JP2013179887A - 処理卵白およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】起泡剤や酵素を用いることなく、卵黄が混入していない生の卵白液と同等あるいはそれ以上の起泡性が食品工業的に得られ、卵白の良好の風味が維持された処理卵白を提供する。
【解決手段】割卵機により割卵分別して得た卵白液を原料として用いた処理卵白であって、蛋白質含有量が8質量%以上であり、脂質の含有量が卵白蛋白質100質量部に対して0.1質量部以下であり、蛋白質含有量が10質量%濃度の液状の処理卵白のとき、所定の手順で測定される泡の高さおよび硬さの最大値が、基準液卵白(蛋白質含有量が10質量%であって、卵白蛋白質100質量部に対して0.5質量部の卵黄を含有する液卵白)の泡の高さおよび硬さの最大値に対して、それぞれ110%以上である処理卵白。
【選択図】図1

Description

本発明は、処理卵白およびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、卵白の良好な風味のまま、卵黄が混入していない生の卵白液と同等あるいはそれ以上の起泡性が食品工業的に得られる処理卵白およびその製造方法に関する。
卵白は、強く撹拌されると蛋白質の変性をともなって起泡する特有の性質を有し、この卵白の性質を利用して、スポンジケーキやムース等の菓子類、パン、スフレオムレツ等を製造することが行われている。
このような食品に用いられる卵白としては、起泡性の高いものが望まれており、卵白を一定時間泡立てた場合の起泡が高く(起泡の容積が大きく)、かつ起泡が硬いものが求められている。
卵白の起泡性を向上するために、種々の成分を起泡剤として添加することが提案されている。このような起泡剤として、例えば、特開2004−194519号公報(特許文献2)には、増粘多糖類と酸剤を併用する方法、特開平9−313100号公報(特許文献3)には、蛋白加水分解物と多糖類を併用する方法、特開平7−170944号公報(特許文献4)には、還元剤及び/又はイースト自己消化液を用いる方法、さらに、特公昭55−22号公報(特許文献5)および特公昭55−26824号公報(特許文献6)には、アルカリ剤を用いた処理を行う方法が提案されている。
しかしながら、これらの技術はいずれも、起泡剤を用いるものであり、充分な効果を得るために起泡剤の添加量を増やすと、起泡剤により風味に悪影響がでる場合がある。
また、卵白の起泡性は、卵黄が混入すると大きく低下することが知られている。特に、工業的規模で機械的に殻付き卵を割卵し、卵黄と卵白とを分離する場合、得られる卵白液には、通常、不可避的に0.05〜0.2%程度の卵黄が混入する。また、卵黄の混入量によって卵白の起泡性は変動するため、上記起泡剤を添加した場合であっても、十分な起泡性向上効果が得られない場合がある。
そこで、工業的には、卵黄が0.05〜0.2%(卵黄脂質が卵白蛋白質100質量部に対して0.17部〜0.67質量部)程度混入している卵白の起泡性を、卵黄が混入していない卵白と同程度に向上させることが求められている。
これに対しては、卵白に水溶性大豆多糖類を添加混合する方法(特許文献6)、混入した卵黄の脂質をリパーゼなどの酵素で分解する方法や、乾燥状の卵白を超臨界二酸化炭素と接触させることにより卵黄の脂質を除去する方法(特許文献7)が提案されている。
特開2004−194519号公報 特開平9−313100号公報 特開平7−170944号公報 特公昭55−22号公報 特公昭55−26824号公報 特開2010−200662号公報 特開昭59−151863号公報
しかしながら、水溶性大豆多糖類のような添加剤を用いる方法では、上記の添加剤と同様に風味上の問題が発生する場合がある。また、リパーゼで卵黄脂質を分解する方法では、卵白製品にリパーゼ活性が残り、油脂を含む食品に添加して用いる場合に当該油脂を分解して低級脂肪酸にするため、低級脂肪酸が不快臭を発生させ、風味が低下するという問題がある。さらに、リパーゼ活性を失活させるためには、卵白蛋白質の変性温度よりも高温(約60℃以上)で長時間加熱する必要があるため、失活工程で卵白蛋白質が加熱変性し、卵白の起泡性が著しく低下するという問題があった。
また、乾燥した卵白から超臨界二酸化炭素により卵黄脂質を抽出除去する方法によっては、起泡性を、卵黄が混入していない卵白と同程度に向上させることはできなかった。
そこで、本発明は、卵白の良好な風味のまま、卵黄が混入していない生の卵白液と同等あるいはそれ以上の起泡性が食品工業的に得られる処理卵白およびその製造方法を提供する。
本願発明者らは、卵白の起泡性について鋭意研究した結果、意外にも、所定の要件を具備する処理卵白が、卵黄が混入していない生の卵白液と同等あるいはそれ以上の起泡性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)割卵機により割卵分別して得た卵白液を原料として用いた処理卵白であって、蛋白質含有量が8質量%以上であり、脂質の含有量が卵白蛋白質100質量部に対して0.1質量部以下であり、蛋白質含有量が10質量%濃度の液状の処理卵白のとき、下記の(a)〜(c)の手順で測定される泡の高さおよび硬さの最大値が、基準液卵白(蛋白質含有量が10質量%であって、卵白蛋白質100質量部に対して0.5質量部の卵黄を含有する液卵白)の泡の高さおよび硬さの最大値に対して、それぞれ110%以上である処理卵白、
(a)前記液状の処理卵白500gまたは前記基準液卵白500gと、グラニュー糖500gとを12コートミキサーに入れる。
(b)中速(196rpm)で2.5分間撹拌した後、高速(358rpm)で2.5分間撹拌して泡の高さおよび泡の硬さを測定する。
(c)その後、高速撹拌(358rpm)して2.5分間ごとに泡の高さおよび泡の硬さを測定する。
(2)152,000gで超遠心分離したときの沈殿物の質量が処理卵白全質量の1〜2%である(1)に記載の処理卵白、
(3)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α−オボムチンおよびα−オボムチンが検出されることを特徴とする(1)または(2)に記載の処理卵白、
(4)SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα−オボムチンのバンドのピーク面積が、処理卵白中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20〜50%であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα−オボムチンのバンドのピーク面積が、処理卵白中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の8〜25%である(1)ないし(3)のいずれかに記載の処理卵白、
(5)(1)に記載の処理卵白の製造方法であって、割卵機により割卵分別して得た卵白液を珪藻土、パーライト、セルロース、卵殻、シリカゲル、白土、珪酸、アルミナ、酸化アルミニウム、酸化チタン、活性炭、イオン交換樹脂のうちから少なくとも1種の助剤と混合し、該助剤を除去する工程を含む処理卵白の製造方法、
(6)前記工程を行う前に、前記卵白液をあらかじめ高圧ホモジナイザー処理または超音波処理する、(5)記載の処理卵白の製造方法、
(7)(1)に記載の処理卵白の製造方法であって、前記卵白液を高圧ホモジナイザー処理または超音波処理する工程と、該前記工程を行った卵白液をメンブレンフィルターでろ過する工程を含む処理卵白の製造方法、
(8)(1)ないし(4)のいずれかに記載の処理卵白を用いた食品、
である。
以上の構成により、本発明の処理卵白およびその製造方法によれば、卵黄が混入していない生の卵白液と同等あるいはそれ以上の起泡性が食品工業的に得られる。また、上記処理卵白は、起泡剤や酵素を用いていないため、卵白の良好の風味が維持され、処理卵白を用いた食品の風味を損なうことがない。
図1は、本発明の処理卵白をSDS−PAGEに供したときの電気泳動パターンの写真である。
以下、図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
1.処理卵白
本発明の処理卵白は、割卵機により割卵分別して得た卵白液を原料として用い、蛋白質含有量が8%以上であり、脂質の含有量が卵白蛋白質100部に対して0.1部以下であり、蛋白質含有量が10%濃度の液状の処理卵白のとき、泡の高さおよび硬さの最大値が、蛋白質含有量が10%であって、卵白蛋白質100部に対して0.5部の卵黄を含有する液卵白の泡の高さおよび硬さの最大値に対して、それぞれ110%以上である。
本発明の処理卵白は、液状の生卵白と同様の形態、または、これを凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理した形態、または凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理した形態、または凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理した卵白を通常の液状卵白に戻した形態など様々な形態をとることができる。また、加熱殺菌処理、脱糖処理、脱リゾチーム処理など様々の処理を施すことができる。これらのうち、乾燥処理した形態では、十分な起泡性が得られない場合があること、水戻しの際水への溶解が困難な場合がある。そのため、本発明の処理卵白においては、優れた起泡性を容易に得られる点から、液状の生卵白と同様の形態、または、これを濃縮処理した形態であることが好ましい。
なお、本発明において液状の生卵白と同様の形態とは、生卵白と同様の物性を有し、同等の水分含量(通常88%)であることをいう。
1.1.卵白
本発明の処理卵白において、卵白としては、鶏卵などの卵を割卵機などで機械的に割卵し、機械的に卵黄を分離して得られる液状の生卵白、これを凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理したもの、または凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理したもの、または凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理した卵白を通常の液状卵白に戻したものなど種々の状態の卵白を使用することができる。また、加熱殺菌処理、脱糖処理、脱リゾチーム処理など種々の処理を施した卵白を使用することができる。
本発明の処理卵白において、このような卵白を得る場合の割卵方法および卵黄の分離方法としては、例えば、共和機械株式会社製の高速割卵機などにより機械的に高速で行われるものが挙げられる。したがって、本発明の処理卵白が原料として使用する卵白には、工業的規模で機械的に割卵した場合に混入する0.05%〜0.2%程度の卵黄が含まれていてもよい。
1.2.蛋白質
本発明の処理卵白では、蛋白質の含有量が8%以上であり、10%以上であることが好ましく、10〜50%であることがより好ましい。本発明の処理卵白では、蛋白質の含有量が8%未満の場合、卵黄が混入していない生の卵白液と同等あるいはそれ以上の起泡性が得られない場合がある。
また、蛋白質含有量が50%を超える場合、卵白蛋白質が水に溶解しにくいため好ましくない。
なお、本発明で規定される卵白蛋白質または蛋白質の含有量の測定方法は、栄養表示基準(平成8年5月20日厚生省告示第146号)別表第1の第3欄記載の方法、すなわち、窒素定量換算法に準ずる。
1.3.脂質
本発明の脂質の含有量は、卵白蛋白質100部に対して0.1部以下であり、0.05部以下であることが好ましく、0.03部以下であることがより好ましい。脂質の含有量を卵白蛋白質100部に対して0.1部以下にすることにより、本発明の処理卵白の起泡性を高めることができ、卵黄が混入していない生の卵白液と同等あるいはそれ以上の起泡性が食品工業的に得ることができる。脂質の含有量が卵白蛋白質100部に対して0.1部を超える場合、卵黄が混入していない生の卵白液と同等あるいはそれ以上の起泡性が得られない。
本発明で規定される脂質は、卵黄の脂質であり、中性脂肪(トリグリセライド)、リン脂質、遊離脂肪酸、コレステロールを含む。
工業的規模で機械的に殻付き卵を割卵し、卵黄と卵白とを分離する場合、得られる卵白液には、通常0.05〜0.2%程度の卵黄が混入するため、卵黄脂質が0.017〜0.067%(卵白蛋白質100部に対して0.17〜0.67部)混入する。
本発明で規定される脂質の含有量は、栄養表示基準(平成8年5月20日厚生省告示第146号)別表第1の第3欄記載の方法、すなわち、クロロホルム・メタノール混液抽出法に準じた方法で測定される。
具体的には、本発明の処理卵白を凍結乾燥や噴霧乾燥等により乾燥し、約100g(Sg)を500mL容共栓なす形フラスコに精密に量り、クロロホルム・メタノール混液(2:1V/V)300mLを加える。還流冷却管を接続した後、65℃に調節した恒温水槽の中に入れる。穏やかに沸騰を始めたら、そのまま約1時間抽出を行う。抽出終了後、冷却管からなす形フラスコを取り外し、ガラスろ過器とNo.2ろ紙を用いて500mL容なす形フラスコに抽出液をろ過し、次いでクロロホルム・メタノール混液で抽出に用いたなす形フラスコとガラスろ過器を洗い、洗液はろ液に合わせる。
捕集したろ液からクロロホルム・メタノール混液を留去させ、フラスコを傾けたときに内容物が粘性を示す程度に濃縮して、乾固させない。
冷却した後、石油エーテル25mLを正確に加えて内容物を溶解させ、さらに硫酸ナトリウム(無水)5〜15gを加え、栓をして1分間振り混ぜた後、すばやく遠心管に移し、遠心分離(3,000rpm、5分間)する。あらかじめ105℃の電気定温乾燥器で1時間乾燥後、デシケーター中で45分間放冷し、恒量(Wg)としたひょう量瓶に遠心上澄み液10mLをすみやかに正確に量り、石油エーテルを留去した後、105℃の電気定温乾燥器で1時間乾燥し、デシケーター中で45分間放冷後、質量を測定する。質量が一定になるまで105℃の電気定温乾燥器での1時間の乾燥、デシケーター中で45分間の放冷を繰り返し、恒量(Wg)を求める。
下記の式で脂質の含有量を求める。
脂質(g/100g)=((W−W)×2.5)/S×100
最後に、上記1.2.に記載の方法で求めた蛋白質含有量との比を求める。
1.4.起泡性
本発明の処理卵白は、蛋白質含有量が10%のとき、泡の高さおよび硬さの最大値が、基準液卵白(蛋白質含有量が10%であって、卵白蛋白質100部に対して0.5部の卵黄を含有する液卵白)の泡の高さおよび硬さの最大値に対して、それぞれ110%以上である。
基準液卵白:本発明の泡の高さおよび泡の硬さの測定に関して、蛋白質含有量が10%であって、卵白蛋白質100部に対して0.5部の卵黄を含有する液卵白を選択したのは、工業的規模で機械的に割卵され0.05%程度の卵黄が混入した液卵白と同等になるためである。基準液卵白は、まず、殻付き卵を手割りし、分離器で丁寧に卵白と卵黄を分離し、卵黄の混入のない液卵白を調製する。液卵白中の蛋白質含量を測定し、精製水で希釈するか逆浸透や限外濾過などで処理して濃縮することにより、蛋白質含有量を10%に調整する。その後、卵白蛋白質100部に対して卵黄が0.5部(液卵白中の卵黄の濃度が0.05質量%)になるように卵黄を添加し、撹拌混合して調製する。添加する卵黄は、殻付き卵を割卵分別して得られる生卵黄であり、前記の卵黄濃度にするために必要な生卵黄の質量を量り取って添加する。
基準液卵白に用いる卵白としては、鶏卵の殻付き卵を割卵し、卵黄を分離して得られる液状の生卵白である。生卵白を凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理したもの、または凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理したもの、または凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理した卵白を通常の液状卵白に戻したものは含まない。また、加熱殺菌処理、脱糖処理、脱リゾチーム処理など種々の処理を施した卵白も含まない。さらに、殻付き卵のサイズとしては、Lサイズおよび/またはLLサイズを用いる。
測定方法:下記の(a)〜(c)の手順で測定する。
(a)前記処理卵白500gまたは前記基準液卵白500gと、グラニュー糖500gとを12コートミキサーに入れる。
(b)中速(196rpm)で2.5分間撹拌した後、高速(358rpm)で2.5分間撹拌して泡の高さおよび泡の硬さを測定する。
(c)その後、高速(358rpm)撹拌して2.5分間ごとに泡の高さおよび泡の硬さを測定する。
なお、泡の高さは、ミキサーのボール底面から起泡により生じた泡の上端までの高さを測定したものである。泡の硬さは、泡の表面に錘(起泡した卵白との接触面が直径4cmの丸型)をのせて5秒間沈まない錘の重さを調べたものである。
また、特許4806654号には、本発明の起泡性の測定方法に準じた起泡性の測定方法が記載されている。
(起泡性の評価)
起泡性の評価は、基準液卵白の泡の高さおよび硬さの最大値を100とし、これに対する本発明の処理卵白の泡の高さおよび硬さの最大値の比で評価する。例えば、基準液卵白の起泡の高さ10cm、本発明の処理卵白の起泡の高さが15cmの場合、次式により基準液卵白に対する起泡の高さの比を求める。
(15/10)×100=150%
本発明の処理卵白では、前記の比が高いほど、起泡性が優れている。したがって、本発明の処理卵白では、前記泡の高さの比が、基準液卵白の110%以上であり、120%以上であることが好ましく、130%〜200%であることがより好ましい。また、前記泡の硬さの比が、基準液卵白の110%以上であり、125%以上であることが好ましく、135%〜200%であることがより好ましい。
本発明の処理卵白では、基準液卵白に対する起泡の高さおよび硬さを、いずれも110%以上にしてあるため、卵白の良好な風味なまま、卵黄が混入していない生の卵白液と同等あるいはそれ以上の起泡性が食品工業的に得ることができる。
2.処理卵白の製造
本発明の処理卵白は、卵白液を珪藻土、パーライト、セルロース、卵殻、シリカゲル、白土、珪酸、アルミナ、酸化アルミニウム、酸化チタン、活性炭、イオン交換樹脂のうちから少なくとも1種と混合することにより得られる。
前記珪藻土等の助剤と卵白液を混合することにより、卵白の起泡性を低下させる原因となる卵黄や脂質成分を助剤に吸着させ、除去することができる。これにより、卵白の良好な風味のまま、卵黄が混入していない生の卵白液と同等あるいはそれ以上の起泡性が食品工業的に得ることができる。以下、処理卵白の製造方法について説明する。
本発明の処理卵白を製造するには、まず、液卵白を用意する。液卵白としては、鶏卵などの卵を割卵機などで機械的に割卵し、機械的に卵黄を分離して得られる液状の生卵白、これを凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理したもの、または凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理したもの、または凍結処理、濃縮処理もしくは乾燥処理した卵白を通常の液状卵白に戻したものなど種々の状態の卵白を使用することができる。また、加熱殺菌処理、脱糖処理、脱リゾチーム処理など種々の処理を施した卵白を使用することができる。
なお、本発明の処理卵白が原料として使用する卵白には、工業的規模で機械的に割卵した場合に混入する0.05%〜0.2%程度の卵黄が含まれていてもよい。
本発明の処理卵白は、起泡剤を用いない場合でも優れた起泡性が得られ、その結果、卵白本来の風味を有するものとすることができる。したがって、pH調整等の目的のために原料卵白以外の添加剤をわずかに添加してもよいが、好ましくは、卵白以外の添加剤の含有量は5%以下、より好ましくは1%以下である。また、このように添加剤の量が少ない風味のよい処理卵白を得るため、最終的に得られる本発明の処理卵白の蛋白質含有量は、好ましくは8%以上、より好ましくは10%以上である。
次に、液卵白100部に対し、珪藻土、パーライト、セルロース、卵殻、シリカゲル、白土、珪酸、アルミナ、酸化アルミニウム、酸化チタン、活性炭、イオン交換樹脂のうちから少なくとも1種の0.5〜30部(好ましくは0.5〜15部)を添加し、撹拌混合する。次いで、この混合液から、当該珪藻土などの添加した助剤を除去することにより、本発明の処理卵白を得ることができる。混合液から添加した助剤を除去する方法としては、例えば、混合液を遠心分離して上清を回収する方法などが挙げられる。前記助剤の添加量が液卵白100部に対して1部未満の場合、液卵白中に含まれる脂質成分を十分に吸着することができないため、卵黄が混入していない生の卵白液と同等あるいはそれ以上の起泡性が食品工業的に得ることができない。
液卵白に添加したあとに除去する上記助剤としては、液卵白に含まれる脂質成分を吸着できるものであれば、特に限定されず、上記成分のほか、脂質吸着が可能な合成物も用いることができる。これらのうち、液卵白に含まれる卵黄や脂質成分などの卵白の起泡性に影響を与える成分を吸着し、本発明の処理卵白の起泡性をより向上できる点で、珪藻土、パーライト、セルロース、卵殻粉を用いることが好ましい。
本発明の処理卵白は、前記助剤が除去されているため、卵白の風味に影響を与えることがなく、卵白本来の風味が保持されている。
また、本発明において、卵白液は、珪藻土などを添加する前に、あらかじめ高圧ホモジナイザー処理、または超音波処理することが好ましい。これらの処理をすることにより、卵白蛋白質が変性するため、珪藻土などの助剤による脂質成分の吸着効率が向上する。また、通常の液卵白は、たとえプロペラ式撹拌機等で低粘度化した場合であっても、水等で希釈しない限りろ過することは困難であるが、これらの処理がされた液卵白は、容易にろ過することが可能であり、液卵白と珪藻土等をろ過によって容易に分離することができるため、工業的規模で本発明の処理卵白を大量に製造する際に好適である。
さらに、ろ過性が顕著に向上しているため、孔径0.45μm程度のメンブレンフィルター等によっても液卵白をろ過することができる。そのため、高圧ホモジナイザー処理した卵白を本発明の処理卵白に用いる場合、前記珪藻土などの助剤の代わりにメンブレンフィルターを用いることができる。
メンブレンフィルターとしては、精密ろ過膜であって、例えば、セルロース混合エステル、ポリビニリデンフロライド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネートなどの材質でろ過膜が挙げられる。
高圧ホモジナイザーとは、常圧下で高回転攪拌での均質化されるホモジナイザーではなく、均質クリアランス部に高圧力をかけて粒子を粉砕する装置を意味しており、例えば、処理液の流路が固定されたチャンバーを有するもの、処理液の流路の幅を調整しうる均質バルブを有するもの等が挙げられる。高圧ホモジナイザーを使用して高圧力をかけることで、卵白蛋白質を変性、具体的には、オボムチン重合体の高次構造がほぐれ、分解するとともに、ろ過効率に優れ、高い起泡性を発現する変性した卵白蛋白質を得ることができる。
処理液の流路が固定されたチャンバーを有する高圧ホモジナイザーとしては、例えば、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製、商品名)、ナノマイザー(ナノマイザー社製、商品名)、アルティマイザー〔(株)スギノマシン製、商品名〕などが挙げられる。また、均質バルブを有する高圧ホモジナイザーとしては、高圧ホモジナイザー(ラニー社製、商品名)、高圧ホモジナイザー〔三丸機械工業(株)製、商品名〕、高圧ホモゲナイザー〔(株)イズミフードマシナリ社製、商品名〕などが挙げられる。
超音波処理を行う装置としては、超音波ホモジナイザーUS−600T〔日本精機製作所製、商品名〕、超音波ホモジナイザーSILENTSONIC UT−204〔シャープ株式会社製、商品名〕や、株式会社マイクロテック・ニチオン、三井電機精機株式会社製の超音波ホモジナイザーなどが挙げられる。超音波ホモジナイザーを使用して超音波振動をかけることで、卵白蛋白質を変性、具体的には、オボムチン重合体の高次構造がほぐれ、分解するとともに、ろ過効率に優れ、高い起泡性を発現する変性した卵白蛋白質を得ることができる。
高圧ホモジナイザーまたは超音波処理をして、蛋白質の変性処理を施す条件としては、処理卵白を超遠心分離したときの処理卵白全質量に占める沈殿物の割合が、1〜2%、より好ましくは1.2〜2%、さらに好ましくは1.3%の範囲を満たすように、高圧ホモジナイザーの圧力・流量・処理回数、超音波ホモジナイザーの周波数・出力、原料卵白の蛋白質濃度、品温等を適宜設定して行えばよい。本発明の処理卵白は、超遠心分離したときの沈殿物量が、前記範囲に調整されていることにより、卵白の起泡性を改善することができる。上記沈殿物量が2%を超える場合、卵黄が混入していない生の卵白液と同等以上の起泡性をえることができない場合があるため、好ましくない。
ここで、沈殿物量の質量は、以下の方法で測定することができる。すなわち、本発明において、沈殿物量の質量は、処理卵白(蛋白質含量10%の水溶液状態)を、それぞれ約10gずつ遠心管に取り、15,2000gで30分間超遠心分離処理した後、上層液を除去し、沈殿物の質量を測定した値である。
このような条件の超遠心分離によって、オボムチンなどの分子量が20万以上の物質が沈殿する。したがって、本発明の処理卵白における、この沈殿物の量の減少は、高圧ホモジナイザーまたは超音波処理によって、オボムチンを中心とした蛋白質重合体が解離して低分子化したことを示している。蛋白質重合体を低分子化し、上記超遠心分離の沈殿物量の質量を1〜2%にすることにより、ろ過効率に優れ、高い起泡性を発現する変性した卵白蛋白質を得ることができる。
また、本発明の処理卵白は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α−オボムチン及びα−オボムチンが検出されることが好ましい。液卵白が特定条件により高圧ホモジナイザーで処理されることにより、オボムチンの高次構造が変化するとともに重合体が分解され、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、単量体(α−オボムチンとα−オボムチン)のバンドのピーク面積が増加する。この卵白蛋白質の変性の程度は、高圧ホモジナイザーまたは超音波を用いた蛋白変性処理の強さ、具体的には、例えば、高圧ホモジナイザー処理の圧力、流量又は処理回数に依存する。さらに、この蛋白変性が特定の範囲である場合に、卵白のろ過性が向上し、起泡性が改善される。
また、本発明の処理卵白は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα−オボムチンのバンドのピーク面積が、同じ処理卵白中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20〜50%、好ましくは20〜40%であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα−オボムチンのバンドのピーク面積が、同じ処理卵白中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の8〜25%、好ましくは8〜17%であることが好ましく、これにより、卵白の起泡性が改善されている。
オボトランスフェリンのバンドのピーク面積に対するα−オボムチン及びα−オボムチンのバンドのピーク面積は、蛋白の変性の程度、具体的には、オボムチン重合体の高次構造のほぐれ度合い及び分解度を反映する。したがって、前記オボトランスフェリンのバンドのピーク面積に対するα−オボムチン及びα−オボムチンのバンドのピーク面積の割合が高いほど、本発明の処理卵白に含まれるオボムチン重合体の高次構造のほぐれ度合い及び分解度が高いといえる。
オボトランスフェリンのバンドのピーク面積に対するα−オボムチン及びα−オボムチンのバンドのピーク面積は、具体的には、以下の方法で評価することができる。
まず、高圧ホモジナイザー処理した卵白液を、遠心管に取り、152,000gで30分間超遠心分離処理し、上層液を除去後、沈殿物を回収する。
得られた沈殿物にSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法用のサンプルバッファーを加えて希釈し、蛋白質濃度が0.1mg/mLになるよう調整後、沸騰水浴上で5分間加熱して電気泳動用サンプルとした。
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動は、市販のポリアクリルアミドゲルである8%SDS−PAG mini(テフコ株式会社)と専用泳動槽(テフコ株式会社、STC−808)を使用して、20mAの定電流条件で行った。電気泳動用サンプルは、それぞれ10μLをポリアクリルアミドゲルに供した。なお、分子量測定用の標準蛋白質(分子量マーカー)は、分子量マーカーII(テフコ株式会社)を使用した。
サンプルバッファー中の標識色素であるブロモフェノールブルーがゲルの下端から約5mmのところまで到達したところで泳動を終了し、ゲルを泳動槽から取り出し、クマシーブリリアントブルーR−250溶液で、室温で30分間染色した。ゲルは脱色液(25%エタノール、8%酢酸溶液)で背景が透明になるまで脱色し、電気泳動のバンドパターンを検出した。
次に、各バンドのピクセル強度分布を積分することにより各バンドのピーク面積を得る。デジタルゲルイメージャーを用いることにより、ゲルのバンドをデジタルカメラで撮影して得られた画像を解析して、バンドの濃淡を数値化することにより、バンドの位置(Pixel Position)に対するピクセル強度(Pixel Intensity)を得ることができる。
高圧ホモジナイザーを使用して、蛋白変性処理を施す条件としては、α−オボムチン及びα−オボムチンのバンドのピーク面積は上述した特定範囲を満たすように、圧力、流量、処理回数、原料卵白の蛋白質濃度、品温等を適宜設定して行えばよい。
例えば、高圧ホモジナイザーで液卵白を処理する際の圧力は、処理に使用する高圧ホモジナイザーの種類、流量等にもよっても異なり、特に限定されるものではないが、所望の起泡性を有する処理卵白を短時間で容易に得ることができることから、好ましくは10〜50MPa、より好ましくは10〜40MPaである。
このような範囲の圧力下において、液卵白を処理すると、卵白蛋白質に大きな衝撃力を付与することができ、卵白蛋白質を一層効率よく構造変化及び変性することができる。圧力が10MPa未満であると、卵白蛋白質に付与される衝突力が小さく、卵白蛋白質を変性させにくく、上記基準液卵白に対して起泡の高さおよび硬さが110%以上の処理卵白を得ることができない。また圧力が50MPaを超えると、卵白蛋白質が熱変性して不溶性の凝集物を生成しやすく、上記基準液卵白に対して起泡の高さおよび硬さが110%以上の処理卵白を得にくい。また、50MPaを超えると、卵白が熱変性するという問題も生じやすい。
卵白蛋白質を構造変化及び変性をしやすくするため、蛋白変性処理を施す際の液卵白の蛋白質濃度は、8〜20質量%が好ましい。高圧ホモジナイザーによる処理時の液卵白は、加熱による変性を防ぐ点から、液温が5℃〜40℃の温度であることが好ましく、10〜30℃であることがより好ましい。また、高圧ホモジナイザーによる処理回数は、圧力にもよるが、2回以上行ってもよい。なお、高圧ホモジナイザー処理後、必要に応じて殺菌処理や冷凍処理等を施してもよい。
また、超音波ホモジナイザーによる処理は、出力100〜500W、周波数20〜50kHzの装置を用いて、液温が5〜40℃で3〜20分間程度超音波処理すればよい。
なお、本発明の処理卵白は、必要に応じて、全卵、卵白、卵黄等の卵類、乳蛋白分解物、卵白分解物、大豆蛋白分解物等の蛋白分解物、ジェランガム、キサンタンガム、タマリンドシードガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、ペクチン、ゼラチン等の増粘材、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、レシチン等の乳化剤、ブドウ糖、砂糖、トレハロース、ソルビトール、デキストリン、デキストリンアルコール等の糖類、有機酸等のpH調整剤、その他の品質改良材等を更に含んでいてもよい。
また、本発明の処理卵白は、必要に応じて、例えば、ケーキ類を製造するための処理卵白である場合、ケーキ類の原料、具体的には、砂糖等の糖類、小麦粉等の穀粉類、植物油、バター等の油脂類、全卵、卵白、卵黄等の卵原料、牛乳、脱脂粉乳等の乳原料、調味料等を更に含んでいてもよい。また、ムースを製造するための処理卵白である場合、ムースの原料、具体的には、砂糖等の糖類、ゼラチン等のゲル化剤、果実原料等を更に含んでいてもよい。
3.食品
本発明の一実施形態に係る食品には、上記処理卵白が配合されている。また、本実施形態に係る食品によれば、上記起泡材(または起泡物)が配合されていることにより、ふっくらとしていて口当たりが軽く、かつ、風味が良好である。
本実施形態に係る食品としては、例えば、マドレーヌ、スポンジケーキ、エンゼルフードケーキ、ブッセ、ダックワーズ、フィナンシェ、タルト、バームクーヘン、パウンドケーキ及びシャルロットケーキ等のケーキ類、ムース、淡雪羹、ババロア、スフレオムレツ等が挙げられる。
本実施形態に係る食品における処理卵白の配合量は、食品の種類によって適宜選択すべきであるが、通常好ましくは1〜80%、より好ましくは3〜50%である。処理卵白の配合量が1%より少ないと、起泡性が乏しい。
以下、本発明の処理卵白およびその製造方法について、実施例および比較例ならびに試験例にもとづき具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定するものではない。
4.実施例
4.1.実施例1
4.1.1.処理卵白の調製
400個の殻付き卵を割卵機で割り、全卵から卵白液のみを分離して、10kgの未調整卵白を得た。未調整卵白の脂質の含有量は、0.017%であり、卵白蛋白質100部に対して0.17部であった。
未調整卵白の蛋白質濃度を10%に調製後、品温を約25℃に調整し、高圧ホモジナイザー(イズミフードマシナリ製、型番HV−0H)のインバータ周波数を60Hzに設定して、12.5MPaの圧力で高圧ホモジナイザー処理を1回行った。
高圧ホモジナイザー処理後の脂質の含有量は、0.017%であり、卵白蛋白質100部に対して0.17部であった。
次に、高圧ホモジナイザー処理した卵白液100部に対して、7.5部の珪藻土(巴工業株式会社製、セラトムFW−14)を添加し、1時間撹拌混合した。その後、No.2ろ紙を用いて加圧しながらろ過を行った。ろ液を回収して、実施例1の処理卵白を調製した。
高圧ホモジナイザー処理後の脂質の含有量は、0.002%であり、卵白蛋白質100部に対して0.02部であった。また、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α−オボムチン及びα−オボムチンが検出された。
なお、上記未調整卵白に対して、実施例1と同様に珪藻土を添加し混合後、加圧ろ過を行ったが、卵白液がろ紙を通過せず、ろ液を回収することができなかった。
4.1.2.基準液卵白の調製
上記「1.4.気泡性」に記載された方法にしたがって、基準液卵白を調製した。脂質の含有量は、0.017%であり、卵白蛋白質100部に対して0.17部であった。
4.1.3.気泡性の測定
上記「1.4.気泡性」に記載された方法にしたがって、実施例1の処理卵白の気泡性を調製した。すなわち、下記の条件で測定した。
・撹拌装置:ホバート社製12コートミキサー、A120
・試料 :サンプル溶液500g(20℃)+グラニュー糖500g
・測定項目:泡の高さ、泡の硬さ
・撹拌条件:中速(196rpm)で2.5分間撹拌した後、高速(358rpm)で2.5分間撹拌して泡の高さおよび泡の硬さを測定した。その後、高速で撹拌して2.5分間ごとに泡の高さおよび泡の硬さを測定した。
結果を表1に示す。
4.2.実施例2
実施例1の処理卵白を、56℃で3.5分間加熱し殺菌して、実施例2の処理卵白を調製した。脂質の含有量は、0.002%であり、卵白蛋白質100部に対して0.02部であった。また、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α−オボムチン及びα−オボムチンが検出された。
4.3.実施例3
珪藻土をセルロース(日本製紙ケミカル株式会社製、KCフロックW−300G)に変えた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3の処理卵白を得た。脂質の含有量は、0.003%であり、卵白蛋白質100部に対して0.03部であった。また、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α−オボムチン及びα−オボムチンが検出された。
4.4.実施例4
珪藻土を卵殻粉末(キユーピー株式会社製、微粉卵殻)に変えた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4の処理卵白を得た。脂質の含有量は、0.005%であり、卵白蛋白質100部に対して0.05部であった。また、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α−オボムチン及びα−オボムチンが検出された。
4.5.参考例1
手割りで割卵し、卵黄の混入を低減した参考例1の卵白液を調製した。
すなわち、殻付き卵を手割りし、分離器で卵白と卵黄を手で分離し、卵白蛋白質の含有量を10%に調整した。脂質の含有量を測定したところ、脂質の含有量は0.002%であり、卵白蛋白質100部に対して0.02部であった。
4.6.比較例1
珪藻土との混合をしない以外は、実施例1の方法と同様にて、比較例1の処理卵白を調製した。すなわち、未調整卵白の蛋白質濃度を10%に調製後、品温を約25℃に調整し、高圧ホモジナイザー(イズミフードマシナリ製、型番HV−0H)のインバータ周波数を60Hzに設定して、25MPaの圧力で高圧ホモジナイザー処理を1回行い、比較例1の処理卵白を調製した。脂質の含有量は、0.017%であり、卵白蛋白質100部に対して0.17部であった。また、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α−オボムチン及びα−オボムチンが検出された。
4.7.比較例2
実施例1で得られた処理卵白に対して、卵白蛋白質100部に対して脂質の含有量が0.17部になるよう卵黄を添加し、比較例2の処理卵白を得た。
脂質の含有量は、0.015%であり、卵白蛋白質100部に対して0.15部であった。また、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α1−オボムチン及びα2−オボムチンが検出された。
表1より、実施例1〜4で得られた処理卵白は、泡の高さおよび硬さの最大値が、基準液卵白の泡の高さおよび硬さの最大値に対して、いずれも110%以上であった。
また、参考例1の手割りの卵白液と比較して同等の起泡性であった。
一方、比較例1および比較例2で得られた処理卵白は、泡の高さおよび硬さの最大値が、基準液卵白の泡の高さおよび硬さの最大値に対して、いずれも110%未満であった。また、参考例1の手割りの卵白液と比較して起泡性は低かった。
4.8.実施例5
400個の殻付き卵を割卵機で割り、全卵から卵白のみを分離して、10kgの未調整卵白を得た。未調整卵白の脂質の含有量は、0.017%であり、卵白蛋白質100部に対して0.17部であった。
次に、未調整卵白の蛋白質濃度を10%に調製後、フードプロセッサー(家庭用ミキサー)で、粘度が7mPa・sになるまで撹拌した。その後、卵白液100部に対して、7.5部のセルロース(日本製紙ケミカル株式会社製、KCフロックW−300G)を添加し、プロペラ式撹拌機で1時間撹拌混合した。その後、5,000rpmで30分間遠心分離し、上清を回収して実施例5の処理卵白を調製した。
脂質の含有量は、0.004%であり、蛋白蛋白質100部に対して0.04部であった。また、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α−オボムチンが検出され、α−オボムチンは検出されなかった。
4.9.実施例6
遠心分離の条件を10,000rpmで30分間とした以外は、実施例5と同様の方法で実施例6の処理卵白を調製した。脂質の含有量は、0.002%であり、卵白蛋白質100部に対して0.02部であった。また、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α−オボムチンが検出され、α−オボムチンは検出されなかった。
4.10.比較例3
特許文献7記載の試験例の製造方法に準じ、処理卵白を調製した。
すなわち、殻付き卵を割卵して得た卵白液(卵黄の含有量:0.20%、脂質の含有量:0.067%、卵白蛋白質100部に対して0.67部)を酵母で脱糖処理したのち、スプレードライして乾燥状の卵白(水分含量:3.5%)を得た。次いで、40℃、140気圧の条件下の超臨界二酸化炭素を2時間にわたって接触させた。抽出完了後は常圧に戻し、二酸化炭素を分離して卵白粉末を回収し、比較例3の処理卵白を調製した。蛋白質含量が10%になるよう水戻ししたうえで、起泡性の測定をした結果を表2に示す。
表2より、実施例5、6で得られた処理卵白は、泡の高さおよび硬さの最大値が、基準液卵白の泡の高さおよび硬さの最大値に対して、いずれも110%以上であった。
一方、参考例2で得られた処理卵白は、泡の高さおよび硬さの最大値を基準液卵白の泡の高さおよび硬さの最大値と比較したとき、泡の高さは110%を超えたものの、泡の硬さは110%を大きく下回った。
4.11.試験例1
高圧ホモジナイザーの圧力を、12.5、25、37.5、および50MPaに変え、4種の処理卵白を調製した。
400個の殻付き卵を割卵機で割り、全卵から卵白液のみを分離して、10kgの未調整卵白を得た。未調整卵白の脂質の含有量は、0.017%であり、卵白蛋白質100部に対して0.17部であった。
未調整卵白の蛋白質濃度を10%に調整後、品温を約25℃に調整し、高圧ホモジナイザー(イズミフードマシナリ製、型番HV−0H)のインバータ周波数を60Hzに設定して、12.5、25、37.5、および50MPaの圧力でそれぞれ高圧ホモジナイザー処理を1回行い、4種の液卵白を調製した。高圧ホモジナイザー処理後の脂質の含有量は、0.017%であり、卵白蛋白質100部に対して0.17部であった。
また、実施例5と同様に、卵白の蛋白質濃度を10%に調整後、フードプロセッサー(家庭用ミキサー)で、粘度が7mPa・sになるまで撹拌し、対照の液卵白を調製した。なお、対照の液卵白の脂質の含有量は、0.017%であり、卵白蛋白質100部に対して0.17部であった。
[沈殿物量]
その後、上記5種の試料を、それぞれ上記の測定方法によって沈殿物の質量を測定した。超遠心機は日立工機株式会社製、CS150NXを用いた。結果を表3に示す。
表3より、高圧ホモジナイザー処理した試料は、沈殿物の質量が処理卵白全質量の1〜2%であった。
[SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動]
上記5種の試料を、それぞれ上記の方法によって電気泳動を行った。結果を図1に示す。
図1から、デジタルゲルイメージャーによる測定で得られたα−オボムチンのピーク面積およびα−オボムチンのピーク面積と、オボトランスフェリンのピーク面積に対する各オボムチンのピーク面積の割合とを算出し、表4に示した。
表4より、対照のα−オボムチンは、他の試料と比較して少なく、α−オボムチンは検出されなかった。
一方、高圧ホモジナイザー処理した試料は、α−オボムチンおよびα−オボムチンのバンドが検出された。
[起泡性]
上記5種の試料を、回転速度を380rpmにして、測定時間を表5の通りに変えた以外は4.1.3.と同様の測定方法によって起泡性を測定した。結果を表5に示す。
表5より、高圧ホモジナイザーにより圧力処理した卵白は、対照と比較して、泡の高さが最大値に達するまでの時間が早かった。これにより、高圧ホモジナイザー処理することにより卵白の起泡性が向上することがわかる。
4.12.応用例1(スポンジケーキの製造)
実施例2で得られた処理卵白を用いて、下記のようにスポンジケーキを製造した。
すなわち、実施例1で得られた処理卵白700部に砂糖375部を加えてミキサー(ホバート社製12コートミキサー、A120)に投入し高速で1 5 分間撹拌して起泡させた。
また、これとは別に、液卵黄300部に砂糖375部を加えて同様にミキサーで起泡させた。続いて、これらの起泡物と小麦粉(薄力粉)750部を混合機で混ぜて生地を調製した。得られた生地を直径18cmのスポンジケーキ用の丸型に流し込み、170℃のオーブンで30分間焼成し、室温にてあら熱をとり、型からはずし、スポンジケーキを得た。
得られたスポンジケーキは、外観状ふっくらとしてボリューム感があり食味も良好であった。
4.13.応用例2(ブッセの製造)
実施例1で得られた処理卵白を用いて、下記のようにスポンジケーキを製造した。
すなわち、まず、実施例2で得られた処理卵白340部に砂糖60部を加えてミキサー(応用例1と同じ)で高速で10分間撹拌して起泡させた。これとは別に、液卵黄160部と砂糖140部を同様にミキサーで起泡させた。次に、これらの起泡物と予め粉体混合した小麦粉(薄力粉)180部及びコーンスターチ20部を混合機で混ぜて生地を得た。続いて、得られた生地を20gずつ絞り袋で天板上に絞り出し、少量の粉糖をふり、180℃のオーブンで13分間焼成してブッセを得た。
得られたブッセは、外観状ふっくらとしてボリューム感があり食味も良好であった。
4.14.応用例3(メレンゲ菓子の製造)
実施例2で得られた処理卵白を用いて、下記のようにメレンゲ菓子を製造した。すなわち、まず、実施例1で得られた処理卵白70部及び砂糖30部をミキサー(応用例1と同じ)に投入し、高速で15分間撹拌して起泡させた。次にこの起泡物を直径8cmのスフレ型に35gずつ絞り出した後、250℃のオーブンで5 分間焼成して、メレンゲ菓子を得た。
得られたメレンゲ菓子は、外観状ふっくらとしてボリューム感があり食味も良好であった。
4.15.応用例4(スフレオムレツの製造)
実施例 で得られた処理卵白を用いて、下記のようにスフレオムレツを製造した。
すなわち、まず、実施例3で得られた処理卵白50部と卵黄50部を撹拌混合して起泡し、得られた起泡物を、油を引いたフライパンに流し込み、加熱凝固させて成型し、スフレオムレツを得た。
得られたスフレオムレツは、外観状ふっくらとしてボリューム感があり食味も良好であった。

Claims (8)

  1. 割卵機により割卵分別して得た卵白液を原料として用いた処理卵白であって、
    蛋白質含有量が8質量%以上であり、
    脂質の含有量が卵白蛋白質100質量部に対して0.1質量部以下であり、
    蛋白質含有量が10質量%濃度の液状の処理卵白のとき、
    下記の(a)〜(c)の手順で測定される泡の高さおよび硬さの最大値が、
    基準液卵白(蛋白質含有量が10質量%であって、卵白蛋白質100質量部に対して0.5質量部の卵黄を含有する液卵白)の泡の高さおよび硬さの最大値に対して、それぞれ110%以上である処理卵白。
    (a)前記液状の処理卵白500gまたは前記基準液卵白500gと、グラニュー糖500gとを12コートミキサーに入れる。
    (b)中速(196rpm)で2.5分間撹拌した後、高速(358rpm)で2.5分間撹拌して泡の高さおよび泡の硬さを測定する。
    (c)その後、高速撹拌(358rpm)して2.5分間ごとに泡の高さおよび泡の硬さを測定する。
  2. 152,000gで超遠心分離したときの沈殿物の質量が処理卵白全質量の1〜2%である請求項1に記載の処理卵白。
  3. SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、α−オボムチンおよびα−オボムチンが検出されることを特徴とする請求項1または2に記載の処理卵白。
  4. SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって得られたバンドパターンにおいて、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα1−オボムチンのバンドのピーク面積が、処理卵白中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の20〜50%であり、かつ、デジタルゲルイメージャーによる測定により得られたα2−オボムチンのバンドのピーク面積が、処理卵白中のオボトランスフェリンのバンドのピーク面積の8〜25%である請求項1ないし3のいずれかに記載の処理卵白。
  5. 請求項1に記載の処理卵白の製造方法であって、割卵機により割卵分別して得た卵白液を珪藻土、パーライト、セルロース、卵殻、シリカゲル、白土、珪酸、アルミナ、酸化アルミニウム、酸化チタン、活性炭、イオン交換樹脂のうちから少なくとも1種の助剤と混合し、該助剤を除去する工程を含む処理卵白の製造方法。
  6. 前記工程を行う前に、前記卵白液をあらかじめ高圧ホモジナイザー処理または超音波処理する、請求項5記載の処理卵白の製造方法。
  7. 請求項1に記載の処理卵白の製造方法であって、前記卵白液を高圧ホモジナイザー処理または超音波処理する工程と、該前記工程を行った卵白液をメンブレンフィルターでろ過する工程を含む処理卵白の製造方法。
  8. 請求項1ないし4のいずれかに記載の処理卵白を用いた食品。
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