JP2013173230A - カッターカバー - Google Patents

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修 福島
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Abstract

【課題】コンクリート等の乾式切断において、切断対象物の表面とブレードのカバーから切粉が周囲に漏出するのを防止すると共に騒音を軽減する。
【解決手段】切断当初においてもカバーの底面と切断対象物の表面との間に切粉が漏出する隙間が生じないようにするため、カッターカバー1の前後に回動可能な補助カバー3を設けたものである。ブレードBに付着した切粉を除去するため、珪砂供給装置4をカッターカバー1に付設し、珪砂をブレードBに吹きかけることによって付着した切粉を除去できるようにした。更に、カッターカバー1内の温度上昇に応じてブレードBを冷却するミストをカッターカバー1内に噴霧するミスト噴霧装置5を設け、アルミニウム不織布の吸音材を貼り付けることにより、切断に伴う騒音を軽減した。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリートなどを冷却用の水を使用しない乾式(ドライ)で切断する際に生じる切粉が飛散することなく、また、切断時の騒音を軽減するカッターカバーに関する。
従来、建築物等の構造物の鉄筋コンクリートやアスファルト舗装道路の切断は回転ブレードによっておこなわれている。切断方式には、冷却に水を使用する湿式(ウエット)と冷却水を使用しない乾式がある。
湿式の場合、切断によって生じた切り粉はスラリーとなって流出するので、この切粉を含むスラリーを回収して水と切粉を分離して処分している。
乾式の場合、ブレードにカバーを設け、冷却用の空気をブレードに向けて吹きかけ、カバーに設けた吸引口からカバー内の空気を吸引することによって切粉も吸引されている。
特開2001−219422号公報
乾式コンクリートカッターは、空気による冷却のため冷却能力が水に比べて小さく、切削速度が遅くなるが、ブレードにより切断されたコンクリートの切粉は吸引回収され、水を含まないので処分が容易であるという利点があるが、切粉は空気流中に浮遊しているので、切断対象物の表面とカバーの底面の隙間から切粉が周囲に漏出するという問題があり、特に切断開始当初、ブレードが切断対象物に切り込まれるまではカバーの端部が切断対象物の表面に密着されず、その隙間から切粉が漏出し、また、切断時の摩擦熱で高温となったブレードに切粉が付着して切断能力が低下するという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、切断によって発生した切粉がカバーから周囲に漏れ出すのを防ぐと共に、ブレードに付着した切粉を除去し、切断能力を維持することを目的とする。
本発明のカッターカバーは、切断当初においてもカッターカバーの底面と切断対象物の表面との間に切粉が漏出する隙間が生じないようにするため、カッターカバーの切断時における進行方向の前後に回動可能な補助カバーを設けたものである。
また、ブレードに付着した切粉を除去するため、珪砂供給装置をカッターカバーに付設し、珪砂をブレードに吹きかけることによって付着した切粉をブレードから除去できるようにしたものである。
更に、カッターカバー内の温度上昇に応じてブレードを冷却するミストをカッターカバー内に噴霧するようにしたものである。
また、カッターカバー内にアルミニウム不織布の吸音材を貼り付けることにより、切断に伴う騒音を軽減するようにしたものである。
本発明によれば、切断開始当初において、カッターカバーの底面が切断対象物の表面から浮いて隙間ができ、この隙間からカッターカバーの外に飛散する切粉をカッターカバーの前後に設けた補助カバーによって吸引して回収するので環境に悪影響を与えることなく切断作業をおこなうことができる。
ブレードに切粉が付着して切断能力の低下が認められたら、珪砂供給装置から珪砂をカッターカバー内に供給し、カッターカバー内の空気流に乗せて珪砂をブレードに衝突させて付着した切粉を除去することができるので、ブレードの切断能力を回復させることができ、切断作業を効率よくおこなうことができる。
また、ブレードが切断摩擦熱で加熱され、温度が上昇して切断能力の低下が起こる前に自動的にミストがカッターカバー内に噴霧されるのでブレードの温度上昇を防止することができ、ブレードの切断能力の低下を阻止することができ、切断作業を効率よく進めることができる。
本発明のカッターカバーの正面図。 本発明のカッターカバーの背面図。 本発明のカッターカバーの平面図。 ブレードを自動冷却するシステムの概念図。 従来のカッターカバーの一例の正面図。
本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
カッターカバー1は、円形のブレードBを収容する底部が開口の箱状体であり、図1に示すように、ブレードBの直径に応じた大きさとしてあり、上面10はブレードBの形状に合わせて曲面形状としてあり、切断の進行方向を矢印で示している。上面の形状は曲面状に限定されるものでない。
カバー1の進行方向の後方に冷却用空気を供給する供給口11が設けてあり、前方にはカッターカバー内の空気を吸引するための吸引口12が設けてある。
上面10の頂部及び吸引口12との間には、必要に応じて使用する補助吸引口14が適宜の間隔で複数個設けてある。
供給口11は、カッターカバー1の後壁に対して傾斜させて取り付けてあり、吸引口12は供給口11よりも大きな開口としてあり、カッターカバー1の内部の空気は側壁の開口から吸引されて垂直方向に方向転換させ、ホース(図示しない)によって回収バッグ等に導かれるため、空気流が衝突する面は供給口11よりも傾斜角度を大きなものとしてある。空気流を円滑に回収バッグ等に導くため、空気流の衝突面を流線形にしてもよい。
カッターカバー1の底部の正面側にはブラシ2が全長に渡って設けてあり、このブラシ2によって、切粉が切断対象物の表面とカッターカバー1の底部との隙間から外部へ漏出するのを防止すると共に、吸引口12から吸引していることによってブラシ2を通して外気がカッターカバー1の内部に吸引されるので、ブレードを効果的に冷却することができる。
カッターカバー1の背面側は、図2に示すように、ブレードBの駆動軸を通すための開口13が形成してあり、開口13をブレードBの駆動軸が切断の進行に伴って下降していく。開口13の周囲にはブラシ2Bが設けてあり、開口13からの切粉の散逸を防止している。
カッターカバー1の前後には両側にブラシ2Aが設けてある補助カバー3が回動可能に取り付けてある。カッターカバー1の側壁に取付部材31が設けてあり、その先端部に回動軸32が設けてあり、カッターカバー1の幅より小さな幅の細長い補助カバー3が回動軸32で回動自在に取り付けてあり、切断開始当初、カッターカバー1の底面が切断対象の表面から浮いている状態の場合、補助カバー3が回動してブラシ2Aが切断対象の表面に近接して切断溝に覆いかぶさり、切粉が飛散するのを防止している。
回動軸32の両端には車輪33が取り付けてあり、また、補助カバー3の先端内部には補助輪36が設けてあり、カッターカバー1の移動がしやすいようにしてある。
補助カバー3は、取り外し可能であり、回動軸32を取り外すことによって補助カバー3をカッターカバー1から取り外すことができ、カッターカバー1を補助カバー3なしで使用することもできる。
補助カバー3の先端には補助吸引口35が設けてあり、この吸引口35にホースを取り付けて吸引し、切粉が飛散して周囲の環境を汚染するのを防止する。また、この補助カバー3は、切断によって形成された溝を通じて空気流に乗って漏出してくる切粉を吸引回収し、外部環境に切粉が飛散するのを防止している。
供給口11には珪砂をカッターカバー1内に供給する珪砂供給装置4が設けてある。珪砂供給装置4は、珪砂を貯留するタンク41と供給口11に珪砂を導くパイプ42とからなり、開閉弁を開くことによって珪砂を供給口11に落下させ、カッターカバー1の内部の空気流によってブレードBの表面に衝突させてブレード面に付着した切粉を除去するものである。
カッターカバーの供給口11を設けた側面にはミストをカッターカバー内に噴霧するノズル5が設けてある。ミストが噴霧されるとカッターカバー内の温度を低下させることができ、ブレードBの過熱を防止することができる。ミストは水滴が非常に細かく、直ぐに蒸発するので水滴としてカッターカバー1内部に存在することなく温度を低下させるので、切粉が水分を吸収して固まったりすることなく粉体のまま空気流で移送される。
ミストの噴霧は、手動でバルブを開閉してミストがカッターカバー内に噴霧されるようにするか、または、ブレードBの表面温度を計測し、所定の温度を超過したときに自動的にミストが噴霧されるようにしてもよい。
カッターカバー1の内面には、アルミニウム不織布をアルミニウム合金等のエキスパンドメタルでサンドイッチして圧延した金属性多孔質吸音材を貼り付けてある。この吸音材は、低周波から高周波まで広範な周波数に対して吸音する優れた吸音特性を有し、また、軽量であるので、カッターカバー1からの騒音を有効に吸音し、騒音レベルを低減することができる。また、アルミニウム製であるので、耐候性が高く、水分はアルミニウム不織布の微細孔を通って流下するので、濡れてもすぐ乾燥するという特徴を有するものである。
この金属性多孔質吸音材と連続気泡の弾性フォーム吸音材を組合わせた吸音材は、更に優れた吸音特性を発揮するので騒音低減に有効である。
図4は、カッターカバー内のブレードの温度を計測し、設定温度を超えたときにミスト供給手段やボルテックスチューブ冷却手段(図示しない)を作動させ、カッターカバー内にミストを噴射させたり、冷気を供給することによってブレードを冷却して温度を低下させて切粉のブレードへの溶融付着を防止して切断能力の低下を阻止するものである。
ボルテックスチューブは、圧縮空気の渦流を本体管内に起こさせ、その渦流中心より冷気を取り出し、冷気取出口の反対側の本体管より暖気を排出するものであり、取り出した冷気は−50℃程度のものが得られるので、この冷気をカッターカバー内に噴出させてブレードを冷却して過熱を防止するものである。
カッターカバー1の側壁面に放射温度計6がブレードBの温度を測定できるように設置してある。
放射温度計6の信号を制御装置61に送り、この制御装置61は、ブレードBの温度が80℃以下の場合は、付設した状態表示器62の緑色のランプを点灯させる。81℃以上130℃未満では黄色のランプを点灯させ、130℃以上に達したら赤色のランプを点滅させると共に警報ブザーを鳴動させてブレードBの温度が危険な状態に達したことを知らせると共に、ミストの噴霧装置5やボルテックスチューブによって冷却した冷気をカッターカバー1内に送ってブレードBを冷却する。
ブレードBの温度が定常状態の80℃以下に冷却されたら、冷却装置の駆動を停止する。
ブレードBの温度が上昇するのを自動的に検知し、危険な状態に達する前に冷却手段を駆動するので、乾式切断を効率よく円滑におこなうことができる。
ブレードBの温度上昇による切断効率の低下を防ぐことができるので、鉄筋コンクリートの切断工事においても効率よく施工することができる。
本発明のカッターカバーは、壁面を切断するウォールソーにも適用可能である。
1 カッターカバー
11 供給口
12 吸引口
13 開口
2 ブラシ
3 補助カバー
31 取付部材
32 回動軸
33 車輪
35 補助吸引口
4 珪砂供給装置
5 ミストノズル
6 温度計
61 制御装置
62 状態表示器

Claims (8)

  1. カバーの底面両側に切断時に発生する切粉の漏出を防止するブラシが設けてあり、カバー後方に冷却用空気を供給する供給口が設けてあり、前方には内部の空気を吸い出す吸引口が設けてある乾式切断用のカッターカバーであって、カバー前後に回動可能に補助カバーが取り付けてあり、この補助カバーの底面に切粉漏出防止用のブラシが設けてあり、端部上面に吸引口が設けてある乾式切断用のカッターカバー。
  2. 請求項1において、供給口に珪砂供給装置が設けてあるカッターカバー。
  3. 請求項1または2において、供給口側にカバー内の空気を冷却する手段を設けたカッターカバー。
  4. 請求項3において、カバー内の空気を冷却する手段がミスト噴射手段であるカッターカバー。
  5. 請求項3において、カバー内の空気を冷却する手段がボルテックスチューブ冷却装置であるカッターカバー。
  6. 請求項3〜5のいずれかにおいて、カッターカバー内のブレードの温度が設定温度を超えたときに空気を冷却する手段を作動させる制御装置が設けてあるカッターカバー。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、カッターカバー内部に吸音材が設けてあるカッターカバー。
  8. 請求項7において、吸音材がアルミニウム不織布をアルミニウム合金等のエキスパンドメタルでサンドイッチして圧延した金属性多孔質吸音材、または、連続気泡の弾性フォーム吸音材のいずれかまたはそれらを組合わせたものであるカッターカバー。
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