JP2013176267A - ロータ - Google Patents
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Abstract
【課題】突極比の増大する構成とし、モータの一層の高効率化に寄与することができる埋込磁石型のロータを提供する。
【解決手段】磁極部11a(永久磁石12の配置範囲)の周方向中央部にその両側部間を磁気的に分離する磁気抵抗部として隙間S1を設けるとともに、磁気抵抗部としての隙間S1間における隣接の磁極部11aの一部同士、即ち磁極構成部21d1,21d2は連続して、磁極構成部22d1,22d2は連続して設けられる。
【選択図】図1
【解決手段】磁極部11a(永久磁石12の配置範囲)の周方向中央部にその両側部間を磁気的に分離する磁気抵抗部として隙間S1を設けるとともに、磁気抵抗部としての隙間S1間における隣接の磁極部11aの一部同士、即ち磁極構成部21d1,21d2は連続して、磁極構成部22d1,22d2は連続して設けられる。
【選択図】図1
Description
本発明は、マグネットトルクとリラクタンストルクとを利用する埋込磁石型のロータに関するものである。
近年、モータにおいても省資源化、低コスト化等の推進のために一層の高効率化が要求されている。高効率なモータとしては、例えば特許文献1に示されるような埋込磁石型モータが知られている。高効率な理由としては、ロータコア内に永久磁石を埋め込む態様とした埋込磁石型のロータ構造が採用され、その磁石の鎖交磁束変化に起因するマグネットトルクに加えて、自己インダクタンス等の磁気的な突極に起因するリラクタンストルクが利用できるためである。
ところで、磁気的な突極とは、d軸磁束の通り易さを表すd軸インダクタンスとq軸磁束の通り易さを表すq軸インダクタンスとの差であり、これらの差、所謂突極比が大きい程、リラクタンストルクを大きくすることができる。そのため、モータの一層の高効率化を図るには、突極比の大きいロータ構造とすることが必要である。
特許文献1に開示のロータ構造では、d軸,q軸インダクタンスの差である突極比を大きくするために、隣接の磁石間のコアに孔や凹部を設けてd軸磁路の磁気抵抗を増大させ、d軸インダクタンスがq軸側よりも十分に小さくなるような構成となっている。
しかしながら、磁石間のコアに設けた孔や凹部の周囲、即ちd軸磁路上に依然として連結部分が存在するため、d軸インダクタンスをまだまだ小さくできる余地があり、モータの一層の高効率化の可能性が残されている。
また特許文献1のように、d軸側を小さくしてd軸,q軸インダクタンスの相対差を大きくするロータ構造のものや、該構造とは別にq軸側を小さくしてd軸,q軸インダクタンスの相対差を大きくするロータ構造のものがあり、これら相対差、即ち突極比を一層大きくして、モータを更に高効率化することが望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、突極比の増大する構成とし、モータの一層の高効率化に寄与することができる埋込磁石型のロータを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、径方向に磁極が向けられた複数の永久磁石が周方向所定間隔でロータコア内に埋め込む態様で配置され、前記永久磁石を含めた前記ロータコアにおいて周方向に複数の磁極部が構成される埋込磁石型のロータであって、前記磁極部における前記永久磁石の配置範囲の周方向中央部にその両側部間を磁気的に分離する磁気抵抗部が設けられるとともに、その磁気抵抗部間における隣接の前記磁極部の一部同士は連続して設けられていることをその要旨とする。
この発明では、磁極部における永久磁石の配置範囲の周方向中央部にその両側部間を磁気的に分離する磁気抵抗部が設けられ、その磁気抵抗部間における隣接の磁極部の一部同士は連続して設けられる。即ち、d軸磁路は、磁極部における永久磁石の配置範囲の周方向中央部、即ち磁気抵抗部の両側から左右に別れて隣接の磁極部に向かう経路であり、その経路上での大きな磁気抵抗部分はなく、d軸インダクタンスは十分に大きくなる。一方、q軸磁路は、磁極部の両端部間と永久磁石の背面側とを通る経路であり、磁極部の周方向中央部分に設けた磁気抵抗部を横断するため、q軸インダクタンスは十分に小さくなる。これにより、d軸,q軸インダクタンスの相対差、即ち突極比が一層増大するロータ構造となるため、該ロータを用いるモータの一層の高効率化に寄与できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のロータにおいて、前記ロータコアは、第1及び第2コア部材を用いて構成され、前記第1及び第2コア部材は、隣接する前記磁気抵抗部間における隣接の前記磁極部の一部同士が連続して構成された磁極構成部を備え、第1及び第2コア部材の各磁極構成部が周方向に交互に配置されるように組み付けられて、第1及び第2コア部材の各磁極構成部に跨るように前記永久磁石が配置されるとともに、第1及び第2コア部材の各磁極構成部間に隙間を設け、該隙間に前記磁気抵抗部が構成されていることをその要旨とする。
この発明では、第1及び第2コア部材に設けた磁極構成部の構成上、隣接する磁気抵抗部間における隣接の磁極部の一部同士が連続し、第1及び第2コア部材の磁極構成部間に設けた隙間に、磁極部における永久磁石の配置範囲の周方向中央部に位置する磁気抵抗部が構成される。つまり、突極比の一層増大する構造をなすロータコアが、第1及び第2コア部材を用いる分離構造で構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のロータにおいて、前記第1及び第2コア部材は、同一部材にて構成されていることをその要旨とする。
この発明では、第1及び第2コア部材が同一部材にて構成されるため、部品種類を少なくでき、ロータの低コスト化に寄与できる。
この発明では、第1及び第2コア部材が同一部材にて構成されるため、部品種類を少なくでき、ロータの低コスト化に寄与できる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のロータにおいて、前記第1及び第2コア部材の各磁極構成部間に設けられる前記隙間自身が前記磁気抵抗部をなしていることその要旨とする。
この発明では、第1及び第2コア部材の各磁極構成部間に設けた隙間自身が磁気抵抗部をなすため、磁気抵抗部の構成にかかる部材を別途用意しなくて済み、部品点数を低減できる。
請求項5に記載の発明は、請求項2又は3に記載のロータにおいて、前記第1及び第2コア部材の各磁極構成部間に設けられる前記隙間に難磁性部材が介在され、該難磁性部材にて前記磁気抵抗部が構成されていることをその要旨とする。
この発明では、第1及び第2コア部材の各磁極構成部間に設けた隙間に、磁気抵抗部として機能させる難磁性部材が介在される。つまり、第1及び第2コア部材の各磁極構成部間を難磁性部材を介在して連結できるため、磁気抵抗部の構成とともに、ロータの剛性向上が可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のロータにおいて、前記難磁性部材は、前記第1及び第2コア部材に対して一体成形されていることをその要旨とする。
この発明では、難磁性部材は第1及び第2コア部材に一体成形されるため、磁気抵抗部として難磁性部材を用いる構成であっても、ロータを組み付ける部品点数を低減できる。
この発明では、難磁性部材は第1及び第2コア部材に一体成形されるため、磁気抵抗部として難磁性部材を用いる構成であっても、ロータを組み付ける部品点数を低減できる。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のロータにおいて、前記難磁性部材は、振動吸収機能も有していることをその要旨とする。
この発明では、難磁性部材は振動吸収機能も有しているため、ロータに発生する振動の減衰に寄与できる。
この発明では、難磁性部材は振動吸収機能も有しているため、ロータに発生する振動の減衰に寄与できる。
請求項8に記載の発明は、請求項5〜7のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記難磁性部材は、前記第1及び第2コア部材の各磁極構成部に跨って配置される前記永久磁石の保持機能も有していることをその要旨とする。
この発明では、難磁性部材は、第1及び第2コア部材の各磁極構成部に跨って配置される永久磁石の保持機能も有しているため、永久磁石を保持する構成を別途考慮しなくて済む。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記ロータコアには、その周縁部から隣接の前記永久磁石間まで延びるスリット部が形成されていることをその要旨とする。
この発明では、ロータコアの周縁部から隣接の永久磁石間まで延びるように形成されたスリット部にて、隣接の永久磁石間に生じる漏れ磁束が低減される。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記ロータコアは、磁性金属板を複数枚積層したものであることをその要旨とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記ロータコアは、磁性金属板を複数枚積層したものであることをその要旨とする。
この発明では、磁性金属板を複数枚積層させた積層型のロータコアは安価に構成でき、ロータの低コスト化に寄与できる。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記ロータコアは、磁性粉体の成形によるものであることをその要旨とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載のロータにおいて、前記ロータコアは、磁性粉体の成形によるものであることをその要旨とする。
この発明では、磁性粉体の成形による成形型のロータコアは形状の自由度が大きく、特に請求項2のように、第1及び第2コア部材を用いて分離構造とした時の個々のコア形状が複雑となりがちであるが、成形を用いることで複雑な形状でも容易に対応できる。
本発明によれば、突極比を増大でき、モータの一層の高効率化に寄与することができるロータを提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示す本実施形態のロータ10は、ブラシレスモータのロータであり、図示略の環状のステータの内側に配置され該ステータにて生じる回転磁界によって回転する。本実施形態のロータ10は、埋込磁石型のロータ構造をなし、ロータコア11内の所定位置に永久磁石12が埋め込まれる態様で構成されている。
図1に示す本実施形態のロータ10は、ブラシレスモータのロータであり、図示略の環状のステータの内側に配置され該ステータにて生じる回転磁界によって回転する。本実施形態のロータ10は、埋込磁石型のロータ構造をなし、ロータコア11内の所定位置に永久磁石12が埋め込まれる態様で構成されている。
図1〜図3に示すように、ロータ10は、第1及び第2コア部材21,22の2つのコア材からなるロータコア11と、10個の永久磁石12と、回転軸13とを備えている。ロータコア11を構成する第1及び第2コア部材21,22は、同一形状、同一材料にて形成される同一部材である。
第1及び第2コア部材21,22は、中心部に回転軸13を固定するための軸固定孔21a,22a(図3参照)を有する円環状の軸固定部21b,22bと、軸固定部21b,22bの外周面から径方向外側に延び、周方向等間隔に配置される5つの連結部21c,22cとを備えている。軸固定部21b,22bと各連結部21c,22cは、軸方向長さL1が同じ長さで構成され、ロータコア11の全体の軸方向長さL0(図2(a)参照)の半分に設定されている。また、各連結部21c,22cの径方向外側には、それぞれ磁極構成部21d,22dが形成されている。
磁極構成部21d,22dは、ロータコア11の周方向長さを10等分したよりも若干幅狭の略円弧状をなしている。因みに、この磁極構成部21d,22dに対して上記の連結部21c,22cの幅は1/3程度に設定されている。また、磁極構成部21d,22dは、その軸方向長さL2が連結部21c,22c(軸固定部21b,22b)の2倍の長さ、即ちロータコア11の全体の軸方向長さL0と同等に設定されており、該連結部21c,22cから軸方向一方側に突出している。
磁極構成部21d,22dは、周方向中央部に連結部21c,22cが位置しており、該連結部21c,22cの幅方向中心線A1,A2に対して対称形状をなしている。磁極構成部21d,22dは、その幅方向中心線A1,A2に対して周方向一方側が第1磁極構成部21d1,22d1、他方側が第2磁極構成部21d2,22d2としている。尚、第1及び第2コア部材21,22は、図3に示すように軸方向において互いに逆向きに組み付けられるものであるため、例えば図1において第1コア部材21の周方向一方側(第1磁極構成部21d1側)は時計回り方向側、第2コア部材22の周方向一方側(第1磁極構成部22d1側)は反時計回り方向側とする。磁極構成部21d,22dの外周縁には、幅方向中心線A1,A2上において、径方向外側から内側に向けて略三角形状に切り欠かれたスリット部21e,22eが形成されている。
磁極構成部21d,22d(第1磁極構成部21d1,22d1及び第2磁極構成部21d2,22d2)の周方向端部には、それぞれ径方向に沿った平面をなす周方向端面21f,22fを有し、該周方向端面21f,22fの直交方向に向けて上記のスリット部21e,22eの近傍まで延びる磁石収容凹部21g,22gが形成されている。磁石収容凹部21g,22gは、周方向端面21f,22fの直交方向に長い長方形状をなしている。
ここで、第1及び第2コア部材21,22は、図3に示すように、軸方向において互いに逆向きでそれぞれ磁極構成部21d,22dが軸方向に突出する側を向かい合わせて、各磁極構成部21d,22dが周方向に交互に並んで略環状をなすように配置される。そして、軸固定部21b,22bが互いに軸方向に当接させて軸固定孔21a,22aに回転軸13が嵌挿され固定されることで、第1及び第2コア部材21,22が1つのロータコア11として機能するように回転軸13に固定される。因みに、第1及び第2コア部材21,22は互いに反対向きに組み合わされることで、図1に示すように、第1及び第2コア部材21,22のそれぞれの第1磁極構成部21d1,22d1同士、第2磁極構成部21d2,22d2同士が隣接する。
また、第1及び第2コア部材21,22を組み付けることで、第1磁極構成部21d1,22d1に設けた磁石収容凹部21g,22g同士、また第2磁極構成部21d2,22d2に設けた磁石収容凹部21g,22g同士が対向して断面長方形状の1つの空間が形成され、個々の空間のそれぞれに1つの永久磁石12が保持される。ロータコア11の全体では、対をなす磁石収容凹部21g,22gにて形成される空間が周方向等間隔に10個形成され、10個の永久磁石12がそれぞれ挿入されて保持される。
永久磁石12については、図3に示すように長方形板状をなし、希土類系の磁石にて構成されている。永久磁石12は、径方向に磁極が向くように磁化され、周方向で交互に異なる磁極となるように配置される。永久磁石12の軸方向長さL3は磁極構成部21d,22dの軸方向長さL1と同等、即ちロータコア11の軸方向長さL0と同等に設定されている。また、図1に示すロータコア11の軸方向視で、永久磁石12の長手方向長さは、周方向に対向する一対の磁極構成部21d1,22d1及び一対の磁極構成部21d2,22d2に跨って磁石収容凹部21g,22gにより形成される長方形状の空間の長手方向長さ、厳密には後述する磁極構成部21d1,22d1,21d2,22d2間の隙間S1を含めた長手方向長さと同等に設定されている。従って、個々の磁石収容凹部21g,22gの長手方向長さは、永久磁石12の長手方向長さの半分より若干短いものとなっている。
また、周方向に隣接する第1及び第2コア部材21,22の磁極構成部21d,22d間、詳しくは対をなす磁極構成部21d1,22d1及び磁極構成部21d2,22d2の周方向端面21f,22f間に径方向に沿った隙間S1が設定されている。隙間S1は、周方向等間隔に10箇所設けられ、それぞれ同等の幅となるように第1及び第2コア部材21,22の組み付けが行われる。磁極構成部21d1,22d1間及び磁極構成部21d2,22d2間の隙間S1は、その両者間で所望の磁気抵抗を生じさせるべく設けられている。
そして、隣接のスリット部21e,22e間において、永久磁石12が埋め込まれる一対の磁極構成部21d1,22d1及び一対の磁極構成部21d2,22d2は、ロータ10の各磁極部11aとして機能し、このような磁極部11aは周方向等間隔に10箇所に構成される。各磁極部11aは、対で構成される磁極構成部21d1,22d1,21d2,22d2が対称形状をなしていることから、磁極部11a自身も隙間S1を中心に対称形状に構成される。
また、磁極部11aの外周面は、一対の磁極構成部21d1,22d1及び一対の磁極構成部21d2,22d2間の隙間S1を跨ぐようにして1つの略円弧状をなしており、しかも隙間S1の形成された周方向中央部が周方向端部(スリット部21e,22eの近傍部分)よりも径方向外側に凸となる円弧形状をなしている。また、各磁極部11aの両側に設けられたスリット部21e,22eは、埋め込まれた状態の隣接する永久磁石12間まで延びて切り欠かれるため、隣接の永久磁石12間に生じる漏れ磁束を低減させている。
このようにして、2つのコア部材21,22を組み合わせてなるロータコア11に永久磁石12が埋め込まれて10極の磁極部11aが構成された埋込磁石型のロータ10が構成されている。因みに、図2(a)に示すロータ10は、コア部材21,22に磁性粉体を圧縮成形したものを用いて構成されたものである。尚、コア部材21,22に磁性金属ブロックから切削加工にて形成したものを用いてもよい。図2(b)に示すロータ10は、コア部材21,22にプレス加工により形成される磁性金属板21x,22xを軸方向に複数枚積層したものを用いて構成されたものである。これらいずれの構成のコア部材21,22を用いることもできる。
次に、本実施形態のロータ10の作用を説明する。
先ず、図1に本実施形態のロータ10のd軸磁路及びq軸磁路を実線矢印で示す。d軸磁路は、それぞれの磁極部11a(永久磁石12の配置範囲)の周方向中央部、即ち隙間S1の両側から左右に別れて隣接の磁極部11aに向かう経路となっている。つまり、d軸磁路は、ロータコア11の構造上、1つブロックをなして連続して設けられる磁極構成部21d,22d上に形成されることから、その経路上での大きな磁気抵抗部分はなく、d軸インダクタンスは十分に大きいものとなっている。また、磁極部11aの周方向中央部において径方向に延びる隙間S1により、d軸磁路を流れる磁束の整流効果も期待できる。
先ず、図1に本実施形態のロータ10のd軸磁路及びq軸磁路を実線矢印で示す。d軸磁路は、それぞれの磁極部11a(永久磁石12の配置範囲)の周方向中央部、即ち隙間S1の両側から左右に別れて隣接の磁極部11aに向かう経路となっている。つまり、d軸磁路は、ロータコア11の構造上、1つブロックをなして連続して設けられる磁極構成部21d,22d上に形成されることから、その経路上での大きな磁気抵抗部分はなく、d軸インダクタンスは十分に大きいものとなっている。また、磁極部11aの周方向中央部において径方向に延びる隙間S1により、d軸磁路を流れる磁束の整流効果も期待できる。
一方、q軸磁路は、磁極部11aの両端部、即ちその両端部に設けられるスリット部21e,22e間と永久磁石12の背面側(径方向内側面)とを通る経路となっている。この場合、q軸磁路においては、磁極部11aの周方向中央部分、即ち磁気抵抗の増大する本実施形態では隙間S1を必ず横断することになるため、q軸インダクタンスは十分に小さいものとなる。
これにより、本実施形態のロータ10(ロータコア11)は、d軸,q軸インダクタンスの相対差、即ち突極比を一層増大できるロータ構造をなすため、該ロータ10を用いるモータでは、一層の高効率化を図ることが可能である。
また、本実施形態では永久磁石12に希土類系の磁石を用いていることから、磁石12の薄型化(径方向長さの小型化)が可能である。これにより、d軸インダクタンスを大きく、突極比を大きくでき、この点でもモータの高効率化が可能である。
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)磁極部11a(永久磁石12の配置範囲)の周方向中央部にその両側部間を磁気的に分離する磁気抵抗部として隙間S1が設けられ、その隙間S1間における隣接の磁極部11aの一部同士、即ち磁極構成部21d1,21d2は連続して、磁極構成部22d1,22d2は連続して設けられる。即ち、d軸磁路は、磁極部11a(永久磁石12の配置範囲)の周方向中央部、即ち磁気抵抗部である隙間S1の両側から左右に別れて隣接の磁極部11aに向かう経路であり、その経路上での大きな磁気抵抗部分はなく、d軸インダクタンスは十分に大きくなる。一方、q軸磁路は、磁極部11aの両端部間(スリット部21e,22e間)と永久磁石12の背面側とを通る経路であり、磁極部11aの周方向中央部分に設けた磁気抵抗部である隙間S1を横断するため、q軸インダクタンスは十分に小さくなる。これにより、d軸,q軸インダクタンスの相対差、即ち突極比が一層増大するロータ構造となるため、該ロータ10を用いるモータの一層の高効率化に寄与することができる。
(1)磁極部11a(永久磁石12の配置範囲)の周方向中央部にその両側部間を磁気的に分離する磁気抵抗部として隙間S1が設けられ、その隙間S1間における隣接の磁極部11aの一部同士、即ち磁極構成部21d1,21d2は連続して、磁極構成部22d1,22d2は連続して設けられる。即ち、d軸磁路は、磁極部11a(永久磁石12の配置範囲)の周方向中央部、即ち磁気抵抗部である隙間S1の両側から左右に別れて隣接の磁極部11aに向かう経路であり、その経路上での大きな磁気抵抗部分はなく、d軸インダクタンスは十分に大きくなる。一方、q軸磁路は、磁極部11aの両端部間(スリット部21e,22e間)と永久磁石12の背面側とを通る経路であり、磁極部11aの周方向中央部分に設けた磁気抵抗部である隙間S1を横断するため、q軸インダクタンスは十分に小さくなる。これにより、d軸,q軸インダクタンスの相対差、即ち突極比が一層増大するロータ構造となるため、該ロータ10を用いるモータの一層の高効率化に寄与することができる。
(2)第1及び第2コア部材21,22に設けた磁極構成部21d1,21d2,22d1,22d2の構成上、隣接する磁気抵抗部としての隙間S1間における隣接の磁極部11aの一部同士が連続し、第1及び第2コア部材21,22の磁極構成部21d1,22d1間及び磁極構成部21d2,22d2間に設けた隙間S1が、磁極部11a(永久磁石12の配置範囲)の周方向中央部に位置する磁気抵抗部として機能する。つまり、突極比の一層増大する構造をなすロータコア11を、第1及び第2コア部材21,22を用いる分離構造で構成することができる。
(3)第1及び第2コア部材21,22が同一部材にて構成されるため、部品種類を少なくでき、ロータ10の低コスト化に寄与することができる。
(4)第1及び第2コア部材21,22の磁極構成部21d1,22d1間及び磁極構成部21d2,22d2間に設けた隙間S1自身が磁気抵抗部をなすため、磁気抵抗部の構成にかかる部材を別途用意しなくて済み、部品点数を低減することができる。
(4)第1及び第2コア部材21,22の磁極構成部21d1,22d1間及び磁極構成部21d2,22d2間に設けた隙間S1自身が磁気抵抗部をなすため、磁気抵抗部の構成にかかる部材を別途用意しなくて済み、部品点数を低減することができる。
(5)ロータコア11の外周縁から隣接の永久磁石12間まで延びるように形成されたスリット部21e,22eにて、隣接の永久磁石12間に生じる漏れ磁束を低減することができる。
(6)ロータコア11を構成する第1及び第2コア部材21,22において、プレス加工にて形成される磁性金属板21x,22xを複数枚積層させた積層型とすれば、ロータコア11を安価に構成でき、ロータ10の低コスト化に寄与できる。また、磁性粉体の成形による成形型とすれば、形状の自由度が大きくなり、特に第1及び第2コア部材21,22を用いて分離構造とした時の個々のコア形状が複雑となりがちである所を、成形を用いることで容易に対応できる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では特に言及しなかったが、第1及び第2コア部材21,22の回転軸13への固定は、軸固定孔21a,22aへの圧入としてもよく、また接着やキーを用いた固定手法を用いてもよい。
・上記実施形態では特に言及しなかったが、第1及び第2コア部材21,22の回転軸13への固定は、軸固定孔21a,22aへの圧入としてもよく、また接着やキーを用いた固定手法を用いてもよい。
・上記実施形態では特に言及しなかったが、第1及び第2コア部材21,22の軸固定部21b,22bを軸方向に当接させる際、互いの当接面に互いに係合する凹凸等の位置決め部を設け、互いの周方向の位置決めを行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、第1及び第2コア部材21,22に設けられる磁極構成部21d,22dの軸方向長さ(L2)をロータコア11の全体の軸方向長さ(L0)と同等とし、それより内側の連結部21c,22c及び軸固定部21b,22bの軸方向長さ(L1)をロータコア11の軸方向長さ(L0)の半分とした。これを例えば、連結部21c,22cの軸方向長さを磁極構成部21d,22dと同等の長さで構成してもよい。また例えば、軸固定部21b,22bの当接面の周方向において軸方向に凹凸形状とし、該凹凸形状にて第1及び第2コア部材21,22を互いに嵌合する構成としてもよい。
・上記実施形態では、第1及び第2コア部材21,22の磁極構成部21d1,22d1間及び磁極構成部21d2,22d2間に設ける磁気抵抗部としての隙間S1を、径方向に沿った一直線状としたが、径方向に対して傾斜させたり、一直線状でない他の形状としてもよい。
・上記実施形態では、第1及び第2コア部材21,22の磁極構成部21d1,22d1間及び磁極構成部21d2,22d2間に設ける隙間S1自身を磁気抵抗部としたが、例えば図4に示すように、隙間S1に磁気抵抗の大きい(非磁性も含む)難磁性部材25を介在させてもよい。このようにすれば、第1及び第2コア部材21,22の磁極構成部21d1,22d1間及び磁極構成部21d2,22d2間を難磁性部材25を介して連結できるため、この難磁性部材25の材料を選定すれば、ロータコア11(ロータ10)の剛性向上が可能となる。
また、難磁性部材25に成形可能な材料を選定して第1及び第2コア部材21,22に一体成形するようにすれば、磁気抵抗部として難磁性部材25を用いる構成であっても、ロータコア11(ロータ10)を組み付ける部品点数を低減できる。
また、難磁性部材25に振動吸収特性を有する材料を選定すれば、ロータ10に発生する振動の減衰に寄与できる。
また、難磁性部材25に第1及び第2コア部材21,22の磁極構成部21d,22dに跨って配置される永久磁石12の保持も兼ねれば、永久磁石12を保持する構成を別途考慮しなくて済む。例えば、難磁性部材25に成形可能な材料を用い、磁石収容凹部21g,22gの永久磁石12との隙間に流し込むようにしてもよい。
また、難磁性部材25に第1及び第2コア部材21,22の磁極構成部21d,22dに跨って配置される永久磁石12の保持も兼ねれば、永久磁石12を保持する構成を別途考慮しなくて済む。例えば、難磁性部材25に成形可能な材料を用い、磁石収容凹部21g,22gの永久磁石12との隙間に流し込むようにしてもよい。
また、磁気抵抗部を上記の隙間S1や難磁性部材25以外で、例えば第1及び第2コア部材21,22の磁極構成部21d,22dを互いに当接させつつも、その当接部分に潰し等、形状的に変化させて磁気抵抗を持たせたり、その当接部分の性質そのものを変化させて磁気抵抗を持たせたりするようにしてもよい。
・上記実施形態のロータコア11は、同一部材よりなる第1及び第2コア部材21,22の2分割構造であったが、互いに異なる形状、若しくは互いに異なる材料とし、同一部材でなくてもよい。また、3以上の分割構造としてもよく、また1つのコア部材で分割としない構造としてもよい。
1つのコア部材で構成するものとして、例えば図5に示すような構造のロータコア31がある。ロータコア31は、同一形状の磁性金属板31xを軸方向に複数枚積層してなる。即ち、軸固定孔31aを有する軸固定部31b、周方向等間隔に10個の連結部31c及び磁極構成部31d(磁極部11a)、隙間S1、スリット部31e、磁石収容凹部31gといった上記実施形態と同様に機能する部位が軸方向に連続して構成されている。この構成では、磁性金属板31xが1種類で済む。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ) 請求項1〜11のいずれか1項に記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。
(イ) 請求項1〜11のいずれか1項に記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。
これにより、ロータの磁気的な突極での突極比が増大するため、モータの一層の高効率化が可能となる。
10…ロータ、11…ロータコア、11a…磁極部、12…永久磁石、21…第1コア部材、22…第2コア部材、21d,22d…磁極構成部、21d1,22d1…第1磁極構成部、21d2,22d2…第2磁極構成部、21e,22e…スリット部、21x,22x…磁性金属板、25…難磁性部材(磁気抵抗部)、31…ロータコア、31d…磁極構成部、31e…スリット部、31x…磁性金属板、S1…隙間(磁気抵抗部)。
Claims (11)
- 径方向に磁極が向けられた複数の永久磁石が周方向所定間隔でロータコア内に埋め込む態様で配置され、前記永久磁石を含めた前記ロータコアにおいて周方向に複数の磁極部が構成される埋込磁石型のロータであって、
前記磁極部における前記永久磁石の配置範囲の周方向中央部にその両側部間を磁気的に分離する磁気抵抗部が設けられるとともに、その磁気抵抗部間における隣接の前記磁極部の一部同士は連続して設けられていることを特徴とするロータ。 - 請求項1に記載のロータにおいて、
前記ロータコアは、第1及び第2コア部材を用いて構成され、
前記第1及び第2コア部材は、隣接する前記磁気抵抗部間における隣接の前記磁極部の一部同士が連続して構成された磁極構成部を備え、第1及び第2コア部材の各磁極構成部が周方向に交互に配置されるように組み付けられて、第1及び第2コア部材の各磁極構成部に跨るように前記永久磁石が配置されるとともに、第1及び第2コア部材の各磁極構成部間に隙間を設け、該隙間に前記磁気抵抗部が構成されていることを特徴とするロータ。 - 請求項2に記載のロータにおいて、
前記第1及び第2コア部材は、同一部材にて構成されていることを特徴とするロータ。 - 請求項2又は3に記載のロータにおいて、
前記第1及び第2コア部材の各磁極構成部間に設けられる前記隙間自身が前記磁気抵抗部をなしていることを特徴とするロータ。 - 請求項2又は3に記載のロータにおいて、
前記第1及び第2コア部材の各磁極構成部間に設けられる前記隙間に難磁性部材が介在され、該難磁性部材にて前記磁気抵抗部が構成されていることを特徴とするロータ。 - 請求項5に記載のロータにおいて、
前記難磁性部材は、前記第1及び第2コア部材に対して一体成形されていることを特徴とするロータ。 - 請求項5又は6に記載のロータにおいて、
前記難磁性部材は、振動吸収機能も有していることを特徴とするロータ。 - 請求項5〜7のいずれか1項に記載のロータにおいて、
前記難磁性部材は、前記第1及び第2コア部材の各磁極構成部に跨って配置される前記永久磁石の保持機能も有していることを特徴とするロータ。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載のロータにおいて、
前記ロータコアには、その周縁部から隣接の前記永久磁石間まで延びるスリット部が形成されていることを特徴とするロータ。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載のロータにおいて、
前記ロータコアは、磁性金属板を複数枚積層したものであることを特徴とするロータ。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載のロータにおいて、
前記ロータコアは、磁性粉体の成形によるものであることを特徴とするロータ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103683729A (zh) * | 2013-12-05 | 2014-03-26 | 张学义 | 隐形磁极永磁发电机转子生产方法 |
JP2016208569A (ja) * | 2015-04-15 | 2016-12-08 | 株式会社デンソー | 回転電機のロータ |
JP2017204961A (ja) * | 2016-05-12 | 2017-11-16 | スズキ株式会社 | 回転電機 |
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2012
- 2012-02-27 JP JP2012040380A patent/JP2013176267A/ja active Pending
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