JP2013175845A - 信号伝送回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出信号を並列動作するA/D変換器に分配する際に、インピーダンス不整合によるゴーストピークの発生を防止する。
【解決手段】伝送線路のみ又は伝送線路とインピーダンス変換回路との組み合わせである仮想伝送線路10の一端を分岐点4とし、該分岐点4に特性インピーダンスがZ0で電気長も同一である出力側伝送線路5a、5bの一端を接続する。また、仮想伝送線路10の特性インピーダンスはZ0/2とする。この構成の回路では、終端Paで反射した信号が分岐点4に戻ると、1/2が再反射及び極性反転し、1/2が透過して終点Pbへ向かう。分岐点4から最初に終点Pbに向かった信号も同様である。そのため、終点Pa、Pbには極性が逆で振幅が等しい反射信号が現れ、両信号が打ち消し合うことで、ゴーストピークの発生を抑制できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、1系統の入力信号を2系統の負荷に分配する信号伝送回路に関し、特に、広帯域信号の分配に好適な信号伝送回路に関する。
飛行時間型質量分析計(以下「TOFMS」と略す)などの分析装置では一般に、検出器で得られたアナログ検出信号はA/D(アナログ/デジタル)変換器によりデジタルデータに変換されてメモリやデータバッファなどに一旦格納され、その後にスペクトル作製処理などのデータ処理が行われる。例えばTOFMSでは、分析実行時のデータ収集のためにきわめて高いA/D変換レート(サンプリングレート)とビット分解能が要求されるため、単一のA/D変換器で以てA/D変換処理を行うことは難しく、複数のA/D変換器を並列動作させる構成が広く用いられている。複数のA/D変換器を並列動作させるには、A/D変換対象であるアナログ信号を複数のA/D変換器に分配する(電力分配する)必要がある。
TOFMSにおける検出信号のように、直流成分から高周波成分まで広い周波数帯域の成分が含まれる広帯域信号を電力分配する場合、特許文献1、2等に開示されている抵抗電力分配器を用いた信号伝送回路が広く利用されている。図5は、3抵抗2分配の抵抗電力分配器を用いた信号伝送回路により、入力された検出信号を2系統のA/D変換器に分配する場合のブロック構成図である。
図5において、信号入力端1に一端が接続された入力側伝送線路2の他端は抵抗電力分配器11の入力端P10に接続され、抵抗電力分配器11の2系統の出力端P11、P12にそれぞれ一端が接続された第1、第2出力側伝送線路15a、15bの他端は、アンプ又はバッファアンプ等であるA/D変換器駆動回路6a、6bの入力端に接続されている。分配された2系統の信号はA/D変換器駆動回路6a、6bを通してそれぞれA/D変換器7a、7bに入力され、A/D変換器7a、7bから出力されるデジタルデータはデータ処理部8に入力され、例えばメモリに格納される。
図示するように、抵抗電力分配器11は3本の抵抗器111、113、114が分岐点114を中心にY字状に接続された構成を有する。抵抗電力分配器11の入出力インピーダンスがZ0である場合、該抵抗電力分配器11は、3本の抵抗器111、112、113の抵抗値がいずれもZ0/3である対称な回路構成となる。このとき、入力側伝送線路2の入力端(つまり信号入力端1)並びに第1及び第2出力側伝送線路15a、15bの出力端をそれぞれインピーダンスZ0で終端した場合、その各入出力端からみた特性インピーダンスはいずれもZ0となる。したがって、上記構成の抵抗電力分配器11を用いることで、インピーダンスを整合させながら1系統の信号を2系統に分配することができる。この場合、抵抗電力分配器11中の分岐点114における電圧反射係数は0、電圧透過係数は1であり、抵抗電力分配器11における入出力端間の電圧利得は0.5である。
しかしながら、上記構成の信号伝送回路では、入力側伝送線路2、出力側伝送線路15a、15bの特性インピーダンスをZ0に揃えたとしても、実際には、A/D変換器駆動回路6a、6bの入力容量などの影響により、抵抗電力分配器11からみた終端におけるインピーダンス整合を完全にとることは困難である。そのため、終端のインピーダンス不整合により、伝搬信号に反射が生じることは避けられない。一例として、出力側の終端が開放(つまりインピーダンスが∞である)状態で、信号入力端1から電圧振幅2Viであるインパルス信号を入力したときの信号伝搬状況の様子を図6に示す。
入力側伝送線路2を通して抵抗電力分配器11の入力端P10に印加されたインパルス信号は、抵抗電力分配器11で2系統に分岐される。入力端P10から抵抗電力分配器11側をみたときのインピーダンスはZ0に整合されているので、抵抗電力分配器11自体での反射は生じない。また、抵抗電力分配器11の入力端間及び入力端−出力端間の電圧利得は0.5であるので、抵抗電力分配器11の出力端P11、P12にはそれぞれ電圧振幅がViであるインパルス信号が現れる。
この電圧振幅Viであるインパルス信号は、出力端P11、P12にそれぞれ接続された特性インピーダンスがZ0である第1、第2出力側伝送線路15a、15bを通りその出力端、つまり終端Paに到達する。この終端PaのインピーダンスがZ0であるならば、到達した進行波は全て終端で吸収されるため反射を生じない。それに対し、終端Paが開放端である場合のインピーダンスは∞であり、この場合、電圧反射係数は+1であるので、進行波は全反射し抵抗電力分配器11の出力端P11、P12に戻ってくる。そして、その反射波は出力端P11、P12から抵抗電力分配器11に入り、分岐点114で分岐してそれぞれ他方の出力端P12又はP11に電圧振幅がVi/2であるインパルス信号として現れる。電圧振幅がViからVi/2に減じるのは、出力端間の電圧利得も0.5であるからである。
分岐点114で分岐した反射波の一部は入力端P10にも戻ってくるが、入力端P10に接続されている図示しない信号源の出力インピーダンスはZ0であってインピーダンス整合がとれているので、入力端P10での再反射は生じない。一方、例えば出力端P12に現れた電圧振幅がVi/2であるインパルス信号は第2出力側伝送線路15bを通りその出力端、つまり終端Pbに到達する。この終端Pbも開放状態であるので全反射を生じ、再反射波は第2出力側伝送線路15bを逆戻りする。このように、最初に終端Paで生じた反射波は抵抗電力分配器11の両出力端P11、P12を経由して両終端Pa、Pbの間を往復することになる。また、1回の片道進行により電圧振幅は1/2に減衰する。
図6に示すように、最初に分岐点114で抵抗器112側と抵抗器113側とに分岐された2系統の信号のいずれについても、同様の反射が生じる。このため、第1、第2出力側伝送線路15a、15bの終端Pa、Pb、つまりA/D変換器駆動回路6a、6bの入力端では、最初に観測される電圧振幅が2Viであるインパルス信号に続き、反射による多数のインパルス信号が観測されることになる。具体的には、一方の終端Paから他方の終端Pbまで信号が伝搬する時間毎に、電圧振幅が1/2に減じるインパルス信号が長い期間に亘り続くことになる。
図6の例は出力側伝送線路15a、15bの終端Pa、Pbが開放端である(つまり終端で全反射する)という最悪の条件であるが、終端Pa、Pbのインピーダンスが不整合であって反射が生じる場合には、電圧振幅自体の減衰は1/2よりも大きいものの同様のタイミングで反射波が繰り返し現れることになる。
特開2003−17952号公報 特開2006−311542号公報
上述したように、抵抗電力分配器11で信号を分配する場合、終端でインピーダンス不整合があると、2系統の終端間で多重反射が生じる。このため、図5に示した回路においては、元の検出信号には含まれない反射パルス信号(ゴーストピーク)がA/D変換器7a、7bの入力に印加されることになる。A/D変換後のデジタルデータの段階でゴーストピーク成分を元の検出信号成分から分離し除去することは殆ど不可能であるため、上記要因によるゴーストピークはTOFMS(又は他の分析装置)の分析性能を著しく低下させる原因となる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、入力信号を2系統の負荷に分配する電力分配機能を有する信号伝送回路において、終端のインピーダンス不整合により生じる反射波の影響を無くし又は軽減し、負荷に与えられる信号中のゴーストピークを抑制することを主たる目的としている。
上記課題を解決するために成された第1発明は、1系統の入力信号を2系統の負荷に分配する信号伝送回路であって、
信号入力端に一端が接続された入力側伝送線路と、該入力側伝送線路の他端を分岐点として該分岐点に一端が接続され他端が第1負荷に接続された第1出力側伝送線路と、前記分岐点に一端が接続され他端が前記第1負荷と入力電圧反射係数が等しい第2負荷に接続された第2出力側伝送線路と、を含み、
前記第1出力側伝送線路及び前記第2出力側伝送線路の特性インピーダンスが同一で、前記入力側伝送線路の特性インピーダンスがそれら出力側伝送線路の特性インピーダンスの1/2であり、該第1出力側伝送線路と該第2出力側伝送線路の電気長が等しく設定されていることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された第2発明は、1系統の入力信号を2系統の負荷に分配する信号伝送回路であって、
信号入力端に一端が接続された入力側伝送線路と、該入力側伝送線路の他端に入力端が接続されたインピーダンス変換部と、該インピーダンス変換部の出力端を分岐点として該分岐点に一端が接続され他端が第1負荷に接続された第1出力側伝送線路と、前記分岐点に一端が接続され他端が前記第1負荷と入力電圧反射係数が等しい第2負荷に接続された第2出力側伝送線路と、を含み、
前記第1出力側伝送線路及び前記第2出力側伝送線路の特性インピーダンスが同一で、前記入力側伝送線路の特性インピーダンスはそれら出力側伝送線路の特性インピーダンスのn倍であるとともに、前記インピーダンス変換部の入出力インピーダンス比は2n:1であり、前記第1出力側伝送線路と前記第2出力側伝送線路の電気長が等しく設定されていることを特徴としている。
第2発明に係る信号伝送回路は、入力側伝送線路の特性インピーダンスを第1及び第2出力側伝送線路の特性インピーダンスのn倍にするとともに、その入力側伝送線路と第1及び第2出力側伝送線路との間に挿入されたインピーダンス変換部の入出力インピーダンス比を2n:1とすることによって、第1及び第2出力側伝送線路の共通の入力端(つまり上記分岐点)から入力側伝送線路側をみたときのインピーダンスを、第1及び第2出力側伝送線路の特性インピーダンスの1/2としたものである。したがって、この第2発明に係る信号伝送回路は実質的に第1発明に係る信号伝送回路と同じである。
第1及び第2発明に係る信号伝送回路では、分岐点に接続される入力側伝送線路(又は入力側伝送線路とインピーダンス変換部との組み合わせ)の特性インピーダンスは、同じ分岐点にそれぞれ接続される2系統の出力側伝送線路の特性インピーダンスの1/2となっている。そのため、この分岐点を出力側伝送線路からみたインピーダンスは出力側伝送線路の特性インピーダンスの1/3となり、また出力側伝送線路からみた分岐点における電圧反射係数は−0.5となる。一方、第1及び第2出力側伝送線路の出力端の間の電圧透過係数は+0.5となる。そのため、一方の出力側伝送線路の出力端(終端)で反射して該出力側伝送線路へと戻ってきた反射波は分岐点において一部(1/2)が再反射し、一部(1/2)が分岐点を透過して他方の出力側伝送線路へと向かう。また、分岐点における電圧反射係数はマイナスであるから、該分岐点における再反射の際には信号の極性が反転する。
入力側伝送線路を通して導入された元の信号が分岐点で2系統に分岐され、その両方で、上記のように終端で反射してきた信号に対し分岐点での一部再反射及び極性反転、並びに一部透過が起こる。また、第1出力側伝送線路と第2出力側伝送線路の電気長は等しいため、分岐点から各終端までの信号伝搬遅延時間は等しい。そのため、各終端、つまり負荷の入力端では、分岐点で再反射してきた信号と別の反射波が分岐点を透過してきた信号とが同時に到達する。その両信号の極性は互いに逆で電圧振幅は等しいため、この両信号は打ち消し合うことになる。それにより、従来の抵抗電力分配器を用いた場合のような、2つの終端の間での多重反射によるゴーストピークの発生は抑制される。なお、入力側伝送線路を通して導入された元の信号が分岐点で2系統に分岐されてそのまま終端に到達することで該終端に現れる信号は、上記のように打ち消されることがない。
第1及び第2発明に係る信号伝送回路によれば、パルス状の入力信号を2系統の負荷に分配する際に、終端のインピーダンスが不整合であっても多重反射によるゴーストピークを抑制することができる。それによって、例えばTOFMSの検出信号を2系統のA/D変換器に分配する回路に本発明に係る信号伝送回路を用いることにより、得られるデータの純度、つまりはS/Nが改善され、分析性能の向上に繋がる。
入力信号を2系統のA/D変換器に分配する回路として本発明に係る信号伝送回路を用いた場合の一実施例のブロック構成図。 本実施例で用いた信号伝送回路の効果を実証する実験構成の概略図。 本実施例で用いた信号伝送回路における信号伝搬状況の説明図。 図2に示した各構成に対する実測観測波形を示す図。 入力信号を2系統のA/D変換器に分配する回路として従来の3抵抗2分配の抵抗電力分配器を用いた場合のブロック構成図。 図5に示した抵抗電力分配器による信号伝送回路における信号伝搬状況の説明図。
以下、本発明に係る信号伝送回路の一実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、入力信号を2系統のA/D変換器に分配する回路として本発明に係る信号伝送回路を用いた場合の一実施例のブロック構成図、図3は図1中の信号伝送回路における信号伝搬状況の説明図である。
図1において、並列動作される、2系統のA/D変換器駆動回路6a、6b、及び、A/D変換器7a、7b、並びにデジタルデータを収集するデータ処理部8は、図5に示した従来の構成と同様である。同一特性であるA/D変換器駆動回路6a、6bが本発明における負荷に相当する。信号入力端1に一端が接続された入力側伝送線路2の他端にはインピーダンス変換回路3が接続されており、このインピーダンス変換回路3の出力端が分岐点4となり、分岐点4に第1出力側伝送線路5a及び第2出力側伝送線路5bの一端が接続されている。第1出力側伝送線路5a及び第2出力側伝送線路5bの他端はそれぞれA/D変換器駆動回路6a、6bに接続されている。
2本の出力側伝送線路5a、5bの特性インピーダンスはいずれもZ0であり、それらの電気長は等しくされている。例えば同一特性の同軸ケーブルを出力側伝送線路5a、5bとして用いる場合、ケーブル長を等しくすることで電気長を揃えることができる。一方、入力側伝送線路2のインピーダンス特性もZ0であるが、インピーダンス変換回路3はZ0→Z0/2のインピーダンス変換を行うものであり、入力側伝送線路2とインピーダンス変換回路3とを合わせた仮想伝送線路10の特性インピーダンスはZ0/2である。したがって、分岐点4を仮想伝送線路10からみたインピーダンスはZ0であり、信号入力端1から分岐点4をみた電圧反射係数は0、信号入力端1から出力側伝送線路5a、5bの出力端(終端Pa、Pb)への電圧透過係数は1となる。一方、分岐点4を出力側伝送線路5a、5bからみたインピーダンスはそれぞれ、
(Z0/2)//(Z0)=Z0/3
となる。また、終端Pa、Pbから分岐点4をみた電圧反射係数Γは
Γ={(Z0/3)−Z0}/{(Z0/3)+Z0}=−0.5
となる。さらに、終端Pa、Pb間の電圧透過係数は、
1−γ=1−(−0.5)=+0.5
となる。
一例として、両終端Pa、Pbが開放状態(インピーダンスが∞)である場合に、信号入力端1から電圧振幅+Viであるインパルス信号を入力した場合の信号伝搬の様子について図3を用いて説明する。
前述のように信号入力端1から終端Pa、Pbへの電圧透過係数は1であるため、分岐点4で分岐された両信号の電圧振幅はいずれも+Viであり、この信号が第1、第2出力側伝送線路5a、5bを経て終端Pa、Pbへ向かう。図6により説明した従来の抵抗電力分配器を用いた場合と同様に、終端Pa、Pbに到達したインパルス信号は全反射し、第1、第2出力側伝送線路5a、5bを逆戻りして分岐点4に至る。この回路では、終端Pa、Pbからみた分岐点4における電圧反射係数が−0.5、電圧透過係数が+0.5であるため、例えば終端Paで反射して戻ってきた信号に対し、分岐点4では1/2の透過と1/2の反射及び極性反転が生じる。その結果、他方の終端Pbには電圧振幅が0.5Viであるインパルス信号(透過波)が現れ、終端Paには電圧振幅が−0.5Viであるインパルス信号(反射波)が現れる。最初に分岐点4から終端Pbに向かった信号も同様に該終端Pb全反射して分岐点4に戻り、その信号に対し、他方の終端Paには電圧振幅が0.5Viであるインパルス信号(透過波)、終端Pbには電圧振幅が−0.5Viであるインパルス信号(反射波)が現れる。
即ち、各終端Pa、Pbには、最初に自終端で生じた反射波が分岐点4で再反射して来た信号と他の終端で生じた反射波が分岐点4を透過して来た信号との両方が現れ、この両信号が重畳されることになる。第1出力側伝送線路5aと第2出力側伝送線路5bの電気長は等しくされているため、分岐点4を発して各終端Pa、Pbに到達するまでの信号の伝搬時間は等しい。それにより、上述したように、各終端Pa、Pbにおいて、最初に自終端で生じた反射波が分岐点4で再反射して来た信号と他の終端で生じた反射波が分岐点4を透過して来た信号とは、同一時刻に現れることになる。また、この両信号の電圧振幅は等しく極性は逆である。そのため、両信号が重畳されたときに両信号は打ち消し合うことになり、理想的には電圧振幅は0になる。
一方、信号入力端1に入力されたインパルス信号に対して分岐点4で分岐されて各終端Pa、Pbに現れた信号、つまりは分岐された原信号は打ち消しの影響を受けない。したがって、2系統の負荷、つまりはA/D変換器駆動回路6a、6bに分配したい原インパルス信号のみがそれら回路6a、6bの入力端に現れ、その原信号に起因する反射インパルス信号は打ち消されて消滅する。それにより、A/D変換器駆動回路6a、6bにはゴーストピークが入力されないので、A/D変換器7a、7bで得られるデータの純度、つまりS/Nが向上することになる。
なお、上記実施例では、インピーダンス変換回路3を含めた仮想伝送線路10のインピーダンスをZ0/2としたが、インピーダンス変換回路3を用いずに、入力側伝送線路2自体の特性インピーダンスをZ0/2としてもよいことは当然である。
次に、上記実施例における信号伝送回路の効果の確認実験について説明する。実験の構成は図2に示した3つのパターンであり、いずれもA/D変換器駆動回路6aの出力電圧波形を観測するためにオシロスコープ21を用い、信号入力端1にはパルスジェネレータ20を接続した。入力側伝送線路2、出力側伝送線路5a、5bはいずれも特性インピーダンス50Ωの同軸ケーブルであり、2本の出力側伝送線路5a、5bはケーブル長を同一(長さ410mm)に揃えることで電気長を同一にしている。また、パルスジェネレータ20の出力インピーダンスは50Ωであるため、インピーダンス変換回路3には50Ω→25Ωのアッテネータを用いた。
図2(a)は観測対象の終端Paとは別の終端Pbを開放端とした場合、図2(b)は観測対象の終端Paとは別の終端Pbを50Ωの負荷22で終端した場合、図2(c)は観測対象の終端Paとは別の終端PbにA/D変換器駆動回路6aと同じ種類のA/D変換器駆動回路6bを接続した場合である。即ち、図2(c)は2系統の終端Pa、Pbの条件が揃っており、図2(a)、(b)はそれが揃っていない状態である。
パルスジェネレータ20から半値幅600psのパルス信号を信号入力端1に印加した場合の図2(a)、(b)及び(c)の各構成における信号観察波形を図4(a)、(b)及び(c)に示す。図4(a)に示すように、終端Pbが開放端である場合(図2(a))には、主信号パルスから4.1ns経過後に大きな振幅の反射パルスが観測される。これは、終端Paで生じた反射パルスが分岐点4で反射されて戻ってきたパルスと、終端Pbで生じた反射パルスが分岐点4を透過してきたパルスとが打ち消さないことによるものである。一方、終端Pbが50Ω終端されている場合(図2(b))には、主信号パルスから4.1ns経過後に反射パルスが観測されるが、その振幅はかなり小さくなっている。この場合、終端Pbでの反射はないから、図4(b)に現れている反射パルスは終端Paで生じた反射パルスが分岐点4で反射されて戻ってきたパルスであると考えられる。即ち、これは、終端Paでのインピーダンス整合がとれていない状態であることを意味している。
これに対し、終端Pa、PbともにA/D変換器駆動回路が接続されていて終端Pa、Pbの条件(電圧反射係数等)が揃っている場合((図2(c))には、図4(c)に示すように、図4(a)、(b)で観測されていた主信号パルスから4.1ns経過後の反射パルスは観測されない。このように本実施例の信号伝送回路では、終端Pa、Pbの終端条件が揃ってさえいればインピーダンス整合はとれていなくても、ゴーストピークの発生を抑制することができることが分かる。
なお、上記実施例では、入力信号を2つのA/D変換器に分配する場合を例に挙げたが、負荷が限定されないことは明らかである。また、伝送線路の種類等が特定のもの(例えば同軸ケーブル)に限定されないことも明らかである。例えば、伝送線路は、同軸ケーブル以外のケーブル(例えばツイストペア線など)、回路基板上に形成された金属配線パターン、などであってもよい。また、それ以外の点についても、本発明の趣旨の範囲で適宜変形や修正、追加を行っても本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…信号入力端
2…入力側伝送線路
3…インピーダンス変換回路
4…分岐点
5a、5b…出力側伝送線路
6a、6b…A/D変換器駆動回路
7a、7b…A/D変換器
8…データ処理部
10…仮想伝送線路
Pa、Pb…終端

Claims (2)

  1. 1系統の入力信号を2系統の負荷に分配する信号伝送回路であって、
    信号入力端に一端が接続された入力側伝送線路と、該入力側伝送線路の他端を分岐点として該分岐点に一端が接続され他端が第1負荷に接続された第1出力側伝送線路と、前記分岐点に一端が接続され他端が前記第1負荷と入力電圧反射係数が等しい第2負荷に接続された第2出力側伝送線路と、を含み、
    前記第1出力側伝送線路及び前記第2出力側伝送線路の特性インピーダンスが同一で、前記入力側伝送線路の特性インピーダンスがそれら出力側伝送線路の特性インピーダンスの1/2であり、該第1出力側伝送線路と該第2出力側伝送線路の電気長が等しく設定されていることを特徴とする信号伝送回路。
  2. 1系統の入力信号を2系統の負荷に分配する信号伝送回路であって、
    信号入力端に一端が接続された入力側伝送線路と、該入力側伝送線路の他端に入力端が接続されたインピーダンス変換部と、該インピーダンス変換部の出力端を分岐点として該分岐点に一端が接続され他端が第1負荷に接続された第1出力側伝送線路と、前記分岐点に一端が接続され他端が前記第1負荷と入力電圧反射係数が等しい第2負荷に接続された第2出力側伝送線路と、を含み、
    前記第1出力側伝送線路及び前記第2出力側伝送線路の特性インピーダンスが同一で、前記入力側伝送線路の特性インピーダンスはそれら出力側伝送線路の特性インピーダンスのn倍であるとともに、前記インピーダンス変換部の入出力インピーダンス比は2n:1であり、前記第1出力側伝送線路と前記第2出力側伝送線路の電気長が等しく設定されていることを特徴とする信号伝送回路。
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