JP2013177341A - 昆虫防除剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記式(1)で示される化合物を有効成分とする昆虫防除剤(式中、R1は、直鎖又は分枝鎖のC2−C4アルキル基であり、R2は、水素又はメチル基であり、R3は、C1−C2ヒドロキシアルキル基である)。
【化1】
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は以下を提供する。
1)下記式(1)
で示される化合物を有効成分とする昆虫防除剤。
2)R2が水素であり、R3がヒドロキシメチルである1)記載の昆虫防除剤。
3)下記式(1)
で示される化合物に昆虫を曝露する工程を含む、昆虫防除方法。
4)R2が水素であり、R3がヒドロキシメチルである3)記載の方法。
例えば、本発明における「忌避効果」とは、本発明の昆虫防除剤で処理された対象と未処理対象との間での、対象から忌避した昆虫数の差〔忌避率(%)=(未処理対象に存在する昆虫数−本発明の昆虫防除剤で処理した対象に存在する昆虫数)/全昆虫数×100〕として求められ得る。例えば、「忌避効果」とは、少なくとも約25%の忌避率で昆虫が忌避することであり得る。好ましくは、少なくとも約50%の忌避率で昆虫が忌避することであり得る。より好ましくは、少なくとも約70%の忌避率で昆虫が忌避することであり得る。
上記式(1)化合物は、目的とする昆虫が忌避する有効量で、対象となる動植物や環境に適用されればよい。例えば、蚊やハエを防除するためにヒトの皮膚に塗布する場合には、0.01〜1000μg/cm2皮膚程度の量で使用されればよい。
製造例1
(4−イソブチルシクロヘキシルメタノールの製造)
4−イソブチルシクロヘキシルメタノールは、特開平1−207252号公報に記載の方法に従って、市販されているp−イソブチルベンズアルデヒドを出発原料として合成することができる。得られる生成物は下記の通りに同定される。なお、スペクトルデータはシス体とトランス体の混合物の合計として表記している。
1H-NMR(CDCl3, 400MHz,δppm): 0.85 (4H, d, J=6.4Hz), 0.86 (8H, d, J=6.4Hz), 1.04 (1.3H, t, J=7.2Hz), 1.11 (2.7H, t, J=7.2Hz), 1.21-1.83 (22H, m), 3.43 (1.3H, dd, 5.6Hz, 5.6Hz), 3.53 (2.7H, dd, 5.2Hz, 6.4Hz)
13C-NMR(CDCl3, 100MHz,δppm): 23.3(2C), 23.3(2C), 25.2, 25.5, 25.8(2C), 29.4(2C), 29.9(2C), 32.9, 33.3(2C), 35.7, 38.8, 41.1, 43.8, 47.3, 66.7, 69.1
(4−エチルシクロヘキシルメタノールの製造)
4−エチルシクロヘキシルメタノールは、製造例1と同様の方法を用い、出発原料をp−エチルベンズアルデヒドに変えることで合成することができる。得られる生成物は下記の通りに同定される。なお、スペクトルデータはシス体とトランス体の混合物の合計として表記している。
1H-NMR(CDCl3, 400MHz,δppm): 0.86 (2H, t, J=7.2Hz), 0.87 (4H, t, J=7.6Hz), 0.85-0.98, 1.07-1.11, 1.18-1.52, 1.62-1.68, 1.78-1.80 (24H, m), 3.43 (0.7H, t, J=6.0Hz), 3.43 (0.7H, t, J=6.0Hz), 3.52 (1.3H, t, J=7.2Hz), 3.52 (1.3H, t, J=5.2Hz)
13C-NMR(CDCl3, 100MHz,δppm): 11.95, 12.33, 25.78(2C), 27.08, 28.82(2C), 29.91(2C), 30.37, 32.67(2C), 37.43, 38.75, 39.98, 41.08, 66.65, 69.06
(4−sec−ブチルシクロヘキシルメタノールの製造)
4−sec−ブチルシクロヘキシルメタノールは、特許第3756332号公報に記載の方法に従って、市販されているp−ブロモベンジルアルコールから(4−(ブトー2−エンー2−イル)シクロヘキシル)メタノールを合成し、次いで二重結合を還元することで合成できる。得られる生成物は下記の通りに同定される。なお、スペクトルデータはシス体とトランス体の混合物の合計として表記している。
1H-NMR(CDCl3, 400MHz,δppm): 0.82 (6H, d, J=6.4Hz), 0.85 (6H, t, J=7.4Hz), 0.88-1.61 (24H, m), 1.63-1.85 (4H, m), 3.43 (1.2H, d, J=6.0Hz), 3.57 (2.8H, t, J=7.2Hz)
13C-NMR(CDCl3, 100MHz,δppm): 12.01, 12.39, 16.16, 16.40, 24.96, 26.30, 26.70, 26.83, 27.00, 27.13, 28.29, 30.13, 30.24, 30.36, 37.56, 37.65, 39.99, 41.16, 41.41, 42.75, 65.51, 69.12
(4−イソプロピル−1−メチル−シクロヘキシル)−メタノールの製造)
特開2008−1667号公報に記載の方法で合成した。
(ショウジョウバエの準備)
ショウジョウバエはCanton Sを使用した。ショウジョウバエの餌は次のように作製した。コーンミール(オリエンタル)70g/L、乾燥ビール酵母(アサヒフードアンドヘルスケア)40g/L、グルコース(シグマ)100g/L、アガロース0.53 g/Lを水600mLと混合し、攪拌しながら93℃まで加熱し、そのまま10分間攪拌した。その後10%ボーキニン(WAKO、70%エタノールにて溶解)5mL/L、プロピオン酸(WAKO)5mL/Lを添加後、ショウジョウバエ飼育用フラスコ(サーモフィッシャーサイエンティフィック)に適当量分注し、フラスコにスポンジ栓(サーモフィッシャーサイエンティフィック)をした状態で室温下1日乾燥させ、その後ビニール袋内で室温保管し、1ヶ月以内に使用した。
ショウジョウバエの継代は、羽化後1週間以内程度の雄、雌各20匹を新しいフラスコに移し、約10日後、蛹が多数形成されたころを見計らって親をフラスコから除くことにより行った。継代、実験操作などで必要な場合にはCO2を用いて麻酔を行った。
ショウジョウバエの行動を評価する装置を、図1のとおり作製した。縦51mm、横108mm、高さ30mm程度の蓋付アクリルケースに、バイアル(MKC−30:ハイテック)の直径と同じ大きさである22mmの穴を下部に2箇所、上部に1箇所開けたもの(三力製作所)を用意した。このケースの上部の穴はスポンジ栓で栓をし、麻酔操作などの際に使用した。下部の穴には、各々、餌入りバイアルをスポンジ栓(ハイテック)を用いて連結し、さらにこの連結部のスポンジ栓に8mmパンチバイオプシを用いて中心に穴を開け、1mL用広口チップ(ワイドボアチップ:フナコシ)を挿入した。チップの上端内側には、エタノール、又はエタノールを用いて評価濃度に調製した試験化合物50μLを浸漬させた濾紙(2cm×2cm)を設置した。
餌入りバイアルは、以下のとおり作製した。グレープフルーツジュース(Welch's、カルピス社)50mLとアガロース0.36gを電子レンジで加熱溶解した後、バイアルに適当量(5mmくらいの厚さになるように)分注した。
水アガロースバイアルは、以下のとおり作製した。水50mLとアガロース0.6gを電子レンジで加熱溶解した後、バイアルに適当量(5mmくらいの厚さになるように)分注した。
ショウジョウバエ(雌)60匹ずつを、水アガロースバイアル中で25℃、暗条件で一晩飼育し、飢餓状態とした。飢餓状態のショウジョウバエを図1で示した実験装置のアクリルケースに入れ、25℃、暗条件下で一晩飼育し、次の日、エタノール処理バイアル及び試験化合物処理バイアル中のハエの数、ならびにアクリルケース中に残ったハエの数を計測した。実験はn=3で行った。
計測したハエの数から、下記式のとおり忌避率を計算した。
忌避率(%)
=(EtOH処理バイアル中のハエ数−試験化合物処理バイアル中のハエ数)/全ハエ数×100
結果を表1及び図2に示す。表1記載の化合物は、ショウジョウバエに忌避行動を誘導した。
蚊に対する忌避試験は、有限会社モストップ(〒276-0029千葉県八千代市村上南2-6-15-302)にて行った。
被験者の試験物質を塗布する側の前腕を、無香料石鹸を用いて洗浄した。約10分後、被験者の洗浄した前腕に、スプレー容器に入れた試験物質を、伸側及び屈側に計75回噴霧(約2.5mL)し、乾燥させた。試験物質としては、50%エタノール(溶媒)、3% 4−エチルシクロヘキシルメタノール(製造例2)/50%エタノール溶液、又は6% DEET/50%エタノール溶液(positive control)を用いた。
20頭の蚊(ヒトスジシマカ、メス、成虫)が入ったナイロンゴーズ袖付き透明アクリル製容器(300mm×300mm×300mm)を3個準備し、試験物質を塗布した腕を1個の容器に挿入し、3分間静置した。腕を抜き取った後、吸血した蚊の数を記録した。続いて腕を2個目の容器に挿入して同様に測定を行った後、さらに続いて3個目の容器に腕を挿入し同様に測定を行った。3回の測定が終了した後、被験者は試験物質を塗布した前腕を、無香料石鹸を用いて洗浄した。約15分後、同様の手順で異なる試験物質について測定を行った。全ての試験は、新しく準備した蚊及びアクリル製容器を用いて行った。
各試験物質について、3回の測定における吸血した蚊の数の平均値から、下記式のとおり吸血率を計算した。求めた吸血率について、Fisher PLSD法により溶媒に対する有意差検定を行った。
吸血率(%)=吸血した蚊の数/20×100
結果を図3に示す。4−エチルシクロヘキシルメタノール及びDEETは、溶媒と比較して有意に吸血率を抑制した。
Claims (4)
- 下記式(1)
で示される化合物を有効成分とする昆虫防除剤。 - R2が水素であり、R3がヒドロキシメチルである請求項1記載の昆虫防除剤。
- 下記式(1)
で示される化合物に昆虫を曝露する工程を含む、昆虫防除方法。 - R2が水素であり、R3がヒドロキシメチルである請求項3記載の方法。
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2012
- 2012-02-28 JP JP2012041791A patent/JP5840028B2/ja active Active
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JPN6015032328; SAMARASEKERA,R. et al: 'Insecticidal activity of menthol derivatives against mosquitoes' Pest Management Science Vol.64, No.3, 2008, pp.290-295 * |
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