JP2013178077A - 硫化水素除去装置および硫化水素除去方法 - Google Patents

硫化水素除去装置および硫化水素除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ディーゼル発電設備の腐食を抑制するとともに、硫化水素除去フィルターの交換時期を延長させる。
【解決手段】実施形態によれば、制御装置9は、通常運転モードにおいて清浄空気吸込ファン3の風量を過熱防止用風量に設定し、換気運転モードにおいて清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量に設定する。通常運転モードおよび換気運転モードにおいて、清浄空気吸込ファン3は、建屋1の入口から硫化水素除去フィルター2を介して空気を吸い込み、空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を建屋1内に取り込む。過熱防止用風量はディーゼル発電設備13の過熱を抑えるのに必要な風量とし、換気用風量は、過熱防止用風量よりも小さく、かつ、建屋1内の換気に必要な風量とする。硫化水素除去フィルター2は、アルカリ性フィルターでもよい。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、硫化水素除去装置および硫化水素除去方法に関する。
ディーゼル発電設備は運転時に空気を用いて燃料を燃焼させて発電し、そのときに排ガスを排出する。近年では、ディーゼル発電設備から排出された排ガスを浄化する排ガス浄化システムが開発されている(例えば特許文献1)。
一方、ディーゼル発電設備は、空気に硫化水素ガスが含まれる環境下に配設された建屋に設けられる場合がある。この場合、空気から硫化水素ガスを除去する硫化水素除去装置が必要になる。
一般的にディーゼル発電設備は金属製の部材により形成されている。このため、上述の環境下においては、ディーゼル発電設備に付着した空気中の水分と空気に含まれる硫化水素ガスとが反応することにより、ディーゼル発電設備は腐食してしまう。したがって、上述の環境下においては、空気から硫化水素ガスを除去した清浄空気を建屋内に取り込まなければならない。
そこで、硫化水素除去装置として、硫化水素除去フィルターと清浄空気吸込ファンとが用いられる。硫化水素除去フィルターは、空気から硫化水素ガスを除去するために、建屋の入口に設置される。清浄空気吸込ファンは、建屋内で硫化水素除去フィルターの下流側に設置される。清浄空気吸込ファンは、建屋の入口から空気を吸い込み、硫化水素除去フィルターにより空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を建屋内に取り込む。
この清浄空気吸込ファンは、過熱防止用風量により清浄空気を建屋内に取り込む。過熱防止用風量は、ディーゼル発電設備の過熱を抑えるのに必要な風量として、予め設定される。
特開2006−241983号公報
硫化水素除去フィルターは、上述の環境下で使用されているうちに目詰まりなどによって性能が低下していく。このため、清浄空気を建屋内に取り込む目的で硫化水素除去フィルターを使用し続けるには限界がある。このため、硫化水素除去フィルターの目詰まりを考慮して硫化水素除去フィルターを交換しなければならない。
硫化水素除去フィルターの使用可能時間は、上述の環境下における硫化水素ガスの濃度、および、清浄空気吸込ファンの風量により決まる。上述の環境下において硫化水素ガスの濃度が一定であると仮定した場合、清浄空気吸込ファンの風量が大きいほど、硫化水素除去フィルターの目詰まりが進行するため、硫化水素除去フィルターの使用可能時間は短くなる。
ディーゼル発電設備が運転の状態で常時使用される方式では、上述の過熱防止用風量により清浄空気を建屋内に常時取り込む必要がある。このため、硫化水素除去フィルターの交換時期は短い。
一方、ディーゼル発電設備は非常用のディーゼル発電設備として使用され、非常時にディーゼル発電設備の発電により生産された電力が利用される場合も想定される。ディーゼル発電設備が運転または停止の状態に切り替えられて使用される方式では、過熱防止用風量により清浄空気を建屋内に常時取り込んだ場合、ディーゼル発電設備が運転の状態で常時使用される方式と同様に、硫化水素除去フィルターの交換時期を短くしてしまう。このため、ディーゼル発電設備の運転の有無に関わらず、過熱防止用風量により清浄空気を建屋内に常時取り込むことは有効ではない。
ディーゼル発電設備が運転または停止の状態に切り替えられて使用される方式において、ディーゼル発電設備の運転の停止時に清浄空気吸込ファンの運転も停止することにより、硫化水素除去フィルターの交換時期を延長させることができる。しかし、上述の環境下においてはディーゼル発電設備の腐食を防止するために、ディーゼル発電設備の運転の停止時でも清浄空気吸込ファンをある程度運転させて建屋内を換気する必要がある。
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、ディーゼル発電設備が運転または停止の状態に切り替えられて使用される方式において、ディーゼル発電設備の腐食を防止するとともに、硫化水素除去フィルターの交換時期を延長させることにある。
実施形態の硫化水素除去装置は、空気に硫化水素ガスが含まれる環境下に配設された建屋内に設置され、運転時に清浄空気を用いて燃料を燃焼させて発電するディーゼル発電設備と、前記建屋の入口に設置され、硫化水素ガスによる前記ディーゼル発電設備の腐食を防止するための硫化水素除去フィルターと、前記建屋内で前記硫化水素除去フィルターの下流側に設置され、前記建屋の入口から前記硫化水素除去フィルターを介して空気を吸い込み、空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を前記建屋内に取り込む清浄空気吸込ファンと、前記ディーゼル発電設備が運転する通常運転モードと前記ディーゼル発電設備の運転が停止する換気運転モードとを交互に切り替える制御装置と、を具備し、前記制御装置は、前記通常運転モードにおいて、前記清浄空気吸込ファンの風量を、前記ディーゼル発電設備の過熱を抑えるために必要な風量である過熱防止用風量に設定する通常運転部と、前記換気運転モードにおいて、前記清浄空気吸込ファンの風量を、前記過熱防止用風量よりも小さく、かつ、前記建屋内の換気に必要な風量である換気用風量に設定する換気運転部と、を備えていることを特徴とする。
実施形態の硫化水素除去方法は、空気に硫化水素ガスが含まれる環境下に配設された建屋内に設置されたディーゼル発電設備が運転時に清浄空気を用いて燃料を燃焼させて発電する工程と、硫化水素ガスによる前記ディーゼル発電設備の腐食を防止するために、前記建屋の入口に設置された硫化水素除去フィルターにより、空気から硫化水素ガスを除去する工程と、前記建屋内で前記硫化水素除去フィルターの下流側に設置された清浄空気吸込ファンにより、前記建屋の入口から前記硫化水素除去フィルターを介して空気を吸い込み、空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を前記建屋内に取り込む工程と、前記ディーゼル発電設備が運転する通常運転モードと前記ディーゼル発電設備の運転が停止する換気運転モードとを交互に切り替える工程と、前記通常運転モードにおいて、前記清浄空気吸込ファンの風量を、前記ディーゼル発電設備の過熱を抑えるために必要な風量である過熱防止用風量に設定する工程と、前記換気運転モードにおいて、前記清浄空気吸込ファンの風量を、前記過熱防止用風量よりも小さく、かつ、前記建屋内の換気に必要な風量である換気用風量に設定する工程と、を具備することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、ディーゼル発電設備が運転または停止の状態に切り替えられて使用される方式において、ディーゼル発電設備の腐食を防止するとともに、硫化水素除去フィルターの交換時期を延長させることができる。
第1実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第2実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第3実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第3実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第4実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第4実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第5実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第5実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第6実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第6実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第7実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第7実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第8実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第8実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第9実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第9実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第10実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第10実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第11実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第11実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第12実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第12実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第13実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第13実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第14実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第14実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第15実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第15実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第16実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第16実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第17実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第17実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。 第18実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。 第18実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
以下、本発明に係る硫化水素除去装置の実施形態について、図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第1実施形態に係る硫化水素除去装置は、例えば、地熱発電所において、空気に硫化水素ガスが含まれる環境下に配設された非常用発電設備に適用される。
第1実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2と、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、ディーゼル発電設備13と、を具備している。
ディーゼル発電設備13は、地熱発電所の近くに配設された建屋1内に設けられ、その機器として、ラジエータ4、エンジン5、発電機6、排風ダクト7および排気管8を備えている。ラジエータ4はエンジン5の前方に設けられ、発電機6はエンジン5と連結している。排気管8は、その一端がエンジン5に接続され、その他端が建屋1の外に設けられている。排風ダクト7は、その入口側が発電機6の後方に設けられ、その出口側が建屋1の外に設けられている。ディーゼル発電設備13は、上記構成により、運転時に清浄空気を用いて燃料を燃焼させて発電する。
ディーゼル発電設備13は非常用の発電設備として使用され、非常時にディーゼル発電設備13の発電により生産された電力が利用される。そのため、ディーゼル発電設備13は、運転または停止の状態に切り替えられて使用される。
ディーゼル発電設備13は金属製の部材により形成されている。このため、上述の環境下においては、ディーゼル発電設備13に付着した空気中の水分と大気中の空気に含まれる硫化水素ガスとが反応することにより、ディーゼル発電設備13は腐食してしまう。したがって、硫化水素ガスによるディーゼル発電設備13の腐食を防止するために、硫化水素除去フィルター2は建屋1の入口に設置されている。
清浄空気吸込ファン3は、建屋1内で硫化水素除去フィルター2の下流側に設置されている。清浄空気吸込ファン3は、後述の第1または第2制御信号に応じて、建屋1の入口から硫化水素除去フィルター2を介して大気中の空気を吸い込み、大気中の空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を建屋1内に取り込む。
硫化水素除去フィルター2は、例えば、従来から利用されている活性炭吸着剤を使用したものでよい。これは、活性炭に硫化水素を吸着させるものである。
また、硫化水素除去フィルター2の他の具体例として、アルカリ性フィルターを用いることもできる。硫化水素除去フィルター2としてアルカリ性フィルターを用いる場合は硫化水素除去フィルター2の量を活性炭吸着剤を使用したものよりも少なくでき、設置スペースを縮小させることができる。
電源投入用遮断器10は、建屋1内または建屋1の外(あるいは地下)に設置されている。電源投入用遮断器10は、ディーゼル発電設備13と電源ライン14との間に設けられている。電源ライン14は、ディーゼル発電設備13の発電により生産される電力を供給するために設けられている。電源投入用遮断器10は、作業員の操作により、ディーゼル発電設備13の運転時に閉じられる。
制御装置9は、清浄空気吸込ファン3と電源投入用遮断器10とに接続されている。ディーゼル発電設備13は、非常時に確実に運転できるように、運転の状態と停止の状態とが交互に切り替えられる。そのため、制御装置9は、ディーゼル発電設備13が運転する通常運転モードと、ディーゼル発電設備13の運転が停止する換気運転モードと、を交互に切り替える。
制御装置9は、建屋1内または建屋1の外(あるいは地下)に設置されたコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)と記憶装置とを具備している。記憶装置にはコンピュータプログラムが格納され、CPUは、記憶装置からコンピュータプログラムを読み出して、そのコンピュータプログラムを実行する。制御装置9は、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、遮断監視部44と、モード設定部46と、を備えている。
モード設定部46は、後述の遮断器監視結果に基づいて、通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える。
通常運転部41は、通常運転モードにおいて、清浄空気吸込ファン3の風量を過熱防止用風量F1に設定するための第1制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。過熱防止用風量F1は、ディーゼル発電設備13の過熱を抑えるのに必要な風量として、予め設定される。
換気運転部42は、換気運転モードにおいて、清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定するための第2制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。換気用風量F2は、建屋1内の換気に必要な風量として、予め設定される。換気用風量F2は過熱防止用風量F1よりも小さい。例えば、過熱防止用風量F1を100%とした場合、換気用風量F2は過熱防止用風量F1の5%に設定される。
遮断監視部44は、電源投入用遮断器10を監視し、電源投入用遮断器10が閉じられている閉状態であるか否かを表す遮断器監視結果を生成する。
図2は、第1実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
最初は、清浄空気吸込ファン3が運転していないものとする。
まず、ディーゼル発電設備13が運転し、作業員の操作により電源投入用遮断器10が閉じられる。このとき、遮断監視部44は、電源投入用遮断器10の閉状態を表す遮断器監視結果を生成する。モード設定部46は、遮断器監視結果が電源投入用遮断器10の閉状態を表しているときに、運転モードを通常運転モードに設定する。
通常運転モードにおいて、通常運転部41は、清浄空気吸込ファン3の風量を過熱防止用風量F1に設定するための第1制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。清浄空気吸込ファン3は、第1制御信号に応じて、過熱防止用風量F1により清浄空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転時に取り込まれる清浄空気により、ディーゼル発電設備13の過熱が抑えられる。
その後、ディーゼル発電設備13の運転が停止し、作業員の操作により電源投入用遮断器10が開けられる。このとき、遮断監視部44は、電源投入用遮断器10の開状態を表す遮断器監視結果を生成する。モード設定部46は、遮断器監視結果が電源投入用遮断器10の閉状態を表していないときに、運転モードを通常運転モードから換気運転モードに切り替える。
換気運転モードにおいて、換気運転部42は、清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定するための第2制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。清浄空気吸込ファン3は、第2制御信号に応じて、換気用風量F2により清浄空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転の停止時に取り込まれる清浄空気により、建屋1内が換気される。
その後、ディーゼル発電設備13が運転し、作業員の操作により電源投入用遮断器10が閉じられた場合、遮断監視部44は、電源投入用遮断器10の閉状態を表す遮断器監視結果を生成する。この場合、モード設定部46は、前述した遮断器監視結果により、運転モードを換気運転モードから通常運転モードに切り替える。
以上の説明により、第1実施形態に係る硫化水素除去装置では、ディーゼル発電設備13を非常用のディーゼル発電設備として使用する場合、ディーゼル発電設備13が運転または停止の状態に切り替えられて使用される。この場合、ディーゼル発電設備13の運転時には電源投入用遮断器10が閉じられる。制御装置9は、電源投入用遮断器10を監視することにより運転モードを判断し、電源投入用遮断器10が閉じられているときに運転モードを通常運転モードに切り替え、電源投入用遮断器10が閉じられていないときに運転モードを換気運転モードに切り替えている。
そこで、第1実施形態に係る硫化水素除去装置では、制御装置9は、通常運転モードにおいて清浄空気吸込ファン3の風量を過熱防止用風量F1に設定し、換気運転モードにおいて清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定している。通常運転モードおよび換気運転モードにおいて、清浄空気吸込ファン3は、建屋1の入口から硫化水素除去フィルター2を介して大気中の空気を吸い込み、大気中の空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を建屋1内に取り込んでいる。このため、第1実施形態に係る硫化水素除去装置は、ディーゼル発電設備13の腐食を常に防止することができる。
また、第1実施形態に係る硫化水素除去装置では、過熱防止用風量F1はディーゼル発電設備13の過熱を抑えるのに必要な風量として設定されているのに対して、換気用風量F2は、過熱防止用風量F1よりも小さく、かつ、建屋1内の換気に必要な風量として設定されている。このため、換気運転モードにおいては通常運転モードよりも硫化水素除去フィルター2の目詰まりの進行が遅い。その結果、第1実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2の使用可能時間を延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター2の交換時期を延長させることができる。
このように、第1実施形態に係る硫化水素除去装置によれば、ディーゼル発電設備13が運転または停止の状態に切り替えられて使用される方式において、ディーゼル発電設備13の腐食を防止するとともに、硫化水素除去フィルター2の交換時期を延長させることができる。
特に、硫化水素除去フィルター2としてアルカリ性フィルターを用いる場合は、前述のように、硫化水素除去フィルター2の量を活性炭吸着剤を使用したものよりも少なくでき、設置スペースを縮小させることができる。アルカリ性フィルターは大気中の二酸化炭素および水分も同時に吸収するため、一般に劣化が早く、フィルター交換頻度が高くなることが予測されるが、この実施形態ではディーゼル発電設備の運転有無に応じて硫化水素除去フィルター2を流れる空気の流量を適切に制御するため、硫化水素除去フィルター2の交換時期を延長させることができ、アルカリ性フィルターを採用する上で有利である。
[第2実施形態]
第1実施形態に係る硫化水素除去装置では、作業員が操作する電源投入用遮断器10を監視することにより運転モードを判断している。第2実施形態に係る硫化水素除去装置では、ディーゼル発電設備13に起動命令を供給することによりディーゼル発電設備13の運転を開始させ、その起動命令を監視することにより運転モードを判断する。第2実施形態について、第1実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第1実施形態と同様である。
図3は、第2実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第2実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2と、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、起動指令装置11と、ディーゼル発電設備13と、を具備している。すなわち、第2実施形態に係る硫化水素除去装置は、第1実施形態の構成に対して、さらに、起動指令装置11を具備している。
起動指令装置11は、建屋1内または建屋1の外(あるいは地下)に設置されている。起動指令装置11は、作業員の操作により、ディーゼル発電設備13を起動させるための起動命令15をディーゼル発電設備13に供給する。ディーゼル発電設備13は起動命令15に応じて運転する。
制御装置9は、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、起動監視部45と、モード設定部46と、を備えている。すなわち、制御装置9は、第1実施形態における遮断監視部44に代えて、起動監視部45を備えている。
モード設定部46は、第1実施形態における遮断器監視結果に代えて、後述の起動監視結果に基づいて、通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える。
起動監視部45は、起動指令装置11を監視し、起動指令装置11からディーゼル発電設備13に起動命令15が供給されているか否かを表す起動監視結果を生成する。起動命令15は、例えば、その信号レベルがハイレベルである場合を有効とし、ロウレベルである場合を無効とする。起動命令15の信号レベルがハイレベルである場合(有効である場合)は起動指令装置11からディーゼル発電設備13に起動命令15が供給されていることになる。
起動監視部45が行う起動指令装置11の監視としては、例えば、起動指令装置11が起動命令15をディーゼル発電設備13のみに供給する方式(図示省略)と、起動指令装置11が起動命令15をディーゼル発電設備13および制御装置9に供給する方式(図3参照)との2通り挙げられる。起動指令装置11が起動命令15をディーゼル発電設備13のみに供給する方式において、起動監視部45は、起動指令装置11からディーゼル発電設備13に接続された通信路の信号のレベルを監視して、起動指令装置11からディーゼル発電設備13に起動命令15が供給されているか否かを判定する。起動指令装置11が起動命令15をディーゼル発電設備13および制御装置9に供給する方式において、起動監視部45は、起動指令装置11から供給された起動命令15の信号レベルを監視して、起動指令装置11からディーゼル発電設備13に起動命令15が供給されているか否かを判定する。
図4は、第2実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
最初は、清浄空気吸込ファン3が運転していないものとする。
まず、作業員の操作により、その信号レベルがハイレベル(有効)である起動命令15が起動指令装置11からディーゼル発電設備13および制御装置9に供給され、電源投入用遮断器10が閉じられる。このとき、ディーゼル発電設備13は起動命令15“有効”に応じて運転し、起動監視部45は、起動指令装置11からディーゼル発電設備13に起動命令15“有効”が供給されていることを表す起動監視結果を生成する。モード設定部46は、起動監視結果が起動命令15“有効”の供給を表しているときに、運転モードを通常運転モードに設定する。
通常運転モードにおいて、通常運転部41は、清浄空気吸込ファン3の風量を過熱防止用風量F1に設定するための第1制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。清浄空気吸込ファン3は、第1制御信号に応じて、過熱防止用風量F1により清浄空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転時に取り込まれる清浄空気により、ディーゼル発電設備13の過熱が抑えられる。
その後、作業員の操作により、その信号レベルがロウレベル(無効)である起動命令15が起動指令装置11からディーゼル発電設備13および制御装置9に供給され、電源投入用遮断器10が開けられる。このとき、ディーゼル発電設備13は起動命令15“無効”に応じて運転を停止し、起動監視部45は、起動指令装置11からディーゼル発電設備13に起動命令15“無効”が供給されていることを表す起動監視結果を生成する。モード設定部46は、起動監視結果が起動命令15“有効”の供給を表していないときに、運転モードを通常運転モードから換気運転モードに切り替える。
換気運転モードにおいて、換気運転部42は、清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定するための第2制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。清浄空気吸込ファン3は、第2制御信号に応じて、換気用風量F2により清浄空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転の停止時に取り込まれる清浄空気により、建屋1内が換気される。
その後、作業員の操作により、起動命令15“有効”が起動指令装置11からディーゼル発電設備13および制御装置9に供給され、電源投入用遮断器10が閉じられた場合、ディーゼル発電設備13は起動命令15“有効”に応じて運転し、起動監視部45は、起動命令15“有効”の供給を表す起動監視結果を生成する。この場合、モード設定部46は、上記起動監視結果により、運転モードを換気運転モードから通常運転モードに切り替える。
以上の説明により、第2実施形態に係る硫化水素除去装置では、起動指令装置11は、ディーゼル発電設備13に起動命令15を供給することによりディーゼル発電設備13の運転を開始させる。この場合、制御装置9は、起動命令15を監視することにより運転モードを判断し、ディーゼル発電設備13に起動命令15“有効”が供給されているときに運転モードを通常運転モードに切り替え、ディーゼル発電設備13に起動命令15“有効”が供給されていないときに、すなわち、ディーゼル発電設備13に起動命令15“無効”が供給されているときに運転モードを換気運転モードに切り替えている。
そこで、第2実施形態に係る硫化水素除去装置では、制御装置9は、通常運転モードにおいて清浄空気吸込ファン3の風量を過熱防止用風量F1に設定し、換気運転モードにおいて清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定している。通常運転モードおよび換気運転モードにおいて、清浄空気吸込ファン3は、建屋1の入口から硫化水素除去フィルター2を介して大気中の空気を吸い込み、大気中の空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を建屋1内に取り込んでいる。このため、第2実施形態に係る硫化水素除去装置は、ディーゼル発電設備13の腐食を常に防止することができる。
また、第2実施形態に係る硫化水素除去装置では、過熱防止用風量F1はディーゼル発電設備13の過熱を抑えるのに必要な風量として設定されているのに対して、換気用風量F2は、過熱防止用風量F1よりも小さく、かつ、建屋1内の換気に必要な風量として設定されている。このため、換気運転モードにおいては通常運転モードよりも硫化水素除去フィルター2の目詰まりの進行が遅い。その結果、第2実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2の使用可能時間を延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター2の交換時期を延長させることができる。
このように、第2実施形態に係る硫化水素除去装置によれば、ディーゼル発電設備13が運転または停止の状態に切り替えられて使用される方式において、ディーゼル発電設備13の腐食を防止するとともに、硫化水素除去フィルター2の交換時期を延長させることができる。
[第3実施形態]
ディーゼル発電設備13の運転時においては建屋1内の温度が常温から徐々に上昇し、ディーゼル発電設備13の運転の停止時においては、ディーゼル発電設備13の運転時に上昇した温度が常温になるまで下降する。そこで、第3実施形態に係る硫化水素除去装置では、建屋1内の温度を監視することにより運転モードを判断する。第3実施形態について、第1実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第1実施形態と同様である。
図5は、第3実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第3実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2と、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、複数の温度計12と、ディーゼル発電設備13と、を具備している。すなわち、第3実施形態に係る硫化水素除去装置は、第1実施形態の構成に対して、さらに、複数の温度計12を具備している。
複数の温度計12は、建屋1内にランダムに設置されている。複数の温度計12の各々は、その設置場所の温度を計測し、建屋1内の温度である室内温度として制御装置9に出力する。
制御装置9は、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、モード設定部46と、温度入力部47と、を備えている。すなわち、制御装置9は、第1実施形態における遮断監視部44に代えて、温度入力部47を備えている。
モード設定部46は、第1実施形態における遮断器監視結果に代えて、後述の室内温度の値Tの平均値に基づいて、通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える。
温度入力部47は、複数の温度計12により計測された室内温度の値Tを入力し、その平均値を算出する。
図6は、第3実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
最初は、清浄空気吸込ファン3が運転していないものとする。また、温度入力部47は、常時、複数の温度計12により計測された室内温度の値Tを入力し、その平均値を算出している。
まず、ディーゼル発電設備13が運転し、作業員の操作により電源投入用遮断器10が閉じられる。このとき、ディーゼル発電設備13が運転することにより、室内温度が少しずつ上昇する。モード設定部46は、室内温度の値Tの平均値が規定温度値Toよりも高いときにディーゼル発電設備13が運転していると判断して、運転モードを通常運転モードに設定する。
通常運転モードにおいて、通常運転部41は、清浄空気吸込ファン3の風量を過熱防止用風量F1に設定するための第1制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。清浄空気吸込ファン3は、第1制御信号に応じて、過熱防止用風量F1により清浄空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転時に取り込まれる清浄空気により、ディーゼル発電設備13の過熱が抑えられる。
その後、ディーゼル発電設備13の運転が停止し、作業員の操作により電源投入用遮断器10が開けられる。このとき、ディーゼル発電設備13の運転が停止することにより、室内温度が少しずつ下がる。モード設定部46は、室内温度の値Tの平均値が規定温度値To以下であるときにディーゼル発電設備13の運転が停止していると判断して、運転モードを通常運転モードから換気運転モードに切り替える。
換気運転モードにおいて、換気運転部42は、清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定するための第2制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。清浄空気吸込ファン3は、第2制御信号に応じて、換気用風量F2により清浄空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転の停止時に取り込まれる清浄空気により、建屋1内が換気される。
その後、ディーゼル発電設備13が運転し、作業員の操作により電源投入用遮断器10が閉じられた場合、ディーゼル発電設備13が運転することにより、室内温度が少しずつ上昇する。モード設定部46は、室内温度の値Tの平均値が規定温度値Toよりも高いときに、運転モードを換気運転モードから通常運転モードに切り替える。
以上の説明により、第3実施形態に係る硫化水素除去装置では、温度を計測する複数の温度計12を建屋1内に配置し、制御装置9は、建屋1内の温度である室内温度を監視することにより運転モードを判断し、室内温度の値Tの平均値が規定温度値Toよりも高いときに運転モードを通常運転モードに切り替え、室内温度の値Tの平均値が規定温度値To以下であるときに運転モードを換気運転モードに切り替えている。
そこで、第3実施形態に係る硫化水素除去装置では、制御装置9は、通常運転モードにおいて清浄空気吸込ファン3の風量を過熱防止用風量F1に設定し、換気運転モードにおいて清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定している。通常運転モードおよび換気運転モードにおいて、清浄空気吸込ファン3は、建屋1の入口から硫化水素除去フィルター2を介して大気中の空気を吸い込み、大気中の空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を建屋1内に取り込んでいる。このため、第3実施形態に係る硫化水素除去装置は、ディーゼル発電設備13の腐食を常に防止することができる。
また、第3実施形態に係る硫化水素除去装置では、過熱防止用風量F1はディーゼル発電設備13の過熱を抑えるのに必要な風量として設定されているのに対して、換気用風量F2は、過熱防止用風量F1よりも小さく、かつ、建屋1内の換気に必要な風量として設定されている。このため、換気運転モードにおいては通常運転モードよりも硫化水素除去フィルター2の目詰まりの進行が遅い。その結果、第3実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2の使用可能時間を延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター2の交換時期を延長させることができる。
このように、第3実施形態に係る硫化水素除去装置によれば、ディーゼル発電設備13が運転または停止の状態に切り替えられて使用される方式において、ディーゼル発電設備13の腐食を防止するとともに、硫化水素除去フィルター2の交換時期を延長させることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係る硫化水素除去装置では、換気運転モードにおいてタイマーのカウントに応じて間欠運転を行うことにより、硫化水素除去フィルター2の交換時期を第1実施形態よりも延長させる。第4実施形態について、第1実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第1実施形態と同様である。
図7は、第4実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第4実施形態に係る硫化水素除去装置は、第1実施形態の構成と同様に、硫化水素除去フィルター2と、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、ディーゼル発電設備13と、を具備している。
制御装置9は、第1実施形態の構成と同様に、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、遮断監視部44と、モード設定部46と、を備えている。
換気運転部42は、換気運転モードにおいて間欠運転を行うためのタイマー21および間欠運転部43を備えている。
タイマー21は、換気運転モードにおいて時間をカウントし、第1設定時間t1が経過するまで第1トリガを出力する処理と、第1設定時間t1の後の第2設定時間t2が経過するまで第2トリガを出力する処理とを交互に繰り返す。間欠運転部43は、第1トリガに応じて清浄空気吸込ファン3を運転し、第2トリガに応じて清浄空気吸込ファン3を運転しない。
図8は、第4実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える動作については第1実施形態と同様であるため、ここでは換気運転モード時の間欠運転について説明する。
通常運転モードから換気運転モードに切り替わったとき、換気運転部42のタイマー21は、時間をカウントする。
その換気運転モード時の間欠運転において、タイマー21は、第1設定時間t1が経過するまで第1トリガを出力する。この場合、換気運転部42の間欠運転部43は、第1トリガに応じて、清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定するための第2制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。清浄空気吸込ファン3は、第2制御信号に応じて、換気用風量F2により清浄空気を建屋1内に取り込む。このように、間欠運転部43は、第1設定時間t1が経過するまで換気用風量F2により清浄空気吸込ファン3を運転する。
また、換気運転モード時の間欠運転において、タイマー21は、第1設定時間t1が経過した後、第2設定時間t2が経過するまで第2トリガを出力する。この場合、間欠運転部43は、第2トリガに応じて、清浄空気吸込ファン3への第2制御信号の出力を停止する。このように、間欠運転部43は、第2設定時間t2が経過するまで清浄空気吸込ファン3を運転しない。
この換気運転モード時の間欠運転では、タイマー21は、第1設定時間t1が経過するまで第1トリガを出力する処理と、第1設定時間t1の後の第2設定時間t2が経過するまで第2トリガを出力する処理とを交互に繰り返し、間欠運転部43は、第1トリガに応じて換気用風量F2により清浄空気吸込ファン3を運転する処理と、第2トリガに応じて清浄空気吸込ファン3を運転しない処理とを交互に繰り返す。
以上の説明により、第4実施形態に係る硫化水素除去装置では、換気運転モードにおいて、制御装置9は、第1設定時間t1と第2設定時間t2とを交互にカウントするタイマー21を設け、第1設定時間t1および第2設定時間t2を利用することにより間欠運転を行っている。このため、換気運転モード時の間欠運転においては、第1実施形態における換気運転モードよりも硫化水素除去フィルター2の目詰まりの進行が遅い。その結果、第4実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2の使用可能時間を第1実施形態よりも延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター2の交換時期を第1実施形態よりも延長させることができる。
[第5実施形態]
第5実施形態に係る硫化水素除去装置では、換気運転モードにおいて硫化水素濃度に応じて間欠運転を行うことにより、硫化水素除去フィルター2の交換時期を第1実施形態よりも延長させる。第5実施形態について、第1実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第1実施形態と同様である。
図9は、第5実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第5実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2と、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、ディーゼル発電設備13と、複数の硫化水素濃度検出器22と、を具備している。すなわち、第5実施形態に係る硫化水素除去装置は、第1実施形態の構成に対して、さらに、複数の硫化水素濃度検出器22を具備している。
複数の硫化水素濃度検出器22は、建屋1内にランダムに設置されている。複数の硫化水素濃度検出器22の各々は、その設置場所の硫化水素の濃度を計測し、建屋1内の硫化水素濃度Cとして制御装置9に出力する。
制御装置9は、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、遮断監視部44と、モード設定部46と、濃度入力部48と、を備えている。すなわち、制御装置9は、第1実施形態の構成に対して、さらに、濃度入力部48を備えている。
濃度入力部48は、複数の硫化水素濃度検出器22により計測された硫化水素濃度Cを入力し、その平均値を算出する。
換気運転部42は、換気運転モードにおいて間欠運転を行うための間欠運転部43を備えている。
間欠運転部43は、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Coよりも高いときに清浄空気吸込ファン3を運転し、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Co以下であるときに清浄空気吸込ファン3を運転しない。
図10は、第5実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える動作については第1実施形態と同様であるため、ここでは換気運転モード時の間欠運転について説明する。
通常運転モードから換気運転モードに切り替わったとき、濃度入力部48は、複数の硫化水素濃度検出器22により計測された硫化水素濃度Cを入力し、その平均値を算出する。
その換気運転モード時の間欠運転において、換気運転部42の間欠運転部43は、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Coよりも高いときに、清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定するための第2制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。清浄空気吸込ファン3は、第2制御信号に応じて、換気用風量F2により清浄空気を建屋1内に取り込む。このように、間欠運転部43は、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Coよりも高いときに、換気用風量F2により清浄空気吸込ファン3を運転する。
また、換気運転モード時の間欠運転において、間欠運転部43は、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Co以下であるときに、清浄空気吸込ファン3への第2制御信号の出力を停止する。このように、間欠運転部43は、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Co以下であるときに、清浄空気吸込ファン3を運転しない。
この換気運転モード時の間欠運転では、間欠運転部43は、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Coよりも高いときに換気用風量F2により清浄空気吸込ファン3を運転する処理と、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Co以下であるときに清浄空気吸込ファン3を運転しない処理とを交互に繰り返す。
以上の説明により、第5実施形態に係る硫化水素除去装置では、硫化水素濃度Cを計測する複数の硫化水素濃度検出器22を建屋1内に配置し、換気運転モードにおいて、制御装置9は、建屋1内の硫化水素濃度Cを監視することにより間欠運転を行っている。このため、換気運転モード時の間欠運転においては、第1実施形態における換気運転モードよりも硫化水素除去フィルター2の目詰まりの進行が遅い。その結果、第5実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2の使用可能時間を第1実施形態よりも延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター2の交換時期を第1実施形態よりも延長させることができる。
[第6実施形態]
第6実施形態について、第2実施形態および第4実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第2実施形態および第4実施形態と同様である。
図11は、第6実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第6実施形態に係る硫化水素除去装置は、第2実施形態の構成と同様に、硫化水素除去フィルター2と、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、起動指令装置11と、ディーゼル発電設備13と、を具備している。
制御装置9は、第2実施形態の構成と同様に、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、起動監視部45と、モード設定部46と、を備えている。
換気運転部42は、第4実施形態の構成と同様に、タイマー21および間欠運転部43を備えている。
図12は、第6実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える動作については第2実施形態と同様である。また、換気運転モード時の間欠運転については第4実施形態と同様である。
以上の説明により、第6実施形態に係る硫化水素除去装置では、換気運転モードにおいて、制御装置9は、第1設定時間t1と第2設定時間t2とを交互にカウントするタイマー21を設け、第1設定時間t1および第2設定時間t2を利用することにより間欠運転を行っている。このため、換気運転モード時の間欠運転においては、第2実施形態における換気運転モードよりも硫化水素除去フィルター2の目詰まりの進行が遅い。その結果、第6実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2の使用可能時間を第2実施形態よりも延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター2の交換時期を第2実施形態よりも延長させることができる。
[第7実施形態]
第7実施形態について、第2実施形態および第5実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第2実施形態および第5実施形態と同様である。
図13は、第7実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第7実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2と、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、起動指令装置11と、ディーゼル発電設備13と、複数の硫化水素濃度検出器22と、を具備している。すなわち、第7実施形態に係る硫化水素除去装置は、第2実施形態の構成に対して、さらに、複数の硫化水素濃度検出器22を具備している。
制御装置9は、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、起動監視部45と、モード設定部46と、濃度入力部48と、を備えている。すなわち、制御装置9は、第2実施形態の構成に対して、さらに、濃度入力部48を備えている。
換気運転部42は、第5実施形態の構成と同様に、間欠運転部43を備えている。
図14は、第7実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える動作については第2実施形態と同様である。また、換気運転モード時の間欠運転については第5実施形態と同様である。
以上の説明により、第7実施形態に係る硫化水素除去装置では、硫化水素濃度Cを計測する複数の硫化水素濃度検出器22を建屋1内に配置し、換気運転モードにおいて、制御装置9は、建屋1内の硫化水素濃度Cを監視することにより間欠運転を行っている。このため、換気運転モード時の間欠運転においては、第2実施形態における換気運転モードよりも硫化水素除去フィルター2の目詰まりの進行が遅い。その結果、第7実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2の使用可能時間を第2実施形態よりも延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター2の交換時期を第2実施形態よりも延長させることができる。
[第8実施形態]
第8実施形態について、第3実施形態および第4実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第3実施形態および第4実施形態と同様である。
図15は、第8実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第8実施形態に係る硫化水素除去装置は、第3実施形態の構成と同様に、硫化水素除去フィルター2と、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、複数の温度計12と、ディーゼル発電設備13と、を具備している。
制御装置9は、第3実施形態の構成と同様に、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、モード設定部46と、温度入力部47と、を備えている。
換気運転部42は、第4実施形態の構成と同様に、タイマー21および間欠運転部43を備えている。
図16は、第8実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える動作については第3実施形態と同様である。また、換気運転モード時の間欠運転については第4実施形態と同様である。
以上の説明により、第8実施形態に係る硫化水素除去装置では、換気運転モードにおいて、制御装置9は、第1設定時間t1と第2設定時間t2とを交互にカウントするタイマー21を設け、第1設定時間t1および第2設定時間t2を利用することにより間欠運転を行っている。このため、換気運転モード時の間欠運転においては、第3実施形態における換気運転モードよりも硫化水素除去フィルター2の目詰まりの進行が遅い。その結果、第8実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2の使用可能時間を第3実施形態よりも延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター2の交換時期を第3実施形態よりも延長させることができる。
[第9実施形態]
第9実施形態について、第3実施形態および第5実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第3実施形態および第5実施形態と同様である。
図17は、第9実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第9実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2と、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、複数の温度計12と、ディーゼル発電設備13と、複数の硫化水素濃度検出器22と、を具備している。すなわち、第9実施形態に係る硫化水素除去装置は、第3実施形態の構成に対して、さらに、複数の硫化水素濃度検出器22を具備している。
制御装置9は、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、モード設定部46と、温度入力部47と、濃度入力部48と、を備えている。すなわち、制御装置9は、第3実施形態の構成に対して、さらに、濃度入力部48を備えている。
換気運転部42は、第5実施形態の構成と同様に、間欠運転部43を備えている。
図18は、第9実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える動作については第3実施形態と同様である。また、換気運転モード時の間欠運転については第5実施形態と同様である。
以上の説明により、第9実施形態に係る硫化水素除去装置では、硫化水素濃度Cを計測する複数の硫化水素濃度検出器22を建屋1内に配置し、換気運転モードにおいて、制御装置9は、建屋1内の硫化水素濃度Cを監視することにより間欠運転を行っている。このため、換気運転モード時の間欠運転においては、第3実施形態における換気運転モードよりも硫化水素除去フィルター2の目詰まりの進行が遅い。その結果、第9実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター2の使用可能時間を第3実施形態よりも延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター2の交換時期を第3実施形態よりも延長させることができる。
[第10実施形態]
図19は、第10実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第10実施形態に係る硫化水素除去装置は、大気中の空気に硫化水素ガスが含まれる環境下に配設された建屋1(商業建屋や工業建屋など)に適用される。例えば、建屋1は、地熱発電所の近くに設けられる。
第10実施形態に係る硫化水素除去装置は、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、ディーゼル発電設備13と、運転時開放シャッター31と、硫化水素除去フィルター32と、大気吸込ファン33と、停止時開放シャッター34と、を具備している。
ディーゼル発電設備13は、地熱発電所の近くに配設された建屋1内に設けられ、その機器として、ラジエータ4、エンジン5、発電機6、排風ダクト7および排気管8を備えている。ラジエータ4はエンジン5の前方に設けられ、発電機6はエンジン5と連結している。排気管8は、その一端がエンジン5に接続され、その他端が建屋1の外に設けられている。排風ダクト7は、その入口側が発電機6の後方に設けられ、その出口側が建屋1の外に設けられている。ディーゼル発電設備13は、上記構成により、運転時に清浄空気を用いて燃料を燃焼させて発電する。
ディーゼル発電設備13は非常用のディーゼル発電設備として使用され、非常時にディーゼル発電設備13の発電により生産された電力が利用される。そのため、ディーゼル発電設備13は、運転または停止の状態に切り替えられて使用される。
運転時開放シャッター31は、建屋1の第1の入口に設置されている。運転時開放シャッター31は、後述の開状態制御信号に応じて開き、後述の閉状態制御信号に応じて閉まる。
大気吸込ファン33は、建屋1内で運転時開放シャッター31の下流側に設置されている。大気吸込ファン33は、後述の大気吸込ファン制御信号に応じて運転し、建屋1の第1の入口から建屋1内に大気中の空気を吸い込む。
ディーゼル発電設備13は金属製の部材により形成されている。このため、上述の環境下においては、ディーゼル発電設備13に付着した空気中の水分と大気中の空気に含まれる硫化水素ガスとが反応することにより、ディーゼル発電設備13は腐食してしまう。したがって、硫化水素ガスによるディーゼル発電設備13の腐食を防止するために、硫化水素除去フィルター32は建屋1の第2の入口に設置されている。
ディーゼル発電設備13の運転時において、ディーゼル発電設備13の各機器の温度は常温から上昇し、70℃から100℃ぐらいの高温になる。この場合、ディーゼル発電設備13に付着した水分が蒸発するため、ディーゼル発電設備13は腐食しない。そのため、硫化水素除去フィルター32は、ディーゼル発電設備13の運転の停止時に使用される。
停止時開放シャッター34は、建屋1の第2の入口で硫化水素除去フィルター32の上流側に設置されている。停止時開放シャッター34は、後述の開状態制御信号に応じて開き、後述の閉状態制御信号に応じて閉まる。
清浄空気吸込ファン3は、建屋1内で硫化水素除去フィルター32の下流側に設置されている。清浄空気吸込ファン3は、後述の清浄空気吸込ファン制御信号に応じて運転し、建屋1の第2の入口から硫化水素除去フィルター32を介して大気中の空気を吸い込み、大気中の空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を建屋1内に取り込む。
電源投入用遮断器10は、建屋1内または建屋1の外(あるいは地下)に設置されている。電源投入用遮断器10は、ディーゼル発電設備13と電源ライン14との間に設けられている。電源ライン14は、ディーゼル発電設備13の発電により生産される電力を供給するために設けられている。電源投入用遮断器10は、作業員の操作により、ディーゼル発電設備13の運転時に閉じられる。
制御装置9は、電源投入用遮断器10と運転時開放シャッター31と大気吸込ファン33と停止時開放シャッター34と清浄空気吸込ファン3とに接続されている。ディーゼル発電設備13は、非常時に確実に運転できるように、運転の状態と停止の状態とが交互に切り替えられる。そのため、制御装置9は、ディーゼル発電設備13が運転する通常運転モードと、ディーゼル発電設備13の運転が停止する換気運転モードと、を交互に切り替える。
制御装置9は、建屋1内または建屋1の外(あるいは地下)に設置されたコンピュータであり、CPUと記憶装置とを具備している。記憶装置にはコンピュータプログラムが格納され、CPUは、記憶装置からコンピュータプログラムを読み出して、そのコンピュータプログラムを実行する。制御装置9は、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、遮断監視部44と、モード設定部46と、を備えている。
モード設定部46は、後述の遮断器監視結果に基づいて、通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える。
通常運転部41は、通常運転モードにおいて、運転時開放シャッター31を開いて、過熱防止用風量F1により大気吸込ファン33を運転し、停止時開放シャッター34を閉じて、清浄空気吸込ファン3の運転を停止する。具体的には、通常運転部41は、開状態制御信号を運転時開放シャッター31に出力し、大気吸込ファン33の風量を過熱防止用風量F1に設定するための大気吸込ファン制御信号を大気吸込ファン33に出力する。同時に、通常運転部41は、閉状態制御信号を停止時開放シャッター34に出力し、後述の清浄空気吸込ファン制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力しない。過熱防止用風量F1は、ディーゼル発電設備13の過熱を抑えるのに必要な風量として、予め設定される。
換気運転部42は、換気運転モードにおいて、運転時開放シャッター31を閉じて、大気吸込ファン33の運転を停止し、停止時開放シャッター34を開いて、換気用風量F2により清浄空気吸込ファン3を運転する。具体的には、換気運転部42は、閉状態制御信号を運転時開放シャッター31に出力し、大気吸込ファン制御信号を大気吸込ファン33に出力しない。同時に、通常運転部41は、開状態制御信号を停止時開放シャッター34に出力し、清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定するための清浄空気吸込ファン制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。換気用風量F2は、建屋1内の換気に必要な風量として、予め設定される。換気用風量F2は過熱防止用風量F1よりも小さい。例えば、過熱防止用風量F1を100%とした場合、換気用風量F2は過熱防止用風量F1の5%に設定される。
遮断監視部44は、電源投入用遮断器10を監視し、電源投入用遮断器10が閉じられている閉状態であるか否かを表す遮断器監視結果を生成する。
図20は、第10実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
最初は、運転時開放シャッター31および停止時開放シャッター34は閉じていて、大気吸込ファン33および清浄空気吸込ファン3が運転していないものとする。
まず、ディーゼル発電設備13が運転し、作業員の操作により電源投入用遮断器10が閉じられる。このとき、遮断監視部44は、電源投入用遮断器10の閉状態を表す遮断器監視結果を生成する。モード設定部46は、遮断器監視結果が電源投入用遮断器10の閉状態を表しているときに、運転モードを通常運転モードに設定する。
通常運転モードにおいて、通常運転部41は、開状態制御信号を運転時開放シャッター31に出力し、大気吸込ファン33の風量を過熱防止用風量F1に設定するための大気吸込ファン制御信号を大気吸込ファン33に出力する。同時に、通常運転部41は、閉状態制御信号を停止時開放シャッター34に出力し、後述の清浄空気吸込ファン制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力しない。運転時開放シャッター31は開状態制御信号に応じて開き、大気吸込ファン33は、大気吸込ファン制御信号に応じて運転し、過熱防止用風量F1により空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転時に取り込まれる空気により、ディーゼル発電設備13の過熱が抑えられる。
その後、ディーゼル発電設備13の運転が停止し、作業員の操作により電源投入用遮断器10が開けられる。このとき、遮断監視部44は、電源投入用遮断器10の開状態を表す遮断器監視結果を生成する。モード設定部46は、遮断器監視結果が電源投入用遮断器10の閉状態を表していないときに、運転モードを通常運転モードから換気運転モードに切り替える。
換気運転モードにおいて、換気運転部42は、閉状態制御信号を運転時開放シャッター31に出力し、大気吸込ファン制御信号を大気吸込ファン33に出力しない。同時に、通常運転部41は、開状態制御信号を停止時開放シャッター34に出力し、清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定するための清浄空気吸込ファン制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。運転時開放シャッター31は閉状態制御信号に応じて閉まり、大気吸込ファン33は運転を停止する。同時に、停止時開放シャッター34は開状態制御信号に応じて開き、清浄空気吸込ファン3は、清浄空気吸込ファン制御信号に応じて運転し、換気用風量F2により空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転の停止時に取り込まれる清浄空気により、建屋1内が換気される。
その後、ディーゼル発電設備13が運転し、作業員の操作により電源投入用遮断器10が閉じられた場合、遮断監視部44は、電源投入用遮断器10の閉状態を表す遮断器監視結果を生成する。この場合、モード設定部46は、前述した遮断器監視結果により、運転モードを換気運転モードから通常運転モードに切り替える。
以上の説明により、第10実施形態に係る硫化水素除去装置では、ディーゼル発電設備13を非常用のディーゼル発電設備として使用する場合、ディーゼル発電設備13が運転または停止の状態に切り替えられて使用される。この場合、ディーゼル発電設備13の運転時には電源投入用遮断器10が閉じられる。制御装置9は、電源投入用遮断器10を監視することにより運転モードを判断し、電源投入用遮断器10が閉じられているときに運転モードを通常運転モードに切り替え、電源投入用遮断器10が閉じられていないときに運転モードを換気運転モードに切り替えている。
また、第10実施形態に係る硫化水素除去装置では、ディーゼル発電設備13の運転時に各機器の温度が高温になる場合、ディーゼル発電設備13に付着した水分が蒸発するため、ディーゼル発電設備13は腐食しない。しかし、ディーゼル発電設備13の運転の停止時においては、ディーゼル発電設備13の運転時に上昇した温度が常温になるまで下降するため、ディーゼル発電設備13に付着した空気中の水分と大気中の空気に含まれる硫化水素ガスとが反応することにより、ディーゼル発電設備13は腐食してしまう。
そこで、第10実施形態に係る硫化水素除去装置では、制御装置9は、換気運転モードのみ清浄空気吸込ファン3を運転し、換気運転モードにおいて、清浄空気吸込ファン3は、建屋1の第2の入口から硫化水素除去フィルター32を介して大気中の空気を吸い込み、大気中の空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を建屋1内に取り込んでいる。このため、第10実施形態に係る硫化水素除去装置は、ディーゼル発電設備13の腐食を常に防止することができる。
また、第10実施形態に係る硫化水素除去装置では、換気運転モードのみ硫化水素除去フィルター32の目詰まりが進行する。しかも、過熱防止用風量F1はディーゼル発電設備13の過熱を抑えるのに必要な風量として設定されているのに対して、換気用風量F2は、過熱防止用風量F1よりも小さく、かつ、建屋1内の換気に必要な風量として設定されている。その結果、第10実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター32の使用可能時間を延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター32の交換時期を延長させることができる。
このように、第10実施形態に係る硫化水素除去装置によれば、ディーゼル発電設備13が運転または停止の状態に切り替えられて使用される方式において、ディーゼル発電設備13の腐食を防止するとともに、硫化水素除去フィルター32の交換時期を延長させることができる。
[第11実施形態]
第10実施形態に係る硫化水素除去装置では、作業員が操作する電源投入用遮断器10を監視することにより運転モードを判断している。第11実施形態に係る硫化水素除去装置では、ディーゼル発電設備13に起動命令を供給することによりディーゼル発電設備13の運転を開始させ、その起動命令を監視することにより運転モードを判断する。第11実施形態について、第10実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第10実施形態と同様である。
図21は、第11実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第11実施形態に係る硫化水素除去装置は、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、起動指令装置11と、ディーゼル発電設備13と、運転時開放シャッター31と、硫化水素除去フィルター32と、大気吸込ファン33と、停止時開放シャッター34と、を具備している。すなわち、第11実施形態に係る硫化水素除去装置は、第10実施形態の構成に対して、さらに、起動指令装置11を具備している。
起動指令装置11は、建屋1内または建屋1の外(あるいは地下)に設置されている。起動指令装置11は、作業員の操作により、ディーゼル発電設備13を起動させるための起動命令15をディーゼル発電設備13に供給する。ディーゼル発電設備13は起動命令15に応じて運転する。
制御装置9は、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、起動監視部45と、モード設定部46と、を備えている。すなわち、制御装置9は、第10実施形態における遮断監視部44に代えて、起動監視部45を備えている。
モード設定部46は、第10実施形態における遮断器監視結果に代えて、後述の起動監視結果に基づいて、通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える。
起動監視部45は、起動指令装置11を監視し、起動指令装置11からディーゼル発電設備13に起動命令15が供給されているか否かを表す起動監視結果を生成する。起動命令15は、例えば、その信号レベルがハイレベルである場合を有効とし、ロウレベルである場合を無効とする。起動命令15の信号レベルがハイレベルである場合(有効である場合)は起動指令装置11からディーゼル発電設備13に起動命令15が供給されていることになる。
起動監視部45が行う起動指令装置11の監視としては、例えば、起動指令装置11が起動命令15をディーゼル発電設備13のみに供給する方式(図示省略)と、起動指令装置11が起動命令15をディーゼル発電設備13および制御装置9に供給する方式(図21参照)との2通り挙げられる。起動指令装置11が起動命令15をディーゼル発電設備13のみに供給する方式において、起動監視部45は、起動指令装置11からディーゼル発電設備13に接続された通信路の信号のレベルを監視して、起動指令装置11からディーゼル発電設備13に起動命令15が供給されているか否かを判定する。起動指令装置11が起動命令15をディーゼル発電設備13および制御装置9に供給する方式において、起動監視部45は、起動指令装置11から供給された起動命令15の信号レベルを監視して、起動指令装置11からディーゼル発電設備13に起動命令15が供給されているか否かを判定する。
図22は、第11実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
最初は、運転時開放シャッター31および停止時開放シャッター34は閉じていて、大気吸込ファン33および清浄空気吸込ファン3が運転していないものとする。
まず、作業員の操作により、その信号レベルがハイレベル(有効)である起動命令15が起動指令装置11からディーゼル発電設備13および制御装置9に供給され、電源投入用遮断器10が閉じられる。このとき、ディーゼル発電設備13は起動命令15“有効”に応じて運転し、起動監視部45は、起動指令装置11からディーゼル発電設備13に起動命令15“有効”が供給されていることを表す起動監視結果を生成する。モード設定部46は、起動監視結果が起動命令15“有効”の供給を表しているときに、運転モードを通常運転モードに設定する。
通常運転モードにおいて、通常運転部41は、開状態制御信号を運転時開放シャッター31に出力し、大気吸込ファン33の風量を過熱防止用風量F1に設定するための大気吸込ファン制御信号を大気吸込ファン33に出力する。同時に、通常運転部41は、閉状態制御信号を停止時開放シャッター34に出力し、後述の清浄空気吸込ファン制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力しない。運転時開放シャッター31は開状態制御信号に応じて開き、大気吸込ファン33は、大気吸込ファン制御信号に応じて運転し、過熱防止用風量F1により空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転時に取り込まれる空気により、ディーゼル発電設備13の過熱が抑えられる。
その後、作業員の操作により、その信号レベルがロウレベル(無効)である起動命令15が起動指令装置11からディーゼル発電設備13および制御装置9に供給され、電源投入用遮断器10が開けられる。このとき、ディーゼル発電設備13は起動命令15“無効”に応じて運転を停止し、起動監視部45は、起動指令装置11からディーゼル発電設備13に起動命令15“無効”が供給されていることを表す起動監視結果を生成する。モード設定部46は、起動監視結果が起動命令15“有効”の供給を表していないときに、運転モードを通常運転モードから換気運転モードに切り替える。
換気運転モードにおいて、換気運転部42は、閉状態制御信号を運転時開放シャッター31に出力し、大気吸込ファン制御信号を大気吸込ファン33に出力しない。同時に、通常運転部41は、開状態制御信号を停止時開放シャッター34に出力し、清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定するための清浄空気吸込ファン制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。運転時開放シャッター31は閉状態制御信号に応じて閉まり、大気吸込ファン33は運転を停止する。同時に、停止時開放シャッター34は開状態制御信号に応じて開き、清浄空気吸込ファン3は、清浄空気吸込ファン制御信号に応じて運転し、換気用風量F2により空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転の停止時に取り込まれる清浄空気により、建屋1内が換気される。
その後、作業員の操作により、起動命令15“有効”が起動指令装置11からディーゼル発電設備13および制御装置9に供給され、電源投入用遮断器10が閉じられた場合、ディーゼル発電設備13は起動命令15“有効”に応じて運転し、起動監視部45は、起動命令15“有効”の供給を表す起動監視結果を生成する。この場合、モード設定部46は、上記起動監視結果により、運転モードを換気運転モードから通常運転モードに切り替える。
以上の説明により、第11実施形態に係る硫化水素除去装置では、起動指令装置11は、ディーゼル発電設備13に起動命令15を供給することによりディーゼル発電設備13の運転を開始させる。この場合、制御装置9は、起動命令15を監視することにより運転モードを判断し、ディーゼル発電設備13に起動命令15“有効”が供給されているときに運転モードを通常運転モードに切り替え、ディーゼル発電設備13に起動命令15“有効”が供給されていないときに、すなわち、ディーゼル発電設備13に起動命令15“無効”が供給されているときに運転モードを換気運転モードに切り替えている。
また、第11実施形態に係る硫化水素除去装置では、ディーゼル発電設備13の運転時に各機器の温度が高温になる場合、ディーゼル発電設備13に付着した水分が蒸発するため、ディーゼル発電設備13は腐食しない。しかし、ディーゼル発電設備13の運転の停止時においては、ディーゼル発電設備13の運転時に上昇した温度が常温になるまで下降するため、ディーゼル発電設備13に付着した空気中の水分と大気中の空気に含まれる硫化水素ガスとが反応することにより、ディーゼル発電設備13は腐食してしまう。
そこで、第11実施形態に係る硫化水素除去装置では、制御装置9は、換気運転モードのみ清浄空気吸込ファン3を運転し、換気運転モードにおいて、清浄空気吸込ファン3は、建屋1の第2の入口から硫化水素除去フィルター32を介して大気中の空気を吸い込み、大気中の空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を建屋1内に取り込んでいる。このため、第11実施形態に係る硫化水素除去装置は、ディーゼル発電設備13の腐食を常に防止することができる。
また、第11実施形態に係る硫化水素除去装置では、換気運転モードのみ硫化水素除去フィルター32の目詰まりが進行する。しかも、過熱防止用風量F1はディーゼル発電設備13の過熱を抑えるのに必要な風量として設定されているのに対して、換気用風量F2は、過熱防止用風量F1よりも小さく、かつ、建屋1内の換気に必要な風量として設定されている。その結果、第11実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター32の使用可能時間を延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター32の交換時期を延長させることができる。
このように、第11実施形態に係る硫化水素除去装置によれば、ディーゼル発電設備13が運転または停止の状態に切り替えられて使用される方式において、ディーゼル発電設備13の腐食を防止するとともに、硫化水素除去フィルター32の交換時期を延長させることができる。
[第12実施形態]
ディーゼル発電設備13の運転時においては建屋1内の温度が常温から徐々に上昇し、ディーゼル発電設備13の運転の停止時においては、ディーゼル発電設備13の運転時に上昇した温度が常温になるまで下降する。そこで、第12実施形態に係る硫化水素除去装置では、建屋1内の温度を監視することにより運転モードを判断する。第12実施形態について、第10実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第10実施形態と同様である。
図23は、第12実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第12実施形態に係る硫化水素除去装置は、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、複数の温度計12と、ディーゼル発電設備13と、運転時開放シャッター31と、硫化水素除去フィルター32と、大気吸込ファン33と、停止時開放シャッター34と、を具備している。すなわち、第12実施形態に係る硫化水素除去装置は、第10実施形態の構成に対して、さらに、複数の温度計12を具備している。
複数の温度計12は、建屋1内にランダムに設置されている。複数の温度計12の各々は、その設置場所の温度を計測し、建屋1内の温度である室内温度として制御装置9に出力する。
制御装置9は、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、モード設定部46と、温度入力部47と、を備えている。すなわち、制御装置9は、第10実施形態における遮断監視部44に代えて、温度入力部47を備えている。
モード設定部46は、第10実施形態における遮断器監視結果に代えて、後述の室内温度の値Tの平均値に基づいて、通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える。
温度入力部47は、複数の温度計12により計測された室内温度の値Tを入力し、その平均値を算出する。
図24は、第12実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
最初は、運転時開放シャッター31および停止時開放シャッター34は閉じていて、大気吸込ファン33および清浄空気吸込ファン3が運転していないものとする。また、温度入力部47は、常時、複数の温度計12により計測された室内温度の値Tを入力し、その平均値を算出している。
まず、ディーゼル発電設備13が運転し、作業員の操作により電源投入用遮断器10が閉じられる。このとき、ディーゼル発電設備13が運転することにより、室内温度が少しずつ上昇する。モード設定部46は、室内温度の値Tの平均値が規定温度値Toよりも高いときにディーゼル発電設備13が運転していると判断して、運転モードを通常運転モードに設定する。
通常運転モードにおいて、通常運転部41は、開状態制御信号を運転時開放シャッター31に出力し、大気吸込ファン33の風量を過熱防止用風量F1に設定するための大気吸込ファン制御信号を大気吸込ファン33に出力する。同時に、通常運転部41は、閉状態制御信号を停止時開放シャッター34に出力し、後述の清浄空気吸込ファン制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力しない。運転時開放シャッター31は開状態制御信号に応じて開き、大気吸込ファン33は、大気吸込ファン制御信号に応じて運転し、過熱防止用風量F1により空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転時に取り込まれる空気により、ディーゼル発電設備13の過熱が抑えられる。
その後、ディーゼル発電設備13の運転が停止し、作業員の操作により電源投入用遮断器10が開けられる。このとき、ディーゼル発電設備13の運転が停止することにより、室内温度が少しずつ下がる。モード設定部46は、室内温度の値Tの平均値が規定温度値To以下であるときにディーゼル発電設備13の運転が停止していると判断して、運転モードを通常運転モードから換気運転モードに切り替える。
換気運転モードにおいて、換気運転部42は、閉状態制御信号を運転時開放シャッター31に出力し、大気吸込ファン制御信号を大気吸込ファン33に出力しない。同時に、通常運転部41は、開状態制御信号を停止時開放シャッター34に出力し、清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定するための清浄空気吸込ファン制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。運転時開放シャッター31は閉状態制御信号に応じて閉まり、大気吸込ファン33は運転を停止する。同時に、停止時開放シャッター34は開状態制御信号に応じて開き、清浄空気吸込ファン3は、清浄空気吸込ファン制御信号に応じて運転し、換気用風量F2により空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転の停止時に取り込まれる清浄空気により、建屋1内が換気される。
その後、ディーゼル発電設備13が運転し、作業員の操作により電源投入用遮断器10が閉じられた場合、ディーゼル発電設備13が運転することにより、室内温度が少しずつ上昇する。モード設定部46は、室内温度の値Tの平均値が規定温度値Toよりも高いときに、運転モードを換気運転モードから通常運転モードに切り替える。
以上の説明により、第12実施形態に係る硫化水素除去装置では、温度を計測する複数の温度計12を建屋1内に配置し、制御装置9は、建屋1内の温度である室内温度を監視することにより運転モードを判断し、室内温度の値Tの平均値が規定温度値Toよりも高いときに運転モードを通常運転モードに切り替え、室内温度の値Tの平均値が規定温度値To以下であるときに運転モードを換気運転モードに切り替えている。
また、第12実施形態に係る硫化水素除去装置では、ディーゼル発電設備13の運転時に各機器の温度が高温になる場合、ディーゼル発電設備13に付着した水分が蒸発するため、ディーゼル発電設備13は腐食しない。しかし、ディーゼル発電設備13の運転の停止時においては、ディーゼル発電設備13の運転時に上昇した温度が常温になるまで下降するため、ディーゼル発電設備13に付着した空気中の水分と大気中の空気に含まれる硫化水素ガスとが反応することにより、ディーゼル発電設備13は腐食してしまう。
そこで、第12実施形態に係る硫化水素除去装置では、制御装置9は、換気運転モードのみ清浄空気吸込ファン3を運転し、換気運転モードにおいて、清浄空気吸込ファン3は、建屋1の第2の入口から硫化水素除去フィルター32を介して大気中の空気を吸い込み、大気中の空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を建屋1内に取り込んでいる。このため、第11実施形態に係る硫化水素除去装置は、ディーゼル発電設備13の腐食を常に防止することができる。
また、第12実施形態に係る硫化水素除去装置では、換気運転モードのみ硫化水素除去フィルター32の目詰まりが進行する。しかも、過熱防止用風量F1はディーゼル発電設備13の過熱を抑えるのに必要な風量として設定されているのに対して、換気用風量F2は、過熱防止用風量F1よりも小さく、かつ、建屋1内の換気に必要な風量として設定されている。その結果、第12実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター32の使用可能時間を延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター32の交換時期を延長させることができる。
このように、第12実施形態に係る硫化水素除去装置によれば、ディーゼル発電設備13が運転または停止の状態に切り替えられて使用される方式において、ディーゼル発電設備13の腐食を防止するとともに、硫化水素除去フィルター32の交換時期を延長させることができる。
[第13実施形態]
第13実施形態に係る硫化水素除去装置では、換気運転モードにおいてタイマーのカウントに応じて間欠運転を行うことにより、硫化水素除去フィルター32の交換時期を第10実施形態よりも延長させる。第13実施形態について、第10実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第10実施形態と同様である。
図25は、第13実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第13実施形態に係る硫化水素除去装置は、第10実施形態の構成と同様に、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、ディーゼル発電設備13と、運転時開放シャッター31と、硫化水素除去フィルター32と、大気吸込ファン33と、停止時開放シャッター34と、を具備している。
制御装置9は、第10実施形態の構成と同様に、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、遮断監視部44と、モード設定部46と、を備えている。
換気運転部42は、換気運転モードにおいて間欠運転を行うためのタイマー21および間欠運転部43を備えている。
タイマー21は、換気運転モードにおいて時間をカウントし、第1設定時間t1が経過するまで第1トリガを出力する処理と、第1設定時間t1の後の第2設定時間t2が経過するまで第2トリガを出力する処理とを交互に繰り返す。間欠運転部43は、第1トリガに応じて清浄空気吸込ファン3を運転し、第2トリガに応じて清浄空気吸込ファン3を運転しない。
図26は、第13実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える動作については第10実施形態と同様であるため、ここでは換気運転モード時の間欠運転について説明する。
通常運転モードから換気運転モードに切り替わったとき、換気運転部42のタイマー21は、時間をカウントする。
その換気運転モード時の間欠運転において、タイマー21は、第1設定時間t1が経過するまで第1トリガを出力する。この場合、換気運転部42の間欠運転部43は、第1トリガに応じて、清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定するための清浄空気吸込ファン制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。清浄空気吸込ファン3は、清浄空気吸込ファン制御信号に応じて、換気用風量F2により清浄空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転の停止時に取り込まれる清浄空気により、建屋1内が換気される。このように、間欠運転部43は、第1設定時間t1が経過するまで換気用風量F2により清浄空気吸込ファン3を運転する。
また、換気運転モード時の間欠運転において、タイマー21は、第1設定時間t1が経過した後、第2設定時間t2が経過するまで第2トリガを出力する。この場合、間欠運転部43は、第2トリガに応じて、清浄空気吸込ファン3への清浄空気吸込ファン制御信号の出力を停止する。このように、間欠運転部43は、第2設定時間t2が経過するまで清浄空気吸込ファン3を運転しない。
この換気運転モード時の間欠運転では、タイマー21は、第1設定時間t1が経過するまで第1トリガを出力する処理と、第1設定時間t1の後の第2設定時間t2が経過するまで第2トリガを出力する処理とを交互に繰り返し、間欠運転部43は、第1トリガに応じて清浄空気吸込ファン3を運転する処理と、第2トリガに応じて清浄空気吸込ファン3を運転しない処理とを交互に繰り返す。
以上の説明により、第13実施形態に係る硫化水素除去装置では、換気運転モードにおいて、制御装置9は、第1設定時間t1と第2設定時間t2とを交互にカウントするタイマー21を設け、第1設定時間t1および第2設定時間t2を利用することにより間欠運転を行っている。このため、換気運転モード時の間欠運転においては、第10実施形態における換気運転モードよりも硫化水素除去フィルター32の目詰まりの進行が遅い。その結果、第13実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター32の使用可能時間を第10実施形態よりも延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター32の交換時期を第10実施形態よりも延長させることができる。
[第14実施形態]
第14実施形態に係る硫化水素除去装置では、換気運転モードにおいて硫化水素濃度に応じて間欠運転を行うことにより、硫化水素除去フィルター32の交換時期を第10実施形態よりも延長させる。第14実施形態について、第10実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第10実施形態と同様である。
図27は、第14実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第14実施形態に係る硫化水素除去装置は、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、ディーゼル発電設備13と、複数の硫化水素濃度検出器22と、運転時開放シャッター31と、硫化水素除去フィルター32と、大気吸込ファン33と、停止時開放シャッター34と、を具備している。すなわち、第14実施形態に係る硫化水素除去装置は、第10実施形態の構成に対して、さらに、複数の硫化水素濃度検出器22を具備している。
複数の硫化水素濃度検出器22は、建屋1内にランダムに設置されている。複数の硫化水素濃度検出器22の各々は、その設置場所の硫化水素の濃度を計測し、建屋1内の硫化水素濃度Cとして制御装置9に出力する。
制御装置9は、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、遮断監視部44と、モード設定部46と、濃度入力部48と、を備えている。すなわち、制御装置9は、第10実施形態の構成に対して、さらに、濃度入力部48を備えている。
濃度入力部48は、複数の硫化水素濃度検出器22により計測された硫化水素濃度Cを入力し、その平均値を算出する。
換気運転部42は、換気運転モードにおいて間欠運転を行うための間欠運転部43を備えている。
間欠運転部43は、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Coよりも高いときに清浄空気吸込ファン3を運転し、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Co以下であるときに清浄空気吸込ファン3を運転しない。
図28は、第14実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える動作については第10実施形態と同様であるため、ここでは換気運転モード時の間欠運転について説明する。
通常運転モードから換気運転モードに切り替わったとき、濃度入力部48は、複数の硫化水素濃度検出器22により計測された硫化水素濃度Cを入力し、その平均値を算出する。
その換気運転モード時の間欠運転において、換気運転部42の間欠運転部43は、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Coよりも高いときに、清浄空気吸込ファン3の風量を換気用風量F2に設定するための清浄空気吸込ファン制御信号を清浄空気吸込ファン3に出力する。清浄空気吸込ファン3は、清浄空気吸込ファン制御信号に応じて、換気用風量F2により清浄空気を建屋1内に取り込む。このとき、ディーゼル発電設備13の運転の停止時に取り込まれる清浄空気により、建屋1内が換気される。このように、間欠運転部43は、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Coよりも高いときに、換気用風量F2により清浄空気吸込ファン3を運転する。
また、換気運転モード時の間欠運転において、間欠運転部43は、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Co以下であるときに、清浄空気吸込ファン3への清浄空気吸込ファン制御信号の出力を停止する。このように、間欠運転部43は、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Co以下であるときに、清浄空気吸込ファン3を運転しない。
この換気運転モード時の間欠運転では、間欠運転部43は、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Coよりも高いときに清浄空気吸込ファン3を運転する処理と、硫化水素濃度Cの平均値が設定硫化水素濃度Co以下であるときに清浄空気吸込ファン3を運転しない処理とを交互に繰り返す。
以上の説明により、第14実施形態に係る硫化水素除去装置では、硫化水素濃度Cを計測する複数の硫化水素濃度検出器22を建屋1内に配置し、換気運転モードにおいて、制御装置9は、建屋1内の硫化水素濃度Cを監視することにより間欠運転を行っている。このため、換気運転モード時の間欠運転においては、第10実施形態における換気運転モードよりも硫化水素除去フィルター32の目詰まりの進行が遅い。その結果、第14実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター32の使用可能時間を第10実施形態よりも延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター32の交換時期を第10実施形態よりも延長させることができる。
[第15実施形態]
第15実施形態について、第11実施形態および第13実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第11実施形態および第13実施形態と同様である。
図29は、第15実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第15実施形態に係る硫化水素除去装置は、第11実施形態の構成と同様に、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、起動指令装置11と、ディーゼル発電設備13と、運転時開放シャッター31と、硫化水素除去フィルター32と、大気吸込ファン33と、停止時開放シャッター34と、を具備している。
制御装置9は、第11実施形態の構成と同様に、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、起動監視部45と、モード設定部46と、を備えている。
換気運転部42は、第13実施形態の構成と同様に、タイマー21および間欠運転部43を備えている。
図30は、第15実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える動作については第11実施形態と同様である。また、換気運転モード時の間欠運転については第13実施形態と同様である。
以上の説明により、第15実施形態に係る硫化水素除去装置では、換気運転モードにおいて、制御装置9は、第1設定時間t1と第2設定時間t2とを交互にカウントするタイマー21を設け、第1設定時間t1および第2設定時間t2を利用することにより間欠運転を行っている。このため、換気運転モード時の間欠運転においては、第11実施形態における換気運転モードよりも硫化水素除去フィルター32の目詰まりの進行が遅い。その結果、第15実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター32の使用可能時間を第11実施形態よりも延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター32の交換時期を第11実施形態よりも延長させることができる。
[第16実施形態]
第16実施形態について、第11実施形態および第14実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第11実施形態および第14実施形態と同様である。
図31は、第16実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第16実施形態に係る硫化水素除去装置は、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、起動指令装置11と、ディーゼル発電設備13と、複数の硫化水素濃度検出器22と、運転時開放シャッター31と、硫化水素除去フィルター32と、大気吸込ファン33と、停止時開放シャッター34と、を具備している。すなわち、第16実施形態に係る硫化水素除去装置は、第11実施形態の構成に対して、さらに、複数の硫化水素濃度検出器22を具備している。
制御装置9は、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、起動監視部45と、モード設定部46と、濃度入力部48と、を備えている。すなわち、制御装置9は、第11実施形態の構成に対して、さらに、濃度入力部48を備えている。
換気運転部42は、第14実施形態の構成と同様に、間欠運転部43を備えている。
図32は、第16実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える動作については第11実施形態と同様である。また、換気運転モード時の間欠運転については第14実施形態と同様である。
以上の説明により、第16実施形態に係る硫化水素除去装置では、硫化水素濃度Cを計測する複数の硫化水素濃度検出器22を建屋1内に配置し、換気運転モードにおいて、制御装置9は、建屋1内の硫化水素濃度Cを監視することにより間欠運転を行っている。このため、換気運転モード時の間欠運転においては、第11実施形態における換気運転モードよりも硫化水素除去フィルター32の目詰まりの進行が遅い。その結果、第16実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター32の使用可能時間を第11実施形態よりも延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター32の交換時期を第11実施形態よりも延長させることができる。
[第17実施形態]
第17実施形態について、第12実施形態および第13実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第12実施形態および第13実施形態と同様である。
図33は、第17実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第17実施形態に係る硫化水素除去装置は、第12実施形態の構成と同様に、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、複数の温度計12と、ディーゼル発電設備13と、運転時開放シャッター31と、硫化水素除去フィルター32と、大気吸込ファン33と、停止時開放シャッター34と、を具備している。
制御装置9は、第12実施形態の構成と同様に、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、モード設定部46と、温度入力部47と、を備えている。
換気運転部42は、第13実施形態の構成と同様に、タイマー21と、間欠運転部43と、を備えている。
図34は、第17実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える動作については第12実施形態と同様である。また、換気運転モード時の間欠運転については第13実施形態と同様である。
以上の説明により、第17実施形態に係る硫化水素除去装置では、換気運転モードにおいて、制御装置9は、第1設定時間t1と第2設定時間t2とを交互にカウントするタイマー21を設け、第1設定時間t1および第2設定時間t2を利用することにより間欠運転を行っている。このため、換気運転モード時の間欠運転においては、第12実施形態における換気運転モードよりも硫化水素除去フィルター32の目詰まりの進行が遅い。その結果、第17実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター32の使用可能時間を第12実施形態よりも延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター32の交換時期を第12実施形態よりも延長させることができる。
[第18実施形態]
第18実施形態について、第12実施形態および第14実施形態の変更点のみ説明する。特に記載していない部分は第12実施形態および第14実施形態と同様である。
図35は、第18実施形態に係る硫化水素除去装置の構成を示すブロック図である。
第18実施形態に係る硫化水素除去装置は、清浄空気吸込ファン3と、制御装置9と、電源投入用遮断器10と、複数の温度計12と、ディーゼル発電設備13と、複数の硫化水素濃度検出器22と、運転時開放シャッター31と、硫化水素除去フィルター32と、大気吸込ファン33と、停止時開放シャッター34と、を具備している。すなわち、第18実施形態に係る硫化水素除去装置は、第12実施形態の構成に対して、さらに、複数の硫化水素濃度検出器22を具備している。
制御装置9は、CPUの機能ブロックとして、通常運転部41と、換気運転部42と、モード設定部46と、温度入力部47と、濃度入力部48と、を備えている。すなわち、制御装置9は、第12実施形態の構成に対して、さらに、濃度入力部48を備えている。
換気運転部42は、第14実施形態の構成と同様に、間欠運転部43を備えている。
図36は、第18実施形態に係る硫化水素除去装置の動作を示すタイミングチャートである。
通常運転モードと換気運転モードとを交互に切り替える動作については第12実施形態と同様である。また、換気運転モード時の間欠運転については第14実施形態と同様である。
以上の説明により、第18実施形態に係る硫化水素除去装置では、硫化水素濃度Cを計測する複数の硫化水素濃度検出器22を建屋1内に配置し、換気運転モードにおいて、制御装置9は、建屋1内の硫化水素濃度Cを監視することにより間欠運転を行っている。このため、換気運転モード時の間欠運転においては、第12実施形態における換気運転モードよりも硫化水素除去フィルター32の目詰まりの進行が遅い。その結果、第18実施形態に係る硫化水素除去装置は、硫化水素除去フィルター32の使用可能時間を第12実施形態よりも延長することができる。すなわち、硫化水素除去フィルター32の交換時期を第12実施形態よりも延長させることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、また各実施形態の特徴を組み合わせることができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、第1の実施形態の説明の中で、硫化水素除去フィルター2として、例えば、従来から利用されている活性炭吸着剤を使用したフィルターでも、アルカリ性フィルターでも用いることができることを説明した。このことは、他のすべての実施形態にも言えることである。
1 … 建屋
2 … 硫化水素除去フィルター
3 … 清浄空気吸込ファン
4 … ラジエータ
5 … エンジン
6 … 発電機
7 … 排風ダクト
8 … 排気管
9 … 制御装置
10 … 電源投入用遮断器
11 … 起動指令装置
12 … 温度計
13 … ディーゼル発電設備
14 … 電源ライン
15 … 起動命令
21 … タイマー
22 … 硫化水素濃度検出器
31 … 運転時開放シャッター
32 … 硫化水素除去フィルター
33 … 大気吸込ファン
34 … 停止時開放シャッター
41 … 通常運転部
42 … 換気運転部
43 … 間欠運転部
44 … 遮断監視部
45 … 起動監視部
46 … モード設定部
47 … 温度入力部
48 … 濃度入力部

Claims (16)

  1. 空気に硫化水素ガスが含まれる環境下に配設された建屋内に設置され、運転時に清浄空気を用いて燃料を燃焼させて発電するディーゼル発電設備と、
    前記建屋の入口に設置され、硫化水素ガスによる前記ディーゼル発電設備の腐食を防止するための硫化水素除去フィルターと、
    前記建屋内で前記硫化水素除去フィルターの下流側に設置され、前記建屋の入口から前記硫化水素除去フィルターを介して空気を吸い込み、空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を前記建屋内に取り込む清浄空気吸込ファンと、
    前記ディーゼル発電設備が運転する通常運転モードと前記ディーゼル発電設備の運転が停止する換気運転モードとを交互に切り替える制御装置と、
    を具備し、
    前記制御装置は、
    前記通常運転モードにおいて、前記清浄空気吸込ファンの風量を、前記ディーゼル発電設備の過熱を抑えるために必要な風量である過熱防止用風量に設定する通常運転部と、
    前記換気運転モードにおいて、前記清浄空気吸込ファンの風量を、前記過熱防止用風量よりも小さく、かつ、前記建屋内の換気に必要な風量である換気用風量に設定する換気運転部と、
    を備えていることを特徴とする硫化水素除去装置。
  2. 空気に硫化水素ガスが含まれる環境下に配設された建屋内に設置され、運転時に空気を用いて燃料を燃焼させて発電するディーゼル発電設備と、
    前記建屋の第1の入口に設置された運転時開放シャッターと、
    前記建屋内で前記運転時開放シャッターの下流側に設置され、前記建屋の第1の入口から前記建屋内に空気を吸い込む大気吸込ファンと、
    前記建屋の第2の入口に設置され、前記ディーゼル発電設備の運転の停止時において硫化水素ガスによる前記ディーゼル発電設備の腐食を防止するための硫化水素除去フィルターと、
    前記建屋内で前記硫化水素除去フィルターの下流側に設置され、前記建屋の第2の入口から前記硫化水素除去フィルターを介して空気を吸い込み、空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を前記建屋内に取り込む清浄空気吸込ファンと、
    前記ディーゼル発電設備が運転する通常運転モードと前記ディーゼル発電設備の運転が停止する換気運転モードとを交互に切り替える制御装置と、
    を具備し、
    前記制御装置は、
    前記通常運転モードにおいて、前記運転時開放シャッターを開いて、前記ディーゼル発電設備の過熱を抑えるために必要な風量である過熱防止用風量により前記大気吸込ファンを運転し、前記清浄空気吸込ファンの運転を停止する通常運転部と、
    前記換気運転モードにおいて、前記運転時開放シャッターを閉じて、前記大気吸込ファンの運転を停止し、前記過熱防止用風量よりも小さく、かつ、前記建屋内の換気に必要な風量である換気用風量により前記清浄空気吸込ファンを運転する換気運転部と、
    を備えていることを特徴とする硫化水素除去装置。
  3. 前記建屋の第2の入口で前記硫化水素除去フィルターの上流側に設置され、前記制御装置に接続された停止時開放シャッター、
    をさらに具備し、
    前記通常運転部は、前記通常運転モードにおいて、前記運転時開放シャッターを開いて、前記大気吸込ファンを運転し、前記停止時開放シャッターを閉じて、前記清浄空気吸込ファンの運転を停止し、
    前記換気運転部は、前記換気運転モードにおいて、前記運転時開放シャッターを閉じて、前記大気吸込ファンの運転を停止し、前記停止時開放シャッターを開いて、前記清浄空気吸込ファンを運転する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の硫化水素除去装置。
  4. 前記ディーゼル発電設備と前記ディーゼル発電設備の発電により生産される電力を供給するための電源ラインとの間に設けられ、前記ディーゼル発電設備の起動時に閉じられる電源投入用遮断器、
    をさらに具備し、
    前記制御装置は、
    前記電源投入用遮断器を監視し、前記電源投入用遮断器が閉じられている閉状態であるか否かを表す遮断器監視結果を生成する遮断監視部と、
    前記遮断器監視結果が前記電源投入用遮断器の閉状態を表しているときに、運転モードを前記通常運転モードに切り替え、前記遮断器監視結果が前記電源投入用遮断器の閉状態を表していないときに、運転モードを前記換気運転モードに切り替えるモード設定部と、
    をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の硫化水素除去装置。
  5. 前記ディーゼル発電設備を起動させるための起動命令を前記ディーゼル発電設備に供給する起動指令装置、
    をさらに具備し、
    前記制御装置は、
    前記起動指令装置を監視し、前記起動指令装置から前記ディーゼル発電設備に前記起動命令が供給されているか否かを表す起動監視結果を生成する起動監視部と、
    前記起動監視結果が前記起動命令の供給を表しているときに、運転モードを前記通常運転モードに切り替え、前記起動監視結果が前記起動命令の供給を表していないときに、運転モードを前記換気運転モードに切り替えるモード設定部と、
    をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の硫化水素除去装置。
  6. 前記建屋内に設置され、前記建屋内の温度である室内温度を計測する温度計、
    をさらに具備し、
    前記制御装置は、
    前記室内温度の値が規定温度値よりも高いときに、運転モードを前記通常運転モードに切り替え、前記室内温度の値が前記規定温度値以下であるときに、運転モードを前記換気運転モードに切り替えるモード設定部、
    をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の硫化水素除去装置。
  7. 前記換気運転部は、
    前記換気運転モードにおいて時間をカウントし、第1設定時間が経過するまで第1トリガを出力する処理と、前記第1設定時間の後の第2設定時間が経過するまで第2トリガを出力する処理とを交互に繰り返すタイマーと、
    前記第1トリガに応じて前記清浄空気吸込ファンを運転し、前記第2トリガに応じて前記清浄空気吸込ファンを運転しない間欠運転部と、
    を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の硫化水素除去装置。
  8. 前記建屋内の硫化水素の濃度である硫化水素濃度を計測する硫化水素濃度検出器、
    をさらに具備し、
    前記換気運転部は、
    前記硫化水素濃度が設定硫化水素濃度よりも高いときに前記清浄空気吸込ファンを運転し、前記硫化水素濃度が前記設定硫化水素濃度以下であるときに前記清浄空気吸込ファンを運転しない間欠運転部、
    を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の硫化水素除去装置。
  9. 前記ディーゼル発電設備は、非常時に確実に運転できるように、運転の状態と停止の状態とが交互に切り替えられる、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の硫化水素除去装置。
  10. 前記建屋は、地熱発電所の近くに配設されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載の硫化水素除去装置。
  11. 前記硫化水素除去フィルターはアルカリ性フィルターであることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の硫化水素除去装置。
  12. 前記硫化水素除去フィルターは活性炭吸着剤を利用したフィルターであることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の硫化水素除去装置。
  13. 空気に硫化水素ガスが含まれる環境下に配設された建屋内に設置されたディーゼル発電設備が運転時に清浄空気を用いて燃料を燃焼させて発電する工程と、
    硫化水素ガスによる前記ディーゼル発電設備の腐食を防止するために、前記建屋の入口に設置された硫化水素除去フィルターにより、空気から硫化水素ガスを除去する工程と、
    前記建屋内で前記硫化水素除去フィルターの下流側に設置された清浄空気吸込ファンにより、前記建屋の入口から前記硫化水素除去フィルターを介して空気を吸い込み、空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を前記建屋内に取り込む工程と、
    前記ディーゼル発電設備が運転する通常運転モードと前記ディーゼル発電設備の運転が停止する換気運転モードとを交互に切り替える工程と、
    前記通常運転モードにおいて、前記清浄空気吸込ファンの風量を、前記ディーゼル発電設備の過熱を抑えるために必要な風量である過熱防止用風量に設定する工程と、
    前記換気運転モードにおいて、前記清浄空気吸込ファンの風量を、前記過熱防止用風量よりも小さく、かつ、前記建屋内の換気に必要な風量である換気用風量に設定する工程と、
    を具備することを特徴とする硫化水素除去方法。
  14. 空気に硫化水素ガスが含まれる環境下に配設された建屋内に設置されたディーゼル発電設備が運転時に空気を用いて燃料を燃焼させて発電する工程と、
    前記建屋の第1の入口に設置された運転時開放シャッターの下流側に前記建屋内に設置された大気吸込ファンにより、前記建屋の第1の入口から前記建屋内に空気を吸い込む工程と、
    硫化水素ガスによる前記ディーゼル発電設備の腐食を防止するために、前記建屋の第2の入口に設置された硫化水素除去フィルターにより、前記ディーゼル発電設備の運転の停止時において空気から硫化水素ガスを除去する工程と、
    前記建屋内で前記硫化水素除去フィルターの下流側に設置された清浄空気吸込ファンにより、前記建屋の第2の入口から前記硫化水素除去フィルターを介して空気を吸い込み、空気から硫化水素ガスが除去された清浄空気を前記建屋内に取り込む工程と、
    前記ディーゼル発電設備が運転する通常運転モードと前記ディーゼル発電設備の運転が停止する換気運転モードとを交互に切り替える工程と、
    前記通常運転モードにおいて、前記運転時開放シャッターを開いて、前記ディーゼル発電設備の過熱を抑えるために必要な風量である過熱防止用風量により前記大気吸込ファンを運転し、前記清浄空気吸込ファンの運転を停止する工程と、
    前記換気運転モードにおいて、前記運転時開放シャッターを閉じて、前記大気吸込ファンの運転を停止し、前記過熱防止用風量よりも小さく、かつ、前記建屋内の換気に必要な風量である換気用風量により前記清浄空気吸込ファンを運転する工程と、
    を具備することを特徴とする硫化水素除去方法。
  15. 前記硫化水素除去フィルターはアルカリ性フィルターであることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の硫化水素除去方法。
  16. 前記硫化水素除去フィルターは活性炭吸着剤を利用したフィルターであることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の硫化水素除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019230790A1 (ja) * 2018-05-29 2019-12-05 川崎重工業株式会社 掃気装置及びそれを備えるロボットシステム並びに掃気方法

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