JP2013179451A - 無線通信システム、無線通信方法、無線通信装置、無線通信装置制御方法、及び、無線通信装置制御プログラム - Google Patents

無線通信システム、無線通信方法、無線通信装置、無線通信装置制御方法、及び、無線通信装置制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】消費する電力の量を低減することが可能な無線通信システムを提供すること。
【解決手段】無線通信システム1000は、複数の無線通信装置を備える。各無線通信装置は、起動状態と休止状態とに状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成される。複数の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成する。複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成する。各主装置は、各無線通信装置に対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得する全経路情報取得部1001と、各無線通信装置に対して取得された経路情報に基づいて、2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する経路決定部1002と、を備える。
【選択図】図23

Description

本発明は、無線により通信を行う複数の無線通信装置を備える無線通信システムに関する。
予め定められた休止条件が成立した場合(例えば、所定の期間に亘って通信が行われない場合等)、状態が、任意のデータを通信可能な起動状態から、休止状態へ変更されるように構成された無線通信装置(例えば、無線基地局)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この種の無線通信装置によれば、状態が休止状態に設定されることにより、消費される電力の量を低減することができる。
また、無線により通信を行う複数の無線通信装置(例えば、無線基地局)を備える無線通信システムが知られている。例えば、この種の無線通信システムの一つとして、メッシュ型無線LAN(Local Area Network)システムが知られている。この種の無線通信システムは、データを伝送するための、2つの無線通信装置を結ぶ経路を決定するために、プロアクティブ型、リアクティブ型、又は、プロアクティブ型及びリアクティブ型を組み合わせた型、のルーティングプロトコルを用いる。
プロアクティブ型のルーティングプロトコルは、例えば、非特許文献1に記載のOLSR(Optimized Link State Routing)である。また、リアクティブ型のルーティングプロトコルは、例えば、非特許文献2に記載のAODV(Ad hoc On−Demand Distance Vector)である。OLSR、及び、AODVは、IETF(Internet Engineering Task Force)内のMANET(Mobile Ad−hoc Networks) WG(Working Group)において標準化されたプロトコルである。
特開2009−077375号公報
IETF MANET RFC3626:Optimized Link State Routing Protocol (OLSR) IETF MANET RFC3561:Ad hoc On−Demand Distance Vector (AODV) Routing
ところで、上述したルーティングプロトコルにおいては、無線通信システムを構成する各無線通信装置の状態が、任意のデータを通信可能な起動状態であることが要求される時間が比較的長い。
例えば、プロアクティブ型のルーティングプロトコルにおいては、無線通信装置が、定期的に、ハロー(Hello)パケットを交換することにより、各無線通信装置が他の無線通信装置に対する経路情報を取得する。ここで、経路情報は、無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む。従って、各無線通信装置が他の無線通信装置に対する経路情報を取得するために、各無線通信装置の状態が起動状態であることを要求される時間が比較的長い。
また、リアクティブ型のルーティングプロトコルにおいては、各無線通信装置は、データの通信が要求された時点にて、他の通信可能な無線通信装置へ経路要求(Route Request)パケットを送信し、経路要求パケットに応答する経路応答(Route Response)パケットが受信されるまで待機する。従って、データの通信が要求される毎に、経路要求パケット及び経路応答パケットを伝送するために、各無線通信装置の状態が起動状態であることを要求される時間が比較的長い。
このように、上述した技術においては、経路を決定するために、各無線通信装置の状態が起動状態であることを要求される時間が比較的長い。このため、無線通信システムが電力を無駄に消費してしまうという課題があった。
このため、本発明の目的は、上述した課題である「無線通信システムが電力を無駄に消費してしまう場合が生じること」を解決することが可能な無線通信システムを提供することにある。
かかる目的を達成するため本発明の一形態である無線通信システムは、無線により通信を行う複数の無線通信装置を備えるシステムである。
更に、上記複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
上記複数の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
上記複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
上記主装置のそれぞれは、
上記複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得する全経路情報取得手段と、
上記複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された上記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する経路決定手段と、
を備える。
また、本発明の他の形態である無線通信方法は、無線により通信を行う複数の無線通信装置を備える無線通信システムに適用される。
上記複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
上記複数の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
上記複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成する。
上記無線通信方法は、
上記主装置が、上記複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得し、
上記主装置が、上記複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された上記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する方法である。
また、本発明の他の形態である無線通信装置は、無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する装置である。
更に、当該無線通信装置である自装置、及び、上記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
上記自装置は、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得する全経路情報取得手段と、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された上記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する経路決定手段と、
を備える。
また、本発明の他の形態である無線通信装置制御方法は、無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する無線通信装置に適用される方法である。
更に、当該無線通信装置である自装置、及び、上記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
上記無線通信装置制御方法は、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された上記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する方法である。
また、本発明の他の形態である無線通信装置制御プログラムは、
無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する無線通信装置に実行させるためのプログラムである。
更に、当該無線通信装置である自装置、及び、上記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
上記無線通信装置制御プログラムは、上記自装置に、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された上記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する、処理を実行させるためのプログラムである。
また、本発明の他の形態である無線通信装置は、無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する装置である。
更に、当該無線通信装置である自装置、及び、上記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
上記無線通信装置は、
上記自装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得する個別経路情報取得手段と、
上記自装置と通信可能な上記主装置へ、上記取得された経路情報を送信する経路情報送信手段と、
を備える。
また、本発明の他の形態である無線通信装置制御方法は、無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する無線通信装置に適用される方法である。
更に、当該無線通信装置である自装置、及び、上記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
上記無線通信装置制御方法は、
上記自装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得し、
上記自装置と通信可能な上記主装置へ、上記取得された経路情報を送信する方法である。
また、本発明の他の形態である無線通信装置制御プログラムは、無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する無線通信装置に実行させるためのプログラムである。
更に、当該無線通信装置である自装置、及び、上記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
上記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
上記無線通信装置制御プログラムは、上記自装置に、
上記自装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得し、
上記自装置と通信可能な上記主装置へ、上記取得された経路情報を送信する、処理を実行させるためのプログラムである。
本発明は、以上のように構成されることにより、消費する電力の量を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの概略構成を表す図である。 本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの概略構成を表す図である。 本発明の第1実施形態に係る主装置の機能を表すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る無線通信装置の状態遷移図である。 本発明の第1実施形態に係る主装置が記憶する隣接ノードテーブルを表す図である。 本発明の第1実施形態に係る主装置が記憶する動作状態テーブルを表す図である。 本発明の第1実施形態に係る主装置が記憶する帰属情報テーブルを表す図である。 本発明の第1実施形態に係る副装置の機能を表すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの、隣接ノードテーブルを更新する際の作動を示したシーケンス図である。 本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの、動作状態テーブルを更新する際の作動を示したシーケンス図である。 本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの、帰属情報テーブルを更新する際の作動を示したシーケンス図である。 本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの、テーブル同期処理を実行する際の作動を示したシーケンス図である。 データ通信要求に係る、無線通信装置、及び、無線通信端末の関係を概念的に示した説明図である。 本発明の第1実施形態に係る主装置が、データ通信要求を受信した際に実行する処理を示したフローチャートである。 最短経路、及び、迂回経路の一例を概念的に示した説明図である。 無線通信装置の状態が、休止状態と起動状態との間で変化する際に無線通信装置により消費される電力の量の時間に対する変化を示したグラフである。 伝送消費電力量のデータ長に対する変化を示したグラフである。 伝送所要時間のデータ長に対する変化を示したグラフである。 データ長の重み値に対する変化を示したグラフである。 通信用経路の一例を概念的に示した説明図である。 本発明の第1実施形態に係る主装置が、起動用経路集約処理として実行する処理を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る無線通信システムの概略構成を表す図である。 本発明の第3実施形態に係る無線通信システムの機能を表すブロック図である。
以下、本発明に係る、無線通信システム、無線通信方法、無線通信装置、無線通信装置制御方法、及び、無線通信装置制御プログラム、の各実施形態について図1〜図23を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
(概要)
先ず、第1実施形態に係る無線通信システムの概要について説明する。
この無線通信システムにおいては、無線通信システムを構成する複数の無線通信装置(ノード)のそれぞれは、主装置、又は、副装置に設定される。主装置は、他の主装置との間で経路情報を交換することにより、複数の無線通信装置のそれぞれに対する経路情報を取得する。一方、副装置は、自装置に対する経路情報を主装置へ送信する。このように、主装置のみが、無線通信システムの全体に対する経路情報を取得するように無線通信システムが構成されることにより、経路情報を交換するために消費される電力の量(消費電力量)を低減することができる。
また、無線通信システムにおいては、主装置は、消費される電力の量に基づいて、任意のノード間の通信用経路を決定する。この無線通信システムにおいては、各ノードの状態が休止状態に設定され得るので、最も短い経路を用いることにより消費される電力の量が最小となるとは限らない。そこで、無線通信システムは、通信用経路を構成するノードの状態と、伝送するデータのサイズと、に基づいて通信用経路を決定する。
また、無線通信システムは、決定された通信用経路を構成するノードの状態を起動状態に設定する際に、当該ノードへ起動信号を伝送するための起動用経路を集約する。これにより、通信用経路を構成するノードの状態が起動状態に設定されるまでに要する時間を短縮することができる。更に、無線通信システムは、起動用経路を、消費される電力の量に基づいて決定する。
このようにして、無線通信システムによれば、消費される電力の量を低減することができる。次に、第1実施形態に係る無線通信システムについて、より詳細に説明する。
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係る無線通信システム1は、無線により通信を行う複数の無線通信装置10,…を備える。本例では、無線通信システム1は、メッシュ型無線LAN(Local Area Network)システムである。即ち、無線通信装置10は、無線LAN基地局である。
無線通信装置10は、無線通信端末(本例では、無線LAN端末)との間の通信を許容(許可)することにより、当該無線通信端末を収容する。無線通信装置10は、複数の無線通信端末を収容可能に構成されている。
無線通信装置10は、自装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置10,…と通信可能に構成される。本例では、無線通信装置10は、自装置との間の距離が通信可能距離D以下である領域内に位置する他の任意の無線通信装置10,…と通信可能に構成される。
無線通信システム1は、各無線通信装置10,…が、他の無線通信装置10,…と通信を行うことにより、メッシュ型無線LANシステムを構成する。
本例では、図1に示したように、複数の無線通信装置10,…は、同一の間隔を有するように、格子状に配置される。各無線通信装置10,…と、当該無線通信装置10に最も近い無線通信装置10と、の間の距離は、予め設定された装置間距離dである。
また、本例では、通信可能距離Dは、0≦D<2dを満たすように設定されている。従って、無線通信装置10が通信可能な領域は、例えば、図1にて点線により示された領域A1である。
なお、無線通信装置10,…の配置、及び、無線通信装置10が通信可能な領域としての円形の領域は、説明を簡単にするための一例である。従って、複数の無線通信装置10,…は、任意の位置に配置されていてもよい。また、無線通信装置10が通信可能な領域は、円形以外の領域であってもよい。例えば、無線通信装置10が通信可能な領域は、通信の障害となる物体が存在すること等により、任意の形状を取り得る。
無線通信装置10は、任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置10の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成される。
無線通信装置10は、当該無線通信装置(自装置)10の状態が起動状態に設定されている場合において、予め定められた休止条件が成立したとき、当該無線通信装置10の状態を休止状態に設定するように構成される。
ここで、起動状態は、他の無線通信装置10及び無線通信端末と予め定められた第1の通信方式に従った無線通信を実行可能な状態である。一方、休止状態は、第2の通信方式に従った起動信号を受信可能であり、且つ、他の無線通信装置10及び無線通信端末と第1の通信方式に従った無線通信を実行不能な状態である。
本例では、第1の通信方式は、無線通信装置として無線通信端末を収容し、通信を行うための通信方式である。本例では、第1の通信方式は、無線LAN規格に準拠した通信方式であり、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11a、又は、IEEE 802.11n等である。
また、第2の通信方式は、通信を行うために必要とされる電力が第1の通信方式よりも極めて小さい通信方式である。本例では、第2の通信方式は、特許文献1に記載されているような、フレームの有無の時間的な変化を情報として通信する方式、又は、フレーム長を情報として通信する方式等の、消費される電力の量が比較的大きい復調回路を使用せずに通信可能な通信方式である。なお、第1の通信方式は、UWB(Ultra Wide Band)、又は、ZigBee(登録商標)等の他の通信方式であってもよい。また、第2の通信方式は、第1の通信方式よりも消費される電力の量が小さい方式であれば、他の通信方式であってもよい。
本例では、休止条件は、現時点よりも、予め設定された第1の閾値時間だけ前の時点から、現時点までの間に、無線通信が行われていない、という条件である。なお、休止条件は、他の条件であってもよい。
更に、無線通信装置10は、当該無線通信装置10の状態が休止状態である場合において、起動信号を受信したとき、当該無線通信装置10の状態を起動状態に設定するように構成される。
更に、無線通信システム1を構成する、すべての無線通信装置10,…の一部を構成する無線通信装置10,…のそれぞれは、主装置を構成する。また、無線通信システム1を構成する、すべての無線通信装置10,…の残余の部分を構成する無線通信装置10,…(即ち、主装置を構成する無線通信装置10,…以外の無線通信装置10,…)のそれぞれは、副装置を構成する。
本例では、無線通信装置10は、主装置、及び、副装置のいずれをも構成可能に構成される。無線通信装置10は、主装置、及び、副装置のいずれかを構成するように設定される。なお、無線通信装置10は、主装置、及び、副装置のいずれかのみを構成可能に構成されていてもよい。
また、本例では、無線通信システム1は、副装置(を構成する無線通信装置10,…)のそれぞれが、少なくとも1つの主装置(を構成する無線通信装置10)と通信可能となるように構成される。更に、無線通信システム1は、副装置のそれぞれに対して、1つの主装置を親装置として設定する。
本例では、図2に示したように、主装置10Aと副装置10Bとは、市松模様状に配置される。なお、本例では、副装置10B,…のそれぞれが少なくとも1つの主装置10Aと通信可能となるように構成されるため、外縁部には、副装置10Bのみが配置される。図2において、主装置10Aは、二重丸により表され、副装置10Bは、一重丸により表されている。
副装置10Bが複数の主装置10A,…と通信可能である場合、無線通信システム1は、当該副装置10Bに対する親装置として1つの主装置10Aを選択する。例えば、無線通信システム1は、受信される無線信号の電界の強度が最大である主装置を親装置として選択する。また、無線通信システム1は、副装置が送信した信号に対して、最初に応答した主装置を親装置として選択してもよい。
(機能)
次に、主装置の機能、及び、副装置の機能について説明する。
図3は、主装置10Aの機能を表すブロック図である。主装置10Aの機能は、制御部101と、起動信号受信部102と、電源管理部103と、無線通信部104と、経路情報交換部(個別経路情報取得手段、全経路情報取得手段)105と、経路情報記憶部106と、端末検索部(経路決定手段の一部)107と、通信用経路決定部(経路決定手段の一部)108と、起動用経路決定部(起動手段の一部)109と、起動信号送信部(起動手段の一部)110と、を含む。
制御部101は、無線通信装置10を制御する。制御部101は、無線通信システム1における無線通信の経路決定動作、及び、無線通信装置10の状態(動作状態)の管理を行う。
ここで、動作状態は、休止状態、又は、起動状態である。本例では、起動状態は、無線通信装置10を起動している途中である状態(起動中状態)、無線通信装置10が通信を行っている状態(ビジー状態)、及び、無線通信装置10が通信を待機している状態(アイドル状態)を含む。
図4は、無線通信装置10の状態遷移図を示す。無線通信装置10は、状態が休止状態に設定されている場合において、起動信号を受信すると、状態が起動中状態へ遷移する。その後、無線通信装置10は、起動が完了(後述する時間Tが経過)すると、状態がアイドル状態へ遷移する。
更に、無線通信装置10は、データの送受信(通信)を開始した時点にて、状態がビジー状態へ遷移する。その後、無線通信装置10は、データの通信が完了した時点にて、状態がアイドル状態へ遷移する。
無線通信装置10は、状態がアイドル状態に設定されている場合において、予め設定された待機時間(後述する時間T)に亘って、通信が行われていない状態が継続する(即ち、状態がアイドル状態に維持されている時間が待機時間だけ継続する)と、状態が休止状態へ遷移する。
即ち、無線通信装置10は、このようなウェイクアップ方式を用いることにより、データの送受信が行われない期間において、状態を休止状態へ遷移させる。これにより、無線通信装置10が消費する電力の量を低減することができる。
起動信号受信部102は、アンテナAN1を介して、第2の通信方式に従った起動信号を受信可能に構成される。起動信号受信部102は、起動信号の受信を待機している間に消費する電力の量が、無線通信部104と比較して極めて少なくなるように構成されている。
起動信号受信部102は、無線通信装置10の状態が休止状態に設定されている期間においても、電力が供給されることにより作動するように構成されている。即ち、起動信号受信部102は、常時、他の無線通信装置10、又は、無線通信端末により送信される起動信号を受信可能に構成される。なお、無線通信装置10は、無線通信装置10の状態が起動状態に設定されている期間において、起動信号受信部102へ電力を供給しないように構成されていてもよい。
起動信号受信部102は、起動信号を受信した場合、その旨を電源管理部103へ通知する。
電源管理部103は、無線通信装置10を構成する各部へ電力を供給する。電源管理部103は、制御部101、又は、起動信号受信部102からの指示に従って、電力の供給の制御(供給の開始、及び、供給の停止)を行う。
電源管理部103は、起動信号受信部102により、起動信号が受信された旨が通知された場合、無線通信装置10の状態を起動状態に設定する(即ち、無線通信装置10の状態が休止状態に設定されている場合には、無線通信装置10の状態を起動状態へ変更する)。
制御部101は、無線通信装置10の状態が起動状態に設定されている場合において、予め設定された待機時間に亘って、通信が行われていない状態が継続したとき、無線通信装置10の状態を休止状態へ変更する。電源管理部103は、無線通信装置10の状態が休止状態に設定されている場合、無線通信部104への電力の供給を停止する。
無線通信部104は、アンテナAN2を介して、他の無線通信装置10及び無線通信端末と第1の通信方式に従った無線通信を行う。
経路情報交換部105は、予め設定された取得周期が経過する毎に(即ち、定期的に)、自装置(無線通信装置10)に対する経路情報を取得する。経路情報は、隣接装置情報(隣接ノード情報)と、動作状態情報と、帰属情報と、を含む。隣接装置情報は、自装置(無線通信装置10)と直接に通信可能な他の無線通信装置10,…を特定するための情報である。また、動作状態情報は、自装置(無線通信装置10)の状態を表す情報である。また、帰属情報は、自装置(無線通信装置10)が通信を許容する無線通信端末を識別するための情報である。
更に、経路情報交換部105は、自装置が親装置として設定された副装置(即ち、子装置)のそれぞれから、当該副装置に対して取得された経路情報を、無線通信部104を介して受信することにより取得する。
加えて、経路情報交換部105は、他の主装置との間で経路情報を交換することにより、無線通信システム1を構成する、すべての無線通信装置10,…のそれぞれに対する経路情報を取得する。本例では、経路情報交換部105は、予め定められたプロトコルに従って、経路情報を交換する。
例えば、プロトコルにおいては、変更通知、及び、同期要求が定められる。変更通知は、経路情報の変更を表す情報である。また、同期要求は、経路情報の同期を要求する情報である。
経路情報記憶部106は、経路情報交換部105により取得された経路情報を記憶する。本例では、経路情報記憶部106は、隣接ノードテーブル、動作状態テーブル、及び、帰属情報テーブルを記憶する。経路情報記憶部106に記憶されている各テーブルは、経路情報交換部105により更新(追加、削除、及び、変更等)される。
隣接ノードテーブルは、図5に示したように、対象装置識別情報(例えば、DID#1、及び、DID#2等)と、隣接装置識別情報(例えば、DID#1、及び、DID#2等)と、を対応付けたテーブルである。対象装置識別情報は、隣接装置情報を取得した無線通信装置10を識別するための情報である。隣接装置識別情報は、対象装置識別情報により識別される無線通信装置10と通信可能な(即ち、無線通信システム1において隣接する)他の無線通信装置10を識別するための情報である。即ち、隣接ノードテーブルは、隣接装置情報を表す。
なお、隣接ノードテーブルは、他の情報を含んでいてもよい。例えば、隣接ノードテーブルは、対象装置識別情報と、隣接装置識別情報と、受信電波強度値と、を対応付けたテーブルであってもよい。ここで、受信電波強度値は、対象装置識別情報により識別される無線通信装置10が、隣接装置識別情報により識別される無線通信装置10から受信した無線信号の電波の強度を表す値である。
動作状態テーブルは、図6に示したように、対象装置識別情報(例えば、DID#1、及び、DID#2等)と、動作状態情報(本例では、起動状態を表す起動、及び、休止状態を表す休止)と、役割情報(本例では、主装置を表すプライマリ、及び、副装置を表すセカンダリ)と、を対応付けたテーブルである。
対象装置識別情報は、動作状態情報を取得した無線通信装置10を識別するための情報である。動作状態情報は、対象装置識別情報により識別される無線通信装置10の状態(動作状態)を表す情報である。役割情報は、対象装置識別情報により識別される無線通信装置10が、主装置、及び、副装置のいずれを構成しているかを表す情報である。
帰属情報テーブルは、図7に示したように、対象装置識別情報(例えば、DID#1、及び、DID#2等)と、帰属端末識別情報(例えば、TID#1、及び、TID#2等)と、を対応付けたテーブルである。対象装置識別情報は、帰属情報を取得した無線通信装置10を識別するための情報である。帰属端末識別情報は、対象装置識別情報により識別される無線通信装置10により収容される(即ち、無線通信装置10により通信が許容された)無線通信端末を識別するための情報である。即ち、帰属情報テーブルは、帰属情報を表す。
なお、無線通信システム1は、対象装置識別情報、隣接装置識別情報、又は、帰属端末識別情報として、MAC(Medium Access Control)アドレスを用いることが好適である。
端末検索部107は、自装置(第1の無線通信装置)に収容されている無線通信端末(第1の無線通信端末)、又は、自装置に対して子装置として設定された副装置(第1の無線通信装置)に収容されている無線通信端末(第1の無線通信端末)により送信されたデータ通信要求を受け付ける。データ通信要求は、データの通信先(宛先)としての無線通信端末(第2の無線通信端末)を識別するための端末識別情報を含む。データ通信要求は、データの送信元としての無線通信端末を識別するための端末識別情報も含んでいてもよい。
端末検索部107は、データ通信要求に含まれる端末識別情報と、経路情報記憶部106に記憶されている帰属情報テーブルと、に基づいて、当該端末識別情報により識別される無線通信端末が収容されている無線通信装置10を識別するための装置識別情報を取得する。
通信用経路決定部108は、自装置に収容されている無線通信端末によりデータ通信要求が送信された場合、自装置(第1の無線通信装置)と、端末検索部107により取得された装置識別情報により識別される無線通信装置10(第2の無線通信装置)と、を結ぶ通信用経路を決定する。
また、通信用経路決定部108は、自装置に対して子装置として設定された副装置に収容されている無線通信端末によりデータ通信要求が送信された場合、当該副装置(第1の無線通信装置)と、端末検索部107により取得された装置識別情報により識別される無線通信装置10(第2の無線通信装置)と、を結ぶ通信用経路を決定する。
なお、通信用経路決定部108は、通信用経路を決定する際、経路情報記憶部106に記憶されている経路情報に基づいて、通信用経路を決定する。
また、本例では、通信用経路決定部108は、通信用経路を決定する際、先ず、複数の経路候補を決定する。そして、通信用経路決定部108は、決定された複数の経路候補の中から1つの経路候補を通信用経路として選択する。
本例では、複数の経路候補は、通信に要するコストが最小である最短経路と、通信用経路を構成する無線通信装置10,…のうちの状態が休止状態に設定されている無線通信装置10,…の数が最小である迂回経路と、からなる。なお、通信用経路決定部108は、3つ以上の経路候補を決定するように構成されていてもよい。
また、通信に要するコスト(パスコスト)は、ホップ数、受信電波強度値、通信速度、及び、通信品質の少なくとも1つに基づいて算出される値である。
通信用経路決定部108は、複数の経路候補のそれぞれに対して、通信用経路を介してデータを伝送するために消費される電力の量である伝送消費電力量を算出する。伝送消費電力量は、起動消費電力量と、通信時消費電力量と、の和である。
起動消費電力量は、経路候補を構成する無線通信装置10,…のそれぞれの状態を起動状態に設定する(即ち、状態が休止状態に設定されている無線通信装置10の状態を起動状態に変更する)ために消費される電力の量である。起動消費電力量は、動作状態情報に基づいて算出される。
また、通信時消費電力量は、経路候補を構成する無線通信装置10,…が当該経路候補において隣接する(即ち、経路候補において直接に通信する)他の無線通信装置10,…との間でデータを通信するために消費される電力の量である。通信時消費電力量は、通信されるデータのサイズ(データ長)に基づいて算出される。
通信用経路決定部108は、算出された伝送消費電力量が最小である経路候補を通信用経路として選択する。
ところで、最短経路は、通信時消費電力量が最小である。一方、迂回経路は、起動消費電力量が最小である。また、通信されるデータのサイズが大きくなるほど、起動消費電力量と比較して、通信時消費電力量が大きくなる。
従って、通信されるデータのサイズが十分に小さい場合には、迂回経路に対する伝送消費電力量は、最短経路に対する伝送消費電力量よりも小さい。一方、通信されるデータのサイズが十分に大きい場合には、最短経路に対する伝送消費電力量は、迂回経路に対する伝送消費電力量よりも小さい。
従って、通信用経路決定部108は、伝送消費電力量をより小さくするように通信用経路を決定することができる。
起動用経路決定部109は、経路情報記憶部106に記憶されている経路情報に基づいて、通信用経路決定部108により決定された通信用経路を構成する無線通信装置10,…のうちの、状態が休止状態に設定されている無線通信装置10,…を特定する。
更に、起動用経路決定部109は、自装置から、特定された無線通信装置10,…のそれぞれまでの起動用経路を決定する。起動用経路決定部109は、特定された無線通信装置10,…のそれぞれへ、当該無線通信装置10に対して決定された起動用経路を介して、起動信号を送信させるための指示を起動信号送信部110へ出力する。
なお、起動用経路決定部109は、特定された無線通信装置10,…が1つである場合、当該無線通信装置10までの起動用経路として迂回経路を決定する。この理由は、起動信号のデータのサイズが極めて小さいため、迂回経路に対する伝送消費電力量が、最短経路に対する伝送消費電力量よりも小さいからである。即ち、起動用経路決定部109は、起動用経路を、消費される電力の量を最小とするように決定する。
また、起動用経路決定部109は、特定された無線通信装置10,…が2つ以上である場合、起動用経路を集約するように、特定された無線通信装置10,…のそれぞれに対する起動用経路を決定する。
具体的には、起動用経路決定部109は、特定された無線通信装置10,…のうちの複数の無線通信装置(副装置)10,…のそれぞれが、同一の主装置(経由装置)と通信可能である場合、当該複数の無線通信装置(副装置)10,…のそれぞれまでの起動用経路として、当該経由装置までの同一の経路を含む経路を決定する。なお、起動用経路の集約の詳細については、後述する。
なお、起動用経路決定部109は、起動用経路を、当該起動用経路を構成する無線通信装置10,…の状態を休止状態から起動状態へ変更するために消費される電力の量である起動消費電力量に基づいて決定するように構成されていてもよい。また、起動用経路決定部109は、起動用経路を、当該起動用経路を構成する無線通信装置10,…の状態を休止状態から起動状態へ変更するために要する時間である起動所要時間に基づいて決定するように構成されていてもよい。更に、起動用経路決定部109は、起動用経路を、起動消費電力量、及び、起動所要時間の両方に基づいて決定するように構成されていてもよい。
起動信号送信部110は、起動用経路決定部109からの指示に従って、他の無線通信装置10へ起動信号を送信する。また、起動信号送信部110は、他の無線通信装置10から受信した起動信号を転送する。
次に、副装置10Bの機能について説明する。
図8は、副装置10Bの機能を表すブロック図である。副装置10Bの機能は、制御部201と、起動信号受信部202と、電源管理部203と、無線通信部204と、経路情報送信部(個別経路情報取得手段、経路情報送信手段)205と、起動信号送信部210と、を含む。
制御部201は、制御部101と同様の機能を有する。起動信号受信部202は、起動信号受信部102と同様の機能を有する。電源管理部203は、電源管理部103と同様の機能を有する。無線通信部204は、無線通信部104と同様の機能を有する。
経路情報送信部205は、予め設定された取得周期が経過する毎に(即ち、定期的に)、自装置(無線通信装置10)に対する経路情報を取得する。経路情報送信部205は、自装置(副装置10B)に対して親装置として設定されている主装置Aへ、無線通信部204を介して、取得された経路情報を送信する。
起動信号送信部210は、自装置に対して親装置として設定されている主装置の状態が休止状態である場合において、当該主装置へ経路情報を送信する予定であるとき、当該主装置へ起動信号を送信する。
(作動)
次に、上述した無線通信システム1の作動について説明する。本発明に係る無線通信システム1の作動は、経路情報を更新するための経路情報交換工程、及び、経路情報に基づいて通信用経路を構築するための通信用経路構築工程を含む。
<<経路情報交換工程>>
先ず、経路情報交換工程について説明する。無線通信システム1を構成する、すべての主装置10A,…のそれぞれは、隣接ノードテーブル、動作状態テーブル、及び、帰属情報テーブルを更新する。更に、無線通信システム1を構成する、すべての主装置10A,…のそれぞれは、当該すべての主装置10A,…間で、隣接ノードテーブル、動作状態テーブル、及び、帰属情報テーブルを同期する(一致させる)。
なお、各主装置10A,…は、自装置に対して取得された経路情報が変化した場合、及び、自装置に対して子装置として設定された副装置10B,…のそれぞれに対して当該副装置10B,…から受信した経路情報が変化した場合、記憶している各テーブルを、最新の経路情報に基づいて更新する。
また、各主装置10A,…は、記憶している各テーブルが更新された場合、すべての主装置10A,…間で、隣接ノードテーブル、動作状態テーブル、及び、帰属情報テーブルを同期する(一致させる)ための処理を行う。
なお、各主装置10A,…は、各テーブルを同期するための情報(同期要求)の送信先の主装置10Aの状態が休止状態である場合、当該主装置10Aへ起動信号を送信することにより当該主装置10Aの状態を起動状態に変更した後、当該情報を送信する。
ここで、各テーブルを更新する際の無線通信システム1の作動、及び、各テーブルを同期する際の無線通信システム1の作動について、より詳細に説明する。
図9は、隣接ノードテーブルを更新する際の無線通信システム1の作動を示したシーケンス図である。
先ず、副装置10Bは、定期的に、隣接装置探索処理を実行する(ステップS101)。隣接装置探索処理は、隣接装置情報を取得する処理である。次いで、副装置10Bは、取得された隣接装置情報が変化していた場合(即ち、前回、取得された隣接装置情報と、今回、取得された隣接装置情報と、が異なる場合)、取得された隣接装置情報を含む更新通知を、自装置に対して親装置として設定されている主装置10Aへ送信する(ステップS102)。
なお、副装置10Bは、取得された隣接装置情報が変化していた回数を計数し、計数された回数が予め設定された閾値以上となった場合に、更新通知を送信するように構成されていてもよい。
そして、主装置10Aは、更新通知を受信すると、隣接ノードテーブル更新処理を実行する(ステップS103)。隣接ノードテーブル更新処理は、受信された更新通知に含まれる隣接装置情報に基づいて、隣接ノードテーブルを更新する処理である。
次いで、主装置10Aは、テーブル同期処理を実行する(ステップS104)。テーブル同期処理は、他の主装置10A,…との間で、記憶しているテーブルを同期する処理である。
図10は、動作状態テーブルを更新する際の無線通信システム1の作動を示したシーケンス図である。
先ず、副装置10Bは、動作状態の変化を検出する(ステップS201)。次いで、副装置10Bは、変化後の動作状態を表す動作状態情報を含む更新通知を、自装置に対して親装置として設定されている主装置10Aへ送信する(ステップS202)。
そして、主装置10Aは、更新通知を受信すると、動作状態テーブル更新処理を実行する(ステップS203)。動作状態テーブル更新処理は、受信された更新通知に含まれる動作状態情報に基づいて、動作状態テーブルを更新する処理である。
次いで、主装置10Aは、テーブル同期処理を実行する(ステップS204)。テーブル同期処理は、他の主装置10A,…との間で、記憶しているテーブルを同期する処理である。
図11は、帰属情報テーブルを更新する際の無線通信システム1の作動を示したシーケンス図である。
先ず、副装置10Bは、帰属(収容されている無線通信端末)の変化を検出する(ステップS301)。次いで、副装置10Bは、変化後に収容されている無線通信端末を識別するための帰属情報を含む更新通知を、自装置に対して親装置として設定されている主装置10Aへ送信する(ステップS302)。
そして、主装置10Aは、更新通知を受信すると、帰属情報テーブル更新処理を実行する(ステップS303)。帰属情報テーブル更新処理は、受信された更新通知に含まれる帰属情報に基づいて、帰属情報テーブルを更新する処理である。
次いで、主装置10Aは、テーブル同期処理を実行する(ステップS304)。テーブル同期処理は、他の主装置10A,…との間で、記憶しているテーブルを同期する処理である。
図12は、主装置10Aが上述したテーブル同期処理を実行する際の無線通信システム1の作動を示したシーケンス図である。本例では、第1の主装置10Aが、第2の主装置10Aとの間でテーブル同期処理を実行する場合について説明する。
先ず、第1の主装置10Aは、各テーブルが更新された場合、その更新の内容を表す同期要求を第2の主装置10Aへ送信する(ステップS401)。そして、第2の主装置10Aは、同期要求を受信すると、テーブル更新処理を実行する(ステップS402)。ここで、テーブル更新処理は、受信された同期要求が表す、更新の内容に基づいて、記憶されている各テーブルを更新する処理である。
その後、第2の主装置10Aは、更新の完了を表す同期応答を第1の主装置10Aへ送信する(ステップS403)。
なお、テーブル同期処理においては、更新の内容に対して、シーケンスナンバーを付与すること等により、更新の順序を維持する(即ち、テーブルの鮮度を保つ)ことが好適である。
このようにして、無線通信システム1を構成する、すべての主装置10A,…のそれぞれは、無線通信システム1を構成する、すべての無線通信装置10,…のそれぞれに対する経路情報を取得する。即ち、各主装置10A,…は、帰属情報テーブル、動作状態テーブル、及び、隣接ノードテーブル、の3つのテーブルを、同期された状態にて保持する。
なお、本例では、経路情報(帰属情報、動作状態情報、及び、隣接装置情報)が変化した場合に、テーブル同期処理が行われる。この場合、経路情報が変化する頻度が高くなるほど、テーブル同期処理を実行するための通信が多く発生するため、消費電力量も多くなる。
従って、無線通信システム1は、無線通信端末によりデータ通信要求が送信された時に、テーブル同期処理を実行するように構成されていてもよい。この場合、データ通信要求が送信される頻度が高くなるほど、テーブル同期処理を実行するための通信が多く発生するため、消費電力量も多くなる。
従って、無線通信システム1は、経路情報が変化する頻度と、データ通信要求が送信される頻度と、の関係に基づいて、テーブル同期処理を実行するタイミングを決定するように構成されていてもよい。
以上、経路情報交換工程において、テーブルの更新、及び、テーブルの同期を行うための無線通信システム1の作動について説明したが、無線通信システム1は、上述した手順と異なる手順に従って、テーブルの更新、及び、テーブルの同期を行うように構成されていてもよい。
<<通信用経路構築工程>>
次に、通信用経路構築工程について説明する。通信用経路構築工程は、無線通信端末がデータ通信要求を送信することにより開始する。通信用経路構築工程において、無線通信システム1は、データ通信要求に係る通信を行うための通信用経路を構築する。
本例では、図13に示したように、第1の副装置SAP1に収容されている第1の無線通信端末STA1が、第2の無線通信端末STA2への通信を要求するデータ通信要求を、第1の副装置SAP1へ送信した場合を想定する。
ここで、第2の無線通信端末STA2は、第2の副装置SAP2に収容されている。また、第1の副装置SAP1に対する親装置として、第1の主装置PAP1が設定され、且つ、第2の副装置SAP2に対する親装置として、第2の主装置PAP2が設定されている場合を想定する。
第1の副装置SAP1は、第1の無線通信端末STA1により送信されたデータ通信要求を受信すると、データ通信要求を第1の主装置PAP1へ送信する。なお、データ通信要求は、通信先(宛先)としての第2の無線通信端末STA2を識別するための情報を含む。
第1の主装置PAP1は、第1の副装置SAP1により送信されたデータ通信要求を受信すると、図14にフローチャートにより示した処理を実行する。
先ず、第1の主装置PAP1は、端末検索処理を実行する(ステップS501)。端末検索処理は、データ通信要求に含まれる情報に基づいて、データ通信要求に係る通信先としての無線通信端末(第2の無線通信端末STA2)を収容する無線通信装置10(第2の副装置SAP2)を特定する処理である。
次に、第1の主装置PAP1は、通信用経路構築処理を実行する(ステップS502)。通信用経路構築処理は、第1の副装置SAP1と第2の副装置SAP2とを結ぶ経路の候補である経路候補として、最短経路と迂回経路とを決定する処理である。
第1の主装置PAP1は、隣接ノードテーブルに基づいて、経路の総当たり、ダイクストラ法、又は、ベルマン−フォード法等により、最短経路、及び、迂回経路を決定する。
ここでは、すべての主装置の状態が起動状態に設定され、第1の副装置SAP1以外のすべての副装置の状態が休止状態に設定されている場合を想定する。
この場合、例えば、第1の主装置PAP1は、最短経路として、図15の一点鎖線により示した経路P1を決定する。また、第1の主装置PAP1は、迂回経路として、図15の点線により示した経路P2を決定する。
次に、第1の主装置PAP1は、通信用経路評価処理を実行する(ステップS503)。通信用経路評価処理は、決定された経路候補のそれぞれに対して伝送消費電力量を算出し、算出された伝送消費電力量が最小である経路候補を通信用経路として決定する処理である。
これによれば、消費される電力の量をより小さくするように通信用経路を決定することができる。従って、無線通信システム1が消費する電力の量を低減することができる。
第1の主装置PAP1は、数式1に基づいて、伝送消費電力量J[J]を算出する。数式1に示したように、伝送消費電力量J[J]は、起動消費電力量Jroute[J]と、通信時消費電力量Jdata[J]と、の和である。
Figure 2013179451
起動消費電力量Jrouteは、数式2に基づいて算出される。ここで、Jnewrouteは、1つの無線通信装置10が状態を休止状態から起動状態へ変更し、その後、起動状態から休止状態へ変更する(元の状態に戻す)ために消費する電力の量(個別起動消費電力量)であり、nは、経路候補を構成する無線通信装置10,…のうちの、状態が休止状態に設定されている無線通信装置10,…の数(休止ノード数)である。
Figure 2013179451
ここで、Pbwは、無線通信装置10が起動信号を送信するために単位時間あたりに消費する電力の量である。本例では、Pbwは、後述するPと等しい。また、Tbwは、無線通信装置10が起動信号を送信している時間である。
個別起動消費電力量Jnewrouteは、数式3に基づいて算出される。
Figure 2013179451
ここで、図16に示したように、Pは、無線通信装置10の状態を休止状態から起動状態へ変更する間に無線通信装置10が単位時間あたりに消費する電力の量である。また、Pは、無線通信装置10の状態を起動状態から休止状態へ変更する間に無線通信装置10が単位時間あたりに消費する電力の量である。
また、Tは、無線通信装置10の状態を休止状態から起動状態へ変更するために要する時間である。また、Tは、無線通信装置10の状態を起動状態から休止状態へ変更するために要する時間である。なお、本例では、無線通信装置10の状態を変更中の期間(即ち、期間T、及び、期間T)における無線通信装置10の状態は、起動状態として扱われる。
また、Pは、無線通信装置10の状態が休止状態に設定されている期間において、無線通信装置10が単位時間あたりに消費する電力の量である。また、Pは、無線通信装置10が他の無線通信装置10との間でデータを通信している期間において、単位時間あたりに消費する電力の量である。
また、Tは、無線通信装置10の状態が休止状態に設定されている時間である。また、Tは、無線通信装置10が他の無線通信装置10との間でデータを通信している時間である。
なお、個別起動消費電力量Jnewrouteは、数式4に基づいて算出されてもよい。数式4に示した個別起動消費電力量Jnewrouteは、状態が休止状態に維持されたと仮定した場合からの、消費電力量の増分を表す。
Figure 2013179451
また、通信時消費電力量Jdataは、数式5に基づいて算出される。ここで、nは、経路を構成する無線通信装置10,…の数である。また、lは、通信されるデータのサイズ(データ長)である。また、rは、単位時間あたりに伝送されるデータの量(伝送レート)である。数式5に示したように、通信時消費電力量Jdataは、無線通信装置10が消費する電力の量の、無線通信装置10の状態が休止状態に設定されている場合からの増分に基づいて算出される。
Figure 2013179451
なお、本例では、経路において隣接する2つの無線通信装置10,…の組のいずれに対しても、伝送レートrが同一の値を有する場合を想定している。経路において隣接する2つの無線通信装置10,…の組毎に伝送レートrが異なる場合、当該組毎の個別通信時消費電力量を算出し、算出された個別通信時消費電力量の和を通信時消費電力量として算出することが好適である。
なお、本例では、第1の主装置PAP1は、伝送消費電力量が最小である経路候補を通信用経路として決定していたが、伝送所要時間が最小である経路候補を通信用経路として決定するように構成されていてもよい。ここで、伝送所要時間は、経路候補を介してデータを伝送するために要する時間である。本例では、伝送所要時間は、データ通信要求が送信されてから、当該データ通信要求に係るデータの通信が完了するまでに要する時間である。
これによれば、データを伝送するために要する時間をより短くするように通信用経路を決定することができる。
この場合、第1の主装置PAP1は、数式6に基づいて、伝送所要時間T[秒]を算出する。数式6に示したように、伝送所要時間T[秒]は、起動所要時間Troute[秒]と、通信時所要時間Tdata[秒]と、の和である。
Figure 2013179451
起動所要時間Trouteは、数式7に基づいて算出される。ここで、Tnewrouteは、1つの無線通信装置10が状態を休止状態から起動状態へ変更するために要する時間(個別起動所要時間)であり、nは、休止ノード数である。
Figure 2013179451
個別起動所要時間Tnewrouteは、数式8により表される。
Figure 2013179451
また、通信時所要時間Tdataは、数式9に基づいて算出される。ここで、nは、経路を構成する無線通信装置10,…の数である。また、lは、通信されるデータのサイズ(データ長)である。また、rは、単位時間あたりに伝送されるデータの量(伝送レート)である。
Figure 2013179451
なお、第1の主装置PAP1は、伝送消費電力量、及び、伝送所要時間の両方に基づいて、通信用経路を決定するように構成されていてもよい。例えば、第1の主装置PAP1は、伝送消費電力量、及び、伝送所要時間を重み付け平均した値が最小である経路候補を通信用経路として決定するように構成されていてもよい。これにより、伝送所要時間を比較的短い時間に維持しながら、消費電力量を低減することができる。
ここで、通信されるデータのサイズ(データ長)に対する、伝送消費電力量、及び、伝送所要時間の変化の一例を示す。なお、この例では、無線通信装置10,…が、縦方向、及び、横方向のそれぞれにおいて7個ずつ格子状に並べられた無線通信システム1を想定している。
図17は、伝送消費電力量のデータ長に対する変化を示したグラフである。図17における直線L1は、最短経路に対する伝送消費電力量である。また、図17における直線L2は、迂回経路に対する伝送消費電力量である。この例では、伝送消費電力量は、データ長が600kByteよりも小さい場合に、迂回経路が最短経路よりも小さく、600kByteよりも大きい場合に、最短経路が迂回経路よりも小さい。
図18は、伝送所要時間のデータ長に対する変化を示したグラフである。図18における直線L1は、最短経路に対する伝送所要時間である。また、図18における直線L2は、迂回経路に対する伝送所要時間である。この例では、伝送所要時間は、データ長が約15kByteよりも小さい場合に、迂回経路が最短経路よりも小さく、15kByteよりも大きい場合に、最短経路が迂回経路よりも小さい。
従って、この例では、データ長が15kByteから600kByteの範囲内にある場合、伝送消費電力量は、迂回経路が小さく、且つ、伝送所要時間は、最短経路が小さい。この場合、重み付け平均において用いられる重み値αの大きさに応じて、最短経路、及び、迂回経路のいずれが通信用経路として決定されるかが変わる。
図19は、伝送消費電力量に重み値αを乗じた値と、伝送所要時間と、の和が最小である経路候補が、最短経路である範囲と、迂回経路である範囲と、の境界となるデータ長の、重み値αに対する変化を示したグラフである。このように、最短経路、及び、迂回経路の選択の基準となるデータ長を試算することができる。
次に、第1の主装置PAP1は、図14のステップS504へ進み、休止ノード数を評価する。第1の主装置PAP1は、休止ノード数が0である場合、いずれの無線通信装置10も、状態を起動状態へ変更する必要がないため、ステップS505〜ステップS507の処理を実行することなく、図14に示した処理を終了する。
また、第1の主装置PAP1は、休止ノード数が1である場合、ステップS506へ進み、起動用経路構築処理を実行する。起動用経路構築処理は、ステップS503にて決定された通信用経路を構成する無線通信装置10,…のうちの、状態が休止状態に設定されている無線通信装置10までの起動用経路を決定する処理である。
このとき、第1の主装置PAP1は、起動用経路を、消費される電力の量を最小とするように決定する。本例では、第1の主装置PAP1は、起動用経路として迂回経路を決定する。
そして、第1の主装置PAP1は、ステップS507へ進み、起動処理を実行する。起動処理は、ステップS506にて決定された起動用経路を介して、ステップS503にて決定された通信用経路を構成する無線通信装置10,…のうちの、状態が休止状態に設定されている無線通信装置10へ、起動信号を送信する処理である。その後、第1の主装置PAP1は、図14に示した処理を終了する。
また、第1の主装置PAP1は、休止ノード数が2以上である場合、ステップS505へ進み、起動用経路集約処理を実行する。起動用経路集約処理は、ステップS503にて決定された通信用経路を構成する無線通信装置10,…のうちの、状態が休止状態に設定されている無線通信装置10,…(休止ノード)のそれぞれが、通信可能である、同一の主装置(経由装置)を特定する処理である。
いま、ステップS503にて決定された通信用経路が、図20に示したように、第1の副装置SAP1、第3の副装置SAP3、第4の副装置SAP4、第5の副装置SAP5、及び、第2の副装置SAP2を、この順に通る経路P1である場合を想定する。
更に、第2の副装置SAP2、第3の副装置SAP3、第4の副装置SAP4、及び、第5の副装置SAP5のそれぞれの状態が、休止状態に設定されている場合を想定する。加えて、第3の副装置SAP3が通信可能な主装置が、第1の主装置PAP1のみである場合を想定する。
また、第4の副装置SAP4が通信可能な主装置が、第1の主装置PAP1、第3の主装置PAP3、及び、第4の主装置PAP4である場合を想定する。更に、第5の副装置SAP5が通信可能な主装置が、第2の主装置PAP2、第3の主装置PAP3、及び、第4の主装置PAP4である場合を想定する。加えて、第2の副装置SAP2が通信可能な主装置が、第2の主装置PAP2、及び、第4の主装置PAP4である場合を想定する。
従って、この例では、第2の副装置SAP2、第3の副装置SAP3、第4の副装置SAP4、及び、第5の副装置SAP5のそれぞれの状態を起動状態に設定する必要がある。
第1の主装置PAP1は、経由装置を特定するために、図21にフローチャートにより示した処理を実行する。先ず、第1の主装置PAP1は、休止ノードリストを作成する(ステップS601)。休止ノードリストは、ステップS503にて決定された通信用経路を構成する無線通信装置10,…のうちの、状態が休止状態に設定されている無線通信装置10,…のリストである。
次いで、第1の主装置PAP1は、休止ノードリストを構成するノード(無線通信装置10)のそれぞれに対して、当該ノードと通信可能な主装置を特定する(ステップS602)。
次いで、第1の主装置PAP1は、休止ノードリスト内にノードが存在するか否かを判定する(ステップS603)。ここでは、休止ノードリスト内にノードが存在する場合を想定する。従って、第1の主装置PAP1は、休止ノードリストからノードを1つ取得し、取得されたノードを休止ノードリストから削除する(ステップS604)。
次いで、第1の主装置PAP1は、取得されたノードと通信可能な主装置が1つであるか否かを判定する(ステップS605)。いま、最初に取得されたノードが、第3の副装置SAP3である場合を想定する。この場合、取得されたノードと通信可能な主装置は、第1の主装置PAP1のみである。
従って、第1の主装置PAP1は、「Yes」と判定してステップS606へ進み、取得されたノードと通信可能な主装置である第1の主装置PAP1を、集約ノードリストへ追加する。
ここで、集約ノードリストは、休止ノードに対する起動用経路において当該休止ノードと隣接する主装置(経由装置)のリストである。
次いで、第1の主装置PAP1は、ステップS608へ進み、追加された主装置(ここでは、第1の主装置PAP1)と通信可能な休止ノードを休止ノードリストから削除する。即ち、第1の主装置PAP1は、休止ノードリストに含まれる休止ノードのうちの、第1の主装置PAP1と通信可能な休止ノードである、第4の副装置SAP4を削除する。
そして、第1の主装置PAP1は、ステップS603へ戻り、休止ノードリスト内にノードが存在しなくなるまで、ステップS603〜ステップS608の処理を繰り返し実行する。
ここでは、休止ノードリスト内にノードが存在する場合を想定する。従って、第1の主装置PAP1は、休止ノードリストから、休止ノードリストからノードを1つ取得し、取得されたノードを休止ノードリストから削除する(ステップS604)。
次いで、第1の主装置PAP1は、取得されたノードと通信可能な主装置が1つであるか否かを判定する(ステップS605)。ここでは、取得されたノードが、第5の副装置SAP5である場合を想定する。この場合、取得されたノードと通信可能な主装置は、第2の主装置PAP2、第3の主装置PAP3、及び、第4の主装置PAP4である。
従って、第1の主装置PAP1は、「No」と判定してステップS607へ進み、取得されたノードと通信可能な主装置のうちの、通信可能な休止ノードリスト内の休止ノードの数が最も多い主装置を特定する。
本例では、第2の主装置PAP2と通信可能な休止ノードリスト内の休止ノードは、第2の副装置SAP2である。また、第3の主装置PAP3と通信可能な休止ノードリスト内の休止ノードは、存在しない。また、第4の主装置PAP4と通信可能な休止ノードリスト内の休止ノードは、第2の副装置SAP2である。
従って、取得されたノードと通信可能な主装置のうちの、通信可能な休止ノードリスト内の休止ノードの数が最も多い主装置は、第2の主装置PAP2、又は、第4の主装置PAP4である。
従って、第1の主装置PAP1は、第2の主装置PAP2、又は、第4の主装置PAP4を、通信可能な休止ノードリスト内の休止ノードの数が最も多い主装置として特定する。この場合、例えば、第1の主装置PAP1は、動作状態、又は、パスコストに基づいて主装置を特定することが好適である。
そして、第1の主装置PAP1は、特定された主装置(ここでは、第2の主装置PAP2)を集約ノードリストへ追加する。次いで、第1の主装置PAP1は、ステップS608へ進み、追加された主装置と通信可能な休止ノードを休止ノードリストから削除する。即ち、第1の主装置PAP1は、休止ノードリストに含まれる休止ノードのうちの、第2の主装置PAP2と通信可能な休止ノードである、第2の副装置SAP2を削除する。
これにより、休止ノードリスト内にノードが存在しなくなる。その結果、第1の主装置PAP1は、ステップS603にて「No」と判定して、図21に示した処理を終了する。
次いで、第1の主装置PAP1は、図14のステップS506へ進み、起動用経路構築処理を実行する。起動用経路構築処理は、ステップS503にて決定された通信用経路を構成する無線通信装置10,…のうちの、状態が休止状態に設定されている無線通信装置10までの起動用経路を決定する処理である。
このとき、第1の主装置PAP1は、起動用経路として、集約ノードリストに含まれる経由装置の1つを、起動用経路において休止ノードと隣接するノードとして用いる経路を決定する。更に、第1の主装置PAP1は、自装置から経由装置までの経路を、消費される電力の量を最小とするように決定する。
これによれば、通信用経路を構成する無線通信装置10,…のそれぞれの状態を、迅速に起動状態に設定することができる。
そして、第1の主装置PAP1は、ステップS507へ進み、起動処理を実行する。起動処理は、休止ノードのそれぞれに対して、決定された起動用経路を介して、当該休止ノードへ、起動信号を送信する処理である。その後、第1の主装置PAP1は、図14に示した処理を終了する。
これにより、ステップS503にて決定された通信用経路を構成する、すべての無線通信装置10,…のそれぞれの状態が起動状態に設定される。その結果、データ通信要求に係るデータの伝送を行うことができる。
以上、説明したように、第1実施形態に係る無線通信システム1によれば、無線通信システムを構成する、すべての無線通信装置のそれぞれが、他の無線通信装置に対する経路情報を取得するように無線通信システムが構成されている場合と比較して、無線通信装置10,…の状態が起動状態に設定されている時間を短縮することができる。従って、無線通信システム1が消費する電力の量を低減することができる。
更に、第1実施形態に係る無線通信システム1によれば、各主装置が、他の無線通信装置のすべてと通信を行うことにより、無線通信システムを構成するすべての無線通信装置のそれぞれに対する経路情報を取得するように無線通信システムが構成されている場合と比較して、各副装置10,…の状態が起動状態に設定されている時間を短縮することができる。この結果、無線通信システム1が消費する電力の量をより一層低減することができる。
加えて、第1実施形態に係る無線通信システム1によれば、通信されるデータのサイズに基づいて、通信用経路が決定される。従って、無線通信システム1が消費する電力の量を確実に低減することができる。また、データの通信を行うまでに要する時間を十分に短縮することができる。
更に、第1実施形態に係る無線通信システム1によれば、通信用経路を構成する無線通信装置10の状態を起動状態に変更するために消費される電力の量を十分に低減することができる。また、通信用経路を構成する無線通信装置10の状態を起動状態に変更するために要する時間を十分に短縮することができる。
なお、第1実施形態に係る無線通信システム1において、無線通信装置10は、迂回経路として1つの経路を用いていたが、複数の経路を用いるように構成されていてもよい。また、無線通信装置10は、迂回経路として、休止ノード数が最小である経路を用いていたが、起動消費電力量Jrouteに基づいて決定される経路を用いるように構成されていてもよい。
また、第1実施形態に係る無線通信システム1において、無線通信装置10は、複数の経路候補を決定し、決定された複数の経路候補の中から、通信用経路を決定するように構成されていたが、伝送消費電力量Jに基づいて、経路候補を決定することなく、伝送消費電力量Jが最小である経路を通信用経路として決定するように構成されていてもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る無線通信システムについて説明する。第2実施形態に係る無線通信システムは、上記第1実施形態に係る無線通信システムに対して、検出された物理量を表すセンサデータを伝送する点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
図22に示したように、第2実施形態に係る無線通信システム1は、検出された物理量を表すセンサデータを伝送する。無線通信システム1は、無線マルチホップネットワークを構成する。本例では、無線通信システム1は、無線LAN方式に従って通信を行う。なお、無線通信システム1は、無線LAN方式以外の通信方式に従って通信を行うように構成されていてもよい。
無線通信システム1は、1つのシンクノード10Cと、複数の中継ノード10,…と、複数のセンサノード20,…と、を備える。
シンクノード10C、及び、複数の中継ノード10,…のそれぞれは、第1実施形態に係る無線通信装置10と同様の機能を有する。また、複数のセンサノード20,…のそれぞれは、第1実施形態に係る無線通信端末と同様の機能を有する。
更に、複数のセンサノード20,…のそれぞれは、物理量(例えば、温度、湿度、水道の使用量、ガスの使用量、又は、電気の使用量等)を検出し、検出された物理量を表すセンサデータを、シンクノード10Cへ送信する。
なお、複数の中継ノード10,…のそれぞれも、物理量を検出し、検出された物理量を表すセンサデータを、シンクノード10Cへ送信するように構成されていてもよい。
この第2実施形態に係る無線通信システム1においても、無線通信システム1が消費する電力の量を低減することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る無線通信システムについて図23を参照しながら説明する。
第3実施形態に係る無線通信システム1000は、無線により通信を行う複数の無線通信装置を備えるシステムである。
更に、上記複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成される。
上記複数の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成する。
上記複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成する。
上記主装置のそれぞれは、
上記複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得する全経路情報取得部(全経路情報取得手段)1001と、
上記複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された上記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する経路決定部(経路決定手段)1002と、
を備える。
これによれば、無線通信システムを構成する、すべての無線通信装置のそれぞれが、他の無線通信装置に対する経路情報を取得するように無線通信システムが構成されている場合と比較して、無線通信装置の状態が起動状態に設定されている時間を短縮することができる。従って、無線通信システム1000が消費する電力の量を低減することができる。
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
なお、上記各実施形態において無線通信システム1の各機能は、回路等のハードウェアにより実現されていた。ところで、無線通信装置は、処理装置と、プログラム(ソフトウェア)を記憶する記憶装置と、を備えるとともに、処理装置がそのプログラムを実行することにより、各機能を実現するように構成されていてもよい。この場合、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
無線により通信を行う複数の無線通信装置を備える無線通信システムであって、
前記複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
前記複数の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
前記複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
前記主装置のそれぞれは、
前記複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得する全経路情報取得手段と、
前記複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された前記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する経路決定手段と、
を備える無線通信システム。
これによれば、無線通信システムを構成する、すべての無線通信装置のそれぞれが、他の無線通信装置に対する経路情報を取得するように無線通信システムが構成されている場合と比較して、無線通信装置の状態が起動状態に設定されている時間を短縮することができる。従って、無線通信システムが消費する電力の量を低減することができる。
(付記2)
付記1に記載の無線通信システムであって、
前記無線通信システムは、前記副装置のそれぞれが、少なくとも1つの前記主装置と通信可能となるように構成され、
前記複数の無線通信装置のそれぞれは、
当該無線通信装置に対する前記経路情報を取得する個別経路情報取得手段を備え、
前記副装置のそれぞれは、
当該副装置と通信可能な前記主装置へ、前記取得された経路情報を送信する経路情報送信手段を備え、
前記全経路情報取得手段は、
他の主装置との間で前記経路情報を交換することにより、前記複数の無線通信装置のそれぞれに対する前記経路情報を取得するように構成された無線通信システム。
これによれば、各主装置が、他の無線通信装置のすべてと通信を行うことにより、無線通信システムを構成するすべての無線通信装置のそれぞれに対する経路情報を取得するように無線通信システムが構成されている場合と比較して、各副装置の状態が起動状態に設定されている時間を短縮することができる。この結果、無線通信システムが消費する電力の量をより一層低減することができる。
(付記3)
付記1又は付記2に記載の無線通信システムであって、
前記経路決定手段は、通信に要するコストが最小である最短経路と、前記通信用経路を構成する無線通信装置のうちの状態が前記休止状態に設定されている無線通信装置の数が最小である迂回経路と、を含む複数の経路候補の中から1つの経路候補を前記通信用経路として選択するように構成された無線通信システム。
(付記4)
付記1乃至付記3のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記経路決定手段は、前記通信用経路を介してデータを伝送するために消費される電力の量である伝送消費電力量に基づいて前記通信用経路を決定するように構成された無線通信システム。
これによれば、例えば、消費される電力の量をより小さくするように通信用経路を決定することができる。従って、無線通信システムが消費する電力の量をより一層低減することができる。
(付記5)
付記4に記載の無線通信システムであって、
前記経路情報は、前記無線通信装置の状態を表す動作状態情報を含み、
前記経路決定手段は、前記動作状態情報に基づいて、前記通信用経路を構成する無線通信装置の状態を前記休止状態から前記起動状態へ変更するために消費される電力の量である起動消費電力量を前記伝送消費電力量の少なくとも一部として取得するように構成された無線通信システム。
(付記6)
付記4又は付記5に記載の無線通信システムであって、
前記経路決定手段は、前記通信用経路を構成する無線通信装置が当該通信用経路において隣接する他の無線通信装置との間でデータを通信するために消費される電力の量である通信時消費電力量を前記伝送消費電力量の少なくとも一部として取得するように構成された無線通信システム。
(付記7)
付記6に記載の無線通信システムであって、
前記経路決定手段は、前記データのサイズに基づいて前記通信時消費電力量を取得するように構成された無線通信システム。
(付記8)
付記1乃至付記7のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記経路決定手段は、前記通信用経路を介してデータを伝送するために要する時間である伝送所要時間に基づいて前記通信用経路を決定するように構成された無線通信システム。
これによれば、例えば、データを伝送するために要する時間をより短くするように通信用経路を決定することができる。
(付記9)
付記8に記載の無線通信システムであって、
前記経路情報は、前記無線通信装置の状態を表す動作状態情報を含み、
前記経路決定手段は、前記動作状態情報に基づいて、前記通信用経路を構成する無線通信装置の状態を前記休止状態から前記起動状態へ変更するために要する時間である起動所要時間を前記伝送所要時間の少なくとも一部として取得するように構成された無線通信システム。
(付記10)
付記8又は付記9に記載の無線通信システムであって、
前記経路決定手段は、前記通信用経路を構成する無線通信装置が当該通信用経路において隣接する他の無線通信装置との間でデータを通信するために要する時間である通信時所要時間を前記伝送所要時間の少なくとも一部として取得するように構成された無線通信システム。
(付記11)
付記10に記載の無線通信システムであって、
前記経路決定手段は、前記データのサイズに基づいて前記通信時所要時間を取得するように構成された無線通信システム。
(付記12)
付記1乃至付記11のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記決定された通信用経路を構成する無線通信装置のそれぞれの状態を前記起動状態に設定する起動手段を備える無線通信システム。
(付記13)
付記12に記載の無線通信システムであって、
前記経路情報は、前記無線通信装置の状態を表す動作状態情報を含み、
前記起動手段は、前記動作状態情報に基づいて、前記決定された通信用経路を構成する無線通信装置のうちの、状態が前記休止状態に設定されている無線通信装置を特定し、当該特定された無線通信装置のそれぞれまでの起動用経路を決定し、当該特定された無線通信装置のそれぞれへ、当該無線通信装置に対して決定された起動用経路を介して、前記起動信号を送信するように構成された無線通信システム。
(付記14)
付記13に記載の無線通信システムであって、
前記起動手段は、前記特定された無線通信装置のうちの複数の無線通信装置のそれぞれが、同一の無線通信装置である経由装置と通信可能である場合、当該複数の無線通信装置のそれぞれまでの前記起動用経路として、当該経由装置までの同一の経路を含む経路を決定するように構成された無線通信システム。
これによれば、通信用経路を構成する無線通信装置のそれぞれの状態を、迅速に起動状態に設定することができる。
(付記15)
付記13又は付記14に記載の無線通信システムであって、
前記起動手段は、前記起動用経路を、当該起動用経路を構成する無線通信装置の状態を前記休止状態から前記起動状態へ変更するために消費される電力の量である起動消費電力量と、当該起動用経路を構成する無線通信装置の状態を前記休止状態から前記起動状態へ変更するために要する時間である起動所要時間と、の少なくとも1つに基づいて決定するように構成された無線通信システム。
これによれば、通信用経路を構成する無線通信装置のそれぞれの状態を起動状態に設定するために消費される電力の量を低減することができる。また、通信用経路を構成する無線通信装置のそれぞれの状態を起動状態に設定するために要する時間を短縮することができる。
(付記16)
付記1乃至付記15のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記経路情報は、無線通信装置が通信を許容する無線通信端末を識別するための帰属情報を含み、
前記経路決定手段は、第1の無線通信端末から第2の無線通信端末へのデータの通信を要求するデータ通信要求と、前記帰属情報と、に基づいて、当該第1の無線通信端末との通信を許容する第1の無線通信装置から、当該第2の無線通信端末との通信を許容する第2の無線通信装置への前記通信用経路を決定するように構成された無線通信システム。
(付記17)
付記1乃至付記16のいずれかに記載の無線通信システムであって、
前記複数の無線通信装置のそれぞれは、当該無線通信装置の状態が前記起動状態に設定されている場合において、予め定められた休止条件が成立したとき、当該無線通信装置の状態を前記休止状態に設定するように構成され、且つ、当該無線通信装置の状態が当該休止状態である場合において、前記起動信号を受信したとき、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に設定するように構成された無線通信システム。
(付記18)
付記1乃至付記17のいずれかに記載の無線通信システムであって、
検出された物理量を表すセンサデータを伝送するように構成された無線通信システム。
(付記19)
無線により通信を行う複数の無線通信装置を備える無線通信システムに適用され、
前記複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
前記複数の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
前記複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
前記主装置が、前記複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得し、
前記主装置が、前記複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された前記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する、無線通信方法。
(付記20)
付記19に記載の無線通信方法であって、
前記無線通信システムは、前記副装置のそれぞれが、少なくとも1つの前記主装置と通信可能となるように構成され、
前記複数の無線通信装置のそれぞれが、当該無線通信装置に対する前記経路情報を取得し、
前記副装置のそれぞれが、当該副装置と通信可能な前記主装置へ、前記取得された経路情報を送信し、
前記主装置のそれぞれが、他の主装置との間で前記経路情報を交換することにより、前記複数の無線通信装置のそれぞれに対する前記経路情報を取得する、無線通信方法。
(付記21)
無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する無線通信装置であって、
当該無線通信装置である自装置、及び、前記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
前記自装置は、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得する全経路情報取得手段と、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された前記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する経路決定手段と、
を備える無線通信装置。
(付記22)
付記21に記載の無線通信装置であって、
前記自装置に対する前記経路情報を取得する個別経路情報取得手段を備え、
前記自装置と通信可能な前記副装置から、当該副装置により取得された、当該副装置に対する前記経路情報を受信するように構成され、
前記全経路情報取得手段は、
他の主装置との間で前記経路情報を交換することにより、前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対する前記経路情報を取得するように構成された無線通信装置。
(付記23)
無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する無線通信装置に適用される無線通信装置制御方法であって、
当該無線通信装置である自装置、及び、前記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
前記無線通信装置制御方法は、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された前記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する、無線通信装置制御方法。
(付記24)
付記23に記載の無線通信装置制御方法であって、
前記自装置に対する前記経路情報を取得し、
前記自装置と通信可能な前記副装置から、当該副装置により取得された、当該副装置に対する前記経路情報を受信し、
他の主装置との間で前記経路情報を交換することにより、前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対する前記経路情報を取得する、無線通信装置制御方法。
(付記25)
無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する無線通信装置に実行させるための無線通信装置制御プログラムであって、
当該無線通信装置である自装置、及び、前記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
前記無線通信装置制御プログラムは、前記自装置に、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された前記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する、処理を実行させるための無線通信装置制御プログラム。
(付記26)
付記25に記載の無線通信装置制御プログラムであって、
前記自装置に、
前記自装置に対する前記経路情報を取得し、
前記自装置と通信可能な前記副装置から、当該副装置により取得された、当該副装置に対する前記経路情報を受信し、
他の主装置との間で前記経路情報を交換することにより、前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対する前記経路情報を取得する、処理を実行させるための無線通信装置制御プログラム。
(付記27)
無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する無線通信装置であって、
当該無線通信装置である自装置、及び、前記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
前記自装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得する個別経路情報取得手段と、
前記自装置と通信可能な前記主装置へ、前記取得された経路情報を送信する経路情報送信手段と、
を備える無線通信装置。
(付記28)
無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する無線通信装置に適用される無線通信装置制御方法であって、
当該無線通信装置である自装置、及び、前記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
前記無線通信装置制御方法は、
前記自装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得し、
前記自装置と通信可能な前記主装置へ、前記取得された経路情報を送信する、無線通信装置制御方法。
(付記29)
無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する無線通信装置に実行させるための無線通信装置制御プログラムであって、
当該無線通信装置である自装置、及び、前記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
前記無線通信装置制御プログラムは、前記自装置に、
前記自装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得し、
前記自装置と通信可能な前記主装置へ、前記取得された経路情報を送信する、処理を実行させるための無線通信装置制御プログラム。
本発明は、無線により通信を行う複数の無線通信装置を備える無線通信システム等に適用可能である。
1 無線通信システム
10,… 無線通信装置
10A,… 主装置
10B,… 副装置
101 制御部
102 起動信号受信部
103 電源管理部
104 無線通信部
105 経路情報交換部
106 経路情報記憶部
107 端末検索部
108 通信用経路決定部
109 起動用経路決定部
110 起動信号送信部
AN1 アンテナ
AN2 アンテナ
201 制御部
202 起動信号受信部
203 電源管理部
204 無線通信部
205 経路情報送信部
210 起動信号送信部
STA1 第1の無線通信端末
STA2 第2の無線通信端末
10,… 中継ノード
20,… センサノード
10C シンクノード
1000 無線通信システム
1001 全経路情報取得部
1002 経路決定部

Claims (10)

  1. 無線により通信を行う複数の無線通信装置を備える無線通信システムであって、
    前記複数の無線通信装置のそれぞれは、
    任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
    前記複数の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
    前記複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
    前記主装置のそれぞれは、
    前記複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得する全経路情報取得手段と、
    前記複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された前記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する経路決定手段と、
    を備える無線通信システム。
  2. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記無線通信システムは、前記副装置のそれぞれが、少なくとも1つの前記主装置と通信可能となるように構成され、
    前記複数の無線通信装置のそれぞれは、
    当該無線通信装置に対する前記経路情報を取得する個別経路情報取得手段を備え、
    前記副装置のそれぞれは、
    当該副装置と通信可能な前記主装置へ、前記取得された経路情報を送信する経路情報送信手段を備え、
    前記全経路情報取得手段は、
    他の主装置との間で前記経路情報を交換することにより、前記複数の無線通信装置のそれぞれに対する前記経路情報を取得するように構成された無線通信システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の無線通信システムであって、
    前記経路決定手段は、通信に要するコストが最小である最短経路と、前記通信用経路を構成する無線通信装置のうちの状態が前記休止状態に設定されている無線通信装置の数が最小である迂回経路と、を含む複数の経路候補の中から1つの経路候補を前記通信用経路として選択するように構成された無線通信システム。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の無線通信システムであって、
    前記経路決定手段は、前記通信用経路を介してデータを伝送するために消費される電力の量である伝送消費電力量に基づいて前記通信用経路を決定するように構成された無線通信システム。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の無線通信システムであって、
    前記決定された通信用経路を構成する無線通信装置のそれぞれの状態を前記起動状態に設定する起動手段を備える無線通信システム。
  6. 請求項5に記載の無線通信システムであって、
    前記経路情報は、前記無線通信装置の状態を表す動作状態情報を含み、
    前記起動手段は、前記動作状態情報に基づいて、前記決定された通信用経路を構成する無線通信装置のうちの、状態が前記休止状態に設定されている無線通信装置を特定し、当該特定された無線通信装置のそれぞれまでの起動用経路を決定し、当該特定された無線通信装置のそれぞれへ、当該無線通信装置に対して決定された起動用経路を介して、前記起動信号を送信するように構成された無線通信システム。
  7. 請求項6に記載の無線通信システムであって、
    前記起動手段は、前記特定された無線通信装置のうちの複数の無線通信装置のそれぞれが、同一の無線通信装置である経由装置と通信可能である場合、当該複数の無線通信装置のそれぞれまでの前記起動用経路として、当該経由装置までの同一の経路を含む経路を決定するように構成された無線通信システム。
  8. 無線により通信を行う複数の無線通信装置を備える無線通信システムに適用され、
    前記複数の無線通信装置のそれぞれは、
    任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
    前記複数の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
    前記複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
    前記主装置が、前記複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得し、
    前記主装置が、前記複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された前記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する、無線通信方法。
  9. 無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する無線通信装置であって、
    当該無線通信装置である自装置、及び、前記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
    前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
    前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
    任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
    前記自装置は、
    前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して、当該無線通信装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得する全経路情報取得手段と、
    前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれに対して取得された前記経路情報に基づいて、当該複数の無線通信装置のうちの2つの無線通信装置を結ぶ通信用経路を決定する経路決定手段と、
    を備える無線通信装置。
  10. 無線により通信を行い、且つ、他の無線通信装置とともに無線通信システムを構成する無線通信装置であって、
    当該無線通信装置である自装置、及び、前記無線通信システムを構成する他の無線通信装置の一部を構成する無線通信装置のそれぞれは、副装置を構成し、
    前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置の残余の部分を構成する無線通信装置のそれぞれは、主装置を構成し、
    前記無線通信システムを構成する複数の無線通信装置のそれぞれは、
    任意のデータを通信可能な起動状態と、当該無線通信装置の状態を当該起動状態に変更するための起動信号のみを受信可能な休止状態と、に状態が設定可能に構成され、且つ、当該無線通信装置の位置に対応する所定の領域内に位置する他の任意の無線通信装置と通信可能に構成され、
    前記自装置と通信可能な他の無線通信装置を特定するための隣接装置情報を含む経路情報を取得する個別経路情報取得手段と、
    前記自装置と通信可能な前記主装置へ、前記取得された経路情報を送信する経路情報送信手段と、
    を備える無線通信装置。
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