が行なわれることにより、指標情報により大当り表示結果となるか否かの指標をより明確に遊技者に示すことができるようになる。
図30は、指標情報の表示位置を決定するために用いるデータテーブルを表形式で示す図である。図30においては、(A)保留大当り無時累積演出段階決定テーブル、(B)保留大当り有時累積演出段階決定テーブル、および、(C)累積演出象限決定テーブルが示されている。これらテーブルは、演出制御基板80に搭載されたROMに記憶されている。
図30(A)の保留大当り無時累積演出段階決定テーブルは、変動表示を行うときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときに用いられるデータテーブルである。保留大当り無時累積演出段階決定テーブルには、第1演出決定用の乱数SR2(0〜99の100個の値を取り得る)の抽出値と、決定する段階(A〜C段階)との関係が設定されている。このテーブルでは、A段階>B段階>C段階というような的の中心部(D段階)から離れた段階が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
変動表示を行うときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときには、(A)の保留大当り無時累積演出段階決定テーブルが用いられることにより、平均的に、中心部(D段階)から離れた段階の領域において弾痕99が表示されやすく、中心部(D段階)に弾痕99が向かうような演出態様が出現する割合が低くなるので、大当りとなることを示唆するような演出があまり実行されない。
図30(B)の保留大当り有時累積演出段階決定テーブルは、変動表示を行うときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに用いられるデータテーブルである。保留大当り有時累積演出段階決定テーブルには、第1演出決定用の乱数SR2(0〜99の100個の値を取り得る)の抽出値と、決定する段階(A〜D段階)との関係が設定されている。
このテーブルでは、大当りとなる保留記憶情報の何回前の変動表示かに応じて、A〜D段階のうちの決定される段階の選択割合が異なるようにデータが設定されている。たとえば、大当り変動8回前〜大当り変動1回前、および、大当り変動回に分けてデータが設定されている。
(B)の保留大当り有時累積演出段階決定テーブルでは、大当り変動となる保留記憶情報に近づくにしたがって、中心部(D段階)に近い段階が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。そして、大当り変動となる変動回においては、中心部(D段階)の段階が100%の割合で選択されるようにデータが設定されている
このように、(B)の保留大当り有時累積演出段階決定テーブルでは、大当り変動となる保留記憶情報に近づくにしたがって、変動回ごとに、中心部(D段階)に近い段階が選択される割合が高くなるようにデータが設定されているので、変動表示を行うときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、たとえば、大当り変動3回前の変動時に表示される指標情報の表示位置よりも、大当り変動2回目の変動時に表示される指標情報の表示位置が中心部(D段階)に近い段階を選択できることとなる。このような選択により、先に表示される指標情報の表示位置に応じて、次に表示される指標情報の位置を決定することが可能となる。
変動表示を行うときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、(B)の保留大当り有時累積演出段階決定テーブルが用いられることにより、大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときと比べて、平均的に、大当り変動となる保留記憶情報に近づくにしたがって、中心部(D段階)に近い段階が選択されて弾痕99が表示される割合が高くなり、大当り変動回において中心部(D段階)が選択されて弾痕99が表示されるため、中心部(D段階)に弾痕99が向かうような演出態様が出現する割合が高くなる。これにより、変動表示を行うときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときと比較して、大当りとなることを示唆するような演出が実行される割合が高くなる。したがって、少なくとも指標情報の表示位置に注目すれば、大当り表示結果となるか否かの指標を把握できるので、遊技者にとって演出が把握しやすい遊技機を提供することができ、演出により遊技者の混乱を招かないようにすることができる。
図30(C)の累積演出象限決定テーブルは、(A),(B)のテーブルを用いて弾痕99を表示する段階がA〜D段階のいずれかに決定されたときに、第1〜第4象限91〜94の象限、または、象限に関係ない大当り領域(中心部)のうち、どこに弾痕99を表示するかを決定するときに用いられるデータテーブルである。累積演出象限決定テーブルには、第2演出決定用の乱数SR3(0〜89の90個の値を取り得る)の抽出値と、決定する段階(A〜D段階)、および、大当り領域(中心部)との関係が設定されている。
このテーブルでは、A〜D段階のうちの決定された段階に応じて、象限の選択割合が異なるようにデータが設定されている。これにより、弾痕99の表示の分布パターンに変化を生じさせることができ、演出の面白みを向上させることができる。また、A〜C段階が選択されたときには、大当り領域(中心部)が選択されず、D段階が選択されたときには、大当り領域(中心部)のみが選択されるようにデータが設定されている。これにより、変動表示結果が大当り表示結果となるときにのみ、大当り領域(中心部)に弾痕99が表示されることとなる。
なお、(C)の累積演出象限決定テーブルにおいては、各段階について、第1〜第4象限91〜94の選択割合が同じとなるようにデータを設定してもよい。また、D段階の大当り領域(中心部)も第1〜第4象限91〜94のような複数の象限に分けて管理し、累積演出象限決定テーブルにおいて弾痕99を表示する象限を選択決定するようにしてもよい。
また、変動表示を行うときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、図30(B),(C)のデータテーブルで弾痕99の表示段階を選択するときに、前に選択された段階よりも中心部(D段階)に近い段階が選択されるようなデータテーブルを選択して、前に選択された段階よりも中心部(D段階)に近い段階が必ず選択されるようにする制御を行うようにしてもよい。このようにすれば、変動表示を行うときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、確実に中心部(D段階)に弾痕99が向かっていくような演出態様を実行することができる。
このように、変動表示を行うときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときには、先に表示される指標情報の表示位置に応じて、次に表示される指標情報の位置を決定することができるものであれば、どのような決定を行うものであってもよい。
また、変動表示を行うときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときには、図30(A),(C)のデータテーブルを用いずに、予め定められた前後表示位置関係のパターンで中心部(D段階)に弾痕99が向かっていかないような演出態様を実行するためのデータ(固定的に設定されたデータ)を選択し、当該データに基づいて、予め定められた前後表示位置関係のパターンで弾痕99を表示する演出を実行するようにしてもよい。このようにすれば、変動表示を行うときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときには、確実に中心部(D段階)に弾痕99が向かっていかないような演出態様を実行することができる。
また、図30のデータテーブルを用いて指標情報の表示位置を決定する場合と、前述したような予め定められたデータを用いて指標情報の表示位置を決定する場合とのどちらについても、変動表示を行うときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときに、偽演出(ガセ演出)として、中心部(D段階)に弾痕99が向かっていくような演出態様を実行するための演出を所定割合で実行可能となるようにデータを設定してもよい。このようにすれば、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれていないときでも、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときと類似する演出が行なわれるので、演出のバリエーションが豊富になり、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれている印象を与えて遊技者の期待感を向上させる機会を増やすことができ、遊技者の期待感をより一層高めることができる。
また、指標情報を累積表示する累積演出を実行する代わりに、たとえば、所定のキャラクタを継続的に表示して変動表示が実行されるごとに当該キャラクタの表示位置を選択して、たとえば、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに当該キャラクタを中心部(D段階)に向けて移動させていく表示をすることで、大当りとなることを示唆するような演出を実行するようにしてもよい。
また、指標情報を累積表示する累積演出を実行する代わりに、たとえば、演出制御上で前述した的の中心部に該当するような第1キャラクタと、演出制御上で前述した弾痕に該当するような第2キャラクタとのそれぞれを継続的に移動表示可能とし、第2キャラクタが第1キャラクタを追いかける表示を行い、大当り表示結果となるときに第2キャラクタが第1キャラクタに追い付く演出を行なうようにしてもよい。その場合には、たとえば、変動表示が実行されるごとに第1キャラクタおよび第2キャラクタの表示位置を選択して、たとえば、保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているときに第2キャラクタを第1キャラクタに向けて接近移動させていく表示をすることで、大当りとなることを示唆するような演出を実行するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているか否かによって、指標情報としての弾痕99の表示態様を決定していたが、演出表示装置9において、特別図柄および演出図柄の変動表示に応じて大当り表示結果となるか否かの指標を示す指標情報を累積表示し、指標情報の表示態様に基づいて、大当り表示結果となるか否かを示唆することを可能とすることができれば、変動表示を行なうときに保留記憶情報の中に大当りとなる保留記憶情報が含まれているか否かに関わらず、例えば、各変動の開始時に、当該変動の表示結果に基づいて指標情報としての弾痕99の表示位置等の表示態様を抽選により決定し、該決定結果に応じて表示するようにしてもよい。
以上、この実施の形態におけるパチンコ遊技機1にあっては、大当り遊技状態が終了してからの確変回数カウンタにより計数された実行回数が上限回数よりも少ない閾値に達していない状態では、第1始動口スイッチ通過処理、または第2始動口スイッチ通過処理にて大当りとしないと決定されているときは、超時短PC1の変動パターンを非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−3の変動パターンよりも高い割合にて決定するとともに、第1始動口スイッチ通過処理、または第2始動口スイッチ通過処理によって大当りとすると決定されているときには、超時短PC2の変動パターンをノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−5の変動パターンよりも高い割合にて決定するので、大当りが表示されるまでの変動表示に費される時間を短縮し、遊技者が感じる連荘感を高めることができる。
また、普通図柄表示器10における可変表示が短くなったとしても、可変表示と可変表示結果の導出表示とが切り替わったことを容易に把握することができる。
また、第1特別図柄表示器8a,第2特別図柄表示器8bにおける可変表示が短くなったとしても、可変表示と可変表示結果の導出表示とが切り替わったことを容易に把握することができる。
また、第4図柄表示領域9a,9b,9c,9dにおける可変表示が短くなったとしても、可変表示と可変表示結果の導出表示とが切り替わったことを容易に把握することができる。
また、第1特別図柄表示器8a,第2特別図柄表示器8bにおける可変表示だけでなく、的当てゲームにおける弾痕99の位置を見れば大当り遊技状態になるか否かを把握できるので、遊技者にとって便利である。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、大当り開放前処理のS393において、確変回数カウンタ及び時短回数カウンタが0であれば、通常表示時間(60秒)を大当り報知タイマにセットするとともに、演出制御用CPU101に大当り報知表示時間通常指定コマンド送信設定を行い、確変回数カウンタ及び時短回数カウンタが0でなければ、短縮表示時間(10秒)を大当り報知タイマにセットするとともに、演出制御用CPU101に大当り報知表示時間短縮指定コマンド送信設定を行うことで、遊技状態が通常遊技状態と確変状態とで大当りの変動表示結果が導出表示されてから大当り遊技状態が開始されるまでの期間の長さを異ならせているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、S393において、閾値カウンタが0あれば、通常表示時間を大当り報知タイマにセットするとともに、演出制御用CPU101に大当り報知表示時間通常指定コマンド送信設定を行い、閾値カウンタが0でなければ、短縮表示時間を大当り報知タイマにセットするとともに、演出制御用CPU101に大当り報知表示時間短縮指定コマンド送信設定を行うことで、確変状態における変動回数によって大当りの変動表示結果が導出表示されてから大当り遊技状態が開始されるまでの期間の長さを異ならせても良い。
また、前記実施例では、15R確変大当りBまたは2R確変大当りの大当り遊技の終了後の60回目までの変動においては、変動表示結果がハズレである場合には、変動表示時間が遊技球の最短発射間隔である0.6秒の超時短PC2の変動パターンが選択決定されるようになっているが、本発明はこれに限定されず、変動表示時間が遊技球の最短発射間隔である0.6秒よりも短い変動パターンが選択決定されるようにしても良い。