JP2013176423A - 遊技機 - Google Patents

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賢一郎 津田
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Abstract

【課題】遊技機における不正遊技球による不正行為を防止する。
【解決手段】遊技球発射ソレノイドから発射レール112に沿って発射された遊技球BLの移動経路に捕糸ホイール305を配置する。捕糸ホイール305は等間隔の4枚の羽根313(313a、313b等)にそれぞれ穴315を備え、遊技球BLが当該穴315を通過可能な姿勢を正規位置とし、遊技球BLが穴315を通過するのに同期して90°ずつステッピングモータで回転させて各羽根313を順次正規位置とする。正規の遊技球BLはなんらの障害なく正規位置の羽根313の穴315を通過し、ガイド通路103を経て遊技領域へ送出されるが、糸つき遊技球については、遊技球BLに引かれて穴315を通過中の糸STRが捕糸ホイール305の回転で羽根313に絡めとられる。これにより、遊技領域の特定部位へ不正に遊技球BLを導くことが不可能となる。
【選択図】図21

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
例えばパチンコ機等の遊技機においては、遊技媒体としての遊技球を遊技領域へ発射し、遊技球が特定の入賞口に入ると、得点や賞球を得られるようになっている。
すなわち、入賞口から延びる通路に遊技球を検知するセンサを設け、センサからの検知情報に基づいて、制御装置において上記通路を遊技球が通過したかどうかを判定して、遊技球の通過により入賞口に入ったと判定されたときには遊技者に対して遊技球の払い出し等の特典が付与される。
このような遊技機は例えば特開2009−261885号公報に開示されている。
特開2009−261885号公報
しかしながら遊技場では、上述のような入賞の如何によって利益等の発生が絡むことが多く、純粋な娯楽としての遊技を離れて、遊技球に例えば天然繊維や化学繊維などの糸を取り付けた不正遊技球である糸つき遊技球を発射し、遊技者がその糸を操作することにより当該遊技球を入賞口付近に導いて、その後に発射される正規の遊技球の入賞を容易にしたり、あるいは入賞口に糸つき遊技球を出入させて入賞回数を増やすなどの不正行為が発生している。
このような不正行為を発見するために遊技場店員による見回り監視も行われているが、例えば透明な糸を使用されたり、さらには糸つき遊技球を透明にされると、店員の目視による発見は困難である。
本発明は、上記の問題点等に鑑みてなされたものであり、不正遊技媒体による不正行為を防止することができる遊技機を提供することを目的とするものである。
このため本発明は、遊技球を発射する遊技球発射手段と、遊技盤の前面に設けられ遊技球発射手段により発射された遊技球を遊技領域へ案内するガイド通路とを備えた遊技機において、遊技球発射手段から遊技領域までの遊技球の移動経路に、前記遊技球と異なる不正遊技球を前記遊技領域の所定位置に到達させることを抑止する不正抑止手段を設けたものとした。
不正遊技球を用いても当該不正遊技球が遊技領域の所定位置に到達することを不正抑止手段により抑止されるので、遊技者は不正遊技球を遊技領域の所定位置である入賞口付近や入賞口など予定していた部位へ不正に当該不正遊技球を導くことができず、不正行為が抑止される。
本発明の第1の実施例におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 前扉枠の構成を示す背面図である。 内枠の構成を示す正面図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 捕糸ホイールの主構成部品を示す図である。 組立状態の捕糸ホイールを示す図である。 捕糸装置の配置を示す部分拡大正面図である。 捕糸ホイールの設置状態を裏面側下方から見た斜視図である。 捕糸ホイール設置部位の一部断面側面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の背面構成を示す斜視図である。 パチンコ機の構成を示す背面図である。 裏パックユニットの構成を示す正面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を示す説明図である。 主制御装置におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技球の発射制御処理を示すフローチャートである。 捕糸ホイール用の遅延処理を示すフローチャートである。 糸付き遊技球に対する捕糸ホイールによる作用を示す説明図である。 捕糸ホイールにかかるエラー報知処理を示すフローチャートである。 捕糸ホイールのフランジの第1の変形例を示す図である。 捕糸ホイールのフランジの第2の変形例を示す図である。 第2の実施例における捕糸装置の配置を示す部分拡大正面図である。 捕糸ホイールを示す斜視図である。 捕糸ホイールの設置状態を裏面側下方から見た斜視図である。 図25におけるB-B部断面図である。 糸つき遊技球に対する捕糸ホイールによる作用を示す説明図である。 第3の実施例における捕糸装置の配置を示す部分拡大正面図である。 捕糸ホイールを示す図である。 駆動ホイールを示す図である。 捕糸ホイールと駆動ホイール間のギヤ列を示す図である。 駆動ギヤを示す図である。 捕糸ホイールと被駆動ギヤの結合状態を示す断面図である。 回転制御機構を示す斜視図である。 スライダを示す図である。 スライダガイド部を示す斜視図である。 スライダと駆動ホイールの位置関係を示す説明図である。 回転制御機構の動作過程を示す図である。 回転制御機構の動作過程を示す図である。
以下、遊技機としてパチンコ機に本発明を適用した実施の形態について説明する。
まず、第1の実施例について説明する。
図1は第1の実施例にかかるパチンコ機の正面図、図2はパチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では簡単のためパチンコ機の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は木製の板材で構成され、矩形枠状をなしている。外枠11を島設備に取り付け固定することにより、パチンコ機10が遊技ホールに設置される。
なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
遊技機主部12は、開閉可能な状態で外枠11に支持されている。
すなわち、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持用金具17が設けられ、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持用金具18が設けられて、遊技機主部12はこれらにより外枠11に対して同図中左側を回動軸として前方へ回動可能とされている。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
前扉枠14は内枠13に回動可能に支持されており、正面視で左側を回動軸として前方へ回動可能とされている。
また、裏パックユニット15も内枠13に回動可能に支持されており、正面視で左側を回動軸として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1および図2を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図3を参照する。図3は前扉枠14の背面図である。
図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20を主体に構成されており、内枠13における前面のほぼ全域を覆っている。
枠体20の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部21が形成されており、その窓部21はガラスユニット22によって前扉枠14の背面側から塞がれている。
ガラスユニット22は、透明性を有するガラスパネル23、24と、これらを保持するガラスホルダ25とを備えている。ガラスホルダ25には、ガラスパネル23、24の保持領域を前後に仕切る仕切り部が形成されており、両ガラスパネル23、24は仕切り部を挟んで前後に相対向している。
つまり、ガラスパネル23、24の間に所定の隙間を確保することにより、両ガラスパネル23、24同士の干渉を回避しつつ、それらガラスパネル23、24によって遊技領域PEをパチンコ機10の正面側から2重に覆った状態となっている。
なお、必ずしもガラスパネル23、24をガラスホルダ25を用いてユニット化する必要は無く、ガラスパネル23、24を枠体20に対して個々に取り付ける構成としてもよい。さらには、ガラスパネルの枚数は任意であり、1枚としてもよいし、3枚以上としてもよい。但し、安全性および防犯性向上の観点から、複数のガラスパネルを採用し、それら各ガラスパネルを所定の隙間を挟んで前後に対向させることが好ましい。因みに、ガラスパネルに代えて透明性を有する合成樹脂性のパネル部材を採用することも可能である。
窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば環状電飾部26は、LED等を内蔵して窓部21の周縁に沿って設けられ、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。
また、環状電飾部26の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部27が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部28が設けられている。
左右の賞球ランプ部28に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部29が設けられている。
前扉枠14(枠体20)における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31の内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32の内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。
上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球の球送装置113側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内で余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
正面から見て下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構110から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2および図3に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。
通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52と、ファール球通路55とを一体に形成している。
通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が設けられ、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51の入口部分と前扉側下皿通路52の入口部分とが区画形成されている。
前扉側上皿通路51および前扉側下皿通路52は上流側が後述する樹脂ベース70の通路形成部材121を介して同じく後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、したがって下皿34に通じている。
前扉枠14の背面における回動軸側(図3の右側)には、その上端部および下端部に突起軸61、62が設けられている。これら突起軸61、62は内枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動軸と反対側(図3の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は内枠13に対する施錠機構を構成する。
図4は内枠13の正面図である。なお、図4においても図2と同様に遊技領域PE内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11と同様に略矩形状をなす樹脂ベース70を主体に構成されている。樹脂ベース70の高さ寸法は、外枠11の高さ寸法よりも若干小さく設定されている。
図4における樹脂ベース70前面の左端側には、その上端部および下端部に支持金具71、72が取り付けられている。支持金具71、72には不図示の軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61、62が挿入されることにより、内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
図4における樹脂ベース70前面の右側には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔73がそれぞれ設けられている。
後掲の図11に示すように、パチンコ機10では、内枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置75が内枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔73を介して施錠装置75(詳しくは前扉用鉤受け部材76)に係止されることによって、前扉枠14が内枠13に対して開放不能に施錠される。
また、施錠装置75は内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。内枠用鉤部材77が外枠11に設けた不図示の鉤受け部材に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
図4に戻って、樹脂ベース70の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、左に回すと外枠11に対する内枠13の施錠が解除されるように施錠装置75が構成されている。
樹脂ベース70の中央部には略楕円形状の窓孔74が形成され、窓孔74は樹脂ベース70に装着された遊技盤80によって後方から塞がれている。
遊技盤80は、木製の合板とその前面を覆うシート材とからなり、シート材の前面が窓孔74を通じて樹脂ベース70の正面側に露出している。この露出している遊技盤80の前面が、遊技球が流下する遊技領域PEとなる。
前述のように、遊技領域PEはガラスユニット22(詳しくはガラスパネル24)によって覆われている。ガラスユニット22は、ガラスパネル24と遊技盤80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同一箇所で前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりが抑制される。
なお、遊技盤80は木板とシート材の組み合わせに限定されるものではなく、合成樹脂製とすることも可能である。
次に、遊技盤80、とくに遊技領域PEに配された各種構成について説明する。
図5は遊技盤80の正面図である。
遊技盤80には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83、84、スルーゲート85および可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口81、可変入賞装置82および作動口83、84に遊技球が入ると、遊技球がそれぞれに対応する検知センサ250(後掲の図15参照)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
遊技領域PEの最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域PEから排出される。
以下の説明では、アウト口87への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83、84、スルーゲート85への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
遊技盤80にはさらに、遊技球の流下経路を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘88や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
可変表示ユニット86には、作動口83、84への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられ、さらに図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。
センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93と第2特定ランプ部94が設けられるとともに、センターフレーム92の上部および下部にはそれぞれ保留ランプ部96、95が設けられている。これらのランプは例えばLEDを光源とする。
下部の保留ランプ部95は、図柄表示装置91および第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数が最大4回まで保留され、保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上部の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数が最大4回まで保留され、保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。
図柄表示装置91には、例えば左、中および右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールするなど変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合に、特別遊技状態(以下、大当たりと言う)が発生することとなる。
第1特定ランプ部93では、作動口83、84への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。
作動口83、84は、可変表示ユニット86寄りとなる位置に配置されている。
これは、作動口83、84への入賞をトリガとして、大当たりが発生し得るため、遊技者は作動口83、84に入賞するか否かに注目するとともに、大当たりが発生するか否かを把握するため図柄表示装置91や第1特定ランプ部93に注目するものと考えられるので、遊技者が注目したい箇所を可変表示ユニット86周辺に集中させたものである。
また、作動口83、84は、可変表示ユニット86の下方に上下に並べて配列されてい
る。以下便宜上、上側の作動口を「上作動口83」、下側の作動口を「下作動口84」と称する。
下作動口84には開閉式の電動役物89が設けられている。電動役物89は、下作動口84への入球が可能または容易となる開放状態と、同入球が不可または困難となる閉鎖状態とに切替可能となっている。上述した第2特定ランプ部94において遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとした発光色の切り替えが所定の順序で行われ予め定められた色が停止表示された場合には、電動役物89が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置(特別入球装置または特別入球手段)82は、開閉部材(開閉手段)としての開閉扉を有しており、遊技球の入球が可能または容易となる開放状態(補助状態)と、同入球が不可または困難となる閉鎖状態(非補助状態)とに切替可能となっている。
通常時においては、開閉扉は閉鎖状態のまま維持され、大当たりの際には開放状態への切り換えがなされる。可変入賞装置82の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過または所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとし、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限とした可変入賞装置82の開放が繰り返される。
図4に示すように、樹脂ベース70における遊技盤80の下方には、遊技球発射ハンドル41の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110がベースプレート114を介して樹脂ベース70に設けられている。
遊技球発射機構110は、遊技球を発射する遊技球発射ソレノイド111と、これによって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、発射レール112下端側の発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113とを備えている。
発射レール112は、その上壁を遊技球の滑走溝としており、滑走溝の横断面は開き角120°のV字形である。
発射レール112は、遊技盤80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態
でベースプレート114に固定されている。
遊技球発射ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置からの信号に基づいてその出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球を遊技盤80に装着されたガイドレール100に向けて打ち出す。
以下では、遊技球発射機構110を遊技球発射ソレノイド111で代表する。
ガイドレール100は、遊技領域PEをその外形が略円形状となるように区画形成している。
ガイドレール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101と外レール102からなり、両レール101、102によって一条のガイド通路103が形成されている。ガイド通路103は、入口を発射レール112の上端に対向させ、出口を遊技領域PEの上部に位置させている。ガイド通路103の入口となる外レール102の下端は遊技盤80の下端縁近傍に位置している。
ガイドレール100は、遊技領域PEの略中央部分を中心とする円弧状をなしているので、ガイド通路103を通過する遊技球は、自身に発生する遠心力により外レール102に沿って、摺動または転動により移動しやすくなっている。
遊技球発射ソレノイド111の作動に基づいて発射された遊技球は、発射レール112からガイド通路103を経る移動経路により遊技領域PEに導かれる。なお、本実施の形態においては、発射レール112も遊技球発射機構110から遊技領域PEまでの遊技球の移動経路に含まれる。すなわち、発射レール112、発射レール112とガイド通路103間の後述の間隙およびガイド通路103が移動経路を形成している。
また、ガイド通路103の出口には、遊技領域PEに到達した遊技球のガイド通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が設けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを防止している。
ガイドレール100と発射レール112は、ガイド通路103の入口と発射レール112の先端部分とが遊技盤80の下端縁Lを挟んで斜めに対向するように配置される。そして、外レール102の下端部は、発射レール112の滑走溝の先端に指向せず、それより下方に指向してガイド通路103の入口を広くしている。これにより、発射レール112を滑走した遊技球は、確実にガイド通路103に突入する。
なお、ガイド通路103の入口と発射レール112の間には間隙が設けられ、当該間隙のガイド通路103寄りは発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずガイド通路103を逆戻りするファール球を回収するファール球通路55(図3参照)へのファール球送出口OSとなっている。
次に本実施例では、遊技球の移動経路におけるファール球送出口OSと発射レール112の間に糸つき遊技球の糸を捕捉する捕糸装置300が設けられている。
捕糸装置300は、捕糸ホイール305とこれを駆動するステッピングモータ340とからなり、樹脂ベース70におけるガイド通路103の入口と発射レール112の間に捕糸ホイール305を配している。
図6は捕糸ホイール305の主構成部品を示し、(a)は羽根部の正面図、(b)は羽根部の側面図、(c)は(a)におけるA−A部断面図、(d)は連結軸部の後方斜視図、(e)は連結軸部の縦断面図である。図7は組立状態の捕糸ホイール305を示し、(a)は前方斜視図、(b)は羽根部と連結軸部の結合部を示す断面図である。そして図8は捕糸装置300の配置を示す部分拡大正面図である。
捕糸ホイール305は、図6の羽根部310と連結軸部320とを結合して図7に示す組立体としている。
羽根部310は樹脂製で、図6の(a)〜(c)に示すように、貫通孔312を有する円筒基部311から周方向等間隔にそれぞれ放射状に延びる4枚の羽根313を備える。羽根313は、円筒基部311の軸に対して平行な本体部314の幅方向(軸方向)中央に遊技球より大径の穴315を有するとともに、本体部314の外端縁には前方から見て反時計方向に延びるフランジ316を有している。羽根313の幅は円筒基部311の長さと同一である。
フランジ316の板厚は本体部314の板厚よりも薄く、本体部314からの延び量は軸心からの本体部314の長さの略1/6である。フランジ316の先端縁には、幅方向中央を最深とした大開き角(例えば略130°)をもったV字状の案内部317が
形成されている。
円筒基部311の貫通孔312の内壁には、軸方向に延びるキー突条318が形成されている。キー突条318の周方向位置は、隣接する2枚の羽根313の基部間の中間に設定され、成形時の羽根313の根元のヒケ発生を防止している。
また、円筒基部311には直径線上キー突条318と対向する位置にネジ孔319が形成されている。
連結軸部320も樹脂製で、図6の(d)、(e)に示すように、羽根部310の貫通孔312と整合する外径を有する第1軸部321と、後述のステッピングモータ340の出力軸341と圧入結合するための断面D形の軸孔325を有する第2軸部323とからなり、第2軸部323には4枚の遮光板324が設けられている。遮光板324は外広がりの扇状で、羽根313と同じく周方向等間隔にそれぞれ放射状に延びている。
第1軸部321には貫通孔312のキー突条318に対応するキー溝322が軸方向に形成され、直径線上キー溝322と対向する位置には円筒基部311のネジ孔319に対応するネジ受け孔326が形成されている。
軸孔325を有する第2軸部323は第1軸部321よりも大径となっている。
キー突条318をキー溝322に沿わせて第1軸部321を円筒基部311の貫通孔312に圧入することにより図7に示す組立体としての捕糸ホイール305となる。ただし、後述のように、羽根部310と連結軸部320の遮光板324との間には、図7の(b)に仮想線で示す樹脂ベース70が位置することになる。
捕糸ホイール305はその連結軸部320を樹脂ベース70に対して垂直(前後方向)に配置して設置されている。すなわち、捕糸ホイール305の回転軸Kは遊技盤80の前面に対しても垂直となっている。
捕糸ホイール305は、設置状態において図8に示されるように、発射レール112の延び方向に対して1枚の羽根313の本体部314を垂直姿勢にして遊技球の移動経路を横切るように突出させた状態を正規位置とする。以下では、羽根313自体についても上記の状態を正規位置と言う。
捕糸ホイール305の正規位置において、他の3枚の羽根313は遊技球の移動経路に突出しない。とくに、遊技球の移動経路に突出させた羽根313に隣接する羽根313の本体部314は発射レール112の延び方向と平行となる。
捕糸ホイール305が正規位置のとき、発射レール112上を発射された遊技球が移動経路に突出させた羽根313の穴315を通過するとともに、発射レール112の延び方向と平行状態の羽根313のフランジ316は発射された遊技球と干渉しない高さ位置となるように設定される。なお、図8においてBLは発射待機位置の遊技球を示す。
本体部314の延び方向から見たとき(図6の(b)参照)、フランジ316の先端縁は穴315の最軸心側穴縁よりも軸心側となるように設定されて、穴315を通過する遊技球が引っ掛からないようになっている。同様に、図8に示すように、発射レール112の延び方向と平行状態の羽根313を軸方向から見たとき、そのフランジ316の先端縁は発射レール112における滑走溝の最下底の延長線よりも下方に位置して、発射レール112上から発射された遊技球が引っ掛からないようになっている。
上述した捕糸ホイール305の軸位置は、樹脂ベース70に取り付けられた遊技盤80の下端縁と略同等高さになる。
羽根313の幅寸法はガイドレール100(内レール101、外レール102)の幅より大きく、ガイドレール100の幅の略中央を通る遊技球の発射軌跡を穴315の中心に合わせると、羽根313はガイドレール100の幅より張り出す。
その結果、羽根313はガイドレール100を装着した遊技盤80と干渉することになるので、遊技盤80の下端には羽根313の回転軌跡を囲む半円状に切り欠き80Aが形成されている。そして、樹脂ベース70は前面を羽根313と干渉しないように遊技盤80の前面よりも後退させたホイール支持部330を下方から遊技盤80の切り欠き80A内に延ばしている。
このホイール支持部330において、捕糸ホイール305の連結軸部320は羽根部310と結合する第1軸部321が樹脂ベース70の前側に位置し、第2軸部323は樹脂ベース70を貫通して裏面側へ延びる。
図9は捕糸ホイール305の連結軸部320が樹脂ベース70(ホイール支持部330)を貫通する部位を裏面側から見た斜視図であり、図10は一部断面側面図である。
ホイール支持部330の裏面には後方へ延びる2本のモータ支持ボス332が形成され、モータ支持ボス332の先端(後端)にステッピングモータ340がネジ346で取り付けられている。
捕糸ホイール305はその連結軸部320(第2軸部323)の軸孔325にステッピングモータ340の出力軸341を圧入してステッピングモータ340に連結されている。
ホイール支持部330の裏面には、第2軸部323の真下に、間隙を挟んで互いに対向するLEDなどの発光素子327aとフォトトランジスタなどの受光素子327bを備えたフォトセンサ327がネジ345で取り付けられており、捕糸ホイール305の回転時にその遮光板324がフォトセンサ327の間隙を通過する。
遮光板324は、1枚の羽根313の本体部314が発射レール112の延び方向に対して垂直姿勢である正規位置のとき、発光素子327aと受光素子327bの間を遮光するように位置設定されている。
本実施例では、正規位置における羽根313の本体部314が図8に示すように傾斜しているに対してフォトセンサ327が連結軸部320の真下に配置されているので、軸方向から見た本体部314と遮光板324は周方向に所定角度ずれている。したがって、羽根部310のキー突条318と連結軸部320のキー溝322とは当該所定角度のずれを生じるように設定される。
捕糸ホイール305の組み付けは以下の手順で行う。
まず、フォトセンサ327をホイール支持部330の裏面に取り付けるとともに、あらかじめステッピングモータ340の出力軸341に連結軸部320の第2軸部323を圧入しておく。
次に、ステッピングモータ340に結合された連結軸部320の第1軸部321をホイール支持部330の貫通穴331に裏面側から挿し込む。そして、遮光板324をフォトセンサ327の間隙に落とし込みながら第2軸部323の先端部を貫通穴331に挿し込むと、ステッピングモータ340のブラケット342がモータ支持ボス332の先端に着座するので、ブラケット342をネジ346でモータ支持ボス332に固定する。
このあと、ホイール支持部330から前方に突出している連結軸部320の第1軸部321に羽根部310の円筒基部311を嵌め、円筒基部311のネジ孔319から第1軸部321までネジ344を締めこんで抜け止めする。
ステッピングモータ340とフォトセンサ327はそれぞれ後述するホイール制御基板650(後掲の図15参照)に電気的に接続される。
捕糸ホイール305は、遊技球発射ソレノイド111により打ち出された遊技球が羽根313の穴315を通過直後ごとに、ステッピングモータ340により図7に示した正規位置(姿勢)を基準に90°単位で回転駆動される。
外レール102の先端(下端)と捕糸ホイール305との間は、前述のように、ファール球送出口OSとなっている。したがって、ファール球は捕糸ホイール305の手前でファール球通路55へ落下するので、次に発射される遊技球との干渉が抑制されるとともに、ステッピングモータ340で捕糸ホイール305の回転駆動中にファール球が衝突するなどして捕糸ホイール305の位置制御に悪影響を与えることもない。
ファール球通路55は、通路形成ユニット50の一部として前扉枠14に取り付けられ、仮に遊技球発射ソレノイド111から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球としてガイド通路103内を逆戻りする場合にこれを回収する。なお、ファール球通路55は捕糸ホイール305の一部も覆って、ファール球がこぼれないようにしている。
ファール球通路55は前述のように前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1に示した下皿34に排出される。
図4に戻って、樹脂ベース70における左側の外レール102の下方には、前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に通路形成部材121が配設されている。そして、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込むようになっている。
通路形成部材121は内部が上皿33向けの通路と下皿34向けの通路に区画され、後述する遊技球分配部からの遊技球を、受口部53を介して個別に前扉側上皿通路51または前扉側下皿通路52へ導く。
樹脂ベース70において通路形成部材121の下部には開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124は回動可能に支持されて、不図示の付勢部材により、通路形成部材121を閉鎖状態に付勢されている。したがって、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では、通路形成部材121に遊技球が貯留されている状態でもその貯留球がこぼれ落ちてしまうことを防止している。
前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14側の受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられ、通路形成部材121の内部通路と前扉側上皿通路51および前扉側下皿通路52とが連通する。
図11はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図12は遊技盤80から後述の主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
図11、図12に基づいて、内枠13(樹脂ベース70および遊技盤80)の背面構成について説明する。
とくに図11に示すように、樹脂ベース70の背面における回動基端側には、軸受け金具132が上下に並設されており、これにより内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。
樹脂ベース70の背面には係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって遊技盤80が樹脂ベース70に対して取り付けられている。
図12に示すように、遊技盤80の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から図柄表示装置91(図5参照)が取り付けられるとともに、その図柄表示装置91を駆動するための図示省略の表示制御装置が取り付けられている。
図柄表示装置91と表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、取付台144上に音声ランプ制御装置143を装着して構成されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置162からの指示に従い音声やランプ表示、および表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板624(後掲の図15参照)を具備しており、音声ランプ制御基板624が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤80の背面には、可変表示ユニット86の下方に集合板150が設けられている。集合板150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構が設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板150には、一般入賞口81、可変入賞装
置82、作動口83、84等の各種入球口、およびアウト口87に対して個々に対応する回収通路151が設けられている。これら回収通路151は、各入球口等から遊技盤80の背面に沿って下っている。各回収通路151は遊技盤80の下端付近で合流して、その出口はさらに下方の不図示の排出通路に向けて開口している。これにより、遊技盤80の下方に集合した遊技球は、排出通路へと導出される。
集合板150にはまた、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83、84に対して個々に対応する検知センサ250が設けられている。各検知センサ250は、上記一般入賞口81等の入球口に連なる各回収通路151の途中に配置され、遊技盤80の背面側に設けられた主制御装置ユニット160(主制御装置)に電気的に接続されている。主制御装置は遊技球の通過を検知した検知センサ250からの信号により一般入賞口81等の入球口への入球を検知する。
図11に示すように、主制御装置ユニット160は、集合板150を後側から覆うようにして遊技盤80に搭載されており、合成樹脂製の取付台161と、同取付台161に搭載された主制御装置162とによって構成されている。
主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックス
ベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベ
ースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、
これにより基板ボックス163が封印されている。
次に、図13、図14に基づき裏パックユニット15について説明する。
図13はパチンコ機10の背面図、図14は裏パックユニット15の正面図である。
図13に示すように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に払出機構部202、排出通路盤および制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、図14に示すように、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。
保護カバー部212は左右側面および上面が閉鎖され下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211にはその右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。
また、ベース部211にはパチンコ機10の後方から見て右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた軸受け金具132に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して後方から見て右端側を軸にして回動可能に支持されている。
後方から見てベース部211の左端側には、内枠13に設けられた不図示の被締結孔に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔90に嵌め込むことで内枠13に対して裏パックユニット15が固定されるようになっている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配
設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配され上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。
タンク221の下部には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。
ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられ、さらにその下流側には払出通路を経て不図示の遊技球分配部が設けられている。
払出装置224より払い出された遊技球は、遊技球分配部により通路形成部材121の区画された内部通路に振り分けられる。すなわち、前述のように、内部通路の一方は前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じる通路であり、他方は前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じる通路である。
ベース部211の下端部には、制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に
払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板を収容して構成され、払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板を収容して構成され、各種制御装置等で要する所定の電源を生成して出力するとともに、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御を行う。
電源・発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態をRAMに保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、必要に応じてRAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
次に、パチンコ機10の遊技制御にかかる電気的構成について、図15のブロック図に基づき説明する。
図15では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板601には、主制御回路602と停電監視回
路603とが内蔵されている。主制御回路602には、MPU611が搭載されている。
MPU611には、当該MPU611により実行される各種の制御プログラムや固定値デ
ータを記憶したROM612と、そのROM612内に記憶される制御プログラムの実行
に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM613と、図示省略の割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
なお、MPU611には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されているが、簡単のため図示省略している。後述の払出制御基板622のMPU631、音声ランプ制御基板624のMPU641についても同様である。
RAM613は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御装置243
に設けられた電源・発射制御基板621からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが
保持される構成となっており、不図示の各種カウンタエリア613a、抽選カウンタ用バッファ613b、保留球格納エリア613c、電役保留エリア613d、および各種フラグ格納エリア等を備えている。
主制御回路602の入力側には、主制御基板601に設けられた停電監視回路603、払出制御装置242に設けられた払出制御基板622および検知センサ250などが接続されている。
停電監視回路603には電源・発射制御基板621が接続されており、主制御回路602には停電監視回路603を介して電力が供給される。
検知センサ250には、可変入賞装置82や、作動口83、84等の入球経路に設けられて各入球部への入球を個別に検知する各種のものが含まれ、その検知信号に基づいて、MPU611において各入球部における入賞判定が行われる。
主制御回路602の出力側には、停電監視回路603および払出制御基板622と、中継端子板623を介して音声ランプ制御装置143(詳しくは音声ランプ制御基板624)とが接続されている。
払出制御基板622には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。音声ランプ制御基板624に対しては、前述の報知コマンドを含む各種コマンドが出力される。
また、中継端子板623は、さらに主制御回路602、電源・発射制御基板621および音声ランプ制御基板624とホイール制御基板650とを中継している。
停電監視回路603は、主制御回路602と電源・発射制御基板621とを中継し、ま
た電源・発射制御基板621から出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を
監視する。
払出制御基板622は、払出装置224による賞球や貸し球の払出制御を行うものであ
る。
演算装置であるMPU631は、そのMPU631により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM632と、ワークメモリ等として使用されるRAM633とを備えている。
RAM633は、主制御回路602のRAM613と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源・発射制御基板621からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板622の入力側には、主制御回路602、電源・発射制御基板621、および裏パック基板629が接続されている。また、払出制御基板622の出力側には、主制御回路602および裏パック基板629が接続されている。
電源・発射制御基板621は、二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路602や払出制御基板622等に対して各々に必要な動作電力を供給するとともに、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射ハンドル41の操作があったとき発射許可信号を主制御装置162へ出力するとともに、中継端子板を介してホイール制御基板650へ出力する。
音声ランプ制御基板624はMPU641を備え、主制御回路602から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部26〜28、スピーカ部29、および表示制御装置625を制御する。
演算装置であるMPU641は、そのMPU641により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM642と、ワークメモリ等として使用されるRAM643とを備えている。
表示制御装置625は、音声ランプ制御基板624から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
ホイール制御基板650については後述する。
ここで、MPU611により遊技制御に用いられるデータ、とくにRAM613の各種カウンタエリア613aに設けられたカウンタについて説明しておく。
各種カウンタエリア613aには、図16に示すように、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置91が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行う期間および図柄表示装置91における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCS、そして下作動口84の電動役物89を電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4が設定されている。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口83、84に入球したタイミングでRAM613の保留球格納エリア613cに格納される。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つま
り49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、大当たり種別カウンタC2によって、大当たりが終了した後に、確変状態とするか通常状態とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口83、84に入球したタイミングでRAM613に設けられた保留球格納エリア613cに格納される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値
(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期
的に更新され、遊技球が作動口83、84に入球したタイミングで保留球格納エリア613cに格納される。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(
つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSによって、
第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行う期間としての切替表示時間が決定
される。この切替表示時間は、図柄表示装置91の図柄の変動表示時間に相当する。変動
種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処
理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1特定ランプ部93に表示される
色の切り替え開始時および図柄表示装置91による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
カウンタC1〜C4、CINI、CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大
値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され
、その更新値がRAM613に設けられた抽選カウンタ用バッファ613bに適宜格納される。
RAM613の保留球格納エリア613cは、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなっている。保留球格納エリア613cには、作動口83、84への遊技球の入球履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
なお、1遊技回の開始に際しては、主制御基板601のMPU611にて、保留球格納
エリア613cに格納されている各カウンタC1〜C3、CSの値を用いて大当たり抽選
や第1特定ランプ部93に表示される色の切り替え時間が決定されるが、ここで決定され
た抽選結果の情報や切り替え時間の情報は遊技回用コマンドとして音声ランプ制御装置1
43に送信される。
また、スルーゲート85への入賞が発生したタイミングでその時点での電役開放カウン
タC4の値が取得され、その取得した値に基づいて電動役物を開放状態とするか否かの抽
選が実行される。
音声ランプ制御装置143では、当該遊技回用コマンドに基づいて、図柄表示装置91における変動パターンやリーチ発生の有無など該当する遊技回の演出内容を決定する。
次に、主制御装置162のMPU611において実行されるタイマ割込み処理と通常処理とについて説明する。
なお、MPU611では、タイマ割込み処理および通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理とNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
図17はタイマ割込み処理の流れを示すフローチャートである。
本処理は例えば2msec周期で定期的に実行される。この周期は任意である。但し、当該タイマ割込み処理には、電断信号や不正検知信号の確認や、各種入賞の確認などといった短い周期で繰り返し実行すべき処理が設定されているため、これら以外の処理が設定されている後述の通常処理の繰り返し周期よりも短く設定されていることが好ましい。
先ずステップS101において、信号読み込み処理を実行する。
信号読み込み処理では、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83、84およびスルーゲート85に対して個別に設けられた検知センサ250から入力ポートに入力されている情報を確認し、その確認結果から各入球部への入球の有無を特定して、入賞検知情報として保存する。具体的には、任意の1回の処理にて遊技球を検知していないことに対応した信号(例えば、LOWレベル信号)の入力を確認し、その後の2回の処理で遊技球を検知していることに対応した信号(例えば、HIレベル信号)の入力を連続して確認した場合に、その検知センサに対応した入球部において遊技球の入球が発生したと特定し、入賞検知フラグをセットする。
ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIをインクリメント(1加算)するとともに、そのカウンタ値が上限値を超えている場合には初期値0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM613の抽選カウンタ用バッファ613bの該当する領域に格納する。
ステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。すなわち、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および電動役物開放カウンタC4のカウンタ値をそれぞれインクリメントするとともに、それらのカウンタ値が上限値を超えている場合にはそれぞれ初期値0にクリアして、各カウンタ値を、RAM613の抽選カウンタ用バッファ613bの該当する領域に格納する。
ここで、大当たり乱数カウンタC1に関しては、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
乱数初期値カウンタCINIは乱数値であるため、大当たり乱数カウンタC1の初期値は変動している。よって、大当たり乱数カウンタC1の値が当選値と一致するタイミングは、大当たり乱数カウンタC1が1周する毎に異なっているため、大当たり乱数カウンタC1の値が当選値となるタイミングを把握することは困難になっている。
続くステップS104では、スルーゲート85への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。
スルー用の入賞処理では、スルーゲート85への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア613dに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば4)未満であることを条件として、前記ステップS103で更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア613dに格納する。また、音声ランプ制御装置143に対して、役物保留記憶数と対応する保留ランプ部96を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105において、始動入賞処理を実行する。
始動入賞処理では、RAM613に設けられた各種フラグ格納エリア(入賞検知フラグ格納エリア)に作動口用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定することにより、遊技球が作動口83、84に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。
遊技球が作動口83、84に入賞したと判定すると、第1特定ランプ部93および図柄表示装置91の作動保留球数Nが上限値(本実施例では4)未満であるか否かを判定する。
作動口83、84への入賞があり、且つ作動保留球数N<4である場合に作動保留球数Nを1加算する。その後、抽選カウンタ用バッファ613bに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2およびリーチ乱数カウンタC3の各値を、RAM613の保留球格納エリア613cの空きエリアのうち最初のエリアに格納する。
始動入賞処理の後、MPU611は本タイマ割込み処理を一旦終了する。
次に、通常処理の流れを図18のメインフローチャートを参照しながら説明する。
通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS210、S211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
まず、ステップS201において、タイマ割込み処理または前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置242に送信する。また、遊技回制御用コマンドまたは遊技状態用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置143に送信する。さらには、RAM613の各種フラグ格納エリアに例えば入賞判定にかかるエラー検知フラグ等が格納されている場合には、音声ランプ制御装置143に報知コマンドを出力する。これにより、エラー表示ランプ部27やスピーカ部29でエラーの発生が報知される。
続くステップS202において、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSをインクリメントするとともに、カウンタ値が上限値を超えた場合にはカウンタ値を初期値0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、R AM613の抽選カウンタ用バッファ613bの該当する領域に格納する。
なおフローは省略したが、このあと必要に応じて、下作動口84に設けられた電動役物89の開放の判定や払い出しが正確に行われているかの判定に用いる、払出制御装置242より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。
続くステップS203では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定のほか、第1特定ランプ部93および第2特定ランプ部94、保留ランプ部95、96のオンオフ制御、また図柄表示装置91による図柄の変動表示の設定などが行われる。
すなわち、大当たり判定については、大当たり乱数カウンタC1の値が予め定めた大当たり当選となる当選値と一致しているか否かを判定する。また、大当たり種別カウンタC2の値に基づいて大当たりの種類(いわゆる、確変大当たりか否か)が決定され、また、リーチ乱数カウンタC3の値及び変動種別カウンタCSの値に基づいて、各ランプ部の色の切替表示時間や図柄の変動表示時間が決定される。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が可変入賞装置を遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換える開閉実行モード、大当たり当選となる確率が高くなる高確率モード、下作動口84への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS205では、下作動口84に付随する電動役物89を開放状態とするか否かの判定を含み、当該電動役物89を駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。
続くステップS206において、遊技球の発射制御処理を実行する。
図19は発射制御処理の流れを示すフローチャートである。
ここでは、ステップS301において、電源・発射制御装置243から遊技球発射ハンドル41の操作に基づく発射許可信号が入力されているかどうかを判定する。
発射許可信号が入力されている場合は、ステップS302において、発射ソレノイド制御信号を出力する。これにより、電源・発射制御装置243から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出されるように、遊技球発射機構110を駆動させる。
すなわち、MPU611は所定期間経過毎に電源・発射制御装置243に発射パルス信号を出力し、電源・発射制御装置243は、発射パルス信号が入力されたことに基づいて、当該発射パルス信号の電圧を増幅させた発射ソレノイド制御信号(駆動電圧)を遊技球発射機構110の遊技球発射ソレノイド111へ向けて出力する。これにより遊技球発射ソレノイド111の出力軸を発射位置と収容位置とに移動させることで、遊技球の発射を制御する。
ステップS301の判定で発射許可信号が入力されていない場合は今回の処理を終了する。
図18のメインフローチャートに戻り、ステップS207においては、捕糸ホイール305の駆動に対する遅延制御処理を実行する。
図20は遅延制御処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401において、電源・発射制御装置243から発射許可信号が入力されているかどうかを判定する。
発射許可信号が入力されている場合は、ステップS402において、当該発射許可信号に含まれる遊技球発射ハンドル41の操作量に基づき、遊技球発射ソレノイド111により発射された遊技球の速度に応じた捕糸ホイール305の羽根313の穴315を通過するまでの時間を演算して、羽根313の穴315を通過した後に捕糸ホイール305を回転させるための遅延時間コマンドを中継端子板623を介してホイール制御基板650へ出力する。
そして、ステップS403において、ホイール制御基板650は、発射許可信号の受信から遅延時間コマンドに基づく所定時間経過後に回転許可信号(駆動信号)をステッピングモータへ出力する。これにより捕糸ホイール305が90°回転する。
遊技球が糸の取り付けられていない正規のものである場合には、正規位置にある捕糸ホイール305の羽根313の穴315を通過するだけであり、捕糸ホイール305が90°回転すると再び遊技球が通過可能な正規位置となるので、連続的に遊技球が発射されても遊技に何らの影響も及ぼさない。
ステップS401の判定で発射許可信号が入力されていない場合は今回の処理を終了する。
図18の通常処理ではその後、ステップS208において、RAM613の各種フラグ格納エリアに停電フラグが格納されているか否かを判定する。
停電フラグが格納されていない場合には、ステップS209に進み、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から4msecが経過したか否かを判定する。
通常処理の開始から4msec経過しているときはステップS201へ戻り、新たな通常処理を繰り返す。
通常処理の開始から4msecが経過していないときは、次の通常処理の実行タイミングである4msec経過までの残余時間内において、ステップS210、S211のカウンタ更新へ進む。
すなわち、ステップS210では、乱数初期値カウンタCINIのカウンタ値をインクリメントするとともに、そのカウンタ値が上限値を超える場合は初期値0にクリアする更新を行い、当該乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM613の抽選カウンタ用バッファ613bの該当する領域に格納する。
また、ステップS211では、変動種別カウンタCSのカウンタ値をインクリメントするとともに、そのカウンタ値が上限値を超える場合は初期値0にクリアする更新を行い、当該変動種別カウンタCSの更新値を、RAM613の抽選カウンタ用バッファ613bの該当する領域に格納する。
その後、ステップS208へ戻り、次の通常処理の実行タイミングまでの残余時間内において上記のカウンタ更新が繰り返される。
ステップS208の判定で停電フラグが格納されている場合には、電源遮断が発生したことになるので、ステップS212以降の電断時処理を実行する。
ステップS212では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS213でRAM判定値を算出、バックアップエリアに保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM613の作業領域アドレスにおけるチェックサムの補数である。RAM判定値を保存することにより、RAM613のチェックサムは0となる。
チェックサムを0とした上で、ステップS214において、RAM613のアクセスを禁止する。この後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
ここで、NMI割込み処理において電源遮断の発生が特定されたとしても即座に電断時処理を実行するのではなく、RAM613に停電フラグを格納し、さらに停電フラグが格納されているか否かの判定を通常処理においてステップS201〜ステップS207の処理(停電フラグを格納する前までの処理)を実行した後に行うことにより、復電後に通常処理が実行される場合、常に最初の処理から実行されることとなる。これにより、電源遮断発生時に実行していた処理の番地をスタック情報としてRAM613に記憶しなくても、電源遮断前の状態に復帰することが可能となる。
図21は、先のステップS207の遅延制御で駆動される捕糸ホイール305による糸付き遊技球に対する作用を示す。
図21の(a)は糸付き遊技球が発射レール112の延び方向に対して垂直姿勢の羽根313aの穴315を通過した瞬間を示し、遊技球BLに取り付けられた糸STRは遊技球BLからその進行方向Hと逆方向に一直線に穴315を貫通して発射レール112側へ延びている。このタイミングで、ステッピングモータ340が捕糸ホイール305を矢示のように反時計方向に回転させると、図21の(b)に示すように、糸STRを通過させた羽根313aのフランジ316の先端縁が当該糸STRの遊技球BL側に横方向から接触して下方に押さえ込み、同時に、隣接の羽根313bが立ち上がってそのフランジ316の先端縁が同様に横方向から接触して糸STRの後側を持ち上げて、糸STRの軌跡を変化させる。
この際、糸STRと接触する各フランジ316の先端縁にはそれぞれ案内部317(図6参照)がフランジ316の幅中央へ向かう傾斜面を形成し、引っ掛かった糸STRをフランジ316の幅中央方向へ案内するので、糸STRはフランジ316から外れにくい。そして、フランジ316は比較的薄く形成されており、案内部317を含むフランジ316のエッジ状の先端縁が糸と擦れることにより、また、糸STRを通過させた穴315の穴縁とも擦れることにより、糸STRに対する相応の係止制動作用が生じる。
以上により、遊技球BLに取り付けられた糸STRは捕糸ホイール305の羽根313に絡まるとともに、遊技球BLはその進行を妨げられる。この結果、糸つき遊技球の場合にはその糸STRが捕糸ホイール305に捕捉されて、遊技領域PEの特定部位へ導こうとする不正行為が阻止される。
つぎに、図15に示されたホイール制御基板650は、上述の捕糸ホイール305(ステッピングモータ)の駆動制御を行うほか、主制御回路による制御と平行して、捕糸ホイール305にかかるエラー検知処理を行う。
すなわち、捕糸ホイール305に付設されたフォトセンサ327の出力信号に基づいて、ホイール制御基板650は捕糸ホイール305が正規位置にあるかどうか、すなわち、羽根313の本体部314が発射レール112の延び方向に対して垂直および平行姿勢であるかどうかを検知する。
捕糸ホイール305が正規位置にあるときは、捕糸ホイール305の遮光板324がフォトセンサ327の発光素子と受光素子の間を遮光しているが、捕糸ホイール305に遊技球に取り付けられた糸が絡まると慣性力をもった遊技球に引っ張られて回転し、遮光板324による遮光状態が変化することにより、捕糸ホイール305が正規位置からずれたことが検知される。
ホイール制御基板650は、遮光されていない状態が所定時間以上継続した場合に捕糸ホイール305が正規位置にないものとして、中継端子板623を介して音声ランプ制御基板641へエラー報知コマンドを出力する。
これに基づいて、音声ランプ制御基板641は捕糸ホイール305にかかるエラー報知処理を行う。
図22は音声ランプ制御基板641により実行されるエラー報知処理を示すフローチャートである。
ステップS501において、ホイール制御基板650からのエラー報知コマンドが入力したかどうかを判定する。
エラー報知コマンドが入力している場合は、ステップS502において、エラー表示ランプ部27またはスピーカ部29、あるいはこれらの組み合わせにより、捕糸ホイール305に異常が発生している旨のエラー報知を行う。これにより、糸つき遊技球を用いて不正行為を行なっている遊技者はその行為継続を抑制され、ホール管理者は不正行為の発生を容易に把握することができる。
ステップS501でエラー報知コマンドが入力していない場合は本処理を終了する。
なお、捕糸ホイール305にかかるエラーについても、さらにMPU611および外部端子板213を介してエラー情報がホールコンピュータに伝達されるように構成することもできる。
あるいはまた、パチンコ機10において行われるエラー表示ランプ部27やスピーカ部29を用いた報知を行わないで、捕糸ホイール305にかかるエラーはその情報をホールコンピュータにのみ伝達する構成とすることも可能である。
また、通常処理は4msec周期の定期処理とし、ステップS209において4msec経過の判定を行なうものとしているが、これに限定されず、例えば、タイマ割込みが所定回数(例えば2回)実行されたか否かを判定する構成としてもよい。
本実施例は以上のように構成され、電源・発射制御装置243からの発射ソレノイド制御信号に基づいて遊技球を打ち出す遊技球発射ソレノイド111と、遊技球発射ソレノイド111により発射された遊技球を遊技領域PEへ案内するガイド通路103とを備えた遊技機において、遊技領域PEまでの遊技球の移動経路に不正遊技球として例えば糸つき遊技球の当該糸を捕らえる捕糸装置300を設けたものとしたので、糸つき遊技球を用いても遊技者が糸を操作して遊技領域PEの当初予定していた部位へ不正に当該遊技球を導くことができず、不正行為が抑止される。(発明(1)対応)
とくに、捕糸装置300は、回転軸K(円筒基部311、連結軸部320)から径方向に延びるとともに遊技球を通過させる穴315を有する羽根313を備えた捕糸ホイール305を用い、遊技球発射ソレノイド111により発射された遊技球が穴315を通過可能に羽根313を移動経路に臨ませた位置を捕糸ホイール305の正規位置とし、遊技球が穴315を通過するのに同期して捕糸ホイール305を回転させるので、正規位置において遊技球は必ず羽根313の穴315を通過し、これにより、正規の遊技球はなんらの障害なく遊技領域PEへ送出される一方、糸つき遊技球については、遊技球に引かれて穴315を通過中の糸が捕糸ホイール305の回転で簡便、確実に絡めとられる。(発明(2)、(3)対応)
とくに捕糸ホイール305の羽根313は周方向等間隔に4枚備えられ、遊技球が羽根313の穴315を通過するごとに捕糸ホイール305を90°回転させるものとなっているので、わずかな回転角度で隣接する羽根313の穴315を遊技球が通過可能な正規位置に移動させることができ、連続して正規の遊技球が発射される場合にも羽根313が障害になることはない。(発明(4)対応)
捕糸ホイール305はステッピングモータ340により回転させるので、精度よく正規位置の保持と回転角度の制御が行われる。(発明(5)対応)
また、捕糸ホイール305に遮光板324を備え、フォトセンサ327で遮光板324の位置を検知することにより、故障発生や糸つき遊技球に対する捕糸に起因して捕糸ホイール305が正規位置にない状態が所定時間継続するときホイール制御基板650が位置エラーと判定してエラー報知コマンドを出力するので、直ちに対応する措置をとることが可能となる。(発明(14)対応)
そして、捕糸ホイール305はその回転軸Kを遊技盤80の前面に対して垂直に配置されているので、羽根313は遊技盤80前面の限定された浅いスペース内で回転させることができ、コンパクトに構成される。(発明(15)対応)
また、ガイド通路103の入り口にはファール球送出口OSが隣接しており、捕糸ホイール305はファール球送出口OSより上流の遊技球発射ソレノイド111側に配置されているので、ガイド通路103を逆戻りするファール球は捕糸ホイール305に悪影響を与えることなくファール球通路55へ抜け、次に発射される遊技球との干渉も防止される。
(発明(6)対応)
捕糸ホイール305はとくにファール球送出口OSと発射レール112の間に配置されているので、発射レール112でガイドされた遊技球は羽根313の穴315を通過する際の穴縁との接触などが高精度に回避され、正規の遊技球については捕糸ホイール305が存在しない場合と同一に、制御された軌道と速度でガイド通路103へ送球される。したがって、遊技球発射ハンドル41の操作量に基づいて制御された遊技球発射ソレノイド111からの遊技球の速度に影響を与えないから、遊技領域PEに打ち出された遊技球の挙動が遊技球発射ハンドル41の操作量に基づく期待と異なって違和感を抱かせるようなことがない。(発明(7)対応)
捕糸ホイール305の羽根313は、穴315を備える本体部314の外端縁に遊技球発射ソレノイド111により発射された遊技球の移動方向に沿う回転方向に延びるフランジ316を有しているので、捕糸ホイール305を回転させたとき、フランジ316の先端縁が遊技球から延びる糸に対して当該糸を横切る方向から接触する。これにより、互いに滑りにくく、糸が有効に羽根313に絡まる。(発明(18)対応)
そして、フランジ316の先端縁には、当該フランジの幅方向外側から内側に進むほど本体部314側に接近する方向に傾斜部を有する案内部317が形成されているので、捕糸ホイール305の回転によって羽根313のフランジ316と接触した糸は傾斜部でフランジ316の幅方向内側に案内保持され、フランジ316から外れない。(発明(19)対応)
なお、上記実施例では、捕糸ホイール305の羽根313を周方向等間隔に4枚備えて、捕糸ホイール305を90°単位で回転させるものとしたが、例えば羽根313を周方向等間隔の3枚とし、遊技球が羽根313の穴315を通過するごとに捕糸ホイール305を120°回転させて各羽根を順次正規位置に位置させるようにすることもできる。
また、捕糸ホイール305はその回転軸Kを遊技盤80の前面に対して垂直に配置されたものとしたが、これに限定されず、捕糸ホイールの回転軸Kを遊技盤80の前面と平行に配置することもできる。この場合、捕糸ホイールの回転軸Kは遊技盤80の前面より裏面側に配置するとともに、ガイド通路103の底壁(遊技盤80の前面)に窓を設けて、当該窓から捕糸ホイールの羽根をガイド通路103に出入させるようにすればよい。(発明(16)対応)
さらに、上記実施例では、捕糸ホイール305のフランジ316の先端縁に大きな開き角の案内部317を形成して、引っ掛かった糸をその傾斜部によってフランジ316の幅中央方向へ案内することにより、フランジ316の幅外に滑り出さないようにしたが、フランジ316については案内部317の代わりに、以下の変形例のように、さらに積極的に糸を係止させて確実に捕捉する糸係止部を設けることも可能である。(発明(20)対応)
すなわち、図23は第1の変形例を示し、フランジ316の先端縁に開口して奥部(本体部314側)に向かって傾斜部を有する狭角の基本形V字状の切り欠き308Aをフランジ316の幅方向に多数並べた糸係止部307Aを設けてある。各切り欠き308AのV字の頂点(奥端)から見た開き角度は例えば30°である。
各切り欠き308A内には、V字の対向するそれぞれの傾斜部308Aa、308Ab(フランジ316の板厚幅の傾斜面)に互い違いに、V字の頂点側に向かって延びる係止片309を形成して構成されている。
糸つき遊技球の糸がいずれかの切り欠き308Aの開口に引っ掛かると、捕糸ホイール305の回転にしたがって糸は係止片309を乗り越えて切り欠き308Aの奥端に至る。一旦奥端まで進んだ糸は逆方向には係止片309に係止されるため、切り欠き308Aから抜けることができず、これによって確実に羽根313に捕捉され、回転によって絡めとられることになる。(発明(21)対応)
次に図24は第2の変形例を示し、フランジ316の先端縁に開口して奥部に向かって傾斜部を有する多段V字形状の切り欠き308Bを幅方向に多数並べて糸係止部307Bを設けてある。
切り欠き308Bの奥側半部は第1の変形例と同様に狭角のV字状をなし、開口側半部は例えば60°など奥側半部よりも大きな開き角を有している。そして、奥側半部の対向するそれぞれの傾斜部308Ba、308Bbに、V字の頂点側に向かって延びる係止片309を互い違いに形成してある。
切り欠き308Bの開口が広く開いているため、糸が取り込まれやすい。取り込まれた糸は第1の変形例と同じく確実に捕捉され、絡めとられる。(発明(21)対応)
なお、羽根313の案内部317や、糸係止部307A、307Bにおける切り欠き308A、308Bは、本体部314の外端縁から延びるフランジ316の先端縁に開口させて形成することにより、捕糸ホイール305の回転途中で糸つき遊技球の糸にほぼ正面から向かい、食いつきを高めて効率よく捕捉するようにしているが、より簡素な構造としては、フランジ316を廃して、羽根313の本体部314の外端縁に開口させて形成してもよい。これによっても捕糸ホイール305の回転にしたがって接触方向が変化し、最終的に糸を捕捉できる。(発明(17)対応)
本実施例での捕糸装置300は、移動経路におけるガイド通路103の入口と発射レール112との間隙に設けたが、移動経路の他の部位に設けてもよい。例えば、発射レール112に設けてもよく、ガイド通路103に設けてもよい。ガイド通路103に設ける場合には、捕糸装置300とファール球との干渉が問題になるが、外レール102における捕糸装置300の下流側にファール球送出口OSを設ければよい。
次に、捕糸装置を異ならせた第2の実施例について説明する。これは捕糸ホイールをステッピングモータで駆動する前実施例に対して、捕糸ホイールをステッピングモータを用いずに、遊技球発射ソレノイドから発射された遊技球の通過により回転させるようにしたものである。
図25は第2の実施例における捕糸装置の配置を示す部分拡大正面図、図26は捕糸ホイールを示す斜視図、図27は捕糸ホイールの設置状態を裏面側下方から見た斜視図、図28は図25におけるB-B部断面図である。
第2の実施例の捕糸装置300Cは自由回転の捕糸ホイール305Cを備える。
捕糸ホイール305Cは 図26に示すように、軸部350から4枚の羽根313Cが周方向等間隔にそれぞれ放射状に延びている。軸部350は羽根313Cの幅よりわずかに所定量長い大径部351と、その両端からそれぞれ延びる小径部352とからなり、羽根313Cは大径部351の軸方向中央に位置している。軸部350には全長にわたって肉抜き穴353が設けられている。
羽根313Cは、本体部314Cの外端縁にフランジ316Cを有している。ここで、本体部314Cは第1の実施例の本体部314と異なり、穴315を有していない。一方、フランジ316Cには先の図24に示した多段V字形状の切り欠き308Bを多数並べた糸係止部307Bを備えた形態としている。
捕糸ホイール305Cはその回転軸K(軸部350)を遊技盤80の前面に対しその裏面側に、かつ平行に配置されている。
ここでは、図25に示すように、基本的にガイド通路103の底壁をなしている遊技盤80の一部を切り欠き、当該切り欠き部分に樹脂ベース70の拡大領域部370を延ばしてガイド通路103の底壁の一部を形成している。拡大領域部370はその前面を遊技盤80の前面と略面一になるように設定してある。
拡大領域部370には、捕糸ホイール305Cの羽根313Cを出入可能に、ガイド通路103の経路に沿った矩形穴371が形成されている。矩形穴371のガイド通路103を横切る方向の幅寸法は捕糸ホイール305Cの軸部350における大径部351の長さに対応させてある。
図27、図28に示すように、拡大領域部370の裏面には、矩形穴371の幅方向両側辺部に一対の軸支持部374が一体に設けてあり、軸支持部374の互いに対向する内側面は矩形穴371の両側の穴縁に一致させてある。軸支持部374はそれぞれホイール305Cの軸部350における小径部352に整合する軸孔375を備え、これにより、捕糸ホイール305Cは小径部352を軸支持部374の軸孔375に支持されて自由回転可能となっている。
捕糸ホイール305Cの回転軸Kはガイド通路103の経路方向に対して略垂直である。
回転軸Kの前後方向位置は、図28に示すように、ガイド通路103の底壁(拡大領域部370の前面)から1枚の羽根313Cの本体部314Cがガイド通路103内に垂直に突出した状態で臨んでいるとき、他の3枚の羽根313Cがフランジ316Cも含みガイド通路103内に突出しないように設定するのが好ましい。図28において、下側が前方である。
なお、とくに図27に示すように、軸支持部374は、該軸孔375につながり後方(拡大領域部370の裏面に対し垂直方向)に外広がりに開口する切り欠き376を備える。軸孔375の孔縁における最小切り欠き幅は軸孔375の径よりも所定量小さく、小径部352を切り欠き376の開口から押し込むことで弾性変形して軸孔375に受入可能となっている。
図28に示すように、捕糸ホイール305Cは、羽根313Cがガイド通路103内に突出した状態で、そのフランジ316Cが本体部314Cからガイド通路103の矢示で示す下流方向に延びているように軸支持部374に取り付けられる。すなわち、遊技球発射ソレノイド111から発射された遊技球が羽根313Cに衝突することにより捕糸ホイール305Cは遊技球の移動方向に沿う方向(図28において時計方向)に回転するが、フランジ316Cはこの回転方向に延びることになる。
捕糸ホイール305Cは上述の通り回転自由としてあるので、ステッピングモータ340は不要である。
その他の構成は第1の実施例と同じであり、図示省略しているが、ガイド通路103の入口と発射レール112の間の間隙は、ファール球通路55(図3参照)へのファール球送出口OSとなっている。また、図示省略して遮光板324とフォトセンサ327は任意である。
上記構成によれば、遊技球発射ソレノイド111から発射された遊技球がガイド通路103内に突出している羽根313Cに当たると、遊技球の慣性力を受けて捕糸ホイール305Cはその羽根313Cが遊技球の移動と同方向に回転して逃げるので、糸の取り付けられていない正規の遊技球は支障なくガイド通路103を進んで遊技領域PEへ到達する。
また、ガイド通路103に打ち込まれた遊技球が遊技領域PEまで至らずガイド通路103を逆戻りする場合、捕糸ホイール305Cは自由回転するので遊技球を阻止することはない。したがって、ガイド通路103の途中に捕糸装置300Cを配置してあっても、ファール球がファール球送出口OSまで戻るのに何らの支障もない。
一方、糸つき遊技球の場合には、羽根313Cのフランジ316Cが回転方向に延びているので、図29の(a)に示すように、遊技球BLが1の羽根313Caに衝突した直後には当該羽根313Caに隣接する次の羽根313Cbのフランジ316Cの先端縁が遊技球BLから延びる糸STRに向かって横方向から交差する。したがって、図29の(b)に示すように、回転にしたがって糸STRはフランジ316Cの糸係止部307B(図24参照)における多数の切り欠き308Bのいずれかに進入して奥部の係止片309に係止される。
糸STRは一旦糸係止部307Bに係止されると抜けられないので、遊技球BLが捕糸ホイール305Cを通過した後も、図29の(c)に示すように、羽根313Cbに絡まったままとなる。
なお、遊技球が連続的に発射される場合には捕糸ホイール305Cがさらに回転させられるので、糸STRの羽根313Cへの絡みつきは一層激しくなり、最終的には捕糸ホイール305Cの回転が停止して遊技球が通過できなくなる。
この結果、糸つき遊技球の場合にはその糸が捕糸ホイール305Cに捕捉されて、遊技領域PEの特定部位へ導こうとする不正行為が阻止される。
本実施例は以上のように構成され、第1の実施例と同様に、遊技領域PEまでのガイド通路103に、糸を絡めとる捕糸ホイール305Cを備えた捕糸装置300Cを設けたものとしたので、糸つき遊技球を用いても遊技者は糸を操作して遊技領域PEの当初予定していた部位へ不正に当該遊技球を導くことができず、不正行為が抑止される。(発明(1)、(2)対応)
すなわち、捕糸ホイール305Cは、その回転軸K(軸部350)から径方向に延びる複数の羽根313Cを備え、これらの羽根313Cを回転に応じて順次ガイド通路103に臨ませるように自由回転可能に配され、羽根313Cの外端部に糸を係止する糸係止部307Bを有しているので、糸つき遊技球がガイド通路103内の羽根313Cに衝突して捕糸ホイール305Cが回転すると、隣接する次の羽根313Cがガイド通路103に進入してその糸係止部307Bに遊技球BLから延びる糸が捕捉され絡めとられる。(発明(8)対応)
とくに羽根313Cは、その回転軸Kから径方向に延びる本体部314Cと、本体部314Cの外端縁から延びるフランジ316Cとを有し、フランジ316Cは羽根313Cがガイド通路103に臨んだとき遊技球発射ソレノイド111により発射された遊技球の移動方向に沿う回転方向に延びており、糸係止部307Bの切り欠き308Bはフランジ316Cの先端縁に開口させて設けてあるので、糸つき遊技球の糸は切り欠き308Bにその開口のほぼ正面から進入する態様となり効率よく確実に捕捉される。(発明(9)対応)
遊技盤80を保持する樹脂ベース70にガイド通路103に開口する矩形穴371を形成し、樹脂ベース70の裏面側に軸支持部374を設けて、捕糸ホイール305Cの回転軸K(軸部350)を樹脂ベース70の前面と平行に支持して、矩形穴371から羽根313Cをガイド通路103内に臨ませているので、設置構造が簡単でコンパクトに構成でき、樹脂ベース70の裏面側に羽根313Cを収容するわずかなスペースを設けるだけで、実施が容易である。(発明(16)対応)
フランジ316Cの糸係止部307Bは、その切り欠き308Bが開口から奥部に向かって傾斜部308Ba、308Bbを有するV字形をなし、傾斜部308Ba、308BbにV字の頂点側に向かって延びる係止片309を備えているので、糸つき遊技球の糸がいずれかの切り欠き308Bの開口に引っ掛かると、捕糸ホイール305Cの回転にしたがって糸は係止片309を乗り越えて切り欠き308Bの奥端に至る。一旦奥端まで進んだ糸は逆方向には係止片309に係止されるため、切り欠き308Bから抜けることができず、確実な捕捉状態となる。(発明(21)対応)
なお、第2の実施例では、捕糸ホイール305Cの羽根313Cを周方向等間隔に4枚備えるものとしたが、いずれか1の羽根313Cが必ずガイド通路103内に突出していて打ち込まれた遊技球によって回転可能であれば、捕糸ホイール305Cは羽根313Cを例えば周方向等間隔に3枚設けたものでもよい。
また、羽根313Cのフランジ316Cにおける糸係止部として、図24に示した切り欠き308Bを多数並べた糸係止部307Bを採用したが、これに限定されず、図23に示した糸係止部307Aやその他一旦係止した後は糸が抜けないものであれば任意の構成を採用してよい。
糸係止部307Bをフランジ316Cの先端縁に設けたが、より簡素な構造としては、フランジ316Cを廃して、糸係止部307A、307B等は羽根313Cの本体部314Cの外端縁に開口させて形成してもよい。これによっても捕糸ホイール305Cの回転にしたがって接触方向が変化し、最終的に糸を捕捉できる。(発明(17)対応)
さらに、捕糸ホイール305Cはその回転軸Kを遊技盤80の前面と平行に配置されたものとしたが、これに限定されず、捕糸ホイール305Cの回転軸Kを遊技盤80の前面に対して垂直に配置することもできる。この場合は、当該回転軸Kをガイドレール100で区画されるガイド通路103の上方または下方に位置させて、複数の羽根313Cが順次にガイド通路103内に突出するようにすればよい。(発明(15)対応)
さらには、羽根313Cが遊技球の移動経路に突出すればよいのであるから、捕糸ホイール305Cはガイド通路103の途中に限定されず、ガイド通路103より上流のファール球送出口OSの間隙部分あるいは発射レール112の途中に配置してもよい。
また、第1の実施例と同様に捕糸ホイール305Cにフォトセンサ327を付設して、遊技球が発射されているにもかかわらず、フォトセンサ327の出力の固定状態が所定時間継続したときは、捕糸ホイール305Cの非回転状態をエラー検知し、音声ランプ制御基板641にエラー報知を行わせることもできる。(発明(10)対応)
この場合、捕糸ホイール305Cに遮光板324を設けてもよいし、レイアウトの都合によっては遮光板324を廃して捕糸ホイール305C自体を遮光板に兼用してもよい。
次に、捕糸装置を異ならせた第3の実施例について説明する。これはステッピングモータを用いないで捕糸ホイールを正規位置へ制御するようにしたものである。捕糸ホイールの回転は第2の実施例と同様に遊技球発射ソレノイドから発射された遊技球の通過による。
図30は第3の実施例における捕糸装置300Dの配置を示す部分拡大正面図、図31は捕糸ホイールを示す図、図32は駆動ホイールを示す図である。
遊技盤80を切り欠き、当該切り欠き部分に樹脂ベース70の拡大領域部370を延ばして、遊技領域PEまでの遊技球の移動経路としてのガイド通路103の底壁の一部を形成している。すなわち、拡大領域部370はその前面を遊技盤80の前面と略面一になるように設定してある。
図30に示すように、拡大領域部370の前面には、捕糸ホイール305Dの羽根313Dと駆動ホイール360の羽根365をガイド通路103に沿わせて隣接させてある。駆動ホイール360は捕糸ホイール305Dより下流側に配置され、各ホイールはそれぞれの回転軸K、K’を拡大領域部370の前面に対して垂直、かつガイド通路103を形成する外レール102の外(下)側に配されている。
捕糸ホイール305Dは樹脂製で、図31に示すように、回転軸K(軸部350D)から4枚の羽根313Dが周方向等間隔にそれぞれ放射状に延びている。
軸部350Dは前端が羽根313Dの前縁と面一で、羽根313Dの幅よりわずかに所定量長い大径部351Dと、さらに後方に延びる小径部352Dとからなり、大径部351Dには羽根313Dの幅相当の長さに渡って肉抜き穴353が形成されている。小径部352Dの後端部は外形断面D形のD形断面部355となっており軸端にはネジ孔354が開口している。
羽根313Dは、第1の実施例と同じく、本体部314の幅方向(軸方向)中央に遊技球より大径の穴315を有するとともに、本体部314の外端縁には前方から見て反時計方向に延びるフランジ316を有している。本体部314よりも薄いフランジ316の先端縁には、幅方向中央を最深とした傾斜部を有する案内部317が形成されている。
図30に示すように、1枚の羽根313Dの本体部314を外レール102の弧面に対して垂直姿勢にしてガイド通路103を横切るように突出させた状態を正規位置とするとともに、回転によって羽根313Dがガイド通路103に出入可能なように、外レール102には切り欠き107が設けられている。捕糸ホイール305Dの正規位置において、他の3枚の羽根313Dはフランジ316を含めてガイド通路103内に突出しない。
捕糸ホイール305Dの小径部352Dは、拡大領域部370に形成された軸支持孔373(後掲の図35参照)に支持されて裏面側へ延びる。捕糸ホイール305Dが正規位置のとき、遊技球発射ソレノイド111から発射された遊技球がガイド通路103に突出させた羽根313Dの穴315の中心を通過する高さ位置となるように設定されている。
駆動ホイール360も樹脂製で、図32に示すように、回転軸K’(軸部361)から4枚の羽根365が周方向等間隔にそれぞれ放射状に延びている。
軸部361は、捕糸ホイール305Dの大径部351Dと同等長さを有する大径部362と、大径部362から後方に延びる小径部363からなり、大径部362には小径部363近傍まで肉抜き穴353が形成されている。小径部363は捕糸ホイール305Dの小径部352Dと同径で、後端部は外形断面D形のD形断面部355となっており、軸端にはネジ孔354が開口している。
羽根365は、大径部362の軸方向略中央から延びており、幅寸法は後述のように遊技球の直径よりも小さい。駆動ホイール360の回転方向は前方から見て反時計方向に設定され、羽根365の外端部には回転方向に膨らむとともに滑らかな弧状を呈する面取り部366を有している。
図30に戻り、ガイド通路103を横切るように突出させた1枚の羽根365を、捕糸ホイール305Dの正規位置においてガイド通路103に突出させた羽根313Dの本体部314と平行にした状態を、駆動ホイール360の正規位置とする。後述するように、駆動ホイール360の各羽根365と対応する捕糸ホイール305Dの羽根313Dは回転位置に関わらず常に平行となる。
駆動ホイール360の正規位置において、羽根365は1枚のみがガイド通路103に突出する。
外レール102には、駆動ホイール360の回転によって羽根365がガイド通路103に出入可能なように、矩形の長穴108(後掲の図36参照)が設けられている。
なお、ガイド通路103を形成する外レール102は弧状を呈する一方、捕糸ホイール305Dの羽根313Dを出入させるための切り欠き107部分では、遊技球は外レール102の切り欠き107へ移る境界における接線方向に直進する。外レール102における長穴108が設けられた部位はこの直進する遊技球を滑らかに受けるため、その上流端(切り欠き107の下流端)を図30に仮想線で示す外レール102の基本弧線より若干下方に指向させてある。
また、長穴108の幅は遊技球が落下しないように遊技球の直径より小さく設定され、したがって長穴108を出入する羽根365の幅も遊技球より小さい。
駆動ホイール360の小径部363は拡大領域部370に形成された軸支持孔373と同様の軸支持孔372(図38参照)に支持されて裏面側へ延びる。
捕糸ホイール305Dおよび駆動ホイール360がそれぞれ正規位置のとき、遊技球発射ソレノイド111から発射された遊技球はガイド通路103に突出した羽根313Dの穴315を通過して、同じくガイド通路103に突出した羽根365に衝突し、駆動ホイール360に回転トルクを与える。
図33は裏面側から見た捕糸ホイール305Dと駆動ホイール360間のギヤ列を示す図である。図34は駆動ギヤを示し、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は(b)におけるC−C部断面図である。また、図35は捕糸ホイール305Dと被駆動ギヤ388の結合状態を示す断面図である。
図34に示すように、駆動ギヤ380は、ディスク部381の外縁に円筒部382を有するドラム形状をなし、ディスク部381の中心に駆動ホイール360の小径部363と整合する軸孔384を有するボス383を備え、円筒部382の外周面に歯385を備えている。ディスク部381にはボス383と円筒部382間に延びるリブ386が形成されている。ボス383はディスク部381の外面から所定量突出しており、また、軸孔384におけるボス383の突出側と反対側には駆動ホイール360の小径部363のD形断面に整合するD形断面部387を有している。
被駆動ギヤ388も駆動ギヤ380と形状同一である。
捕糸ホイール305Dは、拡大領域部370の軸支持孔373を裏面側へ貫通した小径部352Dに被駆動ギヤ388が取り付けられている。すなわち、被駆動ギヤ388はその軸孔384のD形断面部387を小径部352DのD形断面部355に合わせて嵌め込み、図35に示すように、ネジ357で抜け止めすることにより捕糸ホイール305Dと一体回転する。
駆動ホイール360も同様に、拡大領域部370の軸支持孔372を裏面側へ貫通した小径部363のD形断面部355に合わせて軸孔384のD形断面部387を嵌め込んで駆動ギヤ380が取り付けられ、ネジ357で抜け止めされる。これにより駆動ギヤ380は駆動ホイール360と一体回転する。
図33に示すように、駆動ギヤ380と被駆動ギヤ388の間には、拡大領域部370の裏面に自由回転可能に支持された中間ギヤ389が噛み合って、ギヤ列379を形成している。駆動ギヤ380と被駆動ギヤ388は歯数が同一であり、これにより、駆動ホイール360と捕糸ホイール305Dは連動して同一方向に同一角度で回転可能となっている。したがって、駆動ホイール360が正規位置のとき捕糸ホイール305Dも正規位置となるように各ギヤを噛み合わせてある。
次に駆動ホイール360の回転制御について説明する。駆動ホイール360が回転制御されることにより、連動して捕糸ホイール305Dが回転制御される。
このため、駆動ホイール360には間欠保持装置390が付設されている。
図36に示すように、間欠保持装置390は、拡大領域部370(樹脂ベース70)の前面に形成されたスライダガイド部400にガイドされて駆動ホイール360の回転軸K’に向かう径線上をスライドするスライダ391と、スライダ391を駆動ホイール360の回転軸K’方向に付勢するスプリング407とを備えている。
間欠保持装置390の説明においては、以下、樹脂ベース70の前方を正面とし、配置状態において駆動ホイール360の回転軸K’に向かう方向を前方、回転軸K’から離れる方向を後方、樹脂ベース70の前面に垂直な方向を高さ方向とする。
図37はスライダ391を示し、(a)は平面図、(b)は上方から見た斜視図、(c)は下方から見た斜視図である。図38はスライダガイド部400を示す斜視図である。
スライダ391は、長直方体の基部392と、基部392の前端から立ち上がった起立部393と、起立部393の上端部から図37の(a)の平面図において前方へ2股状に延びる第1規制片394および第2規制片396の各部を有する。
第1規制片394および第2規制片396はそれぞれ駆動ホイール360の羽根365の幅と同等の高さを有するとともに、互いに反らし気味に先端部は根元の起立部393側よりも離間している。
第1規制片394はその先端外側面に滑らかな弧状の面取り部395を有している。第2規制片396は第1規制片394よりも所定量長く、その先端内側面に滑らかな弧状の面取り部397を有している。
また、スライダ391における第1規制片394および第2規制片394の下方で、起立部393の前面(基部392の前端)にはスプリング407を係止する穴399を有するフック部398を設けてある。
スライダガイド部400は、樹脂ベース70の前面を底壁とし、図38に示すように、スライダ391の基部392の高さと同等かわずかに小さい高さで前後方向に平行に延びる一対の側壁401と、側壁401の前端をつなぐ前壁402と、側壁401の後部上縁から立ち上がったあと樹脂ベース70と平行に延びて天壁404を形成するトンネル部403とを有している。
両側壁401の間隔はスライダ391の基部392の幅に対応し、スライダ391は側壁401の長手方向に沿ってスライド可能となっている。前壁402は上方に開口する切り欠き405を有して、側壁401および底壁に沿うフランジ状となっている。
トンネル部403の天壁404は、スライダ391を両側壁401間の底壁に着座させたとき、基部392の上面との間に所定の間隙を有する高さとなっている。
樹脂ベース70には軸支持孔372とスライダガイド部400との間にスプリング407を係止する支持ピン377が形成されている。
スライダ391は、その基部392を前方からトンネル部403に挿し込んで両側壁401間の底壁に着座させる。この際、トンネル部403の天壁404の高さは基部392の高さより大きいので、容易に挿し込み可能である。
そしてスライダ391は、スプリング407の一端をフック部398の穴399に係止させるとともに他端を支持ピン377に係止させて、スライダガイド部400に組みつけられる。スプリング407はスライダガイド部400の前壁402の切り欠き405を通過する。
スライダ391はスプリング407の引っ張り力により駆動ホイール360の回転軸K’方向に付勢され、基部392の前端がスライダガイド部400の前壁402に当接して前進位置が規定される一方、起立部393の後面がトンネル部403の天壁404に当接するまで後方へ変位可能となっている。
前進位置においても、基部392はトンネル部403を貫通し後端が後方に突出しているので、スライダ391はスプリング407により前方へ付勢されている状態ではスライダガイド部400から外れることがない。
間欠保持装置390において、前進位置にあるスライダ391の第1規制片394と第2規制片396は、図39に示すように、駆動ホイール360の羽根365の外端の回転軌跡円J内に所定量進入し、駆動ホイール360の羽根365の外端における面取り部366と第1規制片394および第2規制片396の各面取り部395、397とは互いにカム面として接触する位置関係にある。
時計方向に回転する羽根365が第1規制片394に接触したときは、羽根365の面取り部366が第1規制片394の面取り部395を滑りながらカム作用によりスライダ391を後方へ移動させて乗り越え、その後、羽根365の外端部が第1規制片394と第2規制片396の間に挟まれて回転を規制される。この状態で駆動ホイール360は正規位置(球受け位置)となり、図39はこの状態を示す。
第1規制片394と第2規制片396の間に挟まれている羽根365が回転トルクを受けたときは、羽根365の面取り部366が第2規制片396の面取り部397を滑りながらカム作用によりスライダ391を後方へ移動させて乗り越え、回転規制から解放される。
そして、羽根365の面取り部366が第1規制片394および第2規制片396の各面取り部395、397を乗り越えた後は、スライダ391は再び前進位置へ戻る。
その他の構成は第1の実施例と同じである。図示で略した遮光板とフォトセンサは任意である。
図40、図41は間欠保持装置390の動作過程を示す図である。
先の図39に示された駆動ホイール360および捕糸ホイール305Dが正規位置にある状態で、遊技球BLが遊技球発射ソレノイド111から発射されると、当該遊技球BLは捕糸ホイール305Dの羽根313Dの穴315を通過したあと駆動ホイール360の羽根365に衝突し、駆動ホイール360に回転トルクを与える。
このとき、スライダ391の第1規制片394と第2規制片396間に外端部が挟まれていた駆動ホイール360の羽根365aは、図40の(a)に示すように、その面取り部366がスプリング407の付勢力に抗してスライダ391を後方へ押しながら、第2規制片396の先端の面取り部397に乗り上げてスライダ391による回転規制から脱する。これにより、駆動ホイール360は継続して遊技球BLによる回転トルクを受けながら回転を開始し、図40の(b)に示すように、捕糸ホイール305Dも連動して回転する。
駆動ホイール360(および捕糸ホイール305D)が時計方向に90°近く回転すると遊技球BLとの接触はなくなるが、慣性により、図41の(c)に示すように、羽根365aに隣接する羽根365bが第1規制片304に接触する位置に来る。
そして、(d)に示すように、当該羽根365bの面取り部366がスライダ391を後方へ押しながら第1規制片394の先端の面取り部395に乗り上げて、その後、先の図39に示したと同様に、羽根365bは第1規制片394と第2規制片396間に収まる。この間に慣性による回転トルクは消滅するので、第1規制片394と第2規制片396間に収まった羽根365bがさらに第2規制片396を押して第1規制片394と第2規制片396の間から脱することはない。したがって、1個の遊技球BLの通過によって駆動ホイール360および捕糸ホイール305Dは90°単位で回転し、それぞれの正規位置を繰り返す。
これにより、羽根313に穴315を備える捕糸ホイール305を90°単位で回転させる第1の実施例と同一に、正規の遊技球は支障なく通過させるが、糸つき遊技球に対しては、捕糸ホイール305Dが糸を絡めとり、不正行為が防止される。
本実施例は以上のように構成され、第1、第2の実施例と同様に、遊技領域PEまでのガイド通路103に、糸を絡めとる捕糸ホイール305Dを備えた捕糸装置300Dを設けたものとしたので、糸つき遊技球を用いても遊技者は糸を操作することができないため、遊技領域PEの当初予定していた部位へ不正に当該遊技球を導くことができず、不正行為が抑止される。(発明(1)、(2)対応)
とくに、捕糸ホイール305Dは、回転軸K(軸部350D)から径方向に延びるとともに遊技球を通過させる穴315を有する羽根313Dを備えるので、簡便に糸を絡めとることができる。
そして、捕糸装置300Dは、捕糸ホイール305Dを遊技球発射ソレノイド111により発射された遊技球が羽根313Dの穴315を通過可能な所定の正規位置に設定するとともに、遊技球が羽根313Dの穴315を通過するのに同期して捕糸ホイール305Dを回転させるので、遊技球は必ず羽根313Dの穴315を通過する。これにより、正規の遊技球はなんらの障害なく遊技領域PEへ送出されるとともに、糸つき遊技球については当該遊技球に引かれて穴315を通過中の糸を、その後の捕糸ホイール305Dの回転で確実に絡めとることができる。(発明(3)対応)
とくに捕糸ホイール305Dの羽根313Dは周方向等間隔に4枚備えられ、遊技球が羽根313Dの穴315を通過するごとに捕糸ホイール305Dを90°回転させるものとなっているので、わずかな回転角度で隣接する羽根313Dを正規位置に移動させることができ、連続して正規の遊技球が発射される場合にも羽根313Dが障害になることはない。(発明(4)対応)
そして、捕糸ホイール305Dはその回転軸Kを遊技盤80(樹脂ベース70)の前面に対して垂直に配置されているので、羽根313Dはガイド通路103が設けられたスペース内で回転させることができ、コンパクトに構成される。(発明(15)対応)
また、捕糸ホイール305Dの羽根313Dと同数の羽根365を周方向等間隔に回転軸K’から径方向に延ばし、羽根365を回転に応じて順次ガイド通路103に臨ませるように、捕糸ホイール305Dの下流側に配された駆動ホイール360と、捕糸ホイール305Dがその正規位置にあるとき駆動ホイール360も羽根365がガイド通路103を横切る正規位置にあるように、駆動ギヤ380、被駆動ギヤ388および中間ギヤ389からなり捕糸ホイール305Dと駆動ホイール360を連動して同方向、同角度に回転させるギヤ列379と、捕糸ホイール305Dの羽根313Dの穴315を通過した遊技球を羽根365に受けて回転する駆動ホイール360をその正規位置ごとに停止保持する間欠保持装置390とを用いて捕糸ホイール305Dを回転制御するものとしたので、第1の実施例のステッピングモータを要することなく当該実施例と同様に、捕糸ホイール305Dの回転および正規位置保持を繰り返すことができる。(発明(11)、(13)対応)
間欠保持装置390は、駆動ホイール360の羽根365の回転方向に間隙をおいて隣接させた第1規制片394および第2規制片396を先端に有するスライダ391と、これら各規制片の先端を羽根365の外端の回転軌跡J内に進入させる方向にスライダ391を付勢するスプリング407とを有し、羽根365の外端と第1規制片394および第2規制片396との各先端には互いと接触する面取り部366、395、397が形成されて、面取り部間のカム作用により羽根365の外端が第1規制片394を乗り越えて第1規制片394と第2規制片396の間に保持され、または第2規制片396を乗り越えて第1規制片394と第2規制片396の間から解放されるように構成したので、簡単な機械的構成で捕糸ホイール305Dの回転および保持を制御することができる。(発明(12)対応)
捕糸ホイール305Dはその回転軸Kを遊技球発射ソレノイド111により発射された遊技球の移動軌跡よりも下方に位置させ、羽根313Dは穴315を備える本体部314の外端縁に回転方向に延びるフランジ316を有しているので、捕糸ホイール305Dを回転させたとき、フランジ316の先端縁が遊技球から延びる糸に対して当該糸を横切る方向から接触する。これにより、互いに滑ることなく糸が有効に羽根313Dに絡まる。(発明(18)対応)
そして、フランジ316の先端縁には、当該フランジ316の幅方向外側から内側に進むほど本体部314側に接近する方向に傾斜部を有する案内部317が形成されているので、捕糸ホイール305Dの回転によって羽根313Dのフランジ316と接触した糸は傾斜部でフランジ316の幅方向内側に案内保持され、フランジ316から外れない。(発明(19)対応)
なお、第1の実施例と同様に、捕糸ホイール305Dに遮光板324とフォトセンサ327を付設して、故障発生や糸つき遊技球に対する捕糸などに起因して捕糸ホイール305Dが正規位置にない状態が所定時間継続したときは位置エラー検知し、音声ランプ制御基板641にエラー報知を行わせることもできる。(発明(14)対応)
また、羽根313Dのフランジ316は案内部317を有するものとしたが、代わりに、図23に示した糸係止部307Aや図24に示した糸係止部307B、その他一旦係止した後は糸が抜けない構成の糸係止部をフランジ316の先端縁に開口させて備えるものとしてもよい。(発明(20)対応)
羽根313Dの案内部317や、糸係止部307A、307Bはフランジ316に設けるものとしたが、より簡素な構造として、フランジ316を廃して、羽根313Dの本体部314の外端縁に開口させて形成してもよい。これによっても捕糸ホイール305の回転にしたがって接触方向が変化し、最終的に糸を捕捉できる。(発明(17)対応)
駆動ホイール360の正規位置をその羽根365が捕糸ホイール305Dの正規位置における羽根313Dの本体部314と平行にした状態としたが、捕糸ホイール305Dと同じく、羽根365を外レール102の弧面に対して垂直姿勢にした状態を正規位置としてもよい。この場合も、捕糸ホイール305Dが正規位置のとき駆動ホイール360も正規位置となるようにギヤ列379で連動させる。
また、捕糸ホイール305Dと駆動ホイール360を同方向、同角度で連動して回転させるためギヤ列379を用いたが、これに限定されず、ベルトなど他の連動機構を採用してもよい。
以下、上述した実施の形態から抽出される発明の特長を、必要に応じて効果等とともに示す。
(1)遊技球を発射する遊技球発射手段と、遊技盤の前面に設けられ前記遊技球発射手段により発射された遊技球を遊技領域へ案内するガイド通路とを備えた遊技機において、
前記遊技球発射手段から前記遊技領域までの前記遊技球の移動経路に、前記遊技球と異なる不正遊技球を前記遊技領域の所定位置に到達させることを抑止する不正抑止手段を設けたことを特徴とする遊技機。
不正の目的で不正遊技球を用いても、当該不正遊技球が遊技領域の所定位置に到達することを不正抑止手段によって抑止されるので、遊技者は、不正遊技球を遊技領域の特定部位へ導くことはできず、不正行為が抑止される。
(2)前記不正遊技球は、遊技球に糸を取り付けた糸つき遊技球であり、
前記不正抑止手段は、前記糸つき遊技球の糸を捕える捕糸手段であり、
該捕糸手段が、前記糸を絡めとる回転体を有することを特徴とする(1)に記載の遊技機。
遊技球の移動経路に回転体を配置することにより、糸つき遊技球は回転体に糸を絡めとられるため、遊技者は糸を操作して糸つき遊技球を遊技領域の所定位置に到達させることができない。
(3)前記回転体は、その回転軸から径方向に延びるとともに遊技球を通過させる穴を有する羽根を備え、
前記捕糸手段は、前記遊技球発射手段により発射された遊技球が前記穴を通過可能に前記羽根を前記移動経路に臨ませた位置を前記回転体の正規位置とし、遊技球が前記穴を通過するのに同期して前記回転体を回転させる回転制御手段を含むことを特徴とする(2)に記載の遊技機。
糸つき遊技球が羽根の穴を通過すると糸も穴を通るので、糸つき遊技球の穴の通過後、羽根が回転することにより確実に糸が回転体に絡みつく。
(4)前記回転体の前記羽根は周方向等間隔に複数枚備えられ、
前記回転制御手段は遊技球が前記羽根の穴を通過するごとに所定角度前記回転体を回転させて、前記羽根を順次前記正規位置に位置させることを特徴とする(3)に記載の遊技機。
回転体を回転させるごとに各羽根は順次正規位置に位置するので、遊技球が連続的に遊技球発射手段から発射されてもそれぞれ羽根の穴を通過することができ、正規の遊技球による遊技に支障を来たすことがない。
(5)前記回転制御手段はステッピングモータにより前記回転体を回転させるものであることを特徴とする(3)または(4)に記載の遊技機。
ステッピングモータにより回転体が駆動されるため、回転体を所定角度ずつ容易に制御でき、とくに回転ごとに正確に回転体を正規位置に位置づけることができる。
(6)前記ガイド通路の入り口には、当該ガイド通路を逆戻りした遊技球を排出するファール球送出口が隣接し、
前記回転体は前記ファール球送出口より上流に配置されていることを特徴とする(3)から(5)のいずれか1に記載の遊技機。
回転体はファール球と干渉する位置にないから、ファール球が回転体に衝突するなどして回転体の駆動に影響を与えることがない。
(7)前記遊技球発射手段は前記ガイド通路の入り口に指向する発射レールを含み、
前記回転体は前記ファール球送出口と前記発射レールの間に配置されていることを特徴とする(6)に記載の遊技機。
ファール球送出口と発射レールの間の空きスペースの有効利用となる。
(8)前記回転体は、その回転軸から径方向に延びる複数の羽根を備え、該羽根を回転に応じて順次遊技球の移動経路に臨ませるように自由回転可能に配され、
前記羽根の外端部に糸を係止する糸係止手段を有していることを特徴とする(2)に記載の遊技機。
糸つき遊技球が移動経路内の羽根に衝突して回転体が回転すると、隣接する次の羽根が移動経路に進入してその糸係止手段が糸つき遊技球から延びる糸を捕捉し、これにより糸が回転体に絡めとられる。
(9)前記回転体の羽根は、その外端縁に前記遊技球発射手段により発射された遊技球の移動方向に沿う回転方向に延びるフランジを有し、
前記糸係止手段は前記フランジの先端縁に開口していることを特徴とする(8)に記載の遊技機。
糸係止手段が開口するフランジが糸つき遊技球の糸に横方向から交差するので、糸が効率よく確実に捕捉される。
(10)遊技球が発射されているにもかかわらず、前記回転体の非回転状態が所定時間継続したことを検知する回転エラー検知手段を備えることを特徴とする(8)または(9)に記載の遊技機。
回転エラー検知手段の検知結果に基づいて不正遊技球による不正行為が試みられたことを速やかに把握することができる。
(11)前記回転制御手段は、
前記回転体の羽根と同数の玉受け羽根を周方向等間隔に回転軸から径方向に延ばし、該玉受け羽根を回転に応じて順次遊技球の移動経路に臨ませるように、前記回転体の下流側に配された駆動回転体と、
前記回転体が前記正規位置にあるとき前記玉受け羽根が前記移動経路を横切る玉受け位置にあるように、前記回転体と前記駆動回転体を連動して同方向、同角度に回転させる回転連動手段と、
前記回転体の羽根の穴を通過した遊技球を前記玉受け羽根に受けて回転する前記駆動回転体を、前記玉受け位置ごとに停止保持する間欠保持手段とからなることを特徴とする(3)または(4)に記載の遊技機。
ステッピングモータを要することなく、回転体の制御された回転状態を得ることができ、とくに回転ごとに正確に回転体を正規位置に位置づけることができる。
(12)前記間欠保持手段は、
前記玉受け羽根の回転方向に間隙をおいて隣接させた第1規制片および第2規制片を先端に有するスライダと、
前記第1規制片および第2規制片の先端を前記玉受け羽根の外端の回転軌跡内に進入させる方向に前記スライダを付勢するスプリングとを有し、
前記玉受け羽根の外端と前記第1規制片および第2規制片の各先端との少なくとも一方には他方と接触するカム面が形成されて、
カム作用により前記玉受け羽根の外端が前記第1規制片を乗り越えて前記第1規制片と第2規制片の間に保持され、または第2規制片を乗り越えて前記第1規制片と第2規制片の間から解放されるように構成されていることを特徴とする(11)に記載の遊技機。
玉受け羽根の外端が第1規制片と第2規制片の各先端を交互に乗り越えることにより、簡単構造で駆動回転体の玉受け羽根を順次に玉受け位置に停止保持させることができる。
(13)前記回転連動手段は、前記回転体に結合された被駆動ギヤと、前記駆動回転体に結合された駆動ギヤと、前記被駆動ギヤおよび駆動ギヤの間に噛み合わされた中間ギヤとからなるギヤ列であることを特徴とする(11)または(12)に記載の遊技機。
回転体と駆動回転体を正確に連動させることができる。
(14)前記回転体が前記正規位置にあるかどうかを検知する位置エラー検知手段を備えることを特徴とする(3)から(7)、(11)から(13)のいずれか1に記載の遊技機。
位置エラー検知手段の検知結果に基づいて、不正遊技球による不正行為が試みられたことを速やかに把握することができ、また、捕糸手段を正常状態に調整することができる。
(15)前記回転体はその回転軸を前記遊技盤の前面に対して垂直に配置されていることを特徴とする(2)から(14)のいずれか1に記載の遊技機。
遊技球の移動経路を形成する遊技盤前面の限定されたスペース内に回転する羽根全体を配置することができる。
(16)前記ガイド通路の底壁に開口する窓が形成され、
前記回転体はその回転軸を、前記窓の裏面側で前記遊技盤の前面に対して平行に配置され、
前記窓から前記回転体の羽根を前記ガイド通路内に臨ませていることを特徴とする(2)から(14)のいずれか1に記載の遊技機。
設置構造が簡単で、裏面側に羽根を収容するわずかなスペースを設けるだけで、実施が容易である。
(17)前記回転体の羽根の外端縁に開口を有して糸を係止する糸係止手段を備えていることを特徴とする(2)から(7)、(11)から(14)のいずれか1に記載の遊技機。
糸係止手段による係止によって糸が羽根に捕捉されるので、回転によって糸が効果的に回転体に絡めとられる。
(18)前記回転体の羽根は、その外端縁に前記遊技球発射手段により発射された遊技球の移動方向に沿う回転方向に延びるフランジを有していることを特徴とする(2)から(7)、(11)から(14)のいずれか1に記載の遊技機。
糸つき遊技球に対しては、回転体の回転にしたがってフランジの先端縁が糸の進行方向に対して横方向から接触して軌跡を変化させるので糸を絡めとりやすい。
(19)前記フランジの先端縁が、当該フランジの幅方向外側から内方に進むほど後退する傾斜部を有していることを特徴とする(18)に記載の遊技機。
先端縁が接触した糸がフランジの幅中央方向へ案内されるので、フランジから外れにくい。
(20)前記フランジの先端縁に開口を有して糸を係止する糸係止手段を備えていることを特徴とする(18)に記載の遊技機。
回転体の回転に伴いフランジの先端は遊技球の糸に横方向から接触することになり、糸つき遊技球の糸は開口のほぼ正面から糸係止手段に進入するので、糸がとくに効率よく確実に羽根に捕捉され、回転によって糸が効果的に回転体に絡めとられる。
(21)前記糸係止手段が、開口から奥部に向かって傾斜部を有するV字形をなし、前記傾斜部にV字の頂点側に向かって延びる係止片を備える切り欠きからなることを特徴とする(8)、(17)または(20)のいずれか1に記載の遊技機。
糸が切り欠きの開口から奥に入ると逆方向には係止片に係止されて抜けず、確実に羽根に捕捉される。
上述した第1の実施例においては、捕糸装置300が発明における不正抑止手段、または捕糸手段に該当し、遊技球発射機構110が遊技球発射手段に、そして捕糸ホイール305が回転体に該当する。
ホイール制御基板650で駆動されるステッピングモータ340が回転制御手段を構成し、また、捕糸ホイール305の遮光板324と関連付けたフォトセンサ327の出力に基づいて捕糸ホイール305が正規位置にあるかどうかを判定するホイール制御基板650が位置エラー検知手段を構成している。
なお、第1の実施例では、内枠13を形成するため、樹脂ベース70に遊技盤80を装着した組立体としているが、遊技盤80をなす木板の板厚が樹脂ベース70に対して顕著に大きく、回転体としての捕糸ホイール305等の配置上木板の板厚が過大な場合には必要な所定範囲を切り欠いて、その切り欠き部に樹脂ベース70(ホイール支持部330)を延ばして、捕糸ホイール305等の配置に適当な板厚を得ている。この限りにおいて、本実施例では樹脂ベース70も発明における遊技盤に含まれるものとする。他の実施例においても同様に、拡大領域部370を含む樹脂ベース70は発明における遊技盤に含まれるものとする。
第2の実施例においては、捕糸装置300Cが発明における不正抑止手段、または捕糸手段に該当し、遊技球発射機構110が遊技球発射手段に、そして捕糸ホイール305Cが回転体に該当する。
糸係止部307Bが規制手段、または糸係止手段に該当し、矩形穴371が窓に該当する。また、捕糸ホイール305Cと関連付けたフォトセンサ327の出力に基づいて捕糸ホイール305Cが回転しているかどうかを判定するホイール制御基板650が回転エラー検知手段を構成している。
第3の実施例においては、捕糸装置300Dが発明における不正抑止手段に該当し、遊技球発射機構110が遊技球発射手段に、そして捕糸ホイール305Dが回転体に、そして駆動ホイール360が駆動回転体に該当する。
駆動ホイール360、ギヤ列379および間欠保持装置390が回転制御手段を構成し、とくにギヤ列379が回転連動手段に、そして間欠保持装置390が間欠保持手段に該当する。
駆動ホイール360の羽根365が玉受け羽根に該当し、駆動ホイール360の正規位置が玉受け位置に該当する。
羽根365の外端、第1規制片394および第2規制片396の各先端の面取り部366、395、397がカム面を形成している。
そして、捕糸ホイール305の遮光板324と関連付けたフォトセンサ327の出力に基づいて捕糸ホイール305が正規位置にあるかどうかを判定するホイール制御基板650が位置エラー検知手段を構成している。
なお、実施の形態を通じて、糸係止部307Bのほか糸係止部307Aも糸係止手段に該当する。
実施の形態では、位置エラー検知手段や回転エラー検知手段にフォトセンサ327を用いているが、これに限定されず、たとえば磁気センサその他適宜のセンサを使用することができる。
本発明の不正抑止手段として、上記各実施形態に糸つき遊技球の糸を絡める捕糸ホイール305、305C、305Dを有する捕糸装置300、300C、300Dを例示したが、糸を切断する構成を有していてもよい。例えば、第1、第3実施例における捕糸ホイール305、305Dの穴315の内周に糸を切断可能な刃を設け、また、第2実施例における捕糸ホイール305Cの糸係止部307A、307Bに刃を設けることで、糸を切断可能となる。要するに、不正抑止手段は、上記各実施形態の構成に限定されるものではなく、不正遊技球を遊技領域PEの所定位置に到達することを抑止する構成であればよい。
また、発明が解決しようとする課題に例示した糸つき遊技球は天然繊維や化学繊維などの糸を遊技球に取り付けたものであったが、本発明はこのような糸の材質に制限を受けるものではなく、ナイロンやポリエチレンなどの合成繊維で形成される釣り糸や、金属製のワイヤなどを遊技球に取り付けたものに対しても有効である。すなわち、遊技領域に向けて発射され遊技者により外部から操作可能な状態となる遊技球であれば本発明の対象とする不正遊技球に該当する。
上述した糸などを用いた不正遊技球の他に、径の大きさを正規の遊技球よりも大きいものが用いた不正遊技球でもよい。このような不正遊技球を入賞口付近に滞留させることで入賞口に正規の遊技球を入賞し易くする不正行為においても、捕糸ホイール305、305Dの穴315の径を正規の遊技球の径に限りなく近い寸法とすることで、径の大きい不正遊技球が遊技領域PEに到達することを抑止できる。
上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
10 パチンコ機
11 外枠
12 遊技機主部
13 内枠
14 前扉枠
15 裏パックユニット
17 上側支持用金具
18 下側支持用金具
20 枠体
21 窓部
22 ガラスユニット
23、24 ガラスパネル
25 ガラスホルダ
26 環状電飾部
27 エラー表示ランプ部
28 賞球ランプ部
29 スピーカ部
31 上側膨出部
32 下側膨出部
33 上皿
34 下皿
41 遊技球発射ハンドル
50 通路形成ユニット
51 前扉側上皿通路
52 前扉側下皿通路
53 受口部
54 仕切壁
55 ファール球通路
61、62 突起軸
63 鉤金具
70 樹脂ベース
71、72 支持金具
73 挿入孔
74 窓孔
75 施錠装置
76 前扉用鉤受け部材
77 内枠用鉤部材
78 シリンダ錠
80 遊技盤
80A 切り欠き
81 一般入賞口
82 可変入賞装置
83、84 作動口
85 スルーゲート
86 可変表示ユニット
87 アウト口
88 釘
89 電動役物
91 図柄表示装置
92 センターフレーム
93 第1特定ランプ部
94 第2特定ランプ部
95、96 保留ランプ部
100 ガイドレール
101 内レール
102 外レール
103 ガイド通路
106 逆戻り防止部材
107 切り欠き
108 長穴
110 遊技球発射機構
111 遊技球発射ソレノイド
112 発射レール
113 球送装置
114 ベースプレート
121 通路形成部材
124 開閉部材
132 軸受け金具
135 係止金具
141 フレームカバー141
142 音声ランプ制御装置ユニット
143 音声ランプ制御装置
144 取付台
145 基板ボックス
150 集合板
151 回収通路
160 主制御装置ユニット
161 取付台
162 主制御装置
163 基板ボックス
164 封印部
201 裏パック
202 払出機構部
204 制御装置集合ユニット
211 ベース部
212 保護カバー部
213 外部端子板
214 掛止ピン
215 締結具
221 タンク
222 タンクレール
223 ケースレール
224 払出装置
241 取付台
242 払出制御装置
243 電源・発射制御装置
244、246 基板ボックス
245 状態復帰スイッチ
247 RAM消去スイッチ
250 検知センサ
300、300C、300D 捕糸装置
305、305C、305D 捕糸ホイール
307A、307B 糸係止部
308A、308B 切り欠き
308Aa、308Ab、308Ba、308Bb 傾斜部
309 係止片
310 羽根部
311 円筒基部
312 貫通孔
313、313C、313D 羽根
314、314C 本体部
315 穴
316、316C フランジ
317 案内部
318 キー突条
319 ネジ孔
320 連結軸部
321 第1軸部
322 キー溝
323 第2軸部
324 遮光板
325 軸孔
326 ネジ受け孔
327 フォトセンサ
327a 発光素子
327b 受光素子
330 ホイール支持部
331 貫通穴
332 モータ支持ボス
340 ステッピングモータ
341 出力軸
342 ブラケット
344、345、346 ネジ
350、350D 軸部
351、351D 大径部
352、352D 小径部
353 肉抜き穴
354 ネジ孔
355 D形断面部
357 ネジ
360 駆動ホイール
361 軸部
362 大径部
363 小径部
365 羽根
366 面取り部
370 拡大領域部
371 矩形穴
372、373 軸支持孔
374 軸支持部
375 軸孔
376 切り欠き
377 支持ピン
379 ギヤ列
380 駆動ギヤ
381 ディスク部
382 円筒部
383 ボス
384 軸孔
385 歯
386 リブ
387 D形断面部
388 被駆動ギヤ
389 中間ギヤ
390 間欠保持装置
391 スライダ
392 基部
393 起立部
394 第1規制片
395、397 面取り部
396 第2規制片
398 フック部
399 穴
400 スライダガイド部
401 側壁
402 前壁
403 トンネル部
404 天壁
405 切り欠き
407 スプリング
601 主制御基板
602 主制御回路
603 停電監視回路
611、631、641 MPU
612、632、642 ROM
613、633、643 RAM
613a 各種カウンタエリア
613b 抽選カウンタ用バッファ
613c 保留球格納エリア
613d 電役保留エリア
621 電源・発射制御基板
622 払出制御基板
623 中継端子板
624 音声ランプ制御基板
625 表示制御装置
629 裏パック基板
650 ホイール制御基板
C1 乱数カウンタ
C2 大当たり種別カウンタ
C3 リーチ乱数カウンタ
CINI 乱数初期値カウンタ
CS 変動種別カウンタ
C4 電動役物開放カウンタ
OTC 開放タイマカウンタ
CTC 閉鎖タイマカウンタ
J 回転軌跡円
PC 入賞カウンタ
RC ラウンドカウンタ
OS ファール球送出口
PE 遊技領域

Claims (14)

  1. 遊技球を発射する遊技球発射手段と、遊技盤の前面に設けられ前記遊技球発射手段により発射された遊技球を遊技領域へ案内するガイド通路とを備えた遊技機において、
    前記遊技球発射手段から前記遊技領域までの前記遊技球の移動経路に、前記遊技球と異なる不正遊技球を前記遊技領域の所定位置に到達させることを抑止する不正抑止手段を設けたことを特徴とする遊技機。
  2. 前記不正遊技球は、遊技球に糸を取り付けた糸つき遊技球であり、
    前記不正抑止手段は、前記糸つき遊技球の糸を捕える捕糸手段であり、
    該捕糸手段が、前記糸を絡めとる回転体を有することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記回転体は、その回転軸から径方向に延びるとともに遊技球を通過させる穴を有する羽根を備え、
    前記捕糸手段は、前記遊技球発射手段により発射された遊技球が前記穴を通過可能に前記羽根を前記移動経路に臨ませた位置を前記回転体の正規位置とし、遊技球が前記穴を通過するのに同期して前記回転体を回転させる回転制御手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記回転体の前記羽根は周方向等間隔に複数枚備えられ、
    前記回転制御手段は遊技球が前記羽根の穴を通過するごとに所定角度前記回転体を回転させて、前記羽根を順次前記正規位置に位置させることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
  5. 前記回転体はその回転軸を前記遊技盤の前面に対して垂直に配置されていることを特徴とする請求項2から4のいずれか1に記載の遊技機。
  6. 前記回転体の前記羽根は、その外端縁に前記遊技球発射手段により発射された遊技球の移動方向に沿う回転方向に延びるフランジを有していることを特徴とする請求項2から5のいずれか1に記載の遊技機。
  7. 前記フランジの先端縁が、当該フランジの幅方向外側から内方に進むほど後退する傾斜部を有していることを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
  8. 前記羽根の外端部に糸を係止する糸係止手段を有していることを特徴とする請求項2から5のいずれか1に記載の遊技機。
  9. 前記フランジの先端縁に糸を係止する糸係止手段を有していることを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
  10. 前記糸係止手段が、開口から奥部に向かって傾斜部を有するV字形をなし、前記傾斜部にV字の頂点側に向かって延びる係止片を備える切り欠きであることを特徴とする請求項8または9に記載の遊技機。
  11. 前記回転制御手段はステッピングモータにより前記回転体を回転させるものであることを特徴とする請求項3から10のいずれか1に記載の遊技機。
  12. 前記回転体が前記正規位置にあるかどうかを検知する位置エラー検知手段を備えることを特徴とする請求項3から11のいずれか1に記載の遊技機。
  13. 前記ガイド通路の入り口には、当該ガイド通路を逆戻りした遊技球を排出するファール球送出口が隣接し、
    前記回転体は前記ファール球送出口より上流に配置されていることを特徴とする請求項3から12のいずれか1に記載の遊技機。
  14. 前記遊技球発射手段は前記ガイド通路の入り口に指向する発射レールを含み、
    前記回転体は前記ファール球送出口と前記発射レールの間に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の遊技機。
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