JP2013171884A - 変圧器 - Google Patents
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Abstract
【課題】延面距離を簡便に設けることができる変圧器を提供する。
【解決手段】 本願発明に係る変圧器では、突出部32は、胴部31に巻回されて筒状体にされた第1巻線1の筒状体端部を臨む第1規制面と、前記胴部に巻回されて筒状体にされた前記第2巻線の当該筒状体端部を臨む第2規制面とを備え、第2規制面は、胴部31の径の内外方向について第1規制面と隣接するものであり、第2規制面が胴部31の軸方向について第1規制面と異なる位置に設けられることにより、第1規制面と第2規制面との間には、胴部31の軸方向に沿って伸びる段差部35が形成され、絶縁部材4は、第2巻線2に対し第1巻線1が呈する筒状体表面を覆うと共に、第1巻線1が呈する筒状体の端部からはみ出して段差部35へ沿う。
【選択図】図2
【解決手段】 本願発明に係る変圧器では、突出部32は、胴部31に巻回されて筒状体にされた第1巻線1の筒状体端部を臨む第1規制面と、前記胴部に巻回されて筒状体にされた前記第2巻線の当該筒状体端部を臨む第2規制面とを備え、第2規制面は、胴部31の径の内外方向について第1規制面と隣接するものであり、第2規制面が胴部31の軸方向について第1規制面と異なる位置に設けられることにより、第1規制面と第2規制面との間には、胴部31の軸方向に沿って伸びる段差部35が形成され、絶縁部材4は、第2巻線2に対し第1巻線1が呈する筒状体表面を覆うと共に、第1巻線1が呈する筒状体の端部からはみ出して段差部35へ沿う。
【選択図】図2
Description
本願発明は、変圧器に関する。
一般に、変成器又はトランスとも呼ばれる変圧器は、交流電力の電圧の高さについて、電磁誘導を利用して変換する電力機器や電子部品である。
変圧器は、鉄心を通されたボビンに巻かれる、入力側の導線の一次巻線と出力側の導線の二次巻線とを備える。例えば一次巻線は、ボビンに下巻きとして巻回され、当該一次巻線の上に上巻きとして二次巻線が巻回される。
一次巻線と二次巻線との間には、絶縁部材が設けられ、両巻線は絶縁されている。
この絶縁部材には、二次巻線に対してボビンへ巻回されて筒状体にされた一次巻線の外周面を絶縁することができるものであれば、不定形なものも含めてどのようなものでもよいが、特に筒状体とされた一次巻線の外周面を簡単に被覆できることから、合成樹脂テープ、油紙或いは合成樹脂のシートが用いられる。
変圧器は、鉄心を通されたボビンに巻かれる、入力側の導線の一次巻線と出力側の導線の二次巻線とを備える。例えば一次巻線は、ボビンに下巻きとして巻回され、当該一次巻線の上に上巻きとして二次巻線が巻回される。
一次巻線と二次巻線との間には、絶縁部材が設けられ、両巻線は絶縁されている。
この絶縁部材には、二次巻線に対してボビンへ巻回されて筒状体にされた一次巻線の外周面を絶縁することができるものであれば、不定形なものも含めてどのようなものでもよいが、特に筒状体とされた一次巻線の外周面を簡単に被覆できることから、合成樹脂テープ、油紙或いは合成樹脂のシートが用いられる。
上記一次巻線の筒状体の端部と二次巻線の筒状体の端部との間において漏電やショートが生じないよう、当該部分における絶縁も他の部分と同様確実に行われる必要がある。このような要請から、JIS C 61558−1:2008(表13)においても、一次巻線の入力側と二次巻線の出力側との間の絶縁に必要な距離として、所定の延面距離を確保することが規定されている。
その一方、絶縁部材を厚くしたり多重に介在させることは、変圧器の肥大化を招くものである。
このため、特許文献1においては、周囲に巻回面を有するボビンと、上記ボビンの上記巻回面の周囲に導線が巻回されてなる一次巻線層と、上記ボビンの上記巻回面の周囲に導線が巻回されてなる二次巻線層と、上記一次巻線層および二次巻線層との間に配置されて両者の間を絶縁する絶縁層とを備え、上記絶縁層が、上記ボビンの上記巻回面以外の部分まで延出していると共に、上記ボビンの端部に沿って屈曲された変圧器が示され(請求項1)、上記ボビンの少なくとも一端に上記巻回面よりも外側に突出するフランジが設けられており、上記絶縁層が上記フランジの表面に沿って屈曲された変圧器が示されている(請求項2)。
具体的には、特許文献1において、一次巻線と二次巻線とを電気的に絶縁する絶縁部材として、ボビンに巻かれて筒状にされた下巻線の胴部を覆う層間テープと、胴部の両端からフランジに沿って屈曲する屈曲テープとにて構成されたものが示されている(第1実施形態)。また、特許文献1には、上記絶縁部材として、上記のテープに代えて端部がフランジに沿って屈曲する筒状のプラスチック等の成形品が示されている。
その一方、絶縁部材を厚くしたり多重に介在させることは、変圧器の肥大化を招くものである。
このため、特許文献1においては、周囲に巻回面を有するボビンと、上記ボビンの上記巻回面の周囲に導線が巻回されてなる一次巻線層と、上記ボビンの上記巻回面の周囲に導線が巻回されてなる二次巻線層と、上記一次巻線層および二次巻線層との間に配置されて両者の間を絶縁する絶縁層とを備え、上記絶縁層が、上記ボビンの上記巻回面以外の部分まで延出していると共に、上記ボビンの端部に沿って屈曲された変圧器が示され(請求項1)、上記ボビンの少なくとも一端に上記巻回面よりも外側に突出するフランジが設けられており、上記絶縁層が上記フランジの表面に沿って屈曲された変圧器が示されている(請求項2)。
具体的には、特許文献1において、一次巻線と二次巻線とを電気的に絶縁する絶縁部材として、ボビンに巻かれて筒状にされた下巻線の胴部を覆う層間テープと、胴部の両端からフランジに沿って屈曲する屈曲テープとにて構成されたものが示されている(第1実施形態)。また、特許文献1には、上記絶縁部材として、上記のテープに代えて端部がフランジに沿って屈曲する筒状のプラスチック等の成形品が示されている。
しかし、特許文献1において、上記二種の絶縁用テープを用意し張り付ける手間や、一次巻線を覆う端部が屈曲した成形品を形成する手間が要求される。
本願発明は、巻線間の端部間において絶縁に必要とされる距離を簡単に従来より大きく確保することを可能として上記問題の解決を図る。
本願発明は、巻線間の端部間において絶縁に必要とされる距離を簡単に従来より大きく確保することを可能として上記問題の解決を図る。
本願の請求項1の発明は、一次巻線及び二次巻線の少なくとも2つの導線の巻線と、ボビンと、絶縁部材とを備え、前記一次巻線と二次巻線の一方を第1巻線とし他の一方を第2巻線として、前記ボビンは、第1巻線が巻回される胴部と、前記胴部の両端に設けられて胴部表面よりも当該胴部の径外方向へ突出する突出部とを備え、前記絶縁部材を介してボビンに巻回された第1巻線の上に第2巻線が巻回され、突出部は、第1巻線及び第2巻線が前記胴部の端部から脱落するのを防止する変圧器について、次の構成を採るものを提供する。
即ち、前記突出部は、前記胴部に巻回されて筒状体にされた前記第1巻線の端部を臨む第1規制面と、第1巻線の当該筒状体に巻回されて筒状体にされた前記第2巻線の端部を臨む第2規制面とを備え、前記第2規制面は、前記胴部の径の内外方向について前記第1規制面と隣接するものであり、前記第2規制面が前記胴部の軸方向について前記第1規制面と異なる位置に設けられることにより、前記第1規制面と第2規制面との間には、前記胴部の軸方向に沿って伸びる段差部が形成され、上記ボビンの径内外方向について上記第2規制面が上記第1規制面と面一とならないものであり、前記絶縁部材は、前記第2巻線に対し前記第1巻線が呈する筒状体外周面を覆うと共に、前記第1巻線が呈する筒状体の端部からはみ出して上記段差部へ沿う。
尚、ここでいう変圧器には、鉄心を備えた通常の変圧器の他、鉄心を備えないものも含む。
本願の請求項2の発明は、本願の上記請求項1の発明に係る変圧器にあって、次の構成を採るものを提供する。
即ち、前記胴部の軸方向が上下方向となるよう前記胴部を縦に配置した状態において、前記突出部は、前記胴部の上端と下端に設けられて横方向へ突出するものであり、前記胴部の上端側の突出部において、前記第2規制面は、上記段差部によって前記第1規制面よりも上方へ位置し、前記胴部の下端側の突出部において、前記第2規制面は、上記段差部によって前記第1規制面よりも下方へ位置するものであり、前記第2巻線部が呈する筒状体の上端は、第1巻線部が呈する筒状体の上端よりも上方に配置され、前記第2巻線部の筒状体の下端は、第1巻線部の筒状体の下端よりも下方に配置され、前記絶縁部材は、前記第1巻線部が呈する筒状体の上下の端部から、前記段差部側へ前記胴部の軸方向へ沿って上方及び下方へ向け延設されたものであり、前記絶縁部材は、筒状体若しくは丸めて筒状体にすることができるシート状体であり、前記絶縁部材が呈する筒状体端部の内周面が、上記段差部に沿うものである。
本願の請求項3の発明は、本願の上記請求項1又は2の発明に係る変圧器にあって、次の構成を採るものを提供する。
即ち、前記胴部は中空であり、前記胴部の当該中空の内部へ鉄心が通され、前記突出部は、前記胴部の外径よりも径の大きなフランジであり、前記第1規制面は、前記突出部における前記胴部側の面へ設けられて胴部の径外側へ位置する面であり、前記第2規制面は、前記突出部の前記胴部側の面において前記第1規制部の径外側へ位置する面であり、前記段差部の段差は、前記胴部の軸方向について、6mm〜8mmの幅を備えたものである。
即ち、前記突出部は、前記胴部に巻回されて筒状体にされた前記第1巻線の端部を臨む第1規制面と、第1巻線の当該筒状体に巻回されて筒状体にされた前記第2巻線の端部を臨む第2規制面とを備え、前記第2規制面は、前記胴部の径の内外方向について前記第1規制面と隣接するものであり、前記第2規制面が前記胴部の軸方向について前記第1規制面と異なる位置に設けられることにより、前記第1規制面と第2規制面との間には、前記胴部の軸方向に沿って伸びる段差部が形成され、上記ボビンの径内外方向について上記第2規制面が上記第1規制面と面一とならないものであり、前記絶縁部材は、前記第2巻線に対し前記第1巻線が呈する筒状体外周面を覆うと共に、前記第1巻線が呈する筒状体の端部からはみ出して上記段差部へ沿う。
尚、ここでいう変圧器には、鉄心を備えた通常の変圧器の他、鉄心を備えないものも含む。
本願の請求項2の発明は、本願の上記請求項1の発明に係る変圧器にあって、次の構成を採るものを提供する。
即ち、前記胴部の軸方向が上下方向となるよう前記胴部を縦に配置した状態において、前記突出部は、前記胴部の上端と下端に設けられて横方向へ突出するものであり、前記胴部の上端側の突出部において、前記第2規制面は、上記段差部によって前記第1規制面よりも上方へ位置し、前記胴部の下端側の突出部において、前記第2規制面は、上記段差部によって前記第1規制面よりも下方へ位置するものであり、前記第2巻線部が呈する筒状体の上端は、第1巻線部が呈する筒状体の上端よりも上方に配置され、前記第2巻線部の筒状体の下端は、第1巻線部の筒状体の下端よりも下方に配置され、前記絶縁部材は、前記第1巻線部が呈する筒状体の上下の端部から、前記段差部側へ前記胴部の軸方向へ沿って上方及び下方へ向け延設されたものであり、前記絶縁部材は、筒状体若しくは丸めて筒状体にすることができるシート状体であり、前記絶縁部材が呈する筒状体端部の内周面が、上記段差部に沿うものである。
本願の請求項3の発明は、本願の上記請求項1又は2の発明に係る変圧器にあって、次の構成を採るものを提供する。
即ち、前記胴部は中空であり、前記胴部の当該中空の内部へ鉄心が通され、前記突出部は、前記胴部の外径よりも径の大きなフランジであり、前記第1規制面は、前記突出部における前記胴部側の面へ設けられて胴部の径外側へ位置する面であり、前記第2規制面は、前記突出部の前記胴部側の面において前記第1規制部の径外側へ位置する面であり、前記段差部の段差は、前記胴部の軸方向について、6mm〜8mmの幅を備えたものである。
本願の請求項1〜3の発明では、変圧器において、ボビンの端部に段差部を設けることにより、従来のようにボビンに巻かれた第1巻線と第2巻線夫々の端部と対応する第1規制面と第2規制面の両面をボビンの径内外方向について面一としない。このため、本願発明は、従来のようにボビンの径の内外方向についてのみならず、ボビンの軸方向についての第1巻線の端部と第2巻線の端部との間の幅を当該両端部間の距離の成分に含めることができ、従来の上記面一の場合よりも第1巻線の端部と第2巻線の端部の間の距離を大きく確保できるものとした。
特に本願の請求項2の発明にあっては、製造時において、第2巻線の巻回前、当該段差部へ絶縁部材の端部の位置を合わせることにより、簡単且つ確実に、絶縁部材を第2巻線に対し第1巻線の筒状体表面を被覆するように配置することができる。
また、本願の請求項2の発明では、第1巻線の呈する筒状体と第2巻線の呈する筒状体について、ボビン軸方向の長さを異なるものとする。このため、第1巻線と第2巻線のうち、絶縁部材の長さを当該軸方向について幅の大きなほうの巻線に合わせて、筒状の絶縁部材の軸方向の長さを短いほうの巻線の軸方向の長さよりも長いものとでき、延面距離について、当該段差部を設けない場合よりも長く確保できるものとした。
一般に動作電圧が25V〜1000Vの変圧器において、入力回路の充電部と出力回路との間の絶縁、隣合う入力回路間の絶縁、及び、隣合う出力回路間の絶縁では、夫々1.2mm〜16mmの延面距離が必要とされる。本願の請求項3の発明では、段差部により、ショートの危惧が少なく且つ一次側と二次側の間の変圧に影響の少ない6〜8mmの幅を、上記延面距離の成分の少なくとも一部として確保した。
特に本願の請求項2の発明にあっては、製造時において、第2巻線の巻回前、当該段差部へ絶縁部材の端部の位置を合わせることにより、簡単且つ確実に、絶縁部材を第2巻線に対し第1巻線の筒状体表面を被覆するように配置することができる。
また、本願の請求項2の発明では、第1巻線の呈する筒状体と第2巻線の呈する筒状体について、ボビン軸方向の長さを異なるものとする。このため、第1巻線と第2巻線のうち、絶縁部材の長さを当該軸方向について幅の大きなほうの巻線に合わせて、筒状の絶縁部材の軸方向の長さを短いほうの巻線の軸方向の長さよりも長いものとでき、延面距離について、当該段差部を設けない場合よりも長く確保できるものとした。
一般に動作電圧が25V〜1000Vの変圧器において、入力回路の充電部と出力回路との間の絶縁、隣合う入力回路間の絶縁、及び、隣合う出力回路間の絶縁では、夫々1.2mm〜16mmの延面距離が必要とされる。本願の請求項3の発明では、段差部により、ショートの危惧が少なく且つ一次側と二次側の間の変圧に影響の少ない6〜8mmの幅を、上記延面距離の成分の少なくとも一部として確保した。
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
尚、説明の便宜上、各図において、Uは上方を、Sは下方を、Fは前方を、Bは後方を、Lは左方を、Rは右方を示す。
図1〜3へ示す通り、この変圧器は、第1巻線1と、第2巻線2と、ボビン3と、絶縁部材4と、鉄心5と、鉄心固定部6と、端子7とを備える。
以下各部の構成について順に説明する。
尚、説明の便宜上、各図において、Uは上方を、Sは下方を、Fは前方を、Bは後方を、Lは左方を、Rは右方を示す。
図1〜3へ示す通り、この変圧器は、第1巻線1と、第2巻線2と、ボビン3と、絶縁部材4と、鉄心5と、鉄心固定部6と、端子7とを備える。
以下各部の構成について順に説明する。
(第1巻線1)
この実施の形態において、第1巻線1は、変圧器の入力側の一次巻線であり、ボビンに下巻きされる。第1巻線1は導線である。第1巻線1は金属線にて構成される。第1巻線1は、絶縁用の樹脂にて被覆された金属線であっても実施できるが、変圧器の小型化の観点から当該樹脂にて被覆されていない金属線とするのが好ましい。この実施の形態において、第1巻線は、上記絶縁樹脂にて被覆されない金属線とする。第1巻線1には、エナメル線が適する。但し、第1巻線1は、電気の導体であればよく、他の素材にて形成して実施してもよい。
この実施の形態において、第1巻線1は、変圧器の入力側の一次巻線であり、ボビンに下巻きされる。第1巻線1は導線である。第1巻線1は金属線にて構成される。第1巻線1は、絶縁用の樹脂にて被覆された金属線であっても実施できるが、変圧器の小型化の観点から当該樹脂にて被覆されていない金属線とするのが好ましい。この実施の形態において、第1巻線は、上記絶縁樹脂にて被覆されない金属線とする。第1巻線1には、エナメル線が適する。但し、第1巻線1は、電気の導体であればよく、他の素材にて形成して実施してもよい。
(第2巻線2)
この実施の形態において、第2巻線2は、変圧器の出力側の二次巻線であり、第1巻線1の上に上巻きされる。第2巻線2は、第1巻線と同様の導線である。
この実施の形態において、第2巻線2は、変圧器の出力側の二次巻線であり、第1巻線1の上に上巻きされる。第2巻線2は、第1巻線と同様の導線である。
(ボビン3)
ボビン3は、図3(A)(B)へ示す通り、胴部31と、胴部31の両端に設けられた突出部32とを備える。ボビン3は、絶縁性の素材にて形成される。この実施の形態において、ボビン3は樹脂にて形成されている。
胴部31は、中空の筒状体である。即ち、胴部31の内部には、中空部分30が設けられており、胴部31の両端は開口する(図2(A)、図3(B))。胴部31の外周面に上記第1巻線1が巻回される。胴部31へ巻回されて筒状体にされた第1巻線1の外周に、絶縁部材4を介して第2巻線2が巻回される。
図3(A)(B)へ示す通り、この実施の形態において、胴部3は、断面が略矩形である四角柱状の筒状体であるが、断面が円形の円筒としても実施できる。更に胴部31は、断面が三角形や五角形以上の多角形である角柱状の筒状体としても実施できる。
突出部32は、胴部31表面即ち胴部31外周面よりも当該胴部31の径外方向へ突出する。この実施の形態において、突出部32は胴部31の外径よりも径の大きなフランジである。当該突出部32にて、胴部31に巻回された巻線が胴部31から抜けるのを防止する。
ボビン3は、図3(A)(B)へ示す通り、胴部31と、胴部31の両端に設けられた突出部32とを備える。ボビン3は、絶縁性の素材にて形成される。この実施の形態において、ボビン3は樹脂にて形成されている。
胴部31は、中空の筒状体である。即ち、胴部31の内部には、中空部分30が設けられており、胴部31の両端は開口する(図2(A)、図3(B))。胴部31の外周面に上記第1巻線1が巻回される。胴部31へ巻回されて筒状体にされた第1巻線1の外周に、絶縁部材4を介して第2巻線2が巻回される。
図3(A)(B)へ示す通り、この実施の形態において、胴部3は、断面が略矩形である四角柱状の筒状体であるが、断面が円形の円筒としても実施できる。更に胴部31は、断面が三角形や五角形以上の多角形である角柱状の筒状体としても実施できる。
突出部32は、胴部31表面即ち胴部31外周面よりも当該胴部31の径外方向へ突出する。この実施の形態において、突出部32は胴部31の外径よりも径の大きなフランジである。当該突出部32にて、胴部31に巻回された巻線が胴部31から抜けるのを防止する。
図2(A)(B)へ示す通り、胴部31の軸方向を上下方向として縦に置かれたボビン3において、上方の突出部32の下面と下方の突出部32の上面は、夫々第1規制面33と第2規制面34と段差部35とを備える。以下、必要に応じて上方の突出部32の上記下面と下方の突出部32上記上面とを夫々突出部32の内側面と呼ぶ。
第1規制面33は、突出部32の内側面において、胴部31の径内外方向について胴部31へ隣接して設けられた環状の領域である。第1規制面33は、胴部31に巻回された第1巻線1の呈する筒状体端部を臨む。第1規制面33は、胴部31へ巻回された第1巻線1の胴部31の軸方向についての移動を規制し、第1巻線1の端部の位置を規定する。
第2規制面34は、突出部32の内側面において、第1規制面33の外側へ設けられて第1規制面32に隣接する環状の領域である。第2規制面34は、第1巻線1の外周面に巻回された第2巻線2の呈する筒状体端部を臨む。第2規制面34は、第2巻線2の胴部31の軸方向についての移動を規制し、第2巻線2の端部の位置を規定する。
上記段差部35は、互いに隣接する第1規制面33と第2規制面34との間へ形成される。
具体的には、胴部31の上端側の突出部32において、第2規制面34は、第1規制面33よりも上方へ位置し、胴部31の下端側の突出部32において、第2規制面34は、第1規制面33よりも下方へ位置する。上記段差部35は、第1規制面33と第2規制面34との間へ形成される。胴部31の軸方向についての段差部35の幅は、第1規制面33と第2規制面34とにおける、高さの差である。
段差部35は、胴部31の軸方向へ沿って真っすぐ上下に伸びると共に当該軸方向から見て環状に形成されて、胴部31の径外方向を臨む。
第1規制面33と第2規制面34との上記位置の相違にて、第2巻線部2の呈する筒状体の上端は、第1巻線部1の呈する筒状体の上端よりも上方に配置でき、前記第2巻線部2の筒状体の下端は、第1巻線部1の筒状体の下端よりも下方に配置できる。
上記段差部35の形成により、ボビン3に巻かれた第1巻線1と第2巻線2夫々の端部と対応する第1規制面33と第2規制面34の両面は、ボビン3の径内外方向について、面一でない。
段差部35の胴部31軸方向についての幅w(図2(B))により、JIS C 61558−1:2008(表13)に規定されている延面距離を容易に確保することができる。当該幅wは、適宜寸法に設定すればよいが、一次二次の両巻線をエナメル線とし、動作電圧を25V〜1000Vとする場合、上記幅wを上記6mm乃至8mmとするのが適切である。上記幅wが上記6mmを下回ると、第1巻線1と第2巻線2の端部同士が接近しすぎてショートの可能性が大きくなる。上記幅wが8mmを超えると、変圧器が嵩高となるのみならず、変圧に支障の出る危惧が生じる。
また、動作電圧、巻線の素材又は巻線の寸法を変更する場合も、上記幅wを6mmより小さいものとし或いは8mmより大きいものとして対応することができる。
この実施の形態では、上記の通り、上方の突出部32と下方の突出部32の夫々に上記段差部35を設けることによって、上方の突出部32の第2規制面34と下方の突出部32の第2規制面34間の距離は、上方の突出部32の第1規制面33と下方の突出部32の第1規制面33の間の距離よりも大きい。
第2規制面34は、突出部32の内側面において、第1規制面33の外側へ設けられて第1規制面32に隣接する環状の領域である。第2規制面34は、第1巻線1の外周面に巻回された第2巻線2の呈する筒状体端部を臨む。第2規制面34は、第2巻線2の胴部31の軸方向についての移動を規制し、第2巻線2の端部の位置を規定する。
上記段差部35は、互いに隣接する第1規制面33と第2規制面34との間へ形成される。
具体的には、胴部31の上端側の突出部32において、第2規制面34は、第1規制面33よりも上方へ位置し、胴部31の下端側の突出部32において、第2規制面34は、第1規制面33よりも下方へ位置する。上記段差部35は、第1規制面33と第2規制面34との間へ形成される。胴部31の軸方向についての段差部35の幅は、第1規制面33と第2規制面34とにおける、高さの差である。
段差部35は、胴部31の軸方向へ沿って真っすぐ上下に伸びると共に当該軸方向から見て環状に形成されて、胴部31の径外方向を臨む。
第1規制面33と第2規制面34との上記位置の相違にて、第2巻線部2の呈する筒状体の上端は、第1巻線部1の呈する筒状体の上端よりも上方に配置でき、前記第2巻線部2の筒状体の下端は、第1巻線部1の筒状体の下端よりも下方に配置できる。
上記段差部35の形成により、ボビン3に巻かれた第1巻線1と第2巻線2夫々の端部と対応する第1規制面33と第2規制面34の両面は、ボビン3の径内外方向について、面一でない。
段差部35の胴部31軸方向についての幅w(図2(B))により、JIS C 61558−1:2008(表13)に規定されている延面距離を容易に確保することができる。当該幅wは、適宜寸法に設定すればよいが、一次二次の両巻線をエナメル線とし、動作電圧を25V〜1000Vとする場合、上記幅wを上記6mm乃至8mmとするのが適切である。上記幅wが上記6mmを下回ると、第1巻線1と第2巻線2の端部同士が接近しすぎてショートの可能性が大きくなる。上記幅wが8mmを超えると、変圧器が嵩高となるのみならず、変圧に支障の出る危惧が生じる。
また、動作電圧、巻線の素材又は巻線の寸法を変更する場合も、上記幅wを6mmより小さいものとし或いは8mmより大きいものとして対応することができる。
この実施の形態では、上記の通り、上方の突出部32と下方の突出部32の夫々に上記段差部35を設けることによって、上方の突出部32の第2規制面34と下方の突出部32の第2規制面34間の距離は、上方の突出部32の第1規制面33と下方の突出部32の第1規制面33の間の距離よりも大きい。
図3(A)へ示す通り、突出部32の外縁には、各巻線1,2を端子7にへ接続するために、複数の切欠部36が設けられている。このような切欠部36は、複数配列されて、突出部32の外縁に櫛状の部分を構成する。
(絶縁部材4)
絶縁部材4は、この実施の形態において、電気絶縁性を備えたシート状体である。
上記シート状体としては、油紙、布、又は、丸めて筒状とすることができる柔軟な樹脂にて形成されたものを採用することができる。また、シート状体として、粘着剤が塗布されたテープを採用することもできる。
この実施の形態では、絶縁部材4は、柔軟なシート状のプラスチックにて形成されている。
絶縁部材4は、ボビン3の胴部31へ巻回されて筒状体とされた第1巻線1の当該筒状体の外周面を被覆する。当該被覆において、胴部31軸方向へ伸び、絶縁部材4は、第1巻線1が呈する筒状体の端部からはみ出して、上記段差部35を覆う。
第1巻線1の呈する上記筒状体外周面に沿って筒状にされた絶縁部材4の外周面に、上記の通り第2巻線2が巻回される。
第2巻線2は、図2(A)(B)へ示すように、上記絶縁部材4に覆われた段差部35にも巻回されて、前述の通り、第2巻線2が呈する筒状体の端部は、胴部31軸方向について、上記第1巻線1が呈する筒状体の端部と異なる位置に配置される。
尚、この実施の形態では、第2巻線2の呈する筒状体の外周面を覆う、被覆部材8が設けられている。被覆部材8は、電気絶縁性を備えたシート状体である。被覆部材8は、上記において絶縁部材4の素材として例示した素材を採用して実施することができる。但し被覆部材8を設けずに実施してもよい。
絶縁部材4は、この実施の形態において、電気絶縁性を備えたシート状体である。
上記シート状体としては、油紙、布、又は、丸めて筒状とすることができる柔軟な樹脂にて形成されたものを採用することができる。また、シート状体として、粘着剤が塗布されたテープを採用することもできる。
この実施の形態では、絶縁部材4は、柔軟なシート状のプラスチックにて形成されている。
絶縁部材4は、ボビン3の胴部31へ巻回されて筒状体とされた第1巻線1の当該筒状体の外周面を被覆する。当該被覆において、胴部31軸方向へ伸び、絶縁部材4は、第1巻線1が呈する筒状体の端部からはみ出して、上記段差部35を覆う。
第1巻線1の呈する上記筒状体外周面に沿って筒状にされた絶縁部材4の外周面に、上記の通り第2巻線2が巻回される。
第2巻線2は、図2(A)(B)へ示すように、上記絶縁部材4に覆われた段差部35にも巻回されて、前述の通り、第2巻線2が呈する筒状体の端部は、胴部31軸方向について、上記第1巻線1が呈する筒状体の端部と異なる位置に配置される。
尚、この実施の形態では、第2巻線2の呈する筒状体の外周面を覆う、被覆部材8が設けられている。被覆部材8は、電気絶縁性を備えたシート状体である。被覆部材8は、上記において絶縁部材4の素材として例示した素材を採用して実施することができる。但し被覆部材8を設けずに実施してもよい。
(鉄心5)
図1へ示す通り、複数の鉄心5は、重ねて配置される。
図2(A)へ示す通り、各鉄芯5は、主要部と、主要部と別体に形成された副架橋部55とを備える。主要部は、一体に形成された、内配置部51と左右の外配置部52,53と架橋部54とを備える金属片である。
変圧器の正面視において、内配置部51は縦に伸び、左外配置部52は内配置部51の左方にて内配置部51と平行に伸び、右外配置部53は内配置部51の右方にて内配置部51と平行に伸びる。架橋部54は、横方向に伸びて左外配置片52の一端と内配置部51の一端とを繋ぎ更に内配置部51の当該一端と右外配置片53の上端とを繋ぐ。
副架橋部55は、正面視矩形の金属片であり、正面視において、主要部に対し、上記架橋部54の反対側に配置されて横方向に伸びる。
具体的には、正面視において、主要部は、略E字形を呈し、別体の副架橋部55がI字形を呈し、主要部と副架橋部55とが略「日」字形を呈するように両者を配列し、1枚の鉄芯5を形成する。この配列に際し、先ずE字形の主要部の中央にある内配置部51を、ボビン3の一端側より中空部分30に収容する。そして、ボビン3の他端側にI字形の副架橋部を配置することにて上記「日」字形の配列を完成させる。
図2(A)では、主要部が副架橋部55の上方に位置しているが、主要部と副架橋部55の上下の位置関係は交互に変えておく。即ち、一枚の鉄芯5において、主要部を副架橋部55の上方に配置した場合、その隣の鉄芯5については、副架橋部55を主要部の上方に配置する。このような配列を鉄芯5間で交互に繰り返す。
図1へ示す通り、複数の鉄心5は、重ねて配置される。
図2(A)へ示す通り、各鉄芯5は、主要部と、主要部と別体に形成された副架橋部55とを備える。主要部は、一体に形成された、内配置部51と左右の外配置部52,53と架橋部54とを備える金属片である。
変圧器の正面視において、内配置部51は縦に伸び、左外配置部52は内配置部51の左方にて内配置部51と平行に伸び、右外配置部53は内配置部51の右方にて内配置部51と平行に伸びる。架橋部54は、横方向に伸びて左外配置片52の一端と内配置部51の一端とを繋ぎ更に内配置部51の当該一端と右外配置片53の上端とを繋ぐ。
副架橋部55は、正面視矩形の金属片であり、正面視において、主要部に対し、上記架橋部54の反対側に配置されて横方向に伸びる。
具体的には、正面視において、主要部は、略E字形を呈し、別体の副架橋部55がI字形を呈し、主要部と副架橋部55とが略「日」字形を呈するように両者を配列し、1枚の鉄芯5を形成する。この配列に際し、先ずE字形の主要部の中央にある内配置部51を、ボビン3の一端側より中空部分30に収容する。そして、ボビン3の他端側にI字形の副架橋部を配置することにて上記「日」字形の配列を完成させる。
図2(A)では、主要部が副架橋部55の上方に位置しているが、主要部と副架橋部55の上下の位置関係は交互に変えておく。即ち、一枚の鉄芯5において、主要部を副架橋部55の上方に配置した場合、その隣の鉄芯5については、副架橋部55を主要部の上方に配置する。このような配列を鉄芯5間で交互に繰り返す。
(鉄心固定部6)
鉄心固定部6は、重ねられた上記複数の鉄心5を束ねて固定する。
具体的には、図1へ示す通り、鉄心固定部6は、押え片61と、締結具62とを備える。押え片61は、重ねられた鉄心5の正面側と背面側において上方と下方の夫々に配置される。締結具62はボルト・ナット、ネジ、ピン等座面を備えた周知の固定具を採用することができる。
締結具62は、上記正面側の押え片61と鉄心5の束と上記背面側の押え片61とに通されて、鉄心5と前後両押え片61とを一体に固定する。
鉄心固定部6は、重ねられた上記複数の鉄心5を束ねて固定する。
具体的には、図1へ示す通り、鉄心固定部6は、押え片61と、締結具62とを備える。押え片61は、重ねられた鉄心5の正面側と背面側において上方と下方の夫々に配置される。締結具62はボルト・ナット、ネジ、ピン等座面を備えた周知の固定具を採用することができる。
締結具62は、上記正面側の押え片61と鉄心5の束と上記背面側の押え片61とに通されて、鉄心5と前後両押え片61とを一体に固定する。
(端子7)
端子7は、図1へ示す通り、上記上方の押え片61に設けられた端子台に取り付けられる。
前述の通り、図3(A)へ示す切欠部36を通じて、端子7へ各巻き線の導線が接続される。
端子7は、図1へ示す通り、上記上方の押え片61に設けられた端子台に取り付けられる。
前述の通り、図3(A)へ示す切欠部36を通じて、端子7へ各巻き線の導線が接続される。
(変更例)
図示した実施の形態において、胴部31の上方と下方に位置する双方の突出部32へ段差部35を設けるものとしたが、端子のある上方の突出部32にのみ段差部35を設けて、下方の突出部32には段差部35を設けないものとしても実施できる。但し、上下双方の突出部32へ段差部35を設けておくのが、絶縁の面でも絶縁部材の取り付けの面でも好ましい。
図示した実施の形態と異なり、上方の突出部32の内側面において、第1規制面33は、第2規制面34よりも上方へ位置し、下方の突出部32の内側面において、第1規制面33は、第2規制面34よりも下方に位置するものとし、第1巻線1呈する筒状体の上端を、第2巻線2の呈する筒状体の上端よりも上方に配置し、第1巻線1の呈する筒状体の下端を、第2巻線2の呈する筒状体の下端よりも下方に配置するものとしてもよい。この場合、突出部32は、胴部31と別体に形成されて胴部31に対し着脱自在に固定されるものとすればよい。
図示した実施の形態において、下巻きとされる第1巻線1を入力側の一次巻線とし、上巻きとされる第2巻線2を出力側の二次巻線としたが、これとは逆に、第1巻線1を二次巻線とし、第2巻線2を一次巻線としてもよい。
図示した実施の形態では、上方の突出部32と下方の突出部32の夫々に上記段差部を設けることによって、上方の突出部32の第2規制面34と下方の突出部32の第2規制面34間の距離は、上方の突出部32の第1規制面33と下方の突出部32の第1規制面33の間の距離よりも大きいものとした。即ち、第2巻線2のボビン3軸方向の長さは、第1巻線1のボビン3軸方向の長さよりも長いものとした。
この他、第1規制面33と第2規制面34とは、ボビン3の軸方向について位置が異なるものであっても、上下の両第1規制面33間の距離と、上下の第2規制面34間の距離とは、同じものとし、第2巻線2のボビン3軸方向の長さを第1巻線2より長いものとしても実施できる。
例えば、上方の第2規制面34を上方の第1規制面33よりも上方に配置すると共に下方の第2規制面34を下方の第1規制面33よりも上方に配置するものとしても実施でき、また、上方の第2規制面34を上方の第1規制面33よりも下方に配置すると共に下方の第2規制面34を下方の第1規制面33よりも下方に配置するものとしても実施できるのである。
図示した実施の形態において、変圧器が備える巻線を第1巻線1と第2巻線2の2本としたが、単なる例示であり、当該第1巻線1と第2巻線2と共に第3巻線を備えるものとしても実施できる。例えば、第1巻線1の呈する筒状体と同心となるよう第1巻線1の上に巻かれた第2巻線2に対し当該第2巻線2の上に更に上記第3巻線を巻回するものとした場合、ボビン3の胴部31の径の内外方向について、前述の段差部35とは別の段差部を、前述の段差部35の外側へ設けるものとし、第2巻線2と第3巻線との間に介する絶縁部材4の端部を沿わせるものとしても実施できる。
図示した実施の形態において、胴部31の上方と下方に位置する双方の突出部32へ段差部35を設けるものとしたが、端子のある上方の突出部32にのみ段差部35を設けて、下方の突出部32には段差部35を設けないものとしても実施できる。但し、上下双方の突出部32へ段差部35を設けておくのが、絶縁の面でも絶縁部材の取り付けの面でも好ましい。
図示した実施の形態と異なり、上方の突出部32の内側面において、第1規制面33は、第2規制面34よりも上方へ位置し、下方の突出部32の内側面において、第1規制面33は、第2規制面34よりも下方に位置するものとし、第1巻線1呈する筒状体の上端を、第2巻線2の呈する筒状体の上端よりも上方に配置し、第1巻線1の呈する筒状体の下端を、第2巻線2の呈する筒状体の下端よりも下方に配置するものとしてもよい。この場合、突出部32は、胴部31と別体に形成されて胴部31に対し着脱自在に固定されるものとすればよい。
図示した実施の形態において、下巻きとされる第1巻線1を入力側の一次巻線とし、上巻きとされる第2巻線2を出力側の二次巻線としたが、これとは逆に、第1巻線1を二次巻線とし、第2巻線2を一次巻線としてもよい。
図示した実施の形態では、上方の突出部32と下方の突出部32の夫々に上記段差部を設けることによって、上方の突出部32の第2規制面34と下方の突出部32の第2規制面34間の距離は、上方の突出部32の第1規制面33と下方の突出部32の第1規制面33の間の距離よりも大きいものとした。即ち、第2巻線2のボビン3軸方向の長さは、第1巻線1のボビン3軸方向の長さよりも長いものとした。
この他、第1規制面33と第2規制面34とは、ボビン3の軸方向について位置が異なるものであっても、上下の両第1規制面33間の距離と、上下の第2規制面34間の距離とは、同じものとし、第2巻線2のボビン3軸方向の長さを第1巻線2より長いものとしても実施できる。
例えば、上方の第2規制面34を上方の第1規制面33よりも上方に配置すると共に下方の第2規制面34を下方の第1規制面33よりも上方に配置するものとしても実施でき、また、上方の第2規制面34を上方の第1規制面33よりも下方に配置すると共に下方の第2規制面34を下方の第1規制面33よりも下方に配置するものとしても実施できるのである。
図示した実施の形態において、変圧器が備える巻線を第1巻線1と第2巻線2の2本としたが、単なる例示であり、当該第1巻線1と第2巻線2と共に第3巻線を備えるものとしても実施できる。例えば、第1巻線1の呈する筒状体と同心となるよう第1巻線1の上に巻かれた第2巻線2に対し当該第2巻線2の上に更に上記第3巻線を巻回するものとした場合、ボビン3の胴部31の径の内外方向について、前述の段差部35とは別の段差部を、前述の段差部35の外側へ設けるものとし、第2巻線2と第3巻線との間に介する絶縁部材4の端部を沿わせるものとしても実施できる。
更に変圧器は、4本以上の巻線を備えるものとしても実施できる。巻線を4本以上とし各巻線を胴部31の径の内外方向について夫々同心となるように巻回する場合、3つ以上の段差部を設けて実施すればよい。巻線を3本以上備える場合も、言及しなかった構成については、図示した実施の形態と同様である。
また、図示した実施の形態において、ボビン3は軸方向を上下とするよう縦に配置されたものを示したが、軸方向を横方向とするように横に配置されるものとしても実施できる。また、ボビン3は、軸方向が斜めとなるように配置されるものとしてもよい。
また、ボビン3は、突出部32として、フランジを備えるものとしたが、突出部32は、胴部31の端部から胴部31の径外方向へ放射状に複数の突起にて構成されるものとしても実施できる。
図示した実施の形態において、絶縁部材4は、シート状体としたが、当初より筒状体として成形されたプラスチック製のものとしても実施できる。
また、本願発明において、変圧器には、コイルを含むものであり、上記の鉄心を備えないものとしても実施できる。鉄心を備えない場合も、他の構成については図示した実施の形態と同様である。
また、図示した実施の形態において、ボビン3は軸方向を上下とするよう縦に配置されたものを示したが、軸方向を横方向とするように横に配置されるものとしても実施できる。また、ボビン3は、軸方向が斜めとなるように配置されるものとしてもよい。
また、ボビン3は、突出部32として、フランジを備えるものとしたが、突出部32は、胴部31の端部から胴部31の径外方向へ放射状に複数の突起にて構成されるものとしても実施できる。
図示した実施の形態において、絶縁部材4は、シート状体としたが、当初より筒状体として成形されたプラスチック製のものとしても実施できる。
また、本願発明において、変圧器には、コイルを含むものであり、上記の鉄心を備えないものとしても実施できる。鉄心を備えない場合も、他の構成については図示した実施の形態と同様である。
1 第1巻線
2 第2巻線
3 ボビン
4 絶縁部材
5 鉄心
2 第2巻線
3 ボビン
4 絶縁部材
5 鉄心
Claims (3)
- 一次巻線及び二次巻線の少なくとも2つの導線の巻線と、ボビンと、絶縁部材とを備え、前記一次巻線と二次巻線の一方を第1巻線とし他の一方を第2巻線として、前記ボビンは、第1巻線が巻回される胴部と、前記胴部の両端に設けられて胴部表面よりも当該胴部の径外方向へ突出する突出部とを備え、前記絶縁部材を介してボビンに巻回された第1巻線の上に第2巻線が巻回され、突出部は、第1巻線及び第2巻線が前記胴部の端部から脱落するのを防止する変圧器において、
前記突出部は、前記胴部に巻回されて筒状体にされた前記第1巻線の端部を臨む第1規制面と、第1巻線の当該筒状体に巻回されて筒状体にされた前記第2巻線の端部を臨む第2規制面とを備え、
前記第2規制面は、前記胴部の径の内外方向について前記第1規制面と隣接するものであり、前記第2規制面が前記胴部の軸方向について前記第1規制面と異なる位置に設けられることにより、前記第1規制面と第2規制面との間には、前記胴部の軸方向に沿って伸びる段差部が形成され、
上記ボビンの径内外方向について上記第2規制面が上記第1規制面と面一とならないものであり、
前記絶縁部材は、前記第2巻線に対し前記第1巻線が呈する筒状体外周面を覆うと共に、前記第1巻線が呈する筒状体の端部からはみ出して上記段差部へ沿うものであることを特徴とする変圧器。 - 前記胴部の軸方向が上下方向となるよう前記胴部を縦に配置した状態において、
前記突出部は、前記胴部の上端と下端に設けられて横方向へ突出するものであり、前記胴部の上端側の突出部において、前記第2規制面は、上記段差部によって前記第1規制面よりも上方へ位置し、
前記胴部の下端側の突出部において、前記第2規制面は、上記段差部によって前記第1規制面よりも下方へ位置するものであり、
前記第2巻線が呈する筒状体の上端は、第1巻線が呈する筒状体の上端よりも上方に配置され、
前記第2巻線が呈する筒状体の下端は、第1巻線が呈する筒状体の下端よりも下方に配置され、
前記絶縁部材は、前記第1巻線部が呈する筒状体の上下の端部から、前記段差部側へ前記胴部の軸方向へ沿って上方及び下方へ向け延設されたものであり、
前記絶縁部材は、筒状体若しくは丸めて筒状体にすることができるシート状体であり、前記絶縁部材が呈する筒状体端部の内周面が、上記段差部に沿うものであることを特徴とする請求項1記載の変圧器。 - 前記胴部は中空であり、前記胴部の当該中空の内部へ鉄心が通され、
前記突出部は、前記胴部の外径よりも径の大きなフランジであり、前記第1規制面は、前記突出部における前記胴部側の面へ設けられて胴部の径外側へ位置する面であり、前記第2規制面は、前記突出部の前記胴部側の面において前記第1規制部の径外側へ位置する面であり、
前記段差部の段差は、前記胴部の軸方向について、6mm〜8mmの幅を備えたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の変圧器。
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- 2012-02-17 JP JP2012033294A patent/JP2013171884A/ja active Pending
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