JP2013171737A5 - - Google Patents

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前記制御部は、前記燃料電池の発電停止後の経過時間が第1所定経過時間(例えば、実施形態における所定経過時間TMSOKERまたは第1所定経過時間T1)前に、前記燃料電池の総電圧の変化幅が総電圧変化幅閾値(例えば、実施形態における総電圧変化幅閾値Vfcva)を超えたときに、前記燃料電池システムの流路封止の漏れ異常と判定する構成としてもよい。
燃料電池の総電圧が総電圧変化幅閾値を超えた場合には、燃料電池の総電圧の変化幅が大きくなっているので、燃料電池の総電圧が上昇に転じたと判断できる。そして、この現象が第1所定経過時間前に発生した場合には、燃料電池システムの流路封止に漏れ異常があると判定することができる。
前記制御部は、前記燃料電池の発電停止後の経過時間が第2所定経過時間(例えば、実施形態における所定経過時間TMSOKERまたは第2所定経過時間T2)前に、前記アノード流路の圧力および前記カソード流路の圧力のうち少なくとも一方が圧力低下から圧力上昇に転じたときに、前記燃料電池システムの流路封止の漏れ異常と判定する構成としてもよい。
アノード流路の圧力および前記カソード流路の圧力のうち少なくとも一方が圧力低下から圧力上昇に転じる現象が、第2所定経過時間前に発生したと判断された場合には、燃料電池システムの流路封止に漏れ異常があると判定することができる。
前記制御部は、前記燃料電池の発電停止後の経過時間が第3所定経過時間(例えば、実施形態における所定経過時間TMSOKERまたは第3所定経過時間T3)前に、前記アノード流路の酸素濃度の変化幅および前記カソード流路の酸素濃度の変化幅のうち少なくとも一方が酸素濃度変化幅閾値(例えば、実施形態におけるアノード側酸素濃度変化幅閾値O2anvaまたはカソード側酸素濃度変化幅閾値O2cava)を超えたときに、前記燃料電池システムの流路封止の漏れ異常と判定する構成としてもよい。
アノード流路の酸素濃度の変化幅およびカソード流路の酸素濃度の変化幅のうち少なくとも一方が酸素濃度変化幅閾値を超えた場合には、酸素濃度の変化幅が大きくなっているので、酸素濃度が急上昇したと判断できる。そして、この現象が第3所定経過時間前に発生した場合には、各流路封止の漏れ異常があると判定する。
前記制御部は、前記燃料電池の発電停止後の経過時間が第3所定経過時間(例えば、実施形態における所定経過時間TMSOKERまたは第3所定経過時間T3)前に、前記アノード流路の酸素濃度および前記カソード流路の酸素濃度のうち少なくとも一方が酸素濃度閾値を超えたときに、前記燃料電池システムの流路封止の漏れ異常と判定する構成としてもよい。
アノード流路の酸素濃度およびカソード流路の酸素濃度のうち少なくとも一方が酸素濃度閾値を超えた場合には、酸素濃度の絶対値が大きくなっているので、酸素濃度が急上昇したと判断できる。そして、この現象が第3所定経過時間前に発生した場合には、各流路封止の漏れ異常があると判定する。
図2に戻り、所定経過時間TMSOKERの後には、アノード流路21において水素ガスが少なくなり酸素ガスが多くなる。これにより、アノード流路21およびカソード流路22ともに酸素ガスが多くなる。そのため、所定時間経過後の燃料電池の次回起動は、最初のガス状態として両極に空気が豊富(酸素リッチ)に導入されている状態で起動する(エア・エア起動する)ことになる。
上述した現象1〜3は、封止弁の僅かなリークによりアノード流路21およびカソード流路22に空気が流入することで発生する。なお封止性能が正常な封止弁でも、不可避的に僅かなリークが存在するので、上述した現象1〜3が発生する。アノード側およびカソード側における封止弁の封止性能が正常な場合、図5の第1所定経過時間T1、図3の第2所定経過時間T2、並びに図4の第3所定経過時間T3は、ほぼ同じ値(所定経過時間TMSOKER)になる。なお、アノード流路21の水素ガスが完全になくなってから酸素濃度が顕著に上昇すると考えられるので、第3所定経過時間T3は、第1所定経過時間T1および第2所定経過時間T2より長くなる場合もある。
これに対して、アノード側およびカソード側における封止弁の封止性能に不均衡があると、各所定経過時間は異なる値になる。例えば、アノード側の封止性能が大幅に低下すると、アノード流路21の水素ガスが流出するため、総電圧の上昇(現象1)は発生せず、各流路の圧力上昇(現象2)および酸素濃度の急上昇(現象3)が先に発生する。この場合の第1所定経過時間T1は、第2所定経過時間T2および第3所定経過時間T3より長くなる。
図6は燃料電池の発電停止後の経過時間とアノード流路のガス濃度との関係を示す模式的なグラフであり、図6(a)は封止弁の封止性能が正常の場合であり、図6(b)は封止弁の封止性能が低下した場合である。なお図6(a)は、図2のグラフを模式的に示したものである。
図6(a)に示すように、燃料電池の発電停止後の経過時間(ソーク時間)が所定経過時間TMSOKERより前のアノード流路21は水素リッチな状態であるが、所定経過時間TMSOKERより後のアノード流路21は酸素リッチな状態になり、エア・エア起動となる。なお所定経過時間TMSOKERは、封止性能が正常な封止弁によりエア・エア起動とならないように封止できる封止有効期間と言える。
図6(b)に示すように、封止弁の封止性能が低下してリークが大きくなると、アノード流路21に多量の空気が流入し、空気中の酸素ガスが水素ガスと反応する。そのため、水素濃度が急低下する。また、アノード流路21に酸素ガスが残存しやすくなるので、酸素濃度が急上昇する。そのため、アノード流路21が酸素リッチになる時間は、図6(a)の所定経過時間TMSOKERより短くなっている。この場合には、エア・エア起動となる回数が増加して、燃料電池の劣化が促進されることになる。そのため、所定経過時間TMSOKERより前のソーク時間TMSOKにおいて、上述した現象1〜3が発生した場合には、封止弁の封止性能が低下した(漏れ異常がある)と判断することができる。
次に、燃料電池の発電停止後の経過時間(ソーク時間)TMSOKを計測する(S12)。ソーク時間の計測は、燃料電池が発電停止してから所定時間ごとに定期的に、タイマー46の経過時間を読み取ることによって行う。
次に、各センサにより燃料電池の状態量を計測する(S14)。具体的には、圧力センサ41aによりアノード流路21内の圧力Panを計測し、圧力センサ41cによりカソード流路22内の圧力Pcaを計測する。また、電圧センサ42により燃料電池11の総電圧Vfcを計測する。さらに、酸素濃度センサ43aによりアノード流路21内の酸素濃度O2anを計測するとともに、酸素濃度センサ43cによりカソード流路22内の酸素濃度O2caを計測する。
一方、S18の判断がYesの場合は、上述した現象1〜3が発生したと判断できる。
ただし、流路封止が正常でも所定経過時間後には不可避的に現象1〜3が発生するのであるから、直ちに漏れ異常があると判定することはできない。そこでS22に進み、現在のソーク時間TMSOKが、封止性能が正常な封止弁の所定経過時間TMSOKERより短いか判断する。図6(b)を用いて説明したように、所定経過時間TMSOKERより前に現象1〜3が発生した場合には、封止弁の漏れ異常があると判断できる。そこで、S22の判断がYesの場合はS24に進み、各流路封止の漏れ異常(リーク故障)があると判定する。
図8は、燃料電池システムの停止温度と所定経過時間との関係を示すグラフである。所定経過時間TMSOKERは、封止弁の封止性能が正常な場合に現象1〜3が発生するまでの時間であって、一定値である。ただし燃料電池の温度が高くなると、シール各部のガス透過性が高まるため、封止性能が低下する。この場合には、図6(b)を用いて説明したように、現象1〜3が発生するまでの時間が短くなる。図8のグラフでは、燃料電池システムの停止温度が高くなるほど、ソーク中の燃料電池の温度が高くなるため、所定経過時間TMSOKERが短くなっている。そこで、図8のグラフから算出した所定経過時間TMSOKERを用いれば、漏れ異常の判定を精度よく行うことができる。なお、燃料電池システムの停止温度としては、燃料電池の発電停止時における冷媒温度を用いることができる。
また、実施形態では所定経過時間TMSOKERより前のソーク時間TMSOKにおいて、上述した現象1〜3が発生した場合には、流路封止の漏れ異常があると判定した。これに対して、一律に所定経過時間TMSOKERを使用することなく、現象1については第1所定経過時間T1を使用し、現象2については第2所定経過時間T2を使用し、現象3については第3所定経過時間T3を使用して判定してもよい。
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