JP2013176769A - 果菜自動選別方法及び果菜自動選別装置 - Google Patents

果菜自動選別方法及び果菜自動選別装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 果菜を載せる作業者が入力ボタンを押して判別結果を入力できるようにする。
【解決手段】 無端走行体に多数のベルトコンベア式の果菜キャリアを備え、果菜搬送体の走行により前記ベルトの上に載せた果菜を搬送し、搬送中に果菜を果菜判別装置で計測して果菜の等階級を判別し、果菜搬送体での果菜搬送中に果菜を搬送方向側方に送り出して、果菜を等階級別に仕分け可能であり、果菜キャリアのベルトに果菜を載せる際に作業者が果菜を判別し、一又は二以上のボタンを一組として果菜キャリアの夫々と対応して設けられ且つ果菜搬送体と並行して走行するボタン搬送体のボタンを操作して前記作業者による果菜判別結果を入力し、前記作業者の前記ボタン操作による判別結果と、果菜判別装置での計測に基づく判別結果に基づいて果菜を側方に送り出して仕分けする方法である。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、各種果菜をサイズ別、形状別、色別、糖度別といった各種規格(等階級等)別に選別するための自動選別方法及び自動選別装置に関するものであり、特にトマト、リンゴ、桃、梨、茄子、メロン、小玉西瓜などの果菜の選別に適したものである。
果菜を搬送し、その果菜搬送中の所定位置に設置される果菜判別装置で果菜の等階級等を判別し、その結果に基づいて果菜を搬送方向側方(果菜排出側)へ送り出す果菜選別方法や果菜選別装置は従来から各種ある。
果菜が果菜キャリーに載せられて搬送され、所定の位置まで搬送されると果菜受け体に送り込まれる果菜選別装置がある。この場合、果菜キャリー上で果菜を安定させるため背もたれ(例えば、すり鉢状の面を有する背もたれ)は、果菜排出側でない奥側にのみ設けられていた。これは、果菜キャリーの果菜排出側に背もたれなどを設けると、果菜を果菜受け体に送り込む際に、この背もたれが障害となるからである。
ところが、背もたれなどが片側にしかないと、走行する果菜搬送体上の果菜キャリアに急速に果菜を載せていくため、所定の姿勢で果菜を載せられずに手前側に倒れてしまったり、所定の姿勢で果菜を載せられたとしても搬送途中に手前に倒れてしまったり、あるいは載せた位置から果菜がずれてしまうことがあった。このような状況は、片側にだけにしか支えがないことが原因となって発生している。
果菜搬送体上で果菜が倒れていると、光センサ(糖度計)による果菜判別装置の場合には果菜の糖度値や熟度値などに狂いが生じ、カメラによる果菜判別装置の場合には、果菜が倒れていると実際より大きく見えることになり、また形状も異なって見える。色の判別においても、真上から見た色を基準とする場合には、倒れている果菜はその横側面を見ることになり、やはり計測値に狂いが生じることになる。
果菜判別装置で判別する際に果菜の載置位置を安定させ、そのうえで円滑に果菜を搬送方向側方へ送り出すことができる手段を見出すことは、当業界においてひとつの問題となっていた。この問題を解決すべく、本願出願人は先に種々の果菜選別装置について特許出願している(特許文献1)。この特許文献1では、あらかじめ果菜を載せ置く部分を定め、果菜が搬送方向に一列に並んで搬送されるよう提案されており、果菜を載せ置く部分の一例としてすり鉢状に凹んだものを提示している。
特開2004−99285号公報
また、果菜判別装置で果菜の等階級等を判別には限界があり、果菜を載せる作業者の目視による判別と合わせて果菜を選別することが望ましいことから、果菜を載せて搬送する果菜キャリアに作業者の判別結果を入力することができる入力ボタンを取り付け、果菜を載せる際にこのボタンに作業者の判別結果を入力することも行われていた。
この場合、図1に示すように、果菜を載せる作業者が配置される場所と選別後に果菜を送り出す場所は、果菜判別装置の配置スペースを軽減するため、果菜搬送体に対して同じ側とされることが多かった。その結果入力ボタンは、果菜を載せる作業者が配置される場所とは反対側(図7)に取り付けられることとなり、この入力ボタンを押しにくいという問題もあった。
特許文献1記載では果菜を載せる位置が示されているため、果菜載置の直後には果菜の載置位置が安定し搬送方向に一列に並ぶことになる。しかしながら、すり鉢状の凹みでは果菜が堅固に固定されているとは言えず、果菜載置後しばらく搬送している間に振動等によって果菜が傾き、あるいは多少移動することもある。その結果、果菜判別装置で判別する際には、果菜の載置位置が一定せず(図8)、正確な判別に支障をきたしていた。
本願発明の課題は、前記問題を解決するために、果菜を載せる作業者が、容易に入力ボタンを押すことができる果菜自動選別方法及び果菜自動選別装置を提供するも本願発明の課題である。
本願発明の果菜自動選別方法は、無端走行体に多数の果菜キャリアを備え、果菜キャリアは無端走行体の走行方向側方に往復回転可能なベルトを備えたベルトコンベア式であり、果菜搬送体の走行により前記ベルトの上に載せた果菜を搬送し、搬送中に果菜を果菜判別装置で計測して果菜の等階級を判別し、果菜搬送体での果菜搬送中に、前記判別結果に基づいて果菜を搬送方向側方に送り出して、果菜を等階級別に仕分け可能な果菜自動選別方法において、前記果菜キャリアのベルトに果菜を載せる際に作業者が果菜を判別する工程と、一又は二以上のボタンを一組として前記果菜キャリアの夫々と対応して設けられ且つ果菜搬送体と並行して走行するボタン搬送体のボタンを操作して前記作業者による果菜判別結果を入力する工程と、前記作業者の前記ボタン操作による判別結果と、果菜判別装置での計測に基づく判別結果に基づいて果菜を側方に送り出して仕分けする工程と、を備えた果菜自動選別方法である。
本願発明の果菜自動選別装置は、無端走行体に多数の果菜キャリアを備え、果菜キャリアは無端走行体の走行方向側方に往復回転可能な搬送ベルトを備えたベルトコンベア式であり、果菜搬送体の走行により前記ベルトの上に載せた果菜を搬送し、搬送中に果菜を計測器で計測して果菜の等階級を判別し、果菜搬送体での果菜搬送中に、前記判別結果に基づいて果菜を搬送方向側方に送り出して、果菜を等階級別に仕分け可能な果菜自動選別装置において、搬送方向に多数の果菜キャリアが装備された果菜搬送体と、前記果菜搬送体の果菜搬送途中に設置された果菜判別装置と、一又は二以上のボタンを一組として前記果菜キャリアの夫々と対応して設けられ且つ果菜搬送体と並行して走行するボタン搬送体を備え、ボタン搬送体は前記果菜搬送体と平行して走行する無端走行体に作業者の操作による判別結果を入力する判別ボタンが走行方向に多数装備され、前記果菜搬送体のうち少なくとも前記ベルトに果菜を載せる果菜供給部に配置されて、前記果菜搬送体と並行して循環走行回転するようにしたものである。
前記ボタン搬送体は、果菜搬送体の両側方のうち、前記ベルトに果菜を載せる作業者が配置される側に設置することができる。
本願発明では、前記ボタン搬送体の設置側と同じ側に、ベルトコンベア式の果菜受け体が設置され、当該果菜受け体は前記作業者の前記ボタン操作による判別結果と、果菜判別装置での計測に基づく判別結果に基づいて側方に送り出される果菜をプールすることができるようにしたものである。
本願発明の果菜自動選別方法及び果菜自動選別装置は次のような効果がある。
(1)作業者による判別結果を入力するボタンが果菜キャリアに取り付けられずに独立して循環走行するので、果菜を載せる作業者が配置される側に入力ボタンを配置することができるため、容易に入力ボタンを押すことができる。
(2)果菜支持体が設置されているので、果菜搬送中、少なくとも果菜判別装置を通過する間は果菜キャリア上で果菜の載置位置が一定を保ち、果菜判別装置による正確な判別が可能となる。
(3)果菜キャリアに固定支持具が装備されているので、果菜搬送体の側方に設置された果菜受け体に果菜を送り出す際に、固定支持具で果菜を押して円滑に果菜を送り出すことが可能となる。
(4)果菜支持体は、果菜受け体の設置位置よりも手前側で循環走行するので、果菜受け体に果菜を送り出す際に、果菜支持体が邪魔にならず円滑に果菜を送り出すことが可能となる。
(5)可動支持具は、支持具搬送体の無端走行体に回転可能に装備されているので、可動支持具を回転させて移動させることにより、支持具搬送体の搬送体幅を小さくできて容易に循環させることができる。
本願発明の果菜自動選別装置を示す全体平面図。 果菜キャリアと可動支持具が並走する状態を示す詳細平面図。 可動支持具の回転移動する状態を説明する平面図。 果菜判別装置の設置位置前後に、果菜支持体が設置された状態を示す平面図。 果菜キャリアと判別ボタンが並走する状態を示す詳細平面図。 果菜キャリアと、可動支持具及び判別ボタンが並走する状態を示す側面図。 従来の果菜搬送体において、作業者の判別結果を入力するボタンが取り付けられた果菜キャリアで果菜が搬送される状態を示す平面図。 従来の果菜搬送体において、果菜判別装置の設置位置前後を果菜が搬送される状態を示す平面図。
(実施形態1)
本願発明の果菜自動選別方法及び果菜自動選別装置の第1の実施形態を図に基づいて説明する。図1は、本願発明の果菜自動選別装置の全体平面図である。図に示す帯状の連続体が果菜1を矢印a方向(図では左から右)に搬送する果菜搬送体2であり、果菜搬送体2の起点側(図の左側)には作業者が果菜1を載置する供給部3が配置され、果菜搬送体2の搬送途中には搬送中の果菜1のサイズ、形状、色、糖度といった等階級を判別する果菜判別装置4が配置され、果菜判別装置4が配置される位置よりも終点側(図の右側)には、等階級別に果菜1を仕分けするための果菜受け体5が配置されている。
なお、供給部3で果菜1を載置する作業者が配置されるスペースには、作業空間及び果菜搬送体2に載せる前の果菜1を置く空間など、適当な広さが要求される。一方、果菜受け体5も図に示すとおり所定のスペースを必要とする。よって通常は、供給部3で作業者が配置されるスペースと果菜受け体5は、果菜搬送体2に対して同じ側(図では搬送方向aに対して右側)に配置されることが多い。このような配置にすることによって、作業者が配置されるスペース及び果菜受け体5が配置される側とは反対側(図では搬送方向aに対して左側)は壁面とすることができて、工場などの場内空間を有効に活用することができる。
果菜搬送体2は、駆動スプロケット6aと従動スプロケット6bに架設された無端状のチェーンである無端走行体7に、果菜キャリア8が搬送方向(矢印a方向)に多数取り付けられたものである。駆動スプロケット6aはモータMの動力により回転し、この回転に伴い無端走行体7が矢印a方向に走行して、果菜キャリア8が搬送される。
図1では、果菜搬送体2が直線区間を循環走行することになるが、これに限らず、平面的に周回するような循環走行とすることもできる。
果菜キャリア8には、搭載した果菜1を安定した状態で搬送するために果菜1が凭れかかることのできる固定支持具9(図2)が装備されている。この果菜キャリア8は、果菜受け体5まで搬送されると搭載した果菜1を送り出すための機能を備えており、そのため固定支持具9は果菜キャリア8の果菜1を送り出す側とは反対側に装備される。すなわち、図1では果菜キャリア8の搬送方向左側(図の上側)に固定支持具9が装備されており、果菜キャリア8が果菜1を果菜受け体5に送り出す際に障害とならず、むしろ果菜1を押し出すための補助具となる。
なお、果菜キャリア8が果菜1を果菜受け体5に送り出す手段としては、果菜キャリア8をベルトコンベア式とし、そのベルトを果菜搬送体2の走行方向(矢印a方向)に対して交差する方向であって果菜受け体5に向かう方向(図1では上方から下方)に回動させてもよい。ただしこの場合、固定支持具9はベルト上に取り付けられることとなるので(すなわちベルトとともに固定支持具9が移動するので)、循環回動させるベルトコンベアよりも、往復移動が可能なベルトコンベアとすることが望ましい。
ベルトコンベアは、果菜搬送体2の走行方向に対して直交する方向に回動させる場合に限らず、前方斜め方向や後方斜め方向とすることもできる。また、ベルトコンベアに限らずローラーコンベアとしたり、果菜キャリア8は移動させずに固定支持具9を移動させて果菜1を送り出したり、果菜キャリア8を傾斜させて果菜1を転がり移動させたり、種々の手段を採ることができる。
図1に示すように、果菜搬送体2の無端走行体7とは別にこれと並走する支持具搬送体10が備えられている。この支持具搬送体10には、支持具走行体11とその走行方向に多数装備された可動支持具12が備えられている。支持具走行体11は果菜搬送体2の無端走行体7と略平行(平行含む)して、循環走行している。
図2に示すように、可動支持具12は、果菜キャリア8の上で固定支持具9とともに果菜1を載せる位置を明示する果菜載置部13を形成する。この果菜載置部13は、作業者に対して果菜1を載せるべき位置を示すとともに、搬送中は果菜1を載せた位置で安定させる(その位置から動かさない)という機能や、果菜載置部13に載せられた果菜1の載置姿勢を安定させる(載置後に傾くことがない)という機能を備える。
可動支持具12が果菜載置部13を形成するため、果菜キャリア8が搬送方向に備えられる間隔と、可動支持具12が走行方向に備えられる間隔とは略等間隔(等間隔含む)であり、果菜キャリア8の搬送速度と、可動支持具12の走行速度もほぼ等速(等速含む)である。
図2に示すように、可動支持具12と固定支持具9は果菜キャリア8の両端で果菜を挟み込むように配置されている。すなわち、固定支持具9が果菜1を果菜受け体5に送り出す側とは反対側に装備されることから、可動支持具12は固定支持具9が果菜1を果菜受け体5に送り出す側に配置される。支持具走行体11も同じ側(図1では果菜搬送体2の下側)に配置されている。
可動支持具12は、果菜1を果菜受け体5に送り出す際には障害となるが、作業員が果菜1を果菜キャリア8に載せる供給部3では果菜載置部13を形成するために必要であり、果菜載置部13で果菜1を所定位置に安定させた状態で果菜判別装置4によって正確な判別を行うために必要である。よって、支持具走行体11を供給部3より手前(果菜搬送体2の走行方向よりも手前)を起点(図1に左端)とし、果菜判別装置4の設置位置と果菜受け体5の設置位置との間(果菜搬送体2の走行方向における間)を終点とする区間で循環走行させ、供給部3と果菜判別装置4を走行している間は果菜キャリア8の上に可動支持具12が出現して果菜載置部13を形成し、果菜受け体5の配置区間を走行している際には可動支持具12が果菜キャリア8の上から除かれる機構とする。なお、支持具走行体11のモータや駆動スプロケット、従動スプロケットは、果菜搬送体2とは別のものを使用してもよいし、図1に示すように果菜搬送体2のものを兼用してもよい。
図2に示すように、可動支持具12は支持具走行体11に連結されており、果菜キャリア8の上に果菜載置部13を形成するため可動支持具12が支持具走行体11から張り出した(走行方向側方に突出した)状態となっている。このように可動支持具12が支持具走行体11から張り出した状態で、支持具走行体11の駆動スプロケット(従動スプロケット)内を巻き回してもよいが、この場合駆動スプロケット(従動スプロケット)の機構が複雑かつ大きなものとなる。
このような機構を避けるため、図3に示すように、可動支持具12を支持具走行体11の方へ移動させ全体幅を縮めた上で、駆動スプロケット(従動スプロケット)内を巻き回すこともできる。図2に示すように、可動支持具12の一部を連結点14で支持具走行体11にピン結合させて、支持具走行体11に対して回転可能とし、可動支持具12が支持具走行体11の上方(あるいは下方)に回転移動できる構造とする。この回転機構付きの可動支持具12は、図3に示すように、張り出し案内体15によって果菜キャリア8の上に張り出して果菜載置部13を形成し、収納案内体16によって支持具走行体11の方へ納められて移動幅が縮小する。
具体的には、支持具走行体11の方へ納められた可動支持具12が走行していくと、可動支持具12の一部が張り出し案内体15に接触し、さらに走行すると張り出し案内体15に押されて回転しながら徐々に果菜キャリア8の上に張り出していく。果菜キャリア8とともに果菜判別装置4を通過した可動支持具12は、その一部が張り収納案内体16に接触し、さらに走行していくと収納案内体16に案内されるように回転しながら徐々に支持具走行体11の方へ納められていく。
供給部3では作業者が、果菜キャリア8の上で固定支持具9と可動支持具12によって形成される果菜載置部13に、果菜1を載置する。果菜載置部13によって、果菜1が載置されるべき位置が明示されているので、作業者は容易に作業することができる。なお、作業者によらず、果菜1を載せ置く装置や作業ロボットによって載置作業を行ってもよい。
果菜判別装置4に搬送されてくる果菜1は、果菜載置部13によって果菜1の載置位置や載置姿勢が一定しているので、安定して判別することができて正確な判別結果を出力することができる。
果菜受け体5まで搬送されてきた果菜1は、果菜判別装置4の判別結果に基づいてあらかじめ定められた果菜受け体5に送り出される。この果菜受け体5をベルトコンベアとして、果菜1が送り込まれたときに果菜受け体5のベルトコンベアが果菜一個分だけ移動して次の果菜1を載せ置くスペースを作ることもできる。あるいは、果菜1が送り込まれる直前に果菜受け体5のベルトコンベアが果菜一個分だけ移動して果菜1を載せ置くスペースを作ることもできる。この繰り返しにより、判別結果に応じて所定規格の果菜1が果菜受け体5に順次送り込まれ、果菜1が果菜受け体5のベルトコンベアにプールされていく。
(実施形態1の使用例)
本願発明の果菜自動選別装置を利用した果菜自動選別方法の具体的な使用例は、以下に示すとおりである。
(1)果菜搬送体2及び支持具搬送体10が循環走行を開始する。
(2)起点側(図1の左端側)では、支持具搬送体10の可動支持具12が支持具走行体11の方へ納められており、可動支持具12は支持具走行体11と上下方向に重なって走行する。
(3)供給部3に向けて走行している途中に、張り出し案内体15によって可動支持具12が果菜搬送体2の果菜キャリア8の上に張り出し、固定支持具9ととともに果菜載置部13を形成する。
(4)可動支持具12は果菜キャリア8と略等速で並走し、果菜載置部13の形成を維持しながら供給部3まで走行する。
(5)供給部3において、果菜キャリア8の上の果菜載置部13に作業者が果菜1を載せていく。
(6)果菜判別装置4まで、可動支持具12は果菜キャリア8と略等速で並走して果菜載置部13の形成を維持し、定位置、定姿勢の果菜1を判別する。判別にあたっては、果菜1の形状、大きさ、重量、糖度等が計測され、自動的に規格が判別される。
(7)果菜判別装置4を通過し、所定の位置まで進むと、可動支持具12は収納案内体16に案内されて支持具走行体11の方へ納められ、スプロケットを回転して起点側に復路を戻る。すなわち、ここで可動支持具12は果菜キャリア8との並走から離れ、果菜キャリア8は単独で走行する。
(8)果菜キャリア8が、果菜判別装置4で判別された規格と合致する果菜受け体5まで搬送されると、果菜キャリア8は走行方向(矢印a方向)に対して交差する方向に回動し、果菜1が固定支持具9に押し出されるように果菜受け体5に送り出される。
(9)果菜1が果菜受け体5まで移動すると、果菜受け体5のベルトコンベアが果菜一個分だけ移動して次の果菜1を載せ置くスペースを作る。
(10)果菜キャリア8が従動スプロケット6bまで走行すると、スプロケットを回転して起点側(図1の左側)に復路を戻る。
(実施形態2)
本願発明の果菜自動選別方法及び果菜自動選別装置の第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、果菜キャリア8の果菜載置部13の形成手段を実施形態1と異なる手段とするものであり、その基本的構造や使用方法は実施形態1と共通する。
実施形態1では、果菜キャリア8に装備された固定支持具9と、支持具走行体11とともに走行する可動支持具12とによって果菜載置部13を形成する実施形態を説明したが、この固定支持具9に代えて二つの支持具走行体11で果菜載置部13を形成することもできる。
果菜搬送体2の両脇に、果菜搬送体2を挟むようにそれぞれ支持具搬送体10を配置し、果菜キャリア8が搬送方向に備えられる間隔と略等間隔に、可動支持具12を支持具走行体11に装備する。果菜搬送体2の両脇を走行する一組の可動支持具12は、果菜キャリア8の搬送速度とほぼ等速で走行し、果菜キャリア8の上で果菜載置部13を形成する。両側から可動支持具12が果菜1を挟むように支持し、載置位置や載置姿勢を一定にする。
両側の支持具走行体11ともに、供給部3より手前を起点とし、果菜判別装置4の設置位置と果菜受け体5の設置位置との間までを終点とする区間を循環走行させ、供給部3と果菜判別装置4を走行している間は果菜キャリア8の上で二つの可動支持具12が出現して果菜載置部13を形成し、果菜受け体5の配置区間を走行している際には二つの可動支持具12が果菜キャリア8の上から除かれる機構とする。
(実施形態3)
本願発明の果菜自動選別方法及び果菜自動選別装置の第3の実施形態を図4に基づいて説明する。本実施形態は、果菜キャリア8の果菜載置部13の形成手段を実施形態1や実施形態2と異なる手段とするものであり、その基本的構造や使用方法は実施形態1や実施形態2と共通する。
実施形態1では、果菜キャリア8に装備された固定支持具9と、支持具走行体11とともに走行する可動支持具12とによって果菜載置部13を形成する実施形態を説明したが、この可動支持具12に代えて固定された果菜支持体で果菜載置部13を形成することもできる。
図4に示すように、供給部3より手前を起点とし、果菜判別装置4と果菜受け体5の設置位置との間を終点とする区間で、支持ロープ17が張設される。この支持ロープ17は果菜キャリア8の上で、果菜キャリア8の固定支持具9とともに果菜載置部13を形成する。固定支持具9は、実施形態1と同様、果菜キャリア8の果菜1を送り出す側とは反対側(図4の上側)に装備されるため、支持ロープ17は果菜キャリア8の果菜1を送り出す側(図4の下側)に配置される。なお支持ロープ17には、ロープ状のもののほか帯状のものや板状のものなど種々選択することができる。また、その材料も果菜1を傷めない素材であれば様々なものを選択することができる。
支持ロープ17の張設区間を、供給部3より手前から、果菜判別装置4と果菜受け体5の設置位置との間までとすることで、この区間のみ果菜キャリア8の上で果菜載置部13が形成され、果菜受け体5の配置区間を走行している際には果菜キャリア8の上に支持ロープ17はなく、果菜1は円滑に果菜キャリア8から果菜受け体5まで送り出される。
図4に示すように、支持ロープ17の張設区間の両端にプーリー18を配置し、支持ロープ17が移動できるようにすることもできる。この場合、果菜キャリア8の上に載せられた果菜1と支持ロープ17の間で生じる摩擦が緩和され、果菜1の載置位置や載置姿勢がより安定し、また果菜1を傷めることなく搬送することができる。
(実施形態4)
本願発明の果菜自動選別方法及び果菜自動選別装置の第4の実施形態を図5に基づいて説明する。本実施形態は、果菜1のサイズ別、形状別、色別、糖度別といった各種規格(等階級等)を判別する手段を実施形態1と異なる手段とするものであり、その基本的構造や使用方法は実施形態1〜3と共通する。
果菜判別装置4で果菜1の等階級等を判別するだけでは不十分な場合がある。このような場合、供給部3で果菜キャリア8に果菜1を載せる際に作業者が果菜1を目視によって判別する。作業者の目視判別は、果菜判別装置4では判別できない果菜1の傷み、形状の悪さ、色の悪さなどを判別することができるので、果菜判別装置4の判別と併用すると、果菜判別装置4の単独判別に比べてさらに精度良く果菜1を判別することができる。
作業者の目視判別結果は、果菜キャリア8に果菜1を載せる際に、その場で作業者自身が入力することが望ましい。図5に示すような判別ボタン19を供給部3に備え、この判別ボタン19を押すことで目視判別結果を入力することができる。図5では一つの果菜キャリア8につき判別ボタン19を二つ備えているので、四種類(押す/押さないの組み合わせ)の判別結果を入力することができる。
例えば、左側のみの判別ボタン19を押すとA等級、右側のみの判別ボタン19を押すとB等級、両側の判別ボタン19を押すとC等級、両方押さない場合は果菜判別装置4の判別に委ねる、といった判別方法を採ることができる。
この一つの果菜キャリア8に幾つの判別ボタン19を組み合わせるか(以下、「ボタンセット」という)については、適宜設計できる。一組のボタンセットの判別ボタン19の個数を多くするほど、多種類の判別結果を入力することができるが入力時に困惑し、一組のボタンセットの判別ボタン19の個数を少なくするほど、入力作業が容易になるが判別結果を入力種類は制限される。
果菜キャリア8に載せた果菜1を判別して判別ボタン19を押すことから、ボタンセットは対応する果菜キャリア8に隣接していることが望ましい。これにより、判別した果菜1に対してどのボタンセットに入力すべきかが明確となるからである。また、ボタンセットは作業者に対してできるだけ近いところに配置されることが望ましい。すなわち、果菜キャリア8の両側(搬送方向に対する両側方)のうち、作業者が配置される側(図1、図5では下側)に配置すると、入力作業は容易となる。ところが、前記したとおり、供給部3で作業者が配置されるスペースと果菜受け体5とは、果菜搬送体2に対して同じ側(図1では下側)に配置されることが多いため、果菜受け体5に果菜1を送り出す際、作業者側に配置されたボタンセットが障害となる。
そこで、果菜キャリア8とボタンセットは別体とし、果菜搬送体2とは別にボタン搬送体20を備えるものとした。このボタン搬送体20は、図5に示すようにボタン走行体21に多数の判別ボタン19(ボタンセット)が装備されたものであり、ボタン走行体21は果菜搬送体2の無端走行体7と略平行して、循環走行する。
また、ボタンセットは対応する果菜キャリア8との関係が明確となるよう、すなわちボタンセットが対応する果菜キャリア8に隣接するように、ボタンセットが備えられる間隔(走行方向の間隔)と果菜キャリア8の配置間隔を略等間隔とし、ボタンセットの走行速度と果菜キャリア8の搬送速度も略等速としている。このように、ボタンセットは対応する果菜キャリア8と隣接した状態で並走する。
また、果菜受け体5に果菜1を送り出す際、ボタンセットが障害とならないように、ボタン走行体21は供給部3より手前(走行方向における手前)を起点とし、果菜受け体5の設置位置より手前を終点とする区間を循環走行させる。
これにより、供給部3を走行している間は、ボタンセットは果菜キャリア8に隣接した隣接した状態で並走するが、果菜受け体5の配置区間を走行している際にはボタンセットが果菜キャリア8の側方から除かれて、果菜1の送り出しの障害とならない。なお、ボタン走行体21のモータや駆動スプロケット、従動スプロケットは、果菜搬送体2とは別のものを使用してもよいし、果菜搬送体2のものを兼用してもよい。
(実施形態5)
本願発明の果菜自動選別方法及び果菜自動選別装置の第5の実施形態を図2、図6に基づいて説明する。本実施形態は、果菜搬送体2に判別ボタン19(ボタンセット)を装備した実施形態を説明するものであり、その基本的構造や使用方法は実施形態1〜4と共通する。
図2に示すように果菜搬送体2の支持具走行体11に、判別ボタン19(ボタンセット)を装備し、ボタン走行体21を省略することができる。この場合、ボタン入力の作業性から、判別ボタン19は支持具走行体11の作業者配置側(図2では下側)に装備されることが望ましい。
また、可動支持具12と判別ボタン19は、略同じ位置で支持具走行体11に装備されることになる。可動支持具12が、収納案内体16によって支持具走行体11の方へ納められることに配慮し、図6に示すように可動支持具12と判別ボタン19との装備高さをそれぞれ違う高さとし、可動支持具12の回転平面よりも下方に判別ボタン19を装備する。これにより、可動支持具12は判別ボタン19をかわして回転し支持具走行体11の方へ納められる。
本願発明の果菜自動選別方法及び果菜自動選別装置は、果菜の選別に限られず、農産物、海産物等の一次産業品、工業製品のような二次産業品といった各種物品の自動選別に応用することもできる。
1 果菜
2 果菜搬送体
3 供給部
4 果菜判別装置
5 果菜受け体
6a 駆動スプロケット
6b 従動スプロケット
7 無端走行体
8 果菜キャリア
9 固定支持具
10 支持具搬送体
11 支持具走行体
12 可動支持具
13 果菜載置部
14 連結点
15 張り出し案内体
16 収納案内体
17 支持ロープ
18 プーリー
19 判別ボタン
20 ボタン搬送体
21 ボタン走行体
M モータ

Claims (4)

  1. 無端走行体に多数の果菜キャリアを備え、果菜キャリアは無端走行体の走行方向側方に往復回転可能なベルトを備えたベルトコンベア式であり、果菜搬送体の走行により前記ベルトの上に載せた果菜を搬送し、搬送中に果菜を果菜判別装置で計測して果菜の等階級を判別し、果菜搬送体での果菜搬送中に、前記判別結果に基づいて果菜を搬送方向側方に送り出して、果菜を等階級別に仕分け可能な果菜自動選別方法において、
    前記果菜キャリアのベルトに果菜を載せる際に作業者が果菜を判別する工程と、
    一又は二以上のボタンを一組として前記果菜キャリアの夫々と対応して設けられ且つ果菜搬送体と並行して走行するボタン搬送体のボタンを操作して前記作業者による果菜判別結果を入力する工程と、
    前記作業者の前記ボタン操作による判別結果と、果菜判別装置での計測に基づく判別結果に基づいて果菜を側方に送り出して仕分けする工程と、
    を備えたことを特徴とする果菜自動選別方法。
  2. 無端走行体に多数の果菜キャリアを備え、果菜キャリアは無端走行体の走行方向側方に往復回転可能な搬送ベルトを備えたベルトコンベア式であり、果菜搬送体の走行により前記ベルトの上に載せた果菜を搬送し、搬送中に果菜を計測器で計測して果菜の等階級を判別し、果菜搬送体での果菜搬送中に、前記判別結果に基づいて果菜を搬送方向側方に送り出して、果菜を等階級別に仕分け可能な果菜自動選別装置において、
    搬送方向に多数の果菜キャリアが装備された果菜搬送体と、
    前記果菜搬送体の果菜搬送途中に設置された果菜判別装置と、
    一又は二以上のボタンを一組として前記果菜キャリアの夫々と対応して設けられ且つ果菜搬送体と並行して走行するボタン搬送体を備え、
    ボタン搬送体は前記果菜搬送体と平行して走行する無端走行体に作業者の操作による判別結果を入力する判別ボタンが走行方向に多数装備され、前記果菜搬送体のうち少なくとも前記ベルトに果菜を載せる果菜供給部に配置されて、前記果菜搬送体と並行して循環走行回転する、
    ことを特徴とする果菜自動選別装置。
  3. 請求項2記載の果菜自動選別装置において、
    ボタン搬送体が、果菜搬送体の両側方のうち、ベルトに果菜を載せる作業者が配置される側に設置された、
    ことを特徴とする果菜自動選別装置。
  4. 請求項2又は請求項3記載の果菜自動選別装置において、
    ボタン搬送体の設置側と同じ側に、ベルトコンベア式の果菜受け体が設置され、
    当該果菜受け体は作業者のボタン操作による判別結果と、果菜判別装置での計測に基づく判別結果に基づいて側方に送り出される果菜をプールすることができる、
    ことを特徴とする果菜自動選別装置。
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