JP2013177323A - 安定化されたカスガマイシン含有農園芸用組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】a)農薬活性成分としてカスガマイシンまたはその塩酸塩、b)特定の構造のヒンダードアミン系化合物の1種またはそれ以上、およびc)担体を含むことを特徴とする農園芸用組成物が、上記課題を解決しうる。
【選択図】なし
Description
(1)イミベンコナゾール、およびヒンダードアミンを用いた殺菌剤(特許文献1参照)。
(2)有機リン系殺虫成分、およびヒンダードアミンを用いた殺虫剤(特許文献2参照)。
(3)抗ダニ剤のサリチル酸エステル類を有効成分とし、ヒンダードアミン系光安定化剤を配合した熱可塑性樹脂組成物(特許文献3参照)。
(4)ヒンダードフェノール化合物をエトフェンプロックスの安定化剤として用いた技術(特許文献4参照)。
(5)紫外線吸収剤と酸化防止剤を併用し、ピレスロイド系殺虫剤の光分解防止剤として用いた技術(特許文献5)。
ただし、これらの技術には、カスガマイシンのような酸性で安定な農薬活性成分を酸性以外の条件で安定化させる技術については記載されていない。
本発明では、カスガマイシンまたはその塩酸塩を農薬活性成分として用いる。その添加量としては通常、製剤中に0.01〜50重量部用いられ、0.5〜10重量部用いることが好ましい。
本発明では下記の一般式(1)〜(4)で表されるヒンダードアミン系化合物と、「1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物」とからなる群から選ばれるヒンダードアミン系化合物の1種またはそれ以上を、カスガマイシンまたはその塩酸塩と共に用いることで、優れた長期保存安定性を有する農園芸用組成物が得られる。
基
本発明では、上記のヒンダードアミン系化合物と共に、以下の例で示す担体が用いられる。
鉱物質の固体担体としては例えば、クレー、ケイ砂およびその粉砕物、ケイソウ土、ベントナイト、炭酸カルシウム、タルク、ジークライト、セリサイト、酸性白土、活性白土、軽石、ゼオライト、バーミキュライト、ホワイトカーボン、シラスバルーンなどを粉砕したガラス質粉末などが挙げられる。
鉱物系以外の固体担体としては例えば、セルロース、パルプ、モミガラ、木粉、デンプン、大豆粉、尿素、ブドウ糖、ショ糖、果糖、乳糖、およびゼラチン、寒天などの水溶性高分子ゲルなどが挙げられる。
液体担体としては例えば、パラフィン、ナフテンなどの脂肪族系炭化水素溶剤、キシレン、アルキルベンゼンなどの芳香族系炭化水素溶剤、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール系溶剤、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノンなどのケトン類溶剤、ヤシ油、大豆油、なたね油などの油脂類、N−アルキルピロリドン、マシン油などが挙げられる。
これらのうち、鉱物系固体担体を用いることが好ましく、さらに、このうちクレーおよびホワイトカーボンを併用して用いることがより好ましい。
本発明の農薬製剤については、必要に応じ、上記a)で示したカスガマイシンまたはその塩酸塩に加え、その他の殺菌成分、殺虫成分を併用することができ、例えば以下のものを用いることができる。
本発明の農薬製剤については、必要に応じ、上記a)〜c)の成分以外に、以下に例示するような界面活性剤、結合剤、安定化剤などの補助成分を加えることができる。
なお、実施例中の「部」は重量部を示す。
カスガマイシン1部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物A 0.5部、ドリレスC(三井化学アグロ株式会社製の商品名)0.2部、クレー98.3部を量りとり、粗混合したのち、ハンマーミル(製品名:「アトマイザー」、株式会社ダルトン製)を用いて粉砕混合し、粉剤としての本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン2部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物A 1部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩2部、ラウリル硫酸ナトリウム塩0.5部、ポリビニルアルコール2部、クレー87.5部、ホワイトカーボン5部を量りとり、粗混合したのち、ハンマーミル(製品名:「アトマイザー」、株式会社ダルトン製)を用いて混合した。この混合物100部に対し水20部を添加し双腕ニーダ(株式会社ダルトン製)で混練した。次に、1.0mmのスクリーンを付けた押し出し造粒機(日本薬業株式会社製)で造粒し、整粒した後、50℃で30分間流動乾燥した。乾燥後、標準フルイを用いて「710μm〜1400μm」の粒径区分に篩別して、粒剤としての本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン3部、ダイアジノン25部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物A 2部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩2部、ホワイトカーボン30部、クレー37部を量りとり、粗混合したのち、ハンマーミル(製品名:「アトマイザー」、株式会社ダルトン製)を用いて粉砕混合し、水和剤としての本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン2部、ダイアジノン25部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物A 1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩2部、デキストリン2部、ホワイトカーボン30部、クレー37部を量りとり、粗混合したのち、ハンマーミル(製品名:「アトマイザー」、株式会社ダルトン製)を用いて粉砕混合した。この混合物100部に対し水35部を添加し双腕ニーダ(株式会社ダルトン製)で混練した。次に、0.6mmのスクリーンを付けた押し出し造粒機(日本薬業株式会社製)で造粒し、整粒した後、50℃で30分間流動乾燥した。乾燥後、標準フルイを用いて「250μm〜710μm」の粒径区分に篩別して、顆粒水和剤としての本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン1部、ダイアジノン5部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物C 1部、クレー83部、炭酸カルシウム10部を用い、実施例1の方法により、本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン1部、ダイアジノン5部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物D 1部、ドリレスC(三井化学株式会社製の商品名) 0.2部、クレー92.8部を用い、実施例1の方法により、本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン2部、ダイアジノン10部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物E 1部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩2部、ラウリル硫酸ナトリウム塩0.5部、ポリビニルアルコール2部、クレー82.5部を用い、実施例2の方法により、本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン2部、チウラム10部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物A2部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩2部、ラウリル硫酸ナトリウム塩0.5部、ポリビニルアルコール2部、ベントナイト30部、タルク51.5部を用い、実施例2の方法により、本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン2部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物B 1部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩2部、ラウリル硫酸ナトリウム塩0.5部、ポリビニルアルコール2部、炭酸カルシウム87.5部、ホワイトカーボン5部を用い、実施例2の方法により、本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン2部、チウラム10部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物C1部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩2部、ラウリル硫酸ナトリウム塩0.5部、ポリビニルアルコール2部、乳糖82.5部を用い、実施例2の方法により、本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン3部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物C 3部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩2部、クレー61部、ホワイトカーボン30部を用い、実施例3の方法により、本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン3部、ダイアジノン25部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物D 2部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1部、クラフト化リグニンスルホン酸ナトリウム塩2部、クレー37部、ホワイトカーボン30部を用い、実施例3の方法により、本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン3部、塩基性塩化銅40部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物B 2部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1部、クラフト化リグニンスルホン酸ナトリウム塩2部、クレー32部、ホワイトカーボン20部を用い、実施例3の方法により、本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン3部、ダイアジノン25部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物A 2部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩2部、デキストリン2部、クレー35部、ホワイトカーボン30部を用い、実施例4の方法により、本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン3部、ダイアジノン25部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物E 2部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩2部、デキストリン2部、クレー35部、ホワイトカーボン30部を用い、実施例4の方法により、本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン3部、塩基性塩化銅40部、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物B 2部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル1部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩2部、デキストリン2部、クレー30部、ホワイトカーボン20部を用い、実施例4の方法により、本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン10部、ダイアジノン40部、プロピレングリコールモノメチルエーテル46部を加えて混合溶解した。その後、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物C1部、ポリオキシエチレンアルキルエーテル3部を加えて混合し、乳剤としての本発明の農園芸用組成物を得た。
カスガマイシン10部、チウラム40部、プロピレングリコールモノメチルエーテル38部を加えて混合溶解した。その後、ヒンダードアミン系化合物として表1の化合物A 2部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム10部を加えて混合し、本発明の農園芸用組成物を得た。
実施例5において表1の化合物Cを添加せず、クレーを84部とし、それ以外は実施例5と同一の組成を用い、実施例1の方法により比較例1の農園芸用組成物を得た。
実施例2において表1の化合物A 1部を、ヒンダードアミン系でない安定化剤としてイルガノックス1010(BASF社製)1部に置き換えた以外は実施例2と同一組成を用い、実施例2の方法により、比較例2の農園芸用組成物を得た。
実施例8において表1の化合物A 2部を添加せず、タルク添加量を53.5部とし、それ以外は実施例8と同一の組成を用い、実施例2の方法により、比較例3の農園芸用組成物を得た。
実施例12において表1の化合物D 2部を、イルガノックス1010(BASF社製)2部に置き換えた以外は実施例12と同一の組成を用い、実施例3の方法により、比較例4の農園芸用組成物を得た。
実施例14において表1の化合物A 2部を添加せず、クレー添加量を37部とし、それ以外は実施例14と同一の組成を用い、実施例4の方法により、比較例5の農園芸用組成物を得た。
実施例17において表1の化合物C 1部をイルガノックス1010(BASF社製)1部に置き換えた以外は実施例17と同一の組成を用い、実施例17の方法により、比較例6の農園芸用組成物を得た。
1)pH(水素イオン濃度)の測定
実施例1〜16、比較例1〜6で調製した農園芸用組成物各10gを50mL容三角フラスコにとり、イオン交換樹脂により処理された脱イオン水40gを加えたのち、フラスコを1分間振とう後5分間静置した。この希釈液をJIS K 0102の方法により、(株)堀場製作所製F−23型pH分析計を用いてpHを測定した。測定結果を表4に示す。
実施例1〜18、比較例1〜6で調製した農園芸用組成物を2本のガラス瓶に、各50g入れて密栓し、一方は40℃恒温槽内に30日保管し、もう一方は常温にて1年間保管した。その後、取り出して、カスガマイシンの含有量を、「農薬公定検査法註解」、株式会社南江堂、p.221−226に記載の「カスガマイシンを主成分とする製剤」(昭和43年8月20日、第1287号告示)の方法に準拠して試験液を分析して定量した(分析値A%)。一方、調製時のカスガマイシンの含有量を分析し(分析値B%)、以下の式により残存率%を求めた。得られた結果を表4に示す。
Claims (3)
- a)農薬活性成分としてカスガマイシンまたはその塩酸塩、
b)下記の一般式(1)〜(4)で表されるヒンダードアミン系化合物と、「1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物」とからなる群から選ばれるヒンダードアミン系化合物の1種またはそれ以上、および
c)担体を含むことを特徴とする農園芸用組成物。
基
- c)担体が、鉱物質系の固体担体であることを特徴とする、請求項1に記載の農園芸用組成物。
- 鉱物質系の固体担体が、クレーおよびホワイトカーボンであることを特徴とする、請求項1または2に記載の農園芸用組成物。
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