JP2013175680A - スピン注入磁化反転素子および磁気抵抗ランダムアクセスメモリ - Google Patents

スピン注入磁化反転素子および磁気抵抗ランダムアクセスメモリ Download PDF

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Abstract

【課題】セル単位で平行と反平行との両方向への磁化反転が自在であって、磁気抵抗ランダムアクセスメモリのメモリセルの微細化を可能とするスピン注入磁化反転素子を提供する。
【解決手段】スピン注入磁化反転素子1は、磁化固定層11およびフェリ磁性体を備えた磁化自由層13を中間層12を挟んで積層して備え、電流の大きさを変化させて一方向に供給されることにより、前記電流の大きさに応じて磁化自由層13の磁化方向が変化する。このようなスピン注入磁化反転素子1は、ダイオード2を素子選択用の素子としてメモリセルとすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁気抵抗ランダムアクセスメモリの磁気抵抗効果素子に適用されるスピン注入磁化反転素子、およびこのスピン注入磁化反転素子を用いた磁気抵抗ランダムアクセスメモリに関する。
スピン注入磁化反転素子は、中間層として間に非磁性膜や絶縁膜を挟んで2層以上の磁性体膜を備え、上下に接続された電極(配線)から膜面に垂直に電流を供給されることで、スピン注入磁化反転(Spin transfer toque:STT)(非特許文献1)して一部の磁性体膜の磁化方向が180°回転(反転)し、磁化方向が変化しない他の磁性体膜と同じ方向(平行)または反対方向(反平行)になる。このスピン注入磁化反転素子は、磁性体膜同士の磁化が同じ方向の状態と異なる方向の状態とで積層方向における抵抗が変化するため、磁気抵抗効果素子として1ビットのデータの書込み/読出しを行うことができる。すなわち、スピン注入磁化反転素子は、これを備えたメモリセルを2次元配列して磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)を構成する。スピン注入磁化反転素子は、その大きさ(平面視サイズ)が一辺50〜300nm程度と極めて小さい上に、磁化反転の動作が高速である。特に、絶縁膜を中間層としたTMR(Tunnel MagnetoResistance:トンネル磁気抵抗)素子は、強磁性トンネル接合(MTJ)により巨大な磁気抵抗効果が見出されており(非特許文献2)、これらを用いたMRAMが開発されている(特許文献1)。
このようなスピン注入磁化反転素子の模式図を、断面図で図6に示す。図6に示すように、スピン注入磁化反転素子101は、上下に一対の電極31,32を接続して膜面に垂直に電流を供給されることにより、磁化自由層113の磁化方向を反転させることができる。詳しくは、スピン注入磁化反転素子101は、電流の供給される向きにより電子dU1,dD1を注入されて、磁化自由層113の磁化方向を、図6(a)に示すように磁化固定層11と同じすなわち磁化が平行である(P:Parallel)か、図6(b)に示すように反対方向(磁化が反平行である、AP:Anti-Parallel)かのいずれか所望の方向とすることができる。例えば、スピン注入磁化反転素子101に「0」の値を記録(書込み)する場合は、磁化を平行とするために磁化自由層113の側から電流を供給し、「1」の値を記録する場合は、磁化を反平行とするために磁化固定層11の側から電流を供給する。すなわち、スピン注入磁化反転素子101は、バイポーラ(双極性)駆動により書込みを行う。
そして、スピン注入磁化反転素子101からデータの読出しを行う際には、電極31,32から、スピン注入磁化反転のための電流よりも小さい一定の電流を供給して、電極31,32間の電圧を測定する。スピン注入磁化反転素子101は、磁化が平行か反平行かで、抵抗がR101P、R101AP(>R101P)に変化するため、その大小を検知して、磁化自由層113の磁化方向を読み取ることができる。
ここで、MRAMは前記した通りメモリセルを2次元配列して備えており、電極31,32を、平面視で縦横に直交させた配線(ワード線、ビット線)に接続し、配線1本あたりに、行方向、列方向に複数のスピン注入磁化反転素子101が接続されていることで、1個のスピン注入磁化反転素子101を選択可能とする。このようなMRAMにおいて、1個のスピン注入磁化反転素子101を選択してデータを読み出す際に、同じワード線またはビット線に接続された非選択のスピン注入磁化反転素子101に電流が漏れるため、スピン注入磁化反転素子101の搭載個数が多いほどデータ読出し時に検出される1個のスピン注入磁化反転素子101の抵抗変化量が実際の値よりも小さくなり、「1」、「0」の判定が困難になる。
そのため、一般に、MRAMは、メモリセルにMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)等のトランジスタを備えて、スピン注入磁化反転素子101の一方の側、例えば磁化固定層11(電極31)と配線との間を接続/切断の切換え可能とすることで、非選択のスピン注入磁化反転素子101に電流が漏れないように構成される(例えば特許文献1参照)。このトランジスタのように、メモリセル(スピン注入磁化反転素子)毎に、配線との接続/切断をする素子を、素子選択回路素子と称する。このような選択トランジスタ型のMRAMは、スピン注入磁化反転素子に供給する書込み電流が、例えば電流密度5×106A/cm2程度と大きいことから、このような大電流が流れるMOSFETは大きな平面視サイズを要し、スピン注入磁化反転素子101が小さくてもメモリセルの微細化が制限され、また、書込み/読出し用の一対の配線以外に、トランジスタのゲートに接続するセル選択用配線が必要となる。
また、トランジスタに代えて、ダイオードをスピン注入磁化反転素子101に接続して備えたMRAMが開発されている(例えば特許文献2参照)。ダイオードはスピン注入磁化反転素子101と同程度の平面視サイズとすることができるが、一方向にしか電流を流さないため、例えば図6(a)に示すような下向きにのみ電流が流れる構成とした場合は、メモリセル毎の「1」の書込みが不可能である。そこで、垂直磁化膜と面内磁化膜を組み合わせた構成にすることで、ユニポーラ(単極性)駆動の磁化反転を実現したスピン注入磁化反転素子が提案されている(例えば特許文献3参照)。また、特許文献3と同様にスピンの歳差運動を用いた方式で、磁化自由層を温度に応じて磁気特性が変化するアモルファス希土類遷移金属合金等で形成し、形状の異なる切り欠きを周縁部に設ける等した磁気メモリ素子(スピン注入磁化反転素子)が提案されている(例えば特許文献4参照)。
特開2001−156357号公報 特開2004−179483号公報 特開2006−128579号公報 国際公開第2009/157101号
E.B.Mayer, D.C.Ralph, J.A.Katine, R.N.Louie, R.A.Buhrman, "Current-induced switching of domains in magnetic multilayer devices", Science, 1999, Vol.285, pp.867-870 Shinji Yuasa, Taro Nagahama, Akio Fukushima, Yoshishige Suzuki, Koji Ando, "Giant room-temperature magnetoresistance in single-crystal Fe/MgO/Fe magnetic tunnel junctions", Nature Materials, vol.3, p.868, Dec. 2004.
特許文献3は、ダイオードにおいて順方向バイアスでの電流と通常では電流が流れない逆方向バイアスの電流とで書込みを行うために、選択回路のない単純マトリックス型の回路と同様に、逆方向にも電流が流れて意図しない隣接セルへの書込みが行われる可能性があり、メモリとして機能・信頼性が著しく低下する。また特許文献4は、スピンの歳差運動周期とスピン注入電流を起こすパルス電流のパルス幅を同期させることでユニポーラ電流にて反転を生じさせていた。この場合は素子のばらつきや電流パルス幅のばらつきによって精度よくデータを書き込むことが困難であり、実現が困難である。
本発明は前記問題点に鑑み創案されたもので、セル単位で平行と反平行との両方向への磁化反転が自在であってメモリセルの微細化を可能とするスピン注入磁化反転素子およびこのスピン注入磁化反転素子を備えた磁気抵抗ランダムアクセスメモリを提供することが課題である。
前記課題を解決するために、本発明者らは、電流の供給方向を変えずに所望の磁化方向に磁化反転自在のユニポーラ駆動のスピン注入磁化反転素子とすることで、ダイオードを素子選択回路素子として、メモリセルの微細化を可能とすることに想到した。そして、垂直磁気異方性材料として公知であるフェリ磁性材料を適用することで、電流の大きさのみを変化させて供給することにより、一方向の電流で、平行から反平行へと反平行から平行へとの両方向に磁化反転可能となることに知見した。
すなわち、本発明に係るスピン注入磁化反転素子は、磁化固定層および磁化自由層を中間層を挟んで積層して備え、前記磁化自由層がフェリ磁性体を備え、前記磁化固定層と前記磁化自由層とに一対の電極を接続して、電流の大きさを変化させて一方向に供給されることにより、前記電流の大きさに応じて前記磁化自由層の磁化方向が変化することを特徴とする。
かかる構成により、スピン注入磁化反転素子は、互いに反平行であって強さの異なる磁気モーメントを示す2つの磁性体が存在するフェリ磁性体を磁化自由層とすることで、従来のスピン注入磁化反転の一方と同じ向きに電流を大きくして供給することで、前記スピン注入磁化反転とは逆向きにスピン注入磁化反転させることができ、すなわち、同じ向きであって大きさの異なる2通りの電流を供給することで、両方向にスピン注入磁化反転させて抵抗の大きさを変化させることができる。
さらに、スピン注入磁化反転素子は、前記フェリ磁性体が、Tb−Fe−Co合金、Gd−Fe合金、Mn−Ga合金から選択され、特にFe:78〜81at%のGd−Fe合金であることが好ましい。
かかる構成により、スピン注入磁化反転素子は、平行および反平行へのそれぞれのスピン注入磁化反転が安定し、誤書込みを防ぐことができる。
また、本発明に係る磁気抵抗ランダムアクセスメモリは、前記スピン注入磁化反転素子をメモリセルに備え、このメモリセルを2次元配列して構成される。すなわち、本発明に係る磁気抵抗ランダムアクセスメモリは、前記メモリセルが、一対の電極と、前記一対の電極間に直列に接続された前記スピン注入磁化反転素子およびダイオードと、を備える構成とした。
かかる構成により、磁気抵抗ランダムアクセスメモリは、メモリセルが微細化され、一方向のみに電流を供給することにより、メモリセル毎に1から0および0から1にデータの書込みをすることができ、さらにデータの読出し動作が安定する。
本発明に係るスピン注入磁化反転素子によれば、ユニポーラ駆動により、磁化が平行、反平行のいずれにもすることができ、ダイオードを素子選択回路素子としてメモリセルに設けることができる。本発明に係る磁気抵抗ランダムアクセスメモリによれば、縦横に直交させた一対の配線でメモリセル毎にデータの書込み/読出し動作が可能で、かつ高速で安定したものとすることができる。
本発明の一実施形態に係る磁気抵抗ランダムアクセスメモリを備えた記録装置の構成を模式的に示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るスピン注入磁化反転素子を備えたメモリセルの模式図であり、図1のA−A断面図に対応する図である。 本発明の一実施形態に係るスピン注入磁化反転素子の動作を説明する模式図である。 本発明の実施例に係るスピン注入磁化反転素子のサンプルによる、電流値と抵抗の関係を示す測定結果であり、(a)は磁化自由層がGd19.7Fe80.3、(b)はGd22.7Fe77.3である。 図4(a)に示すサンプルの電流値に対する磁化反転確率のグラフである。 従来のスピン注入磁化反転素子の動作を説明する模式図である。
以下、本発明に係るスピン注入磁化反転素子および磁気抵抗ランダムアクセスメモリを実現するための形態について、図面を参照して説明する。
[スピン注入磁化反転素子]
本発明に係るスピン注入磁化反転素子は、図1に示す磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)40のメモリセル4の1ビットの記憶装置として用いられる。なお、図1において、ビット線52(上部電極32)の一部を切り欠いて、その下に配置されたスピン注入磁化反転素子1を示す。
図2に示すように、本発明の一実施形態に係るスピン注入磁化反転素子1は、磁化固定層11、中間層12、磁化自由層13、保護層14(図2では省略)の順に積層された構成であり、一対の電極である下部電極31と上部電極32(以下、適宜電極31,32)に上下で接続されて、膜面に垂直に電流を供給される。スピン注入磁化反転素子1は、磁化が一方向に固定された磁化固定層11および磁化の方向が回転可能な磁化自由層13を、非磁性導体または絶縁体である中間層12を挟んで備えたCPP−GMR(Current Perpendicular to the Plane Giant MagnetoResistance:垂直通電型巨大磁気抵抗)素子やTMR(Tunnel MagnetoResistance:トンネル磁気抵抗)素子等のスピン注入磁化反転素子であり、特に磁気抵抗効果が大きいTMR素子であることが好ましい。さらに、スピン注入磁化反転素子1は、製造工程におけるダメージからこれらの層を保護するために、最上層に保護層14が設けられている。また、中間層12に用いる障壁層の結晶配向性を高め、磁気抵抗比を高くするために、磁化固定層11(最下層)の下にシード層(下地層)を設けてもよい(図示省略)。なお、磁化固定層11と磁化自由層13は、積層順序を入れ替えてもよい(図示省略)。
平面視においては、スピン注入磁化反転素子1は、一般的なスピン注入磁化反転素子と同様に、磁化固定層11および磁化自由層13が単磁区を形成し易い50〜100nm×100〜300nm程度に相当する面積であることが好ましく、また図1に示すように、正方形(矩形)であるが、これに限らない。詳しくは後記の磁気抵抗ランダムアクセスメモリの製造方法において説明するが、スピン注入磁化反転素子1を構成する各層は、下部電極31を形成された上に、例えばスパッタリング法や分子線エピタキシー(MBE)法等の公知の方法で連続的に成膜されて積層され、電子線リソグラフィおよびイオンビームミリング法等で所望の平面視形状に加工される。
(磁化固定層)
磁化固定層11は磁性体であり、磁化方向を固定されている。このような磁化固定層11は、CPP−GMR素子やTMR素子に用いられる公知の磁性材料にて構成することができ、特に垂直磁気異方性材料を適用することが好ましい。具体的には、Fe,Co,Ni等の遷移金属とPd,Ptのような貴金属とを繰り返し積層したCo/Pd多層膜のような多層膜、Tb−Fe−Co,Gd−Fe等の希土類金属と遷移金属との合金(RE−TM合金)のようなフェリ磁性体、L10系の規則合金としたFePt, FePd等が挙げられる。
また、磁化自由層13の磁化方向が回転しても磁化固定層11の磁化が固定されているように、磁化固定層11は、その保磁力Hcpが磁化自由層13の保磁力Hcfよりも十分に大きくなるように、それぞれの材料を選択したり、磁化自由層13よりも厚く形成される。具体的には、磁化固定層11の厚さは3〜50nmの範囲において設計されることが好ましい。特に、本発明に係るスピン注入磁化反転素子1は、後記するように、従来のスピン注入磁化反転動作のための電流に加えて、それよりも大きい電流も供給されるため、磁化固定層11は、このような電流で磁化反転しないように十分に大きい保磁力Hcpに設計される。
(中間層)
中間層12は、磁化固定層11と磁化自由層13との間に設けられる。スピン注入磁化反転素子1がTMR素子であれば、中間層12は、MgO,Al23,HfO2のような絶縁体や、Mg/MgO/Mgのような絶縁体を含む積層膜からなり、その厚さは0.1〜2nmとすることが好ましい。また、スピン注入磁化反転素子1がCPP−GMR素子であれば、中間層12は、Cu,Ag,Alのような非磁性金属からなり、その厚さは1〜10nmとすることが好ましい。前記した通り、スピン注入磁化反転素子1はTMR素子であることが好ましいため、中間層12は絶縁体を備えることが好ましい。
(磁化自由層)
磁化自由層13は、CPP−GMR素子やTMR素子に用いられる公知の磁性材料の中でも、フェリ磁性体を適用される。具体的には、Tb−Fe−Co,Gd−Fe等の希土類金属と遷移金属との合金(RE−TM合金)、Mn−Ga合金等が挙げられ、特にGd−Fe合金(以下、GdFe合金)が好ましい。また、磁化自由層13は、容易に磁化反転するように、保磁力Hcfを抑えるために、磁化固定層11よりも薄く形成され、具体的には、厚さは1〜20nmの範囲において設計されることが好ましい。
GdFe合金においては、遷移金属であるFeが一方向(+z方向とする)の磁気モーメントを示すのに対し、希土類金属であるGdは、この一方向の逆方向(−z方向)の磁気モーメントを示す。RE−TM合金は、スピン注入磁化反転素子の磁性層として適用する場合には、通常、例えばTb−Fe−Co合金については、TM,REのそれぞれの磁気モーメントが相殺される組成(補償組成)に対して僅かにREが多い組成として、当該RE−TM合金全体として飽和磁化の小さい−z方向の磁気モーメントとして、容易に垂直磁気異方性を示すようにし、かつ必要な保磁力を確保している。一方、GdFe合金については、このような補償組成付近では、他のRE−TM合金と比較して保磁力が小さいにもかかわらず、磁化自由層に適用した場合の反転電流は小さくはないことから、Feの含有率を高くして、全体として+z方向の磁気モーメントを示すようにする。さらに本発明に係るスピン注入磁化反転素子1の磁化自由層13に適用されるGdFe合金においては、後記するように、通常のスピン注入磁化反転だけでなく、その逆向きにも安定して磁化反転させるために、好ましくは78at%以上である。一方、GdFe合金は、Feの含有率が81at%を超えると、Feの+z方向の磁気モーメントが支配的になって飽和磁化が過大となり、垂直磁気異方性を示さなくなる。このような組成を限定したGdFe合金は、例えばスパッタリング法にて成膜する場合は、磁化自由層13の所望の組成に対応した組成のGdFe合金からなるターゲットを用いればよい。なお、ターゲットの組成と形成される膜の組成とは必ずしも一致しないので、予め調査した上でターゲットの組成を決定する。
(保護層)
保護層14は、スピン注入磁化反転素子1の製造時におけるダメージから磁化自由層13等を保護するために、また特に磁化自由層13が酸化し易いRE−TM合金を含む場合に表面(上面)の酸化を防止するために最上層に設けられている。保護層14は、Ta,Ru,Cuの単層、またはCu/Ta,Cu/Ruの2層等から構成される。なお、前記の2層構造とする場合は、いずれもCuを内側(下層)とする。保護層14の厚さは、1nm未満であると連続した膜を形成し難く、一方、10nmを超えて厚くしても、製造工程において磁化自由層13等を保護する効果がそれ以上には向上しない。したがって、保護層14の厚さは1〜10nmとすることが好ましい。
(スピン注入磁化反転素子の磁化反転動作)
次に、本実施形態におけるスピン注入磁化反転素子の磁化反転の動作を、図3を参照して説明する。なお、図3において保護層14は図示を省略する。スピン注入磁化反転素子1において、磁化固定層11は上向きに磁化が固定されている。また、磁化固定層11(下部電極31)にはダイオード2が接続されて、スピン注入磁化反転素子1は電流を下向きにのみ供給される。
まず、スピン注入磁化反転素子1は、磁化自由層13が下向きの磁化であるとき(図3(c)参照)に、図3(a)に示すように磁化自由層13の磁化反転電流ISTS以上の大きさの電流−IW1を供給すると、従来のスピン注入磁化反転素子101(図6(a)参照)と同様に磁化固定層11の磁化方向と同じ上向きの磁化を示す状態に変化(磁化反転)する。詳しくは、磁化自由層13側から電流−IW1を供給すると、磁化固定層11側から電子を注入され、磁化固定層11により当該磁化固定層11の磁化と逆方向の下向きのスピンを持つ電子dD1が弁別されて、下部電極31からは上向きのスピンを持つ電子dU1のみが磁化固定層11に注入され、さらに磁化自由層13に注入される。この電子dU1は、磁化自由層13の内部電子のスピンを反転させる強さのスピントルクを有しているため、磁化自由層13は電子dU1により上向きに磁化反転する。
ここで、前記した通り、フェリ磁性体は互いに反対向きであって強さの異なる2つの磁気モーメントを有している。例えば磁化自由層13がGdFe合金からなる場合、磁化自由層13全体で下向きの磁化を示すのは、強いFeの磁気モーメントが下向きであるためで、Feよりも弱いGdの磁気モーメントは反対に上向きである。図3(a)を参照して説明したような従来のスピン注入磁化反転においては、Feの磁気モーメントが反平行である上向きのスピンを持つ電子dU1のトルクを受けて反転して上向きとなる。そして、Feと結合しているGdの磁気モーメントは、Feの磁気モーメントと反平行になるべく追随して反転して下向きとなり、磁化自由層13は全体で上向きの磁化を示すように磁化反転する。
これに対し、スピン注入磁化反転素子1は、磁化自由層13が上向きの磁化であるときに、図3(b)に示すように、前記の電流−IW1よりもさらに大きい電流−IW2を供給すると、以下の動作をする。詳しくは、電流−IW1を供給したとき(図3(a)参照)と同様に、磁化固定層11により当該磁化固定層11の磁化と逆方向の下向きのスピンを持つ電子dD2が弁別されて、上向きのスピンを持つ電子dU2のみが磁化自由層13に注入される。
磁化自由層13が上向きの磁化を示すとき、Feの磁気モーメント(図中、符号「Fe」と表す)も上向きである。したがって、Feの磁気モーメントは、平行な上向きのスピンを持つ電子dU2のトルクは受けず、向きが変化しない。しかし、電子dU2のトルクがある一定以上に強い場合、反平行なGdの磁気モーメント(図中、符号「Gd」と表す)がこの強いトルクを受けて上向きに反転しようとして、このためにGdとFeの交換結合が一時的に解除されると考えられる。すなわち、図3(b)に示すように、磁化自由層13に電子dU2が注入されているとき、Fe,Gdの各磁気モーメントは共に上向きとなる。この状態で電流−IW2の供給が停止されると、図3(c)に示すように、磁化自由層13から電子dU2がなくなり、GdとFeは結合状態に戻り、互いの磁気モーメントが反平行となるべく、Feの磁気モーメントが反転すると考えられる。その結果、Feの磁気モーメントは下向きとなって、磁化自由層13は全体で下向きの磁化を示すように磁化反転する。
このように、本発明に係るスピン注入磁化反転素子1は、2つの大きさの電流IW1,IW2を一方向に供給することで、磁化を平行、反平行のいずれにも磁化反転させることができる。そして、スピン注入磁化反転素子1は、従来のスピン注入磁化反転素子101(図6参照)と同様に、磁化が平行か反平行かで、抵抗がR1P、R1AP(>R1P)に変化する。したがって、スピン注入磁化反転素子1は、後記するように、素子選択回路素子として一方向(順方向)にのみ電流を流すダイオードを接続して、MRAMのメモリセルとすることができる。
スピン注入磁化反転素子1は、別の実施形態として、電流を上向きに、すなわち磁化固定層11側から供給されてもよく、ダイオード2を図3とは反対向きに接続されるか、あるいはスピン注入磁化反転素子1の磁化固定層11と磁化自由層13の積層順が入れ替えられてもよい。この場合は、上部電極32から電子が直接に磁化自由層13に注入されるが、磁化固定層11には当該磁化固定層11の磁化と同じ上向きのスピンを持つ電子dU1,dU2のみが注入されるため、磁化自由層13に下向きのスピンを持つ電子dD1,dD2が溜まることになる。したがって、図3(a)、および図3(b)、(c)とは反対に、電流+IW1を供給されたときは、図6(b)と同様に反平行な磁化を示し、電流+IW2を供給されたときは、平行な磁化を示す。
スピン注入磁化反転素子1の磁化を平行、反平行に反転させる2つの電流IW1,IW2の大きさについて、電流IW1は前記した通り磁化自由層13の磁化反転電流ISTS以上であればよい。一方、電流IW2は、磁化自由層13を形成するフェリ磁性体における互いに反平行な磁気モーメントを有する、例えば希土類金属(RE)と遷移金属(TM)との結合を解除させるような、強いスピントルクを有する電子を注入する大きさとする。また、スピン注入磁化反転素子1が電流IW2の供給により安定して磁化反転するためには、磁化自由層13を形成するフェリ磁性体が、一定の大きさの電流IW2により前記の結合が確実に解除されるように、組成等を設定することが好ましい。
以上のように、本発明に係るスピン注入磁化反転素子によれば、電流を一方向のみに供給されて磁化を平行、反平行のいずれにもすることができるユニポーラ駆動のスピン注入磁化反転素子とすることができる。そして、後記するように、スピン注入磁化反転素子1は、磁気抵抗効果素子として、膜面方向に複数個を2次元配列して磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)を構成するが、電流を一方向のみに供給すればよいので、ダイオードを素子選択回路素子とすることができる。
[磁気抵抗ランダムアクセスメモリ]
次に、前記の本発明に係るスピン注入磁化反転素子をメモリセルに備える磁気抵抗ランダムアクセスメモリについて、図面を参照してその実施形態を説明する。
図1に示すように、本発明に係る磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)40は、基板7上に2次元アレイ状に配列されたメモリセル4からなり、制御部90と共に記録装置10を構成する部品である。
本実施形態では、MRAM40は、説明を簡潔にするために、4行×4列の16個のメモリセル4からなる構成で例示される。MRAM40は、平面視でY方向(図1における縦方向)に延設された4本のワード線51と、平面視でワード線51と直交するX方向(図1における横方向)に延設された4本のビット線52と、を備え、ワード線51とビット線52との交点毎にメモリセル4が設けられる。図2に示すように、MRAM40は基板7上にワード線51が設けられ、メモリセル4においては、ワード線51の上に障壁層23を介してダイオード2が接続され、さらに下部電極31を介してスピン注入磁化反転素子1が接続されて、スピン注入磁化反転素子1に接続された上部電極32がビット線52を形成する。MRAM40は、隣り合うワード線51,51間、ビット線52,52間、およびワード線51とビット線52との層間、すなわちスピン注入磁化反転素子1,1間等に絶縁層6が形成されている。
制御部90は、MRAM40に対して、書込み、読出しをする公知の部品である。一例として、図1に示すように、制御部90は、ビット線52を選択するビット線選択部92と、ワード線51を選択するワード線選択部91と、これらの選択部91,92を制御するセル選択部94と、ビット線52およびワード線51に書込み電流や読出し電流を供給する電源や読出しのための電圧計等を備えた書込み/読出し駆動部93と、を備える。セル選択部94は、例えば図示しない外部からの信号に基づいてMRAM40の特定の1つ以上のメモリセル4を選択し、選択したメモリセル4に接続するビット線52、ワード線51をビット線選択部92、ワード線選択部91に選択させる。書込み/読出し駆動部93は、選択したメモリセル4に備えられたスピン注入磁化反転素子1を動作させるために適正な電圧・電流を供給したり、電圧を測定する。
(スピン注入磁化反転素子)
スピン注入磁化反転素子1は、既に説明した構成であり、説明を省略する。なお、MRAM40に設けられたすべてのスピン注入磁化反転素子1は、磁化固定層11を同じ磁化方向に統一され、ここでは上向きに固定されている(図3参照)。
(電極、配線)
下部電極31および上部電極32(ビット線52)、ならびにワード線51は、例えば、Cu,Al,Au,Ag,Ta,Cr等の金属やその合金のような一般的な金属電極材料で形成される。そして、スパッタリング法等の公知の方法により成膜、フォトリソグラフィ、およびエッチングまたはリフトオフ法等によりストライプ状等の所望の形状に加工される。
(ダイオード)
ダイオード2は、例えば、シリコン(Si)ダイオード等の一般的なものが適用され、スピン注入磁化反転素子1の書込み電流および読出し電流に対応した構成であればよい。図2では、下にn層21、上にp層22の順に積層されているため、電流は下向きにのみ流れ、すなわちビット線52が「+」、ワード線51が「−」のときに電流が流れてスピン注入磁化反転素子1に供給される(図3参照)。n層21とp層22を入れ替えて、上向きに電流が供給される構成としてもよい。また、ワード線51との間に、Ti−N等の半導体で障壁(バリア)層23を設けて、ワード線51のCu等の金属が拡散されないようにすることが好ましい。なお、図2では、スピン注入磁化反転素子1と同じ平面視形状としているが、これに限られない。
(基板)
基板7は、メモリセル4を2次元配列するための土台であり、配線51,52や、ダイオード2およびスピン注入磁化反転素子1を製造するための広義の基板である。このような基板7として、公知の基板材料が適用でき、具体的には表面を熱酸化してSiO2膜を形成されたSi基板が好適である。あるいは、透明な基板材料として公知の、GGG(ガドリニウムガリウムガーネット)基板、SiC(シリコンカーバイド)基板、MgO(酸化マグネシウム)基板、Ge(ゲルマニウム)単結晶基板等の絶縁性の基板を適用することができる。このように、本発明に係るMRAMはトランジスタを設けないため、基板7はSi等に限定されない。また、基板7は、少なくとも表面は絶縁体として、上に形成されるワード線51,51間が短絡しないようにする。
(絶縁層)
絶縁層6は、隣り合うワード線51,51間、ビット線52,52間、およびワード線51とビット線52との層間、すなわちスピン注入磁化反転素子1,1間やダイオード2,2間を、それぞれ絶縁するために設けられる。絶縁層6は、例えばSiO2やAl23等の酸化膜やSi−N等の公知の絶縁材料を適用することができるが、スピン注入磁化反転素子1に接触する領域においては、フェリ磁性体として酸化し易いRE−TM合金を含む場合に、Si−N等の非酸化物を適用することが好ましい。
(メモリセルの動作)
メモリセル4におけるスピン注入磁化反転素子1の動作について、書込みすなわち磁化反転動作は図3を参照して説明した通りである。図3では電極31,32から電流を供給していたが、メモリセル4(MRAM40)においては、ビット線52およびワード線51からの電流供給により、スピン注入磁化反転素子1を駆動する。一方、データの読出しにおいては、ビット線52とワード線51との間に所定の大きさの電流を供給して、公知のMRAMと同様に、スピン注入磁化反転素子1を流れる電圧を計測すればよい。このとき、非選択のメモリセル4には逆向きの電流を供給して、すなわちワード線51にビット線52よりも高い電圧を印加して、スピン注入磁化反転素子1に電流が漏れないようにしてもよい。
[磁気抵抗ランダムアクセスメモリの製造方法]
本発明に係る磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)は、公知の製造方法と同様に製造される。一例としては、まず、基板7上にスパッタリングやエッチング等でワード線51を形成し、ワード線51,51間に絶縁層6を埋め込む。次に、ワード線51上のメモリセル4の平面視位置に、障壁層23、n層21、p層22、下部電極31、磁化固定層11、中間層12、磁化自由層13、保護層14の各層を形成する材料を連続的に成膜し、図1に示すようにメモリセル4毎の形状に加工して、スピン注入磁化反転素子1およびダイオード2、ならびにその間の下部電極31を形成する。そして、スピン注入磁化反転素子1,1間等に絶縁層6を埋め込む。最後に、ビット線52と、ビット線52,52間の絶縁層6を形成して、MRAM40が製造される。
以上のように、本発明の実施形態に係る磁気抵抗ランダムアクセスメモリによれば、ダイオードを素子選択回路素子とすることでメモリセルが微細化され、かつ簡易な構成となり、また、一対のワード線とビット線のそれぞれを選択すればよいので、簡易な構成の記録装置が得られる。
以上、本発明のスピン注入磁化反転素子および磁気抵抗ランダムアクセスメモリを実施するための各実施形態について述べてきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
本発明の効果を確認するために、本発明の実施形態に係るスピン注入磁化反転素子(図2参照)のサンプルを作製した。表面に熱酸化膜を形成したSi基板を用い、Cu膜で下部電極を形成した上にAg膜(20nm)を積層し、さらに下地膜としてRu(3nm)を設けた上に、スピン注入磁化反転素子として、下部電極側から、磁化固定層:TbFeCo(10nm)/CoFe(1nm)、中間層:Ag(6nm)、磁化自由層:GdFe(8.9nm)、保護層:Ru(3nm)を、DCマグネトロンスパッタリング法にて連続して成膜して積層した。次に、100nm×300nmの矩形のレジストマスクを形成して、イオンビームミリング法でスピン注入磁化反転素子の各層およびCu膜(下部電極)までを加工した後、レジストの上からSiO2/Si−Nを成膜して、レジストをその上のSiO2/Si−Nごと除去して(リフトオフ)、スピン注入磁化反転素子の周囲(側面)の絶縁層を形成した。そして、スピン注入磁化反転素子上に上部電極としてCuを成膜して、実施例のサンプルとした。サンプルは、磁化自由層のGdFe合金をFe:80.3at%(Gd19.7Fe80.3)、Fe:77.3at%(Gd22.7Fe77.3)の2通りの組成で形成したものを作製した。
作製したサンプルに、初期化磁界1kOeを印加して、全体(磁化固定層および磁化自由層)の磁化方向を上向きに揃えた。そして、下部電極を「+」、上部電極を「−」として、スピン注入時磁界−70Oeの条件で磁化固定層から磁化自由層に電子が流れる負方向の直流パルス電流(パルス幅10μs)を、大きさ(絶対値)を漸増、漸減させて供給しながら、電極間の抵抗を、ロックインアンプを用いて四端子法で測定した。抵抗が降下および上昇したとき、すなわち磁化反転したときの電流の値を、反平行から平行(AP−P)、平行から反平行(P−AP)のそれぞれの磁化反転について各100回測定した。図4に、電流と抵抗の測定結果を示す。
図4(a)、(b)に示すように、スピン注入磁化反転素子は、一方向(負方向)のみに電流を供給されても、反平行から平行(抵抗が降下)、平行から反平行(抵抗が上昇)の両方向の磁化反転をし、ユニポーラ駆動が確認された。特に図4(a)に示すように、Fe:80.3at%のGdFe合金を磁化自由層に用いたサンプルは、−4.5mAで反平行から平行へ磁化反転し、約−5mAで100%平行となって、さらに電流を増大させると、−10.5mAで平行から反平行へ磁化反転し、−11mAでほぼ100%反平行となって、極めて安定した動作のスピン注入磁化反転素子となった。図5に、このサンプルにおける電流値に対する磁化反転確率をグラフで示す。このことから、Fe:80.3at%のGdFe合金は、−4mAの電流供給により、Feの磁気モーメントが反転してこれに追随してGdの磁気モーメントが反転するという従来のスピン注入磁化反転をするが、これよりも大きい−11mAの電流供給によれば、GdとFeの結合が解除されてGdの磁気モーメントが反転すると推測される。
10 記録装置
1 スピン注入磁化反転素子
11 磁化固定層
12 中間層
13 磁化自由層
14 保護層
2 ダイオード
31 下部電極(電極)
32 上部電極(電極)
40 MRAM(磁気抵抗ランダムアクセスメモリ)
4 メモリセル
51 ワード線(電極)
52 ビット線(電極)
6 絶縁層
7 基板
90 制御部

Claims (4)

  1. 磁化固定層および磁化自由層を中間層を挟んで積層して備えるスピン注入磁化反転素子であって、
    前記磁化自由層がフェリ磁性体を備え、
    前記磁化固定層と前記磁化自由層とに一対の電極を接続して、電流の大きさを変化させて一方向に供給されることにより、前記電流の大きさに応じて前記磁化自由層の磁化方向が変化することを特徴とするスピン注入磁化反転素子。
  2. 前記フェリ磁性体が、Tb−Fe−Co合金、Gd−Fe合金、Mn−Ga合金から選択されるいずれか一種であることを特徴とする請求項1に記載のスピン注入磁化反転素子。
  3. 前記フェリ磁性体が、Fe:78〜81at%のGd−Fe合金であることを特徴とする請求項1に記載のスピン注入磁化反転素子。
  4. 2次元配列された複数のメモリセルを備える磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記メモリセルは、一対の電極と、前記一対の電極間に直列に接続された請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のスピン注入磁化反転素子およびダイオードと、を備える磁気抵抗ランダムアクセスメモリ。
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