JP2013172284A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エッジ処理後、階調処理を経ても、エッジ処理の効果を得る。
【解決手段】画像処理装置1は、オブジェクトのエッジである画素を第1エッジとして抽出する第1エッジ抽出部3と、画像データをエッジ処理し、当該エッジ処理において、オブジェクトのエッジである画素の画素値又は当該画素とその逆エッジ方向に隣接する画素の画素値を変更するエッジ処理部2と、エッジ処理により画素値が変更された画素を、第2エッジとして抽出する第2エッジ抽出部4と、第1エッジと第2エッジを、第3エッジとして抽出する第3エッジ抽出部5と、階調処理部6と、を備える。階調処理部6は、エッジ処理後の画像データの各画素が、第3エッジであるか否かによって階調処理の処理内容を切り替え、階調処理後の第3エッジの領域を第3エッジ以外の領域より強調する。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関する。
従来、文字のみ含む画像データに対し、文字のエッジを抽出し、エッジの画素値を調整するエッジ処理により、印刷物における文字の画質向上が図られている。そのようなエッジ処理の1つとして、細線化処理が知られている。細線化処理は、エッジの画素値を減じることにより、文字の線幅を細くして、シャープな文字を再現する。
一方、写真のみを含む画像データに対しては、中間調の階調を表現するため、スクリーン処理や誤差拡散処理のような階調処理が行われている。
しかし、カタログや雑誌等の印刷物の多くは、文字と写真が混在することが一般的である。文字にしても、さまざまな濃度や色が使用されることがあり、その濃度や色の再現にスクリーン処理が必要である。
スクリーン処理は、処理対象に点や線の形状を与えることから、文字を含む画像データをスクリーン処理すると、文字の輪郭にジャギーが生じ、滑らかな線を再現できずに、文字の画質を損ねることがある。ジャギーを回避するため、文字の輪郭のみ線数の高いスクリーン処理に切り替えることが行われている。または、文字の輪郭をスクリーン処理の対象外とすることが行われている。例えば、細線化処理により、文字のエッジの画素値を減じた後、エッジをコントーン処理し、他の領域をスクリーン処理する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
細線化処理の他にも、エッジ処理の1つに、スムージング処理がある。スムージング処理は、パターンマッチング等により文字の斜線部分のエッジを特定し、特定したエッジの画素値を、斜線部分の段差を中心に段階的に変化させることで、滑らかな線を再現することができる。
従来、スムージング処理は、スクリーン処理の後段で行われていた。スクリーン処理後の2値の画像データを対象とする方が、パターンマッチングによる斜線部分のエッジの特定が容易になるからである。パターンマッチングにおいては、注目画素だけでなくその周辺画素についても画素値を一度に把握する必要があるが、2値の画像データであれば、単純に階調が最大値か最小値かを判断するだけで、これら複数の画素の画素値を容易に把握できる。また、処理対象をベタ文字(階調が最大値の文字)に限定すれば、スクリーン処理によって2値化された後でも、パターンマッチングがスクリーン処理に影響されず、都合が良かった。
しかし、プリンター等において、印刷濃度を一定に保持するためのγ補正処理が行われるようになると、不都合が生じるようになった。変動する印刷特性に対応するため、γ補正処理時のγ補正カーブは頻繁に更新されるが、γ補正カーブによっては、最大値として入力されたにも関わらず、最大値を下回る画素値が出力されることがある。最大値で出力されないため、スクリーン処理後、ベタ文字の領域に、スクリーン処理によるドットが生じて、中間調として表現されてしまう。このような中間調の領域は、後段のスムージング処理のパターンマッチングによってベタ文字と特定されず、スムージング処理されない。
また、スムージング処理は、ベタ文字に近い、つまり階調が最大値に近い中間調の文字も処理対象とすることが、文字の画質の向上につながるが、中間調の文字についても上記と同様にスクリーン処理のドットが生じるため、スムージング処理されない。
以上のような理由から、スクリーン処理の後段でスムージング処理を行うメリットが無くなってきており、むしろスムージング処理等のエッジを対象とする画像処理は、スクリーン処理やγ補正処理の前段に実行された方が、ベタ文字かどうかの判定が容易になる場合がある。
特開2005−341249号公報
スムージング処理等のエッジ処理を、スクリーン処理の前段で行うにあたっては、スクリーン処理の対象領域に注意する必要がある。全領域を対象としてスクリーン処理すると、エッジ処理によって画素値が微調整されたエッジも全てスクリーン処理され、エッジ処理による効果が得られないか、かえって画質が劣化することがあるからである。画質劣化を回避し、エッジ処理の効果を得るためには、上記特許文献1のように、文字のエッジをスクリーン処理の対象外とし、コントーン処理する必要がある。
しかしながら、エッジのみをコントーン処理すれば、画質が向上するわけではない。エッジ処理によって画素値が調整される画素は、エッジのみとは限らないからである。エッジ以外にも画素値が変更された画素があるにも関わらず、エッジのみをコントーン処理した場合、エッジ以外の画素はスクリーン処理され、ドットで階調表現されるため、エッジ処理によるディテールの表現効果が薄れる。また、段差を形成するエッジの場合、コントーン処理されたエッジと、スクリーン処理された画素とが、同じライン上に位置することになるが、スクリーン処理された画素にドットが打点されなければ、コントーン処理によって強調される輪郭線が途切れたように見える。
また、スムージング処理や細線化処理のように、複数のエッジ処理を同時に実行することがあるが、それぞれの処理結果を調整するために、エッジの画素だけでなく、その隣接画素もともに処理する場合がある。隣接画素は、上記と同様に、エッジ処理によって画素値が調整されたにも関わらず、コントーン処理の処理対象外となるため、スクリーン処理され、エッジ処理の効果が得られない。
本発明の課題は、エッジ処理後、階調処理を経ても、エッジ処理の効果を得ることである。
請求項1に記載の発明によれば、
画像データの各画素の画素値を用いて、オブジェクトのエッジである画素を判定し、第1エッジとして抽出する第1エッジ抽出部と、
前記画像データをエッジ処理し、当該エッジ処理において、オブジェクトのエッジである画素の画素値又は当該画素とその逆エッジ方向に隣接する画素の画素値を変更するエッジ処理部と、
前記エッジ処理により画素値が変更された画素を、第2エッジとして抽出する第2エッジ抽出部と、
前記第1エッジと前記第2エッジを、第3エッジとして抽出する第3エッジ抽出部と、
前記エッジ処理後の画像データを階調処理する階調処理部と、を備え、
前記階調処理部は、前記エッジ処理後の画像データの各画素が、前記第3エッジであるか否かによって階調処理の処理内容を切り替え、階調処理後の第3エッジの領域を第3エッジ以外の領域より強調する画像処理装置が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、
前記第3エッジ抽出部は、前記第2エッジのエッジ方向に隣接する画素を抽出し、前記第3エッジに加える請求項1に記載の画像処理装置が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、
前記階調処理は、コントーン処理又はスクリーン処理であり、
前記階調処理部は、前記第3エッジの画素をコントーン処理した画素値を出力し、第3エッジ以外の画素をスクリーン処理した画素値を出力する請求項1又は2に記載の画像処理装置が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、
前記階調処理部は、
前記第3エッジの画素をコントーン処理した画素値を出力し、第3エッジ以外の画素をスクリーン処理した画素値を出力し、
前記第3エッジのうち、エッジ方向に隣接する各画素のコントーン処理後の画素値の合計を、一定値に調整する請求項3に記載の画像処理装置が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、
前記階調処理部は、前記第3エッジのエッジ方向に隣接する各画素のうち、
前記第1エッジ及び第2エッジについては、エッジ処理後の画素値の全てをコントーン処理して出力し、
前記第2エッジのエッジ方向に隣接する画素については、エッジ処理後の画素値のうち、前記一定値から前記第2エッジのコントーン処理される画素値を差し引いた画素値をコントーン処理し、残りの画素値をスクリーン処理し、それぞれの処理後の画素値を加算して出力する請求項4に記載の画像処理装置が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、
前記階調処理部は、前記エッジ処理によりオブジェクトの背景の画素の画素値が変更され、背景の元の画素値が最小値である場合、前記第3エッジのエッジ方向に隣接する各画素のうち、
前記第1エッジ及び第2エッジについては、元の画素値を、コントーン処理して出力し、
前記背景の画素については、エッジ方向に隣接する前記第1エッジ又は第2エッジのエッジ処理後の画素値から、当該第1エッジ又は第2エッジの元の画素値を差し引いた画素値を、コントーン処理して出力し、
前記第2エッジのエッジ方向に隣接する画素については、エッジ処理後の画素値のうち、前記一定値から、前記第2エッジのコントーン処理される画素値と、前記背景の画素のコントーン処理される画素値とを差し引いた画素値をコントーン処理し、残りの画素値をスクリーン処理し、それぞれの処理後の画素値を加算して出力する請求項4に記載の画像処理装置が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、
前記階調処理部は、前記エッジ処理によりオブジェクトの背景の画素の画素値が変更され、当該背景の画素が中間調の画素値を持つ場合、前記第3エッジのエッジ方向に隣接する各画素のうち、
前記第1エッジ及び第2エッジについては、元の画素値から背景の元の画素値を差し引いた画素値をコントーン処理し、背景の元の画素値をスクリーン処理し、それぞれの処理後の画素値を加算して出力し、
前記背景の画素については、背景の元の画素値をスクリーン処理し、エッジ方向に隣接する前記第1エッジ又は第2エッジのエッジ処理後の画素値から、前記第1エッジ又は第2エッジの元の画素値を差し引いた画素値をコントーン処理し、それぞれの処理後の画素値を加算して出力し、
前記第2エッジのエッジ方向に隣接する画素については、エッジ処理後の画素値のうち、前記一定値から、前記第2エッジのコントーン処理される画素値と、前記背景の画素のコントーン処理される画素値とを差し引いた画素値をコントーン処理し、残りの画素値をスクリーン処理し、それぞれの処理後の画素値を加算して出力する請求項4に記載の画像処理装置が提供される。
請求項8に記載の発明によれば、
前記一定値は、前記オブジェクトの画素の画素値に、コントーン処理によって強調するエッジ方向の画素数を乗算して得られた画素値である請求項4〜7の何れか一項に記載の画像処理装置が提供される。
請求項9に記載の発明によれば、
前記階調処理は、スクリーン処理又はコントーン処理であり、
前記階調処理部は、前記第3エッジの画素の画素値をコントーン処理する一方、スクリーン処理し、コントーン処理後の画素値と、スクリーン処理後の画素値のうち、何れか大きい方を選択して出力する請求項1又は2に記載の画像処理装置が提供される。
請求項10に記載の発明によれば、
前記階調処理は、スクリーン処理であり、
前記階調処理部は、前記第3エッジの画素に対し、前記第3エッジ以外の画素よりもスクリーン線数が高線数のスクリーン処理を施す請求項1又は2に記載の画像処理装置が提供される。
請求項11に記載の発明によれば、
前記階調処理は、γ補正処理であり、
前記階調処理部は、入力値に対する出力値が、第3エッジ以外の画素よりも前記第3エッジの画素の方が大きいγ補正処理を、前記第3エッジの画素に施す請求項1又は2に記載の画像処理装置が提供される。
請求項12に記載の発明によれば、
前記エッジ処理は、スムージング処理、細線化処理又はスムージング処理と細線化処理を同時に実行する処理である請求項1〜11の何れか一項に記載の画像処理装置が提供される。
請求項13に記載の発明によれば、
画像データの各画素の画素値を用いて、オブジェクトのエッジである画素を判定し、第1エッジとして抽出する工程と、
前記画像データをエッジ処理し、当該エッジ処理において、オブジェクトのエッジである画素の画素値又は当該画素とその逆エッジ方向に隣接する画素の画素値を変更する工程と、
前記エッジ処理により画素値が変更された画素を、第2エッジとして抽出する工程と、
前記第1エッジと前記第2エッジを、第3エッジとして抽出する工程と、
前記エッジ処理後の画像データを階調処理する工程と、を含み、
前記階調処理する工程において、前記エッジ処理後の画像データの各画素が、前記第3エッジであるか否かによって階調処理の処理内容を切り替え、階調処理後の第3エッジの領域を第3エッジ以外の領域より強調する画像処理方法が提供される。
本発明によれば、オブジェクトのエッジの画素に加え、エッジ処理によって画素値が変更された画素を、第3エッジとして強調することができ、エッジ処理によって形成された画像のディテールを再現することができる。従って、エッジ処理後、階調処理を経ても、エッジ処理の効果を得ることができる。
本実施の形態に係る画像処理装置の構成図である。 7×7画素を示す。 スムージング処理において、パターンマッチングに用いられるテンプレート例を示す。 Pの数値が表すエッジ方向を示す。 (a)段差を持つオブジェクトの画像において、第1エッジのみコントーン処理の対象としたときのコントーン処理の対象領域を示す。(b)(a)の画像における第1エッジを示す。(c)(a)の画像のスムージング処理後の画像を示す。(d)(c)の画像における第2エッジを示す。(e)(c)の画像において、第1エッジと第2エッジの論理和を第3エッジとしたときのコントーン処理の対象領域を示す図である。(f)(b)の第1エッジと、(d)の第2エッジとの論理和である第3エッジを示す。 エッジ処理として細線化処理とスムージング処理を同時に実行する画像処理装置の構成図である。 (a)図5(e)において、第2エッジのエッジ方向に隣接する画素が第3エッジに追加されたときのコントーン処理の対象領域を示す。(b)図5(f)の第3エッジに、第2エッジのエッジ方向に隣接する画素が追加されたときの第3エッジを示す。 (a)スムージング処理後、エッジ方向に隣接する第3エッジの各画素のコントーン処理後の画素値の合計を、オブジェクトの1画素分の画素値に調整したときの画像を示す。(b)(a)の画素値の調整時、コントーン処理されなかった画素値をスクリーン処理したときの画像を示す。 コントーン処理後の画素値を調整する画像処理装置の構成図である。 (a)細線化処理後の画像において、第1エッジ及び第2エッジを第3エッジとして抽出した場合のコントーン処理の対象領域を示す。(b)(a)の画像において、第2エッジのエッジ方向に隣接する画素を第3エッジに加えた場合のコントーン処理の対象領域を示す。(c)第3エッジの各画素のコントーン処理後の画素値の合計を、オブジェクトの1画素分の画素値に調整したときの画像を示す。 (a)細線化処理とスムージング処理を同時に実行した後の画像において、第1エッジ及び第2エッジを第3エッジとして抽出した場合のコントーン処理の対象領域を示す。(b)(a)の画像において、第2エッジのエッジ方向に隣接する画素第3エッジに加えた場合のコントーン処理の対象領域を示す。(c)(b)の第3エッジの各画素のコントーン処理後の画素値の合計を、オブジェクトの1画素分の画素値に調整したときの画像を示す。 (a)段差を持つオブジェクトの画像を示す図である。(b)(a)の画像に細線化処理とスムージング処理を同時に実行し、第3エッジの各画素のコントーン処理後の画素値の合計を、オブジェクトの1画素分の画素値に調整したときの画像を示す。 (a)図12(a)の画像に細線化処理とスムージング処理を同時に実行し、背景の画素を含む第3エッジの各画素のコントーン処理後の画素値の合計を、オブジェクトの2画素分の画素値に調整したときの画像を示す。(b)オブジェクトの背景の画素が中間調の画素値を持つ場合において、(a)と同様にコントーン処理後の画素値の調整したときの画像を示す。 γ補正処理において、第3エッジか否かによって切り替えられるγ補正カーブを示す。 エッジ処理、輪郭強調の設定に係る操作画面例を示す。
以下、図面を参照して本発明の画像処理装置及び画像処理方法の実施の形態について説明する。
〔実施の形態1〕
図1は、本実施の形態に係る画像処理装置1を示す。
画像処理装置1は、画像データとその属性データを入力し、画像データをエッジ処理後、階調処理して出力する。属性データは、画像データの各画素の属性を示すデータである。属性としては、例えば文字(Text)、図形(Graphics)、写真(Image)等が挙げられる。
図1に示すように、画像処理装置1は、エッジ処理部2、第1エッジ抽出部3、第2エッジ抽出部4、第3エッジ抽出部5、階調処理部6を備えて、構成されている。
エッジ処理部2は、画像データをエッジ処理する。エッジ処理部2は、エッジ処理において、画像データに含まれるオブジェクトのエッジである画素の画素値又は当該画素とその逆エッジ方向に隣接する画素の画素値を変更する。オブジェクトは、文字、図形、写真等の同じ属性からなる画像単位である。逆エッジ方向はエッジ方向の逆方向であり、大きい画素値から小さい画素値へ向かう方向、つまり前景から背景へ向かう方向である。
エッジ処理としては、例えばスムージング処理、細線化処理が挙げられる。
スムージング処理は、アンチエイリアス処理とも呼ばれ、オブジェクトの斜線部分のエッジを処理対象とし、エッジとエッジの逆エッジ方向に隣接する画素の画素値を増減して中間調とすることにより、斜線を滑らかに見せる。
細線化処理は、オブジェクトのエッジを処理対象とし、エッジの画素値を調整して、シャープなオブジェクトを再現する。細線化処理は、画素値を減じることにより細線化を実現するだけでなく、画素値を増加することにより太線化を実現することもできる。
以下、エッジ処理部2がエッジ処理として、スムージング処理を実行する場合、細線化処理する場合についてそれぞれ具体的な処理内容を説明するが、処理内容としてはこれらに限定されない。同じエッジ処理でも、処理内容が異なれば、画素値が変更される画素が異なる場合がある。
エッジ処理としてスムージング処理を実行する場合、エッジ処理部2は、画像データを、注目画素を中心とする7×7画素単位で入力する。エッジ処理部2は、7×7画素内の隣接する2つの画素間で画素値の差分を算出し、差分が閾値以上であれば、2つの画素間にオブジェクトのエッジが有ると判定し、差分が閾値未満であれば、2つの画素間にエッジが無いと判定する。エッジ処理部2は、エッジが有る場合は1のエッジ信号、エッジが無い場合は0のエッジ信号を出力する。
図2は、01〜49の識別番号が割り当てられた7×7画素を表している。中心に位置する識別番号25の画素が、注目画素である。
この識別番号により差分を算出する2つの画素の組み合わせ例は、次のとおりである。
03−10、04−11、05−12、10−17、10−18、11−17、11−18、11−19、12−18、12−19、15−16、16−17、16−24、17−18、17−23、17−24、18−19、18−24、18−25、18−26、19−26、19−26、19−27、20−21、20−26、22−23、23−24、23−31、24−25、24−30、24−31、24−32、25−26、25−32、26−27、26−32、26−33、26−34、27−28、27−33、29−30、30−31、31−32、31−38、31−39、32−33、32−38、32−39、32−40、33−34、33−39、33−40、34−35、38−45、39−46、40−47
エッジ処理部2は、7×7画素について出力されたエッジ信号と、スムージング処理の対象であるエッジのパターンを定義するテンプレートとを照合し、一致するテンプレートを判定する。スムージング処理の対象は、斜線構造を持つオブジェクトのエッジであり、テンプレートは、注目画素がそのようなエッジであるか、又はそのようなエッジの逆エッジ方向に隣接する画素を判定できるように設計されている。
図3は、テンプレートの一例を示している。図3において、()内の数字は各テンプレートの識別番号を表す。
図3に示すように、テンプレート上の画素はa、b、cの3つに分類されている。エッジ処理部2は、テンプレート上で分類aに該当する画素間のエッジ信号が0、分類bに該当する画素間のエッジ信号も0、分類aに該当する画素と分類bに該当する画素間のエッジ信号が1を満たすとき、当該テンプレートと一致したと判定する。分類cに該当する画素は、エッジの有無が問われない。テンプレートは1つだけでなく、複数一致する場合があり、エッジ処理部2は、全テンプレートと照合して、一致するテンプレートを全て検出する。何れか1つでも一致するテンプレートがあれば、注目画素はスムージング処理の対象であり、一致するテンプレートが無ければ、注目画素はスムージング処理の対象外である。
図3に示すテンプレート群には、優先順位が定められている。エッジ処理部2は、その優先順位に従って、1又は複数一致したテンプレートの中から、優先順位が最も高い1つのテンプレートを選択する。テンプレートの優先順位は、識別番号が24、23、22、21、233、213、243、223、252、251、254、253、262、261、264、263の順に高い。
エッジ処理部2は、選択された1つのテンプレートにおいて、分類a、bに該当する画素の画素値を用いて、スムージング処理による注目画素の画素値の変化量dSMTを算出する。
変化量dSMTの算出式は、以下の通りである。算出式において、Cは[]内の識別番号の画素の画素値を表す。なかでも、C[25]は、注目画素の画素値を表す。
選択された1つのテンプレートの識別番号が21、22、23又は24のとき、
dSMT=(C[18]+C[25]+C[32])/3−C[25]
選択された1つのテンプレートの識別番号が213又は233のとき、
dSMT=(C[18]×2+C[25]+C[32]×2)/5−C[25]
選択された1つのテンプレートの識別番号が223又は243のとき、
dSMT=(C[24]×2+C[25]+C[26]×2)/5−C[25]
選択された1つのテンプレートの識別番号が251又は252のとき、
dSMT=(C[25]×4+C[32])/5−C[25]
選択された1つのテンプレートの識別番号が253又は254のとき、
dSMT=(C[25]×4+C[18])/5−C[25]
選択された1つのテンプレートの識別番号が261又は262のとき、
dSMT=(C[25]×4+C[26])/5−C[25]
選択された1つのテンプレートの識別番号が263又は264のとき、
dSMT=(C[25]×4+C[24])/5−C[25]
エッジ処理部2は、算出された変化量dSMTを、注目画素の画素値に加算し、スムージング処理後の注目画素の画素値を得る。
エッジ処理部2は、以上の処理を、画像データの各画素を注目画素として実行し、各画素のスムージング処理後の画素値からなる画像データを出力する。
次に、エッジ処理部2が、エッジ処理として細線化処理を実行する場合の処理例を説明する。
エッジ処理部2は、画像データを、注目画素を中心とする3×3画素単位で入力する。 エッジ処理部2は、注目画素とその周辺8画素の画素値を用いて、注目画素におけるエッジ強度を求める。
エッジ処理部2は、注目画素と8つの周辺画素のそれぞれとの画素値の差を、エッジ強度E0〜E7として求める。図2の識別番号25を中心とする3×3画素の場合、エッジ強度E0〜E7は、次のように求められる。C[]は、[]内の識別番号の画素の画素値を表す。
E0=C[25]−C[17]
E1=C[25]−C[18]
E2=C[25]−C[19]
E3=C[25]−C[24]
E4=C[25]−C[26]
E5=C[25]−C[31]
E6=C[25]−C[32]
E7=C[25]−C[33]
エッジ処理部2は、各周辺画素との差E0〜E7のうち、最大値をエッジ強度PEDとして求める。また、エッジ処理部2は、E0〜E7の符号を反転させ、そのうちの最大値をエッジ強度REDとして求める。エッジ処理部2は、PED<REDであれば、PED=0、RED<PEDであれば、RED=0に修正する。
画像データが複数色からなるカラー画像である場合、エッジ処理部2は、各色の画像データから求められたPED、REDによって、下記式によりTPED、TREDを求める。C(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の4色の画像データであれば、次のようにTPED、TREDが求められる。
TPED=
(PED[c]×Wy+PED[m] ×Wm+PED[y] ×Wc+ PED[k] ×Wk)
TRED=
(RED[c]×Wy+RED[m] ×Wm+RED[y] ×Wc+ RED[k] ×Wk)
上記式において、PED[]、RED[]は、[]内のcはシアン、mはマジェンタ、yはイエロー、kは黒の画像データからそれぞれ求められたPED、REDであることを表す。Wy、Wm、Wc、Wkは予め定められた係数であり、Wc+Wm+Wy+Wk≦255である。
画像データが単色からなるモノクロ画像であれば、TPED、TREDは、次のように表される。
TPED=PED[k] ×Wk、
TRED=RED[k] ×Wk
TPED、TREDは、各色のエッジ強度PED、REDを、比視感度に相当する係数Wc、Wm、Wy、Wkで重み付けし、足し合わせた値であり、各色を重ね合わせたときの視覚的な濃度の指標となり得る。細線化処理の対象は前景のエッジであるので、エッジ処理部2は、TPED、TREDの大小関係を判定することにより、注目画素とその周辺画素のどちらが前景で、どちらが背景かを判定することができる。
エッジ処理部2は、TPED>TREDであれば、注目画素が背景より濃度が高い前景のエッジであり、TPED≦TREDであれば、注目画素は前景のエッジではないと判定する。
エッジ処理部2は、前景のエッジと判定された注目画素の画素値を、閾値と比較し、注目画素は細線化できる十分な画素値を持つか否かを判断する。十分な画素値が無い場合、細線化によって画素値が減じられると、画素値が非常に小さくなるか、又は無くなり、画像に途切れが生じるため、細線化処理の対象外とする。
エッジ処理部2は、前景のエッジであり、閾値以上の画素値を持つ注目画素の画素値を用いて、細線化処理による画素値の変化量dSTを算出する。変化量dSTは、色毎に用いられたエッジ強度PED、REDによって、下記のようにして色毎に求められる。
dST=(PED−RED)×STVL
上記STVLは、細線化の強度を表す係数であり、色毎に定められている。STVLは、注目画素の画素値に応じて−1〜1の出力値を出力する1次関数であり、例えばdST<0とするSTVLは、下記式のように表すことができる。
STVL=−(a×C[25]+b)
上記a、bは係数であり、調整したい細線化の強度に応じて任意に設定することができる。a、bが大きいほど、細線化の強度が大きくなり、a、bが小さいほど細線化の強度が小さくな
エッジ処理部2は、算出された変化量dSTを、注目画素の画素値に加算して、細線化処理後の注目画素の画素値を得る。細線化の強度を表すSTVLが負の値をとるとき、dSTも負の値となり、注目画素の画素値が減じられ、細線化が実行される。逆に、STVLが正の値をとるとき、dSTも正の値となり、注目画素の画素値が増加されて、太線化が実行される。
エッジ処理部2は、以上の処理を、画像データの各画素を注目画素として実行し、各画素の細線化処理後の画素値からなる画像データを出力する。
第1エッジ抽出部3は、画像データの各画素の画素値を用いて、オブジェクトのエッジである画素を判定し、第1エッジとして抽出して出力する。
また、第1エッジ抽出部3は、エッジと判定された画素のそのエッジ方向を判定し、第1エッジとともに出力する。エッジ方向は、上述したように、画素値が小さい画素から大きい画素へ向かう方向、つまり背景から前景への方向である。
第1エッジ抽出部3は、画像データを、注目画素を中心とする3×3画素単位で入力し、注目画素と8つの周辺画素のそれぞれとの差SFを算出する。図2の識別番号25の画素を中心とする3×3画素の場合、SFの算出式は、次のように表される。Cは[]内の識別番号で表される各画素の画素値である。
SP[u]=C[25]−C[18]
SP[l]=C[25]−C[24]
SP[r]=C[25]−C[26]
SP[d]=C[25]−C[32]
第1エッジ抽出部3は、主走査方向に位置する周辺画素との差SP[l]、SP[r]から、注目画素の主走査方向におけるエッジ方向xを判定する。SP[l]<SP[r]であれば、第1エッジ抽出部3は、エッジ方向xとして、左方向を表すx=−1を出力する。SP[l]>SP[r]であれば、第1エッジ抽出部3は、エッジ方向xとして、右方向を表すx=+1を出力する。また、SP[l]=SP[r]であれば、第1エッジ抽出部3は、エッジ方向xとして、x=0を出力する。
同様に、第1エッジ抽出部3は、副走査方向に位置する周辺画素との差SP[u]、SP[d]から、注目画素の副走査方向におけるエッジ方向yを判定する。SP[u]<SP[d]であれば、第1エッジ抽出部3は、エッジ方向yとして、上方向を表すy=+1を出力する。SP[u]>SP[d]であれば、第1エッジ抽出部3は、エッジ方向yとして、下方向を表すy=−1を出力する。また、SP[u]=SP[d]であれば、第1エッジ抽出部3は、エッジ方向yとして、y=0を出力する。
第1エッジ抽出部3は、x=y=0であれば、注目画素がオブジェクトのエッジではないと判定し、エッジ方向PとしてP=0を出力する。第1エッジ抽出部3は、x=y=0でなければ、注目画素がオブジェクトのエッジであると判定し、x、yの組み合わせによって、下記のように、エッジ方向Pを判定する。図4は、Pの値が表すエッジ方向を示している。
x=−1かつy=+1のとき、P=1
x= 0かつy=+1のとき、P=2
x=+1かつy=+1のとき、P=3
x=−1かつy= 0のとき、P=4
x=+1かつy= 0のとき、P=5
x=+1かつy=−1のとき、P=6
x= 0かつy=−1のとき、P=7
x=−1かつy=−1のとき、P=8
第1エッジ抽出部3は、画像データの各画素について以上の処理を繰り返し行い、各画素がオブジェクトのエッジか否かを判定し、エッジであればそのエッジ方向Pを判定する。
第2エッジ抽出部4は、画像データの各画素のうち、エッジ処理部2のエッジ処理によって画素値が変更された画素を、第2エッジとして抽出し、出力する。
第2エッジ抽出部4は、元の画像データと、エッジ処理部2によりエッジ処理された画像データとを比較し、画素値が変更された画素を、第2エッジとして抽出してもよいし、エッジ処理部2からエッジ処理による画素値の変化量dST、dSMTを取得し、dST≠0、dSMT≠0である画素を、第2エッジとして抽出してもよい。
第3エッジ抽出部5は、第1エッジ抽出部3により抽出された第1エッジに、第2エッジ抽出部4により抽出された第2エッジを加え、第3エッジとして出力する。同じ画素が第1エッジでもあり第2エッジでもある場合があるので、第3エッジ抽出部5は、第1エッジと第2エッジの論理和を、第3エッジとして抽出する。
第3エッジ抽出部5は、第1エッジ抽出部3から第3エッジの各画素のエッジ方向Pを入力し、第3エッジとそのエッジ方向Pの情報を階調処理部6に出力する。
階調処理部6は、エッジ処理された画像データの各画素が、第3エッジ抽出部3により抽出された第3エッジであるか否かによって、階調処理の処理内容を切り替え、階調処理後の第3エッジの領域を第3エッジ以外の領域より強調する。
階調処理部6は、画像データの階調処理として、スクリーン処理を実行するスクリーン処理部61と、コントーン処理を実行するコントーン処理部62を備えている。階調処理部6は、セレクター63を備え、スクリーン処理部61による処理結果とコントーン処理部62による処理結果の何れかを、画素単位で選択して出力することができる。
スクリーン処理部61は、画素毎に閾値が定められた閾値マトリクスを、画像データと照合し、画像データの各画素の画素値を、各画素に対応する閾値マトリクスの閾値によって2値化又は多値化して出力する。
コントーン処理部62は、入力された画像データをそのまま出力する。コントーン処理部62によれば、画像データは何ら処理されず、入力された画像データの各画素の画素値をそのまま出力することができる。
セレクター63は、画像データの各画素が、第3エッジ抽出部5により出力された第3エッジであるか否かによって、階調処理を切り替える。セレクター63は、第3エッジである画素については、コントーン処理部62から出力された画像データを選択し、第3エッジ以外の画素については、スクリーン処理部61から出力された画像データを選択し、出力する。
セレクター63は、上記のような階調処理の切り替えを属性データに応じて行うことができる。例えば、エッジ処理部2の対象が文字の属性である場合、セレクター63は、第3エッジである画素の属性データが文字の属性を示す場合のみ、上記のような画像データの選択を行い、コントーン処理部62からの画像データを選択する。第3エッジであっても、属性データが写真や図形の属性を示す場合、セレクター63は常にスクリーン処理部61から出力された画像データを選択する。
画像例を挙げて、上記画像処理装置1の処理内容を具体的に説明する。
以下、画素値を、画素値の値域に対する割合(%)で表す。例えば、画素値の値域が0〜255のとき、画素値50%は画素値128を表す。
図5(a)は、段差構造を持つオブジェクトの画像の一部を示している。オブジェクトの画素値は100%、つまり最大値であり、その背景の画素値は0%、つまり最小値である。図5(b)は、このオブジェクトの最外郭にある画素が、オブジェクトのエッジとして判定されたときの第1エッジを示している。第1エッジのみコントーン処理の対象としたとき、図5(a)に示すように、コントーン処理によって第1エッジの画素が、スクリーン処理された他の領域より強調されるが、段差によってコントーン処理された画素と、スクリーン処理された画素が同じ主走査ライン上に並び、強調された輪郭線が途切れたように見える。
図5(c)は、図5(a)の画像がスムージング処理されたときの画像を示している。スムージング処理によって、第1エッジと段差付近の第1エッジの逆エッジ方向に隣接する画素の画素値が変更され、緩やかな傾斜の段差が表現されている。ここで、図5(b)に示す第1エッジのみがコントーン処理の対象であると、図5(c)に示すように、スムージング処理によって画素値が変更されたが、第1エッジではない画素がスクリーン処理されてしまう。スクリーン処理された画素は、必ずドットが打点される保証が無く、打点される場合もスムージング処理により微調整された画素値がドットの大きさとして正確に反映されるとは限らず、緩やかな傾斜を持つ画像のディテールが再現されない可能性が高い。
しかし、上記実施の形態によれば、スムージング処理によって画素値が変更された画素は、図5(d)に示すように、第2エッジ抽出部4によって第2エッジとして抽出され、第3エッジに加えられる。第3エッジをコントーン処理の対象とすることで、図5(e)に示すように、第1エッジではないが、スムージング処理によって画素値が変更された画素にまでコントーン処理の対象領域が拡張され、スムージング処理によって微調整された画素値をそのままドットに反映することができる。図5(f)は、図5(b)の第1エッジと、図5(d)の第2エッジの論理和として得られた第3エッジを示している。
以上のように、本実施の形態によれば、画像処理装置1は、画像データの各画素の画素値を用いて、オブジェクトのエッジである画素を判定し、第1エッジとして抽出する第1エッジ抽出部3と、画像データをエッジ処理し、当該エッジ処理において、オブジェクトのエッジである画素を判定し、当該画素の画素値又は当該画素とその逆エッジ方向に隣接する画素の画素値を変更するエッジ処理部2と、エッジ処理により画素値が変更された画素を、第2エッジとして抽出する第2エッジ抽出部4と、第1エッジと前記第2エッジを、第3エッジとして抽出する第3エッジ抽出部5と、エッジ処理後の画像データを階調処理する階調処理部6と、を備える。階調処理部6は、エッジ処理後の画像データの各画素が、第3エッジであるか否かによって階調処理の処理内容を切り替え、階調処理後の第3エッジの領域を第3エッジ以外の領域より強調する。
階調処理は、コントーン処理又はスクリーン処理であり、階調処理部6は、第3エッジの画素をコントーン処理した画素値を出力し、第3エッジ以外の画素をスクリーン処理した画素値を出力する。
これにより、オブジェクトのエッジに加え、エッジ処理によって画素値が変更された画素の画素値を、コントーン処理によりそのまま出力することができ、スクリーン処理された領域より強調することができる。強調により、エッジ処理によって形成された画像のディテールを再現することができる。従って、エッジ処理後、階調処理を経ても、エッジ処理の効果を得ることができる。
〔実施の形態2〕
上記実施の形態1において、エッジ処理として、細線化処理又はスムージング処理の何れかを実行する画像処理装置1の例を説明したが、細線化処理とスムージング処理の両方を実行してもよい。
図6は、細線化処理とスムージング処理の両方を実行するエッジ処理部2aを備えた画像処理装置1aの例を示している。画像処理装置1aにおいて、画像処理装置1と同じ構成部には同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
エッジ処理部2aは、細線化処理部21、スムージング処理部22、ブレンド処理部23を備えて構成されている。
細線化処理部21は、画像データを細線化処理し、細線化処理による各画素の画素値の変化量dSTを算出する。細線化処理の内容は上述した処理内容と同じであるので、詳細な説明を省略する。
スムージング処理部22は、画像データをスムージング処理し、スムージング処理による画素値の変化量dSMTを算出する。スムージング処理の内容は上述した処理内容と同じであるので、詳細な説明を省略する。
ブレンド処理部23は、細線化処理部21により算出された変化量dST、スムージング処理部22により算出された変化量dSMTにより、細線化処理とスムージング処理の両方が実現されたときの各画素の画素値を決定する。
以下、ブレンド処理部23が画素値を決定する例を説明するが、画素値の決定方法はこれに限定されない。
ブレンド処理部23は、注目画素の変化量がdST≠0、dSMT≠0であり、注目画素が細線化処理によってもスムージング処理によっても、画素値が変更されている場合、注目画素の元の画素値に変化量dST、dSMTを加算する。ブレンド処理部23は、加算により得られた画素値を、細線化処理とスムージング処理の両方が実現されたときの画素値として出力する。
ブレンド処理部23は、注目画素の変化量がdST≠0、dSMT=0であり、細線化処理によってのみ、注目画素の画素値が変更されている場合、注目画素の元の画素値に変化量dSTを加算する。
注目画素が細線化処理のみされている場合、注目画素のエッジ方向P又は逆エッジ方向Paに隣接する画素は、スムージング処理されていると想定される。逆エッジ方向Paとは、エッジ方向Pと逆方向をいう。よって、ブレンド処理部23は、エッジ方向P又は逆エッジ方向Paの隣接画素がスムージング処理されていれば、隣接画素のスムージング処理による変化量dSMTを、注目画素に加算する。これにより、注目画素とその隣接画素の2画素により、細線化処理とスムージング処理による画素値の変化量を調整することができる。
具体的には、ブレンド処理部23は、注目画素のエッジ方向Pに隣接する画素の変化量dST、dSMTが、dST=0、dSMT≠0であり、隣接する画素がスムージング処理されている場合、この隣接画素の変化量dSMTを追加で加算する。エッジ方向Pではなく、逆エッジ方向Paに隣接する画素の変化量が、dST=0、dSMT≠0であれば、逆エッジ方向Paの隣接画素の変化量dSMTを追加で加算する。
ブレンド処理部23は、注目画素の変化量がdST=0、dSMT≠0であり、スムージング処理によってのみ、注目画素の画素値が変更されている場合、注目画素の元の画素値に変化量dSMTを加算する。
注目画素がスムージング処理のみされている場合、注目画素のエッジ方向P又は逆エッジ方向Paに隣接する画素は、細線化処理されていると想定される。よって、ブレンド処理部23は、エッジ方向P又は逆エッジ方向Paの隣接画素が細線化処理されていれば、隣接画素の細線化処理による変化量dSTを、注目画素に加算し、注目画素と隣接画素の2画素間で画素値を調整する。
ブレンド処理部23は、注目画素の変化量がdST=0、dSMT=0であり、細線化処理によっても、スムージング処理によっても、画素値の変更が無い場合、元の画素値を出力する。
第2エッジ抽出部4は、ブレンド処理部23から出力された各画素の画素値と、元の画像データの各画素の画素値とを比較し、画素値が変更された画素を特定し、第2エッジとして抽出する。
第2エッジは、第3エッジ抽出部5によって第3エッジとして出力されるので、エッジ処理として、細線化処理とスムージング処理の両方を同時に実行し、調整した画素値を、コントーン処理により出力することができる。これにより、実施の形態1と同様に、エッジ処理後、階調処理を経ても、エッジ処理の効果を得ることができる。
〔実施の形態3〕
上記実施の形態1、2によれば、第1エッジと第2エッジが第3エッジとしてコントーン処理され、スクリーン処理された領域よりも強調されるが、コントーン処理された領域が局所的に小さく、画像に途切れが生じる場合がある。
コントーン処理により、第1エッジと第2エッジではエッジ処理後の画素値がそのまま出力されるが、第3エッジの各画素がエッジ方向で隣接する部分はコントーン処理によって出力される画素値が大きくなる。図5(e)の画像例の場合、段差の前後で、コントーン処理後の画素値が2画素合わせて100%を超える領域から、コントーン処理後の画素値が1画素で50%程度の領域に切り替わり、コントーン処理の領域が局所的に細くなっている。この状態で印刷されると、コントーン処理によって強調された領域が途切れたように見えやすい。また、印刷特性によっては、大きい画素値から小さい画素値へ急激に移行すると、印刷時に本来の画素値分のトナーが出力されず、途切れることがある。
上記のような途切れを防止するため、第3エッジ抽出部5は、第2エッジのエッジ方向Pに隣接する画素を、第1エッジ、第2エッジに加え、第3エッジとして抽出することが好ましい。
図5(e)に示す画像例の場合、図5(b)に示す第1エッジと、図5(d)に示す第2エッジの論理和が、第3エッジとして抽出されている。この第2エッジのエッジ方向Pは、P=7の下方向であるので、第3エッジ抽出部5は、第2エッジの4画素の下方向に隣接する4画素を、第3エッジとして抽出する。なお、4画素中、2画素は第1エッジでもあるので、第3エッジ抽出部5は、第1エッジ、第2エッジ、第2エッジのエッジ方向Pに隣接する画素の論理和を第3エッジとして抽出すればよい。これにより、図7(a)に示すように、コントーン処理の対象が、第2エッジのエッジ方向Pに隣接する画素にまで拡張される。図7(b)は、抽出された第3エッジを示している。図7(a)に示すように、エッジ方向における第3エッジのコントーン処理後の画素値は、1画素又は2画素の合計で100%以上となり、上述したような途切れを防ぐことができる。
〔実施の形態4〕
実施の形態3のように、第3エッジとして抽出する画素が増え、コントーン処理の対象領域が拡張されると、コントーン処理された領域が局所的に太くなることがある。図7(a)の画像例でいえば、エッジ方向における第3エッジのコントーン処理後の画素値が、1画素で又は2画素の合計で100%付近の領域に対し、200%近い領域があり、この200%近い領域が印刷によって太って見えやすい。また、印刷特性によっては、大きい画素値が連続すると、印刷時に本来の画素値以上のトナーが過剰に出力されやすく、太りやすい傾向がある。
このような太りを防止するため、階調処理部6が、第3エッジのうち、エッジ方向に隣接する各画素のコントーン処理後の画素値の合計を、一定値に調整することが好ましい。一定値は、任意に設定することができるが、オブジェクトの元の画素値に、コントーン処理によって強調するエッジ方向の画素数を乗算して得られた画素値であることが好ましい。このような一定値により、コントーン処理によって強調する第3エッジのエッジ方向の幅を、画素単位で調整することができる。
図7(a)に示す画像例の場合、コントーン処理の対象である第3エッジのなかには、エッジ方向に2画素が隣接する部分があり、エッジ処理後の画素値が2画素合わせて100%を超えている。コントーン処理によって強調する第3エッジのエッジ方向の幅を1画素幅とする場合、オブジェクトの元の画素値は100%であるので、調整の目標とする一定値は、1画素×100%=100%である。階調処理部6は、エッジ方向に隣接する2画素の画素値の全部又は一部をコントーン処理して、コントーン処理後の画素値を2画素合わせて100%に調整する。図8(a)は、調整後の画像を示している。図8(a)に示すように、隣接する2画素がコントーン処理されるが、コントーン処理後の画素値が2画素合わせて100%に調整されているため、局所的な太りが解消されている。
しかしながら、画素値の一部のみコントーン処理された画素は、図8(a)に示すように、残りの画素値が消失し、白抜けと呼ばれる現象が生じる場合がある。このような現象を防ぐため、図8(b)に示すように、コントーン処理されなかった残りの画素値を、スクリーン処理することが好ましい。
図9は、コントーン処理後の画素値を一定値に調整する階調処理部6aを備えた画像処理装置1bを示している。画像処理装置1bにおいて、画像処理装置1と同じ構成部には、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図9に示すように、画像処理装置1bは、階調処理部6aが、出力分離部81、加算部82を備え、出力分離部81と加算部82間に、スクリーン処理部61、コントーン処理部62が設けられている。
出力分離部81は、第3エッジ抽出部5から出力された第3エッジの各画素が、第1エッジ、第2エッジ、第2エッジのエッジ方向の隣接画素、第1エッジ又は第2エッジの逆エッジ方向に隣接する背景の画素の何れであるかによって、それぞれのエッジ処理後の画素値を、コントーン処理用とスクリーン処理用に分離する。出力分離部81は、コントーン処理用に分離された画素値をコントーン処理部62に出力し、スクリーン処理用に分離された画素値をスクリーン処理部61に出力する。
加算部82は、各画素について、スクリーン処理部61から入力された画素値と、コントーン処理部62から入力された画素値とを加算し、出力する。
以下、エッジ処理の類型を挙げて、階調処理の処理内容の切り替えについて具体的に説明する。
〔エッジ処理により背景の画素値に変更が無い場合〕
エッジ処理が、スムージング処理、細線化処理又はスムージング処理と細線化処理を同時に実行する処理であり、細線化処理によってオブジェクトのエッジの画素値が減じられる場合、第3エッジは、エッジ方向において、第1エッジ、第2エッジの何れか1画素か、又はこれらの画素と第2エッジのエッジ方向の隣接画素の複数の画素が隣接している。
出力分離部81は、これら第3エッジの画素のうち、第1エッジ及び第2エッジについては、エッジ処理後の画素値の全てをコントーン処理部62に出力する。
第2エッジのエッジ方向に隣接する画素については、出力分離部81は、エッジ処理後の画素値のうち、一定値から第2エッジのコントーン処理される画素値を差し引いた画素値を、コントーン処理用に分離し、残りの画素値をスクリーン処理用に分離する。
図7(a)に示すように、画素値0%の背景上に配置された、画素値100%のオブジェクトの画像に対し、スムージング処理のみ実行されたとき、図5(b)に示す第1エッジ、図5(d)に示す第2エッジが抽出されている。この第2エッジのエッジ方向Pは、P=7の下方向であるので、第2エッジの4画素のエッジ方向Pに隣接する画素は、すぐ下の4画素である。すなわち、図7(b)に示す第3エッジは、第1エッジである画素EG1、第2エッジである画素EG2、第1エッジでもあり第2エッジでもある画素EG3、第2エッジのエッジ方向に隣接する画素EG4、第1エッジでもあり第2エッジのエッジ方向に隣接する画素でもある画素EG5に分類することができる。
出力分離部81は、エッジ処理された第3エッジのうち、第1エッジの画素EG1及び第2エッジの画素EG2については、そのエッジ処理後の画素値の全てをコントーン処理部62に出力する。また、出力分離部81は、第1エッジであっても第2エッジの画素EG2、EG3に隣接する画素EG4、EG5であれば、そのエッジ処理後の画素値のうち、一定値から第2エッジの画素EG2、EG3のエッジ処理後の画素値を差し引いた画素値をコントーン処理用に分離し、残りの画素値をスクリーン処理用に分離する。出力分離部81は、分離された各画素値を、それぞれスクリーン処理部61、コントーン処理部62に出力する。
加算部82は、スクリーン処理部61、コントーン処理部62からそれぞれ出力された画素値を加算して出力する。これにより、エッジ方向に隣接する第3エッジの画素が無い第1エッジの画素EG1については、コントーン処理のみの画素値が出力される。第2エッジの画素EG2、EG3は、第3エッジの画素EG4、EG5とエッジ方向で隣接するが、画素EG2、EG3のコントーン処理された画素値と、画素EG4、EG5のコントーン処理された画素値の合計値は、一定値である。結果として、図8(a)に示すように、第3エッジのエッジ方向に隣接する各画素のコントーン処理後の画素値が、一定値に調整される。
細線化処理のみ実行された場合も、上述のスムージング処理のみの場合と同様にして、階調処理部6aは、コントーン処理後の画素値を一定値に調整することができる。
図10(a)は、図5(a)に示す画像が細線化処理されたときの画像を示している。画素EG3は、第1エッジであり、細線化処理によって画素値が変更された第2エッジでもある。第1エッジと第2エッジのみを第3エッジとして、コントーン処理の対象とすると、図10(a)に示すように、画素EG3のみコントーン処理される結果、段差の前後でコントーン処理の領域が途切れる。
図10(b)は、図10(a)の画像において、第2エッジのエッジ方向に隣接する画素EG4も第3エッジに追加した場合の、コントーン処理の対象領域を示している。途切れが解消しているが、領域の拡張により視覚的な太りが生じる可能性がある。
図10(c)は、図10(b)の画像において、階調処理部6aが、上述のスムージング処理のみの場合と同様に、第3エッジのエッジ方向に隣接する各画素のコントーン処理後の画素値を一定値に調整した結果を示している。印刷後にコントーン処理によって強調される濃度が一定となるため、オブジェクトの太りを防止することができる。
スムージング処理と細線化処理が同時に実行された場合も、スムージング処理のみの場合と同様にして、階調処理部6aがコントーン処理後の画素値を一定値に調整することができる。
図11(a)は、図5(a)の画像に対し、細線化処理とスムージング処理が同時に実行されたときの画像を示している。画素EG3は、第1エッジでもあり、細線化処理とスムージング処理によって画素値が変更された第2エッジでもある。第1エッジと第2エッジのみ第3エッジとしてコントーン処理の対象とすると、図11(a)に示すように、画素EG3のみコントーン処理の対象となるため、段差の前後でコントーン処理の領域が局所的に小さくなり、印刷後、途切れて見やすい。
図11(b)は、図11(a)の画像において、第2エッジである画素EG3のエッジ方向Pに隣接する画素EG4を、第3エッジに加えたときのコントーン処理の対象領域を示している。領域の局所的な狭小化は解消しているが、領域の拡張により、印刷後のオブジェクトに太りが生じる可能性がある。
図11(c)は、図11(b)の画像において、階調処理部6aが、上述のスムージング処理のみの場合と同様に、第3エッジのエッジ方向に隣接する各画素EG4のコントーン処理後の画素値を一定値に調整した結果を示している。印刷後にコントーン処理によって強調される濃度が一定となるため、オブジェクトの太りを防止することができる。
細線化処理とスムージング処理が同時に実行された場合を例に、画素値の分離について具体的に説明する。
図12(a)は、背景上に配置された、段差を持つオブジェクトの画像の一部を示している。ここで、背景が画素値0%、オブジェクトが画素値100%であり、このオブジェクトの画像に対し、エッジ処理として細線化処理とスムージング処理が同時に施されると、第1エッジの画素値が変更される。よって、第1エッジの画素は第2エッジでもある。
細線化処理とスムージング処理が同時に施されたときの第2エッジの画素値OUTは、次のようにして求められる。
OUT(%)=If×(100+ST+SMT)
ここで、Ifはオブジェクトの画像の元の画素値を表す。STは、細線化処理による画素値の変化量dSTを、画素値の値域に対する割合に変換したときの値を表す。SMTは、スムージング処理による画素値の変化量dSMTを、画素値の値域に対する割合に変換した値を表す。例えば、ST=−50%は、対象の画素値の50%を減じることを表し、SMT=+25%は、対象の画素値の25%を増加させることを表す。
図12(b)は、図12(a)の画像の第1エッジの画素値が、細線化処理によって50%減じられ、スムージング処理によって段差を境界に−40〜+40%の範囲内で20%毎に画素値が増減されたときの画像を示している。主走査方向においてx1〜x6の位置にある第2エッジの画素値は、上記OUTの算出式から次のように求めることができる。
x1:100%×(100%−50%+ 0%)=50%
x2:100%×(100%−50%+20%)=70%
x3:100%×(100%−50%+40%)=90%
x4:100%×(100%−50%−40%)=10%
x5:100%×(100%−50%−20%)=30%
x6:100%×(100%−50%− 0%)=50%
この第2エッジと第2エッジのエッジ方向に隣接する画素もコントーン処理の対象とすると、図12(b)の例においては、第3エッジの領域は、エッジ方向において、第2エッジの1画素か、又は第2エッジとその隣接画素の2画素が並んでいる。
第2エッジは、第1エッジでもあり、オブジェクトの最外郭を形成するため、出力分離部81は、上述のようにそのエッジ処理後の画素値OUTを全てコントーン処理の対象とし、強調する。オブジェクトの画像が画素値Ifを有するとき、コントーン処理により強調するエッジ方向の画素数を1画素とすると、調整の目標とする一定値は1画素×If=Ifである。
出力分離部81は、第2エッジのコントーン処理する画素値が、一定値Ifに満たない場合、その不足分を第2エッジのエッジ方向に隣接する画素の画素値をコントーン処理することで補う。すなわち、出力分離部81は第2エッジの第2エッジの隣接画素の画素値のうち、一定値Ifから第2エッジのコントーン処理される画素値OUTを差し引いた画素値(If−OUT)を、コントーン処理の対象とする。また、出力分離部81は、第2エッジの隣接画素の残りの画素値{If−(If−OUT)}を、スクリーン処理の対象とし、白抜けを防止する。
下記表1は、x1〜x2の位置にある第2エッジとその隣接画素の各画素のエッジ処理後の画素値が、出力分離部81によって分離されたコントーン処理用、スクリーン処理用の画素値を示している。分離された画素値が、それぞれコントーン処理、スクリーン処理され、加算部82によって加算された後、階調処理後の画素値として出力される。
Figure 2013172284
コントーン処理用、スクリーン処理用に分離された、第2エッジとその隣接画素のエッジ処理後の画素値は、次式で表すことができる。
(第2エッジ)
スクリーン処理用の画素値S2(%)=0
コントーン処理用の画素値C2(%)=OUT
(第2エッジの隣接画素)
スクリーン処理する画素値S2P(%)=If−C2P
コントーン処理する画素値C2P(%)=Wd×If−C2
Wd×Ifは、コントーン処理後の画素値を調整する一定値を表す。Wdは、一定値をオブジェクトの画像の何画素分の画素値とするのかを調整する係数であり、コントーン処理によって輪郭強調する強度を表す。ここでは、Wd=1である。Ifは、オブジェクトの画像の元の画素値を表す。
図12(a)において、オブジェクトの画像が画素値50%の中間調である場合も、画素値100%の場合と同様の処理によって、コントーン処理後の画素値を一定値に調整することができる。
If=50%であるので、x1〜x6の位置にある第2エッジの、細線化処理とスムージング処理が同時に施されたときの画素値OUTは、上記OUTの算出式から、次のように求められる。
x1:50%×(100%+50%+ 0%)=25%
x2:50%×(100%+50%+20%)=35%
x3:50%×(100%+50%+40%)=45%
x4:50%×(100%+50%−40%)= 5%
x5:50%×(100%+50%−20%)=15%
x6:50%×(100%+50%− 0%)=25%
コントーン処理後の一定値Wd×Ifが、1×50%であるので、出力分離部81は、第2エッジとその隣接画素の2画素のコントーン処理後の画素値を合わせた合計が、画素値50%となるように、第2エッジとその隣接画素のエッジ処理後の画素値を、下記表2に示すようにコントーン処理用、スクリーン処理用に分離する。分離された画素値は、それぞれコントーン処理、スクリーン処理され、加算部82によって加算された後、階調処理後の画素値として出力される。
Figure 2013172284
オブジェクトの画像が中間調であっても、調整する一定値が元の中間調の画素値に応じた一定値となるのみで、上述のオブジェクトの画像が最大値を持つ場合と同様に、コントーン処理する画素値をエッジ方向において一定値に調整することができる。
なお、背景の画素が中間調の画素値を持つ場合、エッジ処理、コントーン処理の対象は、第3エッジの画素値から、背景の画素値を差し引いた画素値である。よって、背景の元の画素値をIbと表すと、上述のOUT、コントーン処理用、スクリーン処理用の画素値の演算において、第3エッジの元の画素値Ifを、(If−Ib)に置き換えればよい。
〔エッジ処理により背景の画素値が変更された場合〕
エッジ処理によりオブジェクトの背景の画素の画素値が変更され、背景の元の画素値が最小値である場合、例えば細線化処理において画素値0%の背景の画素の画素値が増加され、オブジェクトが太線化された場合、背景の画素は第2エッジとして抽出される。第3エッジの領域は、エッジ方向において、背景の画素、第1エッジ或いは第2エッジの1画素か、又はこれらの画素と第2エッジのエッジ方向に隣接する画素の複数の画素が隣接している。
これら第3エッジの画素のうち、第1エッジ及び第2エッジについては、出力分離部81は、その元の画素値を、コントーン処理部62に出力する。
第2エッジであっても背景の画素については、出力分離部81は、エッジ方向に隣接する第1エッジ又は第2エッジのエッジ処理後の画素値から、第1エッジ又は第2エッジの元の画素値を差し引いた画素値をコントーン処理用に分離し、残りの画素値をスクリーン処理用に分離する。
第2エッジのエッジ方向に隣接する画素については、出力分離部81は、そのエッジ処理後の画素値のうち、一定値から、第2エッジのコントーン処理される画素値と、背景の画素のコントーン処理される画素値とを差し引いた画素値をコントーン処理用に分離し、残りの画素値をスクリーン処理用に分離する。
図12(a)に示すオブジェクトの画像が、細線化処理によって太線化され、背景の画素の画素値が変更された場合、背景の画素は第2エッジとしてコントーン処理の対象となる。コントーン処理により強調するエッジ方向の画素数を2画素とする場合、調整の目標とする一定値は2画素×If=2×Ifである。
図13(a)は、図12(a)に示すオブジェクトが画素値50%の中間調であり、このオブジェクトの画像に対し、細線化処理によって画素値が50%増加され、スムージング処理によって段差を境界に−40〜+40%の範囲内で20%毎に画素値が増減されたときの画像を示している。図13(a)に示すように、太線化によって前景であるオブジェクトの画像領域が拡大され、前景の第1エッジだけでなく、第2エッジの逆エッジ方向に隣接する背景の画素が、画素値が変更されている。よって、背景及び第1エッジは第2エッジでもある。
x1〜x6の位置にあるオブジェクトの第1エッジのエッジ処理後の画素値は、上記OUTの算出式から、次のように求められる。
x1:50%×(100%+50%+ 0%)=75%
x2:50%×(100%+50%+20%)=85%
x3:50%×(100%+50%+40%)=95%
x4:50%×(100%+50%−40%)=55%
x5:50%×(100%+50%−20%)=65%
x6:50%×(100%+50%− 0%)=75%
太線化によって、第1エッジの画素値が元の画素値If=50%を超えるため、50%を超える余剰分を背景の画素が負担する。第1エッジは第2エッジでもあるが、何れも輪郭を形成する外郭に位置するため、第1エッジの画素値、第1エッジから背景の画素に移る画素値は、コントーン処理されるべき画素値である。
出力分離部81は、第3エッジのエッジ方向に隣接する各画素のうち、第1エッジ又は第2エッジについては、その元の画素値をコントーン処理部62に出力する。
出力分離部81は、第2エッジであっても背景の画素については、エッジ方向に隣接する第1エッジ又は第2エッジのエッジ処理後の画素値から、第1エッジ又は第2エッジの元の画素値を差し引いた画素値を、コントーン処理部62に出力する。
出力分離部81は、エッジ方向に隣接する第1エッジと第2エッジのコントーン処理する画素値が一定値に満たない場合、その不足分を第2エッジのエッジ方向に隣接する画素のエッジ処理後の画素値の一部をコントーン処理することで補う。すなわち、出力分離部81は、第2エッジの隣接画素のエッジ処理後の画素値のうち、第2エッジの画素値を全てコントーン処理しても一定値2×Ifに満たない画素値をコントーン処理部61に出力し、残りの画素値を、スクリーン処理部61に出力する。第2エッジの隣接画素は、エッジ処理によっても画素値に変更が無いので、エッジ処理後の画素値は元の画素値に等しい。
下記表3は、x1〜x2の位置にある第2エッジ(背景、第1エッジ)とその隣接画素の各画素のエッジ処理後の画素値が、出力分離部81によって分離されたコントーン処理用、スクリーン処理用の画素値を示している。分離された画素値が、それぞれコントーン処理、スクリーン処理され、加算部82によって加算された後、階調処理後の画素値として出力される。
Figure 2013172284
コントーン処理用、スクリーン処理用に分離された、第2エッジ(背景、第1エッジ)及び第2エッジの隣接画素の各画素の画素値は、次のように表すことができる。
(背景)
スクリーン処理する画素値Sb=0
コントーン処理する画素値Cb=OUT−If
(第1エッジ)
スクリーン処理する画素値S1=0
コントーン処理する画素値C1=OUT−(OUT−If)=If
(第2エッジの隣接画素)
スクリーン処理する画素値S2P=If−C2P
コントーン処理する画素値C2P=Wd×If−C1−Cb
ここでは、Wd=2である。
これにより、図13(a)に示すように、コントーン処理によって、オブジェクトの元の画像の2画素幅の強度でオブジェクトの輪郭を強調することができ、コントーン処理領域の拡張によるオブジェクトの太りを防止することができる。
〔エッジ処理により背景の画素値が変更され、背景が中間調の画素値を持つ場合〕
上述の例と同様に、エッジ処理によりオブジェクトの背景の画素の画素値が変更されたが、当該背景の画素が中間調の画素値を持つ場合、背景の画素はもともとスクリーン処理の対象であるため、その画素値はスクリーン処理すべき画素値である。
よって、出力分離部81は、第3エッジのエッジ方向に隣接する各画素のうち、第1エッジ及び第2エッジについては、その元の画素値から背景の元の画素値を差し引いた画素値をコントーン処理部62に出力し、背景の元の画素値をスクリーン処理部61に出力する。
第2エッジであっても背景の画素については、出力分離部81は、背景の元の画素値をスクリーン処理部61に出力し、エッジ方向に隣接する第1エッジ又は第2エッジのエッジ処理後の画素値から、第1エッジ又は第2エッジの元の画素値を差し引いた画素値をコントーン処理部62に出力する。
第2エッジのエッジ方向に隣接する画素については、出力分離部81は、そのエッジ処理後の画素値のうち、一定値から、第2エッジのコントーン処理される画素値と、背景の画素のコントーン処理される画素値とを差し引いた画素値をコントーン処理用に分離し、残りの画素値をスクリーン処理用に分離する。
図12(a)に示すオブジェクトが画素値50%の中間調であり、背景も画素値10%の中間調であるとき、図13(b)は、細線化処理によってオブジェクトの画素値が50%増加され、スムージング処理によって段差を境界に20%単位で画素値が増減されたときの画像を示している。図13(b)に示すように、太線化によって前景であるオブジェクトの画像領域が拡大され、前景の第1エッジだけでなく、第1エッジの逆エッジ方向に隣接する背景の画素が、画素値が変更されている。
背景の元の画素値が10%、前景の第1エッジの元の画素値が50%であるので、第1エッジから背景の画素値を差し引いた差分は40%である。細線化処理、スムージング処理及びコントーン処理は、この差分に対して行われるので、細線化処理とスムージング処理が同時に施されたときの第1エッジの画素値OUTは、次のように求められる。
OUT=Ib+(If−Ib)×(100+ST+SMT)
Ibは背景の元の画素値を表す。Ifはオブジェクトの元の画素値を表す。
ここで、If=50%、Ib=10%、ST=+50%、SMTが1画素単位で−40〜+40%の範囲内で20%ずつ変化するので、x1〜x6の位置にある第1エッジのエッジ処理後の画素値OUTは、次のように求められる。
x1:10%+40%×(100%+50%+ 0%)=70%
x2:10%+40%×(100%+50%+20%)=78%
x3:10%+40%×(100%+50%+40%)=86%
x4:10%+40%×(100%+50%−40%)=54%
x5:10%+40%×(100%+50%−20%)=62%
x6:10%+40%×(100%+50%− 0%)=20%
太線化によって、第1エッジの画素値は常に元の画素値If=50%を超えるため、50%を超える余剰分を、逆エッジ方向に隣接する背景の画素が負担する。第1エッジの逆エッジ方向Paが全てPa=2であり、第1エッジの真上に隣接する背景の画素が負担する場合、x1〜x6の位置にある各背景の画素の画素値は、次のように求められる。
x1:10%+20%=30%
x2:10%+28%=38%
x3:10%+36%=46%
x4:10%+ 4%=14%
x5:10%+12%=22%
x6:10%+20%=30%
第1エッジと背景の画素は輪郭を形成する外郭に位置するため、その画素値の全てをコントーン処理する必要がある。しかしながら、コントーン処理は背景と前景の画素値の差分に対して行われるため、第1エッジの画素値のうち、コントーン処理すべき画素値は背景との差分に該当する画素値である。また、第1エッジから背景の画素へ移動した画素値は、コントーン処理すべきであるが、元々背景の画素はスクリーン処理される画素であるため、背景の元の画素値Ib=10%を超える余剰分は、スクリーン処理すべき画素値である。また、第1エッジと背景の画素からなる第2エッジの2画素を合わせても、コントーン処理後の画素値が、一定値Wd×(If−Ib)に満たない場合、不足分を第2エッジのエッジ方向の隣接画素のエッジ処理後の画素値の一部をコントーン処理することで補う。第2エッジの隣接画素は、エッジ処理によっても画素値に変更が無いので、エッジ処理後の画素値は元の画素値に等しい。
下記表4は、x1〜x2の位置にある第2エッジ(背景、第1エッジ)とその隣接画素の各画素のエッジ処理後の画素値が、出力分離部81によって分離されたコントーン処理用、スクリーン処理用の画素値を示している。分離された画素値が、それぞれコントーン処理、スクリーン処理され、加算部82によって加算された後、階調処理後の画素値として出力される。
Figure 2013172284
コントーン処理用、スクリーン処理用に分離された、第2エッジ(背景、第1エッジ)及び第2エッジの隣接画素の各画素の画素値は、次のように表すことができる。
(背景)
スクリーン処理する画素値Sb=Ib
コントーン処理する画素値Cb=OUT−If
(第1エッジ)
スクリーン処理する画素値S1=Ib
コントーン処理する画素値C1={OUT−(OUT−If)}−Ib=If−Ib
(第2エッジの隣接画素)
スクリーン処理する画素値S2P=If−C2P
コントーン処理する画素値C2P=Wd×(If−Ib)−C1−Cb
ここでは、Wd=2である。
これにより、図13(b)に示すように、背景が中間調であっても、コントーン処理によって、オブジェクトの元の画像の2画素幅の強度でオブジェクトの輪郭を強調することができ、コントーン処理領域の拡張によるオブジェクトの太りを防止することができる。
なお、スクリーン処理部61、コントーン処理部62の直前に、それぞれ重み付け演算部を設け、重み付け演算部によって、分離後、スクリーン処理部61、コントーン処理部62に出力されたそれぞれの画素値を重み付けしてもよい。重み付けにより、スクリーン処理、コントーン処理のそれぞれの強度の調整の自由度が向上する。
また、エッジ処理、コントーン処理の条件を、ユーザーが設定できる構成としてもよい。
図14は、ユーザーがエッジ処理、コントーン処理の条件を設定することができる操作画面例を示している。
図14に示すように、操作画面上には、細線化、輪郭強調、スムージングの設定項目が設けられている。細線化の項目では、細線化/太線化の実行の有無、実行する場合はその強弱を選択するためのボタンが設けられている。例えば、「細線化強い」のボタンは、ST=−40%、「細線化弱い」のボタンは、ST=−20%、「太線化弱い」のボタンは、ST=+20%に対応し、何れもコントーン処理により強調する画素数Wd=1画素の条件に対応している。「太線化強い」のボタンは、ST=+40%、コントーン処理により強調する画素数Wd=2画素の条件に対応している。輪郭強調の項目では、コントーン処理による輪郭強調の実行の有無を選択するためのボタンが設けられている。スムージングの項目では、スムージング処理の実行の有無を選択するためのボタンが設けられている。
上記操作画面において、ユーザーのボタン操作により選択された条件で、エッジ処理部2が細線化処理、スムージング処理等のエッジ処理を実行し、階調処理部6がコントーン処理、スクリーン処理を実行する。
〔実施の形態5〕
図1に示した画像処理装置1において、階調処理部6が、画像データの各画素が第3エッジであればコントーン処理していたが、階調処理部6が、第3エッジの画素のエッジ処理後の画素値をコントーン処理する一方、スクリーン処理し、コントーン処理後の画素値と、スクリーン処理後の画素値のうち、何れか大きい方を選択して出力してもよい。
具体的には、セレクター63が、第3エッジについては、スクリーン処理部61から出力された画素値と、コントーン処理部62から出力された画素値のうち、何れか大きい方を選択して出力する。
これにより、実施の形態1と同様に、第3エッジの領域を第3エッジ以外の領域よりも強調することができるのはもちろん、実施の形態1によりも第3エッジの強調の強度を大きくすることができる。
〔実施の形態6〕
図1に示した画像処理装置1において、階調処理部6が、画像データの各画素が第3エッジであるか否かによって、コントーン処理とスクリーン処理を切り替えていたが、何れも階調処理としてスクリーン処理し、第3エッジの画素に対し、第3エッジ以外の画素よりもスクリーン線数が高線数のスクリーン処理を施してもよい。
例えば、図1の画像処理装置1において、階調処理部6のスクリーン処理部61が、第3エッジ抽出部5から第3エッジの情報を入力する構成とする。スクリーン処理部61は、スクリーン線数が異なる閾値マトリクスを複数備え、第3エッジの画素に対しては、第3エッジ以外の画素に対して使用するスクリーン線数よりも高いスクリーン線数の閾値マトリクスを用いてスクリーン処理する。具体的には、第3エッジ以外の画素に用いられるスクリーン線数よりも、第3エッジの画素に用いられるスクリーン線数が、2〜20倍程度であることが好ましい。
これにより、第3エッジにおいて形成されるスクリーン線の密度が、第3エッジ以外よりも高くなり、第3エッジが構成する輪郭線を強調することが可能である。
また、階調処理部6が、第3エッジに対し、コントーン処理ではなく、誤差拡散処理することも有効である。スクリーン処理によれば、ドットの集合による網点の配置を一定間隔として網点の面積によって階調が表現されるが、誤差拡散処理は、ドットがランダムに配置され、ドットの密度によって階調が表現される。誤差拡散処理によれば、同一の濃度領域におけるドットの打点の割合が、スクリーン処理に比べて大きく、第3エッジを誤差拡散処理することにより、スクリーン処理された第3エッジ以外の領域より第3エッジの領域を強調することができる。また、ジャギーの発生を抑制することも可能である。
例えば、図1の画像処理装置1において、階調処理部6が、コントーン処理部62に代えて誤差拡散処理部を備え、画像データの各画素が第3エッジであれば、誤差拡散処理部により誤差拡散処理した画素値を出力し、第3エッジ以外であれば、スクリーン処理部61によりスクリーン処理した画素値を出力する。
〔実施の形態7〕
図1に示した画像処理装置1において、階調処理部6がγ補正処理部を備えて、階調処理としてγ補正処理を行い、入力値に対する出力値が、第3エッジ以外の画素よりも第3エッジの画素の方が大きいγ補正処理を、第3エッジの画素に施すようにしてもよい。
これにより、第3エッジの画素値が第3エッジ以外の画素より大きい画素値で出力され、第3エッジの領域を他の領域よりも強調することができる。
例えば、階調処理部6は、第3エッジ以外の画素については、図15に示すようなγ補正曲線H1によって、γ補正処理する。γ補正曲線H1は、入力に対する出力が1となるように、画素値を補正するときの入力と出力の関係を示している。一方、第3エッジの画素については、階調処理部6は、図15に示すγ補正曲線H2によって、γ補正処理する。γ補正曲線H2は、入力に対する出力が1.1となるように、画素値を補正するときの入力と出力の関係を示している。
上記のようなγ補正処理をした後、第3エッジをコントーン処理部62によりコントーン処理して出力し、第3エッジ以外の画素をスクリーン処理部61スクリーン処理して出力してもよい。より第3エッジの強調の強度を大きくすることができる。
上述した実施の形態は本発明の好適な一例であり、これらに限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、画像処理装置の各構成部の処理内容をプログラム化し、当該プログラムをCPU(Central Processing Unit)等のハードウェアが読み出し、実行することによって、上述した画像処理方法を実現してもよい。このようなプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としては、ROM、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、プログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
1 画像処理装置
2 エッジ処理部
3 第1エッジ抽出部
4 第2エッジ抽出部
5 第3エッジ抽出部
6 階調処理部
61 スクリーン処理部
62 コントーン処理部
63 セレクター
1a 画像処理装置(他の実施の形態)
2a エッジ処理部
21 細線化処理部
22 スムージング処理部
23 ブレンド処理部
1b 画像処理装置(他の実施の形態)
6a 階調処理部
81 出力分離部
82 加算部

Claims (13)

  1. 画像データの各画素の画素値を用いて、オブジェクトのエッジである画素を判定し、第1エッジとして抽出する第1エッジ抽出部と、
    前記画像データをエッジ処理し、当該エッジ処理において、オブジェクトのエッジである画素の画素値又は当該画素とその逆エッジ方向に隣接する画素の画素値を変更するエッジ処理部と、
    前記エッジ処理により画素値が変更された画素を、第2エッジとして抽出する第2エッジ抽出部と、
    前記第1エッジと前記第2エッジを、第3エッジとして抽出する第3エッジ抽出部と、
    前記エッジ処理後の画像データを階調処理する階調処理部と、を備え、
    前記階調処理部は、前記エッジ処理後の画像データの各画素が、前記第3エッジであるか否かによって階調処理の処理内容を切り替え、階調処理後の第3エッジの領域を第3エッジ以外の領域より強調する画像処理装置。
  2. 前記第3エッジ抽出部は、前記第2エッジのエッジ方向に隣接する画素を抽出し、前記第3エッジに加える請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記階調処理は、コントーン処理又はスクリーン処理であり、
    前記階調処理部は、前記第3エッジの画素をコントーン処理した画素値を出力し、第3エッジ以外の画素をスクリーン処理した画素値を出力する請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記階調処理部は、
    前記第3エッジの画素をコントーン処理した画素値を出力し、第3エッジ以外の画素をスクリーン処理した画素値を出力し、
    前記第3エッジのうち、エッジ方向に隣接する各画素のコントーン処理後の画素値の合計を、一定値に調整する請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記階調処理部は、前記第3エッジのエッジ方向に隣接する各画素のうち、
    前記第1エッジ及び第2エッジについては、エッジ処理後の画素値の全てをコントーン処理して出力し、
    前記第2エッジのエッジ方向に隣接する画素については、エッジ処理後の画素値のうち、前記一定値から前記第2エッジのコントーン処理される画素値を差し引いた画素値をコントーン処理し、残りの画素値をスクリーン処理し、それぞれの処理後の画素値を加算して出力する請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記階調処理部は、前記エッジ処理によりオブジェクトの背景の画素の画素値が変更され、背景の元の画素値が最小値である場合、前記第3エッジのエッジ方向に隣接する各画素のうち、
    前記第1エッジ及び第2エッジについては、元の画素値を、コントーン処理して出力し、
    前記背景の画素については、エッジ方向に隣接する前記第1エッジ又は第2エッジのエッジ処理後の画素値から、当該第1エッジ又は第2エッジの元の画素値を差し引いた画素値を、コントーン処理して出力し、
    前記第2エッジのエッジ方向に隣接する画素については、エッジ処理後の画素値のうち、前記一定値から、前記第2エッジのコントーン処理される画素値と、前記背景の画素のコントーン処理される画素値とを差し引いた画素値をコントーン処理し、残りの画素値をスクリーン処理し、それぞれの処理後の画素値を加算して出力する請求項4に記載の画像処理装置。
  7. 前記階調処理部は、前記エッジ処理によりオブジェクトの背景の画素の画素値が変更され、当該背景の画素が中間調の画素値を持つ場合、前記第3エッジのエッジ方向に隣接する各画素のうち、
    前記第1エッジ及び第2エッジについては、元の画素値から背景の元の画素値を差し引いた画素値をコントーン処理し、背景の元の画素値をスクリーン処理し、それぞれの処理後の画素値を加算して出力し、
    前記背景の画素については、背景の元の画素値をスクリーン処理し、エッジ方向に隣接する前記第1エッジ又は第2エッジのエッジ処理後の画素値から、前記第1エッジ又は第2エッジの元の画素値を差し引いた画素値をコントーン処理し、それぞれの処理後の画素値を加算して出力し、
    前記第2エッジのエッジ方向に隣接する画素については、エッジ処理後の画素値のうち、前記一定値から、前記第2エッジのコントーン処理される画素値と、前記背景の画素のコントーン処理される画素値とを差し引いた画素値をコントーン処理し、残りの画素値をスクリーン処理し、それぞれの処理後の画素値を加算して出力する請求項4に記載の画像処理装置。
  8. 前記一定値は、前記オブジェクトの画素の画素値に、コントーン処理によって強調するエッジ方向の画素数を乗算して得られた画素値である請求項4〜7の何れか一項に記載の画像処理装置。
  9. 前記階調処理は、スクリーン処理又はコントーン処理であり、
    前記階調処理部は、前記第3エッジの画素の画素値をコントーン処理する一方、スクリーン処理し、コントーン処理後の画素値と、スクリーン処理後の画素値のうち、何れか大きい方を選択して出力する請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  10. 前記階調処理は、スクリーン処理であり、
    前記階調処理部は、前記第3エッジの画素に対し、前記第3エッジ以外の画素よりもスクリーン線数が高線数のスクリーン処理を施す請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  11. 前記階調処理は、γ補正処理であり、
    前記階調処理部は、入力値に対する出力値が、第3エッジ以外の画素よりも前記第3エッジの画素の方が大きいγ補正処理を、前記第3エッジの画素に施す請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  12. 前記エッジ処理は、スムージング処理、細線化処理又はスムージング処理と細線化処理を同時に実行する処理である請求項1〜11の何れか一項に記載の画像処理装置。
  13. 画像データの各画素の画素値を用いて、オブジェクトのエッジである画素を判定し、第1エッジとして抽出する工程と、
    前記画像データをエッジ処理し、当該エッジ処理において、オブジェクトのエッジである画素の画素値又は当該画素とその逆エッジ方向に隣接する画素の画素値を変更する工程と、
    前記エッジ処理により画素値が変更された画素を、第2エッジとして抽出する工程と、
    前記第1エッジと前記第2エッジを、第3エッジとして抽出する工程と、
    前記エッジ処理後の画像データを階調処理する工程と、を含み、
    前記階調処理する工程において、前記エッジ処理後の画像データの各画素が、前記第3エッジであるか否かによって階調処理の処理内容を切り替え、階調処理後の第3エッジの領域を第3エッジ以外の領域より強調する画像処理方法。
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