JP2013173684A - 食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤 - Google Patents

食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤 Download PDF

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宜司 中村
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Abstract

【課題】血中脂質及び肝臓脂肪過剰者における脂質代謝を安全に改善するための、食物繊維による脂肪吸収低下及び排出促進を介する脂質代謝の改善を増強することが可能な薬剤或いは食品の提供。
【解決手段】式(1)で表される有機ゲルマニウム化合物と食物繊維を組み合わせた脂質代謝改善作用増強剤。

(式中、R1乃至Rは水素原子又は同一或いは異なる炭素数1乃至4のアルキル基又はフェニル基を、Xは水酸基、O−低級アルキル基、アミノ基又はOYで表される塩[Yはナトリウム、カリウム等の金属又はリゾチーム、塩基性アミノ酸を示す。]をそれぞれ示す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の有機ゲルマニウム化合物を有効成分として含有し、食物繊維による脂肪吸収低下及び排出促進を介する脂質代謝の改善を増強することが可能な薬剤に関する。
高脂血症は、血中に存在する脂質成分である血中コレステロール、血中トリグリセリド等が高い状態をいい、複数の重篤な疾患、即ち動脈硬化症、心疾患、脳血管性疾患等の虚血性疾患の危険因子であることから、積極的に治療が行なわれており、高コレステロール血症疾患の代表的な治療薬としては、HMG−CoA還元酵素阻害剤であるスタチン系薬剤が開発され、治療に大きな効果を挙げている。スタチン系薬剤は、肝臓におけるコレステロール合成を拮抗的に阻害する作用を有し、一般的には、血液から肝臓へのLDLコレステロール粒子の受け渡しをするタンパク質(LDLレセプター)の遺伝子発現を増加させ、血清コレステロール濃度を速やかに低下する効果を示す。
しかし、肝臓でのコレステロール合成能の低い人や小腸でのコレステロール吸収の高い人においては、血清コレステロールの十分な低下効果が得られにくく、単剤での治療には限界があることも知られている。又、スタチン系薬剤を長期間服用した場合、薬剤のフィードバック作用として小腸でのコレステロールの吸収が増加傾向となることも報告されており、コレステロールの合成と吸収の両方を制御することが重要と考えられている。
一方、血中のトリグリセリド濃度が高い場合の治療薬としては、ニコチン酸製剤とフィブラート系製剤がある。
ニコチン酸製剤は、中性脂肪とコレステロールの両方に対する低下作用があり、両者が多い人に使用される場合が多い。「ニコチン酸」はビタミンB群の一種であり、肝臓において中性脂肪(トリグリセリド)の合成を抑制し、血液中のコレステロールと中性脂肪を低下させて、HDL(善玉)コレステロール値を増加させる効果を示し、動脈硬化の予防効果もあるとされる。一方、副作用は、顔のほてり、皮膚のかゆみ、体が熱くなる、口の渇き、糖尿病の人ではニコチン酸製剤による血糖値の上昇が起きる場合がある。
フィブラート系製剤は、中性脂肪(トリグリセリド)の生合成を抑制することで血中の脂質濃度を低下させる薬剤であり、この薬剤の中性脂肪低下作用は強く、約30〜40%であるが、コレステロール低下作用は約10%程度である。尚、フィブラート系製剤ではHDL(善玉)コレステロールを増加させる作用があるので、動脈硬化の予防効果が期待できるが、一方、副作用としては、横紋筋融解症、胃腸障害、肝臓障害、胆石などがある。
一般に、これらの各種薬剤単独の治療で十分な脂質低下効果が得られにくい場合には、食事療法を厳しく行ったり、該薬剤の服薬量を増やしたり、あるいは別な薬剤と組み合わせた治療が必要とされている。しかし、該薬剤の服薬量を増やし、複数の薬剤を使用する場合には、薬剤の副作用に十分に注意して安全性が損なわれないように配慮することが必要となる他、患者に金銭的・精神的な面で余分な負担をかけることになる。
従って、これら各種製剤の投与によっても十分な脂質低下効果が得られない高脂血症患者、或いは、薬剤が必要な状況までは状態が悪化していない血中脂質及び肝臓脂肪過剰者における脂質代謝改善に予防的に機能する新たな薬剤或いは食品の開発が望まれている。
一方、一部の食物繊維には、血清トリグリセリド低下作用、血清コレステロール低下作用、腸内細菌叢への影響など数多くの生理活性のあることが知られている(例えば、非特許文献1及び2参照)が、脂質代謝改善のための必要摂取量は非常に多く、又、食味が良くないために多量に摂取することが困難であるという問題がある。
又、一部の有機ゲルマニウム化合物には、胆汁の排泄促進作用があることが近年明らかにされ(特許文献1及び非特許文献3参照)、コレステロール代謝物であり、且つ消化管での脂質吸収に機能する胆汁酸の腸管排泄促進が示されている。しかしながら、有機ゲルマニウム化合物と食物繊維の作用との関係については、報告例がない。
特開2002−19384号公報
日本栄養・食糧学会誌,42, p.295(1989) 日本農芸化学会大会講演要旨集,p.52(2003) J.Health Sci., 56, p.72(2010)
本発明の課題は、血中脂質及び肝臓脂肪過剰者における脂質代謝を安全に改善するための、食物繊維による脂肪吸収低下及び排出促進を介する脂質代謝の改善を増強することが可能な薬剤或いは食品を提供することにある。
本発明の発明者らは、上記のような事情を背景として鋭意研究を進めたところ、消化管での吸収の少ない食物繊維と、後述する式(1)で表される有機ゲルマニウム化合物を摂取させたところ、驚くべきことに血中脂質が改善され、肝臓脂肪の顕著な低下を生じると共に、食物繊維の摂取を半量にしても、全量の場合と同等の効果を示すことを見出し、更に研究を進めて本発明を完成した。
即ち、本発明は以下の〔1〕乃至〔11〕に記載の発明を提供するものである。
〔1〕 式(1)
(式中、R1乃至Rは水素原子又は同一或いは異なる炭素数1乃至4のアルキル基又はフェニル基を、Xは水酸基、O−低級アルキル基、アミノ基又はOYで表される塩[Yはナトリウム、カリウム等の金属又はリゾチーム、塩基性アミノ酸を示す。]をそれぞれ示す。)
で表される有機ゲルマニウム化合物を有効成分として含有することを特徴とする食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
〔2〕 式(1)で表される有機ゲルマニウム化合物が、R1乃至R3が水素原子、Xが水酸基のものである〔1〕に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
〔3〕 式(1)で表される有機ゲルマニウム化合物と、食物繊維とを組み合わせた〔1〕又は〔2〕に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
〔4〕 食物繊維が、水不溶性食物繊維である〔3〕に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
〔5〕 食物繊維が、甜菜根に由来する繊維成分である〔3〕又は〔4〕に記載の脂質代謝改善作用増強剤。
〔6〕 血中トリグリセリドを低下させて脂質代謝を改善する〔1〕に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
〔7〕 肝臓脂肪を低下させて脂質代謝を改善する〔1〕に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
〔8〕 血中LDLコレステロールを低下させて脂質代謝を改善する〔1〕に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
〔9〕 血中HDLコレステロールを増強させて脂質代謝を改善する〔1〕に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
〔10〕 肝臓総コレステロールを低下させて脂質代謝を改善する〔1〕に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
〔11〕 〔3〕又は〔4〕に記載の脂質代謝改善作用増強剤を含む食品。
本発明によれば、血中脂質及び肝臓脂肪過剰者における脂質代謝を安全に改善するための、食物繊維による脂肪吸収低下及び排出促進を介する脂質代謝の改善を増強することが可能な薬剤或いは食品が提供される。
実施例1における、本発明の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤を投与した場合の肝臓の中性脂質(トリグリセリド)濃度を示すグラフである。 実施例1における、本発明の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤を投与した場合の肝臓の糞便中の脂質及び脂溶成分を示す薄層クロマトグラフィーの写真である。 実施例2における、本発明の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤を投与した場合のラット血清トリグリセリドへの影響を示すグラフである。 実施例2における、本発明の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤を投与した場合のラット血清コレステロールへの影響を示すグラフである。 実施例2における、本発明の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤を投与した場合のラット血清HDL-cへの影響を示すグラフである。 実施例2における、本発明の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤を投与した場合のラット血清non HDL-cへの影響を示すグラフである。 実施例3における、本発明の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤を投与した場合のヒトのLDLコレステロールへの影響を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
本発明で使用する有機ゲルマニウム化合物は、以下の式(1)
で表されるものである。この化合物は置換基R1乃至Rと酸素官能基OXとを有するプロピオン酸誘導体とゲルマニウム原子とが結合したゲルミルプロピオン酸を基本骨格とし、当該基本骨格におけるゲルマニウム原子と酸素原子とが2:3の割合で結合したものである。
上記置換基R1乃至Rは、それぞれ水素原子や、同一或いは異なるメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1乃至4の低級アルキル基、置換され若しくは置換されていないフェニル基を、置換基Xは水酸基,炭素数1乃至4のO−低級アルキル基,アミノ基又はOYで表されるカルボン酸の塩をそれぞれ示している。尚、Yはナトリウム、カリウム等の金属(但し、一価のものに限られない)、又は、リゾチーム、或いはリジン等の塩基性アミノ酸に代表される塩基性を有する化合物を示している。
上記構造の有機ゲルマニウム化合物(1)はすでに公知の化合物であり、様々な方法により製造することができるが、その一例を置換基R1乃至R3が水素原子、置換基Xは水酸基の化合物について示せば、下記反応式に示すように、トリクロルゲルミルプロピオン酸等のトリハロゲルミルプロピオン酸を加水分解すれば良いのである。
尚、上記有機ゲルマニウム化合物を表わす式(1)は、それを結晶として単離した状態に相当するもので、水溶液中ではゲルマニウム−酸素結合が加水分解を受け、例えば置換基R1乃至R3が水素原子、置換基Xは水酸基の化合物では、
なる構造をとることがわかっており、更に、上記有機ゲルマニウム化合物(1)は以下の式で表すこともできる。
本発明の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤は、上記のような有機ゲルマニウム化合物を有効成分として含有することを特徴とし、適宜の剤形、例えば錠剤、散剤或いはカプセル剤等に製剤され、経口的に投与される。
本発明の脂質代謝改善作用増強剤を製剤するに当たっては、製剤的に使用が許容される各種の補助成分を添加してもよく、有効成分である有機ゲルマニウム化合物を、投与量が例えば1〜100mg/Kg/日程度となるように、例えば1〜3000mg/l投与単位程度、含有するようにすれば良い。
一方、本発明の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤が対象とする食物繊維としては、特に限定はないが、食品や飲料中の成分として、或いは、いわゆるサプリメントの成分として含まれているものを挙げることができ、好ましくは水不溶性の食物繊維であり、具体的には、難消化性デキストリン、寒天、レジスタントスターチ、水不溶性グルコマンナン、水不溶性ガラクトマンナン、β-グルカン、キチンキトサン、粗製ふすま等を例示することができ、更に具体的には、甜菜の糖抽出残渣を乾燥裁断し粉末化したもので、一般的な名称はビートファイバー、商品名はベタス(日本甜菜製糖株式会社の製品)を挙げることができる。尚、ビートファイバーは80%前後の食物繊維を含有し、主成分はセルロース、ヘミセルロース及びペクチンである。
又、本発明の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤は、上記食物繊維と組み合わせて、同時に投与することが好ましい。
本発明における上記式(1)で表される有機ゲルマニウム化合物と、食物繊維を組み合わせて同時に投与する場合、それらの量比としては、重量比で例えば1:20〜30という範囲を例示することができるが、適宜に変更することが可能である。
尚、この態様の脂質代謝改善作用増強剤は、上記式(1)で表される有機ゲルマニウム化合物と、食物繊維のみにより製剤しても良いが、他の成分を添加してもよく、このような成分としては例えば、腸内細菌叢を整える乳酸菌類を挙げることができる。
又、食物繊維それ自体は、上記の通り、脂質代謝改善のための必要摂取量は非常に多い半面、食味が良くないために多量に摂取することが困難であって、その摂取可能量は0.2〜1g/kg/日程度といわれている。
そのために、上記式(1)で表される有機ゲルマニウム化合物と、食物繊維を組み合わせた本発明の脂質代謝改善作用増強剤に、適宜の食品材料を添加して調理し、パンや菓子等とすることも好ましい。
以下に実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、特に記載しない限り、以下の実施例中の%は重量%である。
実施例1
3週齢のSD系雄ラットを用い、1週間の予備飼育後に、対照群(Cont)、有機ゲルマニウム化合物投与群(GE)、ビートファイバー投与群(BF)、有機ゲルマニウム化合物+ビートファイバー投与群(GEBF)及びビートファイバー増加投与群(HBF)の5群(各群8匹)に、各群の平均体重が等しくなる様に組み分けした。GE群では、通常の餌組成(AIN76)に0.05%の有機ゲルマニウム化合物(1−1){式(1)においてR1乃至Rが水素原子、Xが水酸基の化合物、以下、実施例において同じ}を添加し、BF群では、通常の餌組成の5%をビートファイバーに置き換え、GEBF群では、通常の餌組成の5%をビートファイバー、0.05%を有機ゲルマニウム化合物(1−1)と置き換え、HBF群では、通常の餌組成の10%をビートファイバーと置き換えた。これらの組成の餌を2週間の本試験期間中、それぞれ自由摂取させた{有機ゲルマニウム化合物(1−1)の摂取量は25〜50mg/Kg/日であった。}。尚、水は自由に飲めるようにさせた。
上記各群について、最終日に全血採血し、肝臓を採取した。全血液は速やかに遠心分離することにより血漿を得た。血中総コレステロール濃度、血中HDL-コレステロール濃度、血中トリグリセリド濃度を測定した。又、肝臓より有機溶媒で脂質を抽出し、肝臓の脂質含量についてトリグリセリド含量を測定した。
血液・肝臓、糞便中の脂質及び脂溶成分
血中の脂質濃度には大きな差は認められなかった。肝臓の総脂質含量ではBF群でやや減少し、GEBF群とHBF群で更に減少する傾向が認められた。各飼料を2週間摂取させた際の肝臓の中性脂質(トリグリセリド)濃度を図1に示す。トリグリセリドはBF群では減少傾向にあり、GEBF及びHBF群では有意な減少となっていて、共に濃度がCont及びGE群に比較して1/2程度に抑えられていた。各飼料を2週間摂取させた際の糞便の中性脂質を分析した結果を図2に示す。シリカゲル薄層クロマトグラフィーによる分析により、コレステロールエステルの排出がBF、GEBF及びHBFのビートファイバーを含む餌を摂取した群で増加する傾向が認められた。
又、BF、GEBF及びHBFのビートファイバーを含む群では、式
で示される構造のオレアノール酸が検出されており、ビートファイバーに由来するオレアノール酸が著量存在したことが示された。オレアノール酸は、血中脂質の低下作用や炎症抑制・抗癌作用などが知られ、或いは期待される植物由来の機能性成分であり、ビートファイバーによる肝臓での脂質低下作用の本体は、オレアノール酸である可能性と、有機ゲルマニウムとオレアノール酸とが強調作用を示す可能性が示唆された。
実施例2
3週齢のSD系雄ラットを用い、1週間の予備飼育後に、対照群(Cont)、有機ゲルマニウム化合物投与群(GE)、ビートファイバー群(BF)、及び、ビートファイバー+0.05%有機ゲルマニウム化合物投与群(GEBF)の4群(各群6匹)に、各群の平均体重が等しくなる様に組み分けした。GE群には通常の餌組成(AIN76)に0.05%の有機ゲルマニウム化合物(1−1)を添加し、BF群には通常の餌組成の5%をビートファイバーに置き換え、GEBF群は通常の餌組成の5%をビートファイバー、0.05%を有機ゲルマニウム化合物(1−1)と置き換えた。これらの組成の餌を12週間の本試験期間中、それぞれ自由摂取させた。尚、水は自由に飲めるようにさせた。飼育期間中、2週ごとに頸部静脈より採血し、血中コレステロール及び血中トリグリセリド濃度を測定した。
結果
図2乃至図5に血中の脂質濃度測定の結果を示した。即ち、図2に血中トリグリセリド濃度、図3に血中総コレステロール濃度、図4に血中HDL-コレステロール濃度、そして図5に血中non-HDLコレステロール濃度(LDL及びVLDLコレステロールが含まれる)を示した。
トリグリセリドは、図2のようにGEBF群は全期間に亘って最も低い平均濃度で、低週齢から血中濃度の割合が上昇していくことなく、終始低い割合に終わった。
図3に示した総コレステロールには、Cont群以外の群では変化がなかった。一方、図4のHDL-コレステロールでは、GEBF群は期間中殆どの週で最も増加率が高く、善玉コレステロールとされるHDL-コレステロールの比率が高まるとことが示された。これに伴い、悪玉コレステロールとされるLDL-コレステロールやVLDL-コレステロールを含むNon-HDL-コレステロール(図5参照)は、GEBF群では全期間に亘り低い比率に抑えられることが示された。
以上より、長期に摂取すると、GEBF群のような、有機ゲルマニウム化合物とビートファイバーとの同時摂取が、高脂血症による疾病の原因因子であるトリグリセリドやNon-HDL-コレステロールを抑制することが示された。
又、GEBF群は、通常の餌組成の5%をビートファイバーに、0.05%を有機ゲルマニウム化合物に置き換えたものであるが、当該群におけるトリグリセリド濃度は、通常の餌組成の10%をビートファイバーと置き換えたHBF群と遜色がなく、即ち、ビートファイバーを半減しても、同等のトリグリセリド生成の抑制効果もしくは排出促進効果を示すことが実証された。
実施例3
血中コレステロール値が基準値(140mg/dl)よりやや高い成人ボランティア男性2名(被験者A及びB)を対象とし、有機ゲルマニウム化合物及び食物繊維の含有食品の摂取試験を実施した。一日当たりの摂取量が有機ゲルマニウム化合物(1−1)1g及びビートファイバー30gとなるように、水・マーマレード・片栗粉・ココアパウダーと共に練り込んだものを加熱調理した菓子を作製し、時間を指定せずに摂取した。摂取期間は30日とし、摂取期間中は普段通りの生活を行い、特別な食事制限や運動は控えた。摂取前後に採血をして血中LDL-コレステロール濃度を測定した。
結果
図7に示すように、被験者A、B共に摂取前に基準値(140mg/dl)を超えていたLDL-コレステロール値が、基準値内に低下した。この結果より、有機ゲルマニウム化合物と食物繊維の長期同時摂取がLDL-コレステロール値の改善に有効であることが示された。

Claims (11)

  1. 式(1)
    (式中、R1乃至Rは水素原子又は同一或いは異なる炭素数1乃至4のアルキル基又はフェニル基を、Xは水酸基、O−低級アルキル基、アミノ基又はOYで表される塩[Yはナトリウム、カリウム等の金属又はリゾチーム、塩基性アミノ酸を示す。]をそれぞれ示す。)
    で表される有機ゲルマニウム化合物を有効成分として含有することを特徴とする食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
  2. 式(1)で表される有機ゲルマニウム化合物が、R1乃至R3が水素原子、Xが水酸基のものである請求項1に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
  3. 式(1)で表される有機ゲルマニウム化合物と、食物繊維とを組み合わせた請求項1又は請求項2に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
  4. 食物繊維が、水不溶性食物繊維である請求項3に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
  5. 食物繊維が、甜菜根に由来する繊維成分である請求項3又は請求項4に記載の脂質代謝改善作用増強剤。
  6. 血中トリグリセリドを低下させて脂質代謝を改善する請求項1に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
  7. 肝臓脂肪を低下させて脂質代謝を改善する請求項1に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
  8. 血中LDLコレステロールを低下させて脂質代謝を改善する請求項1に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
  9. 血中HDLコレステロールを増強させて脂質代謝を改善する請求項1に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
  10. 肝臓総コレステロールを低下させて脂質代謝を改善する請求項1に記載の食物繊維による脂質代謝改善作用増強剤。
  11. 請求項3又は請求項4に記載の脂質代謝改善作用増強剤を含む食品。

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